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表紙題字は当社創業社長(元株式会社日立製作所取締役会長) 駒井健一郎氏 直筆による シンガポールはその最右翼であろうが、今回の特集テーマで取り上げたマレー シアとトルコもしかりである。 マレーシアとトルコは、国民の多数がイスラム教徒であるイスラム圏に属し つつ、イスラム圏としては周縁にあり非イスラム圏との接点に位置することを 最大限利用して、イスラム圏へのゲートウェイとして自国の価値を高めようと している。イスラム圏は出生率も高く人口が伸びる成長市場として期待される が、イスラム特有のビジネス上の制限もあり非イスラム圏の企業にとって進出 には困難が伴う。そこにゲートウェイを提供しようというのである。例えば、 マレーシアはイスラム教徒が安心して口にできる食品(ハラル)をイスラム圏 全体に提供するハラル・ハブとなることや、国際イスラム金融市場のハブとな ることを国策として目指している。トルコは企業誘致を積極的に進めており、 非イスラム圏企業の地域統括拠点が集積しつつある。また、トルコ航空はイス タンブールのアタチュルク国際空港を介して欧州・中央アジア・中東・北アフ リカの主要都市をつないでおり、その便数はルフトハンザ航空を抜いて世界最 多となっている。 歴史を振り返れば、明治維新の文明開化も戦後日本の奇跡の経済成長も、ヒト・ モノ・カネや知恵が海外と日本の間で行き来することで成し遂げられた。今や、 こうした行き来を妨げる技術的・制度的障壁はほとんどない。残っているのは 心理的障壁だけである。 「他国とのつながりが自国の価値を高める」という考え が日本でも多数の支持を得て、国を開く方向へ政策が向かうことを期待したい。 3 発 行 人 塚田 實 編集・発行 株式会社日立総合計画研究所 印 刷 日立インターメディックス株式会社 定 価 1,000 円(税、送料別) お問合せ先 株式会社日立総合計画研究所 東京都千代田区外神田四丁目 14 番 1 号 秋葉原 UDX 電 〒 101-8010 話:03-4564-6700(代表) e-mail: [email protected] 担 7-4 vol. 2013年2月発行 当:主任研究員 田中 英俊 http://www.hitachi-hri.com All Rights Reserved. Copyright©(株) 日立総合計画研究所 2013(禁無断転載複写) 落丁本・乱丁本はお取り替えいたします。