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バングラデシュ人民共和国 モウルビバザール気象
バングラデシュ人民共和国 NO. バングラデシュ気象局 バングラデシュ人民共和国 モウルビバザール気象レーダー設置計画 基本設計調査報告書 平成 19 年 2 月 (2007 年) 独立行政法人国際協力機構 (JICA) 委託先 財団法人日本気象協会 無償 JR 07-008 バングラデシュ人民共和国 モウルビバザール気象レーダー設置計画 基本設計調査報告書 平成 19 年 2 月 (2007 年) 独立行政法人国際協力機構 (JICA) 委託先 財団法人日本気象協会 序 文 日本国政府は、バングラデシュ人民共和国政府の要請に基づき、同国のモウルビバザール気象レー ダー設置計画にかかる基本設計調査を行うことを決定し、独立行政法人国際協力機構がこの調査を実 施しました。 当機構は、 平成 18 年 6 月 21 日から平成 18 年 7 月 21 日まで基本設計調査団を現地に派遣しました。 調査団は、バングラデシュ政府関係者と協議を行うとともに、計画対象地域における現地調査を実 施しました。帰国後の国内作業の後、平成 18 年 11 月 18 日から 11 月 24 日まで実施された基本設計 概要書案の現地説明を経て、ここに本報告書完成の運びとなりました。 この報告書が、本計画の推進に寄与するとともに、両国の友好親善の一層の発展に役立つことを願 うものです。 終りに、調査にご協力とご支援をいただいた関係各位に対し、心より感謝申し上げます。 平成 19 年 2 月 独立行政法人国際協力機構 理事 黒木 雅文 伝 達 状 今般、バングラデシュ人民共和国におけるモウルビバザール気象レーダー設置計画基本設計調査が 終了いたしましたので、ここに最終報告書を提出いたします。 本調査は、貴機構との契約に基づき弊社が、平成 18 年 6 月より平成 19 年 2 月までの 9 ヶ月間にわ たり実施いたしてまいりました。今回の調査に際しましては、バングラデシュの現状を十分に踏まえ、 本計画の妥当性を検証するとともに、日本の無償資金協力の枠組みに最も適した計画の策定に努めて まいりました。 つきましては、本計画の推進に向けて、本報告書が活用されることを切望いたします。 平成 19 年 2 月 財団法人 日本気象協会 バングラデシュ人民共和国 モウルビバザール気象レーダー設置計画 基本設計調査団 業務主任 内田 善久 要 約 要 約 バングラデシュ人民共和国(以下、 「バ」国)は、国土の 80%が 3 大河川であるガンジス、ブラマ プトラ及びメグナ河によって造られた氾濫原であり、50%以上が海抜7m以下といわれている。 「バ」 国では毎年 3 月から 10 月にかけて、プレモンスーン及びモンスーン季の豪雨がもたらす洪水やフラ ッシュフラッドの被害に見舞われ、 過去 15 年間の総計は、 死者・行方不明者 2,722 人、 負傷数 2,402,020 人、被災者 78,923,331 人に上る。多くの貧困層を抱え農業に大きく依存する「バ」国の社会経済構 造は、これらの災害に対して極めて脆弱であり、社会経済発展と貧困層の生活レベルの向上に極めて 大きな障害となっている。 洪水のほかにも「バ」国北部・中部で問題となっている災害は、トルネード(竜巻)を伴う暴風雨 (ノーウェスタ)である。前線を伴った温帯低気圧の殆どがインド側から「バ」国内へ入り込んだ後 に、勢力が強くなり暴風雨となる。特にモンスーン季の前のプレモンスーン季(特に 3 月と 5 月)に 多く発生し、河川を航行する船舶の沈没数やそれによる死者・行方不明、トルネードによる死傷者数 が近年増加している。 「バ」 国において 2005 年 10 月に完成した貧困削減戦略書 (Poverty Reduction Strategy Paper:PRSP) では、洪水、暴風雨及びサイクロン等による自然災害は社会経済への影響が甚大であるとの認識のも と、早期警戒を含む災害管理体制の整備が重要であることが示されている。近年、自然災害により甚 大な被害を受けている「バ」国では、国の開発計画を策定している計画省(Ministry of Planning) が 3 ヵ年国家投資プログラム(Three Years Rolling Investment Programme (TYRIP), Financial Year 2005-2006 to 2007-2008)の中に、貧困削減戦略の一環として自然災害の早期警戒を可能とする本計 画を早急に実施が必要なプロジェクトとして盛込んでいる。 「 バ 」 国 の 気 象 業 務 を 行 な う 唯 一 の 政 府 機 関 で あ る バ ン グ ラ デ シ ュ 気 象 局 ( Bangladesh Meteorological Department: BMD)は国防省傘下にあり、災害を引き起こす気象現象を監視し、国の 防災管理体制の中で気象に関する情報を提供する中心的役割を担っている。 「バ」国は、現状で以下のような問題を抱えている。 ① BMD が保有する既設気象レーダーの監視網からは、降水量が国内で最大のシレット県北部と 世界一の豪雨地帯であるインド側メグナ河上流域及びメガラヤ山脈域が外れていることから、 BMD は洪水やフラッシュフラッドの主な原因となっているインド側の河川上流域や山岳部で の雨量データを取得できないため、洪水予警報センター(Flood Forecasting and Warning 要約-1 Centre: FFWC)へ洪水予警報の作成に必要なデータの提供ができない。 ② 既設ラングプール及びダッカ気象レーダーは、雨雲を探知するシステムであり、雨量データ より精度良く解析・処理して水文情報を配出する機能を有さず、洪水予報精度向上の阻害と なっているほか、フラッシュフラッド、内水氾濫及び暴風雨の予警報が発令できない。 ③ インド側山岳地域の降雨観測データが入手できないため、FFWC はフラッシュフラッドの予報 及び警報を発令できない。 ④ 北部にドップラーレーダーシステムを有していない BMD は、極めて短時間で発生し被害を及 ぼすトルネードを伴う暴風雨をリアルタイムで精度良く監視し、迅速に予警報を発令するこ とができない。 ⑤ 既設雨量観測所、水位観測所の数が少なく、FFWC が現在所有する洪水予測モデルに取り込む データ数が不十分であること、データの入手に時間がかかること、上流インド側の観測デー タが極めて限られていること等から、洪水予報の精度の向上が困難である。 上述の状況を改善し、防災機関や国民に対して、より精度の高い暴雨風、洪水等の予警報及び情報 を提供することは喫緊の課題である。しかしながら、これらの課題に対応するための施設建設や機材 調達等に必要となる資金と技術の不足により、 「バ」国独自による実施が困難であることから、我が 国の無償資金協力による下記の施設建設及び気象レーダー等の機材調達を要請してきた。 • モウルビバザールに気象レーダー塔の建設 • モウルビバザールに気象レーダーシステムを構築 • モウルビバザールのレーダー画像を伝送するための通信網の構築 「バ」国からの要請を受け、日本国政府は基本設計調査の実施を決定した。独立行政法人国際協力 機構(JICA)は、平成 18 年 6 月 21 日から 7 月 21 日まで基本設計調査団を現地に派遣した。調査団 は、現地にて同国政府・BMD 関係者と要請内容について協議し、プロジェクトサイトの実地調査、関 連資料収集等を行った。 調査団は、要請内容を踏まえつつ、BMD の機材運用・維持管理能力、最適機材配置計画等の様々な 観点から、最適な機材内容、規模・数量を検討し、基本設計案を作成した。これを基に JICA は、平 成 18 年 11 月 18 日から 11 月 24 日まで基本設計概要説明調査団を「バ」国に派遣し、基本設計案の 説明及び協議を行った。最終的に提案された基本設計の概要は以下のとおりである。 要約-2 表1 機材名 基本設計の概要 モウルビバザール 気象レーダー 観測所 BMD 本局 暴風雨警報 センター ダッカ 気象レーダー 観測所 ラングプール 気象レーダー 観測所 洪水予警報 センター 機材調達・据付 気象レーダーシステム 気象レーダーデータ表示システム 気象データ衛星通信システム 1 1 1 1 1 1 既設レーダーシステム 8 ビット化改良 1 1 1 1 施設建設 気象レーダー塔施設(機材用家具を含む) 1 なお、本プロジェクトの工期は、詳細設計・入札期間を含め約 20 ヶ月、概算事業費は 12.03 億円(日 本側 9.95 億円、バングラデシュ側 2.08 億円)と見込まれる。 本案件の実施により以下の効果・改善が得られることが予測され、実施した場合の裨益効果は極め て大きい。 ① インド側の山岳地域の降雨観測が可能となることから、気象レーダーにより豪雨が探知され た後、1 時間毎にフラッシュフラッドの予警報が国民へ発令される。 ② 「バ」国全土の降雨分布が把握できることから、内水氾濫の原因となる豪雨が気象レーダー により探知された後、1 時間以内に豪雨予警報が国民へ発令される。 ③ 北部にドップラーレーダーシステムが設置されることから、気象レーダーにより暴風雨が探 知された後、1 時間毎に暴風雨の予警報が国民へ発令される。 ④ 気象レーダーによりメグナ全流域の降雨観測が可能となることから、この地域の気象情報が 防災関連機関や国民に提供される。 ⑤ 「バ」国の気象レーダー観測網範囲内の 2.5km メッシュのレーダー雨量データを既存の洪水 予測モデルに取り込むことができることから、洪水予警報の精度が向上する。 ⑥ 「バ」国の 5 基の気象レーダーで構成される気象レーダー観測網の範囲内の雨量強度が 256 階調表示で統一されることから、降雨監視能力が向上する。 実施機関である BMD の組織的能力は高く、気象レーダーの日々の運用保守作業及び殆どの故障の修 理は、各レーダー観測所の技術者により行われている。また気象レーダーの運用維持管理に精通した 技術者が多数在籍しており、技術レベルも高い。 なお、本案件実施に必要な運用・維持管理費も確保できる見込みである。 本案件の効果や先方の組織能力等を総合的に検討した結果、本案件を実施する意義は極めて高い。 多くの貧困層を抱える「バ」国にとって、自然災害により人的、社会経済的に甚大な被害を被ってき 要約-3 た歴史を踏まえると、本計画は、広く国民の安全なる生活レベルの向上及び社会経済発展全体に寄与 するものである。従って、本計画で無償資金協力案件を実施することは妥当である。 要約-4 目 次 序文 伝達状 要約 目次 バングラデシュ国全図、バングラデシュ国周辺図 気象レーダー塔施設完成予想図 図のリスト 表のリスト 略語集 第1章 プロジェクトの背景・経緯................................................. 1 – 1 1-1 当該セクターの現状と課題 ................................................ 1 - 1 1-1-1 現状と課題......................................................... 1 - 1 1-1-2 開発計画........................................................... 1 – 9 1-1-3 社会経済状況....................................................... 1 -10 1-2 無償資金協力要請の背景・経緯及び概要 .................................... 1 –11 1-3 我が国の援助動向 ........................................................ 1 –12 1-4 他ドナーの援助動向 ...................................................... 1 –14 第2章 プロジェクトを取り巻く状況............................................... 2 - 1 2-1 プロジェクトの実施体制 .................................................. 2 - 1 2-2 2-1-1 組織・人員......................................................... 2 - 1 2-1-2 財政・予算......................................................... 2 - 6 2-1-3 技術水準........................................................... 2 – 7 2-1-4 既存施設・機材 ..................................................... 2 – 8 プロジェクトサイト及び周辺の状況 ........................................ 2 – 9 2-2-1 関連インフラの整備状況 ............................................. 2 – 9 2-2-2 自然条件........................................................... 2 –10 2-2-3 その他............................................................. 2 –12 第3章 プロジェクトの内容....................................................... 3 - 1 3-1 プロジェクトの概要 ...................................................... 3 - 1 3-2 協力対象事業の基本設計 .................................................. 3 - 2 3-2-1 設計方針........................................................... 3 - 2 3-2-2 基本計画........................................................... 3 – 6 3-2-3 基本設計図......................................................... 3 –53 3-2-4 施工計画/調達計画 ................................................. 3 –68 3-2-4-1 施工方針/調達方針 ............................................ 3 –68 3-2-4-2 施工上/調達上の留意事項 ...................................... 3 –69 3-2-4-3 施工区分/調達・据付区分 ...................................... 3 –69 3-2-4-4 施工監理計画/調達監理計画 .................................... 3 –71 3-2-4-5 建設工事に関する品質管理計画 .................................. 3 –71 3-2-4-6 資機材等調達計画 .............................................. 3 –72 3-2-4-7 初期操作指導・運用指導等計画 .................................. 3 –77 3-2-4-8 実施工程...................................................... 3 –78 3-3 相手国側分担事業の概要 .................................................. 3 –79 3-4 プロジェクトの運営・維持管理計画 ........................................ 3 –80 3-5 プロジェクトの概算事業費 ................................................ 3 –83 3-5-1 協力対象事業の概算事業費 ........................................... 3 –83 3-5-2 運用維持管理費 ..................................................... 3 –85 3-6 協力対象事業実施に当たっての留意事項 .................................... 3 –94 第4章 プロジェクトの妥当性の検証............................................... 4 – 1 4-1 プロジェクトの効果 ...................................................... 4 - 1 4-2 課題・提言 .............................................................. 4 – 3 4-2-1 相手国側の取り組むべき課題・提言 ................................... 4 – 3 4-2-2 技術協力との連携 ................................................... 4 – 4 4-3 プロジェクトの妥当性 .................................................... 4 – 5 4-4 結論 .................................................................... 4 – 5 〔資料〕 1.調査団員・氏名............................................................. 資 1 - 1 2.調査日程................................................................... 資 2 - 1 3.相手国関係者リスト......................................................... 資 3 - 1 4.討議議事録(M/D).......................................................... 資 4 - 1 5. 事業事前計画表(基本設計時)............................................... 資 5 - 1 6.参考資料/入手資料リスト................................................... 資 6 - 1 ■ バングラデシュ国全図 既設ラングプール気 象レーダー観測所 モウルビバザール 気象レーダー観測所 BMD 暴風雨警報センター(SWC) 洪水予警報センター(FFWC) 既設ダッカレーダー観測所 モウルビバザール気象レーダー塔施設 図のリスト 第1章 プロジェクトの背景・経緯 図-1 フラッシュフラッド流入地域 ........................................... 1 - 4 図-2 トルネードの発生地域 ................................................. 1 - 6 図-3 暴風雨及び悪天候により沈没した船舶の位置図 ........................... 1 - 9 図-4 バングラデシュの GDP の動向 ........................................... 1 - 10 第2章 プロジェクトを取り巻く状況 図-5 国防省組織構成 ....................................................... 2 - 1 図-6 バングラデシュ気象局組織図 ........................................... 2 - 1 図-7 BMD の管区 ............................................................ 2 - 2 図-8 SWC の予報業務体制 .................................................... 2 - 3 図-9 FFWC の業務フローチャート ............................................. 2 - 4 図-10 バングラデシュ国の災害管理体制 ....................................... 2 - 5 図-11 洪水予警報に関連する防災関連機関 ..................................... 2 - 6 図-12 BMD の気象データ伝送回線網 ............................................ 2 - 9 図-13 シレットの月降水量 (2001-2005 年平均) ................................ 2 - 11 図-14 シレット年降水量の推移 (1971-2000 年) ................................ 2 - 11 図-15 インド気象局 S バンドサイクロン監視用レーダー観測網.................... 2 - 13 第3章 プロジェクトの内容 図-16 バングラデシュ国気象レーダー観測網の範囲図 ........................... 3 - 9 図-17 5 基の気象レーダー観測範囲 ............................................ 3 - 10 図-18 既設ダッカ及びラングプール気象レーダー8 ビット化改良ユニット構成 ...... 3 - 13 図-19 バングラデシュ気象レーダー網概要図 ................................... 3 - 14 図-20 配置計画図 ........................................................... 3 - 32 図-21 バングラデシュ国標準地震係数図 ....................................... 3 - 38 図-22 輸送ルート図 ......................................................... 3 - 76 図-23 各プロジェクトサイトまでの内陸輸送ルート ............................. 3 - 77 図-24 必要となる通信衛星のスペースセグメント ............................... 3 - 91 図-25 モウルビバザール市の建築高さ制限 ..................................... 3 - 95 第4章 プロジェクトの妥当性の検証 図-26 洪水分布図(洪水の水位分け) ......................................... 4 - 3 図-27 フラッシュフラッド分布図 ............................................. 4 - 3 図-28 レーダーデータキャリブレーションの概念 ............................... 4 - 4 図-29 オンラインキャリブレーション結果 ..................................... 4 - 4 表のリスト 要約 表-1 第1章 基本設計の概要 ...................................................... 要約- 3 プロジェクトの背景・経緯 表-2 自然災害による経済的損失上位 10 位 .................................... 1 - 1 表-3 2004 年 6~7 月のバングラデシュ国北東部の洪水被害の概要................ 1 - 2 表-4 バングラデシュの主な洪水の被害記録 (1990-2004 年).................... 1 - 3 表-5 FFWC が FF2003 モデルに取込んでいる水位・雨量観測データ................ 1 - 5 表-6 100 人以上の死者を出したトルネード(バングラデシュ独立後の1971 年~現在).. 1 - 6 表-7 雷暴風雨及び悪天候により沈没した船舶(1999 年から 2006 年 5 月まで).... 1 - 8 表-8 気象分野での研修員受入状況 ........................................... 1 - 13 表-9 水文分野での研修員受入状況 ........................................... 1 - 14 第2章 プロジェクトを取り巻く状況 表-10 毎朝 9 時に発表される天気予報の内容 ................................... 2 - 3 表-11 業務シフトスケジュール ............................................... 2 - 4 表-12 FFWC 洪水予警報の配信 ................................................ 2 - 5 表-13 2000~2008 年度の BMD 予算の推移....................................... 2 - 7 表-14 2006~2007 年度の BMD 予算 ............................................ 2 - 7 表-15 2006~2007 年度の FFWC 予算 ........................................... 2 - 7 表-16 ダッカ及びラングプールの各気象レーダーの稼働状況(2006年6月23 日現在) .. 2 - 8 表-17 1 日の停電頻度と年間通算の停電時間.................................... 2 - 10 表-18 シレットの月及び年平均最高最低気温 ................................... 2 - 11 表-19 シレットの月及び年平均湿度 ........................................... 2 - 11 表-20 シレットの月間及び年間降雨量 ......................................... 2 - 11 表-21 2003 年~2005 年の月別雷発生数 ........................................ 2 - 12 表-22 インド気象局所有の気象レーダー ....................................... 2 - 13 第3章 プロジェクトの内容 表-23 計画された機材及び施設の概要 ......................................... 3 - 6 表-24 計画する気象レーダーの主要諸元 ....................................... 3 - 7 表-25 基本機能として備える必要のある表示・出力情報機能 ..................... 3 - 表-26 通信速度 32kbps の場合のモウルビバザール~SWC 間のデータ送信時間....... 3 - 11 表-27 通信速度 32kbps の場合の SWC~FFWC 間のデータ送信時間 .................. 3 - 11 表-28 気象データ衛星通信システムの最低必要条件 ............................. 3 - 11 8 表-29 既設ダッカ及びラングプール気象レーダー改良前・改良後の比較 ........... 3 - 12 表-30 主要機材 ............................................................. 3 - 15 表-31 各気象レーダー塔の床面積比較表 ....................................... 3 - 32 表-32 モウルビバザール気象レーダー塔各室の概要、収容機器及び室面積算定根拠... 3 - 33 表-33 レーダービームの中心高さ算出表 ....................................... 3 - 34 表-34 外部仕上、内部仕上の材料、工法 ....................................... 3 - 36 表-35 外部仕上、内部仕上の材料の採用理由 ................................... 3 - 36 表-36 災害発生時期 ......................................................... 3 - 69 表-37 品質管理計画 ......................................................... 3 - 72 表-38 機材調達先 ........................................................... 3 - 73 表-39 第三国製品調達の適合要件内容表 ....................................... 3 - 73 表-40 主要建設資材調達計画表 建築工事 ..................................... 3 - 75 表-41 主要建設資材調達計画表 空調・衛生・電気設備工事 ..................... 3 - 76 表-42 初期操作指導・運用指導等実施場所 ..................................... 3 - 78 表-43 実施工程 ............................................................. 3 - 78 表-44 気象レーダー運用時間(年間)の概算 ................................... 3 - 80 表-45 モウルビバザール気象レーダー観測所必要技術職員数 ..................... 3 - 80 表-46 モウルビバザール気象レーダー観測所技術職員配置及び雇用計画 ........... 3 - 81 表-47 BMD 電子部の技師及び技術職員数........................................ 3 - 82 表-48 施設定期点検の概要 ................................................... 3 - 82 表-49 設備機器の耐用年数 ................................................... 3 - 83 表-50 日本国側負担経費 ..................................................... 3 - 83 表-51 バングラデシュ国側負担経費(BMD) ...................................... 3 - 84 表-52 バングラデシュ国側(BMD)負担機材費 .................................... 3 - 84 表-53 バングラデシュ国側負担経費(FFWC) ..................................... 3 - 84 表-54 運用維持管理コスト:モウルビバザール気象レーダー観測所 ............... 3 - 86 表-55 運用維持管理コスト:既設ダッカ気象レーダー観測所 ..................... 3 - 87 表-56 運用維持管理コスト:既設ラングプール気象レーダー観測所 ............... 3 - 87 表-57 運用維持管理コスト:暴風雨警報センター(SWC) ........................ 3 - 88 表-58 運用維持管理コスト:BMD 本局.......................................... 3 - 88 表-59 運用維持管理コスト:洪水予警報センター(FFWC) ....................... 3 - 89 表-60 運用維持管理コスト:首相府 ........................................... 3 - 89 表-61 運用維持管理コスト:バングラデシュ TV センター ........................ 3 - 90 表-62 運用維持管理コスト:ダッカ国際空港 ................................... 3 - 90 表-63 BMD 本局の予算の推移 ................................................. 3 - 91 表-64 各気象レーダー観測所及び暴風雨警報センター(SWC)の予算の推移 .......... 3 - 92 表-65 モウルビバザール気象レーダー観測所の予算 ............................. 3 - 92 表-66 水資源庁(BWDB)の洪水予警報関連の年必要経費 ......................... 3 - 93 表-67 BMD 本局衛星通信費の予算の推移........................................ 3 - 93 表-68 第4章 モウルビバザール地方自治体建設工事許可申請必要書類 ................... 3 - 95 プロジェクトの妥当性の検証 表-69 プロジェクト実施による効果 ........................................... 4 - 1 表-70 成果指標 ............................................................. 4 - 2 略 語 集 WMO: World Meteorological Organization 世界気象機関 ASEAN: Association of Southeast Asian Nations 東南アジア諸国連合 JICA: Japan International Cooperation Agency 国際協力機構 VSAT: Very Small Aperture Terminal 超小型地上局 IEEE: Institute of Electrical and Electronic Engineers 電気電子技術者協会 MOD: Ministry of Defence 国防省 BMD: Bangladesh Meteorological Department バングラデシュ気象局 SWC: Storm Warning Centre 暴風雨警報センター BDMB: Bangladesh Disaster Management Bureau 防災管理局 BWDB: Bangladesh Water Development Board 水資源開発庁 FFWC: Flood Forecasting and Warning Centre 洪水予警報センター BTTB: Bangladesh Telegraph and Telephone Board バングラデシュ電信電話公社 BTRC: Bangladesh Telecommunication Regulatory Committee 通信管理委員会 CPTU: Central Procurement Technical Unit 中央調達技術ユニット TYRIP: Three Years Rolling Investment Programme 3ヵ年国家投資プログラム PRSP: Poverty Reduction Strategy Paper 貧困戦略削減文書 LLDC: Least among Less Developed Countries 後発開発途上国 DANIDA: Denmark International Development Agency デンマーク国際開発協力局 UNDP: United Nations Development Program 国連開発計画 WMIP: Water Management Improvement Project 水資源管理改善プロジェクト CDMP: Comprehensive Disaster Management Program 総合災害管理計画 BDRCS: Bangladesh Red Crescent Society バングラデシュ赤新月社 UNHCR: The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees 国連難民高等弁務官事務所 IMD: India Meteorological Department インド気象局 ECNEC: Executive Committee for National Economic Council 国家経済評議会執行委員会 DPP: Development Project Proposal 開発計画申請書 JIS: Japan Industrial Standard 日本工業規格 CPP: Cyclone Prepardness Programme サイクロン対策プログラム 第1章 プロジェクトの背景・経緯 第1章 プロジェクトの背景・経緯 1-1 当該セクターの現状と課題 1-1-1 現状と課題 バングラデシュ国は 3 月から 11 月にかけてのプレモンスーン及びモンスーン季の豪雨がもたらす 洪水やフラッシュフラッド、ベンガル湾を発生源とする熱帯性低気圧であるサイクロンによる大雨、 強風、高潮のほかに、暴風雨やトルネードなどが毎年発生している。バングラデシュ国は、多彩な自 然災害が見られることから「自然災害大国」と呼んでも過言ではない。 多くの貧困層を抱え農業に大きく依存するバングラデシュ国の社会経済構造は、これらの自然現象 がもたらす災害に対して極めて脆弱であり、毎年大きな被害を被っている。これらの災害による人命 や財産の損失及び社会経済活動の停滞がバングラデシュ国の開発を阻害しており、これら自然災害へ の対策が大きな課題となっている。特に洪水は、バングラデシュの自然災害の中でも最も大きな経済 的損失を生み出している。以下に経済的損失の大きい順に 10 位まで、過去の自然災害を列記した。 表2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 自然災害 洪水 洪水 洪水 サイクロン サイクロン 洪水 洪水 洪水 洪水 洪水 自然災害による経済的損失上位 10 位 発生日 2004 年 6 月 20 日 1988 年 8 月 1998 年 7 月 5 日 1991 年 4 月 29 日 1995 年 5 月 15 日 1987 年 8 月 1974 年 7 月 2000 年 9 月 1987 年 7 月 22 日 1997 年 7 月 13 日 経済的損失 US ドル 7,000,000,000 2,137,000,000 2,000,000,000 1,780,000,000 800,000,000 727,500,000 579,200,000 500,000,000 330,000,000 229,000,000 出典:WHO Collaborating Centre for Research on the Epidemiology of Disasters (CRED) Emergency Events Database (EM-DAT) (1)洪水・フラッシュフラッド バングラデシュ国は、国土の 80%が 3 大河川であるガンジス、ブラマプトラ及びメグナ河によって 造られた氾濫原であり、50%以上が海抜7m以下の低地である。3 大河川は国外に源を発し、西から ガンジス河、北からプラマプトラ河、北東からメグナ河が流入し、バングラデシュ国の中心部を貫い てベンガル湾に注いでいる。またインドを主とする国外から流入する中規模河川は 200 本以上ある。 一方、モンスーン季にはバングラデシュ国及びその周辺の国際河川流域では大雨が続き、世界でも有 数の豪雨地帯となっている。このような自然条件により発生する洪水のため毎年のように国土のかな りの部分が浸水する。古くから住民は洪水を生活の中に取り込み洪水とともに生活してきたが、近年、 1-1 洪水は諸産業発展と貧困層の生活レベルの向上に極めて大きな障害となっており、更に国民の環境・ 保健衛生の側面からも放置できない深刻な課題となっている。 バングラデシュ国の洪水は以下の 4 種類に大別される。 3 大河川による洪水(Monsoon River Flood):モンスーン季に 3 大河川の上流域で豪雨が発生す ると、雨水が河川を流下しながらバングラデシュ国に集中して洪水氾濫を引き起こす 山岳部からの急激な出水(Flash Flood):主にプレモンスーン季に、インドで発生した豪雨によ る急激な出水である 内水氾濫(Local Rainwater Flood):モンスーン季に国内で発生する豪雨は、3 大河川の水位が 高いため排除不能となり低平地に氾濫する 異常潮位に起因する背水氾濫(Storm Surge Flood):モンスーン季の降雨とベンガル湾で発生す るサイクロン等の熱帯低気圧による異常潮位はメグナ河の下流部の水位を上昇させ、その背水で 洪水氾濫が発生する バングラデシュ国では毎年、少なくとも国土の約 20%が洪水に見舞われ、20 世紀最悪といわれた 1998 年の大洪水の際には 68%にも上った。また 2004 年 6~7 月の北東部の洪水被害は、これをも上回 ったものと推定される。2004 年のメグナ河流域の洪水は国土の 38%を覆い、747 人の死者、約 3.3 億 米ドル(約 370 億円)もの農作物被害をもたらし、洪水が長期化したためコレラや赤痢などの感染症も 流行した。 表3 2004 年 6~7 月のバングラデシュ国北東部の洪水被害の概要 人的被害 被災者:36,337,944 人 死者数:747 人 被災家族:7,468,128 世帯 物的被害 その他被害 被災県(Districts) :39 被災市町村(Upazilas) :265 被災村(Unions) :2,492 被害面積:34,583 (Sq. km) 全壊家屋:151,142 棟 半壊家屋:1,223,050 棟 全壊道路網:5,000km 半壊道路網:18,400km 全壊校舎:458 棟 半壊校舎:7,582 棟 死亡家畜数:3,919 頭 全滅農作物:1,605,958 (in acre) 被害を受けた農作物:1,038,176 (in acre) 洪水地域:国土の 38%(55,000km2) 出典:災害対策・食料省、洪水予警報センター及び国連人道調整事務所発表レポートより 防災管理局(Bangladesh Disaster Management Bureau: BDMB)及び水資源開発庁(Bangladesh Water Development Board: BWDB)の一部門である洪水予警報センター(Flood Forecasting & Warning Centre: FFWC)が把握できている範囲での被害記録では、次ページの表のように過去 15 年間(1990-2004 年) の延べ数で死者・行方不明者は 2,722 人、負傷者 2,402,020 人、被災者 78,923,331 人に上っている。 1-2 表4 年月日 2004 年 7 月 24 日 バングラデシュの主な洪水の被害記録 (1990-2004 年) 死者 負傷者 被災者 被害総額 (人) (人) (人) (US$) 747 Kanaighat, Sylhet, Sherpur, Moulvibazar Sylhet, Gaibandha, Kishorgonj 19,022,600 2004 年 4 月 21 日 2003 年 7 月 15 日 13 Siragong 2003 年 6 月 29 日 23 Sylhet 2002 年 7 月 1 日 10 0 1,500,000 2001 年 8 月 31 日 0 0 200,000 2001 年 6 月 5 日 9 0 500,000 2000 年 8 月 1 日 31 0 2,467,138 2000 年 6 月 24 日 11 50 200,000 1999 年 8 月 15 日 17 50 0 1999 年 6 月 30 日 31 20 1998 年 7 月 8 日 140 50 1997 年 7 月 22 日 79 30 1996 年 9 月 2 日 22 国土全体 氾濫面積 に対する (km2) 割合(%) 発生地域 Sunamganj, Netrokona, Mymensingh, Sunamganj, Rangpur, Kurigram, Bhola, Gaibandha, Sherpur, Rajshahi, Barisal, Cox's Bazar Sunnamgonj, Sylhet, Nawabgonj, Rajshahi, Kusthia Sylhet, Sunnamgonj, Moulvibazar, Brahamanbaria Gangni, Meherpur, Kushtia Sadar, Jibannagar, Alamdanga, Cuadanga, 500,000 Maheshpur, Pabna, Godagari, Tanor, Mohanpur Chittagong, Cowkbazar, Morzapool, Katalganj, Rahmatganj, Chaktai, Halishabr, Bakalia, Chandgaon, Pahartoli, Hathazari, Patiya, Satkania, Keranirhat areas Chittagong City, Aziz Nagar, Lama Thana Chittagong, Cox's Bazar, Chittagong Hill, Comilla Mymensingh, Sherpur, Hobiganj, 15,000,000 2,000,000 Rangpur, Sirajang, Rajshahi, Kurigram, Gaibandha, Netore, Chittagong 800,000 229,000 North, Central North 1996 年 7 月 1 日 33 1995 年 9 月 1 日 400 1995 年 6 月 15 日 250 12,656,006 1995 年 5 月 15 日 50 351,325 1994 年 8 月 19 日 40 300,000 Chapainawabganj, Rajshahi 1994 年 6 月 3 日 3 25,000 1994 年 5 月 19 日 12 1994 年 4 月 19 日 61 1993 年 8 月 21 日 4 20 1,000,000 1993 年 7 月 1 日 162 0 11,469,537 1993 年 6 月 1 日 28 0 3,207,056 1992 年 7 月 11 日 0 North-East 1992 年 6 月 22 日 0 Maheskali, Chittagong, Cox's Bazar 1992 年 4 月 18 日 15 200 Kishoreganj, Brahmambaria Districts 1991 年 9 月 10 日 100 0 1,000,000 0 1,590,000 Rajshahi division 1,200,000 Sylhet 1991 年 7 月 1 日 5,663,319 175,000 14 15,000 10 4,000 3 35,700 24 32,000 22 100,250 68 - - 35,800 24 32,000 22 419 0 28,742 20 2,000 1 28,600 19 3,500 2 Sylhet District North 100 Barisal District Bangladesh 1991 年 5 月 1 日 200 0 1990 年 7 月 1 日 65 2,000,000 1990 年 3 月 25 日 166 1,600 10,000 2,722 2,402,020 78,923,331 合計 21,500 ChapaiNawabganj Kurigram, Gaibandha, Bogra, Sirajang, Tangail, Pabna, Manikganj, Dhaka, 150,000 Narayanganj, Madaripur, Gopalganj, Rajbari, Faridpur, Lalmonirhat, Nilphamari Districts Dinajpur, Panchagarh Rangpur, Nilphamari Joipurhat, Gaibandha, Natore, Naogaon, Bogra Sylhet, Moulvibazar, Sunnamgonj, Sirajganj, Gaibandha, Rangpur, Madaripur, Panchagarh Chittagong, Bhola, Cox's Bazar, Hatiya, Noakhali, Patuakhali 0 38 421,250 165,000 400,000 55,000 and Southern Chittagong, Dhaka Sylhet, Brahmanbaria, Habiganj, Moulvi Bazar, Sunamganj, Sirajganj, Chittagong Hill Districts Sylhet, Sunamganj, Hobiganj 150,000 Rangpur Rajshahi division North Eastern 出典:災害管理局及び洪水予警報センター 1-3 バングラデシュ国で特に局地的に大きな被害をもたらしている洪水は、北部と東部を中心に発生す るフラッシュフラッドである。これは、インド山岳部で豪雨が発生し、その降水がバングラデシュ国 国内へ急激に流入して発生する洪水である。3 大河川の洪水氾濫(Monsoon River Flood)とは発生のメ カニズムが異なり、豪雨発生からフラッシュフラッド発生までの時間差が短く、物理的な破壊力も大 きい。 2004 年にバングラデシュにおいて最大規模のフラッシュフラッドが発生した。2004 年 4 月 14 日か ら数日に渡りインドのメガラヤ山脈で豪雨が発生し、その雨水は、豪雨の始まりから約 96 時間後に バングラデシュ国内のシレット、モウルビバザール、ハビガンジなどの北東部に一気に流入した。洪 水のピークは 4 月 23 日で、最大水位は河川の提防の高さを 5~6m 以上越え 12.30m にも達した。また 氾濫面積は 8,000km2 と推定され、死者 15 人、被災者数は約 50,000 人であった。 出典:洪水予警報センター 図1 フラッシュフラッド流入地域 現在、バングラデシュ気象局(Bangladesh Meteorological Department: BMD)が保有する既設気象 レーダーの監視網からは、降水量が国内で最大のシレット県北部と世界一の豪雨地帯であるインド側 メグナ河上流域及びメガラヤ山脈域が外れており、降雨の定量観測データが得られない状況である。 またこれらの地域のインド インド国メガラヤ山脈 国境線 からの降雨観測データは、 両国の政治的な問題やデー タ交換能力の限界もあり、 世 界 気 象 機 関 (World バングラデシュ北東部 Meteorological 1-4 Organization: WMO)の枠組みで、7 ヶ所のシノプティックステーション(一般的な気象観測を行う観 測所)の雨量データが毎時インドより配信されているのみで、BMD はこの地域の面的な雨量データを 取得することができていない。更にダッカとラングプールにそれぞれ設置されている気象レーダーは、 気象観測業務専用のレーダーであるため雨雲を探知することはできるが、洪水予報作成に必要となる 下記に列記した水文情報を、観測された雨量より精度よく解析・処理して配出する機能を有していな い。そのためバングラデシュ国の北西部での降雨分布を正確に把握することができていないのが現状 であり、洪水予報精度向上の阻害要因となっている。 • PPI 表示(Plan Position Indicator) :特定仰角でのレーダー観測情報を表示する • 大雨警報出力:設定された大雨の警戒値を越えた場合に警報を表示する • 時間積算雨量表示:指定地域及び指定時間内の積算雨量(面的メッシュ情報)を表示する • 雨量分布データ:気象レーダーの観測範囲内の雨量分布を表示する • 流域/地域雨量表示:指定された河川流域や地域の雨量を時系列バーグラフ形式で表示する 一方、バングラデシュ国において、唯一洪水予警報業務を行っている FFWC では、デンマークの支 援によりデンマーク水文研究所の FF2003 モデルを用いて 24 及び 48 時間の水位予測を行い、結果を まとめて「Daily Flood Bulletin」として午後 2~3 時に首相府、防災関連機関(BWDB の地方事務所 を含む) 、マスメディアへ FAX にて送信している。また FFWC のホームページでも見ることができる。 しかしながら、雨量観測所、水位観測所の数が少なく、FF2003 モデルに取り込むデータ数が不十分 であること、データの入手に時間がかかること、降雨監視能力の強化が途上であるため正確な降雨分 布が把握できないこと、上流インド側の観測データが極めて限られていること等が、水位予測のより 一層の精度向上の阻害ともなっている。またバングラデシュ国北部・東部で多発するフラッシュフラ ッドは、その殆どがインド側の豪雨が原因であることから、インド側の面的な降雨データを入手でき ない FFWC は、フラッシュフラッドの予警報を出していない。 表5 FFWC が FF2003 モデルに取込んでいる水位・雨量観測データ 流域 ガンジス河流域 ブラマプトラ河流域 メグナ河流域 南東部丘陵流域 計 水位(ヶ所) 29 23 22 12 86 雨量(ヶ所) 17 13 15 11 56 バングラデシュの洪水災害をより軽減するための早期警戒体制を整備するには、まず降雨監視能力 を強化し、バングラデシュ全土及びインド側の河川流域や山岳地帯の広域の降雨分布を正確に把握す ることにより、洪水予報の精度を向上させ、適時迅速に、国民へ予警報を発令することが最優先課題 である。 1-5 (2)ノーウェスタや竜巻による被害 洪水のほかにバングラデシュ国北部・中部で災害を多く発生させているのが、トルネード(竜巻) を伴う暴風雨(バングラデシュ国ではノーウェスタと呼ばれている)である。モンスーン季の前のプ レモンスーン季(特に 3 月と 5 月)に多く発生する。 バングラデシュ国のトルネードはプレモンスーン季の 3 月(8%) 、4 月(36%) 、5 月(22%)に多く 発生する。地域別では、ダッカを中心としたバングラデシュ国の中央部と北部に集中して発生してい る。1967 年~1996 年の 30 年間に 191 件のトルネードが発生し、5,373 人の死者を出した。発生回数 は、近年増加の傾向が見られる。 ダッカ 図2 トルネードの発生地域 出典:Tornado in North-Central Bangladesh by B. K. Paul and R. H. Bhuiyan 2004 表6 100 人以上の死者を出したトルネード(バングラデシュ独立後の 1971 年~現在) 発生年月 1972 年 4 月 1973 年 4 月 1977 年 4 月 1977 年 4 月 1978 年 4 月 1989 年 4 月 1996 年 5 月 2004 年 4 月 発生地 Mymensingh Dhaka Faridpur Gopalgangj, Faridpur Mymensingh Manikganj (Saturia) Tangail(North-Central) Mymensingh, Netrokona 死者数 150 681 623 111 150 526 605 111 出典:Tornado in North-Central Bangladesh by B. K. Paul and R. H. Bhuiyan 2004 前線を伴った温帯低気圧の殆どが、インド側からバングラデシュ国内へ入り込んだ後に、勢力が強 1-6 くなり暴風雨となる。BMD の既設気象レーダーの監視網からは、インド側メグナ河上流域及びメガラ ヤ山脈域が観測範囲から外れており、この地域からバングラデシュ国へ入り込む温帯低気圧の動きを 把握することができていない。また、コックスバザール及びケプパラ気象レーダー整備計画で、気象 ドップラーレーダーシステムの更新が、我が国の無償資金協力により進められているものの、北部に ドップラーレーダーシステムを有していない BMD は、極めて短時間で発生し被害を及ぼすトルネード を伴う暴風雨をリアルタイムで精度良く監視することが困難な状況であることから、予報及び警報が 6 時間毎にのみ発令されているのが現状である。 暴風雨の進路の把握が困難であるため、BMD の発表する進路予測や予警報の精度が低く且つ発令が 6 時間毎と間隔が長いこと、船舶運航会社や関係者が暴風雨を軽視していること等が起因して、船舶 の被害が近年多発している。次ページに添付した表の通り、過去 8 年間の暴風雨による船舶沈没の被 害は、沈没船舶数 34 隻、死者・行方不明者の総計は、958 人 に上っている。 1-7 表7 雷暴風雨及び悪天候により沈没した船舶(1999 年から 2006 年 5 月まで) NO 船舶名 沈没時 沈没場所 Near kalkini Buoy under Laxmipur in the Meghna river Near Mirzar Char under Narshingdi district in the Meghna river Near Lalpur in the Meghna river Near Shatnal under Matlab Thana of Chandpur 1 M. L. Dhip Konn 08-05-1999 2 M.L. Bengal Bird 01-05-2000 3 M.L. Dolphin 01-05-2000 4 M. V. Salauddin-2 03-05-2002 5 M. L. Ipti 11-05-2002 Near Banoripara, Barisal 6 M. V. Subha 24-05-2002 Motbbaria, Pirojpur 7 M. V. Amit Express 13-02-2003 Matlab, Chandpur 8 M. L. Sharifpur 12-04-2003 Chamta port, Kishorganj 9 Passengers Trawler 14-04-2003 Dacope, Chalna, Khulna 10 M. V. Mitali-3 21-04-2003 Pagla, Buriganga river, Narayanganj 11 M. L Majlishpur 21-04-2003 Paneswar, Sarail, B’Baria 12 M.V. Prince of Ekata 21-04-2003 Rajapur- Dilalpur, Kishorganj 13 M. V. Mohammadi 21-04-2003 Rajapur Dilalpur, Kishorganj 14 M. V. Palash 21-04-2003 Rajapur Dilalpur, Kishorganj 15 M. V. Lutfar-2 21-04-2003 Rajapur Dilalpur, Kishorganj M. L. Takdir 21-05-2003 Mirzagonj, Patuakhail 16 04-2004 Chandpur 18 19 M. V. Nijamuddin (Trawler) M. V. Tanik M. V. Lighting Sun 23-05-2004 23-05-2004 Aricha Anandabazar, Chandpur 20 BT-6-238 Tug 21-05-2004 Sadarghat, Dhaka 21 M. V. Diganta Express 23-05-2004 Jahajmara, Chandpur 22 BIWTC- RO-RO Pontoon 23-05-2004 Aricha, Manikganj 23 M. V. Moharaj 20-02-2005 Fatulla, N. Ganj 24 M. L. Prince of Patuakhali 15-05-2005 Char Kazol, Patuakhali 25 M. L. Raypura 17-05-2005 Aricha, Manikganj 26 Engine boat 22-02-2006 Nabinagar, B. Baria 27 Pontoon no. SP-151 Crane Dredger M. V. Sagorika Pontoon No- SP-133 (48ft) Pontoon No- SP- 195 (48ft) Pontoon No. SP- 240 (48ft) Pontoon No- SP- 232 (48ft) Pontoon No- SP-69 (30ft) Pontoon No-MP-31 (64ft) 27-05-2006 Ghashiakhali, Bagerhat Kaliganj, Mehandiganj, Barisal 17 28 29 30 31 32 33 34 27-05-2006 27-05-2006 Sherpur, Sylhet 27-05-2006 Taltali, Amtali, Barguna 27-05-2006 Mahipur, Kalipura, Patuakhali 27-05-2006 Shanta, Koyra, Satkhira 27-05-2006 Pangasia, Kawkhali, Pirojpur 27-05-2006 Rampal Launch ghat, Beherhat 35 M. V. IMrul Kayes 08-06-2006 Sandwip, CTG 36 M. V. Sumi-3 (Cargo) 10-06-2006 Bhatiari, Chittagong 1-8 沈没原因 Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Due to Nor’wester/Kalboishakh Due to Nor’wester/Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/Kalboishakhi Due to Nor’wester/Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to storm Due to storm Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Nor’wester/ Kalboishakhi Due to Bad weather Due to bad weather Due to rough weather Due to rough weather and old damaged pontoon Due to rough weather and old damaged pontoon Due to rough weather and old damaged pontoon Due to rough weather and old damaged pontoon Due to rough weather and old damaged pontoon Due to rough weather and old damaged pontoon Due to bad weather and overloading 総トン数 死者数 60 トン 23 名 50 トン 27 名 100 トン 73 名 200 トン 245 名 50 トン 2 名 95 トン 31 名 60 トン 11 名 60 トン 21 名 20 トン 4 名 115 トン 131 名 65 トン 51 名 260 トン 2 名 250 トン 2 名 230 トン 2 名 250 トン 2 名 40 トン - 20 トン - 50 トン 90 トン 6 名 61 名 100 トン - 95 トン 25 名 120 トン - 110 トン 148 名 60 トン 35 名 97 トン 54 名 - 2 名 - - 100 トン - 30 トン - 30 トン - 30 トン - - - 30 トン - 30 トン - 20 トン 20 名 1000 トン - 29 8 25 18 12 13 14 15 2 22 20 3 10 23 4 17 19 21 11 26 7 5 28 9 6 34 27 32 図3 1 33 30 16 24 35 36 31 暴風雨及び悪天候により沈没した船舶の位置図 図中の番号は、前頁の表の No に対応し、沈没した船舶の位置を表す 出典:バングラデシュ水上交通庁(BIWT)資料より日本気象協会作成 1-1-2 開発計画 2005 年 10 月に完成した貧困削減戦略書(Poverty Reduction Strategy Paper:PRSP)では、洪水、 暴風雨及びサイクロン等による自然災害は社会経済への影響が甚大であるとの認識のもと、早期警戒 を含む災害管理体制の整備が重要であることが示されている。 近年、自然災害により甚大な被害を受けているバングラデシュ国では、国の開発計画を策定してい る計画省(Ministry of Planning)が 3 ヵ年国家投資プログラム(Three Years Rolling Investment Programme (TYRIP), Financial Year 2005-2006 to 2007-2008)の中に、貧困削減戦略の一環として 自然災害の早期警戒を可能とする本計画を早急に実施が必要なプロジェクトとして盛込んでいる。 また、BMD 独自の開発計画(BMD Strategic Plan, 2005-2010)の中においても、本計画の実施 1-9 (2007-2008)が記述されており、このプログラムは既に上部官庁である国防省(Ministry of Defence) により承認され、計画省にも提出されている。 1-1-3 社会経済状況 国土のほとんどが河川扇状地の低地であるバングラデシュ国では、人口のほとんどが低地に集中し ており全人口の 70%が農村部に居住し農業を基盤とした生計を立てている。バングラデシュ 2004 年統 計書によれば、一人あたりの年間国民所得は約 400 ドルで、1 億 3 千万人以上の人口のうち約半分が 貧困層である。所得が 1 日 1 ドル未満の人口は全人口の 36%を占めている。このような社会状況は、 毎年のように発生する大雨や洪水がもたらす災害に対して脆弱であるといえる。 バングラデシュ国の経済は、1990 年代から GDP で対前年比 4~5%程度の比較的順調な発展を続けて いるが、国民の大半が従事し GDP の 21%を占める農業を中心に気象・天候に影響を受けやすい産業構 造となっていることから、洪水はこれらの産業に対して直接的に被害をもたらしており、大規模な洪 水が発生した年は GDP の伸びを押し下げている。 洪水による氾濫面積 の国土全体に対する 割合(%) GDP 成長率(%) 5.7 70 治安情勢悪化 5.5 最大輸出国(米国) 5.5 5.5 の経済低迷 天 候 に恵ま れ 農 業 好調 5.3 米の豊 作 生産量史上最高 5.3 5.3 大 洪 水・農 業に 甚大 な 被害 2,000万人に 5.5 5.5 食糧援助 60 5.4 5.4 5.3 5.3 50 5.2 5.2 5.1 大洪 水 工業部門に 多大な被害 4.9 40 4.9 4.9 天 候不 順で農業 成 長率 ダウン 欧州市場への輸出 減少 30 米の 豊作 電力・建設が牽引 4.7 20 4.5 10 4.4 4.4 4.3 0 1997/ 1998 1998/ 1999 1999/ 2000 図4 2000/ 2001 2001/ 2002 2002/ 2003 バングラデシュの GDP の動向 1-10 2003/ 2004 2004/ 2005 1-2 無償資金協力要請の背景・経緯及び概要 1-1で述べたように、メグナ河の流域内に位置する北東地域は洪水が頻繁に起こる地域であり、 また急峻な山岳地帯に囲まれているためフラッシュフラッドの被害も多い。このような洪水やフラッ シュフラッドは、被害発生地域の降雨によるものではなく、インド側の河川上流域や山岳部での降雨 が主な原因となっている。そのためインド側の河川上流域及び山岳部の降雨を観測し降雨データを得 ることは、洪水予警報作成には不可欠なものである。またバングラデシュ国北部は暴風雨やトルネー ドによる被害も多発している。 バングラデシュ国政府は気象情報の精度向上と予警報体制の整備に力を入れており、1986 年以来我 が国の無償資金協力により、気象観測用レーダーをダッカ(1999 年完成) 、ラングプール(1999 年新 設) 、コックスバザール及びケプパラ(ともに 2005~2008 年更新中)の 4 ヶ所に設置している。これ ら既設 4 基の気象レーダーにより観測網はほぼバングラデシュ国全土に及んでいるが、バングラデシ ュ国の北東地域及びインド側の河川上流域と山岳部はレーダーの観測範囲から外れているため、BMD は暴雨風やトルネードの適時の予警報の発令が困難であるほか、FFWC へのこれらの地域の降雨データ を提供することができていない。 そのため FFWC は精度の高い洪水予警報の作成が困難な状況である。 上述の状況を改善し、防災機関や国民に対して、より精度の高い暴雨風、トルネード、洪水等の予 警報及び情報を提供することは喫緊の課題である。しかしながら、これらの課題に対応するための施 設建設や機材調達等に必要となる資金と技術の不足により、バングラデシュ国独自による実施が困難 であることから、我が国の無償資金協力による施設建設及び気象レーダー等の機材調達を要請してき た。 要請の内容は、下記の通りであった。 ① モウルビバザールに気象レーダー塔の建設 ② モウルビバザールに気象レーダーシステムを構築 ③ モウルビバザールのレーダー画像を伝送するための通信網の構築 上記の要請内容について、BMD 及び FFWC と現地調査を通じて協議を重ねた結果、本計画の目的や効 果を鑑み以下のコンポーネントの追加要請があった。 ④ 既設ダッカ及びラングプール気象レーダーシステムの 8 ビット化改良 ⑤ 首相府、TV センター及びダッカ国際空港に気象レーダー画像表示システムの設置 なお上述⑤の気象レーダー画像表示システムの機材については、計画の実施に合わせてバングラデ シュ側の自助努力の一環として BMD の負担により設置されることで合意がされた。 1-11 1-3 我が国の援助動向 2006 年 5 月に改定された我が国の対バングラデシュ国別援助計画の中で「経済成長」 、「社会開発と 人間の安全保障」 、 「ガバナンス」の 3 分野を重点目標と位置づけ、 「社会開発と人間の安全保障」の 中で「災害対策」を重点セクターの 1 つとしている。以下に現在までに我が国により実施された、気 象分野に対する無償資金協力の内容を列記した。 [無償資金協力] <気象観測用レーダー更新計画>(1986 年~1988 年) 全体事業費:6.36 億円 プロジェクト内容: ・S バンドサイクロン監視レーダー2 基(コックスバザール、ケプパラ) <気象用マイクロウェーブ網整備計画>(1992 年~1994 年) 全体事業費:8.41 億円 プロジェクト内容: ・デジタル・マイクロウェーブ回線整備 東側ルート:コックスバザール~チリンガ~サトカニア~チッタゴン間 西側ルート:ケプパラ~パトゥアカリ~バリサル~スリプール~クルナ間 (チッタゴン~ダッカ、クルナ~ダッカ間はバングラデシュ電信電話公社(BTTB)の既設のマイク ロ回線を利用) ・気象レーダー副指示装置(SWC) <自然災害気象警報改善計画>(1997 年~1999 年) 全体事業費:14.73 億円 プロジェクト内容: ・ 施設建設(ラングプール気象レーダー塔:延床面積約 240m2) ・ S バンド雨量監視レーダー2 基(ダッカ、ラングプール気象レーダー塔) ・ レーダー画像合成処理装置(SWC) ・ 気象衛星(静止気象衛星「ひまわり」 、極軌道衛星 NOAA)データ受信装置(SWC) ・ 気象データ衛星送受信装置(SWC) ・ 自動気象観測装置(ダッカ国際空港) ・ 気象データ処理解析用計算機システム(SWC) ・ 気象用通信システム(SWC、ダッカ国際空港、ダッカ気象レーダー観測所、バングラデシュ TV セ ンター、首相府) <コックスバザール及びケプパラ気象レーダー整備計画(1/2)>(2005 年~2007 年) 全体事業費:8.66 億円 1-12 プロジェクト内容: ・ 施設建設(コックスバザール気象レーダー塔:延床面積約 323m2) ・ S バンド雨量監視レーダー1 基(コックスバザール気象レーダー塔) ・ 気象レーダーデータ表示システム(コックスバザール気象レーダー塔、SWC、コックスバザール気 象台) ・ 気象データ通信システム(コックスバザール気象レーダー塔、SWC、コックスバザール気象台) ・ 気象データ衛星通信システム(コックスバザール気象レーダー塔~SWC 間) ・ 気象衛星データ受信システム(SWC) <コックスバザール及びケプパラ気象レーダー整備計画(2/2)>(2006 年~2008 年) 全体事業費:8.03 億円 プロジェクト内容: ・ 施設建設(ケプパラ気象レーダー塔:延床面積約 350m2) ・ S バンド雨量監視レーダー1 基(ケプパラ気象レーダー塔) ・ 気象レーダーデータ表示システム(ケプパラ気象レーダー塔) ・ 気象データ通信システム(ケプパラ気象レーダー塔) ・ 気象データ衛星通信システム(ケプパラ気象レーダー塔~SWC 間) また BMD では現在、気象解析・予報の人材育成を目的とした技術協力プロジェクトを我が国に対し 要請している。このプロジェクトでは、我が国の無償資金協力による気象レーダーを有効活用して、 レーダーデータをもとにした雨量解析・予報技術を習得して気象情報の精度向上・高度化を図ること を目的としている。このプロジェクトが実施されれば、本プロジェクトの機材の有効活用が促進され、 高い相乗効果が期待される。 [研修員受入] 表8 実施年度 気象分野での研修員受入状況 研修コース名 研修形態 人数 1997 気象学 II (Meteorology II) 集団研修 1 1998 気象レーダー維持管理 (Meteorological Radar Maintenance) C/P 研修 2 2002 気象学 II (Meteorology II) 集団研修 1 気象学 (Meteorology) 集団研修 1 レーダー気象 (Radar Meteorology) C/P 研修 2 気象学 (Meteorology) 集団研修 1 気象レーダー運用維持管理 C/P 研修 3 2005 2006 1-13 関連プロジェクト名 自然災害気象警報改善計画/無償 コックスバザール及びケプパラ気象レー ダー整備計画/無償 コックスバザール及びケプパラ気象レー ダー整備計画/無償 水文分野に対する最近の我が国の協力の内容は、以下の通りである。 [開発調査] <洪水適応型生計向上計画調査>(2000 年~2002 年) <洪水予警報システム計画調査 事前調査>(2002 年) <洪水予警報システム計画調査>(2002 年~2003 年) [研修員受入] 表9 実施年度 水文分野での研修員受入状況 研修形態 人数 洪水氾濫源ゾーニング (Flood Plain Zoning) C/P 研修 1 洪水対策(研究協力)/専門家派遣 河川の形態的変化 (River Morphological Behavior) C/P 研修 1 洪水対策(研究協力)/専門家派遣 河川及びダム工学 II (RIVER AND DAM ENGINEERING) 集団研修 1 フラッシュ洪水 (Mechanism of Flush Flood) C/P 研修 1 河川及びダム工学 II (RIVER AND DAM ENGINEERING) 集団研修 1 河川及びダム工学 II (River and Dam Engineering II) 集団研修 1 河川管理 (River Management) 個別研修 3 1999 河川及びダム工学 II (River and Dam Engineering II) 集団研修 2 2001 洪水対策 (Flood Management and Participatory Development) C/P 研修 1 河川及びダム工学 II (RIVER AND DAM ENGINEERING II) 集団研修 1 C/P 研修 1 C/P 研修 1 1996 研修コース名 関連プロジェクト名 洪水対策(研究協力)/専門家派遣 1997 1998 流速計測法(超音波ドップラー流速計を使った計測法/河川工学) (Methods of Velocity Mesurement in Large Rivers) メグナ河上流域の雨水流出解析(水文学) (Rainfall Runoff Analysis in the Upstream of the Meghna River) 1-4 洪水適応型生活向上計画調査/開調 メグナ橋護岸に係る中長期対策の立案/専 門家派遣 他ドナーの援助動向 調査の結果、本計画と重複した、あるいは関連した援助計画の予定はないことを確認した。 ■BMD に対する中国政府の支援 中国政府の支援により BMD 本局敷地内に高層気象観測センターが建設され、2004 年から運用が開始 されている。また 2006 年 7 月 4 日には、PCVSAT システムの中国政府による供与に関して、中国政府 とバングラデシュ国防省との間で調印が行われた。PCVSAT システムは、中国の FY-2 気象衛星より放 送される気象衛星画像及び気象情報を受信するためのデータ受信システムである。 1-14 ■FFWC に対するデンマーク政府の支援 1995 年よりデンマーク国際開発協力局(Denmark International Development Agency: DANIDA)が 継続的に支援を行って来ているが、2006 年 12 月で終了する予定となっている。現在 FFWC が洪水予警 報作成のために使用している FF2003 モデルは、DANIDA の協力により構築されたモデルである。また 観測機材整備は、国連開発計画(United Nations Development Program: UNDP)による 1981~1998 年 及び 1991~1995 年の 2 度に渡る支援により実施された。これらのシステムが本プロジェクトで計画 される気象レーダーを含む、BMD の気象レーダー網と連携して稼動することができれば、相乗効果が 生じるものと考える。 上述以外にも、世界銀 行の資金援助に より水資 源管理改善プロジェク ト(Water Management Improvement Project: WMIP)及び UNDP により総合災害管理計画(Comprehensive Disaster Management Program: CDMP)が実施されている。 1-15 第2章 プロジェクトを取り巻く状況 第2章 プロジェクトを取り巻く状況 2-1 プロジェクトの実施体制 2-1-1 組織・人員 <BMD> BMD は、バングラデシュ国の気象業務を行なう唯一の政府機関である。国防大臣は、首相が兼務し ており、国防省の傘下には BMD を含め 23 の局がある。 首相(国防大臣兼務) 国防省 国防次官 D-4 (行政管理) プランニングセル (計画管理) バングラデシュ気象局 Bangladesh Meteorological Department Bangladesh Meteorological Department 国防省傘下組織:23 局 図5 国防省組織構成 BMD の定員は 1,057 席で、現在の職員数は 855 名(2006 年 7 月現在)である。BMD の上部官庁であ る国防省及び BMD 組織構成概略は以下の通りとなっている。BMD 本局は首都ダッカにあり、各県 (District)、群(Upazila)に気象業務を行う部局がある。 長官 次長 次長 次長 次長 次長 次長 研修所 暴風雨警報 センター 気候部 本局 技術部 農業気象部 研修所 暴風雨警報 センター 気候部 技術部 農業気象部 次長 チッタゴン 管区気象台 総務部 チッタゴン 管区気象台 機材調達課 計画課 ダッカ 気象レーダー観測所 経理課 ラングプール 気象レーダー観測所 予算課 図6 バングラデシュ気象局組織図 2-1 コックスバザール 気象レーダー観測所 ケプパラ 気象レーダー観測所 モウルビバザール 気象レーダー観測所 BMD には、右図のように北部の暴風雨警報センター(SWC) 管区と南部のチッタゴン管区の 2 つがある。本計画のプロジェ 暴風雨警報センター管区 クト対象サイトがあるモウルビバザールは、チッタゴン管区気 象台に属するため、本計画完成後の運用維持管理に関する指揮 系統は、チッタゴン管区気象台より発せられることとなる。ま た SWC は、BMD 本局に属しており、バングラデシュ全土のサイ クロン予報作成、暴風雨等の警報発令業務、FFWC や防災関連 機関に対するデータ及び情報の提供を担当している。 BMD より発令された気象予警報は、首相府(内閣)、食料災害 チッタゴン管区 管理省、国軍、農業省、船舶省、その他関係各省、地方政府及 び バ ン グ ラ デ シ ュ 赤 新 月 社 ( Bangladesh Red Crescent 図7 BMD の管区 Society: BDRCS) 、国連開発計画(United Nations Development Programme:UNDP) 、国連難民高等弁務官事務所(The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees:UNHCR) 、その他報道機関等約 30 ヶ所に連絡される。そして、ラジオ、テレビ放送及 び新聞報道を通じ、直接住民に伝えられている。また、1999 年 3 月に完成した「自然災害気象警報改 善計画(我が国の無償資金協力による) 」で整備された、テレビ局へ資料配信するための気象マイク ロウェーブ通信システム及び気象データ処理解析装置により、気象情報及び気象レーダー画像等のテ レビ局への配信が開始され、末端の住民に直接情報を提供することができるようになったことで、バ ングラデシュ国の災害管理体制の中での BMD の役割がより重要となってきている。更に前述の気象マ イクロウェーブ通信システムにより、FFWC へも気象レーダーデータ画像及び気象予警報等を適時配信 している。 <気象レーダー観測所の観測体制> 気象レーダー観測所では、以下の 2 つの観測体制をもって観測を行っており、豪雨・暴風雨発生時 等はサイクロン発生時同様に特別観測となる。 通常観測 (Normal Observation) 2 交代制で実施し、1 チーム 2 名(Electronic Assistant 及び Mechanic)で行なっている。 08:00-14:00/14:00-20:00 09:00-16:00 の通常の業務時間には観測のスーパーバイザーとして Electronic Assistant 又は Electronic Engineer、Foreman (Mechanic)及び Assistant Meteorologist が勤務している。 2-2 特別観測 (Special Observation) 3 交代制で実施し、1 チーム 2 名(Electronic Assistant 及び Mechanic)で行なう。 08:00-14:00/14:00-20:00/20:00-08:00 24 時間体制観測のスーパーバイザーとして Electronic Assistant 又は Electronic Engineer、 Foreman (Mechanic)及び Assistant Meteorologist が勤務する。 <BMD の業務体制> SWC の現業予報体制 予報官(Meteorologist)5 名及び予報官補佐(Assistant Meteorologist)4 名によって 3 交代で バングラデシュ国内の様々な気象現象の監視・予報を 24 時間体制で実施している。この他に、伝達 など通信作業を行う職員が複数名勤務している。 8時 予報官の数 14 時 20 時 1名 1~3 名 1~3 名 (日によって異なる) (日によって異なる) 図8 8時 SWC の予報業務体制 SWC の通常予報業務 毎朝 9 時に当日の予報を含めた天気予報を作成し、FAX 等で関係機関に伝達している。 表 10 毎朝 9 時に発表される天気予報の内容 気圧配置の現況と予想についての簡単な説明文 過去 24 時間(前日 6 時-当日 6 時)の雨量、最高気温、最低気温 当日予報の概況文 72 時間後までの見通し ダッカの 6 時現在の風と相対湿度 日の出、日の入り時刻 <FFWC> FFWC は 1972 年に BWDB の一部門として設立された。主な業務内容は、1)水文データ収集、2)洪水 予測モデルの運用、3)洪水警報の発令、4)洪水時の“洪水情報センター”の役務である。 現在の職員人数は 7 名の管理職員及び 15 名の一般職員の 22 名で構成されている。洪水発生時等の 緊急時は、BWDB より管理職員が 14 名補充され 3 交代、36 名体制で業務を実施する。FFWC の業務シフ トスケジュール及び日々の業務のフローチャートを添付した。 2-3 表 11 業務シフトスケジュール 通常業務シフト 2 交代 09:00-21:00/21:00-09:00 データ収集 地方観測所 緊急時業務シフト 3 交代 08:30-14:30/14:30-22:00/22:00-08:30 作成 洪水予警報センター デイリーアウトプット 情報普及 コンピューター室 <10:30-16:00> 雨量 首相府 衛星画像取得 河川水位 <10:30-12:00> 蒸発 関係閣僚及び 災害対策庁 河川現況 統計速報 水資源局 <13:00-16:00> ワイヤレスセンター 大統領府 地方ワイヤレスセンター データ作成 気象局 レーダー画像 (雨量データ) ラジオ モデル運用 気象予報 気圧等高線 <12:00-15:00> TV モデル予報 新聞 予報速報 その他の機関 洪水状況図 援助国、国際機関 SPARRSO から 衛星画像を取得 FFWC ウェブサイト インドから河川水位、 雨量及び予報を取得 06:00-09:00 09:00-10:30 図9 10:00-11:30 10:30-15:00 10:30-16:00 FFWC の業務フローチャート FFWC では、モンスーン季(洪水期)に、2 日分の観測データとその変動を、関係部局へ速報として 流している。また基準観測所において 24 時間及び 48 時間の水位予測を出し、結果をまとめて「Daily Flood Bulletin」として、午後 2~3 時に首相府、防災関連機関(BWDB の地方事務所を含む)、マスメ ディアへ FAX、E メール等にて送信している。またホームページ上でも 24 時間及び 48 時間の予報を 掲載している。水位が危険水位に近づく又は超えた場合は、翌日の新聞にて警報等を発表し、TV 及び ラジオでも放送されている。 2-4 表 12 FFWC 洪水予警報の配信 FFWC が洪水予警報を配信している組織 首相府、監視室 水資源省大臣 水資源省副大臣 水資源省事務次官 救援・復興省、コントロール室 食料省大臣 地方開発省 海軍本部 テレビ: BTV, Chanel-i, Chanel-1, ATN Bangla, nTV, RTV, STV, Bangla Vision シレット及びスナムガンジ県 県知事 BWDB モウルビバザール及びシレット監督技術者 ラジオ::Bangladesh Bater ニュースプレス: BSS, UNB BWDB の各部局 県知事 FAX ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ E-mail メッセンジャー 計 1 1 1 1 1 1 1 1 7 2 2 1 2 26 25 ○ マスメディア ○ 32 NGO 援助機関 政府機関、国営企業、研究所等の組織 その他 ○ ○ ○ ○ 25 65 80 108 計 383 <バングラデシュ国の防災体制> バングラデシュ国の災害管理体制は次図のように確立されている。 首相 Prime Minister 国家防災管理評議会 NDMC 防災管理・救援省 MDMR 省庁合同防災管理・調整委員会 IMDMCC 緊急支援センター EOC 水資源開発庁(BWDB) 洪水予警報センター(FFWC) 食糧省 農業省 保健省 環境省 国防省他 MOF MOA MOH MOE MOD,etc 気象局(BMD) 暴風雨警報センター(SWC) 救援復興総局 DRR 防災管理局 DMB DMB : Disaster Management Bureau NDMC : National Disaster Management Council DRR : Directrate of Relief and Rehabilitation MDMR : Ministry of Disaster Management and Relief EOC : Emergency Operations Center IMDMCC : Inter-Ministorial Disaster Management Coordination Committee 図 10 バングラデシュ国の災害管理体制 バングラデシュ国において洪水被害を軽減するには、各防災関連機関が連携し、それぞれの役務 を果たすことが不可欠である。特に、洪水の原因となる河川流域の降雨を監視する BMD と河川の水 位を監視している BWDB(FFWC)とは、データの交換等の相互協力を行い、精度の高い予警報を作成 して防災関連組織へ伝達することが求められている。BMD と FFWC からの情報は、各防災関連機関の 2-5 初動のトリガーとなっているため、この 2 つの組織の協力と連携は重要である。 災害情報の伝達については、前述の体制が機能して、次図のように BMD 及び FFWC からの情報が各 政府防災関連機関へ伝達される仕組みが整備されており、一般の住民への情報の伝達は、マスメデ ィア及び NGO が一番大きな役目を果たしている。また BWDB の地方事務所から直接、県・郡・ユニオ ン(村)の災害管理委員会、地方自治体組織、警察等へ情報を伝達するルートが構築されているほ か、緊急時は一般住民が BWDB の地方事務所へ行き情報を入手している。地方の通信網が今だ開発途 上のバングラデシュにおいては、各方面及び一般住民が情報を入手することで口コミにより、更に 広域に且つ迅速に情報が伝わる社会構造が既に構築されている。 サイクロン災害の軽減では、BMD の気象レーダー情報により作成された予警報を基に、赤新月社の 組織であるサイクロン対策プログラム(Cyclone Prepardness Programme: CPP)の各ボランティアが 口コミにより予警報を伝達し、住民の早期避難を啓発・誘導することでサイクロンの被災者が激減 し、大きな成果を挙げている。 気象・水文 観測 気象・洪水 予警報作成 BMD BMD BWDB (FFWC) BWDB (FFWC) 図 11 国民へ予警報伝達 防災管理局 危難支援 命令発令 首相府 救助・ 被災者支援 緊急支援センター 災害復旧 作業 緊急支援センター 県・郡・ユニオン(村)災 害管理委員会 国家防災管理評 議会 救援復興総局 救援復興総局 軍・警察 軍・警察 赤新月社 赤新月社 赤新月社 NGO 合 同 防 災 管 理・ 調整委員会 NGO マスメディア 県知事 NGO 洪水予警報に関連する防災関連機関 2-1-2 財政・予算 バングラデシュ国の会計年度は、7 月 1 日~翌年 6 月 30 日で、新年度予算の要求期限は 10 月 31 日となっている。 <BMD> バングラデシュ会計年度 2002/03 年度から 2006/07 年度までの BMD の年間予算及びその推移は、 次の表の通りである。BMD の本年度を含む最近 5 年間の予算の推移は、下記の通り年平均約 9.8%、 過去 5 年で 44%の伸びを示している。特に今年度の予算は、現在実施中のコックスバザール及びケ プパラ気象レーダー整備計画で必要とされる初度経費及び維持管理費が含まれているため、高い伸 びを示している。 本計画は気象レーダーの設置が 1 ヶ所であるため、コックスバザール及びケプパラ気象レーダー 整備計画よりは初度経費及び維持管理費とも低くなることから、BMD は本計画の実施で必要な予算措 2-6 置ができるとの見解である。 表 13 2000~2008 年度の BMD 予算の推移 年度 2002~2003 2003~2004 2004~2005 2005~2006 2006~2007 2007~2008 (見通し) 予算 (1,000Taka) 142,100 146,750 153,500 165,000 204,500 240,350 表 14 各年の推移(%) 3.2 4.6 7.5 23.9 17.5 2006~2007 年度の BMD 予算 内訳 職員給料 消耗品費 電気・水道代 機材維持管理費 その他 計 予算 (1,000Taka) 104,365 25,500 5,000 5,800 63,835 204,500 全体に対する比率 (%) 51.02 12.47 2.45 2.84 31.22 100.00 <FFWC> FFWC の 2006/07 年度の年間予算は、以下の表の通りである。 表 15 人件費及びその他 3,400,000 2006~2007 年度の FFWC 予算(Taka) 運用維持管理 725,000 計画 400,000 計 4,525,000 2-1-3 技術水準 BMD の予算は限られてはいるものの、我が国の無償資金協力で更新されるコックサバザール及びケ プパラ気象レーダーを 16 年の長期に渡り大きな故障も無く運用したことは、BMD の技術力の高さと自 助努力によると考える。 既設の各気象レーダー観測所の維持管理を担当している職員は、電気系の技術者は十年以上の経験 者が多く、電気及び機械機構関連の作業経験があり故障探求やその後の不良部品の抽出、交換及び測 定器を使用した調整などの幅広い技能を持っている。また機械系技術者のレーダーに関する保守作業 は、空中線装置関連の作業が主で、回転機構の注油、グリスアップ、サーボモーターの交換又は応急 的な機械部品の修理であり、習熟度は高い。 既設ダッカ及びラングプール気象レーダー観測所の技術者による気象レーダーの運用保守作業は 2-7 毎日行われており、気象レーダー導入時に日本のレーダーメーカーの技術者による現地研修(OJT) で得た要領に従って、レーダーの基本性能については毎日、他の装置の稼動状態については毎月点検 し、点検簿に記録している。また殆どの故障の修理は、各レーダー観測所の技術者により行われてい る。 2-1-4 既存施設・機材 1999 年に我が国の無償資金協力により完成した「自然災害気象警報改善計画」において調達した機 材の稼動状況は以下の通りである。 <既設気象レーダーシステム> 既設のダッカ及びラングプール気象レーダーシステムは、BMD がバングラデシュの中部及び北西部 の気象現象を主に観測するために設置されたシステム(観測される降雨強度データの分解能は 3bit、 6 段階降雨強度表示)であるため、降雨量のデータを提供することが出来ない。 表 16 ダッカ及びラングプールの各気象レーダーの稼働状況(2006 年 6 月 23 日現在) 機材名 レドーム 空中線装置 空中線制御装置 調査項目 パネル表面の損傷の有無 回転の異音 (1)自動走査 水平回転速度 (2) 手動走査 水平方向 仰角方向 送信出力 送受信装置 オペレーション コンソール 信号処理装置(DVIP) レーダーモニター 装置 ダッカ気象レーダー 無し 無し 良好 ラングプール気象レーダー 無し 無し 良好 良好 良好 良好(350kW) 50kW の減衰はマグネトロンの多 良好(400kW) 少の劣化による パルス繰返し周波数(PRF) AFC Smin 220 PPS 良好 -114dBm 220PPS 良好 -113dBm 各種制御及び表示 良好 良好 地形エコー除去 良好 良好 動作確認 良好 良好 導波管加圧装置 乾燥空気加圧 無停電電源装置 レーダー観測業務 動作確認 定時観測 良好 良好 シリカゲルの定期的交換が必要 シリカゲルの定期的交換が必要 蓄電池、PC board が不良 良好に実施 良好 良好に実施 <既設ダッカ市内の気象マイクロウェーブ通信網> 早期に気象情報を配信するためのマイクロウェーブ通信網(以下①~④の通信網)が整備された。 この通信網の通信速度は 64kbps であり、現行のデータ送信と合わせて、本計画によって作成される 新しい気象データを BMD から首相府、 テレビ局及びダッカ国際空港へ送信するには十分な速度である。 2-8 ① BMD 本局 ⇔ FFWC (BMD 本局⇦ (A)⇨ BTTB ダッカセントラル局⇦ (B)⇨ FFWC) ② BMD 本局 ⇔ ダッカ国際空港 ③ BMD 本局 ⇔ バングラデシュ TV センター ④ BMD 本局 ⇔ 首相府 ①の(B)間は、無償資金協力により整備されたシステムであるため現在も良好に稼動している。一 方①の(A)間は、BMD 独自で整備したアナログ UHF(400MHz 帯)通信回線(1991 年製)で、老朽化が 著しく、通信速度は 2.4kbps と極めて遅い。また BMD 本局~BTTB ダッカセントラル局間には高層ビル が建設され、回線の遮蔽物となっていることから、今後新たな回線の構築は困難な状況である。更に 現在の国際通信規格では、他の無線機器への混信を避けるため、街中に UHF マイクロウェーブ回線を 構築することは許可されず、BMD はバングラデシュ通信管理委員会(Bangladesh Telecommunication Regulatory Committee: BTRC)及びバングラデシュ電信電話公社(Bangladesh Telegraph and Telephone Board: BTTB)より使用停止依頼を受けている。 衛星通信の利用 ( 32kbps ) VSAT Antenna FFWC VSAT コックスバザール 及びケプパラ気象 レーダー観測所 ダッカSWC HUB Antenna × 表示端末 首相府 VSAT 表示端末 処理装置 表示端末 バングラデシュTV 処理装置 表示端末 表示端末 ダッカ国際空港 既設多重回線の利用 ( 64kbps ) 表示端末 図 12 2-2 BMD の気象データ伝送回線 プロジェクトサイト及び周辺の状況 2-2-1 関連インフラの整備状況 気象レーダー塔施設の建設予定地であるモウルビバザール(シレット地域)のインフラの整備状況 等を以下に示す。 (1) 敷地状況 2-9 計画敷地(緯度:北緯 24 度 29 分 08 秒、経度:東経 91 度 46 分 30 秒)は、BWBD が BMD へ本計画の ため移譲を予定している土地であり、広さは約 3,452 ㎡、南北に細長い形状をしている。敷地の南に は池があり、ほぼ平坦でレーダーの建設には十分な広さを有している。敷地の地盤レベルは、前面道 路から約 80cm 低くなっている。モウルビバザール市内の中心に位置し、閑静な住宅が立並ぶ適地で ある。敷地内には建物が残っているが老朽化が著しく使用できない状況であるため、土地の移譲手続 き完了後に、BWDB により撤去されることが確認されている。また約 20m程度の高い樹木が多く茂っ ている。更に敷地西側に隣接して 10 階建てアパートメントが建設中である。 (2) 敷地インフラ整備状況 建設用地 平坦で十分な広さはあるが、計画敷地は 80cm 程度前面道路より低い 電 気 420V 3 相 4 線 50Hz の電源を受電可能である 水 道 敷地北側の前面道路沿いに公共水道給水管が埋設されており受水可能である 下 水 公共の下水道施設は無い 電 話 前面道路まで電話線が来ている (3) 停電頻度 モウルビバザール市内の 1 日の停電頻度の回数及び年トータル停電時間の平均は、調査の結果以下 の通りである。 表 17 1 日の停電頻度と年間通算の停電時間 1 日の停電頻度 年間通算の停電時間 数回/日 約 360 時間 2-2-2 自然条件 1) 気温・日射 モウルビバザールが位置するシレット地域は高温多湿で日射も強く、プレモンスーン季が始ま る 3 月頃から気温は急激に上昇し、最高気温が 30 度以上となる日が 10 月上旬頃まで続く。風向 きが北向きとなる 11 月から 2 月までは、最高気温が 25~30 度、最低気温が 14~18 度と比較的過 ごしやすい季節になる。2003 年~2005 年の 3 年間の平均湿度 77%、年平均最高気温が 30.2 度、 最低気温が 20.7 度である。モウルビバザールが位置するシレット地域の過去数年の気象データは 以下の通りである。 2-10 表 18 年 2003 2004 2005 1月 24.8 25.5 25.2 2月 28.7 28.7 28.5 3月 29.7 32.5 29.4 4月 32.1 28.9 31.7 年 2003 2004 2005 1月 12.2 13.5 12.9 2月 15.1 14.9 16.7 3月 17.8 20.8 19.6 4月 21.9 21 21.8 シレットの月及び年平均最高最低気温 月及び年平均最高気温(度) 5月 6月 7月 8月 31.9 30.2 32.7 33.1 32.3 31.6 30.6 33.3 30.0 32.6 32.0 32.0 月及び年平均最低気温(度) 5月 6月 7月 8月 23.1 24.7 25.9 25.8 24.2 24.9 24.8 25.8 21.6 24.9 25.3 25.9 表 19 年 2003 2004 2005 1月 76 75 74 2月 67 62 70 3月 68 65 75 4月 74 80 72 9月 32.6 30.6 33.2 10 月 31.5 30.9 31.8 11 月 29.4 29.6 30.0 12 月 26.6 27.3 28.6 年間 30.3 30.1 30.4 9月 25.1 24.7 25.6 10 月 24.1 22.4 23.8 11 月 18.1 18.3 18.7 12 月 15.5 15.5 15.6 年間 20.8 20.9 21.0 10 月 85 82 82 11 月 76 73 75 12 月 73 70 69 年間 78 76 77 シレットの月及び年平均湿度 月及び年平均湿度(%) 5月 6月 7月 8月 78 87 84 83 77 83 87 82 81 83 85 87 9月 86 87 81 2) 降雨 バングラデシュ北東部のメグナ河流域は、降水量が同国最大の豪雨地帯である。シレット地域 の年間降水量は年々増加傾向にある。シレットの年間降雨量は以下の通りである。降雨の殆どが 4 月から 9 月に集中している。 特にモンスーン季の 3 ヶ月間で年間降雨量の半分以上の降雨がある。 表 20 乾季 年 2003 2004 2005 1,000 1月 0 1 0 シレットの月間及び年間降雨量 プレモンスーン季 モンスーン季 月間及び年間降雨量(mm) 3月 4月 5月 6月 7月 8月 170 311 359 1038 497 438 40 622 371 553 1394 545 388 296 895 354 978 626 2月 0 8 48 mm ポストモンスーン季 乾季 9月 499 478 319 12 月 7 12 0 10 月 237 235 259 11 月 0 5 0 年間 3,556 4,264 4,163 mm 6,000 Y=21X+3735 800 5,000 600 4,000 400 3,000 200 2,000 0 1 図 13 2 3 4 5 6 7 8 1971 9 10 11 12月 シレットの月降水量 (2001-2005 年平均) 図 14 2-11 1981 1991 2000 年 シレット年降水量の推移 (1971-2000 年) 3) 雷 バングラデシュ国は、世界気象機関による年間雷日数分布では年 60 日のエリアに属しており、 東京の約 3 倍であるが、シレット地域はそれをはるかに上回り、過去 3 年の年間の雷発生数平均 が 130 回もある。 表 21 月別雷日数 2003 年 2004 年 2005 年 1月 0 0 1 2月 2 2 3 3月 12 3 21 4月 20 22 16 2003 年~2005 年の月別雷発生数 5月 18 21 28 6月 16 13 25 7月 10 16 23 8月 12 25 15 9月 19 17 15 10 月 6 4 3 11 月 0 1 0 12 月 0 0 0 計 115 124 150 4) 暴風雨 トルネード(竜巻)を伴う暴風雨が、モンスーン季の前のプレモンス―ン季(特に 3 月と 5 月) に多く発生する。近年、暴風雨発生の増加傾向が見られる。 5) 地震 バングラデシュ建築基準法(Bangladesh National Building Code 1993)によれば、モウルビ バザールはゾーン 3 に属している。 6) 地盤 自然条件調査の結果、地盤面より約 47m の深さに構造物を支持させるのに適した砂礫層の支持 層(N 値 50)があることが確認できている。 2-2-3 その他 <インド側への電波干渉等> インド気象局(India Meteorological Department: IMD)は、インド沿岸に発生するサイクロンを 監視するために 3 基のドップラーレーダーを含め計 10 基の S バンド気象レーダーシステムにより気 象観測網を構築している。バングラデシュ国の北部及び東部のインド領(メグナ河流域)には S バン ド気象レーダーはない。従って、モウルビバザールに S バンド気象レーダーを整備した場合において も、インド側への電波干渉等の問題は無い。 インドの S バンド気象レーダー観測網の中で、最もバングラデシュに近い Kolkata レーダーと BMD のケプパラ気象レーダー観測所の S バンド気象レーダーの間では、周波数が異なること、距離が約 300Km 離れていることから相互による電波干渉は何ら発生していない。 2-12 表 22 インド気象局所有の気象レーダー 観測所名 気象レーダーの種類 Kolkata ドップラー気象レーダー Paradip 一般気象レーダー Vishakhapatnam 一般気象レーダー Machilipatnam ドップラー気象レーダー Chennai ドップラー気象レーダー Karaikal 一般気象レーダー Cochin 一般気象レーダー Goa 一般気象レーダー Mumbai 一般気象レーダー BhuJ 一般気象レーダー 図 15 インド気象局 S バンドサイクロン監視用レーダー観測網 2-13 第3章 プロジェクトの内容 第3章 プロジェクトの内容 3-1 プロジェクトの概要 バングラデシュでは毎年、河川氾濫による洪水やフラッシュフラッド及び暴風雨等による被害に見 舞われ、過去数千万人という国民が被災してきた。また国の基幹産業である農業にも甚大な被害をも たらし、農業を支えている貧困層の生活をより苦しいものとしているほか、社会経済発展を阻害する 大きな要因ともなっている。こうした自然災害による被害をより軽減するため、バングラデシュ政府 は貧困削減戦略書(Poverty Reduction Strategy Paper:PRSP)の中で、自然災害の早期警戒を含む 災害管理体制の整備を行うことを目標としている。 この中で本計画は、バングラデシュ全土及びインド側の河川上流域と国境地帯の山岳部の降雨量、 暴風雨及び豪雨の位置、積算雨量データ等をリアルタイムで取得し、洪水予報精度の向上とフラッシ ュフラッド予警報のタイムリーな発表、バングラデシュ国全土の暴風雨及び豪雨予警報の迅速な発表 といった早期警戒情報の改善を目標とするものである。 バングラデシュの大規模な洪水やフラッシュフラッドは、インド側の河川上流域や山岳部でのモン スーンによる降雨が主な原因となっている。内水氾濫に関しては、バングラデシュ国内での集中豪雨 が原因である。また暴風雨はインド側からバングラデシュ国内へ入り込んだ後に勢力が強くなり、時 にはトルネードを伴い被害を及ぼす。 以上のことから、洪水などの自然災害をより軽減し、上述の目標を達成させるため、 • 「インド側の河川上流域での降雨状況を知り国境より流入する洪水流量を推定する」 、 • 「インド側山岳部の降雨状況を迅速に知る」 、 • 「自国内の全流域の降雨状況をくまなく知る」 ことが可能となるよう機材及び施設の整備を本計画で実施することとしている。 これにより、 ① 気象レーダーにより豪雨が探知された後、1 時間毎にフラッシュフラッドの予警報の発令 ② 気象レーダーにより暴風雨が探知された後、1 時間毎に暴風雨の予警報の発令 ③ 内水氾濫の原因となる豪雨が気象レーダーにより探知された後、1 時間以内に予警報の発令 ④ 洪水予報精度の向上 が期待されている。 そのため本計画は、モウルビバザールの気象レーダー塔の建設、モウルビバザールの気象レーダー 機材の設置、ダッカ及びラングプールの既設気象レーダーの改良、SWC 及び FFWC の気象レーダー表示 システムの設置及び各サイトを結ぶ気象データ衛星通信システムの整備を行うものである。 3-1 3-2 協力対象事業の基本設計 3-2-1 設計方針 (1) 基本方針 a) バングラデシュ国の気象災害軽減に寄与することが可能となるシステム設計を行う。 b) BMD が、気象情報を正確且つ迅速に国民に伝達することで、国民の生命と財産を災害から保 護することに寄与し、社会経済活動の安定に貢献できるよう設計する。 c) 気象現象を 24 時間体制でリアルタイムに監視することができるよう設計する。 d) BMD 及び FFWC が、迅速な気象・水文情報及び予警報の提供が可能となるよう設計する。 e) BMD の技術レベル、運用維持管理能力に適したものとなるような事業内容、規模となるよう 設計する。 (2) 設計方針 ① 機器の設計方針 本案件で新設するシステムの設計方針は以下の通りである。 a) BMD の運用・保守体制能力を考慮する。 b) WMO の技術仕様に適合するものとする。 c) BMD の観測・予報業務との整合性を考慮する。 d) 予備部品・消耗品は容易に調達できるものとする。 e) バングラデシュ国の自然条件を考慮した高い耐久性や信頼性を確保する。 f) BMD の維持管理費を極力軽減する。 g) 実雨量データを用いたレーダーデータ精度の較正が可能なシステム計画を行う。 h) 停電及び落雷による影響が最小限となるようシステム計画を行う。 i) 商用電源(3 相 415V 50Hz 又は単相 240V 50Hz)の電圧変動+/-20%においても、稼動するよ うシステム計画を行う。 ② 施設の設計方針 BMD の将来計画を踏まえ、気象レーダー観測業務の拠点となる気象レーダー施設としての機能を 供え、またシステム・機材・職員の適切かつ効率的な稼動及び収容が可能な施設計画を行う。以 下の機能を有する施設として設計を行う事を方針とする。 a) 気象レーダー施設としての多様な気象業務を遂行可能な施設とする。 3-2 b) 気象業務の流れに沿った動線計画とし、効率的且つ能率的に業務を行える施設とする。 c) 24 時間の交代制勤務を持つ観測及び現業部門を抱えるため、その勤務シフト及び業務職員数 に対応できる施設とする。 d) 1 年を通して 24 時間体制で稼動し、自然災害等による停電時でもレーダー観測の実施、予警 報の発令等が可能となる電源設備(発電機、無停電設備及び電圧安定装置等)を整える。 e) 自然災害発生時でもレーダー観測を遂行する使命を帯びているため、自然災害に対しての対 策と配慮がなされ、十分な強度を持った施設とする。 f) 本案件の気象レーダー関連システム及び機器に対応可能な施設とする。 g) 現地で入手可能な材料を最大限に活用し、BMD の維持管理が容易となるよう配慮する。 (3) 自然条件に対する方針 1) 気温・日射 モウルビバザールが位置するシレット地域は高温多湿であるため、機材が設置される気象レー ダー塔の各室には冷房設備を計画する。 2) 降雨 気象レーダーの繁忙期でもあるプレモンスーン、モンスーン、ポストモンスーン季の期間中(4 月から 10 月)においても、レーダー機器の定期点検を容易とするため、職員が濡れずに各室まで 行けるよう、1F からレーダー機械室及びレドーム内部までの階段は、レーダー塔の中心に配置し、 上部屋上スラブ下となるよう計画する。 3) 洪水 モウルビバザールは、洪水及びフラッシュフラッドのハイリスクエリアに属しているため、将 来的な水害による影響を避けるために必要な地盤面から 1 階スラブまでの高さを確保し、被害が 最小限となるよう計画を行う。 4) 雷 雷がレーダーシステム等に甚大な被害をもたらすことも予想され、被害を極力最小限に食止め る為にも最良な避雷設備を計画する。 5) 暴風雨 気象レーダーの観測精度を保つため、暴風雨発生時においても気象レーダー塔の水平変形角の 傾きが 0.085 度以下(レーダービーム角の 5%)となるよう構造計画を行う。 3-3 6) 地震 バングラデシュ建築基準法(Bangladesh National Building Code 1993)によれば、モウルビ バザールはゾーン 3 に属している。そのためレーダー塔設計には、基準が示すゾーンの標準地震 係数を用いて構造計算を実施する。 7) 地盤 不等沈下を防止するため、地盤面より約 47m の深さにあり、構造物を支持させるのに適した砂 礫層の支持層(N 値 50)に 1m程度貫入させた現場打ちコンクリート造成杭を採用する。 (4) 建設事情に対する方針 1) 環境規制 本計画の気象レーダー塔施設は大規模建設ではないため、特に環境規制は受けないものの、周 辺環境を害することが無いよう配慮する。特にレーダー塔の汚水に関しては、一次処理をした後 に敷地内において浸透処理することとする。 2) 現地調達可能資材の活用 砂利、砂、セメント、生コン、ブロック、レンガ、床材等又鉄筋においては現地で生産されて いるが、その他の建設資材は、ASEAN 諸国からの輸入製品が多い。しかし建設資材の殆どが現地に おいて調達が可能であるため、丈夫で維持管理が容易であり、アスベストを使用していない材料 を選定して使用する。 3) 現地工法・労務者の活用 バングラデシュ国では、鉄筋コンクリート造で、壁はレンガ又はブロックにモルタル塗りの上、 ペンキ塗りというのが、最も一般的な工法である。そのためレーダー塔建設に関してもこの工法 を採用する。 労務者に関しては、大工、左官、鉄筋工等の職種が確立されているが、一般的に熟練工と呼べ る技術者は少なく技術レベルもばらつきが多い。そのため、現地労務者の活用を図るため、現地 労務者が慣れている工法を極力採用することとする。 (5) 現地業者の活用に係る方針 一般的に現地大手建設会社は技術レベルも比較的高いため、本計画の気象レーダー塔建設のサブ コンとして有効に活用する。 3-4 (6) 運営・維持管理能力に対する対応方針 1) 操作が容易なシステム 各システムは、BMD が国の気象機関として気象災害軽減のための気象業務をタイムリーに行うこ とをサポートするものである。そのためシステムの複雑な操作が少なく迅速に各種データの処理、 解析、表示、送受信等を行うことが可能となる計画を行う。 2) 点検修理等が容易で維持管理費が安価なシステム 機材の交換部品や消耗品を最小限となるよう計画し、定期点検が容易で且つ交換部品の交換が 短時間で行えるよう機材計画を行う。また機材計画及び施設計画において、運用維持管理費の中 で最も大きなウェイトを占める電気代を極力抑える技術的対応を行う。 3) 運営維持管理費の低減 BMD による運営維持管理費の長期に亘る確保を容易とするため、以下の対策を機材及び施設計画 に盛り込む。 • 施設の利用エリアのみの運転が可能な電気・空調システムを計画し、省エネルギー化を図る。 • 自然光を極力活用し照明等の使用時間を削減し省エネルギーを図る。 • レーダーシステムの各部品を可能な限り劣化しない構造(固体化)のものとし、交換頻度を 低減することにより、省資源化を図る。 (7) 施設、機材等のグレードの設定に係る方針 自然災害発生時においても、BMD は観測・予報等の気象業務を行う義務を有していることから、洪 水、 暴風雨及び落雷等に対して強靭で、 且つ 1 年を通して 24 時間体制で稼動することが可能な施設、 機材のグレードを目指す方針とする。 (8) 工法/調達方法、工期に係る方針 施設建設に関しては、可能な限り現地調達可能な資材と現地で一般的な工法を採用し、レーダー 塔に設置される機材バックアップ用特殊電源装置及び気象関連機材は、現地調達が出来ないため、 技術レベル、信頼性、耐久性とも優れている日本からの調達を中心に計画する。工期に関しては、 シレット地域は 4~9 月が雨季であるため、出来るだけ外部工事が雨季と重ならないよう配慮する方 針である。特に、レーダーシステムの据付に関しては、レーダー空中線及びレドーム等をレーダー 塔施設屋上に設置することから、雨季では困難が予想されるため、乾季中に機材の設置が完了する 3-5 よう工程計画を行う。 3-2-2 基本計画 本計画で導入予定の機材及び施設は、以下の通りである。 表 23 機材名 計画された機材及び施設の概要 モウルビバザール 気象レーダー 観測所 BMD 本局 暴風雨警報 センター ダッカ 気象レーダー 観測所 ラングプール 気象レーダー 観測所 1 1 1 洪水予警報 センター 機材調達・据付 気象レーダーシステム 気象レーダーデータ表示システム 気象データ衛星通信システム 1 1 1 1 1 既設レーダーシステム 8 ビット化改良 1 1 施設建設 気象レーダー塔施設(機材用家具を含む) 1 前述の基本方針に従い、本計画で導入予定の各機材及び施設の基本計画を以下に示す。 (1) 機材の基本計画 1) 気象レーダーシステム 気象レーダーは、降水現象及びそれに密接に関連する気象現象を空間的、時間的にきめ細かく定 量的に把握することができ、リアルタイムの広域降水観測には非常に有効な機器である。 要請のあった気象レーダーは S バンド(波長約 10cm)レーダーである。S バンド気象レーダーは、 他のバンド帯に比べ、大気や降雨の減衰を受けることが少なく、容易に高出力な電波を送受信でき、 他のバンド帯に比べ感度が高いため、気象レーダーの基本的な特長である“ロングレンジ”、 “リア ルタイム”を最大限に活かしたバンド帯である。従ってリアルタイムで遠方まで監視でき、警報の 早期発令が可能となることから、モンスーンなどの大規模な気象災害の監視に適している。そのた めバングラデシュの最豪雨地帯であるシレット県北東部及び世界の最豪雨地帯であるインド領メガ ラヤ山脈等の豪雨の監視には最適である。 以上のことより本案件において整備が予定されている気象レーダーは、S バンドと、気象の急激な 変化(擾乱、暴風、嵐)を正確且つリアルタイムで把握するため、降雨監視と擾乱監視の 2 つの機 能を切り替えて観測が可能となるドップラーレーダーシステムとする。使用する周波数は、2,770MHz、 3-6 帯域幅±2MHz を使用する。また気象レーダーにより積乱雲が監視できる理論的探知範囲である半径 約 400km をカバーし、また雨量強度 1mm/h 以上の降雨の探知距離を半径約 300km となるよう計画す る。計画されている気象レーダーの主要諸元を次表に示す。 表 24 計画する気象レーダーの主要諸元 主目的 バンド 周波数 降雨監視 S バンド 2,770MHz 降雨分解能 256 階調 雨量強度 1mm/h 以上の降雨の探知距離 強風、暴風、嵐等の監視(ドップラー)機能 雨量積算機能 300km 有 有 本案件の成果目標を達成するために、対象とする気象現象を把握する必要があるため、下記の機 能を付帯させるものとする。 ① ドップラーモード機能 暴風雨(ノーウェスタ:Nor’wester)及びトルネードを監視するために、ドップラーモードを 使用する。地上気象等他の観測との組合せにより、半径 160km 程度の範囲内の風に起因する現象 を実況監視する上で効果を発揮する。本計画において導入されるモウルビバザールの気象レーダ ーは、従来の機能である降雨の監視機能と、風の速度検出ができる機能とを有するドップラー気 象レーダーとする。 ② CAPPI(Constant Altitude PPI (Plan Position Indicator))機能 気象レーダーは通常、反射エコーの強度をもとに雨量データに換算しているが、観測されたエ コーの高度によってエコー強度の特性が異なることから雨量データに誤差が生じる。CAPPI 観測で は複数の仰角での観測を自動で連続的に行い、 エコー強度データを 3 次元的に得ることができる。 このデータをもとに一定の高度面のデータを取り出し雨量データに換算することで、上述の誤差 を取り除くことができる。 大雨の量の推定や、他レーダーのデータとの画像合成には、上述の観測誤差のないデータ、特 に高度 2km 又は 3km の CAPPI プロダクトを用いる必要がある。このため本計画では、複数仰角観 測から CAPPI プロダクト作成までを自動で行う CAPPI 機能を付帯させることとする。 ③ 基本機能として備える必要のある表示・出力情報機能 気象ドップラーレーダーにより、効率的且つ効果的に裨益効果発現を促進するには、下記の気 象レーダー基本機能を気象レーダーに付帯させることが、極めて重要なファクターである。 3-7 表 25 基本機能として備える必要のある表示・出力情報機能 気象レーダー表示・出力情報機能 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 PPI(Plan Position Indicator)表示 RHI(Range Height Indicator)表示 JPG 画像出力 大雨警報出力 指定時間積算雨量表示 流域/地域雨量表示及び警告 表層雨量表示 合成画像表示 風向・風速表示 上層風時間変化表示 ウインドシヤー検出警告 CAPPI(Constant Altitude PPI)表示 エコー頂表示 任意断面表示 鉛直積算雨水量表示 3 次元画像表示 「気象レーダーによる観測範囲」を次に示す。 3-8 観測目的 雨量観測 風向・風速観測 3 次元観測 図 16 バングラデシュ国気象レーダー観測網の範囲図 (観測範囲=海抜高度 3,000mのビーム高度とした) 注:等ビーム高度線は米国地質調査所の標高データをもとに作成 3-9 2) 気象レーダーデータ表示システム BMD 及び FFWC の観測官や予報官が多忙な業務の中でデータを利用することを考えると、作業ス ペースから離れることなく気象情報を入手する必要がある。このことから、気象レーダーデータ 表示システムを設置する場所は以下の通りとした。また気象・水文予警報業務で利用するために は、気象レーダーデータはリアルタイムで迅速に提供されなければならないため、本システムは リアルタイムでデータを受信、表示する機能を有するものとする。またディスプレイは、設置ス ペースを大きく取らず、消費電力が少なく、冷房効率を考慮して発熱が小さなものとし、且つ各 室係官の円滑な業務の実施と長時間の使用も可能となるよう、画面の反射が極力少ないものとす る。 a) 建設予定のモウルビバザール気象レーダー塔内の観測室 b) BMD ダッカ本局 SWC c) FFWC <FFWC 用気象レーダーデータ> 右図に示した 5 基のレーダー観測範囲内全ての雨量強度を 合成したレーダー雨量データを SWC のコンピューターで作成 する。このデータファイルは、レーダー観測範囲内の 2.5km 間隔の 1 時間雨量をバイナリー形式で格納する。FFWC はこの ファイルを、FFWC に設置される気象レーダーデータ表示シス テムで受信し、FFWC 自身の洪水予測モデルに自ら入力するこ とが可能となるよう計画する。 図 17 5 基の気象レーダー観測範囲 3) 気象データ衛星通信システム コックスバザール及びケプパラの気象レーダーデータは、15 分毎に受信可能な体制が整えられ る計画がなされており、降雨監視・予報業務の向上を図り、適時、迅速に降雨情報を FFWC へ伝達 するためには、モウルビバザールの気象レーダーデータも SWC において 15 分毎に受信可能な体制 を整える必要がある。そのためには、コックスバザール及びケプパラ両気象レーダー観測所と SWC 間同様に、モウルビバザール気象レーダー観測所と SWC 間、既設ラングプール気象レーダー観測 所と SWC 間及び SWC と FFWC 間においても 32kbps 以上の通信衛星を利用した高速データ通信シス テムの構築が不可欠である。 現在のバングラデシュにおいて、確実に気象レーダーデータを SWC 又は FFWC に 15 分毎に送信 3-10 するには、BTTB の地上回線の一部を専用線として使用する方法と衛星通信システムの 2 種類があ るが、以下に列記した理由により衛星回線を利用することとした。 • コックスバザール及びケプパラの気象レーダーと SWC 間で既に衛星通信システムを使用して いるため、地上回線の専用線使用料より通信衛星スペースセグメントの使用料が安価となる こと • 地上回線に誘雷に対する対処がなされていないこと(気象レーダーに甚大な被害を及ぼす可 能性がある) • 地上回線に不具合が生じた場合、地上回線は距離が長いため、その原因の特定及び復旧にか なりの時間を要すること • 地上回線の維持管理を BTTB に依存することとなり、緊急時に BMD 及び FFWC 独自による迅速 な対応が困難であること モウルビバザールの気象レーダーの各データの SWC までの送信時間及び SWC から FFWC へのデー タ伝送時間を次に示す。 表 26 通信速度 32kbps の場合のモウルビバザール~SWC 間のデータ送信時間 モウルビバザール気象レーダーデータ 数値雨量データ及びドップラーデータ (240k バイト) 10 仰角数値雨量データ及びドップラーデータ (2.4M バイト) 表 27 送信時間 1.3 分 12.5 分 通信速度 32kbps の場合の SWC~FFWC 間のデータ送信時間 気象レーダーデータ レーダー雨量のバングラデシュ国全国合成データ (360k バイト) 送信時間 2.2 分 災害発生時においても支障なく気象レーダーデータを BMD ダッカ本局及び FFWC へ送信すること が要求されるため、降雨減衰の少ない C バンドを使用することとする。またコンピューター機器 やデジタル装置に容易に接続できるシステムとする。以下に気象データ衛星通信システムの最低 必要条件を示す。 表 28 気象データ衛星通信システムの最低必要条件 帯域 データ送信速度 トランスポンダの帯域幅 C バンド 32kbps 以上 モウルビバザール~BMD ダッカ本局 SWC:100kHz 以上 FFWC~BMD ダッカ本局 SWC:100kHz 以上 既設ラングプール~BMD ダッカ本局 SWC:100kHz 以上 コックスバザール~BMD ダッカ本局 SWC:100kHz 以上 ケプパラ~BMD ダッカ本局 SWC:100kHz 以上 総計:500kHz 以上 モウルビバザール及びラングプール両気象レーダー観測所と SWC 間及び SWC と FFWC 間の気象デ 3-11 ータ衛星通信システムに関しても、コックスバザール及びケプパラ両気象レーダー観測所と SWC 間で使用する通信衛星を使用することとなるため、以下の条件を満たす静止衛星を使用する。 • サービス範囲 :バングラデシュを含む東南アジア地域 • 衛星ビーム :Cバンドビーム • 周波数 :アップリンク 5925~6425 [MHz] ダウンリンク 3700~4200 [MHz] • 偏波 :直交偏波 • 最大 EIRP :39.5 [dBW]以上(EIRP: Effective Isotropic Radiated Power/等価等方輻射電力) • G/T :-2.2 [dB/K]以上(G/T: アンテナと LNB(低雑音増幅器)で決まる受信感度) • SFD :-86.5 [dBW/m2]以下(SFD: Saturation Flux Density/飽和電力束密度) • 軌道位置(経度) :60°E ~ 140°E 4) 既設ダッカ及びラングプールレーダーシステム 8 ビット化改良 既設のダッカ及びラングプール気象レーダーで観測される降雨強度データの分解能 3 ビット(6 段階降雨強度表示)を 8 ビット(256 段階降雨強度表示)に高め、新設されるモウルビバザールと 現在実施中のコックスバザール及びケプパラ気象レーダーの降雨強度 8 ビットデータと合成し、 バングラデシュ全土の降雨強度分布の合成画像を SWC において作成する。この改良により、バン グラデシュ全ての気象レーダーの雨量データの分解能が統一される。 既設のダッカ及びラングプール気象レーダーに以下のような 8 ビット化改良を実施する。 表 29 既設ダッカ及びラングプール気象レーダー改良前・改良後の比較 現状の機能 気象レーダー観測所 伝送データの種類 データ量 降雨強度分解能 表示画面 ・ダッカ ・ラングプール 降雨強度データ(3 ビット画像) ・直交座標形式 ・240×240 メッシュ ・3 ビットデータ 合計:30kbyte 6 階調 ・雨量強度表示 改良後の機能 ・指定仰角数値雨量データ(8 ビッ ト数値データ) ・極座標形式 ・320 レンジ×360 方位 ・8 ビットデータ 合計:240kbyte 256 階調 ・PPI 表示 ・大雨警報出力 ・時間積算雨量表示 ・全国雨量分布データ ・流域/地域雨量表示 以下が既設のダッカ及びラングプール気象レーダーの改良内容である。 3-12 空中線装置 送受信装置 8bitデータ 処理装置 ログビデオ信号 レーダーデータ 収集装置 ハブ ハブ VSAT 必要となる機材 空中線 制御装置 操作卓/信号処理装置 アンテナ角度信号 (方位角および仰角) 図 18 既設ダッカ及びラングプール気象レーダー8 ビット化改良ユニット構成 本案件の全体システム構成は、次ページに添付した「バングラデシュ気象レーダー網概要図」 の通りである。 3-13 ダッカ気象 レーダー塔 V S A T局 ダッ カ本局暴風雨警報センター 小型無 停電 電源 装置 レー ダーデー タ 8ビ ットデー タ 収集 装置 処理 装置 B TTB ダッ カ セ ン ト ラル WAF S 洪水予警報センター 1kV A無停 電 屋内 装置 電 源装 置 1kV A定電 圧 供 給装 置 VS AT ルー タ カ ラー プリン ター 1,2 定電 圧 供給装 置 WAF S WAF S NOAA モウルビバザ ール気象レーダー塔 小型 無停電 電源 装置 ル ータ マ イ クロ 波 回線 ス キ ャナ1 ,2 NOA A イー サネット ス イッチ カラ ー プ リン 気 象デ ータ 表示 装置 NOA A レ ーダ ー表示 装置 定 電圧 供 給装 置 ター デー タ処 理装置 受信 及び 表示 首相府 マイ クロ 波 回線 マ イク ロ 波 回線 ファ イル 記録 装置 VS AT スイ ッチ 小 型無 停電 電 源装 置 ルー タ イ ーサ ネット スイ ッチ 変復 調装 置 8m - レド ーム& 5m -空中線装置 イ ーサネ ット ル ータ レ ーダー合 成装 置 レ ーダ ー 気 象デー タ 表 示装 置 表示 装置 変復 調装 置 通 信制 御 装 置1,2 カラ ー プリン ター 定電 圧 供 給装 置 気象 画像 表示 装置 サイ ク ロ ン警 告装 置 導波 管加圧 装置 レ ーダー 機械室 レ ーダー 動作 制御 装置 VS A T ア ン テナ装 置 データ ・プロ トコ ル V S A T局 屋内 装置 変換 装置 空 中線 制御 送信 装置 ・ 受 信信 号 装置 増幅 管装 置 処 理装 置 カ ラー プリン ター光 リピ ータ ー 音 声信 号符 号化 装置 レ ーダー 電源 メン テ ナン ス 用 箱 小 型無 停電 電 源装 置 データ解 析室 光リピ ー ター カ ラ ー データ 解析 装置 プリン ター ルー タ 気象 擾乱 ・ 雨量 強度 表示装 置 レー ダー定電 圧 発 電機 (二 重化 ) 音声 信号 符 号化 装置 ドップラ ー速度 表示 装置 耐 雷トラ ンス 供 給装 置 P DB ス イッ チ フ ライ ホイ ール 型 V SA T H UB 送 信機 及びL N B アン テ ナ装 置 1k VA無停 電 電 源装 置 送信 機及 びLNB 小型 無停 電 電 源装 置 HU B 小 型無 停電 電源 装置 3kVA定 電圧 屋 内装 置 3kVA無 停電 供給 装置 電源 装置 北方 合成 装置 HU B 屋 内装 置 南方 合成 装置 電源 バックアップ室 レ ーダ ー電 源 定電 圧 メン テ ナ ンス 用箱 (3F ) 供給 装置 小型 無停 電 電 源装 置 カラー プ リン ター ラングプール気象レ ーダー塔 定電 圧 供給 装置 VS A T 送信 機及 びLN B 小型 無停 電 電 源装 置 レ ーダーデ ータ 8 ビ ットデータ 収集 装置 処理 装置 小型 無停 電 電 源装 置 定 電圧 供給 装置 定電 圧 小 型無 停電 小型 無停 電 電源 装置 小型 無停 電 電 源装 置 電源 装置 電 源装 置 気象 データ 記録装 置 電話 機 定電 圧 供給 装置 号 化装置 気象 衛星 データ 受信 用W S 気象 衛星 データ 受信 ユニット 気象 衛星 データ 定電 圧 供給 装置 小型 無停 電 電源 装置 処 理装置 AMOS レーダー 表示装置 表示装置 定 電圧 供給 装置 -インターネットへ -ユーザーへ SADIS NOAA 表示装置 表示装置 小型 無停 電 電源 装置 定 電圧 供 給装 置 イ ーサ ネ ット 小型 無停 電 ス イ ッチ 電 源装 置 空域管制室 ルー タ レ ーダー 表示装置 気 象画像 表示 装置 定電 圧 供給装 置 気象データ 表示装置 定 電圧 供 給装 置 A MOS 表示 装置 M T SAT 小型 無停 電 電 源装置 VHF 回線 定 電圧 供 給装 置 MTSAT アンテ ナ 滑走路 定 電圧 供 給装 置 AM OS ケプパラ気象レーダー塔 VS AT 凡例 バングラデシュ側より要請された機材 バングラデシュ側より追加要請された機材 コックスバザール気象レーダー塔 コ ック ス バ ザー ル気 象 台 アン テナ バングラデシュ側により 供給される機材 レ ーダ ー画像 ア クセス ユニ ット ス ペ クトラ ム 拡散 方式 無線 装置 及び屋 外器 図 19 アンテナ イ ーサ ネ ット小 型無 停電 ス イ ッチ 電源装 置 定 電圧 供 給装置 Pr inter ATC塔 DDS 小 型無 停電 電 源装 置 音声 信号 符 ブリ ーフィ ング室 気 象画像 表示 装置 気象観測室 音声 信号 符号化 変 換装 置 小型 無停 電 ドップラ ー風 向風 速 表 示装 置 ルー タ 既設のPBXへ プロ ダ クト 再生 装置 気 象画 像表 示装 置 ダ ッカ国際空港 回線 定 電圧 供給 装置 定 電圧 供 給 装置 副制御 装置 マ イク ロ 波 定電 圧 供 給装 置 イ ーサ ネット スイ ッチ サ イク ロ ン 追 尾 表 示装 置 供給 装置 1kV A 無停 電 電源 装置 定電 圧 供給 装置 (x 3) レ ー ダ ーWe bサー バ アクセスサ ーバ 処 理装 置 カラー プリ ン ター 定電 圧 供給 装置 ル ータ 小型 無停 電 電 源装 置 積 算降 水量 電 源バ ックア ッ プ装 置 商 用電 源 (主 分電 盤) 全国 合成 装置 給装 置 観測 室 電 話機 小 型無 停電 電 源装 置 カラー プリン タ ー 定電 圧供 小型 無停電 ルータ 主制 御装 置 小型無停電電 源装置(x3) 電 源装 置 イ ーサ ネ ット スイ ッチ 電源 装置 定電 圧 供 給装 置 (x 2) -記 録装 置 -処 理装 置1, 2 小 型無 停電 小型 無停 電 電 源装 置 定電 圧供 給装 置 HUB 小 型無 停電 電源 装置 (x2) (光 イン タ ー フェ ース含 む) 通 信制 御 装 置3,4 電話 機 音 声信 号符 号化 変換 装置 PBXへ 二 重化 小 型無 停電 電源装 置 小 型無 停電 電源 装置 ル ータ 変復調 装置変 復調 装置 二重 化ス イ ッチ バングラデシュTVセンター マイ クロ 波 回線 降水量 通信 装置 1,2 ルー タ1, 2 バングラデシュ気象レーダー網概要図 VSA T ス ペクト ラ ム 拡散 方式 無線 装置 及び 屋外器 3-14 レー ダー 表示 装置 チャー ト 記録 装置 (2) 主要機材リスト 主要機材は以下の通りである。 表 30 機材名 気象レーダーシステム 気象レーダーデータ表示システム 気象データ衛星通信システム 主要機材 モウルビバザール 気象レーダー 観測所 BMD 本局 暴風雨警報 センター ○ ○ ○ ○ ○ ダッカ 気象レーダー 観測所 ラングプール 気象レーダー 観測所 ○ ○ ○ 既設レーダーシステム 8 ビット化改良 洪水予警報 センター ○ ○ 主要機材リスト 気象レーダーシステム(モウルビバザール気象レーダー塔) サイト名: モウルビバザール気象レーダー塔 (屋上) 名称 主な仕様 レドーム 構造:サンドイッチ球面パネル型 直径:約 8m 色:白色 (撥水仕上げ) 設計速度圧:2600 N/㎡ 適合周波数:2,770MHz(±2MHz) 透過損失:乾燥状態で 0.5dB 以下一方向) 相対湿度:0~100% 避雷針:避雷保護角 60 度 航空障害灯:防水型 ベースリング:必要取付部品を含む 空中線装置 タイプ:ホーンフィードパラボラアンテナ 反射鏡:直径約 5m 適合周波数:2,770MHz(±2MHz) ビーム幅:-3dB 点において 1.7°以下 利得:39dB 以上(レドームなし) 偏波:直線、水平偏波 サイドローブ:-25dB 以下(レドームなし) 指向範囲:方位軸 360°,仰角軸-2°~+90° 定在波比:1.4 以下(レドームなし) 光接続箱:制御信号を電気信号から光信号に変換伝達 方向性結合器 結合度:進行波 – 50dB ±2dB 反射波 – 35dB ±1dB 校正精度:±0.5dB VSWR:1.10 以下 耐電力:1MW 以上 3-15 数量 1 目的 レーダー空中線装置、作業員等を過 酷な気象条件から保護する。頂部 に避雷針を設け、全体を落雷から 保護する。 1 パラボラアンテナを方位角 360°、仰角 0~60°の任意の方位に指向、あ るいは回転させ、送信装置からの 送信電波をペンシルビーム状に空間に 放射する。降水粒子により散乱さ れた電波を受け、受信装置に送り 込む。 サイト名: モウルビバザール気象レーダー塔(レーダー機械室) 名称 主な仕様 空中線制御装置 制御モード:プログラミングモード及びマニュアルモード制御 駆動方式:サーボモータ制御方式 走査方式:方位・仰角独立走査 動作範囲:水平 360°,垂直 -2~+90° 駆動速度:0.5~6rpm で選択可能 垂直作動:-2~60°まで往復 17 秒以下 自動および手動で以下の走査ができること -方位角方向の回転 (CW および CCW) -仰角方向の昇降 空中線の停止精度 方位角:±0.1°以下 仰角:±0.1°以下 送信装置 送信周波数:2,770MHz (S バンド) 送信出力:500kW ピーク(送信管出力口において) 変調部:固体型 パルス幅:0.4~2.0μs で選択可能 パルス繰返し周波数(PRF): [ドップラーモード: Dual-PRF] 500~1800Hz で選択可能(パルス巾 1.0μs) [強度モード: Single-PRF] 200~300Hz で選択可能(パルス巾 2.0μs) 状態表示:送信時間、余熱時間、ローカル/リモート 警報表示:オーバロード、出力電力異常、筺体内温度異常 増幅管装置 四連送信管: クライストロン型(エージング装置(x2)を含む) 冷却方式: 強制空冷 絶縁方式: オイルタンク 増幅管交換器付 受信信号処理装置 高周波増幅回路雑音指数:3dB 以下(LNA 入力以後) 受信方式: コヒーレント IF デジタイザ 最小受信感度:-110dBm 以下(10us パルスにおいて) ダイナミックレンジ:ノイズレベルから飽和レベルまで 80dB 以上 (整合フィルターによる) 量子化ビット数:14 ビット レンジビン:1024 最大処理範囲:0km~400km、0°~360° 変換範囲 :800km×800km(強度観測) 240km×240km(ドップラー観測) データグリッド又はレンジ分解能:2.5km(強度観測) 1.0km(ドップラー観測) 強度モード グランドクラッタ抑圧:Chebyshev IIR ディジタルハイパスフィルター 対数直線性:80dB にわたって±1dB 以内 距離補正:レーダー方程式による 大気減衰補正:観測範囲内で 0.005dB/km 速度モード 信号処理方式:パルスペア方式、FFT 方式 及びランダム位相補正方式 速度折り返し補正:Dual PRF 方式による実時間処理 トリガ制御:次の PRF 選択可能(2:3、3:4、4:5) 出力データ:反射強度(Z)、ドップラー速度(V)、速度幅(W) 出力データ分解能: 8 ビットもしくは 16 ビット 出力データ表示間隔: 自動スキャン後1分以内 時刻校正:GPS NTP サーバー(アンテナ含む)による自動校正 導波管加圧装置 -供給能力:3±1 liter/min -通常:200hPa -圧力上限:300±30 hPa -圧力下限:70±30 hPa 3-16 数量 1 目的 レーダー観測モードに従った空中線制 御信号により、空中線の水平、垂 直用モータを駆動し、空中線を指示 された方位に指向あるいは回転 させる。 1 増幅管装置でマイクロ波電力を発生 させ、これを送信電波として空中 線装置に送り、一方で受信電波の 強弱に応じた受信信号を送る。 1 パルス状のマイクロ波高電力を発生す る。 1 受信部で受信信号をデジタル値に 変換したのち、地形エコーの除去、 受信信号の平均化、距離に応じた 受信信号強度の補正等の処理を 行う。 位相検波の結果からドップラー速度 を算出しレーダー動作制御装置へ出 力する。 1 空中線と送信装置とを結ぶ導波 管内部に乾燥空気で加圧し、電波 の伝播損失を軽減する。 導波管 レーダー動作制御装 置 データ・プロトコル 変換装置 周辺機器 -導波管 規格 :S バンド導波管 (WR-284 又は同等以上) -サーキュレータ 耐電力:最低 700kW -TR リミッタ (x6) 仕様:二重化バックアップ・タイプ CPU:Pentium 4、 3.8GHz 又は同等以上 メインメモリー(RAM):1024Mbytes 以上 ハードディスク:250GBytes 以上 x 2 ドライブ フロッピーディスク:1 ドライブ(3.5 インチ、 1.44Mbytes) CD-R/W:1 ドライブ モニターディスプレー:カラー液晶、19 インチ以上 LAN インターフェース:IEEE802.3、10/100BaseT、 TCP/IP、 2 ポート以上 LAN アレスタ:サージ保護用、RJ45 インターフェース 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) ソフトウェア OS:UNIX 又は LINUX アプリケーションソフトウェア: -レーダーローカル制御及びモニタリング -観測スケジュールの設定、制御 -レーダーエコーの表示 -データの生成及び伝送 CPU:Pentium 4、 3.8GHz 又は同等以上 メインメモリー(RAM):1024Mbytes 以上 ハードディスク:250GBytes 以上 x 2 ドライブ フロッピーディスク:1 ドライブ(3.5 インチ、 1.44Mbytes) CD-R/W:1 ドライブ モニターディスプレー:カラー液晶、19 インチ以上 LAN インターフェース:IEEE802.3、10/100BaseT、 TCP/IP、 2 ポート以上 LAN アレスタ:サージ保護用、RJ45 インターフェース 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) ソフトウェア OS:UNIX 又は LINUX アプリケーションソフトウェア: -データの受信、変換、及び伝送 -パラメータ設定 -表示処理 -Web サーバー機能 小型無停電電源装置 -容量:500VA 以上 -入力電圧:AC 220V±15%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5% (単相 50Hz) -バックアップ時間:最大負荷で最低 5 分間 1kVA 無停電電源装置 -容量:1kVA 以上 -入力電圧:AC 220V±15%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5% (単相 50Hz) -バックアップ時間:最大負荷で最低 5 分間 二重化スイッチ -LAN インターフェース:IEEE 802.3 Ethernet -接続ポート: 100BASE-T、 8 ポート -入力電圧:AC 220V(単相 50Hz) -各ポートと電源は二重化とする 3-17 1 空中線装置と送信装置とを結び、 低損失で送受信電波を伝達させ る。 1 レーダー観測制御を行い、データの生 成及び配信を行なう。 主な監視項目: ・ 送信制御/状況表示 ・ 空中線方位 ・ 仰角位置の制御 ・ 表示 ・ 送信ステータス ・ パルス幅の制御/監視 1 回線容量に応じた RAW データを生成 し伝送する。 2 コンピュータ機器に安定した電源を供 給する。電源異常発生の場合、シャ ットダウン信号をコンピュータに送出す る。 1 コンピュータ機器に安定した電源を供 給する。電源異常発生の場合、シャ ットダウン信号をコンピュータに送出す る。 1 ネットワーク上において指定させたポー トへ LAN 接続を行なう。 カラープリンター 1 -カラーインクジェット方式、 -A3 サイズ、最低 1200dpi 以上、 7ppm 以上の印字速度 -インターフェース: USB、 SCSI 又は LAN -入力電圧:AC 220V(単相 50Hz) 光リピーター 1 -LAN インターフェース:IEEE 802.3 Ethernet -接続ポート: 100BASE-T、 1 ポート 光インターフェース、1 チャネル、マルチモード(100Mbps) -入力電圧:AC 220V(単相 50Hz) レーダー電源メンテナンス用箱 1 -サーキットブレーカー:ノーヒューズタイプ -メインブレーカ -分配出力:予備 1 個含め最低 5 分配 -入力電圧:AC 220V(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V(単相 50Hz) サイト名: モウルビバザール気象レーダー塔(電気室) 名称 主な仕様 数量 耐雷トランス -容量:35kVA 以上 1 -入力電圧:AC 220V(三相 50Hz) -出力電圧:AC 220V(単相 50Hz) -絶縁種別:B 種 -サージ耐圧:30kV 以上 レーダー定電圧供給 ユニット 1(レーダー機器用) 1 装置 容量:20kVA 以上 入力電圧:AC 220V±20%(単相 50Hz) 出力電圧:AC 220V±5% (単相 50Hz) ユニット 2(OA 機器用) 容量:20kVA 以上 入力電圧:AC 220V±20%(単相 50Hz) 出力電圧:AC 220V±5% (単相 50Hz) サイト名: モウルビバザール気象レーダー塔(レーダーパワーバックアップ室) 名称 主な仕様 数量 フライホイール型電 -保持時間 :レーダー機器を 4 分以上保持 1 源バックアップ装置 -入力電圧 :AC 220V(単相 50Hz) -定常時出力:入力電圧を直接出力 -CVCF 出力 :AC 220V±5% (単相 50Hz) -その他 :バッテリーレス、インバータユニット(x1) サイト名: モウルビバザール気象レーダー塔(維持管理室) 名称 主な仕様 数量 試験信号発生器 メンテナンス用機器 1式 電力計 1式 パワーセンサー 1式 周波数計 1式 検波器 1式 減衰器 1式 検波器用終端器 1式 オシロスコープ 1式 デジタルマルチメータ 1式 同軸/導波管変換器 1式 工具セット 1式 延長コード 1式 水準器 1式 保守用梯子 1式 クランプ電流計 1式 高圧プローブ 1式 掃除機 1式 レーダー空中線保守用デッキ 1式 交換部品 空中線用タイミングベルト(方位角用) 1式 3-18 レーダー画像の表示を印刷する。 サージ保護のため、ネットワーク上の電気 信号を光信号に変換し伝送する。 電源装置から供給される電力をレ ーダーシステム等に分配、供給する。 目的 電源から侵入する雷サージ電圧か ら負荷機器を保護する。 レーダーシステムの個々の機器に安定し た電力を供給する。 目的 フライホイールの慣性エネルギーにより電力 を発生させ、停電時にレーダーシステム に供給する。 目的 メンテナンスに使用する。 メンテナンスに使用する。 消耗品 サービスマニュアル 空中線用タイミングベルト(仰角用) 空中線用エンコーダ(方位角用) 空中線用エンコーダ(仰角用) 空中線用モータ(方位角用) 空中線用モータ(仰角用) 空中線制御装置用サーボユニット(方位角用) 空中線制御装置用サーボユニット(仰角用) 空中線制御装置用電源ユニット 送信装置用タイマーリレー 送信装置用ブロアユニット 送信装置用ファンユニット 送信装置用制御部電源ユニット コンピュータ用ハードディスク(250GB 以上) LAN アレスタ CD-R/W ドライブ MPU (3.8GHz 又は同等以上) メモリー(1024MB 以上) 航空障害灯 空中線用潤滑油 電源用カーボンブラシ 信号用カーボンブラシ 取扱説明書 1式 1式 1式 1式 1式 1式 1式 1式 1式 2式 2式 1式 1式 1式 2式 1式 1式 2式 1式 1式 1式 2式 レーダーメンテナンスに使用する。 レーダーメンテナンスに使用する。 レーダーメンテナンスに使用する。 メンテナンスに使用する。 気象レーダーデータ表示システム(モウルビバザール気象レーダー塔) サイト名: モウルビバザール気象レーダー塔 (レーダー機械室) 名称 主な仕様 周辺機器 音声信号符号化装置(VoIP) -方式: H.323 又は SIP -音声符号化方式:G.723、G.729 又は G.711 -VoIP インターフェース:対電話機 -VoIP ポート数:4 ポート -WAN インターフェース :10/100BASE-T 電話機 仕様:アナログ 2 線式、 DTMF サイト名: モウルビバザール気象レーダー塔(観測室) 名称 主な仕様 気象擾乱・ドップラ CPU:Pentium 4、 3.8GHz 又は同等以上 メインメモリー(RAM):1024Mbytes 以上 ー速度表示装置 ハードディスク :250GBytes 以上 x 2 ドライブ フロッピーディスク:1 ドライブ(3.5 インチ、 1.44Mbytes) CD-R/W :1 ドライブ モニターディスプレー:カラー液晶、19 インチ以上 LAN インターフェース:IEEE802.3、10/100BaseT、 TCP/IP、 2 ポート以上 LAN アレスタ:サージ保護用、RJ45 インターフェース 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) ソフトウェア OS:UNIX 又は LINUX アプリケーションソフトウェア: -基本データ監視機能 -各種プロダクトの監視表示機能 -地図投影 -プロダクトの表示および再生 3-19 数量 1 1 数量 1 目的 LAN 上のパケット信号を音声のアナログ 信号に変換する。電話に必要なダ イヤル信号の交換を行なう。 電話による通信を行なう。 目的 気象現象の監視、表示、警告を行 なう。 雨量強度表示装置 周辺機器 CPU:Pentium 4、 3.8GHz 又は同等以上 メインメモリー(RAM):1024Mbytes 以上 ハードディスク :250GBytes 以上 x 2 ドライブ フロッピーディスク:1 ドライブ(3.5 インチ、 1.44Mbytes) CD-R/W :1 ドライブ モニターディスプレー:カラー液晶、19 インチ以上 LAN インターフェース:IEEE802.3、 10/100BaseT、 TCP/IP、 1 ポート以上 LAN アレスタ:サージ保護用、RJ45 インターフェース 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) ソフトウェア OS:UNIX、LINUX 又は Microsoft Windows アプリケーションソフトウェア: -レーダーローカル制御及びモニタリング -観測スケジュールの設定、制御 -基本データ監視機能 -気象プロダクトの監視および表示 -地図投影 -プロダクトの表示および再生 カラープリンター -カラーインクジェット方式、A3 サイズ -最低 1200dpi 以上、7ppm 以上の印字速度 -インターフェース: USB、 SCSI 又は LAN -入力電圧:AC 220V (単相 50Hz) 二重化スイッチ -LAN インターフェース:IEEE 802.3 Ethernet -接続ポート: 100BASE-T、 8 ポート -入力電圧:AC 220V (単相 50Hz) -各ポートと電源は二重化とする 光リピーター -LAN インターフェース:IEEE 802.3 Ethernet -接続ポート: 100BASE-T、 1 ポート 光インターフェース、1 チャネル、マルチモード(100Mbps) -入力電圧:AC 220V(単相 50Hz) 小型無停電電源装置 -容量:500VA 以上 -入力電圧:AC 220V±15%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5%(単相 50Hz) -バックアップ時間:最大負荷で最低 5 分間 音声信号符号化装置(VoIP) -方式: H.323 又は SIP -音声符号化方式:G.723、G.729 又は G.711 -VoIP インターフェース:対電話機 -VoIP ポート数:4 ポート -WAN インターフェース :10/100BASE-T 音声信号符号化変換装置(VoIP) -方式: H.323 又は SIP -音声符号化方式:G.723、G.729 又は G.711 -VoIP インターフェース:対交換機(FXO/2W) -VoIP ポート数:4 ポート -WAN インターフェース :10/100BASE-T -IP アドレス:固定方式 電話機 仕様:アナログ 2 線式、DTMF 方式 3-20 1 レーダーの雨量強度を表示する。 1 レーダー画像の表示を印刷する。 1 ネットワーク上において指定させたポー トへ LAN 接続を行なう。 1 サージ保護のため、ネットワーク上の電気 信号を光信号に変換し伝送する。 2 コンピュータ機器に安定した電源を供 給する。 電源異常発生の場合、シャットダウン 信号をコンピュータに送出する。 1 LAN 上のパケット信号を音声のアナログ 信号に変換する。電話に必要なダ イヤル信号の交換を行なう。 1 LAN 上のパケット信号を音声のアナログ 信号に変換する。既設交換機インタ ーフェースと LAN インターフェースの変換を行 う。 1 電話による音声通話を行なう。 サイト名: モウルビバザール気象レーダー塔(データ解析室) 名称 主な仕様 データ解析装置 CPU:Pentium 4、 3.8GHz 又は同等以上 メインメモリー(RAM):1024Mbytes 以上 ハードディスク :250GBytes 以上 x 2 ドライブ フロッピーディスク:1 ドライブ(3.5 インチ、 1.44Mbytes) CD-R/W :1 ドライブ モニターディスプレー:カラー液晶、19 インチ以上 LAN インターフェース:IEEE802.3、10/100BaseT、 TCP/IP、 2 ポート以上 LAN アレスタ:サージ保護用、RJ45 インターフェース 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) ソフトウェア OS:UNIX 又は LINUX アプリケーションソフトウェア: -基本データ監視機能 -気象プロダクト処理 -地図投影 -プロダクトの解析表示および再生 周辺機器 カラープリンター -カラーインクジェット方式、A3 サイズ -最低 1200dpi 以上、7ppm 以上の印字速度 -インターフェース: USB、 SCSI 又は LAN -入力電圧:AC 220V (単相 50Hz) 小型無停電電源装置 -容量:500VA 以上 -入力電圧:AC 220V±15%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5%(単相 50Hz) -バックアップ時間:最大負荷で最低 5 分間 交換部品 コンピュータ用ハードディスク(250GB 以上) サービスマニュアル MPU (3.8GHz 又は同等以上) メモリー(1024MB 以上) LAN アレスタ 取扱説明書 3-21 数量 1 目的 レーダーで観測されたデータから気象 現象の解析を行なう。 1 レーダー画像の表示を印刷する。 1 コンピュータ機器に安定した電源を供 給する。 電源異常発生の場合、シャットダウン 信号をコンピュータに送出する。 1式 メンテナンスに使用する。 1式 1式 1式 1式 メンテナンスに使用する。 気象レーダーデータ表示システム(ダッカ本局 暴風雨警報センター) サイト名: ダッカ暴風雨警報センター 名称 主な仕様 降水量通信装置 CPU:Pentium 4 3.8GHz 又は同等以上 メインメモリー(RAM):1024Mbytes 以上 ハードディスク :250GBytes 以上 x 2 ドライブ フロッピーディスク:1 ドライブ(3.5 インチ、 1.44Mbytes) CD-R/W :1 ドライブ モニターディスプレー:カラー液晶、19 インチ以上 LAN インターフェース:IEEE802.3、10/100BaseT、 TCP/IP、 1 ポート以上 LAN アレスタ:サージ保護用、RJ45 インターフェース 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) ソフトウェア OS:UNIX、LINUX 又は Microsoft Windows 記録装置 アプリケーションソフトウェア: -メッセージ処理 -プロット -Web ページの生成 CPU:Pentium 4、3.8GHz 又は同等以上 メインメモリー(RAM):1024Mbytes 以上 ハードディスク:250GBytes 以上 x 2 ドライブ フロッピーディスク:1 ドライブ(3.5 インチ、1.44Mbytes) CD-R/W:1 ドライブ DDS:1 ドライブ(規格 DDS3 以上) モニターディスプレー:カラー液晶、19 インチ以上 LAN インターフェース:IEEE802.3、10/100BaseT、TCP/IP、1 ポート以上 LAN アレスタ:サージ保護用、RJ45 インターフェース 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) ソフトウェア OS:UNIX、LINUX 又は Microsoft Windows アプリケーションソフトウェア: -データ受信 -表示機能 -外部記録媒体へのデータ保存 3-22 数量 2 目的 降水量データおよび気象情報の通 信処理を行なう。 1 レーダーおよび気象情報を指定され た媒体に記録する。 処理装置 CPU:Pentium 4、3.8GHz 又は同等以上 メインメモリー(RAM):1024Mbytes 以上 ハードディスク:250GBytes 以上 x 2 ドライブ フロッピーディスク:1 ドライブ(3.5 インチ、1.44Mbytes) CD-R/W:1 ドライブ モニターディスプレー:カラー液晶、19 インチ以上 LAN インターフェース:IEEE802.3、10/100BaseT、TCP/IP、 1 ポート以上 LAN アレスタ:サージ保護用、RJ45 インターフェース 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) ソフトウェア OS:LINUX 及び Microsoft Windows のデュアルブート 2 レーダーおよび気象情報の再生表示 を行なう。 1 各レーダーからデータを受信し、全国 合成画像を生成する。 1 ダッカ、ラングプール、モウルビバザール、 の各レーダーからデータを受信し、北 方合成画像を生成する。 アプリケーションソフトウェア(気象業務用/Windows OS): -Microsoft Office バージョン 2003 以上 全国合成装置 北方合成装置 アプリケーションソフトウェア(レーダー観測用/LINUX 又は Windows OS): -データ受信 -各種気象プロダクトの再生 -地図投影 CPU:Pentium 4 3.8GHz 又は同等以上 メインメモリー(RAM):1024Mbytes 以上 ハードディスク:250GBytes 以上 x 2 ドライブ フロッピーディスク:1 ドライブ(3.5 インチ、1.44Mbytes) CD-R/W:1 ドライブ モニターディスプレー:カラー液晶、19 インチ以上 LAN インターフェース:IEEE802.3、10/100BaseT、TCP/IP、 1 ポート以上 LAN アレスタ:サージ保護用、RJ45 インターフェース 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) ソフトウェア OS:UNIX、LINUX 又は Microsoft Windows アプリケーションソフトウェア: -データ受信機能 -データ配信機能 -レーダーエコーの表示 -ステータスの表示 -全国合成処理設定及び合成データ表示機能 CPU:Pentium 4 3.6GHz 又は同等以上 メインメモリー(RAM):1024Mbytes 以上 ハードディスク :250GBytes 以上 x 2 ドライブ フロッピーディスク:1 ドライブ(3.5 インチ、 1.44Mbytes) CD-R/W :1 ドライブ モニターディスプレー:カラー液晶、17 インチ以上 LAN インターフェース:IEEE802.3、10/100BaseT、 TCP/IP、 1 ポート以上 LAN アレスタ:サージ保護用、RJ45 インターフェース 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) ソフトウェア OS:UNIX、LINUX 又は Microsoft Windows アプリケーションソフトウェア: -データ受信機能 -データ配信機能 -レーダーエコーの表示 -ステータスの表示 -北方合成処理及び合成データ表示機能 3-23 周辺機器 交換部品 サービスマニュアル ルータ -LAN インターフェース:IEEE 802.3 Ethernet -接続ポート: 100BASE-T 2 ポート -ルーティング:IP ルーティング -入力電圧:AC 220V(単相 50Hz) 小型無停電電源装置 -容量:500VA 以上 -入力電圧:AC 220V±15%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5%(単相 50Hz) -バックアップ時間:最大負荷で最低 5 分間 定電圧供給装置 -容量:1kVA 以上 -入力電圧:AC 220V±20%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5%(単相 50Hz) コンピュータ用ハードディスク(250GB 以上) MPU (3.6GHz 又は同等以上) メモリー(1024MB 以上) LAN アレスタ データ記録用 DDS(5 本) 取扱説明書 2 既設のネットワークセグメントに接続する。 7 コンピュータ機器に安定した電源を供 給する。 電源異常発生の場合、シャットダウン 信号をコンピュータに送出する。 7 各コンピュータに定電圧を供給する。 4式 4式 4式 4式 1式 1式 メンテナンスに使用する。 観測データの記録に使用する。 メンテナンスに使用する。 気象レーダーデータ表示システム(洪水予警報センター) サイト名: 洪水予警報センター 名称 主な仕様 レーダー表示装置 CPU:Pentium 4、 3.8GHz 又は同等以上 メインメモリー(RAM):1024Mbytes 以上 ハードディスク:250GBytes 以上 x 2 ドライブ フロッピーディスク:1 ドライブ(3.5 インチ、1.44Mbytes) CD-R/W:1 ドライブ モニターディスプレー:カラー液晶、19 インチ以上 LAN インターフェース:IEEE802.3、10/100BaseT、TCP/IP、1 ポート以上 LAN アレスタ:サージ保護用、RJ45 インターフェース 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) ソフトウェア OS:LINUX 又は Microsoft Windows 周辺機器 アプリケーションソフトウェア: -データ受信 -プロダクトの表示および再生 イーサネットスイッチ -LAN インターフェース:IEEE 802.3 Ethernet -100BASE-T 8 ポート -入力電圧:AC 220V (単相 50Hz) ルータ -LAN インターフェース:IEEE 802.3 Ethernet -接続ポート: 100BASE-T 2 ポート -ルーティング:IP ルーティング -入力電圧:AC 220V(単相 50Hz) 小型無停電電源装置 -容量:500VA 以上 -入力電圧:AC 220V±15%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5%(単相 50Hz) -バックアップ時間:最大負荷で最低 5 分間 3-24 数量 1 目的 数値レーダーデータおよび気象情報の 表示を行なう。 1 ネットワーク上において指定させたポー トへ LAN 接続を行なう。 1 既設のネットワークセグメントに接続する。 1 コンピュータ機器に安定した電源を供 給する。 電源異常発生の場合、シャットダウン 信号をコンピュータに送出する。 交換部品 サービスマニュアル 定電圧供給装置 -容量:1kVA 以上 -入力電圧:AC 220V±20%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5%(単相 50Hz) コンピュータ用ハードディスク(250GB 以上) MPU (3.8GHz 又は同等以上) メモリー(1024MB 以上) LAN アレスタ DDS(5 本) 取扱説明書 1 1式 1式 1式 1式 1式 1式 各コンピュータに定電圧を供給する。 メンテナンスに使用する。 観測データの記録に使用する。 メンテナンスに使用する。 気象データ衛星通信システム(モウルビバザール気象レーダー塔) サイト名: モウルビバザール気象レーダー塔 名称 主な仕様 VSAT 局屋外装置 出力周波数範囲: 5.925GHz~6.425GHz (ODU/送信機) 入力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 出力電力レベル: +40dBm min リニア利得: 64dB 定格 外部基準信号: 10MHz(正弦波) [周波数] : -5 ~ +5 dBm [入力レベル] VSAT 局屋外装置 入力周波数範囲: 3.700GHz~4.200GHz (ODU/LNB) 出力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 雑音温度 (Ta: +25 C): 35K typ. 45K max 変換利得 (Ta: +25 C): 60 dB min. 66 dB max 外部基準信号: 10MHz(正弦波) [周波数] : -10 ~ 0 dBm [入力レベル] VSAT 局アンテナ装置 アンテナ径: 2.4m 送信周波数範囲: 5.925GHz~6.425GHz 受信周波数範囲: 3.700GHz~4.200GHz アンテナ駆動方法: 手動 支持構造部: Az-El 構造 VSAT 局屋内装置 変調方式: QPSK (IDU) 送信出力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 受信入力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 下り回線情報速度: 32kbps 又は 64kbps 上り回線情報速度: 32kbps 又は 64kbps 送信チャネル数: 1ch (Data, Voice) 受信チャネル数: 1ch (Data, Voice) 出力基準信号: 10MHz(正弦波) [周波数] : -5 ~ +5 dBm [出力レベル] (送信ポート) : 10MHz(正弦波) [周波数] : -10 ~ 0 dBm [出力レベル] (受信ポート) DC 電圧出力: +48 V DC (送信ポート) : +15 V DC (受信ポート) 復調方式: 同期検波方式 端末インターフェース:10base-T or 100base-TX(Data,Voice) 3-25 数量 1 目的 衛星を経由して各レーダーデータ通信 および気象業務通信を行う送信 機。 1 衛星を経由して各レーダーデータ通信 および気象業務通信を行う受信 機。 1 衛星を経由して各レーダーデータ通信 および気象業務通信を行うアンテナ。 1 衛星を経由して各レーダーデータ通信 および気象業務通信を行う変復 調装置。 避雷器箱 メンテナンス用機器 交換部品 サービスマニュアル 48VDC 電源用: 1ch 放電開始電圧: 88Vmin 応答時間: 0.1μs 放電耐性: 2000A(8/20μs) 温度センサ用: 1ch 放電開始電圧: ±6Vmin 応答時間: 0.1μs 放電耐性: 5000A(8/20μs) 高周波信号用: 2ch 放電開始電圧: 90Vmin 周波数: DC-2.2GHz 放電耐性: 20KA(8/20μs) 保守用端末 避雷端子 取扱説明書 1 1式 1式 1式 雷から VSAT 機器を保護する。 メンテナンスに使用する。 メンテナンスに使用する。 メンテナンスに使用する。 気象データ衛星通信システム(ラングプール気象レーダー塔) サイト名: ラングプール気象レーダー塔 名称 主な仕様 VSAT 局屋外装置 出力周波数範囲: 5.925GHz~6.425GHz (ODU/送信機) 入力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 出力電力レベル: +40dBm min リニア利得: 64dB 定格 外部基準信号: 10MHz(正弦波) [周波数] : -5 ~ +5 dBm [入力レベル] VSAT 局屋外装置 入力周波数範囲: 3.700GHz~4.200GHz (ODU/LNB) 出力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 雑音温度 (Ta: +25 C): 35K typ. 45K max 変換利得 (Ta: +25 C): 60 dB min. 66 dB max 外部基準信号: 10MHz(正弦波) [周波数] : -10 ~ 0 dBm [入力レベル] VSAT 局屋内装置 変調方式: QPSK (IDU) 送信出力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 受信入力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 下り回線情報速度: 32kbps 又は 64kbps 上り回線情報速度: 32kbps 又は 64kbps 送信チャネル数: 1ch (Data, Voice) 受信チャネル数: 1ch (Data, Voice) 出力基準信号: 10MHz(正弦波) [周波数] : -5 ~ +5 dBm [出力レベル] (送信ポート) : 10MHz(正弦波) [周波数] : -10 ~ 0 dBm [出力レベル] (受信ポート) DC 電圧出力: +48 V DC (送信ポート) : +15 V DC (受信ポート) 復調方式: 同期検波方式 端末インターフェース:10base-T or 100base-TX(Data,Voice) 3-26 数量 1 目的 衛星を経由して各レーダーデータ通信 および気象業務通信を行う送信 機。 1 衛星を経由して各レーダーデータ通信 および気象業務通信を行う受信 機。 1 衛星を経由して各レーダーデータ通信 および気象業務通信を行う変復 調装置。 避雷器箱 周辺機器 メンテナンス用機器 交換部品 サービスマニュアル 48VDC 電源用: 1ch 放電開始電圧: 88Vmin 応答時間: 0.1μs 放電耐性: 2000A(8/20μs) 温度センサ用: 1ch 放電開始電圧: ±6Vmin 応答時間: 0.1μs 放電耐性: 5000A(8/20μs) 高周波信号用: 2ch 放電開始電圧: 90Vmin 周波数: DC-2.2GHz 放電耐性: 20KA(8/20μs) 1kVA 無停電電源装置 -容量:1kVA 以上 -入力電圧:AC 220V±15%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5%(単相 50Hz) -バックアップ時間:最大負荷で最低 5 分間 定電圧供給装置 -容量:1kVA 以上 -入力電圧:AC 220V±20%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5%(単相 50Hz) 保守用端末 避雷端子 取扱説明書 1 雷から VSAT 機器を保護する。 1 VSAT 機器に安定した電源を供給 する。 1 VSAT に定電圧を供給する。 1式 1式 1式 メンテナンスに使用する。 メンテナンスに使用する。 メンテナンスに使用する。 気象データ衛星通信システム(洪水予警報センター) サイト名: 洪水予警報センター 名称 主な仕様 VSAT 局屋外装置 出力周波数範囲: 5.925GHz~6.425GHz (ODU/送信機) 入力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 出力電力レベル: +40dBm min リニア利得: 64dB 定格 外部基準信号: 10MHz(正弦波) [周波数] : -5 ~ +5 dBm [入力レベル] VSAT 局屋外装置 入力周波数範囲: 3.700GHz~4.200GHz (ODU/LNB) 出力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 雑音温度 (Ta: +25 C): 35K typ. 45K max 変換利得 (Ta: +25 C): 60 dB min. 66 dB max 外部基準信号: 10MHz(正弦波) [周波数] : -10 ~ 0 dBm [入力レベル] VSAT 局アンテナ装置 アンテナ径: 2.4m 送信周波数範囲: 5.925GHz~6.425GHz 受信周波数範囲: 3.700GHz~4.200GHz アンテナ駆動方法: 手動 支持構造部: Az-El 構造 3-27 数量 1 目的 衛星を経由して各レーダーデータ通信 および気象業務通信を行う送信 機。 1 衛星を経由して各レーダーデータ通信 および気象業務通信を行う受信 機。 1 衛星を経由して各レーダーデータ通信 および気象業務通信を行うアンテナ。 VSAT 局屋内装置 (IDU) 避雷器箱 周辺機器 メンテナンス用機器 交換部品 サービスマニュアル 変調方式: QPSK 送信出力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 受信入力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 下り回線情報速度: 32kbps 又は 64kbps 上り回線情報速度: 32kbps 又は 64kbps 送信チャネル数: 1ch (Data, Voice) 受信チャネル数: 1ch (Data, Voice) 出力基準信号: 10MHz(正弦波) [周波数] : -5 ~ +5 dBm [出力レベル] (送信ポート) : 10MHz(正弦波) [周波数] : -10 ~ 0 dBm [出力レベル] (受信ポート) DC 電圧出力: +48 V DC (送信ポート) : +15 V DC (受信ポート) 復調方式: 同期検波方式 端末インターフェース:10base-T or 100base-TX(Data,Voice) 48VDC 電源用: 1ch 放電開始電圧: 88Vmin 応答時間: 0.1μs 放電耐性: 2000A(8/20μs) 温度センサ用: 1ch 放電開始電圧: ±6Vmin 応答時間: 0.1μs 放電耐性: 5000A(8/20μs) 高周波信号用: 2ch 放電開始電圧: 90Vmin 周波数: DC-2.2GHz 放電耐性: 20KA(8/20μs) 1kVA 無停電電源装置 -容量:1kVA 以上 -入力電圧:AC 220V±15%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5%(単相 50Hz) -バックアップ時間:最大負荷で最低 5 分間 定電圧供給装置 -容量:1kVA 以上 -入力電圧:AC 220V±20%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5%(単相 50Hz) 保守用端末 避雷端子 取扱説明書 3-28 1 衛星を経由して各レーダーデータ通信 および気象業務通信を行う変復 調装置。 1 雷から VSAT 機器を保護する。 1 VSAT 機器に安定した電源を供給 する。 1 VSAT に定電圧を供給する。 1式 1式 1式 メンテナンスに使用する。 メンテナンスに使用する。 メンテナンスに使用する。 気象データ衛星通信システム(ダッカ本局 暴風雨警報センター) サイト名: ダッカ暴風雨警報センター 名称 主な仕様 HUB 局屋内装置 変調方式: QPSK (IDU) 送信出力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 受信入力周波数範囲: 950MHz~1450MHz 下り回線情報速度: 32kbps or 64kbps (可変可能) 上り回線情報速度: 32kbps or 64kbps (可変可能) 送信チャネル数: 3ch (Data, Voice) 受信チャネル数: 3ch (Data, Voice) ラングプール気象レーダーと通信するために、ダッカ本局 の既設 Comstream DT-8000 を接続可能なこと 出力基準信号: 10MHz(正弦波) [周波数] : -5 ~ +5 dBm [出力レベル] (送信ポート) : 10MHz(正弦波) [周波数] : -10 ~ 0 dBm [出力レベル] (受信ポート) DC 電圧出力: +48 V DC (送信ポート) : +15 V DC (受信ポート) 復調方式: 同期検波方式 端末インターフェース:10base-T or 100base-TX(Data,Voice) 収容架:19 インチラック メンテナンス用機器 交換部品 サービスマニュアル 保守用端末 結合/分配器 取扱説明書 数量 1 目的 衛星を経由して各レーダーデータ通信 および気象業務通信を行う変復 調装置。 1式 1式 1式 メンテナンスに使用する。 メンテナンスに使用する。 メンテナンスに使用する。 既設気象レーダーシステム 8bit 化改良(ダッカ気象レーダー塔) サイト名: ダッカ気象レーダー塔(レーダー機械室) 名称 主な仕様 レーダーデータ収集 受信データ:以下に示す既存レーダー; 装置 -アナログ LOG 信号 -方位角データ -仰角データ 量子化ビット数:14 ビット以上 レンジビン:1024 以上 処理範囲:0km~400km、0°~360° 処理応答:リアルタイム処理 出力データ:LOG データ 処理走査モード:PPI ホストインターフェース:シリアル又はイーサネット サージ保護:シリアル又は LAN アレスタ 時刻校正:GPS NTP サーバー(アンテナ含む)による自動校 正 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) 3-29 数量 1 目的 既設のレーダーシステムに接続し、LOG ビ デオ信号、方位角信号、仰角信号 を収集する。 8 ビットデータ処理 装置 CPU:Pentium 4、 3.8GHz 又は同等以上 メインメモリー(RAM):1024Mbytes 以上 ハードディスク:250GBytes 以上 x 2 ドライブ フロッピーディスク:1 ドライブ(3.5 インチ、1.44Mbytes) CD-R/W:1 ドライブ モニターディスプレー:カラー液晶、19 インチ以上 LAN インターフェース:IEEE802.3、10/100BaseT、TCP/IP、 2 ポート以上 LAN アレスタ:サージ保護用、RJ45 インターフェース 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) ソフトウェア OS:LINUX 及び Microsoft Windows のデュアルブート 1 受信した LOG ビデオ信号からクラッタ 除去処理を行った後、8bit データ に変換する。 1 コンピュータ機器に安定した電源を供 給する。電源異常発生の場合、シャ ットダウン信号をコンピュータに送出す る。 1 コンピュータ機器に安定した電源を供 給する。電源異常発生の場合、シャ ットダウン信号をコンピュータに送出す る。 メンテナンスに使用する。 アプリケーションソフトウェア(気象業務用/Windows OS): -Microsoft Office バージョン 2003 以上 周辺機器 交換部品 サービスマニュアル アプリケーションソフトウェア(レーダー観測用/UNIX,LINUX 又は Windows OS): -LOG データの受信 -8 ビットデータ処理 -表示処理 -8 ビットデータ転送 小型無停電電源装置 -容量:500VA 以上 -入力電圧:AC 220V±15%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5% (単相 50Hz) -バックアップ時間:最大負荷で最低 5 分間 定電圧供給装置 -容量:1kVA 以上 -入力電圧:AC 220V±20%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5% (単相 50Hz) コンピュータ用ハードディスク(250GB 以上) LAN アレスタ 取扱説明書 1式 1式 2式 メンテナンスに使用する。 既設気象レーダーシステム 8bit 化改良(ラングプール気象レーダー塔) サイト名: ラングプール気象レーダー塔(レーダー機械室) 名称 主な仕様 レーダーデータ収集 受信データ:以下に示す既存データ; 装置 -アナログ LOG 信号 -方位角データ -仰角データ 量子化ビット数:14 ビット以上 レンジビン:1024 以上 処理範囲:0km~400km、0°~360° 処理応答:リアルタイム処理 出力データ:LOG データ 処理走査モード:PPI ホストインターフェース:シリアル又はイーサネット サージ保護:シリアル又は LAN アレスタ 時刻校正:GPS NTP サーバー(アンテナ含む)による自動校 正 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) 3-30 数量 1 目的 既設のレーダーシステムに接続し、LOG ビ デオ信号、方位角信号、仰角信号 を収集する。 8 ビットデータ処理 装置 CPU:Pentium 4、 3.8GHz 又は同等以上 メインメモリー(RAM):1024Mbytes 以上 ハードディスク:250GBytes 以上 x 2 ドライブ フロッピーディスク:1 ドライブ(3.5 インチ、1.44Mbytes) CD-R/W:1 ドライブ モニターディスプレー:カラー液晶、19 インチ以上 LAN インターフェース:IEEE802.3、10/100BaseT、TCP/IP、 2 ポート以上 LAN アレスタ:サージ保護用、RJ45 インターフェース 入力電圧:AC 220V、 (単相 50Hz) ソフトウェア OS:LINUX 及び Microsoft Windows のデュアルブート 1 受信した LOG ビデオ信号からクラッタ 除去処理を行った後、8bit データ に変換する。 1 コンピュータ機器に安定した電源を供 給する。電源異常発生の場合、シャ ットダウン信号をコンピュータに送出す る。 1 アプリケーションソフトウェア(気象業務用/Windows OS): -Microsoft Office バージョン 2003 以上 交換部品 アプリケーションソフトウェア(レーダー観測用/UNIX,LINUX 又は Windows OS): -LOG データの受信 -8 ビットデータ処理 -表示処理 -8 ビットデータ転送 小型無停電電源装置 -容量:500VA 以上 -入力電圧:AC 220V±15%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5% (単相 50Hz) -バックアップ時間:最大負荷で最低 5 分間 定電圧供給装置 -容量:1kVA 以上 -入力電圧:AC 220V±20%(単相 50Hz) -出力電圧:AC 220V±5% (単相 50Hz) コンピュータ用ハードディスク(250GB 以上) 1式 コンピュータ機器に安定した電源を供 給する。電源異常発生の場合、シャ ットダウン信号をコンピュータに送出す る。 メンテナンスに使用する。 サービスマニュアル LAN アレスタ 取扱説明書 1式 2式 メンテナンスに使用する。 周辺機器 (3) 施設の基本計画 1) 敷地・施設配置計画 ① 敷地の特徴 計画敷地(緯度:北緯 24 度 29 分 08 秒、経度:東経 91 度 46 分 30 秒)は、BWDB が BMD へ本計 画のため移譲を予定している土地であり、広さは約 3,452 ㎡、南北に細長い形状をしている。敷 地の南には池があり、ほぼ平坦でレーダー塔施設の建設には十分な広さを有している。敷地の地 盤レベルは、前面道路から約 80cm 低くなっている。モウルビバザール市内の中心に位置し、閑静 な住宅が立並ぶ適地である。敷地内には朽ちた建物が残っているが老朽化が酷く使用できない状 況であるため、土地の移譲手続き完了後に、BWDB により撤去されることが確認されている。また 約 20m程度の高い樹木が多く茂っている。更に敷地西側に隣接して 10 階建て集合住宅が建設中で ある。 3-31 ② 敷地の状況 建設用地 気象レーダー観測所を構築するには十分な広さがある 電 BMD による 150kVA(アウトプット:415V 3 相 4 線 50Hz)のトランスの設置が必要で 気 ある ③ 水 道 敷地北側の前面道路沿いに公共水道給水管が埋設されており受水可能である 下 水 公共の下水設備が無いため、浄化槽と浸透升の建設が必要である 電 話 前面道路より電話線を引き込み可能である 配置計画 レーダー塔の配置は、南北方向のほぼ中央、東西方向の東 寄りとする。敷地の北西側に BWDB の敷地があり、また南側に 池があるため、ほぼ中央とした。東西方向については、将来 の宿舎等の増築を考慮に入れて、敷地の西側及び南側を将来 増築スペースとし、東寄りとしている。 2) 建築計画 図 20 配置計画図 ① 平面計画 モウルビバザール気象レーダー塔施設の平面計画は、シンメトリーに近い平面形とし、偏心を 避けることにより安定した建物の構造設計が可能となるよう配慮した。塔中心部の平面計画は、 構造体を外部に出すことにより部屋の使い勝手を良くし、また避難路でもある階段室内部に柱及 び梁型を出さないように平面計画を行った。施設のグレードについては、現地にて一般的に採用 されている工法・資材を採用するため、標準的グレードの施設となる。 以下に我が国の無償資金協力により近年建設された各気象レーダー塔の床面積を示す。計画さ れているモウルビバザールの気象レーダー塔は、標準的なサイズとなっている。 表 31 気象レーダー塔 施設 延床面積 各気象レーダー塔の床面積比較表 ラオス (ヴィエンチャン) コックスバザール ケプパラ モウルビバザール 309.97m2 323.35 m2 350.81 m2 350.06 m2 レーダー塔の各室面積、収容人員、面積算定根拠を次ページの表に示す。 3-32 表 32 部 モウルビバザール気象レーダー塔各室の概要、収容機器及び室面積算定根拠 床面 (m2) 屋 レドーム室 レーダー機械室 (スペアパーツ 倉庫:4.2m2 を含 む) 観測室 収容人員 /シフト 30.2 - 53.6 - 21.9 シフト勤務者 昼: 3 夜: 2 設置機器、室概要 レーダー空中線設備等を設置 レーダー送受信機、空中線制御装置、 受信信号処理装置、レーダー動作制御 装置、導波管加圧装置、導波管、分電 盤、オプティカルリピーター、VSAT タ ーミナル、保守管理品戸棚、空調機等 を設置 気象レーダー観測用ターミナル:2、 VoIP 交換機、オプティカルリピータ ー、デュアルスイッチ、プリンター、 IP 電話、PC 用 UPS、ターミナル用デス ク、書類棚等の設置 維持管理室 16.0 昼: 1 夜: 1 機器保守・修理作業スペース及び工具・ 測定器・マニュアル収納棚スペース データ解析室 13.2 昼: 1 夜: 1 データ解析用ターミナル:1、ターミナ ル用デスク、データ保存のための戸棚 (高架:3)を設置 データ保存室 10.7 - 発電機室 30.4 - 電気室 11.7 - レーダーパワー バックアップ室 11.8 - 便所 湯沸室 脱衣室 シャワー室 8.2 6.0 2.0 1.4 - - - - 倉庫 3.3 - ポンプ室 7.8 - 警備室 4.9 - 室面積算定根拠 レーダー空中線設備等の保守作業 用スペース。床面積は、レドームベ ースリングサイズ直径 6.2m によ る。 左記装置の運用維持管理作業スペ ース。全ての装置を設置することを 考えると、スペアパーツ倉庫を含め 最低でも 54m2 程度必要。 気象レーダー観測スペース及び機 材設置スペースとして 7 ㎡/人必要 となり、日中常時 3 人従事するため 約 22 ㎡程度必要。 各種機材の保守・修理作業スペース として 5 ㎡(5 ㎡/人)、工具等の 収納スペースと合わせ 10 ㎡程度最 低でも必要、更にレーダーシステム 消耗品、スペアパーツの保管場所と して 6 ㎡必要。 データ解析用ターミナル及びデス ク、データ保存戸棚の設置スペース と、日中常時 1 人が従事するため約 13 ㎡の広さを確保。 気象観測記録、気象レーダーデータ解 各データを収容するのに必要な広 析のためのデータ保存戸棚(高架:4) さを確保。 を設置 75kVA の予備発電機:2、燃料揚油 予備発電機 2 機、燃料揚油ポンプ:2、 ポンプ:2、周辺機器及びサービス 周辺機器及びサービスタンク等の設置 タンク(1000ℓ )、自動切換盤等を収 容。 施設用耐雷トランス、受電盤、分電盤、 左記機器の収容スペース、点検スペ ケーブルラック及び接地端子盤、機器 ース及びケーブル配線スペースと 用 AVR 及び耐雷トランスの設置及びケ して約 12 ㎡必要。 ーブル配線スペース レーダーシステムための無停電電源装 無停電電源装置及びコントロール 置及びコントロールラックの設置スペ ラックの設置の場所、全面点検スペ ース ースとして約 12 ㎡必要。 大便器 2、手洗器 1、掃除流し 1 - キッチン 1 - 脱衣スペース - シャワースペース - 建物維持管理のためのスペアパーツ、 資材、材料等の保管場所として約 4 その他雑物保管場所 ㎡を確保。 井戸用揚水ポンプ、受水槽用揚水ポ 水道用揚水ポンプ:2 ンプ、点検スペース及び沈砂層とし 受水槽用揚水ポンプ:2 て約 8 ㎡必要。 警備員 1 名の必要スペースとして 警備員用作業机 1 約 5 ㎡必要。 ② 断面計画 I. レーダー塔の高さ モウルビバザール市内で気象レーダーの観測上障害となる高層建築物は現時点で 2 棟ある。1 3-33 つは BINA ホテルビルで高さ 31m、もう1つは SALEH タワービルで高さ 35m である。下表に示した ようにレーダーが実運用上、問題なく機能を発揮するには、レーダーアンテナ中心高さを 46.8m 以上にすることが必要である。これはレーダービームが 2 棟の高層建物の上を抜け且つ 1 番高い 建築物の屋上より、レーダービーム下限までのクリアランスを約 1m 確保できる高さである。以上 のことから、モウルビバザール気象レーダー塔の高さ(地盤面からレドーム上部の避雷針先端ま で)は、約 52.3m となる。またモウルビバザールは洪水被害のハイリスクエリア内に位置してい るため、過去の洪水の最大水位(地盤面より約 1.5m)を考慮し、1 階の床高を地盤面より 1.6mに 計画する。 表 33 レーダー塔 レーダービームの中心高さ算出表 アンテナ 仰角 = 0度 Ba Ma レーダービーム 中心までの高さ Mb 建築物A 高さ31m 距離 0m A モウルビバザール気象レーダー 塔施設建設計画敷地 (レーダービーム中心高さ= 46.8m) 緯度 24 29 II. 建築物B 高さ35m Ra Rb B 気象レーダー観測に障害となる施設 経度 08.2 91 ビーム幅 1.7度 Bb 緯度 建築物上部と A~B の距離 ビーム下限半 ビーム下限と (m) 値幅の高さ(m) の差(m) 高さ (m) 経度 BINA ホテルビル 24 29 26.6 91 46 27.6 31 Ra=571 SALEH タワービル 24 29 21.7 91 46 9.01 35 Rb=729 46 30.3 38.3 Ba=8.5 36.0 Bb=10.8 Ma=7.3 Mb=1.0 地盤面レベル 敷地内には、既にベンチマーク(Bangladesh Bench Mark =7.688m)があるため、これを本レー ダー塔の基準地盤レベルとする。 III. レーダー機器の搬入方法 レーダー機械室へ外部から機器を直接搬入する方法は、当該室に大きな開口部を設けねばなら ず、気密性・防塵性の観点から好ましくない。従って、機器の搬入は隣接する階段室を通して行 うこととし、レーダー機械室に接する階段室踊場の外に搬入用バルコニーを設けて、バルコニー 上部に搬入用フック(2 トン用)を突出して設ける。 3-34 ③ 立面計画 柱・梁を外壁側へ出し、構造形態をアピールする立面計画とした。これにより、室内側及び階 段室には柱型が出ないため機器や家具等のレイアウトと室内の使い勝手及び階段での上り下りを 容易とした。 ④ 工法計画 レーダー塔構造部材の梁、屋外階段、床版、パラペット立上り壁(観測デッキ及びレドーム) を現場コンクリート打設によるプレキャストコンクリート(PC)工法とし、建設工期を 13 ヶ月間 に圧縮する。レーダー塔は、高さが 52.3m、杭長さが約 50mであるため、使用されるコンクリー ト量も多く、従来の現場打ちコンクリート工法だけで工事を行った場合、建設工事は約 14.5 ヶ月 と推測され、機材の据付工事期間(6 ヶ月間)を考慮すると交換公文の期限内に完工させることが 困難である。そのため PC 工法を使用することが必要である。レーダー塔の各部材は、極力同一寸 法・形状となるよう計画しているため、PC 工法の効果を十分に発揮できると考えている。 ⑤ 内外装計画 I. 主要諸室(レーダー機械室及び観測室)の仕上げ a) 床 気象レーダー塔の主室であるレーダー機械室及び観測室の床は、パワーケーブル及びシグナル ケーブルの配線を容易にし、且つ将来的なシステムの増設をも可能とし、また維持管理も容易に なることから、高さ 150mm 程度のアクセスフロアを採用する。レーダー機械室は、高出力で重さ 1 トン程度の送受信機が設置されるため、耐重・帯電防止アクセスフロアとする。 b) 壁 レーダー機械室の外壁は、部屋の気密性を高め、外部からの湿気及び外気温の影響を極力減ず るため二重壁とし、それらの間には不燃材料のグラスウールを充填する。これにより冷房効率が 向上することにより消費電力を抑え、BMD の運用維持管理費を極力軽減する。 c) 天井 レーダー機械室及び観測室の天井は、ケーブルラックの上にたまる埃から機器を守り、部屋の 気密性を高めること、機器から発生する騒音を減ずることを主目的として、吸音性の高いボード 貼りの天井を設ける。また、この 2 室には空調設備を設けるので、冷房効果を高める上でも天井 貼りは有効である。 3-35 d) 開口部 地盤からの高さ約 31m に位置するレーダー機械室の開口部のガラスに対する設計用速度圧が 2,600N/m2 であるため、強化フィルムの合わせガラスとする。またサッシを 2 重に設け、外側サッ シのガラスが破損しても内側のサッシで風雨をしのげるよう計画した。 II. 各部の仕上げ 外部仕上げ、内部仕上げの材料はメンテナンスの容易さを考慮し、一部を除き全て現地調達が 可能なものを選定した。外部仕上、内部仕上の材料、工法、採用理由等を次の表に表す。 表 34 外部仕上、内部仕上の材料、工法 仕上げ・工法 観測デッキ モルタル下地アスファルト防水 断熱材 押さえコンクリート モルタル下地セメントタイル敷 外部 仕上 屋 上 外 壁 床 巾 木 内部 仕上 壁 天 井 建 具 外 部 内 部 モルタル下地アスファルト防水 断熱材 押さえコンクリート モルタル下地セメントタイル敷 ブロック積みモルタル金ゴテ コンクリート打放しモルタル補修 吹付タイル塗装(合成樹脂エマルジョン系複層塗材) 一部磁器質タイル貼 カーペットタイル ビニールタイル貼 磁器質タイル貼 モルタル金ゴテエポキシ防塵ペイント 木製巾木 SOP 塗、モルタル巾木 VP 塗、モルタル金ゴテエポキシ防塵ペイント モルタル金ゴテ VP 塗 陶器質タイル貼り グラスウール板張り 無機質吸音板(システム天井下地) セメント板(システム天井下地) モルタル補修 EP 塗 グラスウール板張り アルミ製窓 アルミ製ガラリ アルミ製ドア、スチール製ドア アルミ製、スチール製及び木製建具 表 35 屋 上 外部仕上 外 壁 内部仕上 床 壁 外部仕上、内部仕上の材料の採用理由 採用理由 外気温が 35 度程度に達するため、断熱材は不可欠である。従って断熱層厚 サ 30mm を確保し、防水材として最も信頼のおけるアスファルト防水を施し、 防水の劣化対策、保護のためモルタル及びセメントタイルにて施工する。 現地で一般的に使用されているブロック積みとする。施工性及び精度の点か らいずれも現地にて一般的に用いる材料であるため信頼性が高い。 耐久性、維持管理に優れた材料を適材適所に使用する。業務を行う室、一般 室、廊下・階段にはビニールタイル、また塵等を嫌う部屋には防塵ペイント 仕上げとする。 コンピューターを設置する室は床下配線のためアクセスフロアーとする必 要がある。 耐久性を重視しモルタル金ゴテとし、汚れを防ぐためビニール系の塗装とす る。また便所と掃除用具入には陶器質タイルを使用する。 3-36 調達方法 現地調達可 能 現地調達可 能 現地調達可 能 第三国調達 が必要 現地調達可 能 天 井 外 部 建 具 内 部 居室に共される部屋には空間の環境と空調性能を高めるために、無機質吸音 板を使用する。無機質吸音はアスベストが含まれないものとする。 耐久性、扱い易さ、精度の点からスチール製及びアルミ製とする。特に雨が 多い地域であることから、開閉不良等の不具合が発生しないように、機構の 簡単な引違い戸、片肩引き戸、両引き戸とする。 変形、腐食等の事象が生じ、がたつき等による機能低下をきたさないよう、 施工性、維持管理の点からスチール製及び木製建具でオイルペイント塗りと する。 現地調達可 能 第三国調達 が必要 現地調達可 能(一部第三 国調達) ⑥ 構造計画 I. 構造設計基準 バングラデシュ国には建築基準法、消防法等の法規制はないものの、BS(British Standard)・ ASTM(American Society for Testing and Materials)をベースに設計指針として 1993 年に発行さ れた “Bangladesh National Building Code 1993”がある。そのため、本案件においては、この 指針に準拠することとする。 II. 地盤状況と基礎計画 気象レーダー施設の場合、ごくわずかな不同沈下でも精度の高い気象レーダー観測の致命傷と なることから、建物を沈下させない基礎構造が要求される。加えて、気象レーダーの観測精度を 保つためには、気象レーダー塔の剛性が重要であり、建物の水平変形角の傾きを 0.085 度以下と する。 バングラデシュ国の地層は比較的新しい年代のもので、最後の氷河期が終了した約1万年前に (洪積層:約 200 万年前~約 1 万年前、沖積層:約 2 万年前~現在)堆積した地層で、粒形が丸 く詰まっていないため、粘性土層は圧密沈下する可能性が高い。事実、バングラデシュ国内にお いて、粘性土層上にある中間支持層で杭を止めている建物が沈下しているケースが多く見受けら れる。そのため、気象レーダー塔施設は、中間支持層は使用せず、地盤面より 47mの深さにある N 値 50 の地層を支持層として計画する。 III. 架構形式 架構はバングラデシュ国の一般的構法である鉄筋コンクリート・ラーメン構造とする。床版は 鉄筋コンクリート造とし、外壁及び間仕切壁はブロックとする IV. 設計荷重 設計荷重は固定荷重、積載荷重、風荷重および地震荷重を考慮する。 3-37 a) 固定荷重 建築構造材・仕上げ材の自重を全て計算する。また特殊固定荷重として屋上に架設されるレド ーム及び空中線制御装置の推定総重量約 4.5 トン及びレーダー機械室の送受信機の推定総重量約 3 トンを見込む。 b) 積載荷重 レーダー塔内の殆どの部屋は、機器を収容するものであるため、日本国における通信機械室の 積載荷重と同程度の荷重を採用する。 c) 風荷重 “Bangladesh National Building Code 1993 (BNBC)”に記載されている再現期間は、50 年間の 標準風速図が採用されている。モウルビバザールの標準風速は、168km/h(約 47m/s)で、こ の値を BNBC の基準に当てはめて算出すると、設計用速度圧は以下の通りである。 (Cc) 速度圧変換係数:47.2×10-6(固定値) (C1) 安全係数(カテゴリー:重要施設):1.25 (Cz) 地表面粗度区分と施設高さによる係数:1.539(45m) (Vb) 標準風速:168km/h (Qz) 設計用速度圧=Cc C1 Cz Vb2=2,563N/m2 本計画の設計用速度圧=2,600N/m2 d) 地震力 “Bangladesh National Building Code 1993” によれば、バングラデシュの Seismic Zone を 3 つ に 区 分 し て 標 準 地 震 係 数 (Basic Seismic モウルビバザール Coefficient)を定めている。モウルビバザールは バングラデシュ国内でも地震の影響が最も大きい 地域である Zone 3(北部)に属しており、標準地 震係数(Basic Seismic Coefficient) Z=0.25(日 本の建築基準法による標準せん断力係数に換算す ると C=0.14)と BNBC で規定されている。 V. 図 21 バングラデシュ国標準地震係数図 “Bangladesh National Building Code 1993” 使用構造材料 使用材料は全て現地調達とする。 • コンクリート:普通コンクリート 設計基準強度 Fc=21N/mm2 3-38 • セメント(JIS (Japan Industrial Standard)又は同等品) • 鉄筋:異形鉄筋(JIS 又は同等品) ⑦ 電気設備計画等 I. 電力引込設備 商用電源は、BMD により設置されるステップダウントランスにより電圧を降下させた後、敷地内 にある既設電力計を通し架空にて引き込み(定格:415V 3 相 4 線 50Hz)、建物側には、ハンド ホールを設けてレーダー塔内の低電圧配電盤まで接続する。引込工事、配線、入線工事をバング ラデシュ国負担工事とする。 II. 自家発電機設備 気象ドップラーレーダーシステムの無停止運用を確保するため、以下のような自家発電機設備 2 機を商用電源停電時のバックアップ設備として設置する。洪水の発生時は燃料の補給が困難なこ とから、約 3 日間程度の連続運転が可能となる燃料タンク容量とし、自家発電機室に 1000 リット ルのサービスタンクを設置することとする。 容量:75KVA 電圧:3 相 4 線、415V、50Hz III. 幹線・動力設備 電力幹線は、電気室内の配電盤から建物内の電灯分電盤、動力制御盤までケーブルラック、及 び金属管内配線にて配電を行う。電気室内の配電盤から施設内の各分電盤及び制御盤へ配電し、 施設内部は鉄製配管方式とする。各機器の異常警報は、24 時間体制で運用される観測室の警報盤 に表示させる計画とする。 • 電灯・動力幹線 :415V/240V • 動力分岐 :415V 3相4線 • 電灯分岐 :240V 単相 2 線 • 機材側分岐 : 415V 3相4線 IV. 3相4線 電灯・コンセント設備 使用電圧は単相 240V とし、すべての器具類には接地極を設ける。配管は鉄製鋼管とする。照明 器具は、エネルギー消費が少なく現地市場で流通している蛍光灯を主体とし、建物の使用目的に よっては一部白熱灯を使用する。 3-39 各室の照度基準は下記の通りとする。 レドーム室 200 Lx 発電機室 200 Lx レーダー機械室 300 Lx 電気室 200 Lx 観測室 300 Lx バッテリー室 200 Lx データ解析室 300 Lx ポンプ室 200 Lx データ保存室 300 Lx レーダーパワーバックアップ室 200 Lx 維持管理室 300 Lx エントランスホール 200 Lx その他 200 Lx コンセントはスイッチ付のものとし、一般用コンセントの他に、レーダー機械室、観測室、デ ータ保管室、維持管理室に OA 機器専用のコンセントを設け、各機材の配置や容量に合わせて計画 する。 V. 電話配管設備 各気象レーダー観測所構内にある既設電話線を架空にてレーダー塔施設まで引き込む。建物内 に引き込み端子盤と中継端子盤を設け、必要各諸室の電話アウトレットまで配管配線を行う。引 き込み端子盤までの配線工事はバングラデシュ側の負担工事である。 電話交換機は観測室に設置し、レーダー塔用に新たに引き込む電話は 2 回線とする。 VI. インターホン設備 現業部門(レーダー機械室、観測室、維持管理室、データ解析室、警備室)の夜勤職員と夜間 の来訪者の防犯管理のため、玄関口及び各現業室内にインターホン設備を設置する。 VII. 警報設備 観測室に警報盤を設け、下記設備の警報を出し表示する。 • レーダー機械室エアコン(ユニット)の故障 • レーダーバックアップユニットの故障 • 発電機の故障及びオーバーヒート • 施設配電盤、施設用分電盤、機材用分電盤のブレーカートリップ VIII. 接地設備 接地設備をレーダー機械室及び 1 階に設ける接地用端子盤に接続し接地する。レーダーパワー バックアップ室及び電気室内の機器の接地工事は接地端子盤を経て接地し、電話設備用接地は敷 地内に接地極を設け端子盤まで配線する。 3-40 IX. 避雷設備 レドーム上部に避雷針(機器工事ポーション)及び屋上手摺にむね上導体を設置する。レドー ム内に接続ボックスを設け、建物内は銅バー及びビニール管で配線し、試験用端子盤を経て接地 する。レドームに付帯している避雷針からレドーム内接続ボックスまでの接続は、機器工事ポー ションとする。 X. 航空障害灯設備 機材ポーションであるレドーム上部の航空障害灯用接続ボックス 1 ヶ所をレドーム内に設ける。 またレドームルーフに設置される航空障害灯は建築ポーションとし、全ての航空障害灯用の配電 盤をレーダー機械室及び 1 階に、自動点滅スイッチを 1 階に設けることとし、全ての航空障害灯 には避雷器(サージアレスター)も付帯させる。レドームに付帯している航空障害灯からレドー ム内に設ける接続ボックスまでの接続は、機器工事ポーションとする。 XI. 火災報知設備 火災報知設備を、レーダー機械室、電気室、発電機室、レーダーバックアップ室に設置する。 警報盤は、観測室へ設置する。 ⑧ 給排水衛生設備計画 I. 給水設備 敷地北側の側道沿いに公共水道給水管が埋設されており、敷地内においても受水が可能である。 そのため、給水管接続用ゲートバルブを設け、既設給水管と接続する。この工事はバングラデシ ュ側負担工事とする。給水方式は受水槽、揚水ポンプ、高置水槽を設置した重力給水方式とする。 II. 排水設備 排水は雨水排水とは分流とし、汚水、雑排水の 2 系統に分ける。汚水は浄化槽で処理し、浸透 舛に流入する。雑排水は、直接浸透舛に流入する。浄化槽及び浸透舛の容量はレーダー塔施設内 で業務を行う職員数に外来者等を考慮して 12 人用とする。 III. 衛生器具設備 • 大便器 :バングラデシュタイプと洋式の 2 種類の便器を使用する • 小便器 :ストール型とする • 洗面器 :壁掛そで付型とする • 掃除流し :壁掛型とする 3-41 IV. 消火器 消火器は、以下の各室に設置する。 レドーム室 CO2 タイプ 発電機室 ABC タイプ レーダー機械室 CO2 タイプ 電気室 CO2 タイプ 観測室 CO2 タイプ バッテリー室 CO2 タイプ データ解析室 CO2 タイプ ポンプ室 CO2 タイプ データ保存室 CO2 タイプ レーダーパワーバックアップ室 CO2 タイプ 維持管理室 CO2 タイプ 湯沸室 ABC タイプ ⑨ 空調・換気設備計画 下記の各室に空調(冷房)設備を設置する。特にレーダー機械室及び観測室に設置されるレー ダー関連機材等は空調設備なくして運用が困難なため、複数台設置して、絶えず機材のために良 好な環境が保たれるよう計画する。空調機器は、万一故障が起きてもレーダーシステム運用に対 する弊害を最小限に抑えるためパッケージシステムとする。 • レーダー機械室 • 観測室 • データ解析室 • データ保存室 • 維持管理室 換気方式は自然給気、機械排気を併用する第 3 種換気方式とする。湯沸室及び便所などの臭気 の生ずる部屋には、天井扇を設置し強制換気を行う。また発電機室、レーダーパワーバックアッ プ室、電気室、ポンプ室等は、発熱する機器が多く設置されるため同様に換気を行う。その他の 部屋は、室内環境を下記の環境条件にする必要があると思われる部屋に換気設備を設ける。 <環境条件> • 外気条件:気温 35℃ (最大外気温) • 内部条件:温度 26℃ 湿度 40~60% レーダー機械室のみ温度 25℃ 湿度 40~60% 3-42 気象レーダー塔施設設備計画関連系統図を次ページより添付する。 モウルビバザール気象レーダー塔施設 • 電気引込系統図 :系統図-1 (SD-01) • 幹線・動力設備系統図 :系統図-2 (SD-02) • 電話・インターホン設備系統図 :系統図-3 (SD-03) • 火災報知設備系統図 :系統図-4 (SD-04) • 警報設備系統図 :系統図-5 (SD-05) • 避雷・接地設備系統図 :系統図-6 (SD-06) • 航空障害灯設備系統図 :系統図-7 (SD-07) • 給水・排水設備系統図 :系統図-8 (SD-08) • 空調・換気設備系統図 :系統図-9 (SD-09) 3-43