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20020413「教育再興 in 品川」つくる会品川区部
講演
「 教 科 書 採 択 妨 害 の 実 相 」 ∼教育再興 in 品 川
演「
講師:産経新聞論説委員 石川水穂氏
日時:平成14年4月13日(土)午後2∼4時
場所:品川区立中小企業センターにて
主催:新しい歴史教科書をつくる会 品川区部
後援:産経新聞社
(見出しは品川区部によるものです)
■外務省出身の野田英二郎による検定中の妨害
今回の新しい歴史教科書をつくる会のメンバーが中心になって作成しました扶桑
社の中学校歴史・公民教科書が検定申請をされたのが、一昨年の4月です。全体を
通しまして、検定においては目標を達成した、しかし採択においては目標を達成で
きなかった、というのがこの新しい歴史・公民教科書の総括ではないかと思います。
この資料1の3枚目は、検定がさまざまな妨害活動を乗り越えて扶桑社の教科書が
検定に合格した過程です。妨害活動の一つはですね、元外交官の教科書検定調査審
議会委員が、扶桑社の教科書を狙い撃ちにして不合格工作をやった、ということで
すね。これは外務省から派遣された、外務省の推薦でなった、野田英二郎という元
インド大使ですけれども、ちょっとやりすぎたために結局、教科書検定の審議委員
から最後外され、もう一人の外務省推薦委員も外されまして、外務省は検定に窓口
を失うこととなりました。これは外務省が自ら招いた、自業自得の結果だろうと思
います。ここまでやりすぎなかったら、こういうことにはならなかったと思います。
したがって現在教科書検定においては、外務省の影響力というのはほとんど排除さ
れています。
■朝日のネガティブキャンペーンにもかかわらず検定合格
もう一つの妨害活動は、朝日新聞がつくる会の教科書をつぶそう、という異常な
激しいネガティブキャンペーンをやったことです。検定中から白表紙本の教科書の
批判報道をやった。朝日新聞が書くと韓国の新聞が同じようにネガティブキャン
ペーンをやって、
「けしからん教科書だ」
「偏狭なナショナリズムだ」というレッテ
ルを貼った。
しかし、それにもかかわらず、文部省はこの教科書を検定合格させた。歴史教科
書は137箇所の検定意見がつきました。これは多いか少ないかは見方の違いかと
思いますけれども、新規参入の教科書で137箇所というのは決して多くはないだ
ろうと思います。既存の各社に比べれば137箇所の修正意見というのは多い方で
す。つくる会の教科書執筆のメンバーの中でも、修正意見をどこまで呑むべきか意
見が分かれたんですけれども、結局殆ど呑むことにした。というのはですね、文部
省がこの教科書を落とそうというのではなく通そうとしていたからです。この扶桑
社の教科書を何とか通そうとして、いろんな検定意見をつけている。これは実際、調
査官と直に応対した執筆者も肌で感じたそうです。結局、ほとんど検定意見を受け
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入れ、合格したのです。というように、検定においては目的は完全に達成した。
しかし、検定が通ったあと、韓国が35項目の再修正要求をしてきました。中国
は8項目の再修正要求をしてきました。本当は検定が合格した後の再修正要求は、
本来は受け入れられないものなんですね。ましてや、外圧によって受け入れるとい
うことは許されません。昭和61年の新編日本史外圧検定事件の頃は、中国や韓国
の再修正要求を受けいれて教科書をずたずたにしちゃった、という苦い過去があり
ます。現在の「最新日本史」という教科書です。今回文部省は、韓国の35項目の
うち2項目だけ受け入れて、中国の8項目は全部はねつけた。ということで、非常
に節度のある、冷静な対応をしました。昭和61年のときのような検定後の教科書
がずたずたになる、という事態は避けられたのです。
また政治家で田中真紀子さん、民主党代表の鳩山由紀夫さんが扶桑社の教科書を
名指しで批判したということがありましたけれども、そんなに大きな影響はなかっ
たように思われます。
■採択戦序盤・・・1割採択が目標
採択の話に入る前に採択の仕組みを、皆さんご存じの方もあるかと思いますけれ
ども、復習したいと思います。全国で542の採択地区に分かれています。だいた
い一都道府県あたり10ちょっとです。東京都の場合は23区、それぞれが採択区
です。まず都道府県の教育委員会が教科書の選定資料をつくります。その次に、主
として現場教師、校長先生から成る調査員が調査を行います。そこで絞り込みとか
順位付けということを以前は多くの採択区でやっていました。絞り込みというのは
教育委員の採択権限を形骸化するものだとして産経新聞やつくる会は反対したんで
すが、今年も行われたようです。そして各採択区の市町村教育委員から成る採択地
区協議会で、
複数の教科書の中から採択する教科書を選ぶということが行われます。
それを最後に各市町村の教委に持ち帰って、採択協議会で選んだ教科書を採択する
わけです。これがひっくり返った例というというのは今まで一回もありません。慣
例として採択地区協議会で選ばれた教科書はそれぞれの市町村教育委員会で選ばれ
る、という手順で教科書は選ばれていたのです。
実際に採択が始まったのは五月頃ですかね、新しい歴史教科書をつくる会は採択
の目標を1割と定めていました。我々も1割というのは行けそうだ、という感じを
持っていました。扶桑社は見本本というのを、これも初めてのケースですが、市販
しました。正確な数字は知りませんが、歴史が約60万部、公民が15万部という
大変な売れ行きを示した、ということもあって、1割というのはいけるのではない
かという感触を持っていました。何カ所かは扶桑社が勝てそうだ、という地域、静
岡県とか栃木県とか和歌山県とか、何カ所か期待して結果を待っていたのです。早
い時期に採択を決めたのは千葉県の習志野地区です。千葉県習志野地区は扶桑社の
有望地区だった、しかし結果的に習志野地区はだめだった、そういうのが何カ所か
ありました。つくる会と産経新聞は一緒ではないのですが、普段からつくる会の運
動を産経新聞が熱心に採り上げてきた関係で、同じように一喜一憂していたと記憶
しています。ちょっとがっかりしていたところへ、栃木県下都賀地区で扶桑社が
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とった、という一報が、東京新聞の特ダネとして飛び込んできたんですね。産経新
聞としては東京新聞に抜かれたけれども、内心喜んだことを今でも覚えています。
■下都賀地区での勝利をはずみに全国へ・・・と期待
この下都賀地区でとれれば、これがはずみになって、和歌山県田辺地区とか、東
京の国立市とか杉並区とか荒川区とか台東区とか・・・・有望な地区が雪崩をうっ
て採択がとれるんじゃないか、という希望を持ったわけです。栃木県下都賀地区と
いうのは、小山市、栃木市、それと8町からなる、栃木県の南のほうの地域です。栃
木県の教育環境を申し上げますと、
栃木県というのは日教組がゼロの県なんですね。
まぁ数人ぐらいはいるんですけど、栃木県は保守系の全日教連という教員団体が強
い勢力をもっています。全日教連というのは日教組に対抗してできた保守的な教員
団体なんです。もともと学校現場が偏向教育に最も侵されていない・・・・
「東の栃
木・西の愛媛」といわれていますけれど・・・・イデオロギー教育というのがほと
んどない地域です。こういう地域だから採択もうまくいくのではないかと、我々も
つくる会も期待していました。
扶桑社がとった、といっても正確には一票差で勝ったということです。その辺の
経緯、簡単に復習しますと、昨年の7月11日に行われた採択地区協議会の出席者
は23人です。2市8町、全部で10の教育長と教育委員長、これで20人ですね、
これに小学校・中学校のPTAの代表が3人、計23人で構成されています。それ
らが全員出席して行われました。最初は現場教師の調査員が8社の教科書・・・・
中学の歴史教科書は8社、それまでは7社だったんですけれども扶桑社が参入して
8社になりました・・・・・それぞれ説明をしました。議長は採択地区協議会の会
長、小山市の教育長が務めました。調査員は3社の教科書を・・・・・ほんとはやっ
てはいけないことなんですが3社の教科書を絞り込んで薦めた。東京書籍、教育出
版、日本文教出版という3社の教科書を薦めたのです。扶桑社は入っていなかった。
通常ならば、東京書籍、教育出版、日本文教出版の3社のなかから1社を決めるん
ですけど、教育委員のなかには、この下都賀地区には扶桑社を強く支持する教育委
員が何名がいたわけです。そのなかで先頭に立った教育委員というのが、栃木市の
教育委員長、これは宮司をやっている方です。この方が7月11日の採択地区協議
会で強く発言されました。下から3社の絞り込みが上がってきたんだけれども、そ
ういうのは無関係に8社から選ぶべきだ、ということを強く主張しました。扶桑社
の教科書が日本人としての誇りを持つ、人間形成に大変大切である、そんなことが
きちんと書いてある、ということも主張しました。そして23人の投票が行われた。
第1回投票では、歴史は扶桑社が11票、東京書籍が8票、日本文教出版が3票、教
育出版が1票で、どの社も過半数は取れなかったわけです。でもう一回、上位2社
について再投票をしようということになり、再投票の結果、扶桑社が12票、東京
書籍が11票、これで扶桑社に決まったわけです。これが7月11日の出来事です。
これを東京新聞がすっぱ抜いて、翌日、朝毎読、産経が追っかけたわけです。
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■下都賀地区での凄まじい言論テロ
普通はこれで、市町村に持ち帰って、扶桑社の教科書を決めるのが慣例なんです
ね。でもこれからが大変でした。これは皆さんも記憶していられることと思います
が、全国から凄まじい妨害行動が行われたわけです。栃木県というのは日教組も全
教というのも・・・全教というのは共産党系、日教組というのは旧社会党系なんで
すが・・・どっちも拠点がないわけです。したがって外人部隊といいますか、それ
を動員するわけです。ファックス、レタックス、電話とかそういうのをジャンジャ
ンジャンジャン鳴らすわけです。各市町村の教育委員会、教育委員長、教育長の自
宅に、同じような文面でドンドン流して、仕事にならないのです。例えば、岩舟町
という町では700∼800通のファックスや手紙が来たんです。
「何で扶桑社を採
択したんだ」という怒りの電話がバンバンバンバンかかってきた。野木町というと
ころでは800通の採択への抗議で業務に支障がでて仕事にならなかった。小山市
では1400通の手紙やファックスが来た。壬生町では1000通を超した。うち
の記者がこれはどういうところから来たか調べました。日教組は、北は北海道教職
員組合から南は鹿児島県教職員組合まで全国規模で妨害活動を展開しました。それ
から中核派主導の「とめよう戦争への道! 百万人署名運動」とか共産党系の「子
どもと教科書全国ネット21」
・・・いろんな団体ですね。直接来たのは、部落解放
同盟栃木県連合会、在日本大韓民国民団栃木県本部・・・今回の教科書採択妨害活
動というのは、朝鮮総連系がほとんど動いていないですね。ほとんど、民団系、在
日韓国人の団体ですね。部落解放同盟というのはかなり組織的に、栃木県に限らず
あちこちで動いています。
こういう凄まじい電話・ファックス攻勢があり、その中には許し難い妨害活動も
ありました。扶桑社を推している栃木市の教育委員長の宮司さんの自宅に、こうい
う脅迫電話がかかってきた。深夜1時に「あんたのお婆さんは90歳だよね、石段
から落ちなければいいね」
「あ、寝ていたの。神社が火に包まれちゃうよ」という男
の声で電話がかかってきた。この神社は8月15日まで氏子らが交代で寝ずの番を
させられたとのことです。また、ある教育長の自宅には「扶桑社を採択したら取り
返しのつかないことになる」という電話がかかってきた。これは犯罪スレスレの脅
迫ではないかと思われます。
それで皆さんもご存じのように、それぞれの市町村で持ち帰った結果、継続審議
にしたり、採択地区協議会の決定を否決したりして、ひっくり返しちゃう訳です。そ
れで7月25日にもう一回、採択地区協議会を開いて、再投票した結果、東京書籍
が20票、日本文教出版が3票、で東京書籍に決まったのです。
いったん採択地区協議会で決まったことなのに、凄まじい言論テロによって、教
育委員がおびえちゃったわけですね。扶桑社に投票できなくなった。一番扶桑社を
推していた栃木市の教育委員長まで投票できなかった、そういう異様な状況が出現
した。これで流れが完全に変わった。栃木県下都賀地区の逆転不採択、これがすべ
てを流れを決定した。有力だった和歌山県田辺地区もやっぱり同じように左翼団体
が押しかけて、扶桑社に反対した。扶桑社の有力な地域だった東京都国立市も杉並
区もだめだった。荒川区も台東区もだめだった。公立で扶桑社の教科書を採択した
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20020413「教育再興 in 品川」つくる会品川区部
ところは東京都の教育委員会と愛媛県の教育委員会だけでした。これは養護学校で
使われる教科書です。愛媛県は文部省出身の加戸(かど)知事で教育問題に毅然と
したリーダーシップを発揮している県です。愛媛県は6人教育委員がいて、うち5
人は加戸知事が任命したそうです。結果的に6人全員が扶桑社の教科書を推したそ
うです。東京都でも石原知事が任命した委員が扶桑社の教科書を強く推して、扶桑
社の教科書が採択されました。
■言論テロリストはこいつらだ!
もう一度資料「扶桑社教科書に圧力をかけた政治団体」に戻ります。一番中心的
な役割を果たしたのが「子どもと教科書全国ネット21」
。これはどういう団体かと
いうと家永教科書訴訟を継承するかたちで、つくる会をターゲットに結成された、
共産党系の組織です。加盟しているのが主として既存の教科書会社7社の労組委員
長とか出版労連、歴史教育者協議会、それから、既存7社の教科書執筆者らが名を
連ねております。これははっきり言って、既存7社の利益代表みたいな団体ですね。
これを朝日新聞などは「善良な市民団体」であるかのように書いているわけです。
もう一つは「とめよう戦争への道! 百万人署名運動」
。これもあちこちの採択の
現場に顔を出している。これはどういう団体かというと中核派が指導する組織で、
賛同しているのは社民党議員ですね。辻元清美(当時、今は前議員ですね)、福島瑞
穂、保坂展人とか・・・これは社民党系のなかでも過激な団体です。
今回の採択妨害活動の大きな特徴としては、普段は仲の悪い、日教組と全教、旧
社会党と共産党、過激派と共産党、それが教科書問題では一致して、扶桑社潰し、つ
くる会潰しに動いた、ということだろうかと思います。例えば、東京都荒川区では、
都教組、これは共産党系、東京教組、これは旧社会党系、これらが間違いなく一緒
に手を組んでやってました。そしてみなさんも記憶にあるかと思いますが、革労協
がつくる会の本部に時限発火装置を仕掛けた。被害は少なかったんですけれど
も・・・40年代に暴れ回った過激派が目標を失って、この扶桑社の教科書を潰す
ために集まったんじゃないかと思います。
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20020413「教育再興 in 品川」つくる会品川区部
つくる会の放火事件の現場の写真
昨年暮れ、産経新聞がトップに書いたんですが、公安調査庁が採択の実態を非常
にわかりやすく分析しているんじゃないかと思います。大事なところだけ、公安調
査庁がどのようにみてるか話します。
(公安調査庁の平成14年版「内外情勢の回顧と展望」引用開始)過激派は,
「つく
る会」教科書を「戦争賛美の教科書」などと批判し,4月以降,同教科書の採択に
反対する内外の労組,市民団体や,在日韓国人団体などと共闘し,全国各地で教育
委員会や地方議会に対して,不採択とするよう要求する陳情・要請活動を展開した。
各派の主な取組では,教科書の採択審議が本格化した6月中旬,共産同戦旗派と
共産同全国委員会主導のアジア共同行動日本連絡会議が,東京,大阪など全国5か
所で,韓国の労組関係者や市民団体代表らを招いて採択阻止の集会を開催した。7
月中旬には,中核派主導の「とめよう戦争への道!百万人署名運動」などが,
「つく
る会」教科書の採択方針を固めた栃木県下都賀採択地区協議会(2市8町で構成)に
対し,同方針の撤回を求める要望書を提出するとともに,全国の共闘組織からの抗
議電話を集中させた。また,中核派などの過激派が,7月24日,東京都杉並区役
所を取り囲む「人間の鎖」抗議行動に参加するなどして,同区教育委員会に対し,
「つ
くる会」教科書の不採択を訴えた。(引用終わり)
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20020413「教育再興 in 品川」つくる会品川区部
■過激派を善良な市民に見せかける朝日新聞
テレビ等で映し出された「杉並の教育を守る親の会」とかいかにも善良な主婦を
装っているんですが、実際は過激派が活動を主導しているんです。それを新聞は的
確に書いていかないと、市民団体とか市民運動とか、いかにも善良なグループだと
思いこんじゃうんですね。例えば、7月25日の記事ですね。産経新聞では「市民
団体」とか「市民運動」とかいう言葉を一つも使っていません。
(産経記事より)
「採
択阻止を叫ぶ左翼団体などが押しかけた参加したのは共産党系や過激派系を含む約
三百人(警視庁調べ)。
“人間の鎖”で区役所を包囲して審議に圧力をかけた。中に
は中国の国旗を手にした参加者の姿もあった」。これ警察に取材すれば、ちゃんと広
報で教えてくれるんですね、何人が来たかとか、どういうグループが来たかとかで
すね。産経新聞はきちっとそういう取材をしてですね、どういう団体かをその都度、
みな書いています。しかし、朝日新聞の同じ日の記事では「東京都国立市と杉並区
では、同社の教科書に異議を唱える市民グループが「人間の鎖」で採択反対をアピー
ルした」。これ、何のことかわからないですね。これ全く同じグループなんですけ
ど・・・この24日というのは、全国の過激派が杉並と国立に分けて動員をかけた
日です。
(産経の写真を指して)これ善良そうな主婦に見えます? 見えないと思う
んですけどね、サングラスかけて怖いおばさんで・・・とってもこれが市民グルー
プとは思えない。
杉並の教科書採択の時に区役所を包囲する過激派 ナント中国旗まで!
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20020413「教育再興 in 品川」つくる会品川区部
つい最近、中川昭一さんが率いる超党派の教科書問題を考える議連、2回にわ
たって国立の教育委員などの関係者から話を聞いた結果が産経新聞に報道されまし
た。それでびっくりしたのは、杉並区の教育委員の自宅にカミソリが送られてきた、
というのですね。これは卑劣な言論テロですね・・・どうして杉並署が捜査しない
のかと思います・・・産経新聞が報道する以上に、かなり陰湿な凄まじい言論テロ
が行われているんじゃないかと。杉並区で扶桑社を支持する幼稚園の園長の教育委
員は、ほとんど自宅では食事できなかった、ドンドン脅迫電話がかかってくるもの
だから殆ど外食していた、という話をしておられました。共産党系にしても、反日
共系の過激派にしても、昭和40年代から50年代前半ぐらいまでは、かなり大き
な勢力だったんですけれども・・・今の世の中では通用しない、こんな連中が扶桑
社のつくる会教科書を潰すために共闘したのが、この言論テロなんですね。ファッ
クスとか脅迫電話とか・・・扶桑社の採択が3年後も行われるんですけど、やっぱ
りまた同じようなことをやってくるんじゃないかと思います。これに対して手だて
を、今のうちから何か講じておかないと、やっぱり同じ目に遭う、そんな懸念をし
ています。
■国を売る外交官が存在することが問題
過激派のことでついでに話をしておきたいですが、先ほどの元インド大使で扶桑
社の教科書を検定がでるまえに一発不合格にしようとした野田英二郎、彼は過激派
外交官だったんですね。我々も調べたんですが、日本労働党・・・中国寄りの団体
ですが・・・その労働新聞に何回も野田英二郎が自分の考えを発表しているんです
ね。そして雑誌「世界」にも「日米安保廃棄論」を堂々と述べている。例えば「世
界」では「日米安保条約を終了させ米軍基地をすべて撤去する」
、労働新聞では「日
本全体からしても日米安保を本当に維持することに利益があるかどうか問題であ
る」
。・・・完全なる反米主義者ですね。反米だけでなく、親中・親北朝鮮の発言も
しています。
「自主・平和・民主のための広範な国民連合」というところが発行して
いる「日本の進路」という雑誌では野田英二郎がこう言っています。
「
(日本政府は)
北朝鮮に対して拉致疑惑を強調しすぎている。拉致疑惑を正常化交渉の前提にする
という態度はあまりにもバランスが取れない」
・・・
「世界」では尖閣諸島問題につ
いて「
『棚上げ』の原点に戻るよう切望したい」
。それから、野田英二郎は外務省の
研修所長をやっているんですね。職員とか新人職員を研修する重要な役割なんです
けど、こういうことを研修所長時代に言っています。
「
(中国などでは)南京大虐殺
など多くの残虐行為について学校教育が続けられている。
(中略)わが国において、
青少年に対して適切な歴史教育が施される必要がある」
・・・こういう人達が外交官
であるということに、我々は愕然とするわけです。今や外務省疑惑がいろいろと・・・
官邸機密費を使ったりとか、鈴木宗男に私物化されていたりとか、いろんな問題が
あるんですけど・・・こういう、国を売るような外交官が存在しているということ
が一番問題ではないか。つい最近も明らかになりましたけど、拉致事件について
「
(拉致された)たった10人のことで正常化交渉がだめになってもいいのか」
、そう
いうことを発言した外務省の幹部がいたことが明らかになりました。対中国、対北
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20020413「教育再興 in 品川」つくる会品川区部
朝鮮で、どっちの利益を代表しているのか? 今、外務省のスキャンダルがいろい
ろ出てますけど、国益を代表するというのが外交官の一番の役割なのに、国を売る
ような外交官が、特にチャイナスクールですね、今でも中国寄り、あるいは北朝鮮
寄りの行動をとっているということは、許し難いことじゃないかと思います。
■品川区のドラスティックな改革:学校選択制
最後に品川の教育についてお話しします。
品川区では若月教育長が意欲的な方で、
全国に先駆けてさまざまな教育改革をやっています。一番大きいのは「学校選択制」
で、全国で最初に始めた。区内40の小学校を4つのブロックにわけて、ブロック
内では保護者が自由に学校を選べる制度です。平成12年度からスタートし、他の
区にも広がっています。この学校選択制というのは何回も議論にのぼってはつぶさ
れた、そういう歴史を辿ってきたわけです。日本の公立学校がどんどん地盤沈下す
るひとつの原因にもなっていたわけです。
平成10年に町村文部大臣が就任したときに、文部省の教育改革の柱のひとつに
学校選択制を据えたわけです。
「どの学校も生徒数が均等では困る。それぞれが特色
のある学校づくりをした結果、生徒数に差がつくのはやむを得ない」
、町村大臣はこ
うも言っています「文部省はルビコン河を渡った」
・・・・・これは大変な改革に文
部省が乗り出したという決意を語ったわけです。ところが町村さんが去ったあとの
中央教育審議会で学校選択制が議論されたんですけれども、おなじ平成10年10
月に出された結論では、学校選択制は大幅に後退して、保護者の異議申し立て権を
認めただけの答申に終わっていた。異議申し立て権というのは、例えば子どもがい
じめられて不登校になった、どうしても学校を変わりたい、というときに例外的に
保護者の異議申し立てを認める制度で、学校選択制とは全然違う。何故こんな風に
後退したか、中教審を担当する文部省の政策課に聞きに行ったんです。その答えは
「あれは町村さんの持論である。文部省内では多数意見ではない」と。大臣が替わっ
て議論が尻すぼみになった。文部省にとっては学校選択制というのはタブーだった
んですね。これをやると文部省の権域が侵される、という意識をもっているわけで
す。遡りますが、昭和59年から60年、中曽根さんの臨時教育審議会、臨教審、そ
こでも大変な議論がありました。学校選択制を唱える急先鋒は、もう亡くなられた
香山健一さん。
「学校の自由、学校選択制を取り入れないと公立学校というのはどん
どん衰退していく」ということを強く主張されました。これに対し、第三部会長の
有田さん、当時クラウンレコード会長、この方は学校自由化に猛反対していました。
「学校選択を自由にすれば伝統校などに入学希望者が集まり、
行政的対応が不可能に
なる」
・・・・このときに文部省も日教組も教育委員会も全部反対で、結局潰れるわ
けです。
学校自由化という議論が出てくる度に文部省、日教組、教育委員会が反対して潰
す。それを品川区の若月教育長はやった。大変勇気のあることだと思います。実際、
学校によって差がついてきています。若月教育長は当時このように言っています
「校長先生の目の色が変わってきた」
。教育に魅力のない学校は生徒が集まらず、魅
力のある学校は生徒が集まる・・・・・あんまり集まってきても収容施設がありま
−9−
20020413「教育再興 in 品川」つくる会品川区部
せんから抽選になるんですが・・・・・校長の指導力が問われるわけです。校長先
生にとっても厳しいですが教員にとっても厳しいのではないかと思います。
品川区は学校選択制だけではなく、外部評価制、学校外の地域住民や保護者から
外部評価員を委嘱して、学校の点数をつけてもらおう、というのが今年度からス
タートしました。これもドラスティックな改革です。
「学校の常識は世間の非常識」
と言われていて、学校というのは中を開こうとしなかったわけです。それから・・・
小中一貫校、独自の学力調査というのも注目されます。
要するに品川区が危機感を持っているということは、公立と私立の格差、生徒が
このままでは私立に行って公立がどんどん地盤沈下する、公立の底上げをやらなく
てはだめだ、文部省の指示とか待っていられない、ということだと思います。中高
一貫校というのはありますが、小中一貫校というのは非常に珍しいケースで、平成
18年の開校ですけど、注目していきたいと思います。このように品川区でドラス
ティックな改革ができる背景というのは、石原都政が都立高改革、学区制改革、都
立大改革、心の東京革命とか、どんどん文部省の指示を待つことなくやっている、そ
んな環境にも刺激されているのではないかと思われます。東京都教育委員会と品川
区の教育委員会、これから全国の教育改革を引っ張っていく牽引力になるのではな
いかと思います。
■文部省にも教育委員会にも校長も一部にアカイ奴がいる
この教育委員会というのは、すべてが品川区や東京都のようではありません。教
科書採択でわかったことなんですけれども、教育委員になる人が信用できない現状
があることを我々ははっきり認識しました。事務局に組合出身者がいるケースなど
がかなりありますね。教科書問題に限らず、広島県や三重県、今産経新聞がやって
いる北海道の問題など、
教育委員会と日教組の癒着が次々と明らかになっています。
先日産経新聞で報道されたように、韓国旗を卒業式に揚げるような、ああいう変な
校長もいるわけです。教育現場というのは教育委員会も校長も必ずしも信用できな
い、情けない現状です。これは平成7年に文部省と日教組が歴史的な和解をし、日
教組が文部省に近づいたのではなく、文部省が日教組に近寄った面がかなりありま
す。ゆとり教育などもその一環ではないかと思われます。中教審に日教組の代表が
ひとり入っている、これは意外と知られていないことなんですが、この人が教育改
革にブレーキかけているんですね。中教審で教育基本法の改正論議が間もなく始ま
りそうですが、ちょっとこれも期待できそうではありません。
■教育現場でだけではく図書館なども警戒を
そろそろまとめます。教育現場に限らず、図書館でも西部邁さんや渡部昇一さん
の本が廃棄されていることが明るみになりました。これも氷山の一角ではないかと
思います。いろんなところで、新しい歴史教科書をつくる会への妨害活動が行われ
る、それに対しての警戒を怠ってはならないと思います。それと、教科書採択がな
かったことでつくる会の会員がちょっと減ったと聞いています。つくる会の会員を
− 10 −
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1人でも増やし、産経新聞の読者を1人でも増やすことが日本の教育改革につなが
ると思います。どうも長いことありがとうございました。
質疑応答
(Q)言論テロへの対策はどうすればいいか?
一番大事だけど一番難しい、答えがでない問題ですね。連中がやっているのは違
法スレスレのことなんです。憲法では一応、言論・集会・結社の自由が認められて
いるし、デモ行進で人間の鎖とかやっても刑法には触れないと思うんですよね。た
だ革労協による時限発火装置とか、
カミソリを教育委員のところに送りつけたとか、
栃木県下都賀地区で宮司の家に「神社は焼けてないかい」と脅迫電話をかけたり、そ
ういうのはテープに録音して証拠とすれば事件にはなるのではないかと思います。
ただし犯人は見つからないと思います。言論テロに対してどう対処すればいいか、
今から(次の採択までの)3年の間に対策を考えないと、同じ事になるという危機
感を持っています。つくる会も産経新聞も扶桑社も危機感を持っています。
下都賀の逆転不採択がなかったら、おそらく品川でも、扶桑社を推すような委員
がでたんじゃないかと思います。実際、国立の教育長が扶桑社をはじめは推してた、
というんです。
第3者として告発するという手があるかもしれませんね。杉並の教育委員にカミ
ソリが送られた例とか・・・・告発とか告訴とかないと警察というのは動きません
から。公安調査庁は捜査権を持ってないんですね、調査権しか持っていない。公安
調査庁は情報収集しかないので捜査になると警察になります。
そういうことしか今のところ答えることができません。非常に難しい問題です。
(Q)高校の教科書でも不適当と思われるものが見受けられる。検定を
止めたらどうか?
検定制度廃止に踏み切ったほうがいい、という検定自由化論ですね。自由執筆・
自由編集・自由採択・・・これ毎日新聞が唱えている論議なんですけれども、これ
をやるともっと酷い教科書がでてきてしまうんですね。新編日本史のときも検定自
由化論がでたんですが、現時点では出版界、教科書会社というのは左翼勢力が圧倒
的に強いですから、更にひどくなる。この間も「南京大虐殺40万人説」が高校の
教科書・・・・恐らく文部省のミスだと思うんですが・・・・通ったんですが、検
定が無くなったら「南京大虐殺100万人説」が堂々と登場すると思います。それ
と「従軍慰安婦」
・・・・これも不適切な言葉なんだけど・・・・もっと酷い「性奴
隷」とかいう表現がどんどん登場し・・・・要するに、教科書が左翼の出版物、ア
ジテーションの本になってしまう恐れがある。
だから我々としては適正な検定、検定の適正化を求めていくことが最大の道だと
思います。だから検定制度は必要だと思われます。
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20020413「教育再興 in 品川」つくる会品川区部
(Q)高校では教科書の採択が高校単位であり、職員会で決めている。
校長の権限を強化すべきではないか?
非常に困ったことです。高校の教科書というのは広域採択という方法をとってい
ない。校長が実質的な採択権限を持っている。しかし実際は現場の教科担当教師に
投げちゃうという可能性があるんです。校長が本当にリーダーシップを持っている
ところは適正な教科書を選ぶのでしょうが、現実は職員会議が最高の意志決定機関
であるとする学校がまだかなりあると聞いています。
「それはだめだ、職員会議は校
長の単なる補助機関なんだ」と文部省は一所懸命言っているんだけど、なかなか現
場には伝わっていないのが現実。その辺も変えていかなくては・・・・・校長の指
導力を確立するという方向に変えていかないと日本は良くならないんじゃないかと
思います。
(Q)産経は朝日、毎日にどう対処していくのか?
朝日新聞は最初から扶桑社の教科書を狙い撃ちにしておりまして・・・・昭和6
1年、16年前ですが、このときも新編日本史を最初から攻撃目標に決めていたよ
うです。朝日新聞というのは、皆さんご存じのように、日本を左へ左へ導いていく
傾向が強い。残念ながら教育現場において使われているのは朝日新聞です。これか
らも産経新聞は朝日新聞との言論戦を続けていきたいと思います。
毎日新聞というのはもう影響がそんなないような気がします。朝日がやっている
ことをちょっと薄めて報道している。読売新聞というのは部数が多いんですけれど
も、あまり教科書問題では頼りにならない。
「ゆとり教育」への批判はやっているん
ですけど、肝心の「教科書問題」
「靖国問題」になると読売新聞は腰が引けてます。
共産党系の「子どもと教科書全国ネット21」の意見広告を朝日新聞だけでなく、
何と読売新聞も出しているんですね。読売新聞はどっちかというと産経新聞に近い
んですけど、教科書問題では当てにならない。
朝日新聞は一部の声高な声をいかにも(世論全体の)大きな声であるかのように
伝えている傾向があります。本当は多数の声なき声の側に立って報道するのが新聞
ではないかと思います。
(Q)フジテレビは何とかならないのか?
「報道2001」
、日曜の朝、竹村健一さんがでている番組は我々と深い関係にあり
ます。
「報道2001」のスタッフが産経新聞の社論会議(金曜)に出席をしてそこ
で議論をした結果を踏まえ、次の日曜の朝の番組に反映させています。
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20020413「教育再興 in 品川」つくる会品川区部
(Q)船橋市の図書館の焚書事件の情報源は?
情報源は読者です。読者が社会部に電話をかけてきまして、千葉総局に指示をだ
して取材させて、昨日今日の記事になっています。千葉県版でも書いていますけど、
西部邁さん、渡部昇一さん、西尾幹二さんなどの本を廃棄したのは女性の司書だそ
うです。百数十冊ですけどほとんど保守系の評論家・学者の本ばかりだそうです。
■その他質問
以下は石川氏の講演に寄せられた全ての質問内容です。残念ながら時間がないた
めお答えできない質問もありました。
【言論テロとその対策について】
○様々の妨害活動に対して公安調査庁にもっと働きかけられないか(今までのま
までは泣き寝入り当然)
○「言論の思想や自由」が全く歪められている。妨害活動を取り締まるべき。放
任しているのはおかしい
○教育委員への妨害活動は言論テロであることが明らかなのだから、裁判に訴え
たり、文部省が調査するなり、きちんと対処してほしい。そのために私達は何をし
たらいいか
○栃木県下都賀地区の教科書採択協議会の現場に行きまして、圧力団体の抗議の
様子を間近で見てきたのですが、次の採択で同じ事が再び起きそうな場合、具体的
にどのような手段をとるのが有効とお考えか、ぜひ教えてください
○扶桑社教科書阻止で左翼団体が結束したとのお話でありましたが、普通はどの
左翼団体が彼らの同じ陣営の中で対立して、また連携しているのか、もう少し詳し
く説明してください
○技術者のレベルで扶桑社の教科書を実際に読めば、
「日本の将来」を担う若い人
材の育成にはベターと素直に理解できる。しかるに大学教授の多くの反対署名が集
まったのには驚き。その人々は実際に読み、又次代の若人達をどう考えているのか
【つくる会の運動について】
○つくる会に賛同している人は有名企業の社長や役員も多く、もっと組織的に活
動をして左翼団体の好きなようにさせない、という考え方はないものでしょうか
○世界の動きから落ちこぼれつつある左翼勢力があがきをしてながら、命をかけ
て反対する人々を薄める数を増やすしかない。千倍以上の数を目指す。一般の人々
は命をかけても賛成する程のエネルギーはないのだから
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20020413「教育再興 in 品川」つくる会品川区部
【マスコミについて】
○今後、産経新聞社やフジテレビ系列で朝日系に対抗していくのか
○朝日・毎日が扶桑社本に反対する目的はどこにあるのか
○朝日・毎日が描く日本の将来像は? 社会主義か?
○産経の読者を増やさないと朝日・毎日の圧力に負ける。産経の主張をあまねく
知らせる運動はできないか
【教科書について】
○「新しい歴史教科書」の市販本はまだ販売しているのか。どこで購入できるの
か。
○扶桑社の教科書の今後の取り組みは如何か
○品川の教科書の採択の結果はどうなりましたか
○教科書は難しい。入試が控えている以上、ある程度ゴールからも考えざるを得
ない点もあると思います
【採択について】
○採択問題により詳しく調べるための本、資料について教えてください
○教科書選定そのものの考え方を再考することも必要ではないか
○マスコミは少数派の意見をあたかも主流であるかのような取り上げ方をして言
論統制をしているところがある(例えば日中友好協会など)
。もの言わぬ声は実際は
大きい。教科書採択も全国投票にしたら。絶対に採択されると思う。
○高校の教科書採択は各学校に任されていて、しかも実質教員が決める(私も今
年決めました)
。売国奴のような人々が決めていくのですが何か対策は?
○最近の高校歴史教科書の検定結果をみると「これで検定がよくとおった」と思
うことがある。検定制度の廃止に踏み切った方がよいのでは、と思うがどうですか
【その他】
○船橋西図書館、情報源教えてください。近くの公立図書館も監視したいと思い
ます
○部落解放同盟について教えてください
○日本のキリスト教会の実態について教えてください
○学校の教員たちの意識は変化していない。だいたいいつも何でも職員会議で話
し合わないと決められない。もっと校長の権限を増やさないと・・・・
○今度小泉首相が中国訪問する際、教科書問題の対応はどうするだろうか
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