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パンフレット - 神戸大学 医学研究科・医学部

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パンフレット - 神戸大学 医学研究科・医学部
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
Faculty of Medicine, Kobe University School of Medicine (2009)
神戸大学医学部医学科を目指す皆さまへ
きな期待に応えられるよう、様々な改革・環境整備を活発
■医学部長
に行っています。日本の医学研究・医療が今後とも発展し
高井義美
続けるためには、皆様の高い志と活力が何よりも必要です。
21 世紀に入り、日本では高度高齢化
社会を迎えようとしています。また、
本大学医学部はそのような方々が学ぶ場としてふさわし
数多くの病院における医師不足が社会
い環境を提供できると考えております。是非、活気あふれ
問題になりつつあります。さらに近年、
る本大学医学部に身を置き、私たちと一緒に将来の日本を
医学に対する社会的要求はますます高
担う一流の医師や clinician-scientist・医学研究者、医
まっています。このように医療・医学を取り巻く社会環境
療従事者を目指そうではありませんか?
はより複雑化しつつありますが、そのような環境の中で 1
人でも多くの優秀な医師/医療従事者を育成し、世に送り
■医学部附属病院長
出すことは大学医学部の社会的使命でもあります。
杉村和朗
医療を提供する施設として病院が
医学部への進学を希望される皆様は、このような社会環
あります。地域の医療を担っている
境を理解しつつ、将来の医師/医療従事者として大きな夢
開業医から私立病院,市立病院や県
と希望を持っておられることと思います。神戸大学医学部
立病院など多種多様の病院がありま
の臨床医療および基礎医学研究の水準は日本有数の高い
す。大学病院は,特定機能病院に分
レベルにありますが、医学部を目指す皆様の多くにとって
類されており,高度先進医療を担う,いわゆる最後の砦と
最良の進学希望先となるべくさらなる環境整備を進めて
しての役割が重視されています。また,全ての医学生,多
います。皆様の中には、「臨床医として高い医療技術を身
くの研修医が大学病院で学び,一人前の医師として育って
につけ、多くの患者さんの命を助けたい」という人がいれ
いきます。研究面でも最先端レベルの研究を行っていかな
ば、「世界最先端の医学研究を行い、医学の発展に是非役
ければいけません。このように,大学病院には医学教育と,
立ちたい」という人もいると思います。本大学医学部では、
最先端の診療・研究が求められています。
医学に関してこのように多様な考えを持った人々の期待
神戸大学医学部附属病院は,神戸市に立地していますが,
に応えられるよう、臨床医学と基礎医学の融合を積極的に
兵庫県はもとより近畿圏や,疾患によっては全国から多く
推進しています。この臨床医学と基礎医学の融合は本大学
の患者を受け入れています。地元において信頼できる病院
医学部の大きな特徴の一つで、その融合を図るために
としての役割と共に,最先端医療を行う病院として高く評
clinician-scientist・医学研究者を育成することも大き
価されています。また兵庫地域だけではなく,全国誌にも
な目標としています。これにより、「臨床」において浮か
患者がかかりたい病院として,日本を代表する病院と肩を
び上がってきた疑問を「基礎」的な観点から分析すること
並べて紹介されています。研究面でも,基礎臨床融合とい
や、「基礎」での研究成果を「臨床」に応用することがよ
って,基礎的な研究と臨床の垣根を取り払った,先進的な
り容易に行えるようになります。「臨床」と「基礎」との
システムを成功させています。この成果は,グローバルC
間で幅広くコミュニケーションを図り、お互いに切磋琢磨
OEをはじめ多くの研究費が採択されており,第三者に高
することにより、医学部の三本柱である「教育」「研究」
く評価されているところです。このような高いレベルの医
および「診療」がさらに発展していくものと考えます。
師達が,研究心を持った良き臨床医を育てること事を目的
このように本大学医学部では、医学部としての社会的使
に,新しい教育システムをいち早く導入して成果を上げて
命を十分に果たすべく、そして、医学の道を志す皆様の大
います。
1
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
おける医学・医療の中心的役割の一翼を担うようになって
全国的に高い評価を受けている神戸大学医学部附属病
いる。
院で学び,日本で,そして世界で活躍できる医師を目指そ
うではありませんか。
明治 2 年(1869)神戸病院創立、医学伝習所開設
■医学部医学科長
南
明治 15~21 年(1882~1888)県立神戸医学校・薬学校設
康博
置
600 万県民を戴く兵庫県、国際的
医療産業都市を志向する神戸市に立
昭和 19 年(1944)兵庫県立医学専門学校設置
地し、本医学部医学科では、高い倫
昭和 21 年(19 46)兵庫県立医科大学設置
理観を有し高度な専門知識・技能を
昭和 27 年(1952)兵庫県立神戸医科大学〔改称〕
身に付けた医師の養成は勿論のこと、
昭和 33 年(1958)大学院医学研究科(博士課程)設置
それにとどまらず、旺盛な探究心と
昭和 39 年(1964)神戸大学医学部(医学科)
〔国立移管〕
創造力を有する「科学者」としての視点を持った医師及び
昭和 42 年(1967)大学院医学研究科(博士課程)
〔国立移
管〕
生命科学・医学研究者の養成を目指して、課題探求能力や
国際舞台で活躍できる能力の育成に特に配慮した教育を
昭和 42 年(1967)附属病院の国立移管
行っています。
昭和 48 年(1973)附属動物実験施設設置
昭和 54 年(1979)附属医学研究国際交流センター設置
課題探求能力の育成には、少人数グループでの自己開発
型学習を行う臨床医学チュートリアルや基礎医学での問
平成 6 年(1994)医学部保健学科設置
題解決型学習(PBL)コースが、国際舞台で活躍できる能
平成 11 年(1999)大学院医学系研究科〔改称〕
力の育成には、6 年間を通じての医学英語教育とハワイで
平成 11 年(1999)医学系研究科保健学専攻(修士課程)
設置
の語学研修による英語教育や 5, 6 年次での海外の大学医
学部・病院における診療・研究体験実習が設けられていま
平成 13 年(2001)医学科大学院講座化
す。また、先端的な生命科学・医学研究の現場に参加して
平成 13 年(2001)医学系研究科保健学専攻(博士課程)
設置
直に体験することのできる基礎配属実習を 2 年次後期か
ら 1 年半にわたって実施しています。医学科の上に位置す
平成 14 年(2002)附属病院新病棟開院
る大学院研究科では、生命科学分野と医学系分野の両方に
平成 14 年(2002)医学系研究科バイオメディカルサイエ
ンス専攻(修士課程)
おいてグローバル COE プログラムに採択されるなど世界
最高水準の研究を行っており、国内で高く評価される若手
平成 16 年(2004)国立大学法人へ移行
研究者・Clinician-Scientist 育成プログラムが整備され
平成 16 年(2004)附属医学医療国際交流センター〔改称〕
ています。柔軟な思考能力をもち、進取の気性に富んだ若
医学科の教育理念
人が、本医学科・医学研究科の資源を最大限に活用して大
神戸大学は、大学全体として国際性豊かな「研究大学」
きく成長し、世界へ羽ばたかれんことを願っています。
を指向している。医学部医学科における教育は、もとより、
医学部の沿革
高い倫理観を有し高度な専門的知識・技能を身につけた医
医学部の前身は、兵庫県立神戸医科大学であり、その母
師 (医療人) を養成することを主たる目的としているが、
体は兵庫置県と共に建設された神戸病院である。明治、大
本学科の特徴は、それにとどまらず、旺盛なる探究心と創
正、昭和と県政の歩みの中に幾多の変遷、消長を経て、昭
造性を有する「科学者」としての視点を持った医師/医学
和 43 年(1968 年)3 月 31 日に国への移管が完了し、神戸
研究者を育成することを目指している点にある。この方針
大学医学部となった。医学部の歴史は、この附属病院の歴
に沿って、平成13年度より本学科の大学院講座化(部局
史でもあり、遠く約 130 年前に始まって、現在では関西に
化) が施行され、学部と大学院を通した一貫した研究教
2
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
育指導体制の確立を目指している。また、広い視野を有し、
もに、問題解決型学習(PBL)を通じて課題解決能力を養
地域のみならず地球規模で国際的に活躍できる人材の育
う。情報科学ならびに外国語の教育も重視している。さら
成を目標としている点も本学科の特徴である。
に、アドバンストカリキュラムとして、新医学研究コース
(1年次)や基礎配属実習(2~3年次)を設け、生命科
医学教育
学の最先端研究を自ら体験できる機会を与え、科学的思考
過程を養うように努めている。また、6年次の全人医学を
医学は人間の生命と健康を守る学問である。人間を対象
通じて、医の倫理について学ぶ。
とするという点で、医学は他の自然科学と異なり、人文科
学的、社会科学的な面をもっている。医学は、多くの科学
4年次から始まる臨床医学科目教育は社会の要請に応
に根ざし、その科学の成果を人の生命の保持にどのように
える形で、ここ2~3年大きく改革された。従来から疾病
とり入れるかを、これを受ける人の立場に立ち誠意とヒュ
の診断と治療にとどまらず、医師としての態度ならびに基
ーマニズムをもって考えなければならない。医学にはサイ
本的な診察技術ならびに検査手技を学べるように工夫し
エンス(科学)とアート(技術)の2つの面があるといわ
てきたが、4年次にはチュートリアル制度を導入し、少人
れるが、ここでいうアートには倫理的な要素が含まれてい
数グループでの自己開発型学習を基礎として、課題探求能
る。換言すれば、医学は、狭い意味の学問としての医学と、
力、問題解決能力の養成を重視した教育を行っている。ま
科学的技術としての医術と、道徳的実践としての医道の3
た客観的臨床能力試験(OSCE)を施行し、医師としての適
つから成り立っているが、その何れを欠いても完全な医学
切な診療態度および基本診察技能を学習する。5年次では
とはいえない。本学における医学教育は、全学共通授業科
臨床配属実習(BSL)として従来の臨床配属実習の受動・
目と医学部専門科目(基礎医学・臨床医学)の有機的連携
見学型の学習でなく、臓器機能別診療に対応させ、診療参
をはかりながら一歩一歩前進する6年一貫教育の方針を
加型学習を行い、入院病棟というより臨床の場での現場の
とっている。広く知識を授け、同時に人間を形成する教養
体験に力点を置いて教育を行っている。6年次では本学関
の場とするとともに、医の倫理を体得させ、かつ科学的思
連病院の協力も得て、個別計画実習を通じて幅広く臨床医
考過程を養い、旺盛な探究心を有する医師を育成すること
としての態度・技能・知識の獲得を目指している。
を教育方針とし、それによって医学教育水準の向上をはか
教育研究分野
り、社会の福祉に貢献することを使命としている。
望ましい学生の資質としては、医学は人間を対象とした
■生理学・細胞生物学講座
細胞生物学
学問であるので、医学を志す人は単に自然科学の基礎能力
だけでなく、人間としての深い教養と人類に貢献すること
細胞がはたらくしくみを明らかにする細胞生物学は、生
の意義を感じうる豊かな人間性を持ち合わせていること
命を理解するための基本となる学問の一つです。細胞生物
が要求される。また、現代の医療は個人によって行われる
学分野では、細胞がどのようにして集まって私たちの体の
ことは少なく、むしろ集団への適応性や集団における指導
ような多細胞体制を作り上げ、協調してはたらいているか
性も重要な資質とされる。
に興味をもっています。具体的には、多細胞体制の基本を
なす上皮という構造に着目して、細胞同士の接着とその制
カリキュラム
御に関わるタンパク質のはたらきについて、顕微鏡による
1年次に、全学共通授業科目〔教養原論、外国語、専門
形態学と分子生物学の手法を駆使して研究しています。
基礎科目(数学、物理学、化学等)など〕、転換教育科目
(医療序説、初期体験臨床実習、医学史と医学論など)を
細胞生理学
鶴甲キャンパスにおいて履修する。2年次から楠キャンパ
基礎医学研究は、我々ヒトという謎の多い未知なる小宇
スで科目を履修する。2、3年次の基礎医学においては人
宙がその対象であり、そこにはエキサイティングな発見・
体の構造と機能、病理病態を中心に講義と実習を行うとと
発明に繋がる数多くの基本原理が眠っていると思います。
3
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
また、基礎医学研究で得られる発見・発明は、我々ヒトを
という細胞内小胞輸送を扱う学問です。教育面では、細胞
苦しめる病気の解明・治療へと応用されることが期待され
生物学と生化学の学部授業を一部担当しております。
ます。高校生諸君には、未だ答えのない未知なる難問にチ
血管生物学
ャレンジする高い志と精神力を育んでもらいたいと思い
血管は、私たちの体を構成するほとんど全ての組織に分
ます。
布し、体中に酸素や栄養素を供給し老廃物などを取り除い
て、生命を維持するために大変重要です。生活習慣病にお
細胞分子医学
私たちの研究室では、さまざまな手法を融合させて生命
いて最初に障害されるのは血管で、異常な血管が出血した
現象の基本原理とその異常による病態の解明、さらには再
り詰まったりすることからも、健康な血管の重要性が良く
生医学による革新的治療法の開発を目指して研究してい
分かります。私たちは、マウスをモデル動物として哺乳類
ます。とくに内分泌系、神経系を中心に、エネルギー代謝、
の血管とそれを補うリンパ管のでき方について研究し、将
血糖調節、食欲などのメカニズムとその破綻について分子
来の医療へ貢献できる研究と人材の育成を目指していま
レベルから個体レベルに至るまで総合的にプロジェクト
す。
を進めています。また、私たちは、細胞生理学と神経生理
学の学部教育を担当しています。
■生化学・分子生物学講座
分子生物学
癌は、細胞の増殖を制御している細胞内の情報伝達経路
分子遺伝学
の異常で発生します。私たちの研究室では、遺伝子工学や
分子遺伝学分野は、記憶、学習等の脳機能や脳の発生、
変性疾患、さらには癌の形成過程を分子レベルで明らかに
分子生物学の方法論を駆使して「癌はなぜ、どのようにし
することを目的としています。モデル動物として哺乳動物
てできるのか?」を遺伝子や蛋白質のレベルで解析してい
で最も遺伝子操作が容易なマウスを選び、特定の遺伝子の
ます。また癌の発生に関与する蛋白質を分子標的とする新
これら高次機能での役割を、遺伝子を破壊したり、導入し
しい抗癌剤の開発もおこなっています。
たりしたトランスジェニツク動物を独自に作製、解析する
教育面では、呼吸器系、循環器系、消化器系、腎泌尿器
ことにより検討している。教育面では「ゲノムと生体応答」
系、内分泌系などの生理機能を講義・実習を通じて教育し、
の講義、実習を担当し、細胞生物学、分子生物学の基礎に
臨床医学に進む基礎の確立を目指しています。
ついて教育しています。
生化学
われわれの体では、ホルモン、細胞増殖因子、神経伝達
神経発生学
大脳皮質や小脳皮質は美しい層構造を示します。私たち
物質などの各種情報伝達分子が細胞膜の脂質代謝を引き
はこの層構造が乱れる神経奇形マウスを用いて、どのよう
起こし、その結果、多岐にわたる生命現象が調節されてい
に大脳や小脳が形成されるのかを研究しています。また私
ます。当教室では、これらの情報伝達に関与する酵素や活
たちは人体解剖学と神経解剖学の教育を担当しています。
性調節因子などを生化学的、或いは分子細胞生物学的手法
基礎医学の実習の中でももっともハードといわれている
を用いて解析し、その生理的意義や病態との関係を解明す
解剖学実習も私たちの担当です。
ることを目標としています。
膜動態学
分子細胞生物学
膜動態学とは、ホルモンや神経伝達物質、サイトカイン
免疫系、脳・神経系、さらに心臓・血管系が正常に働く
などの種々の生理活性物質の細胞外への分泌(エキソサイ
ために必要な細胞間あるいは細胞内の情報伝達機構の解
トーシス)や細胞内への取り込み(エンドサイトーシス)
明、及びその破綻の結果として生じる各種の病態を明らか
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ようこそ神戸大学医学部医学科へ
にすることを研究目標としています。また教育においては、
膜生物学
学生諸君に生化学・分子生物学の基礎知識、基本技術を習
私たちの体を構成する細胞は、神経細胞、血液細胞、筋
得してもらうとともに、将来世界の第一線で活躍できる基
肉細胞や骨細胞などそれぞれの機能に応じた独自の形を
礎医学研究者と医師の育成を目指しています。
持っています。細胞の内部を見ると、球状の核、網目状の
小胞体、平板層状のゴルジ体など、細胞内小器官も実に多
種多様な形をしています。これら「形」の多様性は、細胞
脂質生化学
我々の体を構成する各々の細胞はお互いに情報をやり
膜やオルガネラ膜など「生体膜」の形状の多様性に起因し
取りし、協調し合って個体の維持と効率のいい生命維持を
ています。細胞が分裂するとき、運動するとき、また外部
行っている。そのために個々の細胞にはホルモンや神経伝
物質を取り込むとき生体膜はくびれ、引き伸ばされ、切断
達物質などの外界からの情報を受け細胞を適正に応答さ
されます。生体膜は細胞の内と外、細胞内の各器官を隔て
せるための細胞内情報伝達系が存在する。その情報伝達系
る非常に重要な構造物であるため、その形状は厳密に制御
にイノシトールリン脂質という脂質が主要 な役割を果た
される必要があります。私たちの研究グループは、生体膜
している。脂質といえば栄養成分や膜の構成成分としての
を構成する脂質分子に結合するタンパク質群の探索を行
役割のみが注目され、また肥満などと悪いイメージが付き
っています。これらのタンパク質が細胞の必要に応じて生
まとっているが、細胞機能の制御という重要な機能も行っ
体膜に結合し、その形状を変えることによって、基本的な
ていることが分かってきた。これらの脂質の乱れはがん、
生命現象を制御するメカニズムを解明しようとしていま
糖尿病という病気の原因になるのみならず、老化や細胞死
す。
という生命の基本的な現象に まで関わっている。当研究
分子薬理・
分子薬理・薬理ゲノム
薬理ゲノム学
ゲノム学
室は生命の根幹に関わるイノシトールリン脂質が様々な
本分野では薬物の生体系に対する作用(薬理作用や副作
生理機能を制御する仕組みの解明を目指している。
用)を細胞,分子およびゲノム (遺伝子)レベルで理解
することを目指しています。研究材料としては,遺伝子操
構造生物学
生物は細胞から成り立っています。細胞の設計図に当た
作・解 析が簡単な分裂酵母を主に使っています。この酵
るゲノムに書かれているのはヒトでは約3万5千種類の
母にはヒトの病気で重要な役割を果たす 遺伝子や薬物の
遺伝子であり、その遺伝子(のほとんど)は蛋白質に翻訳
標的となる分子をコードする遺伝子が多く存在し,とても
されて初めて機能を持ちます。遺伝子を複製したり、蛋白
面白く有用なモ デル生物です。例えば,酵母に免疫はあ
質を合成したりするのも蛋白質の仕事です。どうしてただ
りませんが,臓器移植に必須の薬物であるシクロ スポリ
の化学物質(=アミノ酸の重合体)である蛋白質が、その
ンやタクロリムスなどの免疫抑制薬の標的分子は分裂酵
ような複雑な仕事ができるのでしょうか?その鍵を握る
母に存在します。この標的 分子は,細胞内シグナル伝達
のは蛋白質の持つ特別な性質【フォールディング】と【分
系において重要なタンパク質のリン酸化などの翻訳後修
子認識】です。できたてのひも状の蛋白質は,その配列に
飾に働いています。この他にも、薬物の作用点として重要
従ってそれぞれ独特の立体構造を形成します。その立体構
と思われるいろいろな分子を分裂酵 母モデル系を用いて
造に応じて、特定の分子(化学物質や他の蛋白質)にのみ
研究しています。
強く結合する、という性質を持ちます。そのメカニズムを
薬物動態学
より詳しく調べるために、蛋白質の「カタチ」を調べよう、
というのが構造生物学です。蛋白質の形が正確にわかると、
当教室では、患者さん個々にについて、遺伝子関連情報
合理的医薬品設計(=ドラッグデザイン)にも役に立てる
を解析し、患者さん個々に最も適した薬剤と用法用量を決
ことができます。
定できる薬物治療法、いわゆるテーラーメイド薬物療法の
確立を目指しています。現在まで消化器内科領域、小児科
5
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
領域、泌尿器科領域における薬物治療を主な対象として、
■微生物感染症学講座
薬物代謝酵素、薬物輸送担体などの薬物体内動態を規定す
微生物学
る因子と、薬物の治療効果や副作用発現に関与する各種の
微生物学分野では、ウイルス・細菌・真菌・原虫・蠕虫
因子について検討しています。治療効果や副作用に影響を
などの微生物や寄生虫の特徴とそれらが病気をひきおこ
与える様々な因子をコードする遺伝子の型を解析する、も
す仕組みや感染症に対する抵抗力・免疫についての教育を
しくは生検組織や血液成分中における遺伝子発現量の解
担当しています。さらに、感染症の症状を知り、診断・治
析を行い、薬物体内動態もしくは薬物治療効果、副作用発
療・予防などについての基本的知識を身につけることを教
現との関連を解析しています。
育目標としています。研究面では、ウイルスの増殖の仕方
や病気をおこすメカニズム(特に発癌や免疫回避のメカニ
■病理学講座
ズム)及び寄生虫の病原性について、分子・細胞・個体の
病理学
それぞれのレベルでの解析を行い、その治療法・予防法の
開発をめざしています。
病理学は Study (logos;ロゴス)of suffering(pathos;
パトス)という 2 つの言葉からなり、病気によりもたらさ
感染制御学
れる臓器・組織の形態学的変化(かたちの異常)を克明に
記載し、その原因を明らかにする事により、近代医学の発
世界の 4 人に 1 人は感染症が原因で死亡しています。感
展に深く貢献してきました。ゲノム計画の進展から分子レ
染症は日本でも社会問題ですが、地球規模でみると犠牲者
ベルでの「ヒトの設計図」が手に入りつつある現在、病理
の多くは途上国の子供・高齢者・貧困者で、これらの国の
学分野では、かたちの異常をもたらす分子さらには遺伝子
社会開発に大きな障壁となっています。感染症に対応する
の異常についての情報を蓄積し、これまでの病理形態学的
には、
「診断・治療する」
「予防する」の2つの方策があり、
知見と統合することで癌の発生・進展・転移、骨代謝およ
教室では予防・診断・治療する新しい方法(ツール)の開
び形態形成の研究を中心に病気のより深い理解を目指し
発を目指して実験室で研究しています。一方、途上国では
ています。教育面では講義・実習、Bed side learning な
既存の方法(ツール)があっても犠牲者である弱者にはサ
ど病理学全般の教育を担当し、病理解剖や病理診断を通し
ービスが届かない、またはサービスにアクセスできない課
て臨床医学とも深く関わっています。
題があり、これらの解決方法を探るためフィールドで研究
しています。
病理病態学
感染病理学
病理学は、病気の原因を突き止め、どのようにして発症
したのかを探り、病気の診断を確定して、その治療法を解
科学の発達は、地球をどんどん狭くしました。80 日間
明しようとする学問です。採取された組織や細胞を肉眼で
で地球を一周するという小説を書いたジュール・ベンヌは、
見、あるいは、顕微鏡で見て、病気に侵されたときにどう
やがて 80 時間でも地球を一周することができるだろうと
いった変化を起こすのかを知り、その変化を正常に戻そう
予言しましたが、現実の世界は、はるかに進歩しました。
と考える学問です。医学の発展の中心には、常に病理学の
この科学の進歩は、多くの疾患を撲滅し、人類を繁栄へと
発展がありました。病理学は、新しい研究手法をどんどん
導きましたが、新たな難病も出現してきました。かつては、
取り入れて、それを実際に病気で苦しんでいる人々に応用
ある地域の風土病であった疾患が瞬く間に世界に広がり、
し、その苦痛から開放してあげたいと願う学問です。病理
あっという間に人類存亡の危機が訪れないとも限りませ
学者は、病気を診断し、その治療法を考え、多くの人に信
ん。そのような疾患の第一の候補が感染症です。明治時代
頼される優れた臨床家、その疾患の撲滅のために努力する
の医学の教科書を見ると、栄養疾患(高木兼寛、森鴎外と
優れた研究者でもあるのです。
脚気の話は、有名ですね)、奇形と感染症に多くの記載が
見受けられましたが、ここ50年は、癌が対峙する疾患の
6
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
中心となりました。近年の交通手段の発達は、感染症を再
を行い、新しい心不全治療法として心臓再同期療法を積極
び対処すべき疾患の中心に押し上げました。私たちの教室
的に行っています。カテーテル治療と外科治療を組み合わ
は、日本の感染症研究の拠点として世界の人と手を携えて
せたハイブリッド治療も行っています。心臓核医学では
感染症の撲滅に努力しています。
PET 検査も導入されました。肺高血圧症に新しい肺動脈拡
張療法を積極的に進め、肺血栓塞栓症の院内発症予防に取
■社会医学講座
り組んでいます。高脂血症、高血圧、肥満など生活習慣病
法医学
の評価・治療・管理を学び、患者の病態に則した生活指導
法の修得を目指します。
法医学は、法律の運用において問題となる様々な医学的
事項、特に人の死について研究・鑑定を行っています。本
分野では、医師にとって必須の法医学的知識と思考方法の
腎臓内科学
修得を目指した講義を行うとともに、死体検案実習を行い、
水の惑星「地球」に生まれたのに、わざわざ水中から陸
監察医の指導の下に死体検案および解剖の実技を学習す
上に上がった生物がいます。ヒトもその仲間です。だから
る機会を設けています。研究面では、脂質過酸化、アルコ
24 時間 365 日、からだの中に「母なる海」の環境を作り
ール医学、死体現象、乳幼児・青荘年急死等の法医病理学、
維持しています。その担い手が腎臓です。そんな苦労も知
災害死等に関する研究を行い、様々な観点から人の死につ
らず皆さんは暴飲暴食、でもキャパの大きい腎臓という臓
いて探求しています。
器は、黙々とオシッコを作り続け完璧調節。同時になぜか
色々なホルモンを分泌して、血圧・造血・骨の新陳代謝の
遺伝疫学
黒幕を演じています。多彩な機能を持つ腎臓がダウンした
近年の医学では病気の治療だけでなく、人々の健康をよ
ら...困ったことにそんな患者さんが増えています。NHK
りよい状態に向上させることの大切さが認識されてきて
の「ためしてガッテン」が 2007 年秋はじめて腎臓病を特
います。社会医学(遺伝疫学もその一分野です)は単に病
集しました。反響の多さに、Version 2 を今春放送しまし
気の予防だけでなく、地域、学校、職場という生活環境を
た。今こそ腎臓病克服のために、あなたの若い頭脳が必要
視野に入れて、人々の健康を守るためには何をしなければ
です。
ならないかを考える医学分野です。私たちは、医師活動に
必要な地域保健、学校保健、産業保健分野の基本知識を学
呼吸器内科学
生諸君に提供するとともに、環境汚染物質の生体影響、地
呼吸器内科学は内科の内、呼吸器疾患を中心に診療、研
域住民の健康問題、疾患の分子遺伝学等について研究を進
究する内科学分野です。呼吸器疾患とは、腫瘍性疾患の肺
めています。
がん、石綿で有名になった胸膜中皮腫、感染症である肺
炎・肺結核、近年増加傾向が止まらない気管支喘息・慢性
■内科学講座
閉塞性肺疾患(COPD)、美空ひばりさんも煩った肺線
循環器内科学
維症、新幹線居眠り事件で社会問題になった睡眠時無呼吸
循環器内科では、救急治療として冠動脈疾患治療部にお
症候群など守備範囲はとっても広いです。ほとんどの人は
いて心筋梗塞、重症心不全、心室頻拍・細動などの致死的
「咳」をしたことがあると思いますが、長引く咳で来院さ
不整脈など重症循環器疾患の急性期治療、全身管理法を研
れる人も多く、その診療も得意とするところです。呼吸器
修します。一般病棟では慢性循環器疾患の診断法、薬物療
内科は内科の中でも永く患者さまと付き合う必要のある
法のポイント、カテーテル治療や外科治療の適応と術式の
分野で、その人となりと付き合うことができ人生勉強もで
選択、ペースメーカー・埋込型除細動器について学びます。
きます。呼吸器内科医は相対的に不足しており、将来の可
冠動脈疾患には新しい光干渉断層映像法を用いて詳細に
能性の高い分野です。救急もある、じっくり考えてもみた
病変を評価し、高度先進医療であるエキシマレーザー治療
い、感染症も腫瘍学も習得したい、そういう人にはとって
7
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
内分泌臓器の診療には,General Physician としての知識
も興味の尽きることのない診療科だと思います。
がまず必要です.当科では医学部教育においては、全人的
な医師養成を目指し、卒後教育ではさらに質の高い専門医
免疫・
免疫・感染内科学
「免疫」は疫(病気)を免れるための巧妙な生体機構で、
の育成を行っています.また,分子生物学的手法を用いた
水疱瘡やりんご病などの「二度なし現象」はその代表的で
病態解明から臨床応用にかかわる研究を行い,世界をリー
す。ところがこの免疫システムも変調を来すことがあり、
ドしています.
本来外敵(非自己)から疫を免れるための免疫機構が、さ
まざまな理由で「自己」に対して向けられてしまうことが
老年内科学
あるのです。このことを「自己免疫」といいます。実際に、
2006 年、本邦の高齢者は全人口の 20%を超えて世界一
「自己免疫」が原因で生じる疾患があり、リウマチや膠原
の長寿国です。高齢者の増加に伴って、病院を受診する高
病といわれるものがその代表です。これら「自己免疫疾患」
齢者の割合は 60%以上にも達しています。高齢者医療の
を診断し治療する専門家を育成し、「自己免疫疾患」の原
問題は医療に従事する者として重大な課題といえます。高
因解明と治療法を開発するのがわれわれの使命です。自己
齢者は一般的に多くの疾患を併せ持つことが多く、総合的
免疫は「どうしておこっているのかまだわかっていない」
な内科治療が必要です。そのため、内科医として特定領域
現象です。臨床の現場においても同様で、膠原病はいまだ
に偏らず多くの疾患に対応することが大切です。一方で、
に「原因不明の難治性疾患」として位置付けられています。
内科各分野における専門化・細分化が急速に進んでおり、
我々とともに、皆さんの柔軟な脳みそでこの難解な自己免
ヒトを中心にした全人医療を担う内科医の育成が求めら
疫現象を解き明かしてみようではありませんか!
れています。私達の教室では、内科学全般に対する基本的
臨床力を養うことを重視し、一般内科医としての素養を身
消化器内科学
につけながら、超高齢社会にも対応できる専門性を持つ内
現在3人に1人が癌で死亡している時代で、大腸癌、胃
科医の育成を行っています。また、来るべき超高齢社会に
癌、肝臓癌など消化器癌が多く占めています。したがって、
対応できるよう臨床研究や基礎研究にも鋭意努力をして
消化器内科学では、対象疾患としてまず癌であり、食道癌、
います。私たちと一緒に、高齢社会医療の新しい未来を構
胃癌、大腸癌、胆道癌、膵臓癌、肝臓癌などについて、内
築していきませんか?
視鏡、超音波を用いた各種検査、内科的治療(内視鏡的粘
膜下層剥離術、胆膵内視鏡治療、経皮的ラジオ波焼灼術、
神経内科学
癌化学療法など)を行っています。次に難治性疾患として、
わたしたちの身体には、すみずみまで神経組織が分布し
潰瘍性大腸炎、クローン病、原発性胆汁性肝硬変、劇症肝
ており、そこから刻々と情報が脳に送られます。脳はこれ
炎、重症急性膵炎などを対象として、高度先進医療による
らの情報を統合し、判断し、対応を決断し、指令を発しま
診断・治療を行っています。研究においては、各種臨床医
す。それらの指令は、再び神経組織を介して、全身の筋肉
学研究に加え臨床にフィードバックできる基礎医学研究
に伝えられることで、適切な行動が可能となります。この
を推進し、基礎と臨床に精通した clinician-scientist
人間としての根源的な活動を支える、脳、脊髄、末梢神経、
を養成しています。
筋肉におこる疾患を、内科的に診断・治療を行う診療科が
神経内科です。今日においても、原因や治療法が未解決の
糖尿病・
糖尿病・代謝・
代謝・内分泌内科学
難病が多いのですが、再生医療等の近年の医学の急速な発
糖尿病・代謝・内分泌内科では診療を通じて医療の発展
展が臨床応用されようとしているのは、まさにこの神経領
に,研究活動を通じて医学の発展に,教育・社会活動を通
域です。
じてより良い医療人の育成に貢献すべく努力しています.
血液内科学
生活習慣病の代表である糖尿病ならびに全身に分布する
8
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
成人の体内では約5リットルの血液が全身を隅々まで
まさに患者中心医療の立役者といえます。どんな人にも合
巡っています。すなわち血液は人体の形なき最大臓器なの
わせられるコミュニケーション能力、リーダーシップが要
です。また、病院で血液検査を受けられたことがあると思
求され、知識欲が旺盛な人に向いている職種です。一方、
いますが、多くの体内臓器の機能的変化が血液検査でわか
地方や過疎地においては、救急医療からリハビリテーショ
り、血液は体の調子や警告を映す鏡とも言えます。一般に
ンまで、小児から老年医療までといったまさに人生の全て
なじみ深い「貧血」から、血液のがんである「白血病」ま
をみていく仕事であり、非常にチャレンジングな仕事です。
で、皆さんがよく耳にされる病気を血液内科で幅広く扱い
医師という職業を通じて地域に貢献し、生命や人生を見つ
ますが、形なき臓器であるがゆえに手術で切り取ってしま
めていくことは医師自身の人生にもこの上ない充実感を
うわけにいかず、内科医にしか扱えないという特徴があり
もたらします。
ます。抗癌剤の使用や骨髄移植なども含め、診断から治療、
各臓器への副作用や合併症対策、精神面のケアなどあらゆ
■内科系講座
る分野に関する知識を駆使して人間全体を治療する科な
放射線医学
のです。また、血液内科医は生命科学のトップランナーと
放射線科をイメージできる人は,少ないと思います.放
も言われ、分子生物学など最先端の研究成果が最も早く臨
射線医学は 3 つに分けられます.①患者さんの診断を迅速
床現場に持ち込まれ、医学の進歩をリアルタイムに肌で感
に正確に行うため,放射線技師に診断に必要な撮影法を指
じることができます。
示し,CT,MRI などの検査を行い,内科,外科などの臨床
科にその結果を画像診断として報告し,適切な治療に誘導
する.②癌治療の 3 本柱の一つ,放射線治療を行う.最近
総合診療内科学
内科疾患全般、ならびに日常の健康問題の大半を対象と
は,放射線治療,抗癌剤を用いる化学療法,手術を統合し
し、全人医療、包括医療、継続医療、家庭ならびに地域社
た集学的治療が進み,重要性が増しています.③血管造影
会を観点に入れた外来・入院診療を目指しています。幸い
という検査法があります.カテーテルという細い管を血管
平成 17 年度より文部科学省地域医療等社会的ニーズに対
の中に進めて,血管のX線写真を撮る診断法です.これが
応した医療人教育支援プログラムに採択され、臨床教育に
発達し,身体の深部に進めたカテーテルを使い,治療する
たいする多大な財政支援を受けています。一つの試みとし
方法が進歩しました.手術と違い身体を大きく傷つけずに
て、北米での臨床教育上の良い点を学ぶべく、「大リーガ
治療できます.これをインターベンショナル・ラジオロジ
ー医」の招聘を開始し、既に 4 名に来ていただきました。
ーといいます.これは,放射線科が,外科をリードしてい
さらに平成 18 年度より学生・研修医・専攻医に対して、
る分野です.これらの領域で医療の向上のため,臨床研究
チーム医療の実践を主体とした臨床教育を目的とし、「総
を進めています.
合病床」運営を開始し、高いレベルの一般内科研修を提供
しています。
小児科学
私達は、新生児集中治療室で体重が 500 グラムにも満た
ない小さな赤ちゃんを助けたり、不治の病といわれた筋ジ
へき地医療学
へき地医療学
現在、医師不足が社会問題となりマスコミで連日のよう
ストロフィーの遺伝子治療、白血病に対する骨髄移植や臍
に報道されています。実数が減ったわけではなく、医療が
帯血移植、小児腎不全に対する腎移植など、小児のあらゆ
専門分化され高度化した結果、一人の患者を治療するのに
る分野で先進・先端医療に取り組んでいます。また、こど
複数の医師が関与するようになったことも関連していま
も達のこころの病にも対応すべく、発達行動学にも積極的
す。この事態を打破するため総合医が提唱されています。
に取り組んでいます。また、東南アジアとの国際交流も盛
総合医の役割とは専門医や医療チームの中心で患者に寄
んに行っています。このように、次世代を担うこども達の
り添って存在し、医療をマネイジメントしていくことです。
健康と明るい笑顔を守るため、
「輝く小児科医」をモット
9
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
与できる検査法の確立を目指しています。
ーに最先端の診療・研究推進と視野の広い医師の育成に当
たっています。
■外科学講座
食道胃腸外科学
皮膚科学
食道胃腸外科では主に消化管の外科的疾患を扱い、その
皮膚は内臓の鏡ともいわれ、体内の状況を反映します。
皮膚疾患は目に見えるだけに、診断から治療が適切である
大部分は癌を対象としており、癌の制御という腫瘍外科の
かがよくわかり、面白さがあります。神戸大学病院皮膚科
側面と鏡視下手術をはじめとする低侵襲、機能温存といっ
では皮膚がん、自己免疫水疱症、膠原病、下腿潰瘍、薬疹、
た技術的側面の統合を目指し臨床を進めています。さらに
アトピー性皮膚炎、先天性母斑など、重症度も様々な幅広
化学療法、放射線治療などを組み合わせたいわゆる集学的
い疾患を扱っています。重症例も多いですが、それだけに
治療を積極的に推し進めるとともに、研究面では遺伝子治
やりがいもあります。研究分野としては、皮膚がんをモデ
療や免疫療法などの先進医療の開発に力を注ぎ、癌ワクチ
ルとした発がんの分子機構、日本人に多い遺伝性光線過敏
ンや遺伝子治療などの臨床試験を開始する予定で、新たな
症である色素性乾皮症の遺伝子異常の解析を行なってい
外科治療のインパクトを追求しています。
ます。アレルギー専門医の教育指定病院として、重症型薬
教育面では、ドライ・ラボを用いて鏡視下手術の基礎手技
疹ならびに蕁麻疹の治療、原因精査を積極的に行ない、発
習得のための直接指導を受けることが可能であり、初期研
症機序の研究も進めています。
修のみならず医学部実習に積極的に取り入れています。さ
らに、消化器外科の基礎的手技である虫垂切除術、ヘルニ
ア根治術や腸切除、消化管吻合などの手技を初期研修の段
精神医学
階から経験することが可能です。
精神神経科学分野では患者心理の理解、安心と信頼の医
師・患者関係を診療の基本としています。主な研究分野と
肝胆膵外科学
しては痴呆など老年期疾患、うつ病、児童思春期疾患、統
肝胆膵外科では腹部の臓器のうち、蛋白合成や解毒など
合失調症などで、常に臨床への還元を目的とした研究を心
がけています。精神医学は生物学を一つの核とする一方で、
に関与する肝臓、消化に関与する胆嚢、血糖を調節する膵
心理学、人類学、民俗学、社会学、教育学、歴史学、宗教
臓などの肝胆膵領域の疾患を先端的な医療技術を駆使し
学、文学などとの関わりも深い、非常に学際的な領域です。
て治療しています。特に、肝臓の癌に対しては神戸大学発
学部教育においては、適切な医師・患者関係、患者心理を
の先端医療技術である経皮的肝灌流化学療法を確立し、生
学生に指導・教育することをわれわれの第一の使命として
体肝移植術等の高度医療や肝切除、肝動脈塞栓療法等の既
います。卒後研修においては、幅広い知識と確実な技能、
存の治療法と組み合わせることにより、他施設では治療困
さらに困難を抱えた患者への深い共感を身につけた精神
難で数ヶ月の生存しか期待できなかった進行癌の患者さ
科医の養成を目標としています。
んでも年単位の生存が可能になっています。また昨年から
は治療限界のさらなる拡大を目指し、粒子線治療と手術を
組み合わせた新しい治療が始まっています。一方、胆膵領
病態検査医学
臨床医学は、病気の予防・診断・治療三つからなってい
域の疾患では外科的切除、化学療法を併用する集学的治療
ます。検査(臨床検査と総称します)は病気を未然に防ぐ
により、予後の改善を目指しています。さらに悪性度の低
ため、病気の診断をつけるため、治療の効果を判定するた
い疾患に対しては、積極的に腹腔鏡による手術を取り入れ、
めに必須のものです。検査法の選択・解釈は臨床医にとっ
体の負担が軽い手術法を導入しています。また、肝硬変や
ては基本技能であるとともに、最先端の検査法を駆使する
I型糖尿病など、臓器が機能不全に陥った疾患に対しては
ことにより高度な治療を成功に導くことも出来ます。私た
現在、移植がもっとも有力な治療ですが、神戸大学では生
ち病態検査医学講座では、そのような臨床医学に最大限寄
体肝移植、膵臓移植、膵島移植の三つの移植が行なえる国
10
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
内有数の施設となっています。今後はこれらの診療と研究
法を行っており,胸腔鏡を活用したからだに負担の少ない
を両輪する高度医療をさらに推進させたいと考えていま
手術法を推進する一方で,重症例に対しても積極的に治療
す。
を行っています.研究面では外科診療と密接に関連したテ
ーマとして,手術で切除したがん組織を用いた抗がん剤感
受性試験法や術後自己免疫療法の開発を行っています.
乳腺内分泌外科
乳癌は女性に最も多い癌で、日本では現在でも増え続け
小児外科学
ています。これに対して欧米では、検診の普及や新たな治
療法の開発に伴い乳癌の死亡率は減少してきています。日
小児の外科疾患特に、新生児(生まれたばかりの赤ちゃ
本でも乳癌の死亡率を減少させることが求められていま
ん)の外科疾患の病態生理に関する研究、先天異常に関す
す。乳腺内分泌外科では乳腺疾患の中で、主に乳癌患者さ
る研究、新生児,乳幼児外科における新しい手術法の開発、
んの診断および治療を行っています。日常の診療を行う中
などを行なっています。また、新生児に対する人工臓器の
で、乳癌の画像診断および病理診断や、手術および化学療
新たな開発は、現在進めている低容量、高信頼性のシステ
法を含めた世界標準の治療を習得していきます。また、そ
ムの開発をめざしています。さらに、組織移植および臓器
の中で患者さんに対する接し方や、社会の中での医師の在
移植についてはそれぞれの直面している問題の解決策と
り方や役割について学んでいきます。研究においても、新
して、組織工学の手法を用いた新たな移植モデルの開発を
しい治療法や治療薬の開発にかかわり、世界に向けて情報
考えています。できるだけ早い時期に臨床応用できるよう、
を発信することを目指しています。
従来の考えにとらわれることなく自由な発想で研究を展
開していきたいと考えています。
心臓血管外科学
■外科系講座
心臓血管外科の歴史は未だ50年程度ですが、その間先
整形外科学
人達の病む人々を助けたいという情熱と絶え間ない努力
の結果、現在の安定した手術成績が得られるようになりま
整形外科が扱う疾患は骨折のみならず、スポーツ医学、
した。当時のこの情熱は月にロケットを着陸させたいとい
股関節外科、骨軟部腫瘍学、脊椎外科、肩関節外科、手の
うパイオニア達と同じ感情であったに違いありません。従
外科、リウマチ外科、小児整形外科、末梢神経外科、マイ
来危険な手術であった心臓血管手術はさまざまなテクノ
クロサージェリー、リハビリテーション医学と極めて多岐
ロジーを開拓により支えられてきました。人工心肺の確立、
にわたっています。患者さんにはプロスポーツ選手なども
安全に心臓を停止しうる心筋保護液の開発、脳保護をはじ
多く、特に関節の靭帯・軟骨傷害などのスポーツ外傷に対
めとする臓器保護の安全性向上、心移植の確立、人工臓器
する関節鏡を用いた機能再建手術が多数行われています。
の開発、未熟児に対する心臓手術の確立など目をみはるも
また、高齢者の変形関節症に対する人工関節手術症例も多
のがあります。今後我々はこれらの成績をより安定させ、
く、新しい低侵襲の術式やナビゲーション手術(コンピュ
術後遠隔期における high quality な手術、周術期管理を
ーター支援手術)の開発も行っています。臨床的な診断学
開拓していく必要があります。そのためにはいつの時代に
および治療学の裏付けとなる基礎学問的背景についての
おいても若い人たちに情熱が必要です。この分野に興味を
研究も活発に行っています。
もつ人たちがひとりでも多くいてくれることを願います。
脳神経外科学
脳神経外科は人体としての要である中枢神経(脳及び脊
呼吸器外科学
私たちは原発性肺がんをはじめとする肺疾患,胸膜疾患,
髄)系に発生するあらゆる腫 瘍(良性、悪性)
、血管障害、
縦隔疾患に特化して診療,教育,研究を行っています.診
神経外傷、脊椎・脊髄疾患を主たる治療対象としていま す。
療面では肺がんを中心に中皮腫や縦隔腫瘍などの手術療
小児では上記疾患に加えて先天奇形も重要な治療対象疾
11
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
腎泌尿器科学
患です。また不随意運動や 痛みを改善する機能脳神経外
科も含めて幅の広い分野における疾患に対して、我々は
尿路をはじめとする後腹膜臓器、男性生殖器を扱う分野
手術や血管内治療という外科的手法を用いて命を救うの
ですが、その疾患は泌尿生殖器系悪性腫瘍(腎癌、膀胱癌、
みでなく、機能を維持、改善 することを目指しています。
前立腺癌、精巣腫瘍など)
、腎不全(腎移植)
、男性不妊症、
日々の臨床から生ずる疑問を解明すべく、疾患の病態解
アンドロロジー、神経因性膀胱、副腎などの内分泌疾患、
明、更なる治療技術の改善を目的とした基礎研究、臨床研
尿路感染症、尿路結石、婦人泌尿器科疾患、男性機能障害、
究も大学の使命です。高齢者時代を迎えた今、求められる
前立腺肥大症、小児泌尿器疾患等多岐に渡っています。診
医療は病変のみを取り除くことでなく、病に苦しむ患 者
療面では、腹腔鏡・レーザー等を用いた低侵襲手術、癌に
様の機能改善と長期予後の両立を目指した“やさしい脳神
対する遺伝子および集学的治療、精子形成不全に対する治
経外科”の実践をモットー にしています。
療、ハイリスクケースに対する腎移植など高度な医療の提
供と新しい医療技術の開発を行っています。基礎研究では、
将来臨床につながる研究を念頭に、癌に対する免疫療法、
眼科学
遺伝子治療、精子形成不全に関する研究、重症感染時の生
我々が外界から得る情報の 9 割以上は視覚によるとさ
体反応などさまざまなテーマに取り組んでいます。
れています。人生を幸福に過ごすためには良好な視機能が
不可欠です。眼科学は、視覚のメカニズムを解明し、これ
産科婦人科学
を脅かす眼疾患の原因を究明、さらに治療法を確立し実際
女性の well-being 向上に寄与することを目的として、
に行うまでを主な対象とします。臨床の現場においては、
治療効果は患者さんにはっきりとわかることが多く、責任
生殖内分泌、不妊・不育、周産期医学(胎児診療、ハイリ
も重いですが、治療によりよく見えるようになった患者さ
スク妊娠管理)
、更年期医学、婦人科腫瘍学の各領域で 実
んの喜びは極めて大きいもので、やりがいのある領域です。
地診療に従事し、基礎的、臨床的研究を行っています。常
ぜひとも多くの皆さんに興味を持って学んで頂きたいと
に実地臨床での疑問を基礎的に解析し、得られた基礎的知
思います
見を実地臨床にフィードバックすることを目指していま
す。研究面では特に、女性生殖細胞の増殖・分化・アポト
ーシス調節機構、妊娠中毒症の病態生理、胎盤トロホブラ
耳鼻咽喉科頭頸部外科学
耳鼻咽喉科頭頸部外科が扱う疾患は、中耳炎・慢性副鼻
ストの浸潤能調節、サイロスティムリンの構造解析、リラ
腔炎・花粉症・扁桃炎などの感染症やアレルギー性疾患、
キシンの胎盤および子宮内膜における機能解析、性ステロ
難聴や失声などのコミュニケ―ション障害、脳梗塞や神経
イドによる子宮筋腫の発育調節、子宮内膜症・子宮筋腫・
疾患による嚥下障害、そして舌癌、喉頭癌、咽頭癌、甲状
子宮体癌における遺伝子多型解析、経皮的骨盤灌流化学療
腺・耳下腺腫瘍などの頭頸部腫瘍と多岐に亘ります。薬物
法による進行子宮頚癌治療について研究を進めています。
やリハビリテーションによる保存的治療から、顕微鏡を用
次の世代を担う若い諸君の産科婦人科学分野への加入を
いた鼓室形成術や手術用ナビゲーションシステムを用い
心より期待しています。
た鼻内内視鏡手術などの繊細な手術、ダイナミックな頭頸
形成外科学
部癌手術までバラエティーに富んだ方法で、日々これらの
疾患の治療にあたるとともに、細胞生物学や電気生理学的
形成外科学は外科的治療学の一分野であり,先天異常や
手法を用いて聴覚・嗅覚・音声・嚥下・腫瘍生物学の研究
外傷,腫瘍切除手術などによって生じた形態や機能の異常
を行っています。内科的疾患に興味のある貴方にも、外科
を正常に戻すことを専門として,診療,教育,研究を行っ
志向の君にも、きっと主役となれる分野が見つかるはず。
ています.生命の危機から生還した患者さんが社会復帰を
皆さんの参加をお待ちしています。
果たすのを手助けする「QOL(quality of life)の外科学」
とも言えます.最近では,再生医学の研究や,正しい技術
12
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
と知識に基づいた美容外科の診療も行われるようになっ
■沿革
ています.
神戸大学医学研究科は 2009 年 4 月 1 日より、
「医学部附
属医学医療国際交流センター(ICMRT)」を改組して,「感
麻酔科学
染症センター(CID)」(センター長:医学研究科教授
手術室における患者の呼吸・循環等の管理や全身麻酔、
堀田
博(微生物学))を新設しました。以前からある基礎研究
集中治療部における重症患者・移植患者の管理、ペインク
部門に感染症対策を研究する臨床研究部門を新たに加え、
リニックにおける頭痛、神経痛、腰痛、癌性疼痛に対する
ワクチン開発から流行防止策研究まで一貫して担います。
治療などを行っています。まさにドクターのための診療科
人類に免疫が無く、大流行の脅威が高まる新型インフルエ
であり重要な位置を占める。
ンザなど新興感染症にすばやく対応するのが狙いであり、
同様の組織は全国の大学でも珍しいものです。
口腔外科学
口腔外科学分野は医学と歯学の境界領域に位置し、顎・
■目的
口腔領域に発生する疾患の診断や治療に関する研究を行
神戸大学は 1960 年代から国内の他大学に先駆け、未解
っています。具体的には口腔癌・顎変形症・口腔感染症な
明の変異型ウイルスが多数存在するインドネシアで、新型
どの疾患を対象とし、インプラントやレーザーなどの治療
インフルエンザに変異する恐れがある鳥インフルエンザ
法、また培養粘膜や培養骨といった再生医学などの研究に
やウイルス肝炎、デング熱などについて、現地の研究者と
も力を入れています。附属病院においては、歯科口腔外科
共同研究を継続してきました。ウイルスの発見や解析が早
の診療科名の下に、口腔外科を中心としながらも矯正歯科
まればワクチンも速く作ることができるようになります。
や有病者歯科医療などの一般歯科診療も行っています。
感染症センターでは、これらの研究結果をさらに応用し、
新薬開発や診断漏れの防止などに取り組みます。あわせて、
院内感染や都市の安全まで視野に入れ、総合的に対応して
災害・
災害・救急医学
いきたいと考えています。開設間もない感染症センターは
1995 年 1 月 17 日に起きた阪神・淡路大震災を契機とし
て、わが国に最初の災害医学の研究拠点として設立された
以下の4つの目的を掲げて活動を始めました。
教室です。平時において、地域の救急医療の提供、とくに
(1) 感染症教育研究拠点の
感染症教育研究拠点の形成
重症救急患者への救命救急医療を中心に医学生および研
神戸大学における微生物・感染症研究グループを機能的
修医の教育、研究を行っています。また、病院前救護にお
に集約し、基礎研究と臨床研究を融合・包括した世界レベ
けるメディカルコントロール体制の充実強化に向けて救
ルの感染症教育研究拠点を形成することができる。
急救命士への助言指示体制の強化や再教育に力を注いで
(2) 若手教育研究者の
若手教育研究者の人材養成
感染症に関する教育・研究・診療に携わる若手教育研究
います。また災害医療体制の充実強化に向けての整備や災
害医学教育プログラムや災害医療評価に関する研究を行
者の人材養成が期待できる。
い、ヘリコプターによる事故現場への医師、看護師を派遣
(3) 感染症対策に
感染症対策に不可欠な
不可欠な活動の
活動の実施
し現場からの医療を開始して一人でも多くの命を助ける
兵庫県・神戸市等との地域連携やアジア諸国等との国際
ために努力しています。さらに、災害や大規模事故発生時
協力等、感染症対策に不可欠の活動を機能的に実施するこ
には、迅速に特別な訓練を受けた災害派遣医療チーム
とができる。
(DMAT)を災害現場等へ派遣し、消防機関等と連携した救
(4) 安全・
安全・安心の
安心の確保という
確保という社会
という社会の
社会のニーズに
ニーズに応える
その発生又は流行に対して早急に的確な対策をとるこ
命活動を実施し、国際的視野を持った救急医の育成を図っ
とが求められている新興・再興感染症(特にH5N1鳥イ
ています。
ンフルエンザ・新型インフルエンザ、ウエストナイル熱、
附 属 感 染 症 セ ン タ ー (CID)
日本脳炎、ウイルス肝炎(B型、C型、E型)、デング熱・
13
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
デング出血熱、腸チフス、下痢原性腸管感染症等)に関す
らでも好きな時に自分のレベルに合わせて学習が行える
る予防・診断・治療法の新規開発・改良が期待でき、安全・
環境が提供されています。
安心の確保という社会のニーズに応えることができる。
附属病院の紹介
■組織
医学部附属病院は、新病棟が平成 13 年 9 月に竣工し、
基礎研究部門に微生物学、臨床ウイルス学、人獣共通感
平成 14 年 3 月の移転完了と同時に臓器機能別外来診療体
染症学、感染病理学、国際感染制御学など 8 グループ、臨
制で診療をおこなっています。
床研究部門に感染症対策治療学など 3 グループの計 11 グ
【診療科名】
ループで構成し、予防薬、診断薬、治療薬の開発や診療シ
総合診療(一般内科)
,循環器内科,呼吸器内科,糖尿病・
ステムの整備、人材育成を目指します(機構図)。世界保
内分泌内科,消化器内科,腎臓内科,神経内科,
健機構(WHO)の研究拠点である WHO 神戸センター(神戸市
腫瘍内科,血液内科,老年内科,免疫内科,リウマチ科,
中央区)や兵庫県健康環境科学研究センター(神戸市兵庫
感染症内科,食道胃腸外科,肝胆膵外科,乳腺内分泌外科,
区)
、神戸市環境保健研究所(神戸市中央区)とも協力し、
心臓血管外科,呼吸器外科,小児外科,脳神経外科,整形
感染症対策の新たな県内拠点となります。
外科,産科婦人科,耳鼻咽喉・頭頸部外科,眼科
精神科神経科小児科,放射線科,皮膚科,泌尿器科,
麻酔科,歯科口腔外科,形成外科,美容外科。
中 央 診 療 施 設
医学部附属病院における要となる 17 中央診療施設の業務
内容について概説します。
検査部
診断や治療のための生体情報を迅速・正確に医療現場へ
提供しています。検査内容は血液・生化学・尿検査、微生
物検査、遺伝子検査など、成分分析する検体検査と心電図、
呼吸機能、脳波、筋電図、超音波検査など直接患者さんと
情報センター
情報センターは、医学系研究科・医学部における研究・
接する生理検査に分かれています。検体検査は患者さんの
教育を IT 面からサポートしています。情報数室には合計
採血から自動分析、精度管理、報告までの工程をコンピュ
約130台のパソコンが設置されており、マルチメディ
ータ管理しています。また院内感染対策、糖尿病療法指導
ア・e-learning 数材による医学英語の授業やパソコンを
など医療チームへの参画をしていますし、さらに治験セン
用いた医学・情報実習、CBT(Computer Based Test)等に
ターや先進医療実践の支援を行っています。
利用されています。
手術部
端末には、医学の電子数科書等様々なソフトがインスト
神戸大学附属病院の中央手術施設には幅広い術式に対
ールされており、スタツフによって常に最新の状態にメン
応できる近代的手術設備が整備されおり、移植医療等に対
テナンスされています。
応するために無菌手術室も設けられています。手術部は高
また、開放端末室は休日・夜間も自由に利用できますの
度医療を行う上で、清潔度の保持・管理や、患者さまの安
で、毎日多くの人に活用されています。
全管理等のさまざまな面で安全で質の高い最新の医療を
TOEFL PBT600 点以上のハイレベルな学習にも対応した
遂行する業務を担っています。
英語数材も導入されており、情報教室ではもちろん自宅か
14
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
す。
放射線部
リハビリテーション部
リハビリテーション部
日常診療に不可欠な各種X線撮影装置、コンピュータX
線断層撮影装置、磁気共鳴画像装置、核医学検査装置、結
障害や損傷により日常生活に支障をきたす人々を指導
石破砕装置などが稼働し、血管造影部門では非手術的な血
し訓練することによってその障害を軽減させ、再び日常生
管内治療が行われています。また、悪性腫瘍に対するリニ
活、職場あるいはスポーツ活動へと復帰させることを目的
アックX線・電子線照射、高線量腔内照射、温熱療法等、
としてリハビリテーションを行っています。
各種装置が設置され、放射線腫瘍学の中心的役割を果たし
腎・血液浄化センター
血液浄化センター
ています。
当部の本来の業務は、各種血液浄化療法であり、主に新
規の血液透析導入や長期透析に伴う合併症の治療で入院
周産母子センター
周産母子センター
した症例に対して、全身管理を含めた治療を行っています。
妊娠成立から分娩・産褥ならびに胎児期から新生児期ま
でを連続した流れとしてとらえ、母児の健康を守ることが
これに加え、各科の疾患で適応のあるものに対して、血漿
周産期医療の基本理念です。当センターは開設以来、母体
交換、血液吸着等の療法も積極的に行っています。さらに、
搬送ならびに新生児搬送を多数受入れ、高次医療施設とし
腎臓内科および各科と緊密な連係のもと、院内外の腎障害
て周産期医療システムに貢献してきました。産婦人科医、
をもつ症例の相談に広く応じています。
小児外科医、新生児科医ならびに助産師、看護師よりなる
救命救急科(
救命救急科(救急部)
救急部)
医療チームが情報を共有することにより妊婦、胎児管理と
災害・救急医学分野と救命救急科の救急医が中心となっ
褥婦、新生児管理を一貫した体制で行っています。
て、院内各専門診療科と協力連携をして、初期から三次に
亘るあらゆる救急患者に対応しています。救命救急科とし
輸血部
血液製剤ならびに関連製剤の保管、払い出し、血液型判
て、緊急性や重症度の高い救急患者、特に心肺停止、呼吸・
定やクロスマッチの他、血液型不適合妊娠時などの抗体価
循環不全、多発外傷、急性中毒、重症熱傷等の患者様に対
の変動をチェックし、輸血副作用の予防、対応を実践して
する救命救急医療と急性期重症患者管理を行なっていま
います。末梢血幹細胞移植療法に関連した処置、検査も行
す。また、ヘリコプターによる重症患者の受入れと救急現
い、医学生や医師、検査技師等に正しい輸血関連検査の方
場への医師派遣、救急救命士や救急隊員への指示、助言や
法や、適正な輸血療法に関する教育を担当しています。
指導および事後検証等に関与し病院前救護の質の向上に
努力しています。大規模事故や災害発生時には、迅速に多
数傷病者の受け入れ態勢を整え、必要に応じて災害現場へ
病理部
の医療チーム派遣を行なっています。
治療の方向性を決定することを目的として、病変部位か
ら採取した小さな組織や細胞、あるいは手術で摘出された
集中治療部
臓器などを顕微鏡で詳細に観察し、診断します。これらは
病変そのものをみて判断するものであり、最終診断と呼ば
集中治療部(ICU)は、所属診療科に関わらず呼吸・
れます。とくに大学病院では毎日多くの悪性腫瘍を疑われ
循環をはじめとする臓器機能不全の患者を収容し、人的に
る患者様が受診され、適切な治療を行うためには正確かつ
濃厚な看護体制、集中治療専門医をはじめ幅広い領域の専
迅速性な病理診断が求められます。また不幸にして亡くな
門医による治療や知識を集約し、先進の医療機器やモニタ
られた患者様の解剖をさせていただくのも病理医の大切
リングシステムを用いて、集中的に治療を行い、臓器機能
な仕事であり、「医療の裁判官」と呼ばれる所以です。直
の改善を図る中央診療部門です。院内の重症患者を収容し、
接患者様をみることはないが、医療を支える重要な部門で
臓器不全を予防することと安全で質の高い医療を確立す
15
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
ンプロモーターを組み込んだベクターを用いた遺伝子治
ることに主眼を置いて治療を行っています。
療臨床研究」。さらに世界初の「進行性筋ジストロフィー
に対するアンチセンスオリゴ DNA 治療」を実施しています。
光学医療診療部
光学医療診療部は、分野を限らず、内視鏡検査の集約を
親と子の心療部
めざして発足しました。現在は、消化器(胃や大腸)・呼
吸器(気管支)の内視鏡診断・治療を中心としており、ピ
親と子の心療部では、拒食症、引きこもり、軽度発達障
ロリ菌の診断・治療、超音波内視鏡・拡大内視鏡・経口胆
害などの子どもたちの心身の発達の問題に対応していま
管膵管鏡などの特殊検査や癌の内視鏡切除・レーザー治療
す。心理社会的観点と身体的・精神的な発達をべ一スに、
など積極的な取り組みを行っています。また腹腔鏡治療な
子どもの心の問題の診療にあたっており、教育・福祉など
ど外科サイドとの連携も、現在積極的に進めています。
の領域との連携をはかりながら、子どもたちの健全な育成
を支援しています。
冠動脈疾患治療部
感染制御部
冠動脈疾患治療部は急性心筋梗塞や不安定狭心症や急
性心不全のような重症度の高い緊急心疾患を、救急ないし
感染制御部は、新しい感染症や病院内で発生する耐性菌
他院からの依頼により受け入れています。これらの疾患で
感染などに迅速に対応し、その予防を含めた対策を円滑に
はカテーテル血管形成術や補助循環装置などの高度診断
実践するセンターです。院内感染の動向調査、感染予防対
治療が必要であり、広く院内・外の高度先進的な緊急医療
策の立案・指導、感染症に関する情報提供、重症・特殊感
の要請に対応しています。
染症の診断・治療、予防を含めた感染に対する医療従事者
への啓発・教育などを主な業務とし、安全医療管理の一環
を担っています。
総合診療部
内科疾患全般、ならびに日常の健廉問題の大半を対象と
し、全人医療、包括医療、継統医療、家庭ならびに地城社
国際診療部
会を観点に入れた外来・入院診療を目指しています。幸い
国際診療部は国際都市神戸、国際拠点神戸大学ならではの
平成 17 年度より文部科学省地城医療等社会的ニーズに対
診療部で、神戸大学内の多くの海外留学生、神戸市内に居
応した医療人教育支援プログラムに採択され、臨床教育に
住されている多くの外国人、さらに国際交流のある海外の
たいする多大な財政支援を受けています。一つの試みとし
患者さまの、日本での診療の窓口となっています。
て、北米での臨床教育上の良い点を学ぶべく、「大リーガ
薬 剤 部
ー医」の招聘を開始し、既に4名に来ていただきました。
さらに平成 18 年度より学生・研修医・専攻医に対して、
■薬剤部の業務
患者さんのあらゆる種類の不利益の回避を目的として、
チーム医療の実践を主体とした臨床教育を目的とし、「総
合病床」運営を開始し、高いレベルの一般内科研修を提供
医薬品の適正使用のために以下の業務を行います。
しています。
① 入院患者に対する薬剤管理指導業務
② 入院注射薬の患者ごとの一日量セット調剤
③ 入院および外来患者に対する調剤と薬剤情報提供
遺伝子診療部
④ 中心静脈栄養輸液の無菌的混合
遺伝子相談外来では遺伝(子)にまつわるあらゆる相談
に応じています。遺伝子診断の分野においては「進行性筋
⑤ 注射用抗癌剤の無菌的混合とプロトコールのチェック
ジストロフィーの遺伝子診断」などの先進医療を実施して
⑥ 院内特殊製剤の調製
います。さらに、遺伝子治療の分野においては、目本初の
⑦ 麻薬を含む医薬品の管理
臓器特異的遺伝子治療「前立腺癌に対するオステオカルシ
⑧ 薬物血中濃度測定
16
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
⑨ 治験管理と治験コーディネーター
働に向けて、開発を進めるとともに、インターネット技術
⑩ 高度先進医療に対する協力
を使った地域・遠隔医療情報システムの開発も進めていま
す。
■薬剤部における教育
附属動物実験施設
① 医学教育(処方設計、臨床薬理学、薬物動態学)
動物実験施設は、科学的にも倫理的にも適正な動物実験
② 薬学教育(学部学生の病院実習、大学院生の病院研修)
③ 薬剤師卒直後教育
を実施することを目的として、他大学に先駆け、本学医学
④ 薬剤師卒後教育
部が国立に移管される以前(昭和38年、1963年)に
建設された。その後、建物と設備の老朽化および医学の進
■薬剤部における研究
歩や動物実験の増加に対応する目的で、現在の動物実験施
① 遺伝子診断に基づく医薬品の適正使用
設が昭和54年(1979年)に竣工しました。
~ 薬物代謝酵素、薬物輸送担体、薬物受容体
動物実験施設の活動は各教室等が実験する動物を用い
② 臨床薬物動態の解析と至適投与設計法の確立
た医学研究のサポートと適正な動物実験の実施に関する
教育活動および動物実験施設が実施している固有の研究
看護部
活動に大別できます。
看護部門では、以下の5つの理念を掲げ、神戸大学医学
部附属病院で医療を受ける患者さんやご家族の方々に看
■動物実験のサポート
護に対する信頼や安心感をもっていただけるような質の
動物実験施設では多数の遺伝子組換えマウス、自然発症
高い看護サービスの提供を目指しています。そして、約
あるいは人為的な病態モデル動物を開発・飼育しており、
823 人の看護職員一人ひとりが自信と誇りを持って看護
疾病の発生機序の解明、治療技術の開発、生命機構の解明
活動を行うことで、本院を利用される方から看護への良い
に関する研究が実施されています。
実験用動物を適正に飼育管理することは、科学的に信頼
評価をいただける看護部でありたいと願っています。
できる実験データを得るためにも動物福祉の面において
■看護部の理念
も重要です。動物実験施設では、実験に使用される動物の
① 患者の個別性を重視した創造性豊かな質の高い看護
生理状態を一定に維持するために、飼育環境(室温、照明
時間、飼料、飼育管理等)を一定に維持し、衛生的で、動
の実践
② 患者・家族の意志の尊重と自己決定への支援
物福祉に配慮した飼育管理を実施しています。動物実験の
③ 変動する社会・医療への対応と看護の専門職として
実施に当たっては、学内の動物実験委員会の許可を必要と
し、倫理面についても配慮がなされています。
の自立と責務の遂行
④ 病院内各種専門職の分担と統合によるチーム医療の
■教育活動
促進
科学的かつ倫理的に適正な動物実験の概念ならびに適
⑤ 教育基幹病院における看護の立場で、地域のリーダ
正な動物実験を実施するための基礎知識の普及に努めて
ー的役割の推進
います。
医療情報部
病院業務のシステム化、患者情報の管理、診療・研究・
■研究活動
教育への情報提供等、コンピュータを利用した病院管理を
1985 年のノーベル賞(生理学・医学部門)受
目指し、病院情報システムの開発・運営を行っている。現
賞研究に大きく貢献した遺伝性高脂血症
在は、経営分析管理システムの導入、電子カルテの本格稼
(WHHL)ウサギ(写真参照)は当施設で開発・
17
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
改良された疾患モデル動物で、高コレステロール
洋書
84,053 冊
1,399 誌
血症、動脈硬化症、心筋梗塞を自然発症し、その
計
137,657 冊
2,096 誌
病態と発生機序はヒト疾患に酷似しています。当
施設では、WHHL ウサギの特性の解明、高脂血
学生生活
症 、動 脈硬化 など の研究 を実 施して いま す。
医学科の学生は、入学後 1 年間は主として鶴甲(六甲台)
WHHL ウサギは本学から世界各国の研究機関に
キャンパスにおいて学びます。この時期には、クラブ・サ
分与され、循環器領域の研究に重要な役割を果た
ークル活動やその他の様々な行事に参加し、それまでの受
しています。
験生活とは全く異なる視点から自分自身を見つめなおす
ことができます。その後 2 年生からは、医学科学生は、楠
放 射 性 同 位 元 素 ( Rl) 実 験 施 設
キャンパス、保健学科学生は名谷キャンパスでより専門的
医学や生命科学の先進研究に放射線および放射性同位
な知識・技術教育を受けることになります。学生は様々な
元素(RI)は必要不可欠であり、今後もさらに利用範囲の
講義や実習とともにサークル活動などの学生生活を通じ
拡大が予想されます。特に、RI は最近の分子生物学、遺
て自己の可能性を発見したり、より良き人間性の啓発に努
伝子工学関連領域を含めた分子医学の発展には多くの貢
めています。
献をしています。さらに、RI 実験施設は RI 学生実習や大
学院生の研究にも利用され、RI の安全な取扱いに関する
■健康管理・健康相談
教育にも貢献しています。
健康は,自らが管理することは医療専門職を目指すもの
現在、RI 実験登録者は 350 名を超え、年間延ベ5千時
として当然ですが,六甲台キャンパスには、保健管理セン
間以上使用されています。ここで行われた医学研究の膨大
ターがあり、定期的な健康診断、学内での不測の疾病や事
な成果は毎年70編を越える原著論文として国際的学術
故など日常の診療、保健指導や “からだとこころの健康
雑誌に報告され、高い評価を得ています。
相談”を行っています。
附属図書館 医学分館
■大学生協食堂・売店
本分館は楠キャンパス(医学科)の医学部管理棟(6階
神戸大学生協は、学生・教職員の出資金によって運営さ
建)の地階、1階、2階を利用した図書館です。
れている団体です。食堂及び購買部では、市価よりも安く
蔵書内容は学術雑誌を主体とし、広く医事、医療関係者
食事ができ、大学での勉学に必要な書物や白衣などの必需
も利用出来る医学専門図書館として教育・研究を支援して
品が購入できます。
います。また、医学部で実施されているチュートリアル教
育の資料提供も行っています。
■必要経費
ID カードによる入館、貸出、特別利用(24時間シス
入学料・授業料は次のとおりです。
(平成 18 年度)
テム)、及び館内随所に情報検索等の機械化された設備を
入学料 282,000 円
持ち、閲覧室は明るく落ち着いた学習環境を提供していま
授業料(年額) 535,800 円
す。
※在学中に授業料改定が行われた場合は、改定後の新授
■開館時間
平
業料が適応されます。
日
8:45~21:00
土曜日
9:00~17:00
■蔵書冊数
なお、2 年次以降の教科書・参考書・実習用白衣などの
費用として 25 万円から 30 万円程度の経費が必要になり
平成 20 年 3 月現在
図書
和書
53,604 冊
ます。
雑誌
697 誌
■学生寮・下宿・賃間等
18
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
自宅外通学者
自宅からの通学に 2 時間以上かかる学生の便宜を図る
月額 51,000 円
(2) 第二種奨学生:有利子貸与
ために学生寮があります。学生寮は市内東灘区に住吉寮、
3 万、5 万、8 万、10 万円から選択
女子寮、同灘区内には国維寮があります。いずれも鶴甲キ
ャンパスからは、30~40 分の所にあり、1 年次には大い
に活用できる施設です。
(照会先:学務部学生生活課)
■学生総合補償制度
住吉寮 男子寮 鉄筋 4 階建
2 人部屋 338 人
学内、通学途上は勿論、臨床及び看護実習中、正課外活
女子寮 女子寮 鉄筋 4 階建
4 人部屋 156 人
動中の事故、他人への賠償責任補償などの学生総合補償制
国維寮 男子寮 鉄筋 5 階建
2 人部屋 264 人
度があります。
なお寮費(月額)は,寄宿料
700 円,光熱水費
対象者 期間 掛け金 品名
5,400
円です。また住吉寮、女子寮には、食堂があり、平日の昼
(1) 医学科 1~6 年
5,400 円 学生教育研究災害傷害保険
食および夕食のみ利用できます。
(2) 医学科学生(臨床実習中) 1 年半 14,510 円 学生生
徒総合保険
学生寮のほか、自宅から通学できない学生には、大学
なお補償金額は掛け金により異なります。
生協が正式な資格を持って下宿・借間などの斡旋を行って
います。下宿、貸間の料金は、概ね次のとおりです。
学生課外活動クラブ一覧
下宿(6 畳) 55,000~70,000 円
平成 20 年 7 月現在
貸間(4.5 畳~6 畳) 30,000~40,000 円
■文化系(13 クラブ)
なおこの料金には光熱水料費は含まれていません。また
写真部
美術部
E. S. S.
C. N. F.
独語研究会
東洋医学研究会
文芸部
システム医学研究会
者が死亡し、又は本人もしくは本人の学費を主として負担
軽音楽部
国際医療研究会
している者が風水害等の災害を受けたことなどにより、入
クラシック音楽愛好会
社会医学研究会
学料の納付が著しく困難であると認められる者には、選考
聖書研究会
別途、礼金・敷金などが必要です。
■入学料・授業料免除
入学前 1 年以内に、本人の学費を主として負担している
の上、入学料の全額又は半額を免除する制度があります。
■運動系(22 クラブ)
また、同様の理由か経済的理由により授業料の納付が困
難であり、かつ学業優秀と認められる者には、学期ごとに
ラグビー部
剣道部
選考の上、授業料の全額又は半額を免除する制度がありま
野球部
男子バスケットボール部
す。
サッカー部
女子バスケットボール部
硬式テニス部
バレーボール部
ソフトテニス部
スキー部
バトミントン部
ワンダーフォーゲル部
により修学が困難な者に対しては、日本学生支援機構(旧
卓球部
ウインドサーフィン部
日本育英会)
、地方公共団体及び民間育英奨学団体による
ヨット部
ゴルフ部
奨学金の貸与・給与の制度があります。
空手道部
合気道部
水泳部
ハンドボール部
柔道部
フットサル部
■奨学金
人物・学業ともに優れ、かつ健康であって、経済的理由
日本学生支援機構(旧日本育英会)には、次のような奨
学金制度があります。
(1) 第一種奨学生:無利子貸与
自宅通学者
入学志願状況と卒業生の進路
月額 45,000 円
19
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
■医学科入学志願者数
区分(年度)
平成 15 年度入学 小倉 礼
H20
H19
H18
H17
H16
学生や医師にとっ
一
前期
募集人員
70
65
65
65
65
て英語は使いこなせる
般
日程
志願者数
346
342
337
299
322
手段として欠かせない
選
後期
募集人員
15
15
15
15
スキルであることを痛
抜
日程
志願者数
372
436
328
335
感しています。神戸大
特別選抜
募集人員
25
15
15
15
15
学ではカリキュラムの
AO 入 試
志願者数
142
109
112
113
90
一環として医学英語の
募集人員
95
95
95
95
95
授業が 3 年間行われ、5~6 年次学生には海外派遣の機会
志願者数
488
823
885
740
747
が提供されます。また有志の 5 年生と数名の Dr.の厚意で
計
医学英語の勉強会も定期的に行われています。
2008 年 3 月 31 日より 4 月 27 日までの 4 週間、ハワイ
■第3年次学士編入学
区分(年度)
H20
H19
H18
H17
H16
募集人員
5
5
5
5
?
志願者数
129
116
130
114
?
で実習を行いました。内容は、①ハワイ大学医学部 John A
Burns School of Medicine での医療面接・身体診察のト
レイニング②Kuakini medical center での内科病棟実習
③家庭医である Dr. Tokeshi の下での family practice(家
庭医療)の実習④症例プレゼンテイションのレッスンなど
■卒業後の進路
医学科卒業生の多くは、臨床医としての道を選択します。
です。ハワイ大学クアキニ医療センターでは、年間を通じ
て日本からの医師や医学生を広く受け入れており、神戸大
平成16年からは、卒業後2年間は医師としての基本的な
学からの派遣学生もこの留学プログラムに準じて実習を
能力を高める様な研修医のシステムが実施されています。
行うため、非常に充実したプログラムで実り多い実習を行
2年の研修後は、大学病院、市中病院等において、専攻す
うことができました。米国の医学生は日本の研修医と同等
る診療科の内容を研鑽し、専門医制度のある科では専門医
あるいはそれ以上の実践的で臨床的な病棟実習を行って
を取得します。またその中には平行して基礎あるいは臨床
います。ハワイ大の医学生と同じチームに配属され、数名
研究活動を行い、医学博士の称号を目指します。大学ある
の受け持ち患者を持ち、診察・病態把握・チームでの患者
いはそれに準じる中核病院では、同時に教育活動を行いま
ケアを日々行うことで大変大きな刺激を受けました。この
す。その後は個人の資質、興味に基づいて、専門病院にい
派遣を通じて①診察手技②系統だった鑑別診断の挙げ方
て臨床医として、個人開業医として地域医療に,また大学
③症例プレゼンテイションなどは特に力が付いたと感じ
教官として研究、教育に携わる等に分かれていきます。従
ていますし、その後の日本での病棟実習における意識の持
来は、卒業大学で研修し、地元を中心に医療活動に従事す
ち方や学ぶ視点が大きく変化したと思います。また、家庭
ることが多くありました。最近は、研修、研究の場を広く
医療の実習では患者を包括的にケアするという家庭医の
求める医師が多く、国内、国外の大学、病院、研究機関で
使命――つまり、あらゆる年代を対象に、24 時間何時で
多くの卒業生が活躍しています。また基礎医学を専攻した
も患者の訴えに耳を傾け、どんな病気も怪我も診療し、身
ものは、大学、研究機関において、教授をはじめとして、
体面だけでなく患者の心の支えにもなる、という医の道を
研究者として活躍しています。また、行政に携わる者も多
体感しました。
く、厚生労働省、地方公共団体の保健・福祉の責任者とし
ハワイでの実習はこの先の自分の人生や医師としての
て多くの業績を上げています。
心構えに大きな影響を与える貴重な経験となったと感じ
ています。このような貴重な経験を、友人や後輩たちと少
先輩からのメッセージ
■海外派遣研修プログラム
しでも共有し何かしら伝えることができたら、と考えてい
アメリカ
20
ようこそ神戸大学医学部医学科へ
は他の海外派遣とは違っ
ます。
国家試験終了後、Dr. Tokeshi のご厚意で 2009 年 2 月
てベッドサイドの研修は
26 日から 3 月 8 日までの約 10 日間再度実習をさせていた
できませんでしたが、医
だきました。身体診察や採血等の手技から温かいこころや
療の他の分野の勉強がで
情熱など、大切なことを臨床研修開始前に再確認でき、2
きました。将来医師にな
年間の研修にとってよい橋渡しとなる実習になったと思
ったときに連絡しあえる
います。
友人を得ました。是非参加されることをお勧めします。
■海外派遣研修プログラム・シンガポール
■海外派遣研修プログラム・マレーシア
平成 15 年度入学 池内 理絵
平成 15 年度入学 土井 健史
2008 年 2 月 11 日から 3 月 7 日までシンガポール大学医
国際 医療大学 (IMU)
学部、救急部と脳神経外科で研修を行いました。私がシン
Hospital Tuanku Ja’afar
ガポールを選んだのは、シンガポールが多文化国家であり、
で 3 月 10 日から 4 月 4 日
共通言語が英語であること、また、日本では最先端医療機
まで外科、内科において
器が使用されていますが、他のアジア諸国の事情を知りた
研修を行いました。私が
かったからです。
IMU 派遣を希望したのには理由が2つあります。日本が国
この派遣を通じて私は精神的に強くなり、また自分の国
際化する今日、英語での診療の必要性が増すなかで英語で
を外から客観的に見ることができるようになりました。国
のベッドサイド研修をしたかったのと、日本と他のアジア
内で人種の異なる人々が近隣で居住し、沢山の学生が海外
諸国における医療システム、医学教育システムの違いを知
で勉学の努力をしています。日本の学生は世界的な視野を
りたかったからです。
もち勉強にもっと熱心に取り組むべきです。シンガポール
マレーシアの学生は臨床能力向上のために日々勉強に
では沢山の人々に助けていただきました。関係者の皆様に
励んでおり、また医師とは積極的に話し合いを行っていま
感謝しています。
すが、一方で講義時間は少ない。また学生が患者さんから
病歴を取ったり採血をする機会は多く、その手順を下級生
アメリカ
に教えることもしています。医師‐学生間だけでなく学生
平成 15 年度入学 堤 奈央
同士の指導体制もしっかり確立していました。日本とマレ
General Clinical Research Center (GCRC)インターン
ーシアの医療・教育制度それぞれに長所・短所があり、そ
■海外派遣研修プログラム
シップの一員として 2008 年 3 月 9 日から 20 日までボスト
れらを学べたことは貴重な経験でした。
ンを訪問しました。GCRC では計画に基づいた臨床研究を
IMU では図書館、PC、体育館等の施設を自由に使わせ
推進しています。日本では臨床研究が米国ほど活発ではな
ていただきました。食費は安く、200 円もあればお腹一杯
いと言われています。私達学部学生は、看護師、臨床コー
食べられました。また、IMU の病院職員・学生ともに英語
ディネーター、医師、大学院学生と共にハーバード大学と
はとても上手であったので、4 週間しっかりと医学英語を
タフツ大学の GCRC を訪
学んでいくにはとても良い環境でした。
問しました。
最後になりましたが、このような機会を与えて下さっ
一方、観光でボストン
た神戸大学・IMU の関係者の方々には深く感謝致します。
交響楽団、ボストン近代
美術館等にも行きました。
■海外派遣研修プログラム・タイ
このインターンシップで
平成 15 年度入学 武岡 由樹
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ようこそ神戸大学医学部医学科へ
実習は私にとって、国際的視野をもち、よりよい医師にな
マヒドン大学ラマチ
るために大切な経験となりました。
ボディ病院で 2008 年 2
月 17 日から 3 月 14 日
■海外派遣研修プログラム・アメリカ
まで感染症と一般外科
の研修をさせていただ
平成 15 年度入学 妻野 恵理
きました。研修に応募
神戸大学医学部には、5~6 年次
した動機の 1 つは海外での医療に興味があり国際的な医
に様々な国の病院で実習する特別
療の現場での経験を積みたかったからです。2 つ目は日本
なプログラムが用意されています。
で勉強した熱帯病が実際にどのように治療されているの
私は 2008 年 3 月 12 日より 2 週間、
かを知りたかったからです。最後に外科に興味があり海外
University
での外科治療を実際に見たかったからです。
Medical
of
Center
Pittsburgh
(UPMC)
の
滞在中は学生寮を使用させていただきました。寮は病
Shadyside Hospital にて、家庭医療を中心に実習させて
院の隣にあり学生のほとんどがそこに居住しています。学
いただきました。日本とアメリカの文化・医療制度・医学
生達は非常に親切で困ったときはいつでも助けてくれ夕
教育の相違を実際に目の当たりにできたこと、アメリカの
食やパブに誘ってくれました。
医学生やロールモデルとなるような志の高い医師の先生
この研修を通じて英語の必要性をさらに強く感じまし
方と出会えたことは、とても貴重な経験となりました。
た。日本とタイの医療の相似点、相違点を知り、外国の医
自身を見つめなおすために他の国のシステムを学ぶこ
療に対してさらに興味を持ちました。最後にこの貴重な機
とは重要なことです。これから医の道を歩みだす私たち医
会を可能にしてくださった方々に感謝します。
学生にとって、学生のうちにこのような経験は、とても大
きな意味を持つと思います。
■海外派遣研修プログラム・オーストラリア
最後に、海外留学を志す後輩のみなさんへ。学生中は、
平成 17 年度学士編入学 水内 理恵
自由に使える時間がたくさんあります。低学年のうちから、
西 オ ー ス ト ラ リ ア大 学
英語に親しみ、準備をしてお
( UWA ) Fremantle
くことをお勧めします。有意
Hospital
義に時間を使い、実り多き学
Emergency
Department で 2008 年 2
生生活を過ごして下さい。
月 18 日から 29 日まで研修
を行いました。派遣にあた
■ハワイ語学研修(参加学生の声)
り、目的を英語力向上、オーストラリアの医療システムを
・英語の勉強だけではなく様々な人々との出会いの機会で
知ること、そして救急部における処置手順を学ぶことに定
もあった。
めました。
・英語の必要性を再認識し、今から真剣に英語を勉強しよ
研修開始日の 1 週間前に現地に入り、MRSA 検査を受
うと思う。
けその結果が出てから病院に入ることが許されます。研修
・千葉、浜松、北海道、高知、京都、大分、東海、東京の
はオランダやオーストリアの学生と一緒に行いました。彼
各大学医学部生と友人になれた。
らとは、患者さんのことからそれぞれの国の文化、趣味、
・授業の後、随行教員、他大学の学生らと飲食を共にしな
将来など様々なことについて語り合いました。患者さん達
がら親しく話しができた。
は親切で逆に私が励まされることもありました。わずか 2
・素晴らしいクラスメートの友情に感謝したい。
週間の研修でしたが、臨床スキルはもちろんのこと、オー
・ハワイ大学医学生と学生同士の話しができてアメリカの
ストラリア文化の長所や欠点も学ぶ事ができました。この
医学教育の話が聞けた。
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ようこそ神戸大学医学部医学科へ
・英語力不足であったが、ハワイ大学生が真剣に優しく正
でしょうか?解剖に堪えうる強さを
してくれ、英語を話すのが楽しくなった。意外に自分の
持った者のみが医師になれ、堪える
英語が通じて驚いた。
ことが第一の目標のように言われる
・将来海外に出たい気持ちが具体的になった。
ことも多くあります。実際私も解剖
・日本とハワイの間の歴史を学ぶ機会になった。
を行うまでそのようなイメージでし
・なんと言ってもハワイの美しい自然に感動した。
た。確かに初めて御遺体を前にして
・ハワイのレジデントやドクターに出会って自分の将来の
メスを入れる時になにも感じない人はいないでしょう。で
すが、解剖を進め思ったことは「こんなにも教科書と実際
より広い可能性を考えるようになった。
は違うのか!」という衝撃でした。医師になったとしても
■チュートリアル教育
この『解剖』の時間以外でじっくりと筋肉、神経、血管、
「楽しく学ぼう,興味の赴くままに」
臓器を見れることはありません。常に先生方も実際の手術
でのお話もされ、一つ一つの構造がとても意味深く、各臓
平成 17 年度入学 徳岡 秀紀
神戸大学では、四年次の臨床医
器の確かな位置を知ることがどれほど大切かを感じまし
学科目において「チュートリアル」
た。 また我々がこのように実際に体の中を見れるのは御
という授業形式をとっています。
遺体を提供下さった御本人や御家族の協力によるもので、
これはある症例に対して、少人数
全ての実習が終わり納棺し、遺品を一緒に入れさせていた
の学生グループで調べ学習を行い、
だき、お花をお供えした瞬間は感謝の気持ちでいっぱいで
互いに発表や討論をしながら、問
した。
題を解決していくという授業形式
です。討論というと堅苦しそうにも思えますが、学生同士
■初期体験臨床実習
で意見を出し合うものなので、実際は和気あいあいとした
「病院での初期臨床体験実習」
ものです。時には意見が対立して進まなくなることもあり
平成 16 年度卒 村田 眞理子
ますが、そんな時はチューターの先生が鋭いツッコミを入
初期体験実習は一回性の夏休みに行われ、私は臨床免疫
れて、問題解決の手助けをしてくれます。「チームみんな
学講座に配属されました。各講座五名ほど配属され、それ
で考える」、という作業が好きな人にはチュートリアル授
ぞれの予定に従って実習が行われました。臨床免疫学講座
業は最適です。発表や討論の回数も多いので、プレゼンテ
では主に大学病院の見学、入院されている患者さん達の病
ーション能力やコミュニケーション能力も自然と向上し
態の説明等がありました。また神戸市立中央市民病院で救
ますよ。さらに、症例の勉強については「調べ学習」の形
急部、内科の見学もさせてもらいました。一回生で白衣を
式をとっているので、やる気さえあれば自分の興味ある分
着るのも初めてで、何の知識も無い私達にとって、将来働
野をトコトン勉強する、ということも可能です。私自身は
くであろう病院の雰囲気やそこで働く医療スタッフとの
この授業を通して、自分の将来進みたい診療科を見つける
交流は、とても貴重な体験でした。
ことができました。興味の赴くままに勉強し、新しい知を
得ることの楽しさをぜひ皆さんにも経験していただきた
■卒業生からのメッセージ
いですね。
平成 14 年度卒 田中雄悟
私が医学部に行こうと思ったのは 14 年前の震災の時で
■解剖学実習
す。医療ボランティアの人と何日かを供にしその人達にあ
医学科平成 19 年度入学 阪上 海央
こがれ、それまでの進路を変更してこの道を進むことにし
皆さんは『解剖』にどのようなイメージをお持ちでし
ました。その当時は急な進路変更について悩みに悩みまし
ょうか?『医学部の儀式』というようなイメージではない
たが悩んだ分だけ今は後悔もしていませんし仕事も充実
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ようこそ神戸大学医学部医学科へ
しています。みなさんも大学の進路は将来をみつめて考え
悩んで下さい。その上で医療方面にすすまれるなら一緒に
頑張っていきたいですね。
■卒業生からのメッセージ
平成 14 年度卒 牧口貴哉
私はちょうど 7 年前に医学部の門をくぐり、現在研修医
として修行中の身です。医学部は他の学部と違い卒業生の
ほぼ皆が医道にかかわります。それだけに受験の時に良く
考えて欲しいのです。本当に自分は医学に興味があるのか
を(女の子にもてそうだからとか偏差値で決めると後悔す
ると思います)。現在、医者を取り囲む環境は楽なもので
はないだけに。しかし、もしあなたに興味があるのなら神
戸大学は情熱と愛情を持って君たちのやる気に答えてく
れる所です。僕は今医学に興味を持って後悔は全くありま
せん。色々な忙しさに追われる生活の中で興味を惹かれる
楽しさはたくさんあります。そして、患者さんの笑顔は最
高の給料になります。是非一緒に神戸大学医学部を発展さ
せていきましょう。
■卒業生からのメッセージ
平成 17 年度卒 澤井寛明
「信は力なり」―この言葉は夢を信じ努力を続けていれば、
いつか夢がかなうという意味です。私はラグビ-部に所属
しており、いつもこの言葉を胸にラグビ-をしています。
しかし、ラグビ-においてだけでなく、人生においても、
この言葉は非常に大切であると医学部での 6 年間で痛感
しました。近年、卒業研修の必須化や共用試験の導入など
医学教育は厳しくなってきています。その中で勉強してい
くためには「自分は医師になる」という強い信念が必要だ
と思います。また、そのような強い信念を持つ学生を神戸
大学医学部はチュ-トリアル教育や充実した英語教育な
どによってしっかりとサポ-トしてくれます。
いつか一緒に志し高く医療ができる日を楽しみにして
います。
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