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平成27年度定期監査等報告書(PDF 16KB)
平成27年度 定期監査等報告書 渋谷区監査委員 写 ○ 渋 監 発 第 2 0 号 平成27年10月6日 渋 谷 区 議 会 議 長 渋 谷 区 長 渋谷区教育委員会 殿 渋谷区選挙管理委員会 渋 谷 区 監 査 委 員 渋谷区監査委員 竹 田 穰 渋谷区監査委員 小 野 浩 道 渋谷区監査委員 岡 田 麻 理 平成27年度定期監査等の結果に関する報告について 地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第9項の規定に基づき、平成 27年度定期監査等の結果に関する報告を次のとおり提出する。 なお、平成27年5月20日までは古川斗記男前監査委員が関与し、同日からは 岡田麻理監査委員が関与した。 1 監査実施期間 平成27年4月13日(月)から同年9月25日(金)まで 2 監査対象箇所 (1)区組織規則に定める本庁の部課、本庁行政機関及び地方行政機関 (2)区会計管理室の組織に関する規則に定める会計管理室 (3)区議会事務局、選挙管理委員会事務局、監査委員事務局 (4)教育委員会事務局組織規則に定める部課及び室 (5)小学校、中学校、幼稚園、教育センター、図書館 (6)区組織規則に定める本庁の部課及び教育委員会事務局組織規則に定める 部課の所管する施設 (7)その他の施設 各施設内に設置されている災害用備蓄倉庫については、当該施設の監査 に併せて実施した。 3 監査対象事務 平成26年度に執行された区の財務に関する事務及びこれに関連する事務 の執行を対象とした。 なお、必要と認めるときは、他の年度にも調査を行った。 4 監査の基本方針 財務に関する事務及びこれに関連する事務の執行が適正かつ効率的に執行 されているか、組織及び運営の合理化が図られているかを主眼とし、実施に 当たっては、予算の適正な執行が確保されているか、財産の管理が的確にな されているかについて監査した。 また、新規事業及び従前の指摘事項に係る措置状況にも留意した。 5 監査の着眼点 渋谷区監査基準第22条の規定に基づく別項の「第一 財務事務監査の着 眼点」、「第四 行政監査の着眼点」によるものとし、その基本的事項を要約 して次のとおりとした。 (1)事務事業は予算に基づいて適正に執行されているか。 (2)収入の確保は適正に行われているか。 (3)区税、手数料等の収納金に係る事務は適正に行われているか。 (4)会計処理は適正になされているか。また、計数上の誤りはないか。 (5)契約事務は適正に行われているか。 1 (6) 財産、物品の取得、管理及び処分は適正に行われているか。 (7) 債権の管理は適正に行われているか。 (8) 事務処理は能率的、効率的に行われ、改善すべき点はないか。 (9) 事務の執行は法令等に従って適正に行われているか。 (10)従来の指摘事項に係る是正はなされているか。 なお、施設監査については、建物、工作物及びこれらに付属する設備、機 器について、管理上、使用上の安全性等が確保されているかを着眼点とした。 6 監査の結果 対象事務については、おおむね適正に執行されていると認められる。しか し、一部において是正を要する事例が見受けられたので、下記のとおり指摘 する。あわせて注意を要する事例について記載する。 (1)指摘事項 ア 要綱について (情報管理課、地域振興課、国民健康保険課、福祉部管理課、高齢者サー ビス課、介護保険課、生活衛生課、地域保健課、環境保全課、道路課、 学務課、スポーツ振興課) 本年度の事務執行の監査に当たっては、重点項目を「要綱について」と定 め、各所管における要綱589件について確認を行った。 要綱は、法令に基づく制度に関して、より細かな運用について規定するも の、行政実務上の処理の方法等を規定するもの、行政指導の指針を定めるも の、補助金等の交付を定めるもの、法定外の組織や職の設置を規定したもの など、行政内部の一般的な準則を定めているものである。要綱に基づき行わ れる事務は区民等に対して影響があることから、要綱が適正に制定され、適 時に改正が行われ、保管が適切に為されているかを着眼点と定めて監査を行 った。 監査の結果、要綱はおおむね適正に取り扱いがされていたが、組織名の未 変更、引用条文の誤り、定められた様式と齟齬が生じているものなど見直し が行われていない事例が見受けられた。 このことは、担当者や所属長が要綱についての認識が希薄だったこと、情 報の共有化が組織内において十分に行われていなかったことによるものであ る。よって、それぞれの要綱を定めている意義を再認識し、全庁的に適切な 事務処理がされるよう要望する。 2 イ 図書カードの進呈手続きについて (指導室) 平成25年度の定期監査において、指導室所管のスクール・アシスタント・ メンバーズ事業は、適切な執行がされていなかったため、今後は教育委員会 事務局で適正な管理を行うとの回答があった。しかしながら、今回の監査に おいても、適正な執行がなされておらず、活動した学生に進呈する図書カー ドを保管していた学校、幼稚園が多くあった。 平成25年度の文書聴取で所管部が回答されているように、図書カードの 進呈は、渋谷区として活動した学生に謝意を表するために進呈するものであ り、また、図書カードは指定消耗品、いわゆる金券と認識されている。それ ゆえ、本来であればすみやかに該当者に進呈しなければならず、やむを得な い場合に限り保管するものと考える。 各学校・幼稚園における事業執行が適正に実施されるためには、教育委員 会事務局は、事業の目的、事務取扱方法等を各学校等に明確に伝え、その執 行状況について、常に把握しなければならないと考える。教育委員会事務局 においては、このような責務を各部署において再度認識し、適正かつ厳正な 事務執行に努められるよう改めて要望する。 平成26年度分の対応、及び各学校・幼稚園との関係について是正を行っ た内容を報告されたい。 (2)注意を要する事例 上記指摘事項のほかに、当該所管課には定期監査の中で既に指導を行った が、注意を要する事例が複数の所属において見受けられたので、同様の事務 処理を行っている課における今後の参考として記載する。 ア 文書作成及び文書管理について ・ 「指定消耗品(郵券等)払出請求書兼受領書」、 「旅行命令簿」に記載漏れ や軽易な誤りがあった事例 ・事業者に対して書面の提出を求めて確認することになっているが、他の 方途で実施していた事例 ・他の機関や事業者より交付・提出された文書が所管で供覧されていない 事例 イ 学校契約事務について 渋谷区契約事務規則では、 「随意契約はなるべく2人以上から見積書を徴 3 さなければならない」と、競争による契約締結手続きの原則が規定されて いるにもかかわらず、1者指名見積りで随意契約した事例があったため、 契約の透明性、競争性の観点から、なるべく2者以上から見積りを徴取す るよう指導した事例 ウ 施設の管理について 学校施設において階段、廊下の雨漏り、屋上塗装の経年劣化による剥離な どがあり、施設の躯体には影響がないとのことであったが、今後施設の維持 管理や使用において支障が生じるおそれがある事例 エ 施設の消防設備について ・ 「消防用設備点検報告書」、 「自家用工作物点検報告書」による指摘事項に ついて、具体的な措置を行っていない事例 ・消火器の設置位置や消火器、消火栓、消防設備の表示が不適切な事例 7 総括意見 今年度の定期監査は、要綱を重点項目とし、実施事業に関する事務書類によ る調査及び実査により施設の安全管理、法令遵守に着目して行った。 各所管課の事業については、おおむね適正に執行されていたが、改善を求め た事例を含め、担当事務事業について十分な理解のないまま事務を行っている 事例などが少なからず見受けられた。このことに関し、これまでにも定期監査 の都度、組織的な対応の充実について意見を表してきた。 しかしながら、今回の監査における適切でない事例を踏まえると、情報の共 有化、職員相互の確認・補完、職員に対する知識の習得等について、組織的な 対応が十分に行われていないことが推察される。 地方公共団体における事務が拡大・高度化する現状において、昨今、事務処 理の適正さを確保するうえでのリスクを評価し、自らコントロールする内部統 制制度が求められている。今後も、適正な事務執行を推進するためには、組織 的な対応を十分に検討されるよう要望する。 また、施設管理においては、安全管理上大きな問題は確認できなかったが、 多くの施設は建築後数十年を経過している。特に校舎は、児童生徒の活動の場 であるとともに、災害時には地域住民の避難所としての役割も果たすため、そ の安全性の確保は極めて重要である。 今後、「公共施設等総合管理計画」の策定が予定されているので、安全面に 十分配慮して計画的な対応を図られたい。 4