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「放送講話」7月分(PDF 235KB)

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「放送講話」7月分(PDF 235KB)
H.19 .7.3 校長放送「講話」
第9弾 『 Do
your best ! 』
おはよう!
今日は、期末考査、最終日。
本来は、それに向けての準備が最も大切なのだが、とにかく「全知全能」、持っている
力、全ての力を出し切って頑張れ! 答案に立ち向かえ!
本日は、講話は無し。
『 Do
your best ! 』 ­ 1 ­ H.19 .7.10 校長放送「講話」
第10弾
『ガイドのプロ、本物の日本人!』
期末考査は終わりましたが、全力を出し切ったかな。
今日は、ギリシャで我々を案内してくださったガイド、安藤ユウ子さんのお話しです。
「実にうまい。その話は途切れることなく、心のこもった、自信に溢れる説明だ。ノー
ト、ガイドブックでも見ながら説明しているのだろうか?」
最初に、安藤さんが観光バスで説明、話を始めた時の私の素直な感想でした。
ヨーロッパ、いやアメリカでもそうだが、観光バスでのガイドの説明は、日本のように
お客様を向いてではありません。事故の場合の安全性を考えて、運転手と同じように前方
を向いて、しかも座ったままでマイクを使って説明、案内をするのです。事故が起きると、
座ったまま以外では保険の補償対象外となるため、諸外国では厳守されています。
「大変な勘違いでした。」ガイドブック、アンチョコなどとんでもない。
ギリシャへ入り我々の通訳、ガイドとして同行してくれた、初老の、飾らないご婦人、
とても品がよく、物腰の柔らかそうな、どこにでもいる感じの・・、それが最初の印象で
したが、実は大変な実力の持ち主の方だったのです。
説明、話の内容は、それは全て彼女の頭脳に整理、記憶されているものであり、英知、
優れた知性として全身を熱く流れているものであることが、次第に理解できたのでした。
国立考古学博物館、パルテノン神殿、メティオラ、デルフィーなど次々と名所旧跡を訪
ねるのですが、訪ねる者、聞く者、私たちを完璧なまでに惹きつけ、ギリシャの魅力の、
そして彼女の、魅力のとりこにしてしまうのです。
安藤ユウ子さん。ギリシャ人の男性と結婚し、ギリシャ国籍を持つアテネ在住の日本人
女性です。出身は東京都ですが、お母さんは新潟県の荒川町のご出身だそうです。
学生時代に観光旅行でギリシャを一度訪れたのですが、その時の感動・感激が彼女を動
かしました。
「感動の国、ギリシャ」への思いはさらに燃え上がり、日本へ帰ってからは、
ギリシャ語はもちろん、ギリシャ文化・歴史、そして日本の文化も猛勉強したそうです。
そして再びギリシャへ渡り、そこで結婚されました。当時は、日本からの我々のような海
外教員研修の者、一般の団体旅行や個人の旅行者のガイドとしてのお仕事もされておられ
るのでした。
通訳は、単なる言語の「トランスポーテーション」ではありません。話をする人のその
真意まで汲み取った「心の伝達」があってこそ、その役割を果たせるものでしょう。教育
問題も幅広く、難しい表現が要求されます。しかし、その堂々とした、自信に満ちた通訳、
説明は素晴らしいの一語に尽きます。
さらに彼女の魅力は広がります。教育や社会問題に関する見識が幅広く、考え方が明確、
そして厳しい見方、問題意識をもっておられるのです。頭脳の海外流出がよく言われます
が、今回は「優秀な母性、女性の海外流出」という新たな問題提起のようでした。
日本へ戻り、安藤さんに御礼の手紙を書きました。その返事には、
「日本は先進国という意識、経済を優先するあまり、人の心は二の次、三の次になって
いると思います。お手本を示せるような大人が子ども達を指導しなければならないと思い
ます。また、持っていない人に与えよと言ってもそれは無理のように、全てにつき、持っ
ているのは他の人に与えられると思います。・・・」
彼女の手紙に、「愛の教育」「真の教育とは!?」を再び教えられました。
­ 2 ­ H.19 .7.17 校長放送「講話」
第11弾
『昨日は新潟県にまた大きな地震が・・・』
昨日16日、新潟県にまた大きな地震が襲ってきました。
平成16年、今から3年前の10月23日に小千谷、長岡を中心に襲った「中越大震災」、
震度7というとてつもなく大きな地震が起こりました。復旧はなんとか進んでいるものの、
まだ生活も経済も復興途中というまだこの時期に、その爪あと、悲しみも癒えないうちに、
震度6強という地震が、今度は柏崎を中心に襲ってきました。「中越沖地震」と名づけら
れましたが、実は私は昨日その時間、柏崎へ向かっている「高速」道路にいました。幸い、
走行中でなく、パーキングエリアで休憩中で事なきをえました。
「中越大震災」の話は、始業式の時に2、3年生にはしましたね。土砂の中に、お母さ
ん、お姉ちゃんと一緒に車の中に埋まりながら奇跡的に助け出された皆川優太君の話、覚
えていますか? 小千谷西高校の女子生徒の弟が倒れた家の下敷きで亡くなった話も!
昨日もまた6人の尊い命が失われました。ご冥福をお祈りしたいと思います。怪我をさ
れた方も700人を超えるという報道がありました。倒壊した家が400軒。約5000
人近くの方が避難されているとのことです。しかし、これから被害は増えることでしょう。
ふと思い出しました。
11年前の「阪神・淡路大震災」の10周年の祈念、祈りの行事の時の宣言を!
1月17日に死者6433人、阪神地方をガタガタにした地震からの復興を祈る会での
宣言文です。 読み上げます。目をつむり、情景を想像しながら聞いてください。
『1月17日は忘れない
突然目の前が真っ暗になり
あちこちで真っ赤な炎が
あがっていた
叫び声が聞こえ
サイレンが鳴り響いていた
多くの人が貴い
家族を失った
私たちは過信していた
科学技術を、近代都市を
私たちは忘れていた
共に生きるということを
支えあうことの大切さを
皮肉にもそれを教えてく
れたのが
あの震災だった
頼るべき家族がたおれ
自らも力尽きようとした時
手を差し伸べてくれたの
は
地域の人々やボランテイアの人々だった
手に持てるだけの物をもって
彼らは助けに来てくれた
組織の思いでなく一人ひとりが
自分の思いで助けあった
子どもたちも自分
の意志を持って
自分の責任で行動し、家族を支えていた
あのときのひたむ
きな人々の表情
人間のつながりの貴さを 私たちは決して忘れないだろう
あの日
海がさわぎ、山がないた
私たちが愛した風景
育ってきた環境は
一瞬で姿を変えた
しかし共に困難を乗り越え
10年にわたる復興を通して
この地に対する愛情は より一層深まった
震災から学んだ教訓は余りにも大きい
個人個人が持つ命あるものへの思い
私たちはかけがえの無いものを代償に
身をもって痛感することができた
この思いを、その貴さを
地球上の人々に伝えなければならない 』
〔1・17人類の安全と共生を考える兵庫会議〕
昭和39年にはこの新潟でも大震災が襲いました。
いつ起こるか、いつ襲ってくるかわからない大惨事、心のどこかにその心構えを持って
いなければ駄目なのです。そして、「人は一人では生きていけない!」「お互い、助け合
いながら!」という「共に生きる」ということを、再確認しなければならないのです。
­ 3 ­ H.19 .7.24 校長放送「講話」
第12弾
『憧れの女性選手には会えなかったが・・・』
8月後半から大阪で「世界陸上」が開催されます。私も大変楽しみにしています。
皆さんは、どんな選手を知っていますか? 活躍を期待していますか?
ギリシャの話しも何回かしましたが、実は私はギリシャを訪問するにあたって大変期待
していたことがありました。
皆さんはアトランタ五輪の走高跳の銀メダリストを知っていますか?いやわかるはずは
ないよね。1996 年、今から 11 年前になるものね。 その当時ですら、私も名前も聞いた ことがなく、入賞候補にも挙がっていなかったのですが、あのギリシャ人特有の彫りの深
い顔、切れ長のおへそとしまったお腹を出した実にスタイル抜群の美人選手、ゼッケン、
今ではナンバーカードと言いますが、3387番のギリシャのバコイヤーニ選手だったの
です。ギリシャ行きが決まっていた私には大変印象の強い、是非とも会ってみたい選手で
した。
優勝候補NO.1は世界記録保持者のコスタディノーワ選手。不思議なことに彼女はソ
ウル、バルセロナの両五輪とも優勝に見放されていました。しかし、出産後8年ぶりに出
場したアトランタ五輪の前の年の世界選手権で優勝、そして今回アトランタで初の金メダ
リストとなったのです。素晴らしいことでした。
コスタディノーワは身長1m80、 体重60 kg の走高跳の女王にふさわしい体格です。
しかし、最後までこの女王に食い下がったバコイヤーニは身長1m70,体重52 kg と
日本人とそうかわらないのです。
しかも彼女は28歳、日本ではベテランの域に入るでしょう。その落ち着いた試合運び、
珍しい右足踏切に次第に関心が集まります。そして、2m 01 を2回目、 2m 03 も2回目
に鮮やかにクリアーした時には、観衆、そして我々の目も彼女に釘付けになりました。
彼女のそれまでの最高記録は1m97、なんとこの大舞台で、2mの壁、大台をはさん
で6 cm も自己記録を更新 したのです。
彼女は、私がギリシャを訪問した時は、アテネ郊外の高校で体育の先生をしていました。
残念ながら彼女に会うことはできませんでしたが、私たちが訪れたラミア第1高校に偶然
にも彼女の中学校時代のコーチがおられたのです。ガッシリとした体格の50歳後半のい
かにも温厚な人柄、優しい目をされた男性教諭、サン・ダルモス先生に会うことができた
のでした。バコイヤーニの素質を見抜き、陸上競技、走高跳の道へ誘い、陸上競技の楽し
さを教えてくれた最初の指導者というわけです。
バコイヤーニは子ども達のあこがれの的で、ギリシャ国民の中でも大変な人気者なので
す。
8月25日から大阪で世界陸上の開幕です。日本からもハンマー投げ金メダルを狙う室
伏選手、メダルを狙う400Hの為末、200mの末続、棒高跳の澤野、話題の100m
のベテラン朝原選手が出場します。そして私の大好きなリレー種目など、とても楽しみで
す。
女子選手もマラソンの土佐さん、走幅跳の池田さん始め期待の選手が大勢います。どう
か関心をもって、日本人選手の活躍、そして世界のトップ選手、アスリートの熱い戦い、
白熱した競技を見てみませんか。
­ 4 ­ 校長放送「講話」
第13弾
特 別 編
H19.7.27
『国がかわれば交通マナーもかわる』
第 1 学 期 終 業 式
まず最初に、7月16日の中越沖地震でお亡くなりになられた皆様に、同じ新潟県人と
して、黙祷を捧げたいと思います。
10 人目に亡くなられた方、崩れたお寺の下敷きになり、ようやく発見されましたが、 私もよく知っている体育の先生で、ソフトテニス界の有名な指導者でもありました。大変
お気の毒であり、悲しいことです。 姿勢を正して・・!
「黙祷!」
「といてください」
「ありがとう」
明日から夏休み、今日は終業式での私の話ですが、校長「講話」の第13回目を兼ねて
話をさせてもらいます。
ところで、私のこの講話、5月8日から始めましたが、諸君はどのように聞いていてく
れましたか?! 私は、諸君の顔が見えない中で、マイクを相手に話をするわけですから
大変不安な思いを持ちながら話していることも事実なのです。そして、君たちを見つめて
いる先生方がどのような「表情」で脇に立っていてくれているのか・・・。
でも今日は、皆さんの顔が目の前にあるので、少し安心しています。
そこで、夏休み、長期の休業に入る前に、何が心配かと言えば「交通事故」。今年も既
に自転車に乗った君たちと自動車との接触事故が5件、小さいものも数えれば 10 件 も起
きています。幸い大事に至っていなかったことで胸をなでおろしています。
終業式の校長の話としては、かなり趣が違うのですが、今日はその交通事故、いつ身に
降りかかるかわからないご時世である以上、まずは「自分の身を守れ!」という意味を込
めて、
『国がかわれば交通マナーもかわる』という交通マナー、ルールの話をします。
「道路を横断するときには必ずドライバーの目を見る、いや睨みつけること!」という
のは、ギリシャ、ドイツでの常識の話。しかし、睨みつけるにも程度の問題がありますよ!
当然、二つの国とも信号機はあります。大きな交差点では守られる信号も、小さな場所
ではほとんどが無用の長物なのです。特にギリシャではそうでした。町の中心部には必ず
といっていいほど小さな公園があります。ここへ周囲の道路が集中するため、安全地帯で
あるはずの公園の周りは、ちょっとしたスリリングゾーンとなっています。道路の横断に
は勇気と決断がいることも多いのです。
ギリシャではかなりの数のオートバイが走っています。ほとんどがノーヘル、そして原
付の二人乗りも多いのです。とても日本の高校生に見せられる光景ではありません。さら
に路上にはビッシリと路上駐車、不法駐車という状態です。よくもこんなにと感心するく
らい前後の車との間隔があいていないのです。当然ながら高級車、無傷の車にはお目にか
かりません。ギリシャでは住宅事情の関係で駐車スペースがないのでやむをえないとのこ
とでした。警察も取り締まりようがないのだそうです。それに比べると日本は、あいも変
わらず交通事故が絶えないとは言っても、交通マナーを守るという点では世界でも素晴ら
しい国の一つなのです。
一方、アメリカでは様子が全く違ってきます。一番驚いたのは、高校の敷地内にとてつ
もなくたくさんの自動車があったことです。アメリカでは一つの高等学校の建設にあたり、
40エーカー、ほぼ161、840平方メートル(400m×400m)の土地が配分さ
れるため、当然その駐車スペースはとてつもなく広いのです。ほとんどの州で16歳にな
­ 5 ­ ると免許が取得できるので、通学に車を使用している高校生が多いのです。広大なアメリ
カ、移動に車が欠かせないとはいえ、日本の高校生にはなんとも羨ましい話でしょう。
しかし、アメリカのマナーは徹底しています。テレビや映画によく出てくる黄色いバス
を思い出してください。そうです、スクールバスです。その黄色いスクールバスに追い越
しをかけたり、警笛を鳴らすことはご法度なのです。また、身体障害者駐車スペースに一
般の車が駐車することも厳禁です。いずれも多大な罰金が科せられます。少なくとも私は、
身体障害者駐車スペースに一般車両が停まっているのを見かけたことはありませんでし
た。アメリカは徹底していました。国際情勢でのアメリカの立場、あり方は別にしても、
基本的に弱者救済の徹底しているアメリカでは交通ルールを守ることは極めて重要なこと
なのです。
しかし、アメリカ最大の空港と言われるシカゴ空港で見た「リムジン」の多さ、トラッ
クほどの長さもある高級乗用車が群れをなしている、その光景に我が目を疑いました。そ
してドイツでは、走ってくる車、車が「ベンツ」か「BMW」なのです。
「ベンツ」と 「BMW 」
の洪水という感じに、映画の世界をも超えた光景に、本当にこれが外国なのかと、妙に感
心させられたものです。そんな光景に、ふとわが身をダブラせ、私がその中で運転してい
る姿を思い浮かべました。一瞬の夢とはいえ、そんな車をユッタリと、現実はそうはいか
ないでしょうが、運転してみたいと思ったのは私だけではなかったと思います。
とにかく、国よって交通事情は全く異なります。交通マナーがシッカリしている日本で
も、ピーク時には1万人を超える尊い命が犠牲になっています。昨年は6,352人と死
亡者は減少傾向にありますが、47都道府県で単純に割ってみても1県あたり135人の
方々がお亡くなりになっています。細心の注意を払っていても重大な事故に巻き込まれる
可能性がたくさんあります。昨年の8月、家族連れが乗った RV 車が、酔っ払い運転の若 い福岡市職員の車に追突され、車ごと橋の上から川に落下、幼い3人の命が失われた事故
はあまりにも悲惨、悲しくて、皆さんもよく覚えているでしょう。
まずは、とにかく、「自分の身を守れ!」そして「人に危害を与えるな!」ということ
を、いつも心がけていてほしいと願い、今日話をしました。
これは、交通事故ばかりではなく、水の事故などもそうです。
補習やクラブ活動で毎日のように学校へ通う生徒諸君も多いでしょうが、来月29日の
始業式には、全校生徒が「元気な顔」で会えるよう、事件・事故には十分注意をしてくだ
さい。
当然、この長期の夏休みが、3年生はもちろん、2年・1年生にとっても思い出に残る、
自分がおおいに成長したと実感できるものにしてほしいと、強く願っています。
大事なのは、「人間として、目標に向かって、挑戦する」
、「己の心のみ」なのです。
特に、3年生、極めて重要な毎日だよ。心して、時間を大事に過ごしてください。
では、楽しい、充実した夏休みを過ごしてください!
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