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画像処理を用いた葉画像の特徴分類による草花認識の検討

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画像処理を用いた葉画像の特徴分類による草花認識の検討
2013 年度卒業研究概要
画像処理を用いた葉画像の特徴分類による草花認識の検討
奥平
0732110
1.研究背景・目的
身辺に咲く植物の名称を知りたい,もしくはど
のようなものか疑問に思う事は多い.しかし多く
の人は植物に対して詳しくなく,その種の特定を
行うことは困難である.植物は動
研究室
杉山 雄一
時・場所に関係なく,植物の葉を撮影して認識
が出来るようにするためにスマートフォンにて処
理を行う.
本研究では草花情報のデータベースへの新規登
録は,
かないため被写体として撮影が容易であることか
A) 対象の草花の葉画像の撮影
ら,花の形状特徴を用いて情報を得て認識する研
B) 得られた葉画像から特徴量の算出
究は多く報告されている[1-3].
C) 対象となった草花に関する情報の記入
一方で花の開花時期は限られているため,吳は
葉の形状特徴に着目した草花認識方式を検討して
いる[4].
D) それらの情報をデータベースへ保存
により行う.
対象の画像の撮影は,白色の何もない背景上に
しかし,吳のシステムでは事前にデータベース
草花の葉を置き,画像には白色の背景の中に草花
に登録された草花の認識しかできず,ユーザが新
の葉の全体像が取得できるように配置する.デ ー
規に草花を登録することはできない.そこで本研
タ ベ ー ス へ の 登 録 に は Surf 特 徴 量 と し て
究ではユーザが草花をデータベースに登録できる
算出された値および草花の名称,草花の情報を保
ようにし,かつ認識できるようにすることを目指
存し,新たな認識対象として認識できるようにす
す.また,本研究では iPhone を用いた吳の研究を
る.
基礎とし,Android 端末上で利用できるようにす
る.
4.システム概要
本 研 究 で は Andr oid 端 末 を用いて処 理 を
2.既存研究
吳のシステムではオープンライブラリの
行う.
4.1 システム機能
OpenCV[5]を導入し,画像の特徴量を算出できる
図 1 に示すように,本システムは,葉の形状特
Surf Detection[6]を用い算出された Surf 特徴量
徴量を用いた草花の認識および新規登録機能から
と予 め デ ー タ ベ ー ス に 登 録 さ れ た 草 花 の
なり,ホーム画面に認識ボタンと新規登録ボタン
葉 形 状 の 特 徴 量 を 線形検索[7]を 用 い て 比
がある.新規登録ボタンを押すと画面が撮影モー
較し,該当するものの認識を行う.
ドに切り替わりデータベースへ新規に登録する対
象の草花の葉を撮影する.草花の葉を撮影すると
3.研究内容
図2に示すように,草花の情報入力画面になる.
この状態で草花の情報を入力後に確認ボタンを押
また,既存研究での課題であった認識対象を増
すと,属性情報を保存するとともに当該草花の葉
加するという点に,新規登録機能によって新しく
画像の Surf 特徴量がデータベースに保存される.
登録された草花の認識では,予めデータベースに
草花の情報を入力した場合と同様の撮影条件で対
象の葉画像を取得する事からも認識精度に大きな
差異は現れないと考える.
しかし,既存研究の実験では事前にデータベー
スへ登録する草花を種あたりに 3 枚の葉画像から
Surf 特徴量を算出し平均値を用いていたのに対
し,1 種に 1 枚のみの葉画像の Surf 特徴量の本シ
図 1.ホーム画面(左)および新規登録画面(右)
ステムでは,葉の形状の状態による認識精度への
影響があらわれると考えられる.
6.今後の課題
本研究でシステムに追加された草花の新規登録
機能の有効性とその認識機能の検証を行う事が第
一に挙げられる。さらに,ユーザが新規に草花の
情報を追加できる事から認識対象数が増加し,デ
図 2.草花の情報入力画面
ータベースを共有できるようにすれば草花の情報
ホーム画面から認識ボタンを選択すると図 3 の
を容易に得られるが,情報共有に際して情報の扱
示すように,画面が撮影モードに切り替わり認識
い方を検討する必要がある.前述した特徴量の算
したい草花の葉を白い背景に移して撮影する.
出方法から一つの種に対して複数の葉画像からの
特徴量算出方法の改良も必要である.
また,葉画像から Surf 特徴量を算出する際の撮
影条件に変更は無く,多様な撮影環境での画像認
識,Surf Detection は葉身部分の形状の変化が乏
しい対象の識別が難しい点が今後の課題として挙
げられる.
図 3.認識撮影画面(左)と認識後の画面(右)
取得した葉画像から Surf 特徴量を算出し,データ
ベースに保存されている特徴量の値と最も近似の
値を持つデータとマッチングし,その情報を画面
に表示する.
参考文献
[1] 斉藤,金子 :「花と葉による野草の自動認識」 信学論,Vol.
J84-D-II,No.7,pp.1419-1429 2001.
[2] 岩田,齊藤:「葉画像を用いた樹木の認識」 信学技報,
LOIS2012-28,IE2012-60,EMM-2012-51 2012.
[3] 花しらべ :http://www.hanashirabe.com.
[4] 吳正炫:
「葉画像を用いた形状特徴に基づく草花の認識」2012
年度東京都市大学卒業論文 2013.
[5] OpenCV:http://opencv.org.
5.考察
本研究では,草花の認識方法に前述した吳のシ
ステムと同じ方法を取るため,草花の認識にも同
程度精度を有すると考えられる.
[6] H.Bay, A.Ess, T.Tuytelaars and L.Gool: “Supeeded- up
robustfeatures (SURF)”2008.
[7]FlannBasedMacther:http://opencv.jp/opencv-2.2/cpp/feat
ures2d_common_interfaces_of_descriptor_matchers.Html.
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