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平成24年度事業報告 - 公益財団法人 科学技術交流財団
平成24年度事業報告 公益財団法人科学技術交流財団 目 次 平成24年度事業実施状況 ・・・・・・・・・・・・・1ページ 公1 研究交流事業 (1)研究交流クラブ事業 ・・・・・・・・・・・・・・2ページ (2)研究会事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・5ページ (3)異業種技術交流支援事業 ・・・・・・・・・・・12ページ (4)技術普及推進事業 ・・・・・・・・・・・・・・13ページ 公2 共同研究・成果普及事業 (1)共同研究推進事業 ・・・・・・・・・・・・・・14ページ (2)科学技術コーディネート事業 ・・・・・・・・・17ページ (3)企業連携技術開発支援事業 ・・・・・・・・・・18ページ (4)重点研究プロジェクト事業 ・・・・・・・・・・19ページ (5)知的クラスター創成事業 ・・・・・・・・・・・22ページ (6)基盤技術高度化支援事業 ・・・・・・・・・・・27ページ 公3 教育研修事業 (1)技術経営研修事業 ・・・・・・・・・・・・・・31ページ (2)科学技術コーディネータ育成事業 ・・・・・・・31ページ 公4 情報提供事業 (1)情報誌の発行及びホームページへの情報掲載事業 ・・・・・・・32ページ (2)ネットワーク利用連携事業 ・・・・・・・・・・32ページ 公5 シンクロトロン光利用施設運営事業 ・・・・33ページ 総合企画活動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・40ページ 平成24年度事業実施状況 平成 24 年度は、 日本人のノーベル生理学・医学賞の受賞、 種子島宇宙センターからの H-IIA ロケットの 16 回連続打ち上げ成功など、改めて日本の科学技術力の高さを示した一方で、 原子力発電所の停止による次世代エネルギーへの期待の高まりなど、激動する社会経済情勢 の中で、科学技術に求められる課題を再認識する契機ともなった。 このような状況下で、当財団は最先端の研究開発環境を整えた「知の拠点あいち」におい て、中期活動方針に基づいて、地域の科学技術の向上、産業振興の発展のため、幅広く事業 に取り組んだ。 第一には、地域の産・学・行政の研究者・技術者等の交流を基盤とした研究交流事業、共 同研究推進事業など、基礎的な位置づけとなる基本事業を着実に推進した。 第二には、そうした基本事業に加え、地域の科学技術研究をより一層活発化させるととも に、財団自身の飛躍への礎となるプロジェクトも積極的に展開した。 とりわけ、産業界や大学等から熱い期待を寄せられている「あいちシンクロトロン光セン ター」については、精力的に機器調整を進め、平成 25 年 3 月 22 日に供用を開始した。 また、重点研究プロジェクト推進事業については、任期付研究員の増員により研究体制を 強化するとともに、研究備品の充実により研究環境の整備を図った。 第三には、文部科学省等からの補助事業である「東海広域知的クラスター創成事業」を始 め、経済産業省からの受託事業である「基盤技術高度化支援事業」など、外部資金を活用し た事業についても、積極的に取組を進めた。最終年度となった「東海広域知的クラスター創 成事業」については、企業等による技術開発の成果を報告する成果発表会を行うとともに、 「Leti Day in NAGOYA」 、 「ISPlasma2013」等の実施により、グローバルな産学官連携の 推進に貢献するなどして、5 年間の事業を終了した。 これらの事業は、企画運営委員会、中小企業企画委員会及びシンクロトロン光利用施設運 営委員会の調査審議を踏まえるとともに、これまでどおり効率的・効果的な経費の執行を旨 として、財団の総力を結集して取り組み、地域の科学技術振興と産業の活性化に貢献した。 1 公1 研究交流事業 (1) 研究交流クラブ事業 既存の組織・分野の枠を越えたハイレベルな交流や優れた業績を有する研究者との交 流を図るため、産・学・行政の研究者・技術者などの会員で構成する「研究交流クラブ」 を設置し、講演会、見学会及び交流会を定期的に開催するとともに、科学技術に関する 情報提供を行った。 ① 例会の開催状況 開催回数 7回 〔講演会:5回 見学会:2回〕 参加者数 延べ 575名 〔1回平均 82名〕 ② 情報提供、催事案内 ・ 情報誌「科学技術交流ニュース」の提供 ・ 成果報告会等の開催案内 ・ プロジェクトや研究会の募集案内など (3回) (随時) (随時) ③ 会員数 718名 〔平成25年3月末日現在〕 図1.会員数推移と新規入会者数 図2.産・学・行政他別内訳 [各年度末日現在] [平成25年3月末日現在] (名) 1000 924 863 882 817 911 776 771 827 887 883 718 832 813 697 726 694 706 606 800 600 369 369 237201 185 127120130 200 63 58 73 67 50 64 77 61 38 30 34 47 0 新規入会者数 会員数 2 産業 界 45% 学界 38% H24 H23 H22 H21 H20 H19 H18 H17 H16 H15 H14 H13 H12 H11 H10 H09 H08 H07 H06 400 行政 他 17% 産業界 学界 行政他 研究交流クラブ活動状況一覧表(1) 定例会 内容 項目 実施日 6月7日 場所 第147回 出席者数 38名 「知の拠点」(愛知県豊田市、瀬戸市)、東明工業株式会社(知多市) 【見学会】 「知の拠点」と「航空機工場」見学会 内容 ●見学先1:あいち産科技センター(豊田市八草町),シンクロトロン光センター(瀬戸市南山口町) ●見学先2:「東明工業株式会社」(知多市新刀池) 実施日 7月12日 場所 出席者数 123名 名古屋銀行協会 【講演会】 「「燃料電池自動車の普及に向けて」」 第148回 ●講演1:「トヨタにおけるFCV開発状況と2015年普及開始に向けた取組」 内容 トヨタ自動車株式会社 技術統括部 主幹 三谷 和久 氏 ●講演2:「水素ステーション整備に向けた東邦ガスの取組」 東邦ガス株式会社 技術研究所 次長 岡田 耕治 氏 実施日 8月31日 場所 出席者数 95名 名古屋銀行協会 【講演会】 「愛知の発明の日」協賛「平成23年度完了共同研究推進事業成果発表会」 ●講演1:「原発事故の教訓と今後のエネルギー問題」 東京大学 大学院工学系研究科 堀尾 健太 氏 ●講演2:「エネルギー問題に対する超電導技術導入の可能性」 第149回 東京大学大学院工学系研究科 准教授 下山 淳一 氏 内容 ●平成23年度完了「共同研究推進事業」成果発表 1.「液状醸造食品の総合的高度利用を可能にする吸着性セラミックスを活用した 低炭素型製造技術の開発」 あいち産業科学技術総合センター 食品工業技術センター 主任研究員 近藤 徹弥 氏 2.「ナノハイブリッド化に基づく高エネルギー密度型分子クラスター電池の開発」 名古屋大学 物質科学国際研究センター 教授 阿波賀 邦夫 氏 3 研究交流クラブ活動状況一覧表(2) 定例会 内容 項目 実施日 10月26日 場所 第150回 出席者数 44名 ファイザー・ファーマ株式会社(愛知県武豊町)、盛田株式会社(常滑市) 【見学会】 「製薬工場」と「知多の酒と味」見学会 内容 ●見学先1:「ファイザー・ファーマ株式会社」(愛知県武豊町) ●見学先2:「盛田株式会社」(愛知県常滑市) 実施日 11月30日 場所 出席者数 76名 ホテル ルブラ王山 【講演会】 「バイオテクノロジーの震災復興への活用」 (NPOバイオものづくり中部,地域イノベーション戦略支援プログラムと共催) ●講演1:「再生可能エネルギーとしてのバイオエタノール ~現状と展望~」 第151回 岐阜大学応用生物科学部 教授 高見澤 一裕 氏 内容 ●講演2:「高糖性高バイオマスソルガムの育種開発とその利用の可能性」 名古屋大学 生物機能開発利用研究センター 准教授 佐塚 隆志 氏 ●テーマディスカッション:「バイオテクノロジーの震災復興への活用」 座長:名古屋大学産学官連携推進本部 連携推進部長・教授 武田 穣 氏 実施日 平成25年1月31日 場所 出席者数 116名 名古屋銀行協会 【講演会】 (第25回中部科学技術交流会) 「-これからの発送電を考える-」 第152回 ●講演1:「浮体式洋上風力発電への取組み」 内容 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授 鈴木 英之 氏 ●講演2:「マイクロ波無線送電技術への取組み」 京都大学 生存圏研究所 准教授 三谷 友彦 氏 実施日 平成25年2月5日 場所 出席者数 83名 あいち産業科学技術総合センター 【講演会】 「イノベーションで新たな社会を切り拓く」 第153回 ●基調講演:「脳の中の経済学~“神経経済学”で人間の行動を理解する~」 内容 大阪大学 社会経済研究所 准教授 田中 沙織 氏 ●愛知県若手研究者イノベーション創出奨励事業 第7回「わかしゃち奨励賞」 優秀提案発表会・最優秀賞選考会 4 (2) 研究会事業 新しい科学技術の芽を創出するため、公募を経て採択された研究テーマについて、産・ 学・行政の研究者、技術者等で構成する研究会を開催した。 ① 研究会活動 25研究会 平成23~24年度:12研究会 研究会数 平成24~25年度:13研究会 開催回数 延べ 78回 化学・材料 情報・エレクトロニクス 機械システム 医療・福祉 文理融合 エネルギー バイオテクノロジー その他 :6研究会 :4研究会 :1研究会 :3研究会 :1研究会 :5研究会 :2研究会 :3研究会 〔1研究会平均:3.1回〕 ② 研究会構成員数等 構成員数 (25研究会) 参加者数 計757名 〔1研究会平均:30.3名〕 延べ 1,260名 産 業 界:348名 学 界:299名 行 政 他:110名 〔1回平均:16.2名〕 5 6 研 究 会 の 概 要 化学・材料 (敬称略) 1 X線マイクロトモグラフィーを利用した構造材料の信頼性向上 [豊橋技術科学大学機械工学系 教授 戸田 裕之] 鋳造・焼結材のポロシティー、溶接欠陥、複雑形状の鋳造・焼結材の実製品形状等を対象とし、これを 汎用X線トモグラフィー装置で可視化する。さらに、これを機械的性質と対応付け、高度な信頼性保証 を実現する。 3D/4Dイメージングは材料・機械工学では利用されておらず、企業にもプロパーがいない。そこで、 技術のレクチャーから始め、トライアルなどを通じてこの技術に親しんでもらう。これにより、この技 術を現業に活用していただきたい。 2 バイオマス由来有機材料設計研究会 [名古屋工業大学大学院工学研究科 准教授 高須 昭則] 石油原料価格の急激な高騰により、安定した高分子有機材料の供給が困難であり、高分子化学技術に裏 付けされたプラスチック産業が脅かされている。そこで企業ニーズおよび日本が掲げた平成23年度科 学・技術重要施策アクション・プランに准じた「バイオマス由来有機材料設計研究会」の設立を提案す る。研究会では、バイオマスをはじめとする未利用資源を議論し、材料科学のみならず、石油原料の枯 渇、CO2排出量の低減など環境科学との接点も深めたい。 3 ものづくりを革新する新しい触媒研究会:有機分子触媒からクロスカップリング金属触媒まで [名古屋工業大学大学院工学研究科 教授 柴田 哲男] ものづくり産業を支えてきたのは、材料である天然資源を主役だと例えるなら、触媒はわき役であろう か。しかし現実には触媒こそが、自動車部品や化成品の合成から産業廃棄物の処理まで、ものづくりに 関わる上流から下流までの全過程において登場するだけでなく、その製造コストを左右する経営の心臓 部でもある。その触媒研究がここわずか数年の間に大きな変貌を遂げつつある。本会ではものづくりを 革新する触媒、特に有機分子触媒や金属触媒について討議する。 4 π共役系有機エレクトロニクス材料の開発・応用に関する研究会 [愛知工業大学 工学部電気学科 教授 森 竜雄] 本研究会では、有機EL素子、太陽電池、有機FET、カーボンナノチューブなどのπ共役系有機薄膜 電子デバイスをキーワードに、物質合成、デバイス開発、評価技術の諸分野に係わる。また本分野が、 応用物理・電子工学・化学・材料・表面科学と多分野にまたがる複合かつ境界領域を含むことも特徴と する。本研究の進展は東海地区の新規産業に大きく寄与するものと考えられる。 5 有機太陽電池・人工光合成研究会 [名古屋工業大学大学院工学研究科 教授 青木 純] 化石燃料の枯渇・地球温暖化問題を解決し、持続可能な社会を構築するために再生可能エネルギーのひ とつである太陽エネルギーの利用や水素エネルギー社会の実現が必要である。また、化石燃料はエネル ギー源としてのみでなく化学原材料としての側面もあり、再生可能な化学原材料を生産するプロセスを 検討する必要がある。本研究会では、太陽光により励起したエネルギーを化学エネルギーに変換する方 法について化学的、触媒的、生物学的観点から検討を試みる。 6 ナノ物質の高度集積化技術による新規機能性微粒子と革新的複合材料の創製 [豊橋技術科学大学電気・電子情報工学系 准教授 武藤 浩行] 本研究会では、提案する静電相互作用を用いたナノ物質の集積化・複合化技術(静電吸着複合法)を共 通の基盤技術とした、新規なナノ複合粒子、複合材料の製造手法を確立することを目的とする。また、 汎用性の高い技術であることから、電気・電子産業、ヘルスケア、食品等、の広範囲な業種への産業展 7 開の可能性を議論し、実用化の糸口を模索する。 情報・エレクトロニクス 7 高速移動体における広帯域無線通信実現に関する研究会 [名古屋工業大学大学院工学研究科 准教授 岡本 英二] 地上セルラに代表されるように無線通信システムの広帯域化が急速に進んでいる.これに伴い従来は 無線アクセスを行わなかった,高速移動時の通信の需要が徐々に高まってきた.しかし高速移動時は 伝搬路環境が不安定なため広帯域通信を実現することは技術的難易度が高い.そこで本研究では現在 まだ実現されていない航空機,列車,自動車のサービスリンクの広帯域化の実現を目的とし,そのた めに必要な要件の抽出,解決技術の構築を図る。 8 多次元センシング技術の実社会システムへの適用に関する研究会 [中京大学情報理工学部機械情報工学科 教授 橋本 学] 近年,環境・省エネ,ロボット生産,次世代輸送,介護・高齢者支援などの新産業分野が注目され, コア技術の創出と活用が望まれている.本研究会では,画像認識・計測,信号処理,人間・感性情報 処理などの多次元センシングを取り巻く諸技術に関する最新の研究状況とトレンドを探る.さらに, 有望視されている新分野のニーズを調査することによって両者の接点を分析し,今後加速すべき研究 課題と適用システムに関して討議する。 9 組み込み用 適応・学習アルゴリズムとその応用研究会 [中部大学工学部情報工学科 教授 山内 康一郎] 近年、アナログ電子回路の機能の一部をマイクロコンピュータで置き換えて回路の簡素化と高機能化 を図るケースが増えている。これに伴い、ソフトウエアの知能化が求められている。本研究会ではリ ソースの限られた環境で動作する学習・最適化等の知能処理アルゴリズムの最近の研究動向を紹介す る。そしてそれらの応用事例を概観してその利点と課題を明らかにし、組み込み機器への知能処理ア ルゴリズム適用法の探求と利用促進とを図る。 10 半導体・磁性材料と融合したモータ駆動制御システムの研究 [豊田工業大学電子情報分野 教授 藤崎 敬介] 電気モータ駆動システムは、電気自動車の普及に伴い益々その高効率小型化の要求は高まっている。そ のためにはこれまでのモータ制御システム研究をコアに、その構成要素である電力半導体および磁性材 料の視点での研究は重要であり、製造プロセスと合わせた更なる融合技術が必要である。本研究会では 電気工学分野だけではなく材料分野をも含めた一段と高レベルの融合技術に取り組み、システム全体の 高効率化だけではなく各要素技術および材料のあり方を考え新技術の創出を目指す。 機械システム 11 超精密マイクロ加工研究会 [中部大学工学部機械工学科 教授 鈴木 浩文] これまでデジタルカメラ,カメラ付き携帯電話などデジタルデバイスの急速な発展が見られたが,近年, マイクロタスなどの医療分野,半導体装置・検査分野,自動車分野,太陽光発電やLEDなどのエネルギ ー分野において,微細な超精密金型や成形品のニーズが増大している.本研究会では,このような新し い分野において必要な先端技術,すなわち,マイクロ工具,超精密機械,金型材,計測技術,加工シス テムなどについて研究する。 8 医療・福祉 12 高機能骨・関節等機能修復生体代替部材の開発と事業化に関する研究会 [産業技術総合研究所先進製造プロセス研究部門 研究グループ長 加藤 且也] 生体内で長期間(20年以上)耐久性のある人工骨や人工関節といった材料・部材が求められている。 そこで、生体代替部材(骨・関節・皮膚・等)の3D部材設計やアジア人体型に合わせたデザイン技術 など、高信頼性のための新規製造法開発について検討する。その後、医療現場で現在必要とされている 臨床ニーズとの摺り合わせを行うことで、早急に開発する必要性の高い「生体代替部材製品」のコンセ プトを高めていく。 13 医薬品や医療機器などの開発における臨床試験(治験)の実施の在り方に関する研究会 [名古屋大学大学院医学系研究科 准教授 吉田 佳督] 「医薬品や医療機器などの開発における臨床試験(治験)の実施の在り方」について関心を有する愛知 県を中心とした中部圏下の企業の参加を得ながら、年4回程度の研究班を開催し、テーマに関連する課 題について多角的に研究を進めながら得られたノウハウについては共有の財産としつつ中部圏下の臨 床開発の活性化を図ることを目的とするもの。また参加者の継続的な協力連携の礎を築くことを併せて 目的とする。 14 糖鎖科学中部拠点 [名古屋大学生物機能開発利用研究センター 教授 北島 健] 基礎生物学や基礎医学の研究成果を臨床現場に還元して国民の健康向上に役立てることが望まれてい るが、その実現は容易でないとの認識がある。その要因として、大学や研究所が発信する新たな発見や 情報の重要性や実用化の可能性が十分に検討・追求できていない現状がある。本研究会は、糖鎖科学研 究者と産業界が共通の問題意識の下で議論する場をもつことによって、潜在的な産業化の芽を開花する 準備をすることを目標とする。 文理融合 15 ローカーボン・プロダクツ研究会 [名古屋大学大学院工学研究科 准教授 小林 敬幸] 本研究会では,炭素排出量の評価法に,製品の性能によりもたらされる「炭素排出量低減量」を炭素排 出総量から差し引く「プロダクツ・カーボンオフセット」の概念と仕組みを導入し,低炭素に貢献する 製品とその貢献度を情報発信するための仕組みづくりを促進するための方策を議論し,具体化を図りた い.さらには,将来の低炭素型のものづくりの在り方を議論したい。 エネルギー 16 超伝導送電システム研究会 [中部大学藤原洋記念超電導・持続可能エネルギー研究センターセンター長・教授 山口 作太郎] 本研究会では直流超電導送電システムをどのように実際の送電網(給配電を含む)に組み込んで行くか、 また、そのために必要な技術とは何か、更にシステムを構成するコンポーネントの現状と今後の開発動 向について議論を行う。更に、311震災以後日本のエネルギー・セキュリティー向上がより高いレベル で求められるようになっていて、50Hz, 60Hzの電力融通や再生可能エネルギーの電力網への組み込みが 必然的になると考えられる。この課題を「直流」と「超伝導」の2つの観点から議論を行い、新しい提 言を行うことに努める。 9 17 エネルギーのサステイナビリティ具現に関する研究会 [名古屋大学大学院工学研究科 講師 出口 清一] エネルギーサステイナビリティー具現は、急務性・困難性とも最上位の課題である。本研究会座長は、 全エネルギー最終形態である熱(廃熱)からの実用的エネルギー回生が上記完遂に必須と至り、廃熱回生 シーズ群(水素創生・熱電発電・圧電発電)の基盤を形成した。本研究会では、これらシーズ群をコアと する革新的エネルギーシステムを構築し、V-SEAGS(Venture of Sustainable Energy And Green Systems) 創業の堅固なシナリオを確立する。 18 藻類バイオ燃料生産技術研究会 [名古屋大学大学院生命農学研究科 教授 小俣 達男] 微細藻類を用いたバイオ燃料生産の実用化のためには、培養に用いる肥料成分と細胞の回収コストの抜 本的な削減が必須であり、そのためには、①光合成活性を維持しつつ細胞の増殖を抑制し、②光合成産 物を細胞外に継続的に放出させることが重要である。本研究会では、この2点を実現する具体的な方法 を確立するため、「細胞増殖制御技術」と「有用物質の細胞外への搬送」の研究を進め、バイオ燃料生 産における有効性を検証してゆく。 19 マイクロフレームアレイ研究会 [中部大学工学部機械工学科 准教授 平沢 太郎] 燃焼バーナーによる加熱は,総合効率の高さから1次エネルギー消費の削減効果があるにもかかわらず, 電気・電磁波加熱に比べて利用範囲が限定的である.これは,バーナーによる加熱制御性が,電気・電 磁波加熱に比べ低いことに因るところが尐なくない.近年,微小拡散火炎を配列化した,マイクロフレ ームアレイによる燃焼方式が提案されており,その制御性の高さが実証されつつある.本研究会では, このマイクロフレームアレイがもたらす新たな燃焼利用機器の提案を目指し,その実用化への課題を研 究する。 20 洋上風力発電研究会 [名古屋産業科学研究所 上席研究員 林 農] 東日本大震災と原発事故は、既に進展していた陸上風力発電を後押しするだけでなく、実証試験に取掛 り始めた着床式洋上風力発電の開発を素っ飛ばして、一気に浮体式洋上風力発電の研究開発の着手へと 駆け上がる勢いである。この研究会は、将来的に日本の輸出産業の中心として数百兆円以上の市場が見 込まれる浮体式洋上風力発電を中部圏の新産業創出の発信基地として、関連する専門家が調査活動およ び共同研究開発を行うものである。 バイオテクノロジー 21 医学・創薬に向けた小型魚類モデル利用推進ネットワーク [名古屋大学生物機能開発利用研究センター 助教 橋本 寿史] 小型魚類は遺伝学や発生学の実験材料として適した特性を持っている。特にメダカには、ゲノムサイズ が小さく扱いやすい、遺伝的に異なる系統が多数存在する、など多くの利点がある。またヒト疾患と同 一の表現型を示す変異体も報告されている。本研究会ではヒト疾患モデルとして小型魚類を有効に活用 10 し医学・創薬研究に結びつけるため、様々な分野の研究者間での情報交換を進め、共同研究によるトラ ンスレーショナルリサーチを促進する基盤を構築する。 22 食品工場由来廃棄物からのファインケミカル生産 [中部大学応用生物学部 講師 金政 真] 食品工場から排出される廃棄物をバイオマス資源と捉え、これらを原料として有用物質を工業生産する ことができれば循環型社会の実現に向けて利点は多い。本研究会では、未利用廃棄物の調査を行い、微 生物や酵素を用いて樹脂など工業製品の原料へ変換することが可能か検討する。また、有用物質を含む 可能性があり成分分析の実施が望ましい廃棄物について絞り込みを行う。競争的資金への応募に向けて、 情報交換および研究計画の立案を行う。 その他 23 ジャイアントマイクロフォトニクス II [自然科学研究機構分子科学研究所 准教授 平等 拓範] 本研究会では、光の波長と同じマイクロメータオーダーで物質・材料特性を制御するマイクロドメイン 構造制御と光学機能の強調によりジャイアントな光を望む“ジャイアントマイクロフォトニクス”につ いて議論する。このためマイクロ固体フォトニクスの深化、さらに光波の極限的制御,高輝度化を目指 す基礎研究から光源の高性能化とダウンサイジングにより拓かれる環境・エネルギー、バイオ・医療分 野における新たな可能性につき調査する。 24 マイクロ・ナノ医療機器開発研究会 [名古屋大学大学院医学系研究科 教授 後藤 秀実] 近年、工学系技術の進歩が医療機器に導入され、その発展は目覚しい。この状況は消化器分野にも当て はまり、消化器疾患では患者への負担が尐ない低侵襲性の診断・治療が施行されている。さらに、医療 機器の高性能化と医療技術の高度化が進むにつれ、医療現場では新たなニーズが提案されているが、工 学系の技術者はそのニーズを知る機会が尐ない。本研究会では、医工連携によりこれらの問題を解決し 新たな医療機器開発をしたい。 25 アルツハイマー病診断・治療薬創出に向けた革新的探索系構築に関する研究会 [国立長寿医療研究センター研究所 副所長 柳澤 勝彦] 高齢者人口の増加にあいまって認知症患者数は増加の一途を辿っており、医学・医療の枠を超えた大き な社会的負荷となっている。なかでも、認知症の最大の原因疾患であるアルツハイマー病に関しては、 未だ根治的治療薬は開発されておらず、病態の進行を客観的に捕捉しうる診断薬の開発も端緒についた 段階である。本研究会は、アルツハイマー病の病態生理の理解の上に、標的に定めた分子に選択的に結 合する低分子化合物を探索し、診断・治療薬を創出する革新的手法を議論する。 11 (3) 異業種技術交流支援事業 新たな技術開発に係る異業種交流グループ相互の情報交換の機会を提供することによ り異業種交流を支援するため、新製品・新技術の紹介等を行う合同講演会や交流会を開 催した。 ① 合同講演会・交流会 開催日 4月26日 9月14日 12月7日 (敬称略) 場 所 内 容 参加者数 名古屋逓信会館 「私はこんなことを考えながら『強い町工 場』を創りました」 株式会社エーワン精密 取締役相談役 梅原 勝彦 27名 名古屋逓信会館 「中小企業ものづくり施策の動向」 中部経済産業局 製造産業課長 岩田 則子 29名 「中小企業の存続のために『何を考え、何を すべきか』-大企業のサラリーマンからオー ナー企業の経営者へ転進して見えてくるも キャッスルプラザ の-」 株式会社和井田製作所 代表取締役社長 岩崎 年男 20名 ② 技術交流プラザへの活動支援 プ ラ ザ 名 会員数 新 技 術 懇 話 会 17名 ハ イ テ ク あ い ち 16名 交流 プラ ザ・ 愛 知 11名 異業種交流の促進を通じ、会員企業の技術融合化の 取組を支援した。 ・月例会の実施 ・会員企業相互の企業視察 ・県外企業視察 ・意見交換会 等 12 (4) 技術普及推進事業 あいち産業科学技術総合センター等の技術シーズを始め、最新の技術、次世代技術、 基盤技術の動向等を紹介し、その技術移転を図るため、5分野の研究会を設置し、中小 企業の新技術、新製品開発を促進した。 分野別研究会 研究会名【開催回数】 開 催 内 容 参加者数 夢の材料グラフェンの新技術・新商品・新 グラフェンの基礎から事業展望につい 事業を考える研究会【3回】 て (6月27日、9月26日、12月5日) 55名 次世代ロボット産業研究会【3回】 (8月29日、12月6日、 平成25年2月8日) 次世代生活支援ロボットの開発・実用化 に向けた取組について 51名 モータ技術・規格調査研究会【3回】 産業用モータに関する国際規格と規制 (10月26日、12月17日 動向について 平成25年1月31日) 25名 炭素材料研究会【3回】 (11月6日、12月4日、 平成25年2月5日) 炭素繊維複合材料の用途や加工に関す 110名 る技術と炭素材料全般について 食品関連事業者のための「食品の安全・ 安心」研究会【3回】 食の安全・安心の確保について (11月27日、12月12日、 平成25年1月23日) 13 54名 公2 共同研究・成果普及事業 (1)共同研究推進事業 財団が定めた分野に沿った研究開発課題を主な対象として、公募を経て採択されたテ ーマについて、大学、企業等による共同研究活動を支援した(研究期間2年間)。本年度 は、平成23年度に採択された継続の2テーマと平成24年度に採択された2テーマを 実施した。 <財団が定めた分野> ・ 次世代自動車・航空宇宙分野(次世代自動車、航空宇宙) ・ 環境・エネルギー分野(次世代電池、スマートグリッド、低環境負荷モノづくり) ・ 健康長寿分野(医療・生活支援機器、再生医療、健康サービス) ・ 食農工分野(食品検査、高付加価値食品、植物栽培) ・ 産業基幹技術分野(高度部材、加工技術、情報通信技術) 【平成23年度採択テーマ】 (実施期間 平成23年度~平成24年度) 統括研究代表者 研究テーマ 研究開発の要約 研究参加者 (敬称略) 名古屋大学 大学院情報科学研究科 社会システム情報学専攻教授 間瀬 健二 もの作り技能のセンシング・分析・可視化によるスキル向上支援システム の研究開発 もの作り現場における技能者の技能(スキル)の訓練と伝承は、もの作 りを重視する国全体の産業地盤の課題である。すでに大手企業では、教育 カリキュラムを整備して大規模な教育・訓練が行なわれているが、育成期 間の短縮と、科学的な教授法の確立に大きな期待がある。また、中小企業 が自社内で導入できる訓練支援システムの開発にも期待がある。 本研究は、スキルサイエンスとよばれる方法論を援用して、技能研修現 場の協力を得て、やすりがけをはじめとする技能の科学的分析により、技 能習得・訓練の方法論を確立し、ICT を利用した効率的な教育・指導法を 開発することを目指す。とくに、これらの検討の過程で、技能を計測し、 技能向上を支援することに利用できる安価で使いやすいICTシステムおよ びセンサデバイスを地域企業と協力して開発することを目指す。 (株)デンソー技研センター、(株)槌屋、あいち産業科学技術総合センター 尾張繊維技術センター 【研究の成果】 本研究では、頭、手、腰につけたモーションセンサを使って取得したデータを基に、やすりが けの基礎構造を解析して技能を数値化し新しい評価指標を導出した。また、安価かつ耐久性のあ る布センサを利用して足圧センサを開発し、それを用いて多量の実地データを取得した。これら ICTを利用することにより、技能者の技能(スキル)の訓練と伝承に関する科学的・効率的な 教育・指導支援システムを開発した。 開発した多センサ・多視点訓練システムはやすりがけに限らず他のもの作り技術(旋盤や溶接 など)やスポーツ分野(ゴルフ、野球など)の技術習得支援にも応用できることから多様な分野で の技術・技能習得支援システムとして事業展開が可能と見込まれる。 14 統括研究代表者 中部大学 工学部 情報工学科教授 平田 豊 研究テーマ ドライバの眠気予兆・漫然状態検知技術に基づく自動車事故防止のための バイオフィードバックシステムの開発 研究開発の要約 居眠りを含む漫然運転に起因する事故発生件数は横ばいではあるが、最 大の死亡事故原因となっている。近年、トヨタ、ベンツといった高級車に は衝突を回避するシステムがあるものの、これらはドライバの覚醒度の低 下が極度に進んだ状態で初めて作動するものであり、より早期の段階で覚 醒度の低下の予兆を検知し、事故を未然に防止するシステムの開発が急務 となっている。 本研究では、すでに開発した自動車ドライバの眠気予兆ならびに漫然状 態検出技術の実用性を、実車走行試験により実証する。さらに、眠気予兆・ 漫然状態検出後に覚醒度低下を防止するバイオフィードバック(BF)シス テムを開発し実用化する。 研究参加者 (株)アイシン・コスモス研究所 【研究の成果】 本研究により、居眠り・漫然運転を防止するための新しい方法として実車登載可能なバイオフ ィードバックシステムを開発した。本研究以前に開発した自動車ドライバの眠気予兆ならびに漫 然状態検出技術について、実車走行試験により実証し、さらに、眠気予兆・漫然状態検出後に自 立神経系を刺激する高周波振動をはじめとする5種類のバイオフィードバックシステムについて 検討した。その結果、ドライバの覚醒度の低下の予兆を検知してから次のパーキングエリアまで 安全に走行するために最低限必要とされる覚醒度低下の防止が約10分間可能であることが実証 された。 【平成24年度採択テーマ】 (実施期間 平成24年度~平成25年度) (敬称略) 統括研究代表者 自然科学研究機構 分子科学研究所 准教授 平等拓範 研究テーマ エンジン点火用高輝度マイクロチップレーザーの開発研究 研究開発の要約 我が国の1次エネルギーの 84%は石油、石炭、ガスなどの化石エネ ルギー、すなわち内燃機関(エンジン)に依るものである。また、昨 年、米国ではシェールガスがエネルギー革命として注目されるなど、 我が国だけに留まらずエンジンの高効率化は世界的にも重要な案件と なってきた。 本研究では、車両だけでなく、国難とも言えるエネルギー問題に対応す べく、ガス発電(天然ガス、水素など)プラントも視野に入れたマイクロ チップレーザーの高性能化を検討する。特に実用化において重要な課題で あるレーザーシステムの耐環境性の向上と小型化を研究の目標とする。成 果として自動車産業から火力発電プラント産業まで幅広い貢献が期待さ れる 研究参加者 (株)日本自動車部品総合研究所 15 統括研究代表者 中部大学 生命健康科学部 生命医科学科 教授 野田明子 研究テーマ 快眠ガイドを内蔵する無拘束睡眠モニタの開発 研究開発の要約 24時間社会における睡眠時間の短縮や質の低下は日常の十分な活動 を阻害し、身体や精神に悪影響をもたらす。また超高齢化社会に向けて、 24時間対応できる信頼精度の高い無拘束の循環・呼吸・睡眠状態の在宅 モニタリングと健康長寿のためのガイドが必須となっている。現在、在宅 にて無拘束で簡単に睡眠の質やレム・ノンレム睡眠周期を評価できる機器 はない。 本研究では、心拍変動・身体活動量・呼吸・体圧等の生体情報から、従 来睡眠評価が困難であった小児、高齢者、不眠・うつ病、心不全患者にも 対応でき快眠ガイドを内蔵する無拘束睡眠モニタを開発する。 研究参加者 (株)デンソー、名古屋大学 ・その他活動状況 【平成23年度採択テーマ】 ・第2回共同研究推進委員会開催(10月) ・第3回共同研究推進委員会開催(平成25年2月) 【平成24年度採択テーマ】 ・キックオフミーティング 開催(6~7月) ・第1回共同研究推進委員会 開催(平成25年2月) 16 (2)科学技術コーディネート事業 研究成果を調査・評価分類し、育成試験のテーマを企画立案するとともに、その開発 を支援した。 吸着性セラミックスを活用した清酒・発酵調味料の事業化試験 実施機関 盛田株式会社 研究シーズ あいち産業科学技術総合センター 食品工業技術センター 高品質な生酒や発酵調味料の製品化を実現することを目的に、タン パク質吸着性セラミックスを用いて、製品品質を損なわずに、清酒や 発酵調味料中の品質务化に関わる酵素や滓原因物質を効果的に除去 試験内容 する方法を、工場レベルで活用できるように発展させた。その結果、 原因物質を 90%以上除去し、官能評価試験においてもほとんど差が 生じない方法を確立することができた。 簡便で小型軽量な高速自動種まき装置の実用化 実施機関 中立電機株式会社 研究シーズ 名古屋大学 これまで植物研究従事者に多大な肉体的負担を強いてきた播種作 業を自動化し、グリーンイノベーション創成のための植物研究の推進 に貢献する目的で、高等植物の小型種子を、無菌的に高速で自動播種 試験内容 でき、安価に市販化することが可能な、簡便で小型軽量な装置を開発 した。試作機において、代表的な植物種のシロイヌナズナで、1 種子 当りの播種速度 1.3 秒、播種成功率 95%以上を実現し、貸出し用デ モ・評価機の作製を行える段階に到達することができた。 ・活動状況 ・育成試験審査委員会 開 催 日 6月21日 場 所 愛知県産業労働センター15 階 財団研究交流センター 出 席 者 育成試験審査委員8名 ・育成試験成果発表会 開 催 日 平成25年3月14日 場 所 あいち産業科学技術総合センター 参 加 者 90名程度 備 考 企業連携技術開発支援事業と合同で成果発表会を実施 17 (3)企業連携技術開発支援事業 中堅・中小企業の技術ニーズが発端となった技術を具体化するため、コアとなる実施 企業と異業種の協力企業とが連携して試作品等を作成し、その実用化を支援した。 試 験 研 究 課 題 名 自律性調湿薄型畳の試作 実 施 企 業 浅井商店㈱ 協力企業/支援機関 ①三幸毛糸紡績㈱ ②東海機器工業㈱/産業技術センター 実 施 内 住宅の高断熱・高気密化、フローリングのリフォームなどに対応可能な 「薄型畳(厚さ≦15mm) 」の業界需要が増えたが、調湿性薄型畳は未開発 容 である。本試作では、ヤシの実繊維「コイヤー」を不織布化・圧縮した 新考案素材と圧縮木材版とを組合せた芯材に弾力性、透湿性を備えた薄 型畳を試作。 試 験 研 究 課 題 名 低温焼成高強度磁器製品の試作 実 施 企 業 瀬戸製土(株) 協力企業/支援機関 ㈱玉善/愛知工業大学 実 施 内 瀬戸製土(株)は既に強度 120MPa(業界規格測定法)の低温焼成磁器を 開発している。本課題では業務用、学校給食用に 150MPa 以上で、かつ酒 容 などの容器として使用しても、有害物質溶出が無い高精細・高強度磁器 製品の試作。試験片スケールで 150MPa 以上の配合組成で、かつ多彩な加 飾がなされた酒ボトルと8角皿を試作。 試 験 研 究 課 題 名 環境耐性強化型熱電対の試作 実 施 企 業 (資)マルワイ矢野製陶所 協力企業/支援機関 山里産業㈱/瀬戸窯業技術センター 実 施 内 高温、振動、腐食性環境下で常用される白金熱電対は、白金線が数週 間で断線する。本試作では高温での強度低下が尐ない酸化物強化型白金 容 線を用い、熱変形の尐ない高純度アルミナセラミック鞘に密封した新規 熱電対の試作。原料組成、混練、焼結後の気密性評価試験等をクリヤー した酸化物強化型白金線熱電対を完成。 試 験 研 究 課 題 名 熱発電素子冷却システムの試作 実 施 企 業 (有)パールハート 協力企業/支援機関 (資)丸か特殊陶業/名古屋大学 実 施 内 廃熱利用等へ応用が期待される熱電変換素子の起電力は加熱面と冷却 面との温度差の2乗で増加するため、効率的冷却方式のニーズが高い。 本試作では素子冷却側にハニカムセラミックを接着し、各孔への送風と 容 給水により、水を効率的に気化させて素子表面を冷却した。数種の形状 のハニカムを試作しアルミニウム板を熱電素子に見立てた基礎実験によ り、見掛け最大温度差 67℃を得て、名大から特許出願した。 18 (4)重点研究プロジェクト事業 産・学・行政が連携して次世代モノづくり技術を創造・発信することを目的する「重点 研究プロジェクト」を愛知県から受託して実施した。 平成 24 年度は、任期付研究員の増員により研究体制を強化するとともに、あいち産業 科学技術総合センターの研究室の設備備品の充実により研究環境の整備を図った。 ① 重点プロジェクトの概要 No (敬称略) プロジェクトリーダー 研 究 テ ー マ 名 1 「低環境負荷型次世代ナノ・マイクロ加工技術の開発プロジェクト」 名古屋工業大学 ~愛知のモノづくり産業の活力を維持発展させる環境に 産業戦略工学 やさしいナノ・マイクロ加工技術の確立~ 教授 中村隆 2 「食の安心・安全技術開発プロジェクト」 ~農工連携による、食品に混入した残留農薬、異物、微生物 などのオンサイト、低価格、迅速なセンシング技術~ 3 「超早期診断技術開発プロジェクト」 名古屋大学 ~医工連携による、ガンや脳卒中などを無侵襲・低侵襲で超早期 特任教授 太田美智男 に診断する、各種生体デバイス・機器の開発~ 豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 教授 田中三郎 ② 活動状況 各プロジェクト間の交流を図り、円滑な運営を図るため、プロジェクトリーダー、県、 及び科学技術交流財団をメンバーとする重点研究プロジェクト推進会議を開催した。こ のほか、各プロジェクトごとに、メンバー全員が参加する全体会議、プロジェクトリー ダー、グループリーダー及び科学技術交流財団が参加するリーダー会議、グループごと のメンバー全員が参加するグループ会議などを開催し、プロジェクトの円滑な実施に努 めた。 また、9 月 29 日にあいち産業科学技術総合センターで、県民を対象とした一般公開を 開催するとともに、各プロジェクトにおいても公開セミナー、 シンポジウム等を開催し、 プロジェクトの研究成果等を広く県民、研究者、企業に紹介した。 ・重点研究プロジェクト推進会議等 会議名 開催日 場所 第1回推進会議 「知の拠点」研究 プロジェクト一般 公開デー2012 第2回推進会議 5 月 15 日 愛知県産業 労働センター あいち産業科 9 月 29 日 学技術総合セ ンター あいち産業科 11 月 16 日 学技術総合セ ンター 19 主な内容 ・平成 24 年度予算の概要及び県の体制に ついて ・年次研究評価の結果について ・平成 24 年度のプロジェクトの取組につ いて ・一般県民を対象としたプロジェクトの紹 介 ・施設見学 ・平成 23 年度、24 年度上期の研究開発の 成果・取組状況と平成 25 年度研究計画 骨子案について ・プロジェクト1 <低環境負荷型次世代ナノ・マイクロ加工技術の開発プロジェクト> 全体会議等 会議名 開催日 場所 主な内容 あいち産業科 ・新規メンバー紹介 全体会議 5 月 11 日 学技術総合セ ・平成 24 年度年次計画について ンター ・各委員会、部会活動について ・平成 24 年度研究の進捗状況と今後の進め方 ・各委員会、各部会の活動報告 全体会議 7 月 24 日 浩養園 公開セミナー 9 月 25 日 産業技術セン ・講演4題 ター(刈谷) ・研究施設見学会 任期付研究員 発表会 全体会議 全体会議 あいち産業科 10 月1日 学技術総合セ ンター あいち産業科 11 月 12 日 学技術総合セ ンター あいち産業科 平成 25 年 学技術総合セ 3月8日 ンター ・発表7題 ・意見交換と若手へのアドバイス ・平成 24 年度研究進捗状況 ・平成 25 年度導入設備について ・各委員会、各部会の活動報告 ・平成 24 年度研究進捗状況 ・平成 25 年度研究実施計画について ・各委員会、各部会の活動報告 ・プロジェクト2 <食の安心・安全技術開発プロジェクト> 全体会議等 会議名 開催日 場所 主な内容 全体会議及び 公開セミナー 5 月 28 日 愛知県産業 ・平成 23 年度研究成果発表 労働センター テラヘルツ波 シンポジウム 6 月 25 日 愛知県産業 ・テラヘルツ波技術(THz 波)を用いた食品検査 労働センター の現状と将来展望に関する講演 食の安全・安 心フォーラム 8月1日 京都リサーチ ・食生活の安心に向けての講演 パーク 全体会議 8 月 28 日 愛知県産業 ・平成 24 年度研究状況報告 労働センター 全体会議 12 月 25 日 愛知県産業労 ・平成 24 年度研究計画概要説明 働センター 全体会議 平成 25 年 名城大学名駅 ・平成 25 年度研究計画報告 3 月 18 日 サテライト 20 ・プロジェクト3 <超早期診断技術開発プロジェクト> 全体会議等 会議名 開催日 場所 主な内容 全体会議 5 月 11 日 愛知県産業労 働センター 公開セミナー 5 月 11 日 ・平成 23 年度成果および平成 24 年度計画・方 針についての発表と討議 ・研究進捗・年次計画等の討議 愛知県産業労 ・自助具とデザインに関する講演 ・成果報告 働センター あいち産業科 ・PL 教育講演(臨床試験の実施について) 学技術総合セ ・任期付研究員による成果報告 ンター 全体会議 7 月 27 日 全体会議 あいち産業科 ・平成 24 年度までの成果概要発表および平成 10 月 19 日 学技術総合セ 25 年度に向けた方針討議 ンター ・研究進捗等の討議 ・全体会議以外の各種会議の開催回数 プロジェクト 1 プロジェクト 2 42回 55回 ※プロジェクト1は、運営部会、素材別委員会等を指す。 ※プロジェクト2は、月例研究成果報告会、戦略会議等を指す。 ※プロジェクト3は、チーム会議等を指す。 21 プロジェクト 3 34回 (5)知的クラスター創成事業 文部科学省の知的クラスター創成事業(第Ⅱ期)に、愛知県、名古屋市及び岐阜県の 提案した東海広域地域が採択されたことを受け、当財団を中核に平成24年度を最終年 度として5年間事業を実施した。 ① 事業概要 文部科学省補助事業「地域イノベーション戦略支援プログラム(グローバル型)」に より、この地域の先進的なプラズマナノ科学・工学を基盤技術として、省エネや環境負 荷低減に貢献する高度機能部材の創出を目指す研究開発を推進するとともに、地域独自 の取組として、研究成果の普及、応用研究・試作開発の支援など、中堅・中小企業への 技術移転・事業化を行った。 知的クラスター創成事業(第Ⅱ期)の概要 中核機関 (公財)科学技術交流財団 特定領域 ナノテクノロジー・材料、環境 事業期間 平成20年度~平成24年度 参画企業 東海広域内の中堅・中小企業、大企業 等 実施テーマ 先進プラズマナノ基盤技術の開発 (研究リーダー) 堀 勝 名古屋大学教授 表面機能化による先進ナノ部材の開発 (研究リーダー) 高井 治 名古屋大学名誉教授 高効率光・パワーデバイス部材の開発 (研究リーダー) 江川 孝志 名古屋工業大学教授 界面制御ナノコンポジット部材の開発 (研究リーダー) 渡辺 義見 名古屋工業大学教授 広域化プログラム 先進プラズマナノ科学研究拠点形成プログラム (プログラム代表者) 堀 勝 名古屋大学教授 数値目標と達成結果 項 国際的な知の集 積、研究成果の権 利化 研究開発成果の企 業への技術移転 目 論文発表(うち海外発表) 国際会議招待講演 【件】 【件】 特許出願(うち外国出願) 【件】 1,430(1,130) 608(449) 1,640(1,367) 45 - 394 515(85) 238(37) 601(77) 178 【件】 30 10 商品化 【件】 35 19 59 10(6) 3(2) 9(6) 200(30) 37(9) 128(19) 15(9) 6(2) 10(3) 事業化(うち地域) 【件】 共同研究企業の事業化による売上 (うちベンチャー) 所開設) 【億円】 【件】 参画研究機関数(うち地域) 参画企業(うち地域) 【機関】 【社】 国事業等採択(うち地域事業) 【件】 次代を担う人材の 育成 24 年度末 Ⅱ期終了時 試作品 ベンチャー創出(うち地域外企業の新事業 持続可能なクラスタ ー形成 19 年度末 Ⅰ期終了時 目標値 若手研究者等のキャリアアップ (博士号取得、採用・昇任等) 【人】 (注)目標値実績は第Ⅰ期事業からの累計 22 30(20) 9(8) 109(45) 270(185) 148(100) 743(477) 130(100) 25(11) 153(64) 130 64 137 ② 事業実施結果 ・プロジェクトの総合管理 当財団に設置した東海広域知的クラスター創成事業本部が事業運営を担当し、本 部長、副本部長、研究統括及び事業総括を中心としてプロジェクトを実施した。 事業計画等の重要事項は、東海広域知的クラスター創成事業本部会議で審議する とともに、大学のシーズを着実に技術移転するためのマネジメント手法「名古屋モ デル」を活用し本部及び研究者が一体となって研究開発を推進することを目的に「研 究推進会議」を開催した。また、 「外部評価委員会」を開催し、事業及び研究マネジ メントについて外部有識者から意見を聴取した。 (本部体制) 本部長 副本部長 研究統括 事業総括 加藤 岩田 稲垣 大塚 伸一 トヨタ自動車㈱顧問 勇二 (公財)科学技術交流財団 専務理事 康善 豊橋技術科学大学 理事・副学長 美則 (事業及び研究マネジメントに関する会議の開催状況) 研究推進会議の開催 開催日 場 所 内 容 11月9日 あいち産業科学技術総 出口戦略と重点テーマの課題 合センター 外部評価委員の開催 実施日 場 所 内 容 12月3日 あいち産業科学技術総 事業及び研究の進捗状況及び自己評価 合センター 骨子の報告と意見聴取 研究成果報告(パネル、成果品展示) 東海広域知的クラスター創成事業本部会議の開催 開催日 場 所 内 容 平成25年 あいち産業科学技術総 事業及び研究開発の成果と自己評価 2月7日 合センター 事業計画期間終了後の取組方針 ・産学連携による研究開発の実施 世界を先導する環境調和型高度機能部材の創製をコンセプトに、先進プラズマナ ノ科学・工学を核として、省エネ・環境負荷低減に貢献するナノ先進部材の高機能 化やナノ加工技術の高度化に向けた研究開発を実施した。 「自律型プラズマナノエッチングシステムの構築」 、 「超高密度窒素ラジカル源に よる高速・高品位の InGaN 膜の形成」 、 「ソリューションプラズマ技術による CNT 高 濃度分散液や金属空気電池用カーボン電極の開発」 、 「スラリー濃縮濾過技術を用い た可搬型セシウム汚染土壌除染装置の開発」 、 「高分子ナノ多孔フィルムを用いたオ ゾンナノバブル発生装置の製品化」 、 「大口径高品位 GaN on Si エピ基板技術及び製 造装置の開発と製品化」及び「CFRP 加工成形用治具の試作」等において結果を得た。 23 ・広域化プログラム プラズマナノ科学を基盤とした高速・高密度プラズマプロセスとその基礎となる 計測やそれらを応用した窒化物半導体デバイスの研究を推進するとともに、ルール 大学ボッフム校(ドイツ)やバーリ大学(イタリア)との連携により、プラズマ計測 用のプローブ形状やプラズマ発生源の進化に関する研究の高度化を行った。 また、平成25年1月28日~2月1日には、プラズマナノ分野における世界的 な知の集積と国際的なネットワークを形成することを目的として、第5回目となる 国際シンポジウム「ISPlasma2013」を開催し、海外の研究者等 186 名を含む 916 名 が参加して活発な議論が行われた。 このほか、韓国における最大の産学官連携拠点といわれる大徳研究開発特区の支 援本部(INNOPOLIS)及び中心的な大学である韓国科学技術院(KAIST)等を訪問し、研 究投資の集中と企業の積極的な参画により効果的な産学連携を進めている同地区の 拠点の運用方法等を調査するとともに、この地域に集積する研究機関や産学官の活 動等を説明し、両地域の国際連携のあり方について意見交換を行った。 <ISPlasma2013 開催結果> 「第5回先進プラズマ科学と窒化物及びナノ材料への応用 会議名 に関する国際シンポジウム」 主 催 科学技術交流財団、ISPlasma2013 組織委員会 会 期 平成25年1月28日~2月1日 会 場 名古屋大学 916名(国内730名 海外186名) 参加者数 (アジア太平洋146名、欧州26名、北米12名、 中東・アフリカ2名) ・グローバル産学官連携拠点事業 東海3県1市を始め地域の産学官により平成21年8月に共同提案した「グローバ ル産学官連携拠点整備計画」における国際産学官連携活動の具体化事業として、24 年10月に、フランスのグルノーブル地域にあるマイクロ・ナノテクノロジーの世界 的な研究開発拠点である MINATEC において研究開発の中心的役割を果たしている 「CEA-Leti」の優れた研究成果をこの地域の企業・研究機関の方々に紹介する「Leti Day in NAGOYA」を開催した。 ・成果普及、人材育成、技術移転事業について(地域事業) 各種展示会等に成果品等を出展するとともに、連携支援機関である(公財)名古屋 産業振興公社及び(財)岐阜県研究開発財団との緊密な連携のもと関連研究テーマの 研究会や人材育成研修等を開催した。 また、知的クラスター創成事業の成果を活用した研究開発を支援する「愛知ナノテ クものづくりクラスター成果活用促進事業」を、中堅・中小企業、公設試験研究機関 等に委託し、研究成果の事業化や技術移転を促進した。 このほか、特許、マーケティング・ブランド、人材育成戦略などの専門家で構成す るアドバイザリーボードによる企業の事業化に向けた総合的な支援を行った。 24 <研究会等の取り組み> 開催日 4月 3日 4月13日 5月26日 7月 9日 8月 8日 9月 1日 9月20日 9月27日 9月27日 11月10日 11月12日 11月14日 11月28日 12月 5日 平成25年 1月23日 1月30日 2月14日 3月27日 内 容 第8回 高機能ナノ材料研究会 愛知ナノテクものづくりクラスター成果活用促進事業成果発表会 基礎教育セミナー<表面機能化>(全4回) 第13回 窒化物半導体応用研究会 こども霞が関見学デー(~8月9日) 基礎教育セミナー<ナノ合成>(全4回) 窒化物半導体デバイスプロセス講習会(~9月21日) 第11回産学官連携推進会議(~9月28日) 第9回 高機能ナノ材料研究会 基礎教育セミナー<先端計測>(全4回) 第14回 窒化物半導体応用研究会 愛知・名古屋産業交流展in東京2012(~11月29日) 次世代ものづくり基盤技術産業展 TECHBizEXPO(~11月30日) セミコン・ジャパン2012 (~12月7日) 地域イノベーションシンポジウム2012(~1月24日) nano tech 2013 (~2月1日) 「東海広域ナノテクものづくりクラスター」最終成果発表会 第4回愛知ナノテクものづくりクラスター成果活用促進事業成果発表会 <愛知ナノテクものづくりクラスター成果活用促進事業> 技術開発推進事業 (実施期間:2年以内(平成 24 年度1年以内) ) 事業規模:1年目1,000万円以内 2年目750万円以内 採択件数:新規分4件(応募6件) 、継続分(平成 23 年度採択)6件 テーマ 円筒状内面のプラズマコーティングの為 の「活性因子モニタリング装置」の開発 新 表面高機能化メソポーラスシリカ材料 およびその製造プロセス装置の開発 規 青果物用の可搬型ミネラル成分検査装置 の開発 分 低コヒーレンス光干渉計を用いた 非接触多点瞬時基板温度計測装置の開発 顧客ニーズに応えるフレキシブル型 大型LED照明器(100W~300W)の開発 継 カーボンナノハイブリッド材料による 金属空気電池用正極材料の開発 続 反射防止性を有する耐摩耗性に優れた 超はっ水性光学レンズの開発 大口径、高密度MBE用ラジカルソース 分 の開発 高精度超広帯域超短パルスファイバ レーザー光源の開発 アトム窒化装置の実用化開発 25 代表機関(委託先) 輝創株式会社 株式会社エヌ工房 デザイナーフーズ株式会社 株式会社片桐エンジニアリング 株式会社ユーシンテクノ 株式会社名城ナノカーボン 東海光学株式会社 NUエコ・エンジニアリング 株式会社 NUシステム株式会社 株式会社プラズマ総合研究所 技術開発推進支援事業 (実施期間:2年以内(平成 24 年度1年以内) ) 事業規模:1年目1,000万円以内 2年目750万円以内 採択件数:新規3件(応募3件) 、継続(平成 23 年度採択)2件 新 規 継 続 テーマ 実施機関(委託先) 大気圧プラズマを利用した異種材料の接合 技術の確立 あいち産業科学技術総合 次世代パワーデバイス用半導体開発のため センター の性能及び品質評価支援体制の構築 高機能繊維の表面改質とその評価 ナノスペースカーボンおよびプラズマの 2次電池部材への応用 ナノテク技術支援施設「材料表面改質トライ アルコア」を活用した応用展開技術の確立 <「東海広域ナノテクものづくりクラスター」最終成果発表会開催結果> 会議名 「東海広域ナノテクものづくりクラスター」最終成果発表会 開催日時 平成25年2月14日(木) 開催場所 あいち産業科学技術総合センター 「東海広域ナノテクものづくりクラスター」事業の計画期間 (平成 20 年度から 24 年度まで)の終了を迎えるにあたり、 これまでに取り組んだ研究開発や事業化に向けた活動の成 内容 果を発表するとともに、引き続き、この地域の産学官が連携 して、より多くの成果に繋げていくことを目的とした最終成 果発表会を開催した。 参加者数 325名(講師、関係者等含む。 ) <第4回愛知ナノテクものづくりクラスター成果活用促進事業成果発表会> 「第4回愛知ナノテクものづくりクラスター成果活用促進 会議名 事業成果発表会」 開催日時 平成25年3月27日(水) 開催場所 あいち産業科学技術総合センター 平成23年度、24年度に採択した愛知ナノテクものづくり 内容 クラスター成果活用促進事業について、事業実施期間が終了 したため事業成果の発表会を開催した。 参加者数 108名 <アドバイザリーボードによる事業化総合支援> 支援人材: 特許、マーケティングブランド、人材育成戦略の専門家等 12名 活動内容: 「事業化検討ワーキング」開催による個別企業事業化支援 開催回数:6回、支援対象企業5社 26 (6)基盤技術高度化支援事業 製造業の国際競争力の強化と新たな事業の創出を目的とし、中小企業のものづくり基 盤技術(鋳造、鍛造、切削、めっき等)に資する革新的かつハイリスクな研究開発を促進 する「戦略的基盤技術高度化支援事業」 (経済産業省公募事業)について、平成22年度 に採択された4テーマ及び23年度に採択された1テーマを実施した。 ① 研究概要 【平成22年度採択テーマ】 テ ー マ 名 (敬称略) カーボンナノフィラーナノコンポジットによる軽量・高強度複合成形 材料量産化技術・装置の開発 総 括 研 究 代 表 者 東洋樹脂(株) 取締役統括部長 井澤宏 研 究 共 同 体 東洋樹脂(株)、名古屋大学、名古屋市工業研究所 研 究 概 ソリューションプラズマ処理により活性基が付加され、水に分散し 可溶化したカーボンナノフィラーを押出機に液添し、樹脂に混練する 量産型連続コンパウンド技術を開発する。得られたナノコンポジット 要 材料は、マトリックス樹脂にナノフィラーが均一に分散し、更に、付 加された活性基が樹脂と結合することで、引張強度、曲げ強度などの 機械的特性に優れる。また、結晶性が促進されることから耐熱性も向 上する。 テ ー マ 名 電磁波制御高次パターン織物の開発 総 括 研 究 代 表 者 槌屋ティスコ(株) 商品開発室長 高見肇 研 究 共 同 体 槌屋ティスコ(株)、(株)槌屋、中部大学 研 究 概 電気自動車では、駆動系システムで発生する電磁波の車両外への放 射防止又は車両内部品への放射による影響を防止する為、特定周波数 に対して効果的な設計が可能で,且つ各種部品に適用可能な加工性に 要 優れた電磁波シールド材が望まれている。これを実現する為に電磁波 制御に最適な特性を持つ繊維の開発や、紡糸技術、糸や織物の表面処 理技術、特殊製織技術によって織組織を高度化し、電磁波を自由に制 御する織技術を確立する。 テ ー マ 名 高密度配線組立の低コスト化器材・装置類の開発 総 括 研 究 代 表 者 東洋航空電子(株) 常務取締役 野田新見 研 究 共 同 体 東洋航空電子(株)、(株)アイキューブテクノロジ、名古屋工業大学 研 究 概 近年の航空機では、構成機器の増加により、配線が高密度化している と共に、国際競争力から、低コスト・高品質化と、その保証体制が必須 となっている。一方、製作工程では人手と目視に頼り、電線を仕分け、 要 探す、加工状況を検査し、結果のみを紙に保存する等が散在している。 これらに対し、精密で高速の画像処理で判別・記録する装置等を開発し て、加工作業の容易・迅速化、検査の確実化・実像保存により完璧品質 を実現する。 27 テ ー マ 名 ヒト代替バリ取りロボットの開発 総 括 研 究 代 表 者 (株)ユニメック 代表取締役社長 飯田和則 研 究 共 同 体 (株)ユニメック、中京大学、大同大学 研 究 概 樹脂部品製造業者のニーズは、人海戦術で行っているバリの取り残 しをなくし信頼性を向上させることである。川下ロボット業者は、ロ ボットアームのハンド部の汎用品をユーザニーズが多様なため製造し 要 ていない。そこで、ヒトと同様な手作業と部品の観察が可能なロボッ ト、3本指ハンドで部品を把持し、ヒトの手のように部品を回転・移 動してカメラと協調制御させてバリの状況を認識し、バリを精度よく 除去するロボットを開発する。 【平成23年度採択テーマ】 テ ー マ 名 航空機主翼組立におけるファスナ装着状態の革新的な検査技術の開発 総 括 研 究 代 表 者 株式会社エアロ 専務取締役 西村憲治 研 究 共 同 体 研 究 概 株式会社エアロ、友機産業株式会社、国立大学法人名古屋工業大学、 あいち産業科学技術総合センター 近年航空機には複合材が適用されるようになり、航空機産業 は新技術への対応に迫られている。複合材主翼におけるファス ナの装着状態は機体の安全性(耐雷性)に大きく影響するが、 現状では何万本ものファスナを目視で検査しており、精度や信 要 頼性の面で不安がある。また、今後想定されるレートアップに 対する人手不足も懸念されている。これらの問題を解決する為、 大型3次曲面パネル上のファスナ装着状態を自動で検査する技 術を確立する。 ② 活動状況 ・研究開発委員会の開催 カーボンナノフィラーナノコンポジットによる軽量・高強度複合成形材料量産化技術・装置の 開発 第1回 9月5日 あいち産業科学技術総合センター 第2回 12月18日 愛知県産業労働センター 第3回 平成25年2月18日 東洋電機㈱、東洋樹脂㈱ 電磁波制御高次パターン織物の開発 第1回 9月6日 あいち産業科学技術総合センター 第2回 12月20日 愛知県産業労働センター 第2回 平成25年2月14日 ㈱槌屋 高密度配線組立の低コスト化器材・装置類の開発 第1回 7月30日 あいち産業科学技術総合センター 第2回 11月1日 愛知県産業労働センター 第3回 平成25年2月6日 東洋航空電子㈱ 28 ヒト代替バリ取りロボットの開発 第1回 8月28日 あいち産業科学技術総合センター 第2回 平成25年1月10日 中京大学人工知能高等研究所 第3回 平成25年2月21日 ㈱ユニメック 航空機主翼組立におけるファスナ装着状態の革新的な検査技術の開発 第1回 9月4日 あいち産業科学技術総合センター 第2回 12月18日 愛知県産業労働センター 第3回 平成25年2月13日 名古屋工業大学 ・研究開発事項 カーボンナノフィラーナノコンポジットによる軽量・高強度複合成形材料量産化技術・装置の 開発 1.SP処理によるカーボンナノフィラー表面活性基修飾基礎技術の開発 2.コンパウンド基礎技術・装置の開発 3.生産技術の確立 4.応用商品への展開 電磁波制御高次パターン織物の開発 1.高導電率/高透磁率金属加工織物の研究開発 2.共振型シールド織物の研究開発 3.フォトニック結晶織物の開発 高密度配線組立の低コスト化器材・装置類の開発 1.電線加工の各種画像取得カメラ部の開発 2.電線加工にて取得した画像信号の良否判定/デジタル信号処理部の開発 3.電線加工の良否判定した画像及び関連デ-タのサ-バ-との送受信部の開発 4.電線加工での制御/操作/表示パネル部の開発 5.電線加工の自動文字認識・画像処理(傷等の判別)アルゴリズムの開発 6.電線加工での検査仕様の細部設定とサンプル製作 7.電線加工での装置の部分モデル、試作モデルの動作検証 8. コネクタ組立での各種画像取得カメラ部の開発 9.コネクタ組立画像の信号処理部の開発 10. コネクタ組立の各種データの送受信部の開発 11. コネクタ組立の操作/表示パネル部の開発 12. コネクタ組立でのピン配列文字の認識、ピンストローク、曲がりの判別、該当ピン位置 への光ビ-ム案内、に関するアルゴリズムの開発 13. コネクタ組立での検査仕様サンプルの細部設定と製作 14.コネクタ組立での装置の部分モデル、試作モデルの動作検証 29 ヒト代替バリ取りロボットの開発 1.ヒトに替わるバリ取りロボットの開発 2.ヒトの手に替わる指ロボットハンドの技術(つかむ技術) 3. ヒトの目に替わるセンサの技術 航空機主翼組立におけるファスナ装着状態の革新的な検査技術の開発 1.3次曲面パネルに対する高精度な位置決め課題への対応 2.正確なファスナ装着状態の計測技術課題への対応 3.データの評価と検証課題への対応 30 公3 教育研修事業 (1) 技術経営研修事業 技術と経営の両面の専門的知識を理解し、研究開発の成果を効率的に新事業・新製品 に結実させることのできる技術経営(MOT)人材の養成に資するため、人材育成の計 画的推進と普及に関する技術経営(MOT)研修を実施した。 開 催 日 10月4日から11月16日までの延べ6日間 主 技術経営(MOT)研修実行委員会 〔 (公財)名古屋産業科学研究所 (公財)科学技術交流財団で構成〕 催 開催場所 (公財)科学技術交流財団 研究交流センター 参加者数 35名 ○技術者・経営者のための最新MOT(技術経営)の考え方 ○経営戦略と技術イノベーション ○技術開発と創造性 ○技術開発におけるリーダーの役割 ○ファイナンス戦略・ワークスタディ ○企業戦略としての環境経営 ○中小企業におけるMOT実践 ○MOTのための戦略的思考 ○企業における知的財産戦略 ○技術開発と事業戦略 ケーススタディ 研修内容 (2) 科学技術コーディネータ育成事業 中堅・中小企業が抱える技術的課題の解決、新製品開発や販路開拓、事業化など幅広 い支援が可能な科学技術コーディネータを育成するため、当地域の科学技術推進団体と 連携し研修を実施した。 開 催 日 9月19日から11月14日までの 延べ9日間 主 催 (公財)科学技術交流財団 催 (公財)中部科学技術センター、(公財)名古屋産業科学研究所、(一財)東海産業 技術振興財団、(財)人工知能研究振興財団、(一財)ファインセラミックスセン ター、(公財)あいち産業振興機構、特定非営利活動法人バイオものづくり中部 共 開催場所 愛知県産業労働センター 参加者数 24名 ○コーディネータの役割と支援活動 ○研究助成制度の概要と活用 ○シーズ・ニーズマッチング ○新製品新事業企画開発の進め方 ○知の拠点/シンクロトロン光の産業利用について ○製造業における知財管理と知財戦略 ○特許出願の流れ ○企業決算書の見方、事例について ○ベンチャーキャピタルにおける評価法と実際 ○共同研究契約と守秘義務契約 ○ベンチャー企業支援と製品の販路開拓 ○コーディネータに求められる現場センス 研修内容 31 公4 情報提供事業 (1)情報誌の発行及びホームページへの情報掲載事業 ① 情報誌の発行 研究会、共同研究等の活動状況、最新の科学技術情報及び催事情報を提供する情報誌 「科学技術交流ニュース」を発行した。 発行回数・部数 3回(8・12・3月)各1,500部 ・財団の活動状況紹介 掲 載 の 内 容 ・最新の科学技術情報、研究機関紹介 ・研究資金助成制度情報等 配 布 先 研究交流クラブ会員、学協会、関係機関 ② 科学技術情報ネットワークの運営 科学技術情報をインターネットにより発信した。 発信の内容 利用状況 ・財団の概要 ・愛知県の科学技術振興施策 ・財団の活動状況 ・科学技術関連の催事情報 ・金融助成制度案内 等 訪問数 52,554件、延べアクセス数 173,040件 (2)ネットワーク利用連携事業 平成22年度に開発した当地域の競争的資金採択情報を検索できるシステム「科学技 術コーディネータ支援システム」 を次年度以降も運用継続するため、 保守機能を強化し、 下記のデータベースへの情報追加を行った。また、ホームページをリニューアルした。 ・当地域の競争的資金採択情報データベース ・当地域の科学技術関連団体のイベント情報 32 公5 シンクロトロン光利用施設運営事業 (1) 施設の立上げ あいちシンクロトロン光センターについては、地域の産・学・行政が連携・協力した 地域共同利用施設として産業利用を重視した施設づくりを目指し、国(文部科学省) の「地域産学官共同研究拠点整備事業」の採択を契機に施設整備に着手し、平成24 年度中の供用開始を目指して整備・調整を進めてきた。これらの取組については、財 団と大学連合で構成するSR会議を定期的に開催し、実験装置の調整に係る進捗報 告や諸課題についての検討を行った。 平成23年度には、建屋、光源、ビームラインの整備を終え、平成24年4月からは、 実験装置(光源及びビームライン)の本格的な調整を進め、一部の実験装置を除き、 実験を十分行える段階まで調整が終了したことから、平成25年2月22日の理事会に おいて名称、運営方針、諸規程等の承認を経て、同年3月22日に供用を開始した。 <施設の供用開始に向けた整備・調整等の取組み> 平成24年 4月 ・実験装置(光源装置・ビームライン)の調整開始 平成24年 7月 ・光源蓄積リング内の正常周回に成功し、ファーストライトを確認 平成24年 9月 ・光源の蓄積電流値が目標の300mAに到達 ・蓄積電流値300mAへ到達後、ビームラインへ光を導入 平成24年10月 ・一部のビームラインで、XAFS等の一部の測定が可能となり標準 試料の測定を開始 ・ (公財)原子力安全技術センターが実施する放射線障害防止法に基づ く「放射線施設検査」に合格し、供用開始のための法的な手続きが完了 平成25年 1月 ・ビームライン3本(硬X線XAFS、X線回折、軟X線XAFS)について、 ユーザー企業の協力を得て既知試料を用いた試験的運用を開始 平成25年 2月 ・理事会において、名称、運営方針、諸規定等を議決・承認 <名称:あいちシンクロトロン光センター 愛称:AichiSR> 平成25年 3月 ・上記3本のビームラインについて8日に利用の募集を開始 ・22日に開所式を開催し、供用を開始 <SR会議の開催> 主 催 (公財)科学技術交流財団 開 催 回 数 平成24年4月から平成25年3月まで21回開催 会 議 内 容 ・光源の調整状況と課題 ・ビームラインの調整状況と課題 など <あいちシンクロトロン光センター開所式及び記念行事の概要> 実施日 平成25年3月22日 場 所 あいちシンクロトロン光センター、あいち産業科学技術総合センター 来賓出席者数 大村愛知県知事始め157名 (1)開所式(主催者挨拶、祝辞、テープカット等) 内 容 (2)施設見学 (3)記念レセプション 33 <あいちシンクロトロン光センターの概要> 運営主体 公益財団法人科学技術交流財団 光源仕様 ○蓄積電子エネルギー1.2Gev ○周長72m ○蓄積電流300mA ○設置本数6本 ○設置ビームライン(測定手法) ・BL5S1(硬X線XAFS・蛍光X線) ・BL5S2(Ⅹ線回折) ビームライン仕様 ・BL6N1(軟X線XAFS・光電子分光) ・BL7U (超軟X線XAFS・真空紫外分光・光電子分光) ・BL8S1(X線反射率・薄膜表面回折) ・BL8S3(広角・小角散乱) 利用内容 【開館時間】 午前8時45分から午後6時45分まで 【ユーザータイム】1日2シフト(1シフト4時間) 【利用料金(1シフトあたり) 】 一般利用16万円、中小企業利用8万円、公共等利用8万円 【利用申込】 年6回 (2)普及啓発活動等 シンクロトロン光施設のより具体的な利用ニーズを把握するため、利用が見込まれる 企業に対し、ヒアリングを実施するとともに、昨年度に引き続き、愛知県・大学連合や 経済団体、他の放射光施設等と連携し、様々な分野の研究者・技術者を対象に報告会や シンクロトロン光に係る利用者研究会を開催したほか、全国規模の展示会に出展するな ど施設の積極的なPRを行った。 また、 「あいちシンクロトロン光センター」についての専門事項を調査審議し、事業 の具体的な企画立案及び効果的な運営を図ることを目的とする運営委員会を設置し、運 転計画や利用メニュー、運営方針、利用料金等について検討を行った。 <個別企業への訪問による利用啓発活動> 実施時期 平成24年4月~平成25年3月 訪問企業数 55社(県内 38社 主なヒアリング内容 ・シンクロトロン光の活用事例の紹介 ・シンクロトロン光の活用方法の提案 ・シンクロトロン光利用施設の利用見込みについて 県外 17社) 34 <報告会の実施> 報告会 放射光施設連携産業利用報告会 の名称 (公財)科学技術交流財団、(公財)佐賀県地域産業支援センター九州シンクロ 主 催 トロン光研究センター、兵庫県立大学高度産業科学技術研究所、立命館大学 放射光センター、高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 実 施 日 平成24年10月19日 場 所 TKP 東京駅八重洲カンファレンスセンター ・先端研究施設共用促進事業の今後の展開 文部科学省研究振興局基盤研究 について 課 柿田恭良 ・分析評価における放射光の役割 (株)東レリサーチセンター 橋 本秀樹 シリコン単原子膜(シリコンナノシート) (株)豊田中央研究所 中野秀之 の合成、および XAFS 測定による局所構造 (兼 JST-さきがけ) 、大橋雅卓、 評価」 岡本浩孝 (株)東芝 研究開発センター ・HAXPES による半導体材料の分析 高石理一郎、鈴木正道、吉木昌 彦 TDK(株) 評価解析センター ・Li イオン電池材料の in-situ XAFS 解析 野島昭信、福田啓一 内 容 シンクロトロンアナリシス LLC 深田 昇、 長谷川孝之、 上村雅治、 ・ニュースバル/産業用分析ビームライン ツルイ化学(株) 鶴井孝文、清 測定支援機関 ~シンクロトロンアナリ 水電設(株) 清水政義、(株)MC シス LLC~ エバテック 横井信正、兵庫県 立大高度産業科学技術研究所 研元山宗之、神田一浩 ・中部シンクロトロン光利用施設の建設状 (公財)科学技術交流財団 況と産業応用 岡本 篤彦 ・NEXAFS 法を用いた高分子材料の化学状態 住友ゴム工業(株) 金子房恵 解析 ・技術交流会ポスターセッション 参加者数 75人 35 - <シンクロトロン光利用者研究会> (敬称略) 主 催 内 容 開催日 参加者 愛知県、大学連合、(公財)科学技術交流財団 シンクロトロン光の利活用事例の紹介、 施設の装置を活用した実地研修、見学会 など 研究会タイトル 講演者 ・軟 X 線 XAFS からわかること XAFSグループ 8月2日 32人 第 1 回 第 2 回 ・立命館大学総合科学技術研究機 構 SR センター ・硬 X 線ビームライン(BL5S1) 、 与儀千尋 軟 X 線ビームライン(BL6N1) ・名古屋大学 朝倉博行 科学技術交流財団 野本豊和 の立ち上げ状況 ・名古屋大学 八木伸也 ・軟 X 線 XAFS を利用した材料開 発研究について ・光電子分光法の実際 ~利用者 ・ (株)豊田中央研究所 電気化学 の観点から~ 研究部 畑中 達也 光電子分光グループ 名城大学 理工学部材料機能工 7月19日 ・ 真空紫外 BL(BL7U)、軟 X 線 学科 丸山 隆浩他 19人 BL(BL6N1)の立ち上げ状況 ・名古屋大学 中村永研 科学技術交流財団 野本豊和 ・真空紫外ビームライン装置見学 ・名古屋大学 中村永研 ・シンクロトロン光を利用した生 ・名古屋大学 杉本泰伸 体高分子の X 線小角散乱 小角散乱グループ ・異なる側鎖を有するパーフルオ ・三井・デュポンフロロケミカル 7月27日 ロ樹脂の SAXS 測定結果解析 株式会社 ファムホアイナム 23人 ・中部 SR センター概要、BL8S3 立 ・科学技術交流財団 加藤一徳 ち上げ状況について ・ポリマーセメント防水材料の反 ・(株)大関化学研究所 応過程の研究-大関化学のシ 宮下景子 ンクロトロン光施設の活用法 X 線回折散乱 - ・名古屋工業大学 井田隆 グループ ・粉末回折データベースの利用と ・科学技術交流財団 中西裕紀 7月26日 活用事例 28人 ・中部 SR センター立ち上げ状況 ・科学技術交流財団 中西裕紀 BL5S2(粉末回折装置) ・粉末回折装置見学 ・硬 X 線ビームライン(BL5S1) 、 ・名古屋大学 朝倉博行 軟X 線ビームライン (BL6N1)測 ・名古屋大学 八木伸也 XAFSグループ 定試料準備 1月18日 ・硬 X 線ビームライン(BL5S1) 、 28人 軟X 線ビームライン (BL6N1)デ モ測定」 ・サンプルについて個別相談 ・光電子分光装置測定試料準備 ・名古屋大学 伊藤孝寛 ・科学技術交流財団 野本豊和 光電子分光グループ (BL6N1) ・名古屋大学 伊藤孝寛 1月29日 ・光電子分光装置デモ測定 名古屋大学 中村永研 12人 (BL6N1) 科学技術交流財団 野本豊和 ・サンプルについて個別相談 36 小角散乱グループ 1月24日 23人 X 線回折散乱 グループ 10月30日 21人 ・広角/小角散乱ビームライン (BL8S3)の現状報告 ・広角/小角散乱ビームライン (BL8S3) 見学 ・サンプルについて個別相談 ・科学技術交流財団 加藤一徳 ・名古屋工業大学 岡本 茂 ・名古屋工業大学 岡本 茂 名古屋大学 杉本他 ・最大エントロピー法による結晶 ・ (独)物質・材料研究機構 構造の精密化 泉富士夫 ・科学技術交流財団 中西裕紀 ・X 線回折装置デモンストレーシ ・名古屋工業大学 井田隆 ョン 科学技術交流財団 中西裕紀 ・サンプルについて個別相談 XAFSグループ あいち SR センターでの XAFS 実地 ・名古屋大学 朝倉博行 (BL5S1:3 月 5,6, 研修(BL5S1,BL6N1) ・科学技術交流財団 野本豊和 12,27 日、BL6N1:3 月 12,19,26 日) 23人 あいち SR センター(BL6N1)での ・科学技術交流財団 野本豊和 光電子分光グループ 光電子分光実地研修 (3 月 13,14,15 日) 3人 第 3 回 合 計 あいち SR センターでの小角散乱 実地研修(BL8S3) ・名古屋工業大学 岡本茂 名古屋大学 杉本泰伸 科学技術交流財団 加藤一徳 X 線回折散乱 あいち SR センターでの XRD 実地 グループ 研修(BL5S2 にて) (3 月 5,6,12,13, 26 日) 17人 ・名古屋工業大学 井田隆 ・科学技術交流財団 中西裕紀 小角散乱グループ (3 月 26,27,28, 29 日) 19人 248名 <展示会への出展の概要> 目 的 あいちシンクロトロン光センターの全国的な認知度の向上 日程 4 月 18 日~22 日 展 示 会 内 容 展示会名 第 22 回最新科学機器展 第 10 回計量計測総合展 開催場所 愛知県 名古屋市中小企業振興会館 吹上ホール 千葉県 幕張メッセ 9 月 5 日~7 日 JASIS2012 10 月 24 日~26 日 オプトロニクスフェア 2012 in 浜松 静岡県 アクトシティ浜松 10 月 30 日~ 11 月 2 日 計測展 2012 OSAKA 大阪府 グランキューブ大阪 37 11 月 7 日~10 日 メッセナゴヤ 2012 愛知県 ポートメッセなごや 11 月 14 日~16 日 愛知・名古屋産業交流展 in 東京 東京都 東京ビッグサイト 11 月 28 日~30 日 TECH Biz EXPO 2012 愛知県 ポートメッセなごや 12 月 5 日~7 日 第 7 回再生可能エネルギー 世界展示会 千葉県 幕張メッセ 25 年 1 月 28 日~ 2 月1 日 ISPlasma2013 愛知県 名古屋大学 25 年 1 月 30 日~ 2 月1 日 第 12 回国際ナノテクノロジ 東京都 東京ビッグサイト ー総合展・技術会議 <見学会の実施> 見学会等 第9回 SPring-8産業利用報告会 の名称 主 催 (公財)高輝度光科学研究センター始め4団体 共 催 (公財)科学技術交流財団、愛知県、Sprig-8 利用推進協議会 見学会実施日 平成24年9月7日 参加者数 見学会等 の名称 主 催 共 催 76人 第48回X線分析討論会 日本分析学会X線分析研究懇談会 (公財)科学技術交流財団、日本分析化学会中部支部、日本化学会中部支部 見学会実施日 平成24月11月2日 参加者数 見学会等 の名称 主 催 共 催 見学会実施日 参加者数 67人 第26回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム 日本放射光学会 (公財)科学技術交流財団、 名古屋大学シンクロトロン光研究センター始め 25団体 平成25月1月12日~13日 143人 38 (3)ユーザーへの技術支援 ① シンクロトロン光施設に係る技術支援 平成25年3月22日から供用を開始したあいちシンクロトロン光センターにおい て、企業、大学等を始めとしたユーザーの利用に供することで、企業、大学等の課題 解決及び研究開発支援を行った。また、供用開始前の1月から3月にかけて、機器・ 設備の調整も兼ねて、企業、大学と共同で試験利用を実施した。 ・利用実績件数(3月22日~3月31日) 14件 ・試験利用件数(1月~3月) 60件 ② 高度計測分析機器に係る技術支援 「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」(所管官庁:経済産業省、事業実施:み ずほ情報総研株式会社)の採択を受けあいち産業科学技術総合センター内に設置した シンクロトロン光利用施設における分析計測に関連した性能評価機器6機種につい て、平成24年6月に機器の調整や諸規程の整備を終え、同年7月から運用を開始し、 企業、大学等の課題解決及び研究開発支援を行った。 <利用実績(7/1~3/31)> 高度計測分析機器 利用件数 蛍光X線分析装置 243件 マイクロフォーカスX線CT装置 250件 オージェ電子分光分析装置 263件 電子プローブマイクロ分析装置 290件 走査プローブ顕微鏡 225件 電波暗室試験装置 エミッション試験 157件 イミュニティ試験 111件 耐ノイズ試験 計 118件 1,657件 (4)その他 「知の拠点あいち」あいちシンクロトロン光センターの施設見学 施設の広報のため、あいち産業科学技術総合センターと協力し、随時の施設見学者を 積極的に受け入れており、平成24年度においては、605件 9,418名の見学者が あった。 39 総合企画活動 理事会、評議員会、企画運営委員会、中小企業企画委員会及びシンクロトロン光利用施設 運営委員会を開催した。 (1)定例理事会 開 第1回 催 日 6月6日 開 催 場 所 名古屋逓信会館 議 開 題 ・平成23年度事業報告について ・平成23年度収支決算について 他 催 日 平成25年2月22日 開 催 場 所 ホテル名古屋ガーデンパレス ・平成24年度補正予算について 第2回 議 題 ・あいちシンクロトロン光センター運営方針(仮称)の制定について ・あいちシンクロトロン光センター設置規程(仮称)の制定について ・平成25年度事業計画及び収支予算について 他 (2)評議員会 開 定 時 催 日 6月19日 開 催 場 所 名古屋銀行協会 議 題 ・平成23年度事業報告について ・平成23年度収支決算について 他 (3)企画運営委員会 開 催 日 5月29日 開 催 場 所 愛知県産業労働センター(ウィンクあいち) 第1回 ・平成23年度事業報告について 議 題 ・平成24年度新設研究会及び共同研究の採択ついて ・シンクロトロン光利用施設の整備・運営状況 開 第2回 催 日 11月29日 開 催 場 所 愛知県産業労働センター(ウィンクあいち) 議 開 第3回 題 ・ 平成25年度新設研究会の募集/採択について ・ 平成25年度共同研究の募集/採択について 催 日 平成25年2月12日 開 催 場 所 TKP名古屋駅前カンファレンスセンター 議 題 ・ 平成25年度事業計画について ・ 平成24年度事業の進捗状況について (4)中小企業企画委員会 第1回 開 催 日 6月1日 開 催 場 所 愛知県産業労働センター(ウインクあいち) 40 議 題 ・平成23年度事業報告について ・平成24年度事業の進捗状況について 開 催 日 平成25年2月15日 開 催 場 所 愛知県産業労働センター(ウインクあいち) 第2回 議 題 ・平成25年度事業計画について ・平成24年度事業の進捗状況について (5)シンクロトロン光利用施設運営委員会 開 第1回 催 日 平成25年2月13日 開 催 場 所 あいちシンクロトロン光センター 議 題 ・あいちシンクロトロン光センター(仮称)の運営方針について ・あいちシンクロトロン光センター(仮称)の利用計画について 41