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EMC XtremIOによるSAPインフラストラクチャの新定義
ホワイト ペーパー EMC XtremIO による SAP インフラストラク チャの新定義 EMC XtremIO オール フラッシュ アレイを使用した SAP インフ ラストラクチャの導入がもたらす大変革 EMC グローバル ソリューション グループ 要約 このホワイト ペーパーでは、XtremIOに導入したSAPインフラストラクチャの極めて優 れた機能とメリットによってエンタープライズ環境のお客様にもたらされるSAP環境の新 定義と、XtremIOを使用したその運用方法の例を紹介しています。 2015 年 1 月 Copyright © 2014 EMC Corporation.All rights reserved.(不許複製・禁無断転載) EMC Corporation は、この資料に記載される情報が、発行日時点で正確であると みなしています。この情報は予告なく変更されることがあります。 この資料に記載される情報は、「現状有姿」の条件で提供されています。 EMC Corporation は、この資料に記載される情報に関する、どのような内容につ いても表明保証条項を設けず、特に、商品性や特定の目的に対する適合性に対 する黙示的保証はいたしません。 この資料に記載される、いかなる EMC ソフトウェアの使用、複製、頒布も、該当す るソフトウェア ライセンスが必要です。 最新の EMC 製品名については、EMC.com で EMC Corporation の商標を参照し てください。 その他のすべての名称ならびに製品についての商標は、それぞれの所有者の商 標または登録商標です。 パーツ番号:H13748.1-J EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 2 目次 エグゼクティブ サマリー ................................................................................. 4 はじめに .................................................................................................. 5 目的............................................................................................................ 5 対象範囲 ...................................................................................................... 5 対象読者 ...................................................................................................... 5 今こそ XtremIO で SAP インフラストラクチャを新定義........................................... 6 パフォーマンスの向上 ........................................................................................ 7 統合の改善 .................................................................................................. 11 TCO の削減 ................................................................................................. 14 シンプルさの活用 ............................................................................................ 16 推奨される次のステップ ............................................................................... 18 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 3 エグゼクティブ サマリー SAP を継続的に使用する企業では、非常に複雑なインフラストラクチャを運用しながら、最もク リティカルなビジネス サービス レベルと運用目標を低コストで達成するという課題に直面して います。 EMC XtremIO は、その発表以来、SAP のお客様が求める要求の厳しいワークロードに対応 する予測可能で一貫したパフォーマンスを提供し、オール フラッシュ スケールアウト エンター プライズ ストレージ アーキテクチャの分野で市場をリードする地位を確立してきました。 XtremIO に SAP を導入することで現状を打破し、パフォーマンスを飛躍的に向上させ、大幅な コスト削減と運用効率を達成できます。SAP アプリケーションやコードの変更は必要ありません。 このホワイト ペーパーでは、SAP を利用するお客様が、パフォーマンスへの影響を懸念するこ となく、総所有コストを削減しながら、SAP の本番、開発、テスト環境をすべて XtremIO プラット フォームで確実に実行するための方法を解説しています。 たとえば、XtremIO に SAP を導入することで、次の成果が得られます。 • データベースや SAP アプリケーションの変更やチューニングなしに、現在の一般的な 環境で連携して機能する SAP アプリケーションのパフォーマンスを向上する • インライン重複排除とスペース効率のよいスナップショットにより、より適切な統合を行 う • 運用コストと設備投資を削減し、TCO を改善する • 簡単なセットアップを活用して、最適な導入と運用を行う 現在、SAP のお客様が ECC、BW、CRM、SRM、EP、XI、Solution Manager を並列して運用 することは珍しくなく、これらすべての SAP アプリケーションが連携して機能する必要がありま す。EMC XtremIO は、個々の SAP アプリケーションのパフォーマンスを向上させるだけでなく、 アプリケーション間の相互のパフォーマンスも向上できます。たとえば、SAP ECC と SAP BW 間で InfoCube の抽出を使用してデータ転送を行う場合、SAP 環境で一般的に見られる最新 のエンタープライズ クラスのストレージ アレイに比べて、XtremIO では大幅な高速化が可能で す。XtremIO は、長時間のバッチ ジョブやレポートなど、すべての SAP のお客様にとって懸念 となる個々の SAP アプリケーションのパフォーマンスも向上します。 最新の SAP 環境のサポートに必要なランドスケープは拡大を続けているため、SAP のお客様 はこの「インフラストラクチャ スプロール」に対応が必要です。同じストレージ アレイに本番ワー クロードと本番以外のワークロードが混在することでストレージ コストやパフォーマンスへの影 響が高まることへの懸念から、SAP のお客様は従来、本番環境を Tier 1 ストレージに、非本 番環境をいわゆる Tier 2 に配置する方法をとっています。 XtremIO は、業界をリードする効率の良いコピー管理とデータ削減機能を持っています。この 機能によって、SAP のお客様はストレージ容量の要件を削減して、SAP 環境のストレージ コス トを大幅に節約することができます。たとえば、すべての SAP 環境を XtremIO に統合した場 合、インライン重複排除と圧縮によってデータ削減率が 6:1 となり、ストレージ使用率が平均で 35%削減できます。さらに、スナップショット機能では即座に使用できる SAP 環境のコピーを作 成でき、パフォーマンスや容量使用率に影響することなく、設備投資を大幅に削減できます。 EMC XtremIO は、環境面での節約や運用効率の改善により、全体の TCO も削減します。従 来と比べ、SAP 環境の EMC XtremIO は構成と運用がシンプルであることは注目すべき特徴 です。この点は、XtremIO に SAP 環境全体を導入するもう 1 つの魅力的な理由となっていま す。 お客様からは、SAP コードの変更やデータベースのチューニング、さらには他の SAP 環境に 手を加えることなく、すぐさま大きなメリットが得られることに満足の声をいただいています。お 客様の既存の SAP 環境の規模と複雑さによって、結果は異なる場合があります。XtremIO へ の移行は、Data Domain などのバックアップ インフラストラクチャからのリストアと同様に簡単 に行えますが、EMC プロフェッショナル サービスがお客様のデータ移行をあらゆる面でサポー トいたします。 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 4 はじめに 目的 実際のお客様事例によって XtremIO を使用した SAP の極めて優れた機能を紹介する お客様が XtremIO に導入することで SAP インフラストラクチャを新定義する際に役立つデー タ ポイントを共有する お客様が XtremIO に SAP 環境を導入すべき理由となる事例を構築する 対象範囲 このホワイト ペーパーの目的は次のとおりです。 • SAP のお客様が直面する課題について知る • 次の目的で XtremIO を使用する SAP のお客様の事例を解説する o SAP のお客様環境のパフォーマンス向上 o より適切な統合 o TCO の削減 o シンプルな構成と運用の活用 • お客様が EMC XtremIO で SAP を運用するメリットを実現するための次のステップ を提案する 対象読者 このホワイト ペーパーは、SAP Basis 管理者、ストレージ設計者、DBA、SAP インフラストラ クチャ チームのメンバーを含め、SAP 環境のパフォーマンス向上と TCO 削減の方法を検討し ているすべての技術分野のお客様を対象にしています。 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 5 今こそ EMC XtremIO で SAP インフラストラクチャを新定義 SAP 環境をより効率的にコスト パフォーマンスの高い方法で運用しながら、ビジネスの SLA に対応するという複雑な課題に対処する企業にとって、XtremIO を利用して SAP インフラス トラクチャの定義を一新する機会が訪れています。このホワイト ペーパーでは、XtremIO が 飛躍的な改善をもたらす 4 つの領域を取り上げています。これは、XtremIO を使用して次の 成果を得ることで、SAP 環境に対する考えをまったく新たにする(新定義する)ものとなってい ます。 画期的な 一貫した 低レーテンシー パフォーマンス 開発/テスト BI/分析 SAP ランドスケープ ストレージ シンプルなバックアップ 運用コスト 複雑なセットアップも チューニングも不要の アプリケーション 図 1.XtremIO で SAP インフラストラクチャを新定義する 4 つの主な領域 パフォーマンスの向上 個々の SAP アプリケーションに加え、ECC、BW、CRM、SRM、EP、XI、Solution Manager のアプリケーション プラットフォーム間で連携する際に、低レーテンシーとなり、クエリーとバッ チ処理が高速化されます。SAP 環境の XtremIO は、コード変更、データベース チューニング、 あらゆる類の運用プロセスの変更を必要とすることなく、本番環境のパフォーマンスも大幅に 向上させます。 より適切な統合 インライン重複排除とインライン圧縮、スペース効率のよいスナップショット、スケールアウト アーキテクチャによって、使用するストレージ容量全体を削減することで、本番、テスト、開発、 QA の複数のコピーをより適切に統合します。 TCO の削減 ストレージ統合、サーバー インフラストラクチャの削減、電力と冷却コストの削減、データベー ス ライセンス コストの削減により TCO を削減して、運用コストと設備投資を削減します。 シンプルさの活用 簡素化された構成とバックアップ、シンプルなストレージ プロビジョニングなどの運用プロセス を活用することで、データベースの複雑なチューニングや SAP アプリケーションの変更に余分 な時間はかかりません。 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 6 アプローチ このホワイト ペーパーでは、実際の SAP のお客様の経験と、主要な SAP アプリケーション、 レポート、トランザクションから報告された測定結果をもとに、SAP で XtremIO を利用した結 果と、堅牢な従来のエンタープライズ クラス ストレージ アレイを使用したケースで比較を行い ました。 次のセクションでは、XtremIO に導入された SAP が次のように劇的な結果をもたらす方法と 理由について具体例も紹介しています。 • パフォーマンスの向上 • 運用効率 • コストの削減 • シンプル化 また、これらの実例をもとに、XtremIO が短期間で市場をリードする地位を得た理由も明らか にしています。 XTREMIOでSAPのパフォーマンスを向上 SAP ECC と SAP BW 間の連携の向上 AFA(オール フラッシュ アレイ)は、ほとんどの条件で従来のストレージ構成よりも高速に動作 し、XtremIO では、SAP ECC、SAP BW、SAP CRM などの個々の SAP アプリケーションの パフォーマンスが向上することが期待されます。しかし、XtremIO は、現代の SAP 環境で一 般的な各種の SAP アプリケーションの連携に影響を与えるのでしょうか。この最初の例では、 BW プロセス チェーンを使用して SAP ECC からデータを抽出する定期的なタスクに対し、 XtremIO がいかに大きな影響を与えるかを示しています。SAP プロセス チェーンは優れたグ ラフィカル スケジューリング/モニタリング ツールで、複合タスクやプロセス スケジュールの自 動化、これらプロセスの表示、データの読み込みや抽出などの関連タスクの一元管理を行いま す。 次の顧客事例は、あらゆる SAP ERP 顧客システムの重要な要素である、SAP ECC と SAP BW との間の生産計画管理を含む SAP プロセス チェーンを示しています。これらの結果は、 以前に使用していた従来のストレージ方式と比べ、SAP プロセス チェーンが XtremIO で 2 倍高速に動作することを示しています。従来のストレージ構成は、ファイバー チャネル ドラ イブを使用した自動階層化フラッシュであるのに対し、XtremIO クラスター構成は 2 台の XBrick 上に置かれています。 SAP システムのパフォーマンス データを提供する SAP ワークロード モニターの一部であるト ランザクション コード ST03N を用いることで、DB 時間を使用したパフォーマンスの向上を測 定しました。これは、SAP Basis ユーザーに対するダイアログ ステップあたりの平均データ ベース時間とも呼ばれます。DB 時間は、データをストレージからデータベース サーバーの バッファーに読み込むのに必要な時間で、ストレージ サブシステムが原因となるパフォーマン スの向上やパフォーマンスの低下を測定する主要メトリックです。このメトリックは、データが ネットワーク層、アプリケーション層、サーバー層、ストレージ層を移動する時間と、これらセッ ション間の待ち時間も加えた時間を測る平均レスポンス タイムに比べ、はるかに正確な測定 値とされます。 以下の表 1 は、SAP ECC からの InfoCube の抽出で、情報ソースから SAP BW のターゲッ ト領域へのデータ読み込みの結果を示しています。結果によると、このキューブ抽出のプロセ ス チェーンは、XtremIO で 2 倍高速に実行され、エンタープライズ クラスのストレージ アレ イと比べて 139%のパフォーマンス向上となりました。 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 7 本番レスポンス タイム XtremIO レスポンス タイム 142,872 471,415 170,695 9,453 62,264 51,267 377,148 127,469 3,536 111,930 856,699 671,350 合計 向上 % 本番 DB 時間 XtremIO DB 時間 121,473 455,136 82,125 8,280 20,768 12,751 220,797 12,210 1,492 41,000 687,782 288,250 185,349 28% 向上 % 399,532 139% 表1.SAP ECCからSAP BWへのInfoCube抽出のパフォーマンス向上 この生産計画管理プロセスチェーンでは、SAP ECC と SAP BW が連携して動作し、SAP BW によって処理が開始されています。このプロセス チェーンは、SAP ECC の ZPP PROD ORDERS からデータを抽出し、SAP BW の ZPP ORDR を更新します。プロセス チェーンで 選択された 91,300 件のレコードは、5 つのスレッドで実行されているプログラム SBIE001 によって、SAP BW の PSA(永続ステージング領域)に読み込まれます。以下のスクリーン ショットに示すとおり、これを基に先の表 1 の結果を求めています。 図 2.表 1 の本番環境と XtremIO との結果の比較 これらのパフォーマンス向上により、SAP のお客様はデータ抽出の手法を再考することが可能 になります。これらの SAP BW プロセス チェーンを組み合わせることで、SAP ECC から SAP BW へのデータ抽出を 2 倍高速に行えるため、ビジネス ユーザーは、より最新のデータを使 用してよりタイムリーにレポートを実行することができます。 レポート/ビジネス インテリジェンス用の SAP BW に読み込まれる InfoCube 抽出のデータ ソースである SAP ECC とのデータ転送では、この他にもパフォーマンスの向上例があります。 このキューブ抽出は、コンピューティング/ストレージ リソースの主な消費者です。 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 8 以下の結果によると、SAP ECC から SAP BW への毎日 2 回の抽出で、XtremIO により 280%と 70%のパフォーマンス向上が見られます。この飛躍的なパフォーマンス向上は、コー ド変更、データベース チューニング、あらゆる類の運用プロセスの変更なしで達成されていま す。 SID PRD-BWP XIO-BWP PRD-BWP XIO-BWP ECC から BW に 抽出 Z_TD_DAILY Z_TD_DAILY Z_TD_DAILY Z_TD_DAILY レコード数 時間(秒) 45115 45026 向上 137 36 101 向上 522 307 215 7227 7194 差(%) 280.56% 70.03% 情報パッケージ FTD PC 0C0_OM_OPA_1 FTD PC 0C0_OM_OPA_1 FTD PC 0C0_OM_OPA_2 Budget FTD PC 0C0_OM_OPA_2 Budget 表 2.SAP ECC から SAP BW への抽出のパフォーマンス向上 SAP アプリケーション間の連携でこのように大幅にパフォーマンスが向上することで、ビジネス ユーザーと IT ユーザーは大きなメリットが得られます。 • ERP システムを使用した生産計画管理の SAP プロセス チェーンは、139%のパ フォーマンス向上を見せ、XtremIO で 2 倍高速に動作します。 • SAP ECC からレポート/ビジネス インテリジェンス用の SAP BW に InfoCube 抽 出を行うプロセス チェーンでは、毎日の 2 回の抽出で XtremIO による 280%と 70%のパフォーマンス向上が可能です。 XtremIO を使用した SAP アプリケーション間の連携が向上することで、コードに変更を加え ることなく、SAP システムのパフォーマンスに大きな影響を与えることが実証されています。お 客様固有の環境に応じて、向上のレベルは異なる結果となりますが、SAP アプリケーション間 でこのようなパフォーマンス向上が見られることで、SAP ビジネス ユーザーは SAP アプリケー ションからより最新のデータを利用して、レポートや意思決定支援に活用することができます。 さらに、これらの向上はビジネス ユーザーや IT ユーザーにとって全面的にメリットとなるため、 SAP のお客様が XtremIO により SAP インフラストラクチャを新定義する動機づけとなってい ます。 XtremIO による長時間実行バッチ ジョブのパフォーマンス向上 どの SAP のお客様も長時間のバッチ ジョブを実行しますが、その運用、トランザクション、構 造、変換の更新は、SAP 環境全体のパフォーマンスに影響を与えます。これらのバッチ ジョブ は、ユーザーが介入することなく定期的に実行されるようスケジュール設定されたバックグラウ ンド プログラムです。ただし、SAP のバッチ ジョブが処理する大量のデータは、フォアグラウン ドで実行した場合に長時間メモリを消費し、本番 SAP システムの大量のコンピューティング リ ソースを使用する可能性があります。このため、これらの大規模で長時間実行されるバッチ ジョブは、SAP システムとリソースが競合する利用ユーザーの少ない夜間または週末に行うの が一般的です。 SAP 機能バッチ ジョブは、運用またはトランザクション的な性質を持ち、毎月の総勘定元帳に 反復するエントリーをポストするジョブ(レンタルや保険など)、在庫カウントを実行するジョブ、 MM(資材管理)期間を開始/終了するジョブ、特定の決済期間に発送された商品と在庫を一致 させるジョブなどが例にあげられます。 SAP Basis とテクニカル バッチ ジョブは、構造的であるかまたは変化する性質を持ち、アク ティブ テーブルから現在のものでない購買発注をアーカイブするジョブ、TemSe 領域(スプー ルされた印刷ジョブを格納する一時領域)を消去するジョブ、DBA がアクションを検討して実行 するためのデータベースのパフォーマンス統計を収集するジョブなどがあります。 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 9 次の画面に示した SAP ECC バッチ ジョブの CAL BC ARC MM_EBAN は、古い購買依頼 をアーカイブして、情報をアクティブ テーブルに置かず、情報を利用可能な状態とするジョブで す。このジョブは、特に現在の購買依頼を処理する場合に、毎日のビジネス プロセスを実行す るときのパフォーマンス向上に役立ちます。 図3.XtremIOを使用したSAP ECCバッチ ジョブのパフォーマンス向上 注目したい点は、このバッチ ジョブは、従来のストレージを使用した SAP 本番システムで 29 時間(104,568,038 ミリ秒)かかり(次の表 3 と図 3 を参照)、大量にシステム リソースを消 費することから、実行できるのは週末に限られることです。 さらに、このジョブはシステム リソースが競合することから、お客様の他の毎月の大量のアー カイブ ジョブや再編成のバッチ ジョブを実行する時間がとれなくなります。お客様の SAP Basis チームのコメントでは、このジョブを月に一度実行できないと、毎日の営業のパフォーマ ンスに大きく支障が出て、ビジネス ユーザーが気づき始めると言うことです。 実行時間合計 DB時間 本番環境 104,568,038 31,598,200 XtremIO 46,663,029 14,258,062 向上 % 57,905,009 124% 17,340,138 122% 表3.バッチ ジョブのDB時間と実行時間のパフォーマンス向上 表 3 と先の画面に示した先述のバッチ ジョブは、堅牢な従来のストレージでの実行に 29 時 間を要していたところ、EMC XtremIO では 13 時間で実行することができ、このリソースを消 費するバッチ ジョブを 2 倍以上高速に実行できることを示しています。DB 時間で 122%、 実行時間で 124%というこの注目すべきパフォーマンス向上は、本番 SAP ECC システムの 無修正のコピーを XtremIO で実行して実現したものです。使用する固有の SAP 環境に応じ て、お客様のパフォーマンスは、これらのバッチ ジョブや他の長時間の実行ジョブに XtremIO を使用した場合と異なる可能性があります。 この長時間実行のリソースを消費するジョブを詳しく見ると(以下の表 4 を参照)、さらに注目し たい点があります。 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 10 Oracleデータベース行読み取り(合計) 74,746,179 Oracle データベース行(直接読み取り) 2,744 Oracle データベース行(シーケンシャル読み取り) 74,703,260 Oracle データベース行(更新) 1,185 Oracle データベース行(削除) 159 Oracle データベース行(挿入) 38,831 表 4.Oracle レベルの詳細:バッチ ジョブ CAL BC ARCH MM_EBAN このジョブは、実行に非常に時間がかかっています。7,500 万ものデータベース行を読み取り、 そのうちの 7,400 万行はシーケンシャルな読み取りで(大量のリソースと時間を消費)、 38,831 回の挿入を実行しています。 XtremIO を使用してこれらの長時間のジョブを実行することで、SAP のお客様はジョブの実 行にかかる時間が非常に少なく済むため(このケースでは半分足らずの時間)、他のプログラ ムを実行するための時間ができ、より柔軟な運用が可能になります。これらの SAP バッチ ジョ ブは、すべての SAP のお客様にとって SAP 環境を編成、運用する上で不可欠であり、効率性 とパフォーマンスを向上することは、XtremIO を使用するすべての SAP のお客様にとって重 要なメリットとなります。あらゆる類のコード変更、運用変更やデータベース チューニングを行 わずに、このような結果が達成されることは、さらに注目すべき点と言えます。 XTREMIOによる統合の改善 アーキテクチャの重要性 SAP 環境を XtremIO で実行する上で、アーキテクチャが重要となります。XtremIO のリア ルタイムのデータ サービスは、「常時稼働」のシン プロビジョニング、重複排除、インライン圧 縮、データ保護、保存データ暗号化、書き込み可能のスナップショット機能を備え、SAP 環境の 統合に大きな影響を与えます。これにより、ストレージ使用量の削減による大幅な節約、最適 な俊敏性、可用性の向上、セキュリティを、ピーク時であっても通常の稼働時間であっても、す べての SAP アプリケーションと各ユーザーに提供できます。 図 4.XtremIO のデータ サービス コンポーネント XtremIO の革新的なアーキテクチャでは、受信したデータ ストリームの「フィンガー プリント」 が XtremIO サービス プロセッサに残されることで、データの重複が比較され、そのデータが フラッシュ ドライブに一度だけ圧縮形式で書き込まれます。この XtremIO データ サービスで は、データを最初に取得するときに、インライン重複排除とインライン圧縮がともに機能します。 このため、このアプローチでは、データをはるかに効率的に統合でき、フラッシュ ドライブの寿 命が延ばせます。さらに、より俊敏性のある、書き込み可能なスナップショットによりストレージ 領域を節約できます。データがディスクに書き込まれた後にだけ重複排除と圧縮を行う従来の ストレージ環境とは大きく異なり、XtremIO でのインライン重複排除とインライン圧縮はスト レージ アレイ処理のオーバーヘッドを削減しています。 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 11 この他に異なる点として、XtremIO は本番環境に常時 100%シン プロビジョニングされます。 シン プロビジョニングされた LUN であっても本番環境に「完全配置」される従来のストレージと 比べ、この機能独自の形で SAP 環境において容量を節約できます。 以下に、これらの利点を詳しく説明した XtremIO のホワイト ペーパーのリンクを記載します。 http://info.xtremio.com/rs/xtremio/images/H12453-1-so-pdf-xtremiounstoppable_Data_Reduction.pdf http://info.xtremio.com/rs/xtremio/images/Introduction-to-XtremIOSnapshots_H13035_Rev-01_Draft_2014-06-29_1.pdf http://info.xtremio.com/rs/xtremio/images/White-Paper_XtremIO_Data-atRest-Encryption_H13038-1_Rev-02.pdf http://info.xtremio.com/rs/xtremio/images/White-Paper_Introduction-toXtremIO-Storage-Array_Ver-3-0_H11752-5_Rev-06_Draft_2014-0702_1.pdf 常時稼働のインライン重複排除とインライン圧縮 重複排除(ディデュープ)とは、類似したデータ ブロックを一度だけ格納することで、実際のスト レージ アレイの容量を節約するために用いられる概念です。多くの場合、SAP 環境とデータ ベースはソースの SAP インスタンスの重複コピーであるため、この 2 つが大量に同じ情報を 共有することは、十分に証明された事実です。 XtremIO の常時稼働のインライン重複排除は、PRD(本番)コピーと UAT(ユーザー受け入 れ検査)コピーとの差分だけを保存するスマートな機能で、大幅な節約を可能にします。これに より、これらデータ ファイルの重複するコピーが保存されるのを避けて、使用されるストレージ の量を縮小します。XtremIO は、リアルタイムの常時稼働自動データ サービス標準機能とし てデータ圧縮も実行します。これによるパフォーマンスへの影響はまったくありません。 XtremIO のインライン重複排除とインライン データ圧縮がともに機能することで、XtremIO で SAP を利用する EMC のお客様は、平均で 6:1 のデータ削減率を安定して達成していま す。これは、使用可能容量が 30 TB の X-Brick で 6:1 のインライン重複排除とデータ圧縮 を行うことにより、有効な使用可能容量が 180 TB になることを意味します。 仮定の SAP ランドスケープを例として、XtremIO のインライン重複排除とインライン圧縮が 一般的な SAP 環境にもたらす大きな影響を見てみましょう。これにより、約 30%~35%の容 量が節約されます。 従来のストレージの SAP アプリケーショ ン PRD 開発 QA UAT SAP ECC 9 4 4 9 SAP BW 8 3 3 8 SAP CRM 6 2 2 6 SAP SRM 7 3 3 7 使用容量の合計 30 TB 12 TB 12 TB 30 TB 合計 84 TB EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 12 開発 QA (開発か ら重複 排除) UAT (PRD か ら重複排 除) 9 4 2.60 6.5 SAP BW 8 3 1.95 5.0 SAP CRM 6 2 1.30 3.9 SAP SRM 7 3 1.95 4.5 使用容量の合計 30 TB 12 TB 7.8 TB 19.5 TB XtremIO の SAP アプリケーション(6:1 の重複排除と圧縮) PRD SAP ECC 合計 54 TB 表 5.XtremIO のインライン重複排除と圧縮のメリット 表 5 は、あくまで説明のための仮定の SAP 環境の例で、特定の環境に応じて結果は異なる 場合があります。前提として、本番と開発環境とではまったく重複がないものとしていますが、 マスター データ テーブルなど大量の共通データがあるはずなので、両環境には重複が存在す ることが考えられます。このため、SAP のお客様にとって、先述のストレージ要件はさらに大幅 に縮小することになります。 インライン重複排除はスナップショットではなく、従来のストレージ環境で実際のディスク領域を 使用するデータベースのフル コピーです。XtremIO の重複排除は、SAP のパフォーマンスに まったく影響することなく機能します。 書き込み可能なスナップショット XtremIO でのスナップショットの処理方法は、データ保護ツールとしてのスナップショットにと どまらず、データとリソースをより適切に利用して SAP 環境全体の俊敏性を高めることで、大 幅な生産性向上をもたらす重要な支援機能を提供しています。XtremIO により、次のように スナップショットを利用できます。 • クローンの作成なしに書き込みが可能で、スナップショットのマウントが非常に高速に 行えることから、お客様は本番ボリュームの要求に応じてオン デマンドで必要なだけ 書き込みコピーを作成可能 • 優れたパフォーマンスと少ない占有領域で、手頃なコストと高い拡張性を実現 • メタデータが増大しないためスペースの使用効率が向上 SAP のお客様は、オリジナル コピーの書き込みスナップショットを取得し、そのスナップショット を開発/テスト、UAT(ユーザー受け入れ検査)、その他の用途に利用しながら、データ ウェア ハウジングやビジネス インテリジェンス用のコピーをさまざまなレベルで大量に統合することが 可能です。 これらのベスト プラクティスを用いることで、XtremIO のリアルタイムの分析とより正確なレ ポートを利用して、俊敏で柔軟な形でデータベース ライフサイクルの管理を向上できます。次 の TCO 削減に関するセクションでも、EMC のお客様が XtremIO のスナップショット機能を活 用して、SAP データベースの論理的な破損に対処するプロセスの改善を実施した事例につい て紹介しています。 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 13 統合についてのまとめ XtremIO の革新的なアーキテクチャ、とりわけ常時稼働の XtremIO データ サービスを利用 することで、SAP のお客様は次のことが期待できます。 1. インライン重複排除とインライン圧縮の組み合わせにより、平均で 6:1 のデータ削減 率を達成。30 TB の使用可能容量の X-Brick クラスターを導入した場合に、有効な 使用可能ストレージ領域は 180 TB となります。 2. パフォーマンスに影響しない、使いやすいスナップショット ソリューションは、トレーニ ングやテスト用の新しい SAP 環境を迅速に作成できるほか、データベースの論理的 破壊に簡単に素早く対処するための実際のプロセス改善に至るまで、あらゆる点で 役立ちます。 運用コストと設備投資を減らしてTCOを削減 運用コストの削減 XtremIO を使用するお客様は、従来のストレージ環境よりも設置面積が少なく済み、電力消 費と発熱量(冷却)を抑制しながら、データセンターの使用面積も少なくて済むため、運用コスト を削減できます。 すべての EMC 製品は、力率補正した電源を使用しています。電力消費量の予測では、入力 ワット(W)が入力 VA(ボルト-アンペア)に等しいものと想定できます。ただし、より正確な方法 としては、時間あたりの BTU の電力消費量を測定し、EMC Power Calculator を使用してキ ロワット(KW)単位で結果を計算します。この EMC Power Calculator は、すべての EMC 従業員、EMC パートナー様と EMC のお客様が、有効なログイン名で使用できる Web ベース のツールです。このツールを利用することで、電力の要件を計算して、運用コストにプラスに働 くように変更を加えることができます。 あるお客様は、SAP に XtremIO を導入することで、使用可能ストレージ容量が同じ場合に、 既存の従来のエンタープライズ ストレージ プラットフォームと比べて、35%以上の電力消費 量と冷却コストを削減して、年間コストを削減しています。これらの結果は、お客様が EMC Power Calculator を使用して独自に行った計算に基づいています。 また、大規模な SAP/Oracle 環境のグローバル製造企業の欧州部門で、次のことを目標に、 データベース環境を従来型のエンタープライズ ストレージから XtremIO のオール フラッシュ ストレージ システムに変更した別のお客様の事例があります。 • SAP/Oracle システムの応答性をコスト パフォーマンスの高い方法で高める • 新しいアプリケーションをより迅速に導入できるようにする • より高度な分析クエリーを利用する • 電力消費量を抑制して、限られたスペースを節約する 変更前のこのお客様の SAP/Oracle アプリケーション環境は、6 つのデータベースと 10 台の アプリケーション サーバーで構成されていました。以前の従来型ストレージ システムには、2 つのストレージ コントローラーと 8 シェルフのディスク ドライブが含まれ、SAP/Oracle 環境で 30,000 IOPS を達成するのに 40U のラック スペースを必要としていました。また、ストレー ジ システムの電力消費量は 3.85 キロワット(KW)におよび、データセンターの冷却に 13,100 BTU/時(英熱量/時)を消費しました。 このお客様の場合、SAP/Oracle アプリケーションに導入された XtremIO のフラッシュ スト レージが使用するストレージ領域はわずか 3U となり、以前のストレージ システムと比べてラッ ク スペースが 90%縮小されました。 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 14 従来のストレージ システムに比べて XtremIO の設置面積は非常に小さく、お客様はフロア 面積の使用も大幅に縮小するメリットが得られました。この例では、XtremIO に必要とされた のは 3U ラックで、消費する電力は 700 W、発熱量は 2,388 BTU と、電力、冷却、スペース の面で大幅な削減を達成しました。平均してお客様は、SAP 環境に XtremIO を導入すること で、同量の使用可能ストレージ容量に対してフロア面積使用をおよそ 75%削減する結果と なっています。 TCO: 従来のストレージ XtremIO アレイ XtremIO による改善 スペース 40U ラック 3U ラック 35%*~+90% 電力 3.85 KW 700 W 35%*~+82% 冷却 13,100 BTU/時 2,388 BTU/時 35%*~+82% 表 6.XtremIO による TCO 削減の結果(スペース、電力、冷却) 先の表 6 は、スペース使用、電力消費量、発熱量を削減して、3 年間で 750,000 ドル以上の ROI を達成したお客様の事例を示しています。*注:従来の異なるアレイを使用する別のお客 様は、スペース、電力使用量、冷却コストの削減により、年間の運用コストを 35%削減しました。 設備投資の削減 SAP アプリケーションで XtremIO を使用することで、バックアップ処理の手順を変更でき、こ れにより SAP DBA、機能エキスパート、Basis エキスパートが、時間のかかるバックアップ メ ディアからのデータベースのリストア/リカバリを必要とするデータ破損など、SAP の機能上の 問題を解決する手順を改善できます。 テープ デバイスなどにバックアップを 7 日間保存する代わりに、必要とされる 7 日間のデータ ベース バックアップをスナップショットとして XtremIO 上に保存します。最新のスナップショット のみをテープまたはその他バックアップ デバイスに送るだけで済み、7 日間すべてのバック アップをこれらのバックアップ デバイスに保持する必要はありません。これにより、XtremIO スナップショットを利用して、ストレージの要件を大幅に縮小できます。 一方で、この新しいアプローチでは、RTO(目標復旧時間)が大幅に改善されます。7 日間の データベース バックアップは XtremIO アレイ自体に置かれるので、SAP のお客様はデータ リ ストアの役割をデータベース管理者からストレージ管理者に移すことができます。それでも、DBA は、データベースの論理的な破損を解決するため、データベースのリカバリに関わる必要があり ます。 この結果、XtremIO を使用する SAP のお客様のバックアップ手順が大きく変わります。以前 にクリティカル タスクに要求されたバックアップ ウィンドウを短縮して、リカバリ時間を最小化す ることで、SAP ビジネス ユーザーと IT ユーザーは、本番システムのパフォーマンスへの影響 が縮小するのを体験しています。このように簡素化されたバックアップ手順により、SAP のお客 様の本番環境以外のバックアップ戦略も改善できます。 XtremIO を使用する真の価値は、SAP のお客様ごとに測定方法が異なりますが、バックアッ プ デバイスからリストアを実行するよりも、ストレージ管理者が XtremIO スナップショットを サーバーに再マウントする方が時間を大幅に短縮されることにあります。この結果、DBA は データベースをコンシステント状態にリカバリしてオープンするだけで済みます。また、バック アップ メディアからのデータベースのリストアは、論理的破損に対処するデータベースのリカバ リ手順で最も時間がかかる作業であることから、これにより時間と労力が大幅に節約できます。 まとめとして、XtremIO によりお客様は、論理的な破損のリカバリを迅速化でき、SAP ユー ザーは他の重要な作業のための時間を増やして、TCO の削減も可能になります。 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 15 シンプルさの活用 XtremIO によるシンプルな構成、運用プロセス、バックアップ SAP のお客様が現在直面するもう 1 つの課題は、SAP 環境の複雑さを増す運用と、システム 間で増大する相互の依存関係を簡素化することにあります。多くの従来の SAP のお客様に とって、SAP システムをサポートする相互に依存したインフラストラクチャの制約から、これらの 作業は非常に時間がかかるか困難で、時間どおりに行えなくなっています。 XtremIO で SAP を使用することで、シンプルな構成、日常の運用、バックアップ手順によって SAP システムの管理を簡素化し、定期的にスケジュール設定されたタスクに必要な工数を減ら すことが可能になります。アプリケーションのチューニングは必要ありません。実際、シンプルで あることが SAP 環境における XtremIO の優れたテーマの 1 つであり、これは次の点に応用 が可能です。 • SAP システムの構成を簡単、迅速に完了する • 運用プロセスに必要な時間を短縮する • データ移行フェーズを改善して、実装の成果を向上させる • バックアップ ウィンドウを短縮して、クリティカル タスクのリカバリ時間を最小化する XtremIO のシンプルな UI(ユーザー インターフェイス)により、SAP 環境を構成して完成する のに必要な時間が短縮されます。実際、XtremIO の構成は、従来のストレージよりもはるか に簡単に行えます。XtremIO を使用したシンプルな構成により、これらの SAP 環境によって は 1 日足らずで構成を完了でき、通常は数日かかっていた従来の SAP 向けストレージ環境 に比べて大幅な短縮となります。 別の SAP のお客様は、XtremIO によってクラスターの立ち上げが簡素化されることで、イン ストール時間が 90%短縮されたと評価しました。この SAP のお客様が持つ環境の構成と最 適化フェーズは、構成とセットアップに 1 日以上を要した従来のストレージ アレイ システムと 比べ、すべてが 30 分で完了しています。 さらに、XtremIO でバスをスキャンし、非常に直感的な GUI を使用することで、ロード バラン シングを目的としてデータ リソースを割り当てるゾーニングがよりシンプルになっています。(例 として、従来のストレージの 4 時間に対して、1 時間でゾーニングが完了します)。 シンプルさ: 従来のストレージ XtremIO アレイ XtremIO による改善 実装 3 日以上 1 日未満 +66% 構成、チューニン グ、レイアウト 8 時間以上 30 分 +94% ゾーニング作業 4 時間 1 時間 +75% 表 7.シンプルな実装、構成、ゾーニングの活用 SAP システムの導入は、リソース(人員、コスト、時間)の節約とビジネス プロセスの改善にお いて、あらゆる SAP のお客様にとって最も重要なフェーズです。この課題の最も重要な側面で あり、成功への鍵となるのが、データの移行です。先述の SAP の導入では、データ移行がプロ ジェクト全体のリソース使用率の 40%を占めることが分かっています。データ移行のフェーズ が不十分であると、「稼働の開始」を成功させるのが極めて困難になります。XtremIO では、 データ移行のプロセスは、バックアップからのリストアだけで済みます。 SAP のお客様は、変更を正しくテストし、新しいテスト環境を展開して、ストレス テストやデバッ グ用に本番コピーを迅速に使用できるようにする必要もあります。さらに、SAP インフラストラク チャ チームとビジネス ユーザーは、複雑に変更されたプロジェクトのリスクを効果的に管理し EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 16 なければなりません。これには、システム アップグレードのクリティカル フェーズにロールバッ ク ポイントを作成する作業や、トランスポート要求を本番に渡す直前に本番バックアップを確認 するといった作業があります。 図 5.XtremIO のストレージ管理コンソールとダッシュボード 前掲のスクリーンショット(図5)は、実際のXtremIOのダッシュボードを示しています。このダッ シュボードでXtremIOのシステム管理者は、一目で読みやすくて分かりやすい、操作が簡単 なゲージを使用して、SAPシステムのデータ要件やストレージ構成を便利な1つのコンソールで 行うことができます。この場合も、XtremIOでSAPを使用することで、現在の市場に並ぶもの のないシンプルな運用モデルが利用できます。 さらにシンプルで効率的な監視、便利なストレージ プロビジョニング、自動化された構成機能も 加わり、XtremIO のシンプルさが際立つ形となっています。 ほとんどのお客様は、従来のストレージ システムを XtremIO オール フラッシュ ストレージ システムに置き換える際に、複雑な構成やアプリケーション チューニングなしで導入を完了し、 数日のうちにフル稼働が可能になります。これが可能になるのは、XtremIO アレイが設備の 変更を必要しないためです。XtremIO はすでに設置されている、同じラック、電源接続、ネット ワークを利用することができます。ここでも、シンプルな XtremIO によって、お客様の大切な 時間とコストを節約できます。 SAP のお客様はそれぞれ、独自の形で XtremIO のシンプルさを活用できます。一方で、 XtremIO のシンプルさをシステム構成、運用プロセス、データ移行、そして日常のバックアッ プに応用することで、SAP インフラストラクチャ チームとビジネス ユーザーは、迅速に作業を 進めながら、短時間で作業を終えることが可能になります。 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 17 推奨される次のステップ 次のステップ SAP 環境への XtremIO を導入によるメリットを活かすには多くの方法があります。次のス テップをご検討ください。 • EMC セールス チーム/EMC ビジネス パートナーにお問い合わせください。 • EMC Web サイトの SAP 向け XtremIO リソース ページで SAP の総合情報をご覧 ください。https://community.emc.com/docs/DOC-38703 • 参考資料:www.xtremio.com/の XtremIO リソース ライブラリの関連資料 • お近くの XtremIO 担当に XtremIO のデモをご依頼いただくか、次のサイトにアク セスしてください。www.xtremio.com/demos 図と表 図と表: 図 1. 表 1. 図 2. 表 2. 図 3. 表 3. 表4 図 4. 表 5. 表 6. 表 7. 図 5. XtremIO で SAP インフラストラクチャを新定義する主な領域 SAP ECC から SAP BW への InfoCube 抽出の結果 表 1 の本番環境と XtremIO との結果の比較 XtremIO を使用した抽出のパフォーマンス向上 XtremIO を使用した SAP ECC バッチ ジョブのパフォーマンス向上 バッチ ジョブ(DB 時間と実行時間)のパフォーマンス向上 Oracle レベルの詳細:バッチ ジョブ CAL BC ARCH MM_EBAN XtremIO のデータ サービス コンポーネント XtremIO のインライン重複排除とインライン圧縮のメリット XtremIO による TCO 削減の結果(スペース、電力、冷却) シンプルな実装、構成、ゾーニングの活用 XtremIO のストレージ管理コンソールとダッシュボード 6 8 8 9 10 10 11 11 13 15 16 17 EMC XtremIO による SAP インフラストラクチャの新定義 18