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通信サービス・プロバイダー向け インフォメーション・アジェンダ・ガイド

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通信サービス・プロバイダー向け インフォメーション・アジェンダ・ガイド
2008年8月
通信サービス・プロバイダー向け
インフォメーション・アジェンダ・ガイド
インフォメーション・オンデマンドへの行程を加速
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
Page 2
目次
テクノロジー、グローバル化、経済の自由化が通信業界の変化を他の業界よりも
急速なものにしています。業界内で縦方向の力を持った会社が単一製品
(先の
収入が予測できる固定電話サービスなど)
を提供して、その製品の製造、提供の
2
4
未活用情報のバリュー
インフォメーション・オンデマンド
(IOD)
4
インフォメーション・アジェンダ
計画の構築
5
通信サービス・プロバイダー向け
インフォメーション・アジェンダ・ガイド
6
7
情報戦略: ビジネス判断を推進
するための必須要件
情報ガバナンス: 情報品質、
可用性、完全性の強化
すべての側面を制御できる時代は終わりました。通信システムの提供では3社、
または4社に集中する競争ビジネス・モデルが標準となり、消費者は自分のすべて
の通信ニーズ(有線、無線、ビデオ、インターネット・サービス)が1社から提供される
ことを強く望むようになってきました。全世界252社の通信サービス・プロバイ
ダー・エグゼクティブに対する最近のIBMの調査によると、集中ビジネス・モデルへ
の変革がこれから先、この業界でビジネス・バリューをもたらす主要な要因だと、
エグゼクティブの69%が信じています。1
この新しいビジネス・モデル変革に対応するため、CIOは、事業部門の管理者
と協力して、IT戦略と増大する管理下にある情報の目的を再評価しなければな
りません。新サービスの市場への投入やROIの期間は、プロバイダー間の競争が
7
情報インフラストラクチャー: 信頼
できる情報の作成、管理、提供
広大な地域や厳しい市場で行なわれるため、大幅に短縮されています。プロバ
8
ロードマップ: 手順を追った実行
計画にすべてを明示
あるいは洗練されたサービスを提供するため技術的、財政的、法令の見地からリ
14
インフォメーション・アジェンダ・
ガイド手法の力
15
変革パートナーとしてのIBM
イダーのパートナーやサード・パーティーとの契約に際して、
競争の優位を獲得する、
スク緩和の重要性が増しています。
もっとも重要なことは、顧客経験価値の重要性とプロファイル、背景、広がりを
みせる広範な
「機器(固定電話、
」
携帯電話、セットトップ・ボックス、PDA、スマート・
に基づいた通信と情報サービスのカスタマイズに対する顧客ニーズ
フォン、iPod)
を認識することです。
未活用情報のバリュー
通信サービス・プロバイダーのCIOは重点を、
新たな集中ビジネス・モデルは情報の有効利用を要求します。すでにプロバイ
業務プロセスの自動化から信頼できる情報
ダーの管理下にある情報と同様に、大勢の顧客、トランザクション、メディア情報
の作成、活用に移行しています。
など、優れた顧客経験価値のために重要なものとなりました。それぞれの通話、
SMSメッセージ、ペイ・パー・ビューまたはオンデマンド映画が、顧客、マーケット・セ
グメント、新たなトレンド、提供チャネルなどに関してプロバイダーが所見を得るこ
とにつながるデータを創り出します。こうしたデータの潜在的価値の検討には、新
たなレベルの情報管理が必要です。
ここ10年から15年の間、CIOは、業務アプリケーションで業務プロセスを自動
化し、サイクル時間を減らし、コストを削減することを重視していました。ERP、
CRM、SCMなどの企業内アプリケーションに大きな投資が行われて、こうした自
動化要件に対応しました。しかしながら、他の通信サービス・プロバイダーも同様
の投資を行っており、これらのアプリケーション戦略の競合優位は中和されてし
まいました。ほとんどのプロバイダーで、これらのシステムで管理された情報は独
立しているだけでなく、同期が取られず、品質にも疑問のあるもので、プロバイ
ダーがこの情報から最大のバリューを引き出すことはほとんどありませんでした。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
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現在では、CIOには、業務プロセスの単純なサポートまたは自動化ではなく、捕
ハイライト
捉した情報を活用して、継続的な競争の優位性を提供できるチャンスがあります。
しかしながら、その情報にアクセスし、検証することは簡単ではありません。例え
ば、データは複数の部門サイロに閉じ込められているため、重複、その他のエラー
の危険性があります。さらに通信サービス・プロバイダーの別事業部では、別の用
語、フォーマットを利用して、同じ情報を記述しているかもしれません。
これらのハードルを乗り越えるためにはかなりの努力が必要です。正確かつ
完全で、最新の情報を保証できるプロセスとガバナンスがあり、データを信頼でき
る情報に変換するための要素が揃うと、社内のすべての情報が一貫性を保った
適切な情報を適切な人々に適切な時期に
まま引き出すことができ、表1に示したように、信頼できる情報はまったく新しい
提供することで、業務全体に大きな利益が
レベルの情報主導のサービス、そして継続的な競合優位を推進するのに利用で
生まれます。
きます。
宣伝
コンテキスト・マーケティング
狙いを絞った広告を無料サービスに追加する
対応型のネットワーク
サービス可用性管理
管理
ネットワークの問題を予知して解決し該当のクライアント
に通知する
親密管理
相対的な利益性
高付加価値の顧客の問題を積極的に改善し、休眠顧客を
洗い出し削減する
付加サービスでの顧客
顧客セグメンテーションの現金化
平均収入(ARPU)の増加
サービス利用に応じて顧客をセグメント化し報奨を提
供する
プリペイド・モバイル・
狙いを絞ったサービス
サービス
利用パターンに応じたマイクロセグメントでマーケティング・
キャンペーンを明らかにする
表1. 信頼できる情報の提供と強化する力は、顧客サービスのレベル強化と競争優位につながります。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
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ハイライト
インフォメーション・アジェンダによって、企業は
信頼できる情報への道筋を進めます。
インフォメーション・オンデマンド
(IOD)
インフォメーション・オンデマンド
(IOD)
とは、情報から競争優位のための業務バ
リューを引き出す包括的なビジョンです。これによって企業は信頼できる情報を
構築し、戦略的に活用できます。IODによって、プロバイダーは管理している情報
の活用を拡大できるので、
より正確な顧客プロファイリング、
顧客経験価値の向上、
製品開発期間の短縮、個々のプロファイル、状況、デバイスに応じて狙いを絞った
サービス・オファリングの促進が可能となります。通信サービス・プロバイダーは
IODによる業務パフォーマンスの最適化、運用経費の削減、効率的な買収合併を
行い、リスクを減らして売上管理を改善できます。
インフォメーション・アジェンダ計画の構築
「IODへの道を進みたいが、どこから始めたらいいかわからない」
という企業に
は、インフォメーション・アジェンダが必要です。インフォメーション・アジェンダ(図1)は
CIOが事業部門のエグゼクティブと協力して、短期的、長期的な戦略の変更を実現
するために作成,実装する包括的な全社的手法です。
効果的なインフォメーション・アジェンダ計画によって、企業はいくつか重要な目的
を達成できます:
●
企業にとって必須のデータ、コンテンツを明確にします。
●
いつ、どこでどのように情報を利用できるようにすべきかを明確にします。
●
データ管理プロセスとガバナンス実務を決定します。
●
もっとも見返りの大きな情報プロジェクトを明確にし、優先順位を付けます。
●
情報利用と事業戦略の方向性を合わせます。
●
直近および将来のニーズの双方を満たす情報インフラストラクチャーを構築
し、展開します。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
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ハイライト
図1. 効果的なインフォメーション・アジェンダは、戦略ビジョンと段階的な計画を提示します。通信サービス・プロバイ
ダーは情報の活用を自社の事業戦略の方向性に合わせることが可能
通信サービス・プロバイダー向けインフォメー
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
IBMはインフォメーション・アジェンダの作成プロセスを加速し、リスクを最小化す
ション・アジェンダ・ガイドで、CIOは自社の
るために業界ごとのガイドを開発しました。通信プロバイダー向けIBMインフォ
インフォメーション・アジェンダに対する実績
メーション・アジェンダ・ガイドはIODビジョンと戦略を現実に変える実用的で実績
あるフレームワークを入手できます。
のある手法です。CIOは事業部門のエグゼクティブと協力して、自社向けに高レ
ベルの情報管理ビジョンを構築して、それを実現するための詳細なロードマップ
を作成できます。ゴールは情報がもつビジネス・バリューを解放することで、競争
の優位性を確保し、各部門のデータ・システムが信頼できる正確な情報を提供し
て、ビジネス・パフォーマンスを最適化することです。このガイドは、企業全体の主
要な関係者が関与して、4つの主要インフォメーション・アジェンダ・コンポーネントの
探求と対応、これらのコンポーネントが協調できるようアクションを提案します。
●
情報戦略:判断を導き、ビジネス目標を最大限にサポートするための企業の
決定を支援するビジョンです。
●
情報インフラストラクチャー: 共通情報フレームワークの確立に必要なテクノ
ロジー・コンポーネントと機能です。
●
情報ガバナンス:事業部門での情報の管理、利用、改善、保護を促進する
ポリシーと実務です。
●
ロードマップ: 組織を変えるための段階的実行計画です。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
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ハイライト
情報戦略は情報構想により、全てあるいは
その一部が達成できる優先度の高い事業の
必須要件を定義します。
情報戦略: ビジネス判断を推進するための必須要件
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイドは、もっとも高
いレベルで、主要な情報中心戦略の必須要件
(事実上すべての業務上の判断の
推進に必要なもの)
を明確化するために業界のベスト・プラクティスを組み込んで
います。図2の外側のリングに示したように、顧客重視、売上管理、運用と組織の効
率、事業部門の集中と統合、リスクとコンプライアンスは、多くの通信サービス・プロ
バイダーが現在のマーケット・ダイナミクスの下で直面している主要な戦略的必須
要件です。
図2. 通信サービス・プロバイダーの事業最適化マップ: IODビジョンと戦略を実現するための実用的な、実績ある手法
次のリングは、戦略的な必須要件をサポートする事業最適化の対象を詳しく述べ
インフォメーション・アジェンダは企業の目的と
ています。事業の必須要件と最適化の対象は、企業のインフォメーション・アジェン
ITの目的の確実な整合性に貢献します。
ダのビジョンと戦略の設定に使われる基盤コンポーネントです。この手法によって、
ITの目的と全社的な目的の整合性が保たれ、事業部門とIT部門にすべてのプロ
ジェクトと計画において共通言語によるコミュニケーションを提供します。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
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ハイライト
情報ガバナンスは、これまで欠けていたかも
しれない一貫性、全社標準を提供します。
情報ガバナンス: 情報品質、可用性、完全性の強化
インフォメーション・アジェンダ・ガイドの重要コンポーネントとして、情報ガバナンスは
データ品質、管理プロセス、説明責任の標準化の確立を支援します。これらは、全
社的なデータと情報の管理に規律正しい手法を確立する標準の定義とプロセス
によって、ビジネス・パフォーマンスを改善します。
このガイドは、通信業界での、情報ガバナンス・ポリシー策定に関するIBMの包
括的な経験に基づいたベスト・プラクティスを提供します。さらに既存ポリシー、手
続きを活用して、一貫性が高く、自信を持って情報を管理できる環境を作成して、
それによってこれらの資産から最大限のバリューを引き出して、戦略的必須要件
をサポートします。
情報インフラストラクチャー: 信頼できる情報の作成、管理、提供
情報インフラストラクチャーは既存IT資産を
現在と将来の活動と事業目的の多くは、通信サービス・プロバイダーが効率的に
活用し、新たなソリューションを統一し、調和の
顧客、サービス、製品、マーケット戦略に関連した情報をより効果的に作成、捕捉、
とれた情報基盤に統合します。
管理、
利用を可能にする共通情報インフラストラクチャーに依存することになります。
効率的な情報インフラストラクチャーは以下の点でプロバイダーを支援します:
●
情報をライフタイムに渡って効率的に管理
アクセス制御、保持の拡大、コンプライアンスの強化にともなうコスト削減を目
的とします。
●
データとコンテンツ両方の情報を全社でビジネス・プロセスの一部として利用
これによって、さらに良いシステム・パフォーマンスのチューニングを可能にし、
事業運営の中でタイムリーに信頼できる情報を提供して意志決定を改善します。
●
継続的に正確で信頼できる情報の見える化を確立
柔軟なアーキテクチャーは既存のIT投資をてこ入れして、情報源によらず一
貫性のある正確で信頼できる情報を生み出して、分析とビジネス上の健全な
決定を促進します。
●
ビジネス・パフォーマンスの計画、理解、最適化
効果的な情報インフラストラクチャーは、信頼性の高い情報を活用して、計画
の策定、ビジネスをどのように展開するかの理解、全社的なビジネス・パフォー
マンスの最適化への集中などの機能を提供します。
IODへの道程がインフォメーション・アジェンダ・ガイドの枠組みの中で進化していく
につれて、既存資産が活用され、IT購入判断がこうした重要な情報機能の提供を
念頭に行われるようになります。この過程では、既存のIT資産を他のプロジェクト
で利用できる共通コンポーネントに変換するチャンスも模索されます。新しいテク
ノロジーやソフトウェア投資が短期、長期両方の目的に確実に対応できるよう、ガ
イド・ラインの開発も含まれます。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
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ハイライト
顧客経験価値の向上に含まれる情報活動に
は、新規顧客の誘引、既存顧客の維持、既存
顧客の支出における自社のシェア拡大などが
あります。
ロードマップ: 手順を追った実行計画にすべてを明示
インフォメーション・アジェンダ計画の一部をなすロードマップは情報の管理と統合
のための努力の方向性と規模を示します。企業にとって重要な情報化によるビジ
ネスの最適化目的を達成するために必要なITプロジェクトの優先度、順序、期間
を明確にします。ロードマップ作成の第一段階は、ビジネスの必須要件を達成す
(通常はソフトウェアとサービスの組み合わせ)
るための基礎をなすITプロジェクト
の明確化、順位付けです。
顧客経験価値を向上するITプロジェクト
製品からサービス重視へと業界全体がシフトした結果として、顧客経験価値の向
上が、ほとんどの通信企業の戦略的な必須要件リストで最上位にあります。プロ
バイダーはマーケット・ニーズをすばやく明確化する新たな、よりよい方法、さらに
は顧客をつなぎとめ、新規の顧客を獲得できる新サービスを提供する新たな方
法を求めています。企業の顧客関連情報をうまく管理することがそれぞれのビジ
ネス要件の達成に重要となり、CEOやその他のエグゼクティブはCIOからの答を
望んでいます。
IOD提供に役立つプロジェクトの優先順位、
現在の情報管理状態から、企業のインフォメーション・アジェンダが明確化した
順序、期間がインフォメーション・アジェンダ・
理想的な状態への発展は、簡単な仕事ではありません。通信サービス・プロバイ
ロードマップに明確に示されています。
ダーがすぐれた顧客経験価値を提供できない阻害要因には、顧客データが企業
内の無数の、孤立した、一貫性のないソースに分散し、顧客情報の協調と同期が
困難、完全かつ正確で最新の顧客情報に対する信頼できる単一のソースが確立
できない、などがあります。
こうした問題の多くは、製品、計画、サービスの情報提供時にも生じています。
この結果、さまざまな顧客とのチャネルで経験価値の不整合が起きています。イン
フォメーション・アジェンダ・ガイドはソースによらず、顧客データの品質と一貫性を改
善し、さまざまなデータ・ソースを統合して顧客と接するすべてのチャネルで一貫
した
「顧客の単一ビュー」
または
「製品の単一ビュー」
を作り出し、顧客トランザク
ションのリアルタイム・モニタリングと分析を可能にし、顧客トレンドに対する考察を
入手することで、通信サービス・プロバイダーがこれらの問題に対処するのを支
援します。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
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ハイライト
図3. 顧客経験価値を強化するITプロジェクトの規定ロードマップ例
図3に示したように、通信サービス・プロバイダー向けのインフォメーション・アジェン
ダ・ガイドは、顧客経験価値向上に必要な情報インフラストラクチャーを確立する、
事業の優先順位と目的が、インフォメーション・
きわめて重要なITプロジェクトを明確化します。そしてインフラストラクチャーを活
アジェンダ・ロードマップに含まれるITプロ
用して、事業目標が定義した測定可能な成果を生み出します。
ジェクトの選択につながります。
既存情報アーキテクチャーと事業にとって最も重要な目標により、最終的なイン
フォメーション・アジェンダ・ロードマップにこれらのいくつか、またはすべてのプロ
ジェクトが包含されます。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
Page 10
売上管理のITプロジェクト
ハイライト
売上管理は、規制下の環境でプロバイダーが単にコスト削減と新規顧客獲得に
専念していればよかった時代からかなりの時を経ています。多くの通信サービス・
売上管理のITプロジェクトは、顧客の行動
分析、トレンドの判断、市場投入のスピード、
コスト削減を支援します。
プロバイダーでは、コストはすでに大幅に減少していますが、潜在的新規顧客は
洗練され、テクノロジー、サービス、情報源の利用に対して、厳しい要求をするよう
になっています。現在のマーケットで顧客を引きつけ、維持するためには以前に
比べてかなりの努力が必要です。
図4. 売上管理のITプロジェクト
売上管理(図4)に関する複雑さがすべてのプロバイダーを悩ませています。通信
サービス・プロバイダーの売上管理の最適化の機会を阻む要素として、十分に信
頼できる情報がない、狙いを絞ったサービスで対応できるはずの顧客のニーズ
やセグメントを正しく定義できない、新サービスの機会を明確にしても迅速な投
入が困難など、新しい製品やサービスの開発、計画、発売の難しさや遅れがあり
ます。インフォメーション・アジェンダ・ガイドは、より効果的な顧客のセグメント化、
新規顧客開拓の改善、新製品や新サービスの機会の明確化などのビジネス・イン
テリジェンス機能を提供することで、通信サービス・プロバイダーの売上管理の改
善に寄与します。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
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運用、組織効率のITプロジェクト
ハイライト
テクノロジーで運用効率を向上するというアイデアは新しいものではありません。
目新しいのは、その達成に情報の役割が欠かせないという認識です。企業のイン
企業のインフォメーション・アジェンダ計画は、
既存データからより大きなバリューを引き出す
フォメーション・アジェンダは、情報の生成、収集、管理、伝達の管理に役立ち、情報
の活用と価値の最適化につながります。
ことで、より大きな運用上、組織上の効率化の
達成を支援します。
図5. 売上管理のITプロジェクト
事業部門の集中と統合はデータ・サイロの
残念なことに、拡張され洗練されたデータ、情報アプリケーションがすでに存在し
解消、分散したシステムの統合、合併やグロー
ていると、これがインフォメーション・アジェンダの障害となります。通信サービス・
バル化した組織のボトルネックの削減により
プロバイダーの運用効率達成を妨げる要因のいくつかは、顧客や取引のデータ・
促進されます。
ソースからすべてのバリューと考察を引き出せない、固定資産の利用が非効率、
ITシステムとアプリケーション間でデータとプロセスが統合されていないなどです。
インフォメーション・アジェンダ・ガイドによって、利益の改善の可能性がある問題や
トレンドの明確化を目標に、膨大な取引データ・リソースからバリューを全て取り
出す、ビジネス・インテリジェンスが活用できます(図5)。課金、請求処理、契約、
従業員と資産のライフサイクル管理などに関するプロセス統合、情報管理を改善
することで
「バック・オフィス」
全体の運用効率も向上します。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
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事業部門の集中と統合のITプロジェクト
ハイライト
CIOはグローバル化、新テクノロジー、経済の自由化にとくに影響を受けます。こ
れらはどれも情報インフラストラクチャーに直接影響を与えます。合併買収によっ
て、追加の、時として互換性を持たない、レガシー・システムを吸収する必要が生じ
ます。新たなパートナーやサード・パーティーとの関係によって、情報資産から最大
限のバリューを入手するために、システム、ソフトウェア、データの形式やリポジト
リーを変更することなくアクセスや統合をしなければならないという新たな問題
が顕在化します。
図6. 事業の集中、統合のITプロジェクト
互換性のないシステムやソースから大量のデータや情報を収容するには困難をと
もないます。通信サービス・プロバイダーの効率的な集中と統合の管理を妨げる
複数のドメインや異種のデータ・ソースにまた
要因には、包括的なデータ品質の確立と異種のデータ・ソースの統合の困難さ、
がるデータの統合はレガシー・システムの効率
製品、顧客、財務、サプライヤー、場所など複数データ・ドメインの統合の試み、複数
的な統合の障害です。
のリポジトリーに格納された非構造化コンテンツを管理する全社的なコンテンツ
戦略策定の困難さなどがあります。
インフォメーション・アジェンダ・ガイドは、集中と統合の過程にある通信サービス・
プロバイダーが、エンタープライズ・マスター・データ管理、データ・ウェアハウスとエン
タープライズ・コンテンツおよび多様なデータ・ソースに一貫性と品質をもたらし、
ITインフラストラクチャーの複雑さを削減するプロセス管理プラットフォーム機能
により、これらの課題に挑戦することを支援します(図6)。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
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リスクとコンプライアンスのITプロジェクト
ハイライト
新たなサービス、新たな買収、新たなパートナーには、評価しなければならない
新たなリスクと、法律や業界の要求に応える新たなコンプライアンス要件がともな
すべての顧客、製品、サービスに関するより
正確、
包括的、
利用可能な情報は、
企業のリスク
削減やコンプライアンス活動をより効果的な
ものにします。
います。リスクとコンプライアンスは、広範な技術的、財政的、法律的な意味と要求
を持ち、情報の管理を重視します。あらゆるリスク、コンプライアンス活動の成功の
影には情報があり、それはビジネスの現在と将来の正しい全体像を描ける、信頼
性の高い、正確な情報です。
図7. リスクとコンプライアンスのITプロジェクト
しかしながら、データ量、情報の多様性、孤立したシステムの数がリスク管理を特
に難しいものにします。通信サービス・プロバイダーのリスクとコンプライアンスの
効果的な問題管理をはばむ要因には、すべてのデータに対する包括的なエン
タープライズ・コンプライアンス戦略確立の難しさ、事業運営に依然として重要な
事業部の独立した、部門別のレガシーなデータと情報システム、また、それぞれ異
なる部門がこれらのデータ・ソースまたはシステムの責任を負っているなどがあ
ります。インフォメーション・アジェンダ・ガイドは通信サービス・プロバイダーが体系
的にデータの増加、データ・プライバシー、保持、ディスカバリー、テスト・データの管
理、アプリケーションの廃棄、記録保持と管理、電子メール管理、アーカイブなどリ
スクとコンプライアンスの問題に対応するための戦略と機能を提供します(図7)。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
Page 14
ハイライト
インフォメーション・アジェンダはCIOが通信
サービス・プロバイダーのビジネスの主要目的
により大きく貢献できるよう支援します。
インフォメーション・アジェンダ・ガイド手法の力
インフォメーション・アジェンダが実行に移されると、CIOは単純な事業のサポート
から、事業の最終利益への計測可能で継続的な貢献へと、実質的な移行に必要
な多数のツールを持つことになります。通信サービス・プロバイダー向けIBMイン
フォメーション・アジェンダ・ガイドはビジネスの目標と集中ビジネス・モデルの目的
の達成を支援し、
よりよいビジネス成果をあげるための統合ビジョンを提供します。
これらの成果は顧客維持の改善から新たなサービス機会の明確化までの幅が
あります。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイドは、個別IT
プロジェクトのベスト・プラクティス・テンプレートを活用することで、企業のインフォ
メーション・アジェンダ・ロードマップの作成を加速します。これらは業界固有の事
業最適化目的や活動に対応するよう事前に構成されたもので、企業はITプロジェ
クトを自社のインフォメーション・アジェンダの枠内ですばやい組織化と優先順位付
けができます。
多くの企業は望ましいプロジェクトすべてに同時に取り組むことが難しいので、
このインフォメーション・アジェンダ・ガイドは、企業の事業ニーズに従ったITプロ
ジェクトの優先順位付けも支援します。ITプロジェクトに明確に定義した順番を
付けたロードマップの作成が適切なリソースを割当てます。例えば、複数の戦略
必須要件をサポートするデータ品質や電子課金などのITプロジェクトがあります。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイドの一部、優先
順位付けのプロセスとテンプレートはこうした共通プロジェクトを取り出して、リ
ソース割当を支援します。一旦、通信サービス・プロバイダーがインフォメーション・
アジェンダを実施すると、競争優位をもたらすIODへの明確な道筋が確立されます。
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド
Page 15
ハイライト
IBMには通信サービス・プロバイダー向けに
カスタマイズしたインフォメーション・アジェンダ
開発に対する専門知識、経験、実績ある手法
があります。
変革のパートナーとしてのIBM
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイドは、IBMが主
要なグローバル企業と数年にわたる協業の経験に基づいて開発した、実用性、
促進力、実績のある手法です。これはIBMの全社的プログラムで実証済、規定的
方法論、完成された通信サービス・プロバイダーの資産で構成され、深い業界知
識を持ったIBMの専門家が提供します。
IBMのIODソリューションは、インフォメーション・アジェンダを実行するためのエン
ドツーエンドの情報インフラストラクチャー機能を提供します。IODオファリングは、
事実上企業の信頼できる情報に対するニーズの全てに対応するよう設計されて
います。オープン・スタンダードに基づき、ここ3年間の100億ドル以上の投資を反
映して、IODオファリングは業界で最も包括的なものになっています。
すでに自社のインフォメーション・アジェンダ活動の準備を整えているCIOとシニ
アITマネージャーは、IBMが主催するインフォメーション・アジェンダ・ワークショップ
を検討してください。このワークショップはIBMの専門知識を活用して、CIO、シニア
ITマネージャー、事業部門の関係者に対し、インフォメーション・アジェンダの構築プ
ロセスと実行可能な一連のプロジェクトをガイドするものです。このワークショップ
はすみやかな実行とROIの早期の達成をもたらします。
詳細情報
© Copyright IBM Corporation 2008
日本アイ・ビー・エム株式会社
通信サービス・プロバイダー向けインフォメーション・アジェンダ・ガイド、IBMIOD
〒106-8711
ソリューションの詳細情報については、日本IBMの営業担当員またはビジネス・
東京都港区六本木 3-2-12
パートナーにお問い合わせいただくか、以下のWebサイトをご覧ください:
Produced in Japan
August 2008
All Rights Reserved
ibm.com/services/jp/cio/leverage/
ibm.com/informationondemand
IBMおよびIBM ロゴは、International Business
Machines Corporation の米国およびその他の国に
おける商標。その他の IBM の商標については、
ibm.com/legal/copytrade.shtmlをご覧ください。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ
各社の商標。
本資料に記載の製品、およびサービスが必ずしもそ
の他の国においても提供されるとは限りません。
1
『Telecom switches emphasis: preliminary
analysis of the 2007 Telecom Industry Survey』
executive summary、IBM Institute for Business
Value、October 2007
CIW03044-JPJA-01
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