Comments
Description
Transcript
2. 総合行政情報システムの現状および課題
2. 総合行政情報システムの現状および課題 2.1. 現行システムの構成 (1) システム構成 総合行政情報システムは、ホストコンピュータを核として、市税総合や保険料収・滞 納支援、児童扶養手当、障害者支援費といった C/S 形態のシステム等で構成されている。 図表 2-1 印鑑登録 サーバ群 総合行政情報システム構成図 税サーバ群 ホストシステム 税地図情報 住民情報系(A系) 印鑑登録 【市民課サーバ室】 外国人登録 サーバ群 外国人登録 【市民課サーバ室】 戸籍サーバ群 市税基本 住民記録 法人市民税 児童手当 印鑑登録 固定資産税 児童扶養 手当 市民税課税 支援 外国人 登録 特別土地 保有税 母子医療 事務 戸籍情報 総合 市税収・滞納 支援 税収納管理 諸税収納 母子寡婦福 祉資金貸付 固定資産税 異動管理 戸籍情報GW 行政基本 戸籍情報総合 市税基本 国民健康 保険 乳児医療 (乳幼児医療) 【市民課サーバ室】 軽自動車 税 介護保険 乳児医療 (重心医療) 障害者支援費 サーバ群 障害者支援費 【情報政策課 マシン室】 国民年金 諸税管理 (事業所・ たばこ・ 入湯) 保育所管理 保険料収・ 滞納支援 保険料収納 支援サーバ群 市・県民税 保険料収・ 滞納支援 市税収・ 滞納支援 後期高齢者 医療 介護認定 審査会 住基ネットサーバ群 住基ネットGW 住民基本 台帳ネット ワーク 【情報政策課 マシン室】 後期高齢サーバ群 選挙事務 後期高齢者医療 【情報政策課 マシン室】 バックアップ・開発系(B系) 開発環境 バックアップ系(C系) 住民記録バックアップ 【市税サーバ室】 学校教育 老人福祉 事務 市税総合バックアップ 固定資産税 家屋評価 生活保護 【情報政策課 マシン室】 介護保険 サーバ群 税ファイリング 印鑑登録バックアップ 【保健福祉センター】 【情報政策課 マシン室】 4 熊本県 後期高齢 者医療 広域連合 システム 総合福祉サーバ群 児童扶養手当 保健福祉 総合連携 【情報政策課 マシン室】 保健福祉総 合システム ネットワーク (HAWネット) (2) ネットワーク環境 全庁的ネットワークとして、総合行政情報システムとCネットのネットワークがある。 総合行政情報システムは、関連する部局のみに限定されるが、Cネットは職員が執務 する場所を全てカバーしている。 この他に、部局システムの情報ネットワークとして、地域教育情報ネットワーク、保 健福祉総合システムネットワーク(HAWネット)、市立図書館ネットワーク等が個別に 運営されている。 Cネットは、電子自治体基盤としての性格より、LGWAN、電子申請、電子メール に必要なインターネットとも接続している。 一方、総合情報システムネットワークは、市民の個人情報を扱うことから、保健福祉 総合システム、住民基本台帳ネットワーク、熊本県後期高齢者医療広域連合システムに 限定した接続としており、総合情報システムネットワークとCネットは、相互接続は行 っていない。 (3) 業務システムの機能概要 総合行政情報システムを構成する各業務システムの機能概要を示す。 図表 2-2 # 各業務システムの機能概要 システム名称 大分類 システム機能概要 小分類 1 ホ ス ト シ ス 住民記録 テム 住民基本台帳に関する事務である、転出入や転居等、異動事 由に関すること及び、住民票、記載事項証明等証明書発行業 務の全般をシステム化している。 2 行政基本 住所、氏名といった宛名情報に加え、納付支払方法や送付先 といった各業務で共有すべき情報を一元管理しているシス テムである。 3 印鑑登録 印鑑登録に関する登録番号取得から印影登録、変更、廃止に 関する異動事務及び、印鑑登録証明書等証明書発行業務の事 務処理全般をシステム化している。 4 国民健康保険 被保険者証発行等資格異動処理から保険料の賦課調定・収 納・還付及び給付事務といった一連の国民健康保険事務をシ ステム化している。 5 乳児医療 乳幼児医療費助成及び重度障害者(児)医療費助成事業の受 給者証発行から医療費助成まで一連の事務プロセスをシス テム化している。 6 国民年金 年金の免除申請・異動情報の処理、統計、資格喪失の処理等 のシステムである。 5 # システム名称 大分類 システム機能概要 小分類 7 学校教育 小・中学校の入学予定者や成人式対象者の抽出、就園奨励費 申請者の所得情報の取得処理等を行っている。 8 選挙事務 農業委員・海区委員選挙におけるバッチ処理及び通常選挙 (定時登録含む)における入場券発行・選挙人名簿作成、期 日前投票等一連の事務をシステム化している。 9 市・県民税 市県民税(特別徴収含む)当初賦課調定業務や月例更正にお ける一連の課税処理及び所得証明書等発行業務の事務処理 全般をシステム化している。 10 法人市民税 法人市民税における申告書発送から調定に至る一連の課税 事務、および収納消込、督促催告、決算、還付といった収納 事務をシステム化している。 11 軽自動車税 軽自動車の登録、異動、廃車といった一連の管理事務ならび に軽自動車税の当初賦課調定業務にかかる事務処理全般を システム化している。 12 固定資産税 固定資産税(都市計画税含む)当初賦課調定業務や月例更正 における一連の課税処理(土地・家屋・償却資産)及び資産 証明書等発行業務の事務処理全般をシステム化している。 13 税収納管理 市税の収納消込、還付・充当処理から滞納整理に至るまでの 一連の収滞納管理及び納税証明発行業務の事務処理全般を システム化している。 14 生活保護 申請登録から各種認定(収入、医療、介護等)、決定伺い、 決裁に至る生活保護受給決定にかかる一連の処理、および証 明書発行、金券発行等の事務をシステム化している。 15 保育所管理 保育所への入所管理、異動管理、保育料収納、保育所への運 営費支払い等をシステム化している。 16 障害福祉事務 主たる業務であった、身体障害者手帳発行及びそれに付随す る各種福祉事業(更生医療、補装具、特別障害者手当等)の 処理を保健福祉総合システム(HAWネット)に移行し、現 在では保健福祉総合システムや障害者支援 C/S への一部デー タ提供やさくらカード交付に関する処理等を行っている。 17 老人福祉事務 入所者管理、入所費用調定、納付書発行、収納消込、督促催 告といった入所施設にかかる一連の処理、その他敬老祝品事 業およびさくらカード事業をシステム化している。 18 母子医療事務 母子医療の受給資格管理、異動及び、医療費の支払い(償還・ 現物)処理をシステム化している。 19 児童手当 児童手当受給者への手当支給処理、異動管理をシステム化し ている。 児童扶養手当 ホストより課税情報等を取得し、児童扶養手当に係る認定・ 支給・現況届けといった一連の事務プロセスをシステム化し ている。(主は、C/S 処理である。) 6 # システム名称 大分類 システム機能概要 小分類 20 特別土地保有 特別土地保有税(申告課税)に関する、物件、申告義務者等 税 の情報の管理、及び物件の取得、保有、猶予、免除、更正等 の一連の事務処理をシステム化している。 21 母子寡婦福祉 母子寡婦福祉貸付の収納・送金・償還状況管理、統計情報の 資金貸付 抽出を行うシステムである。 22 介護保険 23 住居表示証明 住居表示整備事業の実施に伴い、変更対象となった地域対象 書発行 者への証明書発行に関する業務をシステム化している。 24 諸税管理(事 事業所税、市たばこ税、入湯税の申告対象者や申告内容等を 業 所 ・ た ば 管理し、申告書発送から調定に至るまでの一連の事務処理を こ・入湯) システム化している。 25 諸税収納 事業所税、市たばこ税、入湯税、特別土地保有税各税の収納 消込、督促催告、決算、還付、行政処分異動処理といった諸 税に関わる収納管理事務プロセスをシステム化している。 26 市 税 総 合 市税基本 C/S ホストの住基情報とリアルタイムに連携し、納税者の基本情 報を管理している。税務部内の情報の共有化を図り、宛名情 報の登録や各税業務支援システム等に情報を配信する役割 も果たしている。 被保険者証発行等資格異動処理から保険料の賦課調定・収 納・還付及び給付事務といった一連の介護保険事務をシステ ム化している。 27 市税収・滞納 ホストからの収滞納情報を受け、納税者との折衝記録や分割 支援 納付管理、さらに滞納者の処分(差押等)に関する一連の事 務処理をシステム化している。 28 市民税課税支 課税資料をイメージ管理するファイリングシステムと、課税 援 資料の合算業務を行なう合算支援システムからなり、ホスト を含めたそれぞれが相互に連携し、個人住民税の課税業務を 正確かつ効率的に行うことを実現するシステムである。 29 固定資産税家 固定資産税評価基準に基づいた構造・種類別の評点数を管理 屋評価 し、間取り図の作成や使用資材等を選択することで総評点数 や評価額を算出するシステムである。 30 固定資産税異 ホストや市税基本、税務地図、家屋評価システムと相互に連 動管理 携し、課税資料をもとに土地、家屋、共用土地、償却資産の 異動処理を行い、固定資産税の当初課税業務を正確に行うた めの支援システムである。 31 税務地図情報 固定資産の現況確認や実地調査を支援し、土地評価上必要な (固定資産税 路線価や各種補正情報の取得や住宅用地の特例適用状況の 固定地図サー 確認等に活用できるシステムである。 バ) 32 税ファイリン 税務部内における資料の共有化を図るため、納税者等から提 グ 出された申告書や届出書などの課税資料等を電子化し、管理 するシステムである。 7 # システム名称 大分類 33 外国人登録 システム機能概要 小分類 外国人登録 34 戸 籍 情 報 総 戸籍情報 合 外国人登録法に関する事務である外国人の入国や出生、日本 国籍喪失や、その他変更等異動事由に関すること及び、登録 原票記載事項証明書等証明発行業務の全般をシステム化し ている。 戸籍法に関する事務である出生、死亡、婚姻、離婚等戸籍届 出に関する届書の審査から新戸籍の編製等や、戸籍謄本等の 各種証明書発行業務全般をシステム化している。また、電算 化前の除籍や改正原戸籍をイメージとしてシステム上に保 有している。 35 保 険 料 収 納 保険料収・滞 ホストからの収滞納情報を受け、モバイル端末等も利用し滞 支援 C/S 納支援 納者に対する納付指導や折衝記録の管理及び送付物の管理、 また納付書発行等一連の収納事務をシステム化している。 36 障 害 者 支 援 障害者支援費 C/S 障害者自立支援法における介護給付および訓練等給付(旧障 害者支援費)にかかる受給者管理、支給管理、施設管理等の 一連の処理をシステム化している。また、認定審査会の開催 にかかる事務処理をシステム化し本体のシステムと連携し ている。 37 後 期 高 齢 者 後期高齢者医 被保険者証発行等資格異動処理から保険料の賦課調定・収 医療 C/S 療 納・還付及び給付事務といった一連の後期高齢者医療保険事 務をシステム化している。 38 保 健 福 祉 総 保健福祉総合 別ネットワーク(HAWネット)上にある保健福祉総合シス 合連携 連携 テムと連携するためのゲートウェイサーバとして、ファイル 連携する仕組みをシステム機能として提供している。 (4) 業務システム間データ連携 総合行政情報システムにおける業務システム間のデータ連携に関して、次の2点の特 徴がある。 ・ 同種業務においてシステム間データ連携が密になっており、特に住民情報系お よび税系において顕著で、即時連携(リアルタイム連携)も多い ・ 住民記録、行政基本、市・県民税の業務情報については、他種業務からの参照 も多い 8 図表 2-3 総合行政情報システムにおける業務システム間のデータ連携関連図 更新 = 更新(即時) = 参照 = 更新&参照 = ○ ◎ × ■ 住民情報系 システム分類 連携先 業務名 住 民 記 録 システ ム分類 連携元 業務名 外 国 人 登 録 住民記録 印 鑑 登 録 住 居 表 示 証 明 発 行 学 校 教 育 ◎○ 外国人登録 ◎ 住民情 印鑑登録 報系 住居表示証明発行 × 保険料系 税務系 戸 籍 情 報 行 政 基 本 軽 自 動 車 税 市 税 基 本 諸 税 管 理 ( 事 業 所 ・ た ば こ ・ 入 湯 ) 税 フ ァ イ リ ン グ 市 ・ 県 民 税 法 人 市 民 税 市 民 税 課 税 支 援 固 定 資 産 税 特 別 土 地 保 有 税 固 定 資 産 税 家 屋 評 価 税 務 地 図 情 報 固 定 資 産 税 異 動 管 理 税 収 納 管 理 市 税 収 ・ 滞 納 支 援 諸 税 収 納 国 民 健 康 保 険 保 険 料 収 ・ 滞 納 支 援 後 期 高 齢 者 医 療 介 護 保 険 ◎◎ ◎ ○○◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 福祉系 国 民 年 金 保 健 福 祉 総 合 連 携 児 童 手 当 母 子 医 療 事 務 母 子 寡 婦 福 祉 資 金 貸 付 乳 児 医 療 ◎○ 障 害 者 支 援 費 対象外 個別 保 育 所 管 理 生 活 保 護 老 人 福 祉 事 務 障 害 福 祉 事 務 ○ 選 挙 事 務 共 通 ・ 口 座 下 水 道 総 合 ○ 市 営 住 宅 老 人 医 療 更 保 更 新 健 新 数 ・ 更( 参& 福 新即照参 祉 数時数照 総 ) 数 合 数 合 計 ○ ◎ 0 0 1 1 2 0 0 6 × 0 0 1 1 戸籍情報 ◎ 0 2 0 2 0 1 0 1 2 1 1 4 2 5 5 12 1 1 0 2 0 0 0 0 11 1 0 12 1 1 0 1 0 1 2 5 1 0 6 1 1 0 2 1 0 0 1 0 0 0 0 1 1 0 2 1 1 0 2 2 0 0 2 0 1 0 1 4 1 5 10 行政基本 ◎ 軽自動車税 ◎ ◎◎ ○ ×○×◎ ◎× ○ ○ × ◎ × ○ 税ファイリング 市・県民税 ◎ 法人市民税 ◎ 市民税課税支援 × 固定資産税 ◎ 特別土地保有税 ◎ ○ ○ ○ ○○ ○ ○○○ ○ ○ ○ ○ ○ ○○ ○ ○ ○ 固定資産税家屋評価 ○ 税務地図情報 固定資産税異動管理 ○ 税収納管理 ◎ ○ 市税収・滞納支援 ○ 諸税収納 国民健康保険 ○ ◎ × × × ○ 保険料収・滞納支援 保険料 後期高齢者医療 系 介護保険 ■ ○ ○ 国民年金 × 保健福祉総合連携 × × × ◎ ○ ○ ○ × × 2 0 0 0 ○ 2 0 0 2 ○ 4 1 0 5 0 1 4 5 3 1 1 5 1 1 2 4 ◎ ○ ○ ◎ × × ○ 母子医療事務 × × ○ 1 0 2 3 ○ 1 0 0 1 ○ 1 0 3 4 0 0 0 0 2 0 4 6 3 0 1 4 0 0 1 1 0 0 3 3 2 0 0 2 10 0 0 10 ○ 1 0 1 2 ○ 1 0 0 1 0 0 2 2 1 0 0 1 乳児医療 × × × ◎ 0 児童手当 母子寡婦福祉資金貸付 個別 0 14 6 学校教育 諸税管理(事業所・たばこ・入湯) 福祉系 7 0 0 市税基本 税務系 7 障害者支援費 保育所管理 × 生活保護 × 老人福祉事務 × 障害福祉事務 × 選挙事務 ○ × ○ ○ 下水道総合 対象外 市営住宅 ○ × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○○ ○ ○○ × 老人医療 × 保健・福祉総合 × 被更新(即時)数 × ×× 共通・口座 被更新数 ○ 1 × ○ 0 0 1 0 0 0 1 0 0 2 2 0 1 3 0 1 1 1 8 0 1 1 3 4 4 0 11 1 0 0 0 5 2 2 0 1 2 10 1 3 0 0 3 0 3 0 0 2 3 1 12 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0 2 0 0 0 0 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 1 被参照数 12 0 0 0 0 0 7 1 1 1 0 7 0 0 0 1 0 0 0 1 0 1 2 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 0 合計 16 0 3 1 0 2 10 3 13 1 2 9 1 1 4 1 1 1 1 9 0 2 3 3 4 8 0 13 1 0 0 0 5 2 6 0 2 2 10 1 3 1 1 9 (5) 業務グループでのシステム分類 業務システムにおけるデータ連携密度および業務主管部門の所属部局を基本に、以下 の5つの業務グループからなるシステム群に分類できる。 ・住民情報系システム ・税務系システム ・保険料系システム ・福祉系システム ・個別システム (ア)住民情報系システム 住民情報系システムは、戸籍や住民票、外国人登録、印鑑登録等の情報を管理してお り、窓口サービスにも直結する業務であるため、高い信頼性と可用性が求められるのが 特徴である。また、住民記録情報を利用する学校教育も住民情報系システムに含めるこ ととする。 導入形態として、後から導入した外国人登録および戸籍情報総合は、パッケージを活 用して、一部 C/S 形態を採用しているが、データ管理および処理については汎用機にて 実施している。 図表 2-4 業務システム 基盤 住民情報系システム一覧 導入形態 業務主管部門 利用職員 端末(台) (人) 住民記録 汎用機 独自開発 市民課 102 217 印鑑登録 汎用機 独自開発 市民課 102 217 住居表示証明発行 汎用機 独自開発 地籍調査課 ― ― パッケージ 市民課 7 15 パッケージ 市民課 102 217 独自開発 学務課 1 9 保育幼稚園課 4 3 ― ― 外国人登録 汎用機、 C/S 戸籍情報総合 汎用機、 C/S 学校教育 汎用機 生涯学習課 10 (イ)税務系システム 税務系システムは、市税に関する課税、収入消込、未納管理等の一連の事務を管理し ており、賦課計算といった複雑な計算処理を一時期に大量に実施する必要があり、高い 信頼性の他、大量一括処理への性能も要求される。 導入形態として、賦課計算部分や横断的に情報を管理する市税基本は独自開発となっ ているが、市税収滞納支援や税ファイリング、税地図情報はパッケージを活用している。 図表 2-5 業務システム 基盤 税務系システム一覧 導入形態 業務主管部門 行政基本 汎用機 独自開発 (主税課) 軽自動車税 汎用機 独自開発 市税基本 C/S 税ファイリング C/S 利用職員 端末(台) (人) 576 ― 主税課 49 53 独自開発 主税課 196 204 パッケージ 主税課 196 204 諸税管理(たばこ) 汎用機 独自開発 主税課 9 3 諸税管理(事業 汎用機 独自開発 市民税課 3 3 市・県民税 汎用機 独自開発 市民税課 46 45 法人市民税 汎用機 独自開発 市民税課 75 66 パッケージ/ 市民税課 45 36 所・入湯) 市民税課税支援 C/S 独自開発 固定資産税 汎用機 独自開発 資産税課 78 73 特別土地保有税 汎用機 独自開発 資産税課 1 1 C/S パッケージ 資産税課 37 37 税地図情報 C/S パッケージ 資産税課 69 69 固定資産税異動管 C/S 独自開発 資産税課 78 73 汎用機 独自開発 納税課 75 66 パッケージ 納税課 75 66 独自開発 納税課 75 66 固定資産税家屋評 価 理 税収納管理 市税収滞納支援 諸税収納 C/S 汎用機 11 (ウ)保険料系システム 保険料系システムは、各種保険料や国民年金に関する賦課、収入消込、未納管理等の 一連の事務を管理しており、税務系システムと同様に賦課計算といった複雑な計算処理 を一時期に大量に実施する必要があり、高い信頼性の他、大量一括処理への性能も要求 される。 導入形態として、独自開発が主であるが、保険料収・滞納支援や近年導入の後期高齢 者医療はパッケージを利用したものとなっている。 図表 2-6 業務システム 保険料系システム一覧 利用職員 基盤 導入形態 業務主管部門 端末(台) 国民健康保険 汎用機 独自開発 国民健康保険課 14 36 保険料収・滞納支 C/S パッケージ 保険料収納課 44 ― 後期高齢者医療 C/S パッケージ 国民健康保険課 25 88 介護保険 汎用機 独自開発 高齢介護福祉課 31 142 国民年金 汎用機 独自開発 国民年金課 9 2 (人) 援 (エ)福祉系システム 福祉系システムは、手当等の支給に係る一連の処理を行っているものが多く、証明書 類等の確認に伴う結果入力や現況把握、支給計算が主である。 導入形態として、10 年以上前に導入したシステムは独自開発が占めているが、それよ り新しい児童扶養手当および障害者支援費は、パッケージを活用した C/S 形態のシステ ムとなっている。 なお、総合行政情報システム内以外の福祉系システムとして、保健福祉総合システム ネットワーク上の保健福祉総合システムがある。保健福祉総合システムは、平成 19 年度 に稼働した総合相談システムを中核とする福祉総合システムと、健康管理システムで構 成されるオープンな技術を用いたシステムであり、福祉総合システムで 12 業務システム、 健康管理システムで 2 業務システムが稼働している。総合行政情報システム上で稼働し ている福祉系システムと連携サーバ経由で、データ連携を行っている。 12 図表 2-7 福祉系システム一覧 基盤 保健福祉総合連携 GW サーバ 独自開発 健康福祉政策課 ― ― 老人福祉事務 汎用機 独自開発 高齢介護福祉課 ― ― 児童手当 汎用機 独自開発 子育て支援課 2 4 パッケージ 子育て支援課 4 8 (児童扶養手当) C/S 導入形態 業務主管部門 利用職員 業務システム 端末(台) (人) 母子医療事務 汎用機 独自開発 子育て支援課 4 8 母子寡婦福祉資金 汎用機 移管(県システ 子育て支援課 5 10 貸付 ム) 乳児医療(乳幼児 汎用機 独自開発 子育て支援課 3 7 汎用機 独自開発 障がい保健福祉課 6 3 障害福祉事務 汎用機 独自開発 障がい保健福祉課 ― ― 障害者支援費 C/S パッケージ 障がい保健福祉課 14 48 9 19 10 105 医療) 乳児医療(重心医 療) 保育所管理 汎用機 独自開発 保育幼稚園課 生活保護 汎用機 独自開発 保護第一課 (オ)個別システム その他のシステムとして、選挙事務のシステムが独自委託開発にて導入されている。 選挙事務は特に高い信頼性を求められ、不具合発生時には、社会への影響が多大であ る。 図表 2-8 業務システム 選挙事務 基盤 汎用機 個別システム一覧 導入形態 独自開発 業務主管部門 選挙管理委員会事 務局 13 端末(台) 利用職員 (人) 1 4 (26) (90) 2.2. 現行システムの運用保守体制 総合行政情報システムの運用・維持管理及び小規模な開発・改修は、情報政策課が所 管しており、ホストコンピュータの操作、システム維持管理及び小規模な開発・改修の 実作業部分は外部委託している。業務主管課は、オンライン端末及びプリンタの操作、 バッチ入力データ作成、出力帳票の裁断、製本、封入封緘等の後処理作業を行っている。 制度改正等によりアプリケーションの変更(システム改修)が必要となった場合には、 業務主管課は情報政策課と導入協議を行う必要がある。導入協議の結果、保守範囲内と 判断されたものは、常駐している維持管理業者で対応し、それ以外は、業務主管課が予 算化し改修を実施する。 図表 2-9 総合行政情報システムの運用保守体制 【 業務主管課】 【情報政策課】 ・総合行政情報システムの運用保守及び システム全体に関する開発経費の予算管理 ・総合行政情報システムの運用保守 ・入出力帳票の受け渡し ・バッチジョブ運用、管理 ・機器保守の管理 ・システム構成の管理 ・関連施設、設備の管理 ・アプリケーションの管理 ・データパンチ委託(情報政策課契約分) の管理 ・一定規模以上の業務システム開発及び 大量データパンチ経費の予算管理 ・業務システム開発時のアプリケーション 変更要求/仕様の決定、確認テストの実施 ・オンライン端末及びプリンタの操作及び管理 ・バッチジョブ運用スケジュール作成 ・バッチ入力データ作成 ・出力帳票の後処理 ・一定規模以上の業務システム開発 業務委託契約及び管理 ・大量データパンチ業務委託契約及び管理 【外部委託業者 】 ・総合行政情報システムの操作(汎用機の操作、ジョブ実行、バッチ帳票印刷及び稼動監視等 システムオペレーション全般、マシン室設置機器に使用する媒体及び消耗品の管理) ・総合行政情報システムの維持管理(システム構成変更やネットワーク運用保守等の共通技術 管理業務、業務システムの小規模な開発・改修を行うアプリケーション維持管理業務、一部の サーバシステムや年度替り処理等の運用、保守業務) 14 2.3. 現行業務・システムの現状と課題 (1) 経済性 (ア)運用保守経費 熊本市情報部門における情報システム経費の支出傾向を見た場合、総額では人口 50 万 以上都市平均(政令指定都市は除く)と人口 100 万未満の政令指定都市平均の間に位置 しており、人口規模から考えると妥当であると言える。支出割合としては、レンタル・ リース(保守料含む)が高く、また、回線使用料がやや高い一方で、委託費が低い傾向 が見られる。 図表 2-10 各都市での情報部門の経費傾向 50 万以上都市平均 費用(千円) 機器購入費 28,068 割合 2.1% 費用(千円) 0 ⇔ 割合 0.0% ⇔ レンタル・リ 757,746 55.9% 73,200 5.4% 50,697 3.7% 339,349 25.0% 安全対策費 2,969 各種研修費用 ース(保守料 政令指定都市 (100 万未満)平均 熊本市 費用(千円) ⇔ 割合 2,728 0.2% 960,507 59.3% 82,585 5.1% 48,707 3.0% ⇔ 1,010,822 64.8% 112,503 7.2% 51,258 3.3% ⇔ 298,737 19.2% ⇔ 398,613 24.6% 0.2% ⇔ 1,901 0.1% ⇔ 30,540 1.9% 2,517 0.2% ⇔ 3,605 0.2% ⇔ 3,416 0.2% 101,378 7.5% ⇔ 80,708 5.2% ⇔ 91,352 5.6% 含む) 回線使用料 派遣要員人件 費 委託費 その他 合計 ⇔ ⇔ 1,355,924 1,559,534 ⇔ ⇔ 1,618,449 総合行政情報システムとしては、運用経費においてハードウェア/ソフトウェアのレ ンタル・リース料(保守料を含む)の割合が高い。これは、汎用機に加えて数多くの付 帯サーバを有するといったシステム構成上の問題や随意契約の契約方法に起因すると推 察される。 15 図表 2-11 費目 システム維持経費 総合行政情報システムの経費(平成 21 年度) 費用1 割合 費目 (637,449 千円) (77.2%) 汎用機(ハードウェア) 192,753 千円 23.3% 汎用機(ソフトウェア) 85,049 千円 10.3% サーバ機(ハードウェア) 49,608 千円 6.0% サーバ機(ソフトウェア) 131,848 千円 16.0% 端末(ハード、ソフト) 125,486 千円 15.2% ネットワーク機器 24,666 千円 3.0% 封入封緘等後処理機器 15,120 千円 1.8% 回線使用料 12,919 千円 1.6% 委託経費 割合 レンタル・ ⇒ 75.7% リース(保 守料含む) ⇒ 1.6% 回線使用料 (188,076 千円) (22.8%) データパンチ委託 システムエンジニア委託 オペレータ委託 その他 合計 20,564 千円 2.5% 136,689 千円 16.6% 26,215 千円 3.2% 4,608 千円 0.6% ⇒ 派遣要員人 22.2% 件費、委託 費 825,525 千円 (イ)システム改修経費 システム改修費用2は、平成 17~18 年度および平成 21 年度においてはシステム運用経 費3の 15%程度となっており、割合としては一般的に妥当な範囲である。しかし、平成 19 年度には 40%、平成 20 年度には 57%と、システム改修経費が膨らむ傾向も見られる。 1 情報政策課アンケート票からの抜粋 情報政策課アンケート票からの抜粋 3 平成 17~20 年度;情報化事業概要 平成 20 年度(熊本市企画財政局企画情報部情報政 策課)、平成 21 年度;情報政策課アンケート票からの抜粋 2 16 図表 2-12 システム改修経費/運用経費の推移 ※システム運用経費には、図表2-11の回線使用料を含まず 千円 1,000,000 800,000 600,000 400,000 200,000 0 システム改修経費 システム運用経費 17年度 141,780 889,620 18年度 140,349 876,636 19年度 336,598 838,199 20年度 462,862 818,141 21年度 140,824 812,606 (ウ)経済性の観点から見出された状況 以上を整理すると、経済性の観点から見出された状況は、次のとおりとなる。 [事実] ・ 運用保守経費に占めるハードウェア/ソフトウェア経費の割合が高い ・ 近年、システム改修経費が膨らむ傾向にある (2) 効率性 (ア)汎用機の利用状況 汎用機は 3 台構成となっており、住民情報系本番環境(A系)、税証明・戸籍のバック アップ環境兼開発環境(B系)、本番バックアップ環境兼住民記録証明・印鑑登録証明環 境(C系)に分かれている。 リソース使用状況としては、長時間バッチ処理とオンライン処理が並行して実行され るピーク時において CPU 使用率は 100%となり、通常でも 62%となっているなど、適切 なリソース構成となっている。 17 図表 2-13 汎用機本番環境のリソース使用状況 CPU 使用率 通常 62% ピーク時 100% 1046.8GB ディスク総使用量 ページイン回数 通常 0 回/秒 ピーク時 1.5 回/秒 (イ)ツール利用状況および情報のシステム外管理 業務遂行にあたって、Access や Excel を利用して作成したツールを用いている業務が、 ヒアリング対象 37 業務中 20 業務あり、50%を超えている。このうち、職員作成のツー ルもあり、作成者の異動後は修正できない事態となっている。 Access や Excel 以外では、電子帳票管理ツールの List Works が複数業務で使用されて いた。 また、情報システム内のデータベースに取り込まれずに、紙や Access、Excel で管理 している情報も 37 業務中 23 業務で、60%以上となっている。情報の内容としては、滞 納整理に係る台帳の他、折衝記録や進捗状況管理も含まれており、データベース化し、 一元的に管理することで2次利用が可能となり、業務の利便性向上が期待される内容も 多く見られた。 (ウ)システムの利用時間 ホストシステムの利用時間は、開庁日の 8:30~17:15 が基本で、週に 2~3 日程度の延 長可能な日を設けて、事前申請により 19:00 まで利用可能となっている。 業務主管課からは、閉庁日を含めてのシステム利用時間の拡大を望む声が多い。繁忙 期には通常勤務時間には窓口対応に追われ、時間外にシステム入力が必要な業務が複数 あった。また、市民からの夜間対応の要望にも柔軟に応えられないとの指摘もある。 市税総合 C/S のシステムでは、ホストシステムの制約を受けないものの、夜間・休日 の運用面の問題から 8:00~21:00 の利用時間に限られており、運用の自動化および運用体 制の確立が課題となっている。 18 図表 2-14 情報システムの利用時間 システム名 開始時間 終了時間 ホストシステム 8:30 17:15 備考 ・開庁日のみ ・申請により、19:00 まで利用 延長可能(延長可能な日は、 週に通常 2~3 度) ※夜間バッチ実行のため、利 用時間に制約あり ホストバックア 10:00 19:30 ・閉庁日を含めて稼動 ップ系(住記・ ・サービスコーナーでの証明 印鑑・戸籍証明 書発行が可能 書発行) 市税総合 C/S 8:00 21:00 ・開庁日のみ ・税ファイリングシステムは、 0:00 まで稼動 8:30 20:00 8:00 20:00 障害者支援 C/S 4:00 1:00 戸籍情報総合 8:30 17:15 保健福祉総合連 6:00 5:30 保険料収納支援 C/S 児童扶養手当 C/S 携 (エ)システム機能 システム機能面については、一部で機能改善要望も見られたが、独自開発で長年に亘 り使用しているシステムも多く、基本的な機能に関しては高い満足度が得られていると 判断できる。 また、システム構成上、税関連の証明書発行機能が集約されており、窓口では住民記 録関連の証明書発行も併せて行うことで、市民センターにおいては証明書発行の総合窓 口化が実現され、住民サービスの向上に繋がっている。 (オ)業務の役割分担 税および保険料において、それぞれ組織構成上、滞納整理業務の統合がなされており、 19 システム的にも後期高齢者医療を除き一元管理されている。税、保険料、保育料等を統 合した滞納整理業務の実現により、更に業務効率化を図ることが期待される。 (カ)効率性の観点から見出された状況 以上を整理すると、効率性の観点から見出された状況は、次のとおりとなる。 [事実] ・ ハードウェアリソースが適切に管理されている ・ 職員作成ツールの管理方法が確立されていない ・ 証明書発行機能が集約されている ・ 滞納整理において部内で業務の一元化がなされている [評価] ・ 情報のデータベース化・一元管理が十分ではない ・ システム利用時間の拡大が必要である ・ システム運用の自動化および運用体制について検討が必要である ・ 現行システムにおいて、基本機能は充実している (3) 保守性・拡張性 (ア)ドキュメント整備状況 システム関連資料については、一通り作成されている。整備状況としては、データベ ース設計書やシステム構成図、ハードウェアおよびソフトウェア構成資料、ネットワー ク構成図といった情報システム部門での利用頻度の高い資料は、最新状態に都度更新さ れているが、機能面や業務面を管理する資料は更新が滞っている。 図表 2-15 ドキュメントの整備状況 整備状況 ドキュメント名称 最新状態 未更新 1 要求定義書 ■ 2 システム基本計画書 ■ 3 機能仕様書 ■ 4 外部連携仕様書 ■ 5 データベース設計書 6 操作マニュアル ■ 7 事務処理の流れ図(フロー図) ■ 8 システム構成図 ■ 9 ハードウェア構成資料 ■ ■ 20 整備状況 ドキュメント名称 最新状態 10 ソフトウェア構成資料 ■ 11 ネットワーク構成図 ■ 未更新 (イ)運用保守体制 総合行政情報システムの運用保守は、オペレーションおよびデータ入力業務を除くシ ステム運用保守の主たる作業を、シングルベンダーにて担っている。この体制は、責任 が明確であり、システム全体の信頼性向上につながる他、システム間連携に係る障害対 応等において市側の調整負担が軽減されるなど、作業品質や効率化の面で一定の評価が できる。 図表 2-16 総合行政情報システムの運用保守体制 作業内容 委託業者 契約形態 1 システム維持管理 富士通(株) 随意契約 2 オペレーション業務 (株)RKK コンピューターサービス 一般競争入札 3 データ入力業務 (株)RKK コンピューターサービス 一般競争入札 また、運用保守における統制(ガバナンス)としては、システム利用時間やシステム 改修内容の把握、システム間連携への影響確認など情報政策課職員が調整役を果たして いる。 (ウ)システム改修 各業務において、制度改正や業務効率化のために度重なるシステム改修が行われてお り、当初稼動から 20 年以上の年月を経て、システム老朽化に伴う様々な問題が発生して いる。 ・機能仕様のブラックボックス化により、必要な改修ができない ・改修の度に、多方面に影響や不具合が発生する ・解消されないシステム不具合がある ・外字の新規追加登録がシステム上、限界に達している なお、今後予定されている制度改正も多く、大規模なシステム改修につながる可能性 が高い。 21 図表 2-17 制度改正の概要 制度改正の予定 改正時期 影響を受けるシステム 間接的に影響を受 けるシステム 1 児童手当の廃止/子ど 平成 22 年 6 月 ・児童手当 保護等 5 業務 も手当の新設 2 国税連携対応の開始 ・住民記録、生活 平成 23 年 1 月 ・市・県民税 ・介護保険、国民 年金等 18 業務 3 生活保護業務データシ 平成 23 年 4 月 ・生活保護 民記録等 10 業務 ステムの稼動 4 電子レセプトのオンラ 平成 23 年 4 月 ・生活保護 住民基本台帳法の改正 平成 24 年 7 月 (外国人住民への適用) 6 ・市・県民税、住 民記録等 10 業務 イン受領 5 ・市・県民税、住 後期高齢者医療保険制 平成 25 年 4 月 度の廃止 ・住民記録 ・印鑑登録、選挙 ・外国人登録 事務等 27 業務 ・後期高齢者医療 ・国民年金、国民 (・乳児医療) 健康保険等 13 業 務 7 障害者自立支援法の廃 未定 ・障害者支援費 ・住民記録、介護 保険等 5 業務 止 (エ)業務上の問題点 業務特有の新システム構築へ向けての要望・問題点を挙げる。 図表 2-18 新システム構築へ向けた業務上の要望・問題点 住民情報系システム ・平成 24 年度の住民基本台帳法改正に併せて、新システムを導入しな いと、現行システム改修との重複投資になりかねない ・住民記録との連携により、学齢簿整理をシステム管理したい 住民記録、 外国人登録 学校教育 税務系システム ・現行システムでは年度単位でデータ管理を行っていないため、異動や 軽自動車税 更正の入力できる時期に制約がある ・新システム導入にあたり、過年度情報の引継ぎ等の問題から翌年度課 税への影響が懸念される 市・県民税、 固定資産税 ・休日窓口徴収時に、平日と変わらない情報を参照したい 22 税収納管理 ・簡易なマスタ変更や帳票レイアウト(固定文字)の変更は、職員にて 実施できるようにして欲しい 市税基本、 市税収滞納 支援 ・コンビニ収納は税で先行対応したが、マルチペイメントネットワーク ― については、主導する所属が存在しない状態で、検討が進んでいない ・パッケージ利用のため、機能改善要望のカスタマイズができておらず、 税地図情報 新システムでは柔軟な対応を希望する 保険料系システム ・Access や Excel を使用したデータ管理や帳票作成が多く、システム 機能化が必要 国民健康保 険 ・現在、後期高齢者医療とはシステム連携しておらず、管理する保険料 収納情報を一元管理したい 保険料収・滞 納支援 ・他市町村との業務の違いが少ないため、パッケージ活用も候補である 国民年金 ・マニュアルの整備やヘルプデスクの設置、テスト環境の準備などシス 介護保険 テム機能面以外でも充実させて欲しい 福祉系システム ・統計資料作成のため、十数年間のデータ保管を必要とする 児童手当 ・現行システムでは、受給者認定番号の桁不足が発生する可能性がある 児童手当 ・現在、情報がシステム・Excel・紙と複数にわたっているため、デー 保育所管理 タの一元管理を行いたい ・紙文書が多く、保管スペースも足りなくなっているので、電子化(台 生活保護 帳等のデータ化)を図りたい ・宛名ラベルの作成などでシステム内のデータが活用できるようにした 乳児医療 い ・保健福祉総合システムとデータ連携を行うファイルレイアウトは、変 更しないで欲しい 保健福祉総 合連携 個別システム ・複数の選挙が同時執行される場合や直接請求と重なった場合へ対応で 選挙事務 きるようにしたい (オ)保守性・拡張性の観点から見出された状況 以上を整理すると、保守性・拡張性の観点から見出された状況は、次のとおりとなる。 [事実] ・ 一部のドキュメントが更新されていない ・ システム老朽化に伴い、改修が困難になっている 23 ・ 住民基本台帳法の改正や後期高齢者医療保険制度の廃止が控えている [評価] ・ システム関連の調達において、競争性が確保されていない ・ 運用保守のシングルベンダー対応により、作業品質維持や効率化が図られてい る ・ 情報部門での調整により、システム内の統制が図られている (4) 安全性・信頼性 (ア)セキュリティ セキュリティ対策については、必要とされる殆どの項目で実施されており、問題の無 い状況と判断できる。 ただし、税ファイリングシステムではログイン機能が無いなど、セキュリティ強化が 必要な業務システムもあり、業務システムのセキュリティ基準を設けて、遵守させる必 要がある。 図表 2-19 セキュリティ対策の実施状況 セキュリティ対策実施項目 1 パスワードを設定し、定期的なパスワード変更を強制する 対策状況 実施 未実施 ■ 等、使用者の制限を行っている。 2 操作履歴(アクセスログ)を取得し、管理している。 ■ 3 利用者権限が設定され、機能単位に使用者を制限している。 ■ 4 離席や一定時間未使用の場合は、自動的にログアウトする ■ 仕組みとなっている。 5 業務システムの管理者権限は、特定の管理者以外は知り得 ■ ない状態で運用されている。 6 業務システムのハードディスク内のデータは、暗号化され ■ ている。 7 システム機器のリソース(CPU.メモリ、ディスク容量等) ■ は、常に監視・管理している。 8 セキュリティ対策ソフトを導入し、定期的に更新を行って ■ いる。 9 出力帳票は、施錠されているキャビネットにより管理され ■ ている。 10 データバックアップを日次等の高い頻度で実施している。 24 ■ (イ)障害発生状況 業務遂行に影響を与えるような、ハードウェア障害が発生しており、ハードウェア機 器の冗長化などの対策が必要である。監視不足や運用手順誤りによる重大障害や、シス テム構成の複雑化に伴うデータ連携の不具合も発生している。 ・ホストコンピュータと端末間のネットワーク機器の故障 ・データベースの空き容量不足による更新プログラムのダウン ・システム連携の不備(即時反映されないことがある) ただし、障害発生頻度は少なく、全体的には、現行システムは比較的安定して稼動し ていると判断できる。 (ウ)安全性・信頼性の観点から見出された状況 以上を整理すると、安全性・信頼性の観点から見出された状況は、次のとおりとなる。 [事実] ・ 一定程度の必要なセキュリティ対策は、行われている ・ システム構成の複雑化に伴うデータ連携障害が発生している [評価] ・ ハードウェア面での障害対策が必要である ・ 現行システムは、比較的安定して稼動している 25