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Untitled - MA2 Gallery

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Untitled - MA2 Gallery
2016 年 10 月、今年、2 回目となる「絵画」をテーマにした展覧会を開催致します。
近年のインスタレーション、映像、パフォーマンスなど多様な表現がされる現代美術において、
絵画の魅力に迫りたいと、この春に続いての MA2Gallery の絵画展です。
背景は様々ながら「絵画」という問いに真
に向き合い、
鑑賞者にモノの見方に新しい提案、内なる感覚を刺激する作品を制作するアーチスト4人
伊庭靖子、薄久保香、マヌエレ・セルティ、吉川民仁の展覧会です。
伊庭靖子
Yasuko Iba
1967 年生まれ。「記憶の中の五感を刺激することで認識をあらたにで
きるもの」伊庭が、自身が表現したいものとして 2015 年に寄せた言葉
です。描かれるのは器やクッションなど、身近にあり質感を吟味された
モチーフ。その素材を自然光の中で撮影し、肉眼とカメラの眼により強
調と省略を繰り返し研ぎすまされたものを絵に置き換えてゆく、時間と
行程をかけた制作方法で描かれています。「眩さ」「存在感」「空気感」。
伊庭の作品から導かれる言葉としてよく使われますが、絵を前にして視
覚から広がる感覚に結ばれ、琴線を揺さぶる作品を探求し続けています。
薄久保香
Kaoru Usukubo
1981年生まれ。過去と未来、現実と想像力、、、両極にある対立的で
多元的な事物を、2次元である平面に描く事で同等に結実させた、独特
の世界感をもつ「絵画」を制作。
取材したり収集した写真の、実際の写真のコラージュとパソコンの中で
加工した画像のコラージュを使い、物質とデジタルが往き交う手法を用
いています。近年は白と黒、明暗のコントラストで描く事で、鑑賞者に
無限の色彩を想像させるモノクロームの作品も展開。
現実や存在に対する問いを投げかける薄久保は、TVゲームやコン
ピューターなどデジタルな映像に幼少時から慣れ親しんできた80年代
生まれの、先鋭で代表的な作家として国内外で注目を集めています。
マヌエレ・セルティ
Manuele Cerutti
1976 年生まれ。イタリア、トリノに拠点として制作しながら、ヨーロッ
パ各地の美術館やギャラリーで作品発表しており、今回は初めてのアジ
アでの展覧会参加となります。
マヌエレは、まずはスプーン、ボタン、などの日常のモノをその機能的
存在を分離。解放されたオブジェは、マヌエレ自身との対話により新た
な存在物となり、不思議なバランスで配置され描かれます。マヌエレに
よるモノの見方の新しい提案は、鑑賞者にまるでまったく異なるものを
想像させながら、内側の旅をさせてくれます。
吉川民仁
Tamihito Yoshikawa
1965年生まれ。一貫して抽象絵画表現の可能性を探求し、そこから、
抽象/具象という区別を超えて「絵画」を捉える作品を制作。絵具とい
う物質を、時に画面に投げつけたり、引っ掻いたり、引きずったりして
描かれた作品は、風や光や風景を連想させたり、躍動感や空気感、リズム
を感じさせます。2012年「抽象と形態:何処までも顕われないもの」
(DIC川村記念美術館)の展示で評価を再確認された吉川。詩情を孕んだ
伸びやかな空間を目の前に開く、作品からの「リアリティー」とは?と
いう問いかけは、日常の中に気づきを増やし豊かな世界を広げてくれます。
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