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-肥満の2つの型- -体重の変化-
3)体の脂肪の分布 簡単に体の脂肪の分布、肥満のタイプを知る方法としては、ウエスト周囲(W) をヒップ周囲(H)で割って求める「W÷H」比が使われる。この比率が男性で0.9 以上、女性で0.85以上であるとりんご型肥満であり、低い場合は洋なし型肥満となる。 -肥満の2つの型- りんご型(上半身肥満、内臓脂肪型) 腹部に脂肪がついて出っ張るタイプ。 中年以降の男性に多い。皮下脂肪よりも 内臓脂肪が多く、生活習慣病にかかりや すい 肥満タイプの 算出法と判定 洋なし型(下半身肥満、皮下脂肪型) 腰などの下半身に脂肪がつくタイプ。 女性に多く、健康上はあまり問題になら ない ウエスト周囲 (W) =ウエスト・ヒップ比 ヒップ周囲 (H) 男性:0.9以上でりんご型肥満 女性:0.85以上でりんご型肥満 注)比率が低い場合は洋なし型肥満と判定 -体重の変化- 体重の減少 そのほかの症状 代表的な検査 喉の渇き、尿量の増加、 むくみ 尿糖、血糖、ブドウ糖負荷 試験、HbAlc(グリコヘモ グロビン) 糖尿病 発熱、咳・痰、倦怠感、 寝汗、胸痛 ツベルクリン反応、結核菌 検査、胸部X線単純撮影、 気管支内視鏡 肺結核 眼球突出、発汗、甲状腺 の腫れ、食欲不振 甲状腺のホルモン検査、 ALP、心電図、RI検査 甲状腺機能亢進症 胃のもたれ、胸やけ、 吐き気・嘔吐、食欲不振 上部消化管X線造影、 上部消化管内視鏡、X線CT、 腹部超音波 胃がん 倦怠感、食欲不振、腹部 のしこり、黄疸、むくみ ALP、LDH、AFP、 腹部超音波、 HBs抗原・抗体、HCV抗体 肝臓がん 胸やけ、空腹時のみぞお ちの痛み、食欲不振、 黒い便、吐き気・嘔吐 上部消化管X線造影、 上部消化管内視鏡 消化性潰瘍 + 1―73 考えられる病気 3 血圧とは 心臓は、収縮と拡張を1日に約10万回も繰り返し、全身に血液を送り出している。血液は 心臓からまず大動脈の中に送り出され、さらに細かく枝分かれした細動脈を通って、最後は 毛細血管に流れ込む。 全身を回って炭酸ガス(二酸化炭素)などで汚れた血液は、静脈を通って心臓に戻る。こ のように、血液が心臓から送り出されて、再び -血液循環のしくみ- 心臓に戻ってくるまでの循環を「体循環」という。 全身を回って心臓に戻った血液は、肺動脈を 通って肺に送られる。肺で炭酸ガスが排出され、 右心房 肺 肺内の空気から大量の酸素を取り入れ、肺静脈 右心室 を通って、再び心臓に戻る。この循環を「肺循環」 左心房 左心室 という。血液は心臓を中心として絶えず体内を 循環しており、その循環を支えているのが「血圧」 肝臓 である。 リンパ管 体の隅々にまで血液を送るためには、血液に 圧力をかけて送り出す必要がある。この血液循 環に必要な血液の圧力が「血圧」で、血管の中 胃 動脈 静脈 腎臓 を流れる血液の勢いが動脈の壁に与える圧力を 指す。 1]収縮期血圧と拡張期血圧 (1)収縮期血圧(最高血圧) 収縮期とは、心臓が全身に血液を送り出すために収縮した状態を指す。心臓が 収縮すると、血液が搾り出されるように大動脈に送り込まれる。大動脈などの太 い血管は弾力性があるため、血液を勢いよく送り出すとともに、拡張して血液を ためることができる。血液が勢いよく送り出されるとき、血圧は高くなる。この ときの血圧を「収縮期血圧(最高血圧)」という。 (2)拡張期血圧(最低血圧) 拡張期とは、全身から戻った血液が心臓にたまり、心臓が拡張している状態で ある。このとき、心臓は血液を送り出していないが、拡張していた大動脈などの 太い血管が収縮して、たまっていた血液を緩やかに送り出している。このため、 2-102 -ストレッサーの種類- 内的ストレッサー 外的ストレッサー 物理的ストレッサー 社会的ストレッサー 心理的・情緒的ストレッサー ギュッ 生理的・身体的ストレッサー ストレッサーは「外的ストレッサー」と「内的ストレッサー」の2つに大きく分けら れる。つまり、ストレッサーは社会や人との交流だけでなく、暑さや寒さなどの生活環 境からも生じるのである。このように、私たちは常にさまざまなストレッサーにさらさ れているため、ストレスとは切っても切れない生活を送っているということになる。 では、これらのストレッサーが作用すると私たちの体はどうなるのだろうか。 2 ストレスと体の関係 1]ホメオスタシス 私たちの体は、体の働きを調節する「自律神経」、ホルモンの分泌をつかさどる「内 分泌」、外部から侵入する異物から体を守る「免疫」の3つの働きのバランスを保つ ことで健康を維持しており、自らの体を環境に適応させ、安定させるために「ホメオ スタシス(生体恒常性)」という自然に備わった機能を持っている。 -ホメオスタシスの3大システム- 自律神経 自律神経 体のバランスを 保っている 内分泌 ストレッサー が加わると… 免疫 体のバランスを 保とうとする 内分泌 3-9 免疫 ギーを確保する。このように、血糖値が低下すると血液中の遊離脂肪酸量が増加し、 摂食中枢が刺激され、食欲がわく。 (2)心理的・感覚的刺激 食欲は、食物に対する過去の経験や感情などによっても左右される。具体的に は五感からの刺激であり、味(味覚)、目で見た物(視覚)、香り(嗅覚)、音(聴覚)、 温度(皮膚感覚)などがある。これらの情報が大脳皮質へ伝わり、扁桃体で知識 や体験となって統合され、視床下部にある食欲中枢(摂食中枢と満腹中枢)を刺 激する。これまでの経験によって「おいしい」と感じると摂食中枢が刺激され、 「ま ずい」と感じると満腹中枢が刺激される。 4-45 (1)地球温暖化のメカニズム 地球温暖化とは、大気中の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、フロン)が増 加することで熱の収支バランスが崩れた状態となり、平均気温が上昇する現象で ある。 大気中の温室効果ガスが増えると、地表で反射されて宇宙空間に出るはずの太 陽熱を余分に抱えこみ、大気の温度を上昇させることとなる。 かつては、これらのガスは、森林や海が吸収することにより一定の量が保たれ ていた。しかし、産業革命以後、化石燃料の消費量が大きく増え、排出される二 酸化炭素などの温室効果ガスが増加した。併せて、森林伐採などによる植物量の 減少により、自然界での二酸化炭素の吸収が追いつかなくなっている。現在は温 室効果ガスの量が増え続け、これが地球温暖化の原因となっている。 日本における温室効果ガスの排出量の推移は次のグラフのようになり、2006年 は温室効果ガス削減目標を定めた京都議定書の基準年(1990年、ただしHFC注1)、 PFC 注2)、SF6 注3)については1995年)の総排出量(12億6100万t)と比べ6.2%増 加している。前年度(2005年)と比べると1.3%の減少となる。 注1)HFC:ハイドロフルオロカーボン 2)PFC:パーフルオロカーボン 3)SF6 :六フッ化硫黄 5-59 3]ひざの痛みの予防・改善 私たちが歩いているときには、体重の2~3倍もの負担がひざにかかっている。さ らに、階段を上り下りする場合は、ひざにかかる負担は体重の7~8倍にもなる。ひ ざは複雑な構造をしている上に、かかる負担も大きいため、さまざまな障害が生じや すいところである。また、中高年者に最も多いのは、「変形性膝関節症」である。こ れは、筋肉が老化し衰えて膝関節が不安定になったり、軟骨の新陳代謝が低下するた めに軟骨がすり減って、骨が変形していくものである。 (1)ひざの痛みの発症要因 ・肥満 ・加齢による変形性膝関節症 ・外傷 ・慢性関節リウマチ ・運動不足 ・O脚 など -ひざの構造- 太ももの骨(大腿骨)と、すねの骨(脛骨)、 お皿(膝蓋骨)の関節面は軟骨で覆われて おり、関節の動きをスムーズにしている (2)ひざの痛みに対する運動の目的 1)ひざの筋力を強化する ひざの周囲の筋肉を鍛えることで、ひざにかかる負担を軽減する。変形性膝関 節症の人は特に太ももの前にある「大腿四頭筋」という筋肉の力が弱くなっている。 2)ひざの動きをよくする 筋肉や靭帯を伸ばし柔軟性を高めることによって、膝関節の動きをよくする。 6-97