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No.92 2009 - 北海道自然観察協議会
自 然 観 察 2009年 9月 15日発行/第92号 年4回発行 92 No. 2009 9月 目 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 次 森の見方・楽しみ方 第20回滝野の自然に親しむ集い 実施報告 第20回滝野の自然に親しむ集い 決算報告 会計からのお願い 第20回滝野の自然に親しむ集い アンケートまとめ エゾサンショウウオのしなやかな生き方 第二回温度依存性分化 ウォッチングレポート フィールドニュース 稚内市 参加者の声 滝野参加者の声 滝野の集いアルバム ウォッチングプラン 事務局だより・理事会だより 緊急連絡先他 トモエソウ 2 5 6 6 7 8 10 12 12 14 14 15 16 16 2009/ 8/ 6 北見市 森 の 見 方 ・ 楽 し み 方 副会長 横山 武彦 わたしたち観察指導員は「森」そのものを ません。極相林となっている森でも、雌阿寒 フィールドとして、または「森」とかかわり 岳の麓の国有林、富良野の東大演習林はそれ を 持 つ フ ィ ー ル ド と し て 活 動 し ま す が、 ぞれアカエゾマツ、エゾマツ・トドマツの優 「森」は観察の場であるとともに、学ぶ場、 占する森ですが、北大苫小牧研究林の天然林 体験の場、癒される場、コミュニケーション はミズナラ、アオダモ、カエデ類、カンバ類 の場など、活動の目的やねらいによりいろい が優占してエゾマツ・トドマツなどの針葉樹 ろな場を提供してくれています。 が散在している森です。これらは、気候(気 「森」の見方、感じ方、楽しみ方は、森を 温、降水量など)や土壌(母岩や栄養、酸性 構成する動植物や生態系とともに、その森の 度 の 違 い )、 高 度 や 地 形 等 に よ っ て 生 育 す る できかた、歴史、人の生活や文化とのかかわ 植物が異なることを教えてくれます。 りなど、いろいろな側面から「森」を知るこ さらに、高山や海岸のきびしい気候のとこ とにより、広く、深く、豊かなものになるこ ろでは極相林にまで遷移が進まず、高山地帯 とと思います。 にみられるお花畑や知床・襟裳・宗谷岬など 観察会では、動植物について生態的な特徴 の草原に留まっています。 を個々に、または相互の関係から話したり、 人の生活とのかかわりに触れたりします。現 在の森をその「生い立ち」や「森のいのち」 という視点から見てみたいと思います。 1. 森のできかた 海にできた火山島、火山噴火や山崩れ・雪 崩後のような裸地に植物が芽生え、群落がで き、安定した群落にまでその様子が移り変わ っていく過程を乾性遷移といいます。一方、 湖や沼がだんだん堆積物等で埋まり陸地化し、 北海道大学苫小牧研究林 植物群落ができていくものは湿性遷移といい ます。高等学校の生物の教科書等には、典型 的な遷移は普通、次のように示されています。 また、周辺から風や鳥獣などにより種子が 運ばれてくるところでは地衣類・コケ類の生 える荒原の時期がほとんど見られず、二次林 乾性遷移:裸地→地衣類・コケ類の生える 荒原→多年生草本の草原→陽樹林(低木 林)→陽樹の高木と陰樹の混交林)→陰 樹の極相林。 の遷移の様相をみせます。 湖沼の周辺には湿性遷移の経緯がみられま すが、 道北のクッチャロ湖、道東の別寒辺牛湿原 湿性遷移:貧栄養の湖沼→富栄養の湖沼→ ・釧路湿原、道央のウトナイ湖ほか、水深が 水中・抽水・浮葉植物等の群落のある湖 深くない沼の周辺では小規模なものがよくみ 沼→湿性植物からなる草原→陽樹林→陽 られます。 樹・陰樹の混交林→陰樹の極相林。 観察会のフィールドの森は、どのような遷 移の過程で生まれて森になってきたのかを知 現実の遷移は多様で、典型どおりではあり 自然観 察 92号 ( 2) ると、森の土壌の厚さや透水性、地下水位な どの環境のもとで棲息・生育している動植物 後、天然更新した(人手が加わらず自然に成 の姿もそれまでとは違って見えるのではない 長した)森林を言います。なお、天然林と似 かと思います。 た用語である「天然生林」は二次林のことで すが、天然更新の補助作業やその後の森林保 育作業が行われた二次林も含めることがあり 2. 天然林と人工林 ま す 。 (「 林 業 技 術 」 No.696号 ) 北海道の森でも、生まれてから全く人の手 や生活の影響を受けていない自然の森はわず か し か な い と い わ れ ま す 。「 自 然 の 森 」 は 、 一言でいえば、人の手や生活の影響を受けて い な い 森 を い い 、「 人 工 林 」 の 対 語 と し て 使 われている「天然林」と同義に使われること が多いのですが、この用語も本来の意味や広 義・狭義でのとらえ方により意味合いが異な ります。よく使われている原始林・原生林・ 天然林、二次林などの用語についてその意味 合いを整理してみます。 「原始林」は、生物学的には「広義には、 二次林 母子里北大研究林 伐採その他の人為や、火災などの及んでいな い森林をさす一般的な語。災害地のあとに天 写真のシラカバ林は、樹木を伐採し、林床 然に成立したものでもよく、極相群落に至る のササを取り除いたままで15年ほど放置さ 途中のものをも含む。狭義には、人為的な変 れたところにできた二次林です。 化をうけず、極相に達して永く変化しない森 「自然林」という用語は、自然度の高い森 林を指す。同義:処女林・自然林・原生林」 林 と い う 意 味 と し て 、「 人 工 林 」 の 対 語 と し (「 生 物 学 辞 典 」 岩 波 書 店 )と さ れ ま す 。 ての「天然林」よりも広義に使われています この森は林学では天然林といわれ、一般に は原生林・原始林ともいわれます。 近年、田畑が休耕や離農放棄され、草地か ら森へと変っているところが多く見られます。 「原生林」は、原始林と同義で全く人手の それぞれの遷移の段階を意識しながら観察す 入らない天然(自然)の森林で、林学では天 ると新しい興味付けとなるのではないでしょ 然林と呼んでいます。しかし、文字どおりの うか。 原始林はほとんどないと言ってよく、また、 その地域の気候条件のもとで最も発達した極 相林とほぼ同じものとして原生林の語が用い られ、利根別原生林・野幌原生林などと使わ れています。 3. 森の命と更新 自然の森では、樹木が成長していく一方で、 枯死、風倒木などをきっかけに新しい森が生 「天然林」の本来の意味は、自然の撹乱 まれます。倒木が生じた空間はギャップとい (既存の生態系やその一部が破壊される要因、 われ、そこは明るく、内部より風の通るとこ 気候や火山活動、地震、洪水、外来生物の侵 ろとなります。陽が当たることによりそれま 入など)により天然の更新された森で極相林 で林床にあった幼木の成長がよくなる環境が までの遷移のいろいろな段階の森、または人 生まれます。若い樹木の成長により、森が順 為的な撹乱あっても長期に人手が入らない 次更新されていくことになります。 (または痕跡がない)森を言います。この中 また、林床の表面が撹乱により露出したと で極相林に達した森は原生林と呼ぶことが多 きは、落下した種子や土に埋もれていた種子 い。 が発芽し幼木の成長もみられ天然更新につな 「二次林」は、伐採などの人為的な撹乱の がります。 自然 観察 92号 ( 3) 天然更新には倒木更新と萌芽更新がありま 芽数が少ないこと、暗い環境ほど発芽数は少 ないという。ただ、両種ともコケがある倒木 す。 では実生の生長量は大きい傾向がみられ、生 長 量 は 樹 高 5 cm以 上 で の み 光 環 境 が 影 響 し て 、 明るいところほど生長量が大きいという。 萌芽(ほうが、ぼうが)更新は、樹木の伐 採後、残された根株の休眠芽から新しく芽生 え生長し再生を図るものです。薪炭生産のた め伐った樹木が再生し永続的な資源として維 持することがねらいです。天然林では、大木 の根元や倒木の根株又は倒木本体から若い木 が数本も生え(萌芽し)ているのを見かけま すが、生理的には人工的に行う萌芽更新と同 じと考えられます。 知床の森の天然更新 倒木更新は倒木上に新しい樹木が芽生えて 生長していくことによる天然更新です。新し く芽生えていく樹種は倒木と同種であるとき もあれば異なる樹種であるときもあります。 カツラの萌芽更新 野幌森林公園 野幌森林公園の森では、倒木上には多数の樹 北海道では、カツラの大木で中心が空所と 種の種子が落ちることからか複数の樹種の幼 なって数本の世代の異なる木が環のように生 木が倒木上に育っていますが、トドマツ・エ えているのを見かけます。これは何代にもわ ゾマツの優占する針葉樹林では、倒木には同 たりクローンで更新する萌芽更新の好例とい 種の樹木が芽生え生長していくことが多くみ えます。 られます。林床に落ちた種子はギャップであ 木の年齢は年輪で知ることができます。一 ってもササなどの林床植物により陽が当たら 般に、萌芽更新を行う木の年齢も萌芽を始め ないこと、土壌中の雪腐れ菌などにより発芽 た と き か ら 数 え ま す が 、「 年 齢 」 を 「 命 」 の できないのですが、倒木上は日当たりもよく、 始まりからとすると、どこから数えたらよい 雑菌もないことから種子も発芽し、実生もよ と思いますか。 く育ちます。 天然林内での調査では、トドマツ・エゾマ ツ両種とも固い倒木では発芽数は少なく、ト 森を歩くとき、その森の「今」から「生い ドマツはコケがない倒木では発芽数は少ない 立 ち 」 と 「 こ れ か ら 」 を 考 え た り 、「 命 の つ がコケがあればその高さや光環境に関わらず ながり」に思いをめぐらすと、森も違った森 発芽可能であるが、エゾマツは樹皮がある倒 にみえてくるかもしれませんね。 木では発芽数が多く、コケの高さが高いと発 自然観 察 92号 ( 4) 第20回 滝野の自然に親しむ集い 実施報告 畑中 嘉輔 今年度は8月に入ってからの親子観察会で、夏休みから1週間後となり時期的によかった せいか、参加者が昨年度より多くなりました。それに反し参加指導員が10名と少なく、仕事 の分担が一人何役にもなり大変でした。 2日目の自然観察ハイキングコースは今年度6月オープンした「滝野の森」です。トイレや 休憩所があり完備されている点では利用しやすいが、観察地としては今一といった所でした。 天候も最後までもって予定通り終ることができました。 実 施 日 2009年 8月 1日(土)∼ 2日(日) 参 加 者 一般 28名(子供 16名、大人 12名、10家族中リピーター5家族) 指導員 10名 計 38名 取り組みの経緯 5/10(日) 第1回実行委員会 6/20(土) 第1回下見 ハイキングコース(渓流口∼鱒見の滝)裏山、厚別川 7/11(土) 第2回下見 ハイキングコース(滝野の森) 7/26(日) 第3回下見 午前 計画細部の最終確認(於 午後 ハイキングコース(滝野の森) 南区民センター) 7/29(水) 指導員マニュアル作成発送 学園へ人数変更届け 班編成 保険手続き 7/31(金) しおり、資料、班編成、アンケート用紙、はじめましてゲーム等の印刷 雨天時のビデオ 内容と反省 ・ 指導員への参加要請は今年度からは、ハガキ ・ 余裕ができた。 を出すのをやめて、会報の中にチラシの形で 同封して呼びかけた。 ・ ・ ・ ・ ・ ナイトハイキングは1度に出かける人数が多 と思われる。 くて間隔がせまかった。明かりをつける子が 新ハイキングコースは昨年度よりもよかった 少なく全体的によかった。学園宿泊室の電気 が、検討の余地はある。 を消して出かけるのを忘れた。 第3回目の下見で厚別河畔の草刈を予定して ・ に変更した。そのため、当日は草刈が大変だ ・ ちょうどよかった。(米は8人分でよい) 学園内の履物として、上靴以外にもスリッパ も認めてもよいと思う。 った。 野外炊事の食材は1班10人のところを9人分で ごみの持ち帰りを徹底させる。(生ゴミ、ダ ンボール以外は持ち帰りとなる) いたがハイキングコース下見で精一杯で当日 ・ キャンプファイヤーの薪は2段では少しさび しい。もう1、2段ほしい。 参加数が物足りないが、昨年度(7/26∼27) よりは多かったのは、実施時期も関係がある 野外炊事の準備は昨年度より30分早く始めて ・ 掃除の分担は班編成表に書いてあるが、事前 に説明しておく必要がある。 自然 観察 92号 ( 5) 第20回 滝野の自然に親しむ集い 決算報告 滝野の集い会計担当 池田 政明 本年度の収支決算は下記のようになりました。 収 入 の 部 項 単位:円 目 金 額 112,000 34,000 6,000 152,000 一 般 参 加 費 指 導 員 参 加 費 懇 親 会 参 加 費 計 備 考 4,000円×28人=112,000円 4,000円×7人=28,000円、2,000円×3人=6,000円 500円×12人=6,000円 支 出 の 部 項 単位:円 目 金 額 備 考 葉書1,250円、切手6,790円、ダイレクトメール38通3,040円 費 費 費 費 費 料 11,080 9,102 0 1,480 8,000 5,600 料 10,920 下見入園料大人400円×12人=4,800円 入園料大人280円×19人=5,320円、子ども50円×16人=800円 学 園利 用納 入金 87,830 施設利用料28,150円、食費42,420円、シーツ7,200円、薪5,000円、 ゴミ袋440円、キャンプファイヤー指導料4,620円 郵 事 備 写 渉 保 務 入 交 飲 そ 送 用 品 真 外 険 品 園 通 食 の 計 0 9,967 5,515 149,494 費 費 他 2009年度収支決算 収入計 チラシ用紙4,474円、各種用紙2,958円、印刷1,670円 デジカメプリント1,480円 保険料200円×28人 ビール5,780円、バナナ997円、麦茶165円、飲み物お菓子3,025円 会議室使用料1,000円、振込み手数料515円、駐車料4,000円 支出計 収支 152,000円 − 149,494円 = 繰 越 金 収 支 前年度繰越金 170,927円 + 2,506円 今年度収支 次年度へ繰越金 2,506円 = 173,433円 会計からのお願い 会 費 の 納 入 をお願いします 当会は、会員各位の会費によって運営されています。おかげ様で順調に 納入されています。会費をまだ納めていない方は同封の振込用紙をご利用 ください。 年会費は1,500円です。また、未納期間2年は3,000円となります。 振込み用紙を確認の上、納入をお願いします。 ★退会の申し出があるまでは北海道自然観察協議会の会員です。 届けが出されるまで、会費をお支払いしていただきます。 ★郵便振替口座 02710-1-8768 北海道自然観察協議会 会計 自然観 察 92号 ( 6) 畑中 嘉輔 第20回滝野の自然に親しむ集い 【子ども用】 回答 14/ 16参加 1.いちばんおもしろかったのは? ・ポークカレー作り 10 ・せせらぎウォッチング ・キャンプファイアー 4 ・ナイトハイク ・フィールドビンゴ 3 ・星空ウォッチング 2.発見したことやおどろいたことは何ですか? ・木や花がいっぱいあった。 ・せみがたくさんいた。 ・カジカがいっぱいとれた。 ・こんな大きな魚がいるとは思わなかった。 ・大きなかたつむりを見つけた。 ・ポークカレーがおいしかった。 ・キャンプファイヤーのとき急に暗くなった。 ・トイレが水洗でなくても問題なかった。 ・デネブは1500年前の光が今、届いていること。 ・なかった。 【おとな用】 アンケートまとめ 5 4 0 2 2 1 1 1 1 1 1 1 3 3.何かこまったことはありませんでしたか? ・トイレがくさかった。 ・へやに虫が多かった。 ・なかった。 4.わからなかったことは何ですか? ・そうじのしかた。 ・ベガまで何キロメートルあるのか。 ・なかった。 5.何かいやなことがありましたか、それはどんなこと? ・おにいちゃんがじゃまをしてきた。 ・ひとりひとりの行動がおそい。 ・なかった。 2 2 10 1 1 11 1 1 12 6.らいねんもさんかしたいですか? ・ぜひ参加したい ・参加したくない 8 0 ・できれば参加したい 6 回答 10/ 12参加 1.滝野の集いをどこで知りましたか? ・おしゃべりからす 2 ・ウォッチングガイド ・年間予定表 2 ・ダイレクトメール ・PRチラシ 1 ・友人に聞いた ・前年も参加して知っていた 2.今まで自然観察会などの行事に参加したことは? ・ある 8 ・ない 3.2であると答えた方は、どのような行事ですか? ・青少年山の家の自然観察ハイキング ・滝野の集い 2 ・小学生向け観察会 ・鵡川の森を歩くイベント 1 ・親子観察会 4.滝野の集いで発見したことや驚いたことは何? ・川の中にたくさんの生き物がいた。 ・せみが簡単にとれた。 ・飯盒でご飯がたけた。 ・キャンプファイヤーで専門のスタッフがいた。 ・全てのイベントが驚きと発見だった。 ・うるしがたくさんあった。 ・まきわりや自然観察ウオッチングなど。 ・野外での、みんなで作ったカレーライスが大変お いしかった。 ・運営されている方が皆さん熱心だったこと。 ・指導員の方がどんなことでも知っていて、親切に おしえてくれたこと。 5.滝野の集いで、一番子どもに良いと感じたことは? ・川遊び、カレーライス作り、夜の散歩 ・自然にふれ、たくさんの親子と交流できたこと。 ・いろいろな仕事を体験できたこと。 ・森の植物や小鳥の声をきいて過ごしたこと。 2 1 1 1 2 2 1 1 3 1 1 1 1 1 1 1 1 1 4 2 2 2 ・グループで協力して炊事をしたこと 1 ・虫や植物を大事にすることを教えてもらった。 1 ・ゲームやマンガよりも夢中になれるものがあった。 1 ・今まで嫌いだった虫に積極的に関わるようになった。 1 6.宿泊設備についての感想は? ・不便なことは感じられなかった。 4 ・古い建物に泊まるのもよい体験だった。 2 ・気持ちよく使わせてもらった。 2 ・キャンプ用具がいらないのでよい。 1 ・寝袋の体験ができて嬉しかった。 1 ・トイレがくさい。 1 7.その他、なんでもけっこうですから、参加した感想を ・川の魚や生き物をたくさん教えてもらい、星の観察 もよかったです。 2 ・子ども達もまた参加したいと言っているので、また参 加したい。 2 ・おもしろかった。 2 ・蚊取り線香をたいてほしかった。 1 ・食事が少し足りなかった。 1 ・持ち物には運動靴またはスリッパと書いてほしい。 1 ・今回よりも2年前のハイキングコースがおもしろい。 1 ・あっという間に楽しい時間が過ぎた。 1 ・自然とゆっくり関わることができ、夏休みのよい思い 出となった。 1 ・盛りだくさんの内容に少々疲れを感じました。 1 ・指導員の熱意が感じられ、温かい気持ちになりました。 親切に指導していただきありがとうございました。 3 ・懇親会は親も子も他の人達と仲良くなれるのでよい。1 自然 観察 92号 ( 7) 第二回 温度依存性分化 前北海道大学・先端生命科学院・准教授 若原 正己 はじめに ヒトをふくむ哺乳類の性(オスかメスか)は、 性染色体で決まる。X染色体を2本もつとメス (XXホモ)になり、X染色体とY染色体を一本ず つもつとオス(XYヘテロ)になる。Y染色体にの っている男性決定遺伝子(SRY)によって精巣が 決定されることでオスになる。このように染色体 やそれにのっている性決定遺伝子で性が決まるし くみは色々な動物で知られており、「遺伝的性決 定」とよばれる。 しかし一部の魚類や両生類では,ヒト(SRY) やメダカ (DMY) のような性決定遺伝子は見つか っておらず、環境因子で性が比較的容易に変化す ることが知られている。爬虫類でも孵卵温度で性 が決定される温度依存性決定が有名である。こう した性決定のしくみを「環境依存的性決定」とよぶ。 環境依存の性決定現象はさまざまな動物群でみ られるが、その環境は温度などの物理的なものか ら集団内の地位などという社会的なものまで知ら れている。もっとも有名なのがカクレクマノミの 性分化だ。いずれにせよ、同じ遺伝子型をもちな がら全く違った表現型を発現するわけだが、環境 がどのように遺伝子発現を変化させるかは十分に は分かっていない。 今回はエゾサンショウウオの温度依存の性分化 のシステムを用いて、温度が遺伝子発現を変化さ せる具体例を説明する。 エゾサンショウウオの温度感受性性分化 野外で採集したエゾサンショウウオ個体や、正 常飼育をした個体群では性比が1:1であるが、幼 生を28℃という高温で飼育すると、ほとんど全て の個体の生殖腺が卵巣へと発生するというたいへ ん面白い現象が発見された(表1)。 幼生をそれぞれ20℃、22℃、24℃、26℃で飼育 しても性比は一定だが、わずか2℃ちがう28℃で 飼育すると性比がメスにかたよることがわかる。 その温度感受性の時期を知るために、孵化から 変態期までを15日ごとに区切って、さまざまな時 期に高温飼育を試みた。常温(20℃)で飼育を続 けると性比は1:1、また最初の15日間を28℃で飼 育し、その後20℃で飼育するとやはり性比は1:1 になるが、たとえば最初は20℃、つぎに28℃にし て15日間飼育し、再度20℃に戻すという処理をす ると全ての個体がメスとなる。つまり、孵化後15 日から30日の間に温度感受性の時期があることが 分った(図1)。 表1 エゾサンショウウオ性分化の温度依存性 飼育温度 実験個体数 生殖腺の性 精巣 メスの 卵巣 不明** 2 χ -test* % (℃) 20 30 16 14 0 48.7 ns 22 30 15 11 4 38.7 ns 24 28 14 11 3 39.3 ns 26 28 14 13 1 46.4 ns 28 28 1 26 1 92.9 p<0.001 *統計学的な優位性の検定:性比が理論値(1:1)からずれて いるかどうかを判定 **不明:未分化生殖腺、雌雄同体の個体など 自然観 察 92号 ( 8) 図1 エゾサンショウウオ性分化の温度感受性時期 を 決 め る 実 験 。 多 く の 幼 生 を そ れ ぞ れ の 時 期 に 20℃ と 28℃ で 飼 育 し 、 そ の 後 の 性 比 を 調 べ た 。 そ の 結 果 、 孵 化 後 15日 か ら 30日 の 間 の わ ず か 15日 間 28℃ で 飼 育 す る ことですべての個体がメスへと発生した。 わずか15日間の温度処理でオスになるべき個 体もメスへと変化するのはどういうしくみによる ものだろうか。 温度が遺伝子発現を直接変化させていると考え る以外にない。これまでさまざまな温度依存の性 つまり正常な温度条件下では、遺伝的メス個体 分化機構が調べられているが、温度が遺伝子の発 でP450aromが発現して女性ホルモンが生産・分泌 現調節にどのような影響を及ぼすかは十分には解 されてメスの形質が発現する。遺伝的オス個体で 明されていないので、エゾサンショウウオの性分 はDmrt1遺伝子が発現して、精巣を形成すると考 化関連遺伝子を調べることとした。 えられる。 では、幼生を孵化後 15日から30日という温度 感受期間中28℃で飼育すると、遺伝子発現はどの 性分化関連遺伝子 ように変化するのだろうか。 性分化に関連する遺伝子はどのくらいあるのだ 先程述べたように、この条件下では全ての個体 ろうか。ヒトの場合、性決定・性分化に関連する は卵巣を形成するが、その時の遺伝子発現を調べ 遺伝子は約3000個あるといわれている。両生類で たところ全個体でP450aromを強発現するようにな も同じようにたくさんの遺伝子が関連していると った(表2)。また、面白いことに正常発生個体 考えられるが、今回は性分化に関与する遺伝子の 群ではオス特異的に発現していたDmrt1の発現が 代表として、エゾサンショウウオP450アロマター 全個体で完全に抑制された(表2)。 ゼ (P450arom) 遺伝子とDmrt1遺伝子を調べた。 P450arom はテストステロン(男性ホルモンの 表2 高温度処理時のアロマターゼDmrt1遺伝子の発現 代表)をエストロジェン(女性ホルモンの代表) 孵化後の日数 生殖腺 Dmrt1 * P450arom ・卵巣への分化に必要な遺伝子といわれる。Dmrt 30 卵巣 0/10 + 1 遺伝子は多くの動物の精巣分化に関与する遺伝 35 卵巣 0/10 + 子に共通のDMドメインをもつ遺伝子である。メダ 40 卵巣 1/10 + へと転換する酵素の遺伝子であり、メスへの分化 カで発見された精巣決定因子DMY にも含まれる配 列であり、精巣の決定・分化に関連した転写調節 遺伝子である。 正常発生個体でP450aromの発現を定量的競合RT * P450arom は全個体で発現するようになるが、 Dmrt1 を 発現する個体数は30固体中1個に激減する。つまり、 高温処理で P450arom は誘導され、 Dmrt1 の発現が 抑制される。 -PCR法で詳細に調べたところ、メスで高発現、オ スで低発現という明瞭な性的二型が観察された つまり高温処理によって、本当はメスで強く発 (図2)。それに対してDmrt-1はオス特異的に発現 現すべきP450aromが遺伝的オスでも強く発現する し、メスでは全く発現しない遺伝子である(図2) ようになり、その逆にオスに特異的な遺伝子であ るはずのDmrt1が、遺伝的なオスでも完全に抑制 されることによって、性が転換すると思われる。 ただし温度そのものがP450aromとDmrt1遺伝子の 発現調節しているとは考えにくく、その上位にあ る何らかの調節遺伝子が温度依存的に発現調節さ れるらしい。 詳しいしくみはまだ完全には解明されてはいな いが、どうやらエゾサンショウウオの性は、遺伝 子だけできっちりとは決まっているわけではなさ そうだ。(次回に続く) 図 2 P450ar om( 上 段 の 棒 グ ラ フ ) と Dmrt1遺 伝 子(中段の電気泳動像)の発現パターン。オス・メス それぞれ4個体(計8個体)について調べられた。下 段の電気泳動像は対照として調べられたアクチン遺伝 子 の 発 現 パ タ ー ン 。 P450arom は メ ス ( ♀ ) 特 異 的 に 、 D mr t1は オ ス ( ♂ ) 特 異 的 に 発 現 す る こ と が 確 か め られた。 サ ンショウ ウオの幼 生 自然 観察 92号 ( 9) 苫小牧市 錦大沼 天候 曇 '09年5月24日 掲載紙 道新、朝日、読売、他 森の林道は、工事の車がここ数年入った様子が なく、林道脇の植生が回復されつつあるように思 われました。 <若葉と草花> (畑中 嘉輔 記) 雨の心配もなく、ゆっくりのんびりした観察会。 まずネコノメソウ3種のお出迎え。参加者全員そ 小樽市 小樽海岸探勝路 の見分け方を議論。 カスミザクラ、ミヤマザクラを観察。今回観察 した種は、104種だそうで、そのうち12種は札幌 天候 曇 '09年6月13日 掲載紙 道新、朝日、読売、毎日 <初夏の山道を歩こう> 小学2年生から最高齢の75歳まで、みんな無事 では見られないとのこと。 予定通りのコースを観察し日程を終えた。今回 に9時から14時まで、新緑と若葉の中を森林浴。 の参加者は詳しい方が多く、論議をしたり、教え 潮風を身に受け、素晴らしい眺望に大いに満足し あったり、和やかな中で、無事事故もなく、楽し ていただけたと思っています。 展望台からは、近くはオタモイ海岸、忍路湾、 い観察会であった。 (佐々木 昌治 記) 余市湾、シリパ岬。遠くは積丹半島がくっきりと 見え、積丹岳に残雪が白く彩りを添えていた。 北区 五ノ戸の森緑地 天候 晴 '09年5月30日 展望台での昼食の合間には、小学生が観察日記 をつけていました。 掲載紙 数多くの草花や、自然を愛する人々と出会えた <春の花と鳥> 時間前から双眼鏡やスコープでアオサギの巣を ことが、素晴らしい収穫であった。 (本間 正一 記) 見ました。ポヤポヤ頭のヒナや巣に戻ってきた親 鳥の大きさに驚きの声が上がりました。 まずはオニグルミの木です。長く垂れ下がった 雄花と葉の陰に隠れるように赤い小さな雌花を、 枝を手繰り寄せてジックリと観察しました。 この公園には、実のなる木がとても多く、ナシ、 清田区 平岡公園 天候 晴 '09年6月14日 掲載紙 <人工湿原の変わる様子を見よう> 初秋のような爽やかな晴天、クワの実が熟し、 スモモ、クリ、カシワ、トチノキなどがあり屋敷 ヤマブドウ、コクワの可愛い実を見ながら林へ。 林だった面影が偲ばれます。また、雌雄異株の木 今年は特に多いオニノヤガラ、ギンリョウソウ、 はヤマグワ、ヤチダモ、カツラ、ヤマブドウなど ツルアリドオシなどの花。湿地の木道脇には羽化 があります。雄花と雌花の違いや開花のズレなど したばかりの黄緑色のオニヤンマが次々と7匹、 の話を皆さん熱心に聞いていました。 ニホンカナヘビ、トノサマガエル、エゾアカガエ (横山 加奈子 記) ルなど皆、お天道様を背にホケッとしています。 帰り道、木橋から2∼3mの位置のシラカンバの 清田区 森林総研 天候 曇 '09年6月6日 枯れ枝にオニヤンマが5匹並んで、すぐそばにノ シメトンボも羽根を休めています。参加者の一人 掲載紙 <初夏の森林総研を散策しよう> が「お昼寝タイム…」 今にも降り出しそうな天候の中で行われました 皆ナットク。 (佐藤 佑一 記) が、最後まで雨に会わずラッキーな観察会でした。 今年は季節の進行が早く、例年見られるはずの 中央区 藻岩山 花が終わってしまっていたのが残念でした。それ 天候 曇・雨 でも森の中では、チゴユリ、ホウチャクソウ、ヒ <もっと藻岩山> メイズイなどユリ科の花の群生や、オオヤマフス マ、クルマバソウ、オククルマムグラの白い花の 塊があちこちに見られました。 自然観 察 92号 ( 10) '09年6月14日 掲載紙 雨模様の天候の中、参加してくれた方達と予定 通りスタート。 普段あまり注目することのないツタウルシの満 開の花や、ヤマブドウの花、コクワ、チョウセン ゴミシなど小低木の花が見ごろ。 伊達市 有珠山 天候 曇 尾根筋と沢沿いの植生の違いなども観察。 参加者の『人数が少ないほうが、話がよく聞け る』の一言に納得。 '09年7月18日 掲載紙 <銀沼火口原> 安全のため白いヘルメットを被った参加者が、 洞爺湖西山火口遺跡公園駐車場に集まりました。 (山形 誠一 記) 有珠山銀沼火口原を目指す観察会の始まりです。 諸注意後、まず77噴火で犠牲者を出した金比羅 北見市 端野カタクリの森 天候 曇 '09年6月27日 火口での観察です。地元で活動する川鰭観察指導 員から丁寧な案内があり、改めて防災の重要性を 掲載紙 <カタクリの実を見よう> 認識しました。つぎに、山頂部、銀沼火口原入口 前日の雹(ヒョウ)で、トモエソウの茎が折れた に到着。諸注意後、徒歩で火口原へ向かいました。 り、フキの葉に穴が沢山開けられて無残な姿にな 植生の変化、動植物の現状、噴火のメカニズム っている。林の所では、ミズナラ、ホウノキ、イ など、詳しい解説があり、参加者はめったに入れ タヤカエデ、シナノキなど多くの木の葉が道に落 ない火口原に感激しながら熱心に見入り多くの質 とされ、絨毯のようになっている。高くて下から 問を投げかけました。クライマックスのI火口 見えないツルアジサイの花も落ちていて手に取っ (アイ火口)では、感動が頂点に達しました。 てみることができた。 皆さん満足して終了しました。 アカゲラが子 (安藤 忍 記) 育ての最中らし く、とてもうる 手稲区 手稲山 さく威嚇してく 天候 晴 る。カタクリの '09年8月1日 掲載紙 <登山道を散歩> 実は、もう開い 天候不順が続いている中、当日は偶然に晴れま て中の種子がな した。 くなっているも 参加者一同手稲山ロープウェイ山麓駅を、強い のもあった。 日差しを受けて出発しましたが、例年より植物の 観察した植物 開花がいまひとつです。 カタクリの実、マイヅルソウの実、サワシバの 今回は開花状態を5段階に分けて「エゾアジサ 実、エゾタツナミソウ、クサフジ、コゴメハギ、 イ 」、「 オオ バ タ ケ シ マ ラ ン 」、「ヤ ナ ギ ラ ン 」、 エゾノシモツケソウ、クリンソウ、エゾノギシギ 「エゾタツナミソウ」、「ノリウツギ」、「コイチヤ シ、チシマアザミ、ミゾホオズキ、ミミナグサ、 クソウ」などの観察を行い、各自記録しました。 ジンヨウイチヤクソウ、ヒロハトンボソウ、サイ ハイラン。 珍客の「クマゲラ」の歓迎を受けて一同大感激。 大変有意義な観察会でした。 (竹林 正昭 記) 雹の被害 無 残 な 姿 の ア キ タ ブ キ (竹 林 ) (高田 敏文 記) ゴンドラ乗降場所下で出発準備 自 然観察 92号 (高 田 ) ( 11) ニーは空っぽ。南に向かうにはまだ早すぎるはず 「 い つ まで も 命 輝 く島 で あ る よう に 」 ・・。利尻島海鳥研究室新聞を目にして納得。今 稚内市 高橋 美幸 年は春先の餌不足のために産卵が大幅に遅れ、卵 今年も幾度となく訪れた利尻島。島の北部にあ の数は過去12年間の調査の中で最も少なく、卵の る姫沼、森の向こうに利尻山がそびえ晴れた朝、 大きさも最小だったそうです。さらに産まれた卵 沼に姿を写す逆さ富士、降り続く雨を恨めしく思 のほとんどはカラスに食べられてしまったという いつつ森林浴。 のです。 ヒンカララー続いてまたヒンカララー、思わず これまで多くの糞害などを引き起こしてきたウ 足をとめて聞き入ってしまいます。コマドリの美 ミネコたち。一時的にコロニーを移動させなんと しい声、沼の中ではウミネコたちが静かに水浴び、 か共存してきましたが、しかし再び集落付近に定 まるでのんびりと温泉気分を味わっているかのよ 着。自然と人との共存という難しい問題に再び直 うです。しかしこの頃すでに、集落付近のコロニ 面する事になるのかもしれませんが、すべての命 ーで大変な事が起きていたとは知る由もなく。 が輝き続ける島でありますように・・いつまでも、 いつもは見かけるヒナの姿を見つける前にコロ 参 石狩市 濃昼山道 加 いつまでも。 者 の 声 た事を想像すると、今の世の中と、昔とで、何か ('09/5/2) 変わった事があるだろうかと、私にとってはそん 当別町 大口 武則 なことを考えさせられる観察会でした。 今回の観察会で、初めて濃昼山道の存在を知り ました。子供の頃から、よく山で遊んでいたので、 山道には慣れているという自負があったのですが、 恵庭市 恵庭公園 ('09/5/9) 実際に歩いてみると、あまりの険しさに驚きまし 恵庭市 た。 内田 豊 今の国道231号線ができてからは交通路として 5月9日(土)の恵庭公園の自然観察会に参加さ は使われなくなり、ここ数年の間で保存会の方々 せていただきました。今は、春の草花の時期であ により、整備されたとのことですが、傾斜がきつ り、とても楽しみにしておりました。 く、転落の危険もある箇所もあり,山道の厳しさ 私は、富田指導員のグループとして参加させて いただきましたが、楽しい観察会ができました。 を知りました。 しかし、途中で教えていただいたエゾエンゴサ 恵庭公園は、春の花が丁度見頃であり、特にニリ ク、エンレイソウなどの草花や、ヒメギフチョウ、 ンソウやエゾエンゴサクは満開で、そこにオオバ エゾマルハナバチなど、見たことのない虫が観察 ナノエンレイソウやホソバノアマナ等が混ざって でき、特に峠から見た海岸線の景色は、道の険し 咲いており、すごく良かったと思います。 さを忘れさせるほど綺麗でした。 道路が整備され、車が行き来する今、この山道 また、ミドリニリンソウやワニグチソウ等も見 られました。 を交通路として使うなど考えもしませんが、昔の 指導員の、やさしい説明を聴きながら、沢山の 人々が、この山道しかない為に、生活に使ってい 草花を教えてもらい、センダイムシクイや色々な 自然観 察 92号 ( 12) 野鳥の声を聞きながらの楽しい2時間で、気がつ れまでダイエットのために札幌市内の公園を歩き いたら、もう終了場所でした。とても楽しい観察 回っていましたが、自分がいつも歩いている公園 会であり、次回もぜひ参加したいと思います。 をHPで検索していたら、自然観察会が行われてい ることを知り、野幌・平岡の観察会に参加するよ うになりました。 指導員の佐藤さんの説明は、他の観察会と比べ、 声が大きくゆっくりと易しく説明してくれるので 大変気にいっています。また、話の内容も、鳥・植 物・魚・昆虫・地下水など幅広く、こちらの質問 には全て答えていただけます。今回の参加者は11 名と丁度良い人数で、また、天気にも恵まれ気持ち の良い一日をすごすことができたと思います。有 り難うございました。 声をたよりにすがたを探す (須田) 旭川市 嵐山公園 旭川市 嵐山公園 ('09/5/16) 旭川市 橋本 千雪 ('09/7/16) 旭川市 三浦 和子 独りで、また仲間と毎月のように来ている嵐山。 三月のかんじきをはいての観察会に参加してから、 漠然と自然を見ている自分に気がついた。 私は、小学生の息子を2人持つ主婦です。前回 一生懸命芽を出す草木、名前を知るうちに、草 の観察会に家族で参加して、すっかり指導員の皆 も木も花も可愛くなるから不思議である。各々の さんが大好きになりました。知識のある方と一緒 植物には、成る程と思う名前の由来がある。今回 の山歩きは、楽しさ倍増です。 参加していた子供たちのものを見る目も面白い。 我が家の趣味は、山登りです。キャンプもよく 天道虫(テントウムシ)、蝸牛(カタツムリ)、毛虫、 します。でも、最近気がついたのです。私たちに 蟻(アリ)、蝶、そして落とし文(オトシブミ)等、 は知識が足りないことに。どこかによい先生はい 興味津々の目差しであるである。 ないかしらと思っていたときに知ったのがこの会 です。 今日観た植物の名を全部メモしている指導員の 方をまねて私もメモをした。手帳には、八十種ほ 指導員の皆さんと歩く山は、いつもと全然違い どの名がメモされた。鬼の矢柄(オニノヤガラ)、 ます。普段は見過ごしていたただの葉っぱが、先 瓜の木(ウリノキ)、馬のみつば(ウマノミツバ)、 生のお話で、とても大事な葉に変身します。びっ 生馬(イケマ)、唐草苔( 原文のまま )など初めての くりです。嵐山なんて近所なので、今まで何度も 植物、聞いているが知らなかった植物の中から今 来ていたのに、こんなに貴重な場所とは知りませ 回はこの五つが印象に残った。 んでした。今回は、初めて「オオルリ」に会うこ 二時間でこんなに沢山の植物を観たこと、また とができました。長年探していた幸せの青い鳥で メモをしたから覚えられる、後で調べられる楽し す。これも指導員の方達が声で見つけてくれたお さを教えられました。機会あるごとに参加したい かげ、自分ではそばにいても気付かなかったでし と思いました。指導員の皆様、ありがとうござい ょう…。 ました。 清田区 平岡公園 ('09/7/12) 豊平区 椎原 信之 一年ぶりの「平岡公園」観察会です。この公園は、 札幌市内の公園の中でも、湿地・台地・谷地・平 地と地形的に色々楽しめる公園です。 私が自然観察を始めたのは昨年の6月でした。そ 自 然観察 92号 ( 13) 滝 野 参 加 札幌市 滝野の集い ('09/ 8/ 1・ 2) 者 の 声 子供たちも目をきらきらさせながらお話をきいて いました。 清田区 梅木 八十(やと) 夕食は、自炊で子どもたちの大好きなカレーラ 今回の集いでは、小学校2年の娘と初参加とな イス!あとキャンプファイヤーや夜には、曇って りました。一番楽しみにしていたのは、せせらぎ いて残念ながら星の観察は出来ませんでしたが, ウォチングです。大人も子供に帰った気分になり、 雨がふらなかったのでナイトハイクを楽しみまし 子供と一緒に川に入り、水生生物や魚などを採取 た。 してとても楽しかったです。 特に、この日で一番びっくりしたのが、指導員 翌日は霧雨だったのでなんとか自然観察ハイキ ングができ、滝野を満喫することが出来ました。 の方が25cmほどあるニジマスをたも網一つで捕 滝野は近いのでふだん良く遊びに来ていましたが、 まえたことです。要領が悪い私と娘は、あまり捕 指導員の方にいろいろ指導していただきながら、 まえる事ができませんでしたが、みなさんそれぞ みじかな自然に触れ合えてとても勉強になりまし れいろいろ捕まえて、最後に水槽に種類別に分け た。又来年も是非参加したいと思います。 て解りやすく、指導員の方が説明して頂いたので、 みんな笑顔で記念撮影 薪割りの手ほどき 自然観 察 92号 ( 14) さあ 網を水に入れて ローラー滑り台 自然観察 北海道 2009年度 観 察 会(’09年9月19日∼’09年11月8日) 年月日 9月19日 (土) テ ーマ 観察地 ※日程や下見の日時は連絡先指導員に確認してください。 集合場所・時刻 交通機関 下見 「野幌森林公園(大沢口)」観察会 江別市 野幌森林公園大沢口駐車場 JRバス新札幌駅発 循環バス83番, 秋の野幌の森を歩く 野幌森林公園 10:00集合∼12:30解散 JR森林公園駅→徒歩8分国道12号線開 10:00∼ (子供連れ歓迎) 大沢口 もっともっと藻岩山 札幌市中央区 連絡先 9/12 拓の村入口バス停→循環バス, 横山武彦 011-387-4960 「文京台南町下車」徒歩10分 9月20日 (日) 旭山記念公園駐車場 地下鉄東西線 円山公園バスターミナ 藻岩山散策 ∼南区 10:00集合∼14:00 ル発, (旭山記念公園∼慈恵会) 藻岩山 慈恵会駐車場で解散 JRバス「旭山記念公園」行き 山形誠一 011-551-5481 昼食持参 9月26日 (土) 季節による植物の変化を 旭川市 嵐山公園センター(北邦野草園隣接) 「旭川電気軌道バス」西武旭川店A館 楽しもう 嵐山公園 9:30集合∼11:30解散 秋の嵐山 原部 剛 乗り場14 080-6092-4347 駐車場:センター手前の橋の下河川敷 33番8:08発「北邦野草園」8:25下車 (問合せ19時以 (JR旭川駅から北西に約7Km 約20 3番8:33発「北邦野草園」8:50下車 分) 10月3日 (土) 小田観螢歌碑 小樽市 木や草の秋の実り・キノコを求 緑地区 小雨決行 降) 下車後バス停から徒歩約15分 小樽商業高校玄関前 小樽駅9時発 「小樽商大行き」乗車 9:10集合∼12:00解散 「商業高校前」下車 岡部実 090-5985-2959 めて山道を歩く 10月4日 (日) 「大谷地の森」観察会 札幌市厚別区 地下鉄東西線 地下鉄東西線 前日10:00 秋を探そう 大谷地の森公園 大谷地駅1階バスターミナル 大谷地駅下車 ∼ 札幌市中央区 地下鉄東西線 地下鉄東西線 円山公園 円山公園駅 1階バス待合所 円山公園駅下車 根岸徹 011-891-0556 10:00集合∼12:00解散 10月18日 「秋の円山公園」観察会 (日) 木の実と紅葉 山形誠一 011-551-5481 10:00集合∼12:00解散 10月24日 「長橋なえぼ公園」観察会 (土) 小樽市 晩秋の森を歩き、生き物達の不 長橋なえぼ公園 なえぼ公園「森の自然館」前 9:00集合∼12:00解散 思議な生活と冬ごもりの準備を 10月25日 「モエレ沼公園」観察会 (日) 後藤言行 モイ」方面行き乗車 0134-29-3338 「苗圃通り」下車,徒歩1分 モエレ沼公園 東口駐車場 地下鉄東豊線 環状通東駅 9:10発市営 渡り前集結のガン・カモなど多 モエレ沼公園 9:40集合∼12:00解散 バス「札苗69番」 種類が、目前で見られます 防寒の用意 あれば双眼鏡 モエレ沼公園入口下車 10月25日 「晩秋のウトナイ湖」 (日) 小樽駅前発 中央バス「塩谷」 「オタ 札幌市東区 苫小牧市 須田 節 011-752-7217 環境省ウトナイ湖保護センター前 新千歳空港9:15発道南バス ハクチョウ(渡り鳥)の観察と ウトナイ湖周辺 9:30集合∼12:00解散 「苫小牧」行き乗車「ウトナイ湖」下 谷口勇五郎 森のお散歩 必要に応じて昼食持参 車 0144-73-8912 宮本健市 無料駐車場有 11月1日 (日) 「秋の北大構内」観察会 札幌市北区 イチョウ並木とエルムの紅葉を 北海道大学構内 北海道大学正門 0123-28-4720 JR札幌駅北口より徒歩5分 当日9:00 10:00集合∼12:00解散 ∼ 須田 節 011-752-7217 楽しもう 11月8日 (日) 「初冬の錦大沼」観察会 苫小牧市 錦大沼総合公園駐車場 初冬の植物 錦大沼総合公園 8:50集合9:00∼14:00解散 自家用車のみ 下見有り要 豊沢勝弘 問い合わせ 0144-74-0572 昼食持参・雨天原則決行・強風日中 止 あれば双眼鏡・ルーペ・図鑑な ど持参 協議会行事他 年月日 テーマ 開催地 集合場所・時刻 内 容 連絡先 2009年 11月28日 武田 治子 忘年会 未定 開始 18:00∼20:00終了 ※詳細については次号(93号)に掲載 011-707-5621 札幌市中央区北2西7 かでる2・7 920 会議室 救急救命講習会 かでる2・7 講習時間 9:30∼16:30 ※詳細については次号(93号)に掲載、 011-707-5621 必要に応じ昼食持参 案内を同封します (土) 2010年 2月6日 (日) 武田 治子 自 然観察 92号 ( 15) 【 事務局だより 】 ☆ 救急救命講習会の日程・場所が決まりました。詳細は次号でお知らせします。 【日程・場所】平成22年2月6日(土) かでる2.7 920号会議室 ☆ 北海道ボランティア・市民活動センターを通じて7月22日、ハガキの寄贈があり ました。 財団法人 郵政福祉 会長 長原栄氏 かもめーるハガキ 58枚 どうもありがとうございました。理事会で承認を得ましたので、全道研修会・ 理事会の案内等に使わせていただきます。 ☆ 観察会追加・変更の連絡は、観察部山形、広報担当岡田、事務局武田、HP担当竹林へお願いします。 ☆ 観察会の報告をホームページに掲載しています。観察会の様子や出会った植物・動物の写真も一緒に載 せております。各観察会2∼3枚でも印象が違いますのでぜひ、お寄せください。 E-mail [email protected] 写真郵送は編集部の竹林へお願いします。 【理事会だより】 〈理事会議事録から抜粋〉 ☆ 第1回理事会 2009年6月30日 北海道環境サポートセンター(多目的ホール) ・全道研修会について ・滝野の自然に親しむ集いについて ・新型インフルエンザ対応 ・銭函風力発電について ・北海道アウトドア資格認定制度に関する報告 ☆ 第2回理事会 2009年8月17日 札幌エルプラザ(研修室4) ・総会・講演会 報告・反省 ・滝野の自然に親しむ集い 報告 ・全道研修会について ・観察部の精算について ・銭函風力発電計画問題の推移 ・次回理事会日程 北海道自然観察協議会のホームページ http://www.noc-hokkaido.org/ 会費や寄付は 郵便振替口座 会 計 02710-1-8768 畑中 嘉輔 北海道自然観察協議会 札幌市豊平区西岡3条13丁目12-13 ℡/Fax 011-581-5439 観察会保険料は 郵便振替口座 02770-9-34461 北海道自然観察協議会観察保険料 観察会担当会計 小川 祐美 小樽市望洋台3-13-5 ℡/Fax 0134-51-5216 観察会報告書・資料は 観 察 部 山形 誠一 札幌市中央区双子山1丁目12-14 ℡/Fax 011-551-5481 E-mail [email protected] 研修会関係は 研 修 部 大表 章二 ℡ 退会、住所変更の連絡他は 事故発生等緊急時は 事 務 局 武田 治子 磯谷郡蘭越町蘭越町852-23 0136-57-5610 札幌市北区北34条西9丁目1-11グランドパレス103号 ℡/Fax 011-707-5621 E-mail [email protected] アスカ・リスクマネジメント 担当:本間氏 ℡ 投稿や原稿は 表紙写真 編 集 部 HP担当 竹林 正昭 自然観察:2009年 9月 15日/第92号 年4回発行 (会員の「自然観察」購読料と郵送料は会費に含まれています) 発 行 竹林正昭 92号 北見市端野町3区378-3 ℡/Fax 0157-56-3357 E-mail [email protected] 編 自然観 察 011-873-2655 ( 16) 集 北 海 道 自 然 観 察 協 議 会 編 集 部