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は し が き 近年の集積回路技術の向上によりエレクトロニクスは飛躍的な
は し が き 近 年 の集 積 回 路 技 術 の 向 上 に よ りエ レ ク トロニ ク ス は飛 躍 的 な 発 展 を遂 げ , あ らゆ る分 野 に お い て 大 き く貢 献 し て い る。 その 基 礎 と し て電 子 回 路 が あ る。 電 子 回 路 は 急速 な発 展 と と もに変 革 しつ つ あ り, 修 得 は きわ め て 困難 で あ る と 切 に対 処 す る こ とが で きる はず で あ る。 社 思 わ れ るが , 基 本 的 な事 項 を理 解 して いれ ば, 新 し い 回路 の 出 現 に対 して も適 電 子 回 路 は ア ナ ロ グ回 路 とデ ィ ジ タ ル 回 路 に分 け られ る が , コ ン ピ ュー タ に ロ ナ 代 表 さ れ る デ ィ ジタ ル 技 術 の 進 歩 は特 に 目覚 ま しい もの が あ り, 今 日, 電 子 工 学 に携 わ る技術 者 は , デ ィ ジ タ ル 回 路 を修 得 して お く必 要 が あ る。 本 書 は, これ に こた え るた め デ ィ ジ タ ル 回路 に つ い て 最 も基 本 的 な 事 項 を 中 心 に , さ らに そ の 応 用 へ の 入 門 書 と して 編 集 した もの で あ る。 本 書 は電 子 ・電 気 系 の 学 生 の教 科 書 と して 書 い て あ るが , 基 礎 知 識 と して は高 等 学 校 で 学 ん だ コ 知 識 を持 っ た人 で あ れ ば学 習 で き る よ う に平 易 な部 分 も記 述 す る よ う気 を 配 っ て あ る 。 し たが っ て , 電 子 ・電 気 系 の学 生 の み な らず , 機 械 系 や 化 学 系 な ど他 分 野 の技 術 者 や 短 期 大 学 の学 生 の 教 科 書 , 参 考 書 と し て も適 して い る と考 え て い る。 内容 は, 約15時 間 , あ る い は30時 間 の 授 業 の 教 科 書 と して 使 用 で き る よ う に して あ る。 本 書 は全 体 を5章 1,2章 よ り構 成 して あ る。 は デ ィ ジ タ ル 回 路 を 学 ぶ た め の 準 備 の 章 で,3章 以 降 で 用 い られ る 基 本 演 算 を初 め, ダ イ オ ー ドや トラ ン ジ ス タ の基 本 動 作 や 基 本 論 理 素 子 に つ い て述 べ て あ る。 3,4章 は デ ィ ジ タ ル 回 路 の 基 本 回 路 を学 ぶ 章 で ,TTL,CMOS,ECLに よ る論 理 ゲ ー ト と各 種 フ リ ップ フ ロ ッ プ に つ い て述 べ て あ る。 5章 は応 用 回路 の 章 で, 比 較 器 , 符 号器 と復 号 器 , マ ル チ プ レ ク サ と デ マ ル チ プ レ ク サ, 記 憶 回 路 , 演 算 回 路 , カ ウ ン タ, シ フ トレ ジ ス タ ,A-D,D-A 変 換 器 に つ い て 記 し て あ る。 以 上 の よ うな 構 成 に な っ て お り, 全 体 を マ ス タ ー す る た め に は約30時 要 とす るが , カ リキ ュ ラ ム の 時 間 数 , 専 門 分 野 に応 じて ,1章 か ら4章 また は3章 か ら5章 間必 ま で, で も十 分 役 に立 つ 。 本 書 に よ っ て , 初 心 者 が デ ィ ジ タ ル技 術 を 修 得 し, デ ィ ジ タ ルICを 使 える よ う に な り, 本 書 が い さ さか な り と も読 者 の 役 に立 て ば幸 い で あ る。 各 位 に厚 くお 礼 申 し上 げ る。 コ ロ ナ 1996年7月 社 最 後 に , 本 書 の 出版 に際 し, 全 面 的 に ご協 力 くだ さ った ( 株 )コ ロ ナ社 の 関 係 著 者 目 次 論理回路の基礎 理 回 路 と基 本 演 算1 1.1.1論 理 回 路1 1.1.2基 本 演 算 の 公 式3 1.1.3基 本 演 算 と論 理 素 子 の 図 記 号5 1.1.4そ の 他 の 論 理 演 算6 合 せ 回 路8 ロ ナ 1.2組 社 1.1論 1.2.1組 合 せ 回 路 と論 理 関 数 の 標 準 形8 1.2.2論 理 関 数 の 簡 単 化11 1.2.3カ ル ノ ー 図 に よ る 簡 単 化13 1.2.4NANDお 1.3順 よ びNORに 序 回 よ る 回 路16 路18 序 回 路 の 表 現18 1.3.2順 序 回 路 の 構 成20 コ 1.3.1順 演 習 問 題21 デ ィジ タ ル 回 路 と論 理 素 子 2.12値 2.1.1ス 2.1.2ダ 2.1.3接 動 作 素 子23 イ イ ッ オ ー チ23 ド24 合 ト ラ ン ジ ス タ26 2.1.4FET30 2.1.5サ イ リ ス タ32 2.2ト ラ ン ジ ス タ の パ ル ス 応 答34 2.2.1パ ル ス 波 形34 2.2.2応 答 時 間 の 短 縮36 2.3基 本 論 理 素 子40 路40 2.3.2AND回 路41 2.3.3OR回 路42 2.3.4正 ・負 論 理 に お け るAND回 路 とOR回 習 社 2.3.1NOT回 路 の 関 係43 2.4RTL43 2.5DTL44 問 題46 ロ ナ 演 3.1TTL48 3.1.1基 本TTL49 3.1.2標 準 形TTL50 3.1.3入 出 力 特 性52 ァ ン イ ン , フ ァ ン ア ウ ト54 3.1.5オ ー プ ン コ レ ク タ 形 のTTL54 コ 3.1.4フ 3.1.6規 格56 3.2S-TTL58 3.3CMOS論 3.3.1構 理60 造 , 動 作 原 理60 3.3.2HC,AC62 3.3.3基 本 的 なCMOSゲ ー ト63 3.3.4CMOSの フ ァ ン ア ウ ト64 3.3.5CMOSゲ ー トIC65 3.3.6TTL-CMOS間 の イ ン タ フ ェ ー ス65 3.4ECL66 3.4.1構 造 , 動 作 原 理66 論 理 ゲ ー ト 3.4.2特 性67 3.4.3イ 3.5そ ン ピーダ ンス整 合 ―伝 送 線 路 を 用 い た ゲ ー ト の 相 互 接 続 ―68 の 他 の ゲ ー ト70 3.5.1オ ー プ ン コ レ ク タ と ワ イ ヤ ー ド ロ ジ ッ ク70 3.5.23ス テ ー ト出 力 回 路71 3.5.3シ ュ ミ ッ ト ト リ ガ 入 力73 演 習 問 題73 4.1原 理74 4.2RSフ リ ッ プ フ ロ ッ プ76 ロ ッ ク 制 御RSフ 4.2.2チ ャ タ リ ン グ 防 止 回 路78 4.2.3RSマ ス タ ス レ ー ブ 形 フ リ ッ プ フ ロ ッ プ79 4.3Dフ リ ッ プ フ ロ ッ プ80 4.4Tフ リ ッ プ フ ロ ッ プ82 4.5JKフ リ ッ プ フ ロ ッ プ83 ス タ ス レ ー ブ 形JKフ コ 4.5.1マ 4.5.2エ 4.6フ リ ッ プ フ ロ ッ プ77 ロ ナ 4.2.1ク 社 フ リップ フ ロッ プ ッ ジ ト リ ガ 形JKフ リ ッ プ フ ロ ッ プ84 リ ッ プ フ ロ ッ プ86 リ ッ プ フ ロ ッ プIC87 演 習 問 題89 応 5.1比 較 器90 5.2符 号 器 と復 号 器96 5.3マ ル チ プ レ ク サ とデ マ ル チ プ レ クサ105 5.4記 憶 回 路108 用 回 路 5.5演 算 回 路118 5.5.1加 算 回 5.5.2数 列 の 路118 和123 5.5.3減 算 回 路124 5.5.4直 接 減 算 回 路124 5.5.5ス ケ ー 5.5.6演 リ ン グ126 算 5.6カ ウ 用IC127 ン タ128 5.6.1非 同 期 式 カ ウ ン タ128 5.6.2同 期 式 カ ウンタ 5.7シ ウ ン タ 用IC130 フ ト レ ジ ス タ132 列 入 力 シ フ ト レ ジ ス タ132 5.7.2並 列 入 力 シ フ ト レ ジ ス タ134 5.7.3可 逆 シ フ ト レ ジ ス タ134 5.7.4リ ン グ カ ウ ン タ135 ロ ナ 5.7.1直 5.7.5ジ ョ ン ソ ン カ ウ ン タ135 5.7.6シ フ ト レ ジ ス タ 用IC136 5.8D-A,A-D変 5.8.1D-A変 換 器137 換 器137 換 器141 コ 5.8.2A-D変 演 社 5.6.3カ (並 列 カ ウ ン タ )130 習 問 題148 演 参 索 習 問 考 題 文 解 答 献 引 社 論 理 回 路 の基 礎 デ ィジ タル 回路 (digital circuit) で は , い くつ か の 定 め られ た レ ベ ロ ナ ル の 信 号 を 取 り扱 うが , 特 に 二 つ の レベ ル の 信 号 を扱 う2値 論 理 回 路 (binary logic circuit) が 重 要 で あ る。 こ の 章 で は,2値 論 理 回 路 下 , 単 に 「論 理 回 路 説 明 す る。 ( 以 (logiccircuit)」 と呼 ぶ ) に つ い て 基 礎 的 な こ と を な お , 論 理 回 路 に つ い て は , 三 つ 以 上 の レベ ル の 信 号 を扱 う多 値 論 理 回路 (many-valued logic circuit,multiple-valued logic circuit) の 研 コ 究 も進 め られ て い る が , 本 書 で は 特 に取 り上 げ な い 。 1.1.1論 理 回 1.1論 理 回 路 と基 本 演 算 路 論 理 回 路 で は , 二 つ の レ ベ ル の 信 号 を0と1で な 信 号 と し て は , 例 え ば0が0V,1が5Vに 表 す 。 回 路 が 取 り扱 う 電 気 的 対 応 す る 。 詳 細 に つ い て は2章 で 説 明 す る が , 電 子 回 路 と し て は 低 い ほ う の レ ベ ル の 信 号 をL, ベ ル の 信 号 をHと 高 いほ うの レ 表 現 し た ほ うが , 回 路 と し て の 動 作 は 理 解 しや す い が , こ の 章 で は0と1で 表 す 。 両 者 の 対 応 は ,Lが0,Hが1で が , 逆 にLを1に ,Hを0に あ る と考 え れ ば よい 対 応 させ る こ と もあ る。 前 者 を正 論 理 (positive logic) , 後 者 を 負 論 理 (negative logic) と 呼 ん で 区 別 し て い る が , 本 書 で は , 特 に 断 ら な い 限 り正 論 理 を 念 頭 に お い て い る 。 論 理 回 路 は , 一 般 に 図1.1の 出 力Zと を 持 つ 。Xiお よ う にn個 よ びZは の 入 力Xi(i=1, … ,n) と 一 つ の 論 理 回 路 の端 子 に 付 け られ た 記 号 で あ るが , そ の ま ま で 信 号 の 名 称 と し て も使 わ れ る し, 信 号 の 値 を 表 す こ と も あ る 。 信 号 の 値 を 表 す と き ,Xi,Zな 値 た は1の (truth value) (logical variable) と呼 ばれ , こ の 値 を と る こ と に な る 。 変 数 と し て の 値0と1は ,真理 と呼 ば れ る。 社 論 理 変 数 が0ま ど は論 理 変 数 図1.1論 論 理 回 路 で は , 図1.1で 入 力X1, そ れ ぞ れ が0ま 値 が 決 ま る か ら,ZはX1, ロ ナ っ た と き に 出 力 と し て のZの … ,Xnの 理 回路 た は1の … ,Xnの 値 を と 関数 で あ る と考 え る こ と が で き る 。 こ の こ と を 式 で 書 く と形 式 的 に の よ う に 書 け る が , こ の 関 数fを 論 理関 数 (1.1) (logical function) と い う。 論 理 関 数 の式 に よ る具 体 的 な表 現 は後 に説 明 す るが , 論 理 関 数 を表 す 方 法 と し て は コ 入 力 と出 力 の 間 の 関係 を真 理 値 を用 い て表 した 真 理 値 表 (truth table) が わ か りや す い 。 表1.1は , 二 つ の 入 力 を持 っ た 論 理 回 路 に お け る 入 力 と出 力 の 関 係 を表 し た 真 理 値 表 の 例 で あ る が , こ の 表 は , 二 つ の 論 理 変 数X1とX2の 論 理 関 数 と し て のZの 変 数X1お で,論理積 よ びX2の 値 に対 して , 値 を与 え る関 数 表 で もあ る。 こ の表 の 関 数 は, 二 つ の 値 が と も に1で (AND,conjunction,logical あ る と き に だ けZの product) 値 が1と な る もの と呼 ば れ て い る 。 論 理 積 の 式 に よ る表 現 は (1.2) で あ るが , 二 つ の 変 数 の 間 の とが 多 い。 “・” は , 通 常 の 積 の 場 合 と 同 様 に 省 略 さ れ る こ 表1.1論 理積 表1.2論 理和 2変 数 の 論 理 関 数 と し て は , 表1.2で sum) 一 方 で も1に な る とZが1と が 使 わ れ る。 式 も あ る 。 論 理 和 は 二 つ の 変 数X1ま な る関 数 で 定 (OR,disjunc- た はX2が , ど ち らか , 式 に よ る表 現 と して は (1.3) (1.2), (1.3) の 記 法 は 通 常 の 乗 算 , 加 算 に も 用 い ら れ る の で , 混 乱 を 避 け る た め に 論 理 積 をX1∧X2, 論 理 和 をX1∨X2に ロ ナ 方 法 も あ り, 本 書 で も使 う こ と が あ る 。 論 理 積 と論 理 和 は と も に2変 も の も あ る 。 表1.3は で , 変 数X1が0の 否 定 よ って表 す 数 の 関 数 で あ る が , 論 理 関 数 と し て は1変 (NOT,negation) と きZは1,X1が1の コ と表 され る。 式 定 義 され る 論 理 和 社 tion,logical 表1.3否 (1.2) ∼ (1.4) は , 論 理 変 数X1,X2に 数 の と呼 ば れ る 関 数 の 真 理 値 表 と き にZは0と な り, 式 で は (1.4) つ い て の 演 算 結 果 がZに 考 え る こ と もで き る が, こ の よ う な演 算 を論 理 演 算 (logic operation) な る と とい う。 論 理 積 , 論 理 和 , 否 定 の 三 つ の 関 数 は 論 理 演 算 と し て は 最 も基 本 的 な 演 算 で あ る か ら , 基 本 演 算 と呼 ぶ こ と に す る 。 つ ぎ の 項 で は , こ れ ら基 本 演 算 に つ い て の 公 式 を示 す 。 1.1.2基 本演 算の公式 三 つ の 基 本 演 算 につ い て の優 先 順 位 は, 否 定 → 論 理 積 → 論 理 和 の 順 で , 以 下 に 示 す よ う な 等 式 が 成 り立 つ A,B, … で 表 す )。 (こ こ で は , 論 理 変 数 をX1,X2, … に代 わ って 〔交 換 則 〕 (1.5a) (1.5b) 〔結 合 則 〕 (1.6a) (1.6b) 〔分 配 則 〕 (1.7a) (1.7b) ロ ナ 社 〔べ き 等 則 〕 〔吸 収 則 〕 コ 〔恒 等 則 〕 (1.8a) (1.8b) (1.9a) (1.9b) (1.10a) (1.10b) 〔帰 無 則 〕 (1.11a) (1.11b) 〔補 元 則 〕 (1.12a) (1.12b) 〔復 元 則 〕 (1.13) 式 (1.5) 論 理 和 ,0と1を ∼ (1.12) で , 同 じ 番 号 の 二 つ の 式aとbは , た が い に論 理 積 と 入 れ替 え る こ と に よ っ て 他 の 式 が 得 られ る もの で , この よ う な 関 係 に あ る二 つ の式 を た が い に双 対 (dual)で あ る とい う。 論 理 演 算 に関 す る等 式 は , そ れ と双 対 な 式 に つ い て も成 り立 つ が , こ の性 質 を双 対 性 (dual- ity) と呼 ぶ 。 これ らの式 の 中 で, 結 合 則 を使 え ば2変 数 に対 して定 義 した論 理 積 お よ び論 理 和 を3変 数 以 上 に 拡 張 す る こ とが で き る。 こ の と き,2変 数 の 場 合 も含 め て , 論 理 積 お よ び論 理 和 は, そ れ ぞ れn個 の 変 数 の 真 理 値 の 中 で 最 小 の もの お よ び最 大 の も の を と る演 算 と して , つ ぎの よ う に表 現 で きる。 (1.14) (1.15) に な り, 論 理 和 は 一 つ で も1が また, 式 (1.5) ∼ (1.13) あ れ ば1に 社 こ れ ら の 式 は , 論 理 積 は 変 数 の 中 に 一 つ で も 真 理 値 が0に な る も の が あ れ ば0 な る こ とを 示 し て い る。 の 変 数A,B,Cは , 一 つ の 変 数 で は な く, い ば, 式 (1.10) ロ ナ くつ か の変 数 を 論 理 演 算 に よ っ て 結 合 した 論 理 式 に 置 き換 え て も よ い 。 例 え のAを2変 数X1とX2の 論 理 積 で置 き換 え る こ とに よっ て (1.16a) (1.16b) の よ う な 等 式 も得 ら れ る 。 Morgan's コ な お , 論 理 関 数 に 関 す る 等 式 と し て は , つ ぎ の ド ・モ ル ガ ン の 定 理 theorem) (De も よ く使 わ れ る。 (1.17a) (1.17b) これ らの 式 に つ い て も,A,Bは 1.1.3基 任 意 の論 理 式 に置 き換 え て よ い 。 本 演 算 と論 理 素 子 の 図記 号 論 理 積 , 論 理 和 , 否 定 の三 つ は論 理 関 数 と して の 基 本 的 な 演 算 で あ る が , 入 出力 の 関 係 が表1.1∼ 表1.3で 与 え られ る論 理 回 路 は , よ り複 雑 な は た ら き を す る論 理 回路 を構 成 す る と き に使 わ れ る 論 理 素 子 (logicelement) として 重 要 な もの で あ る。 以 下 で は, これ らの もの を 基 本 論 理 素 子 と呼 ぶ 。 基 本 論 理 素 子 を よ り複 雑 な 論 理 回 路 の 中 で 使 う と き, 図1.2の よ うな図記 図1.2基 本 論 理 素子 号 で 表 す 。 図 で は, 入 出 力 の 関係 が 論 理 積 , 論 理 和 , 否 定 で表 され る素 子 を そ れ ぞ れ 単 にAND,OR,NOTと 書 い た が , 今 後 も例 え ばANDと い う言葉 を , 論 理 関 数 の 名 称 , 演 算 の操 作 , 論 理 素 子 の 名 称 な ど に, 特 に 区 別 しな い で 使 う。 ,3入 力 のANDと4入 力 のORを 示 した もの で あ る。 ロ ナ る 。 例 え ば, 図1.3は 図記 号 は,3入 力 以 上 の場 合 に も そ の ま ま用 い られ 社 図1.2のANDやORの 図1.3多 入 力論 理 素 子 な お , 論 理 素 子 は , 入 力 側 の0や1を 条 件 に よ って 出 力 側 に通 す “門 ” の は た ら き を す る と こ ろ か ら , ゲ ー ト (gate) ま た は 論 理 ゲ ー ト (logic gate) 呼 ば れ る こ とが あ る 。 本 書 で も ,3章 で は この 呼 び 方 を使 っ て い る。 の他の 論理演算 コ 1.1.4そ 先 に説 明 した 三 つ の 基 本 演 算 の ほか に, 以 下 に説 明 す る否 定 論 理 積 論 理 積 , 否 定 積 ) (NAND,non-conjunction) 否 定 和 ) (NOR,non-disjunction) disjunction) と ,否 定論理 和 ,排 他的論理和 (exclusive (否 定 的 ( 否 定的論 理和, OR,exclusive も重 要 で あ る 。 否 定 論 理 積 は 論 理 積 を 否 定 し た も の で , そ の 真 理 値 表 を 表1.4(a) に示 す。 式 で は (1.18) と書 け ば よ い が (1.19) とい う書 き方 もあ る。 この演 算 記 号 は , シ ェ フ ァ ー の 縦 棒 (Sheffer's stroke) 索 引 DTL44 否 定3 否 定 論 理 積6 【A】 否 定 論 理 和6 【E】 ア クセ ス タ イ ム109 符 号 化141 ア ンプ ゲ イ ン可 変 方式138 エ ミ ッ タ接 地 電 流 増 幅 率27 符 号 器96 ア ー ル エ ス76 エ ッ ジ ト リガ 形JKフ 負 荷 線25 リッ プ フ ロ ッ プ86 AND2 ECL38,66 AS-TTL59 EPROM110 復 号 器97 社 ALS-TTL59 フ リ ッ プ フ ロ ップ74,76 負 論 理2 標 本 化141 ヒ ュー ズROM110 【F】 ベ ー ス接 地 電 流 増 幅 率27 ロ ナ 【B】 H-TTL56 フ ァ ン ア ウ ト54 フ ァ ン イ ン54 【I】 FET30 【C】 CML38 イ ンバ ー タ62 イ ネー ブ ル72,75 【G】 CMOS31,48,60 コ ゲー ト6 【K】 逆 方 向 飽 和 電 流24 【D】 加 法 標 準 形12 カル ノ ー 図13 大 規 模 集 積 回 路60 【H】 ダ イ オ ー ド23 加 算 器 方 式137 デマ ル チ プ レ クサ106 排 他 的 論 理 和6 機 能 表92 デ ー タ セ レク タ106 半 減 算 器124 記 憶 回路108 デ ィス エ ー プ ル72,75 記 憶 素 子20 ド ・モ ル ガ ンの 定 理5 半 加 算 器118 ハ ザ ー ド69 同期 式128 並 列 比 較 形A-D変 同期 式 フ リ ッ プ フ ロ ッ プ81 並 列 加 算 器121 同期 式順 序 回 路19 非 同期 式128 同期 シ ス テ ム75 非 同期 式 順 序 回 路19 動 作 点25 非 同期 シス テ ム75 動 的 ハ ザ ー ド69 デ ュ ア ル ス ロー プ形 形 )A-D変 換 器142 ( 二重積 分 コ レ ク タ-エ ミ ッタ 間飽 和 電 圧 29 換 器147 組 合 せ 回路8 【L】 非 飽 和 形 回 路37 LSB126 比 較 器90 LSI60 必 須 項14 LS-TTL59 L-TTL56 リセ ッ トセ ッ ト76 リテ ラ ル12 【T】 論 理 演 算3 【M】 マ ル チ エ ミ ッタ トラ ン ジ ス タ 48 論 理 ゲ ー ト6 立 上 り時 間35 論 理 変 数2 立 下 り時 間35 論 理 関数2 定 電 流 源 ス イ ッチ ン グ方 式 マル チ プ レク サ106 論 理 関数 の簡 単 化12 マ ス クROM110 論 理 積2 遅 延 フ リ ップ フロ ップ80 マ ス タ ー ス レー ブ84 論 理 素 子5 遅 延 時 間35 ミー リー形20 論 理 和3 蓄 積 レ ジ ス タ122 ムー ア形20 量 子 化141 蓄 積 時 間35 MOS RAM108 逐 次 比 較 形A-D変 ROM108 特 殊 加 法 標 準 形10 RTL43 特 殊 乗 法 標 準 形11 FET30 MOS論 理60 MSB126 139 換 器144 トー テ ム ポ ー ル50 【N】 2進 化10進 【S】 符 号96 最 大 項11 NAND6 追 従 比 較 形A-D変 換 器145 チ ャ タ リン グ78 TTL48 ロ ナ サ イ リス タ32 NOR6 社 ト リガ77 最 小 項10 NOT3 正 論 理1 【W】 静 的 ハ ザ ー ド69 【O】 オ フバ ッフ ァ51 先 見 桁 上 げ 回路122 ワイ ヤ ー ドAND70 接 合 トラ ン ジ ス タ26 ワイ ヤ ー ドOR70 し き い値35 ワ イヤ ー ドロ ジ ック55,70 真 理 値2 OR3 真 理 値 表2 コ オ ー プ ン コ レ ク タ54,70 【P】 パ ル ス幅35 【X】 双 安 定 マ ル チバ イ ブ レ ー タ74 双 対5 XOR7 双 対 性5 ス イ ッチ23 【Z】 パ ル ス積 分 方 式140 3ス テー ト71 プ ラ イオ リテ ィ ー96 シ ェ フ ァー の縦 棒6 雑 音 余 裕 度54 プ ル ア ッ プ51 初 期 状 態18 全 減 算 器125 PROM110 シ ョ ッ トキ ーバ リヤ ダ イ オ ー ド 全 加 算 器118 37 乗 法 標 準 形16 シ ョ ッ トキー バ リヤ トラ ン ジ ス 状 態 遷 移 表19 【R】 タ38 ラ ッチ77 主 リバ ー シ ブル カ ウ ン タ146 S-TTL48,58 項12 状 態 遷 移 図19 順 方 向 飽 和 電 圧24 順 序 回 路18 ―― 著 者 略 歴― ― 高橋 1959年 1964年 寛 (た か は し ゆたか) 関根 日本 大 学 理 工 学 部 電 気 工 学 科 卒 業 1966年 日本 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 1968年 好文 修士課程修 了 ( 電気工学専攻) 日本 大 学 助 教 授 工 学 博 士 (日本 大 学 ) 1980年 1981年 1981年 日本 大 学 教 授 1989年 2004年 日本 大 学 名 誉 教 授 作 田 1974年 よ しふ み ) 日本 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 博士課程単位取得退学 ( 電気工学専攻 ) 1971年 1973年 (せ きね 日本 大 学 理 工 学 部 電 気 工 学 科 卒 業 工 学 博 士 (日本 大 学 ) 日本 大 学 助 教授 日本 大 学 教 授 現 在 に至 る 幸 憲 (さ くた ゆ きの り) 日本 大 学 理 工 学 部 電 気 工 学 科 卒 業 1980年 日本 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 1987年 博士後期課程単位取 得退学 ( 電気工学 専攻) 工 学 博 士 (日本 大 学 ) 1994年 日本 大 学 助 教 授 1997年 2001年 日本 大 学 短 期 大 学 部 教 授 日本 大 学 教 授 社 現 在 に至 る デ ィ ジ タル 回 路 Digital Circuits 〓Takahashi,Sekine,Sakuta 初 版 第1刷 発行 ロ ナ 1996年9月5日 2008年9月10日 初 版 第7刷 著 者 検 印省略 コ 発 行 者 印刷 所 発行 高 橋 関 根 作 田 文 幸 憲 コ ロ ナ 社 代 表 者 牛 来 辰 巳 新 日本 印 刷 株 式 会 社 京 都 文 京 区 千 石4-46-10 株式会社 CORONA 寛 好 株 式会社 112-0011東 発 行 所 1996 コ ロ PUBLISHING Tokyo 振 替00140-8-14844・ ナ 社 CO.,LTD. Japan 電 話 (03)3941-3131( 代 ) ホ ー ム ペ ー ジhttp://www.coronasha.co.jp ISBN Printed 978-4-339-00140-6 ( 製 本 :愛千 製 本 所 ) in Japan 無 断 複 写 ・転 載 を禁 ず る 落 丁 ・乱丁本 は お取 替 えいた し ます