...

電子機器組立て2級技能士検定の受検について

by user

on
Category: Documents
25

views

Report

Comments

Transcript

電子機器組立て2級技能士検定の受検について
電子機器組立て2級技能士検定の受検について
愛知県立起工業高等学校
電子工学科
1
吉田
豊
はじめに
昨年7月に愛知県高等学校工業教育研究会による、県内の工業科教職員の指 導 力 及び専門
性の向上を目的として 、「平成21 年度愛知県工業高等学校教職員実技講習会(電子機器組立
て2級技能士)」の開催があると知 り、自身の技 能 向 上と生徒への技術指導力向上を目指 し、
講習会へ参加する事にしました。
2
技能検定とは
(1)
技能検定とは
技能検定は、「働 く人々の有する技 能を一定の基準により検定し、国として証明する
「国家検定制度」です。現 在124職種について、実施されています。
技能検定には、等級区分が あ り、現在、特 級、1級、 2級、3級 に区分されています 。
今回受験した2級は 、「中級技能者 が通常有すべき技能程度」とされているものになりま
す。
(2)
試験内容
試験は、検定職種ごとに実技試験及び学 科 試 験が行なわれます 。
実技試験は、試験日に 先だってその 課題が公表されます。試験時間 は標準時間を 4時間、
打切り時間を4時間30分 として行な わ れ ま す。
学科試験は試験時間1時間 40分とし、問題数は50題(A群25題 、B群25題)あり 、
A群は真偽法(○か×)、B群は多肢択一法(4択)で、マークシート用紙 に解答します。
(3)
受験資格
受験資格は、職種、 等級により規定 があります。 電子機器組立 て2級では 、「2年以上
の実務経験を有する」となっています。
(4)
合格基準
合格基準は、100点を満 点として、実 技 試 験60点以上、学科試験65点以上と 定め
られています。
3
講習会について
(1)
期間
平成20年度10月∼3月 に12回
(2)
時間
9時∼17時(昼休み60分)
(3)
会場
平成2 1年度4月∼7月 に12回の計24 回
アイシン精機(株)
(4)
指導員
アイシン精機(株)
4
人材育成センターアイシン高 等 学 園
人材育成センターアイシン高等学園指導員
講習会の流れ
(1)
日程表
表1
日程表
平成20年度
回
月日(曜日)
平成21年度
内容
回
月日(曜日)
内容
1
10月10日(金)
オリエンテーション
13
4月17日(金)
課題製作③
2
10月24日(金)
要素作業訓練①
14
5月
要素作業訓練
3
10月31日(金)
要素作業訓練②
15
5月15日(金)
課題製作④
4
11月
7日(金)
要素作業訓練③
16
5月22日(金)
要素作業訓練
5
11月28日(金)
2級製作説明①
17
5月29日(金)
課題製作⑤
6
12月19日(金)
2級製作説明②
18
6月12日(金)
要素作業訓練
7
12月25日(木)
2級製作説明③
19
6月19日(金)
課題製作⑥
8
1月16日(金)
2級製作説明④
20
6月26日(金)
要素作業訓練
9
1月30日(金)
課題製作①−1
21
7月22日(水)
模擬試験2
10
2月13日(金)
課題製作①−2
22
7月24日(金)
要素作業訓練
11
3月
6日(金)
課題製作②
23
7月29日(水)
模擬試験3
12
3月19日(木)
模擬試験1
24
7月31日(金)
要素作業訓練
(2)
8日(金)
オリエンテーション
開校式、講習の進 め方、昨年 の課題を使い必要 な工具・部 品などの説明 、学園生が製作
した作品を用いた動作説明 、施設見学、は ん だ付けの基礎知識講習等を行ないました。
写真1
工具と製 作 部 品
(2)
必要工具表
表2
アイシン精機(株)より頂いた必要参考工具一覧表
工具・部品名
メーカー
型式
150mmスケール
シンワ
直尺
精密−ドライバー
HOZAN
−2.0*0.30
タイラップガン
HAGITEC
SGT−3
ワイヤストリッパ
大洋電気
YS−1
ヘビースニップ(はさみ)
HOZAN
N−838
ラジオペンチ
HOZAN
P−22
ミニチュアラジオペンチ
HOZAN
P−35
ミニチュアニッパー
HOZAN
N−31
はんだ吸い取り器
HOZAN
US−140
ハンマー
OH
HK−10
釘抜き
小山刃物製作所
C−7
ピンセット(スタンダード)
HOZAN
P−891
先曲がりピンセット
HOZAN
P−882
竹ピンセット
HOZAN
P−660−125
テスター
HIOKI
3030−10
150
D− 225
240mm
片口スパナレンチ
17
アサヒ
SS0017
両口スパナレンチ
14, 12
HOZAN
W−76
片口メガネレンチ
5.5
エスコ
EA614B−5.5
+ドライバー
No2
HOZAN
D−155−100
+ドライバー
No1
HOZAN
D−150−100
HOZAN
D−855−5.5
コテ先(平型)
HAKKO
No900M−T−2C
はんだゴテ(ストレート型)
HAKKO
No933−2
コテ支持台(クリーナー含む)
HAKKO
No633−01
BOXドライバー
(4)
5.5
要素作業訓練
ユニバーサル基板に抵抗のはんだ付け(5分間で抵抗 5本を基板に取付 ける)
写真2
ラジオペンチで抵 抗をはさむ
写 真3
ペンチの角 を利用し曲げる
写真4
片側の足を直角に 曲げた抵抗
写真6
両側とも直角に曲 げる
写真5
逆も同様に曲げる
写真7
基 板に取付けた抵抗
まずは時間を気にせず 取付ける事を主 に取り組みましたが、15分ほどかかり直角も
うまく出す事ができませんでした。繰り返 し練習し直角が出 せるようになった 所で、時
間を意識し取り組むことにしました。す る と速く取付けることで、焦っ て し ま い直角が
出せなくなってしまいました。
スピードと正確な作業 を同時に行なうことの難しさを 体験し、学校に 戻ってからも時
間を見つけ練習を繰り返しました。
(5)
2級製作説明
4回に分けて、製作課題を1 セット製作し ま し た。指導員の方から 説明、実演をして頂
きながら製作していきました。
作業としては、アイシン精機(株)の学園生達が 、実際に使用している「作業手順書」を
頂き、その内容に沿って、 順に作業を進めていきました。
「作業手順書」に は、作 業 内 容・手順・注意点が 1つ1つの作業事に 細かく記されてい
るため、分かりやすく作業 していくことができました。
作業内容としては、次のように大きく4つに 分ける事が で き ま す。
・部品加工・基板の製作
・束線
・組立て
・動作確認・フォーミング
ア
部品加工・基板の製作
(ア)
予備はんだ
予備はんだが必要な部品に 予備はんだをします。
写真8
トランスに予備はんだ
写真9
S O P I Cに予備はんだ
SOPIC、チップ 抵抗、チップコンデンサを取 付けるランド 部分に予備はんだ
をします。
写真10
(イ)
ランドへ予備は ん だ
絶縁チューブの加工
絶縁チューブを必要数切り 出します。
写真11
(ウ)
絶縁チューブ加 工
抵抗、ダイオードの 加工
抵抗、ダイオードの ピッチ出し加 工をします。加 工した抵抗、 ダイオードは 曲げ
るたびに基板に取付けるのではなく、全ての 抵抗、ダイオード を曲げてしまい、 一
度部品箱に戻します。(写真2∼6 、13)
整流用ダイオードは取付け た時に、
「JD」の文字が上から 見えるように取付 けな
ければならないため、注意 が必要です。(写真12参 照)
写真12
(エ)
整流用ダ イ オ ー ドの加工
写真13
加工し 部品箱へ戻した
部品取付け、リード 処理
背の低い部品から順に基板 に取付けていきます。
抵抗、ダイオード(写真14 ,15参照)→IC(仮付け)(写真16,1 7参照)→
集合抵抗、ディップスイッチなど(仮付け)(写真18、19参照)→コンデンサ、 L
ED(写真20,21参照)→三端子 レギュレーター 、RLYなど(仮付け)(写真22 、
23参照)
すべての部品を取付けた後 に、リードの処理 を行ないます。
抵抗などの足は同一方向を ま と め て処理する事で 基板回転数を 減らし、時間短縮
をしました。リードは長さ 2∼4㎜、高さ1.5㎜以 下で処理します。(写真24 参
照)
突き出し寸法は0.5∼2.5㎜以 下となるよう、 それ以上の長 さのあるリ ー ドは
処理します。(写真25参照)
写真14
抵抗、ダイオード取付け(表)
写真16
IC取付け(表)
写真15
抵 抗、ダイオード 取付け(裏)
写真17
IC取付け(裏)
写真18
集合抵抗など取 付け(表)
写真20
コンデンサなど 取付け(表)
写真22
背の高い部 品 取 付け(表)
写真24
(オ)
リード処理
写真19
写真21
集 合 抵 抗など取付け(裏)
コ ン デ ン サなど取付け(裏)
写真23
背の高 い部品取付け(裏)
写真 25
突き出しリード処理
はんだ付け
スルーホール基板のため、一箇所 のはんだ付けを 2回行な い ま す。1回目: 部品
面流れ、2回目パターン面 流れとして行ないます。
部品面流れは、部品 の足によって 流れやすいものと、流れにくいものがあり 、感
覚や流す時間を体で覚えました。少なすぎず 、多すぎずの基準 があいまいなため 、
苦労した部分でもありました。(写真26、27参照)
パターン面流れは、 長手のランド が多いため、円 を書くようにはんだ付けし 、過
不足・ツノ・流れ 不良、不要はんだなどの無いように注意し、はんだ付けしました 。
(写真28参照)
足を処理した部品は 切った面もはんだで覆わなければならないため、処理し たリ
ードをはんだで覆うことを 忘れないように注 意しながら作業しました。練 習 段 階初
期のほうでは、覆い忘れをよくしました。(写真29 参照)
写真26
部品面流れ(裏)
写真28
パターン面は ん だ付け
写真30
はんだ付け作業終了(表)
イ
写真27
部品面流れ(表)
写真2 9
はんだで覆う
写真31
はんだ付け作 業 終 了(裏)
束線
(ア)
製図
課題書にある束線図を使い 必要項目を記入します。
写真32
(イ)
製図
釘打ち
製図した束線図を束線板に敷き、 必要箇所に釘を 打ちます。釘 を打つ場所に 決ま
りは無いので、自分の作業 しやすい所へ打ち 付けていきます。 50本の釘を目標 4
分で打つために、で き る だ け少ない回数で打 ちます(2回)。初期の頃は、釘の密 集
する場所がうまく打てず 、何度も手を打 ちながら練習しました。(写真33∼35 参
照)
写真33
釘打ち1
(ウ)
引回し・束線
写真34
釘 打ち2
写 真35
釘打ち3 (完成)
束線用の線は白・黄 ・赤・黒の4 色あり、釘打ちした束線板を 使い、釘の間 を通
して束線していきます 。引回しでは アイシン精機(株)より頂いた 、
「束線引回し手順 」
にしたがって、白→黄→赤 →黒の順に決められた順序で束線していきました。し か
し、試験では「束線引回し 手順」の用紙は持 ち込めないため、 順序が頭に入らず 、
何度も練習し覚えました。 それでも、中盤で 順序を間違え る な ど、最後まで自信 の
もてなかった箇所となりました。(写真36∼39参 照)
引回した線を、タイラップで束線 していきます。 束線には、間 隔30㎜以下 、線
を出す範囲、結び目一区間 に1本などを満たしていれば、50 本あるタイラップ を
すべて使う必要がないため 、失敗時の予備として、3本は残るように束線し て い き
ました。(写真40参照)
束線ができたら、必 要な長さに切 り出し、フォーミングし ま し た。切り出す 長さ
は、手順書に従い、覚えました。(写真41参照)
写真36
写真39
白線引回し
黒線引回し
写真37
写真40
黄線引回し
束線
写真38
写真41
赤 線 引 回し
切 り出し
(エ)
端末処理・からげ
束線した線を用いて 、被覆剥ぎをします。被覆は 剥ぎ取らずに 残しておき、 ねじ
りながら剥ぐ事で時間短縮 します。そ れ ぞ れ の剥ぐ長さは手 順 書に記された長さ で
剥ぎます。(写真42参照)
剥いだ芯線に予備はんだをします 。線のひげは減 点となるため 、全面にはんだが
いきわたるようにしっかりと予備はんだをします。予備は ん だ の際、被覆の焼け ・
溶け・こげ等は減 点されるため 、慎重に根元 まで予備はんだをします。(写真43 参
照)
束線を基板や部品に取付け る際に、取付け や す い状態にフォーミングします。(写
真44参照)
トランスへのからげをしました。 トランスは穴な し端子のため 巻付け か ら げ で行
ないます。からげの方向、 巻付け方向は任意 とし、部品ごとにそろえるとされてい
ます。巻付け回数を1回 以 上、突き出し寸法 1㎜以下、剥ぎ代寸法は2㎜以下、 ビ
ニル電線とトランスとの間 隔1㎜以上と決められています。(写真45 、46参照)
写真42
被覆剥ぎ
写真45
トランスへのからげ1
ウ
写真43
芯線 の予備はんだ
写真46
写真44
フォーミング
トランスへのからげ2
組立て
(ア)
シャーシへの部 品 取 付け
シャーシに部品を取付け ま す。まずは底面 にゴム足を取付けます。(写真47参照)
次にトランスを組み付け ま す。(写真48参照)その後 、残りの部 品を取付けます 。(写
真49∼54参照)
ゴム足はねじの突き 出し0∼1㎜(指で押 して回らない 程度)で取付けます。 他の
部品は締め付けトルクが4.7kgf・cm で締め付けなければならないため、し っ か り
と締め付けますが、締めすぎるとねじがなめってしまうため、 注意して取付け ま し
た。傾きも0.5㎜以下とされているため 、トランス とスイッチの取付 けは、定規 を
あてながら、傾きの無いように取付けます。
写真47
ゴム足取付け
写真49
ヒューズホルダ 取付け
写真51
スイッチ取付け(表)
写真53
(イ)
取付け終了(裏)
写真48
写真50
トランス取付け
スイッチ取付け(裏)
写真52
写真54
傾き修正
取付け終了(裏)
部品へのからげ
シャーシに取付けた 部品と線をからげます。ソケット、ヒューズホルダ、スイッ
チは穴あき端子のため、ひっかけからげでからげます。突き出 し寸法は1㎜以下 の
ため、突き出した部分の処 理を忘れないように処理します。からげの方向は同 一 方
向であればどちらからでもよいとされています。(写真55∼57参照)
写真55
ソケットへのからげ
(ウ)
写真56
ソケットへ の か ら げ2
写真57
からげ終了
アースラグ端子と基 板の組付け
シャーシに基板を組 付けます。同 時にシャーシに アースラグ端 子も取付け ま す。
アースラグ端子は取付け箇 所と方向が決まっているため、間違 えないように取付 け
ます。(写真58∼62参照)
写真58
シャーシ・ねじ 準備
写真61
(エ)
写真59
シャーシ・ねじ 準備
基板1取付け
写 真60
写真62
ア ー ス ラ グ端子取付け
基 板2取付け
コネクタからげ
コネクタに線を取付けていきます。コネクタに取付 ける線は予備はんだをせずに 、
ねじって差し込み取付けします。ひげができ たり、被覆を噛んでしまうと原点と な
るため、剥ぎ代9㎜ で合わせます 。軽く引っ張り 、抜けない所 まで差し込みます 。(写
真63∼65参照)
写真63
コネクタからげ 1
写真64
コネクタからげ2
写真65
からげ終了
(オ)
電源コードの巻き付 けと取付け
電源コードの巻き付 けは、差込プラグをひっぱるとコードがほどける事と決 まっ
ているため、そうなるように巻き付けます。 何度か練習すればできるようになりま
した。(写真66、67参照)
電源コードの取付けは、部 品と同様に取付けます。(写真68参照)
写真66
エ
電源コード
写真67
巻き付 けた電源コード
写真68
電源コード取付け
動作確認・フォーミング
(ア)
動作確認
課題書にしたがって 動作確認を行 ないます。ま ず は感度調整を 行ないます。 次に
通常動作確認を行ないます 。(写真69、70参照)
フォーミングは見た 目を整たり、 基板、シャーシ についたゴミ 等を取り除き 、提
出前の最終チェックを行ないます。(写真71∼74 参照)
写真69
写真72
(6)
感度調整
フォーミング前
写真70
通常動作確認
写真73
フォーミング後
写 真71
フォーミング1
写真74
完成
課題製作①−1、①−2
前回で、一通りの製作方法を 習ったので、次に2 回で1セットを製 作しました。この時
点では、まだほとんどのことが頭に入っていなかったり 、細かい注意点 などを忘れてしま
ったりしていて、「作業手順書」や メモ用紙などを見 返しながら作業していきました。で
きの良し悪しなどに気を配 る余裕は無く、た だ完成させることで精一杯でした。
(7)
課題製作②
この回より、1セット1 回で製作する事になりました。1日 の作業時間が7時 間ですが、
時間いっぱい使って製作までしかできず 、動作確認や フォーミングを す る時間はありませ
んでした。
(8)
模擬試験1
講習会前半最後は模擬試験 を行ないました。本来 の試験は4時間30 分打ち切りですが 、
この時は時間は無しで 、完成した課 題をアイシン精機(株)の指導員の方 に採点していただ
き、今後の課題と現在の自 分の技術力がどの 程度か教えていただきました。
採点は100点を満点としての減点方式で行 なわれ、学園生が取 組む際に使用する「採
点基準用紙」を使い採 点していただきました。最初の 模擬試験の結果は 時間減点を入れず
に、−45.5点という結果で し た が、自分の課題が 見つかり、この講習会の難しさを再
認識できよい機会となりました。
(9)
課題製作・要素作業訓練
模擬試験1以降は、課題製作 と要素作業訓練を 交互に行なっていきました。課題製作で
は、なかなか思った通 りに時間が縮ま ら ず苦労しました 。指導員の方に 時間短縮の方法を
教えていただき、実践、工 夫を重ねました。
要素作業訓練は課題製作において、自分の不得意な部分を重 点 的に練習しました 。
(10)
模擬試験②・③
模擬試験②では、時間も含め 挑戦しました。それまでに練習してきたのですが、打ち切
り時間に間に合わず 、かつ 、動作確認で動かないトラブルに あ い、未 完 成で試験終了とな
りました。
模擬試験③では、検定前最後 の試験と言う事で 気合を入れ て の ぞ み、何とか打ち切り時
間ぎりぎりの所で 、試験を終える事 ができましたが 、講習会中 、一度も 標準時間に間に合
うことができずに、本番をむかえることになってしまいました 。
5
検定と成果
(1)
実技試験
実技試験は平成21年8月 2日(日)にアイシン精機(株)人材育成センターアイシン高
等学園で行なわれました 。1級と2 級が同会場で同時 に行なわれました 。まず 、受付で受
験票の確認を行い、ゼ ッ ケ ンをもらい、説明会場に入ります。
説明会場では、試験に関して 検定員の方から話 を聞き、終わった所で 試験会場に移動し
ます。
試験会場の入り口で 、席順の抽選を 行い、決められた席に移動します。着 席 後、指示が
あった後、各自工具を並 べ、部品の確認 を行ないます。各自が作業し て い る間に、検定員
の方が、工具のチェック を行い、不適切 なものは机上に置 けません。また 、疑問のある工
具は口答で質問され 、可・不可を決定さ れ ま す。部 品 類はこの時簡内であれば、追加・交
換が可能です。確認時間以降は、工具を 新たに取り出せません。部品は追 加・交換事に減
点されます。
チェック後、問題の訂 正 箇 所の説明があり、 試験開始と な り ま す。
試験開始後は、標準時間終了前に残 り何分と言わ れ、標準時間終了後は 、「ここからは
打ち切り時間になります」 といわれ、時 間 減 点がされます。
今回、私は本番で初めて、標準時間の4時間以内 に完成させる事ができ、時間減点はあ
りませんでした。
課題提出の時は挙手で自己申告し、検定員から タグをもらい課題 に取り付け、提出場所
に自分で運んで提出します 。
課題提出後は、各自掃除を行 います。作業態度も 減点項目にある た め、掃除ができてい
ないと減点されます 。掃除後 、試験会場から出 たら、再 び試験会場に戻る 事はできません。
(2)
学科試験
学科試験は平成21年度8 月30日(日)に大同工業大学で行なわれました。学科試験は
他職種受験の方もいるため 、会場内に何職種 か混じって行なわれます。
会場に入ると、まずは諸注意 があり、受験票のチェックが行なわれます。その後問題と
マークシート用紙が配布さ れ、試験開始となります。
学科試験も実技試験同様に 、できた者から提 出し、退出後は試験会場に戻れ ま せ ん。
学科試験は電子機器の関す る事で出題され、過去問題から何題か 出題されるため、過去
問題を何度か解けば、それほど難しくないと聞いていましたが、今年度 は問題の傾向が少
し変わり、過去にない問題が多く出 題されていたので 、少し戸 惑いましたが 、じっくり取
組めば解ける問題でした。
(3)
成果
今回、私を含め3人の職員が 講習会に参加し取 組みましたが、お互 いに協力し、情報交
換しながら、製作方法を検討しあい 、互いに 刺激しあいながら 取組み、見事全員合格する
ことができました。
6
講習会を終えての課題
まず技能検定に関しての知 識が無く、今回は アイシン精機(株)から頂いた工具一覧表にあ
るものすべてをそろえました。講習会に参加 する中で私には必 要ない工具、逆に 後に必要と
なった工具などがあり、工具全てで十数万円必要になったため 、事前知識が必要 だと感じま
した。部品は1セットで1 万円以上と高額であり、今回の講 習 会では材料費と し て、計十数
万円必要になった。調べた 所、1万円以下で 1セット買える所 も見つかったが、 部品類は同
等品で、アイシン精機(株)で使っているものと若干違うが、講 習を受けるうえでは、うまく
組み合わせて購入す れ ば も う少し材料費を押 さえる事が で き た と感じました。
1セット製作するために約 4時間の時間が必 要になります。講習会では1日集中 して取組
めるが、学校の方で練習をしようとしても、 時間がうまく作れ ず、部分練習や時 間を分けて
の練習しかできず、練習で のスキルアップは 難しかった。
アイシン精機(株 )には 、企業ノウハウを隠さず指導 していただいた 。
「 作業手順書 」など
のノウハウが無ければ、とても自力での取組 みは不可能だったのではないかと感 じた。
7
今後の課題
電子機器組立て技能士2級 は取ったというよりは、取らせていただいた感じであるため、
それを返す形で、い ろ い ろ な場所で還元で き る取り組みをしていきたいと考えています。
まずは身近な学校の中で、 他の職員や生徒に 実習などを通して 、知識・技術を伝 えていき
たいと思います。
また、生徒へは電子機器組立て技能士3級に 挑戦させるように 取り組んでいきたいと考え
ていますが、受験料・材 料 費などの問題が あ り、今後いろいろ 検討しながら取組 んでいきた
いと考えています。
来年度、ものづくりコンテスト電子回路組立 の採点にも関わっていく予定です。
電子機器組立2級技能士講習会の二期生への 指導も依頼されているため、講 習 会 用の資料
作りを進めていきたいと考 えています。
8
おわりに
国家技能検定の取得を目的 とした講習会に参 加し、電子機器組立てにおける基礎 を学ぶこ
とで熟練した技能が「ものづくり」では重要 であることを感じました。
また、継続していくことが 、技能向上には必 要であると強く感 じました。検 定 合 格で終わ
るのではなく、常に向上心 を持ち取組ん で こ そ本物の技術力を 手にできると思い 、今後も積
極的に「ものづくり」に取 り組んでいきたいと思います。
Fly UP