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大学生におけるリーフ緑茶の摂取状況と嗜好性: 急須で緑茶を淹れる文化

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大学生におけるリーフ緑茶の摂取状況と嗜好性: 急須で緑茶を淹れる文化
SURE: Shizuoka University REpository
http://ir.lib.shizuoka.ac.jp/
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大学生におけるリーフ緑茶の摂取状況と嗜好性 : 急須で
緑茶を淹れる文化継承を目指して
村上, 陽子; 谷本, 亜沙美; 植田(勝山), 郁美
静岡大学教育実践総合センター紀要. 25, p. 135-144
2016-03-31
http://doi.org/10.14945/00009441
publisher
Rights
This document is downloaded at: 2017-03-28T18:52:21Z
静岡大学教育学部附属教育実践総合 センター紀要
No 25 p 135∼ 144(2016)
論文〉
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大学生における リー フ緑茶の摂取状況 と嗜好性
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Drinking Habits and Palatability of Green Tea among University Studenr
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Summary
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一方 で ,緑秦 の 消費 ス タイ ル は多様 化 してい る。
簡便性や利便性が重視 されている昨今にお いては,ベ
ッ トボ トル飲料 (緑 藤 ドリンク)の 需要が増加 してい
る°)。 これ は,急 須 で掩れ る緑茶 (リ ー フ緑茶)に
比べ て,緑茶 ドリンクが利便性や嗜 ′ヽ
イル性に優れて
いるため とされている ?)。 お茶処 とい われ る静岡県
にお いて も, リーフ緑茶 の消費量は年 々減少傾向にあ
り8),緑 茶 を急 須 で滝れ る伝統 の消失が懸念 され て
い る。
繊言
縁茶は我が国の伝統的な全文化 である。近年 の健
康志向の高まりの中で,カ テキン,ポ リフェノールな
どの緑秦 の持つ健康効果が解明され,特 定保健用食品
に緑茶が取 り入れられているものもある。世界全体に
おいても,緑 茶は注目を集 めている1)。
急須 を用 いて緑茶 (煎 茶)を 飲む文化は,歴 史的
には喫茶文化の中では比較的新 しいものである2)。
現在,主 流 とならている蒸 し製の煎茶が開発されたの
は 18世 紀中頃であるが,一 般に広く飲まれるよ うに
なつたのは高度成長期以降のことである3)4)。 縁茶
(煎 茶)の 洗練化と普及の背景には,茶 栽培技術の進
).特 に,幕末以降,優
歩 と製茶技術の向上がある。
良品種の覆下栽培 をはじめとする各種の茶栽培技術の
向上,お よび茶葉 を蒸 して揉んで製茶する古い伝統に
根ざした特有の技術の洗練化な どが玉露な どの上級煎
茶を生み,我 が国の緑茶生産の発展 を支えてきたとい
える°)。 茶は世界各国に種 々存在す るが,本 当の意
味での縁茶 (非 発酵薬)が 残 つているのは日本だけで
ある。文化的視点からみて,縁 茶の伝統が継承 され
その飲み方が確立しているのは我が国においてのみで
あり,こ の点にも我が国の茶の文化の最も洗練 された
)。
このことか ら,急 須
部分が見いだせるといえる。
で縮茶を飲む習慣を守ることは,文化継承 に繋がる。
そこ,本 研究では,緑 茶文化の継承に関する食青
教材開発の一助 とするために,緑 茶の摂取状況 と嗜好
性,お よび学習状況を検討した。さらに,急須で茶を
滝れる習慣のあり方をはかるために,茶 道具の保有状
況を調査し,一 知見を得たので報告する。
2
方法
(1)調
査対彙および調査期間
調査期間は 2010年 4月 ,調 査対象は静 岡大学教育
学部生 2∼ 4年 生 (男 子 124名 ,女 子 182名 ,計 306
名 )を 対象 とした。回収率・有効回答数 ともに 1∞ %
であった。
,
(2)■ 査方法
調査は自記式質問紙法で行い,回 答は無配洛 `選 択
式とした。調査対像者に質問紙を配布 し,そ の場で回
答 してもらい,直 ちに回収 した。調査は,家 庭科教育
法 Iの 授業開始前のガイダンス時に行った。調査時に
*
静岡大学家政教育講座
* 長泉町立長泉中学校
中
絆キ静岡県立相良高等学校
135
村上陽子 谷本亜沙美 植田(勝 山)郁 美
おいては,い ずれの学生も大学において茶に関する学
習を行 つていない状態であつた。質問項 目は,学生本
人に関する項 目,緑来 の嗜好や飲用状況に関する項 目
緑茶の学習経験に関する項 目 (全 18項 目)を 設定 し
た。尚,欄 査においては,急須や茶 こしを使 つて茶薬
から流れる緑茶を「リーフ緑茶」,水 だ しパ ックやテ
ィーパ ックで滝れ る緑茶を「パ ック緑茶」,ペ ットボ
トル・ 缶・ 紙パ ック等の緑茶を 「緑茶 ドリンク」 とし
て つ,文 章 とイラス トであらかじめ提示 した。
選択肢 として,「 急須 ,茶 こし,茶 葉 ,湯 ざま し用容
器 ,縁 茶 のテ ィーパ ック,緑茶の水出 しパ ック,緑 茶
ドリンク (ペ ッ トボ トル),緑 藤 ドリンク (缶 ),緑
茶 ドリンク (紙パ ック),そ の他」を設定 した 籠 数
回答)。 下宿生においては,下 宿先 に保有する道具類
についても調査 した。
,
リー フ緑茶 〈
急須・茶 こ し),お よび,パ ック緑
茶を滝れた経験については,「 はい」 「いいえ」の二
者択一 とした。 リーフ緑茶 (急 須)を 滝れることに対
する自信については,「 自信をもつて湾れることがで
きる」 「なんとなくではあるが,掩 れることができる」
「あまり自信がないが,滝 れることができる」 「滝れ
ることができない」の中から 1つ 選択 してもらつた。
緑茶のイメージは 7つ のカテ ゴ リーに分け,情 結
的価値 として 「やすらぎ,ま った り, リラックス,情
緒的,ゆ とり,爽 やか,す っき りJ,健 康面 として
「健康的,安全・ 安心,渇 きを癒す,美 容によい」
簡便性 として「手間がかかる,簡 単,手 軽,便 利」
味覚として「おい しい,渋 い,後 味が良い,苦 い,甘
いJ,対 象 として r高 齢者が飲む,若 者が飲む」,価
格として「価格が安い,価 格が高いJを 設定 し,複 数
回答とした。
学校での緑茶の学習経験について,ま ず,学 習経験
の有無を調査した。次に,学 習経験者を対象として
学習時期は「幼稚園・保育園,小 学校,中 学校 ,高 等
学校,そ の他」,教科は 「国語,算 数・数学,社 会
理科,英 語,保 健体育,図 画ェ作・ 美術,家 庭;技 術
総合的な学摺 の時間,生 活,ク ラブ・部活動,校 外活
.動 」,学 習項 目は 「緑茶の産業,緑茶 の流れ方,緑茶
の歴史,緑茶の利用法,茶 場見学,茶 葉づ くり」の選
択肢の中から回答 してもらった 罐 数回答)。
学生本人に関する項目として,出 身,お よび居住形
態を調査した。本稿では,出 身が静岡県の場合は「県
内J,静 岡県外の場合は 「県外」と記 した。居住形態
については,自 宅住まいは「自宅生J,寮・アパー ト
住まいは「下宿生」とした。
得 られたデータは,母 比率の差の検定,χ 2検 定に
より検討 した。
(3)調 査内容
緑茶 の嗜好性 につい て,「 とでも好き,ま あまぁ
好き,あ まり好きではない,全 く好きではないJか ら
1つ 選択してもらつた。「好きJ「 まぁまぁ好き」を
高嗜好群 ,「 あま り好きではない」 「全 く好きではな
い」を低嗜好群 として分析 した。緑茶 を好 きな理由は
高嗜好群 を対象 として,「 味 ,香 り,色 ,習 慣 ,簡 単
便利 ,健 康的,価 格 ,安 全」 の 中から選択 して もらつ
た (複 数回答)。 「味,香 り,色 」は嗜好性 ,「 習慣
簡単,便 利」を簡使 陛,「 健康的,価 格 ,安 全」 を機
静性として分析 した。低嗜 好群につい ては,緑 茶を嫌
い な理由を 「味,香 り,色 ,習 慣がない,手 間 がかか
る,不 便 ,健 康的 でない,価 格 ,安 全でない」 の 中か
ら複数回答 で選択 してもらつた。
緑茶 の認知 につい ては,不 発酵茶 (緑 茶 )の 中で
も日本式 (蒸 し製)と いわれ る 9種 類 「煎茶 , ぐり茶
(蒸 し製 玉縁茶 ),番 茶 ,Iま うじ茶 ,玄 米茶 ,玉 露
かぶせ 茶 ,眠 茶 ,抹 茶 J9)lDを 設定 し,名 前を開い
た ことがある もの全 てを選択 して もらっ た 確 数回
答 )。 飲用経験 について も,同 様 に行 つた。
普段 の食 事 の際 に飲用す る飲み物 ,ま たは 一緒 に
,
,
,
,
,
,
,
,
,
飲用 したい飲み物 について,「 緑茶 ,麦 茶 ,紅 茶 ,ウ
ー ロン茶 ,果 汁飲料 ,炭 酸飲料水 ,牛 乳 ,ス ポーツ ド
リンク,水 ,野 菜 ジュース,そ の他」 を設定 し,利 用
頻度 の高い順 に順位 をつ けて もらつた。
緑茶 の飲用形態 は,飲 用順 に順位 をつ けて もらつ
た。選択項 目として,急須 で滝れ る緑茶 を 「リーフ緑
茶 (念須 )」 ,茶 こしを使 って掩れ る緑茶 を 「 リー フ
緑茶 (茶 こし)」 ,テ ィーパ ックで掩れ る
緑茶を 「パ ック緑茶 (テ ィーパ ック)」
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ドリンク (ペ ットボ トル)」 「緑茶 ドリン
ク (缶 )」 「緑茶 ドリンク (紙 パ ック)」
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「その他」を設定した。
各種緑茶の摂取頻度について,「 ほとん い下●奎
卜鑢つ
ど毎 日飲むJ「 毎 日ではないが飲む頻度が
高いJ「 気 が向いたら飲tP」 「ほとんど飲
,岡 県
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まないJ「 全く飲まない」 「経験がない」
から1つ 選択 してもらい,前 者 3つ を高摂 輌 財
取群,後 者 3つ を低摂取群 として分析 した。 l“
急須で縁茶を滝れる習慣を把握するため
に,自 宅 (下 宿生は帰省先の実家)に 保有
する緑茶に関する道具類について調査 した。
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結果および考察
有意に高かった 0<001)。 次 い で,全 体・ 女子は
健康的 ,香 り,男 子は番 り 。健康的であった。全体・
男女 とも,こ の 3項 目を過半数 が選択 していた。健康
的 (Pく 0.05),習 慣 (p<01)に つい ては男女間で
相違があ り,女 子 の方が高かった。
習慣 を選択 した 人は全体・ 男女 とも約 3割 であ り
男女間では女子 (pく 01),居 住形態別 では 自宅生
しく0.05),出 辣ヽ では県内着 (ρ くo05)の 方が多
かつた。茶 を特産 とする県内出身者や 自宅生は ,日 常
的に緑茶 を飲 む ことが習慣化 してお り,こ れが緑茶 の
嗜好性 を高める 1要 因 となつているとい える。 このこ
とか ら, 日常的に緑案 を飲む習慣 を持ち,緑茶 に対す
る興味・ 関心を抱かせ ることにより,緑茶 とい う文化
継承の一助 となると考えられ る。
低 嗜好群 を対象に嫌 いな理 由を調査 した ところ,味
(3人 ),習 慣 (2人 )で あった。手間がかか るなど
の簡便性 を理由 とす る人はい なか つた。
(1)縁 茶 の嗜好性
緑 茶 の時好 性 は極 めて 高 く,高 嗜好群 は全 体 で
96.0%,男 子 9&4%,女 子 94.5%で あった (図 1)。
全体にお いて,居 住形態や 出身の相違は,緑 茶 の嗜好
性 に影響 が見 られなかった。
岩崎 が縁茶 の嗜好性 につい て年 齢 男1に 行 つた調査
では,最 も嗜好性が高か つたの は 70代 (916%)で
あ り,20代 は 577%だ った 7,。 早川 らの研究では
女子学生 の緑茶に対す る嗜好性 は 41%で あ り 2),緑
茶 の嗜好性 は地域差 があ り,静 岡県は他県 より嗜好性
が高い としてい る 1う 。若者 と縁茶 の 関係 につい て
1960∼ 1970年 代 にお い ては若者 の緑茶離れ が懸念 さ
れていたが,そ の後 の緑茶 ドリンクの開発 ,小 型ペ ッ
トボ トルによる携帯性 の向上 ,健 康志向の高ま りなど
か ら,若 年層における緑茶 の消費が伸びてい るとされ
てい る3)1■ 。本研究によ り,大 学 生は緑茶 に高 い嗜
好性 を示 し,出 身による相違 は見 られなか つた。
,
,
,
(3)種 類の異 なる緑茶に対する認知
(2)縁 茶を好 きな理由・ 嫌 いな理由
(1)に お け る高嗜好群 を対象 に,緑 茶 を好 きな
認知 して い る緑茶 の種類 を調査 した。茶は ,製 造
方法 の違 い によ り,不 発酵茶 (緑 茶な ど),半 発酵茶
(ウ ー ロン茶な ど),発 酵茶 (金 発酵茶または強発酵
茶 ともい う。紅茶な ど)の 3つ に大男1さ れる 。1'。
理 由を検討 した (図 2)。
全体・ 男女 ともに味が最 も高 く,他 項 目と比 べ て
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村上陽子 谷本亜沙美 植田 (勝 山)有 5美
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の種類は多岐にわたる い。 ここでは,不 発酵茶 (緑
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茶)の 中の日本式 (蒸 し製)と いわれる 9種 類 °
について調査 した 確 数回答)。
全体では抹茶 の認知度が最も高く (958%),│ま
うじ茶,煎 茶,玄 米茶,玉 露は 8割 以上の高い認知度
を示 した (図 3)。 番茶の認知度は 50%で あり,機
茶・かぶせ茶・ ぐり茶は 2割 以下であつた。男女も同
様の傾向を示 した (図 4)。 居住形態別・出身別にみ
ると,認知度の高い緑茶の種類は共通 していた。
一般的に,日 本において広 く飲料されている緑茶の
種類は煎茶であり 1° , 日本茶 の消費量の約 70%を 占
)。
める。
本研究では,認 知度が最も高いのは抹茶 で
あり,全 体・ 男女 とも煎茶より有意に高かつた (全
体・ 女子 pく 0.01,男 子 p<01)。
抹茶は,茶 道の茶 (濃 茶・ 薄茶)に 用いられている。
一方,近 年ではこ うした利用以外に,機 能性や濃緑色
の色沢・ 香味などが注目され,和 菓子や洋菓子,ベ ッ
トボ トル飲料などに抹茶を添加 した加工品が増 えてい
る l‐ 1ゆ 。そのため,抹 茶を使 つた製品やキーフー ド
を目にする機会が増加 し,抹茶 の認知度が高くなった
と考えられる。また,農 林水産省が 20∼ 70歳 (l1999,
20代 8.7%)を 対象に行つた調査 10に よると,茶 の
認知度は番茶 99%,か ぶtl‐A46%,ぐ り茶 50%で あ
つた。本調査では,い ずれもこれより低かつた。
ぐり茶について,静 岡県伊豆地方は主産地の一つ4)
9)■ )で あるが
,県 内者においても認知度が低かつた。
の
また,高 級茶 代表である玉露の産地は,静 岡・ 京
)い
。様々な種類がある日本茶の中
郡・ 福岡である。
。
で,玉 露・曝茶 かぶせ茶用の茶の樹は,い ずれも覆
いをかけて育てる覆下栽培によるものである4)。 本
調査において,玉 露の認如度は高かつた ものの,撮茶
やかぶせ茶の認瀬度は低かったことから,茶 の産地で
生活 していても,各 種緑茶の栽培方法や緑茶 の種類に
対する認知が低いことが示唆された。
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(4)飲 用経験のある緑茶の種類
蘇
飲用経験 のある緑茶の種類について検討 した。
全体では抹茶が最も高く (83.3%),ほ うじ茶
煎茶,玄 米茶,玉 露と続いた (図 3)。 男子では,煎
茶 (78.2%),抹 茶 (76.6%),ほ うじ茶 (75.0%),
玄米茶,玉 露,女 子では抹茶 とほ うじ茶 (87.9%),
玄米茶 (80.8%),煎 茶 (714%),玉 露 と続いた
(図 4)。 飲用経験 の高い緑茶は,認 知度の高い もの
と一致 していたが,認 知度に比べると,全 体・ 男女い
ずれにおいても有意に低かつた。居住形態別 にみると
下宿生は男女ともに飲用経験が認知度より有意に低か
った (ぐ り茶以外)。 一方,自 宅生では,男 子はほう
じ茶・ 玉露・番茶,女 子はほうじ茶・ 玄米案は認知度
と飲用経験 との間に有意差がなく:い ずれも認知度が
高かつたことから,経 験を伴つた認知といえる。
認知度・ 飲用経験 ともに低かつた晨茶は,体 茶の
原料である。櫻茶は,国 内における加工品原料の需要
と相まつて生産量が増加 しており 1つ ・ 静岡は京都
愛知に次ぐ生産地である。 ISl。 抹茶の認知度やfll用
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不発酵茶 (緑 茶)は ,さ らに蒸 し製 と釜入 り製に分け
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製造時期や季節,製 造方法,品 種な どを加えると,茶
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138
大学生 におけるリー フ緑茶 の摂取状況 と嗜好性
漱 用したい臨
400102o∞
∼20113年 の 間 に緑茶の飲用率は増加 してい るが ,そ
れ以上に若年層においては表茶 の飲用率の増加 が 高い
ことか ら,若 年層 のみな らず社会全体 で緑茶 の飲用率
が低下す ることを懸念 している。本研究より,緑茶 の
飲用率は他の飲 み物 より高い こ とが示唆 された。
(6)緑 茶の飲用形態
(5)よ り,食 事 の際に一緒に飲用 している茶 とし
て緑茶 が多 かつた。そ こで,緑 茶 の飲用形態について
%”
(b)食事 φ際 に飲用してい傲 み場
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●●r擦 ヽ歌力しむ ヽ
お 凛 した0メ 01お 〆 い∝ 書 〆 O01).
“
頻度 が高まる一方 で,そ の原料や生産 状況 にはあま り
関心 がない と考 えられる。 こ うした地域 の農業や特産
品について は,家 庭 ,地 域や学校で理解 を深めてい く
必要があ る。学習指導要領では,地 域 の産業などは小
学校社会 科第 3∼ 5学 年 で の学習 が明記 され て い る
力)。 また ,家 庭科 では実践的・ 体験的な活動 ,総 合
的な学習 の時間では体験活動な どを取 り入れ る ことや
地域 の教育資源や学習環境 を活用することが求められ
てい る κ)。 地域 の歴史ある産業を生か しなが ら,地
域に根付 く文化 の理解 と継承 が必要 である。
検討 した (図 6)。
全 体・ 男女 ともに約半数が緑茶 ドリンク (ペ ッ トボ
トル)を 飲用 してお り (全 体 47´ 4%,男 子 524%,
女子 447%),他 より有意に高かつた (pく 0_01)。
リー フ緑茶 (急須 )は ,緑 茶 ドリンク (ペ ッ トボ トノ
⇒
の約半数 であつた (全 体 265%,男 子 226%,女 子
296%)。 出身 の相違による違 いは見 られなかった。
居住形態 をみ ると,全 体・ 男女 ともに緑茶 ドリン
ク (ペ ッ トボ トル )は 下宿生, リーフ緑茶 (急 須 )は
自宅生が有意に高かった。緑茶 ドリンク (ペ ッ トボ ト
ル)と リーフ緑茶 (急 須)の 有意差 は自宅生では見 ら
れなか ったが ,下 宿生は前者 が有 意 に高 かつた (pく
0.01)。 このこ とから,下 宿生では緑茶 ドリンク (ペ
ッ トボ トル )が 主流であるが, 自宅生は緑茶 ドリンク
(ペ ッ トボ トル )と リー フ緑茶 (急 須 )に 三分 されて
いるといえ る。茶処・ 静岡の家庭にお いて も緑茶 ドリ
ンク (ペ ッ トボ トル)が 利用 され てお り,急 須 で海れ
て飲用す る習慣 は薄れつつ あることが示唆 された。
お茶 自書 8)に よると,緑 茶 (リ ー フ茶 )購 入量は
1965年 の 2,133gを ピー ク と して ,1990年 に は
1,237g,2009年 は 1,000gを 割り込み (9420,2014
年は 889gと 低下の一途を辿っている。1人 当たりの
緑茶 (リ ーフ茶)購 入量は,1965年 の 501gに 対 し
2014年 には 2938に 減少 した。 これは,ベ ッ トポ トル
,
(5)食 事の際に飲用 したい飲み物・ 飲用す る飲み物
普段 の食事 の際に飲用 したい飲み物は,全 体では緑
茶が最 も多 く (42.2%),表 茶 (225%),
ウー ロン茶 (12.4%),水 と続 いた。男女に
おいても,同 様の傾向が見られた (図 5)。
飲 用 して い る飲 み物 は ,全 体 では緑 茶
(353%),麦 茶 (225%),水 (14.7%),
ウー ロン茶 (10_5%)で あつた。男女 にお い
ても,ほ ぼ同様 の傾向を示 した。飲用 したい
飲み物 と実際に飲用 している飲み物を比較す
ると,女 子では両者間に相違は見 られず,行
動 (実 際 に飲用 してい る飲み物)と 欲求 (飲
用 したい飲み物)が 一致 してい るとい える。
男子は緑茶 0く Ql)と 牛乳 (p<0.01)は 実
際の飲用割合の方が低 く,水 (ρ く005)は 実
際の飲用割合の方が高かつた。
薬のIli用 頻度 は,韓 らが女子高校生を対象
に行 つた調査 a)で は麦茶,福 司山らが女子学
生 を対象 に行 つた調査では ウー ロン茶が最 も
高かつた 2)。 早川 2)は 飲用機会男1飲 み物飲
用率を調査 し,昼 食・ 夕食時は麦茶,ウ ーロ
ン茶 ,緑 茶 の順で飲用 されてい ること,19"
やティーバ ッグ,粉 末茶 な ど,手 FF3が かか らず手軽に
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目7各種緑茶の飲用頻度(全 体)
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口e居 住形態・出身地と各種緑茶の飲席頻度 (全 体)
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(8)実 素に保有する様業の道具類
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本調査より高かつた。 これは,回 答者が
20∼ 70歳 と年齢 幅 があ るこ と,調 査
(2005年 )が イヽ
型ペ ッ トボ トルの登場
(1996年 )か ら間がないためと考えられる。
本研究の結果 と合わせて考えると,上 記
調査から 10年 余りの間に,緑 茶 ドリンク
の普及 が下宿生のみならず家庭 にも拡大
していると考えられる。
oo
緑茶を飲める商品の普及で,急須 に茶葉を入れてお茶
を飲tP機会が減少 しているためとされている。本研究
においても,緑 茶 ドリンク (ベ ットボ トル)の 飲用ス
タイルが浸透 していることが示唆された。
(7)緑 茶の経取頻度
緑茶 ドリンクの消費が拡大 した要因と
して:食 生活の簡便化ニーズを満たした
点にあるといわれている 20。 リーフ緑茶
は,① 溶れ方が難 しく,多 人数に出す場
合同質にならない,② 茶ガラを捨てた り
,00∽
急須を洗 った りするのが面倒 といった問
題点があり,若 者 を中心に敬遠される傾
向が強いとされる 2い 。 (6)に おいて緑
茶 ドリンクの飲用割合が リージ緑茶 (急
須)よ り高かつたことから,縁 茶 を掩れ
る際に使 う道具類の保有状況を検討 した。
自宅生については実家,下 宿生について
III∞
は
帰省先の実家について調査した。
“
全体では急須が最も多く (92.8%),
の
他 道具類に比べて高かった (pく 001)
(図 9)。 男女においても同様 の傾向が
見られたが,女 子 の方が急須 (pく 0.1),
茶業 (pく 001),茶 こし (pく 0.01)の
保有率 が 高 く,男 子 では緑茶 ドリン ク
(缶 )(ρ く001),湯 ざま し用容器 (p
く0.05)が 女子より高かつた。
居住形態別に見ると,全 体では,自 宅
生の方が下宿生より急須や茶 こしの保有率が有意 に高
く,テ ィーパ ック・ 緑茶 ドリンク (紙パ ック)は 下宿
生の方が高かつた。男女別にみると,下 宿生の女子は
男子よりも茶薬 0<0.01),茶 とし (p<Q01),水
出 しパ ック (p<0.1),緑 茶 ドリンク (缶 )(pく
0.05)が 多 かつた。 出身 lに み る と,急 須 (´ く
001),茶 こし (p<01)は ,県 内者の方が県外者よ
り高く,県 外においては家庭か ら急須がなくな りつつ
あると考えられる。ほぼ全ての人が実家に急須 と茶薬
を常備 しているにも関わらず,6割 近い家庭でベ ット
ボ トル を常備するなど,家 庭における緑茶 ドリンク
い ットボ ト/●lの 利用率の高さが示唆された。
緑茶が急須で飲 まれるよ うになったターニ ングポ
イン トは,蒸 し製茶業の登場にあるといわれてお り
4),煎 業が広く飲まれるようになった 1960年
代には
静岡県で深蒸し緑茶の製法が開発され,関 東を中心に
嗜好 され ている3)。 また,緑 茶を美味 しく飲むには
水質や湯温が重要であり,そ の道具 として湯冷ましが
用い られる。湯冷ま しは,元 々は玉露を飲むために使
用が始まり,現 在は煎茶などでも使われる道具であり
)。
味と香 りを楽しむために必須 である。
しか し,そ
の保有率が低かつたことか ら,活 用されてないか,別
F・
各種縁茶の摂取頻度を検討 した (図 7)。
全体を見ると, リーフ縁茶 (急 須)と 緑茶 ドリンク
は高摂取群が低摂取群 より有意 に高く, リー フ緑茶
(急 須)よ り緑茶 ドリンクの方が高かつた。自宅生で
は,緑 茶 ドリンクとリーフ緑茶 (急 須)の 間に有意差
はなからたが,下宿生では前者の方が高く,居 住形態
による相違が見られた。 リーフ緑茶 (急 須)の 摂取顔
度について県内と県外を比べると,県 内の方が高かつ
た 0<001)(図 8)。
1世 帯当たりの飲料品目別支出金額 (平成 26年 )
をみると3),全 国平均 ではリーフ緑茶 4.174円 ,茶
飲料 (緑 茶 ドリンク)5,979円 であり,後 者の方が多
かった。静岡市では, リープ緑茶は他地域に比べて高
かったが 0435円 ),緑 茶 ドリンクも平均を上回つ
ていた (6,432円 )。 農林水産省 の調査 lい では
93%が 「急須でお湯を入れて飲む」と回答 してお り
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大学生 におけるリーフ緑茶の摂取状況 と嗜好性
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力の育成が必要である。そのため,理 科や家庭科な
どの実験・ 実習において,急 須で流れる茶 の美味 し
さを体感的・ 科学的 に理解 できる工夫が重要である。
(10)緑 茶を滝れた経験
リーフ緑茶 (急 須)を 滝れた経験は,全 体 85.6%,
男子 774%,女 子 912%で あり,女 子は男子より高
かつた 0<0.01)(図 11)。 居住形態間の差は見ら
れなかつたが,出 身間で相違が見られ,県 内者は県外
者より有意に高かつた (全 体,男 子)。 男女間で比較
すると, 自宅生では相違は見られなかつたが,下 宿生
では女子が男子より高かった (p<001)。
パ ック緑茶は,全 体 657%,男 子 598%,女 子
73.1%で あり,女 子の方が多かった (p<005)。 リ
ーフ緑茶 (茶 こし)は ,全 体 34.0%,男 子 26.5%,
女子 36.8%で あり,茶 こしに茶薬を入れて上か ら湯
いた。茶 こしは,本 来,茶 殻
をかけて使 う人が約 3篤 」
を受けるための道具であり,茶 を滝れるための道具で
はない F)。 また,茶 葉はお湯に浸さなければ旨味成
分が抽出されないため r),茶 を美味 しく流れるため
に,道 具選びの重要性を伝えてい く必要がある。
自宅にあるもの)
簡0保 有している録■に諷する鳳■織〈
の ものでrtHさ れてい ると考 えられ る。急須 で茶 を飲
む食文化創成 の一端 を担 つた ともい える静岡の地にお
いて,茶 を美味 しく飲むための道具が揃 つていないこ
とは憂慮すべ き事態 とい える。
下宿 に保有する緑茶に関する道具類
ここでは,下 宿生 を対 象 に調査 した (図 10)。
全体 では ,ペ ッ トボ トル が最 も多 く (353%),
いで
急須 (33.3%)で あつた (両 者 に有意差な し)。
次
男子 ではベ ッ トボ トルが最も高 く (500%),女 子
(235%)よ り高か つた (p<0.01)。 女子では急須
(348%)が 最 も高 かつた。 また,有 意差 は見 られな
か った が ,男 子 の 茶葉 の保 有率 (228%)は 急 須
(315%)よ り低か つた。 このことか ら,下 宿生は リ
ーフ緑茶 を湾れ る道具類 の保有割合 が約 3割 と低 いこ
と,急 須 を持 つてい ても肝 心 の茶葉 がない場合 がある
こと,利 便性や手軽 さな どの面 か ら緑茶 ドリンク (ペ
ッ トボ トル )を 飲用 していることが示唆 された。
稲 垣は,急 須 の材料 が緑茶 の里味成分 に及ぼす影響
を検討 し,萬 古焼 きな どの妬器質 の急須で茶 を滝れた
場合 ,カ テキ ン類 な どの渋味成分は選択的に吸着 され
るが,旨 味成分 であるア ミノ酸類の減少が1ま とん どな
レヽ
ため,茶 の 旨味成分 であるア ミノ酸類 の含有 量が見
2)2。 2い
。茶 のおい し
かけ上増加す ると報告 している
さは,呈 味成分 のみで表 され るものではないが ,妬 器
質 の急須 でお茶 を滝れ るとお い しく感 じられ る傍証が
得 られた としている。 このことか ら,緑茶文化 の継承
に l■ ,茶 道具の役割 を理解 し,道 具を吟味・ 活用する
(9〉
(11)リ ー フ縁茶 (継 須)を 滝れる自信
全体では,「 自信をもつて滝れることができる」
24.5%,「 なんとなくではあるが,流 れることができ
る」412%,「 あまり自信はないが,滝 れることがで
きる」265%,「 掩れることができない」は 56%で
あ り, 自信の有無に関わらず 「海れることができる」
人は,「 掩れることができないJ人 より有意に多かつ
た (ρ く001)(図 12)。 男女とも同様の傾向を示 し
たが (図 13),「 滝れることができないJは ,女 子
より男子 の方が高かつた (pく 0.01)。 出身県別では
県外者の方が県内者 より
れることができない」が
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有意 に高かつた。 このことから
,男 子 と女子では女子
県内者 と県外者では県内者の方が, リーフ緑茶 (急 須)
の海れ方に自信を有 しているといえる。
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図 12リ ーフ縁兼 (急 須 )に 対する自信 (全 体 )
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目 13リ ーフ録茶 (急 須 )に 対する自信 (男 女 )
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フ緑茶 (茶 こ し)は 「やす らぎ」
415%が 最も高く,「 健康的」 「リラ
ックス」 「まつた り」と続 いた。パ ッ
ク緑茶は 「手軽」 (54.6%)が 最も高
く,次 いで 補 単」 「便利」であった。
緑茶 ドリンクは,「 手軽」 180/0),
「便利」 「簡単Jと 続いた。
“
カテゴリー男1に 槻観すると, リー フ
緑茶 (急 須)と リーフ緑茶 (茶 こし),
パ ック緑茶と緑茶 ドリンクのイメー ジ
はよく似た傾向を示 した。議者は主に
情緒的価値 と健康面を重視 しているの
に対 し,後 者は簡便性を重視 してお り,
両者間でイメ■ジが異なるといえる。
詳細をみると,情 緒的価値は,大 半
の項 目においてリーフ緑茶 (急須)が
最も高く,パ ック縁茶や緑茶 ドリンク
に比べて有意に高かった。
健康面は,リ ー フ緑茶 (急 須)は
「健康的・ 安全・安心1,緑 茶 ドリン
クは 「渇きを癒す」が高かつた。
簡便性は,パ ック緑茶や緑栞 ドリン
クは 「簡単・ 手軽 ,便 利」が高かつた。
味覚は, リーフ緑茶 (急 須)力 ヽ「お
いしい」が他 より高く,味 の良さが評
価されていた。
対象については, リーフ緑茶は高齢
者,パ ック緑茶や縁茶 ドリンクは若者
の飲み物 とい うイメー ジが高かった。
熊倉らは, リー フ緑来 の喫茶習慣は日
頃の習慣が反映されているとしている
。
)。
すなわち,急 須 で掩れ る縁茶は
年齢が高いほど飲む量は多いが,ど の
年齢醸 においても縁茶購入量は増加
していないことか ら,「 若者は縁茶を
飲まなくても,年 をとれば歓むように
なる」わけではないと指摘 している。
一方,本 調査対象者 (大 学生)は,若
い頃は縁茶 ドリンクのよ うな手軽な形
態の緑茶を利用 し,年 齢を重ねるに従
い,急須を使つて緑洪 を飲 むようにな
るといった,年 代による飲み分けを考
えており,日 颯の習慣による影機は考
えていないことが示唆された。
価格は,リ ーフ緑廉 については値段
に関する回答が少なく,経 済性はあま
り意識されていなかった。パ ック緑茶
や緑茶 ドリンクでは「価格が安いJと
い う回答が 2∼ 3割 あり,経 済性が評
価 されてい ると考えられ る。実際 には,緑末 ドリンク
よりもリー フ緑茶 の方が 1杯 あた りの値段 は安い。 こ
のこ とから,緑 茶 の実際の価格 と予想 価格が一致 して
い ないと推察 され る。また,下 宿生は茶薬 の保有率が
低かつたことから (図 9),自 分で緑茶 を購入 した経
(12職 茶に対するイメージ
全体において,リ ーフ緑茶 は 須)で 最も高かつた
のは 鴨 康的」 (647%)で あり,次 いで「やすらぎ」
614%, 'ま つたり」 「リラックス」であった。 リー
つ乙
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大学生におけるリーフ緑茶の摂取状況と嗜好性
表1緑 茶に関する学雷経験、および学習した校種・教科・撃警内審 (複 数回つ
学冒
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中
高
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英障
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産や 喫茶文 化 を守 るた めに
は ,我 が 国 の 食 文化 にお け
る茶 の位 置 づ け とともに
茶 の 生産 ・ 消費動 向 の 理解
が 必 須 で あ る。 加 え て
様 々 な種類・ 産地・ 品種・
価格 の リー フ茶 を飲 み 比 べ
るな ど して ,五 感 を活 用 し
た理 解 が求 め られ る。 リー
フ緑茶 の理 解 と利 用 を促進
す るこ とに よ り,地 域 の産
業や 農産 物 (茶 葉 )の 価値
を知 ることが重 要である。
,
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図 :4各 種緑業 に対するイメ■ ス全体 )
(13)学校での緑秦 の学習
異なな つ´ ″ ベ ッ囃 孝■鶴勲 喘 るこ盪 示す lPく ■051.
学習経験は,全 体 で 27.8
%で あ り,未 経験者 の方が高かつた (pく 0.01)(表
1)。 出身別 にみ ると,全 体で は県内 330%,県 外
17_9%で あ り,県 内出身 の方が高か つた (pく 001)。
校種は小学校が最 も多かった。学習 した教科 は,全
体 では総合的な学習 の時間・ 社会 ,家 庭科 ,学 習項 目
は緑茶 の産業 ,緑 茶 の滝れ方 ,茶 場見学 が多 かつた。
静岡県は緑茶 の購入量 ,購 入金額共に トップ 6)で
あ り,本 調査対象者 の約 7割 は静岡県出身 である。 し
か し,緑 茶に関す る学習はあま り行われてい なかった。
験 が無い,あ るいは少ない と思われ る。
静岡県 の調査に よると, リーフ購入時に こだわ る点
は,味 844%,香 り 780%,安 全性 638%,色 610
%,価 格 584%で あつた %)。 本研究において も,緑
茶 の味が重視 されて いた (図 1)。 茶葉 のクオ リテ ィ
4)。 っ
ま り,美 味 しい茶
や価値は ,値 段 に直結 する
を飲む ためには ,目 的にあわせて茶 を選ぶ ことが重要
4,。
であ り,そ の一つの指標 となるのが価格 である
本研究によ り,大 学生は リーフ茶 の価格 をあま り議
識 してお らず ,下 宿生は茶葉を保有 していないな が多
かった。 このことか ら,大 学 生の リーフ茶 の購入 (入
手 )の あ り方 を考える必要 があるといえる。近年 ,茶
.つ
。世帯当た りの リ
価格 の下落が問題 となってい る
ー フ茶 の購入量 と購入金額はいずれ も減少傾向が続 い
てお り,主 たる購入先が茶専 F号 小売店か ら量販店へ と
平成 20年 度改訂 の学習指導要領総則 か におい て
は, 日本 の伝統 と文化の充実 が謳 われている。また
「地域 の教育 目標や指導内容 の選択 に当たっては地域
の実態 を考慮す ることが大切 」 と記 載 され てい る か 。
食文化 を継承す るためには ,子 どもが幼少 の段階
か ら関心を抱 くことが重要である。 この点に注 目す る
と,幼 稚国か ら小・ 中・ 高校 に至 るまで ,体 系的に学
習す ることが望ま しい と考えられ る。食育 の面か らす
ると,学校教育活動全体 として,教 科横断的・関連的
指導を行 うことが求 められている 20。 緑茶 について
は,家 庭料 の調理実習や家族団 らんの学習 ,社 会科で
は産業 ,技 術科 では生物育成な どで,学 習する ことが
できる。緑茶 とい う食文化 の継承 のために,多 様な教
群 に取 り入れ ,多 面的・ 多角的に取 り組む必要 があ る。
,
シフ トしつつ ある ことも相ま つて, リー フ茶 の需要 の
2°
。 こ うした リーフ茶
見通 しは不透 明な状態にある
の需要滅退 による影響は,一 番茶等の高価格帯 の茶 の
価格低迷 とい う形で生産現場に波及 し,今 後 も価格 の
下落 が続 いた場合 ,多 くの茶生産農家にお い ても再生
産が難 しい状況 に陥 ることが懸念 され る。 この場合
低価格常 の茶 について も生産 が滞 ることか ら,安 価 な
輸入品への代番 が一気に進み ,国 産 シェアの大幅な低
お)。
下を招 く恐れ がある
緑茶 の嗜好性 が高 くても,材 料である茶薬 の価値が
理解 できなければ,消 費行動 (購 入)に 繋 が らず ,緑
茶 の衰退に繋 がる可能性 もある。伝統 の ある緑茶 の生
,
4
まとめ
急須を用 いて茶 を滝れ る喫茶文化は,ベ ッ トボ トル
143
村上陽子・谷本亜沙美 植田(勝 山)郁 美
緑茶飲料 の普及により,表 退が懸念されている。本研
究では,大 学生におけるリープ縁茶の摂取状況と嗜好
性について検討 した。
大学生における縁茶 の嗜好性は高く,認 知度・ 飲用
経験の高い緑茶の種類は抹茶であつた。緑茶の飲用形
態は,緑 茶 ドリンク (ペ ットボ トル)が 最も高かつた。
ほぼ 1∞ %の 人が実家 (帰省先)に 急須 と茶葉を常備
しているにもかかわらず,家庭 においても緑茶 ドリン
ク (ペ ットボ トル)の 利用が高かつた。茶道具の保有
についで,下 宿生は急須 を持らてぃない者が多かつた。
県外者は,約 2割 が自宅に急須 を持つていなかった。
以上 より,緑 茶 ドリンクの利用拡大 と共に,リ ー
フ縁茶 に触れ る機会の減少が示唆された。岩崎は,急
須で茶を入れる文化は,ペ ットボ トル飲料と異なり,
ほつと一息入れたいときに飲用す るためにあり,両者
は拮抗 しない としてい る7)。 しかし,現 実問題 とし
て,急 須 で茶を入れる習慣が希薄化 していることが明
らかとなつた。 日本の食文化に触れる機会が減少 した
りあるべき姿が消失 したりすることは,食文化の継承
とい う点において懸念すべき状況である。丈化の継承
のみならず,地 域 の産業の存続,食 の安全の担保 とい
う問題からも縁茶文化を見直す必要がある。
●考文献
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(2014年 5月 11日 ),
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19)全
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察,二重県科学技術振興センターエ業研究部研究報
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(2008)
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本薬
教科書
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学
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25)稲 垣順一,西 川孝 :急 須の表面状態が緑来 の呈味
面 mcally‐ mfmattd面 詢
成分に与える影響 (第 2判 ,二 重県科学技術振興
ングー “
茶葉 ビジネ
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“
センターエ業研究部研究報告,35,9204K2010)
ス"か ら “リラックス・ ビジネス"へ ,農 山漁村文
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,
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27年 3月 版),Ⅲ :/― 正
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p.31,p54,p560009p
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触 tnt(211111)
・
27)農 林水産省 :平 成 24年 度食料
・ 農業・ 農村 自書
(13)茶 (平 成 25年 6月 11公 表),hupス 面呼
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扉
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緑茶 の飲用 実態 と意識 の年齢階層別比較 ,日 本食生
H)大 坪檀監修
seisal1/suidn/■ akou_gyoumu/pdf/090317_1_8.pdf
(2009)
144
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