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パソコン インタフェース 完全理解
パソコン インタフェース 完全理解 OS やアプリケーションソフトをインストールしたり、 各種データを 保存したりする HDD や SSD は、 パソコンにとって必要不可欠なパ ーツだ。今回はこうした内蔵ストレージのインタフェースを解説する。 第5回 Serial ATA 6Gbpsが普及期に入る 竹内 亮介=テクニカルライター 今回のポイント Serial ATA では、多数の信号線 1 HDD や SSD はSerial ATA が一般的に 2 Serial ATA 6Gbps 対応機器が増加 3 eSATA、mSATA など形状が異なる端子も を使ってデータの伝送を同時平行し て行う「パラレル式」から、少ない 信号線を使って逐次的に行う「シリ アル式」に変更。パラレル式では、 ハードディスク(HDD)や SSD の 秒まで高めた「Ultra ATA/66」規格 伝送経路の遅延と待ち時間が問題に ようなストレージデバイスを組み込 が策定された。ただ、従来まで使わ なっており、Ultra ATA/133 以上の まなければ、Windows を動作させ れてきた信号線が 40 本のケーブル 高速化は難しい状況だった。 ることはできないし、アプリケーシ ではそうした高速転送には対応でき しかし、シリアル化によってこう ョンソフトを利用して書類を作成す なくなった。 した問題は解消され、さらなる高速 ることもできない。今回は、パソコ そのため Ultra ATA/66 対応デバ 化へのめどがついた。 ンをパソコンとして利用するために イスでは、それぞれの信号線に対し 2001 年から 2002 年にかけての過 非常に重要な役割を担う内蔵ストレ て接地線を追加して 80ピンになった 渡期では、Serial ATA 端子とATA ージ用インタフェースを解説する。 新規格のケーブルが使われるように 端子の両方を備えるパソコンが多か 信号伝送がシリアル式に なった。 った。HDD はもちろん、光学ドライ HDD や光学ドライブを接続する ために使われてきたインタフェース の歴史を簡単に整理したのが図1だ。 現行の主流インタフェ ー スである 「Serial ATA」が普及する前に使わ れていたのは、 「ATA」と呼ばれる インタフェースだ。 ATA では、40 本もの信号線を利 用する幅広のケーブルを使って接続 する。1 つの ATA 端子には合計 2 台 までの機器が接続でき、一般的なパ ソコンではこの ATA 端子を 2 つ装 備していたので、合計で 4 台のスト レージが利用できる。 1998 年には、転送速度を 66MB / ●内蔵ストレージのインタフェースはSerial ATAで統一 規格名 ATA Serial ATA 1.0 Serial ATA 2.0 Serial ATA 3.0 規格策定 1989 年より 2001 年 2004 年 2009 年 信号コネクター 40 ピン 7ピン 7 ピン 7 ピン ケーブル長 18 インチ (457.2mm) 理論的な転送速度 33M ~ 133MB /秒 150MB /秒 300MB /秒 600MB /秒 電源コネクター 4 ピン 15 ピン 15 ピン 15 ピン 主な対応機器 HDD、 光学ドライブ HDD、 光学ドライブ HDD、SSD HDD、SSD 1m(eSATA では 1m(eSATA では 1m(eSATA では 2m) 2m) 2m) 図 1 内蔵ストレージを接続するインタフェースの特徴 と歴史を簡単に整理した。現在では HDD や SSD だけで なく、光学ドライブも Serial ATA インタフェース経由で 接続されている 図 2 Serial ATA 端子が普及する前に利用されていた ATA ケーブル。後から登場した Serial ATA との対比で Parallel ATA と呼ばれることもある。端子の幅が広く、大きい。最近 のマザーボードでこの端子を搭載するものはほとんどない 日経パソコン 2011.12.12 91