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東京国際空港構内道路案内標識について - 港湾空港部

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東京国際空港構内道路案内標識について - 港湾空港部
されており、平成5年の第1(西)旅客夕」ミナルビルの供用開始以来、平成6年の首都高速湾岸
線の供用、平成10年の国際線旅客ターミナルビルの供用など大きな施設整備の変化に合わせなが
ら、道路標識の見直し、架け替えを行ってきた。また、平成16年末には第2旅客ターミナルが供
用される予定となってお・り、その整備により構内道路等の線形が大幅に変更されることから、道路
標識等を再整備する必要がある。(下図参照)
このことから、東京国際空港の第2旅客ターミナル供用時における案内標識の板面デザイン検討、
及び補完システムの検討を行った。
なお、検討にあたっては、学識経験者、有識者をもって構成された、「東京国際空港景観検討委
員会」(座長:中村良夫 東京工業大学名誉教授)を設置し、平成13年度、平成14年度に渡り、
技術的な側面からご指導、助言を受けた。
ll■新規供用薗断
■♯規供用施毅
㌧
・
これら大量の流出入交通をスムーズに導くため、空港構内には多くの道路標識、路面標示が設置
J
車によるアクセスは、首都高速湾岸線、一般国道357号、環∧通り等によって確保されている。
●
東京国際空港旅客ターミナルは、空港利用者をはじめ多くの関連交通が発生する。このうち自動
︰ト
1.はじめに
ヽ
設計室 鈴木竜彦
・草.
横浜港湾空港技術調査事務所
−
国土交通省 関東地方整備局
■.‘′
∴
∵し
東京国際空港構内道路案内標識について
ー く−.∵・
l, −
2.検討概要
検討の手順は、下図に示すとおりである。
‖ 事例収集整理
第2旅客ターミナル供用時の道路標識検討において、各事業者、他の空港での標識関連事項
について収集整理した。
(2)案内標識の検討
他機関との調整結果等を踏まえて、視認性.・誘導性、及びデザイン的な視点に配慮したター
ミナルサインカラーの選定を行い、標識板面の表示デザインを検討した。
(3)補完システムの検討
案内標識を補完するサイン(補完システム)について、必要な機能、デザイン、設置位置に
ついて検討した。
(4)案内標識と補完システムの設置案
以上の検討を踏まえて、構内道路における案内標識及び補完システムに関する設置案を整理
した。
∴ ,−− j●.’㌧■1
ー■■
3.案内標識の板面デザイン
3−1表示デザインの検討
3−ト1構内施設の表示方法
案内標識の表示デザインの検討にあたっては、ターミナルが第1・第2の2つになること、構
内道路が複雑で分岐が連続すること、分岐間が短いことを考慮し、①シンプルにする②表示数を
最小限にする③ターミナル及び駐車場を色で分けるようにし、更に補完システムにより案内標識
を補完することとする。
M 表示レイアウトの基本的な考え方
1)アクセス道路と空港施設の表示レイアウトを区別する。
2)第1、第2ターミナルと、出発/到着の表示レイアウトを区別し、かつ連続性をもたせる。
3)東京国際空港景観ガイドライン(東京航空局)のイメージカラーを案内標識にも積極的に
導入する。
4)①∼③の機能を保持し、誰にでもわかりやすく、且つ、、できる限り簡略化する。
(2)表示デザインの検討
(1)の基本的な考え方を踏まえ、ターミナル内施設の表示レイアウトを数案作成して検討を行
った。
1)評価の視点
■初めての人、高齢者を含む誰もがわかりやすいこと
・ターミナル正式名称(第1、第2、国際旅客ターミナル)との整合性が保たれる、また
は連想できる。
・ターミナルの区別がしやすい(第1、第2、国際)
・駐車場との区別がしやすい(第1、第2とPl、P2、P3)
・出発、到着の区別がしやすい。
・旅客施設・とアクセス道路との区別がしやすい。
■シンプルなデザインであること
・文字が少なく、わかりやすい。
・配色が少なくシンプル。
・サインカラーが強調される。
●l
2)表示デザインの選定結果
1)の視点のもと、表示デザインの選定を行った結果、以下のようになった。
a)出発・到着の表示の色を反転させ、カテコ
1」の異なるターミナルの案内と差別化する。
<長所>
・シンプル化が図られ、情報睾が少ない。
・サインカラーが強調されている。
・ターミナル正式名称との整合がとれている。
・駐車場との区別がしやすい。
<短所>
・出発/到着を文字で判断しなければならな
い。
※出発/到着の文字による判断については、C
Gによる実験で問題ないことを確認済み。
a)出発・到着の表示の色を反転させ、カテゴ
リの異なるターミナルの案内と差別化する。
b)ターミナル名称のシンプル化を図る。(「第
1・{第2t→「1・21)
長所>
シンプル化が園られ、情報量が少ない。
<短所>
・出発/到着を文字で判断しなければならな
い。
・「1・2」の表記が初めての利用者等に分か
りづらい。(ターミナル正式名称との整合が
とれていない。)
※「ターミナル1、2」といった愛称での統一
や、広報が必要。統一をしない場合は、利用
者がわかるかどうかのアンケートが必要。
a)出発・到着の表示の色を反転させ、カテゴ
リの異なるタ⊥ミナルの案内と差別化する。
b)ターミナル名称のシンプル化を図る。(「第
1・第2」→「1・2」)
c)出発・到着の反転の色をサインカラーとし、
よりカラーを自立たせる。
<長所>
・シンプル化が図られている。
・サインカラーが強調される。
<短所>
・出発/到着を文字で判断しなければならな
い。
・「出発・到着」の「1・2」が目立たなく、
意味も分かりづらい。
・「1・2」の表記が初めての利用者に分かり
づらい。(ターミナル正式名称との整合がと
れていない。)
■
ツ ■ ■√・■ 曽∫・ゝ‘.号■∴咋・茸芳㌫ ′■・●
、
・・7
乳
a)二出発・到着の表示の色を
t」の異なるターミナルの案内と差別化する。
b)、ターミナル名称のシンプル化を図る。(「第
1・第2」→「1・2」)
c)「出発・到着」を色の反転で区別する。
・シンプル化が図られている。
・「出発・到壱」の違いがわかりやすい。
<短所>
イ1・2」の表記が初めての利用者に分かり
づらい。(ターミナル正式名称との整合がと
れていない。)
・配色が複雑となる。(「出発・到着」の配色に
違和感を覚える可能性がある)
a)出発・到着の表示の色を反転させ、カテコ
1」の異なるターミナルの案内と差別化する。
b)「第1・第2」をピクト化せず、新たにサイ
ンカラーを用いたピクトを表示する。
<長所>
・ターミナル正式名称との整合がとれている。
・駐車場との区別がしやすい。
・色で誘導していることが分かりやすい。
<短所>
・出発/到着を文字で判断しなければならな
い。
・情報量が多く感じる。(表示文字が多<なる。)
・版サイズの関係で文字が小さくなる。
3−1−2アクセス道路め表示方法
アクセス道路の表示デザインの検討にあたっては、1箇所で10地点を表示する秦内標識が出
てくること、分岐が連続すること、さらに分岐間が短いことに考慮し、①シンプルなデザインに
する②表示数牢最小限にする③ターミナルを色で分けるようすることとする。
空港ヘアクセスする首都高速道路、国道357号、環状八号線の表示内容は、各関係機関と協
議、調整を行い決定した。アクセス道路の表示内容の検討結果を以下に示す。
(1)首都高速道路の表示について
・「首都高速」、「Sm汀O EIPWY」の表示を抜き、
「B銀座浦安」、「B横浜」と表示する。
==〇>
.,J・㌻j・てr車聖二ーゝ−1‘.;ニ
(3)国道357号について
・国道357号の表示の背景を一般道の青色とする。
⇒
(4)環八通りについて
・環八通りの表示の背景を一般道の青色とする。
⇒
3−2ターミナルサインカラーの検討
ターミナルサインカラーの検討を行う前段として、サインカラーによる誘導性を検証した。ター
ミナルサインカラーの選定は、サインカラーの視認性・誘導性の評価とデザイン的な視点からの評
価によって行った。
(D誘導性の検証
・CGを用いた誘導性実験により検証を行った。
②視認性・誘導性の評価
・サインカラー視認性・誘導性評価実験により評価を行った。
③デザイン的な視点からの評価
・色相による判別しやすさとして、標識の板面色(濃紺)と′の彩度・明度の違いから評価を行
った。
・空港ターミナルに相応しいカラーとして、色がもつイメージ・機能と新ターミナルのイメー
ジとの類似性から評価を行った。
以下にそれぞれの評価方法と結果を示すこ
ヽ
⇒
り■.,
・アクアラインの案内を補助標示板で行い、案
.い∴鷺
■●●■
(2)アクアラインの表示
ノー一_扉▲ こ
ヽ ′
.
・
′
◆︰j、
ヽ
1 †h
∵・
●l‥′■
−.・● −
▼ lヽ
1−・■㌧ い.
l
n
−
3−2−1サインカラーによる誘導性の評価
CGを用いた誘導性実験により、サインカラーによる誘導性の評価を行った。
(1)実験の概要
1)目的
案内標識にターミナルサインカラーを用いた場合の誘導性を評価するために、サインカラ
ーを用いた標識(以下、色ありと称す)とサインカラーを用いない標識(以下、色なし′と称
す)を対象にCGを用いたアンケート調査を実施した。
<サンプル>・
◆色なし
◆色あり
!.・\
2)詞査を行うケース
空港へ向かう以下の3ルートを対象とし、色あり、色なしの計6パターンについてCGを
作成した。
調査は、各ルートに対して、色なしと・色ありの実施前にサインカラーによる誘導の意図を
説明したケース(以下、説明後と称す)と説明しないケース(以下、
説明前と称す)の丑j
生二呈について実施した。
・ルート(1)首都高速東京方面→第1ターミナル出発
・ルート(2)国道357号→第2ターミナル出発
・ルート(3)首都高横浜方面→第1ターミナル出発
3)調査方法
被験者(35名)に目的地を伝えてから、CGをスタートさせ、標識の手前でCGを停止し、
被験者に目的地へ行くための行動(直進、右へ、左へ)を答えてもらい、記録員がその回答
と回答に要した時間を記録した。
1ルート終わる毎に答え合わせ、及びアンケートを実施し、調査終了後にサインカラーの
誘導性に関するアンケートを実施した。
一’’
・
−、.「・‥∴−−
■十∵∵㌔
4)実験風景
5)被験者構成
被験者の構成を以下に示す。
年齢構成比
男女構成比
′
(2)実験結果
◆色分けして誘導された方が良いと思うか
◆良いと答えた理由
方がよい
鍋
肌
40%
80%
80%
◇全ルートで色なしより色ありの方が停止時間(判読▲・判断時間)が短くなり、正解率暗色
なしが79.6%、色あり(説明前)が88.9%、色あり(説明後)が94.3%となった。
◇5段階評価により、「サインカラーを用いた場合の目的地(ターミナル)への行きやすさ」
、をアンケート調査した結束、全ての被験者が「色分けによる誘導」に賛成した。
100%
■ い
■
■;
i
l
I
l
l
書
3−2−2サインカラーの選定
(1)サインカラー選定の評価方法
サインカラー選定の評価の視点は以下のとおりであり、それぞれの視点を評価するために、
視認性・判読性の評価実験、及び色の機能やイメージを指標による比較を行った。
評価の視点
確認方法
①文字の視認性・判読性
・基準値を満たすか
視認性・判読性の評価実験
・相対的な比較
②規制・警戒標識との類似性
・規制・警戒標識の同じに見えるか
③デザイン的な視点
・色相による判別しやすさ
色の機能やイメージを指標と比較
・空港ターミナルに相応しいカラー
QX至)③の結果を総合的に評価し、サインカラーを選定する。
(2)サインカラーの視認性・判読性の評価実験
1)候補色の選定
東京国際空港景観ガイドライン(東京航空局)によって、地区のイメージカラーが第1:
暖色系、第2:寒色系に設定されているp案内標識にこのイメージカラーを積極的に導入す
ることで、旅客に対して地区のイメージをより強く印象づけることを目的とし、ターミナル
サインカラーの検討を行づた。検討の流れは以下のとおりである。
東京国際空港景観ガイドライン(東京航空局)
・ 西側ターミナル:「赤」を中心とした暖色系
・ 東側ターミナル:「青」を中心とした寒色系
標識に用いる反射シートの選定
サインカラーの候補地を決定する。その際に、以下の事項に注意する。
① 耐候性が5年以上保証できること
(診 同程度の色であればコストが安い方を採用すること
③ 規制・警戒標識と誤認するようなサインカラーを採用しないこと
サインカラーの候補色(反射シート)
<暖色系>
バミューダピンク
カレドニアオレンジ
ワインレッド
・ サファリイエロー(現国際線で供用)
<寒色系>
ポリネシアンブルー
育−(一般道の標識に用いられる青)
1ランドルト環(・Cの空いている方向が視認できた被験者と標識との距離を計測する)
①バミューダピンク
②カレドニアオレンジ
③ワインレッド
サンプル
t
1 山 l ■
C
④サファl一■ェロー
実験色
(9ポリネシアンブルー
サンプル
C’
」
⑥一般道の通常の青
ICI
■標識サンプル
バミューダピンク
番
カレドニアオレンジ
ワインレッド
ポリネシアンブルー
一般の青
⑧
ポリネシアンブルー
号
 ̄
、
仰山
Tbmtrld
ll
_
サンプル
n
■
習
l・−−「『
レ
彗ヱ謹まレ
伽甲鵬・仙
:・:・‥
サファリイエロー
番
⑰
⑩
色なし
一般道の青
号
(c)実験方法
被験者30名について、一試験走路(構内の工事用道路)上を走行させ、まずランドルト環
により、線の判読性を確認し、その後実際の大きさの標識を立てて、標識の文字を判読でき
た時点の距離等を計測した。また、走行後に文字の見やすさ等に関するアンケート調査を行
った。
サ..ツ
以下の2パターン、合計11ケ∵スについて実験を行った。
掛節 ︰、‖8・拝 嘗竺
(b)実験用標識
一
J■
視認性及び判読性を評価する。
⋮
サインカラーを用いた標識に関して、十般のドライバーを被験者とした実験を行うことで
.†∴巧
(a)目的
,ヽ■■
2)実験概要
ム
鴫㌧
ヽ.
∴〆・・∵∴
実験色
ヽ
llゝ
り
フ”t■−く
■.■ − 一
√,
■ゝ
′  ̄ く
’▲ ■
■へtし
′・
●
■
.・
〃▲︰り
ヽ
ヽ
一
■ l
●
.
・、∼
.いー
▲
ヽ・・.、
†
ヽ
ノJV ▲
ヽ
一
い㌧■・
ヽ
“.才一,
■
ヽ∴..′
一
1.﹂′.
ヽ
−・一
■●−
レ
、●1
ー
1
一・
.
l −
、
(dト尭嗟鞠贋
.′・
1
1
(e)被験者構成
被験者の構成を以下に示す。
年齢
性別
20∼39歳 男
女
40∼59歳 男
視力
1.0未間 3人
1◆.0以上 4人
1.0未沸 0人
1.0以上 2人
1.0未満 一. 1人
1」0以上 5人
女
60歳以上 男
女
1.0未満
l.0以上
1.0未満
1.0ぢ人上
1.0未璃
1.0以上
人数
1_【__一▼−__一________‖−_,▼▼_____←L,_._
2人
3人
0人
7人
1人
2人
合計
30人
3)評価方法
実験結果の評価は以下の方法で行った。
視認性・判読性
(a)判読距離の基準値との比
ランドルト環に
較(線の判読性)
よ・る実験※1
(b)判読距離の基準値との
実際の標識によ
比較(文字の判読性)
認※2
る実験※3
文字の判読距離について、各サインカラーの85
パーセンタイル値が基準による計算値以上かを確
認※2
(c)判読距離の相対的な比
ランドルト環に
較(線の判読性)
よる実験警1
(d)判読距離の相対的な比
実際の標識によ
●較(文字の判読性)
“C”の線の判読距離について、各サインカラー
の85%タイル値が基準による計算値以上かを確
“c”の開いている方向が視認できた距離につい
て、各サインカラーの平均値が一般道の青以上か
を確認
る実験※2
文字の判読距離について、各サインカラーの平
均値が「色なし」以上かを確認
「規制・警戒標識の色と同じに見えるか」とい
ったアンケ「ト結果により確認
葺澤
ーt▲・「.二!■1
※1 ランドルト環による実験:“C”の表示が見え、“C’’の開いている方向が視認できた時点での
被験者と榛識の距離を計測。
※2 道路標誅設置基準・同解説に記載された標識の判読距離の算定式(85%タイル値)と、実験に
よる判読距醜の85%タイル値とを比較。
※3 実際の療識による実験:目標地と設定したターミナル(第lor第2)が判読できた時点での被
験者と標識との距離を計測。
4)実験結果
(a)線の
判読性
総合評価
類似性
昼 夜 昼 夜 昼 夜 昼 夜 昼 夜
各評価項目について良好な結果となり、案
◎
内標識にサインカラーとして用いること
が可能。
各評価項目について良好な結果となり、案
◎
内標識にサインカラーとして用いること
が可能。
ランドルト環の夜の視認性と文字の見や
すさの印象(昼)
であり、サインカラーとして用いることが
可能。
ランドルト環の視認性と文字の見やすさ
の印象について多少落ちる結果となって
カレドニアオレ
× ○ ○ ○ △ △ ○ ○ ○ ○ ×
ヽヽ● ノン
おり、案内標識にサインカラーとしての適
用は不可。
各評価項目について良好な結果となり,、案
ワインレッド ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎
内標識にサインカラーとして用いること
が可能。
暖色系の中で文字の見やすさの印象は良
いが、夜の文字の視認性が極端に落ちるこ
サファリイエロー ○ ○ ○ ○ ○ × ○ ○ × .× ×
とと、警戒標識の色と似ているとの評価が
あり、案内標識にサインカラーとしての適
用は不可。
・
V︰
,、ゝ
モー■
−ノりをこヱ′
■︳.,−
ヽ
′1′
、
■二■_
tl■−・
f.r、
・.、・7■.■! ‘
1
(3)デザイン的な視点からの検討
( 視認性実験の結果と色のコントラストから、ターミナルサインカラーを「第1:バ
ピンク、第2:ポリネシアンブルー」、「第1:ワインレッド、第2:一般道の青」の2パター
ンに絞り、それぞれのパターンについてデザイン的な視点から検討を行っ牢。
1)評価の視点
・色相による判別しやすさ:標識の板面色(濃紺)との彩度・明度の違い
・空港ターミナルに相応しいカラー:色がもつイメージ・機能と新ターミナルのイメージ
との類似性
2)検討結果
(a)色相による判別しやすさ(識別性)
・一般に、色彩が与えるイメージのまとまりは、トーンによる。
・彩度の低いトーンの色(ペール:P、ダル:Dl、ダーク:Dk)はそれぞれのトーンのイメ
ージに支配されやすく、色相は、かなり違わないとイメージは変わってこない。
・ライトグレイッシュ(Lgr)、グレイッシュ(Gr)、ダークグレイッシュ(I)gr)では色相
によるイメージの変化はきわめて微々たるものである。
・よって、色相により、第1・第2ターミナルの誘導案内性を目的にするのであれば、原
則として、低彩度色は避けるべきである。
・また、板面色(ニケンブルー)とのコントラスト(明暗比)が高い方が望ましい。【昼間:
6.12(バミューダピンク)〉1.76(ワインレッド)、夜間:12.6(バミューダピンク)
インレッド)】
⇒バミューダピンクの方がワインレッドよりもターミナルサインカラーに相応しい。
鶴一− :
鬱 よ
(b)空港ターミナルに相応しいカラー(カラーイメージ)
・下図は、16対のキーワードによってカラーイメージを評価したものである。
・バミューダピンクが持つカラーイメージは、「明るい」、「陽気な」、「派手な」、「情熱的
な」、「くどい」、「動的な」、「暖かい」、「子供っぽい」、「女性的な」が主流をしめる。
・バミューダピンクは、明るい、華やいだイメージである。
・ワインレッドは、「深い」、「重たい」、「情熱的な」、「くどい」が主流をしめる。
・ワインレッドは、クラシック(古典的)等のイメージも強い。
⇒バミューダピンクの方がワインレッドよりもターミナルサインカラーに相応しい。
・
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・●八
■−
●ノ
l・ ●
出典:(財)日本色彩研究所カラーデータマニュアル、カラーイメージ(単色編)
3)結論
識別性、カラーイメージの観点から判断した結果、「第1:バミューダピンク、第2:ポ
リネシアンブルー」の方がデザイン的には優れていると考えられる。
j■
一
ヱ‥・
:∴●・∼ご∴・
(4)サインカラーの選定結果
1)CGによる誘導性の評価
・5段階評価により、「サインカラーを用いた場合の目的地(ターミナル)への行きやすさ」
をアンケート調査した結果、全ての被鹸者が「色分けによる誘導」に賛成した。
・サインカラーを
2)実験による視認性・判読性の評価
■視認性について
・視認性、判読性からみて、ワインレッドが最も良い結果となった。
・バミューダピンクは、夜の視認性と昼の文字の見やすさの印象が多少落ちる結果となっ
たが、ワインレッドよりも少し落ちる程度である。
・その他の色については、視認性、判読性に問題がある。
■規制・警戒標識との類似性
・バミューダピンク、ワインレッドのどちらとも規制・警戒標識と間違えることはないと
いう結果になった。
3)デザイン的観点からの検討
・ワインレッドがクラシックというイメージであるのに対し、バミューダピンクは明るい、
華やいだというイメージである。また、バミューダピンクが識別性でワインレッドより優
ることから、新ターミナルのサインカラーとして相応しい。
◇ターミナルサインカラーとして、「バミューダピンク」、「ポリネシアンブルー」を選択した。
いl
4.補完システムの検討
4−1必要となる機能
第2ターミナル供用時には、新たにターミナルができることにより、「空港内施設の位置関係を
周知する機能」、■「サインカラーによる誘導を周知する機能」、「迷走した際に復帰させる機能」、「分
岐で選択経路を確認する機能」が必要となる。
それぞれの機能に対しては、以下に示すとおり、入口標示板、環状八号線ターミナルガイドマッ
プ、循環車線により補完を行う。
設置位置
構内道路に入って最初に目にするこ
とができる位置に設置する。
環八通り上、空港アクセス道路との分
岐事前に投直する。
循環道路の路側に設置する。
分岐部、及び分岐手前に設置する。
4−2入口標示板
(1)必要となる機能
■ターミナルの位置がわかる機能。
・国内線ターミナルが2つあることを教示し、目的地までのおおまかな経路を示すことで、走
行の補助を行う。
■ターミナルとサインカラーの関係がわかる機能。
・国内線ターミナルが2つあり、その誘導にサインカラーが用いられていることを周知するこ
とで、走行の補助を行う。
■循環車線の存在を周知する機能。
・自分の目的地が分からなくなった場合でも、循環車線を走行することで迷走することなく、
目的地に到着することができる。
(2)表示内容・要素
・循環道路
・第1・第2ターミナル
・循環道路までの距離
・ターミナルサインカラー
鱒
,・ ∴
∨ ■.
∴
ナ 、㌻.
.い£々∼・
■
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.−
√一
・■ .♪
上中・
l一︳
ノー
事「
・、王ヽ1r・■;l・・ ヽJ・ −′
4−3ターミナルガイドマップ
‖ 必要となる機能
■ターミナルの位置がわかる機能。
・国内線ターミナルが2つあることを教示し、目的地までのおおまかな経路を示すことで、走
行の補助を行う。
■ターミナルとサインカラーの関係がわかる機能。
・国内線ターミナルが2つあり、その誘導にサインカラーが用いられていることを周知するこ′
とで、走行の補助を行う。
■構内までの嘩路がわかる機能。
・環八上の分岐から構内まで約2kmあるため、ターミナルへの経路を教示することが重要であ
るため。
(2)表示内容・要素
・第1・第2ターミナル
・ターミナルサインカラー
・構内まセの経路
、闘 表示レイアウト
簡絹聯
岩・ト
龍盈轟藩感㌔ニ怒㌔:
l
4−4循環車線
‖ 循環車線の基本的な考え方
・案内標識は、利用者を各目的地へ誘導するための主たるシステムであるのに対し、循環車線
は、利用車を正しい経路へ復帰させるための補完システムである。
(2)循環車線を設置する目的
・第1ターミナル、第2ターミナル、Pl・P2・P3駐車場などの間を移動する利用者の利
便性・誘導性を高める。
・利用者が目的地を過ぎてしまった場合や間違ってしまった場合など迷走したとき、利用者を
特定の車線を走行させ標識により目的地へ再誘導する。
・首都高速ランプ部へ間違えて進入しないように補完的な誘轟を図る。
(3)循環車線設置の基本的考え方
・循環車線の併設区間以外は、基本的に1車線とする。
・循環車線の舗装は、構内道路の一般的な舗装色と異なる色(舗装材)を使い、差別化する。
(4)循環車線の設置位置
上記を踏まえ、安全性や円滑化に配慮し、循環車線の設置位置を以下のように設定した。
l
5.おわ・りに
本検討は、第2旅客ターミナル供用後さらに複雑となる構内道路において、より分かりやす
く安全に利用者を誘導するために、標識にサインカラーを用いることや、循環車線等の補完シ
ステムについて検討してきたが、利用者に事前に経路情報等を広報することも大変重要である。
このことは、CGによる誘導性実験結果からもサインカラーを事前に知らせる効果が確認でき
ている。よって、第2旅客ターミナル供用に向けては、経路情報等をインターネット、パンフ
レット等により、目的地ごとの経路の提供やターミナルサインカラーによって誘導を行ってい
ることを周知する手法につIlての検討が必要と言える。
最後に、本検討にあたりご指導、ご協力頂い
係機関の方々に厚くお礼を申し上げます。
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