udi Arabia

サウジアラビア、ジザンに暮らして
イアン・コックラン
毎朝5時ごろ（百はあるにちがいない）街にある全ての
モスクから神秘的な詠唱が信者に起きるよう呼びかけま
す。その音は常に美しいとはいえなくとも、驚くべきもので
す。
This rock is apparently mentioned in the Koran.
日本やカナダでは当たり前だったものの多くも、私の
ような外国人がこちらで見つけるのは難しいです。例え
ば工具。簡単な修理のために基本的な工具セットを家
に置いておきたいのですが、ここでは簡単には手に入り
ません。マルチドライバーといった基本的なものが手に
入るＤＹＫやカナディアンタイヤのようなDIY店がなく、そ
こここで少しずつ見つけるのです。
アラビア半島の南、紅海に面しイエメンからほど近いジザン、
そこに住んで1年余りになりますが、ジザンについて書くのは難
しいと未だに思います。サウジアラビアは生活するのには風変
わりなところです。とはいえ、時に素晴らしいこともあります。
私の生徒たちは、8時に登校するのが大変に難しいことのよ
うに思っているようですが、寛大です。一度私は生徒の一人か
らアル・アルドというジザンの北の山にある場所に招待されまし
た。
まず最初に、独身男性である私は女性と話すことができま
せん。「こんにちは」「すみません」ということすら出来ないので
す。ジザンの女性は黒いアバヤを着て全身を覆い、目しか見
えません。彼女たちをサウジ忍者とよぶこともあります。
私たちは山のなかの彼の一族の土地に行きました。そこで
はイエメンへ続く谷を見渡し、またコーランに出てくる立った岩
を見ました。彼の奥さんは私たちのために朝食を用意してくれ、
私たちは山腹で美味しい自家製コーンブレッド、野菜シチュー
と新鮮な野菜をいただきました。こちらの伝統的な台所はインド
のタンドールのような粘土のオーブンを使っていました。
しかし女性たちが歩いていると、たまにハイヒールやコンバー
スのスニーカーがちらっとのぞくこともあります。多くの店は豪
奢な床まで届く丈のドレスを売っています。女性たちは家でそ
ういうドレスを着るのでしょう。おしゃれして互いの家を行き来
するのだと聞いたことがあります。ここでは本当に独自の女性
文化があるようです。
イスラム教も色々違っていて、ワッハーブ派は全く別物で
す。これはサウジの砂漠のベドウィン族のイスラム教であり、大
変厳しいものです。
これには実用上の困難がいくつかあり、全てのお店が日中
5回、お祈りのために45分間ほど閉めてしまいます。もしお昼
の12時に何かを買う必要があれば…よしましょう。お祈りの時
間は毎日数分ずつ変わるのです。なぜなら、それは日の出と
日の入りの時間から計算されるからです。買い物の時間は注
意深く計画を立てねば！
彼の友人、ハリシ氏の家ではお父様にお会いしました。80歳
くらいに思われるそのお父様は、私たちに会うために真っ白の
サウブを着て、正式な反った短剣を身につけておられました。
私はお父様が敬意を表してくださっている様子に大変感激しま
した。彼は実は私とそれほど年が離れていないそうです。（私は
５３歳！）
ここでの生活は厳しいと、ハリシ氏の叔父から聞きました。彼
は英語教師でちょうど大学を卒業したばかりです。私は彼にお
祝いを言い、彼の小さな村から彼が教えることになっている大
学までの長い道のりに思いを馳せました。
もっと最近では、山頂にある町ファイファに出かけましたが、
それはまた次の機会に。
訳：笹間　佐和子（Sawako Sasama）
February / March 2012 i-News 6