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第4回市民フォーラム

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第4回市民フォーラム
プログラム
歌・フルートの演奏、健康体操があります。
医 療 相 談 12:00∼13:00
患者体験 12:45∼13:00
病気と私はこうたたかった(15分)
Ⅰ. ミニトーク座談会 13:00∼13:40
1∼2泊の最短脊椎手術法(10分)
伊藤不二夫 (藤田保健衛生大学 脳神経外科学講座 脊椎外科 客員教授
伊藤整形・内科クリニック 理事長)
体の内(なか)を見る、脳の内(なか)を見る(15分)
片田和広 (藤田保健衛生大学 医学部 放射線医学教室 教授)
内視鏡手術支援ロボットによる胃がん手術について(15分)
宇山一朗 (藤田保健衛生大学 医学部 上部消化管外科 教授)
Ⅱ. 明日から役に立つ脳神経最新の話
ごあいさつ
藤田保健衛生大学 脳神経外科 主任教授 佐野公俊
13:50∼14:10
(20分)
脳卒中の外科治療 -脳をあきらめない福岡大学医学部 脳神経外科 教授 井上 亨
14:15∼14:35
(20分)
正常圧水頭症 -認知症が手術で治る!?順天堂大学医学部 脳神経外科 教授
順天堂大学医学部附属順天堂医院 院長 新井 一
14:40∼15:00
(20分)
脳動脈瘤はなぜできるのか
滋賀医科大学医学部 脳神経外科 教授 野崎和彦
15:05∼15:25
(20分)
脳卒中の外科的治療の実際
山梨大学医学部 脳神経外科 教授 木内博之
15:30∼15:50
(20分)
切らずに治す脳疾患 -世紀のメス・ガンマナイフ築地神経科クリニック・東京ガンマユニットセンター 院長 芹澤 徹
第4回市民フォーラム開催にあたりまして
藤田保健衛生大学脳神経外科 教授
佐野 公俊
また今年も暑い夏がやってまいりました。皆様には酷暑の中、お越しく
ださいましてありがとうございます。
医療機器や手術技術などの目覚しい進歩に目を見張るようなことが次々
と開発されておりますが、少しでも皆様には良質・最高の医療技術を提供
出来ますように医局員総力を挙げて頑張っております。
本日のミニトークでは、当大学脳神経外科 脊椎外科客員教授 伊藤不
二夫先生には低侵襲の背骨の手術を内視鏡を駆使して脳神経外科とのコラ
ボレーションによる短期間入院治療の話を提供してもらいます。日本で1
ヶ月遅れの2番目で国産第一号のCTを導入以後、CTと共に歩き、この
ほど経済産業大臣賞を受けられた当大学放射線科 片田教授、また、王監
督の手術を主担当され、ロボット支援手術を先がけておられる上部消化管
外科 宇山教授の三名の先生方にお話をしていただきます。
また、特別講演は福岡大学脳神経外科 井上亨教授、順天堂大学脳神経
外科 新井一教授、滋賀医科大学脳神経外科 野崎和彦教授、山梨大学脳
神経外科 木内博之教授、築地神経科クリニック院長 芹沢徹先生方には
脳卒中外科、正常圧水頭症、動脈瘤、放射線治療などそれぞれの分野にお
ける脳神経の最先端治療についてお話をして下さることになっております。
知識を一層深めていただき明日からの生活にぜひお役に立つことを願っ
ております。ゆっくりお耳を傾けていただければと思います。
さの
ひろとし
佐野 公俊
学歴
昭和38年3月18日
昭和39年4月1日
昭和45年3月31日
昭和45年6月25日
昭和52年8月3日
昭和54年3月16日
昭和60年9月7日
平成7年8月10日
平成15年3月12日
平成16年9月1日
平成17年1月1日
平成18年12月1日
職歴
昭和45年3月7日
昭和46年3月7日
昭和46年6月2日
昭和47年6月1日
昭和48年7月1日
昭和51年9月1日
昭和52年3月1日
昭和55年11月1日
平成59年6月1日
東京都立戸山高等学校卒業
慶應義塾大学医学部入学
慶應義塾大学医学部卒業
医師国家試験合格 第49回 207129号
日本脳神経外科学会専門医 第840号
医学博士 慶應義塾大学 第1042号
日本救急医学会認定医 第162号
外国医師臨床修練指導医認定 第1774号
日本脳卒中学会専門医 20030332
日本救急医学会専門医へ移行 第162号
日本救急医学会指導医 第431号
日本神経内視鏡学会技術認定医 06-NE-002
横須賀米国海軍病院インターン
慶應義塾大学医学部外科学教室助手
足利日赤病院外科医員
立川共済病院脳神経外科医員
慶應大学病院外科学教室助手
名古屋保健衛生大学医学部外科学助手
名古屋保健衛生大学医学部脳神経外科学講師
名古屋保健衛生大学医学部脳神経外科学助教授
藤田学園保健衛生大学医学部脳神経外科学助
教授
平成3年4月1日 藤田保健衛生大学医学部脳神経外科助教授兼
救命救急センター副センター長
平成12年4月
藤田保健衛生大学医学部脳神経外科学教授兼
救命救急センター副センター長
平成13年5月
藤田保健衛生大学医学部脳神経外科学教授、救
急部教授、
救命救急センター副センター長
平成15年10月
藤田保健衛生大学医学部脳神経外科学教授兼
救命救急センターセンター長
平成16年5月
藤田保健衛生大学医学部脳神経外科主任教授
兼救命救急センターセンター長
学会および社会における活動等
平成4年2月
神戸大学兼任講師
平成4年5月
リュブリアナ大学【スロベニア】
客員教授
平成5年10月
イリノイ大学【アメリカ】客員教授
平成5年10月
サンパウロ大学【ブラジル】客員教授
平成6年4月
ジョージワシントン大学【アメリカ】客員教授
平成14年4月
名城大学薬学部客員教授
昭和48年 月
日本神経学会員
昭和50年 月
日本脳卒中学会会員
昭和52年 月
小児脳神経学会会員
昭和52年8月
日本脳神経外科学会評議員
昭和54年5月
日本救急医学会会員
昭和54年8月
アジア・オセアニア脳神経外科学会会員
昭和54年 月
ヨーロッパ脳神経外科学会会員
昭和56年2月
日本脳卒中学会評議員
昭和56年4月
昭和58年4月
昭和58年 月
平成2年 月
平成3年 月
平成3年2月
平成3年2月
平成6年11月
平成12年4月
平成10年 月
平成13年1月
平成16年9月
平成16年9月
平成16年9月
平成16年1月
平成16年1月
平成17年4月
平成17年∼
平成17年∼
平成17年11月
平成18年3月
平成18年3月
平成18年4月
平成18年6月
∼平成21年
平成18年
平成18年12月
平成19年3月
平成19年7月
平成19年11月∼
平成20年∼21年
平成20年3月∼
賞罰
平成11年7月
日本脳神経外科コングレス会員
日本救急医学会 東海地方会理事
世界脳神経外科学会会員
東海頭蓋底外科研究会運営委員
米国脳神経外科コングレス会員
東海頭蓋底外科研究会会長
日本脳神経外科手術と機器学会運営委員
日本脳循環代謝学会評議委員
第9回脳神経外科手術と機器学会会長
日本救急医学会評議員
日本脳神経外科救急学会幹事長
日本蘇生学会評議員
日本脳神経血管内治療学会会員
日本救急学会認定医から専門医へ移行
日本救急医学会指導医
第10回日本脳神経外科救急学会会長
日本脳卒中の外科学会運営委員
日本脳神経外科学会専門医認定委員
日本脳神経外科学会理事
日本脳腫瘍の外科学会評議員
スパズム・シンポジウム世話人
日本神経内視鏡学会評議員
日本頭蓋底外科学会評議員
Best Doctors in Japan
日本小児脳神経外科学会世話人
第9回国際脳卒中外科学会 9th International
Conference on Cerebrovascular Surgery会長
日本脳卒中学会幹事
日本頭蓋底外科学会理事
日本脳腫瘍の外科学会理事
Best Doctors in Japan
日本老年脳神経外科学会世話人
Outstanding People of the 20th Century
International Biographical Centre, Cambridge
平成11年7月
New Century Award, The Asia 500 Barons
Who's Who, USA
平成11年9月
Twentieth Century Achievement Award, 1000
Leaders of World Influence
American Biographical Institute
平成12年6月
Guinness World record (Cerebral aneurysm
surgery 2007)
平成13年6月
Guinness World record (Cerebral aneurysm
surgery 2100)
Surgical Neurology viewer
Operative techniques in Neurosurgery editorial board
御 講 演 者 御 略 歴
井上 亨
新井 一
福岡大学医学部脳神経外科教授
昭和30年2月4日生
Profile
昭和56年 九州大学医学部脳神経外科入局
昭和62年 米国フロリダ大学脳神経外科留学
昭和64年 九州大学医学部脳神経外科助手
平成7年 九州医療センター脳神経外科医長
平成13年 九州医療センター脳血管センター長
平成20年4月福岡大学医学部脳神経外科教授
現在に至る
学歴及び職歴
昭和54年3月
順天堂大学医学部卒業
54年3月
第67回医師国家試験合格
54年6月∼12月
順天堂大学医学部脳神経外科学 専攻生
55年1月∼57年3月
米国NIH留学, Visiting Fellow
(Laboratory of Neurochemistry, NINCDS, NIH)
59年8月
順天堂大学医学部脳神経外科学 助手
60年7月
日本脳神経外科学会認定医
61年12月
順天堂大学にて医学博士の学位授与
62年4月∼63年7月 自治医科大学第一生化学 研究生
63年12月
順天堂大学医学部脳神経外科学 講師
平成4年8月
順天堂大学医学部付属順天堂伊豆長岡病院
脳神経外科 講師
平成5年8月
順天堂大学医学部脳神経外科学 助教授
平成7年4月∼同年5月 米国フロリダ大学脳神経外科留学
平成14年10月
順天堂大学医学部脳神経外科学 教授
平成15年3月
日本脳卒中学会専門医
平成20年4月
順天堂大学医学部附属順天堂医院 院長
医学博士、脳神経外科専門医、脳卒中専門医、
脊髄外科専門医
学会:日本脳神経外科学会、脳卒中学会、脳卒中の外科学会など
専門分野:脳卒中の外科医療全般、脳腫瘍、脊髄疾患
賞罰
特になし
専攻領域 脳神経外科学一般、小児脳神経外科、頭蓋底外科、
中枢神経系の微小解剖、脳虚血の基礎的研究、
水頭症の基礎及び臨床的研究
学会役職その他
平成13年
平成14年
平成16年
平成18年
平成18年
平成20年
平成21年
昭和60年∼
平成4年∼平成11年
平成 6 年∼
平成11年∼
平成12年∼15年
平成13年∼
平成13年∼
平成13年∼
平成13年∼
平成14年∼
平成14年∼16年
平成15年∼
平成16年∼
平成17年∼
平成20年∼
第2回正常圧水頭症研究会 会長
第16回微小脳神経外科解剖セミナー 会長
第21回二分脊椎研究会 会長
第29回日本脳神経CI学会総会 副会長
第26回日本脳神経外科コングレス 会長
第36回日本小児神経外科学会 会長
第10回日本水頭症治療シンポジウム 会長
日本脳神経外科学会 評議員
日本脳神経外科コングレス 評議員
日本脳神経外科コングレス庶務会計副幹事
微小脳神経外科解剖セミナー 世話人
正常圧水頭症研究会 世話人
日本脳神経外科コングレス庶務会計幹事
「小児の脳神経」副編集委員長
日本脳神経外科救急学会 評議員
「Child's Nerv Syst」Editor
American Association of Neurological Surgeons
International Associate Member
日本小児脳神経外科学会庶務会計幹事
日本Image-guided Neurosurgery 臨床研究会 世話人
「Neurosurgery」International Liaison and Advisory Panel
脳腫瘍の外科学会 評議員
神経内視鏡学会 運営委員
(社)日本脳神経外科学会 理事
(社)日本脳神経外科学会 専門医認定委員長
御 講 演 者 御 略 歴
野崎 和彦
生年月日
昭和32年5月5日
学歴
昭和52年
昭和58年
昭和61年
平成2年
京都大学医学部入学
京都大学医学部卒業
京都大学大学院医学研究科外科系専攻博士課程入学
京都大学大学院医学研究科外科系専攻博士課程修了
職歴
昭和58年
平成2年
平成4年
平成5年
平成11年
平成15年
平成19年
平成20年
京都大学医学部附属病院脳神経外科学教室入局
Massachussetts General Hospital 脳神経外科(研究員)
京都大学医学部附属病院脳神経外科医員
(9月1日)
京都大学医学部附属病院脳神経外科助手
(4月1日)
京都大学医学部附属病院脳神経外科講師(7月16日)
京都大学医学部附属病院脳神経外科助教授(7月1日)
京都大学医学部附属病院脳神経外科准教授
滋賀医科大学医学部附属病院脳神経外科教授(2月1日)
資格
昭和58年
平成2年
平成2年
平成16年
平成17年
医師免許取得
(第275497号)
医学博士
(京都大学)
取得
(医博第1175号)
す
日本脳神経外科学会専門医取得
(第2996号)
日本脳卒中学会専門医
(第20030077号)
日本脊髄外科学会認定医
(第123号)
賞罰
平成2年 第49回日本脳神経外科学会ガレーヌス賞
(血管部門)
平成13年 第9回日本脳卒中の外科学会賞
(鈴木賞)
研究テーマ
脳血管障害(脳動脈瘤・脳血管攣縮の病態・治療、脳虚血の病態・治療)
所属学会
Society for Neuroscience, American Heart Association
American Congress of Neurological Surgeons (International
Membership)
American Association of Neurosurgical Society(International
Membership)
社団法人日本脳神経外科学会代議員
日本脳神経外科学会近畿支部理事・代議員・学術評議員
日本脳卒中の外科学会運営委員・編集委員
脳神経外科手術と機器学会運営委員
日本脳神経外科コングレス査読委員 日本脳卒中学会評議員
日本頭蓋底外科学会評議員 日本脊髄外科学会、
日本脳循環代謝学会
日本脳神経血管内治療学会 日本小児神経外科学会
日本脊髄外科学会、
日本脳腫瘍学会、
日本脳腫瘍の外科学会
日本神経外傷学会、
日本間脳下垂体腫瘍学会 など
木内 博之
学 歴
昭和52年3月
昭和58年3月
昭和62年3月
秋田県立秋田高等学校卒業
秋田大学医学部卒業
東北大学大学院医学研究科修了
職 歴
昭和58年4月
東北大学脳神経外科医局員
平成元年11月
アメリカ合衆国カリフォルニア大学
サンフランシスコ校脳神経外科、
神経内科留学
平成4年9月
東北大学医学部助手
平成7年11月
広南病院脳神経外科副科長、
脳血管性障害チーフ
平成9年8月
秋田大学医学部脳神経外科講師
平成14年6月
スタンフォード大学脳外科
(文部科学省
長期在外研究員)
平成15年4月
秋田大学医学部脳神経外科助教授
平成17年7月
山梨大学大学院医学工学総合研究部脳
神経外科学講座教授
(現在に至る)
主な研究領域:
脳血管性障害の外科治療の開発
内視鏡支援顕微鏡手術法の開発
良性脳腫瘍の外科治療
脳血管障害の病態解明と保護機構の開発
御 講 演 者 御 略 歴
芹澤 徹
1961(昭和36年)神奈川県茅ヶ崎市にて誕生.
麻布学園中等部,高等部卒業後,1980年千葉大学医学部へ入学
1986(昭和61年) 3月千葉大学医学部卒業
4月千葉大学医学部脳神経外科入局
千葉大学医学部附属病院・脳神経外科・麻酔科1.5年勤務
1987.10- 国立千葉病院・心臓血管外科研修
1988.4千葉県救急医療センター・脳神経外科 2年間勤務
1990.4国保成東病院・脳神経外科
1991.4成田赤十字病院・脳神経外科
1992.4千葉大学医学部附属病院・脳神経外科 1992.8- フロリダ大学(ロートン教授)留学
1993.4公立長生病院・脳神経外科 4年間勤務
1997.4千葉県立鶴舞病院,千葉県循環器病センター準備室配属(主幹)
横浜労災病院・脳神経外科・藤野英世先生のもとで250例のガンマナ
イフ研修
1997.9
スエーデン・カロリンスカ病院で研修
他東京大学,小牧市民病院,北日本脳神経外科病院でも研修
1998.1-2008.3
千葉県循環器病センター・脳神経外科開設,脳神経外科医長
ガンマナイフ担当
2003.9- スエーデン・カロリンスカ病院.ソフィアへメット病院
で研修
2006.4- ガンマナイフ治療部・部長
これまで約4500例のガンマナイフ治療を千葉県循環器病センター
で施行
2008.4
築地神経科クリニック・院長として赴任
東京ガンマユニットセンターを中心にガンマナイフ治療に従事
これまで5000例の治療経験を有する
博士号:前交通動脈とその穿通枝の微小外科解剖
日本脳神経外科専門医,脳卒中専門医,PET認定医
日本脳神経外科コングレス評議員,日本定位的放射線治療学会会員,日本放射線治
療学会会員,日本肺癌学会会員,日本脳卒中の外科学会会員,日本脳卒中会員
日本ガンマナイフ研究会 世話人
日本聴神経腫瘍研究会 世話人
ガンマナイフ治療計画勉強会 世話人
明日のガンマナイフを担う会 代表世話人
手術・放射線外科セミナー 世話人
千葉核医学研究会 世話人
日本放射線外科学会世話人
日本脳神経外科ジャーナル 査読員
学会発表 筆頭188件(シンポジウム19,国際学会14)
原著 筆頭45編(英文10編)
賞罰
1996年SNEF:Sammy賞
1998年,2002年,2006年千葉核医学研究会・千葉核医学賞
2004年日本ガンマナイフ研究会;最優秀演題賞
2005年 千葉大学脳神経外科医会研究会・山浦賞
ミ ニ ト ー ク 座 談 会 講 師 略 歴
1.
1∼2泊の最短脊椎手術法
伊藤 不二夫
伊藤整形・内科クリニック あいち腰痛オペセンター 院長
藤田保健衛生大学 脳神経外科学講座 脊椎外科客員教授
1970.3
1970-1971
1971-1972
1972-1978
1978-1983
1983-1987
1987-1995
1996.1
2007.4
2008.12
名古屋大学医学部卒
名古屋大学病院研修医
国立名古屋病院神経内科
中部労災病院整形外科医長
名古屋大学病院理学療法部副部長
犬山中央病院整形外科部長
犬山中央病院副院長
伊藤整形・内科クリニック院長
あいち腰痛オペセンター設立・理事長
藤田保健衛生大学脳神経外科学講座 客員
教授
「せぼね」は大黒柱
「人間の大黒柱」である「せぼね」は、体重を支える
頑丈さ「剛」なる部分と体を柔軟に動かす「柔」な
る部分との剛柔一体で成り立っています。「剛」は脊
椎という骨であり、これが脆くなると骨粗鬆症や脊
椎圧迫骨折が生じてきますが、寝たきり介護のNo.2
の原因となっています。「柔」は椎間板をさし、椎間
板ヘルニアは働き盛りの青年や実年の方に坐骨神経
痛や腰痛をおこし、労働休業の最大原因となってい
ます。
「脊柱管」はライフライン(脊髄神経の通り道)
「せぼね」には「脊柱管」という縦に連続する管があり、
この中に脊髄神経が通っています。脊髄神経は脳と
体(筋肉・関節)との機能連絡をする大切な神経で
あり、光ケーブルにも相当します。脊柱管の変形や
狭小化は脊髄神経を障害し、手足の麻痺・歩行障害・
神経痛等を起こし、日常生活に支障を起こしてしま
います。脊柱管狭窄症の他、脊椎すべり症・後縦靱
帯骨化症・黄靱帯骨化症等々も脊柱管を壊す疾患と
してあげられます。
最小侵襲脊椎手術法とは
最小侵襲脊椎手術とは最先端の「せぼね」手術法で
あり、わずか1∼2泊入院のプチ旅行感覚の新技術
をいいます。
脊椎圧迫骨折(椎体セメント針注入法):寝たり起き
たりの際に体を捻ると背中に激痛が走るのが特徴です。
局所麻酔下に2㎜の針を骨折した脊椎に刺し、3∼
4ccのメッシュ袋を針先端につけて押し込みます。
この中にカルシウムを主成分としたペースト状の骨
セメントを詰め15分もすると骨と同じ程度の硬さに
固まってきます。2時間後に歩行ができ、翌日退院
です。
椎間板ヘルニア(経皮的内視鏡下ヘルニア摘出術):
局所麻酔下に1∼6㎜の針を順に望遠鏡の様に重ね
て筋肉を拡張します。7㎜の管を椎間板の脱出した
部分に近づけ、3㎜のピンセットで悪い部分のみを
摘出します。3時間後に歩行ができ、翌日退院です。
脊柱管狭窄症(内視鏡下脊柱管拡大術):全身麻酔下
に16㎜までの筒を筋肉内に順に拡張しつつ刺し込み、
歯医者さんのドリルで神経を圧迫している余分の骨
を削ります。翌日から歩行し、翌々日には退院です。
詳しくは下記を御覧下さい。
http://www.itoortho.jp/
ミ ニ ト ー ク 座 談 会 講 師 略 歴
2.
体の内(なか)を見る、脳の内(なか)
を見る
片田 和広
藤田保健衛生大学医学部 放射線医学教室
学歴
昭和38年4月
昭和41年3月
昭和41年4月
昭和47年3月
東海高等学校入学
同卒業
大阪医科大学医学科入学
同卒業
学位
昭和57年9月
医学博士(慶應義塾大学)
免許・資格
昭和47年3月
昭和47年5月
平成6年6月
第53回医師国家試験合格
医籍登録第213464号
第26回放射線専門医認定試験合格 第2395号
職歴・研究歴
昭和47年6月
昭和48年12月
昭和49年5月
昭和57年12月
昭和60年5月
昭和62年3月
平成2年4月
平成13年4月
現在に至る
賞罰
平成2年10月
平成2年12月
平成4年4月
平成5年11月
平成7年12月
平成7年12月
平成12年4月
名古屋市立大学医学部第二外科教室 研究員
名古屋保健衛生大学病院研修医(戸田外科)
名古屋保健衛生大学医学部助手(脳神経外科)
名古屋保健衛生大学医学部講師(脳神経外科)
藤田保健衛生大学医学部助教授(放射線医学)
藤田保健衛生大学衛生学部教授(診療画像概論)
藤田保健衛生大学衛生学部 診療放射線
技術学科学科長
藤田保健衛生大学医学部 放射線医学教室教授
坂幹雄賞「MRIによる脳表面構造の画像
化に関する研究」
北米放射線学会(RSNA)Certificate of Merit
(Detection of abnormal exernal ocular
muscle movement with dynamic CT)
日経BP技術賞「X線CTのヘリカルスキ
ャン実用化技術」
通商産業大臣賞(機械振興協会賞)
「ヘ
リカルスキャンX線CT装置の開発」
北米放射線学会(RSNA)Certificate of Merit
(Evaluation of Cerebral Aneurysms and
Surrounding Vessels with 3D CT
Angiography)
北米放射線学会(RSNA)Certificate of Merit
(Transthoracic Needle Biopsy with Realtime CT Fluoroscopy)
藤田学園勤続25周年表彰
「人間の身体の中を見たい。それも、切った
りせず、痛みや危険なく見たい。そうすれば色
んな病気を早く見つけ、治せるんじゃないか...」
これは有史以前からの人類の夢でした。その
突破口となったのがCTの発明だったのです。
長年の人類の夢を叶えた発明者(ハウンスフィ
ールド卿)がノーベル賞を貰ったのも当然でし
ょう。CTのあとも、MRIや超音波など、多く
の方法が開発され、今や身体の中を非侵襲的に
見ることはあたりまえになりました。画像を使
って病気を診断することを「画像診断」と呼び
ます。CTはこれまで常に画像診断の主役か準主
役の座を占めてきました。最初のころのCTは、
身体の断面が白黒の粗い画像で見られるだけで
した。その後「ヘリカルスキャン」という技術
が開発され、人体のデータを「かたまり」とし
て採ることができるようになったのです。その
データをコンピュータグラフィックス(CG)
で処理することによって、人間の身体を三次元
で表示する技術も開発されました。現在では、
まるでSF映画のように、人間の体内に入って
いく画像すら作り出せるようになっています。
さて、このように人体の「かたち」が判れば
全て解決でしょうか?いやいや、それだけでは
充分ではありません。人体の「はたらき」が見
えれば、さらに色々な診断に役立ちます。例え
ば身体の動き、血液の流れ、心臓の拍動などです。
このために「面検出器CT」とよばれる新しい
CTが開発されました。この装置はX線を検出す
る検出器を320列持ち、16㎝の範囲を一瞬(0.35秒)
で検査することができます。とくに役に立つの
が心臓と脳です。
脳は硬い骨に囲まれ、CTが出てくるまでは画
像診断が一番困難な場所でした。CT・MRIで脳
の画像が撮れるようになり、医療は大幅に進歩
したことはご存じの通りです。320列面検出器
CTを使えば、脳や血管、骨のかたちだけでは
なく、脳血流などの「はたらき」が判るように
なります。このフォーラムでは、最新の面検出
器CTについて判りやすくお話をする予定です。
ミ ニ ト ー ク 座 談 会 講 師 略 歴
3.
内視鏡手術支援ロボットによる胃がん手術について
宇山 一朗
勤務先・役職: 藤田保健衛生大学上部消化管外科 教授
専門分野:
上部消化管外科・内視鏡外科
生年月日 昭和35年9月16日
最終学歴 昭和60年3月 岐阜大学医学部卒業
職歴
昭和60年4月 慶應義塾大学外科学教室入局
昭和61年5月 練馬総合病院外科勤務(医員)
昭和62年5月 国家公務員等共済組合連合会立川病院外科
勤務(医員)
昭和63年5月 慶應義塾大学外科学教室助手
平成3年5月 練馬総合病院外科医長
平成9年5月 藤田保健衛生大学医学部外科学講師
平成14年4月 藤田保健衛生大学医学部外科学助教授
平成18年5月 藤田保健衛生大学医学部外科学教授
現在に至る
<学会・研究会関連>
日本消化器外科学会評議員
日本胃癌学会評議員
日本食道学会評議員
日本内視鏡外科学会評議員
日本肝胆膵外科学会評議員
米国外科学会会員(FACS)
米国内視鏡外科学会会員
日本内視鏡外科学会技術認定取得医
近年、胃癌治療においても身体に優しい外科
的治療として腹腔鏡下手術が普及しつつあります。
腹腔鏡下胃癌手術は保健収載もされており、多
くの患者様が受けられるもっとも最新の治療法
です。しかし、この手術にも従来の開腹術と比
べて幾つかの問題点があります。まず、テレビ
モニターを見ながらの手術のため、現行のテレ
ビモニターは2次元画像であり、奥行き感のな
い状態で手術をおこなわなければなりません。
また、通常の開腹術では術者、助手の上肢の関
節を自由に使った操作が可能ですが、現行の腹
腔鏡下手術で使用する器具には関節機能がない
ため、直線的な操作でしか手術が行えません。
さらに、通常の手術より長い器具を使用するため、
器具の先端の振るえが多少生じてしまいます。
これらの問題点は腹腔鏡下手術の経験と工夫で
克服可能ではありますが、多くの経験と手術セ
ンスが必要となります。そこで、これらの問題
点を解決すべく、米国で内視鏡手術支援ロボッ
ト(商品名:ダヴィンチ・サージカルシステム)
が約10年前に開発されました。現在では改良を
重ね、第三世代の最新機種が存在します。日本
では5施設が所有しておりますが、最新機種は
当院のみが所有しております。本年、1月より
このダビンチによるロボット胃癌手術を開始し
たので、本日の講演でこの手術について説明さ
せていただきたいと思います。
相 談 コ ー ナ 佐野 公俊 教授
根来 眞 客員教授
加藤 庸子 教授
専門
・未破裂脳動脈瘤
・脳動静脈奇形
専門
・血管内外科
専門
・くも膜下出血
・脳卒中
・脳動静脈奇形
外来日 火・土
外来日 水・金
長谷川 光広 教授
廣瀬 雄一 准教授
水野 順一 客員教授
専門
・良性脳腫瘍
専門
・悪性脳腫瘍
(遺伝子治療)
専門
・脊椎・脊髄疾患
本院外来日 火
外来日 月・木
坂文種報 會病院
外来日 月・土
川瀬 司 准教授
入江 恵子 講師
早川 基治 講師
専門
・悪性脳腫瘍
・小児の脳神経
外科
専門
・血管内外科
専門
・血管内外科
外来日 火・木
外来日 金
定藤 章代 講師
森田 功 講師
久野 茂彦 講師
専門
・血管内外科
専門
・脊髄損傷
・片麻痺の新治療
・植物症
専門
・脊椎・脊髄疾患
外来日 月
水(第4)
外来日 火
外来日 木
外来日 月
山口 幸子 講師
井上 辰志 講師
岡本 禎一 講師
専門
・植物症
・高次機能
・意識障害部門
専門
・脊椎・脊髄疾患
専門
・血管内外科
外来日 水
坂文種報 會病院
外来日 水・金
外来日 水
(第1・2・3)
ー 担 当 者
PM12:00∼13:00
吉田耕一郎 講師
小田 淳平 講師
松山 純子 講師
専門
・パーキンソン病
・良性脳腫瘍
専門
・脳血管障害
・脳外科一般
専門
・下垂体腫瘍
外来日 土
外来日 月
渡部 剛也 助教
井水 秀栄 助教
大村 眞弘 助教
専門
・神経内視鏡手術
・脳血管障害
専門
・脳血管障害
・脳神経救急
専門
・血管内外科
外来日 金
外来日 土
垣内 孝史 先生
小栗 大吉 先生
田中 鉄兵 先生
専門
・脳外科一般
専門
・脳卒中
・脳神経救急
専門
・血管内外科
前田 晋吾 先生
我那覇 司 先生
服部 夏樹 先生
専門
・脳腫瘍
・脳神経救急
専門
・脳外科一般
専門
・脳外科一般
山田 康博 先生
石原 興平 先生
森谷 茂太 先生
専門
・脳外科一般
専門
・脳外科一般
専門
・脳外科一般
外来日 水・金
坂文種報 會病院
外来日 火
相談コーナー担当者
PM12:00∼13:00
井上 孝司 先生
吉本 純平 先生
左合 正周 先生
八千代病院
脳神経外科部長
名古屋記念病院
脳神経外科部長
トヨタ記念病院
脳神経外科部長
三尾 由紀 先生
医療相談室
ケースワーカー
○未破裂脳動脈瘤、その治療は
○脳卒中のリスクファクターと予防
○生活習慣病対策
○血管内治療 何でも相談
○最新てんかん治療
○画像診断のご相談
○悪性脳腫瘍の最新治療
○良性脳腫瘍の最新治療
○脊椎・脊髄の病気
○植物症・高次機能障害について
○リハビリ 何でも相談
○臓器移植、ドナーカードについて
○脳の移植、再生医療について
○医療相談、社会福祉制度について
※本日は記載の医師、コメディカルがご相談をお受けします。
※緊急等により、医師によってはご相談に応じられない場合がありますのでご了承願います。
脳卒中の外科治療 −脳をあきらめない− 13:50−14:10
脳卒中の外科治療
−脳をあきらめない−
脳卒中には脳梗塞、脳出血、くも膜下出
血があります。脳梗塞の外科治療は、脳梗
塞の再発予防が目的です。主な手術として、
頚部内頚動脈血栓内膜剥離術と外頚 - 内頚
動脈バイパス術があります。前者は頚部で
肥厚した内頚動脈の内膜(プラークと呼ぶ)
をはぎ取る手術です。後者は頭皮の血管で
ある浅側頭動脈と脳表の中大脳動脈を吻合
する手術です。脳梗塞の原因となる塞栓源
を除去することで、脳血流を増加させ脳梗
福岡大学医学部脳神経外科
教授 井 上 亨
塞の再発予防となります。脳出血に対しては、
これまで開頭血腫除去術が行われていまし
たが、最近ではより低侵襲の神経内視鏡手
術が主流となってきています。クモ膜下出
血に対しては開頭クリッピング術が行われ
ています。頚部内頚動脈狭窄症に対するス
テント治療、脳動脈瘤コイル塞栓術などの
血管内外科治療の進歩もめざましいものが
あります。実際の症例を呈示しながら、手
術法を中心に紹介したいと思います。
正常圧水頭症−認知症が手術で治る!
?− 14:15−14:35
正常圧水頭症
−認知症が手術で治る!?−
精神活動の低下(認知障害)、歩行障害、
尿失禁の三徴候を呈する高齢者のなかに、
特発性正常圧水頭症(INPH)と呼ばれる
病態を有する患者さんがいます。何らかの
原因で髄液の循環不全が生じ、その結果
INPH が発症すると考えられていますが、
真の発症機序は不明です。INPH の正確な
発生頻度は明らかではありませんが、認知
症と診断された患者さんの5∼6%が
INPH であるとの報告もあります。上記の
三徴候のいずれか一つ、あるいは複数を認め、
頭部 CT や MRI などの画像診断で脳室の
拡大が確認されれば、INPH を疑うことに
なります。ただし、老人性認知症でも脳萎
縮にともなって脳室が拡大してくるので、
INPH との鑑別が問題になります。そこで、
腰椎穿刺により約 20 ∼ 40ml の髄液を排除
して、症状の改善がするかどうかを試す検
査(髄液排除試験)を行います。髄液排除
により症状が改善した患者さんでは、後述
するシャント手術の有効率が高いといえます。
順天堂大学脳神経外科 教授
順天堂大学医学部附属順天堂医院 院長
新 井 一
INPH の治療は、シャント手術が唯一の方
法になります。ただし、シャント手術が有
効な患者さんであっても、発病から長期間
経過してしまうと、治療効果を期待するこ
とは難しいとされています。シャント手術
にはいくつかの方法がありますが、通常は
脳室腹腔シャント(V-P シャント)ないし
は腰椎くも膜下腔腹腔シャント(L-P シャ
ント)が行われます。症状の改善を得るた
めには、ある一定量の髄液を排出させる必
要がありますが、髄液の排出が過剰になる
と硬膜下水腫や血腫が発生します。このよ
うな合併症を防ぐために、最近では体外か
ら磁石を使って圧を変更することができる
圧可変式バブルを用いることが多くなって
います。シャント手術による INPH の治
療成績を向上させるためには、早期診断、
早期治療が必要です。上記三徴候のいずれ
か一つでもあれば、INPH を疑って専門医
の診察を受けることが重要です。
脳動脈瘤はなぜできるのか
脳動脈瘤はなぜできるのか
中年に多く見られるくも膜下出血の主な
原因は、脳動脈瘤の破裂です。日本では外
国に比べてくも膜下出血の頻度が高く、年
間で人口 10 万人あたり 15 − 20 人の方が
罹患されます。また、近年の脳ドックの普
及や画像診断の発達により、未破裂脳動脈
瘤が発見される機会が増加しています。脳
動脈瘤は、一般人口の1∼5 % に認めら
れる頻度の比較的高い疾患で、年齢が高く
なる、喫煙している、くも膜下出血で倒れ
た身内がいるなどにより発見される割合が
高くなります。未破裂脳動脈瘤がどのくら
いの危険性があるかは重要な問題ですが、
最近の日本における臨床研究のデータでは
年間の破裂率が約1 % 程度とされており、
破裂率に影響する因子として、脳動脈瘤の
大きさ、喫煙、高血圧、家族歴などが報告
14:40−15:00
滋賀医科大学医学部脳神経外科
教授 野 崎 和 彦
されています。現時点での主な治療として、
開頭術による脳動脈瘤クリッピング術、ま
たは血管内手術によるコイル塞栓術があり
ます。未破裂脳動脈瘤が見つかったときは、
多くは無症状であり、未破裂脳動脈瘤の治
療法としては、非侵襲的であることが望ま
しく、薬物治療などの新たな治療法の開発
が期待されます。新たな治療法の開発を目
指して、脳動脈瘤発生に関する遺伝子など
の解析、脳動脈瘤モデルでの解析が行われ
ていますが、今のところ、脳動脈瘤の責任
となる遺伝子の同定は困難で、複数の遺伝
子が関与した疾患であると考えられています。
最近発表されている知見を含め、脳動脈瘤
がなぜできるのか、どのように治療するの
かにつき概説します。
脳卒中の外科的治療の実際
脳卒中の外科的治療の実際
15:05−15:25
山梨大学医学部脳神経外科
教授 木 内 博 之
脳卒中は、死亡原因の第3位ながら、入
院患者数は精神疾患を除いて最も多く、ま
た寝たきりの原因の第1位であり、以前か
ら大きな社会問題の1つとなっています。
この脳卒中は、高血圧症の改善により減少
傾向を示していましたが、近年の高脂血症
や糖尿病に代表される生活習慣病の増加に
伴いその効果が打ち消され、現在では増加
傾向に転じております。さらに脳卒中は年
齢と共に増加するため、最近の急激な高齢
化に鑑みさらに事態が深刻化することが危
惧されています。そのため、発症直後の迅
速な対応に加えて、適切かつ効果的な予防が、
重要視されています。
脳卒中には、血管がつまって発症する脳
虚血(脳梗塞)と、血管が破綻して出血す
るクモ膜下出血や脳内出血の二つのタイプ
が存在します。発症直後に外科治療を要す
る頻度は、圧倒的に出血性の脳卒中が多く、
クモ膜下出血における破裂脳動脈瘤根治術
と脳内血腫除去術などがあげられます。脳
虚血の場合は、発症3時間までであれば血
栓溶解剤(組織型プラスミノーゲンアクチ
ベータ (tPA))の投与を行い、その後は内
科的治療が主になります。
発症予防としては、メタボリック症候群
や生活習慣病のコントロールに加えて、症
状がない、あるいは、あっても軽症の場合
には、その後の神経症状発現の抑制を目的
として予防的外科治療が行われています。
代表的なものを挙げると、出血の予防とし
ては、未破裂脳動脈瘤や未破裂脳動静脈奇
形の閉塞・摘出術があります。また、脳梗
塞の予防としては、頸部の頚動脈が動脈硬
化により細くなっている場合の血栓内膜剥
離術 (CEA) や、脳の主幹動脈が完全につ
まって脳血流が不足している場合のバイパ
ス術があります。
今回は、これらの外科的治療の実際につ
いてわかりやすく解説します。
切らずに治す脳疾患 −世紀のメス・ガンマナイフ− 15:30−15:50
切らずに治す脳疾患
−世紀のメス・ガンマナイフ−
ガンマナイフは 40 年前にスウェーデン
で開発された、ガンマ線を利用し主に脳腫
瘍を治療する放射線の装置です。現在、日
本で 52 台が稼働しています。肺がんや乳
がんからの脳転移には、手術でメスを入れ
るよりも良い結果が期待できます。ほかに、
脳動静脈奇形、聴神経腫瘍、髄膜腫、三叉
神経痛などにも優れた効果があります。ガ
ンマナイフは 201 か所からの放射線のビー
ムを、ピンポイントで集中して病巣にあて
ます。その原理は太陽の光を虫眼鏡で集め
て紙を焼くことに例えられ、3㎝以内の小
さな病巣がよい対象となります。ガンマナ
イフは2泊3日の入院で治療でき、体にか
かる負担は虫歯を1本抜く程度です。開頭
手術に危険の伴う部位の病巣のみならず高
齢者、肺や心臓に病気を抱える患者にとって、
ガンマナイフは非常に有効な治療法です。
開頭手術かガンマナイフかどちらの治療
が適しているか、慎重に脳神経外科の専門
医が判断します。しかし、手術をする際には、
築地神経科クリニック
東京ガンマユニットセンター
院長 芹 澤 徹
もしかして後遺症が出るかもしれない、命
を落とすかもしれない…と考えてしまうの
は人間の自然な感情です。また、現代の厳
しい社会情勢の中で、今の時間を大切に、
障害なく過ごしたいと考える人が多くなっ
ています。副作用のリスクが少なく良好な
治療効果がえられ、かつ体への負担が軽く
社会復帰までの時間が圧倒的に短いガンマ
ナイフは、まさに現代に即した治療法です。
ガンマナイフは放射線治療のひとつですが、
体幹部のがん治療のように放射線治療医が
行うのではなく、脳神経外科専門医のガン
マナイフ治療医が中心となり実践しています。
脳の疾患を詳細に熟知しているガンマナイ
フ治療医が、治療法の選択から、実際の治療、
そして経過観察まで一貫して行っており、
患者さんは非常に心強いと感じていただけ
ます。小さな脳腫瘍や脳動静脈奇形に対す
る治療の際に、ガンマナイフという「切ら
ずに治す治療法」という選択肢があること
を是非覚えておいて頂きたいと思います。
memo
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