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女 と 男 の パ ー ト ナ ー シ ッ プ を 考 え る

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女 と 男 の パ ー ト ナ ー シ ッ プ を 考 え る
2008.3
No.
23
編/あぜりあ編集委員
女と男のパートナーシップを考える情報誌「あぜりあ」No.23
ンター ウィルながおか
女 と 男 の パ ー ト ナ ー シ ッ プ を 考 え る 情 報 誌
「ウィルながおか相談室」では、女であること、男であることか
ら抱えるさまざまな悩みを、専門の女性相談員がお聞きし解決の
方法を一緒に考えます。
「からだ・性の悩み専門相談」
「こころの
悩み専門相談」「一般相談」があります。相談は無料で、秘密は
厳守します。
[相談専用] (0258)39-9357
相談員があなたの悩みをお聞き
し、必要に応じて他の機関へのご
紹介もいたします。
担 当:ウィルながおか相談員
相談方法:面接・電話
相談日:月曜日~土曜日
(祝日はお休み)
時 間:10:00~17:00
(受付時間 16:30
家族のこと、夫婦のこと、対人
関係、生き方などの悩みについ
て、カウンセラーが相談に応じ
ます。
担 当:カウンセラー(女性)
相談方法:面接(1 時間・要予約)
相談日:毎月第 1・3 火曜日
(祝日はお休み)
時 間:10:00~12:00
年齢とともに変わるからだや健康上の心配事、体
の不調等について、専門相談員が相談に応じます。
例えばこんなこと…
・思春期の子どものからだや性のこと
・妊娠、出産、避妊、不妊について悩んでいる
・更年期をうまく乗り切るには?
担
当 ● 思春期保健相談士
保健師・助産師
相談方法 ● 面接(ひとり 1 時間・要予約)・電話
相 談 日 ● 毎月第2・4土曜日(祝日はお休み)
時
間 ● 13:00 ~ 15:00
(受付時間 14:30 まで)
まで)
相談機関
平成20年3月発行
編集/あぜりあ市民編集委員
主な内容
電話番号
子どもの心配事に関する総合相談窓口です。い
子どもサポートコール
0258-39-2216
じめ、不登校、児童虐待などの相談を受け付け
ます
長岡市青少年育成センター 非行、交友、学業、進路、男女交際、不登校、
0258-32-3745
いじめなどの問題についての面接、メール、電
少年相談
話相談に応じています
非行等の問題行動や犯罪被害に関する悩みや
0258-36-4970
長岡少年サポートセンター 困りごとを、少年本人や保護者等から受け、助
言や支援をします
いじめ、不登校問題等。24
時間電話相談(全県
新潟県いじめ相談電話
対応)、休日電話相談9~21 時 ※来所相談可 (中越)0258-35-3930
能(全県対応) 夜間電話相談
「あぜりあNo.22」が“特別賞”を受賞しました!
「あぜりあ No.22」が平成19年度「第 1 回全国女性会館協議会広報誌セッション」で“特別賞”を受賞
しました!テーマは「家事と家族の幸せな関係~見つけよう!“我が家流”~」。長岡で“我が家流”に暮
らす4家族にお話をお聞きし、家事分担について考えてみました。
*編集委員*小林幸子・佐藤直子・高橋直子・南雲香苗・樋口佳代子(あぜりあ市民編集委員)
*表紙デザイン*星野智代・目黒啓子(長岡造形大学2年)「家族のあり方を身近にある靴に例えました。
思春期の弾けるような複雑な感情を家族が共に支えながら乗り越える様子を表現しました」
*本文イラスト*吉田尚子(ウィルサポーター)
長岡市 男女平等推進センター
長岡市大手通2-2-6(ながおか市民センター2階)
℡(0258)39-2746/FAX(0258)39-2747
E-mail:[email protected]
URL:http://www.city.nagaoka.niigata.jp/will/
※ご意見・ご感想をお寄せく
ウィルながおか
発行/長岡市男女平等推進セ
【編集後記】 「あぜりあ」は公募による市民ボランティアの編集委員が企画・編集しています。
◆“思春期”は私にとって身近なテーマではありませんでした。だからいっぱい悩んで考え、勉強しました。とても愛着のあ
る一冊です。一人でも多くの方に読んでもらいたい!そんな気持ちを込めてみんなで力を合わせて作りました。(K.H)
◆生みの苦しみを痛感。でもテーマや方向性が決まったら楽になった。あぜりあの素材がわが家内にゴロゴロ転がっていた。思
春期を再確認できて良かった。(N.S)
◆あぜりあ編集委員は、学生時代の友人でもなく、仕事仲間でもなく、ママ友達でもない、新しく出会えた大切な学びの仲間。
様々な環境で生きている人達に会えることで視野が広がる。あぜりあ編集委員の魅力のひとつです。(S.K)
◆何もわからず編集委員になった私。編集会議は戸惑うこともありましたが、
「あぜりあ」が完成に近づくにつれ、楽しさも感
じるようになりました。ありがとうございました。(K.N)
◆転勤族である私。『その場所に居る間は何にでも首をつっこんでいこう!!』という気持ちからあぜりあに参加させていただ
きました。自分の考えを人に聞いてもらい、認めてもらうことに何よりも感激しました。(N.T)
思春期に関連するものを集めてみました!
①携帯電話等の使用状況
携帯電話等の使
用は、
小学生から高校
生に
31.3
27.0
小学生
「子どもが思春期で大変なのよ!」そんな声を耳にしたことはありませんか?
57.6
56.3
中学生
●見えない不安 Part1
パソコンと携帯電話は私の時代にはなか
ったもの。親の知らないところで知らな
い相手とつながっている。交友関係も見
えず、犯罪に巻き込まれないか不安。
(母・高1娘)
96.0
95.5
高校生
20
40
60
80
100(%)
携帯電話等を使用している
携帯電話等でインターネットを利用している
0
53.9
64.0
66.8
暴力的な内容、性的な内容、
暴力的、性的、反社会的
反社会的な内容を 含むサイ ト
な内容を含むサイトには
にはなる べくアクセスしない
なるべくアクセスしない
30.0
43.4
40.7
28.1
31.5
コン ピ ュータウイ ルスに
コンピュータウイルスに
注意している
注意している
39.4
イ ン ターネットの情報については、
インターネットの情報に
すべて正しいと思い込まないよ うに
ついては、全て正しいと
している
思い込まないようにしている
37.4
34.6
35.2
37.4
25.7
28.6
9.7
5.8
3.1
0
小学生
高校生 中学生
中学生
20
40
高校生
小学生
60
80
(%)
①、②(平成18年度 内閣府
「第5回情報化社会と青少年に関する意識調査」より)
●話は聞きたいんだけれど…
子育てがひと段落、教育費に役立てようと
仕事を始めたら仕事と家庭の両立でとに
かく多忙。つい、ここまで大きくなったか
ら大丈夫と思い、ゆっくり子どもの話を聞
いていない。大丈夫かしら?
(母・高3息子)
③悩んでいる時の相談相手
34.4
29.7
家族
37.0
学校の友達
0
45.8
●シングルマザーの不安は 2 倍!!
息子二人はまだ小さいが、いずれやってく
る思春期。不安というより面倒くさい。経
済的にも厳しい上、精神的にもさらに…と
いう感じ。再婚するとき大丈夫かなぁ。
(母・小3・小1息子)
54.8
52.2
11.8
11.8
小学生
高校生 中学生
中学生 高校生
小学生
20
40
60
80
(%)
相談相手は、小学生の頃は家族が主だが、
中学、高校と進むにつれて学校の友達へと
移り変わ ていく
③(平成19年3月 長岡市
「ながおかヘルシープラン21 中間評価事業
報告書」より)
3
●父のつぶやき
妻からは娘の反抗などイロイロ聞いている。一緒にすご
す時間が少ないせいかピンとこない。家族総力戦でこの
難しい時期を乗り越えたい。仕事との両立!?大変そう
だけど。(父・小4娘)
●息子の子育て HELP ME!
体も大きくなり口ごたえもひどくなって
きた。こうなると母親ひとりの力では無
理!夫よ!協力してほしい!
(母・中2息子)
19.4
この中にはない
この中にはない
その他
●先輩教えて!
私自身にも覚えがあるけど、思春期は大人になる前のモ
ヤモヤした時期。今はまだ素直でかわいいわが子が「う
るせー」とか言う日がくるのかな?きっと私はショック
を受けるだろうな。そんな時「あの人に相談してみよう
かな」と思える人がいたらいいな。(母・小1息子)
28.6
イ ン ターネット上でのつき合いや
インターネット上の付き合い
コミュニケーショ ン のネチケット
やコミュニケーションの
(礼儀やマナー)を 守る
エチケットを守る
5.3
6.2
5.5
5.5
●台風?台風なみ?
思春期…シシュンキ…どんな変化が子どもに起きてく
るのかわからない。親としての私は何ができるのか…。
不安で不安で「せまってくる台風」みたいな感じ。いつ
来る?大きさは?スピードは?誰か教えて!(母・小 2
娘)
21.2
長時間使い続ける こと
長時間使い続けること
学校の先生
“思春期の親子関係”を考えてみませんか?
●ほしいと言われましても…
娘が携帯電話をほしがっている。料金が
異常にかかるらしい。携帯電話を持つ必
要性は?友人が持っているから自分もほ
しいでは親として納得できない。
(父・中1娘)
52.1
51.9
50.0
むやみに
ダウンロードしない
むやみにダウン ロ ードしない
先輩たちの体験談や専門家のアドバイスを通して、
●見えない不安 Part2
ネット上でいじめ。顔が見えないと感情
が伝わらないから、情け容赦がなくなる
らしい。わが子は大丈夫かしら?でも親
の私はサイトの使い方がわからない。
(母・中2息子)
②インターネット利用時に気をつけていること
あやしげなリンクを
あやしげなリン クを
クリックしない
クリックしない
これから子どもの思春期を迎える親にとっては、なんだか気になります。
100
●不可能な門限
5時からのバンドのライブにいく娘、「6
時迄に帰るように!」と言っても無視。帰
ってこないと心配でイライラ。娘に連絡し
てくれと妻に伝えると「はぁ?1時間で帰
れるわけないよ!」と一喝。
(父・高2娘)
●すばらしい 鏡面集中力!
ニキビ、ダイエットを気にして、暇さえあれ
ば鏡とにらめっこ。お願いだからその集中力
を他に使って!(母・高1娘)
●伸びる息子に縮む親
体の変化が顕著、私より背が高く見下ろされ
る感じ。叱る時もつい遠慮がちに…。
(母・中3息子)
●ショック!ついに H 本発見!!
息子の部屋でH本を発見!まさかうちの息子
が。ショックでした。こんな日がいつか来る
とはわかっていても、いざわが息子が…とな
ると母親である私は心臓バクバク!(母・高
1息子)
●男くさい?
「お父さんの洗濯物と一緒に洗わないで~」と
いう姉妹。ちょっと悲しい。汗をかく仕事はお
父さんの誇りだぞ!妻は異性を意識し始めた
娘との間で切なそう。(父・中3・中1娘)
●人格が突然変異!?
昔は「ママ~!何してるの?」と愛くるしい表情で私に
よく聞いてきた。今では私が聞くと「別に」
「微妙」
「ウ
ザイ」の一言で終わり。しかもドスのきいた声で・・・。
まるで別人のよう。それでは会話になんないよ。
(母・中2娘)
●わかっちゃいるけど…
子どもの心の揺れ動きにつき合おうって本には書いて
あったけど、反抗と甘えとつき合うのって難しい。親子
喧嘩のあと甘えてこられても私は困るよ。素直に受け入
れられない自分ってダメなのかなぁ・・・。
(母・小6息子)
●娘の一言にガ~ン!
娘は中学生になってから、親に対して非常に厳しい見方
をします。
「お母さんってそういう人だよね。人にはあれ
これ言うくせに、自分には甘いんだから」わが子のクー
ルな言い方にショック!(母・高2娘)
2
娘とのつき合い方
世間では思春期を迎える年頃の娘は
父親と距離をとりたがるらしいが、私と
娘たちとの距離感は近い方だと思う。
(信じがたい話かもしれないが。
)私の
趣味は読書・料理・グルメなど。娘たち
が小さい頃から私の趣味に引き込んで
きた。家族旅行もその一つ。旅行の計画
を立てるところから家族でワイワイ楽
しんでいる。
思春期を迎える娘に対して父親が突
然コミュニケーションをとろうとして
も難しいと思う。私は娘たちが産まれた
時から、オムツ替えなどできる限り妻と
一緒に育児に関わってきた。そんな経験
も今の距離感につながっているのかも
知れない。あまりにも娘たちと仲が良
く、妻がヤキモチを焼いているのが少し
気に掛かる?(40代父・中1・小4娘)
わが家のケータイルール
【長女(高3)の場合】
高1の時、ケータイを買い与える。
①ケータイは必要なときのみ使用する
②ケータイにのめり込むほどのヒマ人
にならない! ③食事中のケータイ使
用禁止 ④毎月の請求書を本人に見せ、
使用料と支払金額を確認(1万円を超え
たら厳重に注意)
高校生は通話よりメールや趣味のサ
イトへのアクセスが多いため、パケット
放題プランで料金節約。出会い系サイト
の危険性は十分認識しているようだ。
【次女(中1)の場合】
二度の地震経験後、一応キッズケータ
イを買い与える。基本料金も安く、有害
サイトに繋がらないから、中学生にも十
分対応できる。わが家では、遊ぶための
ケータイではなく、連絡を取る時に必要
なツールであると言い聞かせている。
(40代母・高3・中1娘)
息子に感謝されて
四つの目、時には六つの目で
携帯電話持ってません
笑いあり?涙あり?いろんな親子の思春期体験談!
我が家では私も娘も携帯電話を持っ
ていない。娘は「私が必要と思うまでは
いらないよ」と強い意志を持っている。
私の反抗期と妹への手紙
いる。出会い系サイトやいじめにもつな
高校受験の頃、よく父とケンカをし
私の家はひとり親家庭だった。母は家
娘の反抗にどう接したらいいのかわ
がりかねない。反面、ルールに基づき正
た。これまで、仕事で忙しいからと自分
事と仕事とで忙しかったが、悩みを打ち
からなくなる時がある。そんな時私が高
しく使えば、親子の新しいコミュニケー
とあまり関わろうとしてこなかった父
明けるとじっくり話を聞いてくれた。干
校生の頃を思い出す。
ションを築けるかもしれない。
に入り込めるというあぶなさを持って
が、今さら父親面してもっともらしいこ
渉しすぎないようにと言葉を選んで話
――ある日、傘を持たずに出た私を心
もし、娘が携帯を欲しいと言ってきた
とを言ってくることが気に食わなかっ
してくれて、そんな心遣いがとても嬉し
配して母が駅まで迎えに来ていた。長靴
ら、私も買って携帯電話の便利さや危険
た。しかし、うまく反論できず、つい感
かった。
に雨傘、手には私の分の長靴を持って
さを話し合い、家族の新しいコミュニケ
情的になって「あんたに俺の何がわかる
時にはぶつかったこともある。心配さ
…。友人と帰ってきた私は、母が手に持
ーションを築くきっかけとしたい。
んだ!」と怒鳴り、部屋の壁を壊してし
れることが信頼されていないように感
つ長靴が恥ずかしく母の前を素通りし
(40代母・中1娘)
まった。
じて…。「もっと自分を信じてほしい」
て家に帰った。――
しばらくして、母がふてくされた自分
にコーヒーを入れてくれた。そして一
言、「お父さん、あなたは兄弟の中で一
思春期の男の子を持つ父の思い
そう思う反面、「気にかけてほしい」と
思う気持ちもあった。
今は私も大学生。一人暮らしを始め、
その頃の私はいつもイライラしてい
た。一人前でありたいと思う私を子ども
扱いする親の存在が疎ましかった。それ
番進路を真剣に考えてるって言ってた
母の大変さが少し分かった気がする。母
に自分と他人を比較してコンプレック
よ。きっとうまくいくよ」と言ってくれ
が反抗期の妹に手をやいているという
スを感じていた。得体の知れない不安や
た。ちゃんと自分を見ていてくれたんだ
ので、こっそり妹に手紙を書いた。
「お
焦りに縛られていたように思う。
と嬉しかった。今では、あの頃辛く当た
母さんにも限界があるんだから、もう少
ってしまって悪かったと思っている。ご
し優しくしてあげてね」と。
とが多くなった。
『あの頃は大変だった
めん!(20代男性・大学生)
(20代女性・大学生)
んだから』という母に、今は申し訳なさ
最近、実家の母に話を聞いてもらうこ
を感じながら今度は私が娘と向き合っ
「別に・微妙」の返事しか返ってこな
我が家は、二人の子どもが小さい頃か
事・子育てを夫婦で協力し合っている。
かった息子の思春期の頃、私は職場での
ら家族全員で同じスポーツに励んでい
て悩んでいく時なのかなと思っている。
時には夫婦喧嘩になることもあるが、お
責任が重くなり、息子への目配り不足を
る。父母も一緒になって取り組んでいる
(30代母・小4娘)
互い納得するまで話し合って解決して
時々感じていた。そんな中息子の無断外
ため、家族共通の話題が豊富で会話も多
いる。忙しい我々夫婦にとって子ども達
泊が発覚、しかも参観日にもよく行って
い。
の手は家事の貴重な戦力だ。勉強や部活
くれた頼みの夫が単身赴任中。とにかく
子どもは意外と父親の行動を良く見
で子どもも忙しいが、部活はストレス発
ショックで、涙を流して悪い事だと真剣
ているものである。仕事で疲れたときな
散になっているようなので多少は目を
に伝えた。
どは、家でゴロゴロしているが、それば
我が家は核家族で共働きなので、家
つむっている。
進路の選択でも衝突が絶えなかった
先のばしにしてきたけれど…
H本のことは夫に相談!
娘の気持ちを夫婦で支えて
高校生の頃、娘は部活のことでとても
かりではいけないと思い、スポーツの協
親は子どもの身体の変化がとても気
散らかった息子の部屋を掃除していた
悩んでいた。その苦しい気持ちを一番甘
忘れもしない。あの日のできごとは。
子ども達を叱る時は、優しく内向的な
が、とにかく子どもの気持ちを聴くよう
会やPTA及び町内青年会の役員とし
になるところだ。娘が初潮を迎える頃と
長男にはじっくり、強気な次男には厳し
にした。夜遅くまでお笑い番組を一緒に
て活動しているこの頃である。最近、子
なるとなおさらで、どう話をしたらいい
時、私が目にしたものはベッドの片隅に
えられる私にぶつけ、
「お母さんになん
置いてあったH本だった。その時、私の
か私の気持ちわからんろ!」などキツイ
く等、子どもの性格に合わせて話すよう
見て笑い語り合った。塾の送迎をする車
どもに対しては、必要以上に格好をつけ
のか悩み、つい先のばしにしてきてしま
にしている。思春期だからと身構えるの
中も、部活や職場のグチなどを話し、互
ずに、自分の経験や生きざまを語り、子
った。
心臓はバクバク!頭の中は真白!思わ
言葉を何度も言われた。そんな時は、自
ちょうどそんな時、参加した講演会で
ず「ウソでしょう!?」と何回つぶやい
分の学生時代の辛かった経験を話した。
『性に対して否定的なイメージをもた
たことか…?その後、息子とH本が常に
真夜中の台所で、二人で抱き合って泣い
ないで下さい。親が性を恥ずかしいも
繋がってしまい、私は平常心を失ってし
たこともあった。夫も娘のことで悩む私
子どもに対して余計な不安をあおらず
の、汚いものにしないでください』とい
まった。
を心配し、一緒に悩み、相談相手となっ
今は息子も働きマン、「おかんはスゴ
に、「お前の将来は親が見守っているか
う話を聞き、ハッとした。
イ!よく仕事と子育てと家事の両立が
ら安心しなさい。あとの幸せは君たちの
これから娘は心と身体も複雑に変化
できたね。仕事で大きな失敗をした時ど
努力で勝ち取りなさい」とエールを送っ
していくだろう。時にはその変化に戸惑
うやって乗り越えた?」うれしい本音を
ている。
(50代父・高1・中2息子)
ではなく、その時、その時で子どもと正
いの立場の理解に努めた。夫や祖父母や
どもと「ホンネ」で話し合うことを心が
面から向き合い、私と妻の四つの目で見
親戚を巻き込み、皆で本音を言い合う関
けている。
守り乗り切っている。時には思春期の子
係や、子どもを見守っている姿を大切に
どもを育てた実姉の手助けをもらい、六
した。
つの目で関心を持って見守りたい。
(40代父・中2・小6息子)
言ってくる。(50代母・社会人息子)
先が見えないこんな時代だからこそ、
そのことを夫に話すといたって冷静
てくれた。彼も、学校の先生と話をした
で、少し困惑した笑みを浮かべていた。
り、時々は娘とも直接話をしたようだ。
夫は、その後息子に「母さんが見て気分
当時は胃が痛くなるほど切なかった
い、悩んだりもするだろうが、いつどん
を悪くするようなものはオープンにお
が、振り返ると何事もなく通り過ぎるよ
な時でも娘には自分の身体を大切にし
かないこと!」と忠告したらしい。私一
りも、共に悩み、話し合ったことで家族
てほしいと伝えたい。
人では対応できなかった事も夫の言動
が分かり合えた気がする。
で救われた。
(60代母・社会人娘)
娘が初潮を迎えたら「良かったね」と
5
私と母、私と娘
さりげない一言で…
携帯は簡単に親の管理できない世界
一緒に喜び、悩んでいる時は相談にの
思春期の男の子を持てば、そんなこと
り、話すべきことはきちんと伝えていき
も覚悟しておいた方がいいかもしれな
たい。(30代母・小4娘)
い。(40代母・高1息子)
4
思春期保健相談士からのメッセージ
す
~ 自立に向けて、「援助」から「見守り」へ ~
編 集 委 員 の
思春期の異性の子どもへの
対応は難しい。でも夫婦で
協力すれば大丈夫!夫婦で
子どもをサポートする手掛
かりになる1冊。
「思春期」って、どんな時期?
思 春 期 と は 子 ど も から 大 人 へ と 移 行 す る 時 期
で、小学校の中学年頃から高校生頃までを指し、
こ こ ろ と から だ に 様 々 な 変 化 が 現 れ ま す 。 から
だ の変 化 の第一は 「 第二 次性 徴 」と い う性 的な
成 熟 を 伴 う 変 化で す 。 象 徴 的 な 出 来 事 と して 、
男 の子には 「精通」が 女の子には 「初経 」が起
こ り ま す 。 多 く の 子 ど も たち が 新 し い か ら だ の
出現に戸惑い、 そのから だとどう折り合いを付
けて いこ う か と 悩 み ま す 。 急 激 な から だ の 成 長
が 、 夜 は 眠 れ な い 、 朝 は 起き ら れ な い 、 昼 間 も
眠 い と い う 自 律 神 経 失 調 症 状を 起こ し ま す 。 ま
た身 長が 伸 びるこ とで 骨折 しや す い のも、こ の
時期の子どもたちの特徴です。
からだの成長はこころの発達も促します。
「第
二 次 反 抗期 」と い わ れ る 心 理 的な 離 乳期 に 入っ
て いき ます 。 親 を は じ め と す る 周 囲 の 大 人 の 嘘
や 、 首 尾 一 貫 して い な い 言 動 に 対 して 過 敏 に 反
応 し ま す 。 大 人 たち の対 応 に 「ウ ル サ イ!ウ ザ
イ! ダ サ イ! ダ マレ! 消えろ ! 」などと 心 の中
で反抗しながらも、
「見捨てないでね」という甘
え も 同 時 に 感 じて い ま す 。 こ の 頃 の 反 抗 は 親 へ
の 依 存 と 甘 え の 上 に 成 り 立 っ て い る ので す 。 親
に 全 面 的 に 依 存 して い た 自 分 を 壊 し 、 新 し い 自
分を 創造 して い くこ と 、こ れは 「 自 立 」 に 向 け
て の 必 要 不 可 欠 な 行 為で あ り 、 程 度 の 差 こ そ あ
れ大切な儀式なのです。
「思春期」の子どもたちにどう接したらいいの?
69の項目ごとに外国の10代の
子供たちの事例を紹介し、わかり
やすく解説している。お手上げ状
態の親たちを救うヒントが見つか
るかも。
親も子も生身の人間です。だから、たとえ教科書通りにいか
なくてもがっかりしないで。本を読んだり、人の話を聞いた
りする中で、わが家ならではの“わが子バージョン”を見つ
けるのも一つの方法かもしれませんね。兄弟や友人などと比
較せず、その子の気持ちを見つめてみてはどうでしょうか?
のは 4年 生 の頃で す 。 学 級だ よりな どで 授 業が
紹介された際には、家庭で話し合う機会にする
と よ いで し ょ う 。 気 恥 ず か し い か も し れ ま せ ん
が 、 子 ど も た ち が 学 んで き た 内 容 を 親 子で も う
一 度 学 び 直 す こ とで 、 子 ど も たち の 理 解 の 様 子
や 不安を 知るこ とができ ます。 思春期 の成長発
達 は 個 人 差 が 大 き い ので 、 成 長 が 早 い 子 ど も の
場 合 、 学 校で の 授 業 よ り 前 に 家 庭で 教 え るこ と
が 大 切 に な って き ま す 。 お 父 さ んや お 母 さ ん に
も「初経」や「精通」の正しい理解が必要です。
子 ど も たち が 性 の 芽 生え を 感 じ 始 めるこ の 時期
に 、 親 の ほ う が 戸 惑 い を 感 じて し ま う か も し れ
ません。
「性」に関する事柄は、どう伝えて良い
のか迷うこ ともあると思いますが、ウ ィルなが
お か の 「 から だ と 性 の相 談 」を 利 用 し た り 、 数
多 く 出 版 さ れて い る 「 性 教 育 」 に つ いて の 書 籍
を参考にするのもよい方法でしょう。
思春期を元気に乗り越えるためには、「早寝・
早起き ・朝ごは ん 」という基本 的な生活 習慣が
身 に つ いて い る か の 見 直 し と 、 そ れ が で き る た
め の援 助 が 必要 に な り ま す 。 乱 れや す い 生 活 習
慣 の 調 整 役 は 親 の役 割 に な って き ま す 。 動き た
くて も 動 け な い 、 思 う よ う に 自 分 の から だ とこ
こ ろ を コ ン ト ロ ー ルで き な い 、 そ の 苛 立 ち や 焦
りを 、 なお一 層あおる のが 「ダメ な 子! 」とい
う 大 人 のひ と 言で す 。 理 解 の な い 言 葉 が 思 春 期
の子どもたちをさらに傷つけてしまいます。
思 春期は 一 生 の 健 康づく り の 土 台と な る大 切
な 時 期 で す 。 カ ッ コ イ イこ と と か ら だ に よ い こ
との違いをしっかり伝え、自分の夢を叶えるた
仕事で忙しいパパが増えている。
家族でゆっくり過すことはできな
くても、それでもパパだからこそ
できる子育てがきっとあるはず。
わが子バージョンを見つけよう!
小学校で思春期のからだの変化について学ぶ
思春期を知ろう!
「手に負えない!10 代の
子どもと楽しく暮らす方法」
ジュディ・フォード著・堤江実訳・
編集会議を重ねるうちに、思春期は大変だけれど、親子や夫
婦で話し合うチャンスだ!ということに気づきました。そう
考えると、「思春期」だからといってそんなに身構えること
もなさそうです。
子どもが小さい頃から、夫婦、家族が協力して、何でも話し
合えるような雰囲気作りをしていくことが大切なのだと実
感しました。
「みんなのなやみ2」
重松清著・理論社
「お父さんにも頼みたい!
にない合う思春期の性と子育て」
村瀬幸浩著・十月
思春期は、家族の“絆”を深めるチャンス!
「忙しいパパのための
子育てハッピーアドバイス」
明橋大二著・1万年堂出版
家族みんなで乗り越えよう!
10代の悩みに、人生のち
ょっと先輩としての著者が
答える。モヤモヤして苦し
い…そんな時の「悩みとの
つき合い方」を親子で考え
られる1冊です。
親自身も心が疲れてしまった時、相談できる人がいるといい
ですね。人生の先輩である父母や姑、舅など。身近な人に話
しにくければ、身内やママ友達とは別の、友人・知人に話し
てみるのもよいでしょう。
思春期の特徴や、子どもとのつき合い方などをあらかじめ知
っておくと、いざ思春期がやってきた時、気持ちに少し余裕
が持てそうですね。
思春期の子どもに対しては、話をよく聴き、時には親から子
どもに相談してみてもいいと思います。反抗されても、あき
らめず見守ることが大切と感じました。
め の ベ ー ス と して の 健 康 観 が 持て る よ う に し た
いものです。
思 春 期 に な る と 相 談 相 手は 同性 の 友 人や 異 性
の 友 人 に 代 わ って い き ま す 。 ど ん な 友 だ ち が い
る の か、ど んな 付き 合 い か たを して い る のか 、
「 あ な たを 信 頼 して い る よ 」 と い う メ ッ セ ー ジ
を発信しつつ見守りましょう。
自 分 のこ と は 自 分で す る 、 自 分で で き る と い
う 「 自 立 」 に 向 けて 、こ れ まで 親 が 行 な って き
た日常的な援助を、徐々に「見守り」にギアチェ
ン ジ して い くこ と が 必 要 で す 。 た だ し 一 人ひ と
り の 発 達 に 応 じて 調 整 して い く こ と は い う まで
もありません。
小 さ い とき の よ う に から だで 甘 え るこ と がで
き な い け れ ど 、 こ こ ろ を し っ か り 抱 き し めて 欲
しいという、子ども以上大 人未満 の思春期 の子
ど も たち の サ イン を 、 親 たち はき ち ん と 受け 止
め 、 手 出 し 口 出 しを 控 え て 、で き る よ う に な る
まで 根 気 強 く 見 守 るこ と 、 こ れ が 一 番 の ポ イン
トです。
思春期を親子で乗り越えていくために
※母子保健奨励賞
財団法人日本母子衛生助成
会「母子保健功労顕彰会」
主催
ち は ま す ま す 混 乱 す る ば か りで す 。 思 春 期 の 特
徴を 十 分 に 理 解 して 、 親 と して の か か わ り 方を
話 し 合 い 、 子 ど も た ち が 「 自 立 」で き る た め の
支 援 体 制を 整 え るこ と が 重 要 に な って き ま す 。
親 の バ ッ ク ボ ー ン が し っ か り して い る と 、 揺 れ
る 子 ど も たち も か な ら ず 落 ち 着 いて い き ま す 。
家 庭 が 温 か くて ゆ っ た りで き て 居 心 地 が よ け れ
ば 、 外 の 世 界 に 居 場 所 を 求 めて し ま う こ と は な
いでしょう。
思春期 の子どもを 育てて いる親 たちは、多く
の 場合 中 年 期 ( 更 年 期 ) 世 代で す 。 体 力 の 衰え
を 感じたり、社会的にも責任が増しストレスフ
ル な 日 常 を 送 って い ま す 。 新 し い 自 分 の から だ
と こ こ ろ を もて あ ま して い る 思 春 期 の 子 ど も た
ち と 中 年 期 の 危 機 感 を 感 じて い る 親 の 組 み 合 わ
せ は 、 一 触 即 発 状 態 に 陥 る こ と も た や す い ので
す 。 お 互いに大 変 な 時期 だ からこ そ、 互い の大
変 さを 語 り 合 い そ れを 共 有 し 理 解 す るこ と 、 そ
こ か ら お も い や り や 、 や さ し さ が 生 ま れて く る
はずです。
親 子 と も に 大 変 な 時 期 を 支え あ って 乗 り 越え
て い くこ と がで き れ ば 、 豊 か に 成 長 す る だ けで
な く 、 家 族 の 絆 も 深 ま るこ とで し ょ う 。 親 離 れ
子離れのこ の時期を健やかにすごしてくださ
い!
思春期保健相談士、助産師、
看護師
昭和59年旧栃尾市にて助
産師を開業、現在に至る。
主な役職:男女平等推進セ
ンターウィルながおか「か
らだ・性の悩み」専門相談
員
主な活動:長岡市、県内の
小・中・高等学校での「性
教育」や、その保護者や市
民を対象に「親のための性
教育講座」を行っている。
その他:平成19年度「母
子保健奨励賞」受賞
子 ど も たち が 突 然 ぶ つけて く る 変 化 球 を ど う
受け止めて いくのか、お父さんとお母さんが
別々の受け止め方をしてしまっては、子どもた
こ
み
ゆ
さかい
※ご紹介した本はウィルながおかでも貸し出し6
7
由美子さん
酒井
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