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Bluetoothスピーカーの音質を高めたい
Bluetoothスピーカーの音質を高めたい スマートフォンに保 存した音 楽を部 屋で再 生して楽しもうと、 Bluetooth スピーカーを買ってきました。しかし、 予想していた 以上に音質が悪く感じられます。 改善できないでしょうか。 ●Bluetoothのデータ転送は遅い バージョン 最大通信速度 1.1/1.2 1Mbps 2.1 + EDR 3Mbps 3.0 + EDR 3Mbps スマートフォンやタブレ ム(コーデック)を標準で使います。 ットを Bluetooth スピー SBCは、本来の音声データを間引い カーなどに接続するとき てデータ量を抑えているため、音質 は、 「Advanced Audio Distribution が大幅に低下します。圧縮・展開に Profile」 (A2DP)という通信プロトコ 時間がかかり、音が 0.2 秒ほど遅れ 側が、同じコーデックに対応してい ル(プロファイル)を使用しています。 て聞こえる欠点もあります。 る必要があります。現在、AAC は Bluetooth の通信速度は、USB 接続 一方、 この数年で、 「AAC」や iPhone/iPad で、aptXは Android 端 や無線 LAN に比べると遅いので、 「aptX」といったコーデックに対応 3.0 + HS 4.0 24Mbps 1Mbps 図 1 Bluetooth のデータ転送速度は無線 LAN などに比べると遅い。このため、データを圧縮 して送る仕様になっている 末や Mac の一部で利用できます。 A2DP では、スマートフォンなどの した製品が登場しています( 図 3、 パソコン内蔵の Bluetooth 機能は 送信機器側で音声データを変換し、 図 4) 。AAC や aptXは、SBC ほど音 AAC や aptX に対応していないこと データ量を削減してからスピーカー 声データを間引かないことから、音 が多いようです。非対応のパソコン に送っています(図1、図 2) 。 質が高いとされています。AAC や で aptX 対応スピーカーを使いたい A2DP では、音声の圧縮に「SBC aptXを使うには、スマートフォンな 場合は、aptX 対応の Bluetooth アダ (SubBand Codec) 」というプログラ どの送信側とスピーカーなどの受信 プターを接続します(図 5) 。 ●標準コーデックのSBCは音質を犠牲にしている コーデックで不可 逆圧縮して送信 ●aptXとAACに両対応の製品も Bluetooth 対応 ヘッドホン データを展開 しながら再生 する MP3、AAC、WMA などの音声ファイル Bluetooth 対応 スピーカー スマートフォン、タブレット コーデック 主な対応機器 図 4 AAC と aptX の両方に対応するスピーカ ー やヘ ッ ドホンもある。 写真はロジテ ッ クの 「LBT-AVSP1000」 (実勢価格は約 5900 円) 。 出力は 7.5W × 2 だ 図 2 スマートフォンなどの Bluetooth 対応機器は、音声を「コ ーデック」で圧縮して無線で飛ばす。スピーカーやヘッドホンでは、 それを展開しながら再生する 一般的な圧縮率 音の遅延 その他の特徴 SBC ほぼ全てで対応 20 分の 1 200 ~ 240 ミリ秒 無音時にノイズが 発生する AAC iPhone/iPad 製品により異なる 非公表 (SBC より少ない) iOS は標準対応 aptX Android 機の一部 4 分の 1 32 ミリ秒 英 CSR の独自規格 図 3 現在よく使用されるコーデックは 3 種類。 「SBC」は Bluetooth 標準のコーデックだが、音質が 悪く、遅延もあった。AAC や aptX が利用できれば改善が見込める 図 5 aptX 対応の、USB 接続 Bluetooth アダ プ タ ー も あ る。 写 真 は ロ ジ テ ッ ク の「 LBTUAN04C2BK」 (実勢価格は約 1700 円) 。ただ し、Windows 8.1 は非対応 日経パソコン 2013.12.9 95