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5 新しい都市づくりとイベント <試論>・みなとみらい21

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5 新しい都市づくりとイベント <試論>・みなとみらい21
特集・都市とイベント⑤
新しい都市づくりとイベント
吉田昌文
一︱はじめに
ニ︱みなとみらい21の計両論
三︱ひとの集まり・情報の集積
集積︶
四︱諸都市の事例︵ひとの集まり・情報の
業務誘致活動、広報PR活動など﹁ハー
ステムの整備、景観づくり、施設建設、
な手段であり、基盤整備、各種の都市シ
た場合、イベントは都市づくりの戦略的
市づくりにおけるイベントの役割を考え
都市に発展してきた。
三百万人の市民を擁するわが国第二の大
献し、いまや先進的な技術産業の集積と
市・工業都市として日本経済の発展に貢
の中に残してきた。戦後は、国際港湾都
発祥の地として数々の偉大な功績を歴史
安政六年の開港以来、横浜は近代文明
たい。
21﹂とイベントについて私見を述べてみ
目し、新しい都市づくり﹁みなとみらい
そのために、中枢管理機能の集積を図
る。
活力のある都市にしようとするものであ
中核都市としてふさわしい自立性をもち
って、21世紀に向けて、横浜を首都圏の
に、新たな都市機能を呼び込むことによ
と融和した港湾施設を再整備するととも
区︶に隣接ナる臨海部を再開発し、都心
区︵横浜駅周辺地区・関内伊勢佐木町地
﹁みなとみらい21﹂は、既存の都心地
を有している。
存するといったアンバランスな都市構造
文化施設についてもその多くを東京に依
不十分であるばかりでなく、商業施設や
ことからわかるように業務機能の集積が
ha、埋立地七六
b 計画区域面積︱既存土地一一〇
居住人口一万人
a 計画人口︱就業人口一九万人、
②計画のフレーム
d 新しい都市システムの導入
間の創造
c 水と緑に囲まれた魅力的な都市空
b 都心に融合した港の整備
街
a 国際的な業務と文化を中心とした
①街づくりの基本的考え方
計画の概要は以下のとおりである。
魅力的な都市づくりを図るものである。
れらを有機的に融合させた活力あふれる
心住宅など様々な都市機能を誘導し、そ
︿試論﹀・みなとみらい21
五︱みなとみらい21とイベント
ド﹂と﹁ソフト﹂の総合的なプログラム
しかし、その一方、東京という巨大都
るとともに、文化、国際交流、商業、都
七︱おわりに
六︱イベントと業務機能の集積
の中のひとつに位置づけられると思われ
市に近接していることから広域的な経済
一︱はじめに
る。
圏に包み込まれ、昼夜間入口比率が低い
﹁みなとみらい21﹂のような壮大な都
るその有効性が注目され始めている。
イベントが実施され、都市づくりにおけ
昨今、国の内外を問わず各地の都市で
本稿では、都市づくりにおける﹁ひと
二︱みなとみらい21の計画論
の集まり・情報の集積﹂という問題に着
30
85. 10
調査季報86
ha、合計一八六
﹁みなとみらい21﹂にひとが集まるた
公園・緑地等四六ha、
路・鉄道用地四二ha、
C 土地利用︱ 一般住宅八七ha、道
が集積する都市にするかということがあ
いかにして﹁ひと﹂が集まり、﹁情報﹂
える上での重要な視点のひとつとして。
﹁みなとみらい21﹂の都市づくりを考
積が図られること、
︵国際交流、文化、商業、娯楽等︶の集
②良好なアクセスビリティ、様々な機能
高まり話題性をもつこと。
①﹁みなとみらい21﹂についての関心が
キャンペーンなどを行っている諸都市の
題性のある施設の建設やイベント、広報
との集まり・情報の集積﹂をめざした話
ここで、都市づくりの一環として﹁ひ
集まり・情報の集積︶
四︱ 諸都市の事例︵ひとの
が必要となってくると思われる。
埠頭用地一一ha、合
げられると思う。
が考えられる。
事例を参考までにまとめてみたい︵表︱
ひとの集まり・情報の集積
計一八六ha
ひとの集まり・情報の集積による﹁街
このような条件を満たすための前提と
2︶。
三
③計画の内容
のにぎわい﹂が情報の発信源であり、新
して、イベントや広報PR活動等の﹁ソ
ha
計画区域および立地を図る施設につい
しい文化の生まれる素地であり都市型産
フト﹂と基盤整備、施設整備等の﹁ハー
めの基礎的条件としては、
ては図︱1、および表︱1に示したとお
業の活躍の場であることを強く意識する
りである。
①︱話題性・集客性のある施設の整備
都市づくりで注目すべきは、国際交流施
北米やヨーロッパの大都市等における
設の充実化とその運営に力を入れている
点である。
国際交流施設充実のため力を入れなけ
ればならない条件整備としては、良好な
アクセスビリティの確保、宿泊施設の完
備、観光資源・余暇施設、運営のための
諸条件︵通訳・翻訳など︶を整えること
などがあげられよう。
文化施設等の中では、パリの﹁ポンピ
ドーセンター﹂とこれにモールで結ばれ
ている大ショッピングセンター﹁フォル
ム・デ・アル﹂が市内で最も人を集めて
いる。ロンドンでは、三つの映画館、ビ
ジネススクール、図書館などが一体とな
った﹁バービガンセンター﹂が新しい顔
10
調査季報86―85.
31
ド﹂が有機的に結びついた総合的な施策
表― 1 立地を図る施設
必要があるだろう。
図一1 計画区域
表︱2
﹁ひとの集まり・情報の集積﹂を図るための施策の事例
32
10
調査季報86−85.
表I3 これまでの活動 ︵ソフト面︶・広報PR 60.10現在
表︱4 これまでの活動︵ソフト面︶・ イベントの実施 60.10現在
―85 10
調査季報86
33
自体の特徴により話題性・集客性をもち
ー﹂などの特徴のある施設は、その施設
ホール﹂ ﹁パシフィックデザインセンタ
ー﹂、ロスアンゼルス﹁ボナベンチャー
フランシスコ﹁エンバーカデロ・センタ
テルショッピング施設として有名なサン
プラ・クリーク﹂︵シカゴ︶。さらにホ
ーヨーク︶。世界最大の屋外音楽劇場﹁ポ
文化の殿堂﹁リンカーンセンター﹂︵ニュ
﹁エプコットセンター﹂やアメリカの音響
ピューターを駆使した娯楽センターの
その他として、フロリダにおけるコン
大きく貢献している。
等は、﹁ひとの集まり・情報の集積﹂に
となっている。このような巨大文化施設
り﹂。旅館の二世経営者がプロデューサ
な演出を施して成功した﹁渋谷公園通
その他、街全体を劇場空間として様々
﹁大阪21世紀計画﹂などが参考となろう。
トが数年に渡ってプログラムされている
城築城四百年祭りをはじめ様々なイベン
ニバーシアード神戸大会﹂。さらに大阪
﹁ポートピア'81﹂や本年開催された﹁ユ
行われたポートアイランドで実施された
事業として集中的・先行的に公共投資が
国内では、神戸市の公共デベロッパー
﹁国際ガーデンショー﹂などである。
を対象にして行われる西ベルリン市の
をテーマとして造園専門家や園芸愛好家
の﹁国際建築博﹂。都市の緑化や庭園化
めの建築コンペがテーマの西ベルリン市
収穫祭、モンマルトル秋祭、パリの子供
ラソン、セーヌ河船上シャンソンショー
おりである。革命記念日前夜祭、パリマ
ューキャンペーンの具体的内容は次のと
再認識ナるものである。パリービラージ
を深め、村の集合体であるパリの歴史を
﹁パリ・ビラージュ﹂は、七月十四日
合的・戦略的な広報活動である点である。
ディアを組み合わせて売り込んでいく総
資源を整理し、ぞの魅力を多種多様なメ
し、対象別にニューヨーク州のもつ既存
まず誘引対象を余暇行動の価値観で設定
きく貢献した。ここで注目されるのは、
︵広報PR、イベント︶を行っている。
あり、表︱3、4に示したような活動
これまでの活動は、事業PRが中心で
①︱これまでの活動︵ソフト面︶
か都市における快適環境づくりを促進さ
集めだけでなく、世界の知恵を集めると
イベントの開催で参考になるのは、人
②︱イベントの実施
題と注目を集めるとともに、文化的経済
それぞれが趣好をこらした企画が、話
せた﹁富山県利賀村﹂の世界演劇祭など。
の例。全国各地から演劇ファンが押し寄
立した街づくりを進める﹁大分県湯布院﹂
ーとなり、映画祭・音楽祭などを行い自
例は大いに参考となろう。
々な施策を行うにあたって、他都市の事
﹁みなとみらい21﹂の特性にあった様
村、⋮⋮など。
入し、村の規模で人々の触れ合いと交流
的催事である。これは﹁村﹂の概念を導
革命記念日を中心とナる市民参加の長期
情報発信基地となっている。
せるなど複合的な目的をもたせているこ
的波及効果を及ぼしている。
前章において﹁みなとみらい21﹂の計
五︱みなどみらい21とイベント
とである。
しながら、多くの人を招き世界の河川開
政と民間企業︵旅行代理店、ホテル、劇
﹁アイ・ラブ・ニューヨーク﹂は、行
③︱広報キャンペーン
章では、イベントに焦点をあて﹁みなと
積﹂とその事例についてまとめたが、本
画論﹂および﹁ひとの集まり・情報の集
発の知恵を集めることを目的としたニュ
ととしたい。
みらい21とイベント﹂について論じるこ
34
10
調査季報86―85.
ミシシッピ河畔の再開発を最終目的と
ーオリンズ市の﹁国際河川博﹂。湖岸地
った広報活動を中心とした一大キャンペ
場、航空会社、マスコミ等︶が一体とな
ーンで観光振興・都市経済の活性化に大
帯の再側発を目的とし、発見の時代をテ
ゴ'92万博﹂。都心に住居をつくりだすた
ーマに民間主導で行われる予定の﹁シカ
表−5 横浜の主要イベント(ヒアリング調査例)
⑤︱大型イベントにおける行政の役割
べきであると思われる。行政主導のほか
が期待される。
③都市拠点施設︵大ホテル、ホール等︶
⑤エンターテイメント性のある新しい機
大型イベントにおける行政の役割とし
ント・主要行事の現状と事業そのものが
博覧会、国際○○大会等社会的財産の取
ては、イベント開催に併せた交通基盤の
②︱横浜のイベント・主要行事
得、インフラ・施設整備促進化が期待で
⑥経済的文化的波及効果を望める
能の複合的様相が生まれてくる。
用・跡地利用計画の立案、市民PR・市
れる︵表︱7︶。
若干触れてみたい。
き。その開催によって市外から大量の観
民参加のための条件整備などのほかに、
に民間主導・市民主導型のものも期待さ
横浜のイベント主要行事は、主催と参
客動員をはかることができるものや文化
④︱大型イベントの内容
観光振興や商業振興のための各種の施策
の立地促進
加形態が市内で完結した規模の小さいも
的経済的波及効果の大きいものを指す︶
大型イベントの内容については、﹁み
が考えられる。
④高度な戦略をもった大型事業所の進出
のであり、他都市の観光化された伝統的
﹁みなとみらい21﹂に大型イベントの
なとみらい21﹂から訴求される国際性・
もつ性格から強く要請されると思われ
行事などと比べるとニュース性に乏しく
実施が必要であると思われるのは次の理
文化性・先進性などのテーマをもち、ヨ
る。︵ただし、大型イベントとは、国際
PR効果も小さいものが多い︵表︱5、
由による。
る前段階として横浜のイベントについて
6︶。
①基盤整備事業の促進に役立つ
コハマの特性が生かされたもので、事業
﹁みなとみらい21﹂とイベントを考え
③︱大型イベントの必要性
②﹁みなとみらい21﹂のPRと都市活動
スケジュールにうまぐ乗るものを検討す
海外事例などでは、﹁ひとの集まり・情
⑥︱都市づくりをイベント化する発想
整備・公共施設の整備、開催後の施設利
﹁みなどみらい21﹂で大型イベントを
のイメージ醸成
報の集積﹂を期待できる施設が数多く建
設され、イベントの実施と併せて都市づ
くりに大きく貢献しているようである。
﹁みなとみらい21﹂では、今後、施設
の形成を図っていくうえで、それらの事
等の建設や、交通基盤の整備、都市景観
業自体をイベント化できる要素を見出す
ことができる。
﹁どのような機能をもった何をどのよう
すなわち、公共施設等について人々は
なデザインでつくるのか﹂という点に関
心をもっており、国際コンペやアイデア
募集、ネーミング募集、人気投票などで
イベント化できる。
地区内交通などについても、動く歩道
10
調査季報86―85.
35
開催していくことは、横浜におけるイベ
表−6 横浜のイベント・主要行事
く多くの人々に憩いを与える楽しい環境
にする。水辺は、人間と水辺の隔りがな
ンやジョギングを行うことが出来るよう
に適したものや、街路も国際的なマラソ
モールについても、パレードを行うの
だろう。
手段︵輸送システム︶なども考えられる
などのほかにも、イベント性の強い交通
指摘されているところでもある。
想は、広告代理店のプロポーザルなどで
事業地区全体をイベント空間とみる発
ことが必要ではないかと思われる。
ト概念を拡大し様々な施策を行っていく
みらい21﹂の推進にあたっても、イベン
大した事例が見受けられるが、﹁みなと
ベンド化したように、イベント概念を拡
々なイベントを、基盤整備や施設建設の
分類について表︱7に示した。今後は様
イベントの種類は多様であるが、その
(イ)イベントの分類と活用
ーゲットになるだろう。
れる人々や若い女性・外国人も重要なタ
代の動きに敏感な﹁高感度人間﹂と呼ば
やはり青少年が考えられる。そのほか時
中央区などに住む人々、年齢層としては
大きな投資をせず事業PRが中心の時
(ア)第一段階︿広報・PRの時期﹀
ある。
段階的展開のイメージは次のとおりで
とも呼べるものになると思う。
能であることから、﹁洗練された大阪型﹂
い都市空間の創造に結びつけることが可
素がある点と、イベントの多くを質の高
市づくりそのものをイベント化できる要
前述した国際万国博や都市キャンペー
(ア)テーマ性をもつ
︵ア)イベント展開の必要条件
べてみたい。
われるが、そのイメージについて若干述
イベントを実施していく必要があると思
今後、都市づくりの一環として様々な
⑦︱今後のイベント展開のイメージ
手段として活用ナることが必要なのであ
の祭りに終わらせることなく、戦略的な
都市づくりにとって、イベントを一過性
ニューをどう組合わせ料理していくか。
て、﹁ソフト﹂と﹁ハード﹂の様々なメ
﹁ひとの集まり・情報の集積﹂を目指し
﹁みなとみらい21﹂の計画論をふまえ
ナリオを描いていく必要があるだろう。
﹁ハード﹂と組合わせて、都市づくりのシ
64∼65年頃。
ンに合わせてイベントを行う時期。昭和
市政百周年事業や民間施設街区オープ
プンに合わせて展開ナる時期▽
(イ)第二次段階A記念事業、街の一部オー
など︶
プンイベント、美術館オープンイベント
オープンイベント、新都市センターオー
期︵着工記念イベント、起工式、日本丸
︵イベント空間︶づくりをすることも考
ニューヨークの﹁自由の女神﹂の大改
えられよう。
ン等においてもみられたように、テーマ
修をクライスラー社がズボンサードしイ
性をもつことが重要であると思われる。
の進捗を考慮していくつかのヤマ場︵大
イベントを実施していくうえで、事業
合わせてイベントを行う時期。
湾岸道路やみなとみらい21線の開通に
ナる時期︿昭和69年頃。
(ウ)第三次段階︿交通施策に合わせて展開
をもつことで、個々のイベントが統一さ
︵ウ︶段階的展開
れたテーマの下で動く時、相乗効果が生
なイベントを実施していく必要があると
型イベントの開催︶をつくりながら様々
テーマをもつということは、アピールカ
まれる。﹁みなとみらい21﹂の場合は、
年︶開催に合わせて展開する時期V
︵エ)第四次段階Λ神奈川国体︵昭和七十三
国際性、文化性、先進性、未来性などが
ベントを行い。イベントと施設の善循環
を除く︶
や船舶を利用したもの、キャラバンなど
ろう。︵ただし、他のイベントへの参加
イベント会場としては、次の三つがあ
︵エ︶イベントの会場
により都市を活性化しようという﹁大阪
(ア)横浜駅東口地区
つかのヤマ場をもうけながら継続的にイ
イベント展開においては、ターゲット
21世紀計画﹂と類似した考え方である。
思われる。これは、21世紀へ向けていく
を絞る必要があると思われる。圏域とし
ただし、﹁みなとみらい21﹂の場合、都
あげられよう。
ては、市民・県民を中心として東京圏と
(イ)ターゲットを絞る
りわけ大田・世田谷・渋谷・品川・港・
36
調査季報86― 85.10
る。
表−7 イベントの分類
赤レンガ倉庫の特性を生かしたイベン
(ウ)新港地区
なる。︿暫定土地利用計画の必要性﹀
る可能性のある魅力的なイベント空間と
の広大なスペース︵埋立地等︶を確保でき
間施設街区などのほかに、当面は未利用
日本丸メモリアルパークや美術館や民
(イ)中央地区
が情報発信拠点として期待される。
したという事例は多くの示唆を含んでい
多くの企業がファッションタウンへ進出
果的には、出展企業や協賛企業をはじめ
了後もその施設を十分に活用しながら結
会期中は効率的に利用した。そして、終
博覧会開催に合わせて神戸市が整備し、
ンター、ポートライナーなどの施設を、
国際交流会館、国際展示場、スポーツセ
ド内の施設の中で、市民広場、南公園、
神戸ポートピアでは、ポートアイラン
かと思う。
て実質的な需要を生み出せるのではない
を整備ナるといった複合的な施策によっ
ントに合わせて整備されることが望まれ
を狙った集客力のある核的施設が、イベ
題性を提供したり、シンボル性、視覚性
は不十分で、施設自体の特徴によって話
ると思われる。ただし、イベントだけで
﹁街のにぎわい﹂づくりを図る必要があ
に中小規模のイベントを継続して実施し
目毎に大規模なイベントを行い。合い間
﹁みなとみらい21﹂の場合、事業の節
にぎわい形成に役立っている。
ひとの集まり・情報の集積を通じて街の
ンの実施などを戦略的・複合的に行い、
整備、イベントの開催、広報キャンペー
の例でも、話題性・集客力のある施設の
要素であることは前にも述べた。他都市
う。
化のスパイスともいうべきものになろ
づくりにとって効果的な演出となり、文
に役立つことになる。これは新しい都市
21﹂地区に永久設置され都市の景観形成
もに、受賞作品の多くは﹁みなとみらい
に文化的雰囲気を味わっていただくとと
で開催する予定であるが、多くの来場者
エンナーレーを日本丸メモリアルパーク
﹁みなとみらい21彫刻展﹂ヨコハマ・ビ
さて、来春、都市づくりの一環として
るだろう。
って民間の様々な施設の建設が誘発され
る程度必要であると思われる。それによ
うに、行政による大規模な先行投資があ
トアイランドに各種の施設を整備したよ
核的施設については、神戸市があのポー
街区毎に地権者を中心として関係機関の
トの開催が望まれる︵例︱倉庫芸術、ビ
る。
る。さらに、﹁みなとみらい21﹂地区を
協力を集め実施されることが望まれる。
ア・フェスタなど︶。
イベントが、直接的に業務機能の集積
イベント空間と捉え、交通整備や施設建
都市づくりにとって﹁ひとの集まり・
イベントは、業務機能の集積をはかる
に結びつくとは考えにくいので、やはり
うなイベントを今後継続的に実施してい
このように、都市づくりに貢献するよ
ントであろう。そして、それと併せて話
うえで触媒としての役割を期待できると
別の視点からのアプローチが必要となる
設、景観形成自体もイベント化する発想
く必要がある。また一方で、﹁みなとみ
横浜新都市ビルにおける常設のMM21
思われる。業務機能集積の前提条件とな
だろうが、﹁ひとの集まる都市づくり﹂
が必要となってくるのではないだろう
らい21﹂にとっての︿メインディシュ﹀
情報の集積﹂ということが非常に重要な
る事業PRは、各種のPRイベントの実
をめざして、関係者が協力して様々な施
か。
題性があり集客力のある施設や交通基盤
施によって効果を生むだろう。しかし、
これまで、イベントや核的施設建設の
スタジオ︵みなとみらい21PRコーナー︶
たとえPRが浸透しても実質的な需要を
い﹂が形成され、いわゆる都市型産業の
策や活動を行っていけば。。﹁街のにぎわ
六︱イベントと業務機能の集積
生むものでなければ、業務機能の集積は
要があると思うのである。
材料集めや仕込みを怠りなく準備する必
︿株式会社横浜みなとみらい21推進部﹀
︵大型イベント、核的施設等︶のための
かに民間主導の大型イベントの開催が期
実施主体については触れなかったが、イ
待されるとともに中小規模のものも、各
受け皿となる可能性は高いと思われる。
望めない。では、実質的な需要を生み出
七lおわりに
ベントについては、今後、行政主導のほ
せるようなイベントとは何か。やはり、
国際的にもアピールカがあり、多くの人
々が各地から集ってくるような大型イベ
85. 10
調査季報86
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