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血 中 薬 物 濃 度 と 臨 床

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血 中 薬 物 濃 度 と 臨 床
シ ン ポ ジ ウ ム
血 中 薬 物 濃 度 と 臨 床
Therapeutic Drug Monitoring as Clinical Application
第
41
3回 新 潟 医 学 会
日 時
月1
6日(
土 )午後 2時か ら
昭和60年 11
会
新潟大学医学部研究棟第 Ⅱ講義室
場
司 会
屋形 稔 (
検査診断学)
演
仲揮幹雄 (
薬理学 ),河野暗- (
国立西新潟病院薬剤部).佐藤卓二 (
県立 ガ ンセ ンタ-新潟病院検査室 ),
者
堀田利雄 (
県立 ガ ンセ ンター新潟病院整形外科 )
,和知
学 (
精神 科 )
, 中村二郎 (
検査診断学 )
, 桜井
晃洋 (
検査診断学)
発言者
内海治郎 (
県立 ガ ンセ ンター小児科 )
,浅見恵子 (
県立 ガ ンセ ンター小児科 ),加 藤
祐 (水原郷病院 )
,
丹野慶紀 (
薬剤部)
司会 医学の真髄は病態生理学の追求 ,つま り病因論
て TDM の意味をもつための条件 と して血中濃度 と薬
の解明にあると考 えられ るが,これを医療の場において
理作用 との間にある程度 のよい相関があ り,有効血中濃
は診断と治療に有効に応用す ることが目標 とされ る.そ
度 が分 っていて,安全域が小 さい ことなどが条件 と して
のための情報は各種の検査や分析法を利用 してな され る
あげ られ る.
(
moni
t
or
i
ng)が,治 療の大 きな領 域で あ る薬物療法
TDM を必要 とす る薬物 は phenyt
oi
n,c
arbama-
ni
t
or
i
ng:TDM)の必要性 に着 目され るに至 った. こ
2
:
ePi
ne,phenobarbi
t
al
,l
i
t
hi
um など絶対必要な もの
と,
t
heophyl
l
i
n;l
i
docai
n,qui
ni
di
ne,di
goxi
n,ami
-
れは薬物の有効域 ,安全域の狭いはあいにとくに意義が
nogl
ycos
i
dsその他 の多 くの望 ま しい薬物 がある.現
も漸 く薬物の moni
t
ori
ng (
The
rapeut
i
cDr
ug Mo-
在測定可能 とされ る薬物 をあげ ると抗てんかん薬 ,心血
大 と考 えられ る.
簡単に TDM の 目的 を まとめると,従来臨床効果や
管薬 ,抗鳴息薬 ,抗生物質 ,制癌剤 ,麻薬などがあ り,
副作用の観察のみで投与量 ,投与法を変更 していた もの
各種 の物理化学的測定法 ,免疫学的測定法を駆使 して行
を,薬物の血中濃度 と効果は相関す るとい う最近の知見
われている.本 日は ,これ らの うちか ら リファンピシン,
か ら,臨床薬物動態に基ずいて ,必要 に応 じ薬物血中濃
MTX,抗てんかん薬 ,ステ ロイ ドなどについてその測
度 を測定 し,軌道修正を行お うとす るものである.従 っ
定 と臨床について シンポ ジウムを もつ ことに した .
1) Pharmacoki
net
i
cs の 入 門
新潟大学医学部薬理学教室
Pharmacoki
ne
t
i
csは薬物を意味す る pharmacon
仲薄
幹雄 ・今井
昭一
内濃度の時間的な推移の測定 ,さらにはそのデータに基
と動 力学 を意味す る ki
ne
t
i
csか らなる造語で ,薬物動
ず く生体内濃度の予測 ,またその変化の法則性 を追及す
態学あるいは薬物速度論 と邦訳 されてお り,薬物の生体
る学問である.現在では臨沫薬理学 あるいは薬物療法学
4
3
2
新潟医学会雑誌 第 1
00巻 第 8号
昭和61
年 8月
への応用 も盛 んになされてお り,個々の患者の血 中薬物
1-コンパートメント
モデル
濃度変化の phar
macoki
ne
t
i
csによる解析 およびその
コ ンJ{血中頻度
データを応用 した血中薬物濃度予測による薬物治療の科
学的な管理が行なわれている.すなわち,"サ ジ加減の
薬物療法 か らの脱却"である.今回 この pharmac
oki
ne
t
i
csの基礎的な所について概説 したい.
ト
メン ト
C(
m g/ 1)
薬物規 !
i盈 →
D(
■g)
Vd (1)
…
鷲
Pharmac
oki
ne
t
c
sの概念が成立 つ ため に は以 下 に
述べ る幾つかの仮定が存在す る.
C
-
C
Ⅹ
>
排稚
- XC
D
eXp
(-
X t)
薬理学 の分野で最 も重要 な認識 の一 つに薬物受容体
(
r
e
c
ept
or)周囲の濃度 に依 存 して薬物の反応は大 きく
成 るとい う事 が有 る.すなわち組織間隙あるいは細胞内
な事に多 くの薬物に関 して薬物の投与量 とその薬理作用は
良 く相関す ること,さらに薬物の血中濃度 と薬理作用 と
の問にも良い相関が有 る事が報告 されている.従 って近
似的には血中濃度か ら組織 内濃度 ,すなわち r
c
c
e
pt
or
近傍の濃度 を推定 して もさ しつか え無いと思われる.
以上 が第一の前提である,
腎 空 相管 掌 的
E
l
物濃度を測定す ることは殆ど不可能である.ここで幸い
-
度 あるいは r
e
ce
pt
or近傍の濃度を測定する必要 が有 る.
しか し生体特に ヒ トを考 えた場合 ,その様な部位での薬
血
の薬物濃度 に依存 してその反応が強 く出現するのである.
従 って薬物の反応をコン トロールす るためには組織内濃
0
0.
1
0.
2
0.
3
J
f洗練の吋冊.t
l
r
図 1 1
-コンパー トメン トモデルの概略 (
上段)
およびその数学的取扱い (
中段)と実例
-の応用
さらに以下の ような仮定 が必要であ る.す な わ ち ,
pharmac
oki
ne
t
i
c
sに必ず出て くる言葉 に コ ンパ ー ト
分布す るとい う仮定が必要である.すなわち薬物 を生体
メ ン トとい うものが有 る,これは生体を bl
ack box と
内に投与 したとき投与直後に全身に均一に分布 し排他が
考え,その中の測定可能な情報は薬物の濃度変化だけで
始 まるとい う考 え方である.Dmg の薬物を授与 したと
あるとす る考え方である.この box 内の薬物濃度変化
きコ ンパ ー トメ ントは瞬時に均一 な濃度にな り直後か ら
によ り二つのモデルが考 えられい る,一 つ は 線 形 コ ン
速度定数 K で排他 され t時間後に Cmg/ml となる.
パ ー トメ ン トモデルであ りもう一つは非線形 コンパ- ト
図に Vd とあるのは この薬物 の見掛 けの分布容量であ
メ ソ トモデルである.線形 コンパ ー トメ ン トモデルは薬
り投与 した薬物が均一に分布 しているコンパ - トメン ト
物の血中濃度の推移が投与量に比例 して変化す る場合で
の容量 となる.Vd が大 きい とい うのは薬物が全身に広
あ り,非線形モデルはそ うでない場合である.多 くの薬
く分布 しているか或いは特定の組織に高濃度に取込 まれ
物 が線 形 モ デ ルで解 析 出 来 る事 が分 か っているが,
てい る事を示 してお り,薬物の体内分布を知 る上で重要
phe
nyt
oi
n,
アル コールのよ うな薬物 は この モデル に 当
はまらず非線形 となることが分か ってい る.それぞれの
なパ ラメーターである.薬物の種類によ りこの値は異な
モデルに対 した解析方法が有 るが多 くの薬物は線形モデ
コンパ ー トメ ントの濃度すなわち血中濃度の時間変化を
ルによ り解析出来 るので今回は線形 モデルを中心に述べ
速度式で表すと図 1中段のようにな り,この微分方程式
る.
る しまた同一の薬物で も患者によ りその値が変化す る.
を解 くと図中に示すように y軸片対数の直線 となること
線形モデルではコンパー トメントを幾つ考えるかによ
は明 らかである.ここで Vd-D/
Coとなる (
Coは初期
り解析方法が少 し異なるが薬物療法 - の 応用 の為 には
の薬物濃度 )
.実際の例を図 1
下段 に示す.BSP を静脈
one または t
woc
ompar
t
mentmode
lで十分である
に投与 した後の血中濃度の変化を片対数 の グ ラ フに プ
ので両者に付いて述べて行 くこととす る,図 1に one
-
ロッ トす ると直線的に変化 している事 が良 くわかる.直
compart
me
ntmode
lおけ る解析方法を示す.この場
合投与 された薬物は瞬時にコンパ ー トメ ン ト内に均一に
線の勾配か ら排沖の速度定数 K が また初期濃度 Coが
y 切片か ら簡単に求 め られ,さらに Vd が投与濃度 と
4
3
3
血中薬物濃度 と臨床
2-コンパ ー トメ ン トモデル
セ ン トラル コ ンパ ー トメ ン ト
メ
ント
VP
2(
1
)
組織 コンパ ー ト
組織漁度 C
薬物投与 →
D(
l
g)
分布容量
dC/dt - - (K+Kl
l
)C+K!
lCp
d Cp/ d t - K1
2C-K2
lCp
c - Ae-αt+Be-βt
t
t
E\F.
1)VL
守 一
J
q
PJ
T(
rI/
.七小
2
4
6
8
1
0
時 間 (時)
図 2 2-コンパー トメ ン トモデルの概略 (
上段)およびその数学的取扱い (
中段 ) と
実例-の応用.下段図中にそれぞれのパ ラメーターの関係を示す.
新潟医学会雑誌
4
34
Coか ら計算 され薬物の消失の半減期
第1
0
0巻
tl
′
2 も求めること
ompar
t
mentmodelは経 口投与や静
が出来 る.Onec
脈内持続注入の様な薬物の分布相を無視出来 る場合につ
いて応用が可能である.
第 8号
昭和6
1
年 8月
sは,
である.定常状態では t- - であるので血中濃度 Cs
Cs
s-Ri
nf
/Vd・K
(2)
とい う一定濃度に維持 される事が分 る.従 って ,治療のた
図 2に t
woc
ompar
t
me
ntmode
lについて示す.
め目標 とする血中濃度を決定 しておけば Vd と K の値 か
e
nt
r
alcompar
t
ment(
主 コンパ - トメ
生体を 1つを c
i
d∝8ら注入速度を決める事が出来 る.例えばある患者の I
ン ト) もう1つを末梢 コ ンパ - トメン トとい う 2つに分
02l
,K-0,
4
6と分
i
neについてのパラメータ-が Vd-1
e
n_
けて考える解析方法で あ る.投与 した薬物 は まず c
かってお り血中濃度を 2
J
唱/mlとしたいとき注入速度は式
t
r
alc
ompar
t
mentに入 り均一 に分布 したのち末梢 コ
ンパ ー トメ ン トに速度定数 K12 で再分布 す る. さらに
(2)を使用 して簡単な計算で 9
4mg/
hrと求め られ る.
しか し一定の速度で持続注入 した場合定常状態に達す る
薬物は末梢 コンパ ー トメ ン トか ら速度定数 K2
1で c
e
n-
までには tl′2の約 5倍以 上 の時間 を必要 とす るので通
t
ralc
ompar
t
me
ntに戻 りこの コ ンパ ー トメ ン トか ら
速度定数 K で排他 され るとい うモデルで ある.静脈内
常は 1回静注の後持続注入す る場合や持続注入速度 を始
に投与 した薬物の多 くはこのモデルで 解 析 出来 る事 が
の初期に伴 う分布相は副作用の発現す る血中濃度を越え
分 ってい る.そ の数学 的 な取 り扱い を図 2中段 に示す.
る事があるので ,分布相の無 い持続注入速度 を変化 させ
め早 く後遅 くす る方法が使用 される.急速静注の場合そ
at+Be Pfで示 されて
微分方程式 の一般解 が C-Ae
i
doc
ai
neの例で投与3
0
分後
る方が良いと考え られ る.l
いる.薬物の血中濃度変化が片対数 グラフ上で 2つの直
に 2〟g/
mlの血中濃度 と しその後 この濃度 を維持す る
線の和で表 され る事 を この方程式は示 してい る.従 って
ためには式 (1)か ら初め 4
4
8mg/
hrで 3
0分間注 入 し
図 2下段 に示す様な解析方法が出来 る事 となる.図 2下
4mg/
hrに戻せば良い ことになる.
その後 9
段 には ami
nophyl
l
i
neを静注 した時の血 中濃度 の変
次に経口投与の場合を考 えてみよ う.連続経 口投与の
化を片対数 グラフにプロッ トしてある.解析 と してまず
場合定常状態におけ る血中濃度は以下に示す式で表 され
る.
傾 きの小 さい部分に直線を当はめ,次いでその直線を外
挿 した線上で血中濃度を測定 した時間の濃度を読取 りその
値 を測定値か ら差引 きグラフ上にプ ロッ トす る.それ ら
の点を結んだ直線が分布相に相当す る.速度定数は図中
の式か ら計算で求め る事が出来 る.薬物の血中濃度が測
Cmax-F・D/
Vd(1-eK.')
Cmi
n-F・D ・e K.
リVd(
1-e K`r)
(3)
(4)
Cav
e-F・D/Vd・K・T
(5)
定可能 ならば上記の様な解析を行 な って 比 較 的簡単に
ここで Cmaxは最高血中濃度 ,Cmi
nは最低血中濃度 ,
pharmac
oki
ne
t
i
c
sのパ ラメー ターが求め られ る.現
cav
eは平均血中濃度 ,F はその薬物の吸収率 ,Tは没
在いわゆ るマイコンを使用 した解析方法 も報告 されてお
与間隔である.例 えば pr
oc
ai
nami
deの 50mg を連
り薬物療法-の phar
mac
oki
ne
t
i
c
sの応用は容易であ
ち.
続投与 し,平均血 中濃度 を 5F
Lg/m lとしたい時,式 (
5)
を使用 して投与間隔はいかに した らよいかを計算 してみ
次 ぎに実 際応 用 に つ い て 以 下 に 述 べ る.臨床上薬
9
5,Vd-1
2
朗 ,t
l
′
2
-3.
5hr とす る.
る,ただ し F-0.
物 投 与 は 薬 の単 回投 与 で は 無 く連椴 投与 あ るいは静
結果は 丁-4hrとな り,4時間 お きに投 与 す れば良 い
脈 内 - の 持 続 注 入 が行 なわ れ る例 が多い . この場合
ことになる.もし最高血中濃度 と最低血 中濃度の範囲を
取 り扱 い は近 似 的 に onec
ompar
t
me
ntmode
lで
omの解析 で実 用上 は問題 が無いので以下には onec
決め投与薬物の用量 と投与間隔を求 め た い と きには式
par
t
me
ntmodelによる解析結果を示す.
における
macoki
ne
t
i
c
sを
まず静脈内持続注入について phar
応用 した例について述べよ う.持続注入によ り薬物濃度
は徐々に上昇 し定常状態に達す る事が知 られている.こ
の時の血中濃度の変化は ,次の式で与 えられ る.
C-Ri
nf〔
1-e卜Kt
)
〕/vd・K
(
3)と (
4)を使用すれば良い .連続経 口投与の場合患者
tl
′
2 と等
しい投与 間隔で投与す ると,第 5回
目の投与後に血中濃度は定常状態のにおけ る血中濃度 と
はぼ (
9
5%)等 しくなる.
mac
oki
ne
t
i
c
sのパ ラメーターが測
患者 自身の pbar
定 されていない場合 ,発表 されて い る平均 的な phar
-
(1)
nfは 持 続 注 入速度
C は時間 tにおける血中濃度 ,Ri
mac
oki
net
i
c
sのパ ラメーターが利用可能である. しか
し,腎機能や肝機能の変化に よ り pharmac
oki
net
i
c
s
のパ ラメーターは変化するのでその利用には注意が必要
4
3
5
血中薬物濃度 と臨床
京 ,1
9
79.
である.従 って,個々の患者 自身のパ ラメーターを知 っ
4)高 田寛治 : 臨床薬物動態学 ,薬業事報社 ,東 京 ,
1
98
3.
て投与計画をたてるのが最善の方法である.
以上 pbar
mac
oki
ne
t
i
csについてその入門的な所を
述べて きたが最後に "サ ジ加減か らの脱却は"は可能で
5)花野
学,藤 田 浩 ,粟津荘司 ,編 著 :薬 の体 内
動態 ,講談社サイエ ンテ ィフイツク ,1
9
8
4.
あるが,測定 (
検査)データが無ければ薬物投与が出来
な くなるよ うではな らないと考える,すなわちサ ジ加減
6)Gi
l
man,A.
Fリ Goodman,L.
S.
,R礼l
l
,T.
W.
の出来 る医師にのみ phar
macoki
ne
t
i
c
sは有用な手段
andMur
ad,F.
,Edi
t: Goodman and Gi
1
-
と して利用可能であると思われ る.
man'
sThePharmacol
ogi
c
alBas
i
sofThe
r
ape
ut
i
c
s7
t
h Edi
t
i
on,Mac
Mi
l
l
an Publ
i
s
hi
ng.
参
考
文
献
Company,New Yor
k,1
9
85.
1)真下啓明,伊藤陸太,栗山欣弥,宿 : 臨床 薬 理 ・
9
8
0.
薬物療法学 ,理工学社 ,東京 ,1
2) 山川
司会
清,谷川原祐介,共著 : マイ コ ンによ る薬
物速度論入門 ,南江堂 ,東京 ,1
98
3.
3)後藤
最後に時間があ りま した ら,総合討論 もいた し
ますが,一つ一つ ご意見 もお受け したい と思い ます. 2
番 目 「リファンピシンの体内動態 について」国立西新潟
病院薬剤部の河野晴-先生にお願 い したい と思い ます.
茂 : 臨床薬物 速度論序 説 ,医歯薬出版 ,秦
2) Ri
f
ampi
c
i
n の酵素誘導 と時間依存性
国立療養所西新潟病院薬剤科
Ri
f
ampi
c
i
n(
RFP)は きわめて強力な肝臓の酵素誘
河
野
晴
-
2) 投与量および投与方法
導剤である1)2)3㌧ RFP は経 口投与で くりかえ し投与 し
RFP (リファジン㊥ )3カプセル (
全量 4
5
0mg)杏
っづけると , 7日後に消失速度定数が増大 し,血中濃度
0mi
n に服用 させた.なおイソニア ジ ト(
I
NH)
朝食前 3
や生物学的半減期が低下す るといわれてい る4)5I
.初回通
0mi
n に服用 している.
4
0
0mg を朝食後 3
過効果による生物学的利用能の減少は RFP 治 療 に重
要な問題 とな って いる.そ こで著者 は ,酵素誘導 に よ
3) 採血 日および採血時間
4日目 ,21日目,2
8日日および56日目に,
初回治療 日,1
る血中濃度の低下と時間の関係を明 らかにす るために,
服用前 と服用後 1,
2,4,
8h に肘静脈か ら採血 した.採血
RFP 及びその代謝物 2
5-de
s
ace
t
yl
ri
f
ampi
ci
n(
DR)
の血中濃度を高速液体 ク ロマ トグ ラフ ィー (
HPLC)
量は 1回あた り 1
.
Omlで .採血後 2-3
h放置 し,3,
0
0
0
に よ り,5
6日間にわた り.経 目的 に測定 し, RFP の
料は測定 まで 2-5o
Cで保存 した.
pharmac
oki
ne
t
i
c
sの特性 ,肝薬物 代謝 酵素誘導 の影
響 ,初回通過効果について検討 し,興味ある知見を得 ら
れたので報告す る.
rpm で 1
0分間遠心後 ,血清 を採 取 し,試料 と した.読
4) 測 定 方 法
血 清 中 RFP 並 びにその代 謝物で あ る DR 濃度は
HPLC を用いて ,久保 らの方法によ り dupl
i
c
at
eで測
定 した.装置は Wat
e
r
s社の M-4
5Sol
v
e
ntDel
i
v
e
r
y
実
1) 対
験
方
法
象
0A UV 検
Sys
t
em,U6K i
nj
e
c
t
or,相馬光学の S-31
出器を用い,カ ラムには ,Wat
e
rs〟-Bondapak C1
8
(
粒子径 1
0
J
L
m,3.
9mm x3
0
cm Ⅰ
.
D.
)逆相充填カ ラム
国立療養所西新潟病院に入院中の肺結核患者 を被験者
を使用 した.測定波長は 3
40nm に設定 した.移動相
とした.被験者はすべて以前に RFP を服 用 してい な
紘 ,0
.
0
1
M 酢酸 ナ トリウムを含む 3
8% アセ トニ トリル
い新入院の患者であ り,今後 RFPによる治療 を必要 と
溶液を酢酸で pH7.
0に調整 した ものを使用 し,流速は
した.
1.
Oml
/mi
n で行 った.
入院患者 1
0
名 (
男子 8名 ,女子 2名)の年齢は 3
8.
4±
1
8.
6
歳 ,体重は5
1
.
1±4.
8
kg で ,予め,肝機能に異常の
ない ことを確認 した後投薬を開始 した.
5) 解
析
法
a) One
compar
t
me
ntOpe
nMode
lによる血清中
RFP 濃度の解析
Fly UP