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環境情報学部学生の健康体力(第二報)
武蔵工業大学環境情報学部開設10周年特集号 調査報告 4-4 さて、我が国の疾病死亡構造は結核などの感染症 疾患から、ガン、脳卒中、心臓病に代表される循環 環境情報学部学生の健康体力(第二報) 器疾患、糖尿病等内分泌と代謝異常からくる疾病へ ―1 9 9 7年度入学生∼2 0 0 6年度入学生まで の1 0年間の推移について― と大きく変化してきている。また、腰痛症、頚肩腕 症候群とよばれる症状も非常に増加してきている。 従来、これらの疾病は成人病とよばれていたが、 厚生省(現厚生労働省)では1 9 9 7年から脳卒中、心 門馬伯行1 臓病、糖尿病、高血圧、高脂血症などに対して成人 病ではなく『生活習慣病』2)という言葉をあてはめ るようになった。『生活習慣病』とは、「食習慣、運 1 はじめに 環境情報学部は1 9 9 7年4月に新設され、2 0 0 0年4 月に完成年度を迎えた。 さらに2 0 0 2年度には、情報メディア学科が増設さ れ、2学科体制がスタートした。 動習慣、喫煙、ストレス、飲酒等の生活習慣が、そ の発症.進行に関与する疾患群」 と定義されている。 『生活習慣病』患者の年齢層も次第に若年化の傾向 にある。 また、2 0 0 5年4月には、 「メタボリックシンドロー 今年、2 0 0 6年度でちょうど学部開設1 0周年を迎え ム」 (metabolic syndrome、新陳代謝症候群、いわ た。約2 5 0名の学生からスタートした横浜キャンパ ゆる心筋梗塞や糖尿病等などの原因となる血液ドロ スも、現在では約2, 0 0 0名の、学生を擁するキャン ドロの状態)という「病気」の診断基準が発表され パスに変貌した。 て、その原因が、食事や運動などの生活習慣に大き 体育科目は、開設当初は総合基礎科目に位置して くかかわっていることが判明した。そして、その元 いたが現在は、自由選択(各区分の卒業要件単位を 凶が肥満であろうということが最近の研究で明らか 超える分を合算して1 7単位以上修得しなければなら になってきた。このような『生活習慣病』や「メタ ない) に含められている。具体的には、基礎体育1、 ボリックシンドローム」に対応するためには、日常 基礎体育2、応用体育(2年次以降)アウトドアー の生活習慣に関わる要因を解明する新たな予防医 スポーツ(2年次以降) の実技を中心とした科目と、 学、健康増進の理論体系が重要である。青年期から ‘生活と健康’の理論科目である。自由選択として の健康認識、健康習慣の獲得が『生活習慣病』や「メ 最大6単位まで体育科目を修得できる。 本学で目指す体育科目の目的は、身体運動に関す タボリックシンドローム」予防のためにも是非とも 必要である。 る知識と理解を深め、身体運動の実践を通して、心 本報告は、1 9 9 7年度入学生(平成9年度) から2 0 0 6 身共に健康で豊かな人間性を育成することにある。 年度入学生(平成1 8年度)までの1 0年間の学生の形 特に、自己の人生観やライフスタイルを確立する 態(身長、体重) 、BMI(肥満指数) 、体脂肪率、 大切な時期である大学生活において、健康や人間生 および背筋力、握力、立位体前屈等の測定を継続的 活の基盤となる体力との関わりを知的に理解すると に実施してきた結果をまとめたものである。これら 共に各人の健康度や体力に応じて実践していく態度 の基礎資料をもとに本学部学生の健康体力の現状と や技術を身につけることは、生涯学習の立場からも 問題点を把握し、今後の体育科目のより効果的なあ きわめて重要である1)。 りかたをさぐることを目的としている。 1 武蔵工業大学環境情報学部教授 215 表1 年 度 1 99 7 1 99 8 1 9 99 20 0 0 測定実施者 2 0 0 1 20 0 2 2 0 0 3 2 0 04 2 00 5 2 00 6 総数 (人) 男 子 84 9 6 9 3 1 0 3 1 2 4 15 5 21 2 1 2 1 1 27 1 09 女 子 32 5 0 4 5 5 0 7 2 4 8 8 0 4 5 41 33 4 96 合 計 1 16 1 4 6 1 3 8 1 5 3 1 9 6 20 3 2 9 2 1 6 6 1 68 14 2 1, 7 20 2 方法 1)対象 1, 2 24 BMIを算出した。さらに、オムロン―HBF−3 0 2 を使用して体脂肪率を測定した。 測定実施者 体力診断テストとして行った種目は、背筋力、立 1 9 9 7年度入学生から2 0 0 6年度入学生まで1 0年間の 位体前屈、握力である。 基 礎 体 育1受 講 者、男 子1, 2 2 4名、女 子4 9 6名 の 計 1, 7 2 0名である。測定は、前期基礎体育1(4月上 分析方法は、形態指標(身長、体重) 、BMI、 旬)の授業の第1週目に体育館で実施した。測定実 体脂肪率、BMIと体脂肪率との関係、背筋力、握 施者の各年度別性別.及び全体の人数は表1の通り 力(右、左) 、立位体前屈を、各年度別.性別及び である。 全体で集計、分析した。 2)測定種目 a)身長、体重 3 結果と考察 b)BMI値 1)形態(身長、体重) c)体脂肪率 ― 男女とも全国学生平均とほぼ同じ ― *体力診断テスト *身長 d)背筋力 *体重 e)握力 f)体前屈 男子平均 約1 7 2cm 女子平均 約1 5 9cm 男子平均 約6 4kg 女子平均 約5 2kg *身長 体格をあらわす指標として身長、体重の2項目を 測定した。身長、体重の計測は入学後の健康診断で 各年度別、性別および全体の結果を示したものが 行われた時の記録を採用した。つぎに、身長と体重 表2および図1である。表2および図1から明らか から肥満度を判定する、国際的な統一基準としての なように、この1 0年間の本学部生男子の平均身長は、 表2 身長(cm) 全 体 N=1, 20 8 男子 1 99 8 1 9 9 9 2 0 00 2 0 01 200 2 2 0 03 20 05 20 06 8 2 9 5 8 8 1 01 12 4 1 52 2 11 1 21 1 26 1 0 8 17 1. 7 17 1. 5 1 7 2. 7 1 7 2. 7 17 1. 7 172 1 72. 3 1 7 2. 1 17 1. 4 17 2. 2 SD=5. 6 5. 7 9 5. 0 4 5. 1 5. 8 7 5. 88 5. 5 4 6. 64 5. 8 6 6. 02 4. 8 Min=156 16 0 15 9 1 5 9 1 60 1 6 0 15 6 1 5 7 1 57 1 5 8 16 1 Max=19 0 1 85 1 84 1 8 4 188 1 8 6 187 19 0 1 8 8. 7 18 6. 1 1 84 3 2 5 0 4 5 50 71 4 7 79 45 41 3 3 15 9. 9 15 9. 2 1 5 9. 8 1 6 0 1 5 9. 3 1 59. 7 1 5 9. 2 1 59. 3 1 5 9. 2 15 8 4. 5 6. 0 1 5. 2 7 4. 9 5 4. 2 3 5. 83 5. 5 3 5. 86 4. 79 5. 54 M=1 5 9. 4 SD=5. 2 Min=144 15 2 15 0 1 4 5 1 50 1 5 0 1 45 1 4 7 14 8 1 49. 7 14 4 Max=17 3. 5 1 69 1 73 1 7 2 168 173. 5 1 6 9. 9 17 3 1 7 2. 1 17 1 1 69 全国大学1 8歳 (男子)N=6 9 8、M=1 7 1. 3cm、SD=5. 5 (女子)N=6 4 8、M=1 5 8. 6cm、SD=5. 2 6 216 20 04 M=1 7 2 N=49 3 女子 1 99 7 武蔵工業大学環境情報学部開設10周年特集号 1 7 1cm∼1 7 2cm 間を推移している。1 0年 間 の 平 均 数年、男子は1 7 2cm 前後、女子は1 5 9cm 前後でお 身長は、1 7 2cm である。一方、女子の身長は1 5 8cm ちついている。身長の伸びに関係するのは、骨のう ∼1 6 0cm の間を推移しており、平均身長は1 5 9cm ち腕や足など長い骨の先端部分の骨端線(成長線) である。1 9 9 8年、当時の文部省体育局(現文部科学 と呼ばれる柔らかい部分が成長することである。今 省)が発表した全国の大学生1 8歳の平均身長は、男 後、日本人1 8歳男女の平均身長は、男子約1 7 5cm、 子1 7 1. 3cm、女 子 は1 5 8. 6cm で あ り、男 女 と も ほ 女子は約1 6 3cm 位まで伸びるのではないかと予測 とんど全国大学生平均とかわりがない。 されている。 *体重 日本人の1 8歳平均身長の年次推移を見ると、1 9 5 0 年(昭和2 5年)の男子平均は1 6 1. 8cm、女子1 5 2. 7cm 表3および図2は、体重の結果を示したものであ である。その後、男女とも順調に伸び、1 9 8 5年(昭 る。1 0年間の各年度推移を見ると男子は、6 2kg∼ 和6 0年)に男子がはじめて1 7 0cm を超え、女子も 6 5kg であり1 0年間の平均は6 4kg である。女子の推 1 6 0cm ちかくに伸びた。しかしながら、戦後、順 移 は5 0kg∼5 4kg で あ り、平 均 は5 2kg で あ る。全 調に伸び続けてきた日本人1 8歳男女平均身長もここ 国大学生1 8歳の平均が男子6 3. 2kg、女子5 1. 2kg で 表3 全 体 1 9 97 N=1, 2 1 3 男子 1 9 9 9 2 0 0 0 2 001 20 0 2 2 00 3 20 0 4 2 00 5 2 00 6 84 96 9 3 100 1 2 2 151 2 1 1 12 1 12 6 10 9 M=6 3. 7 64. 3 6 4. 4 6 3. 3 64 6 3. 4 6 3 6 3. 9 63. 5 6 5. 1 62. 1 7. 7 4 SD=9. 1 8. 9 7 10. 25 8. 7 8 1 0. 7 7 9. 36 9. 0 9 8. 94 8. 4 9 8. 2 7 Min=45 45 49 4 6 4 8 4 8 4 7 4 6 4 7 47 47 Max=102 9 7 10 2 9 0 95 98 9 7 1 00 89 9 9 9 8 N=480 女子 1 9 98 体重(㎏) 30 50 4 5 4 9 64 4 6 7 8 4 5 4 0 3 3 M=5 1. 8 50. 4 5 1. 3 5 0. 9 5 2. 7 5 0. 5 5 2. 3 52. 2 5 4. 3 52. 4 51 6. 1 SD=5. 9 5. 3 7 5. 1 5. 7 9 5. 66 5. 8 4 6. 52 5. 8 7. 8 2 5. 0 4 Min=40 41 43 4 2 41 4 0 4 0 4 1 42 4 3 41 Max=72 6 4 6 9 6 4 65 7 0 72 69 6 9 65. 4 6 8 全国大学1 8歳 (男子)N=6 9 6、M=6 3. 2kg、SD=8. 2 7 (女子)N=6 4 2、M=5 1. 2kg、SD=6. 0 2 図1 身長 図2 体重 217 あり、本学部生の平均は身長同様、男女ともほぼ全 れている。BMIとは、自分自身の身長と体重から 国平均と同じである。男女の体重分布をみると、男 値を出すものであり、体重(キログラム) を身長(メー 子は最低4 5kg から最高1 0 0kg 超と幅広く分布して トル)の2乗で割った数値である。BMIと病気の いる。一方、女子は、4 0kg∼7 0kg であり男子のよ 発症とには深い関連性がある事が認められている。 BMI1 8. 6以下は、“低体重” 、2 5. 0以上は肥満の うな幅広い傾向はみられない。 2)BMI (肥満指数) 範囲である。2 5. 0以上になると『生活習慣病』や「メ ― BMIで肥満かどうかチェックする ― タボリックシンドローム」の引きがねにつながりや *男女とも数値2 2前後というのが理想 すくなるなどBMIが高くなるほど病気にかかりや *本学部学生の平均BMI すく、BMIの数値が、ほぼ、2 2前後を保っている 男子 2 1. 8 ときが疾病にかかる確率が最も少なくバランスがと 女子 1 9. 5 れていると言われている。日本肥満学会のかつての 基準は、BMI1 9. 8以下を‘低体重’ 、1 9. 8から2 4. 2 肥満の判定法としては、さまざまな方法があるが、 現在、世界中で広く使われているのが「BMI(Body まで普通、2 4. 2から2 6. 4まで過体重、2 6. 4以上を肥 Mass Index) 」という体格指数に基づいて、標準体 満と判定していた。 しかし、近年、日本人の肥満化が進んできており、 重を算出する方法である。BMIの原名はケトレー 指数4)で「正常な体格で身長の異なる成人の体重は、 1 9 9 9年からは、1 8. 6以下を低体重、1 8. 6から2 4. 9ま ほぼ身長の二乗に比例する」 と発表したものであり、 で普通体重、2 5. 0以上を肥満1度から肥満4度まで これが肥満指数をみる簡便な方法として広く採用さ 分けるようになった(表4) 。 表4 BMIによる肥満の判定 BMIの計算方法:BMI=体重(キロ)÷「身長(メートル)×身長(メートル) 」 例:身長1 7 0cm、体重8 0kg の場合 BMI=8 0(キロ)÷「1. 7(m)×1. 7(m) 」=2 7. 7 BMI 肥満学会1 9 9 9 WHO1 9 98 <1 8. 6 低体重 低体重 1 8. 6∼24. 9 普通体重 正常 2 5. 0∼29. 9 肥満1度 肥満前段階 3 0. 0∼34. 9 肥満2度 肥満1度 3 5. 0∼39. 9 肥満3度 肥満2度 4 0. 0> 肥満4度 肥満3度 表5 全 体 N=1, 2 1 4 男子 女子 1 9 98 1 9 9 9 8 7 2 0 0 0 102 2 001 1 2 4 20 0 2 155 2 00 3 2 1 2 20 0 4 12 1 2 00 5 2 00 6 83 95 M=2 1. 5 21. 9 2 1. 9 2 1 2 1. 3 2 1. 4 21. 5 2 1. 6 SD=2. 7 7 3. 0 6 3. 3 2. 2 8 2. 9 2 3. 13 2. 7 6 2. 62 Min=14 16 17 1 6 1 7 1 4. 1 1 6 2 1 1 6. 7 17 14 Max=34 3 2 3 3 3 0 30 3 0. 8 3 2 34 30 3 2 3 2 N=495 30 50 4 5 5 1 72 4 8 8 0 4 5 4 1 3 3 12 7 10 8 21. 3 22 20. 8 2. 3 3 2. 7 7 2. 5 M=2 0. 5 19. 7 2 0. 3 1 9. 9 2 0. 6 2 0. 8 2 0. 6 20. 7 2 1. 2 20. 6 20. 6 SD=2. 1 8 1. 8 6 2. 14 1. 9 7 2. 07 2. 2 6 1. 76 2. 3 3 2. 5 6 1. 9 8 2. 8 5 Min=13. 9 17 16 1 6 17 13. 9 1 7. 9 1 5 1 6. 1 1 5 17 Max2 9= 2 5 2 8 2 4 26 2 8 2 6. 5 28 2 7. 1 25. 8 2 9 (望ましい数値 2 2) 218 1 9 97 BMI 武蔵工業大学環境情報学部開設10周年特集号 図3 図4 BMI BMI(1 0年間) 本学部生のBMIの1 0年間の推移は、表5、およ び図3である。 3)体脂肪率 BMIは、肥満かどうかを判定する国際的に最も 男子は各年度のBMI平均が2 0∼2 2、女子は1 9∼ 広く用いられている簡単な判定法である。しかし、 2 1と理想的な数値を示している。1 0年間の平均は、 BMIは個々の体格差まで考慮していないので、あ 男子2 1. 5、女子2 0. 5である。BMI1 8. 6以下、1 8. 6 くまで肥満度を計る一つの目安である。BMIが普 ∼2 4. 9、2 5. 0以上の分布で見ると、この1 0年間の平 通と判定された人の中にも体脂肪率が高い、いわゆ 均は、男子は、1 8. 6以下の低体重(やせ)が1 0%、 る‘隠れ肥満’とよばれる人も多い。肥満かどうか 1 8. 6∼2 4. 9(普通)は7 8%、2 5. 0以上(肥満)は、 を判定するには、体内の脂肪量、つまり、体脂肪率 全体の1 2%を占めていた。一方、女子は、1 8. 6以下 を知ることが重要である。人間の身体は、水分(細 の低体重(やせ)は全体の約2 2%と男子のほぼ2倍 胞内.外) 、筋肉、骨、脂肪、その他で構成されて になっている。1 8. 6∼2 4. 9(普通)は男子とほぼ同 おり、体組成と呼ばれている。体脂肪率とは、これ じ7 5%、2 5以上(肥満)はわずか3%であった(図 らの体組成に対する脂肪量の割合を示すものであ 4) 。 る。体脂肪は、人間の生存にとって欠くことのでき 219 表6 体脂肪率による肥満の判定 や せ 正常範囲 肥満傾向 成 人 男 子 1 5%以下 1 5%∼2 0% 2 1%∼2 4. 9% 2 5%∼ 肥 満 成 人 女 子 2 0%以下 2 0%∼25% 2 6%∼2 9. 9% 3 0%∼ て算定する。 ない働きをし、我々の健康維持に大切な役割を果た 表7、および図5は、1 0年間の結果である。1 0年 している。特に、重要な働きは、エネルギーの貯蔵、 タンパク質の節約、体温調節、内臓の保護、女性の 間の男子の平均は、1 6. 6%であるのに対して女子は 月経の発現維持等5)である。女性の場合、極端に体 2 4. 4%である。この結果は、体脂肪は、女性ホルモ 脂肪が減少すると月経の発現維持等の機能にも影響 ンの影響を受けており女性の方が男性より通常約 がでてくる。女性におおくみられるダイエット、 「や 1 0%位高いためである。 図6、図7は、1 0年間の体脂肪率による肥満の判 せ」志向も注意が必要である。健康を維持するには 定結果である。男子は、1 5%以下の‘やせ’ が3 4%、 男女とも適正な体脂肪量が必要である(表6) 。 1 5%から2 0%の正常範囲は4 6%、肥満前段階が1 4%、 体脂肪率の簡便な測定法は、体脂肪が水分より電 気を通しにくいという特性をいかし、電極に両手も 肥満が6%となっている。肥満前段階、肥満が全体 しくは両足を接触させ、体全体の電気抵抗を測定し の2 0%を占めている。 表7 全 体 N=1, 2 10 男子 82 1 9 98 93 1 9 9 9 2 0 0 0 9 4 1 0 3 124 2 002 1 5 4 20 0 3 21 2 2 00 4 1 1 3 2 00 5 2 00 6 12 6 10 9 M=1 6. 62 16. 3 16. 6 1 5 1 7. 7 16. 7 1 6. 5 1 7. 3 16 18 16. 1 4. 9 7 4. 8 1 4. 5 3 4. 84 5. 1 1 4. 77 4. 4 5 3. 83 4. 9 2 4. 3 6 6 5 9 8. 2 6 7 1 0. 1 8. 7 7 2 9 3 1 2 7 34 3 0. 5 2 9 29 27 39. 5 3 1 Max=39. 5 N=494 30 50 4 5 5 1 72 4 8 8 0 4 4 4 1 3 3 M=2 4. 3 23. 6 2 4 2 2. 9 2 5. 8 2 4 2 4. 2 25. 2 2 4. 7 24. 9 24. 5 SD=3. 7 6 3. 5 6 3. 56 3. 7 3. 44 4. 4 2 3. 15 3. 5 4. 8 8 3. 0 5 4. 4 Min=12 17 12 1 4 20 15. 9 1 4. 8 1 7 1 3. 3 1 5. 4 1 6. 3 Max=37 3 2 3 4 3 0 34 34. 8 30 33 3 5. 2 30. 8 3 7 図5 220 2 0 0 1 SD=4. 6 5 Min=5 女子 1 9 97 体脂肪率 体脂肪率 武蔵工業大学環境情報学部開設10周年特集号 図6 体脂肪率(男子) (1 0年間) n=1, 2 1 0 表8 図7 体脂肪率(女子) (1 0年間) n=494 BMIと体脂肪率との関係 (1)BMI1 8. 6以下 全 体 N=118 男子 10 1 9 98 19 99 20 0 0 20 0 1 2 00 2 2 00 3 2 0 04 2 0 05 20 06 8 1 3 1 4 1 6 1 0 17 13 6 11 BMI M=1 7. 6 1 7. 8 1 8 1 7. 8 1 7. 4 1 7. 2 17. 5 17. 9 17. 9 17. 7 1 6. 8 体脂肪 M=10. 1 1 0. 1 1 1. 7 9. 2 1 2. 8 9. 8 8. 2 9. 9 1 1 9. 4 9. 7 7 9 1 1 1 2 2 5 3 13 8 7 11 BMI M=1 7. 7 1 7. 9 1 7. 4 1 7. 5 1 8 1 7. 5 18. 2 17. 5 17. 7 17. 5 1 7. 8 体脂肪 M=19. 8 2 0. 6 2 1 1 9 2 2. 9 18. 5 1 7. 2 20 18. 2 1 9. 9 2 0. 2 N=106 女子 1 9 97 (2)BMI1 8. 7∼2 4. 9 全 体 N=954 男子 1 9 98 19 99 20 0 0 20 0 1 2 00 2 2 00 3 2 0 04 2 0 05 20 06 58 69 6 9 7 5 9 8 12 4 1 71 98 1 03 89 BMI M=2 0. 9 2 1. 6 2 1. 4 2 1. 3 2 1 1 9. 2 20. 9 21. 2 2 1 21. 4 2 0. 8 体脂肪 M=16. 2 1 6. 3 1 6. 2 1 5. 1 1 7. 1 1 4. 8 15. 9 16. 9 1 6. 2 1 7. 1 1 6 20 39 3 4 3 8 4 6 4 4 64 33 33 20 N=371 女子 1 9 97 BMI M=2 0. 9 2 0. 3 2 0. 7 2 0. 6 2 1. 1 2 0. 6 20. 6 21. 1 21. 2 21. 1 2 1. 4 体脂肪 M=25. 1 2 4. 1 2 4. 2 2 4. 1 2 6. 5 25 2 4. 5 26 25. 4 2 5. 8 2 5. 9 (3)BMI2 5以上 全 体 N=149 男子 1 9 98 19 99 20 0 0 20 0 1 2 00 2 2 00 3 2 0 04 2 0 05 20 06 13 13 1 0 1 4 1 8 2 1 24 11 18 7 BMI M=2 6. 7 7 2 6. 7 2 6. 8 2 6 2 7. 1 2 7. 4 26. 9 2 7 26. 1 27. 1 2 6. 6 体脂肪 M=24. 55 2 1. 5 2 3. 7 2 2. 4 24. 7 25. 6 2 4 2 5. 7 2 6. 2 2 6. 6 2 5. 1 0 N=16 女子 1 9 97 1 1 2 1 1 3 4 1 2 BMI M=2 6. 1 2 5. 3 28. 3 2 5. 3 2 8 20. 6 2 7 26. 3 25. 8 2 8. 1 体脂肪 M=32. 1 3 1. 7 3 3. 6 3 3 34. 8 2 4. 2 32. 3 33. 9 3 0. 8 3 4. 2 一方、女子は、2 0%以下の‘やせ’が8%、2 0% ∼2 5%の正常範囲が5 5%、2 6. 0∼2 9. 9の肥満前段階 が2 7%、肥満が1 0%であり、肥満前段階、肥満が全 体の3 7%を占めるという高い結果が判明した。 221 図8 BMIと体脂肪との関係(1 0年間) 体前屈を実施した。体力は、主に、ストレスに対抗 4)BMIと体脂肪率の関係 できる防衛体力と身体的労作の能率や記録に関係す BMIと体脂肪率との関係を示したものが表8 る行動体力の二つに大別する事が出来る。防衛体力 (1) (2) (3) 、図8である。 表および図から明らかなようにBMI1 8. 6以下の は簡単に測定することが難しいため、体力テストは 低体重の体脂肪率平均は、男子が1 0%、女子は2 0%、 通常行動体力を測定することが多い。行動体力は、 BMI1 8. 6から2 4. 9までの正常範囲の男子体脂肪率 行動を起こす力(筋力、瞬発力) 、行動を持続する 平均は男子が1 6%、女子は2 5%である。BMI2 5以 力(筋持久力、全身持久力) 、行動を正確に行う力 上の体脂肪率平均は、男子が2 5%、女子は3 2%であ (敏捷性、平衡性、巧緻性) 、行動を円滑に行う力(柔 る。この結果より、BMIと体脂肪率の関係は、男 軟性) 等に分けることができる。体力診断テストは、 子では、BMIが高くなるにつれて体脂肪率も全体 各個人の体力の実状をある程度把握する目安になる。 的に高くなっていく傾向が見られる。一方、女子は、 背筋力は、後背部のみの筋力を測定するのではな BMIが正常範囲でも、体脂肪率は2 5%以上の肥満 く、上肢、下肢、胸部、および腰部の筋力が総合さ 前段階、肥満の者が多く見られた。女子にいわゆる れた、人間の全身の筋力が反映している。発達段階 では、発育状況の指標となり、また筋肉の鍛錬度を ‘隠れ肥満者’が多いことが判明した。 把握することもできる7)。 体力診断テスト 表9、図9は、背筋力の結果である。男子の1 0年 a)背筋力 間の平均は1 2 3kg、女子は6 8kg である。全国大学 体力診断テストは背筋力、握力(右、左) 、立位 表9 全 男子 体 19 9 8 1 9 9 9 背筋力 2 0 0 0 20 0 1 2 0 02 2 00 3 2 0 05 2 0 06 8 2 9 4 9 3 10 2 1 24 15 5 2 11 12 1 1 24 1 09 M=1 23. 1 12 7 12 1. 2 1 3 1. 5 1 2 0. 2 1 20. 3 1 1 6 1 19. 2 1 24. 7 1 27. 2 12 4 SD=2 1. 9 2 2. 36 20. 3 2 2. 8 1 2 0. 4 9 2 0. 53 21. 8 2 2. 4 7 22. 9 4 25. 8 8 1 9. 5 2 8 5 0 4 5 50 7 2 48 79 45 39 3 3 M=6 8. 4 6 9. 9 6 8. 4 6 9. 1 6 7. 8 67. 9 6 5. 6 68. 4 7 0. 8 7 2. 8 6 3. 4 SD=1 5. 4 1 0. 8 9 1 3. 8 5 1 6. 2 4 1 6. 85 1 3. 4 2 0. 89 17. 1 2 16. 78 1 5. 46 1 2. 56 全国大学1 8歳 (男子)N=6 5 2、M=1 3 2. 1kg、SD=2 5. 0 9 (女子)N=6 4 1、M=8 0. 5kg、SD=1 8. 5 4 222 2 0 04 N=1, 21 5 N=48 9 女子 19 9 7 生 平 均 は、男 子1 3 4. 0kg、女 子 は、8 0. 5kg で あ り 武蔵工業大学環境情報学部開設10周年特集号 本学部生の背筋力は全国大学生の平均と比べると、 1 0 9kg が1 4%、両方で2 8%という高い値を示してい やや劣っているといえる。1 0年間の全体の分布を示 る。一方、女子も、3 0kg から4 9kg と極端に低い値 しているのが、図1 0、図1 1である。男子では、脆弱 を示しているのが全体で1 1%もみられた。男女とも、 の基準である1 0 0kg 以下が全体の1 4%、1 0 0kg から 日常生活において積極的に身体活動をする機会が少 なく、筋力が低下していることがうかがえる。 図1 1 背筋力分布図(女子) (1 0年間) N=489 図9 背筋力 図10 背筋力分布図(男子) (1 0年間) N=1, 2 1 5 図1 2 立位体前屈 表1 0 立位体前屈 全 体 N=1, 2 12 男子 1 99 8 1 9 9 9 2 0 00 200 1 2 0 0 2 20 03 20 0 4 20 0 5 20 0 6 8 3 9 3 9 3 1 02 1 2 4 1 54 2 1 2 1 21 1 2 3 10 7 M=1 0 8. 5 10. 5 1 1. 9 1 0. 3 10 8. 7 8. 5 1 0. 3 1 1. 4 1 0. 1 SD=8. 8 9. 9 1 0. 9 9. 1 1 7. 82 8. 01 8. 9 1 10. 36 8. 49 6. 81 8. 3 5 31 50 4 5 5 1 72 4 8 7 8 4 5 3 8 3 3 N=491 女子 1 99 7 M=1 2. 9 13. 6 13. 6 1 3. 7 1 4. 9 1 3. 7 12 1 3. 5 1 2. 7 11. 7 10. 2 SD=7. 8 7 7. 2 2 7. 2 2 7. 3 3 7. 3 5 7. 92 8. 1 4 7. 06 6. 4 9 9. 5 1 0. 5 全国大学1 8歳 (男子)N=7 0 0、M=1 0. 8cm、SD=6. 9 1 (女子)N=6 5 0、M=1 4. 1cm、SD=6. 4 8 223 *握力 b)立位体前屈、握力 握力は、親指以外の手指屈筋の共同作用によって *立位体前屈 あらわされる末梢屈筋の筋力で、とくに前腕の静的 身体の柔軟性をみるのが立位体前屈である。一般 屈筋力をみようとするものである。 的に、男性より女性の方が柔軟性において勝ってい 表1 1―1、表1 1−2、図1 3−1、図1 3−2は、握 る傾向にある。身体の柔軟性がなくなってくると腰 痛等などを引き起こす引き金になることなども知ら 力(右、左)のそれぞれの結果である。 れている。 男子の1 0年間の平均は、右4 3kg、左4 0kg、女子は 右2 7kg、左2 5kg である。立位体前屈同様、全国大 表1 0、図1 2は、各年度の結果である。男子の1 0年 学生の平均とほぼ同じである。 間の平均は1 0cm、女子は1 3cm と男女とも全国大 学生の平均とほぼ同じ値である。 表1 1 ‐ 1 握力(右) 全体 1 99 7 N=1, 2 17 男子 1 9 9 9 2 0 00 200 1 2 0 0 2 20 03 20 0 4 20 0 5 20 0 6 9 4 9 2 1 04 1 2 4 1 55 2 1 2 1 21 1 2 6 10 7 M=4 2. 8 46. 1 43. 5 4 4. 1 4 0. 2 4 1. 4 42. 2 4 1. 5 4 1. 9 4 2. 8 4 4. 5 SD=6. 6 6. 5 5 6. 8 7. 1 3 7. 81 5. 79 5. 8 1 6. 62 6. 37 7. 04 6. 7 1 32 50 4 4 5 1 72 4 8 8 0 4 5 3 9 3 3 N=494 女子 1 99 8 8 2 M=2 6. 5 26. 9 26. 9 2 7. 3 2 5. 3 2 5. 5 2 8. 2 2 5. 6 27 27. 4 25. 2 SD=4. 6 4 3. 9 6 3. 9 6 4. 5 9 4. 4 9 4. 08 5. 1 9 3. 83 5. 3 3 5. 7 6 5. 2 3 表1 1 ‐ 2 握力(左) 全体 1 99 7 N=1, 2 13 男子 1 9 9 9 2 0 00 200 1 2 0 0 2 20 03 20 0 4 20 0 6 8 3 9 4 9 3 1 02 1 2 3 1 54 2 1 2 1 21 1 2 5 10 6 42. 3 40. 9 4 0. 4 3 7. 4 3 8. 9 39. 1 3 9 3 9. 7 3 9. 9 4 0. 9 SD=6. 35 6. 1 5 5. 9 4 6. 1 1 7. 63 6. 19 5. 8 6. 01 6. 3 6. 26 7. 0 9 32 50 4 4 5 1 72 4 8 8 0 4 5 3 9 3 3 M=2 4. 5 24. 5 24. 5 2 4. 9 2 2. 8 2 3. 1 2 5. 9 2 5. 6 25 25. 4 24 SD=4. 3 9 4. 0 6 4. 0 6 4. 7 5 3. 8 8 3. 96 4. 4 2 3. 83 4. 5 1 5. 7 4. 7 8 全国大学1 8歳 (男子)N=6 4 6、M=4 3. 8kg、SD=6. 1 6 (女子)N=6 4 2、M=2 7. 3kg、SD=4. 3 4 全国大学は(左右)の平均値である 図13 ‐1 握力(男子) 224 20 0 5 M=3 9. 8 N=494 女子 1 99 8 図1 3‐2 握力(女子) 武蔵工業大学環境情報学部開設10周年特集号 4 まとめ 環境情報学部学生の1 0年間の健康、体力診断調査 が全体の6 0%近くを占めていた。 自宅外通学者、留学生に対する食教育が必要であ 結果のまとめは、以下の通りである。 ると思われる。 1)形態面からみると身長、体重とも全国学生平均 2)女子学生への正しいダイエット指導 とほぼ同様であった。 2)BMIの結果より、低体重(やせ) は、女子が、 男子の2倍であった。 3)体脂肪率は、男子は、「やせ」と「肥満」で全 体の半数を占めていた。一方、女子は、肥満前 段階、肥満が高い値を示していた。 女子学生のこの1 0年間のBMI、および体脂肪率 の結果から明らかなように、BMIでは、約2 2%が 低体重でありながら体脂肪率では、肥満前段階、肥 満が約3 2%を占めており、いわゆる“隠れ肥満”が 多いことが判明した。 2 0 0 5年度に行った「ライフスタイル調査」では、 4)BMIと体脂肪率の関係は、男子は相関傾向が ダイエットをしている学生は、男子約6%に対して みられるが、女子は、BMIは正常範囲でも体 女子は約2 0%であった。また、「自分の体型をどの 脂肪率では、肥満前段階、肥満が多く、あまり ように思っているか」の設問では、「自分は太って 相関傾向はみられなかった。いわゆる、「隠れ いる」と答えた女子の割合は5 0%近くであった。「や 肥満」という体重は正常範囲でも体脂肪率は肥 せたいと思うか」の設問では、なんと女子の約9 0% 満前段階、肥満が多かった。 が「そう思っている」と回答しており、女子の「や 5)背筋力は、男女ともに低下傾向がみられた。特 に、男子の低下が著しかった。 6)立位体前屈、握力は、全国大学生平均とほぼ同 様であった。 せる」ことへの強い願望が見られた。 当然、食生活にも影響をおよぼしており、「自分 の食生活は栄養面でバランスが取れていると思いま すか」の設問では、「バランスが取れていない」と 回答した割合は、自宅通学者で、約4 4%、自宅外通 5 今後の課題 学者では、約6 0%という高い値を示していた。 1 9 9 7年度環境情報学部創設時から2 0 0 6年度入学生 健康状態にも影響があらわれ、「あまり健康でな までの学生の健康体力調査を継続して実施してきた い」 、「健康でない」が全体の約2 2%も占めていた。 が、この1 0年間の結果より次のような問題点が判明 女子学生に対しての正しいダイエット指導が重要 した。 である。 1)男子学生の低体重と肥満の問題 3)男女学生の著しい筋力低下の問題 男子学生の体脂肪率から全体の3 4%が低体重、 2 0%が肥満前段階、肥満と5 0%以上が正常範囲外に この1 0年間の調査で判明したことは、男女学生の 著しい筋力低下傾向である。 ある。この原因は、おそらく、食生活、運動習慣等 背筋力の結果から、男子では、脆弱基準1 1 0kg 以 の日常の生活習慣がおおきく影響しているものと思 下が全体の2 8%と高い値を示した。一方、女子も脆 われる。 弱基準7 0kg 以下が全体の5 0%を超えている。いか 2 0 0 5年度に行った、「本学部生のライフスタイル に男女とも筋力が低下しているかがわかる。 調査」の結果をみると、「食生活のバランスがとれ 筋肉は体内の「発熱装置」である。基礎代謝(生 ている」 と答えた学生は、全体の3 0%にも満たなかっ 命維持に使われるエネルギー量)は、その大半は体 た。 温維持に使われる。この基礎代謝の半分以上は筋肉 特に、自宅外通学者、留学生は、「バランスの取 で消費される。つまり、筋肉量が多いこと、筋肉が れた食生活をしていると思わない」と回答したもの しっかりしていることは体脂肪を効果的に落とし、 225 肥満を解消、予防する上で非常に重要である。それ 6)国民医学大事典 には普段から筋肉をよく使う習慣、すなわち、運動 7)東京女子大学女性学研究所 が大切である。日常生活における活動量が減って筋 肉が衰え、代謝機能が低下することによって太って きたり、いろいろな疾病の引き金になるのである。 筋肉量を減らさず、筋力を高めるためには「運動」 がどうしても欠かすことのできない理由である。 常、運動(スポーツなど)をしている」と回答した 学生は、男子で3 8%、女子2 2%であった。また、 「日 常運動をしていない」と回答したのは、男子4 0%、 女子5 9%と非常に高い値を示した。多くの学生が運 動不足であることが判明した。(ただし、運動部や サークル活動に参加している学生を除く) 。大学生 の体力不足や「やるき」 の低下が指摘されているが、 食生活や運動、睡眠といった心身の健康維持の基本 が日常ないがしろにされていることがうかがえる。 男女学生の低体重、肥満前段階、肥満の増加や筋 力低下等の問題をできるだけ解消していくために は、学生の食生活、運動、睡眠といった日常の生活 習慣の見直しが是非とも必要である。 今回の調査結果を通して本学部生の形態、BMI (肥満指数) 、体脂肪率、BMIと体脂肪の関係、ま た、背筋力、握力、立位体前屈等の基礎体力の現状 と問題点をかなり把握する事が出来た。限られた データであるが、本学部生の健康状態、基礎体力等 にかなり問題がある事が浮き彫りにされた。これら の基礎資料をもとに、今後、学生の生活習慣等を更 に把握し、健康教育を行うことがきわめて重要であ ることを痛感した。 引用.参考文献 第4号1 9 9 3年度版 2)厚生省 厚生白書 平成9年度版 3)学習院大学 スポーツ.健康科学センター紀要 8号 4)片岡邦三 怖い体脂肪をどう減らすか 5)湯浅影元 体脂肪 226 p8 4 p7 6 (そのⅡ)―日常生活活動量との関係― 8)厚生省 平成9年度版 厚生白書 9)子どもと発育発達 2 0 0 4VoL No. 4 1 0)門馬伯行 武蔵工業大学環境情報学部紀要 第二号 p1 1 7∼p1 2 7 1 1)鈴木悠太 2 0 0 5年「環境情報学部学生のライフスタ 「本学部生のライフスタイル調査」 の結果では、 「日 1)武蔵工業大学教育年報 女子の身体組成と体力 第 イルとストレスに関する調査」