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配布資料 - 東京都環境局

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配布資料 - 東京都環境局
2014.11.05
東京都環境局
平成26年度化学物質対策セミナー
化学物質国際動向の概要と企業対応の事例
一般社団法人産業環境管理協会
佐竹 一基
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1
本日のお話し
• 化学物質管理と政策動向
• 各国の化学物質管理規制と動向
• 製品含有化学物質管理に関する企業の対応と
国内動向
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2
化学物質管理の深化と政策動向
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3
化学物質の利用
• 世の中の「もの」は全て化学物質で出来ている
– リンゴ、家具、シャツ、ロケット、動物、太陽、、、
• 産業革命により、人工物が急増し、増え続けている
• 化学物質も新たなものが作り出され、人類の役に立
つ一方、その人や環境への影響が懸念されるものも
出てきた
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4
基本
• 化学品は有害物と安全物の2種類ではありません
• 化学物質は、環境汚染を起こす有害物(RISK)では
なく、人類に役立つ(BENEFIT)物品です
化学物質管理の基本:リスクアセスメント
リスク=危険有害性X暴露可能性
誠実なリスク/ベネフィットコントロール
• 化学品法規対応は、決まりがあることを知らなかっ
たでは済みません
2014/11/21
5
化学物質による被害
• 古くは鉱山における鉛害など
• 農薬の弊害(DDTなど) 1950年代
• 四大公害病 高度成長期
– 水俣病、第二水俣病(有機水銀)
– 四日市ぜんそく(亜硫酸ガス)
– イタイイタイ病(カドミウム)
•
•
•
•
カネミ油症事件(PCB、ダイオキシン) 1968
セベソ事件(ダイオキシン) 1976
ボパール化学工場事故 1984
オゾン層破壊(フロン、ハロン) 1985
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6
化学物質の国際的な管理
• 度重なる化学物質による人的・環境的被害から国
際的な管理の必要性が認識される
• 1972年 ストックホルム会議 (国際連合人間環境会議)
• 1992年 リオサミット (環境と開発に関する国際連合会議)
– アジェンダ21 第19章 有害化学物質の環境上適切な管
理
• http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/05/s0522-3b19.html#top
• 2002年 ヨハネスブルグサミット
(持続可能な開発に関する世界首脳会議 WSSD)
– 国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ
(SAICM)の制定を決定→2006年制定される
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7
化学物質管理におけるWSSDの位置づけ
1992年、地球サミット(国際環境開発会議:UNCED)開催(リオデジャネイロ)
↓
地球環境問題解決に向けた「アジェンダ21」の取りまとめ
第19章「有害化学物質の環境上適正な管理」
・「アジェンダ21」の内容の見直し
・新たな課題への対応
2002年、持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)開催(ヨハネスブルグ)
最重要論点は、化学物質固有の危険性のみに着目したハザードベース管理から、環境
への排出量(曝露量)を踏まえたリスクベース管理へのシフト。
製品中の化学物質の危険有
WSSD2020年目標(ヨハネスブルグ実施計画より)
害性情報等の伝達は無い
特定の有害化
予防的取組方法に留意しつつ、透明性のある科学的根拠に基づくリスク評価手順と科学的根
学物質の国際
拠に基づくリスク管理手順を用いて、化学物質が、人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を
貿易事前同意
最小化する方法で使用、生産されることを2020年までに達成することを目指す。 REACH登録評価認可
手続に関する
化審法改定
GHS
ロッテルダム条
TSCA改定
約(PIC条約)
ロッテルダム
国際的な化学物質管理に関す
化学物質・有害廃棄物
条約の2003年までの発効
2008年までの
る戦略的なアプローチ
の適正管理
ストックホルム条約の2004
GHSの実施促進
(SAICM)を2005年までに策定
年までの発効
残留性有機
汚染物質-ス
トックホルム
条約
(POPs条約)
有害化学物質と有害廃棄物の国
際的不法取引の防止、国際移動・
処分による損害防止
PRTR制度のような
重金属による
統合された情報取得
リスクの軽減促進
促進
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有害廃棄物の越境移動、処分
RoHS、水銀条約
の規制に関するバーゼル条約
「アジェンダ21」の内容を実施す
る上での指針としての「ヨハネス
ブルグ実施計画」採択
経済産業省化学物質
管理課平成25年5月
20日資料より転記
8
化学物質管理に関する主な国際条約
• 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)
• 国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤につ
いての事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダ
ム条約(PIC条約)
• 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関する
バーゼル条約
• オゾン層破壊物質の規制に関する国際枠組み(ウィーン条約・
モントリオール議定書)
• 水銀に関する水俣条約
– 水銀添加製品の製造および輸入の禁止等の規制。*伝統的、宗教的用途
などの除外製品有
– 付属書A:製造・輸出入が禁止される水銀添加製品
• 電池(水銀含有2%未満のボタン電池等を除く)、スイッチまたはリレー(除外有)、30ワット以
下の一般照明用コンパクト蛍光ランプ(水銀含有量の限定あり)、一般照明用の直管蛍光ラ
ンプ(水銀含有量の限定あり)、一般照明用の高圧水銀蒸気ランプ、電子ディスプレイ用の
冷陰極蛍光ランプと外部電極蛍光ランプ(サイズ等の限定あり)、水銀の含有率が1ppmを超
える化粧品(皮膚用石けんとクリームを含む)農薬、殺虫剤、殺菌剤、非電化型計測機器
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9
法規制対応:官庁承認を得るプロセス
• 各国のお役所に、物事を決めてもらいます
• 規制は日々変わります、最新情報を
• 官庁の運用は担当官により異なることがあります
• 有る物品の有害性だけでなく、その物品のとらえ方
まで、各国の定義によって異なってきます
どの国のどの規制たちに対応するのか?
同じ物が国境を越えたら別な扱いになる
2014/11/21
10
各国の化学物質管理規制と動向
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11
化学物質に関する規制の概要(日本)
PCB関連法、水銀条約国内法は広い枠組みになる
電気事業法、PCB廃棄物処理特措法
平成24年4月27日
経済産業省 化学物質管理課資料
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12
化審法の体系(平成23年4月1日~ )
○上市前の事前審査及び上市後の継続的な管理により、化学物質による環境汚染を防止。
上市
第一種特定化学物質
(30物質)
難分解・高蓄積・人への長期毒性又
は高次捕食動物への長期毒性あり
新規化学物質
監視化学物質
(37物質)
事
前
審
査
難分解・高蓄積・毒性不明
放環
出境
を中
回へ
避の
等使
にを用
把
握詳状
細況
・製造・輸入許可制(必要不可
欠用途以外は禁止)
・政令指定製品の輸入禁止
・回収等措置命令 等
・製造・輸入実績数量、詳細用
途等の届出義務
・ 製造・輸入(予定及び実績)
第二種特定化学物質
(23物質)
人健康影響・生態影響のリスクあり
優先評価化学物質
(160物質)
高濃縮でなく低生産
(年間10トン以下)
少量新規
(年間1トン以下)
中間物等
(政令で定める用途)
低懸念高分子化合物
事
前
確
認
等
一般化学物質
(およそ28,000物質)
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数量、用途等の届出
放環
出 境 ・ 必要に応じて予定数量の変
を中
更命令
抑 へ ・ 取扱についての技術指針
制 の ・ 政令指定製品の表示 等
詳 用 有 ・ 製造・輸入実績数量・詳細用
細状害
途別出荷量等の届出
に況性
・
有害性調査指示
把等や
・
情報伝達の努力義務
国 握を使
が
リ
ス
ク
評
価
大使
ま用
か状
に況
把等
握を
・ 製造・輸入実績数量、
用途等の届出
経済産業省化学物質
管理課平成25年5月
20日資料より転記
13
13
政令指定製品
第一種特定化学物質(抜粋)
政令指定製品(抜粋)
1.ポリ塩化ビフェニル
一
三
四
六
潤滑油、切削油及び作動油 二 接着剤、パテ及び閉そく用又はシーリング用の充てん料
塗料 (水系塗料を除く。)、印刷用インキ及び感圧複写紙
液体を熱媒体とする加熱用又は冷却用の機器 五 油入変圧器並びに・・・コンデンサー
エアコンディショナー、テレビジョン受信機及び電子レンジ
2.ポリ塩化ナフタレン
一 潤滑油及び切削油
(塩素数が三以上のも の 二 木材用の防腐剤、防虫剤及びかび防止剤
に限る。)(POPS条約→2~8)
三 塗料(防腐用、防虫用又はかび防止用のものに限る。)
6.ビス(トリブチルスズ)
=オキシド
一 防腐剤及びかび防止剤
二 塗料(・・・生物の付着 防止用のもの)及び印刷用インキ
三 漁網
10.2-(2H-1,2,3-
ベンゾトリアゾール-2-イ
ル)-4,6-ジ-ターシャ
リーブチルフェノール
一
四
七
二
化粧板 二 接着剤、パテ及び・・・充てん料 三 塗料及び印刷用のインキ
ヘルメット 五ラジエーターグリルその他の自動車の部品 六 照明カバー
保護用眼鏡のレンズ及び眼鏡のフレーム 八 防臭剤 十一 インキリボン 十
印画紙 十四 管、浴槽その他のプラスチック製品(成形したものに限る。)
11.PFOS又はその塩
一
三
五
八
航空機用の作動油 二 糸を紡ぐために使用する油剤
金属加工用エッチング剤 四 半導体の製造に使用するエッチング剤
メッキ用の表面処理剤 六 半導体の製造に使用する反射防止剤 七研磨剤
消化器、消化器用消火薬剤 九 防虫剤(しろありの防除) 十 印画紙
30.ヘキサブロモシクロ
ドデカン
一繊維用難燃処理薬剤 二難燃性EPS用ビーズ
三防炎生地・防炎カーテン
(自動車部品(難燃性カーファブリック等)・自動車は指定されない)
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化審法化学物質審査小委員会25
年10月4日資料より転記抜粋14
化学物質排出把握管理促進法(化管法)
○ 目的 PRTR制度及びSDS制度を柱として、事業者による化学物質の自主的管理の改善を促進し、環境の保全
上の支障を未然に防止する。
・PRTR: Pollutant Release and Transfer Register (化学物質排出移動量届出)
・SDS: (Material) Safety Data Sheet ((化学物質)安全性データシート)
PRTR制度
• 人の健康や生態系に有害なおそれが
ある化学物質について、環境中への
排出量及び廃棄物に含まれての移動
量を事業者が把握し、国に報告。
• 国は、事業者から届出された排出量・
移動量の集計結果及び届出対象外の
推計排出量を併せて公表。
<対象化学物質>
第一種指定化学物質(462物質)が対象。
<対象事業者>
• 対象業種 : 政令で指定する24業種を営む事業者
SDS制度
• 有害性のおそれのある化学物質及び
当該化学物質を含有する製品を、事業
者間で譲渡・提供する際に、化学物質
の性状及び取扱い情報を提供すること
を義務づける制度。
• 化学物質の適正管理に必要な情報提
供を義務づけ、事業者による自主管理
を促進する。
<対象化学物質>
第一種指定化学物質(462物質)及び第二種指定化学物質
(100物質)が対象。
製造業:化学工業、輸送用機械器具、金属製品製造業等
<対象事業者>
• 従業員数 : 常用雇用者数21人以上の事業者
• 対象業種・従業員数・取扱量等に関わらず、対象物質及び対
象物質を1質量%以上(特定第一種指定化学物質の場合は
• 取扱量等 : 第一種指定化学物質の年間取扱量が1t以上
0.1質量%以上)含有する製品を国内において他の事業者に
(特定第一種指定化学物質の場合は0.5t以上)
譲渡・提供する事業者が対象。
ある事業所を有する事業者等
経済産業省化学物質
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管理課平成25年5月
15
15
20日資料より転記
関係法令間の整
合化をとっている
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16
16
製品含有化学物質に関する規制(代表例)
2005
2006.7
2015
2010
2007.6
2013.1 2013.9
欧州
RoHS指令 REACH規則
2007.3
RoHS2 殺生物剤規則
2010.10
中国
中国版RoHS
新化学物質環境管理弁法
2008.1
2012.5
アジア
韓国RoHS
2007.7
韓国化管法改正
K-REACH
インドRoHS
ベトナムRoHS
2013.10
タイRoHS
米州
加州SB50規制
加州グリーンケミストリー法
17
化学物質に関する規制の概要(欧州)
平成24年4月27日
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2014 All right reserved
経済産業省 化学物質管理課資料
18
欧州における違反事例
検索エンジンで”RAPEX”と検索
RoHS指令、REACH規則SVHC情報伝達の違反事例が特に多いわけではない
⇒玩具指令やREACH制限違反にも気を付けたほうがいい
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経済産業省化学物質規制と我が国
企業のアジア展開に関する研究会資
料より転記
19
欧州RoHS指令
(2006年7月施行・2011年7月改正)
内容
■電気・電子機器に対して特定有害物質の使用を制限する欧州連合(EU)による指令
■廃棄物処理での有害物質による被害防止を目的とし、2006年7月から施行
■対象6物質が基準値を超えて含まれた製品をEU加盟国内において上市できない。
■「EU適合宣言書(CEマーク)および技術文書」の作成・保管を義務化
■対象製品は「すべての電気・電子機器」(適用除外品あり)
http://eurlex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=CELEX:3201
主な義務と開始時期
1L0065:EN:NOT
対象物質
要求事項
製品への下記6有害物質の含有禁止
対象物質
① 鉛 ② 水銀 ③ カドミウム ④ 6価クロム
特定臭素系難燃剤(⑤ PBB ⑥ PBDE)
対象品目
適用時期
電気・電子機器のすべての品目
(94品目:適用除外品あり、順次動きます)
改正により2013年1月から変更され、カテゴリー8.
医療関連機器は、2014年7月22日適用開始、体外
診断用医療機器(IDV)が2016年7月22日適用開始
2019年7月カテゴリー11(その他の電気電子機器)
への適用開始が決まっている。
最大許容濃度*)
Pb
Hg
Cr6+
PBB
1000 ppm
(0.1%)
PBDE
Cd
100 ppm(0.01%)
*)均一物質(homogeneous)の中の含有量
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20
改正RoHSの変更点(1)
2012.6.6
Copyright経済産業省
© JEMAI 2014
All right reserved
第4回改正RoHS指令関連工業会合同勉強会用資料より
21 21
改正RoHSの変更点(2)
• 適用製品の範囲
– 少なくとも一つの意図する機能を実現するため、電流もしく
は電磁場を必要とする
• 適用除外項目の管理
– 対応している適用除外を明確にしておく必要がある
• Annex Ⅲ, Annex Ⅳ(付属書Ⅲ、Ⅳ)に用途適用除外
– Annex Ⅲ(付属書Ⅲ) 全カテゴリー
– Annex Ⅳ(付属書Ⅳ) 医療機器と監視及び制御機器用
• 新規物質の追加が以前よりは容易
• 新規物質の追加の動向は
• 用途適用除外の動向は
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22
改正RoHSの変更点(3)
• RoHSに対する適合宣言が必要
• RoHSに適合している場合はCEマーキングを貼り付け
– 当然ながらCEマーキングで満たすべき他の指令も満たす必要が
ある
• 適合宣言書を作成 10年保管
• 技術文書を作成 10年保管
– 整合規格はEN 50581:2012
Technical documentation for the assessment of electrical and electronic products
with respect to the restriction of hazardous substances
(有害物質の制限に関する電気・電子機器の評価のための技術文書)
• 第三者認証は他の指令のCEで要求されない限り不要
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23
欧州REACH規則
*登録のない物質は上市禁止
REACH とは
http://echa.europa.eu/web/guest/regulations/reach
Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals
2007年6月1日にスタートした欧州の総合的な登録・評価・認可・制限の規則
REACHの目的
人の健康・環境の保護/欧州化学産業の競争力維持向上 など
REACHの特徴
•
•
•
•
•
新規化学物質と既存化学物質の取扱いをほぼ同等にする
成形品に含まれる物質も一部は規制の対象とする
化学物質のリスク評価を産業界の義務にする
商流(サプライチェーン)を通じて物質の安全性・取扱い情報を共有する
同一化学物質の取扱い業者は安全性のデータを共有する
登録
事業者が、欧州での製造・輸入量が年間1トン以上の「化学物質」を登録
評価
欧州化学品庁(ECHA)が、登録書類を評価/物質そのものを評価
認可
ECHAが、高い懸念のある物質(SVHC)を対象に、製造・使用等を認可
制限
ECHAおよび各国の政府が、リスク評価結果を基に製造・上市・使用を制限
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24
REACH規則の高懸念物質(SVHC) とは?
高懸念物質 (Substances of Very High Concern):
規制候補物質として当局 (ECHA) が指定
将来所定の手続を得て認可の対象になる可能性
• 発がん性、変異原性、生殖毒性 (CMR物質)
• 残留性、生体蓄積性、有毒性 (PBT物質)
• 非常に残留性高、非常に生体蓄積性高 (vPvB物質)
など
2014年9月30日現在、155物質が公表されている
http://echa.europa.eu/web/guest/candidate-list-table
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25
REACH規制対象物質の種類
種類
規制内容
物質数
一般的な登録物質
欧州での製造・輸入量等に応じて登録期
限までに登録
約3万~5万物質
優先評価化学物質
(優先的に加盟国が評価中)
152物質(高生産量・各
国の要望等で選定)
SVHC候補物質
(加盟国が提案)
認可対象候補物質
SVHC(高懸念物質)
認可対象物質
制限物質
意外なものが入る
ことは減ってきた
情報伝達、用途登録
155物質(クロム化合物、
コバルト化合物等)
認可された用途以外使用禁止
期限を迎えると全面使用禁止
31物質(フタル酸エステ
ル類、HBCD等)
制限された用途のみ使用禁止
105物質群(アスベスト類、
トルエン等)
認可された上市や使用
認可対象物質
Copyright ©
制限された上市や使用
制限物質
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経済産業省化学物質
管理課平成25年5月
20日資料を転記修正
26
26
他の欧州における規制
その他の主要規制
・CLP規則(GHSに基づく分類、表示、包装および届出。)
・ELV指令(使用済み自動車に関する指令):有害物質規制あり(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム)
・包装廃棄物/WEEE/ErP 指令
・化粧品規則
・自動車エアコン(MAC)指令、Fガス規制の動き
経済産業省化学物質
管理課平成25年5月
20日資料より転記
殺生物性製品規則
・殺生物性製品指令(BPD:98/8/EEC):殺生物製品のEU加盟国内での使用のための認可・
殺生物剤
上市、殺生物製品に使用できる活性物質ポジティブリストの作成等を規定
を減らそう
・第5次再審査規則での審査状況:>1,500の活性物質と製品分類(PT)の組み合わせを審 とする意図
査、承認済数十件、不承認>1,000件、評価中約430件。承認済みの場合期間内、評価中 がある?
の場合不承認決定まで使用可能。不承認の場合、移行期間終了後上市が禁止される
PT9(繊維、皮革、ゴム、ポリマー保存剤)承認1件不承認101件、評価中三十数件。
・改正殺生物製品規則(BPR:(EC)No528/2012):
域外では、処理に使う活性物質の情報
をどのように入手できるか?
適用範囲を殺生物製品で処理されたアーティクル(TA)に拡大
(域外では殺生物製品の規制が異なる)
ラベル表示要件等を追加
TAに使用する殺生物製品の活性物質とPTが承認されないと移行期間後上市できない。
27
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申請費用の負担は?
中国における規制
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28
経済産業省化学物質規制と我が国
企業のアジア展開に関する研究会W
G平成25年5月16日資料より転記
28
タイ・韓国の化学物質規制の強化
化評法と合わせ運用強化
製品内含有化学物質の申
告・情報提供から、使用時
に化学物質を流出しない
アーティクルを除外
29
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経済産業省化学物質規制と我が国企業のアジア展開
に関る研究会WG平成25年5月16日資料より転記す
29
東南アジア等の工業化学品規制の概要
(タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、シンガポール、フィリピン)
•
東南アジアでは、TSCAや化審法/化管法のような総合的化学物質規
制法を運用できている国はほとんど無い。現状は国際条約や国連輸送
規則などで管理されている危険有害性が高い物質をリスト化してハザー
ド規制を実施している場合がほとんどである。
•
新規化学物質届出制度は、フィリピンで制度が運用されている(実態と
しては先行9地域のような国家化学品リストがあるわけではないが)、及
びベトナムで枠組みが公布されている(下位法令が未公表で運用実態が
ない)以外には、ほぼ未整備であり、実効は無いと考えられる。
•
全般に、化学品規制の基本法とGHS関係の規制制度に対して積極的
に対応している国が多い。
•
製品含有化学物質規制については、電気・電子製品の製造に関係す
ると思われるタイとベトナムには、EURoHSとほぼ同一の6物質規制制
度が存在する。
(インド)
• インド共和国は28の州と7の連邦直轄地からなり、工場法では下位規定
を 各州が制定することを認めているため国単位では規制が統一されな
い
• EUのRoHS規制に相当する規制がある。
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30
化学物質に関する規制の概要(米国)
有
害
物
質
放
出
イ
ン
ベ
ン
ト
リ
ー
(
T
R
I
)
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JEMAI 2013 All right reserved
平成24年4月27日
経済産業省 化学物質管理課資料
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31
米国の特徴
 法規制そのものによる供給停止はほとんど起こらない
 裁判で争うため、状況が差し迫ったリスクがあるか/
禁止によるベネフィット喪失との比較等が問題になる
 法的には、EPAはアスベストの禁止の妥当性につい
て訴訟を受け、TSCA6条の禁止ができなかった
 ただし、企業は差し迫ったリスクの恐れが知られてい
ないか、他国での合理的規制がないかなどに気を
配っておかないと、損害賠償訴訟を受け懲罰的賠償
などを受ける恐れがある
アメリカでは、自発的にリスクを管理する必要がある
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32
製品含有化学物質管理に関する
企業の対応と国内動向
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33
各種規制を受けて企業の対応は
• 社内に化学物質の管理システムを構築
– 製品のそのほかの規制に対応するのと同じ
• 取引先に自社が規制に対応するための情報と管理
を求める
– グリーン調達基準を提示
– 納入禁止時期を示す
– 各種情報の収集を求める
• 自分の会社でどの程度管理すべきかは、自分で決
める(ビジネス要件となる場合も)
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34
製品含有化学物質の管理
JIS Z7201:2012「製品含有化学物質管理―原則と指針」のポイント
 サプライチェーン全体で取り組むべき製品含有化学物質の管理要件をとりまとめたもの
 川上・川中・川下の各事業者が製品含有化学物質を管理する仕組みを構築・維持・改
善する際に、拠り所とすることができる。
 製品含有化学物質に対する規制対応のためのサプライチェーンにおける情報の
授受の基礎
 想定される利用場面
 自組織における製品含有化学物質管理の仕組みの構築
 供給者における管理の状況の確認
 顧客への管理の取り組みの説明・アピール など
 マネジメントシステム規格ではないが、PDCA形式で管理体系がまとめられている。そ
のため、ISO 14001やISO 9001等のマネジメントシステムとの親和性が高く、既存の仕
組みを活用して、製品含有化学物質管理に取り組むことができる。
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35
製品含有化学物質管理ガイドライン 第3版
http://www.jamp-info.com/dl
各部門が連携・協同し、情報共有を円滑に進めるために自社で行うべきこと
①
②
③
④
⑤
⑥
製品含有化学物質の管理基準を明確にする
設計・開発の段階から製品含有化学物質管理に配慮する
調達品の製品含有化学物質を管理する
製品含有化学物質の観点から製造工程を管理する
製品含有化学物質の観点から変更を管理する
自社製品の含有化学物質情報を提供する
自社
仕入先&自社の管理強化
材料・部品の調達
製品競争力の強化
経営
製品のPR・販売
総務
調達
仕入先
顧客
営業
化学物質の
情報収集
設計
製造
化学物質の
情報伝達
社内経営基盤としての管理水準向上
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製品含有化学物質規制対応のための主要な取組み
化学品
分野
鉄鋼製品
分野
情報授受のための
情報システム
情報授受のための
書式
情報授受のための
情報項目
製品含有
対象物質リスト
自動車
分野
電機・電子
分野
JAMA/JAPIA
(MSDS)
SSDS
(法規制、
RC活動等)
JGPSSI調査
回答ツール
電子回路・
基板分野等
(JAMP)
(EU発)
(米国発)
JAMP AIS
IEC 62474
(IEC Database
62474)
GADSL
(成形品)
(原案作成委員会:日本化学工業協会、日本鉄鋼連盟、日本アルミニウム協会、日本表面処理機材工業会、
電機・電子4団体、日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、JGPSSI、JAMP、JQA、JEMAI)
製品含有化学物質管理
ガイドライン
(第2版、JGPSSI /JAMP)
【QC 080000 (IECQ HSPM)】
QMS中での有害物質プロセスマネジメント
【IEC/TR 62476】
使用制限物質に関する製品評価ガイダンス
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BOMcheck
IPC-1752
(JIGベース)
JAMP管理対象
物質リスト
JIS Z 7201:2012 製品含有化学物質管理-原則及び指針
製品含有化学
物質管理
RosettaNet
JAMP MSDSplus
(化学品)
(SDSとMSDSplus)
統一
データシート
(日本国内)
医療機器
分野等
JAMP-IT
IMDS
SDS
業界横断
組織
※ サプライチェーンにおけ
る製品含有化学物質の
管理と情報伝達に関わ
る代表的な取組みを整
理した。
それぞれの取組みの普
及・活用状況は異なる。
QC 080000
(IECQ HSPM)
ICE/TR 62476
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製品化学物質情報伝達について
我が国の現状-標準化が最大の課題
ルール・標準※が確立されていないため、川上、川中企業は、顧客毎に異なる
方法で情報を要求され不効率(知識不足が原因の過剰な要求も多い)。
加えて、サプライチェーンの中途で情報が途切れる場合には、その下流側企業
が高額な分析を要求されることも多い。
【化学物質対応コスト】
【情報共有スキームの利用状況】
企業が負担している管理コスト
(大企業65社、中小企業74社の平均値)
(万円/年)
~過半数は川下独自のスキーム~
顧客から要求される様式の割合
(中小企業164社複数回答あり)
JAMP
19%
その他(自社独自様
式)
64%
JGPSSI-JIG
11%
IMDS
6%
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(出典: 平成23年度経済産業省委託調査 製品含有化学物質の情報伝達の実態に関する調査)
経済産業省化学物質
管理課平成25年5月
20日資料より転記
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サプライチェーンを通じた情報伝達の現状
 製品含有化学物質規制は、欧州、米国、アジア諸国など世界各地域で導入・強化されつつある。
 サプライチェーンの分業で製造される製品の規制遵守は、企業間で伝達される情報に大きく依存。
 各企業は、自社製品が直接的に関わる規制に対応するだけでなく、自社製品を供給するサプライ
チェーンを通じて関係する規制にも、ビジネス上、間接的に対応する必要。
 サプライチェーンを通じた情報伝達の取組は進展しているが、以下のような原因により、未だ円滑
に伝達されているとは言い難い状況。
川上(化学品)
川中(化学品→成形品加工)
川下(成形品・最終製品)
データフォーマットが複数
川上の企業規模が
情報入手が遅い/
あり、データ入力が非効
一部の混合物の含 大きく、情報提供 マンパワー不足、反
精度が高くない
応工程を経た化学物 率。特に、個社フォーマッ
有物質情報が企業 を依頼しにくい
質の認識に差がある
トの負荷が過大
機密となっており、
サプライヤへの説明・
公開できない
海外のサプライヤから情報
商社が介在する場合、情報伝達 研修の負荷が大きい
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が提供されない
が滞る/途切れるケースがある
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製品化学物質情報伝達(国の対応)
• 化学物質規制と我が国企業のアジア展開に関する
研究会
– 目的:国際的な化学物質規制の拡大に適切に対応し、サ
プライチェーンがグローバル化する中で、我が国企業のア
ジア展開にかかる諸課題について検討すること。
– 情報共有WGの設置・検討(平成25年5月~26年3月)。
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seisan/kisei/report_002.html
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/other/cip_index.html
【研究会・WGの体制】
アジア展開に関する検討会
<座長:安井 至(NITE理事長)>
情報共有WG
<主査:深川 由起子(早稲田大学政治経済学術院教授)>
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ご清聴ありがとうございました
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