...

遺伝子組換え体の産業利用における リスク管理に関する研究事業 事業

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

遺伝子組換え体の産業利用における リスク管理に関する研究事業 事業
資料5-2
事業原簿:1~57頁
生物機能活用型循環産業システム創造プログラム
遺伝子組換え体の産業利用における
リスク管理に関する研究事業
概要説明
研究実施期間:平成14年~平成18年度(5年間)
1
事業の政策的位置付け
研究開発の目的
「生物機能活用型循環産業システム創造プログラム」
(平成16・02・03産局第15号)
工業プロセスや環境関連分野へのバイオテクノロジーの利用を
促進すべく、バイオマスの利用による再生可能資源への転換、バ
イオプロセスの利用による環境負荷の少ない工業プロセスへの変
革、廃棄物、汚染物質等の生分解・処理の研究開発を行い、もっ
て循環型産業システムの創造を図る。
本プロジェクトは上記プログラムの一環として、遺伝子組換え
体のリスク管理に係る基盤を整備するものである。
平成14年 経済産業省重点分野開発委託費
「生物機能活用型循環産業システム創造プログラム 遺伝子組換え
体の産業利用におけるリスク管理に関する研究」としてスタート
平成15年 NEDO委託事業に変更
2
1
事業の位置付け・必要性
生物機能活用型循環型産業システム創造プログラム
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
市場規模4.2兆円
雇用規模18万人
生物機能利用砂漠地域二酸化炭素固定化技術開発
生物機能利用砂漠地域二酸化炭素固定化技術開発
循環型産業システムの構築
●
● 乾燥や光などのストレス耐性の付与
乾燥や光などのストレス耐性の付与
拡充
2010
植物機能利用工業原料生産技術開発
●
● 多重遺伝子導入技術開発
多重遺伝子導入技術開発
●物質生産に関する代
謝プロファイリング等
●植物の物質生産プロセス制御基盤技術開発
生物機能を活用した生産プロセスの基盤技術開発
生物機能を活用した生産プロセスの基盤技術開発
第2期
第2期
●
● 様々な遺伝子を多数組み込むことが可能な細胞(汎用宿主細胞)等の開発
様々な遺伝子を多数組み込むことが可能な細胞(汎用宿主細胞)等の開発
生分解・処理メカニズムの解析と制御技術開発
生分解・処理メカニズムの解析と制御技術開発
●
● 微生物コンソーシアの制御と分解・処理プロセスの効率向上
微生物コンソーシアの制御と分解・処理プロセスの効率向上
生物の機能を利用した環境中化学物質の
生物の機能を利用した環境中化学物質の
高感度検出・計測技術の開発
高感度検出・計測技術の開発
バイオプロ
セス実用化
バイオプロセス実用化開発
植物機能改変技術実用化開発
エネルギー使用合理化生物触媒等技術開発
(2003年度までプログラム外で実施)
愛・地球博におけるバイオマスプラスチック
利活用の実証
生物遺伝
資源基 盤
整備
プロセス開発を支える基盤整備
ゲノム情報に基づいた未知微生物遺伝資源ライブラリーの構築
ゲノム情報に基づいた未知微生物遺伝資源ライブラリーの構築
●生合成や分解などの産業プロセスに利用可能な微生物遺伝資源
●生合成や分解などの産業プロセスに利用可能な微生物遺伝資源
安全管理
の充実
遺伝子組換え体の産業利用におけるリスク管理に関する研究
遺伝子組換え体の産業利用におけるリスク管理に関する研究
バイオプロセスの速やかな普及のための
基盤整備
環境中微生物の高精度・高感度モニタリング技術の開発
環境中微生物の高精度・高感度モニタリング技術の開発
・バイオテクノロジーの研究及びその産
業化のための環境整備
(2002年度までプログラム外で実施)
政策目標
・
人間活動と環境との調和を取り戻
した持続的な社会システムの実現
市場規模2千1百億円
雇用規模 1.1万人
2009
2010年を目途に、安全性の確保や生態系の保全を図りつつ、バイオプロセスによって有用物質を
生産し、廃棄物や汚染物質は発酵等により処理又は再資源化するための技術基盤の構築を図る。
生物機能活用型循環産業システム創造基盤技術
2000
3
事業の位置付け・必要性
-NEDOが関与することの意義-
2007年
分野別技術ロードマップ(グリーンバイオ分野)より引用
4
2
事業の位置付け・必要性
-NEDOが関与することの意義-
試験研究段階
組換えDNA実験指針(文部科学省、昭和54年)
温室等
(屋外の区画)
(自然界分散)
屋外隔離区画
実用化段階
製造過程での組換え生物の利用
組換え生物そのものの利用
農林水産分野における組換え体の利用のための指針(農林水産省、平成元年)
微生物
(酵素等)
実験小動物
微生物
(農薬等)
植物
組換えDNA技術工業化指針(経済産業省、昭和61年)
微生物(酵素等)
組換えDNA技術応用医薬品等製造の
ための指針(厚生労働省、昭和61年)
医薬品
微生物(バイオレメディエーション)
意図的な環境放出が想定されているもの
実験室
(NEDOが関与することの意義)
基盤整備において基礎的データを
-試験研究における組換え生物の取り扱いについて(中間報告):平成14年5月ー
実験により収集する必要あり
現在は「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物
の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)が施行
5
事業目的の妥当性
① 遺伝子組換え体の安全性に関するデータベースの開発
遺伝子組換え技術の産業
利用の飛躍的拡大
安全性に関する社会の関心
が増大する一方で、正確な情
報提供のインフラが未整備
社会的ニーズ:
国際的に合意された情報を正確に提供
できる基盤の整備→国民理解の促進
国際機関で合意の得られた文献を中心にリスク評価・リ
スク管理に関するデータベースを作成し、インターネットに
より、専門家向け情報及び一般向けの情報を提供する。
6
3
事業目的の妥当性
② (微生物の開放系使用における)事後管理手法の開発
遺伝子組換え生物の環境
中での使用のための研究
開発が進展中
遺伝子組換え生物を環境
中で使用した際の影響に
ついての研究の必要性が
増大
社会的ニーズ:
カルタヘナ議定書の国内担保法が施行(2004年2月)。
遺伝子組換え生物を環境中で使用した場合のリスク管理手
法の検討が急務となった。
組換え微生物を環境へ放出した場合の適切な事後管理手法
を検討・開発する。
7
事業目的の妥当性
遺伝子組換え体の産業利用における情報基盤の未整備
・遺伝子組換え体の
安全性に関する
データベースの開発
・事後管理手法の開発
・データベースにより遺伝子組換え体に関する国際的に調和した安全性情報
により、国民理解を促進する
・事後の管理手法の開発により遺伝子組換え体の環境利用を促進する
バイオ産業の更なる発展に貢献する
8
4
事業の内容
遺伝子組換え体の安全性に関するデーターベースの開発
・国内外での遺伝子組換え体の安全性に関する科学的知見、こ
れまでの議論の系譜に関する情報や、リスク評価・管理手法に関
する情報をデータベース化し、広く社会に提供する。
事後管理手法の開発
・遺伝子組換え体を開放系で利用した場合のリスク管理に関す
る事例・問題を把握・分析し、ケーススタディの結果を取り入れ、
適切な事後管理手法を開発する。
9
事業推進体制(NEDOによるマネジメント)
経済産業省
指示・協議
NEDO技術開発機構
プロジェクトリーダー:JBA
常務理事 炭田 精造
委託
バイオインダストリー協会
(JBA)
再委託
研究協力
製品評価技術
基盤機構
(NITE)
大阪大学大学院
岐阜大学大学院
10
5
研究項目
遺伝子組換え体の安全性に
関するデーターベースの開発
事後管理手法の開発
JBA
JBA
研究協力
再委託
NITE
大阪大学大学院
岐阜大学大学院
11
事業の計画内容・開発予算(実績)
(1)計画内容
H14 fy
H15 fy
H16 fy
H17 fy
H18fy
中間評価
事業の計画内容
主な実施事項
遺伝子組換え体の安全性に関す
るデーターベースの開発
事後管理手法の開発
成果とりまとめ
(2)開発予算(実績)
開発予算(実績)
会計・勘定
(単位:百万円)
単位:百万円
H14 fy
H15 fy
H16 fy
H17 fy
H18 fy
総額
JBA
72
64
58
57
51
302
NITE
2
11
18
9
15
55
74
75
76
65
66
356
総予算額
12
6
事業原簿:58~260頁
遺伝子組換え体の産業利用における
リスク管理に関する研究
プロジェクトリーダー 炭田 精造
(バイオインダストリー協会)
13
研究開発項目
①遺伝子組換え体の安全性に関す
るデータベースの開発
②事後管理手法の開発
14
7
研究開発マネジメント
1.実施体制
2.委員会の構成
3.情勢変化への対応
4.中間評価への対応
15
1.実施体制
JBA・NITEプロジェクトチーム
リスク管理研究委員会
(委員長:吉倉廣)
(責任者:炭田精造)
JBA:山内、坂本
大阪大学大学院
方針・結果
の検討
藤田正憲、池道彦
岐阜大学大学院
安全性データベース分科会
(分科会長:吉倉廣)
事後管理分科会
(分科会長:藤田正憲)
江崎孝行
NITE:櫛田
システム分科会
(分科会長:江崎孝行)
研究開発成果
16
8
2.委員会の構成
リスク管理研究委員会(敬称略)
委員長
委員
吉倉
江崎
岡村
鎌田
佐々
中村
橋本
服田
藤田
正木
増田
渡邉
廣
孝行
和夫
博
義子
和憲
昭栄
昌之
正憲
春彦
優
和男
(前国立感染症研究所)
(岐阜大学大学院)
(清水建設株式会社)
(筑波大学大学院)
(NPO法人 くらしとバイオプラザ21)
(産業技術総合研究所)
(日本国際生命科学協会)
(お茶の水女子大学)
(前大阪大学大学院)
(東京大学大学院)
(お茶の水女子大学)
(筑波大学大学院)
17
安全データベース分科会(敬称略)
分科会長
委員
吉倉
江崎
岡村
鎌田
佐々
橋本
服田
渡邉
廣
孝行
和夫
博
義子
昭栄
昌之
和男
(前国立感染症研究所)
(岐阜大学大学院)
(清水建設株式会社)
(筑波大学大学院)
(NPO法人 くらしとバイオプラザ21)
(日本国際生命科学協会)
(お茶の水女子大学)
(筑波大学大学院)
18
9
事後管理分科会(敬称略)
分科会長
委員
藤田
吉倉
江崎
岡村
正木
中村
増田
渡邉
正憲
廣
孝行
和夫
春彦
和憲
優
和男
(前大阪大学大学院)
(前国立感染症研究所)
(岐阜大学大学院)
(清水建設株式会社)
(東京大学大学院)
(産業技術総合研究所)
(お茶の水女子大学)
(筑波大学大学院)
19
システム分科会(敬称略)
分科会長
委員
江崎
大岸
竹内
藤本
孝行
治行
孔一
聡
(岐阜大学大学院)
(株式会社ダイヤリサーチマーテック)
(岡山大学大学院)
(製品評価技術基盤機構)
20
10
3.情勢変化への対応
1、(微生物の開放系使用における)事後管理実験の開始
平成15年度から2つの課題について開始
2、マイクロアレイ作成費用の増額変更
平成15年度
日和見菌及び一般細菌の一部の検出用マイクロアレイ
3、リスク管理研究委員会委員の増強
・服田昌之委員:平成15年度(進化生態学分野)
・中村和憲委員:平成16年度(新モニタリング技術開発)
・岡村和夫委員:平成16年度(土壌浄化の実績経験)
4.情報収集のための機能追加
データベースの更新のためのシステム開発
(中間評価への対応は次頁で述べる)
21
4.中間評価結果への対応
○遺伝子組換え体の安全性に関するデータベースの開発
①データベースの各項目のコンテンツの充実
②ユーザビリティ調査の実施及びその結果に基づく改良
③プロジェクト終了後の運用更新のための方法の検討
○事後管理手法の開発
①リスク評価・管理スキームの提案
②マイクロアレイによる病原微生物のモニタリング手法の開発
③学会発表による意見交換
22
11
研究開発成果概要
23
①データベースの開発
データベースの基本的考え
・科学に基づいた正確な情報の収集と提供
→国際機関や学界で合意の得られた情報を提供
・専門家(研究者等)及び社会一般に対して情報を提供
→わかりやすく使いやすい情報の提供
・社会へ幅広く情報を提供
→インターネットによる情報の提供
24
12
①データベースの開発
安全性データベースのコンテンツ
専門家向け
文献検索
データベース
入り口
文献
用語説明
一般向け
基礎知識
入門編
Q&A
法規制の概説
25
①データベースの開発
文献選定の考え方
・安全性に関する初期(1975のアシロマ会議等)から、
現在までの議論の系譜を記述した基本的な文
献を選定。
・組換えDNA技術、その技術を応用したときの健
康影響(組換え食品等)、環境影響(組換え作
物、環境修復等)などから選定。
・国際機関(OECD、CODEX(FAO/WHO)等)
で合意された文書から優先的に選定。
26
13
①データベースの開発
データベースシステムの開発
・基本方針、コンテンツを踏まえ、システム開発を
実施。
・想定ユーザ(約200人)にユーザビリティ調査を実
施。
・データベースシステムの改良
ユーザビリティ調査の結果に基づき改良を実行。
・データベースの公開
http://www.biosafety.jp/www/index.php
27
①データベースの開発
実用化・事業化の見通し
・組換え体の安全性に関する国内唯一の包括的データ
ベースを構築した。
・平成19年1月からデータベースを公開した。
28
14
②事後管理手法の開発
事後管理手法の開発
・自然環境下における組換え微生物の挙動の解析
①環境中に導入した外来菌・プラスミドの挙動及び外来菌導入に伴う微生物生態系の変
化に関するデータの集積を実施。
②環境浄化におけるバイオセイフティー確認のための計測項目とこれらを用いたリスク
評価・管理スキームを提案。
・マイクロアレイを用いた環境中の病原微生物等のモニタリング
①土壌中の病原細菌(人、動物、植物、魚介類)と一般細菌の存在比率の同時計測技術
②土壌に人工的操作を加えた前後におこる細菌相中の病原細菌の変動計測技術
③植物病原体(カビ)を計測できるマイクロアレイ
④人、動物、植物等の病原微生物(細菌及びカビ)等のPCR法によるモニタリング技術等
を開発
29
②事後管理手法の開発
リスク評価・管理のスキームの提案
事前評価
(1)プラスミド伝達ポテンシャル
Mobilizer
高受容菌
(2)病原菌
(3)物質循環機能微生物
安全性に問題ありと判断
・Transconjugant高発生の可能性
・多様な病原菌が存在
安全性に問題なしと判断
事後管理
(1)導入菌
(2)導入遺伝子
(3)病原菌
(4)生態系
事業中止
安全性の危惧が生じた場合
・病原菌の異常増殖
・優占種の異常な挙動
・物質循環機能微生物
事業停止
の異常な挙動
優占種
物質循環機能微生物
・
安全措置
浄化終了後、安全性確認
・導入菌、導入遺伝子が非検出
・病原菌、生態系の変化が対象土壌と同様
安全宣言・事業終了
30
15
②事後管理手法の開発
実用化・事業化の見通し
1.自然環境下における組換え微生物の挙動の解析
・提案したスキームは、カルタヘナ法の運用において、事後管理を行う際の
貴重な手段として活用されると期待される。
・実験により集積したデータは、今後の遺伝子組換え体の開放系利用の際
に活用されると期待される。
2.マイクロアレイを用いた環境中の病原微生物のモニタリング
・環境中の病原微生物のモニタリング技術として実用可能である。
・波及効果としては、医療・食品・農業等の他分野においても、実用化・事業
化が期待される。
31
16
Fly UP