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2017 年の懸念材料、「人手不足」がトップ

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2017 年の懸念材料、「人手不足」がトップ
2016/12/27
福岡支店
住所:福岡市中央区舞鶴 2-4-15
電話:092-738-7779(情報部)
URL: http://www.tdb.co.jp
特別企画:2017 年の景気見通しに対する九州企業の意識調査
2017 年の懸念材料、「人手不足」がトップ
~トランプノミクス、日本経済に「マイナス影響」が 4 割~
はじめに
2016 年 12 月 8 日に発表された7~9月期の実質 GDP 成長率2次速報は、前期(4~6月期)比
0.3%増、年率換算で 1.3%増と、3四半期連続のプラス成長となった。また、住宅着工戸数の増
加や有効求人倍率の上昇が続くなど改善傾向を示す指標がある一方、個人消費は依然として足踏
み傾向がみられており、業種や地域で景況感の格差が表れている。
そうした状況の中、帝国データバンク福岡支店は、2016 年の景気動向および 2017 年の景気見
通しに対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB 景気動向調査 2016 年 11 月調
査とともに行った。
※ 調査期間は 2016 年 11 月 16 日~30 日、調査対象は九州・沖縄地区の 1,988 社で、有効回答企
業数は 736 社(回答率 37.0%)
。
調査結果(要旨)
1. 2016 年の景気動向、
「回復」局面だったと判断する企業は 6.9%となり、前回調査(2015 年
11 月)から 1.7 ポイント減少。他方、「踊り場」局面とした企業は 51.0%と 2 年連続で 5 割
超、
「悪化」局面は 18.1%と前回調査を 1 ポイント上回り、
「分からない」は 24.0%と調査開
始以降で最高
2. 2017 年の景気見通し、
「回復」を見込む企業は 11.7%で、2016 年見通し(2015 年 11 月調査)
と比べて 0.9 ポイント増。
「悪化」や「踊り場」局面を見込む企業が減少した一方、「分から
ない」が 2007 年以来となる 29%台に達し、先行き見通しに対する不透明感が一段と高まっ
ている
3. 2017 年景気への懸念材料は「人手不足」
(38.0%、前年比 5.1 ポイント増)が最多。2 位は「米
国経済」
、3 位は「原油・素材価格(上昇)」。前回トップだった「中国経済」
(19.0%、同 21.8
ポイント減)
、2 位だった「消費税制」(14.3%、同 24.9 ポイント減)は大幅に減少
4. 景気回復のために必要な政策、
「個人消費拡大策」
「所得の増加」
「公共事業費の増額」が上位
3 項目にあげられる。
5. トランプ次期米大統領の経済政策が日本経済に与える影響は、
「プラスの影響」が 11.5%、
「マ
イナスの影響」が 38.3%、
「影響はない」が 8.8%、「分からない」が 41.3%
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
1
2016/12/27
特別企画:2017 年の景気見通しに関する九州企業の意識調査
1.2016 年の景気、
「踊り場」と捉える企業が2年連続で半数超
2016 年の景気動向について尋ねたところ、
「回復」局面であったと回答した企業は 6.9%となり、
2015 年の景気動向(2015 年 11 月調査)から 1.7 ポイント減少した。他方、
「踊り場」局面とした
企業は 51.0%と2年連続で5割を超えたほか、
「悪化」局面とした企業は 18.1%と前回調査を 1.0
ポイント上回った。また、
「分からない」は 24.0%と調査開始以降で最も高かった。
「回復」局面とみている企業からは「熊本地震復興の仕事が増えてきている」
(建設業、熊本県)
や「一転してトランプ円安の報道もあり、株価は回復基調にある。熊本震災からの回復傾向もあ
り、明るい兆しが見える」
(情報サービス、鹿児島県)、
「東京オリンピック工事や地震からの復興
需要、既存のインフラ老朽化に伴う工事増加、安倍政権による積極的財政支出が景況感を支えて
いる」
(運輸・倉庫、大分県)といったように、熊本地震の復興需要が景況感の回復を支えている
という意見がみられた。しかし、
「踊り場」局面が半数超を占めるなかで、「景気は地域や産業間
によって回復がまだら模様だが、業界の回復状況は、まだ先行きに明るさが見通せていない」
(出
版・印刷、佐賀県)や「決して全体の景気が回復したとは思えないが、限られた部門での景気回
復は感じられる」
(飲食料品卸売、福岡県)といった、業種や企業間で現状の景気動向が二極化し
ている様子もうかがえる。
「悪化」局面とした企業からは、
「個人消費は依然として足踏み傾向がみられており、業種や地
域で景況感の格差が表れている」
(金融、宮崎県)や「アベノミクスの恩恵はなかったに等しく、
消費者の財布の紐も相変わらず固くしまったまま」
(化学品卸売、長崎県)などの声があり、業種、
地域で景況感格差が広がっていることを訴える声や、消費の伸び悩みを指摘する声もみられた。
アベノミクスは開始から4年
景気動向の推移(2006 年~2016 年)
目を迎えたが、2016 年の景気
回復局面
動向を回復局面と捉える企
業は1割弱にとどまり、3年
連続で減少している。他方、
「踊り場」局面とする見方は
2年連続で半数を超えてい
るほか、「分からない」とす
る企業も 24.0%と過去最高
2006年
(2006年11月調査)
2007年
(2007年11月調査)
2008年
(2008年11月調査)
2009年
(2009年11月調査)
2010年
(2010年11月調査)
2011年
の割合となった。2016 年の景
(2011年11月調査)
気に対して半数超の企業が
(2012年11月調査)
「踊り場」局面と認識してい
(2013年11月調査)
たなかで、判断を留保する企
2014年
業も多く、不透明感の漂う一
年であったと言える。
2012年
2013年
(2014年11月調査)
2015年
(2015年11月調査)
2016年
(2016年11月調査)
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
12.0%
52.6%
3.9%
35.4%
6.4%
47.9%
43.6%
2.3%
33.7%
45.3%
2.2%
32.8%
49.4%
8.7%
8.6%
6.9%
17.1%
40.2%
27.0%
44.4%
46.7%
55.0%
51.0%
21.0%
18.2%
85.4%
33.6%
2.3%
分からない
14.5%
42.4%
0.1% 8.1%
1.4%
悪化局面
踊り場局面
13.8%
18.7%
15.5%
8.6% 20.0%
27.3%
17.1%
18.1%
17.4%
19.3%
24.0%
2
2016/12/27
特別企画:2017 年の景気見通しに関する九州企業の意識調査
2. 2017 年の景気見通し、「踊り場」「悪化」を見込む企業が減少、「分か
らない」が増加
2017 年の景気について、
「回復」局面を迎えると見込む企業(11.7%)は 2016 年見通し(2015
年 11 月調査、10.8%)と比較して 0.9 ポイント増と、回復局面とみる企業の割合がやや増加した
結果となった。また、
「悪化」や「踊り場」局面になると見込む企業が 2016 年見通しより減少し
た。特に「悪化」局面とみる企業の割合が3年ぶりに 10%台に低下した。他方、
「分からない」
とする企業が 2007 年以来となる 29%台に達し、先行きの不透明感がさらに深まっている様子が
うかがえる。
規模別でみると、
「悪化」と見通す企業の割合は「小規模企業」が「大企業」より 5.2 ポイント
高く、規模の小さい企業ほど厳しい見通しを示していることが浮き彫りとなった(7 ページ参考
表参照)
。業界別では、
『小売』で「悪化」と見通す企業の割合が 28.3%と最も高く、
『不動産』
が 25.0%で続いた。不動産市況に一部天井感がみられることや、個人消費の伸び悩みが影響を及
ぼしていると考えられる。県別でみると、
「回復」局面を迎えると見込む企業が高いのは、沖縄県
(19.2%)
、熊本県(18.6%)の2県で、11 月の TDB 景気動向調査においても、上記2県が全国
都道府県別でトップ2となっており(沖縄県第1位、熊本県第2位)
、現状の景況感の高さがその
まま、2017 年の見通しでも反映された格好となった。
企業からは「米国の動向、TPP問題など不透明感があり、設備投資や雇用増について様子見
の状況ではないかと思う」
(化学品製造、熊本県)や「アメリカの政権交代や中国経済の先行きが
不透明」といった、次期米国大統領による経済政策の行方に対して不透明感を訴える企業が散見
された。
景気見通しの推移(2007 年~2017 年)
回復局面
2007年
(2006年11月調査)
2008年
(2007年11月調査)
2009年
12.8%
5.4%
(2008年11月調査) 1.2%
2010年
(2009年11月調査)
2011年
(2010年11月調査)
2012年
(2011年11月調査)
2013年
(2012年11月調査)
2014年
(2013年11月調査)
2015年
(2014年11月調査)
2016年
(2015年11月調査)
2017年
(2016年11月調査)
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
踊り場局面
悪化局面
分からない
17.4%
29.2%
40.6%
25.9%
44.1%
13.7%
7.7%
70.3%
31.3%
24.6%
14.9%
37.7%
8.1%
33.9%
8.6%
30.8%
34.3%
26.4%
10.4%
29.6%
33.7%
26.3%
21.1%
35.2%
23.2%
34.6%
12.5%
36.1%
10.8%
41.2%
11.7%
40.2%
16.1%
26.8%
22.8%
28.2%
24.7%
23.9%
24.1%
19.0%
29.1%
3
2016/12/27
特別企画:2017 年の景気見通しに関する九州企業の意識調査
3. 「人手不足」を懸念する企業がトップ
2017 年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料を尋ねたところ、「人手不足」が 38.0%で最も高かっ
た(3 つまでの複数回答、以下同)
。
「人手不足」は前回調査(2015 年 11 月)時は 32.9%で「中
国経済」
「消費税制」に次いで3位であったが、今回トップに躍り出た。また、全国では「人手不
足」は 28.4%、3位にとどまっており、全国と比べても 9.6 ポイントも高い結果となった。特に
熊本県では 52.3%にのぼり、熊本地震の復興需要が人手不足感をさらに引き上げている様子がう
かがえる。2 位には「米国経済」が入ったが、前回調査から 26.4 ポイント増加しており、トラン
プ次期大統領が打ち出す経済政策
による米国経済への影響を懸念す
2017 年景気の懸念材料(上位10 項目、複数回答、3 つまで)
(%)
る企業が急増していることが浮き
2016年11月調査 2015年11月調査
1
2
価格(上昇)
」は 32.2%で3位とな
3
っており、景気を左右する重要項目 4
5
として上位にあげられた。
6
逆に、前回トップだった「中国経
7
済」
は同 21.8 ポイント減の 19.0%、 8
9
前回まで 2 位だった「消費税制」は
同 24.9 ポイント減の 14.3%となっ 10
彫りとなった。また、「原油・素材
人手不足
米国経済
原油・素材価格(上昇)
為替(円高)
中国経済
消費税制
為替(円安)
物価下落(デフレ)
所得(減少)
雇用(悪化)
↑
↑
↑
↑
↓
↓
↑
38.0
35.7
32.2
19.7
19.0
14.3
14.0
12.8
11.5
11.0
32.9
9.3
24.6
8.2
40.8
39.2
18.0
6.5
9.1
8.9
注1:以下、「株価(下落)」(9.4%)、「金融市場の混乱」(9.4%)、「金利(上昇)」
ており、景気の懸念材料はこの 1 年
で大きく様変わりした。
業界別にみると、「人手不足」は
『建設』と『運輸・倉庫』が5割超
となっており、
「受注はあるが、人手
不足のため仕事が受けられない状
(8.7%)、「TPP協定の実行」(5.6%)、「法人税制」(4.9%)、「地政学リスク」
(4.8%)、「政局」(4.5%)、「税制(消費税制、法人税制を除く)」(3.4%)、「物価上昇
(インフレ)」(2.9%)、「欧州経済」(2.3%)、「訪日観光客数の減少」(2%)、「その
他」(2.3%)
注2:矢印は2015年11月調査より5ポイント以上増加、または減少していることを示す
注3:2016年11月調査の母数は有効回答企業736社。2015年11月調査は767社
2017 年景気の懸念材料(上位 3 項目、業界別)
(構成比%、カッコ内社数)
況」
(建設、宮崎県)など、発注量と
人手不足
比較して人手の足りないことが収益
全体
を悪化させると懸念している様子も
農・林・水産
44.4
うかがえる。また、
「米国経済」では
金融
18.2
建設
53.0
『不動産』が5割、
「原油・素材価格
38.0
(280)
米国経済
(263) 32.2
(237)
-
(4) 22.2
(2) 44.4
(4)
-
(9)
(2) 27.3
(3)
9.1
(1)
-
(11)
(42) 31.3
(42)
-
(134)
(71)
35.7
原油・素材価
格(上昇)
31.3
不動産
28.6
(14) 17.9
(5)
-
(28)
(上昇)
」では『運輸・倉庫』が5割
製造
36.5
(58)
35.8
(57) 35.2
(56)
-
(159)
を超える企業で景気への懸念材料と
卸売
30.9
(54)
38.3
(67) 30.9
(54)
-
(175)
して挙げている。
(8) 50.0
(736)
小売
37.0
(17)
28.3
(13) 21.7
(10)
-
(46)
運輸・倉庫
53.3
(24)
42.2
(19) 55.6
(25)
-
(45)
サービス
32.8
(42)
35.2
(45) 31.3
(40)
-
(128)
その他
0.0
(0)
-
(1)
(0) 100.0
(1)
0.0
注1:網掛けは、全体以上を表す
注:母数は有効回答企業736社
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2016/12/27
特別企画:2017 年の景気見通しに関する九州企業の意識調査
4. 景気回復に必要な政策、「個人消費拡大策」「所得の増加」「公共事業
費の増額」がトップ3
今後、景気が回復するために必要な政策を尋ねたところ、「個人消費拡大策」が 42.3%(複数
回答、以下同)と4年連続で4割を超え、5年連続のトップとなった。次いで「所得の増加」
「公
共事業費の増額」
「年金問題の解決(将来不安の解消)」「法人向け減税」
「雇用対策」が3割を上
回った。特に「公共事業費の増額」は全国では5位に位置しているのに対し、九州では3位と上
位に位置しており、地域経済を下支えする公共事業をより強く求めている実態が浮き彫りとなっ
た。
企業の声としては、
「デフレ環境であるため、誰かがお金を使う必要があり、現状であれば政府
しかいない。政府が仕事を増やす政策を行う必要がある」
(鉄鋼・非鉄・鉱業、熊本県)や「公共
事業費ではなく単価の増額」
(建設、福岡県)といった、公共事業費の拡大あるいは公共事業費の
発注単価の増額を求める声が聞かれた。
今後の景気回復に必要な政策(複数回答)
(%)
2016年11月調査 2015年11月調査
1
個人消費拡大策
2
所得の増加
3
公共事業費の増額
4 年金問題の解決(将来不安の解消)
5
法人向け減税
6
雇用対策
7
個人向け減税
8
規制緩和
9
出産・子育て支援
10
地方創生
↓
42.3
37.6
34.9
32.5
30.6
30.4
28.7
24.5
21.1
18.6
40.4
38.2
33.0
29.7
32.3
28.9
32.1
24.9
26.1
21.4
注1:以下、「介護問題の解決(老人福祉、介護離職など)」(15.6%)、「災害対策」
(15.2%)、「物価(デフレ)対策」(15.2%)、「震災復興」(14.7%)、「財政再建」
(14%)、「地方への税源移譲」(10.2%)、「金融緩和政策」(9.8%)、「個人向け手
当の創設」(8.7%)、「TPP協定の実行」(8.4%)、「研究開発の促進税制」
(7.6%)、「女性登用」(7.2%)、「原発事故の収束」(6.5%)、「環境関連の優遇策
(補助金など)」(6.4%)、「道州制の導入」(3.5%)、「その他」(2.4%)
注2:矢印は2015年11月調査より5ポイント以上増加、または減少していることを示す
注3:2016年11月調査の母数は有効回答企業736社。2015年11月調査は767社
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5. トランプノミクスの影響、日本経済に「マイナス影響」が4割
11 月 9 日(日本時間)
、米大統領選挙で共和党候補
トランプノミクスの日本経済への影響
のトランプ氏が勝利した。選挙期間中の発言等が報道
されるなか、大統領就任後の経済政策(トランプノミ
プラスの
影響
11.5%
クス)や対日政策への注目が高まっている。
そこで、トランプ次期米大統領による経済政策(ト
分からな
い
41.3%
ランプノミクス)が、日本経済にどのような影響を与
えると思うか尋ねたところ、
「プラスの影響」と回答し
マイナス
の影響
38.3%
た企業は 11.5%と 1 割にとどまった。他方、
「マイナス
の影響」は 38.3%で 4 割近くに上った。また、
「影響は
影響はな
い
8.8%
ない」は 8.8%だったほか、
「分からない」が 41.3%と、
4 割超の企業がトランプノミクスによる影響を測りか
ねていることが明らかとなった。
注:母数は有効回答企業736社
「マイナスの影響」があると回答した企業を業界別にみると、『運輸・倉庫』(53.3%)が唯一
5割を超えており、
『金融』
(45.5%)
、
『農・林・水産』(44.4%)が続いた。他方、
『不動産』は
32.1%にとどまり、最も高い『運輸・倉庫』より 21.2 ポイント低く、業界によりトランプノミク
スが日本経済に与える影響について温度差が表れる結果となった。企業はトランプ氏の経済政策
に対して不明な部分が多いと考えつつも、日本経済への影響を慎重かつ厳しくみている様子がう
かがえる。
トランプノミクスで日本経済に「マイナスの影響」割合 ~業界別~
(%)
60
53.3
50
45.5
44.4
35.8
34.0
32.6
32.1
製造
小売
不動産
40.6
建設
40.6
40
30
20
10
卸売
サー ビ ス
農 ・林 ・水 産
金融
運 輸 ・倉 庫
0
<参考1>トランプ次期大統領の「就任100日行動計画」の主な内容
就任初日に実行
就任100日で立法措置
北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉、もしくは脱退を表明
4%の経済成長に向け、連邦法人税率を35%から15%に下げ
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの撤退を表明
企業の海外移転を阻止する税制改革
中国を為替操作国に認定するよう指示
民間の投資減税拡大と、今後10年で1兆ドルのインフラ投資
不公平貿易の洗い出しを指示
医療保険制度改革(オバマケア)の廃止
シェールオイルや天然ガスなどエネルギー規制の緩和
メキシコの資金負担で同国国境に壁を建設
国連の温暖化対策への資金拠出取りやめ
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2016/12/27
特別企画:2017 年の景気見通しに関する九州企業の意識調査
まとめ
2016 年の景気は、
「踊り場」局面と考える企業が 2 年連続で半数を超えた一方、
「分からない」
とする企業も 24.0%にのぼり過去最高の割合となるなど、不透明感の漂う一年だった。さらに、
2017 年の景気を「分からない」と回答した企業が大きく増加しており、先行きへの見通しが一段
と困難になった。
とりわけ、懸念材料として「米国経済」を挙げる企業が急増した。トランプ次期米大統領の経
済政策(トランプノミクス)や対日政策に対する方向性が不透明なこともあり、日本経済にどの
ような影響を及ぼすか測りかねているようだ。トランプノミクスが日本経済に「マイナスの影響」
を与えると考えている企業は約 4 割となる一方、どのような影響があるか「分からない」とする
企業も 4 割を超えており、
企業は日本経済への影響を慎重かつ厳しくみている様子がうかがえる。
また、九州では「人手不足」は依然として懸念材料として上位にあげられる。
他方、
「中国経済」や「消費税制」は前回調査から大幅に減少しており、景気の先行きに対する
懸念材料はこの 1 年で大きく様変わりした。今後の景気回復に向けて、企業は個人消費拡大策や
所得増加、
年金問題など将来不安の解消を通じて個人消費が活発化することが重要と考えている。
海外動向に先行き不透明感が漂うなか、今後、日本経済が自律的な好循環を達成するため、政
府は消費活性化と企業業績の改善に向けた政策を一段と推し進める必要性が高まっている。
<参考2> 2017 年の景気見通し ~規模・業界・地域・従業員数別~
(構成比%、カッコ内社数)
回復局面
踊り場局面
悪化局面
分からない
(構成比%、カッコ内社数)
合計
回復局面
踊り場局面
悪化局面
分からない
合計
九州
11.7
(86) 40.2
(296) 19.0
(140) 29.1
(214) 100.0
(736)
九州
11.7
(86) 40.2
(296) 19.0
(140) 29.1
(214) 100.0
大企業
11.1
(15) 43.7
(59) 17.0
(23) 28.1
(38) 100.0
(135)
5人以下
15.3
(15) 30.6
(30) 25.5
(25) 28.6
(28) 100.0
(98)
中小企業
11.8
(71) 39.4
(237) 19.5
(117) 29.3
(176) 100.0
(601)
6~20人
11.7
(24) 39.5
(81) 20.5
(42) 28.3
(58) 100.0
(205)
小規模企業
(17) 45.3
(77) 17.1
(29) 27.6
(47) 100.0
(170)
(13) 42.4
(56) 16.7
(22) 31.1
(41) 100.0
(132)
(16) 39.0
(39) 16.0
(16) 29.0
(29) 100.0
(100)
(1) 39.3
(11) 21.4
(6) 35.7
(10) 100.0
(28)
0.0
(0) 33.3
(1) 100.0
(3)
(52) 31.2
(92) 100.0
(295)
14.8
(28) 31.7
(60) 22.2
(42) 31.2
(59) 100.0
(189)
農・林・水産
22.2
(2) 11.1
(1) 22.2
(2) 44.4
(4) 100.0
(9)
金融
18.2
(2) 45.5
(5) 18.2
(2) 18.2
(2) 100.0
(11)
建設
11.9
(16) 46.3
(62) 17.9
(24) 23.9
(32) 100.0
(134)
不動産
17.9
(5) 32.1
(9) 25.0
(7) 25.0
(7) 100.0
(28)
製造
8.8
(14) 38.4
(61) 18.9
(30) 34.0
(54) 100.0
(159)
卸売
10.9
(19) 38.9
(68) 19.4
(34) 30.9
(54) 100.0
小売
10.9
(5) 32.6
(15) 28.3
(13) 28.3
(13) 100.0
運輸・倉庫
15.6
(7) 46.7
(21) 20.0
(9) 17.8
サービス
12.5
(16) 42.2
(54) 14.8
その他
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
従
10.0
業 21~50人
員 51~100人
9.8
数
101~300人 16.0
別
301~1,000人 3.6
0.0
(0) 66.7
福岡
11.5
(34) 39.7
(117) 17.6
(175)
佐賀
14.3
(7) 36.7
(18) 16.3
(8) 32.7
(16) 100.0
(49)
(46)
長崎
5.1
(4) 46.8
(37) 25.3
(20) 22.8
(18) 100.0
(79)
(8) 100.0
(45)
熊本
18.6
(16) 44.2
(38) 16.3
(14) 20.9
(18) 100.0
(86)
(19) 30.5
(39) 100.0
(128)
大分
13.8
(8) 34.5
(20) 19.0
(11) 32.8
(19) 100.0
(58)
(0) 100.0
(1) 100.0
(1)
宮崎
5.7
(3) 47.2
(25) 22.6
(12) 24.5
(13) 100.0
(53)
鹿児島
6.3
(4) 34.4
(22) 29.7
(19) 29.7
(19) 100.0
(64)
沖縄
19.2
(10) 36.5
(4) 36.5
(19) 100.0
(52)
注1:網掛けは、ブロック以上を表す
注:母数は有効回答企業736社
1,000人超
(2)
(736)
(19)
7.7
【内容に関する問い合わせ先】
株式会社帝国データバンク福岡支店情報部 担当:昌木裕司
TEL 092-738-7779
FAX 092-738-8687
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