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Meropenem を含む各種注射用抗菌薬に対する 2004 年臨床分離株の

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Meropenem を含む各種注射用抗菌薬に対する 2004 年臨床分離株の
Dec.
2005
THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 58—6
655(167)
Meropenem を含む各種注射用抗菌薬に対する
2004 年臨床分離株の感受性サーベイランス
メロペン特別調査(全国感受性調査)研究会
代表世話人:山口惠三
東邦大学医学部 微生物•感染症学講座
石井良和・岩田守弘 *
伊東紘一・大原智子
東邦大学医学部微生物・感染症学講座
自治医科大学臨床検査医学講座
(* 東邦大学医療センター大森病院臨床検査部)
野村文夫・渡邊正治
渡邉直樹・上原信之 *
千葉大学医学部附属病院検査部
札幌医科大学医学部臨床検査医学講座
(* 札幌医科大学附属病院検査部)
菅野治重・相原雅典 *
医療法人社団徳風会高根病院内科
保嶋 実・葛西 猛 *
(* 医療法人社団徳風会高根病院検査部)
弘前大学医学部臨床検査医学講座
(* 弘前大学医学部附属病院検査部)
諏訪部 章・山端久美子 *
岩手医科大学臨床検査医学講座
前 繁文・橋北義一 *
埼玉医科大学病院感染症科・感染制御科
(* 埼玉医科大学病院中央検査部)
(* 岩手医科大学附属病院中央臨床検査部)
三宅一徳・小栗豊子 *
賀来満夫・金光敬二
東北大学大学院医学系研究科
順天堂大学医学部臨床病理学教室
(* 順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部)
感染制御・検査診断学
岡田 淳・田澤庸子
吉田 浩・西山恭子 *
NTT 東日本関東病院臨床検査部
福島県立医科大学臨床検査医学講座
(* 福島県立医科大学附属病院検査部)
中島秀喜・竹村 弘
聖マリアンナ医科大学微生物学教室
村上正巳・高橋綾子 *
群馬大学大学院医学系研究科病態検査医学
岡田正彦・小林清子
(* 群馬大学医学部附属病院検査部)
新潟大学医歯学総合病院検査部
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THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 58—6
堀井俊伸
Dec.
2005
木下承晧
浜松医科大学医学部附属病院検査部
神戸大学医学部附属病院検査部
馬場尚志
田港朝彦・根ケ山 清
名古屋大学医学部附属病院難治感染症部
香川大学医学部附属病院検査部
石郷潮美
村瀬光春・宮本仁志
大垣市民病院診療検査科
愛媛大学医学部附属病院診療支援部
草野展周・三原栄一郎
藤田直久・小森敏明 *
京都府立医科大学臨床分子病態・検査医学教室
岡山大学医学部・歯学部附属病院中央検査部
(* 京都府立医科大学附属病院臨床検査部)
神辺眞之・板羽秀之
広島大学病院検査部
一山 智・前田重隆 *
京都大学大学院医学研究科臨床病態検査学
小野順子・吉村尚江
(* 京都大学医学部附属病院検査部)
福岡大学病院臨床検査部
山中喜代治・村田葉子
平潟洋一・松田淳一
大手前病院臨床検査部
長崎大学医学部・歯学部附属病院検査部
小松 方
犀川哲典・平松和史
天理よろづ相談所病院臨床病理部
大分大学医学部附属病院検査部
(2005 年 11 月 7 日受付)
Meropenem (MEPM) をはじめとするカルバペネム系薬を中心に ,全国の医療機関 30 施
設より収集した2004年の臨床分離株2889 株(グラム陽性菌1790 株,グラム陰性菌 907 株,
嫌気性菌 192 株)に対する最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し ,以下の結果を得た。
1. MEPMのMIC90 は,腸内細菌科,Haemophilus influenzaeにおいて他のカルバペネム系
薬に比較して殆どが2⬃5管低値であり,特にグラム陰性菌全般に対し良好な抗菌力を示し
た。また,グラム陽性菌・嫌気性菌に対しても,MEPMは,methicillin-resistant Staphylococcus
aureus 等の一部の多剤耐性株を除く殆ど全ての臨床分離株に良好な抗菌力を示した。
2. Pseudomonas aeruginosa における MEPM 耐性株に対する imipenem (IPM) の交差耐性
率は 87.9% であったのに対し ,IPM 耐性株に対する MEPM の交差耐性率は 49.2% であっ
た。また,ciprofloxacin (CPFX) 耐性株に対するMEPMの交差耐性率も38.0%と低値であっ
た。
3. 基質拡張型b -ラクタマーゼ (ESBL) 産生株が,Escherichia coliで4株 (3.1%),Citrobacter
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koseriで2株(8.0%),Klebsiella pneumoniaeで3株 (2.5%),Enterobacter cloacaeで2株(2.5%),
Serratia marcescens で 1 株(0.9%),Proteus mirabilis で 2 株(2.2%) 認められた。また ,メタ
ロ -b - ラクタマーゼ産生株は ,P. aeruginosa で 5 株(1.6%) 認められた。
4. 前回実施した 2002 年臨床分離株での成績に比較して ,MEPM の MIC90 が 2 管以上上
昇した菌種はPeptostreptococcus spp. (0.25 m g/mlÆ1 m g/ml) のみであり,MEPMに対する感
受性に顕著な耐性化を認めなかった。
以上より,MEPMは上市後 9 年以上を経過した時点においても,広域かつ強力な抗菌力
を維持しており ,依然として臨床的に有用性の高いカルバペネム系薬であるとの結論を
得た。
I. 材料及び方法
カルバペネム系薬である meropenem (MEPM) は
広域な抗菌スペクトラムと強力な抗菌活性を
有し1),本邦では1995年に上市され,主に重症感染
1. 調査対象菌株
症の治療薬として重要な役割を果している。
参加各施設において ,2004 年 ,主に 9⬃11 月の
本系の薬剤としては ,MEPM 上市以前の 1987
期間に臨床材料から分離された菌株のうち ,下記
年に imipenem/cilastatin
(IPM/CS) が ,1993 年に
菌種(属・グループ)の菌株について,分離材料を
panipenem/betamipron (PAPM/BP) が ,MEPM 以後
問わず感染症起因菌(推定を含む)を調査対象と
に biapenem (BIPM)および doripenem (DRPM)がそ
した。但し,同一患者の同一材料由来の同一菌種の
れぞれ上市されている。MEPM は ,腎毒性が低い
株については ,初回分離株のみを対象とした。
2)
こと から ,単剤使用が初めて可能になった薬剤
グラム陰性菌: Escherichia coli, Citrobacter
であり,現在本邦に限らず世界100カ国以上で臨床
freundii, Citrobacter koseri, Klebsiella pneumoniae,
の場に供されている。一方で ,MEPM は上市後 9
Enterobacter cloacae, Enterobacter aerogenes, Serra-
年以上を経ており ,臨床材料から分離される菌株
tia marcescens, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris,
の中に耐性菌が出現している可能性もあると考え
Morganella morganii, Providencia spp., Pseudomonas
られる。そのため,最新の臨床分離株の感受性を調
aeruginosa, Burkholderia cepacia, Acinetobacter
査し ,耐性菌の動向を臨床現場に提供することは
spp.,Moraxella catarrhalis, Neisseria gonorrhoeae,
極めて重要である。
Neisseria meningitidis, Haemophilus influenzae
前回われわれはMEPMをはじめとする各種注射
グラム陽性菌: Staphylococcus aureus, Staphylo-
用抗菌薬に対する2002年臨床分離株の感受性を全
coccus epidermidis, coagulase-negative staphylococci
1)
国規模で調査し,その成績を報告した 。今回は, (CNS,
S. epidermidis を除く),Streptococcus
2004年臨床分離株を対象として最新の感受性の状
pneumoniae, Streptococcus milleri group (Streptococ-
況について経年的動向を含めて把握することを目
cus anginosus, Streptococcus constellatus, Streptococ-
的に調査を実施した。
cus intermedius), Streptococcus pyogenes, Streptococcus agalactiae, viridans group streptococci
(Streptococcus oralis, Streptococcus mitis, Streptococcus salivarius 等), Enterococcus faecalis,
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Enterococcus spp.(E. faecalis を除く),Listeria
ABPC), sulbactam/cefoperazone (SBT/CPZ), gen-
monocytogenes
tamicin (GM), amikacin (AMK), arbekacin (ABK),
嫌気性菌: Bacteroides fragilis group, Prevotella
spp., Peptostreptococcus spp., Fusobacterium spp.
tobramycin (TOB), aztreonam (AZT), vancomycin
(VCM), teicoplanin (TEIC), ciprofloxacin (CPFX),
clindamycin (CLDM), minocycline (MINO), linezolid
2. 耐性の判定基準
(LZD)
3)
耐性の判定基準は NCCLS の判定基準 に準じ ,
S. aureus は , oxacillin (MPIPC) の MIC 値が 2 m g/ml
4. 薬剤感受性測定
以下のものを methicillin-susceptible S. aureus
各医療機関にて分離同定後 ,マイクロバンクを
(MSSA), 4 m g/ml 以上のものを methicillin-resistant
用い凍結保存した菌株を ,三菱化学ビーシーエル
S. aureus (MRSA) とした。S. epidermidisは, MPIPC
に送付し再同定後 ,NCCLS 標準法 4,5)に準じ ,N.
の MIC 値が 0.25 m g/ml 以下のものを methicillin-
gonorrhoeaeは寒天平板希釈法,その他の菌種は微
susceptible S. epidermidis (MSSE), 0.5 m g/ml 以上の
量液体希釈法に従って最小発育阻止濃度 (MIC) を
ものを methicillin-resistant S. epidermidis (MRSE) と
測定した。
した。S. pneumoniae は ,benzylpenicillin (PCG) の
微 量 液 体 希 釈 法 の MIC 測 定 培 地 と し て は ,
MIC 値が 0.06 m g/ml 以下のものを penicillin-sus-
Streptococcus spp. およびL. monocytogenesには,馬
ceptible S. pneumoniae (PSSP), 0.12⬃1 m g/ml のもの
溶血液(2 v/v%) 添加 cation-adjusted Mueller Hinton
を penicillin-intermediate S. pneumoniae (PISP), 2
broth (CAMHB)を,H. influenzaeには,CAMHBに
m g/ml 以上のものを penicillin-resistant S. pneumoniae
対し酵母エキス(5 g/L), b -NAD (15 mg/L), ウシヘ
(PRSP) とした。H. influenzaeは, b -ラクタマーゼの
マチン(15 mg/L)を添加し ,ただし ,発育が不良で
産生性が陽性のものを b -lactamase positive ampi-
あった一部の菌株に対しては更に馬溶血液
cillin (ABPC)-resistant H. influenzae (BLPAR), b - ラ
(2 v/v%)を添加し使用した。その他の好気性菌に
クタマーゼの産生性が陰性で ,ABPC の MIC 値が
ついては,CAMHBを用いた。嫌気性菌には,ヘミ
2 m g/ml 以上のものを b -lactamase negative ABPC-
ン(5 mg/L),ビタミンK1 (1 mg/L),馬溶血液(5 v/v%)
resistant H. influenzae (BLNAR), 1 m g/ml 以下のもの
添加 Brucella broth を用いた。薬剤は倍数希釈で ,
を b -lactamase negative ABPC-susceptible H.
0.06⬃128 m g/mlを基本とし,接種菌量は,好気性菌
influenzae (BLNAS)とした。
は約 5⫻104 CFU/well, 嫌気性菌は約 105 CFU/well と
した。培養条件については,Streptococcus spp., H.
3. 使用薬剤
influenzae は 35°C で 20⬃24 時間 ,好気培養 ,L.
各々の薬剤の抗菌スペクトル等を考慮して供試
monocytogenesは35°Cで16⬃20時間,好気培養,そ
薬 剤 を 以 下 よ り 選 択 し , MIC 測 定 に 供 し た 。
の他の好気性菌は35°Cで16⬃24時間,好気培養と
MEPM, IPM, PAPM, BIPM, cefazolin (CEZ),
し ,嫌気性菌は 35°C で 46⬃48 時間の嫌気培養を
cefaclor (CCL), cefotiam (CTM), cefmetazole
行った。
(CMZ), cefotaxime (CTX), ceftriaxone (CTRX),
N. gonorrhoeae に対する寒天平板希釈法の MIC
ceftazidime (CAZ), cefozopran (CZOP), cefepime
測定培地としては ,1% defined growth supplement
(CFPM), flomoxef (FMOX), MPIPC, PCG, ABPC,
(cysteine 不含)添加 GC agar base を用いた。薬剤
piperacillin (PIPC), sulbactam/ampicillin (SBT/
濃度は倍数希釈で,0.001⬃128 m g/mlとし,接種菌
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「IPM の MIC が ⭌16 m g/ml」の条件を満た
量は約104 CFU/spotとした。培養条件については, ついて ,
35°C で 20⬃24 時間の 5% 炭酸ガス培養とした。
した菌株をスクリーニングし ,メタロ -b - ラクタ
マーゼ産生菌の確認試験を行った。メタロ-b -ラク
5. b - ラクタマーゼ産生試験
タマーゼ産生株と判定された菌株については ,
H. influenzaeについては,ニトロセフィンスポッ
PCR 法により IMP-1 型の同定試験を実施した。表
6)
トプレート法 による b - ラクタマーゼ産生の定性
1に示すIMP-1型 11) を増幅するPrimerを使用し,反
試験を行った。
応は ESBL 産生株の検討と同じ条件で行った。
II. 結果
6. 基質特異性拡張型 b - ラクタマーゼ(ESBL)産
生株の検出及び表現型
腸 内 細 菌 科 に つ い て ,薬 剤 感 受 性 試 験 に て
1. 分離材料別菌株数
NCCLS の検出基準 3)に準じ「CAZ および AZT の
今回の調査で使用した2889株の分離材料別菌株
MIC がともに ⭌2 m g/ml」の条件を満たした菌株を
数を表 2 に示した。呼吸器由来株が計 1032 株
スクリーニングし,ESBL産生菌の確認試験を行っ
(35.7%) と最も多く ,次いで尿由来株が計 546 株
た。ESBL 産生株と判定された菌株については ,
(18.9%)であり ,これらで全体の半数以上 (54.6%)
PCR法により大まかな型別を決定した。すなわち, を占めた。なお,N. meningitidisは,今回のサーベ
各種b -lactamase遺伝子の検出には,Real-time PCR
イランスで収集されなかった。
(Sequence Detection System 7000, Applied
Biosystems, 東京)を使用した。Primerは,表1に示
2. 菌種(属・グループ)別の MIC 測定結果
すように ,TEM- 型 7), SHV- 型 7), CTX-M-1 グルー
表3⬃39に菌種(属・グループ)別の各薬剤のMIC
8)
9)
10)
プ , CTX-M-2 グループ , CTX-M-9 グループ を
測定結果をMIC分布,50% MIC (MIC50), 90% MIC
増幅する5種類を使用した。寒天培地上に発育した
(MIC90)で示した。以下では,MIC90 を抗菌力の主
コロニーから滅菌爪楊枝を用いて釣菌して,50 m l
な評価指標として,MEPMを含むカルバペネム系
の滅菌蒸留水中に懸濁した。この懸濁液を 100 °C
薬の成績を中心に述べる。
10分間加熱後,15,000 rpmにて5分間遠心し,その
(1) グラム陰性菌
上清を DNA 溶液とした。PCR 反応溶液は ,DNA
1) 腸内細菌科
溶液 1 m l,Primer 各 50 pmol, SYBR Green PCR
① E. coli(表 3: 130 株[16 薬剤])
Master Mix (Applied Biosystems) 25 m l に滅菌蒸留
MEPMのMIC90 は0.03 m g/mlであり,PAPMおよ
水を加え全量50 m lとした。サーマルサイクラーの
びBIPM に比較して2管,IPM に比較して3管優れ
設定は ,50°C 2 分 ,94°C 10 分加熱後 ,既報の条
ており,全供試薬剤の中で最も低値であった。カル
件で実施した。PCR反応終了後,融解曲線を求めそ
バペネム系薬以外では ,CZOP および CFPM の
のピーク温度が PCR 産物の論理的 Tm 値と一致す
MIC90 が0.12 m g/mlで最も低値であったが,耐性株
ることにより PCR 反応の特異性の確認とした。
(NCCLS の基準で Resistant, 以下 ,本基準に準じ同
様に記載)がそれぞれ 6 株(4.6%) および 1 株(0.8%)
7. メタロ -b - ラクタマーゼ産生株の検出及び表
現型
腸内細菌科 ,ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌に
認められた。また,CPFXのMIC90 は32 m g/mlであ
り ,耐性株が 24 株 (18.5%) 認められた。
② C. freundii(表 4: 83 株[16 薬剤])
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表 1. 基質拡張型 b - ラクタマーゼ (ESBL) およびメタロ -b - ラクタマーゼの型別分類に使用し
たプライマーの内訳
表 2.
分離材料別の菌株数
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MEPM のMIC90 は0.06 m g/mlであり,BIPMに比
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MIC90 が 0.12 m g/ml で最も低値であった。
較して 2 管 ,PAPM に比較して 3 管 ,IPM に比較
⑦ S. marcescens(表 9: 115 株[16 薬剤])
して4管優れており,全供試薬剤の中で最も低値で
MEPMのMIC90は0.25 m g/mlであり,PAPM, IPM
あった。カルバペネム系薬以外では ,CPFX の
およびBIPMに比較して3管優れており,全供試薬
MIC90 が 0.25 m g/ml で最も低値であった。
剤の中で最も低値であった。なお,カルバペネム耐
③ C. koseri(表 5: 25 株[16 薬剤])
性株が 1 株(0.9%) 認められた。カルバペネム系薬
MEPM のMIC90 は0.03 m g/mlであり,BIPMに比
以外では ,CZOP, CFPM および CAZ の MIC90 が
較して 1 管 ,IPM および PAPM に比較して 3 管優
1 m g/ml で最も低値であったが ,耐性株が CZOP お
れており,全供試薬剤の中で最も低値であった。カ
よび CAZ で 5 株(4.3%), CFPM で 6 株(5.2%) 認め
ルバペネム系薬以外では ,CZOP および CFPM の
られた。
MIC90 が0.12 m g/ml で最も低値であったが,耐性株
⑧ P. mirabilis(表 10: 93 株[16 薬剤])
がともに 2 株 (8.0%) 認められた。
MEPMのMIC90 は0.12 m g/mlであり,PAPMに比
④ K. pneumoniae (表 6: 122 株[16 薬剤])
較して4 管,IPM およびBIPMに比較して5管優れ
MEPMのMIC90 は0.03 m g/mlであり,PAPMに比
ており ,全供試薬剤の中で最も低値であった。な
較して3 管,IPM およびBIPMに比較して4管優れ
お,カルバペネム耐性株が,PAPMで1株(1.1%)認
ており ,全供試薬剤の中で最も低値であった。ま
められた。カルバペネム系薬以外では ,CAZ の
た ,カルバペネム耐性株が ,IPM, PAPM および
MIC90 が0.25 m g/mlで最も低値であったが,耐性株
BIPMでそれぞれ1株(0.8%)認められた。カルバペ
が 1 株(1.1%)認められた。
ネム系薬以外では,CZOP, CFPM, FMOX, CPFXお
⑨ P. vulgaris(表 11: 53 株[16 薬剤])
よび AZT の MIC90 が 0.12 m g/ml で最も低値であっ
MEPMのMIC90 は0.12 m g/mlであり,PAPMおよ
たが ,耐性株が FMOX, AZT で 1 株 (0.8%), CFPM,
びBIPM に比較して4管,IPM に比較して5管優れ
CPFX で 2 株 (1.6%), CZOP で 3 株(2.5%) 認められ
ていた。カルバペネム系薬以外では ,CPFX の
た。
MIC90 が ⬉0.06 m g/ml で最も低値であったが ,耐性
⑤ E. cloacae(表 7: 81 株[16 薬剤])
MEPM のMIC90 は0.12 m g/mlであり,BIPMに比
株が 1 株 (1.9%)認められた。
⑩ M. morganii(表 12: 110 株[16 薬剤])
較して 1 管 ,IPM および PAPM に比較して 3 管優
MEPM のMIC90 は0.12 m g/mlであり,BIPMに比
れており,全供試薬剤の中で最も低値であった。な
較して 4 管 ,IPM および PAPM に比較して 5 管優
お ,カルバペネム耐性株が ,MEPM で 1 株(1.2%)
れていた。カルバペネム系薬以外では ,CFPM,
認められた。カルバペネム系薬以外では,CPFXの
CPFX の MIC90 が ⬉0.06 m g/ml で最も低値であった
MIC90 が 1 m g/ml で最も低値であったが ,耐性株が
が ,CPFX においては耐性株が 2 株 (1.8%) 認めら
6 株(7.4%)認められた。
れた。
⑥ E. aerogenes(表 8: 43 株[16 薬剤])
⑪ Providencia spp.(表 13: 51 株[16 薬剤])
MEPMのMIC90 は0.12 m g/mlであり,BIPM に比
MEPMのMIC90 は0.12 m g/mlであり,PAPMに比
較して 3 管 ,IPM および PAPM に比較して 4 管優
較して3 管,IPM およびBIPMに比較して4管優れ
れており,全供試薬剤の中で最も低値であった。な
ていた。カルバペネム系薬以外では,AZTのMIC90
お,カルバペネム耐性株が,PAPMで3株(7.0%)認
が ⬉0.06 m g/ml で最も低値であった。
められた。カルバペネム系薬以外では ,CPFX の
2) ブドウ糖非発酵グラム陰性菌
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表 3.
表 4.
表 5.
Escherichia coli 130 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
Citrobacter freundii 83 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
Citrobacter koseri 25 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
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表 6.
表 7.
表 8.
Klebsiella pneumoniae 122 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
Enterobacter cloacae 81 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
Enterobacter aerogenes 43 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
663(175)
664(176)
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表 9.
Serratia marcescens 115 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 10.
Proteus mirabilis 93 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 11.
Proteus vulgaris 53 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
Dec.
2005
Dec.
2005
THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 58—6
表 12.
Morganella morganii 110 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 13.
表 14.
665(177)
Providencia spp. 51 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
Pseudomonas aeruginosa 306 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
666(178)
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① P. aeruginosa(表 14: 306 株[16 薬剤])
MEPM, IPM および BIPM の MIC90 は 16 m g/ml で
Dec.
2005
③ H. influenzae (BLNAS)(表 19: 141 株[16 薬
剤])
あり ,PAPM に比較して 1 管優れていた。カルバ
MEPM の MIC90 は 0.12 m g/ml であり ,IPM およ
ペネム系薬以外では,TOBのMIC90 が 2 m g/mlで最
びPAPM に比較して 3 管,BIPMに比較して 5 管優
も低値であった。なお,多剤耐性株(IPM⭌16 m g/ml,
れていた。カルバペネム系薬以外では,CPFXおよ
CPFX⭌4 m g/ml, AMK⭌32 m g/ml)が ,計 5 株(1.6%)
びCTRXのMIC90 が⬉0.06 m g/ml で最も低値であっ
認められた。
たが ,耐性株が CPFX で 1 株 (0.7%) 認められた。
② B. cepacia(表 15: 25 株[16 薬剤])
④ H. influenzae (BLPAR)
(表20: 17株[16薬剤])
MEPM の MIC90 は 8 m g/ml であり ,IPM および
MEPM の MIC90 は 1 m g/ml であり ,IPM および
BIPM に比較して 1 管 ,PAPM に比較して 2 管優れ
PAPM に比較して 2 管 ,BIPM に比較して 3 管優れ
ており ,全供試薬剤の中で最も低値であった。な
ていた。カルバペネム系薬以外では ,CPFX の
お ,カルバペネム耐性株が ,IPM で 3 株 (12.0%),
MIC90 が ⬉0.06 m g/ml で最も低値であった。
PAPM で 17 株(68.0%), BIPM で 5 株(20.0%)認めら
⑤ H. influenzae (BLNAR)(表21: 95株[16薬剤])
れた。カルバペネム系薬以外では ,CAZ の MIC90
MEPM の MIC90 は 0.5 m g/ml であり ,IPM および
が 16 m g/ml で最も低値であったが ,耐性株が 1 株
PAPM に比較して 3 管 ,BIPM に比較して 4 管優れ
(4.0%)認められた。
ていた。なお,カルバペネム耐性株がBIPMで3株
③ Acinetobacter spp.(表 16: 116 株[16 薬剤])
(3.2%) 認められた。カルバペネム系薬以外では ,
MEPMのMIC90 は1 m g/mlであり,IPM, PAPMお
CPFXのMIC90 が⬉0.06 m g/mlで最も低値であった。
よびBIPMに比較して1管高かった。なお,カルバ
(2) グラム陽性菌
ペネム耐性株が,MEPMおよびBIPMで2株(1.7%),
1) ブドウ球菌属
IPM および PAPM で 3 株(2.6%)認められた。カル
① MSSA(表 22: 72 株[21 薬剤])
バペネム系薬以外では ,MINO の MIC90 が 0.25
MEPMおよびBIPMのMIC90は0.12 m g/mlであり,
m g/ml で最も低値であった。
IPM および PAPM に比較して 1 管高かった。カル
3) その他のグラム陰性菌
バペネム系薬以外では,MINOのMIC90 が0.25 m g/
① M. catarrhalis(表 17: 104 株[16 薬剤])
ml で最も低値であった。
MEPM の MIC90 は ⬉0.004 m g/ml であり ,PAPM
に比較して3管,IPM およびBIPMに比較して4管
② MRSA(表 23: 78 株[21 薬剤])
MEPM,IPMおよびPAPMのMIC90 は64 m g/mlで
優れており,全供試薬剤の中で最も低値であった。
あり,BIPMに比較して1管優れていた。カルバペ
カルバペネム系薬以外では ,CPFX の MIC90 が
ネム系薬以外では ,VCM の MIC90 が 1 m g/ml で最
⬉0.03 m g/ml で最も低値であった。
も低値であり ,耐性株も認められなかった。
② N. gonorrhoeae(表 18: 80 株[16 薬剤])
③ MSSE(表 24: 40 株[21 薬剤])
MEPMのMIC90 は0.12 m g/mlであり,PAPMおよ
MEPMのMIC90は0.12 m g/mlであり,IPM, PAPM
びBIPMに比較して2管,IPM に比較して3管優れ
およびBIPMに比較して1管高かった。カルバペネ
ていた。カルバペネム系薬以外では ,CTRX の
ム系薬 ,MPIPC 以外では ,ABK の MIC90 が 0.25
MIC90 が 0.06 m g/ml で最も低値であった。また ,
m g/ml で最も低値であった。
CPFX の MIC90 は 32 m g/ml で,80株中 72株 (90.0%)
④ MRSE(表 25:103 株[21 薬剤])
が耐性を示した。
MEPMおよびPAPMのMIC90 は32 m g/mlであり,
Dec.
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THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 58—6
表 15.
表 16.
表 17.
Burkholderia cepacia 25 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
Acinetobacter spp. 116 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
Moraxella catarrhalis 104 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
667(179)
668(180)
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表 18.
Dec.
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Neisseria gonorrhoeae 80 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 19.
Haemophilus influenzae (BLNAS) 141 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 20.
Haemophilus influenzae (BLPAR) 17 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
Dec.
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表 21.
表 22.
669(181)
Haemophilus influenzae (BLNAR) 95 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
Staphylococcus aureus (MSSA) 72 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
670(182)
表 23.
表 24.
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Dec.
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Staphylococcus aureus (MRSA) 78 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
Staphylococcus epidermidis (MSSE) 40 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
Dec.
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671(183)
表 25. Staphylococcus epidermidis (MRSE) 103 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 26.
CNS(Staphylococcus epidermidis を除く)60 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
672(184)
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IPMおよびBIPMに比較して1管優れていた。カル
MIC90 は ⬉0.06 m g/ml であり ,全供試薬剤の中で最
バペネム系薬以外では ,MINO の MIC90 が 1 m g/ml
も低値であった。カルバペネム系薬以外では ,
で最も低値であったが ,耐性株が 7 株 (6.8%) 認め
CZOP, CFPM, PCG, ABPC, PIPC, CTX, CTRX およ
られた。なお ,VCM 耐性株は認められなかった。
び TEIC の MIC90 が ⬉0.06 m g/ml で最も低値であっ
⑤ CNS[S. epidermidis を除く]
(表 26: 60 株[21
薬剤])
た。
⑥ S. agalactiae(表 32: 60 株[16 薬剤])
MEPM の MIC90 は 32 m g/ml であり ,IPM, PAPM
MEPM をはじめとするカルバペネム系薬 4 剤の
およびBIPMに比較して1管優れていた。なお,カ
MIC90 は ⬉0.06 m g/ml であり ,全供試薬剤の中で最
ルバペネム耐性株はいずれも MPIPC-resistant CNS
も低値であった。カルバペネム系薬以外では ,
であった。カルバペネム系薬以外では,ABKおよ
PCG, CTX および CTRX の MIC90 が ⬉0.06 m g/ml で
び MINO の MIC90 が 0.5 m g/ml で最も低値であった
最も低値であった。
が ,MINO においては耐性株が 4 株 (6.7%) 認めら
れた。また ,VCM 耐性株は認められなかった。
2) レンサ球菌属
⑦ Viridans group streptococci(表 33: 32 株[16
薬剤])
MEPMおよびBIPMのMIC90は0.12 m g/mlであり,
① PSSP(表 27: 68 株[16 薬剤])
IPM および PAPM に比較して 1 管高かった。カル
MEPM をはじめとするカルバペネム系薬 4 剤の
バペネム系薬以外では,PCGおよびTEICのMIC90
MIC90 は ⬉0.06 m g/ml であり ,全供試薬剤の中で最
が 0.12 m g/ml で最も低値であった。
も低値であった。カルバペネム系薬以外では,PCG
3) その他のグラム陽性菌
および TEIC の MIC90 が ⬉0.06 m g/ml で最も低値で
① E. faecalis(表 34: 100 株[16 薬剤])
あった。
MEPMのMIC90 は16 m g/mlであり,BIPMに比較
② PISP(表 28: 75 株[16 薬剤])
して 1 管 ,PAPM に比較して 2 管 ,IPM に比較し
MEPM の MIC90 は 0.5 m g/ml であり ,IPM および
て3管高かった。カルバペネム系薬以外では,TEIC
BIPMに比較して1管,PAPMに比較して2管高かっ
の MIC90 が 0.5 m g/ml で最も低値であった。なお ,
た。カルバペネム系薬以外では,TEICのMIC90 が
VCM 耐性株は認められなかった。
⬉0.06 m g/ml で最も低値であった。
③ PRSP(表 29: 41 株[16 薬剤])
② Enterococcus spp.[E. faecalis を除く]
(表 35:
65 株[16 薬剤])
MEPM, IPM および BIPM の MIC90 は 0.5 m g/ml で
MEPM をはじめとするカルバペネム系薬 4 剤の
あり ,PAPM に比較して 2 管高かった。カルバペ
MIC90 は ⬎128 m g/ml であった。カルバペネム系薬
ネム系薬以外では,TEICのMIC90が⬉0.06 m g/mlで
以外では ,VCMおよび TEIC のMIC90 が1 m g/ml で
最も低値であった。
最も低値であり ,耐性株も認められなかった。な
④ S. milleri group(表 30: 52 株[16 薬剤])
お ,VCM の MIC が 8 m g/ml であった 2 株は ,とも
MEPMのMIC90は0.12 m g/mlであり,IPM, PAPM
に Entrococcus gallinarum であった。
およびBIPMに比較して1管高かった。カルバペネ
③ L. monocytogenes (3 株[16 薬剤])
ム系薬以外では ,PCG および TEIC の MIC90 が
カルバペネム系薬4剤のMIC-rangeは,MEPMが
⬉0.06 m g/ml で最も低値であった。
⬉0.06⬃0.12 m g/ml, IPM, PAPM および BIPM が
⑤ S. pyogenes(表 31:58 株[16 薬剤])
⬉0.06 m g/mlであり,いずれも優れた抗菌活性を示
MEPM をはじめとするカルバペネム系薬 4 剤の
した。カルバペネム系薬以外では ,PCG の MIC-
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表 27.
673(185)
Streptococcus pneumoniae (PSSP) 68 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 28. Streptococcus pneumoniae (PISP) 75 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 29.
Streptococcus pneumoniae (PRSP) 41 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
674(186)
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表 30.
Streptococcus milleri group 52 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 31.
Streptococcus pyogenes 58 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 32.
Streptococcus agalactiae 60 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
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675(187)
表 33. Viridans group streptococci 32 株に対する 各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 34.
Enterococcus faecalis 100 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 35. Enterococcus spp.(Enterococcus faecalis を除く)65 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,
MIC50, MIC90
676(188)
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range が 0.25 m g/ml で最も低値であった。なお ,そ
の 他 の 供 試 薬 剤 の MIC-range は , ABPC が
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3. BLNAR · MRSA · PRSP の分離頻度および背
景因子の影響
0.25⬃0.5 m g/ml, AMK が 0.5 m g/ml, VCM が 1 m g/ml,
(1) BLNAR
CPFX が 1⬃2 m g/ml, PIPC が 2 m g/ml, FMOX が
BLNAR の分離頻度は 37.5% (95/253) であった。
8⬃16 m g/ml, CZOP が 8⬃32 m g/ml, SBT/CPZ が
一方 ,BLPAR の分離頻度は 6.7% (17/253) と比較
16 m g/ml, CFPM および CTX が 16⬃32 m g/ml, CTRX
的低値であった。また,BLNARの分離頻度に及ぼ
が 32⬃128 m g/ml であった。
す菌株背景要因の影響の検討結果(表 40)におい
(3) 嫌気性菌
て有意差が認められた要因は「地域」であり,西日
① B. fragilis group(表 36: 83 株[16 薬剤])
本の施設由来の株では東日本の施設由来の株に比
MEPM をはじめとするカルバペネム系薬 4 剤の
較して耐性率が高かった。
MIC90 は 2 m g/ml であり ,全供試薬剤の中で最も低
(2) MRSA
値であった。なお,カルバペネム耐性株が,IPMで
MRSAの分離頻度は52.0% (78/150)であった。ま
1株(1.2%),MEPMおよびBIPMで2株(2.4%),PAPM
た,MRSA分離頻度に及ぼす菌株背景要因の影響
で 4 株(4.8%) 認められた。カルバペネム系薬以外
の検討結果(表 40)において有意差が認められた
では ,SBT/CPZ の MIC90 が 8 m g/ml で最も低値で
要因は「入院・外来」,「年齢」であり ,入院由来
あったが,耐性株が1株(1.2%) 認められた。また,
の株で外来由来の株に比較して耐性率が高く ,ま
CLDM の MIC90 は ⬎128 m g/ml であり ,耐性株が 37
た高齢になるほど耐性率が高かった。
株 (44.6%) 認められた。
② Prevotella spp.(表 37: 53 株[16 薬剤])
(3) PRSP
PRSP の分離頻度は 22.3% (41/184)であった。ま
MEPM および PAPM の MIC90 は 0.12 m g/ml であ
た,PISPも40.8% (75/184)認められた。PRSP分離
り ,IPM に比較して 1 管高く ,BIPM に比較して 1
頻度に及ぼす菌株背景要因の影響の検討結果(表
管優れていた。カルバペネム系薬以外では,CMZ
40)において有意差が認められた要因は「入院・外
および SBT/CPZ の MIC90 が 2 m g/ml で最も低値で
来」
であり,入院由来の株で外来由来の株に比較し
あった。また,CLDMのMIC90は128 m g/mlであり,
て耐性率が高かった。
耐性株が 7 株 (13.2%) 認められた。
③ Peptostreptococcus spp.(表38: 32株[16薬剤])
4. MIC 測定結果の詳細検討
MEPM および BIPM の MIC90 は 1 m g/ml であり ,
(1) P. aeruginosa
IPM および PAPM に比較して 1 管高かった。カル
① カルバペネム系 4 薬剤の感受性評価
バペネム系薬以外では,CEZのMIC90 が2 m g/mlで
NCCLS 基準 3)に準じた感受性株の比率では ,
最も低値であった。また ,CLDM の MIC90 は 8
MEPMが83.0%(254株)で最も高く,次いでBIPM
m g/ml であり ,耐性株が 4 株 (12.5%) 認められた。
が79.4%(243株),IPMが75.5%(231株),PAPM
④ Fusobacterium spp.(表 39: 24 株[16 薬剤])
MEPM のMIC90 は0.25 m g/mlであり,BIPM に比
が 35.3%(108 株)の順であった(表 41)。
② MEPM, IPM および CPFX の交差耐性率
較して 1 管 ,IPM および PAPM に比較して 2 管優
表 42 に ,MEPM, IPM および CPFX の交差耐性
れており,全供試薬剤の中で最も低値であった。カ
率について検討した結果を示した。MEPM耐性株
ルバペネム系薬以外では,FMOXおよびCLDMの
33 株に対する IPM の交差耐性率は 87.9% であった
MIC90 が 1 m g/ml で最も低値であった。
のに対し,IPM耐性株59株に対するMEPMの交差
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677(189)
表 36. Bacteroides fragilis group 83 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 37.
表 38.
Prevotella spp. 53 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
Peptostreptococcus spp. 32 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
678(190)
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表 39.
Fusobacterium spp. 24 株に対する各薬剤の MIC 分布 ,MIC50, MIC90
表 40.
主要耐性菌の分離頻度および背景要因との関係
表 41. Pseudomonas aeruginosa のカルバペネム系 4 薬剤に対する感受性分類
Dec.
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表 42.
Pseudomonas aeruginosa に対する MEPM, IPM および CPFX の交差耐性率
表 43.
Pseudomonas aeruginosa の薬剤感受性に及ぼす菌株背景要因の影響
表 44.
カルバペネム系 4 薬剤に対する肺炎主要起因菌の感受性率
679(191)
680(192)
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耐性率は49.2%であり低値であった。また,MEPM
た菌株は ,IPM で 92.1%(233 株 /253 株),PAPM
耐性株 33 株に対する CPFX の交差耐性率は 57.6%
で 93.3%(236 株 /253 株),BIPM で 98.8%(250 株 /
であったのに対し ,CPFX 耐性株 50 株に対する ,
253 株)に認められた。
MEPM の交差耐性率は 38.0% であり ,同様に低値
5. ESBL · メタロ -b - ラクタマーゼ産生株の検討
であった。
③ MEPM と他のカルバペネム系薬との MIC 相
関
結果
(1) ESBL 産生株(表 45)
図 1 に ,MEPM と他のカルバペネム系薬の MIC
ESBL 産生株は ,E. coli において 4 株(3.1%),C.
相関図を示したが,MEPMのMICが1管以上低かっ
koseri において 2 株(8.0%), K. pneumoniae において
た菌株は ,IPM で 68.3%(209 株 /306 株),PAPM
3 株(2.5%), E. cloacae において 2 株(2.5%), S.
で 91.2%(279 株 /306 株),BIPM で 40.5%(124 株 /
marcescens において 1 株 (0.9%), P. mirabilis におい
306 株)に認められた。
て 2 株 (2.2%) に ,それぞれ認められた。検出され
④ 菌株背景要因の感受性に及ぼす影響
た ESBL のサブグループは ,CTX-M-2 グループが
表 43 に ,P. aeruginosa の MEPM 及び CPFX に対
7 株 ,TEM- 型が 3 株 ,CTX-M-3 型が 2 株 ,CTX-
する薬剤感受性に及ぼす菌株背景要因の影響につ
M-9 型および SHV- 型が 1 株であった。また ,材料
いて,耐性率を指標として検討した結果を示した。
別では尿由来株が 7 株で半数を占めた。
MEPM の耐性率に有意差が認められた要因は「入
(2) メタロ -b - ラクタマーゼ産生株(表 46)
院・外来」であり,入院由来の株で外来由来の株に
メタロ-b -ラクタマーゼ産生株は,P. aeruginosa
比較して耐性率が高かった。一方,CPFXで耐性率
において 5 株 (1.6%) に認められた。その他の菌種
に有意差が認められた要因は「分離材料」であり,
においては認められなかった。検出されたメタロ-
尿由来の株で耐性率が高かった。
b -ラクタマーゼのサブグループは,いずれもIMP-
(2) H. influenzae
1型であった。また,材料別では2株が尿由来株で
① 肺炎に対するブレイクポイントに基づく感
あり ,最も多かった。
受性評価
H. influenzae は S. pneumoniae とならび市中肺炎
6. MEPM 感受性の 2002 年時の成績との比較
の主要起因菌として知られている。表44に,肺炎
今回の成績を,2002年分離株を対象として実施
の主要起因菌のカルバペネム系 4 薬剤に対する感
した前回調査時の MEPM 感受性の成績 1)を引用し
受性率を ,日本化学療法学会が規定した肺炎に対
てMIC50, MIC90で比較して図3に示した。前回調査
12)
するブレイクポイント を指標として算出した結
時の成績に比較して ,MEPM の MIC90 が 2 管以上
果を示す。BLNARの感受性率は,MEPMは100%
上昇した菌種は Peptostreptococcus
であったのに対し ,IPM は 83.7%, PAPM は 87.2%,
m g/mlÆ1 m g/ml)のみであった。
spp.
(0.25
BIPMは16.3%であった。また,MEPMは,肺炎の
主要起因菌全般に対して良好な抗菌力を示した。
III. 考察
② MEPM と他のカルバペネム系薬との MIC
相関
今回われわれは,2004年に全国の30医療機関で
図2には,MEPMと他のカルバペネム系薬のMIC
各種臨床材料から分離されたグラム陰性菌 1790
相関図を示したが,MEPMのMICが1管以上低かっ
株 ,グラム陽性菌 907 株 ,嫌気性菌 192 株 ,計 2889
Dec.
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図 1.
THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 58—6
Pseudomonas aeruginosa に対する
MEPM と他のカルバペネム系薬間の
MIC 相関
図 2.
681(193)
Haemophilus influenzae に対する
MEPM と他のカルバペネム系薬間の
MIC 相関
ESBL 産生腸内細菌科の背景因子と薬剤感受性
表 46. メタロ -b - ラクタマーゼ産生グラム陰性菌の背景因子と薬剤感受性
表 45.
682(194)
THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 58—6
Dec.
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THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 58—6
図 3.
MEPM に対する MIC-range, MIC50, MIC90 の年次推移
683(195)
684(196)
THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 58—6
Dec.
2005
株について,MEPM及び他のカルバペネム系薬を
の状況を反映した結果であると考えられた。現時
中心とした注射用抗菌薬に対する薬剤感受性を調
点でのメタロ -b - ラクタマーゼ産生株の分離頻度
査し,2002年のサーベイランスで得られた結果と
は低率であったが ,本酵素産生株は多剤耐性傾向
比較し ,感受性動向の経年的な把握を目的として
を示すため,今後の動向には注目する必要がある。
検討を行った。
また,背景因子別の耐性率の検討において,CPFX
腸内細菌科において ,MEPM の MIC90 は ,今回
では尿路感染症由来株での耐性化が報告されてい
調査対象としたほとんど全ての菌種において他の
るが 13),本調査においても前回同様に尿由来株で
カルバペネム系薬に比較して 2⬃5 管優れており ,
耐性株が多数認められた。また,多剤耐性緑膿菌は
多くの菌種に対して供試薬剤の中で最も優れた抗
5 株 (1.6%) に認められたが ,前回調査時の成績
菌活性を示した。本結果は,前回調査時の成績およ
(3.6%)からの増加傾向は認められず,TSUJI らの報
び諸家の報告 13)とも一致した傾向であり ,本剤の
告(2.8%)19)とも大差ない結果であった。また,本調
特徴を反映した結果であると考えられた。一方で,
査の結果を ,菌種ごとに欧米で実施された感受性
第3・第4世代セフェム系薬においては耐性株が散
サーベイランス(MYSTIC: Meropenem Yearly Sus-
見された。今回の調査でESBL産生株は,E. coliで
ceptibility Test Information) の成績 20,21)と比較する
4 株(3.1%), C. koseri で 2 株 (8.0%), K. pneumoniae
と ,Acinetobacter spp. において顕著な差が認めら
で3株(2.5%), E. cloacaeで2株(2.5%), S. marcescens
れ ,欧米では本邦に比較して MIC90 が 2⬃5 管高値
で 1 株 (0.9%), P. mirabilis で 2 株(2.2%) に認められ
であった。今回の調査で検出された Acinetobacter
た。本結果は前回調査時の成績 (E. coli 3.1%, K.
spp. の MEPM 耐性株は 2 株 (1.7%)のみであり ,前
pneumoniae 1.9%), および既報 13⬃16)と大差なく ,本
回調査時からの増加傾向も認められていないが ,
邦での状況を反映した結果であると考えられた。
今後の動向には注意が必要と思われる。
なお ,現時点では ,これら ESBL 産生株における
その他のグラム陰性菌に対しても,MEPMは他
MEPM 耐性株は認められなかった。また CPFX 耐
のカルバペネム系薬に比較して低い MIC90 を示
性株が特に E. coli において高率(18.5%)に認めら
し,良好な抗菌活性を示した。H. influenzaeにおい
1)
れ ,前回調査時の成績(耐性率: 12.4%)と比較し
ては,BLNARの分離頻度は37.5%であり,後藤ら
ても上昇傾向にあり ,フルオロキノロン系薬に対
の報告 22)および WATANABE らの報告 23)ともほぼ同
する感受性の低下傾向が懸念された。
等の結果であった。MEPM は BLNAR を含む H.
ブドウ糖非発酵グラム陰性菌に対しては ,P.
influenzae の全菌株の発育を ,日本化学療法学会が
aeruginosaにおいて,MEPMはカルバペネム系4薬
規定した肺炎に対する臨床的ブレイクポイントで
剤の中では感受性率が最も高値であり,更にCPFX
ある2 m g/ml12) 以下で阻止した。一方で,MEPM以
耐性株および IPM 耐性株に対する交差耐性率も相
外のカルバペネム系薬では,MICが4 m g/ml以上の
対的に低値であった。MEPM は IPM に比較して
菌株が BLNAR を中心に認められており ,近年の
OprD の減少あるいは欠損による耐性化の影響を
BLNAR の増加傾向と相俟って ,H. influenzae に対
受けにくいことが影響したものと考えられる。ま
する抗菌力の更なる減弱化が懸念された。また ,
た,メタロ-b -ラクタマーゼ産生株が,本検討にお
BLNARの分離頻度に地域差が認められ,西日本の
いては P. aeruginosa で 5 株(1.6%) に認められた。
施設で分離頻度が高い傾向があった。今回の検討
これは J ONES らの報告17) (1.1%),
K IMURA らの報
では地域差の生じた原因を特定できなかったが ,
(1.9%) ともほぼ合致する結果であり ,本邦で
今後の検討課題としたい。また,N. gonorrhoeaeは,
告
18)
Dec.
2005
THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 58—6
685(197)
カルバペネム系薬には全株感受性であったが , ンの記載を裏付ける結果であった。また ,CLDM
CPFX 耐性株が高率(90.0%)に認められ ,前回調査
耐性株が ,前回調査での検討結果 1) と同様に B.
1)
時の成績(耐性率: 75.0%)
と比較しても上昇傾向
fragilis group, Prevotella spp. を中心に認められて
であり ,山口らの報告 24)と同様に耐性化の進行が
おり ,耐性菌増加による感受性の低下が危惧され
懸念された。
た。
グラム陽性菌に対して,MEPMをはじめとする
前回調査時の結果1)との比較について,収集菌株
カルバペネム系薬は,MRSA, MRSEといった本来
の材料別の内訳では ,今回呼吸器由来株が 35.7%,
感受性が期待できない菌種を除けば ,殆ど全ての
次いで尿由来株が 18.9% を占めており ,前回調査
菌種に対して良好な抗菌活性を示していた。また,
時の材料別構成と同様の傾向であった。また,今回
今回の収集菌株においては ,VCM-intermediate S.
得られた感受性成績を ,前回の成績 1)と比較する
aureus (VISA), VCM-resistant S. aureus (VRSA),
と ,MEPM の MIC90 が 2 管以上上昇した菌種は
VCM-resistant enterococci (VRE)に該当する菌株は
Peptostrepotococcus spp.のみであった。MEPMの本
検出されなかった。なお, VCMのMICが8 m g/mlを
菌種に対するMIC90 は1 m g/mlであり耐性株も求め
示した Enterococcus 属の 2 株(便由来 ,尿由来が各
られなかったことより ,現時点において臨床使用
1 株)は ,ともに本来 VCM に中等度耐性を示すこ
上の問題はないものと考えられた。
25)
とが知られている E. gallinarum であった。S.
以上より ,MEPM は上市後 9 年以上を経過した
pneumoniae においては ,PISP と PRSP の両者で全
時点においても ,臨床分離株の感受性に顕著な耐
体の 63.0% を占めたが ,MEPM をはじめとするカ
性化を認めず ,広域かつ強力な抗菌活性を保持し
ルバペネム系薬はいずれも全株の発育を 1 m g/ml
ていることを確認し,MEPMは依然として臨床的
以下で阻止していた。また,複雑性尿路感染症の主
に有用性の高いカルバペネム系薬であるとの結論
要起因菌でもある E. faecalis に対して MEPM の
を得た。
MIC90は16 m g/mlであったが,日本化学療法学会が
規定したブレイクポイント(複雑性膀胱炎: 32
26)
本論文の要旨は,第54回日本感染症学会東日本
m g/ml, 複雑性腎盂腎炎: 16 m g/ml) 以下で全菌株
地方会総会・第 52 回日本化学療法学会東日本支部
の発育を阻止しており十分な抗菌活性を示した。
総会 合同学会(平成 17 年 10 月・東京)において
嫌気性菌に対しては,MEPMをはじめとするカ
発表した。
ルバペネム系薬は ,調査対象菌種いずれに対して
もMIC90 は2 m g/ml以下であり良好な抗菌活性を示
謝辞
した。嫌気性菌は誤嚥性肺炎の主要起因菌として
本研究は大日本住友製薬株式会社の協力を得て
も知られており ,今後高齢化社会の進展に伴い臨
実施された。
床的な重要性も増していくことが予想される。第
3, 第4世代セフェム系薬,CPFXについては,呼吸
器学会が策定した院内肺炎診療ガイドラインでの
誤嚥性肺炎の empiric therapy には推奨されていな
い 27)。本調査においてこれら薬剤では高度耐性株
が散見され ,多くの菌種で MIC90 が肺炎に対する
ブレイクポイント12) を上回っており ,ガイドライ
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THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 58—6
687(199)
NATIONWIDE SURVEILLANCE OF PARENTERAL ANTIBIOTICS
CONTAINING MEROPENEM ACTIVITIES AGAINST
CLINICALLY ISOLATED STRAINS IN 2004
KEIZO YAMAGUCHI
Department of Microbiology and Infectious Diseases, Toho University School of Medicine
YOSHIKAZU ISHII and MORIHIRO IWATA*
MASAMI MURAKAMI and AYAKO TAKAHASHI*
Department of Microbiology and
Infectious Diseases,
Toho University School of Medicine
*Department of Laboratory Medicine,
Toho University Omori Medical Center
Department of Clinical Laboratory Medicine,
Gunma University Graduate School of Medicine
*Clinical Laboratory Center,
Gunma University Hospital
KOUICHI ITOH and TOMOKO OOHARA
NAOKI WATANABE and NOBUYUKI UEHARA
Department of Clinical Laboratory Medicine,
Division of Laboratory Diagnosis,
Sapporo Medical University School of Medicine
MINORU YASUJIMA and TAKESHI KASAI
Department of Laboratory Medicine,
Hirosaki University, School of Medicine
AKIRA SUWABE and KUMIKO YAMAHATA*
Department of Laboratory Medicine,
Iwate Medical University School of Medicine
*Department of Central Clinical Laboratories,
Iwate Medical University School of Medicine
MITSUO KAKU and KEIJI KANEMITSU
Department of Infection Control and
Laboratory Diagnostics,
Tohoku University Graduate School of Medicine
Clinical Laboratory Medicine,
Jichi Medical School
FUMIO NOMURA and MASAHARU WATANABE
Division of Laboratory Medicine,
Chiba University Hospital
HARUSHIGE KANNO and MASANORI AIHARA*
Department of Internal Medicine,
Takane Hospital
*Clinical Laboratory, Takane Hospital
SHIGEFUMI MAESAKI and GIICHI HASHIKITA*
Department of Infectious Disease & Infection
Control, Saitama Medical School
*Department of Laboratory Medicine,
Saitama Medical School
KAZUNORI MIYAKE and TOYOKO OGURI*
HIROSHI YOSHIDA and KYOUKO NISHIYAMA
Department of Clinical Laboratory Medicine and
Clinical Laboratories,
Fukushima Medical University
Department of Clinical Pathology,
Juntendo University School of Medicine
*Department of Clinical Laboratories,
Juntendo University Hospital
688(200)
THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 58—6
Dec.
2005
JUN OKADA and YOKO TAZAWA
MASARU KOMATSU
Clinical Laboratory, Kanto Medical Center,
NTT EC
Department of Clinical Pathology, Tenri Hospital
HIDEKI NAKASHIMA and HIROMU TAKEMURA
Clinical Laboratory, Kobe University Hospital
Department of Microbiology, St. Marianna
University School of Medicine
TOMOHIKO TAMINATO and KIYOSHI NEGAYAMA
MASAHIKO OKADA and SUGAKO KOBAYASHI
Department of Laboratory Medicine,
Kagawa University Hospital
SHOHIRO KINOSHITA
Clinical Laboratory Division,
Niigata University Medical and Dental Hospital
TOSHINOBU HORII
Department of Laboratory Medicine,
Hamamatsu University School of Medicine
HISASHI BABA
Department of Infectious Diseases,
Nagoya University School of Medicine
MITSUHARU MURASE and HITOSHI MIYAMOTO
Division of Medical Technology,
Ehime University Hospital
NOBUCHIKA KUSANO and EIICHIRO MIHARA
Department of Central Laboratory,
Okayama University Hospital
MASAYUKI KAMBE and HIDEYUKI ITAHA
Clinical Laboratory, Ogaki Municipal Hospital
Department of Clinical Laboratory Medicine,
Hiroshima University, Faculty of Medicine
NAOHISA FUJITA and TOSHIAKI KOMORI
JUNKO ONO and HISAE YOSHIMURA
Department of Clinical
and Laboratory Medicine,
Kyoto Prefectural University of Medicine
Central Clinical Laboratory,
Fukuoka University Hospital
SHIOMI ISHIGO
YOICHI HIRAKATA and JUNICHI MATSUDA
SATOSHI ICHIYAMA and SHIGETAKA MAEDA
Department of Clinical Laboratory Medicine,
Kyoto University Graduate School of Medicine
Department of Laboratory Medicine, Nagasaki
University School of Medicine and Dentistry
TETSUNORI SAIKAWA and KAZUFUMI HIRAMATSU
KIYOHARU YAMANAKA and YOKO MURATA
Division of Clinical Laboratory, Otemae Hospital
Clinical Laboratory Center,
Oita University Hospital
The antibacterial activity of meropenem (MEPM) and other parenteral antibiotics against clinical isolates of
907 strains of Gram-positive bacteria, 1790 strains of Gram-negative bacteria, and 192 strains of anaerobic
bacteria obtained from 30 medical institutions during 2004 was measured. The results were as follows;
1. MIC90 of MEPM for almost all of enterobacteriaceae and Haemophilus influenzae were 4-fold to 32-fold
lower than those of other carbapenems. MEPM was more active than other carbapenem antibiotics against
Dec.
2005
THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 58—6
689(201)
Gram-negative bacteria, especially against enterobacteriaceae and H. influenzae. MEPM were active against most
of the species tested in Gram-positive and anaerobic bacteria, except for multi-drug resistant strains including
methicillin-resistant Staphylococcus aureus.
2. As for Pseudomonas aeruginosa, imipenem (IPM) showed high cross-resistant rate againt meropenemresistant P. aeruginosa (87.9%). MEPM showed low cross-resistant rate both againt IPM-resistant P. aeruginosa
(49.2%) and ciprofloxacin-resistant P. aeruginosa (38.0%).
3. The proportion of extended-spectrum b -lactamase (ESBL) strains was 3.1% (4 strains) in Escherichia
coli, 8.0% (2 strains) in Citrobacter koseri, 2.5% (3 strains) in Klebsiella pneumoniae, 2.5% (2 strains) in
Enterobacter cloacae, 0.9% (1 strains) in Serratia marcescens, and 2.2% (2 strains) in Proteus mirabilis. The
proportion of metallo-b -lactamase strains was 1.6% (5 strains) in P. aeruginosa.
4. Of all species tested, Peptostreptococcus spp. was the only species, which MIC90 of MEPM was more
than 4-fold higher than that in our previous study using clinical isolates during 2002 (0.25 m g/mlÆ1 m g/ml).
Therefore, there is almost no siginificant decrease in susceptibility of clinical isolates to meropenem.
In conclusion, the results from this surveillance study suggest that MEPM retains its potent and broad antibacterial activity and therefore is a clinically useful carbapenem at present, 9 years after available for commercial
use.
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