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No.113 Spring (PDF:12MB)

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No.113 Spring (PDF:12MB)
Spring 2005 no.113
サイバネットニュース
C O N T E N T S
NEWS
解説編
技術編
インフォメーション
中国における子会社設立に関するお知らせ
CAEソリューションフェア in 福岡 開催レポート
OrCAD新バージョン R10.3リリース
F-SecureSSH発売開始のご案内
情報漏洩・不正利用防止ツールCWAT販売開始のお知らせ
MATLAB EXPO 2004 開催報告
OrCAD 新バージョン R10.3リリース
これまでの常識を超える境界要素法ソルバー「FMBEM」の調査,研究
仮想ナノテク実験室 Virtual NanoLabR
輝度・照度・色度測定システムProMetric
「epiplex」による「複数アプリケーションをまたいだ自動化・統合化実現」
『数式処理システムMaple 9.5とGlobal Optimization Toolbox』
「CATIA V5ユーザへの最適化支援ソリューション」
電力システムモデリングツールSimPowerSystems 4.0新規ライブラリのご紹介
汎用数値解析プログラムMATLAB
輝度・照度・色度測定システムProMetric
ディスプレイの検査工程における測定について
LightTools 5.1.0新機能紹介
電磁アクチュエータの制御
ANSYSとSimulinkによる磁場解析
技術セミナー
ユーザを対象とした専門的な知識・技術の習得コース各種
自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2005 第16回設計・製造ソリューション展などに出展
イベント情報
紹介セミナー
ソフトウェアの機能と特徴の無料紹介コース各種
中国における子会社設立に関するお知らせ
当社は創業以来、専ら国内においてCAE並びにネッ
トワークに関連したソフトウェアと技術サービスの提
供を行ってまいりました。
近年、日系をはじめとする外資製造業の中国進出が
本格化しており、その領域は高度化の一途を辿ってお
ります。そのような中、当社では長年蓄積してきた
CAEに関する技術力を活かし中国における日系企業、
欧米系企業、ならびに地元企業に対して日本と同レベ
ルの技術サービスが提供できる環境を用意するため、
上海市にCAEに関するコンサルティング、受託解析、
教育等の技術サービスを提供するための子会社を設立
することにいたしました。
子会社の概要は、以下の通りです。
[子会社の概要]
(1)商 号 西希安工程模擬軟件(上海)有限
公司(略称:CCA)
(2)所
在
地 中華人民共和国上海市徐匯区肇嘉浜
路777号(東安路口)青松城ホテル内9F
(3)連
絡
先 (TEL)86-21-6471-6037
(FAX)86-21-6471-6050
(4)総
経
理 長島揚一(当社メカニカルCAE
事業部部長)
1
2
2
3
3
4
5
6-7
8-9
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18
19
20-21
22-23
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NEWS
(5)事務所開設日 2005年2月16日
(6)資
本
金 250,000USドル
(7)出
資
者 当社100%
(8)
主な事業の内容
・CAEに関するコンサルティング、受託解析
・CAEソフトウェアの教育
今後の活動に関しては、随時、サイバネットニュー
ス紙面においても報告予定にしております。
上海市
本記事に関するお問い合わせは、広報室までお願いい
たします。
(TEL: 03-5978-5404, E-Mail: [email protected])
1
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
CAEソリューションフェア in 福岡 開催レポート
NEWS
をご用意いたしました。
去る2005年2月10日(木)、福岡ソフトリサーチパーク
“マルチプロダクトソリューション”提案セミナーでは、有
(百地浜)において『CAEソリューションフェア in 福岡』を
開催致しました。当日は一般企業・研究機関・教育機関から、
限要素法(FEM)と制御系設計ツールの融合をテーマにし
100名を超す方々にご来場いただき盛会となりました。
た『スマート構造物への展開』や、回路シミュレータとシス
テム設計ツールとのコシミュレーションをテーマにした
『PSpice SLPS Interfaceがもたらす新たな設計・検証フ
ロー』、さらに複数のアプリケーションの統合と最適化をテー
マにした『複合領域ロバスト最適設計』など7つセミナーを
行い、多数のお客様が受講され、高いご評価を頂きました。
また、ソフトウェア体験セミナー(ANSYS Workbench、
体験セミナー風景
MATLAB、PSpice)は、全て満席となり、実際の操作を体
展示会場の様子
験しながらの製品紹介を行いました。
当社は、創業以来CAEの専門会社として20年の事業経験
当社は、「CAEによるものづくり支援」をテーマに、CAE
を元に、お客様の“ものづくり”の現場でCAEによるもの
のトータルソリューションプロバイダーとして、今後も同様
づくり支援を提供してまいりました。
のセミナーを各地で開催していきたいと考えております。
従来から、東京、大阪を中心とした各種イベントの開催で
なお、今回のセミナー資料は、当社ホームページ上にて
あったため、多くのお客様からの各地域での開催のご要望を
PDF形式にてご覧いただくことができますので是非ご覧下さ
受け今回の開催となりました。
い。
http://www.cybernet.co.jp/csf2005/
このような背景の元、「CAEによるものづくり支援」をテー
マに、当社が取り扱う様々な分野のソフトウェアを一日でご
本記事に関するお問い合わせは、営業企画管理室までお願
覧いただける展示ブースのほか、お客様個々の問題解決のご
いいたします。
提案として、“マルチプロダクトソリューション”提案セミ
ナー、ソフト体験セミナー、およびコンサルティングブース
(TEL: 03-5978-5677、E-Mail: [email protected])
OrCAD新バージョン R10.3リリース
全世界で20万近くのユーザに利用され、電気回路設計シ
NEWS
(本体価格550,000円)
ステムのデファクトスタンダードとして皆様にご愛顧いただ
-PSpice Advanced Optimizer Option 回路の最適化解析、
いているOrCAD製品の新バージョンR10.3がこの度リリース
歩留まり解析機能630,000円(本体価格600,000円)
されました。
より詳しいR10.3の追加機能については解説編:5ページ
OrCAD製品とは ─────────────────
に掲載しておりますので、ご一読ください。旧バージョンで
米国ケイデンス社が開発した電気回路設計システムです。
ご利用いただいているユーザ様も、この機会にバージョン
回路図入力ツールである「Capture」からアナログ/デジタ
アップをご検討いただければ幸いです。
ルシミュレーターの「PSpiceA/D」、PCBレイアウトツール
「Layout」までを網羅した、トータルソリューションをご提
供しております。
さらに2004年10月には、システムシミュレータMATLAB/
SimulinkとPSpiceのインターフェースツール「PSpice
SLPS Interface」をサイバネットシステムとケイデンス社の
共同開発でリリースし、これまでのPCB/IC設計者のみなら
ず、パワーエレクトロニクス分野など新たなユーザ様にも幅
広くご支持いただいております。
PSpice新オプションリリース───────────
本記事に関するお問い合わせは、応用システム第二事業部
10.3リリースと同時に、PSpiceに2つのオプションが仲
間入りしました。PSpiceと組み合わせて使用することで、
設計段階からの回路の信頼性評価にお役立ていただけます。
-PSpice Smoke Option 回路の故障診断解析機能 577,500円
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
EDAソリューション部 までお願いいたします。
(
2
TEL: 03-5978-5460, E-Mail: [email protected]
WEB: www.cybernet.co.jp/eda/cadence
)
F-SecureSSH発売開始のご案内
サイバネットシステムのパートナーで、Reflectionの開発元で
ある米国WRQ社が、フィンランドF-Secure社と戦略的提携を行
い、全世界におけるF-Secure SSHTM製品の独占的販売とサポート
の提供を開始しました。それに伴い、サイバネットシステムでは、
2004年11月より、日本における同製品の販売・サポートを開始致
しました。
F-Secure SSHは、サーバとクライアント間の通信を、認証と
暗号化により、パスワード取得・盗聴・改ざん・なりすましの脅威
から保護するセキュリティ製品です。インターネットを経由した
リモートアクセス・ファイル転送やLAN内情報転送の保護に威力
を発揮します。Windows版では、親しみ易い操作画面を採用して
おり、既存ネットワークへの導入も容易です。
F-Secure SSHは、例えば、次のような環境でセキュリティの
強化を提供します。
①パスワードを暗号化し、サーバとクライント間に安全なデータ経
路(トンネル)を設定することにより、インターネットを介した
データセンターや企業内のサーバの遠隔管理を安全に行ないます。
②インターネットを介してイントラ内の各種アプリケーション
サーバ(メールサーバ、ファイルサーバ等)へ安全にアクセス
できます。
③FTP等を利用した既存ファイル転送業務アプリに、SSHの暗号
化接続を利用したSFTP(ファイル転送)
、SCP(ファイルコピー)
NEWS
のバッチモード処理を適用可能です。
④既存のセキュリティ構造に、希望するセキュリティレベルを簡
単に追加できます。
製品の特徴 ───────────────────
F-Secure SSHには、サーバ製品とクライアント製品があり、
各々にUnix版とWindows版があります。これらの利用により、全て
の環境において安全な通信を実現する“トンネル”が構築されます。
また、デファクトスタンダード、かつICSA認定やNIST認定要
素技術を採用した製品で、多彩なOSに対応しており、既存システ
ムへの導入が容易です。
暗号アルゴリズム等は、最新の強力で安全な標準技術を採用し
ていますので、長期にわたり安心して使用できます。
インストールと操作が容易なアプリケーションレベルのソフト
ウェア製品です。
製品機能および仕様の詳細は、以下のURLをご覧下さい。
http://www.cybernet.co.jp/f-secure/product.shtml
本記事に関するお問い合わせは、ネットワークソリューション部
営業グループまでお気軽にお問合せ下さい。
(TEL: 03-5978-5453, E-Mail: [email protected])
情報漏洩・不正利用防止ツールCWAT販売開始のお知らせ
本年4月の個人情報保護法施行を目前にセキュリティポリシーの策定
やプライバシーマークの取得を検討されているお客様も多いかと思いま
す。個人情報、設計データなどの企業機密情報の情報漏洩防止にはまず
社内のポリシー策定が重要ですが、ただポリシー策定とその遵守だけで
は防ぎきれないリスクも多数存在するのも事実です。そこでサイバネッ
トシステムでは情報漏洩・不正利用防止ツールとしてインテリジェント
ウェーブ社開発製品のCWATの販売を開始致しました。
情報が漏洩してしまってからでは遅いのです。個人情報はもとより企
業機密情報の漏洩事故には高い代償がつきものです。情報漏洩対策の切
り札としてCWATのご導入を提案いたします。
NEWS
たPCを再度LANに接続すると一連の不正操作が管理者に報告されます。
○証拠の保全
CWATポリシーの設定の際に、不正操作が行われた場合の対処方法と
して「不正操作時のスクリーンショット取得」や「PC操作ロック」など
を選択することが可能です。これにより情報漏洩などの不正操作時の証
拠を保全することが出来ます。
CWATの機能 ───────────────────
○未登録PCの検出・遮断
外部から持ち込んだノートPCなどをLANに接続すると、CWATで「未
登録端末」として検知。さらにネットワークへの接続を遮断し、管理者
に警告を出します。
情報漏洩対策として利用できるのはもちろんのこと、不要なPCの接続
を抑止することでコンピュータウィルス感染予防にも役立ちます。
○外部接続機器の検出・データコピーの防止
USBメモリ、CDR/DVDRドライブなどを利用してのデータコピーを
禁止できます。また機密情報ファイルのプリントも禁止可能です。さら
にはPCとPCを直接接続してのデータコピーさえも禁止できます。
○不正操作の監視・警告
詳細に設定できるCWATポリシーにしたがって企業内のPCを監視しま
す。CWATポリシーに反した操作を実行するPCを発見した場合は、ユー
ザ/管理者双方に警告を出すことや、当該操作を停止することが出来ます。
○不正挙動の監視・警告
CWAT独自の知識エンジンによる学習型監視システムを利用すること
で、「いつもとは違う動作」を監視することが可能です。例えば「深夜
の突発的な大量データコピー」などを検出し、管理者に警告します。
CWAT基本画面
CWATによるポリシー違反の告知メッセージ
CWATの特徴 ───────────────────
PC上の操作の多くに対してCWATポリシー設定が可能になっておりま
す。何れの設定もPC単位やユーザの職制別(正社員・派遣社員・アルバ
イトなど)によって設定することが出来るようになっており、これによ
り各種機密レベルに応じたポリシー設定が柔軟に設定できます。またポ
リシー違反時の対処については予め設定した対処方法を自動実行するこ
とも可能ですので、管理者の負担を最小限に減らすことが出来ます。
○モバイルPCへの対応
設定されたCWATポリシーはクライアントモジュール側に保存されて
います。その為、出張中など社内LANに接続されていない状況下にある
PCに対しても、社内LANと同等の監視が可能です。また不正操作を行っ
本記事に関するお問い合わせは、ネットワークソリューション部 営業
グループまでお気軽にお問合せ下さい。
(TEL: 03-5978-5453, E-Mail: [email protected])
3
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
MATLAB EXPO 2004 開催報告
NEWS
MATLAB、ユーザ、パートナーが一堂に会して、
最新技術、事例、ソリューションを発表
12月7日、8日の2日間に渡って、東京ドームプリズム
ホールで開催された「MATLAB EXPO 2004」は、4つのカン
ファレンス、計7トラックで行われました。メインカンファ
レンスは基調講演を始めとする最新技術動向の発表やユーザ
事例、開発元の講演が含まれる2つのトラックから構成され
ていました。一日目には次世代の通信システムの最新技術や、
開発ツールの将来像を紹介する『信号処理・通信システム設
計カンファレンス』、二日目には最先端の制御技術を紹介す
る『モデルベース制御系設計カンファレンス』がそれぞれ行
われました。さらに両日を通じた『テクニカルコンピューティ
ングカンファレンス』においては、各種の目的に応じた
MATLABの活用方法、新機能、新製品の紹介を中心に、目
的別セミナーと体験セミナーの2トラックが行われました。
また二日目のみ開催された『技術者教育・人材育成カンファ
レンス』では、技術系人材の育成について、企業と教育機関
の双方から、実際の技術系ツールトレーニングの実状やその
問題点について紹介しました。上記の4つのカンファレンス
に加えて、パートナープログラムにご協力いただいている各
社の関連ツール、ソリューションを紹介するパートナートラッ
ク、またMATLAB/パートナー42社による製品・ソリュー
ション展示が行われました。
以下に、各トラックの内容を簡単にご紹介します。
技術者教育・人材育成カンファレンス
本カンファレンスでは、企業と教育機関の双方から、実際
に現場で起きている人材育成の現状について講演を頂き、ま
た『企業が求める人材像』をテーマにパネルディスカッショ
ンにおいては、会場の参加者と共に意見交換を行いました。
日産人材開発センター、光洋精工、アルプス技研といった企
業からの講演では、実際のモノを触っていない若い社員や学
生が多いというのが現状の中での人材育成が主なテーマとな
り、筑波大学の安信教授からは、広い分野に応用の利く基礎
技術と広い視野を持ち、主体的に問題解決を行える人材の育
成への尽力について、講演して頂きました。講演、パネルディ
スカッションともに会場の参加者からも多くの質問がなさ
れ、技術者育成がいかに企業にとって重要な課題であるかが
改めて浮き彫りにされた形となりました。
テクニカルコンピューティングカンファレンス ────
目的別セミナーでは、最適化、統計解析、画像処理、アプ
リケーション開発といった目的に即したMATLABの機能と
その適用例をご紹介しました。またハンズオン形式の体験セ
ミナーでは、MATLAB/Simulinkの基本的な使い方や、信
号処理・通信などアプリケーションごとの使用例を紹介する
コースが設置され、ほぼすべてのセミナーで満席となる好評
ぶりでした。
MATLAB/パートナーによる計測ソリューション ───
専門のカンファレンスは設けられませんでしたが、製品開
発のモデル設計およびシミュレーションの次の段階となる、
プロトタイプの設計や、実機を用いた検証・データ収集とい
った段階での実験・計測分野における様々なソリューション
についても、講演、展示の形でご紹介しました。MATLAB
展示コーナーでは「計測体験コーナー」を設け、パートナーが
提供するデータ集録ハードウェアとMATLABを用いてデー
タの取得を体験して頂きました。
メインカンファレンス ──────────────
信号処理・通信システム設計カンファレンスでは、信号処
理・通信技術の最新動向紹介と、最新技術を応用した製品を
いち早く市場投入するための開発ツールMATLAB/Simulink
の活用方法の紹介という2つテーマに中心に構成されまし
た。基調講演として、名古屋工業大学 菊間 信良教授より
「MATLABによるアダプティブアンテナ技術へのアプロー
チ」と題し、近年、無線通信システムにおいて注目の技術で
あるアダプティブアレイアンテナ技術に関する講演を頂きま
した。
モデルベースデザイン制御系設計カンファレンスは、航空
宇宙やプラントなどの大規模開発から、モーター制御や二足
歩行ロボットといった最新の制御分野の事例を集めて開催さ
れました。基調講演では、近年の自動車を大きく変えている
最新の電子制御技術の数々やその歴史と未来像について、東
京大学 新 誠一助教授より講演を頂きました。550名収容の
会場がほぼ満席になるほどの熱気に包まれた講演となり、こ
の分野の関心の高さがうかがえる結果となりました。
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
資料掲載のご案内 ────────────────
弊社ホームページではMATLAB EXPO 2004の資料をダウ
ンロードして頂くことが可能です。(※一部の資料を除きま
す。)
EXPOにご参加いただけなかった方、ご希望の講演をご覧
になれなかった方は、是非この機会に資料をご活用下さい。
http://www.cybernet.co.jp/MATLAB
MATLAB EXPOに関するお問い合わせは、応用システム
第1事業部までご連絡下さい。
(TEL: 03-5978-5410, E-Mail: [email protected])
4
OrCAD 新バージョン R10.3リリース
解 説 編
OrCAD製品の新バージョンR10.3が2005年3月にリリー
スされました。R10.3では、PSpiceに高度な解析機能を付加
するオプションPSpice Advanced Analysisに、新しい解析
機能が追加されました。また、PSpice Advanced Analysis
の一部の機能のみを取り出した新たな製品が追加されまし
図3 Smoke解析結果
た。
③新製品:Advanced Optimizer Option(回路の最適化機能)
本稿では、PSpice Advanced Analysis R10.3の新機能に
Advanced Analysisの最適化機能では、最適化条件(要求
ついて解説し、OrCAD R10.3のその他のプロダクトの新機
仕様)および最適化するパラメータ(回路定数など)を指定
能を紹介致します。
することで自動的に最適値を導きだすことが可能です。最適
化条件として、PSpice評価関数(メジャメント)による指
①Advanced Analysisの新機能:Parametric Plot解
析(複数パラメータのスイープ機能)
定に加え、図4のように特性カーブにて指定することもでき
PSpiceのパラメトリック解析において、スイープ可能な
従来はPSpice Advanced Analysisの一機能として提供さ
パラメータは一つのみです。PSpice Advanced Analysis
れ、最適化のみを行う場合にもAdvanced Analysisを導入す
ます(カーブフィッティング機能)
。
R10.3では、Parametric Plot解析機能が追加され、図1に示
る必要がありましたが、R10.3ではAdvanced Optimizer
すとおり一度の解析に複数のパラメータをスイープさせ、結
Optionとして単体でのご提供が可能になりました。
果を確認することが可能となりました。この機能により、各
パラメータの回路特性に対する相関関係を確認でき、複数
パーツの故障解析、回路特性の変曲点の確認等を行うことが
できます。
図4 カーブフィッティング最適化
OrCADプロダクトのその他の製品における主な新機能は
以下のとおりです。
図1 Parametric Plot解析結果
・スイープさせるパラメータの数に制限はありません。
OrCAD Capture R10.3の主要な新機能 ──────
・回路上のパラメータだけでなく、温度やモデルパラメータ
・パーツ分割機能
ダイアログを使用してパーツを自動的に分割することが可能
も同時スイープ可能です。
で、多ピンのパーツを機能的に分割する場合や電源部のみ分
・PSpiceにて設定した評価関数(メジャメント)をインポー
割する際に有効です。
トし、特性を評価することが可能です。
・ページナビゲーション機能
・Parametric PlotでX軸変数、Y軸変数、パラメータを指定
することにより、図2のようにPSpiceプローブ画面にお
複数の回路図ページがある場合、表示ページを簡単に切り替
いて、解析結果をグラフで確認することが可能です。
えることが可能です。
・セレクションフィルタ機能
マウスで領域指定を実行する際、領域内のパーツ、ネット、
オフページコネクタなどの複数要素の中から選択するオブジェ
クトを指定することができます。
OrCAD PSpice R10.3の主要な新機能 ───────
・モンテカルロ解析の履歴保存
図2 PSpiceにおけるParametric Plot解析結果グラフ表示
・波形データのインポート
②新製品:Smoke Option(回路の安全動作確認)
・バッテリーモデル(鉛蓄電池)の追加
Smoke解析とは、回路素子にあらかじめ設定された安全
動作点を考慮し、この安全動作点の範囲内で回路が動作して
いるかどうかを確認する機能です。この機能により、回路設
計の初期段階において、回路の信頼性評価を行うことが可能
です。
図5 バッテリーモデル
従来はPSpice Advanced Analysisの一機能として提供さ
れ、Smoke解析のみを行う場合にもAdvanced Analysisを導
詳細は、応用システム第二事業部営業部までお問い合わせ
入する必要がありましたが、R10.3ではSmoke Optionとし
ください。
(TEL: 03-5978-5460, E-Mail: [email protected])
て単体でのご提供が可能になりました。
5
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
これまでの常識を超える境界要素法ソルバー「FMBEM」の調査,研究
解 説 編
1. はじめに──────────────────
この手続きを取ることにより、従来の方法ではNの2乗で
当社では、“振動する構造物からの放射音特性”や“それ
増加した計算量が、FMAではNに線形で比例するまでに抑え
らが特定の構造物に取り囲まれた際の放射音に関する周波数
られます。従って、問題の規模が大きくなるほどに、FMA
特性”を得ることを目的とした音響解析を行っております。
こ
の効果は大きくなります。
の様な解析を実施する際には、境界要素法(BEM)の使用
が効果的です。境界要素法では、解析する場(音場など)の
境界部分を有限個の要素に離散化して、場の中の任意点にお
ける物理量を算出します(図1)。図1では、単純な立方体
からの放射音解析例を示しました。立方体表面を有限個の要
図2 従来の手法
素に分割し、適当な境界条件を与えると(音響解析の場合は
通常、法線方向成分の空気粒子振動速度境界条件)、立方体
線の集中している天体が、対象となる天体です。対象
周囲の任意に指定した点における音圧を得る事ができます。
となる天体と、その他全ての天体の関係を記述する必要
があります。上図の関係を記述してN項の方程式が一つ
作成されます。この作業を、その他の全ての天体に適用
します。その結果、N2のマトリクスが生成されます。
図1 放射音解析
境界要素法は、自由空間における放射音問題での優位性に
加え、モデルの境界部分のみをモデル化する手法なので、解
析に必要な要素分割作業が容易であるという特徴も有してい
図3 FMA
ます。そのために内部問題であっても、形状が複雑で有限要
空間をセル分割し、天体をセルに毎にグルーピングし
素法で必要な要素分割作業が困難な場合にも、適用されま
ます。セルに含まれる天体の影響を、セル中心点に集積
す。
します。そして集積された点同士の影響を評価します。
以上の様に、幅広く用いられている境界要素法ですが、欠
点もあります。それは、全体マトリクスを生成するために境
なおFMAは、アメリカ数学会が挙げる20世紀のアルゴリズ
界要素法では、離散化された節点と全要素の関係を計算する
ムトップ10にも挙げられています。
必要があるという点です。そのために全体マトリクスは、全
http://www.siam.org/siamnews/05-00/topten.pdf
ての要素に複素数の値が含まれる自由度(1次要素の場合に
は節点数)の2乗に比例した要素数を持つマトリクスとなり
3. 境界要素法への適用 ─────────────
ます。有限要素法では、非常に0の多い疎なマトリクスが作
特定の天体とその他全ての天体間の影響を評価する作業
成されることと比較すると、境界要素法では多くの計算資源
は、境界要素法でも同じです。従いましてFMAは境界要素
が必要となります。この点が、近年の大規模解析へのニーズ
法にも応用する事が可能です。また、FMAにおけるセルを
に対する障害となっていました。
更にセル化し、集積された影響を更に上位レベルに集積する
手法を取り入れ、更に計算効率を上げた手法を挙げる事がで
2. 新しい解析手法 ───────────────
きます。この手法が、高速多重極境界要素法(FMBEM=
Fast Multipole Boundary Element Method)です(1)。
話は変わり、天体物理学の分野です。銀河の中の、天体の
運動を記述する方法です。
4. FMBEMの性能 ───────────────
様々な天体が織り成す重力場の中において天体の運動を記
4.1.
述するためには、“特定の天体”と“その他全ての天体”間
計算効率の理論的概算
通常の境界要素法とFMBEMの計算効率を比較するため、
の影響を全ての天体にわたって記述する必要があります(図
2)。この問題を解く際には、天体の数(=自由度N)の2乗
問題の未知数のオーダーで計算量や所要メモリ量を概算しま
に比例したマトリクスを解く必要があります。この計算量を
した(表1)。FMBEMについては節点が空間内に2次元的
削減すべく考案されたアルゴリズムがFast Multipoleアルゴ
に分布する場合(平板の散乱音問題など)と3次元的に分布
リズム(以降ではFMAとします)です。FMAの手続は以下
する場合(エンジンブロックからの放射音問題など)で示し
の通りです。
ました。
メモリ量に関しては、既述の通り通常のBEMではN2で増
(1)複数の天体を一つのセルにまとめます。
(2)セル内の天体の影響を、セル中心点に集積します。
加します。FMBEMではNと線形で増加します。計算量に関
(3)各天体の影響が集積された点同士の影響を評価します。
しては、通常のBEMは直接法を使用するとN3で増加します。
(4)評価された中心点での値を各天体に戻し、解となります。
反復法では、N2×反復回数です。FMBEMでは、3次元分布の
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
6
場合でやはり自由度に対して線形でしか増加しません。従っ
て様々な音響解析プログラムの性能比較を実施しています。
て、解析モデルの規模が大きくなればなるほど、FMBEM導
建築学会・環境工学委員会・音環境小委員会に設置された音
入の効果が増します。
響数値解析WG が管理しています。
http://gacoust.hwe.oita-u.ac.jp/AIJ-BPCA/index.html
表1 FMBEMの計算効率
計算量
メモリ量
BEM(直接法)
O
(N3)
O
(N2)
BEM(反復法)
O
(N2)
O
(N2)
FMBEM(2次元分布)
O
(N1.5)
O
(N)
FMBEM(3次元分布)
O
(N)
O
(NlogN)
4.2.
5. 効果のまとめ ────────────────
これまでは分散処理をしていた大規模問題が、このソルバー
のライセンス1本と1台のコンピュータで、実施できます。
PCでの性能限界により1万要素少々に抑えられていた問
題の規模が飛躍的に増加します。
解析モデルの規模を下げるために実施していた、構造解析
FMBEMの計算効率検証
仮に、14113の要素から構成されるBEMモデルを、通常の
用メッシュを音響解析用メッシュに変換する作業の必要がな
方法で解析した場合と、FMBEMで解析した場合の解析時間,
くなります。
必要メモリ量の差を比較しました。なお計算に使用したマシ
これまで解析が出来なかった高周波数領域まで、波動論的
ンは「DELLコンピュータ社製 PRECISION360-N」で、
な解析アプローチで計算する事ができます。
CPUは「Intel Pentium4プロセッサー3.2[GHz]」実メモリ
解析モデルの可能性が広がるだけではなく、
ハードウェア,
2[GBytes] です。
ライセンス料,人件費の削減にも貢献します。
参考として、解析モデルの自由度に対する所要メモリ量の
表2 通常のBEMソルバーが所要した時間とメモリ
手法
解析時間(s)
必要メモリ
(Mbytes)
通常のBEM
1650.26
1618.0
FMBEM
11.64
41.62
グラフを表示しました(図4)。横軸が要素数で、縦軸が所
要メモリ量です。傾きの急なラインが通常の手法が要するメ
モリ量(O(N2))のグラフでで、緩やかなラインはFMBEMが
要するメモリ量(O(NlogN))です。また、現在のハード
ウェア技術水準として、縦軸が10(GBytes)の位置に横線
通常の手法では、27分30秒要する問題が、10秒足らずで
を入れました。ハードウェアの技術の進歩に伴って赤線が上
解析できます。メモリを見ても、通常の手法の1/40です。
昇しますので、ハードウェア技術の進歩と共に解析可能な問
4.3.
題規模の差が開いてゆく事がわかります。
FMBEMの精度検証
次に理論解とFMBEMの解を比較します。
今回は球の半径(R)を1.0[m]とした呼吸球を考えます。
球表面の振動速度(V)を1.0[m/s]とし、中心から2[m]
の位置(r)での音圧を算出しました(表3)。解析した周波
数は1500[Hz],2000[Hz],2500[Hz]です。解析周波数にお
ける1波長を6分割する要素サイズで検討すると、それぞれ
の周波数を解析するために必要なメッシュの要素数は、表3
の通り、1500[Hz]でも20,000を越えます。この規模の問題
は、通常の手法では解析できません。
図4 モデル規模 v.s.メモリ量
なお、解析に使用したハードウェアは、上記と同様です。
解析モデル規模の107 オーダーの位置に縦棒を入れまし
また表中に記した誤差[%]は、理論解とFMBEMの解の
差を理論解で正規化し、100分率表示した値です。
た。これは、コンサートホール規模のサイズを持つ空間で、
4[kHz]の解析を実施するために必要なモデル規模です。
表3 理論解とFMBEMの解に関する比較表
周波数[Hz]
理論解実部
1500
2000
2500
-172.9
150.0
-121.8
理論解虚部
-115.9
144.4
-168.8
FMBEM実部
-172.4
150.0
-122.8
FMBEM虚部
-114.5
143.8
-168.6
誤差実部(%)
誤差虚部(%)
0.289
0.00
ムーアの法則に今後も従うとすれば、20年で赤線が3メモ
リ上昇します。FMBEMを用いた場合、2020年にはコンサー
トホールの解析が実施できます。通常のBEMを用いた場合、
2050年まで待たなければなりません。
FMBEMを平易なGUIで操作可能な、汎用数値音響解析プ
ログラムの紹介は、次号で行います。
0.82
1.21
0.42
0.12
要素数
21602
38402
60000
節点数
21600
38400
60002
所要時間
679.6
1798.7
4697.6
所要メモリ(Mbytes)
584.5
1252.9
1653.1
6. 参考文献 ──────────────────
1)安田洋介(東大・院)
、佐久間哲哉(東大・環境)
、高速
多重極境界要素法の音場予測への適用と計算効率評価,日本
音響学会騒音・振動研究会資料,N-2002-1,(2002. 1).
お問い合わせ先
解析結果は、1%前後の誤差しか持たず、解の精度も十分
サイバネットシステム株式会社
であることがわかります。
メカニカルCAE事業部 営業部
なお数値音響解析プログラムに関しては、以下のサイトに
(TEL: 03-5978-5445, E-Mail: [email protected])
7
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
仮想ナノテク実験室 Virtual NanoLabR
解 説 編
21世紀はナノテクの世紀になるでしょう。新しい成
発したVirtual NanoLabRはナノテクノロジーにおける
果が続々と発表されています。日本はこの分野は得意
分子構造レベルでのエレクトロニクスのシミュレーショ
であり世界初の多くの成果が日本からも報告されてい
ンを可能にするソフトウエアです。仮想ナノ実験室
ます。現在のエンジニアリングはコンピュータなくし
Virtual NanoLabRではこのAviramとRatnerのモデルの
ては考えられません。しかしナノテクノロジの世界で
電気特性を調べることができます。
はコンピュータ・シミュレーションはまだそれほど普
及していません。ひとつの理由はいままでに普及して
いるソフトウエアがそのままナノの世界では通用しな
いということです。もう一つはシミュレーションの結
果の実証がナノスケールでは非常に難しいことです。
1974年、当時IBM社のAviramとRatnerは電子を放出
しやすい分子と電子を受けやすい分子を組み合わせれ
ば整流作用があるだろうと新しい分子によるデバイス
の可能性を示唆しました(図1)。これが分子エレクト
ロニクスの誕生でした。最も当時はこの分子を作るこ
とも、観測することもできませんでした。夢の話しだっ
図2 C60フラーレン
たのです。まだナノテクノロジという言葉は生まれて
いませんでした。もちろん現在でも、このデバイスを
作成し整流特性を調べることは難しいことなのです。
図3 ナノチューブ(4,4)
いままでの解析では分子だけの解析に限られていま
す。これでは電気特性は調べられませんでした。左右
図1 AviramとRatnerの分子整流デバイス
に電極をつなぎ電圧をかけることで始めて電気特性が
解析できるわけです。電極が変わると特性も変わりま
しかしフラーレン(図2)やナノチューブ(図3)
に関連する技術は急速に発展しています。フラーレン
す。また電極と分子デバイスがどのように接合(イン
やナノチューブはすでに量産が可能なステージに入っ
ターフェース)されるかが非常に重要であることがこ
ています。またフラーレンの中に様々な金属を入れた
のシミュレーションによりわかってきました。
金属内包フラーレンは未知の特性を持ち新しい材料と
すでに3次元方向に周期構造をもつ分子構造のシュ
して無限の可能性を持ちます。またナノチューブはカ
レーデインガー方程式を解くソルバーは広く使われて
イラリティと呼ばれる構造によって様々な大きさのも
います。しかし分子デバイスを左右の電極で挟みバイ
のがありこれも多くの可能性を秘めています。電子放
アス(電圧)をかけた非平衡状態のソルバーはありま
出素子として消費電力が抑えられ電子表示装置への応
せんでした。Virtual NanoLabRはこれを可能にするソ
用の実用化も現実のものとなりつつあります。信州大
フトウエアなのです。
これにより分子レベルでの量子輸送のシミュレーショ
学でカーボンナノチューブでできたナノシートが発表
ンができI-V曲線など電気的特性を解析することができ
されたばかりです(nature誌2月3日号2005)。
ます。
デンマークAtomistix社(www.atomistix.com)が開
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
8
左右の電極はバルクと呼ばれ結晶構造になっていま
図7は2プローブ計算と呼ばれるものの簡単な例で
す。結晶構造は図4のようにユニットセルと呼ばれる
す。左右のLi(リチウム)のチェイン(電極)の間に水
結晶の周期の基本となる領域をベクトルで定義しユニッ
素分子(H2)が挟まれています。これに電圧(バイア
トセルの中の原子を配置してモデル化します。図4の
ス)をかけどれだけ電子が流れるかを計算する量子輸
例はシリコンの結晶です。
送問題です。
結晶構造の場合はバンド図と呼ばれる結晶内の電子
の輸送の特性を表す図が計算されます。
図7 リチウム(Li)鎖に挟まれた水素分子(H2)
仮想実験室Virtual NanoLabRはこれを解きます。図
図4 シリコン結晶のユニットセル
8は計算結果の透過スペクトラムです。縦軸は電子の
エネルギー準位で各エネルギー準位の電子の透過率と
DOSと呼ばれる電子状態密度がグラフで表示されてい
ます。
図5 シリコン結晶のバンド構造
結晶構造の場合それぞれのチャネルに対しブロッホ
関数と呼ばれる状態がきまります。図6はブロッホ状
態を等値面表示でプロットしたものです。色は位相を
図8 Li-H2-Liの透過スペクトラム
表しています。
仮想実験室Virtual NanoLabRはいままで出来なかっ
たナノスケールの世界の未知の振る舞いをみせてくれ
図6 ブロッホ関数
る21世紀のソフトウエアです。
本記事に関するお問い合わせは、新事業推進室まで
お願いいたします。
(
TEL: 03-5978-5676
E-Mail: [email protected]
)
図6 ブロッホ関数
9
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
輝度・照度・色度測定システムProMetric
解 説 編
輝度,照度および色度を測定します。フルフレームCCDは、
ProMetricのラインナップ
数値の測定を得意としたCCDで、CIE等色関数に準じたカラー
フィルタも内蔵しているため、非常に精度の良い評価が可能
ProMetricは、CCDを用いて輝度などの面内分布を測定す
です。
る計器です。1度に数十万∼数百万点のデータを取得でき、
ProMetric1400はCCD解像度が選択でき、768×512(約40
細かい欠陥の調査も可能です。
万画素),1536×1024(約155万画素),3072×2048(約630
ProMetricは、最近リリースしたProMetric1000を含めて、
3種類あります。それぞれに特徴があり、用途に応じて選択
万画素)があります。用途に応じて使い分けられます。画素
できます。また、カメラ本体以外に、アプリケーション別に
欠陥を評価する場合には、高解像度のシステムが必要です。
特化したオプションソフトウェアも用意しています。本稿で
○ProMetric1600
は、ProMetricのラインナップを紹介し、それぞれの利点に
16bitのフルフレームCCDを使用して、輝度,照度および色
度を測定します。216=65,000階調以上あり、目視では判別
ついて説明いたします。
できない微少な輝度の差も検出できます。CCD解像度は
ProMetricの構成 ────────────────
1024×1024(約105万画素)です。
通常の測光器では測定できないような、微弱な発光体の測
ProMetricの構成は、次の通りです。
定に有効です。
ProMetricカメラ
オプションシステム
ProMetric1000
ProMetric1400
ProMetric1600
PM-LED Measurement
上位の数値がCCDの
bit数を表し、高いほど
ハイグレードです
PM-LED Correction
PM-OLED
PM-PTS
PM-DCB
ProMetric1000
FPMS
図1 ProMetricの基本構成
基本となるProMetricカメラは3種類あり、性能が異なり
ます。全てのカメラに、共通の標準ソフトウェアおよびイン
ターフェイスが付属しています。カメラレンズは機種毎に異
なり、評価対象によって選択可能です(複数も可)
。
ProMetric1400
全機種にオプションで特化アプリケーション(図1右)を
ProMetric1600
図2 各ProMetricカメラ
追加することができ、必要に応じて追加可能です。
ProMetricの選定────────────────
これらについて、次項以降で詳しく紹介いたします。
ProMetricを導入する場合、どの機種を選定するか迷うこ
3種類のProMetric ───────────────
とがあります。この章では用途に応じた機種選定方法を説明
いたします。
各ProMetricの特徴を以降説明いたします。
○研究開発部門
○ProMetric1000
研究開発用途では、ProMetric1400またはProMetric1600
10bitのインターラインCCD(プログレッシーブ走査)を
が適しています。
使用して、輝度,照度および色度を測定します(色度はカラー
開発品はどのような仕上がりになるか想定できず、また比
版のみ)。ProMetric1000には、モノクロ版とカラー版があ
較する基準品もありません。このような環境下では、CIE等
り、それぞれ大きく特性が異なります。
モノクロ版は、輝度または照度を評価します。Photopic
色関数に忠実なカラーフィルタを備えたシステムが必須で
(明所視)フィルタを備えているため、高精度の測光が行え
す。CIE等色関数に準じていないシステムでは、イルミナン
トA以外の絶対値精度が悪く、正確な評価が行えません。苦
ます。色度は不要で精度を求める評価に有効です。
労の末に作り上げた試作品が適切に測定できないと、無意味
カラー版は、輝度,照度および色度を評価します。カラー
CCDを使用しているため、1度の測定で色度も出力可能で
な評価になってしまいます。
す。CIE等色関数には準じていない為、中程度の精度ですが、
○製造部門[評価精度重視の場合]
製造部門で精度を求めて検査する場合、ProMetric1400が
相対比較等の評価には有効です。
適しています。ProMetric1400は3枚のフィルタを使用する
モノクロ版,カラー版共に、CCD画素数は1390×1040(約
145万画素)です。
ため、3回測定して1つの結果がでます。よって、評価に多
○ProMetric1400
少時間がかかりますので、
高速評価を望む場合には不適です。
なお、ProMetric1400にも1回の測定で処理できるモノクロ
現在の主力製品で、14bitのフルフレームCCDを使用して、
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
10
版もあり、こちらを使用すると短時間で評価できます。
します。補正前は内側の目標枠からはみ出た分布ですが、補
○製造部門[評価速度重視の場合]
正後は内側の目標枠に収まっていることが確認できます。今
ProMetric1400およびProMetric1600は、前述のように評
回は青色表示の結果を紹介していますが、赤色、緑色、白色
価にある程度の時間を要します。短時間で評価するには、
についても一度に最適化し、結果を出力することが可能です。
ProMetric1000が適しています。ProMetric1000は、モノク
○PM-OLED(有機EL測定プログラム)
有機ELの各種評価を行うプログラムです。有機ELの評価
ロ版、カラー版共に1回の測定で評価できるため、製造工程
は大きく4つに分けられ、「複数のパネルを並べて同時に大
の全数検査にも対応できます。
生産品の検査は、基準値との比較で行います。また、検査
きな欠陥を検査する」、「1枚のパネルを拡大して微少な欠陥
物の特性がある程度想定できているため、必ずしもCIE等色
も検査する」「顕微鏡レンズで拡大して、サブ画素の検査を
関数に準じるカラーフィルタを使用する必要はなく、開発品
行う」「発光寿命を測定する」です。このプログラムを使用
と比較すると要求される測定精度も低いです。
すると、これら4項目を効果的に評価することが可能です。
ProMetric1000は、このような「高速」で「基準値との差
を評価」する用途に適しています。また、ProMetric1400と
比較して投資額も少ないため、複数台の導入も行いやすいで
す。
ProMetricの用途別システム ───────────
ProMetricには、標準で提供するソフトウェア以外に、ア
プリケーション別のオプションソフトウェアを用意していま
す。例えば、有機ELに特化したソフトウェアがあり、有機
ELの評価を効率的に行えるようになります。以降、用途別
ソフトウェアを紹介いたします。
○PM-LED Measurement(LED測定プログラム)
LEDを評価する専用プログラムです。「LEDを用いた信号機」
「自動車のLED制動灯」「LEDディスプレイ」などを測定する
図4 PM-OLEDの複数パネル同時評価結果
時に効果的です。
○PM-PTS(プロジェクタ検査プログラム)
LEDを縦横に配列した表示装置を評価する場合、個々の
フロント投影型およびリア投影型のプロジェクタを検査し
LEDの絶対輝度値および色度値を評価する必要があり、近接
ます。検査項目をリストアップすると、自動で全項目の評価
するLEDとの輝度および色度も比較します。
を行い、結果を出力できます。
PM-LED Measurementは、LEDを配列したデバイスの評
○PM-DCB(ディスプレイ最適化プログラム)
価に特化したプログラムで、測定後に全LEDの絶対輝度値,
プロジェクタなどのディスプレイにおけるムラを測定し、
色度値を一覧表に出力し、基準値との比較による合否判定も
行います。
その結果を反映して最適化を行い、一様性を上げるプログラ
○PM-LED Correction(LEDディスプレイ補正プログラム)
ムです。
○FPMS(FPD全視野測定システム)
LEDディスプレイパネルの最適化を行うプログラムです。
前述のPM-LED Measurementは測定のみを行いますが、こ
FPD(フラットパネルディスプレイ)の全方位の輝度およ
のプログラムでは測定結果を反映して最適化まで行います。
び色度の測定を行うシステムです。FPDを専用の測定装置に
固定し、装置の角度を変えながら全方位の分布を測定します。
測定結果が、理論上の輝度値,色度値とどれだけ異なるか
を計算し、全LEDに対して補正因子を求めます。その補正因
測定結果を元に、視野角特性や光度分布などを出力すること
子をLEDパネルの制御装置に送ることにより、パネル全体の
も可能です。
このシステムを使用すると、全位置で法線輝度を出力でき
最適化が行え、面全体の一様性が向上します。
ます。ProMetric単体で評価すると、評価面の端部はカメラ
に対して斜めから撮っているため、
法線輝度にはなりません。
FPMSでは、角度を振りながら測定するので、端部の法線位
置で測定する機会があります。その時の値を別の角度の法線
輝度に自動的に代入します。
以上のように、ProMetricは幅広い用途に使用でき、用途
別に専用システムを用意しており、導入後に特別な設定作業
をすることなく使用することも可能です。
図3 PM-LEDの色度補正(補正前:左,補正後:右)
図3は、LEDディスプレイの色度ムラを表し、ユニット
ProMetricに関するお問い合わせは、応用システム第2事
業部 営業部 ProMetric グループまでお願いします。
(R,G,B)毎の値をプロットしています。色度図と同様に、横
軸がCx で縦軸がCy を示し、最適化目標範囲を四角い枠で示
(TEL: 03-5978-2481, E-Mail: [email protected])
11
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
「epiplex」による
「複数アプリケーションをまたいだ自動化・統合化実現」
解 説 編
「epiplex」の自動実行機能 ────────────
にスクリプトを連続実行させるだけでなく、条件に応じて分
前回のCybernetNews 112号でMATLAB用の教育コンテン
岐させたり、繰返し制御を使って変数の値に応じて処理回数
ツ作成を、epiplexの自動実行機能を使って実現する方法を
を制御する等の手の込んだ処理を実現することが可能です。
紹介しましたが、今回はこの自動化機能でどこまでプロセス
アイコンに割り当てができるのは、手作業を含まない自動化
の自動化が可能なのか、どのような分野での利用が可能なの
スクリプトだけでなく、スクリプトの中で利用する変数値を
かを説明いたします。「epiplex」とは何か?「epiplex」で
入力するための入力フォーム、クリップボードとのデータの
どんなことが出来るのか?等の疑問をお持ちの方は、前号の
やり取りを行う機能、「コーチ」と呼ばれる手作業操作を含
記事で概要を説明しておりますのでそちらをご覧下さい。
んだ半自動化スクリプトなど様々です。これにより、どうし
ても手作業が必要な箇所は「コーチ」で示された「ガイド」
「自動化」によるメリット ────────────
に従って操作を行ったり、操作途中の特定の値をクリップボー
アプリケーションを操作する上で、「同じ様な操作を繰返
ドを介してやりとりすることによりプロセスの繰返しの回数
を制御したり、といった利用ができます。
し行わなければならない。
」
「操作が複雑なため、いつもマニュ
アルを見ながらの操作になっており、業務の効率が上がらな
い。」といった経験をお持ちの方は少なくないと思います。
また、間違った操作を行うと、そのリカバリーに3倍以上の
時間がかかるため、手作業による間違いをなくすために自動
化したいといったニーズや、さらに幾つかのバリエーション
を試すために、幾つかのパラメータを事前入力して、パラメ
トリックな設計業務を行いたいといったニーズも多いと思い
ます。幾つかのアプリケーションは自動化のための機能を備
えているものもありますが、その機能を習得すること自体が
非常に難しくて、実際に使いこなせるまでになかなか行き着
かないとか、複数のアプリケーションやシステムを統合する
には、膨大な開発およびテストにかかる工数や時間が必要な
ため、結局手作業で我慢して使っているというのが実情でし
「Project」キャンバス上にプロセスを配置した例
ょう。そのような悩みに応えるのが「epiplex」の自動化機
③データ主導型ではなく手続き主導型の統合
能です。
一般的にシステムやアプリケーションの統合というと、デー
「epiplex」の自動化の特長 ────────────
タの統合や再設計等を伴う、
「密結合」によるものから、メッ
セージを主体とした「疎結合」によるものまで様々ですが、
①異なるアプリケーションをまたいだ自動化が可能
ExcelやWordなどもマクロ機能が備わっていますが、マ
「epiplex」の統合は、現在のプロセスやアプリケーションを
クロの機能が使えるのは当然のことながら、それぞれのアプ
そのまま活かしながらの統合なので、限界はあるものの、極
リケーションの中に限定されます。エンジニアリング系のア
めて単純かつ作業者レベルでの統合作業が可能です。更に自
プリケーションの中で、同じようなマクロ機能を持っている
動化のスクリプト自身の作成も、単に対象となるアプリケー
ものも同様です。それに対して、epiplexの自動化機能
ションの操作をし、バックグランドで記録したXLM形式の
「epiGenie」を使えば、異なる複数のアプリケーションを自
データを変換するだけなので、極めて効率良く、プログラミ
ングのプロでなくとも自動化、統合化が実現できます。
動実行することが可能です。これは「epiplex」のもつ自動
化機能が非常に汎用的にできているが故に実現できる技で
今後の課題───────────────────
す。
この機能を使うことにより、各種設定ファイル名をExcel
これまで説明した通り、「epiplex」の場合、システムやア
に予めセットしておき、それを順次、例えば弊社取扱CAE
プリケーションに手を入れることなく自動化・統合を実現す
アプリケーションのDesignSpaceに読み込むといった利用
ることが可能ですが、アプリケーションの種類によっては外
法が可能です。逆にエンジニアリング系のアプリケーション
から入手できる情報に限界があったり、システム設定が不規
で解析した結果をCSVやExcel形式でエキスポートして、そ
則に変化するような場合には自動化が上手く動作しない時が
れをExcelで読み込み、グラフを含むレポートを作成すると
あるのも事実です。これに対し、メーカと共同で更に自動化
いう一連の操作が自動化出来ます。
の精度ならびに汎用度を高める努力を行っております。
②複数のマクロの統合化が可能
一連の自動化のスクリプト(=操作手順、シナリオ)を一
お問合せ ────────────────────
つのアイコンに割り当て、「Project」と呼ばれるキャンバス
本件に関するご質問は、ネットワークソリューション部
上に配置(図参照)、結合することにより、複数のスクリプ
「epiplex」担当までお寄せください。
トを自由に組み上げることができます。単にシーケンシャル
(E-Mail: [email protected])
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
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『数式処理システムMaple 9.5とGlobal Optimization
Toolbox』
技 術 編
1. はじめに──────────────────
この値により、振動モデルの振舞いは図1(b)のように
近年、数値シミュレーションにおけるロバスト性を保証す
改善できます。(緑色の曲線が最適係数による振動モデル曲
るためのひとつのアプローチとして、数式モデルによる計算
線、赤色は理想曲線です)なお、上記最適値での累積二乗誤
評価が注目されています。最近の数式処理システムでは単な
差値は10−6オーダーで計算されています。
る記号計算のみならず数値的アプローチのサポートも強化さ
れています。ここでは、大域的な最適化演算を実現する
『Global Optimization Toolbox』とその適用例についてご紹
介します。
2. 数式処理の特徴は? ─────────────
Mapleでは、多項式や各種数学関数に対して、人間の手計
算と同等な記号計算を行うことが可能です。例えば、ある1次
変換行列に対して、内積を計算し簡単な形を見出すことや行
列式計算、固有値計算なども記号的に(変数を含んだ形で)計
算させることができます。
図1
(a) 理論モデルの挙動
> r := t->Matrix([[cos(t),-sin(t)],[sin(t),cos(t)]]):
> r(t).r(s); # 2つの角度s,tの回転行列の積を計算
cos(t) cos(s) − sin(t) sin(s) − cos(t) sin(s) − sin(t) cos(s)
sin(t) cos(s) + cos(t) sin(s)
cos(t) cos(s) − sin(t) sin(s)
> m := combine(%); # 複数の三角関数を整理
m=
cos(t + s) − sin(t + s)
sin(t + s)
cos(t + s)
> LinearAlgebra[Determinant](m); #行列式を計算
cos(t + s)2 + sin(t + s)2
> simplify(%); # 簡単化します
1
> ev := LinearAlgebra[Eigenvalues](m); # 固有値を計算
ev =


2
図1
(b) 係数最適化後の挙動
cos(t + s) + √ cos(t + s)2 −1
cos(t + s) + √ cos(t + s) −1
5. GOTによる形状最適化 ───────────
GOTを用いて、あるボトル形状の最適化を行うこともで
3. 最適化パッケージ『Global Optimization Toolbox』─
きます。ここでは、考えるボトルは
『Global Optimization Toolbox』(以下GOT)では、線
Bound法(分枝限定法)などの古典的手法をはじめとして、
x2 y2 z2
+
+
=1
a2 b 2 c 2
Global Adaptive Random Search(初期サンプル点から探
で与えられる楕円形状をしているものと仮定します。
ここで、
索領域を狭める手法)やMulti Start Random Search(全領
各係数に関しては、ボトルの内容量・底面の大きさ・横幅及
域に均一的なサンプル点を与えて探索する手法)を用意して
び高さなどの要求仕様を不等式で記述します。結果、最適化
います。
により図2のような形状が計算できます。
形・2次・非線形の各数理計画問題に対して、Branch and
4. 非線形最小二乗法によるフィッティング例 ───
GOTを利用することで、ユーザは非線形最小二乗近似に
よるフィッティングを手軽に計算することができます。例え
..
.
ば、次の単純なサスペンションの振動モデル式 mx + bx + kx
= 0に対し、適当な車両重量m=450とバネ定数b・ダンパ定
数kを与えると図1(a)の挙動(緑色の曲線)を示します。
ここで、赤色の曲線が理想曲線です。つまり、与えられた
図2 楕円型からボトル形状を最適化
振動モデルに対して理想曲線との誤差が最小となるダンパ定
数・バネ定数を探索する必要があります。このような問題に
数式処理システムMaple 9.5及びGlobal Optimization
対して、MapleのGlobal Optimization Toolboxを利用する
Toolboxについてのお問合せは、応用システム部Mapleグル
ープへお願いします。
と、以下の最適値が求まります;
[k=21680.3501676093510, b=4343.34292293766248]
(TEL: 03-5978-5948, E-Mail: [email protected])
13
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
「CATIA V5ユーザへの最適化支援ソリューション」
1. はじめに ────────────────────
技 術 編
OPTIMUSを利用して、現在ご利用されているCAEツールを自
動的に何回も繰り返し解析実行、最適化を実施することによって、
従来の試行錯誤にかかる時間の短縮化、「ゴールありきのデザイ
ン」というエンジニアリング業務の本来あるべき目的が達成され
ます。また、最適設計を実施する上で、「なぜ最適解であるのか」
ということを理論付ける意味で不可欠な指針を、OPTIMUSが持
つ様々なアウトプット機能によって簡単に、かつ非常に多くの情
報を得ることが可能です(図2)
。さらにOPTIMUS5.1では「性能
vsコスト」といった相反する目的関数を最適解を得ることの出来
る多目的最適化に関して9手法が新しく搭載されています。
使い勝手の良いGUIと豊富な最適化機能によって初心者からエ
キスパートまで幅広くご利用頂くことの出来る最適設計支援ツー
ルとして知られているPIDOツール、OPTIMUSが、この度新バー
ジョン「OPTIMUS5.1」をリリースいたしました。開発元である
Noesis Solutions NV(本社:ベルギー)は、ダッソーシステムズ
社とのゴールドパートナーシップを締結しており、CATIA V5をご
利用中のお客様に対して最適化に必要な設定等の時間の効率化を
図ることの出来るソリューションをご提供いたします。今回の
ニュースでは、このNoesis Solutions NVから新しくリリースされ
ました、CATIA V5上に最適化の機能がバンドルされた新製品、
「PLM Optimization」と、OPTIMUS5.1よりリリースされます
CATIA V5とのダイレクトインターフェイス「CATIAドライバー」の
2つの製品につきましてご紹介をいたします。
2. PIDOツールとは ────────────────
PIDOとは、「Process Integration & Design Optimization」の
略で、PIDOツールを利用することによって現在ご利用中のCAEの
プロセスをそのまま活用して、そのプロセスを「自動化・統合
化・最適化」することが可能です。自動化によって今までCAE計
算の繰り返し作業に浪費していた時間やコストを大幅に激減する
ことが出来ます。統合化によってそれぞれ異なるCAEソフトウェ
アを、それぞれが必要とする目的を個々に満たしながら且つ複合
的な最適化(複合領域最適化)を実施することが可能となります。
最適化を実施することで、「ゴールありきのデザイン」を実施す
ることが出来ます。本来の「設計の最終目的」を最初に設定して
おき、あとはデザインパラメータをチューニングするという考え
方です。これらPIDOツールをご利用されることでCAEプロセスに
本来は無駄であると言われている試行錯誤に必要な時間を激減す
ることが可能です。
図2
しかしながら、OPTIMUSのような優れたPIDOツールを利用し
ていてもユーザサイドとしてのボトルネックはいつも1つありま
した。それは常にインプット・アウトプットファイルであるtext
データを利用した最適化設定にそれほど時間をかけたくないとい
う問題です。それは、最適化を実施するために必要な時間さえも
出来る限り短縮させたい、言い換えるならば、「自動的に最適化
の設定が出来ないだろうか」という問題です。この問題に対して
OPTIMUSの開発元であるNoesis Solutions NVは次の2つのソ
リューションをご提供いたします。
3. OPTIMUSとは ─────────────────
4. OPTIMUS「CATIAドライバー」 ─────────
OPTIMUSは、CAEユーザの設計工程における、「自動化・統合
化・最適化」に必要とされる設定時間そのものを最小限に短縮す
る工夫と、CPU効率を重視(同じ設計パラメータの組み合わせの
計算はデータベースからその結果を参照する)、また実験計画法
や応答曲面法、最適化手法に関しては、常にユーザサイドに実用
的な手法のみを提供するというコンセプトにてその開発を続けて
まいりました。また、設計のバラツキを考慮したロバスト性、信
頼性の解析の機能をより充実させることも設計プロセスに重要不
可欠な問題であるというコンセプトとして多くの機能をお客様へ
提供しております。
OPTIMUS5.0では、開発環境にJAVAを採用し日本語のGUIもご
提供しております(図1)。従来の「ユーザサイドにての繰返し
の入力作業は、極力実施しない」というコンセプトはそのままに、
最適化を設定したシーケンスを、コピーや貼り付けを行うことに
よって最適化設定の手間を省く事が可能です。また、プロジェク
ト・テンプレート機能により、一度設定・登録しておいた最適化
のシーケンスを、社内の他の方々にて共有・有効活用することが
可能です。テンプレートを参照することで、面倒な最適化への設
定を全ユーザが行う必要はありません。この機能によってCAE
ツール自身の操作が出来ない方でもOPTIMUSを共通のツールと
して利用することで、誰でもが簡単にCAEを、繰返し計算するこ
とが可能となります。
パラメトリックな3Dデータを持っているCATIA V5のデータを
直接取り込み、簡単にそのプロセスを自動化・統合化・最適化す
ることが出来る業界初のCATIA V5用ダイレクトインターフェイス
です。まず、図3のようにOPTIMUSのツールバーからCATIAド
ライバーを選択します。ウィンドーが立ち上がり、CATIA V5のド
キュメント(CATPart、CATproduct、CATanalysis)を選択する
ことで、図4のようにOPTIMUSがダイレクトに、ドキュメント
の中から、設計変数になる可能性のある全ての変数を自動的に
サーチしてくれます。ユーザはただ、その設計変数のリストの中
から自分が設計変数にしたいものだけを選択してOKボタンをク
リックするだけで、図5のように、OPTIMUSでの最適化シーケ
ンスが自動的に作成されます。ユーザは直後から、OPTIMUSの
GUIにて実験計画法や最適化を実施することが可能です。CATIA
ドライバーには、インプットドライバー、アウトプットドライバー
の2種類があります。CATIA V5を単にモデラーとして利用する場
合はインプットドライバーを利用します。CATIAインプットドラ
イバーの機能から設計変数の定義を行うだけで、その形状変更を
OPTIMUSから指示・実行することが出来、繰り返し作業が自動
化されます。形状変更したファイルをOPTIMUSの統合化の機能
を用いて別のメッシュ作成ツールや解析プログラム等へデータを
受け渡して、複合領域の最適化をすばやく実施することが出来ま
す。また、GPS等のCATIAでの解析機能を利用される場合には、
アウトプットドライバーを利用することによって、その目的関数
や制約条件となりうる項目をOPTIMUSが自動的にサーチします
ので、ユーザはどの項目を評価したいかを決定するだけで
OPTIMUSのシーケンスは自動的に作成され、ユーザは形状の変
更から解析、結果の評価まですべてCATIAで実施してきたプロセ
スを、CATIAを意識することなく、OPTIMUS側からそのプロセ
スを自動化してシミュレーションを何回も繰り返し自動実行する
ことが出来、目標のゴールである設計を求めるべく最適化を実施
することが出来るようになります。
図1
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
14
・多彩なアウトプット表示機能
DOEやRSM、最適化の結果等を様々な表示を行うことで設計空
間の分析を様々な角度から実施することが可能です。図7のよう
に、RSMを任意のパラメータセットで表示させて、その求めるべ
き応答へ対しての極大・極小を把握したり、図8のように実際に
計算されたデータによって分散分析を実施して設計変数が他の変
数や目的関数にどのように影響を及ぼしているかということを視
覚的に分析することが可能です。また図9のように設計変数同士
の影響度(寄与度)を知ることで、従来実験等で得てきたナレッ
ジをPLM Optimizationの豊富なアウトプット機能を通じて習得す
ることが可能です。
このOPTIMUSのCATIAドライバーの機能によって、通常必要
とされるファイルのパーシング(テキストファイルによる最適化
の設定)や、ソフトウェアの自動実行設定(バッチ起動コマンド
の記述等)が、全く不要となり最適化設定自身に必要とされる時
間自身も最適化(短縮化)することが可能となります。
図3
図4
図7
図8
図5
5. PLM Optimization ───────────────
従来、CATIA V5には、最適化のモジュール「PEO:Product
Engineering Optimizer」がありましたが、このPLM Optimization
は、PEOの機能をさらに拡大させることを目標としてダッソー
システムズ社との協力のもと製品開発が行われました。PIDOツー
ルOPTIMUSで長い間培われてきた最適化技術をCATIAの環境
上にて、CATIAの操作方法のままに使用出来るツールが「PLM
Optimization」です。ユーザはCATIA V5の一環した操作環境か
ら抜け出すことなく、その操作環境のもとで、最適化へ必要とさ
れる次の作業を実施することが出来ます。
・実験計画法(DOE)と応答曲面モデル(RSM)
PLM Optimizationが提供する実験計画法は全17種類です。ユー
ザはその手法を選択するだけで、その計画に必要な計算回数や、
どのような因子で計算を実施するか等、すべて自動で実施されま
す。RSMの作成も非常に簡単であり、ユーザは「多項式近似」を
行うのか、Krigingモデル(補間モデル)の2種類から選択すること
が可能です。
・様々な最適化アルゴリズム
勾配を調べて谷を降りていく局所的探索手法を始め、遺伝的ア
ルゴリズムや焼きなまし法といった大域的探索手法まで様々な最
適化の手法が搭載されています。また設計変数には、連続値だけ
ではなく、羽の枚数等の離散値や、リストから文字列を参照させ
て設計変数として組み合わせを計算させることも可能です。
(図6)
図9
PLM Optimizationが提供するすべての機能は、交差解析から
CATIA上にてキャプチャー出来る全ての解析機能まで、CATIA V5
の環境の中でご利用頂くことが可能です。
(図10)
図1
0
6. まとめ ─────────────────────
ご紹介させていただきました「OPTIMUS CATIAドライバー」、
「PLM Optimization」ともに、現在最適化を試みる方々がボトル
ネックとされている「最適化設定に懸かる膨大な時間」という問
題点を解消することが可能です。最適化のプロセスをCATIA V5の
環 境 の 中 だ け で 実 施 す る の で あ れ ば 「 PLM Optimization」、
CATIA V5以外のツールも合わせて統合化させ最適化を実施する場
合は「OPTIMUS CATIAドライバー」という2つの最適化アプ
ローチは、今後CATIA V5をCAEの核としてご検討されている方々
へとって唯一の「CAEプロセスの革新を行うツール」だと言うこ
とが出来ます。
図6
本記事に関するお問い合わせは、メカニカルCAE事業部・営
業部・営業支援グループまでお問い合わせ下さい。
(TEL: 03-5978-5445, E-Mail: [email protected])
・ロバスト性と信頼性解析機能
せっかく求めた最適値が、入力のバラツキ(温度条件による物
性の変化や、寸法誤差等)によっては、設計が失敗になってしま
うことがあります。PLM Optimizationでは、入力のバラツキが出
力にどのように影響があるのか、また、設計の失敗になる確率を
求める計算等、様々な手法を搭載しています。
15
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
汎用数値解析プログラムMATLAB
技 術 編
Electric Drives library で提供されるブロックはモータ
電力システムモデリングツール
SimPowerSystems 4.0新規ライブラリのご紹介
駆動のために必要なモータ、インバータ、インバータ制
御ロジック、速度制御器、電流制御器、回生ブレーキが
新機能Application Library ──────────
ブロックに組み込まれて提供されています(図4)。し
電気システムの適用分野に特化したApplication library
たがって、ユーザのシステムモデルに簡単にモータ駆動
部を追加することができます。
が提供されました。適応別ライブラリとしては、モータ
駆動システムのElectric Drive Libraryと交流送電システ
これらブロックはマスクされたSubsystemとなってい
ムのFACTS Library、風力タービンシステムのDR Library
るため、内部モデルの参照、カスタマイズが可能であり、
があります。
テンプレートモデルとしてもお使いいただけます。
図4 PM Synchronous Motor Driveブロック内部
プロックパラメータはモータ部、インバータ部、各種
図1 Application Library
コントローラ部が統合された一つのGUIウインドウで設
1. Electric Drives Library ──────────
定できます。システム内部のコントローラの構成は図5
のように表示して確認することができます。
Electric Drives Libraryはシステムモデルにモータ駆動
部を簡便に高い信頼性で組み込みたいユーザ向けに設計
されたものです。このアプリケーションライブラリに一
モータ関連設定ページ
インバータ設定ページ
般的に産業で用いられる7つの直流モータ駆動システム
各種コントローラ設定ページ
と6つの交流モータ駆動システムのブロックが提供され
ています。180°導通インバータによる誘導モータのV/F
一定制御システムや、DCブラシレスモータ、誘導モー
タのベクトル制御システム等が含まれます。また、シャ
フトモデルと速度減衰器モデルのブロックも提供され、
モータブロックと、負荷となるSimulink機構モデルへの
接続が容易になっています。
PM Motor Drive
ブロック
図2 AC Motor Drive Library
図5 パラメータ設定GUI
次にこのブロックの利用例を示します。付属のサンプル
モデルとしても提供されているDCブラシレスモータに
よるロボットの位置決め制御デモモデル(cs_robot.mdl)
図3 Shaft and Speed Reducer Library
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
です。
16
AC電源
PM Motor Drive
ブロック
図8 負荷時切替タップ付きトランス
Robotサブシステム
注1:)フェイザーモードシミュレーション
電気システム上において、ある周波数を持つ正弦波の
減速器
電流や電圧を複素座標上のベクトルとして表す方法。シ
ミュレーションはSimulinkのデフォルトモードと比較
し、はるかに高速であるが、一つの固定した周波数で扱
AC電源
われる。電気システムの安定性、位相関係を検証するた
めの研究用途向きシミュレーションモード。
図6 DCブラシレスモータによる
ロボットの位置決め制御モデル
3. Distributed Resources(DR)Library ────
このモデルのように、ブロックはコントローラを内蔵
Distributed Resouces(分散資源)Libraryでは一般的
しているため、ブロックに与えるのは速度、またはトル
な風力発電システムのモデルが提供されます。
ク目標値入力と電源電圧、負荷トルクのみで、モータの
各種パラメータ出力結果を観測できます。
2. Flexible AC Transmission Systems(FACTS)
Library ───────────────────
FACTSとは電力システムに多数のパワーエレクトロニ
クス機器を導入し、電子回路のように電力を柔軟に制御
しようという発想のもとに提唱されたものです。FCATS
libraryでは電力系統の交流送電システムに基づくパワー
エレクトロニクスモデルを提供します。各種電力補償装
置SVC,STATCOM,SSSC,UPFC(図7)、及び電力潮流
補償器としても扱える負荷時タップ切換装置付きトラン
図9 分散資源ライブラリ
ス(図8)が含まれます。いずれもフェイザーモードシ
ミュレーション用としてモデリングされた簡易モデルで
提供されるブロックには、風力タービンモデル(図9
す(*注1:参照)
。
左)とそれを利用した誘導電動機による発電システムモ
デル(図9中)、低風速時でも高い効率の発電が可能な、
二重供電方式誘導電動機発電システムモデル(図9右)
があります。内部モデルは大部分がSimulinkブロックと
SimPowerSystemsブロックにより構成され、参照、カ
スタマイズが可能です。発電システムモデルは何れもフ
ェイザーモードシミュレーション用のモデルです。
お問い合わせ先
SimPowerSystemsの詳細につきましては、応用シス
テム第1事業部までお問い合わせください。
(TEL: 03-5978-5410, E-Mail: [email protected])
図7 電力制御装置ブロック
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CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
輝度・照度・色度測定システムProMetric
技 術 編
検査工程に強力なProMetric1000 ─────────
ディスプレイの検査工程における測定について
検査工程の全数検査などに向いているProMetric1000は、
1回の測定が数秒ですので、高速でデータを取り込むことが
前号で説明したように、14bitのProMetric1400は測定精
可能です。
度を重要視しているため、製造工程で使用するには、測定速
度が遅く、生産品の全数検査などは苦手です。
ProMetric1000は、ProMetric1400と比較すると絶対精度
は劣りますが、製造検査のように、「理論値に対する“しき
ProMetric1000は、1回の測定で色度まで評価でき、bit数
を10に下げているため、高速データ処理も可能です。その結
い値”を設定して合否判定を行う」様な測定に適しています。
果、生産品の全数検査にも十分対応できるようになりました。
ProMetricが標準で用意しているグラフィカルユーザイン
本稿では、ProMetric1000カラー版を紹介し、ProMetric
ターフェイス(GUI)は、主に研究開発向けに作られており、
1000を用いて各種ディスプレイの評価をする方法について
手動操作です。一方、製造工程で使用する場合は、処理内容
も説明いたします。
が決まっているため、その内容のみ特化したGUIで、且つ自
動化が望ましいです。ProMetricは、Microsoftが提案した
ProMetric1000カラー版の紹介
Active-Xに対応しているため、各種カスタマイズおよび自動
化が容易に行えます。以下、いくつかの方法を紹介いたします。
ProMetric1000カラー版(ProMetric Color 1000)は、
○ユーザが行うカスタマイズ
10bitのカラーCCDを使用し、輝度,照度と色度を測定する
ことができるシステムです。1枚のCCDで色の情報も取得
Active-Xを使用して、ユーザ独自のGUIを作成して検査す
いたします。一般的なデジタルカメラと同じように、CCD
ることが可能です。検査内容をVisual Basic等で記述して、
画素の前に赤,緑,青のカラーフィルタを配列しています。
ボタン1つで「検査品の設置→測定→データ出力→合否判定
電子式のシャッターを採用しているため、高速測定を可能に
→欠陥品検出時の警報→次工程へ」のような事が可能です。
しました。
図3は、Active-Xで作成した最も効果的に検査するGUIです。
“実行”ボタンを押すと検査し、結果の合否を表示します。
外観はProMetric1000モノクロ版と変わりはありませんが、
CCD自体がカラー測定に対応しています。カラーCCDは図
基本検査員は"実行"ボタンを押すだけですが、管理者用の別
1のように赤,緑,青の画素を持った画素が並んでいます。
画面を設けると便利です。
図1 カラーCCDの画素配列
図3 容易に検査できるGUIの例
○開発元が行うカスタマイズおよび用途別特化システム
一般的なデジタルカメラは、2×2の4サブ画素(緑2画素,
赤1画素,青1画素)を1画素に置き換えていますが、
ProMetricの開発元Radiant Imaging社は、製造工程に
ProMetric1000カラー版では図2の処理を行い、全画素を有
ProMetricを納入した実績が多く、豊富な経験を元に、ユー
効に使っています。緑評価の例では、A,B,Cのように、
ザ毎の専用ソフトウェアを作成することも可能です。
緑フィルタの画素はそのままの値を使用しますが、それ以外
ユーザ毎の個別ソフトウェア以外にも、今号解説編
の画素(本来は赤,青フィルタ)ではそのA,B,C等の値
「ProMetricのラインナップ」で紹介した様に、ProMetricに
を使用して代入します。AとBの間の画素はAとBの平均値を
は用途(アプリケーション)別のシステムを提供しており、
算出し、A,C,D,Eに囲まれた画素は、A,C,D,Eの平
効率よく評価することが可能です。
例えば、PM-PTSはプロジェクタの検査で一般的に行われ
均値とします。
る項目(面内一様性,ガンマ補正,コントラスト,コンバー
ジェンス,欠陥調査など)を全てデータベース化しており、
その項目(複数同時も可)を選択して実行するだけで、一連
の検査を行うことができるようになっています。
製造工程の検査は様々な種類があり、一長一短には行えま
せんが、ProMetric1000はその難題を対処できるシステムです。
ProMetricに関するお問い合わせは、応用システム第2事
図2 ProMetric1000カラー版の画素処理
図左:緑,図右:赤(青も同様の処理)
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
業部 営業部 ProMetric グループまでお願いします。
(TEL: 03-5978-2481, E-Mail: [email protected])
18
LightTools 5.1.0新機能紹介
技 術 編
LightTools 5.1.0がリリースされました。本バージョンで
これらの機能を用いる事で、より高精度な解析が要求され
は、様々な新機能が追加されています。今回はLightTools
る今日のバックライト導光板のシボとして様々なモデルの解
5.1.0の新機能についてご紹介致します。
析や設計を行なう事ができます。
改良された3Dテクスチャー ───────────
多くの方々にご利用頂いている3Dテクスチャー機能が改
良され、より使いやすく、より便利になりました。本バージ
ョンでは、配列させる事ができるテクスチャー要素として、
従来の半球、プリズム、ピラミッドに加え、円錐、シリンダ
(縦置き、横置きの両方)が加わりました。
図3 プリズムの角にRを付けた3Dテクスチャー
受光器のフィルタ機能の改良 ──────────
本バージョンでは、受光器のフィルタの条件として、従来
図1 円錐とシリンダ要素を配列したテクスチャー
の“And”に加えて、
“Or”の条件を設定できる様になりまし
また、これらのテクスチャー要素の配列パターンにも柔軟
た。受光器のフィルタ機能とは、照明解析の結果得られた照
性が加わり、テクスチャー要素の配列パターンを単に等間隔
度・輝度分布に対して、任意の条件でフィルタをかけた結果
ではなく、多項式等で関数に基づいて変化させたり、テクス
を参照する事ができる機能で、レンズと鏡筒における迷光解
チャー要素1個1個のパラメータをリストで直接指定する事
析の様に、迷光における結果だけではなく、その原因がどこ
もできる様になりました。
であるかの原因を究明したい場合に非常に有効な機能です。
これらの3Dテクスチャーは理想形状として設定する為、
LEDライブラリの追加 ─────────────
モデリング画面において表示/非表示を簡単に切り替えるこ
とができます。3Dテクスチャーは10万個まで表示可能で、
本バージョンでは、これまでの配光分布データのライブラ
指定したパラメータがどの様に設定されているかを簡単に確
リに日亜化学工業(株)のデータが13種類追加されました。
認できます。また、解析時には3Dテクスチャーを非表示に
また、LEDのジオメトリデータと測光データ(発光パワーや
して解析スピードを向上させることもできます。
スペクトル分布)を含むライブラリデータが300個以上追加
され、LEDを簡単に選択して設定できる様になります。
図4 LEDライブラリデータの一例
図2 バックライトのシボを多項式で配置した例
上記でご紹介しました機能の他にも様々な機能が追加され
ています。詳細につきましては、応用システム第2事業部・
更に、実際の製造過程において微小プリズムの頂点が削れ、
オプティカルソリューション部までお問い合わせください。
角にRがつく様な現象についても、図3の様に設定して解析
する事ができます。
(TEL: 03-5978-5414, E-Mail: [email protected])
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CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
電磁アクチュエータの制御
技 術 編
ANSYS Emagに渡し、ANSYSの過渡解析(時間変動解析)
ANSYSとSimulinkによる磁場解析
をリ・スタートします。この時、ANSYSは起動した状態の
1 はじめに──────────────────
まま、Simulinkとの時間同期を取りながらデータ交換しま
す。
メカトロニクス、パワーエレクトロニクス分野における
③ 終了処理:シミュレーションが終了、あるいは途中で
キーデバイスであるモータ、プランジャなどの電磁アクチュ
停止した場合、ANSYSを終了させ、終了処理を行います。
エータシステムでは、最近、より精密なシミュレーション環
境が望まれています。それは、
「実稼働状況」でのシミュレー
3 適用例───────────────────
ションです。複雑な制御信号(通常は電圧)を受けて駆動さ
れた場合に、どのような振る舞いを示すかに興味が持たれて
図2にANSYS Emagで解析するプランジャのモデルを示
います。これを実現するためには、制御シミュレータと磁場
します。また、図3にこのモデルを呼び出すSimulinkモデル
解析ツールとを時間同期させて時間軸シミュレーション(過
を示します。
渡解析)する必要があります。
コアを支持するバネ、ダンパ等の機構部分をモデル化し、
ここではプランジャを例に、制御シミュレータである
ANSYSで磁場解析と構造解析を連成させてコアの挙動(メ
Simulinkと、磁場解析ツールであるANSYS Emagを連携す
カニカルダイナミクス)を計算させることも可能ですが、こ
る方法を概説し、その時の問題点やその解決法を紹介しま
こでは磁場解析のみを適用し、コアの挙動はSimulinkで計算
す。
し、その結果をANSYSに戻しています。これは以下の理由
からです。
2 連携のしくみ ────────────────
磁場解析を行うためには、コアもメッシュを切る必要があ
ります。しかし、コアの挙動を計算する場合は、コアは質点
2.1 概要
図1にSimulinkとANSYS Emagを連携する概略図を示しま
として考えることができるため、FEM(偏微分方程式ソル
す。ここではSimulinkがホストとして、ANSYSをコント
バ)での計算は過剰になります。これをSimulink(常微分方
ロールする仕組みを取ってます。各ツール間でデータ交換す
程式ソルバ)で簡潔なばね─質量─減衰モデルとして計算す
る変数をあらかじめ決めておきます。プランジャでは電圧、
ることにより、計算負荷が減り、高速にシミュレーションす
時間、変位がANSYS Emagに渡り、これを受けてANSYSは
ることが可能になります。このように目的によってモデルは
リ・スタート計算します。この時、ANSYSは起動した状態
異なるため、ツールを使い分けることが重要となります。
のままSimulinkからのデータを待機しておりますので、起動
によるオーバヘッドは生じません。解析結果である電磁力を
Simulinkに渡し、Simulinkがメカニカルダイナミクスを計算
するという仕組みです。
これを実現しているのが、S-Functionと呼ばれるSimulink
の外部プログラムを取り込む機能です。使用できる言語は、
M-file(MATLAB言語),C/C++,Fortranです。
図2 Simulinkから呼ばれるANSYSの軸対称プランジモデル
図1 SimulinkとANSYSの連携の仕組み
2.2 S-Functionの役割
S-Functionでは大きく分けると次の3つの作業を行いま
す。
① 初期化:各種初期化をし、ANSYS Emagの初期解析を
行い、ANSYSの初期状態を作成します。
図3 ANSYSを呼び出すSimulinkモデル
② 時間軸シミュレーション:Simulinkから逐次データを
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
20
4 結果 ────────────────────
い。電子/ディジタル回路で構成される制御系や理想モデル
図4に、Simulinkで計算した駆動電圧とコアの変位を示し
のシミュレーションに適する。
ます。ここでは計算時間は0.1(秒)で、1/1000(秒)ごと
ANSYSとSimulinkとの連携においては、計算負荷のほと
に、ANSYS Emagを呼び出して計算しています。
んどをANSYSが占める場合が多いため、Simulinkが毎ス
また、図5にANSYS Emagで計算した磁束の変化を示し
テップANSYSを呼び出すのは困難な場合が考えられます。
ます。コアの変動とともに、磁束が変化していることが確認
ANSYS側のモデルがそれほど細かく計算する必要が無い
できます。
(時定数がSimulinkモデルより遅い)場合、Simulink側の呼
び出しを間引く(例:10回に1回呼ぶ)ことで、計算負荷
を下げることも可能です。
6 ANSYSとSimulinkの役割および拡張性────
ここではプランジャを用いた磁場解析を例にANSYSと
Simulinkの連携の例を紹介しました。しかしここで紹介した
手法は、モータなど、他の電磁アクチュエータにも流用可能
ですが、ANSYSのマルチフィジクス機能とSimulinkの汎用
モデリング機能を活かして、様々なアプリケーションに拡張
可能です。
ここで、ANSYSとSimulinkの役割を整理してみます。図
6は典型的な制御系のブロック線図です。制御系において
ANSYSは制御対象を、Simulinkはコントローラの役割を担
います。コントローラの制御パラメータは、精密な制御対象
モデルに基づき設計されることが多く、このモデルに
図4 Simulinkの結果(駆動電圧と変位)
ANSYSを利用することも可能です。制御パラメータは
MATLABの各種制御系ツールで設計され、Simulinkモデル
へ反映されます。
図6 制御系におけるANSYSとSimulinkの役割
これらより、例えば以下のようなアプリケーションへの流
用/拡張が可能です。
●モータシステム(磁場解析):
図5 ANSYSの結果(磁束の変化)
ANSYS Emag - MATLAB/Simulink
5 シミュレーションステップ(積分時間)について ─
●ヒートパイプ(熱流体解析)
:
異なるシミュレータで異なる系を連携してシミュレーショ
ANSYS CFX - MATLAB/Simulink
ンする場合、ツールの特性を活かして異なるシミュレーショ
●構造物の制振,特に非線形(構造解析)
:
ンステップを用いた方が効果的な場合があります。ANSYS
ANSYS - MATLAB/Simulink
とSimulinkでは、次の違いがあります。
紙面の都合上、具体的なプログラム内容を解説することは
ANSYS:対象とするモデルは偏微分方程式で表現される
できませんでしたが、本記事に関する詳細およびお問い合わ
物理/工学モデル。一般に次数は極めて高く、計算負荷は高
せは、新事業推進室 マルチプロダクトソリューション担当
い。具体的かつ詳細なモデルのシミュレーションに適する。
までお願いします。
(TEL: 03-5978-5676, E-Mail: [email protected])
Simuilnk:対象とするモデルは常微分方程式/差分方程式
で表現される数学モデル。一般に次数は低く、計算負荷は軽
21
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
技術セミナー
下記のソフトウェアのユーザを対象に、それぞれの目
的にあった具体的な利用方法について説明します。
インフォメーション
内 容
本社・本社別館
(東京)
西日本支社
(大阪)
中部支社
(名古屋)
時間
ANSYS初級(入門)セミナー
*計算力学技術者認定試験対象
対象 ANSYSを初めて利用される方、有限要素法ソフトウェ
アをご存知でない方
内容 有限要素法の概念についての講義と、基本的な問題の解
析に必要なANSYSの標準機能およびGUI操作について
の講義と実習
費用 ¥84,000
(税込)
/名 またはセミナー受講券
4月5日(火)
∼6日
(水)
4月19日
(火)
∼20日
(水)
5月12日
(木)
∼13日
(金)
5月24日
(火)
∼25日
(水)
6月7日(火)
∼8日
(水)
6月21日
(火)
∼22日
(水)
4月5日
(火)
∼6日
(水)
5月12日
(木)
∼13日
(金)
6月9日
(木)
∼10日
(金)
4月14日
(木)
∼15日
(金)
6月16日
(木)
∼17日
(金)
9:30∼17:00
ANSYS中級セミナー
*計算力学技術者認定試験対象
対象 ANSYS入門セミナーを受講済みの方、ANSYSの基本
操作及び基本的な解析をご存知の方
内容 有限要素法の概念についての講義と、実際に直面する問
題に対して必要なANSYSの機能や操作についての講義
と実習
費用 ¥84,000
(税込)
/名 またはセミナー受講券
4月7日(木)
∼8日
(金)
4月21日
(木)
∼22日
(金)
5月17日
(火)
∼18日
(水)
5月26日
(木)
∼27日
(金)
6月9日(木)
∼10日
(金)
6月23日
(木)
∼24日
(金)
5月24日
(火)
∼25日
(水)
6月20日
(月)
∼21日
(火)
セミナー名
ANSYS 動解析セミナー
6月16日
(木)
∼17日
(金)
ANSYS 伝熱解析セミナー
ANSYS 構造非線形解析セミナー
9:30∼17:00
5月10日
(火)
∼11日
(水)
対象 ANSYS入門セミナー、中級セミナーを受講済みの方
内容 各解析分野に特化したANSYSの機能や操作についての
講義と実習
費用 ¥84,000
(税込)
/名
ANSYS 磁場解析セミナー
ANSYS ソリッドモデリングセミナー
6月2日
(木)
∼3日
(金)
4月7日(木)
∼8日
(金)
4月14日
(木)
∼15日
(金)
6月2日(木)
∼3日
(金)
5月19日
(木)
∼20日
(金)
5月30日
(月)
∼31日
(火)
6月14日
(火)
∼15日
(水)
9:30∼17:00
ANSYS LS-DYNAセミナー
対象 ANSYS入門セミナーを受講済みの方、ANSYSの基本
操作及び基本的な解析をご存知の方
内容 ANSYS LS-DYNA固有の設定についての講義
費用 ¥42,000
(税込)
/名
APDL入門セミナー
対象 ANSYS入門セミナー、中級セミナーを受講済みの方
内容 パラメータ、APDLの使用方法およびマクロの作成方法
についての講義と実習
費用 ¥42,000
(税込)
/名
6月14日
(火)
9:30∼17:00
ANSYS設計最適化セミナー
対象 ANSYS入門セミナー、中級セミナー、APDL入門セミ
ナーを受講済みの方
内容 パラメトリックモデリングによる設計最適化の考え方や
操作についての講義と実習
費用 ¥42,000
(税込)
/名
6月15日
(水)
9:30∼17:00
ANSYS DesignSpaceセミナー
*計算力学技術者認定試験対象
対象 ANSYS DesignSpaceを 初 め て 利 用 さ れ る 方 で 、
ANSYS DesignSpaceと併用する3次元CADの基本操
4月18日
(月)
作方法を習得済みの方
5月23日
(月)
内容 有限要素法の基本概念とANSYS DesignSpaceの操作
6月20日
(月)
についての講義と実習
費用 ¥42,000
(税込)
/名
6月13日
(月)
設計者のためのCAE入門
対象 有限要素解析をこれから始められる方、または検討中の方
内容 有限要素解析システムの基礎知識
費用 ¥84,000
(税込)
/名
4月11日
(月)
∼12日
(火)
6月30日(木)∼7月1日(金)
有限要素法基礎理論
対象 有限要素解析の基礎理論を学び、レベルアップしたい方
内容 有限要素解析の基礎理論
費用 ¥84,000
(税込)
/名
5月16日
(月)
∼17日
(火)
有限要素法振動解析入門
対象 振動解析をこれから始められる方
内容 振動解析の基礎理論と解析技術の説明
費用 ¥84,000
(税込)
/名
6月13日
(月)
∼14日
(火)
9:30∼17:00
有限要素法熱解析入門
対象 熱解析をこれから始められる方
内容 熱解析の基礎理論と解析技術の説明
費用 ¥42,000
(税込)
/名
6月28日
(火)
9:30∼17:00
ベーシックトレーニング
MATLABコース
対象 MATLABを初めて扱う方やビギナーの方
内容 データの定義、ファイル入出力、プログラミング、グラ
フィックスの基本操作方法の演習
費用 ¥31,500
(税込)
/名
4月12日
(火)
4月25日
(月)
5月17日
(火)
5月24日
(火)
6月1日(水)
6月21日
(火)
4月6日
(水)
6月6日
(月)
5月1
0日
(火)
9:30∼16:30
ベーシックトレーニング
Simulinkコース
対象 MATLABの基本操作を習得している方で、Simulinkを
初めて扱う方やビギナーの方
内容 線形システムを中心に、基本操作とモデリング方法の演習
費用 ¥31,500
(税込)
/名
4月13日
(水)
4月26日
(火)
5月18日
(水)
5月25日
(水)
6月2日(木)
6月22日
(水)
4月7日
(木)
6月7日
(火)
5月1
1日
(水)
9:30∼16:30
ベーシックトレーニング
Stateflowコース
対象 MATLABとSimulinkの基本的な操作方法を習得してい
る方
内容 フローチャートとステートチャートの作成
費用 ¥31,500
(税込)
/名
4月14日
(木)
6月3日(金)
9:30∼16:30
アドバンストトレーニング
MATLABプログラミングコース
対象 MATLABベーシックコースを受講された方、もしくは同
等の基本的操作を習得済みの方
内容 より効率的なM-fileプログラミングを行うための、様々
なテクニックの演習
費用 ¥42,000
(税込)
/名
4月15日
(金)
6月24日
(金)
9:30∼16:30
アドバンストトレーニング
MATLAB GUI構築コース
対象 M-fileによるプログラミング経験がある方
内容 Handle Graphic機能および、GUIアプリケーションの
構築方法の演習
費用 ¥42,000
(税込)
/名
5月27日
(金)
9:30∼16:30
アドバンストトレーニング
Simulinkコース
対象 Simulinkベーシックコースを受講された方、もしくは基
本的な操作を習得済みの方、応用的なSimulinkの機能、
活用法を習得したい方
4月19日
(火)
内容 モデリング及びシミュレーションを効率的に実施するた 6月14日
(火)
めの応用的な機能の演習
費用 ¥42,000
(税込)
/名
9:30∼16:30
アドバンストトレーニング
S-Functionコース
対象 Simulinkユーザで、C言語でのプログラム経験のある方
内容 ユ ー ザ C プ ロ グ ラ ム を S i m u l i n k に 取 り 込 む た め の
S-Function作成方法の演習
費用 ¥42,000
(税込)
/名
9:30∼16:30
5月23日
(月)
5月26日
(木)
9:30∼17:00
5月9日(月)
9:30∼17:00
9:30∼17:00
5月26日
(木)
∼27日
(金)
9:30∼17:00
平成17年4月∼6月
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
22
セミナー名
本社・本社別館
(東京)
内 容
西日本支社
(大阪)
中部支社
(名古屋)
時間
アプリケーショントレーニング
制御システム設計コース
対象 MATLAB/Simulinkの基本操作を習得している制御系
エンジニアの方
内容 線形時不変システムに対する各種解析の演習
費用 ¥42,000
(税込)
/名
4月20日
(水)
6月15日
(水)
9:30∼16:30
アプリケーショントレーニング
信号処理システム設計コース
対象 MATLAB/Simulinkの基本操作を習得している信号処
理系エンジニアの方
内容 信号処理に関する各種解析とシミュレーション方法の演習
費用 ¥42,000
(税込)
/名
4月21日
(木)
6月16日
(木)
9:30∼16:30
アプリケーショントレーニング
通信システム設計コース
対象 MATLAB/Simulinkの基本操作を習得している通信系
エンジニアの方
内容 通信に関する各種解析とシミュレーション方法の演習
費用 ¥42,000
(税込)
/名
4月22日
(金)
6月17日
(金)
9:30∼16:30
PSpiceトレーニングセミナー
対象 PSpiceの操作を基礎から学びたいPSpiceユーザの方
内容 Orcad PSpice を使用し、回路解析の基礎から応用まで
を、実際に操作いただきながら習得していただきます
費用 ¥31,500
(税込)
/名
(メンテナンス加入ユーザの方)、
¥63,000
(税込)
/名
(メンテナンス未加入ユーザの方、
非ユーザの方)
5月19日
(木)
6月30日
(木)
4月22日
(金)
6月10日
(金)
5月27日
(金)
10:00∼17:00
Captureトレーニングセミナー
対象 Captureの操作を基礎から学びたいCaptureユーザの方
内容 Orcad Captureでの回路図入力、デザイン処理、パーツ
作成などを実際に操作いただきながら習得して頂きます
費用 ¥31,500
(税込)
/名
(メンテナンス加入ユーザの方)、
¥63,000
(税込)
/名
(メンテナンス未加入ユーザの方、
非ユーザの方)
5月18日
(水)
6月29日
(水)
4月21日
(木)
6月9日(木)
5月26日
(木)
10:00∼17:00
Layoutトレーニングセミナー
対象 Layoutの操作を基礎から学びたいLayoutユーザの方
内容 Orcad Layoutでの基板作成、自動配線の設定、後工程
などの基板設計全般を実際に操作いただきながら習得し
ていただきます
費用 ¥31,500
(税込)
/名
(メンテナンス加入ユーザの方)、
¥63,000
(税込)
/名
(メンテナンス未加入ユーザの方、
非ユーザの方)
5月20日
(金)
Microwave Office
線形&EM 応用セミナー
対象 Microwave Office ユーザ、もしくは、Microwave
Office 体験セミナーを過去に受講された方
内容 線形シミュレーション・レイアウト・電磁場解析を中心
5月11日
(水)
に、高周波回路設計で考慮すべき技術的なポイントや、
利用上有用な様々なテクニックを実習していただきます。
費用 31,500(税込)/名
4月13日
(水)
9:30∼17:00
Microwave Office
非線形 応用セミナー
対象 Microwave Office ユーザ、もしくは、Microwave
Office 体験セミナーを過去に受講された方
内容 非線形シミュレーションを中心に、Microwave Office の設計例を用
いて、高周波の非線形回路設計で考慮すべき技術的なポイントや、精度
と高速のトレードオフ、ハーモニックバランスオプションの高度な設定
など利用上有用な様々なテクニックを実習していただきます。
費用 31,500(税込)/名
4月14日
(木)
6月15日
(水)
9:30∼17:00
Microwave Office
レイアウトセミナー
対象 Microwave Office ユーザ、もしくは、Microwave
Office 体験セミナーを過去に受講された方
内容 回路とレイアウトの同時設計の方法を紹介。回路シミュレーショ
ンと完全にリンクするレイアウトの作成方法を中心に、高周波
回路のレイアウト設計で考慮すべき技術的なポイント、レイア
ウトツールの効果的な使用方法など、Microwave Office の設
計例を用いて実習していただきます。
費用 31,500(税込)/名
6月16日
(木)
5月18日
(水)
9:30∼17:00
CODE Ⅴ入門
対象 CODE Ⅴをこれから利用される方
内容 結像光学系におけるCODE Ⅴの基本的な使用方法
費用 ¥31,500
(税込)
/名
4月11日
(月)
4月25日
(月)
5月12日
(木)
5月23日
(火)
6月9日
(木)
6月27日
(月)
4月13日
(水)
5月18日
(水)
6月15日
(水)
4月19日
(火)
6月21日
(火)
10:00∼17:00
LightTools入門
対象 LightToolsをこれから利用される方
内容 LightToolsの基本的な使用方法
費用 ¥31,500
(税込)
/名
4月12日
(火)
4月26日
(火)
5月9日
(月)
5月24日
(火)
6月14日
(火)
6月28日
(火)
4月15日
(金)
5月27日
(金)
6月24日
(金)
5月17日
(火)
10:00∼17:00
ProMetric初心者セミナー
対象 ProMetric導入後に操作方法を確認されたい方や、新た
に操作方法を覚えたい方
内容 基本的な測定方法および結果の参照方法(一部実習あり)
費用 無料
4月15日
(金)
5月17日
(火)
6月21日
(火)
10:00∼17:00
13:30∼16:30
(4/15のみ9:30∼12:30)
平成17年4月∼6月
イベント情報
インフォメーション
2005年4月∼6月の主なイベントをご案内いたします。
(最新情報は、弊社ホームページをご参照下さい。 http://www.cybernet.co.jp/event/、http://www.cybernet.co.jp/seminar/s-semi.shtml)
第15回 フラットパネル ディスプレイ研究開発・製造技術展
日程 4月20日
(水)
∼22日
(金)
出展 ProMetric、LightTools
会場 東京ビッグサイト
主催 リード エグジビション ジャパン
(株)
TECHNO‐FRONTIER 2005
日程 4月20日
(水)
∼22日
(金)
出展 OrCADシリーズ
会場 幕張メッセ
主催 (社)
日本能率協会
自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2005
日程 5月18日
(水)
∼20日
(金)
出展 ANSYS、MATLABプロダクトファミリ、eta/ DYNAFORM、
OPTIMUS、EnSight、LightTools、OrCADシリーズ、Maple
会場 パシフィコ横浜・展示ホール
主催 (社)
自動車技術会
第4回 国際バイオ EXPO
第30回 光学シンポジウム
第16回 設計・製造ソリューション展
日程 5月18日
(水)
∼20日
(金)
出展 Daylight Chemical Information Systems社製品、OpenEye Scientific Software社製品
会場 東京ビッグサイト
主催 リード エグジビション ジャパン
(株)
日程 6月16日
(木)
∼17日
(金)
出展 CodeV、LightTools
会場 早稲田大学国際会議場 井深大記念ホール(新宿)
主催 日本光学会
(応用物理学会)
日程 6月22日
(水)
∼24日
(金)
出展 ANSYS、OPTIMUS、eta/DYNAFORM、EnSight、
epiplex、WebEx、受託解析コンサルティング
会場 東京ビッグサイト
主催 リードエグジビションジャパン(株)
第8回 組込みシステム開発技術展
第2回 情報セキュリティEXPO展
日程 6月29日
(水)
∼7月1日
(金)
出展 MATLABプロダクトファミリ
会場 東京ビッグサイト
主催 リードエグジビションジャパン
(株)
日程 6月29日
(水)
∼7月1日
(金)
出展 Reflection、F-Secure SSH、Quality、CWAT
会場 東京ビッグサイト
主催 リード エグジビション ジャパン
(株)
23
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
紹介セミナー
下記のソフトウェアに興味をお持ちの方を対象に、
インフォメーション
無料で各ソフトウェアの機能と特徴の紹介を行います。
内 容
本社・本社別館
(東京)
西日本支社
(大阪)
有限要素解析プログラム
ANSYS
最新バージョンの機能概要を事例・デモンストレーションをもとに
紹介
4月20日
(水)
5月25日
(水)
6月22日
(水)
5月26日
(木)
CAEデスクトップツール
ANSYS Workbench紹介セミナー
最新バージョンの機能概要をデモンストレーションをもとに紹介
4月21日
(木)
5月26日
(木)
6月23日
(木)
5月20日
(金)
流体解析プログラム
ANSYS CFX紹介セミナー
機能概要を事例・デモンストレーションをもとに紹介
6月24日
(金)
最適設計支援プログラム
OPTIMUS
機能紹介とデモ実演
4月27日
(水)
6月15日
(水)
MATLAB紹介セミナー
MATLAB基本環境/データ解析コース
データの読み込みから数値解析、ビジュアライゼーション、アルゴ
リズム開発までの手順をデモンストレーションを交えて紹介
4月5日
(火)
5月10日
(火)
6月7日
(火)
MATLAB紹介セミナー
制御システム設計/シミュレーションコース
制御系設計におけるMATLABの利用例をデモンストレーションを
交えて紹介
4月8日
(金)
5月12日
(木)
6月10日
(金)
MATLAB紹介セミナー
制御システム実装コース
自動コード生成ツールの主な機能および制御システム実装への適用
方法について紹介
5月13日
(金)
13:30∼16:30
MATLAB紹介セミナー
信号処理システム設計/シミュレーションコース
ディジタル信号処理におけるMATLABの利用例をデモンストレー
ションを交えて紹介
4月6日
(水)
5月19日
(木)
6月8日
(水)
13:30∼16:30
MATLAB紹介セミナー
画像処理システム設計コース/シミュレーションコース
ディジタル静止画像処理および動画像処理を目的とする関連製品の
機能概要を紹介
5月20日
(金)
13:30∼16:30
MATLAB紹介セミナー
通信システム設計/シミュレーションコース
通信システム設計におけるMATLABの利用例をデモンストレーショ
ンを交えて紹介
4月7日
(木)
5月11日
(水)
6月9日
(木)
13:30∼16:30
光学設計・照明系シミュレーション
CODE Ⅴ
結像光学系及び照明光学系のモデル化、評価及びデモ実演
4月27日
(水)
5月25日
(水)
6月22日
(水)
5月13日
(金)
13:30∼16:30
3D光学CADプログラム・照明系シミュレーション
LightTools
照明系、結像系等の各種光学系の3次元のモデル化、評価及びデモ
実演
4月13日
(水)
5月13日
(金)
6月8日
(水)
4月14日
(木)
6月23日
(木)
13:30∼16:30(東京)
10:30∼12:30(大阪)
照度・輝度測定装置
ProMetric
概要紹介及び実際の照度・輝度測定の実演
4月13日
(水)
5月13日
(金)
6月8日
(水)
4月14日
(木)
6月23日
(木)
10:00∼12:30(東京)
13:30∼16:00(大阪)
OrCAD紹介セミナー
回路設計から基板設計までの一連の流れを紹介
4月15日
(金)
5月16日
(月)
6月24日
(金)
4月20日
(水)
6月8日
(水)
13:30∼16:30
Microwave Office体験セミナー
高周波回路設計プロダクト「Microwave Office」を操作しながら、
製品の機能全般について習得いただけます。
5月9日
(月)
4月12日
(火)
6月14日
(火)
10:00∼16:30
数式処理システム
Maple体験セミナー
Mapleの基本的な操作法や数学機能についての紹介・デモンストレー
ション、及び実際にマシンを利用して操作方法を実習
4月21日
(木)
5月26日
(木)
6月23日
(木)
5月17日
(火)
5月18日
(水)
13:30∼16:30
QND Plus 紹介セミナー
PC資産管理の代表的なツール、QND Plus の紹介。
実際のPCを利用したハードウェアやソフトウェアの情報収集の体
験、活用の紹介
4月15日
(金)
5月20日
(金)
6月17日
(金)
5月27日
(金)
4月22日
(金)
6月24日
(金)
13:30∼16:30
セミナー名
6月22日
(水)
中部支社
(名古屋)
時間
13:30∼17:00
4月20日
(水)
13:30∼17:00
6月14日
(火)
13:30∼17:00
5月17日
(火)
13:30∼16:30
13:30∼16:30
5月24日
(火)
7月26日
(火)
9月20日
(火)
4月26日
(火)
6月21日
(火)
8月23日
(火)
13:30∼16:30
平成17年4月∼6月
東京本社
本社別館
西日本支社
中部支社
〒112-0012
〒112-0012
〒540-0028
〒460-0003
TEL 03-5978-5400(代表) FAX
東京都文京区大塚2−15−6ニッセイ音羽ビル
東京都文京区大塚2−9−3住友不動産音羽ビル
FAX
TEL 06-6940-3600(代表) FAX
大阪市中央区常盤町1−3−8中央大通FNビル
名古屋市中区錦1−6−26富士ソフトABCビル3F TEL 052-219-5900(代表) FAX
03-5978-5441
03-5978-6081∼2
06-6940-3601
052-219-5970
弊社取扱い製品の概要についてはインターネットでもご覧頂けます。http://www.cybernet.co.jp
セミナー申込用紙
サイバネットニュース編集行 FAX
フリガナ
03-5978-2201
芳名
ご住所
〒
貴社名
所属/役職
TEL
FAX
E-mail
受講セミナー名
月 日
通信欄
CYBERNET NEWS Spring 2005 no.113
24
東京 大阪 名古屋
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