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報 告 書 - 連合群馬

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報 告 書 - 連合群馬
報 告 書
(無錫市総工会への訪問)
1.連合群馬 第8次海外視察団 団員名簿
氏
名
所
属
役職
1
団
長
北川
秀一
連合群馬(自動車総連/富士重工労組)
副会長
2
秘書長
萬田
雅光
連合群馬(電機連合/三洋電機労組)
副事務局長
3
守谷
幸一
自動車総連(日野自動車労組新田支部)
支部長
4
川又
敏之
自動車総連(富士重工労組)
常任執行委員
5
鈴木
利之
電機連合(三洋電機労組)
副執行委員長
6
前原
毅
JP労組(JP労組桐生支部)
7
堀口
明
情報労連(NTT 労組上信越総支部前橋分会) 事務局長
8
島田
武
JEC連合(関東電化労組)
中央書記長
9
木闇
裕治
高崎地協(ルネサステクノロジ労組)
事務局次長
10
酒井
宏幸
藤岡地協(ミツバ労組鬼石ブロック)
幹事
11
小板橋謙三
中央労働金庫高崎支店
支店長
12
小渕
中央労働金庫高崎東支店
支店長
13
柴
全労済太田支所
係長
群馬トラベルセンター
前橋営業所長
14
添 乗
晃幸
長沼
泰治郎
克則
大連
無錫
上海
2 . 第8次海外視察団日程(中国 大連・無錫・上海)
日次 月日(曜)
1
都 市 名
現地時間 交通機関
09 月 27 日 群馬県内 発 03:00
(日曜日) 成田空港 着 07:30
成田空港 発 09:45
大連
ス ケ ジ ュ ー ル
専用バス 県内より専用バスで成田空港へ
JL-797
大連着(北方の真珠と呼ばれる港町へ)
着後、専用バスにて旅順市内視察
(203 高地、東鶏冠山、水師営会見所等)
着 11:50
<大連泊>
2
09 月 28 日
(月曜日)
午前
大連
発
14:05
無錫
着
15:30
ホテルにて朝食
専用バス 午前、日系企業訪問
1.大連三洋冷鏈有限公司
2.大連三洋制冷有限公司
ZH-9576 午後、国内線にて無錫へ
(15:401時間30分遅れで離陸)
無錫市総工会との交流会
<無錫泊>
3
09 月 29 日 無錫滞在
(火曜日)
午前
午後
4
09 月 30 日
(水曜日) 無錫
発
午前
上海
着
午後
ホテルにて朝食
専用バス 午 前、現 地企業「 サンテ ックパ ワー」
(尚徳太陽能電力有限公司)訪問
*中国最大手で世界シェア3位の
太陽光電池・太陽光発電システム
製造メーカー
無錫総工会職工服務中心
(無錫総工会職工サービスセンター)訪問
午後、無錫市内視察(太湖、錫恵公園等)
無錫市総工会表敬訪問
<無錫泊>
ホテルにて朝食
専用バス 無錫より専用バスにて上海へ
(途中、蘇州経済開発区視察)
着後、上海市内にて昼食
午後、上海市内視察
(豫園、南京路散策等)
夕食後、上海雑技団見学
5
10 月 01 日
(木曜日)
上海
成田空港
成田空港
群馬県内
11:50
発
15:40
着
発 16:30 頃
着 20:00 頃
JL-622
<上海泊>
ホテルにて朝食
リニアモーターカーにて空港へ
日本航空にて一路、帰国の途へ
専用バス 専用バスにて群馬へ
3.表敬訪問・視察地
【大連】
①
旅順市内
(東鶏冠山)
②
(203高地)
大連三洋冷鏈有限公司(DSC)
③
大連三洋制冷有限公司(DSR)
(水師営会見所)
【無錫】
④
サンテックパワー
⑤
無錫総工会職工服務中心
⑥
無錫市内視察(太湖、錫恵公園等)
⑦
無錫市総工会表敬訪問
⑧
上海市内視察
4.団員参加報告
(1)第8次海外視察団(中国)参加報告
団長
北川
秀一(連合群馬・自動車総連)
この度、連合群馬第8次海外視察団に団長として中国訪問の機会を得て、大連・
無錫・上海の各市で企業視察や無錫市総工会への表敬訪問など行った。まずもって、
5日間の行程を団員13名全員と仲良く・元気に・無事に終えられたことを、団員
一人ひとりならびに添乗の長沼氏に感謝申し上げたい。
大連では、初日に203高地や水師営など日露戦争の戦跡を
巡り、その戦争の凄まじさと他国で行った戦争の重さ受け止め
た。また、2日目には、三洋電機と現地企業との合弁2社を訪
問し、①現地労働者の生活や考え方、②福利厚生や安全対策、
③中国国内で設計、製造、販売している立場でマーケットを通
して国策をどう見るかなど、大変参考にすることができた。
無錫では、地元企業のサンテックパワーを訪問、工場の
視察と当該労組の委員長との意見交換を行った。日中の労
大連三洋(DSR)での意見交換
組活動の紹介や質問応答などあっという間に時間が過ぎ、
企業との関係などに違いも感じたが、組合員の働きがい・
やりがいを意識した職場を原点にした活動は共感できる
ものであり、「組合が第2の家となるよう努力したい。」と
いう言葉は印象的であった。
永年交流を続けている無錫市総工会の訪問では、①組合
組織づくり(組織率93%)、②企業と賃金システムの交
渉、③労働者支援としての相談・訓練機能など意見交換を
交わし、また総工会が運営している職業紹介所(ハローワ
ークのような機能)にも視察させていただいた。特に、国・
企業・労働組合の連携が密になった労働者のサポート体制 サンテックパワー委員長(右)と
は参考になるものであった。
無錫市総工会にて
大連でレガシーの看板発見!
最後に、視察先の大連三洋冷鏈有限公司、大連三洋制冷有限公司、サンテックパワ
ーの関係者の皆さん、行程を通してお世話になった古い友人である無錫市総工会の皆
さん、そして団結力を見せた第8次視察団の皆さんに感謝します。
謝々
(2)連合群馬第8次海外視察団に参加して
守谷 幸一(自動車総連・日野自動車労組新田支部)
9月27日から10月1日まで、海外視察団
として中国に参加させていただきまして、本当
にありがとうございました。
私としても中国は初めてで、興味がありまし
た。テレビニュースなどでは中国の映像も映し
出され、車も多いなあと感じてはいたものの、
最初の訪問地大連に着いて、車の多さにびっく
りしました。ここでは毎日300台ずつの新車
登録が有るとき聞き、頷けました。
いざ、203高地へ
着いた日の午後、旅順市内視察に出かけました。
本の世界でしか知らなかった203高地に立って見て、今の時代に生きていて良かっ
たなあと思いました。
ここ大連では日系企業の三洋さんに訪問いたしました。冷
蔵庫関係でほとんどが中国国内で消費されるとの事でした。
午後には国内線で無錫に移動しました。
翌日は中国最大手で世界シェア3位の太陽光電池、太陽光
発電システムのサンテックパワーを訪問いたしました。非常
にきれいな会社でした。急成長著しく儲かっている会社だな
あという感じがしました。ここではサンテックパワー労組の
女性委員長との意見交換を行い、特に委員長の言った『労働
組合を労働者の第2の家としていきたい』と、文章ではお見
大連三洋(DSR)にて
せできない笑顔が、とても印象的でした。
また無錫市総工会への表敬訪問も行いました。総工会と連合群
馬とは永い友好関係を保っており、熱烈歓迎を受け交流を更に深
めてまいりました。これも今までに行ってきました先代の方達の、
友好の証だと思います。これからも更に、この交流を続けて行か
れる事を望みます。
ありがとうございました。仲間に感謝、そして中国に感謝です。
太湖をバックに
(見えませんが・・・)
無錫市総工会門前
(3)連合群馬第 8 次海外視察報告
川又
敏之(自動車総連・富士重工労組)
視察国 中国(大連・無錫・上海)
期間
9 月 27 日(日)∼10 月 1 日(火)
◆ 9 月 27 日(日)
旅順市内 二百三高地・東鶏冠山等を視察
【二百三高地】・・・要は山です。
1904 年∼05 年までの日露戦争における最大の戦地、
203mの山を日本軍が占領し、頂上より港に停泊し
いているロシア軍の戦艦に砲撃を行った場所として見
学地となっている。ロシア軍は 4 ヶ月に渡り、地下 3
階陣地を築き抵抗したが、1904 年 12 月に日本軍によ
って占領された。犠牲者は日本軍が約 7000 人、ロシ
ア軍が約 6000 人ということである。二百三高地の標
高は当時206mであったが、戦争による爆撃の影響
で203mになったといわれている。
【東鶏冠山】・・・要は山です。
日露戦争第 1 回旅順総攻撃では鉄条網を突破し、内
堀に入ったが土砂に覆われた側防窖室からの近接攻撃
体力に自信あり(203高地)
により、日本軍は壊滅した。その後、数度に渡り坑道
を掘り、堡塁の正面で 2.3t のダイナマイトを爆破させ、これに乗じて日本軍が堡塁を
占領した。この戦闘で日本軍はこの堡塁を突破する為、約 8,000 人の死者を出した。
◆ 9 月 28 日(月)
【大連三洋冷鏈有限公司 大連三洋制冷有限公司】日系企業三洋視察
三洋電機株式会社が、90年代初頭に中国・大連市に業務用空調機器、ショーケー
ス、コンプレッサなどの冷熱機器の製造・販売・サービス拠点を設立した。数多くの
主要製品が中国市場でシェア No1を獲得している。海外への輸出は行っておらず、中
国国内での需要が多いため昨今の経済危機の影響は殆ど受けず、生産が続いている。
ショーケースの組立てから梱包までの作業工程を視察させて頂いたが、群馬の三洋
電機工場とあまり変わらない生産形態である。休憩室付近のショーケースの中に、各
作業者のマイカップが置いてあり、通路に設置されているはウォーターサーバを利用
し、休み時間にお茶を飲めるような環境が整っている。
◆ 9 月 29 日(火)無錫
【サンテックパワー視察】・・・太陽光発電システム製造メーカー
2008 年の世界シェアは 3 位。2006 年には複数のシリコンメーカーと 10 年間の超長
期の買い入れ契約をいち早く結んだ為、サンテックパワーは 2006 年からのシリコン不
足の影響を受けていないとされる。
無錫工場は 7 階建てでソーラーパネルを屋根や壁に設置しており、工場内の 95%の
電力をソーラーパネルから発電する電力で賄っている。生産ラインは建屋内が各ブー
スに分かれており、搬送機を使用しブース内の製品移動を行っている。作業者の服装
や動作はビール工場や薬品を扱う工場のラインとよく似ている。
ラインから離れた通路では、作
業者のマイカップが棚に整理され
設置されており、休み時間などに
お茶を飲めるようになっている。
◆ 9 月 30 日(水)上海
【南京路見学】
上海最大級の繁華外である。百
貨店、デパート、銀行、漢方薬、
ハンコ店など様々な店が立ち並ん
でいる。歩行者天国であり、休日
前にも関わらず沢山の人で溢れて
工場の模型を前に(サンテックパワー)
いた。
観光客や中国の富裕層の需要大きいとはいえデパートやブランド店での商品は、日
本との価格格差は殆ど無く、水準の高さが象徴的であった。
【豫園見学】
16 世紀、明の時代に四川省の役人が両親のために作った庭園で、戦後に大改修を行
い 6000 坪の敷地を持つ。現在は政府直営の茶楼としてのシンボル的な存在で、お土産、
お茶、漢方薬等々が並んでいる。上海の浅草のイメージである。
◆
所感
率直に感じたことは、人、車が多いことです。交通事情については大連市だけでも 1
日に 300 台の車が販売されているということもあり、人と車が混在している状況でし
た。中国では、車優先でもなく、歩行者優先でもなく、『勇気』が優先です。というよ
うに、いつ事故が起きても不思議はない(3 件くらい実際に見ましたが・・・)というの
が実情でした。今の中国の勢いの裏返しだと感じています。
富裕層との格差が大きいということも聞きま
したが、今回は比較的都市部の訪問が多かった
為、物価も日本と変わりがなくあまり感じるこ
とが出来ませんでしたが、しいて言えば高級車
と共に走るリヤカー付の原付が印象的で格差を
感じたところです。
歴史的な観光地、特に日露戦争時代の場所で
は、中国の方がオペレータとして、場内の説明
していただきましたが、実際に戦火の場所であ
ったこと、日本軍とロシア軍の権力抗争の中に、
中国が晒されたことを決して忘れてはいけない
ということを改めて感じました。
最後になりますが、団長をはじめ、今回の視
団長をサポート(???)
察メンバーの方々には大変お世話になりました。
各産別の代表者の方々とのふれあいは、自分にとっても大変貴重な経験であり、今後
の組合活動に活かしていきたいと考えます。
萬田秘書長をはじめメンバーの方々、今後ともよろしくお願いいたします。
以上
(4)連合群馬第8次海外視察団 報告文
『はじめての中国・驚きと感動をありがとう!』
鈴木 利之(電機連合・三洋電機労組東京製作所支部)
9月27日から10月1日までの5日間、連合群馬
第8次海外視察団の一員として、初めて参加させてい
ただき、大連・無錫・上海を訪ね日本企業や現地企業
の視察や現地労働組合との意見交換など大変すばら
しい体験と感動をさせていただきました。
現地に行く前の中国の印象は、経済事情は戦後の日
本の高度成長期、バッタモンが多く交通手段は自転車
が中心、人口は多いが貧富の差も大きく、食は味の薄
い中華という感じでした。しかし、現地に着いてみる
大連の戦跡視察
とビックリ。耐震構造には疑問が残るものの高層ビル
が立ち並び、交通事情も車とバイクでごった返しており、信号機はあるものの自分優
先ということから、死亡事故も25万人/年とのことです。歩行者も道を横断するの
に何が一番必要かとの問いに、「勇気」という回答もうなずけました。食はやはり味の
薄い中華三昧でしたが、日本の醤油のありがたさを痛感するとともに、普段飲みなれ
ないミネラルウォーターに物足りなさを感じながらも順調に過ごすことができました。
視察では、入社26年目にして初めて自社の海外工場である
大連三洋冷鏈有限公司と大連三洋制冷有限公司を見学しまし
た。工場内はしっかりと整理整頓されており、作業においても
同じ失敗を繰り返さないように工程ごとに改善事例が張られ、
しっかりと教育も行われていると感じました。また、中国大手
メーカーで世界シェア三位の尚徳太陽能電力有限公司(サンテ
ックパワー)では、工場見学と労働組合との活発な意見交換を
行いました。基本的には組合員さんのためにという根幹は日本
も中国も変わらず、若干28歳の娘の様なトップは輝いて見え
ました。
大連三洋(DSC)にて
無錫市総工会表敬訪問では、活発な意見交換をする
ことができ、熱烈歓迎の交流会では先輩たちが築き上
げた信頼と絆を北川団長中心にさらに高め、深めるこ
とができたと自負しています。
4泊5日という短い期間でしたが、中国の底知れぬ
魅力とパワーに圧倒されながらも、参加して本当に良
かったという気持ちでいっぱいです。経済成長著しい
中国の現状を認識するとともに、異国の文化や様々な
視察をとおし、見たもの・聞いたもの・感じたものを
今後の人生や活動にしっかり活かしていきたいと思
無錫市総工会にて
います。
最後に、団員の皆さんと同じ目的で行動する事により、より親交を深められたのは
何よりの収穫であり、大きな財産であります。この貴重な体験ができたこと、また、
北川団長をはじめ、萬田秘書長や団員の皆様、そして、この団を引率いただきました
群馬トラベルの長沼さんには、大変お世話になりました。ありがとうございました。
以上
(5)無錫総工会の熱烈歓迎に感謝と中国の躍進に驚き!
前原 毅(JP労組・桐生支部)
連合訪中団への参加は、1992年の第四次以来、今回の第21次の参加で2回目
となった。連合群馬がこれまで果たしてきた無錫総工会との関係は、熱烈歓迎に受け
止められるように、両者の発展と役割の重要性を基に、「より深く」
・
「厚く」培われて
きたことが肌で感じられた。
無錫総工会との意見交換では、①労働組合の組織化、②オーナ
ーとの賃金相談(政府の支援あり)、③労働者の基本的なものを守
ること、④企業とのタイアップで教育・研修等々の勧め、⑤女性
労働者の権利を守ることが現状の仕事であるとしています。特に、
労働組合への期待が組合員はもとより、政府からの期待も大きい
としている。
私はこの意見交換の中で、労働組合への女性の参画について質
問をしてみました。質問の趣旨は、表敬訪問をしてきた
「SANTECH」(太陽光電事業:組合員数7,000名)の執行委
員長が28歳の女性であり、会社設立6年で世界シェア3位とす
る躍進企業に関心があった為でした。応えは簡単でした。「男女同
無錫市総工会意見交換 権」
「役員等への女性の参画は3分の1」。とされました。私ども
が「女性役員の育成を課題」としていることへの「ヒント」として受け止めたところ
です。
私は今回2度目の訪中で、経過した17年間での中
国の躍進に、驚きと衝撃を受けました。かつての人民
服の姿がない。自転車主体の交通事情が車社会に変貌
している。夜間の暗さがネオンの輝きに移されている。
国主導としての開発区指定と高層ビルの並立・マンシ
ョンの増築。大企業や他国企業の進出。主幹道の拡
充・延伸。30キロを7分で往来するリニアモーター
への乗車。驚きは限りない。しかし、大きな国であり
都市部と地方、賃金格差・貧富の差も「格差社会の拡
大」として受け止めたところでもあります。改めて、
SANTECH 工場見学
今後の中国の動きを注視していきたい。
最後に感謝を申し上げたい。まず、北川
団長をはじめとする今回の訪中団団員の皆
さんに「シンクーラ(お疲れさまでした)」。
そして無錫総工会・職工服務中心の皆さん
に「シェイシェイ・ザイチエン(ありがと
うございました・また会いましょう)」更に、
受け入れて戴いた大連三洋有限公司の皆さ
んに「シェイシェイ(ありがとうございま
した) 」。
総工会が運営している職業紹介所
(6)白酒(バイジュウ)の乾杯(カンペイ)に辛苦了(シンクウラ)!!
堀口 明(情報労連・NTT労組上信越総支部前橋分会)
期待と不安を胸に、かなり早朝からの高崎出発。連合群馬第8次海外視察団のメン
バーとして、中国:大連・無錫・上海を訪問することになった。
大連空港に到着。専用バスにて、日露戦争の激戦地「203高地」を見学。現在の
標高は「203m」であるが、戦闘前の標高は「206m」とのこと。乃木将軍率い
る日本陸軍の砲撃により、山の標高が「3m」も吹き飛んだほど、激しい戦闘がここ
で繰り広げられたとの説明に、ふと、映画「二○三高地」で見た激戦シーンを思い浮
かべながら、平和の尊さを改めて実感した。山を下り、旅順軍港攻防戦の停戦条約締
結が行われた「水師営」会見所を見学。現在の建物は、1996年に復元されたもの
だそうだが、普通の民家ほどの広さである。特に、乃木将軍とステッテル将軍との会
見机は、手術台を利用して行われたとの説明に、何とも異様な感じがした。
二日目は、現地日系企業の「大連三洋(三洋電機と中
国企業の合弁会社)」への企業訪問である。業務用冷蔵庫
の現地生産・中国全土への販売網・現地人の積極的な活
用等、好調な事業を展開している。昨年来の世界金融危
機に対する影響も、国内での販売が主力のため受けてい
ないなど、幹部との意見交換や工場見学を行った。午後
は、無錫へ国内線での移動。搭乗してから1時間を経過
しているが、離陸の気配もない。乗客も落ち着いている
ところを見ると、この程度の遅延は当たり前なのか。改
めて、日本との時間に対する考え方が異なる文化を見た。
大幅に遅れて無錫空港に到着。早々に、無錫市総工会主
催の総工会幹部との意見交換会を行い、懇親会では、「白
酒(バイジュウ)」で「乾杯(カンペイ)」の連続。人世
工場見学(大連三洋(DSC)
) 最大の試練の場となったようだ(記憶が・・・・)?。
三日目は、サンテックパワー(現地企業)
を訪問。太陽電池・太陽光発電システムの
製造メーカーとして、中国最大手で世界シ
ェア3位の工場視察や労組との意見交換を
行った。労組委員長は、若くて江角マキコ
似の女性委員長で、一段と熱が入った意見
交換であった。中国では、女性の委員長は
珍しいことではなく、我が組織に居てくれ
たらと思うと、うらやましい限りである。
総工会との意見交換(中)
「大連三洋」「サンテックパワー」ともに、
「品質管理」が活発であり、各生産コーナーに品質管理や安全衛生に関する工程表を
見ることが出来た。中国生産力のパワーを実感した企業視察であった。
中国パワーと言えば、オートバイと乗用車の多さに驚いた。しかしながら、マナー
となると、目を覆いたくなる場面がいたる所で見られ、日本の交通ルールで運転をし
ている私など、この流れの中での運転はまるで自信がない。文化の違いを素直に実感
しながらの移動であった。
四日目は、無錫市より専用バスで、車窓から蘇州経済開
発区・来年開催の「上海万博」会場などを視察しながら、
上海市中心部へ向うが、大渋滞(上海では当たり前)に。
平常時でこの渋滞だとすると、「上海万博」開催期間中はど
のくらいの渋滞状態になるのか、考えただけでも想像を絶
する。何はともあれ緊張と充実した5日間であったことは
間違いない。
最後に、北川団長をはじめ、視察団の皆さんには大変お
世話になり感謝申し上げます。
これはウーロン茶
※
※
中国語で辛苦了(シンクウラ)とは、
「お疲れ様です」とか「ご苦労様です」との意味。
白酒(バイジュウ)とは、中国の蒸留酒。(記憶が飛びます⇒体験しました)
(7)連合群馬第8次海外視察団に参加して
島田
武(JEC連合・関東電化労組)
初日、大連に着くと、想像していたよりも暑い。ガイドさんの話では我々が到着す
る直前まで雨が降っていたとのこと。我々の心がけが良いためか、まずは出足好調で
の始まりとなった。その後、旅順に移動し、日露戦争の激戦地「203高地」はすば
らしい景観であったが、そこには戦争の跡が生々しく残されてお
り、戦争の悲惨さを実感させられました。
2日目は三洋電機と中国企業の合弁会社2社を訪問した。工場
内は広くきれいで、生産管理、品質管理などが至る所にビジュア
ル表示されており、我が職場もこのようにせねばと思わされまし
た。この2社は中国国内市場への出荷が多かったため、世界不況
の影響は少なかったが、大連市内の多くの日系企業は直撃を受け
たとのことであった。
水師営で説明を聞く
その後、無錫に移動し、無錫
市総工会幹部との懇親会が行わ
れました。総工会の方々からは
すばらしい歓迎を受け、団長を
始めとした団員も団結力を発揮
したのではと思っています。
無錫市総工会との懇親(左)
3日目には現地企業の太陽光発電製品で世界シェア3位
のサンテックパワーを訪問しました。工場内は非常にきれい
であり、会社説明や展示パネルより成長のすばらしさが感じ
られました。その後、労組との意見交換が行われましたが、
その取り組みには同感を得ました。ここでの一番の感動は労
組主席は若い女性でしたが、組合員のやりがいに向けて情熱
のある人であり、このような主席の下であれば組合員も積極
的に組合活動に参加するんだろうなと勝手に想像してしま
いました。
その後、無錫市総工会を表敬訪問しましたが、昨日に続き
あらためて歓迎を受け、無錫市総工会と連合群馬のつながり
サンテックパワーにて
の深さを実感しました。
今回の視察には正直なところ、行く前は不安でいっぱいでしたが、北川団長、萬田
秘書長を始めとした団員の皆さんの協力、そして現地の方々の暖かい歓迎により、4
泊5日という短い間でしたが、貴重な体験ができました。歴史、企業状況、交通事情
など今の中国の一部分ではありますが肌で知ることができたと思います。もし機会が
あったら、さらに発展した中国へもう一度に行ってみたいと思います。
最後に、このような機会を与えてくださった連合群馬を始めとした関係者の方々に
感謝いたします。
(8)連合群馬第8次海外視察団参加報告
木闇 裕治(高崎地協・ルネサステクノロジ労組)
このたびは連合群馬「第8次海外視察団」に参加する機会を与えていただきありが
とうございました。私にとって中国は2回目になります。1回目は2007年5月に
『北京』を中心とした視察でした。当時は、オリンピックを翌年に控え、それに関連
する建設工事をはじめ道路の修復・拡張工事のラッシュで多くの労働者が汗を流して
いたことが印象的でした。
それから2年、今回は大連に位置する「大連三洋冷
鏈有限公司」と「大連三洋制冷有限公司」の日系企業
ならびに無錫にある外資系企業の「サンテックパワー」
を訪問させていただき、製造工程や労働環境などにつ
いて学べたことはとても有意義であったと感じていま
す。
サンテックパワーにて
そして、今回のポイントでもある無錫市総工
会への表敬訪問は、総工会の皆さんに熱烈な歓
迎をいただくなかで、更なる友好関係を築くこ
とができました。これも偏に連合群馬が無錫市
総工会との友好関係をこれまで着実に築き挙げ
た証しであり、この関係には感銘を受けた次第
意見交換(大連三洋(DSC)
)
です。
今回、特に感じたことは2年前と様変わりするほど、中国の都市部だけが目まぐる
しく発展し続けていたことです。当然の如く、労働事情も含め貧富の差(格差)も急
速に拡大していたことが容易に推測できました。今後、中国が名実ともに先進国の仲
間入りを目指し真の意味で豊かな国となっていくには、国民の「格差」に対する意識
を変えていくことが必要であると思いました。今後は総工会が中心となって政府へ働
きかけ、格差社会が改善されることに期待したいと思います。加えて交通事情では、
我が物顔で運転する人、自分勝手に横断する人ばか
りであり、中国人の『交通事情に関するモラル』の
低さには相変わらずの寂しさを覚えました。急成長
を続ける中国として、各人が「相手への思いやり」
を少しだけでも持つことができれば、必ずや次への
前進が図れることと思いました。(事故無く帰路に
着くことができ嬉しく思っています)
最後になりますが、今回の視察に参加された団員
の皆さんと、とても有意義な交流が図れたことに感
謝申し上げ、連合群馬をはじめ高崎地協ならびに自
いつもの笑顔で(東鶏冠山)
組織の理解に改めて御礼申し上げます。
謝々!
(9)連合群馬第 8 次海外視察団視察レポート
酒井 宏幸(藤岡地協・ミツバ労組鬼石ブロック)
日程:2009 年 9 月 27 日(日)∼10 月 1 日(木)
1 日目:AM3:00 専用バスで成田へ移動後、一路大連へ、PM 大連到着、旅順市内視察、203 高地散策
2 日目:AM 日系企業三洋電機視察、PM 国内線で無錫へ 無錫市総工会と懇親会
3 日目:AM サンテックパワー視察(中国最大手、世界シェア 3 位太陽発電システム製造メーカー)
PM 無錫市内・太湖散策(中国 4 番目の大きさ、琵琶湖の約 3 倍)無錫市総工会表敬訪問
4 日目:AM バスで上海へ途中、蘇州経済開発地区見学(車窓) 無錫市国営シルク工場見学
PM 江南式古典庭園「豫園」
、
「南京路」散策、中国でトップレベル上海雑技団見学
5 日目:市内∼上海空港へリニアモーターカーで移動、一路成田へ、専用バスで群馬に移動到着 PM9:00
【1 日目】大連到着後旅順市内へ移動、空港周辺は農村地帯であった。道路は舗装されている
が、日本の道のようにきれいな状態ではなく、ところどころ凸凹した場所が見受けられた、
交通量は少なく、旅順に向け 1 時間くらい移動したが、信号機はほとんどなかった。車の
交通量は少なめ、渋滞なし。旅順市内には大きなビル、マンションのような物が立ち並び、
市場のような所には人は多くいた。
旅順市内から約 2km離れた日露戦争の資料館を見学し、日露戦争ではロシア海軍の基
地のあった旅順港を巡る日露の争奪戦による激戦地となった 203 高地を散策した。203 と
は海抜 203mある丘だった事から名づけられている。203 高地は当初あまり重要視されな
かったが、旅順郊外から旅順港停泊中のロシア艦軍に砲撃しようとする際、周囲を観測す
る兵を配置するのに最適な場所であると気づいた日本海軍が使用した。実際に 203 高地か
らは旅順港が良く見通せたため、砲撃の際に重要な場所だった事を肌で感じた。
【2 日目】大連市内から大連経済開発区に向かった。旅順とは違い、自動車の数が多く、車社
会であたった。自分が当初思っていた中国社会とは違っていた。自転車、バイクが多く走
っていると思っていたが、交通は自動車中心であった。現地のガイドの方の話しでは今、
大連では 1 日に 300 台の車が売れているとの事でした。車は日々300 台売れているが、イ
ンフラの整備が間に合わない状況にあると感じた。市街地には駐車場が少なく、路上駐車
が目立ち、ひどい場合は 2 重、3 重に駐車されていた。大きな交差点にも信号のない場所
が多く、危険を感じた。中国の人は自分の前に車をゆずる行為はしないようです。自分が
先だとういう感じでクラクションを鳴らし、割り込んできます。
大連三洋電機視察、大きな敷地で、業務
用の冷蔵庫、冷凍庫、エアコン等の製造を
行っていた。取引先は、コカコーラ、マク
ドナルド、セブンイレブン、吉野家等の大
手です。今後も中国に多く進出してくる事
が予測される企業なので今後の生産は伸び
ていくのだろうと感じた。工場内には、日
本企業のように改善活動の掲示板があり、
改善活動を積極的におこなっている印象を
受けた。現地の人の賃金は日本円にして、
約 15,000 円との事です。エアコンのコンプ
レッサーの工場では高さ 20mくらいはある
と思われる大きな建物であった。コンプレ
ッサー自体も非常に大きく、縦 3m横 5m高
さ 4mくらいある大きな物を大型のクレー
ンを使用し移動させていた。移動の際、サ
イレン等の音は無く、近くに作業者がいた
工場内見学(大連三洋(DSC)
:右)
ので危険に感じた。現地の人が言っていたが、
3 年前はここで働く従業員はだれも車を持っていなかったが、今は持っている人の方が多
いとの事でした。
午後は大連から無錫へ国内線で移動しました。理由がわかりませんが、90 分も飛行機が
飛ばなく、機内で待機状態でした。夕方無錫市総工会の方と懇親会を実施しました。
(工会=労働組合)
【3 日目】無錫市内から無錫経済開
発区へ移動、中国の現地企業サ
ンテックパワーという企業を視
察しました。中国最大手で、世
界シェアー3 位の太陽光発電シ
ステム製造メーカーです。企業
に到着した時に第一印象は敷地
がとても大きく、会社の中に都
市があるような感じでした。会
社の内部はとても豪華な造りで、
ロビーも会議室も映画のセット
のような造りでした。2001 年に
会社を設立し、現在まで右肩上
がりの成長をし、今では世界第
3 位だそうです。日本への輸出
これから白酒が大好物に(総工会交流会:右)
も多いとの事です。
ここでは、労働組合の方と意見交換を実施しました。組合費は 6 元、日本円で約 90 円
と、給与の 2%を会社が負担してくれるそうです。組合員は約 7000 人で、専従者は 30 人
だそうです。組合長は女性の方でした。会社との関係は良く、何を決めるのも会社との話
し合いで決定するとの事。最近は社会責任部というのを設けボランティア活動等を実施し
ているそうです。この企業では企業案内女性 1 名、労働組合の意見交換女性 2 名カメラマ
ン男性 1 名での対応でした。日本では全員男性の対応が多いですが、ここでは女性の方も
会社の中心で頑張っている印象を受けました。
午後、太湖散策面積は琵琶湖の 3 倍、水深は浅く平均 3m最大でも 5m程度、面積はと
ても大きく、船で湖を横断しようとすると、5 時間かかるとの事です。無錫は大連とは違
い自動車、バイク、自電車、すべてが多く走る街でした。交通ルールはあって無いような
感じですウインカーを出さない割り込みは頻繁に行われ、道を逆走するバイク、自転車、
ひどい場合は信号も守らない。結果、多くの交通事故に遭遇しました。日本では考えられ
ませんが、タクシー同士、バス同士の接触事故もありました。
【4 日目】無錫からバスで上海へ移動、途中蘇州経済開発区(車窓)
、蘇州国営シルク工場見学、
ここではまゆから、シルク(まゆの糸)をほぐす工程を見学させてもらった。見学後、現
地の方から商品販売がおこなわれた。上海到着後、豫園を散策、上海に来た観光客はほぼ
必ず訪れる場所だ。この日は朝から雨が降っていた為にゆっくりと散策できず残念であっ
た。面積は狭いが、その狭い空間に芸術品のように細かい工夫が多数なされている庭園で
あった。周辺には多くの土産店、飲食店が軒を並べ活気のある町であった。日本の浅草の
様な感じを受けました。その後は南京路の散策です。こちらは上海最大の繁華街です。大
型店舗、高級ブランド店が立ち並び、広い道路は歩行者天国となっていて、日本の銀座の
ようでした。
夜は、上海雑技団の見学をおこないました。1 台の自転車に 12 人もの人が扇状に乗った
り、1 人の人が片手に 5 枚ずつ計 10 枚を巧みに操る皿まわしがあったり、
ロープを使用し、
空中でさまざまな芸を披露してくれたりしました。どれも
感動的な芸でありました。
上海では来年万博が開催されるので、道路、建物の修復、建築等かなりおこなわれてい
ました。びっくりした事が 1 つありました。それは、ビルの 5 階くらいの建築の足場が竹
で組まれている現場が多数あった事です。
足場の材料不足か、コスト削減かは不明ですが、5 階相当の
足場を竹で組み上げる技術はすごいと思いました
リニアを待つ(左)
【5 日目】上海市内のリニアモーターカーの駅に向かいリニア
で上海空港へ向かいました。
走行距離は約 35km、最高時速は 430kmで走行し、所要時
間は約 7 分です。わずかに空中に浮いているので、振動はな
い物と思っていましたが、430kmものスピードでは振動が
発生していました。ビデオで撮影しようとするとかなり手元
がぶれる。200kmくらいのスピード時は振動もほとんどな
く快適でした。空港に到着後、一路日本へと帰国しました。
【所感】
自分の勝手なイメージですが、中国は北京以外は、自転車、バイクの交通がメイ
ンと思っていましたが、(今回視察した地域では)実際は自動車社会でした。朝、夕
の通勤ラッシュは日本と同等でした。中国の道路は広く、大きいところは 4 車線あ
りますが、全部の車線自動車うまっているような状況です。交通量、人の数は多く、
危険な横断歩道もない場所を人が横断している危険な光景が頻繁にみられました。
昔、道路に自転車の多かった時は横断でも危険を感じておらず、その延長で自動車
にも危険を感じないのでしょうか?私から見ると危険でしかたありません。ひどい
人は小さい子供といっしょになって横断しています。交通ルールを守られていない
部分を多く見かけました、海外からの旅行者も多くいますので、国としても解決し
てほしいと感じました。
町並みは大きな高層ビル、マンションが立ち並んでいました。今回視察した地域
は、東京と変わりない大都市の風景が広がっていました。人口の多い国ですからマ
ンションの数は日本以上です。ほんどが高層マンションで 20 階以上あるところが多
数ありました。全体的にどこの都市を訪れても、これから先経済が成長していくよ
うに感じました。特に経済開発地区は、大企業(日本企業も沢山あった)が多く進
出し、あちこちで、マンション建設、道路整備等が行われていました。
大連、上海では自動車が多く走っていましたが、無錫では、まだバイク、自転車
が多く走っています。これからさらに経済が成長し、いずれはバイク、自転車の人
が自動車を利用するようになる事でしょう。中国全域でこのような現象が起これば、
「今は日本では元気のない、自動車産業に活気を取り戻せるのではないか?」と、
思いました。
今回の中国視察で、中国の経済状況、歴史、自然、文化を直接感じる事ができい
い経験となりました。又、今までに交流のなった労働組合の役員の方と交流をもて
た事を、これからの組合活動で活かしたいと思います。
参考情報
正式国名:中華人民共和国
面
積:960 万 K ㎡(日本の約 25 倍)
人
口:13 億 1448 万人(日本の約 10 倍)
大連人口:620 万人
無錫人口:433 万人
上海人口:1858 万人
日系企業:23,035 社
通
貨:元
(1 元=14 円∼16 円)
時
差:日本より 1 時間遅い
(10)連合群馬第8次海外視察団に参加して
小板橋
謙三(中央労働金庫・高崎支店)
今回、「連合群馬」主催の海外視察に参加しました。目的は、海外で事業展開を行う
日系企業の現地視察、躍進する中国企業視察、及び連合群馬と友好関係にある「無錫
市総工会」との交流でした。
大連では「大連三洋冷鏈有限公司」「大連三洋制冷公司」(いずれも三洋電機系)を
訪問し、工場見学、日本人責任者の方との意見交換を行いました。気候風土・生活習
慣・人的環境が異なるなかでの事業活動にあらためて多くのご苦労を感じました。ま
た、昨年来の「金融・経済危機」にあって現地進出を行っている企業が苦境にあるな
かで、「冷鏈」では製品市場がほとんど中国国内であり成長を持続する中国では影響を
ほとんど受けていないとのお話が非常に印象に残っています。
無錫では、中国最大手で世界シェア 3 位の太陽光
電池・太陽光発電システム製造メーカーの「サン
テックパワー」を訪問しました。企業設備もさる
ことながら、「温暖化・CO2」論議では必ず俎上に
上がる中国での同企業の存在は驚きでもありまし
た。また、7,000 名規模の同社労働組合の委員長が
28 歳の女性である事も驚きでした。
「無錫市総工会」との意見交換では「政府の労
働組合への期待は非常に大きくなっている」との
発言が印象的でした。「白酒」の「カンペイ」は非
常に強烈でした。
「大連」「無錫」「蘇州」とも「経済特区」や「高
工場見学(サンテックパワー)
工区」と称される区域での視察・訪問でしたが、
数多くの日系・外資企業の工場が立ち並んでおり
中国市場の大きさ、成長を維持する中国経済を目
の当たりにした感がありました。また、訪問した
4市とも大都市であり、林立する建築中のマンシ
ョン、上海では万博へ向けての様々な建設工事等
成長を続ける(成長し続けなければならない)中
国を実感しました。
今回の視察では一端ではあるが「大国中国」の
現状に接した事は成果でした。また、それ以上に
5日間の日程のなかで「連合群馬」の産別・単組
の多くの方々と昼夜を問わず交流を深められた事
は大きな成果でした。
北川団長・萬田秘書長をはじめ団員の皆様方、ト
ラベル長沼様、本当にお世話になりました。
無錫市総工会との意見交換(右)
ありがとうございました。
(11)連合群馬第8次海外視察団(中国視察)に参加して
小渕 晃幸(中央労働金庫・高崎東支店)
中国経済は 03 年に一人当たりの国内総生産(GDP)は約 1000 ドルであったが 08
年には 4 兆 3274 億 3200 万ドルに達し一人当たりGDPで 3000 ドルになるなどわず
か 5 年で 3 倍もの勢いで経済成長を遂げている国であるとされています。こうした状
況について現地で直接見て聞いて実感することができればと連合群馬第 8 回海外視察
団に参加させていただきました。
09 年 9 月 27 日中国大連空港に到着した後、日露戦争に
おける最大の激戦地「203 高地」のある旅順への移動。そ
して翌日 9 月 28 日には大連経済開発区の企業訪問のため
の移動時の車窓から見える景色からは市内にいくつもの高
層マンションが立ち並び、また建築中のマンションも数多
く見受けられました。道路も非常によく整備されていて通
勤時間帯では渋滞するほどで、さらに自家用車のほとんど
が新型の車であり「自転車の中国のイメージ」はどこにも
見当たりません。また建設中の道路や鉄道などインフラの
整備もいたる所で行われており世界的な金融危機の影響は
積極的な意見交換(大連三洋(DSC)) 少ないのではないかとも思えるものでした。
大連経済開発区で日系企業(大連三洋冷鏈有限公司、
大連三洋制冷有限公司)や無錫市では中国企業のサン
テックパワーを訪問し企業や従業員さらには中国経
済の状況についてもお聞きすることができました。昨
年の世界経済の減速を受けて外需は依然として低迷
しているそうですが内需は堅調で大きな影響は受け
ていないとのことです。また、政府は公共投資にも力
を入れており鉄道や道路などのインフラ整備を図り
世界的な金融危機をチャンスとも捉えて景気対策を
実施しているとのことでした。こうした背景から以前
は従業員の自家用車の保有は殆どなかったようです
が 3 年ほど前から自家用車の保有率も高くなり教習
工場見学(大連三洋(DSR)
:右
)
所は慢性的に満員の状態であるとのことです。
昨年秋の世界的な金融危機のなか政府がいち早
く内需拡大のための4兆元の投資策が発表され
その1として小型車取得の際の税率引下げ策が
報道されていますが、まさにこうした対策が功を
奏している状況が見て聞いて実感することがで
きました。他国が低迷を続けているなか中国では
09 年度第2四半期での成長率が前年同期比で7.
9%増えるなど強い中国経済の実態を垣間見る
ことができました。
今回の第8回海外視察団に参加し団員とのさま
ざまな意見交換や無錫市総公会との交流や中国
での見聞を広めることができ非常に有意義な視
察でありました。
工場見学(サンテックパワー:左)
(12)連合群馬第8次海外視察団報告
柴
泰治郎(全労済・太田支所)
9/27 の早朝より4泊 5 日で北川連合群馬副会長を団長として、群馬トラベルの長沼
さんの添乗を含め14名にて中国に行ってまいりました。
早朝群馬を出発し昼ごろに大連空港に降り立ちましたが、ソウル上空を過ぎたあた
りから天候が不安定になり、かなり揺れスリルを味わいながらの入国になりました。
しかし空港の外に出ると思ったより寒くなく雨もちょうどあがり幸先の良いスタート
になりラッキーでした。到着し半端な時間を効率よく使い、映画にもなった日露戦争
最大の激戦地である 203 高地・ロシア軍が保塁を築いた東鶏冠山・旅順開城の交渉を
行った水師営会見所の見学があり教科書だけの浅い知識が深くなり感嘆いたしました。
翌日から資本が約半分ずつの合弁企業であ
る大連三洋冷鏈有限公司と三洋さんが 1992 年
に大連進出を最初に行った大連三洋制冷有限
公司を視察させていただきました。今まで中国
の文化として、飲み物など冷たくして飲む習慣
が無かったのが経済の発展とともに、上海が火
付け役となり冷やして飲む需要が増加して行
く中で、1994 年から主に業務用の冷蔵庫を中
国国内で製造販売を始めて、いまや上海のロー 真剣に説明を聞く(大連三洋(DSC):左 )
ソンには 100%、北京のセブンイレブンには 50%を占めるに至り、国内向けの生産が
85%につきサブプライム関連の不況も関係なしと話されていました。
また、大連三洋制冷有限公司は一例として日本では東京ドーム内の冷房をするため
の大きな装置を、大連で中国国内向けとして空調装置を製造している企業です。現在
中国ではホテル、マンション、体育館や公共施設等のインフラを大々的に整備してい
るところであり、ここの工場で年間 6000 台を製造しているとのことで絶好調と話され
ていました。大きな物を作っている工場なので、労働災害などの事故はどうかと団長
が聞いていただいたのですが、国民性として日本人と違い時間に追われて仕事をして
いないので多くはないとお話になり良くも悪くも社会主義国と痛感しました。
そして、夜の無錫市総工会との懇親会に向け深圳航空にて
大連から無錫へと飛びました。交流会は異文化とのふれあい
になりましたが、中国の宴は聞いていたとおりで、約 50 度
数のパイチュウを小さなグラスで乾杯(飲み干す)の繰り返し
が10回20回と繰り返されるものでした。いろいろありま
したが想像していただき、ここでは略させていただきます。
翌日は二日酔いの中、中国資本 100%企業である、世界第
三位の太陽光発電装置を製造しているサンテックパワーを
訪問し、企業内容や労働組合との意見交換をさせていただき
意見交換(サンテックパワー) ました。午後は前日懇親した無錫市総工会に訪問し日中の違
いや共通する内容など意見交換をいたしました。
その他いろいろ見聞きして参りましたが、初めての中国でしかも訪問したエリアが
中国の富を生み出している都市部につき、発展が目覚しく事前の知識とはかなり違い
中国にいる感じがしませんでした。最後に同行していただきました皆さま、いろいろ
とお世話になりありがとうございました。特に無事に帰ってこれたのも、クスリを毎
日譲っていただいた木闇さんのおかげです。ありがとうございました。
(13)報告書編纂に取り組んで
秘書長
萬田雅光(連合群馬・電機連合)
【団長は晴れ男】
出発当日の天気予報では、初日の大連は“雨”。成田で団長にそんな話をしたとこ
ろ、「晴れ男だから大丈夫だ」の一言。大連の空港に着くと晴天そして地面は濡れて
いる。ガイドさん曰く到着の20分前までは大雨だったとのこと。偉大な晴れ団長
先導のもと、晴天の東鶏冠山や203高地などが視察できました。ちなみに大連市
内に戻るときには、雨が降ってきました。
【企業視察】
大連では三洋電機と地元企業との合弁会社2社
を視察し、国民性や国の政策を捉えながらの経営
施策と社員全員参加のレクレーションなど苦労と
工夫が感じられた。また、無錫では地元企業を視
察し、当該労組との意見交換もできた。組合員の
意見交換(大連三洋(DSC)
:中)
目線での活動の重要さは日中共通であるし、女性
の進出への取り組み意識が高いこともうかがえた。
【無錫市総工会訪問】
総工会の表敬訪問では、大勢の総工会幹部で迎え
ていただき、まさに“熱烈歓迎”され、永年に渡る
友好関係を肌で感じることができた。その後の歓迎
懇親会でも、それぞれ親交を深め更なる友好関係を
“のど”で感じることができた。
意見交換(総工会:右)
国慶節の直前という日程の中、無錫市総工会をはじめ現地関係者の皆さまには無理
な調整もお願いしたことと思います。改めて、感謝と今後の連携につなげさせていた
だきたいと思います。
最後に、事故がなくまた楽しく(ついでに真剣に)全行程を終了することができ、
団長をはじめ団員ならびに添乗の長沼氏に感謝申し上げます。それぞれの視察が、団
員の皆さんの今後の組織・個人での活動に参考になっていただくことを願い、秘書長
としてのまとめとします。
(14)その他(添乗:群馬トラベルセンター
太湖視察(一番左奥)
長沼克則)
リニアモーターカーにて(右)
5.訪問報告
大 連 三 洋 冷 鏈 有 限 公 司 (DSC)・大 連 三 洋 制 冷 有 限 公 司 (DSR)
(1)訪 問 日 時 2009年9月28日(月)
(2)対 応 者 DSC 濱田副総経理、DSR 福崎副総経理
(3)内
容
【DRC】
① 概要説明(濱田副総経理より)
・ 1994 年 1 月設立し、15周年を迎える。資本は三洋電機55%、大冷股 份40%、
双日5%の日中合弁会社で、大連に3工場を持つ。ショーケースや業務用冷蔵
庫、超低温冷凍庫などの技術・製造・販売を行っている。
・ 日本国内設計された製品について中国国内用に設計変更し、国内の販売が約8
割(残りは日本・アジア)を占める。(国内向けがほとんどのため、金融・経
済危機の影響は少なかった。)
・ 従業員は、従業員は約1500人の体制で、うち図面など技術が90人、営業
が20人程度。駐在員は5人。
・ 推定シェアは、大手コンビニでのショーケースは、それぞれ50∼100%の
シェア、また業務用冷蔵庫は35%程度。
② 質疑応答
Q.
3年前くらいは建てるが
放置されていたが最近は
建てているようだが状況
は?
有休は?
A.
マンションは立てているが、全部は埋まっていない。
車を所有する従業員が増えている。
年間8∼10日。休日は100日くらい。
【DSR】
① 概要説明(福崎副総経理より)
・ 1992 年 9 月設立した日中合弁会社。吸収式冷凍機やガスヒートポンプエアコン
などの技術・製造・販売を行っている。ガス、蒸気、油、温水を熱源にしてい
る。
・ 工場は、他に瀋陽と杭州。社員が常駐している営業拠点は国内に27か所。
・ 日本国内設計された製品について中国国内用に設計変更し、中国国内のお客様
が 9 割。(国内向けがほとんどのため、金融・経済危機の影響は少なかった。)
・ 従業員は、従業員は約700人、うち営業・サービスが300人程度。駐在員
は4人。
② 質疑応答
Q.
技術指導は?
従業員の住まいは?
現地の人の働き方は?
パートは?
安全教育は?
勤務時間は?
福利厚生は?
A.
日本人が4名。日本で設計した物を中国で設計変更するレベル。
大連市内からバス、電車で通勤している。独身者は寮住まいが
多い。
期限を明示してしっかり指示をすればきちんとしている。愛社
精神は日本に比べると少ないと感じる。
日本と同じ。人材紹介もあり、中国では「人力○○会社」とい
う。
安全、QCはやっている。特に、詰め込みでやらない風土から
か事故は少ない。労災制度はある。
7:50~16:30
残業もある。
診療所はない。食堂、交通、寮は国の定め。年に、忘年会+1
回、全体でレクレーションを行っている。
尚 徳 太 陽 能 電 力 有 限 公 司 (サンテックパワー)
(1)訪 問 日 時 2009年9月29日(火)
(2)対 応 者 方 組合委員長 他
(3)内
容
① 企業概要
・ 2001 年9 月に設立し、2008 年には生産1千兆W、売り上げ10億ドル。
2012年には生産500兆Wを目指す。世界 3 位の太陽光発電メーカー。
・ 2006 年には太陽光発電モジュール&太陽光発電システムを製造販売する日本
大手のMSKを買収して経営統合をした。
・ 無錫の工場は、6900㎡で毎日2500wの発電をし、ビルの85%の電力
を供給している。
② 組合説明(方 委員長)
・ 2001 年に企業が設立し、2002 年組合結成した。グループ内には、6組合。
・ 上半期には、女性労働者のつどい、健康検査、バスケット大会、知識コンテス
ト、環境保護、他組合との交流、建国60周年記念の歌コンテストなどを行っ
てきた。
・ 企業のリーダーとのディスカッションも積極的に行い、組合員へ情報を伝達し
ている。
・ 労働組合の積極性を発揮できるよう努力している。いろいろな活動を通して、
組合員が楽しく過ごせるように考えている。従業員の第2の家となるよう努力
している。
② 意見交換
連合群馬
組合費は?
→
社内では、賃金や休暇、安全、相談など。
社外では、政治や社会貢献など。
役員構成や活動は?
←
各自のコップが廊下に並べてあるが?
→
→
サンテックパワー
6元/人。基本給の2%は別途会社から
でている。40%は上部団体に納める。
日本の労働組合の活動は?
役員は20人で5年任期。活動は、金曜
日の午後や土日に行うことが多い。10/3
の国慶節には、食事の時間に生産ライン
を回る予定。
衛生面も考慮し、休憩時には自分のコッ
プを使用する。
無錫総工会職工服務中心
(1)訪 問 日 時 2009年9月29日(火)
(2)内
容
・ 無錫市総工会が運営しているハローワークのような機能。
・ 対応は、①労働者からのクレーム、②職業紹介、③職業訓練、④法律援助(労
働相談)、⑤共済・保険など。
・ 平日、8:00∼12:00、13:00∼17:00。スタッフは 9 人。
・ 平均50人/日の相談者。当日も訪問時に相談者あり。
無錫市総工会表敬訪問
(1)訪 問 日 時 2009年9月29日(火)
(2)内
容
① 湯副主席あいさつ
・ 連合群馬の皆さんは古い友人です。また、これまでに総工会の多くのメンバー
も群馬に訪問した。
・ 無錫は3000年の歴史があり、人口610万人の10番目くらいに入る中国
中クラスの都市です。労働者は約200万人で、総工会の組合員は157万人
(93%が加入)であり、無錫の発展は労働者の貢献が大きく、日系企業も多
く入っている。
・ 総工会は50名のスタッフで運営しており、①労働組合組織作り、②政府サポ
ートのもとのオーナーとの賃金相談システム、③労働者の基本的権利を守る、
④困難に陥っている労働者のサポート、⑤企業とタイアップした労働者の教育、
⑥最大限女性労働者の権利を守る、といった活動を行っている。労働組合の役
割がますます大きくなっており、政府の期待も大きい。
② 意見交換
連合群馬
女性の参画状況は?
連合群馬でも女性委員会や男女平等参画推
進委員会を設置して、参画拡大に力を入れ
ている。
→
←
総工会
女性も経済に貢献している。無錫では
1/3の女性が働いている。女性工作人
が女性参画推進の役割。
日本の女性の参画は?
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