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ダウンロード - 森林GISフォーラム
ニューズレター Vol.49 2012年4月 2011年度 第1回運営委員会の報告 日時:2011 年 5 月 17 日(火)10 時~12 時 場所:東京大学農学部7号館 B 棟 231/232 号室 出席: 1.3 平成 22 年度 東京シンポジウム 「森林 GIS による野生動植物管理」 2 月 7 日(月) 11 時~17 時 (役 員) 東京大学農学部 弥生講堂 佐野 真琴,露木 聡 参加者 86 名 (運営委員) 河野 裕之(欠席),広嶋 卓也(欠席),高橋 與明 (賛助会員) 2.2010 年度決算報告 次ページ会計報告のとおり 日本電気(株) 三上 健太(欠席) (株)パスコ 菊池 譲(欠席) 国土地図(株) 弘瀬 達夫 3.2010 年度会計監査報告 パシフィックコンサルタンツ(株) 鈴木 仁 会計監査担当の鈴木氏(パシフィックコンサルタ 東京スポットイマージュ(株) 横山 猶吉 ンツ(株))により会計監査報告が行われた。 (社)日本森林技術協会 笹川 裕史 北海道地図(株) 勝部 圭一(代理:大橋氏) 4.[議題]2011 年度活動計画 (事務局) 4.1 地域セミナー 松英 恵吾,村上 拓彦 関西地区(田中和博先生,長島委員にコーディネ ートを依頼)にて 11 月に開催予定 1.2010 年度活動報告 4.2 東京シンポジウム 1.1 ニューズレターの発行 例年どおり 2 月に開催予定。テーマは未定。 Vol.47(2010.9)を発行。 4.3 学生フォーラム 1.2 地域セミナー in 岩手 8~9 月に東京にて開催予定。ミニシンポジウム 「東北地域における森林 GIS の現状」 11 月 15 日(月) 11 時~17 時 30 分 いわて 県民情報交流センター アイーナ(盛岡市) 参加者 101 名 との同日開催が提案された。ミニシンポジウムの テーマとして新生産システムや森林 GIS のクラ ウド化などが提案された。 学生フォーラムを森林学会大会期間中に実施す 2011 年度運営委員(案) る案が提案され,前向きに検討することが了承さ 会長 佐野 真琴 森林総研 れた。 副会長 露木 聡 東京大学 事務局長 村上 拓彦 新潟大学 4.4 GIS/RS セミナー 4.5 ニューズレター 年 3 回発行を予定(8 月、1 月、4 月) 事務局(会計)松英 恵吾 宇都宮大学 会計監査 パシフィックコ 鈴木 仁 ンサルタンツ(株) 5 会員の入退会 (運営委員) 5.1 賛助会員の入退会 林野庁 宝田 和将 林野庁計画課 現時点では入退会はなし 北海道 菅野 正人 北海道林試 東北 小谷 英司 森林総研東北 関東 広嶋 卓也 東京大学 関東 高橋 與明 森林総研 中部 古川 邦明 岐阜県森林研 関西 長島 啓子 京都府立大学 中国 西 政敏 島根県中山間地域研究センター 四国 光田 靖 森林総研四国 九州 加治佐 剛 九州大学 5.2 個人会員の入退会状況 2011.5.13 現在、メール個人会員 129 名。前年よ り 15 名増。 6 その他 6.1 運営委員について (議事録作成者:村上 拓彦) ≪行事開催の記録≫平成 23 年度 地域セミナー in 関西 森林管理の高度情報化をめざして 開催日:2011 年 11 月 22 日(火)11 時~16 時 30 分 場 所:京都府立大学 多目的ホール 新潟大学 村上拓彦 例年、地域における森林 GIS の普及啓蒙をテーマに開催されている地域セミナーですが、今年度は「森 林管理の高度情報化をめざして」と題して 11/22 に京都府立大学にて開催致しました。60 名超の方に ご参加頂き、4 件のご講演、2 件の賛助会員企業様からの話題提供、4 件の賛助会員企業様による企業 展示を盛況のうちに開催させて頂きました。今回,企業展示のスペースがセミナー会場のホール内であ ったため,賛助会員の皆さまもゆっくり講演を聴くことができ,全ての参加者が一体感を持てた有意義 なセミナーでした。 (開催内容) ■【賛助会員による森林 GIS のデモ】 11 時~16 時 30 分 東京スポットイマージュ、日本森林技術協会、パシフィックコンサルタンツ、パスコ ■ 【地域セミナー】 13 時 00 分~16 時 30 分 13:00 開会宣言、会長代理あいさつ 【基調講演】「GIS 時代における境界問題と次世代森林簿」 田中 和博(京都府立大学) 【講演】「GNSS による森林測量の新時代」 吉村 哲彦(島根大学) 【話題提供】「デジタル空中写真の広域的な活用」 古田 朝子(日本森林技術協会) (休憩) 【講演】「GPS の林業への活用法」 今西 秀光(吉野森林管理サービス) 【講演】「GIS を活用した素材生産・流通シミュレーション」 白澤 紘明(京都大学) 【話題提供】「森林関連情報の正規化とその運用」 島崎 浩司(株式会社パスコ) 16:30 閉会 2012/2/1 森林GISフォーラム 1 2011 GIS時代における 境界問題と次世代森林簿 森林の境界問題を ポリゴンの精度と GPSの精度から 考える 1) 森林の境界問題をポリゴンの精度とGPSの精度から考える 2) 見えてきた次世代森林簿 京都府立大学大学院 田 中 和 博 森林情報士 森林GIS 森林GIS2級の受講生が 2級の受講生が 森林GIS 森林 GISに期待すること に期待すること 境界の確認や管理に役立てたい……12名/22名 森林計画図の縮尺は5000 森林計画図の縮尺は 5000分の1 分の1 森林区画のポリゴンは、 森林計画図をトレースしたもの • 境界確認は、現場では、喫緊の課題になっている • 森林計画図上の1mmの誤差は、 実空間では5000mm • 境界の確認を、どの程度まで厳密にしなければならない か? • 境界確認作業について、標準的な仕様はあるのか? • 5000mm = 500cm = 5m • ポリゴン情報は、約5mの誤差を持っている。 • 境界問題を、ポリゴンの精度と、GPSの精度から考えて みると …… ポリゴンの精度とDGPS ポリゴンの精度と DGPSの精度 の精度 ※ 国有林の民国の境界ポリゴンは測量結果に基づく 林木の間隔は? 相対幹距から推定すると 相対幹距 から推定すると ・相対幹距 = 平均幹距(林木の間隔)/平均樹高 • 森林計画図をトレースしたポリゴン情報は、 約5mの誤差 • 森林調査で使用しているDGPSの測量精度は、 約5mの誤差 ・相対幹距は、通常10%以上、15%以下の場合は要間伐 ・仮に、相対幹距 = 10% 樹高 = 20m とすると、 幹距は、2m 手入れされていない場合 • 両方とも約5mであり、釣り合っている。 ・仮に、相対幹距 = 15% 樹高 = 30m とすると、 幹距は、4,5m 手入れされている場合 • 森林を図面で管理する場合は、DGPSで問題ない ・現場で森林を確認する場合は、約1~2mの精度で問題ない 1 2012/2/1 準天頂衛星みちびき 準天頂衛星 みちびき 真上から日本を見守る 天頂衛星システム 日経新聞 ○ 準天頂衛星システムは、 日本のほぼ天頂(真上)を 通る軌道を持つ人工衛星 システム ○ 日本国内の山間部や都 心部の高層ビル街などで も、測位できる ○ 準天頂衛星システムは、 補強信号の送信等により、 1m程度、さらにはcm級へ 測位精度の向上を目指し ている 「みちびき」の精度 • 準天頂衛生「みちびき」 「みちびき」の精度は、 公称 森林タイプ別の求められる境界位置精度 1m、 • 2011年9月の無人トラクタ 2011年9月の無人トラクターの実験では、 の実験では 数cmの誤差 ◇ 森林施業の場合(誤伐をしないために) ○ 間伐されている高齢な森林 3~4m ○ 間伐されている若齢な森林 1~2m ○ 間伐されていない高齢な森林 1~2m ○ 間伐されていない若齢な森林 1m以下 • 山間部においても、1m以下の誤差が期待できる。 ◇ 境界杭を捜す場合 ○ 間伐されている高齢な森林 ○ 間伐されている若齢な森林 ○ 間伐されていない高齢な森林 ○ 間伐されていない若齢な森林 • 森林管理の実務において、何ら問題はない。 ◇ 境界を確定する場合 ○ 間伐されていない若齢な森林 みちびき みちびき みちびき みちびき 5~10m 5~10m 5~10m 3~4m DGPS DGPS DGPS みちびき みちびき 10cm以下 森林境界確定作業のメニュー まとめ ◇境界杭が打ってあり、 きちんと森林施業や森林管理が されている場合 誤差が5~10m 5~10mのDGPS DGPS ←通常料金 ◇通常の森林管理ではDGPSを使用し、 詳細な境界確定が必要な場合は「みちびき」 を利用 を利用する ◇境界杭が打ってない場合 誤差が10cm以下 10cm以下のみちびき みちびき ←特別料金 ◇森林管理における測量の精度を 業界としてきちんと整理し、 標準的な仕様を制定することが必要 2 2012/2/1 2 はじめに • 森林GISは、既にほとんどの都道府県に導入されており、 • 森林組合等の現場にも着実に普及しつつある。 • 森林GISは森林管理において必須のシステムになる。 見えてきた 次世代森林簿 • 森林GISの普及拡大に伴い、森林GISの利用方法や、森林 GISに対する GISに対するニーズも変化してきており、 ズも変化してきており • 森林GISのデータの持ち方、属性情報のあり方、情報の更 新方法などが検討されている。 • ここでは、現在の森林簿の問題点を指摘するとともに、 • GISの諸機能の特性を活かした次世代森林簿のあり方につ いて、私見を述べさせていただく。 現在の森林簿の問題点 ①森林簿は現況を表すもの 施業履歴等の情報も含むべき ②森林簿情報が現実と乖離 正しいデータが入力されていることが大前提 ③木材生産機能に関する情報に偏っている 公益的な機能に関する情報も必要 ④データの更新時期が、行政と現場で異なる 現場では、森林施業の実施状況に応じて 森林簿を更新していく必要がある ⑤個人情報が含まれているので公開できない 地域の住民や素材生産業者に必要なデータが提供できない 森林GIS 森林 GISの発展段階① の発展段階① • 第1世代の森林GISは、森林簿の情報を林小 班ポリゴンの属性情報としてリンクさせただけ ものであり、森林情報の表示や検索、各種区 分図の作成などが便利になったというだけの ものである。 • しかも、森林簿の情報は基本的に「森林現況 簿」であるので、今後、各林分の履歴情報を どのように整備・蓄積していくかといった問題 が残る。 森林GIS 森林 GISの発展段階② の発展段階② 森林GIS 森林 GISの機能① の機能① • 第5世代の森林GISは、政策の立案や合意形成に応 用するものであるから、このタイプの森林GISでは、 その時々のニーズに応じて、実に様々な情報を外部 からも取り入れ、GISの空間解析機能などを用いて、 目標とする図面や資料を作成する必要がある。 • 一般には、次の4つの機能があげられている。 • すなわち、 データベース機能、 空間解析機能、 空間解析機能 情報発信・共有化機能、 意思決定支援機能 である。 • したがって、森林GISとして標準的に装備しておくべ き最小限の属性情報は何かという問題について、き ちんと整理しておく必要がある。 • また、外部のデータを様々な形で取り入れることがで きる柔軟な構造の森林簿にしておく必要がある。 • これらの機能の中で、最も重要で、GISの本質 に関わる機能とは何かというと、それは、 空間解析機能である。 3 2012/2/1 森林GIS 森林 GISの機能② の機能② 森林GIS 森林 GISの機能③ の機能③ • GISは地図情報を伴ったデータベースであると理解 されている人もいるが、それは誤解である。 • GISでの地理情報の持ち方について考え、 そして紙地図との違いについて比較してみると、 • GISでは、主題図ごとに地理情報を作成し、それを ベクター形式のファイルとして保存している。 • 解析に必要な主題図だけを呼び出して、それらの主 題図をレイヤとして扱い、空間解析をしている。 • 市販の紙地図のような情報は、ラスターデータとし て背景の地図として利用している。 • GISの本質は、複数の主題図を空間解析する ことにある。 • それぞれ それぞれの主題図には属性情報が付随して 主題図には属性情報が付随し いるが、それらの属性情報はユニオンと呼ば れるオーバーレイ機能を用いれば、オーバー レイによって新たに作成されるさらに細かな ポリゴンに自動的に継承される。 森林簿データの更新① 新規森林情報は GPS情報を持つ ポイントデ タが主流になる ポイントデータが主流になる • 第2世代の森林GISは、既存の紙地図等をデジタル 化して利用するものです。 • 第3世代の森林GISでは、リモートセンシングデータ を活用することになる。 • リモートセンシングデータはラスターデータであるの で、GISを用いた空間解析もラスターデータ解析 が主流になる。 • そして、必要に応じて、解析結果を林小班ポリゴン 等に集約することになる。 森林簿データの更新② 森林簿データの更新③ • 第4世代の森林GISは、様々な観測結果や調 査結果を解析し、その結果を、インターネット を利用することによって地域の関係者と共有 する仕組みを備えたものである。 する仕組みを備えたものである • 今後、観測結果や調査結果は、基本的に、 GPS情報を伴ったポイントデータになる。 • 第5世代の森林GISでは、政策立案のために、様々 な形式の外部のデジタル地理情報を利用することに なる。 • したがって、自分たちが構築したデータベースの情 報だけを利用するのではない。 報だけを利用するのではない • 多数の項目からなるデータベースを構築したとして も、あまり意味がない。 • 外部データについてはそれぞれの外部の部局の責 任で更新されていく。 • 結局、森林関係者は、森林GISのデータとして、どう いうデータを責任を持って更新していくのかという議 論になる。 • GISを用いた解析では、空間解析機能を利用 して、点(ポイント)から面(ポリゴン) を推定することが主流になる。 4 2012/2/1 森林簿の分割① • 森林簿は都道府県によって管理されている。 • 森林簿に登録されている情報が200項目近く になっている県もある。 • 個人情報に関する部分は、森林簿情報のごく 個人情報に関する部分は 森林簿情報のごく 一部にすぎない。 • 森林簿の情報の一部に個人情報が含まれて いるために、個人情報とは関係ない情報につ いても非公開になっている。 森林簿の分割② • 森林GISとの相性のことを考慮に入れると、複数の主題図の 内容に応じて、森林簿情報を分割するのが合理的である。 • そうした主題図の一つが、森林所有者に関するものになり、 個人情報が含まれる主題図とその属性情報は非公開になる。 • 主題図に応じて森林簿を分割することは、森林GISで解析す る場合にデータが扱いやすくなるというメリットがある。 • 主題図ごとにデータの更新体制や更新時期を設定できるとい うメリットもある。 • 森林施業に関する部分は、データの更新を森林組合や素材 生産業者に委ね、「電子納品」という形で更新済みデータを 回収することも可能になる。 次世代森林簿とは① 次世代森林簿とは② • 森林GISを政策の立案や合意形成に応用し ようとすると、関連する情報を組織の内外から 収集してきて、それらの地理情報をGISの空 間解析機能を用いて処理することになる。 間解析機能を用いて処理することになる ◆取り扱う主題図のデータ形式 • 従来型の森林GISで使われているポリゴンデータ、 • リモートセンシングによって得られるラスターデータ、 • GPS測量を伴う現地調査からあがってくるポイント デ タ データ、 • 航空機レーザプロファイラ等によって作成される DEM(数値標高モデル)やDSM(数値表層モデル)な ど、 ◇実に様々な種類や形式のデータを、GISの空間解析 機能を用いて処理することになる。 • したがって、データの基本形は、主題図とそれ に付随する属性情報ということになる。 次世代森林簿とは③ 次世代森林簿とは④ ◆森林GISとして標準的に装備しておくべき最 小限の属性情報は何か ◆履歴情報の取り扱い • それぞれの主題図を時間軸の中にきちんと 位置づける • 都道府県における統計的な意味での公式の 都道府県における統計的な意味 公式 森林情報としては、毎年、4月1日現在の主 題図を記録として残しておく。 • この様にして保存された各年度の主題図は、 都道府県や市町村が行政資料として使用す る履歴情報になる。 • 最小限の属性情報とは 最小限の属性情報とは、恐らく、都道府県が 恐らく 都道府県が 作成・整備した林小班ポリゴンのID番号情報 +αというところでしょうか。 • 林相区分図の主題図が、これに該当すると思 います。 5 2012/2/1 次世代森林簿とは⑤ 次世代森林簿とは⑥ ◆個々の林分の履歴情報をどうするのか • 森林カルテにハイパーリンクするのが現実的 • 森林カルテをエクセルのような表計算ソフトで作成す ることにしておくと、年度毎にシートを替えることもで きて便利 • 森林GISでは、何らかのデータ検索によって対象と なる林分を抽出し、それらの林分の個別の詳細な履 歴情報については、ハイパーリンクでアクセスする という利用形態になる。 • つまり、森林GIS上で、個々の林分の詳細な履歴情 報を閲覧するのではなく、森林GISでは、あくまでも 特定の林分を条件検索で絞り込んで抽出するという 使い方をすることになる。 ◆基本となる考え方 • 森林情報を主題図を単位として作成し、管 理・更新していき、森林GISの空間解析機能を 利用することによ て 様々な主題図を組み 利用することによって、様々な主題図を組み 合わせて、その時々の課題やニーズに対応し ていく • こうした柔軟な構造を持つことによって、森林 GISはニーズに応じて自在に発展していくこと が可能になる。 林業試験場型森林GISの必要性 まとめ① • 林業試験場型の森林GISは 高度な空間解析機能を備えたものであり、 それらの機能を駆使することによって得られた 解析結果や研究成果を、 主題図の形式で、 行政用や森林組合用の森林GISに提供する 役割を果たすもの • 次世代森林簿は、森林GISでの利用を前提として構 築されるべきものであり、 • 森林簿情報を、複数の主題図とその属性情報で分 割的に管理すべきである。 • 森林GISをデータベースとして利用するのではなく、 森林GISをデ タベ スとして利用するのではなく 空間解析をする道具として利用する。 • 行政データとしては主題図を年度毎に作成し蓄積し ていく。 • 森林施業に関する部分は、森林組合等からの「電子 納品」によってデータを収集、更新していく方式を採 用する。 まとめ② 結 論 • 個人情報の取り扱いについては、森林簿を分割的 に管理することで対応できると考える。 • 森林GISの空間解析機能を利用することに よって、主題図ごとに、森林情報を管理すると いうのが、次世代森林簿の基本要件ではない かと思います。 かと思います • 林分の詳細な履歴情報については、無理にデータ ベ ベースに取り込むことは避け、むしろ、森林カルテに に取り込む とは避け むしろ 森林カ テに ハイパーリンクで対応することによって、森林カルテ の自由度を高めることにする。 • 森林簿を分割して取り扱うことにしたため、主題図ご とに、データ更新に関する責任体制を構築すること が可能になる。 • こうした考え方が、次世代森林簿を検討して いく過程で、たたき台となれば幸いです。 6 GNSS による森林測量の新時代 所有境界の画定 所有境界がわからなければ、林道・作業道の開設もで きず、伐採木の本数がわからないので、施業提案もできな い。したがって、所有境界の画定は集約化施業に必須の 作業である。 2007年の地籍調査の達成率は48%で、その中では林 地の調査が遅れている。 達成率の内訳は、農用地70%、 宅地50%、林地41%。 島根大学生物資源科学部 吉村哲彦 所有境界の画定の問題 森林所有者の高齢化や不在村地主の増加により、ど こに境界線があるのかを知る生き字引のような人が少な くなった。 森林管理の粗放化により、境界管理のための物証が 消失している。境界線の信頼性・復元性の低い地図しか 存在しない場合がある。 境界線管理の問題と対策 森林の所有境界に打った境界杭は時間の経過ととも にしばしば消失してしまう。 GPSを使って境界線や境界杭を測量し、GISにデータ を蓄積しておけば、たとえ境界杭が消失しても、それを 同じ場所に復元することができる。 森林の所有境界を知る人が健在のうちに、境界線を 確定することが急務となっている。 急いで森林の境界線を確定しなければ、森林の境界 線管理がますます困難になり、集約化が不可能になっ てしまう可能性すらある。 GPSの信頼性の問題 樹木密度の高い森林、樹高の高い森林、直径の大きい 森林、山の谷部などではGPSの信頼性が必ずしも高く なく、GPSによる測量結果の信頼性が疑われる場合も ある。そのような状況では、GPSとデジタルコンパス・ レーザー距離計の組み合わせで行われる場合が多い。 GNSSとは何か? GPSは米国が運用している衛星測位システム の意味でGlobal Positioning Systemの意味で ある。 GNSSはGlobal Navigation Satellite System の衛星航法システムの意味で、米国のGPSを含 めた衛星航法システムの総称として用いられて いる。 新聞等でしばしば使われるEU版GPSといった 表記は適切とは言えない。 1 世界の衛星測位システム ロシア・グロナス(GLONASS) 1995年時点で24機あった衛星の数は1996年以降、国 内情勢の不安や資金不足によりいったん減少したが、そ の後、プーチン大 統領の強力なリーダーシップの下で再 び大きな資金・人材が投じられるようになり、2007年12 月には18機体制にまで持ち直した。これはロシア 国内 をカバーするのに十分な数であるが、ロシアはGPSへの 対抗意識もあって、24機体制を実現し、世界的な測位体 制を完成させる計画である。 2014年までに開始予定の ガリレオのサービス Open Service – 民生用無料開放信号 Public Regulated Service – 秘匿化された政府専用信号 Search-and-Rescue Service - 捜索・救助用の双方向通信 その後、高精度な有料商用サービス(Commercial Service)、L1+L5を用 いた信号の完全性の高い高信頼サービス(Safety-of-Life Service)が提 供される予定である。 GLONASS対応GNSS受信機 EU・ガリレオ(Galileo) ガリレオは官民共同プロジェクトとしてスタートし、2011年 にサービスを開始させる目標を立てていたが大幅に遅れ ている。30機の衛星が全面稼動するのは2013年とされて いたが、この予定も先送りになっている。投資額が膨れ上 がったため、民間企業が相次いで撤退を表明したが、EU のプロジェクトとして続行されている。現時点では2014年 に18機による初期運用を開始し、2016年に30機による本 格運用に入る予定になっている。EU以外の参加国は中 国、イスラエル、ウクライナ、インド、モロッコ、サウジアラビ ア、大韓民国である。 中国・北斗衛星測位システム 中国の全地球測位システムは「北斗衛星測位システム」と 呼ばれる。当初は静止衛星を用いた中国周辺のみを対象 とした北斗-1の開発を進めていたが、現在は北斗-2(コン パス)の開発が進行中であり、静止衛星5基を含む衛星35 基を軌道に乗せ、全世界での利用を可能にする。2012年 までに15機の北斗衛星を打ち上げてアジア太平洋域での 運用を開始し、2020年までに全世界をカバーして建造を 進めている空母群や弾道ミサイルの誘導に用いる予定に なっている。 GPSの測位実験 日時:2011年11月16日14:30-15:30 TOPCON 場所:楽山公園(島根県松江市)の広葉樹林 NIKON TRIMBLE 機種:Garmin社の3機種(eTrex 20、 Oregon 450T、GPS II+ Leica Ashtech ロギング間隔:5秒間 GARMIN 2 http://www.trimble.com/planningsoftware_ts.asp 3 GPSの測位実験の結果 GPSの測位実験の結果 捕捉衛星(14:30) 捕捉衛星(15:30) eTrex 20: 2,4,10,12,13,17,20,23,28,32,42,82,83,89,90,9 1,92 (MSASあり) eTrex 20: 2,4,5,10,12,13,17,20,23,42,83,89,90,91,92 (MSASあり) Oregon 450T: 2,4,10,13,17,20,23,28 (MSAS なし) Oregon 450T: 2,4,5,10,12,13,17,23 (MSASな し) GPS II+: 4,10,13,17,20,23 GPS II+: 2,4,10,13,17, 23 12 10 10 8 8 6 6 4 4 2 2 0 0 eTrex 20 Oregon 450T GPS GLONASS GPS II+ eTrex 20 MSAS 捕捉衛星数(14:30) GPSの測位実験の結果 測位誤差 Oregon 450T GPS GLONASS GPS II+ MSAS 捕捉衛星数(15:30) 7 6 5 4 eTrex 20 南北方向: 0.06m 東西方向: 0.96m Oregon 450T 南北方向: 5.73m 東西方向: 0.79m GPS II+ 南北方向: 3.51m 東西方向: 2.51m 3 2 1 0 eTrex 20 Oregon 450T GPS II+ 測位誤差(m) 4 準天頂衛星 準天頂衛星(日本版GPS) 準天頂衛星 日本には、高層ビルが立ち並ぶ都市部や、山間地では 空が広く見えないために、低仰角の衛星からの信号を受信 するのが難しく、GPSによる測位(位置の測定)が困難な場 所がある。 補正情報 この問題を解決するには、GPS衛星に加えて新たな衛星 を高仰角で観測できる軌道に配置すればよい。そのために GPSを補完する測位システムとして計画されたのが準天頂 衛星システムである。 誤差:数cm~1m程度 準天頂衛星を単独で使用しても測位ができないことには 注意が必要。準天頂衛星は米国のGPS信号を同時に受信 することによって、高精度な測位を実現する仕様になってい る。 準天頂衛星の利点 準天頂衛星の軌道 衛星3機を8の字型の軌道に投入することにより、東 京では常時仰角が70度以上になるように設計されてい る。 衛星が高い仰角を確保することにより、東京のような 大都会のビルの谷間でも衛星を捕捉して測位が可能に なるというメリットがある。 衛星が高仰角にあれば、山間部では谷部にあっても 地面の傾斜が急であっても、その影響を受けることはあ まりない。同時に樹木の影響も小さいものになる。 準天頂衛星の機能 GPS補完 - GPS互換信号を送信し、 利用可能エリアの拡大や利用可能時間を 増加させる。 GPS補強 - 基準点で受信したGPS信 号の誤差情報などを送信して、測位精度 を向上する。 準天頂衛星の仕様 信号名 周波数 L1C/A 1575.42MHz GPS補完信号 L1C L1-SAIF L2C L5 LEX 役割 GPS補完信号(GPS近 代化対応) 誤差1m以下の補強信号 1227.60MHz GPS補完信号(GPS近 代化対応) 1176.45MHz GPS補完信号(GPS近 代化対応) 1278.75MHz 誤差数cmの補強信号 5 みちびきによる測位精度の向上 準天頂衛星の今後 東京都小金井市内のJAXAモニタ局で6月3日に行なわれ た24時間の評価 2010年代後半をめどに4機体制を整備し、将 来的には7機での運用を目指す政府方針が決定 された。(東日本大震災によって防災機能が評 価された。) 水平方向 誤差1.451m(GPSのみ)から1.027m(GPS+みちびき)に 向上 垂直方向 誤算3.204m(GPSのみ)から1.540m(GPS+みちびき)に 向上 GPS受信機選択 GPS受信機の3つのカテゴリー 準天頂衛星の運用には3機が必要で、1機は バックアップになる。GPSに頼らなくても7機あれ ば準天頂衛星だけでの測位が可能になる。 高感度GPS SiRF starIIIなどの高感度チップを搭載したGPSは、近 年ほとんどのナビゲーション用GPS受信機に搭載されて いる。 ナビゲーション用 しかし、微弱な信号を無理矢理増幅して使っているため、 衛星の受信率は上がるが、測位精度は下がる。 マッピング用 したがって、マッピング用や測量用のGPSには高感度 チップはほとんど搭載されていない。ディファレンシャル補 正の効果もほとんどない。 測量用 GPS受信機選択のポイント 安価なGPSの方がアンテナの感度が高いため森林内で も衛星を捕捉でき、電源投入後の測位の開始も早く、圧倒 的に使い勝手がいい。 高価なGPSは主に測量用。測位精度が高い代わりにア ンテナの感度が悪く、森林内で衛星を掴むことが困難。 アンテナの感度の悪い高価なGPSだけでは仕事にならな い。しかし、安価なGPSだけでは精度が必要なときには使 えない。 結局、森林管理や林業用途では安価なGPSと高価な GPSの両方を使い分ける必要がある。最初に安価なGPS を買ってから高価なGPSにステップアップするのが合理的。 その代わりに、樹木の茂った森林ないでも単独測位の レベル(最大10m程度)の位置は確実にわかる。 GPS受信機選択の結論 高感度GPSは精度が悪く、測量用GPSは 衛星を捕捉できない。この問題の最も有効 な解決方法は、GLONASS対応GNSS受 信機を使うこと。GPSとGLONASSで50機 以上の衛星が上空に飛んでいるから、樹 木密度が高かったり谷底だったりして測位 条件が悪くても、測位に十分な衛星を確保 することができる。 6 2012/2/1 略歴 GISフォーラム GIS フォーラム 「GPS GPSの林業への活用法」 の林業への活用法」 吉野森林管理サービス 今西 秀光 • • • • • • 1960年(昭和35年)吉野町生まれ 国立奈良工業高等専門学校 電気工学科卒 神戸の大手造船所で電気技師として5年 1987年に吉野に帰る(Uターン) 家業の山守と主に伐採業を営む(今や特別天然記念物!) 2000年ごろから境界に関する相談が増えGPSを購 入、その後GPSやGISの研究に取り組む • 2009年、測量士補試験に合格 • 同年、「 林業GPS 徹底活用術」の一部を執筆 2011.11.22 目次 1. 2. 3 3. 4. 近年の林業の問題点 GPSを林業に導入して、改善した事 現在のシステム構成 課題と展望 1.近年の林業の問題点 ① 境界線の問題 境界線が曖昧になっている 山林の所在も分からない ② 木材価格の下落 住宅の戸数の減少と仕様の変化 ③ 放置山林による環境への悪影響 1‐①境界線の問題点 山林境界の確定が困難 • 山守制度の崩壊(管理人が不在) – 山村の高齢化、過疎化 → 山守の不在 • 山林所有者の関心の低下 – 木材価格の低迷 → 放置・未確認の山林の増加 GPSが必要になった理由 GPS が必要になった理由 • 現存する地図で現地調査をしたい 森林計画図(1/5000) 精度に問題あり 地籍図 ほぼ100%確定できるが実施率5% 公図 座標値がないのでGPSで使用不可 • 確定した境界線をデータとして残したい 地図化するのは、GPSがないと困難 座標値で残せば将来においても現地確認 が容易 1 2012/2/1 3.現在のシステム構成 2.GPS 2. GPSを林業に導入して便利になった事 を林業に導入して便利になった事 全く土地勘のない所でも容易に現地へ行ける ② 境界線の地図化が非常に簡単に ③ 作業道の計画や現地確認が容易に ④ GoogleEarthで「山の見える化」 Germin MAP60CSx 電子地図 ウォちず 森林 基本図 森林基本図(計画図):平面直角座標系+日本測地系(Tokyo) 緯度経度+世界測地系(WGS84) ② 面積計算 ・カシミールでは、正確な面積計算が出来ない ポイントデータ(緯度経度)をCSVファイルに書き出し、 EXCELで平面直角座標系に外部関数で変換し、面積計算した MiniMAX Germin Oregon5550 カシミール3D データ変換 地図+境界 の印刷 ① 座標系と測地系の変換 ・カシミールで使用出来る座標系は1つである PDA Arc Pad GP Pocket カスタム マップ 苦労した所 航空 写真 高性能GPS ハンディGPS ① 地図を利用した現地調査が容易に Germin MAP60CSx ArcGIS GoogleEarth 4.課題と展望 ① 深い谷間では、測位精度が悪化又は受信不能 ・準天頂衛星(みちびき)に期待 ② 各測位点ごとの誤差の検証が難しい ③ カシミールであればうれしい機能 ・レイヤ レイヤ ・ポリゴン ④ スマートフォンで簡単に山林管理 ・世界カメラのように現地で画面に境界線などのデータ が表示できると面白い ご清聴ありがとうございました。 春は吉野に 遊びに来てや~ 2 2011/11/21 目次 1.森林管理における現実の問題とGISの活用 GIS を活用した素材生産・ 流通シミュレーション 2.施業団地の路網作設・搬出計画の最適化 -路網・機械・架線の配置 3.木材流通の最適化 -原木流通における中間土場の配置 :京都大学大学院農学研究科 博士課程 白澤紘明 4.まとめと課題-多目的最適化に向けて 2 1 2011/11/22 2011/11/22 1.森林管理における現実の問題とGISの活用 • 森林再生プランの動向 – 全国で集約化団地が構成されてきているが・・・ • 森林施業計画から森林経営計画へ • 各団地での中/長期的な森林管理計画をどのように策定するか? • 搬出量だけでなく,路網計画を含めた搬出法を考慮した計画を 策定する必要がある 施業団地の路網作設・搬出計画の最適化 – 木材流通のシステム化 • どこでどのように仕分けをするか?(山土場仕分けが効率的と は限らない) • 拡大造林期の人工林資源の配置は,従来の林業地を中心とした 資源配置とは異なり,木材市場・工場への材の流れを効率化す る必要がある 木材流通の最適化 2011/11/22 今こそ,森林GISの活用が必要とされている 2.施業団地の路網作設・搬出計画の最適化 -路網・機械・架線の配置- • 集約化された施業団地に,実際にどのように 路網を入れ,各林分で素材生産を行うか? – 架線と路網の配置は伐出 計画の是非に大きな影響 を及ぼす重要な要因 – 林道の規定、作業条件、 地形的制約等を勘案した 上での適切な判断 – 配置の高度化を支援する ために、最適化モデルの 開発が望まれる 3 4 2011/11/22 シミュレーションモデル 架線・路網配置問題 入力 集材作業時の材の経路・路網 • GISデータを数値解析ソフトMatlabで処理 • 路網作設コスト(円)と集材コスト(円/m3)の2つの min w1 f1 ( x ) w 2 f 2 ( x ) 目的関数を最適化 • 路網・架線の規格は2種ずつ 架線集材コスト・路網作設コスト 収穫すべき材 出力 コストを最小化する架線・路網配置 ただし、収穫すべき材はすべて収穫可能 – 林業専用道(10tトラック走行)と作業道 – タワーヤーダとスイングヤーダ – タワーヤーダは林業専用道でのみ使用可とする 定式化・モデリング Minimise i • コスト計算 subject to c ij f ij j [( f ij f ij )( f ji f ji )] 0 , j t, e i – 路網作設コスト:土工費・構造物建設費・舗装費・排水設備費 等からなる評価モデル (Stückelberger et al. 2006) – 集材コスト:スパン長、出材積等を目的変数とした重回帰式 (Huyler and LeDoux, 1997) f tj p t j T ( f ie f ie ) p t j T f ie p e j E f ( p 1 ) f ij , t ie f ij 0 ,1, 0 f i, j R and i t i, j p 1, t ij i, j R and i t 5 2011/11/22 2011/11/22 1 2011/11/21 林地への適用 道路規格 使用機械 • 対象地:岐阜県高山市久々野町の施業団地 • 面積: 250.5ha 平均傾斜:60.9 % • 森林面積 : 127.6ha(ヒノキ: 103.1ha、スギ: 24.5ha) •岐阜県提供:森林簿GISデータ、DTM(2m×2m) 7 8 2011/11/22 2011/11/22 結果 3.木材流通の最適化 -原木流通における中間土場の配置- • 低密度に高規格の道をつ けてタワーヤーダを使用 するか、高密度に低規格 の道をつけてスイング ヤーダを使用するかとい う現実に即した路網・作 業システムが選択される • 路網、集材機のみなら ず、架線の配置まで出力 される、具体性を持った 計画の立案が可能に • これからの木材流通の傾向を見据え,中・長期的な 木材流通体制を構築していく必要がある • 考慮すべき点 9 2011/11/22 – ヤマにお金が残り,再造林を含めた林業経営が可能にな 流通コストの削減 る仕組みであること セリ方式の維持 – A材の価値を正当に評価できること – B/C材の需要増加に対応し,質・量の両面で大型製材工 仕分け機能の高度化 場に安定供給できること – 短期的な経済状況の変化に対応できること(リスクヘッ ストック場所の確保・行政等の支援 ジ) – 木材市場の位置は戦後~高度経済成長期の産地に対応し たものであり,拡大造林の人工林配置に対応していない10 2011/11/22 シミュレーション • 中間土場を3原木市場に設置した場合の流通コストを推定 – 2パターンの流通コストを試算 ①山土場でA~C材を仕分け,市場・合板工場・チップ工場に小型トラックで直 送 A材:山土場→【小型トラック】→最寄りの市場 B材:山土場→【小型トラック】→最寄りの合板工場 C材:山土場→【小型トラック】→最寄りのチップ工場 流通コスト=山土場仕分け作業費+輸送費+(A材のみ)市場手数料 ②全ての材を小型トラックで最寄りの市場に集め,仕分けした後,B・C材を各 工場に大型トラックで輸送 A材:山土場→【小型トラック】→最寄りの市場 B材:山土場→【小型トラック】→最寄りの中間土場(市場) →【大型トラック】→最寄りの合板工場 C材:山土場→【小型トラック】→最寄りの中間土場(市場) →【大型トラック】→最寄りのチップ工場 流通コスト=中間土場仕分け作業費+輸送費+(A材のみ)市場手数料 2011/11/22 ストック場所の慎重な検討 試算条件(パラメータ) • 仕分け費用(山土場・中間土場):1,000円/m3 • 市場椪積み料:900円/m3 • 市場手数料:7% • 運送コスト – フォワーダ(幅員3m以下):100(円/m3・km) – 小型トラック:50(円/m3・km) – 大型トラック:10(円/m3・km) • A,B,C材の割合(京都府データより) – A材0.2913:B材0.5238:C材0.1848 • 集材範囲 – 路網からの直線距離100m未満の林分のみを搬出すると仮定 2011/11/22 2 2011/11/21 方法1 環境省自然環境情報GIS 植生図の人工林 方法2 原木市場3・合板工場1・ チップ工場6の位置 • 国土地理院1:25,000データから路網デー タを抽出 • 人工林を100mメッシュで区切り,路網か らの距離でさらに4区分に分割 – 0~25m,25~50m,50m~100mを搬出 – 100m以上は搬出対象外とする • 分割された人工林区分の重心点から最も近 い路網上の点を運搬の起点とする • 路網上の起点の幅員が3m以下の場合は, 3mを超える幅員となるまでフォワーダで 運ぶ km2 2011/11/22 2011/11/22 平均 (円/m3) 3,974 市場1 0.28 平均 (円/m3) 3,157 標準偏差 (円/m3) 724 標準偏差 (円/m3) 486 コスト比 使用割合 市場2 市場3 0.46 0.26 2011/11/22 市場1 0.28 0.795 使用割合 市場2 市場3 0.46 0.26 2011/11/22 比較 (3つの木材市場中,1~2箇所を中間土場とした場合を 含む8パターン) 山土場仕分けを 1とした場合のコスト 0.978 1.034 1.142 0.907 山土場仕分けか中間土場か? 山土場仕分けが有利 0.865 0.864 0.795 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 中間土場を3つの木材市場に設置した場合,平均 流通コストが20%削減( 3,974円/m3 →3,157 円/m3) 中間土場が有利 市場123 市場23 市場13 市場12 市場3 市場2 市場1 山土場 0 2011/11/22 1237.1 290.0 94.7 76.6 118.7 結果-3原木市場すべてを中間土場にする場合 結果-山土場仕分けの場合 輸送コスト(円/m3) 人工林 集材距離100m未満 集材距離25m未満 集材距離25m以上50m未満 集材距離50m以上100m未満 3市場に中間土場を設置した 場合のコストと山土場仕分け によるコストの差 2011/11/22 林分によっては山土場仕分 けの方が低コストとなるた め,立地に応じた使い分け が必要となる 3 2011/11/21 4.まとめと課題 -多目的最適化に向けて- 課題 • シミュレーション結果はあくまで仮想空間でのもの • まとめ – 結果の解釈には経験が求められる – モデル上での最適解は現実世界で最適とは限らない – 現実に即したシミュレーションを行うには、精密な森林 GISデータの蓄積や拡充が必要 – 素材生産・原木流通は立地条件など地理的要因に 大きく支配されるため,計画立案にはGISの活用が 必須となる – GISデータを用いたシミュレーションにより,さま ざまなパターン、あり得る可能性を分かりやすく 比較でき,理論や過去のデータなどから将来の予 測を立てることができる – 長い時間軸と面的広がりを持つ森林を取り扱うに はGISが非常に役立つ • 森林GISを活用したシミュレーションは未来の 森林管理をデザインするための強力なツール • モデルへの新たな目的関数の取り込みと多目的最適 化の必要性 – 経済性(コスト)のみを最適化するのではなく、環境性 や社会性との同時最適化が求められる – 多目的な森林管理へ 19 2011/11/22 20 2011/11/22 多目的最適化の解析例 多目的最適化 • 路網作設コスト・オオライチョ ウの生息域・湿地への影響を考 慮した路線設計の最適化 • 目的間にはしばしば互いに相反する関係が存在 (トレードオフ) – 完全最適解が存在しない場合が多い⇒パレート最適 解の導入 パレート最適解 環 境 影 響 バスは運賃・移動時間とも,最適解では ないが,最適なバランスを有している 運賃 → 多目的最適化問題では, 最適解は無数に存在する 湿地 森林管理では・・・ 路網作設コスト 集材作業コスト 環境への影響 等の多くの目的を最適化する必要がある 移動時間 2011/11/22 大 ← 選択肢(実行可能 領域) 小 オオライチョウ生息域 21 2011/11/22 小←路網作設コスト→大 Stuckelberger et al.Automatic road-network planning for multiple objectives. Proc.COFE2006 4 立体視鏡 3Dメガネ グラフィック ボード Quadro 視差測定桿 一般社団法人日本森林技術協会 古田朝子 120Hzモニタ 日本森林技術協会 *森林計画策定においては、職員数が減少し業務が多様化 項目 する中で森林調査の効率化、省力化が必要 解像度 *集約化など積極的な林業経営のためにきめ細やかな現況 計測 *デジタル空中写真の普及 “もりったい”の開発 立体視の範囲 森林計画支援 3 機能 概要 2方式による 立体視表示 ・液晶シャッター3Dメガネを利用するクアッドバッ ファ方式 ・赤青メガネを利用するアナグリフ方式 図形描画 ・シェープファイルのインポート ・立体視上でのポリゴン、ライン、ポイントの描画お よびそのシェープファイルへのエクスポート 計測 高さ、距離(斜距離、水平距離)、面積 材積推定 立体視により本数密度、平均樹高を計測し、立木密度 管理図のモデルから材積を推定 印刷 単写真、アナグリフ 日本森林技術協会 DTMとの差分による 樹高計測 実体視鏡の範囲 モニタ全体の広範囲 任意 モデル間移動 写真を交換 シームレスに移動 地図への移写 林技術協会、アジア航測(株)、国際航業(株)、朝日航洋(株) * 現地調査及びデータ解析・プログラム開発事業:(株)パスコ、 (一社) 日本森林技術協会 林相判読、単木の確認 地表が見える地点での 樹高計測 限度がある *デジタル森林空間情報利用技術開発事業(林野庁補助事業) * デジタル空中写真撮影及び航空レーザ計測:(株)パスコ、(一社)日本森 PCモニタ モニタ( モニタ(もりったい) もりったい) 拡大縮小 立体視ができる人数 日本森林技術協会 立体視鏡 オルソより高解像度(撮影時の解像度) 判読 把握が必要 *PC上での立体視プログラム 2 1人 地形を判読し、地形図 に手書き 同時に複数人 ・ 習熟者からの指導 ・ 見ながらの協議 写真上にデータ作成、 GISとやり取りも可能 日本森林技術協会 4 距離(水平・斜) 面積、高さ GeoTiff上に位置 を表示 5 日本森林技術協会 6 1 京都 衣笠山 プログラムの機能 プログラムの機能 林分調査 (樹種判読、材積推定) 3D図形描画 詳細な単木単位の判読 多人数による立体視 利用分野 現地調査の概査・代替、森林計画 策定 路網計画、架線計画 病虫害対策における枯損木調査、 境界確認 習熟者からの判読技術の継承、 様々な合意形成における資料(集 約化、施業提案、環境影響評価 等) © 2011Google 日本森林技術協会 7 日本森林技術協会 8 森林GIS 撮影 (過去のデータも可) 空中三角測量 オルソ グラフィック ボード Quadro 3Dメガネ 比 較 成果のやり取り 120Hzモニタ 日本森林技術協会 9 日本森林技術協会 10 デジタル撮影空中写真の利用体系 デジタル撮影空中写真 オルソ 詳 細 もりったいによる もりったいによる 立体視 近赤外 DSM 林相判読 樹高計測 本数計測 材積推定 広 範 囲 林相区分、各種指標 確認・修正 合意形成、施 業提案の資料 日本森林技術協会 森林GIS 森林簿 ゾーニング、 各種計画策定 11 2 1.森林GISに関連する動向 ■森林法の改正 ※森林林業再生プラン、COP10-CBD、所有者問題 など ⇒ 新たな森林計画制度への対応が必要 ⇒ 都道府県-市町村間の情報共有体制の構築が必要(第191条2,3) 地域森林計画編成事業費補助金(都道府県) 森林関連情報の正規化とその運用 市町村森林情報緊急整備事業(市町村) ● 森林簿項目の追加(間伐履歴) ● 市町村森林整備計画における新たなゾーニングへの対応 ● 図面計画としての森林経営計画への対応 ● 森林所有者情報の相互利用体制構築への対応 等 ■OSやGISエンジンのアップグレード ⇒ 導入済みの森林GISのシステムリプレースが必要 ● GISライセンス費用の最小化 ● ランニングコストの最小化 等 システム構成や運用体制の見直しのタイミング 基幹情報である森林簿の構成や運用体制を再検討 © PASCO CORPORATION 2011 © PASCO CORPORATION 2011 2.現状の森林簿運用の問題点 3.森林簿の適正な運用に向けた課題 WEBシステムや配布型システムにより 森林簿の情報量は膨大 作業者を拡充 現地 運用面 ・現地から遠い都道府県が主管 異動情報が随時手に入らない ・他部署が主管する情報も含まれる 技術面 図形データの更新作業自体が高度 しんどいな・・・ 空中写真 都道府県 情報の乖離 林況 所有者 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・空中写真データ ・異動情報が集まる仕組み 他主体が主管すべき情報が含まれる 情報の陳腐化 異動情報 林業事業体 森林簿の構造を再編 システム構成の工夫による解決が困難 更新作業の難易度が高い 更新作業を単純にする方策が必要 市町村 独自でいっか・・・ ・図形編集作業のコスト ・精度維持のためのコスト 森林簿の運用方法を再整理すべき 使えないな・・・ © PASCO CORPORATION 2011 図形データの構造を再検討 © PASCO CORPORATION 2011 4.現状の森林簿の構造 林小班 地番 森林所有者 所有形態 台帳面積 林況※1 収穫表※2 推進方向 特定施業森林 主管情報を分担する方策が必要 ・情報収集のコスト ・作業のオーバーヘッド 情報の乖離や陳腐化は解決されていない 森林簿 地籍 法改正で対応? 空中写真をいかに整備するか 異動情報が手に入らない 5.森林簿の正規化 森林の管理単位を表す項目 本来の管理主体は市町村 森林の面積を表す項目 森林の現況を表す項目 計算により想定する項目 データベースの正規化 ・・・管理単位・更新頻度毎にテーブルを分離しデータの冗長化を解消する技法 様々な主題に関わる情報が集約されている ⇒ 様々な観点から集計が容易 非正規化テーブルのイメージ ■ 管理主体が異なる情報が混在 林班 ■ 主題が異なる情報が混在 ■ 階層が異なる情報が混在 管理方針に関わる項目 森林の5機能 自然状況※3 小班 正規化テーブルのイメージ 推進方向 データの冗長化・複雑化に繋がっている 林班 樹種 048 08 001 水土保全 スギ 048 08 002 水土保全 ヒノキ 048 09 001 資源循環 スギ 048 09 002 資源循環 ヒノキ 階層が小班より上の準林班であるため 反復(冗長化)している 林地の評価に関わる項目 地位級 地利級 保安林 まずは森林簿の正規化を図るべき 自然公園区域 自然環境保全区域 本来の管理主体は別のセクション その他制限林 ※1:林種、樹種、林齢、疎密度 都市計画区域 ※2:材積、成長率、成長量、樹高 農業振興地域 ※3:地形、土壌、地質 等 © PASCO CORPORATION 2011 治山関連 © PASCO CORPORATION 2010 準林班 正 規 化 準林班 推進方向 048 08 水土保全 048 09 資源循環 林班 準林班 小班 樹種 048 08 001 スギ 048 08 002 ヒノキ 048 09 001 スギ 048 09 002 ヒノキ 頻繁に更新する更新系テーブル 正規化されたデータベースが有利 頻繁に集計する分析系テーブル 非正規化されたデータベースが有利 森林簿は更新系?分析系? ⇒ 両方の側面がある(単に汎用機時代の名残?) 森林簿の正規化・・・単なる正規化ではなく図面を含め管理主体・主題毎に整理を図る © PASCO CORPORATION 2011 ー1- 6.森林計画図の正規化 7.森林簿情報の整理 森林簿データから森林簿データ群へ 森林計画図の正規化 ・・・GISを前提とし森林簿の正規化に対応してレイヤを分離 森林簿は森林計画図とセット 林小班 林況 森林計画図も併せて正規化する 試行事例:地番・小班単位に境界が分かれている森林計画図について 地番と、林相の境界である小班を別レイヤとして分離 森林計画図 地番レイヤ 正 規 化 :18,972件 :15,956件 ※市町村+大字+小字+地番+地番枝番 林相レイヤ : 9,128件 ※林種+樹種+林齢+疎密度 施業班レイヤ 地番レイヤ 林相レイヤ © PASCO CORPORATION 2011 R D B M S に よ る テ | ブ ル 間 連 携 林相区分図 GISやRDBMSを前提とすると 管理主体・主題・階層毎に 森林簿情報を分離・整理できる 地番 森林所有者 所有形態 地番図 推進方向 特定施業森林 ゾーニング 森林の5機能 自然状況 地位級 林地評価 保安林 自然公園区域 自然環境保全区域 その他制限林 都市計画区域 農業振興地域 治山関連 G I S に よ る 空 間 連 携 主題毎のレイヤ 分離・整理したレイヤの管理を 分担・共有すること管理者の負担を 軽減できる 情報の乖離 情報の陳腐化 情報の二元化 の解消を図る © PASCO CORPORATION 2011 8.森林簿情報の管理主体と共有イメージ 市町村 都道府県 9.情報取得時に発生する作業 林業事業体 都道府県 地番や所有者に関わる情報を主管 ゾーニング ゾーニング図 市町村 林業事業体 単純な置換 ゾーニング ゾーニング図 (市町村森林整備計画) (市町村森林整備計画) 情報の乖離・陳腐化の解消 ・・森林管理のマスタープラン 地籍調査成果 地番図 現場に最も近い情報を主管 地籍調査成果 地番図 ・・・所有者情報 路網図 林道・林業専用道路線図 (市町村森林整備計画) 森林作業道路線図 (市町村森林整備計画) 個別反映作業 森林調査成果 林相区分図 林道・林業専用道路線図 路網図 (森林経営計画) ・・・森林施業の基盤情報 情報の二元化の解消 制限林・法令関係の主題図 制限林・法令関係の主題図 制限林・法令関係の主題図 制限林・法令関係の主題図 地形図 地形図 地形図 空中写真 空中写真 (森林経営計画) 森林調査成果 林相区分図 ・・・森林の現況情報 森林作業道路線図 単純な置換 単純な置換 ・・・法規制情報 地形図 ・・・森林管理の基礎情報 空中写真 ・・・森林の現況基礎情報 空中写真 データ更新・情報整備のオーバーヘッドをなくし全体の負担を軽減 各主体が主管情報の管理を担当し相互に共有 市町村や林業事業体が整備困難な情報を主管 © PASCO CORPORATION 2011 © PASCO CORPORATION 2011 9.情報取得時に発生する作業 都道府県 10.林相区分図の更新作業の難点 市町村 林業事業体 地籍図の森林計画図への反映作業イメージ 単純な置換 (市町村森林整備計画) 地籍調査成果 地番図 路網図 林道・林業専用道路線図 (市町村森林整備計画) 図形の分割・結合を繰り返す境界修正作業 さらに林小班番号の不整合発生に注意が必要 森林作業道路線図 (森林経営計画) 個別反映作業 個別反映作業 作業の単純化・林小班番号の不整合の防止 ⇒ 様々なツール開発にコストを払ってきた 林相区分図 森林調査成果 林相区分図 制限林・法令関係の主題図 単純な置換 単純な置換 地形図 地番界 小班界 空中写真 林相区分図の個別反映作業が労力を要する © PASCO CORPORATION 2011 © PASCO CORPORATION 2010 森林計画図の地番境界と地籍調査成果の 地番境界が一致しない(ややずれるケース多) ゾーニング ゾーニング図 個別反映作業を林業事業体へ委託する場合 作業内容が高度なため品質維持・管理コストが掛かる 分割 結合 図形の分割や結合を繰り返し境界を修正 © PASCO CORPORATION 2011 ー2- 地番図と林相図を分離することにより 地番境界を林相図に反映させる作業が 不要となる 10.林相区分図の更新作業の難点 森林計画図への修正作業イメージ 11.林相区分図の管理単位の検討 林小班番号による管理上の問題点 森林異動の反映や錯誤の修正作業は 林相区分図の更新作業として発生する 林小班単位によるデータ精度上の問題点 林小班番号をテーブル間の連携 及び 森林計画図と森林簿の連携キーとしている 林小班単位のポリゴンが林分の管理単位である 図形上の分割・結合・林小班番号の付け替え 現状の森林GISで作業を軽減するための 様々な工夫を行っている 連携テーブルの全てについて林小班番号の 整合を確保する仕組みにより連携は確保 図形編集自体が高度でありWEBシステム での実現が困難 ⇒作業者の拡充が難しい 図形の分割や結合を繰り返し境界を修正 分割 結合 ア イ ウ エ 林小班 ・ア⇒ウ ・エ⇒イ に結合 ウ 保安林 林小班 ア ウ ウ ● エ ● ● 林小班番号の整合は保たれても 属地的な情報の位置情報は 確保されるとは限らない 作業内容をより単純化することが必要 © PASCO CORPORATION 2011 例:樹高分布図と林小班の重ね合わせ 保安林 イ イ 作業者によりデータ精度にばらつきが発生 ⇒配布型システムの課題 イ 植栽単位や所有者単位のポリゴンは 実際の林況を画一的に表現している また、境界精度にはムラがある 林小班番号による管理の再検討が必要 © PASCO CORPORATION 2011 12.林相区分図のメッシュ管理の提案 12.林相区分図のメッシュ管理の提案 メッシュによる林相管理の提案 連携キー変更のリスク回避 データ更新の負担軽減 林相区分図の管理単位を林小班番号 ではなく固定のメッシュ単位とする ■データ更新のイメージ ・施業履歴や各種指定区域を固定メッシュ の属性として保持する ⇒ 図形編集が発生しないため それに伴う位置の錯誤が発生しない ・森林異動・錯誤がある区域のみのポリゴンを作成 該当するメッシュを特定し属性情報を更新する 都道府県 データ精度の均質化 林業事業体 境界に捉われない集計・分析 メッシュによる林相管理のねらい ・データ更新の負担軽減 ・連携キー変更のリスク回避 ・境界に捉われない分析・集計 ・データ精度の均質化 ・オーバレイ時に指定区域(バッファ領域など) に含まれるメッシュを集計対象とする ⇒ 面積精度をメッシュ単位で割り切る ⇒ 厳密なオーバレイが不要 ⇒ 更新分のポリゴンを新規作成するのみ 既存のポリゴンを分割・結合する必要がない 森林簿データ群 林班図 林相区分メッシュ 森林計画の編成作業 置き換えや新規入力のみのデータ構造 該当区域のみのポリゴン ・管理単位は地番 (実務的・正確な面積) ・林班界や準林班界は維持(実務に浸透している) ・空中写真とセットで利用(情報の鮮度維持・実務利用) 地形図 林業事業体 反映 現地調査 等 都道府県や林業事業体が異動ポリゴンを入力 定期的に林相区分図に反映 ※集約したポリゴンがARD情報となる 該当箇所のみのライン 網羅的なポリゴン 市町村森林整備計画の運用 網羅的なポリゴン(メッシュ) データ・図面提供 網羅的なラスタ 網羅的なラスタ © PASCO CORPORATION 2010 ー3- 認定 計画入力 林業事業体は伐採・造林・保育・路網開設の 計画を図形として図面上に入力 計画の管理単位は地番となる ※集約した図形が実施後は施業履歴となる ・保安林指定解除 ⇒ 地番の属性として整理 ・その他法令による制限区域 ⇒ 独立したレイヤで管理 計画入力 市町村はゾーニングの結果を図形として 図面上に入力 ※集約した図形が森林経営計画の下絵となる © PASCO CORPORATION 2011 データ・図面提供 その他 各種区域指定など 市町村 該当区域のみのポリゴン 重ね合わせのイメージ 林業事業体 都道府県 市町村 網羅的なポリゴン 空中写真 © PASCO CORPORATION 2011 森林経営計画の運用 都道府県 都道府県 制限林・法令関係の主題図 メッシュの色分けイメージ 14.森林簿データ群の運用 写真判読 路網図 ・森林簿上の面積の精度は0.01ha ・森林の定義における最小面積は0.3ha ・最も普及している地形データは10mメッシュ © PASCO CORPORATION 2011 13.正規化された森林簿データ群のイメージ 地番図 10×10m (0.01ha)をメッシュサイズとする ⇒ データ提供元が高度なGISを保持する必要がない またWebシステムの活用も十分可能である © PASCO CORPORATION 2011 ゾーニング図 手入力による不確かな境界線ではなく メッシュによる均質なデータ精度となる 市町村や林業事業体のデータ運用への参加 必要なデータが自然に集約される仕組みづくり 【参考】現状の森林GISの導入の流れと運用方式 15.まとめ 森林関連情報の整備 ■森林情報の高度利用を目指して DBサーバ + デスクトップGIS ・情報共有・運用体制の構築 情報管理主体の再整理 汎用機 森林計画図 ダウンサイジング 電子データ化 情報精度・鮮度を高めるために最適な管理主体の特定 WEBアプリケーションサーバ + ブラウザ 林相のメッシュ管理の検討 森林簿データ ⇒ 運用において最も効率的かつ有効なデータ構造への移行 ⇒ 各主体が保持すべき機能・具体的な情報共有・運用の手段 及び フローの整理 ブラウザでデータを利用 端末を限定せずデータ更新 GISデータ データベースサーバへの統合 DBサーバ + デスクトップGIS ■基幹情報の整備 + 簡易ツール配布 ツール配布先でもデータを利用 ツールにより分散的にデータ更新 ・基幹情報が入手可能な体制づくり ⇒ 各主体が実務において最も必要とする情報は地番図と空中写真 ⇒ 確実に更新・入手できる仕組みづくりが必要 データベースサーバ © PASCO CORPORATION 2011 © PASCO CORPORATION 2010 限られた専用端末のみで運用 専用端末で集中的にデータ更新 森林簿データ群への移行 ⇒ データの二元化や作業負担の一極集中の解消 適切なデータ構造の検討 運用システムの構築 ※典型的な事例のみ © PASCO CORPORATION 2011 ー4- 賛助会員について 森林 GIS フォーラム 事務局 森林GISフォーラムをサポートしていただいている賛助会員は以下の7団体です。 【賛助会員一覧(敬称略)】 ・株式会社パスコ ・国土地図株式会社 ・パシフィックコンサルタンツ株式会社 ・日本電気株式会社 ・東京スポットイマージュ株式会社 ・社団法人日本森林技術協会 ・北海道地図株式会社 (重要)Eメールアドレスをご連絡下さい。 現在,ニューズレター,イベントの案内はインターネットによって配信しております。メールアド レスが変わったなどで連絡を取ることができない会員がおられます。お手数をお掛けしますが,事務 局(info@ fgis.jp)まで,タイトル「FGISメールアドレス」にてご連絡をお願いします。 <編集後記> 森林GISフォーラム事務局長をつとめさせていただいている村上です。ようやくニューズレターを 皆さまにお届けすることができます。本来なら半年以上前に皆さまにこのニューズレターをお届けし なければいけなかったのですが,本務に追われなかなか作業に着手することができませんでした。楽 しみにしていた方々には大変ご迷惑をおかけしました。開催記録を残していかなければいけませんの で,次号も同時並行で編集作業を進めております。皆さまのご理解をどうかよろしくお願いします。 森林GISフォーラム ニューズレター 発行日 Vol.49 2012年4月 森林GISフォーラム事務局 〒950-2181 新潟市西区五十嵐2の町8050番地 新潟大学農学部 編集人 村上 拓彦 TEL/FAX : 025(262)6627 発行人 村上 拓彦 E-mail : info @ fgis.jp 内 ホームページ :http://www.fgis.jp/