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洋裁・和裁 資料PDF

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洋裁・和裁 資料PDF
洋裁
1.洋裁用具 ……………………………………………………………………
〔1〕用具の名前と使い方
2.糸の使い方 …………………………………………………………………
〔1〕糸通し
〔2〕糸の玉結び
① 指で作る
② 針で作る
〔3〕縫い留め
3.基礎縫い(手縫い) …………………………………………………………
〔1〕並み縫い・ぐし縫い
〔2〕裁ち目かがり
〔3〕しつけ
① 置きじつけ
② 斜めじつけ
4.ミシンの使い方 ……………………………………………………………
〔1〕ミシンの名称・糸のかけ方
〔2〕ボビンの糸の巻き方・入れ方
5.基礎縫い(ミシン) …………………………………………………………
〔1〕直線・曲線・角の縫い方
〔2〕割り縫い
〔3〕端ミシン
6.ロックミシンの使い方 ……………………………………………………
〔1〕糸のかけ方・縫い方・糸の始末
7.待ち針の使い方 ……………………………………………………………
〔1〕待ち針のとめ方
8.アイロンの使い方 …………………………………………………………
〔1〕布とアイロン温度の関係
9.布地について ………………………………………………………………
〔1〕縦地・横地・バイヤス・耳・布幅
〔2〕地直し
〔3〕布幅の種類
〔4〕布と針と糸の関係
10.メジャーの使い方 …………………………………………………………
〔1〕採寸個所・採寸方法
1
3
5
7
9
11
12
13
13
15
和裁
1.和裁用具 …………………………………………………………………… 19
〔1〕用具の名前と使い方
2.基礎技術 …………………………………………………………………… 24
〔1〕運針
① 姿勢
② 針の持ち方
③ 布の持ち方
④ 縫い方
⑤ 糸こき
⑥ 針目
イ.正しい針目 ロ.踊り針 ハ.不同針 ニ.波針 ホ.裏表針
〔2〕基礎縫い
① ぐし縫い
② 打ち止め
③ 二度縫い
④ 一針返し止め
⑤ 袋縫い
⑥ すくい止め
⑦ 返し止め
⑧ すくい返し止め
⑨ 三つ留め
⑩ 二つ留め
⑪ 本ぐけ
⑫ 折りぐけ
⑬ 三つ折りぐけ
⑭ 耳ぐけ
⑮ 飾り躾
イ.一目落とし ロ.二目落とし ハ.三目落とし
3.準備 ………………………………………………………………………… 32
〔1〕表裏の標
〔2〕検反
〔3〕地直し
① 耳のつれているもの
② 耳のゆるんでいるもの
③ 全体に布目がゆがんだもの
④ 木綿物
⑤ 絹物
⑥ 毛織物
⑦ 化繊類
1. 洋裁用具
〔1〕用具の名前と使い方
縫い針
ミシン針
しつけをかける時やまつり縫
布の厚さにより使う針の太さが
重ねた布がずれないように仮
いをする時に使う。
変わる。家庭用のミシン針は 9
止めをする時に使う。
普通地用、厚地用等布や作業
∼ 16 号までの番号で、数が大き
布を傷めないように布通りの
に合わせて使いやすいものを
くなるほど厚地用、数が小さく
良い先の細い針が使いやすい。
選ぶ。
なるほど薄地用になる。
ミシン糸
待ち針
手縫い糸
しつけ糸
ミシン針と同様に、布の厚さによ
手縫いをする時に使う。
しつけをする時に使用する糸。
り糸の太さが変わる。
ポリエステル・木綿・絹等色
輪で束ねられているので、1ヵ
数(糸の番手)が小さいほど太い
々な種類があるので、目的に
所を切り使う時は1本ずつ引き
糸で厚地用、大きいほど細い糸で
応じて選ぶ。
抜いて使う。
薄地用となる。
ピンクッション
はさみ
待ち針、縫い針などを刺しておく時に使う。
布を切る、紙を切る、糸を切る等使い分けると良い。
針の滑りを良くする為、中綿がシリコン加工
になっているものもある。
アイロン
アイロンの温度に気をつける。
アイロン台
アイロンをかける時に使う。
(布の種類により温度が異なる)
うま
脚のついた細長いアイロン台。
パンツやスカート等、筒になった
1
部分にアイロンをかける時に使う。
まんじゅう
霧吹き
チャコペンシル・チャコペーパー
上図は袖まんじゅう、下図は
細かいきりが出るタイプの
布に印をつける時、型紙を
まんじゅうという。
ものが良い。
布に写すときに使う。
丸みのある部分にアイロンを
かけやすくする。
ルレット
メジャー
リッパ―
型紙の線を写す時に使う。
採寸やカーブの線を測る時に
はさみでは切りにくい縫い目や
ギザギザの歯車を転がしなが
使う。
ボタンの糸を切る時に使う。
ら、前に押して印をつける。
(長い方の先を糸の下に差し込む)
目打ち
指ぬき
毛抜き
縫い目をほどいたり、指が届き
手縫いの時、針を持ち手の中指
布地の間にうまってしまっ
にくい場所を整えたりする時に
につけて使う。
た糸やほどいた糸をとる時
使う。
に使う。
ひも通し
ゴムや紐を通す時に使う。
スレダー
簡単に針に糸が通せる糸通し。
2
2. 糸の使い方
〔1〕糸通し
糸の先
斜めに
カットする
糸は斜めに切る。
針に糸を通す。
〔2〕糸の玉結び
① 指で作る
糸を人さし指に1回巻き
親指で糸を押さえながら人さし指を
最後に親指の腹と中指で
つける。
ずらすようにして数回よりあわせる。
玉をつくる。
② 針で作る
糸端を人さし指にのせ、
巻いた部分を寄せる。
親指で糸の部分をしっ
玉結びが出来る。
針で押さえ、糸を針に
かり押さえ、針をすっ
(糸を巻く回数により玉
2∼3回巻きつける。
と抜く。
結びの大きさは変わる。)
3
〔3〕縫い留め
0. 3
縫い終わりに針を当て
針の根本で巻きつけた
そのまま糸を引っ張る。
玉から 0. 3 ㎝ 離れた
2∼3回針に糸を巻く。
糸を押さえる。
玉どめが出来る。
所で糸を切る。
4
3. 基礎縫い(手縫い)
〔1〕並み縫い・ぐし縫い
布
0. 3∼0. 4
並み縫い・・表と裏の針目が同じ間隔になるように縫う。
0. 3∼0. 4
(2枚の布がずれないように押さえる時に用いる。)
ぐし縫い・・並み縫いと同じ要領で針目を細かく(0. 1∼0. 2 ㎝ )縫う。
0. 1∼0. 2
(いせる時やカーブの形をきれいに出す為に、出来上がり
0. 1∼0. 2
線の外側を細かく縫う。)
針だけでなく左手も上下する。
糸こきをする。
左手で持った布を上下させリズムを
針を進めていくと、手の中に布がたまってくる。
とりながら布に針を 0. 4 ㎝ 間隔で縫う。
時々右手の親指と人さし指で縫い目の上をしごき
(ぐし縫いの時は 0. 1∼0. 2 ㎝ 間隔で縫う)
ながら針を抜いて布を平らにする。
≪しつけ糸の扱い方≫
しつけ糸は1本の長い糸を輪にした状態で束ねられているので、布や包装紙などで巻いておく。
片方の糸束をカットして、輪になっている方から、1本ずつ引き抜いて使うようにする。
5
〔2〕裁ち目かがり ・・・縫い代の端を手でかがる方法。かがる幅、針目の間隔は使う目的により異なる。
0. 8∼1
1針ずつ針を 表
抜き糸がつれ
ないようにする
0. 2∼0. 3
表
裏
捨てミシン
裏
捨てミシン
0. 8∼1
0. 3∼0. 4
裏
裁ち目のままかがる方法。
布端を折らずに裁ち
捨てミシンをかけたあと
ほつれにくい布に用いる。
端にミシンをかける。
ミシンの糸も一緒にすくう。
(捨てミシン)
表
裏
往復してかがる。
往復してかがる方法。特にほつれやすい布に用いる。
〔3〕しつけ
① 置きじつけ・・・縫い代を表から押さえたり、ミシンをかける時に布が動かないように
するためにかけるしつけ。
* 直角に針をさす。
2
* 布をずらさない。
0. 2∼0. 3
* しつけ糸をつらさない。
② 斜めじつけ・・・置きじつけよりも、しっかりとめたい時にかけるしつけ。
2
0. 2∼0. 3
6
4. ミシンの使い方
〔1〕ミシンの名称・糸のかけ方
3
2
4
1
9
5
6
7
8
11
右上部分
4
10
1・・天秤(上糸を引っかける装置)
2・・上糸調子ダイヤル(上糸の糸調子を調節する)
3・・速度調節レバー(縫う速度を調整する)
上糸のかけ方
(ミシンに糸をセットする順番)
4・・下糸巻き装置(ボビンに糸を巻く為の装置)
5・・返し縫ボタン(返し縫いをする時にボタンを押しながら縫う
6・・スタート・ストップボタン(縫いはじめ、縫い終わりにおす)
7・・押さえレバー(押さえ金を上げ下げする)
8・・模様選択ボタン(縫い目の模様を選択する)
9・・プーリー≪はずみ車≫・(回して針を上下に動かしたり、針を1針ずつ送る)
10・・下糸巻き押さえレバー(ボビンに下糸を巻く時に抑えるレバー)
11・・
針止めねじ
押さえ金(縫う時に布が浮かび上がってこない様に押さえる)
送り歯(縫う時に布を送る)
鉄板
針穴
7
フットコントローラー(足で踏んで、速さのコントロールをすることができる)
〔2〕ボビンの糸の巻き方・入れ方
ボビンを右へ押す⇒
ミシン糸を糸たてにセットして、下糸巻き案内に引っかける。
スタートボタン又はフット
ボビンの穴に糸を通し、ボビンたてに入れる。
コントローラーを踏んで糸を
巻き位置に装置を動かす。
巻く。
正しい糸の巻き方
均等にきれいに巻かれた
糸が片寄っている
状態
8
巻かれた状態がゆるすぎる
5. 基礎縫い(ミシン)
〔1〕直線・曲線・角の縫い方
直線縫い
①
③
②
④ ⑤
縫い始めと縫い終わりは縫い目が
たるまない様に布をしっかり押さえ一定の速度で
ほつれない様に返し縫をする。
まっすぐに縫う。
(①3∼4針縫う→②返し縫いのボタンを押し、返し縫いをする→③まっすぐ縫っていく
→④3∼4針返し縫いをする→⑤縫い終わり迄まっすぐ縫う)
曲線縫い
できるだけ針の進む方向に対して、布がまっすぐになるように動かしながら、ゆっくりと縫う。
曲線部分は布が伸びやすくなっているので気を付ける。
生地を無理に回そうとすると、縫い目がつれてしまうので気を付けること。
角縫い
① 布をまっすぐに縫い進める。
② 角まで来たら針を刺したまま押さえ金を上げる。
③ 縫い進める方向に布を回す。
④ 押さえ金を下してそのまま縫い進める。
9
〔2〕割り縫い
ミシンをかける
1.2 ∼ 1.5 ㎝
表
① 2枚の布を中表に合わせて、端から
② 布を裏返し、人さし指で縫い目を開きながら
1.2∼1.5㎝のところにミシンをかける。
アイロンをかけて縫い代を割る。
裏から見た完成図
表から見た完成図
〔3〕端ミシン ・・・・薄地の綿・麻・化学繊維等で、縫い代が表にひびかない布地の縫い代の始末に
用いる。
0.5 ㎝
ミシン
0.2 ㎝
ミシンをかける。
縫い代をアイロンで割る。
(ここ迄は〔2〕の割り縫いと同じ)
縫い代の端を内側に0.5 ㎝
アイロンで割る。
折り、端から 0.2 ㎝ の所に
(裏)
ミシンをかける。
内側に0.5 ㎝ 折る
ミシンは端から
表から見た完成図
0.2 ㎝ の所
10
拡 大図
6. ロックミシンの使い方
〔1〕糸のかけ方・縫い方・糸の始末
ロックミシン・・・布端を始末する、縁かがりが出来るミシン
ロックミシンには2本糸、3本糸、
4本糸使用など色々な種類があり
ます。
糸のかけ方も多少異なります。
また、糸のかけ方が複雑なものも
あり、糸を変える時は使用中の糸
を途中で切り、新しい糸と結んで
換えると簡単です。
(ビデオ教材参照)
布地
空環
空環
布地
空環
始めに布を入れないで
布をすべりこませる。
スタートし、糸を出す。
縫い終わりは布がなくなっても
空縫いをし、糸を長めに残して
からかん
(これを空環という)
切る。
とじ針で
縫い目の穴に
からかん
空環を通す
ロックミシンの糸をとじ針で
縫い目に入れて糸の始末をする。
11
7. 待ち針の使い方
〔1〕待ち針のとめ方 ・・・・待ち針は縫い合わせる時に、布がずれないようにする為に使います。
2枚の布を合わせ、縫い線に対し垂直に打ちます。
縫い線
縫い線
2枚の布を合わせ、縫い線の所に上か
薄地等安定しない布の場合は縫い線上の
ら針を刺し、布を少しだけすくい、表
布をすくった後、さらにもう1回すくう。
にだす。
NG・これはダメ
縫い線
縫い線
縫い線にそって打つ。
斜めに打つ。布がずれやすく
しっかり止まらない。
しっかり止まらないのでNG。
指に刺さることがあるのでNG。
縫い線
大きくすくいすぎると布がずれやすく
しっかり止まらないのでNG。
待ち針を打つ順番
初めに両端をとめる。(①、②)
次に中心をとめる。(③)
さらにその中間をと、とめていく。(④、⑤)
①
④
③
⑤
②
12
8. アイロンの使い方
〔1〕布とアイロン温度の関係
≪ 注意 ≫
布が混紡(綿30%・ポリエステル70%など)の時は一番低い温度の繊維にアイロンの温度をあわせる
9. 布地について
〔1〕縦地・横地・バイヤス・耳・布幅
バイヤス
耳
耳
45°
縦地
横地
布幅
縦地・・・・布を引っ張っても伸びにくい方向。
(耳に平行している布目)
横地・・・・布を引っ張ると少し伸びる方向。
(耳に対して直角になる布目)
バイヤス・・布を引っ張ると一番伸びやすい方向。
(布目に対して斜め 45°)
耳・・・・・布の両端。
布幅・・・・横地の耳から耳までの幅。
13
〔2〕地直し・・・・水通しや地直しをしないで作品を制作すると、洗濯をして、形がゆがんだり、
縮んだりすることがある。
水通し及び地直しは、裁断をする前に行うことが大切です。
必要に応じてたっぷりの水に布をたたんで(びょうぶたたみが良い)浸す。
(1時間程度)
布を引っ張って直す
* 耳がつれている時は、耳に切り込みを入れてから伸ばす。
* たて糸・よこ糸が直角に交わっているか否か調べる。
* ゆがんでいる時は直す方向に布を引く。
* 最後にアイロンをかけて、正しい形にする。
正しい布目
両手で引きアイロンでゆがみを直す
〔3〕布幅の種類
〔4〕布と針と糸の関係
14
10. メジャーの使い方
〔1〕採寸個所・採寸方法
バスト・・・バストポイントの位置を通るようにメジャーを水平に回し、
しめつけないようにしてはかる。
バストポイント
ウエスト・・・胴体(ウエスト)の一番細いところをはかる。
背丈・・・バックネックポイントからウエストまでをはかる。
バックネックポイント
ショルダーポイント
バックネックポイント
背肩幅・・・左右のショルダーポイントの間の長さでバックネックポイン トを通るようにはかる。
胸幅・・・胸の左右の腕のつけねの間をはかる。
15
背幅・・・背なかの左右の腕のつけねの間をはかる。
ヒップ・・・・腰の一番太いところ(お尻まわりが一番でているところ)
を水平に一回りしてはかる。
ミドルヒップ・・・ウエストラインとヒップラインの ほぼ中央の位置を
はかる。
ウエストライン
ヒップライン
総丈・・・バックネックポイントから垂直にメジャーをおろし、ウエスト
で軽くおさえそのまま床までの長さをはかる。
バックネックポイント
ウエスト
16
腰丈・・・ウエストラインからヒップラインまでの丈を脇よりの位置では
かる。
股下丈・・・脚の付け根からくるぶしまでをはかる。
くるぶし
ゆき丈・・・バックネックポイントからショルダーポイントを通り手首の
くるぶしまでをはかる。
※袖丈はショルダーポイントからくるぶしまでをはかる。
ショルダーポイント
バックネックポイント
くるぶし
着丈・・・制作する服の丈のことで、バックネックポイントから制作する
服の裾線までをはかる。
バックネックポイント
裾線
17
≪参考文献≫
文化出版局 文化服装学院 文化ファッション講座 婦人服1
KK日本ヴォーイング社 坂内鏡子 いちばんよくわかるミシンソーイングの基礎
KK PHP研究所 高橋恵美子 「おさいほう」の基本
成美堂出版 野木陽子 いちばんわかりやすいミシンの基礎Book
世界文化社 肥沼雅子 お裁縫のきほん
レタスクラブ ムック 新・生活便利ソーイング さいほうの基本
18
1. 和裁用具
〔1〕用具の名前と使い方
① 針
布等を縫い合わせるために使用す
る。穴に糸を通して使用する。
和裁では、縫い針とくけ針を主に
使用する。
② 待ち針
布を縫いやすいように、一時的に
止めておくために使用する。
③ 針刺し
待ち針や縫い針が錆びないように、
刺して使用する。
19
④ 指ぬき
皮製、セルロイド製、金属製のものがある。
中指の第一関節と第二関節の間にはめて、針
の目途(穴の開いた方)を当てて使用する。
⑤ ものさし
1mのものと50㎝のもの、20㎝のものを使用する。
布の丈や幅を測るために使用する。
竹製のものがくるいがなく良い。
⑥ はさみ(裁ちばさみ・小ばさみ)
上:小ばさみ(にぎりばさみ) 糸を切るのに用いる。
下:裁ちばさみ 布を裁断するのに使用する。
布地以外に使用しないよう
注意する。
⑦ へら
角製、竹製、セルロイド製などがあり、
布に標を付けるために用いる。
丸い部分で標をつける。
20
⑧ こて
へらで標のつけにくい布の標付け
に用いる。電気で熱を加えて、使
用する。布の材質により、温度を
調節する。化学繊維は低め、絹物
は高めに設定する。
き
縫い目に被せ(縫い目より少し深
く折ること)を掛けたり布を伸ば
すために用いる。
⑨ チャコ
ウール・化学繊維など、へらのつ
きにくいものの標付けに用いる。
⑩ 糸
縫い糸は布を縫い合わせるために
用いる。しつけ糸は仕立て上がり
を美しく保ち、形が崩れにくいよ
うにするために用いる。
21
⑪ 掛け針およびくけ台
くけ台を机やテーブルなどの
台に取り付け、掛け針を取り
付けて布をはさんで、釣り合
いをみたり、くけたりするた
めに用いる。
⑫ 袖丸み型
袖の丸みの形を整えるために
使う型。
⑬ へら台
着物の裁断や、縫製のときに
使用する台。
22
⑭ アイロン
布地のゆがみを正したり、着
物の仕上げに用いる。
⑮ アイロン台
布地にアイロンをかける時に、
台として用いる。
23
2. 基礎技術
〔1〕運針(うんしん)
① 姿勢
背を伸ばし下腹に重心を置き、
両肩の力を抜いて両ひじを軽
く張り、楽な姿勢をとります。
両手の間隔は20 ㎝ 位。
② 針の持ち方
右手の中指に指貫をはめ、親
指と人差し指で針を持ち、針
の頭を指貫の真ん中にまっす
ぐに当てます。
指先に針先を0. 2 ㎝ ∼ 0. 3 ㎝
位出します。
③ 布の持ち方
目と布の間を30㎝ 位離し、両
手の中指、薬指、小指でしっ
かり布を持ち、左右にピーン
と張ります。この時、親指と
人差し指は常に自由に動かせ
るようにしておきます。
24
④ 縫い方−1
縫い始めを2∼3針縫ってお
き、右手の親指で針を裏へ押
し下げ、同時に左手で布を上
に針先と直角になるように上
げ、その時右人差し指を布か
ら離し次の動作に移る準備を
する。
縫い方−2
右人差し指を針先まで進ませ
下に押し下げ、左手を布と針
先が直角になるように上に引
き上げる。
針はいつも右親指の中央を進
み、左手は上下によく動き、
針先が布に直角に入るように
注意する。
左右の手が均等に動かないと、
針目が不揃いになります。
⑤ 糸こき
運針で針が左手先まで進むと、
針をそのまま左手で押さえ右
手の指先の腹で糸をしごく。
糸こきが悪いと、縫い目にし
わがよって仕上がりがすっき
りしません。
25
⑥ 針目
イ.正しい針目
表と裏の針目が同じで、針が
布に直角に入る。
ロ.踊り針
正しく親指が向かい合ってな
い場合、針目がゆがむ。
ハ.不同針
両手の動かし方が不同なため、
直線に縫えていても、表、裏
に出る針目の大きさが不揃い
になる。
ニ.波針
波打って曲がっている針目で、
原因は布の張りが不十分なう
え、布の間隔を少なく持ち、追
いかけ針で進めることや、曲
がった針で縫う場合におきる。
ホ.裏表針
右手の人差し指と親指の力の
バランスがくずれ、手前に上
げるとき強く、向こうに出す
のが弱い時におきる。手前に
出る針目が小さくなる。
26
〔2〕基礎縫い
① ぐし縫い
普通の縫い方(運針)。
本縫いとも言う。
針目は普通(綿100%)0. 4㎝、
け ん ぷ
絹布物 0. 2㎝∼0. 3㎝で縫う。
② 打ち止め
縫い終わりのとめ。縫い終わ
りに針を置き、糸を二度巻い
てから左の親指で、しっかり
巻きを押さえて針を抜く。
③ 二度縫い
0. 2
1
縫い代の開かないように布端
をもう一度縫う。
単衣物の背縫い等。
④ 一針返し止め
縫い終わりで一針返し針をし
てのち打ち留めをする。
すくい留めほど強くなくても
よい袖口合わせ、振り合わせ
等。
27
⑤ 袋縫い
始め外表にして0. 4 ㎝ 縫い代
き
に縫い、浅く被せをかけて裏
に返し、さらに標通りの縫い
代で縫う仕方である。
単衣の袖下・四つ身・三つ身
の背縫いに用いる。
⑥ すくい止め
縫い終わりを小さく一針すく
い、その針に糸を2回巻き、
針を抜いて引き締める方法。
⑦ 返し止め
縫い終わりに打ち止めをせず、
縫い目にそって3㎝ ∼5㎝縫
い戻って、糸を切る方法。縫
い戻るときには、はじめの針
目を半分ずつずらせると、しっ
かりとまる。
28
⑧ すくい返し止め
すくい留めをしたあと、さら
に返し縫いをする。
身八つ口止まり、袖口等にす
る。
⑨ 三つ留め
き
縫い止まりの被せ山を縫い目
と平行に2本取りの糸で 0. 2
㎝ すくい、しっかり結ぶ。
単衣の袖付け、身八つ口等の
留め。
(必ずしもこの呼び方ではない。)
⑩ 二つ留め
止め布
単衣の袖口等の留め。
(必ずしもこの呼び方ではない。)
⑪ 本ぐけ
両方の縫い代を裏に打ち合わ
せ、折山より0. 1 ㎝ 内を両方
とも0. 5 ㎝ の針目でくける。
紐・綿入れの袖口および衿下
・身八つ口・衿ぐけなどに用
いる。
29
⑫ 折りぐけ
布の端を一度折り伏せ、折山
から0. 1 ㎝ 内を1. 5 ㎝ ∼ 2 ㎝
おきに表に小針を出してくけ
る仕方で、単衣の振り・身八
つ口・脇・衽の始末などに用
いる。
⑬ 三つ折りぐけ
布端を三つ折りにし、表は小
針に、裏は折山より0. 1 ㎝ 内
をすくう仕方で、針目はくけ
代に応じて 1 ∼ 2. 5 ㎝ 位とす
る。
単衣の袖口・衿下・裾くけな
どに用いる。
裏
表
⑭ 耳ぐけ
布の耳の端から0. 2 ㎝ 内を表
に一針、裏に二針出し、布の
間を通りながらくける。
針目の大きさはくけ代に比例
し、1 ~ 3 ㎝ とする。
裏
0. 2
3
表
30
⑮ 飾り躾
イ.一目落とし
仮じつけのときに用いる。
地質により、木綿しつけ糸又
き
は、絹しつけ糸を使い、被せ
山から、0. 4㎝∼0. 5㎝入った
ところに、表の大針は2. 5 ㎝
∼ 3 ㎝ 、裏に出す小針は 0. 5
㎝ ぐらいにし、一針ずつすく
って糸を抜く。
ロ.二目落とし
木綿物に用いる。
しつけ方は一目落としと同じ
で、裏に小針を二針縫って押
さえる。表には大針と小針を
一目ずつ出す。
ハ.三目落とし
絹物の飾りしつけに用いる。
絹しつけ糸を用い、裏側に小
針三目出し、表には大針一目、
小針二目出しておさえる。
31
3. 準備
〔1〕表裏の標
表と裏の標を白もを用いて標す。反物の片方の端から0. 2㎝入った所に小さく二
針すくい、短く切る。50㎝ごとに表側に糸端が出るように標す。
〔2〕検反
反物に傷や汚れがないかを確認し、傷のある所の布端に横に糸が出るよう布に対
し直角に、白も(しつけ糸)で二針すくって標をつける。
〔3〕地直し
新しい反物は裁つ前に必ず地直しをして、布目を正してから標付けをする。
① 耳のつれているもの
耳を強く引っ張りながらコテをかけて伸ばす。
つれがひどくコテで伸びないものは、図のように耳幅の深さに斜め切り込みを入
れてコテで伸ばす。
5㎝ 切り込み
伸ばす
② 耳のゆるんでいるもの
布裏から耳の部分に湿った布を当て、アイロンをおさえるようにかけて縮ませる。
③ 全体に布目がゆがんだもの
図のようにゆがんだ布目の反対方向に、布目を引っ張りながらアイロンをかける。
布目がゆがんでいる
引っ張る
布の中央を
引っ張る
布の中央を押さえて布端を引っ張る
32
布目が平ら
上下にアイロンを動かしながら平らにする。
布目を通して切る。
布目にそってアイロンを動かす。
④ 木綿物
木綿物は湿気によって相当縮むものであるから、充分霧を吹き布目を正しながら
アイロンをかける。
⑤ 絹物
耳の伸縮を直してのち、全体にアイロンをかける。
糊気のあるものは、ぬるま湯で湯通しをすると布がしなやかになるため、すじ切
れがせず光沢も増す。
⑥ 毛織物
同じ毛織物でも縮み方に差があるが、湿気より縮み性質があるので、裏から充分
に霧を吹きしばらくおいた後にアイロンをかける。
⑦ 化繊類
高温に弱いため、低めの湿度でアイロンを裏からかけ耳をよく伸ばす。
(参考文献:学校法人東洋学園 和裁(上)、財団法人専修学校教育振興会 和裁 初級編)
33
平成25年度 文部科学省委託事業
成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進
『服飾系高等専修学校における産学官連携による
実践的な職業教育アドバンスド・コースの研究・開発』
発行日 平成26年3月
発 行 学校法人細谷学園 細谷高等専修学校
〒308-0041 茨城県下館市乙288
TEL 0296-22-2733
学校法人東洋学園 東洋学園高等専修学校
〒535-0013 大阪府大阪市旭区森小路2−8−25
TEL 06-6954-9751
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