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TPP協定交渉の合意内容等について
資料Ⅰ TPP協定交渉の合意内容等について (食品産業向け意見交換会用資料) 平成27年10月 1.TPP協定交渉とは 1 出典:外務省ウエブサイトより 2 出典:第16回経済財政諮問会議(平成27年10月 16日)配布資料(甘利議員提出資料抜粋)より 3 出典:第16回経済財政諮問会議(平成27年10月 16日)配布資料(甘利議員提出資料抜粋)より 4 2.市場アクセス交渉の結果 5 ●日本以外の国の関税撤廃等の状況(対日、農林水産品※1) GDP※2 (十億ドル) ライン数 即時撤廃※3 2~11年目まで※4 撤廃 12年目以降 撤廃 非撤廃 (TRQ・削減等) 米国 16,663 2058 55.5% 37.8% 5.5% 1.2% カナダ 1,839 1566 86.2% 7.9% 0.0% 5.9% 豪州 1,497 941 99.5% 0.5% 0.0% 0.0% メキシコ 1,262 1387 74.1% 17.2% 5.1% 3.6% マレーシア 323 3324 96.7% 1.2% 1.7% 0.4% シンガポール 302 1400 100.0% 0.0% 0.0% 0.0% チリ 277 1634 96.3% 3.2% 0.0% 0.5% ペルー 202 1155 82.1% 11.9% 2.0% 4.0% NZ 185 1287 97.7% 2.3% 0.0% 0.0% ベトナム 171 1431 42.6% 52.3% 4.5% 0.6% ブルネイ 18 1400 98.6% 1.4% 0.0% 0.0% 11カ国平均 - - 84.5% 12.3% 1.7% 1.5% (参考)日本 4,920 2328 51.3% 27.5% 2.2% 19.0% ※1:日本以外の国の農林水産品については、国際的な商品分類(HS2007)において1~24、44及び46類に分類される農林水産物であって、 農林水産省所管品目とは一致しない(日本のライン数には含まれていない財務省所管の酒・たばこ類が含まれる)。 ※2:2013年(出典:IMF) ※3:即時撤廃には既に無税の物品を含む。 ※4:我が国の既存EPAの自由化率は11年目までに撤廃されるライン数の割合とされているため、11年目までで区分。 出典:関税に関する交渉結果(三次公表)より 6 (参考)TPPにおいて関税を残すライン(全品目、農林水産物) 総ライン数 関税を残すライン 9,018 443 うち農林水産物 2,328 443 うち関税撤廃したことがないも の 834 439 全品目 うち重要5品目 (586) (412) うち重要5品目以外 (248) (27) うち関税撤廃したことがあるも の 1,494 4 備考 雑豆、こんにゃく、 しいたけ、海藻等 ひじき・わかめ 出典:関税に関する交渉結果(三次公表)より 7 TPP交渉参加各国の関税撤廃率 国 日本 米国 カナダ 豪州 NZ シンガポー ル 品目数ベース 95% 100% 99% 100% 100% 100% 貿易額ベース 95% 100% 100% 100% 100% 100% 国 メキシコ チリ ペルー マレーシ ア ベトナム ブルネイ 品目数ベース 99% 100% 99% 100% 100% 100% 貿易額ベース 99% 100% 100% 100% 100% 100% (注)シンガポール及びブルネイについては、全ての品目について関税撤廃。 出典:関税に関する交渉結果(三次公表)より 8 TPP交渉における主な加工食品の合意内容 品 目 現在の関税率 合意内容 キャンディ ホワイトチョコレート 砂糖菓子 25% 関税割当 枠内税率:25% → 0%(即時) 枠内数量:3,000t → 6,000t(11年目) チューインガム 24% 段階的撤廃:24%→0%(11年目) ビスケット スイートビスケット 20.4% ビスケット、クッキー及びクラッカー(砂糖入り) 15% パスタ スパゲティ 30円/kg マカロニ 30円/kg その他パスタ 5.1~23.8% スパゲティ 段階的削減:30円/kg → 12円/kg(9年目) マカロニ 段階的削減:30円/kg → 12円/kg(9年目) その他パスタ 段階的撤廃:5.1~23.8% → 0%(11年目) 大豆油 10.9、13.2円/kg 菜種油 10.9、13.2円/kg こめ油 8.5、10.4円/kg 大豆油 段階的撤廃:10.9、13.2円/kg → 0円/kg (6年目) 菜種油 段階的撤廃:10.9、13.2円/kg → 0円/kg (6年目) こめ油 段階的撤廃:8.5、10.4円/kg → 0円/kg (11年目) 植物油脂 食用加工油脂 マーガリン 29.8% ショートニング 12.8% スイートビスケット 段階的撤廃:20.4% → 0%(11年目) ビスケット、クッキー及びクラッカー(砂糖入り) 段階的撤廃:15% → 0%(6年目) マーガリン 段階的撤廃:29.8% → 0%(6年目) ショートニング 段階的撤廃:12.8% → 0%(6年目) 出典:TPP交渉 農林水産分野の大筋合意の概要(追加資料)より 9 3.各国の対日関税に関する交渉結果 10 加工品-1 直近3年の輸出額 加工品 みそ 醤油 ソース混合 調味料 チョコレート キャンデー ビスケット 清涼 飲料水 日本酒 (百万円) 主な輸出先 2012 2013 2014 世界 130,539 149,622 175,162 TPP 44,007 50,142 58,532 世界 2,068 2,432 2,515 米国、台湾、韓国、タイ、シンガポール TPP 985 1,113 1,140 米国、シンガポール、豪州 世界 3,670 4,272 5,176 米国、豪州、香港、英国 TPP 1,221 1,390 1,955 米国、豪州、NZ 世界 19,517 21,381 22,988 TPP 7,526 8,579 9,028 米国、豪州 世界 4,921 5,468 7,654 香港、台湾、シンガポール、米国、韓国 TPP 947 1,095 1,561 シンガポール、米国、ベトナム 世界 2,975 3,973 5,136 香港、台湾、米国、韓国、中国 TPP 759 932 1,066 米国、シンガポール、ベトナム 世界 797 911 1,072 香港、台湾、中国、米国、シンガポール TPP 227 250 201 世界 12,074 12,353 15,937 TPP 3,430 3,377 4,771 世界 8,946 10,524 11,507 TPP 4,322 5,083 5,596 米国、香港、台湾、韓国、中国 (参考)輸出戦略上の位置づけ 【調味料類】 EU、ロシア、インドネシア、 マレーシア、ベトナム、タイ、 シンガポール、フィリピン、中 国、中東、ブラジル、米国、 台湾、韓国、香港、豪州 【菓子類及び清涼飲料水】 【レトルト食品等】 【アルコール飲料】 インドネシア、マレーシア、 ベトナム、タイ、シンガポー ル、フィリピン、インド、香 港、台湾、米国、韓国 EU、ロシア、インドネシア、 ベトナム、タイ、マレーシア、 シンガポール、フィリピン、中 国、中東、ブラジル、インド EU、ロシア、ベトナム、 タイ、フィリピン、中国、 シンガポール 2020年まで の目標 5,000 億円 米国 米国、台湾、韓国、香港、豪州、タイ 米国、シンガポール、ベトナム 個別品目の交渉結果 注: 「現行」はTPP交渉のベースとなった2010年1月1日時点の税 率。[ ]内は、EPA税率。 (1)みそ 国名 米国 カナダ 豪州 メキシコ マレーシア 現行 ↓ 交渉結果 6.4% ↓ 5年目撤廃 9.5% ↓ 即時撤廃 (無税) 20% [無税] ↓ 即時撤廃 5% [無税] ↓ 即時撤廃 シンガポール チリ ペルー NZ ベトナム ブルネイ 6% [無税] ↓ 即時撤廃 (無税) (無税) 5% ↓ 5年目撤廃 20% ↓ 5年目撤廃 (無税) アラブ首長国連邦、香港、米国 米国、豪州、シンガポール 米国、香港、韓国、中国、台湾 米国、シンガポール、カナダ (注)ソース混合調味料・・・ソース、たれ、ドレッシング、カレー調製品等の調味料。 出典:関税に関する交渉結果(三次公表)より 11 加工品-2 (2)醤油 (4)チョコレート 国名 米国 カナダ 豪州 メキシコ マレーシア 現行 ↓ 交渉結果 3% ↓ 5年目撤廃 9.5% ↓ 即時撤廃 (無税) 20% ↓ 即時撤廃 10% [無税] ↓ 即時撤廃 シンガポール チリ ペルー NZ ベトナム ブルネイ (無税) 6% [無税] ↓ 即時撤廃 5% ↓ 5年目撤廃 30% [16.4%] ↓ 6年目撤廃 (無税) 国名 米国 カナダ 豪州 メキシコ マレーシア 現行 ↓ 交渉結果 2%~ 52.8セント/kg+ 8.5% ↓ 即時~ 20年目撤廃 5%~265% ↓ 即時又は 関税割当(1,138ト ン) 5% [無税] ↓ 即時撤廃 20%+従量税◎ ↓ 即時撤廃 15% [無税] ↓ 即時撤廃 シンガポー ル チリ ペルー NZ ベトナム ブルネイ (無税) 6% ↓ 即時撤廃 9又は17% ↓ 11年目撤廃 5% ↓ 即時又は 5年目撤 廃 13~25% ↓ 5~7年目撤廃 (無税) (無税) ◎従量税は、0.36米ドル/kg on sugar content (5)キャンデー類 (3)ソース混合調味料 国名 米国 カナダ 豪州 メキシコ マレーシア 現行 ↓ 交渉結果 6.4% ↓ 5年目撤廃 8又は9.5% ↓ 即時撤廃 (無税) 20% [無税] 5% [無税] ↓ 即時撤廃 シンガポール チリ ペルー NZ ベトナム ブルネイ (無税) 6% [無税] ↓ 即時撤廃 (無税) 5% ↓ 5年目撤廃 20% ↓ 5年目撤廃 国名 米国 カナダ 豪州 メキシコ マレーシア 現行 ↓ 交渉結果 無税~ 40セント/kg + 10.4% ↓ 即時~20年目撤 廃又は関税割当 (100トン) 0%~10% ↓ 即時又は 11年目撤廃 5% [無税] ↓ 即時撤廃 20%+従量税◎ ↓ 即時撤廃 15% [無税] ↓ 即時撤廃 シンガポール チリ ペルー NZ ベトナム ブルネイ (無税) 6% ↓ 即時撤廃 9% [5.7%] ↓ 11年目撤廃 5% ↓ 5年目撤廃 20% ↓ 7年目撤廃 (無税) (無税) ◎従量税は、0.36米ドル/kg on sugar content 出典:関税に関する交渉結果(三次公表)より 12 加工品-3 (6)ビスケット (8)日本酒 国名 米国 カナダ 豪州 メキシコ マレーシア 現行 ↓ 交渉結果 (無税) 2%~ 5.42セント/kg + 4% ↓ 即時又は 11年目撤廃 5% [無税] ↓ 即時撤廃 10%+従量税◎ ↓ 即時撤廃 6% [無税] ↓ 即時撤廃 シンガポール チリ ペルー NZ ベトナム ブルネイ (無税) 6% ↓ 即時撤廃 (無税) 5% ↓ 即時~ 5年目撤廃 15% [14.6%] ↓ 4年目撤廃 (無税) 国名 米国 カナダ 豪州 メキシコ マレーシア 現行 ↓ 交渉結果 3セント/リットル ↓ 即時撤廃 2.82~12.95セ ント/リットル ↓ 即時撤廃 5% [無税] ↓ 即時撤廃 20% [無税] ↓ 即時撤廃 25.50マレーシアリン ギット per 100% vol. /リットル ↓ 16年目撤廃 シンガポール チリ ペルー NZ ベトナム ブルネイ (無税) 6% [無税] ↓ 即時撤廃 9% [無税] ↓ 6年目撤廃 (無税) 59% [23.6%] ↓ 3年目撤廃 (無税) ◎従量税は、0.36米ドル/kg on sugar content (7)清涼飲料水 国名 米国 カナダ 豪州 メキシコ マレーシア 現行 ↓ 交渉結果 0.2セント/リットル ↓ 即時撤廃 11% ↓ 即時撤廃 5% [無税] ↓ 即時撤廃 20%+従量税◎ [無税] ↓ 即時撤廃 20% [無税] ↓ 即時撤廃 シンガポール チリ ペルー NZ ベトナム ブルネイ (無税) 6% [無税] ↓ 即時撤廃 9% [5.72%] ↓ 即時又は 6年目撤廃 5% ↓ 即時撤廃 27~34% [14.6~22.5%] ↓ 7年目撤廃 (無税) ◎従量税は、0.36米ドル/kg on sugar content 出典:関税に関する交渉結果(三次公表)より 13 (参考)日本からの農林水産品※1の輸出額及び輸出先国の状況 (単位:百万円) 2012 分類※2 2013 2014 全世界 向け TPP国 向け TPP国 割合(%) 全世界 向け TPP国 向け TPP国 割合(%) 穀物 37,654 11,632 30.9% 45,517 13,128 28.8% 57,329 15,872 27.7% ①香港、②台湾、③米国、 ④シンガポール、⑤韓国 畜産物 14,263 1,432 10.0% 17,378 2,088 12.0% 22,456 3,037 13.5% ①台湾、②香港、③カンボジア、 ④米国、⑤中国 園芸 66,033 14,787 22.4% 76,279 15,925 20.9% 78,791 15,694 19.9% ①台湾、②香港、③米国、 ④中国、⑤韓国 加工品 130,539 44,007 33.7% 149,622 50,142 33.5% 175,162 58,532 33.4% ①米国、②香港、③台湾、 ④韓国、⑤中国 林産物 9,887 1,738 12,993 2,159 16.6% 18,839 2,418 12.8% ①中国、②韓国、③台湾、 ④フィリピン、⑤米国 水産物 145,066 40,875 28.2% 193,234 55,211 28.6% 197,841 61,081 30.9% ①香港、②米国、③中国、 ④ベトナム、⑤タイ 合計※3 403,442 114,471 28.4% 495,023 138,653 28.0% 550,419 156,634 28.5% 17.6% 全世界 向け TPP国 向け TPP国 割合(%) (参考)輸出先上位5カ国 (2014) ※1:国際的な商品分類(HS2007)において1~24、44及び46類に分類される農林水産物であって、農林水産省所管品目とは一致しない(日本のライン数 には含まれていない財務省所管の酒・たばこ類が含まれる)。 ※2:分類は農林水産品を便宜的に園芸・畜産等6つに分類した。 ※3:農林水産物等輸出実績(農林水産省公表資料)とは集計対象物品が一部異なるため輸出額が一致しない。 ※4:出典は貿易統計。 出典:関税に関する交渉結果(三次公表)より 14 4.物品市場アクセス以外の交渉結果 15 環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の概要 (内閣官房TPP政府対策本部作成資料)抜粋① 2.物品以外の市場アクセス (1)サービス・投資 市場アクセス改善については、原則すべてのサービス及び投資分野を自由 化の対象とし、規制の根拠となる措置や分野を列挙。日本企業の海外進出の 観点から、諸規制の緩和や撤廃が進んだうえ、現状が明確化され、透明性が 向上。 *個別の具体的成果として、我が国産業界からの主要関心分野であったコン ビニを含む流通業における外資規制の緩和。 (例)ベトナム TPP発効後5年の猶予期間を経て、コンビニ、スーパー等の小売流通業の出 店について、ベトナム全土において、「経済需要テスト(Economic Needs Test)」 (注)を廃止。 (注)出店地域の店舗数や当該地域の規模等に基づく出店審査制度 (例)マレーシア 小売業(コンビニ)への外資規制の緩和(コンビニへの外資出資禁止→出資上 限30%) 小売業の諸手続が緩和され、透明性も向上 16 環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の概要 (内閣官房TPP政府対策本部作成資料)抜粋② 第5章.税関当局及び貿易円滑化 税関手続について予見可能性、一貫性及び透明性のある適用を確保すると ともに、締約国間の協力の促進、国際基準への調和、通関等の手続の迅速化、 行政上及び司法上の審査の確保等について規定。 本章のルールにより、例えば以下のようなメリットが考えられる。 (1)迅速通関(関税法の遵守を確保するために必要な期間(可能な限り貨物 の到着から48時間以内)に引取りを許可) (2)急送貨物(通常の状況において、必要な税関書類の提出後6時間以内に 引取りを許可) (3)輸入者、輸出者又は生産者の要請による書面での事前教示制度(関税分 類、原産性等)(150日以内に回答) (4)自動化(輸出入手続を、単一の窓口において、電子的に完了することがで きるよう努める) 17 環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の概要 (内閣官房TPP政府対策本部作成資料)抜粋③ 第18章.知的財産(抜粋) TPP協定で対象となる知的財産は、商標、地理的表示、特許、意匠、著作権、 開示されていない情報等である。知的財産章は、これらの知的財産につき、W TO協定の一部である「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」(TRIPS 協定)を上回る水準の保護と,知的財産権の行使(民事上及び刑事上の権利 行使手続並びに国境措置等)について規定し、もって、知的財産権の保護と利 用の推進を図る内容となっている。 〇 地理的表示(GI) 地理的表示の保護又は認定のための行政手続を定める場合、①過度の 負担となる手続を課することなく申請等を処理すること、②申請等の対象で ある地理的表示を公開し、これに対して異議を申し立てる手続を定めること、 ③地理的表示の保護又は認定の取消しについて定めること等が規定され ている。 18