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金融テーマ解説
Financial Market Update
2016/11/11
チーフ・アナリスト
大槻 奈那
トランプ次期米大統領は、世界の金融業界にプラスなのか
□ トランプ氏の勝利で世界的金融株高。背景は、米国の 1)金融規制緩和期待、2)長期金利上
昇、3)景気拡大、特にインフラ関連の貸出成長期待
□ まだ規制緩和は織り込み切れていないため米銀には上昇余地も。半面、日・欧金融機関への
恩恵は限定的。むしろ米金利上昇は、邦銀の海外収益にマイナス
□ 注目は各種選挙。トランプ大統領の登場で保護主義志向増大へ。12/4 国民投票のイタリアは
金融再建に課題大。欧州金融には引き続き慎重
ドナルド・トランプ氏が米国の次期大統領に決定した。トランプ氏選出まで、銀行は世界で最も
割安のセクターの1つだったが、選挙後は絶好調である(図表1)。
図表1:世界の株価(MSCI)
1,720
98
1,710
97
金
1,700
96 融
セ
ク
全
業 1,690
種
1,680
95 タ
ー
94
1,670
93
1,660
全業種
1,650
金融セクター
92
91
1,640
1,630
90
10/13
10/20
10/27
11/03
11/10
(出所) ブルームバーグよりマネックス証券作成
主な背景には、1)金融規制緩和、特に、国際基準以上に厳格な「ドッド=フランク法」の大幅緩
和、2)米金利上昇による銀行収益押し上げ、3)米国内のインフラ整備に関連する投融資機会の
拡大、という思惑がある。選挙後既に株価はかなり上昇したが、米銀についてはまだ割安と考え
る(図表 2)。株価純資産倍率(PBR)が金融規制本格化前(2013 年頃)に戻れば現値から 30%
程度のアップサイドが残されている(ちなみに 2013 年の平均 10 年国債利回りは 2.3%で、現在よ
り 0.2%ポイント程度しか差がない)。
-1Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved.
Financial Market Update
図表2:米国株:セクター別利益と株価
7
PBR,
株 6
価
純
資 5
産
倍
率
( 4
生活必需品
情報技術
ヘルスケア
不動産
3
消費財
資本財
全業種
)
倍
電気通信
公益事業
2
規制厳格化前
の金融セクター
1
金融
(現在)
0
5
10
15
20
25
30
株主資本利益率 (ROE, %)
(出所) ブルームバーグよりマネックス証券作成。「規制厳格化前」は、ボルカールール
最終案提示時の2013年末
一方、日本と欧州の金融機関については、低金利、欧州や中国の金融システム不安、国際金融規
制の修正余地は限定的であることなどから、米銀とは区別して考えるべきである。金融業界につ
いては、米銀株を選好したい。
以下では、トランプ政権誕生で予想される米国の金融の方向性を考え、国際的な金融システムや、
邦銀への影響を検討する。
I.
トランプ政権の金融業界へのスタンスと金融業界への影響
II.
中長期的な注目点:EU の結束力
I.
トランプ政権の金融業界へのスタンスと金融業界への影響
1) ドッド=フランク法/ボルカールール大幅緩和の可能性
米金融機関に対する影響度:
「大幅緩和」宣言が実現すれば大いにポジティブ
-2Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved.
Financial Market Update
ドッド=フランク法(2010年7月成立)は、世界金融危機の教訓をもとに制定された。オバマ政権
は、今後金融機関の破綻で国民の税金が使われることがないよう、国際規制以上に厳しい規制を
課した(概要を図表13に記載)。
様々な規制の中でも、a) 資本比率、b)ストレステストに基づく株主還元制限、c)自己勘定取引や
投資の制限(「ボルカールール」
)等は国際規制よりも重く、米銀の ROE 低下を招いた。
トランプ氏は、選挙戦中、これらの金融規制を「撤廃」すると発言していた。当選後の演説では
明言はなかったが、本日トランプ氏の「政権移行チーム」が、「ドッド=フランク法を取り除き
(dismantle)、成長を促進し雇用を創出するような、新たな政策に置き換える」とウェブサイトに
掲げた。
米国の追加資本が緩和された場合、米金融機関の資本に与える影響は大きい(図表3)。しかも、
毎年当局が行うストレステストが緩和されれば、株主還元が拡大できる。また全米で5.4億ドルに
上るボルカールールのコンプライアンスや報告上のコストも圧縮できる(コストは米通貨当局の
試算)。
図表3:米国vs国際規制(BIS)の資本基準:米国の方が資本規制はかなり厳しい
資本上乗せ幅
米国はどの程度国
際基準より厳しいか
リスクアセット 資本削減可能
(16/3Q)
額 (*)
(a) -(b)
兆円
兆円
2.0%
154
3.1
1.5%
129
1.9
1.5%
147
2.2
1.5%
61
0.9
1.5%
40
0.6
1.0%
17
0.2
0.5%
10
0.1
0.0%
135
0.0
米国 国際規制
JP モルガンチェース
シティグループ
バンクオブアメリカ
ゴールドマンサックス
モルガンスタンレー
バンクオブNYメロン
ステートストリート
ウェルズファーゴ
(a)
4.5%
3.5%
3.0%
3.0%
3.0%
2.0%
1.5%
1.0%
米国-BIS
(b)
2.5%
2.0%
1.5%
1.5%
1.5%
1.0%
1.0%
1.0%
(*)最低基準の低下幅と同じだけ資本比率を下げた場合にどの程度資本が圧縮できるか。
現在の資本比率は考慮していない。
(出所)ブルームバーグ、各行開示資料よりマネックス証券作成
実現可能性はどうか。これまでの報道でみる限り、共和党は、選挙綱領で、ドッド=フランク法の
一部緩和には触れているが、大掛かりな改革には言及していない。その点ではまだ不透明感はあ
る。しかし、大幅な規制緩和が成長と雇用に役立つものであり、かつ、国際規制に違反するもの
でない限り、他の難しい案件に比べれば異論は強くないだろう。
一方、トランプ氏は選挙中に、銀行と証券の分離を定めたグラス=スティーガル法(1933 年制定、
-3Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved.
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1999 年廃止)の復活を提言している。仮に、銀証分離が求められた場合、米国の大手行は再び、
証券会社をスピンオフすることを求められ(JP モルガンはチェースと分離、バンクオブアメリカ
はメリルリンチを分離など)
、波乱要因となるだろう。
邦銀に対する影響:恩恵は米国業務が大きい銀行に限定
ドッド=フランク法は、米国で営業する外国銀行に対しても、規模に応じて規制を行っている(後掲図
表 14 参照)
。米国の現地法人等の資産が 500 億ドル(5.2 兆円)以上の大規模金融機関に関しては、
米銀に準じる規制がかけられている。
もしドッド=フランク法が大幅に緩和されるなら、これらの外銀規制も見直されるだろう。現在の
厳しい規制を真正面から受けている三菱 UFJ FG は、米国にモルガン・スタンレーやユニオンバ
ンクに対する緩和等も期待できるため、プラス効果は大きい。但し、次期政権の保護主義的な方
向性からすると、いずれにせよ何らかの外銀規制が導入される可能性もあるため、現時点で楽観
視はできない。
2)米国長期金利の上昇
米国の長期金利の上昇は、財政支出の拡大懸念と、経済成長への期待が要因である。この傾向は、
トランプ氏が方針を変えない限り続くだろう。金利上昇は、米銀の収益を押し上げることから、
規制緩和期待とともに、米銀株の上昇に寄与するだろう(図表4)。
図表4: 米国:金融株価vs長期国債利回り
370
3.0
S&P500金融株(左軸, point)
米国10年金利(右軸,%)
350
2.5
330
2.0
310
1.5
290
1.0
270
250
0.5
2015/01
2015/07
2016/01
2016/07
(出所)ブルームバーグデータよりマネックス証券作成。直近は、16/11/9
邦銀への影響:ごく限定的
しかし、邦銀の場合、三菱UFJ FG以外は、米国の預金基盤が脆弱である。邦銀全体の外貨調達に
占める預金の割合は依然3割程度と低い(図表5)。それ以外の調達は市場金利の変動の影響を受
-4Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved.
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けてしまう。中でも、
「円預金」をドルに転換する「円投」の金額が近年増加しているが(図表6)、
これに関連するドル調達コストも急速に上昇している(図表7)。従って、米国の金利上昇は邦銀
の海外貸出収益上、中立か、むしろマイナスである。
図表5:邦銀の外貨調達構造
その他
9%
円投
顧客性預金
17%
32%
インターバンク
24%
レポ
18%
(出所)日本銀行
図表6:邦銀の円投額
図表7:短期のドル調達コストとその要因分析
十億ドル
%
1,300
1.8
大手行・機関投資家等
1,200
含む地域金融機関
1,100
1.6
金利裁定からの乖離
LIBOR-OISスプレッド
1.4
政策金利要因
円投ドル転コスト(3M)
1.2
1,000
1.0
900
0.8
800
0.6
0.4
700
0.2
600
0.0
500
10
11
12
13
14
15
16
年度
-0.2
10
11
12
13
14
15
16
(出所)日本銀行
(出所)日本銀行
一方、米国の金利上昇で日本の金利も上昇し、それが株価にプラスに働くとの見方もありうる。
しかし、9 月に導入された日銀のイールドカーブ・コントロールにより、日本の長期金利は、米
国と連動しにくくなっている(図表 8、9)。これらの点から、米国の金利高は邦銀に直接的な恩
恵は殆どない。
-5Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved.
年
Financial Market Update
図表8:日米10年国債利回り
(%)
図表9:日米30年国債利回り
(%)
3.0
(%)
0.6
米国10年(左軸)
日本10年(右軸)
2.5
3.5
0.5
日本国債30年(右軸)
1.5
3.0
0.4
1.3
0.3
2.0
(%)
米国債30年(左軸)
2.5
1.1
0.2
1.5
2.0
0.1
0.9
1.5
0.0
1.0
-0.1
0.5
-0.2
0.5
-0.3
0.0
2015/01
-0.4
2015/07
2016/01
(出所)ブルームバーグ・データよりマネックス作成
3)
0.7
1.0
2016/07
0.5
0.0
2015/01
0.3
0.1
2015/07
2016/01
2016/07
(出所)ブルームバーグ・データよりマネックス作成
米国内のインフラ整備の活発化
トランプ氏は、向こう 10 年間で 1 兆ドル(約 105 兆円)の公共投資を行うとしている。米国
内では、これに伴うインフラ・ファイナンスの活発化が見込めるだろう。
満額が本当に実行されるのか、されたとしても、どの程度が民間銀行の投融資で賄われるのか
は不透明だが、米銀にとっては 1.5 兆円程度の資金利益を生む機会となろう(米銀のローン市
場のシェア 7 割x105 兆円x2%程度の利鞘という仮定で試算)。
邦銀のメリット:現在のシェア維持なら1,460億円の増益
邦銀も、米国インフラ関連の貸出機会については期待できる。3メガバンク合計の米国のローン市
場における日本の金融機関のシェアは7%程度となっているi。このシェアを前提とするなら、邦銀
にとっても7.3兆円の与信機会が生まれることになる。海外の平均利鞘の2倍の2%程度の利鞘が取
れれば、1,460億円の増益要因となる(全額実施時点の年額)。
-6Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved.
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図表10:(参考)米国のローン市場の引き受け幹事ランキング(16年上期)
ランク ブックランナー
1 バンクオブアメリカ・メリルリンチ
2 JPモルガンチェース
3 ウェルズ・ファーゴ
4 シティグループ
5 バークレイズ 6 ドイツ銀行
7 三菱UFJ
8 ゴールドマン・サックス
9 クレディ・スイス
10 モルガン・スタンレー
11 RBCキャピタル・マーケッツ
12 USバンコープ
13 HSBC銀行
14 サントラスト
15 BNPパリバ
16 みずほ
17 PNC
18 BMO
19 三井住友
20 シチズンズ
38 野村ホールディングス 本社国籍
米国
米国
米国
米国
英国
ドイツ
日本
米国
スイス
米国
英国
米国
英国
米国
フランス
日本
米国
カナダ
日本
米国
日本
シェア(%)
14.75%
14.61%
9.71%
8.58%
4.56%
4.03%
3.62%
3.39%
3.26%
2.80%
2.44%
2.25%
1.96%
1.89%
約7%
1.83%
1.73%
1.72%
1.35%
1.08%
1.01%
0.29%
(出所)ブルームバーグデータよりマネックス証券作成
もっとも、こうした政府主導のインフラ整備事業については、国内金融機関が優先される可能性
もある。その場合、米国内の商業銀行と証券のグループ会社を持つ三菱UFJ FGがまたしても有利
ということになる。
Ⅱ.
中長期的な注目点:EU の結束力
他国への影響として市場が懸念するのは、ナショナリズムの台頭である。図表 11 の通り、来月以
降の欧州の選挙では、反 EU・反移民の右派が勢力を伸ばしている。これらの選挙が、年末から来
年に向けての EU やユーロの存続に対する不透明要因となる。
-7Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved.
Financial Market Update
図表11:欧州の今後の主な選挙日程
2016/12/4
2016/12/4
2017/3/15
2017/4月
2017/5月
2017/6月 2017/9月 イタリアの国民投票
→投票自体は、改憲して上院の権限を縮小するというもの
レンツィ現首相は、改憲が通らなければ辞任すると表明
オーストリア大統領選
→5月の選挙のやり直し選挙。前回は、反EUの「自由党」が「緑
の党」に敗れたが、開票手続の不備を指摘する憲法裁判所の判
断で無効に
オランダ議会選挙
→右派「自由党」が勝利の場合、EU離脱を問う国民投票を行う
可能性
フランスの大統領選挙 (第1回)
フランスの大統領選挙 (第2回)
フランス議会選挙
→右派「国民戦線(FN)」が、EU離脱を問う国民投票実施を
選挙公約に
ドイツ総選挙
→英国のBrexitを歓迎するコメントを発表した右派政党「ドイツの
ための選択肢(AfD)」が躍進中
(出所)各種報道からマネックス証券作成
手始めは、12 月 4 日のイタリアの国民投票である。投票自体は、議会制度の改正を問うものだが、
現在のレンツィ首相が、改正が通らなかったら辞任すると表明している。国民投票の結果は政治
的混乱の引き金になりかねない。
そのイタリアでは、現在、金融システムの修復が始まっている。10月、第3位のモンテパスキが、
大規模なリストラ計画を提出したのに次いで、第1位のウニクレディトが、1.5兆円と巨額の増資
を計画中と報じられた(図表12)。
しかし、未処理の不良債権額は資本との対比で依然大きく、担保となっている不動産も価格の下
落が続いている。処理のためには増資が望ましいが、規模が大きいことから成否は不透明である。
このような状況では、金融が経済成長を後押しすることは難しく、そうなれば、国民の不満も高
まりやすい。
-8Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved.
Financial Market Update
図表12:イタリア主要行の不良債権額とリストラ策
総資
産順
位
不良債 引当控除後
権比率 不良債権額
資本 (*)(*) ネット不良債権
(*)
÷資本
Euro million (FY15)
リストラ策
NPL ratio
36,908
1 ウニクレディト
2 インテーザサンパオロ
16%
17%
36,503
30,819
41,905
36,908
3 モンテパスキ
36%
23,498
8,503
4 UBIバンカ
5 バンクポポラーレ
15%
23%
9,272
11,418
5,885
7,409
6 イタリア労働銀行
7 ポポラーレディミラノ
15%
12%
4,986
1,867
130億ユーロ(約1.5兆円)の増
0.87 資を計画中と報道
0.84
人員10%削減、支店閉鎖、不
良債権売却、50億ユーロ
2.76 (5400億円)の増資を柱とする
再建計画発表。11/24の株主総
会で採決
1.58
合併予定
1.54
元イタリアの国営銀行。現在は民営化
されBNPパリバ傘下
(データなし)
4,037
118,363
0.46
14.77
(*)不良債権額から、引当金を控除した金額。(*)(*)資本は、普通株式等Tier1
(出所)ブルームバーグ、銀行資料よりマネックス証券作成
仮に、イタリア国民投票が不調に終わり、政局が混乱すれば、来年 3 月のオランダの議会選挙に
も影響が出うる。イタリア同様オランダでも、不動産価格の下落が続いており、金融システムへ
の影響が懸念される。
このように、第二、第三のEU離脱国が発生すれば、欧州システムには大打撃である。従って、欧
州金融機関については、引き続き慎重にみるべきと考える。
-9Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved.
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図表13:(参考)ドッド=フランク法のポイント
規制対象
規制対象は、資産の規模によって4段階に分かれる。連結資産500億ド
ル以上の銀行持ち株会社
特に、連結総資産7000億ドル以上または顧客資産10兆ドル以上の米
国BHC(銀行持ち株会社)は別途大規模銀行として規制
大規模ノンバンク
成立・適用
2010 年7月 成立、2014年7月完全適用
【主要ポイント】
資本規制
大規模銀行に対しては、BIS以上のバッファーを要請。図表3参照。
(CoCo債は、日欧と異なり、規制上の資本(AT1)に算入できない)
レバレッジ制限
大規模銀行に対しては、BIS以上の5%を要請
銀行子会社は実質6%
流動性規制
資産と負債の期間がマッチしていない部分の取り扱いが、国際規制より厳
格
本格実施は2017年1月とBISより2年前倒し
破綻処理計画
大規模銀行(連結資産500億ドル以上)の銀行に対して、破綻時の処
理計画を要求
与信額の上限を資本の25%までに。但し、
5000億ドル以上の大規模機関や外国銀行が相手先の場合上限は
10%
与信額
集中制限
金融会社の負債総額のシェア10%を超えるような統合や資産、経営権
取得の禁止
ストレステスト
包括的資本分析レビュー(CCAR)
ストレステスト
これらの両者をみて、例年6月に、ストレステストが最初に発表されたのち、
CCARの結果と配当の可否が発表される
自己勘定売買
(ボルカールール)
銀行が自分でリスクをとってトレーディングを行うことを禁止(15/7~)、リ
スクの高いファンドへの投資(完全実施は17/7~に延期)も禁止。
但し、顧客のための取引やリスクヘッジのための投資、外国銀行の在米拠
点における外国国債の債券取引は許容
(出所)FRB資料、報道等よりマネックス証券抽出
- 10 Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved.
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図表14:(参考)米国の外銀規制
●中間持株会社を設置し、米国のオペレーションを集約
●対象:米国で500億ドル以上の総資産を持つ金融機関(米国内の支店の資産は本国に属する
ものとして除外)
資本比率
レバレッジ比率
資本査定(CCAR)
ストレステスト
流動性規制
リスク管理
普通株式等Tier1資本比率≧7%以上
米国独自基準で≧4%
資本計画を提出
独自テスト年2回、FRBのテストを年1回
- 短期キャッシュフローは日次で予測,長期も少なくとも月次で予
測(国際規制は月次)
- 月一回ストレステストを実施
米国での独自のリスク委員会の設立
(出所)FRB, 金融庁、報道等よりマネックス証券作成
i
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