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(57)【要約】 【課題】患者のてんかんに対する素因及び/またはてん かん
JP 2007-185199 A 2007.7.26 (57)【要約】 【課題】患者のてんかんに対する素因及び/またはてん かんの罹患を測定する工程を含む、患者のてんかんに対 する素因及び/またはてんかんの罹患を測定する。 【解決手段】本発明は、特発性全身てんかんについての ローカス、当該ローカスのミューテーション、及びてん かんの評価、診断、予後、または治療のための当該ロー カスの使用方法を提供し、特に、患者のSCN1A、SCN2A及 びSCN3Aから選択される少なくとも一つの遺伝子、また はそれらと連鎖不均衡を示すDNA変異体、同等物または ミューテーションの遺伝子型を測定し、それによって患 者のてんかんに対する素因及び/またはてんかんの罹患 を測定する工程を含む、患者のてんかんに対する素因及 び/またはてんかんの罹患を測定する方法、並びに医薬 に対する患者の応答を予測する方法を提供する。 【選択図】図1 (2) JP 2007-185199 A 2007.7.26 【特許請求の範囲】 【請求項1】 患者のSCN1A、SCN2A及びSCN3Aから選択される少なくとも一つの遺伝子、 またはそれらと連鎖不均衡を示すDNA変異体、同等物またはミューテーションの遺伝子 型を測定し、それによって患者のてんかんに対する素因及び/またはてんかんの罹患を測 定する工程を含む、患者のてんかんに対する素因及び/またはてんかんの罹患を測定する 方法であって、 前記遺伝子型の測定がSCN1A、SCN2A若しくはSCN3Aナトリウムチャンネル 遺伝子、またはそれらのRNAについて行われ、前記ナトリウムチャンネル遺伝子または それらのRNAは、: 10 a)配列番号3−4; b)配列番号35−36;及び c)配列番号67−68 からなる群から選択されるSCN1A、SCN2AまたはSCN3Aタンパク質をコード する方法。 【請求項2】 SCN1Aナトリウムチャンネル遺伝子におけるミューテーションの同定がてんかんに対 する素因及び/またはてんかんの罹患を示す、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 SCN1A、SCN2AまたはSCN3Aの遺伝子型を測定する工程が、制限エンドヌク 20 レアーゼ切断を含む、請求項1または2に記載の方法。 【請求項4】 SCN1A、SCN2AまたはSCN3Aの遺伝子型を測定する工程が、対立遺伝子特異 的オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることを含む、請求項1から3のいずれか一項 に記載の方法。 【請求項5】 SCN1A、SCN2AまたはSCN3Aの遺伝子型の測定の前に、ポリメラーゼ連鎖反 応を使用してSCN1A、SCN2AまたはSCN3Aの部分を増幅する工程をさらに含 む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。 【請求項6】 30 SCN1A、SCN2AまたはSCN3Aの遺伝子型を測定する工程が、SCN1A、S CN2AまたはSCN3A、あるいはその一部のシークエンシングを含む、請求項1から 5のいずれか一項に記載の方法。 【請求項7】 SCN1A、SCN2AまたはSCN3Aの遺伝子型が、本発明に従って同定された少な くとも一つの対立遺伝子変異体またはミュータントと連鎖不均衡を示す多型変異部位を使 用して測定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。 【請求項8】 SCN1A、SCN2AまたはSCN3Aの遺伝子型の測定の前に、: a)ポリメラーゼ連鎖反応; 40 b)転写ベース増幅; c)NASBA; d ) RCA( Rolling Circle Amplification) ; e)リガーゼ連鎖反応(LCR);及び f)Q−ベータレプリカーゼシステム からなる群から選択される増幅方法を使用して、SCN1A、SCN2AまたはSCN3 Aヌクレオチドの部分を増幅する工程をさらに含む請求項1から7のいずれか一項に記載 の方法。 【請求項9】 前記SCN1A、SCN2AまたはSCN3Aの遺伝子型を測定する工程が、SCN1A 50 (3) JP 2007-185199 A 2007.7.26 、SCN2AまたはSCN3A、あるいはこれらの一部のシークエンシングを含む請求項 8に記載の方法。 【請求項10】 前記SCN1A、SCN2A若しくはSCN3Aナトリウムチャンネル遺伝子、またはそ れらのRNAは、 a)配列番号1−2、5−32; b)配列番号33−34、37−64; c)配列番号65−66、69−98; からなる群から選択される核酸配列又はその一部である請求項1から9のいずれか一項に 記載の方法。 10 【請求項11】 患者のSCN1A、SCN2A及びSCN3Aから選択される少なくとも一つのナトリウ ムチャンネル遺伝子、またはそれらと連鎖不均衡を示すDNA変異体、同等物またはミュ ーテーションの遺伝子型を測定し、それによって患者のてんかんに対する素因及び/また はてんかんの罹患を測定する工程を含む、患者のてんかんに対する素因及び/またはてん かんの罹患を測定する方法であって、 前記ミューテーションはSCN3Aタンパク質をコードするSCN3Aヌクレオチドにお け る Val1035Ileの ミ ュ ー テ ー シ ョ ン で あ る 方 法 。 【請求項12】 ナトリウムチャンネルSCN1A、SCN2AまたはSCN3A遺伝子におけるミューテ 20 ーション、またはそれらと連鎖不均衡を示すミューテーションの少なくとも1つのミュー テーションの存在または不存在を測定するためのプローブ及び/又はプライマーを含む、 患 者 の て ん か ん に 対 す る 素 因 を 測 定 す る た め の in vitro診 断 キ ッ ト で あ っ て 、 前記SCN1A、SCN2AまたはSCN3A遺伝子におけるミューテーション、または それらと連鎖不均衡を示すミューテーションの少なくとも1つのミューテーションの検出 がてんかんに対する素因を示し、 前記プローブ及び/又はプライマーは、 a)配列番号1−2、5−32; b)配列番号33−34、37−64; c)配列番号65−66、69−98; 30 からなる群から選択されるSCN1A、SCN2AまたはSCN3Aの核酸配列にハイブ リ ダ イ ズ す る in vitro診 断 キ ッ ト 。 【請求項13】 a)ナトリウムチャンネルのアルファサブユニットをコードする組換えSCN1A、SC N2AまたはSCN3A遺伝子またはその機能的な断片;並びに b)前記ナトリウムチャンネルの活性のアッセイ; を含む、試験薬剤をスクリーニングし、てんかんに関与するナトリウムチャンネルの不活 性化を調節する薬剤を選択するアッセイであって、 前記試験薬剤の不存在下と存在下の間で、前記ナトリウムチャンネルの不活性化の差異が 観察される場合に薬剤が選択でき、前記ナトリウムチャンネルの機能不全がてんかんと関 40 連しており、 前記遺伝子が: a)配列番号3−4; b)配列番号35−36;及び c)配列番号67−68 からなる群から選択されるSCN1A、SCN2AまたはSCN3Aタンパク質をコード するアッセイ。 【請求項14】 a)ナトリウムチャンネルのアルファサブユニットをコードする組換えSCN1A、SC N2AまたはSCN3A遺伝子またはその機能的な断片;並びに 50 (4) JP 2007-185199 A 2007.7.26 b)前記ナトリウムチャンネルの活性のアッセイ; を含む、試験薬剤をスクリーニングし、てんかんに関与するナトリウムチャンネルの活性 を調節する薬剤を選択するアッセイであって、 前記試験薬剤の不存在下と存在下の間で、前記ナトリウムチャンネルの活性の差異が観察 される場合に薬剤が選択でき、前記ナトリウムチャンネルの機能不全がてんかんと関連し ており、 前記遺伝子が: a)配列番号3−4; b)配列番号35−36;及び c)配列番号67−68 10 からなる群から選択されるSCN1A、SCN2AまたはSCN3Aタンパク質をコード するアッセイ。 【請求項15】 前記薬剤が前記SCN1A、SCN2AまたはSCN3Aナトリウムチャンネルの活性を 刺激する請求項14に記載のアッセイ。 【請求項16】 前記薬剤が前記SCN1A、SCN2AまたはSCN3Aナトリウムチャンネルの活性を 減少させる請求項14に記載のアッセイ。 【請求項17】 ナトリウムチャンネルのアルファサブユニットまたはその機能的な断片をコードする前記 20 SCN1A、SCN2AまたはSCN3A遺伝子が: a)配列番号1−2、5−32のヌクレオチド配列またはその機能的断片; b)配列番号33−34、37−64のヌクレオチド配列またはその機能的断片; c)配列番号65−66、69−98のヌクレオチド配列またはその機能的断片; d)配列番号3−4のSCN1Aナトリウムチャンネルをコードするヌクレオチド配列; e)配列番号35−36のSCN2Aナトリウムチャンネルをコードするヌクレオチド配 列;及び f)配列番号67−68のSCN3Aナトリウムチャンネルをコードするヌクレオチド配 列 からなる群から選択される請求項14から16のいずれか一項に記載のアッセイ。 30 【請求項18】 前記SCN1A、SCN2AまたはSCN3Aヌクレオチド配列が哺乳動物SCN1A、 SCN2AまたはSCN3A配列である請求項17に記載のアッセイ。 【請求項19】 前記哺乳動物SCN1A、SCN2AまたはSCN3Aヌクレオチド配列がヒトヌクレオ チド配列である請求項18に記載のアッセイ。 【請求項20】 前記SCN1Aヌクレオチド配列が配列番号1−2及び5−32に示される配列、または その対立遺伝子変異体から選択される請求項19に記載のアッセイ。 【請求項21】 40 前記SCN2Aヌクレオチド配列が配列番号33−34及び37−64に示される配列、 またはその対立遺伝子変異体から選択される請求項19に記載のアッセイ。 【請求項22】 前記SCN3Aヌクレオチド配列が配列番号65−66及び69−98に示される配列、 またはその対立遺伝子変異体から選択される請求項19に記載のアッセイ。 【請求項23】 前記SCN1Aヌクレオチド配列が配列番号189−192、またはその対立遺伝子変異 体から選択される配列を含むヒトヌクレオチド配列である請求項20に記載のアッセイ。 【請求項24】 前記SCN2Aヌクレオチド配列が配列番号307−309、またはその対立遺伝子変異 50 (5) JP 2007-185199 A 2007.7.26 体から選択される配列を含むヒトヌクレオチド配列である請求項21に記載のアッセイ。 【請求項25】 前記SCN3Aヌクレオチド配列が配列番号400−408、またはその対立遺伝子変異 体から選択される配列を含むヒトヌクレオチド配列である請求項22に記載のアッセイ。 【請求項26】 てんかんの治療における応用を有する薬剤を同定する目的で、ナトリウムチャンネルの機 能を調節するように定められた薬剤についてのスクリーニングアッセイをセットアップす るために、SCN1A、SCN2AまたはSCN3A遺伝子の特異的対立遺伝子、あるい はそれと連鎖不均衡を示すそれらの変異体、同等物、またはミューテーションを使用する 方法であって、 10 前記SCN1A、SCN2AまたはSCN3A遺伝子が: a)配列番号1−2、5−32のヌクレオチド配列またはその機能的断片; b)配列番号33−34、37−64のヌクレオチド配列またはその機能的断片; c)配列番号65−66、69−98のヌクレオチド配列またはその機能的断片; d)配列番号3または4のSCN1Aナトリウムチャンネルタンパク質をコードするヌク レオチド配列またはその機能的断片; e)配列番号35または36のSCN2Aナトリウムチャンネルタンパク質をコードする ヌクレオチド配列またはその機能的断片; f)配列番号67または68のSCN3Aナトリウムチャンネルタンパク質をコードする ヌクレオチド配列またはその機能的断片; 20 から選択される方法。 【請求項27】 前記ヌクレオチド配列またはその機能的断片の少なくとも1つが: ( a ) S C N 1 A タ ン パ ク 質 を コ ー ド す る S C N 1 A ヌ ク レ オ チ ド に お け る Glu1238Aspの ミューテーション; ( b ) S C N 1 A タ ン パ ク 質 を コ ー ド す る S C N 1 A ヌ ク レ オ チ ド に お け る Ser1773Tyrの ミューテーション; ( c ) S C N 1 A タ ン パ ク 質 を コ ー ド す る S C N 1 A ヌ ク レ オ チ ド に お け る Asp188Valの ミューテーション; ( d ) S C N 2 A タ ン パ ク 質 を コ ー ド す る S C N 2 A ヌ ク レ オ チ ド に お け る Lys908Argの 30 ミューテーション; ( e ) S C N 2 A タ ン パ ク 質 を コ ー ド す る S C N 2 A ヌ ク レ オ チ ド に お け る Leu768Valの ミューテーション; ( f ) S C N 3 A タ ン パ ク 質 を コ ー ド す る S C N 3 A ヌ ク レ オ チ ド に お け る Asn43DELの ミ ューテーション; ( g ) S C N 3 A タ ン パ ク 質 を コ ー ド す る S C N 3 A ヌ ク レ オ チ ド に お け る Val1035Ileの ミューテーション; からなる群から選択されるてんかんと関連するミューテーションを含む請求項26に記載 の方法。 【請求項28】 40 (a)配列番号189−192から選択されるポリヌクレオチド配列; (b)配列番号1−2から選択されるポリヌクレオチド配列; (c)配列番号5−32から選択されるポリヌクレオチド配列; (d)配列番号3または4のアミノ酸配列を含むSCN1Aポリペプチドをコードするポ リヌクレオチド配列; (e) (a),(b),(c),または(d)におけるSCN1Aポリペプチドをコー ドするヌクレオチド配列のいずれかに完全に相補的なヌクレオチド配列; (f) (a),(b),(c),(d)または(e)のいずれかのヌクレオチド配列と 少 な く と も 9 5 %同 一 で あ る ヌ ク レ オ チ ド 配 列 ; (g)5×SSC、5×デンハルト溶液、1% SDS、及び100μg/ml変性キャ 50 (6) JP 2007-185199 A 2007.7.26 リアーDNAを含む溶液における、65℃で6−16時間に亘るハイブリダイゼーション を含む高度に厳密性を有する条件において、(a),(b),(c),(d),(e)ま たは(f)のヌクレオチド配列のいずれかにハイブリダイズするヌクレオチド配列、 からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列を含むSCN1Aナトリウムチャンネル のアルファサブユニットまたはその断片をコードする精製ヒトヌクレオチド分子。 【請求項29】 (a)配列番号307−309から選択されるポリヌクレオチド配列; (b)配列番号33−34から選択されるポリヌクレオチド配列; (c)配列番号37−64から選択されるポリヌクレオチド配列; (d)配列番号35または36のアミノ酸配列を含むSCN2Aポリペプチドをコードす 10 るポリヌクレオチド配列; (e) (a),(b),(c),または(d)におけるSCN2Aポリペプチドをコー ドするヌクレオチド配列のいずれかに完全に相補的なヌクレオチド配列; (f) (a),(b),(c),(d)または(e)のいずれかのヌクレオチド配列と 少 な く と も 9 5 %同 一 で あ る ヌ ク レ オ チ ド 配 列 ; (g)5×SSC、5×デンハルト溶液、1% SDS、及び100μg/ml変性キャ リアーDNAを含む溶液における、65℃で6−16時間に亘るハイブリダイゼーション を含む高度に厳密性を有する条件において、(a),(b),(c),(d),(e)ま たは(f)のヌクレオチド配列のいずれかにハイブリダイズするヌクレオチド配列、 からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列を含むSCN2Aナトリウムチャンネル 20 のアルファサブユニットまたはその断片をコードする精製ヒトヌクレオチド分子。 【請求項30】 (a)配列番号400−408から選択されるポリヌクレオチド配列; (b)配列番号65−66から選択されるポリヌクレオチド配列; (c)配列番号69−98から選択されるポリヌクレオチド配列; (d)配列番号67または68のアミノ酸配列を含むSCN3Aポリペプチドをコードす るポリヌクレオチド配列; (e) (a),(b),(c),または(d)におけるSCN3Aポリペプチドをコー ドするヌクレオチド配列のいずれかに完全に相補的なヌクレオチド配列; (f) (a),(b),(c),(d)または(e)のいずれかのヌクレオチド配列と 30 少 な く と も 9 5 %同 一 で あ る ヌ ク レ オ チ ド 配 列 ; (g)5×SSC、5×デンハルト溶液、1% SDS、及び100μg/ml変性キャ リアーDNAを含む溶液における、65℃で6−16時間に亘るハイブリダイゼーション を含む高度に厳密性を有する条件において、(a),(b),(c),(d),(e)ま たは(f)のヌクレオチド配列のいずれかにハイブリダイズするヌクレオチド配列、 からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列を含むSCN3Aナトリウムチャンネル のアルファサブユニットまたはその断片をコードする精製ヒトヌクレオチド分子。 【請求項31】 単離された請求項28から30のいずれか一項に記載のヌクレオチド分子を含む組換えベ クター。 40 【請求項32】 請求項31に記載のベクターを含有する細胞。 【請求項33】 前記SCN1A遺伝子が: a)配列番号1の828位におけるミューテーション; b)配列番号1の3978位におけるミューテーション; c)配列番号1の5581位におけるミューテーション; d)a)−c)のいずれかの組合せ; を含む、請求項1から11、26、若しくは27のいずれか一項に記載の方法、請求項1 2に記載のキット、または請求項28に記載の精製ヒトヌクレオチド分子。 50 (7) JP 2007-185199 A 2007.7.26 【請求項34】 前記828位におけるミューテーションがAからTへの置換である請求項33に記載の方 法、キット、または精製ヒトヌクレオチド分子。 【請求項35】 前記3978位におけるミューテーションがAからCへの置換である請求項33に記載の 方法、キット、または精製ヒトヌクレオチド分子。 【請求項36】 前記5581位におけるミューテーションがCからAへの置換である請求項33に記載の 方法、キット、または精製ヒトヌクレオチド分子。 【発明の詳細な説明】 10 【技術分野】 【0001】 本 発 明 は 、 て ん か ん に 関 す る 。 と り わ け 本 発 明 は 、 特 発 性 全 身 て ん か ん (IGE)に 関 し 、 及び患者におけるてんかんとの結びつきを示す第2染色体にマッピングする3のローカス の同定に関する。本発明はさらに、これらのローカスの核酸配列及びタンパク質配列、こ れらの配列における変異体及びミューテーション、並びにてんかんの評価、診断、予後、 または治療のためのその使用に関する。本発明はさらに、てんかん及び関連する神経学的 疾 患 に 対 す る 治 療 上 の 利 益 を 有 す る 化 合 物 を 同 定 で き る 、 SCN1A、 SCN2A及 び / ま た は SCN3 Aを 使 用 す る ス ク リ ー ニ ン グ ア ッ セ イ を 提 供 す る 。 【背景技術】 20 【0002】 て ん か ん は 、 全 体 の 集 団 の 約 0.1%に 生 ず る 、 最 も 一 般 的 な 神 経 学 的 疾 患 の 一 つ で あ る 。 この疾患は、痙攣の形態で一過的な大脳機能不全を導く脳における発作性の異常な電気的 放電によって特徴付けられる。痙攣は、てんかん性の放電が脳の一方の半球の一部に制限 される場合部分的であり、それが開始時に脳の両方の半球に関与する場合全身性であると 考 慮 さ れ る 。 て ん か ん 症 候 群 の 現 在 の 分 類 は 、 二 つ の 基 準 に 分 け ら れ る : 1)臨 床 上 及 び EE Gの 特 徴 に 従 っ て 、 開 始 時 に 全 身 性 ま た は 部 分 的 で あ る 痙 攣 タ イ プ ; 並 び に 2)特 発 性 、 原 因 不 明 、 且 つ 症 候 性 で あ る 病 因 。 症 候 性 の 痙 攣 は 、 脳 傷 害 、 CNS感 染 、 移 動 性 の 疾 患 、 及 び代謝性の疾患を含む、複数の異種の原因を有する。全身性であれ部分的であれてんかん を 有 す る 患 者 の 大 多 数 (65%)に お い て 、 基 礎 と な る 原 因 が 存 在 せ ず ( 特 発 性 ) 、 ま た は 原 30 因は隠されているか謎であると解される(原因不明)。また、特発性のてんかん症候群に おいては、痙攣以外の大脳の機能不全の証拠が存在せず、神経学的調査は正常である。こ の 後 者 の 群 に お い て 、 特 に 特 発 性 全 身 て ん か ん (IGE)に つ い て は 遺 伝 的 な 要 素 が 重 要 で あ る と い う 証 拠 が 現 在 増 大 し て い る 。 最 近 の 研 究 で は 、 Berkovic等 (1998)が 、 て ん か ん に つ い て 一 卵 性 双 生 児 全 体 で 62%の 一 致 割 合 を 示 し た 。 こ の 研 究 で は 、 IGEに つ い て の 76%と い う一致割合で、部分的なてんかんと比較して全身性のてんかんでより高い一致割合が見出 された。分子遺伝学的アプローチを使用する最近の研究は、ヒトにおけるてんかんについ ての多くの可能性のある遺伝子が、膜イオンチャンネル及び関連タンパク質に関与するこ と を 示 し て い る 。 こ れ ら の 研 究 は 、 二 つ の ロ ー カ ス [第 2 0 染 色 体 の EBN1、 KCNQ2遺 伝 子 ( カ リ ウ ム チ ャ ン ネ ル ) ; 並 び に 第 8 染 色 体 の EBN2、 KCNQ3遺 伝 子 ( こ れ も カ リ ウ ム チ ャ ン 40 ネ ル ) ]が 同 定 さ れ て い る 良 性 家 族 性 新 生 児 痙 攣 の 症 候 群 (Bievert等 , 1998; Charlier等 , 1998; Singh等 , 1998)、 並 び に 常 染 色 体 優 性 夜 行 性 前 頭 葉 て ん か ん [ADNFLE− 第 2 0 染 色 体 、 及 び CHRNA4遺 伝 子 ( ニ ュ ー ロ ン 性 ニ コ チ ン 酸 ア セ チ ル コ リ ン レ セ プ タ ー ア ル フ ァ 4 サ ブ ユ ニ ッ ト ) ]を 含 む (Steinlein等 , 1995)。 よ り 最 近 、 熱 性 痙 攣 を 有 す る 全 身 性 て ん か ん よ り な る 新 し い 症 候 群 (GEFS)の 臨 床 上 の 記 載 が 存 在 し た 。 て ん か ん 症 候 群 の 現 在 の 分 類 に 従 っ て 、 こ の 症 候 群 は 、 痙 攣 特 性 と 脳 波 記 録 的 特 性 に 基 づ い て 、 IGEの カ テ ゴ リ ー に 含 ま れ る で あ ろ う 。 し か し な が ら 、 熱 性 痙 攣 は 、 GEFSを 有 す る 全 て の 発 端 者 に 存 在 し 、 遺 伝 的 形 質 の パ タ ー ン は 、 明 ら か に 常 染 色 体 優 性 で あ り 、 そ れ は 通 常 の IGE表 現 型 の 一 部 で は な い 。 こ の 独 特 の GEFS症 候 群 は 、 脳 電 位 型 ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル (SCN1B)遺 伝 子 の ベ ー タ − 1 サ ブ ユ ニ ッ ト に お け る ミ ュ ー テ ー シ ョ ン と 関 連 し て い る こ と を 示 し た (Wallace等 , 1998 50 (8) JP 2007-185199 A 2007.7.26 )。 さ ら に 、 本 発 明 者 ら の グ ル ー プ を 含 む 3 の 異 な る グ ル ー プ が 、 こ の 特 異 的 な 症 候 群 (GE FS)を 有 す る 大 き な 血 縁 関 係 に お い て 第 2 染 色 体 の 別 の ロ ー カ ス を 同 定 し た 。 こ の 領 域 は 、 ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル の ア ル フ ァ サ ブ ユ ニ ッ ト (SCNA)の ク ラ ス タ ー を 含 む 、 多 く の 候 補 の遺伝子を含む。電位型ナトリウムチャンネルは、神経細胞及び筋肉における作用電位の 生 産 に お い て 重 要 な 役 割 を 果 た す 。 こ の ア ル フ ァ サ ブ ユ ニ ッ ト (SCNA)は 、 こ の チ ャ ン ネ ル の 主 要 な 構 成 成 分 で あ り 、 in vitroで 細 胞 に お い て 発 現 さ れ る 場 合 、 有 効 な チ ャ ン ネ ル を 生産するために十分であろう。実際、ベータ−1及び2サブユニットは、アルファサブユ ニットを効果的なチャンネルにするのに必要である。3種のサブユニットの役割は、主に ナトリウムの流れの迅速な不活性化により、チャンネルの運動特性を変更することであろ う 。 SCN1B遺 伝 子 に お い て GEFS症 候 群 で 見 出 さ れ る ミ ュ ー テ ー シ ョ ン は 、 ア ル フ ァ サ ブ ユ 10 ニ ッ ト と 共 発 現 さ れ た 場 合 、 正 常 な SCNB1に 比 較 し て ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル の 迅 速 な 不 活 性化を減少することが示された。これは、ミューテーションが、ヒトにおける痙攣を導く 脳の超興奮状態を誘導するメカニズムであろう。興味深いことに、抗痙攣薬のほとんどの 作用のメカニズムは、ニューロンの反復性の刺激化の減少を通じて生じるものであり、こ れは迅速な不活性化に依存することが周知である。これらの発見は、さらなるてんかん遺 伝子がイオンチャンネルのミューテーションによって同定される可能性を導く。 【0003】 か く し て 、 IGEが ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル (SCNA)に お け る ミ ュ ー テ ー シ ョ ン に よ っ て 引 き 起 こ さ れ る か ど う か を 同 定 す る 必 要 性 が 存 在 す る 。 SCNAの ミ ュ ー テ ー シ ョ ン が GEFと 関 連 す る か ど う か を 評 価 す る 必 要 性 も 存 在 す る 。 GEFSま た は IGEの 特 定 の 表 現 型 を 与 え る 、 ナ 20 ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル の 迅 速 な 不 活 性 化 に 影 響 す る ミ ュ ー テ ー シ ョ ン が 、 SCNA遺 伝 子 を 含 む 領域にリンクしているかどうかを決定する必要性も存在する。 【 非 特 許 文 献 1 】 Sambrook等 (1989, Molecular Cloning - A Laboratory Manual, Cold S pring Harbor Laboratories) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明は、これら及び他の必要性を適合することを求める。 【0005】 この記載は、数多くの文献を参照し、それらの内容は完全にここに参考として取り込ま 30 れる。 【課題を解決するための手段】 【0006】 一つの実施態様では、本発明は、てんかんの素因を測定するための遺伝学的アッセイに 関する。 【0007】 別の実施態様では、本発明は、てんかん及びその最適な治療を決定する(例えば、治療 モダリティーをガイドし、それによって特定の臨床上の状態に治療を最適化する)ための マーカーとしての、本発明のローカスの少なくとも一つまたはその同等物(例えば、本発 明のローカスと連鎖不均衡を示すローカス)の使用に関する。 40 【0008】 また別の実施態様では、本発明は、てんかんの治療及び/または予防のための薬剤をス クリーニングするアッセイに関する。特定の実施態様では、そのようなアッセイは、本発 明のローカスの一つでの周知の遺伝子型を有する患者から得た細胞を使用してデザインで き る 。 組 換 え ベ ク タ ー を 有 す る こ れ ら の 細 胞 は 、 SCN1A及 び / ま た は SCN2A及 び / ま た は SC N3A及 び そ の 組 み 合 わ せ の 機 能 性 の 評 価 を 可 能 と す る こ と が で き る 。 本 発 明 に 従 っ て 使 用 で き る ア ッ セ イ の 非 制 限 的 な 例 は 、 米 国 特 許 第 4,981,784号 に 記 載 さ れ た も の と 同 等 な cis -transア ッ セ イ を 含 む 。 【0009】 本発明のローカスの少なくとも一つの対立遺伝子変異の測定は、てんかんに関する素因 50 (9) JP 2007-185199 A 2007.7.26 とリンクした他の遺伝子/マーカーにおける対立遺伝子変異の測定と組み合わせることが できると解されるであろう。この遺伝子型分析の組み合わせは、てんかんのより優れた診 断プログラム及び/または治療を導くであろう。そのようなマーカーの非制限的な例は、 SCN1B、 EBN1、 KCNQ2、 EBN2、 KCNQ3、 ADNFLE及 び CHRA4を 含 む 。 【0010】 そ れ 故 、 本 発 明 に 従 っ て 、 SCN1A、 SCN2A及 び SCN3Aか ら な る 群 か ら 選 択 さ れ る 少 な く と も一つのローカスの遺伝子型を測定することを含む、てんかんに関する患者の素因を測定 する方法が提供される。一つの特定の実施態様では、本発明は、患者の生物学的サンプル 中 の 多 型 を 測 定 し 、 SCN1A、 SCN2A及 び SCN3Aか ら 選 択 さ れ る ロ ー カ ス の 少 な く と も 一 つ の 対立遺伝子変異を分析し、それによっててんかんに関する患者の素因を測定することを含 10 む、てんかんに関する患者の素因を決定する方法を提供する。 【0011】 本 発 明 に 従 っ て 、 SCN1A、 SCN2Aま た は SCN3Aタ ン パ ク 質 ま た は 遺 伝 子 の 測 定 可 能 な 生 物 学的活性を含むスクリーニングアッセイを実行し;試験化合物とスクリーニングアッセイ を 接 触 さ せ ; 並 び に 試 験 化 合 物 が SCN1A、 SCN2Aま た は SCN3Aタ ン パ ク 質 ま た は 遺 伝 子 の 生 物学的活性を調節するかどうかを検出することを含み、ここで生物学的活性を調節する試 験化合物は、治療上の効果を有する化合物である、てんかんまたは他の神経学的疾患に対 する治療効果を有する化合物を、化合物のライブラリーから同定するための方法を提供す る。 【0012】 20 ま た 、 本 発 明 は 、 SCN1A、 SCN2Aま た は SCN3Aタ ン パ ク 質 ま た は 遺 伝 子 の 測 定 可 能 な 生 物 学的活性を含むスクリーニングアッセイを実行し;試験化合物とスクリーニングアッセイ を 接 触 さ せ ; 並 び に 試 験 化 合 物 が SCN1A、 SCN2Aま た は SCN3Aタ ン パ ク 質 ま た は 遺 伝 子 の 生 物学的活性を調節するかどうかを検出することを含み、ここで生物学的活性を調節する試 験化合物は、治療上の効果を有する化合物である方法によって同定される、てんかんまた は他の神経学的疾患に対する治療上の効果を有する化合物を提供する。 【0013】 SCN1A、 SCN2A及 び SCN3Aは 、 ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル 、 ニ ュ ー ロ ン 性 タ イ プ I 、 ア ル フ ァ サ ブ ユ ニ ッ ト ア イ ソ フ ォ ー ム に つ い て の 遺 伝 子 及 び タ ン パ ク 質 を 指 し 、 OMIM # 182389(On line Mendelian Inheritance in Man)で 記 載 さ れ る 。 こ れ ら の 遺 伝 子 は 、 そ れ ぞ れ 脳 タ イ 30 プI、II及びIIIとしても周知である、脳における構造的に別個のナトリウムチャン ネルアルファサブユニットアイソフォームである。各種のアイソフォームについての遺伝 子 、 cDNA及 び タ ン パ ク 質 配 列 は 、 配 列 番 号 1 − 9 8 に 示 さ れ て い る 。 【0014】 遺伝子型を測定するための数多くの方法が、両業者に周知であり利用可能である。全て のこれらの遺伝子型測定法が、本発明の範囲内にある。本発明の方法の特定の実施態様で は 、 遺 伝 子 型 の 測 定 は 、 SCN1A、 SCN2A及 び SCN3Aか ら な る 群 か ら 選 択 さ れ る ロ ー カ ス の 一 つの部分の増幅を含み、特定の好ましい実施態様では、前記増幅はポリメラーゼ連鎖反応 を使用して実施される。 【0015】 40 特定の実施態様では、プライマーのペアが、本発明のマーカーの一つの部分を特異的に 増 幅 す る よ う に デ ザ イ ン さ れ る 。 こ の プ ラ イ マ ー の ペ ア は 好 ま し く は 、 SCN1A、 SCN2Aま た は SCN3Aの 部 分 を 増 幅 す る た め に ( ま た は 本 発 明 の ロ ー カ ス の 少 な く と も 一 つ と 連 鎖 不 均 衡 を 示 す ロ ー カ ス の 部 分 を 増 幅 す る た め に ) SCN1A、 SCN2Aま た は SCN3Aの 核 酸 配 列 か ら 、 またはこれらの遺伝子の隣接配列から由来する。数多くのプライマーがここで例示される 一 方 、 以 下 に 記 載 さ れ る SCN1A、 SCN2A及 び SCN3A核 酸 分 子 の 配 列 を 使 用 し て 、 他 の プ ラ イ マーペアがデザインできる。同様のものは、本発明のマーカーと連鎖不均衡を示すローカ スから得られるプライマーペアにも適用されるであろう。 【0016】 制 限 断 片 長 多 型 は 、 SCN1A、 SCN2A及 び SCN3Aロ ー カ ス ( 及 び そ の 同 等 物 ) で の 多 型 を 測 50 (10) JP 2007-185199 A 2007.7.26 定するために使用できる。 【0017】 ヒ ト SCN1A、 SCN2A及 び SCN3Aは 、 本 発 明 に 従 っ た 好 ま し い 配 列 ( 核 酸 及 び タ ン パ ク 質 ) である一方、本発明はそれに制限されるべきではない。実際、進化を通じたこれらの遺伝 子の有意な変換の観点から、異なる種、好ましくは哺乳動物種から得た配列が、本発明の ア ッ セ イ に お い て 使 用 で き る で あ ろ う 。 一 つ の 非 制 限 的 な 例 は 、 ヒ ト SCN1A遺 伝 子 と 95%の 同 一 性 を 示 す ラ ッ ト SCN1Aオ ー ソ ロ ー グ 遺 伝 子 で あ る 。 マ ウ ス SCN1A遺 伝 子 の 有 意 な 変 換 も ま た 、 OMIMで 観 察 で き る ( 前 記 参 照 ) 。 【0018】 ここでの記載に使用される用語の明確で一致した理解を提供するための、数多くの定義 10 を以下に提供する。 【0019】 こ こ で 使 用 さ れ る 用 語 、 「 RFLP」 は 、 制 限 断 片 長 多 型 を 指 す 。 【0020】 用 語 、 「 多 型 」 「 DNA多 型 」 等 は 、 集 団 に お い て 一 つ よ り 多 い 変 形 ま た は 変 異 で 存 在 す るヒトゲノムにおけるいずれかの配列を指す。 【0021】 用 語 、 「 連 鎖 非 平 衡 」 は 、 二 つ の ロ ー カ ス の 物 理 的 近 接 性 の た め 、 二 つ の 異 な る 多 型 DN A配 列 の 一 つ 以 上 の 対 立 遺 伝 子 の 間 の い ず れ か の 度 合 い の ラ ン ダ ム で な い 遺 伝 学 的 会 合 を 指 す 。 非 平 衡 な リ ン ク は 、 一 つ の 部 分 に お け る DNA多 型 ( ま た は マ ー カ ー ) の 対 立 遺 伝 子 20 が 、 近 接 す る 他 の DNA部 分 に 位 置 す る 異 な る DNA多 型 ( ま た は マ ー カ ー ) の 対 立 遺 伝 子 と ラ ン ダ ム で な い 会 合 を 示 す 結 果 と し て 、 所 定 の 染 色 体 上 で 互 い に 非 常 に 近 接 し た 二 つ の DNA 部 分 が 、 数 世 代 の 間 で 分 離 し な い こ と を 維 持 す る 傾 向 に あ る 場 合 に 存 在 す る 。 よ っ て 、 SC N1A、 SCN2A及 び / ま た は SCN3A遺 伝 子 で の 本 発 明 の 多 型 と 連 鎖 不 均 衡 を 示 す マ ー カ ー の 試 験 ( 間 接 的 試 験 ) は 、 直 接 的 な SCN1A、 SCN2A及 び SCN3A多 型 に つ い て の 試 験 と ほ ぼ 同 じ 情 報 を 与 え る で あ ろ う 。 互 い に 非 常 に 近 接 す る 二 つ の DNA多 型 が 研 究 さ れ る 場 合 に 、 ヒ ト ゲ ノムを通じてこの状況に遭遇する。連鎖不均衡は、当該技術分野で周知であり、各種の度 合いの連鎖不均衡が、あるものが他のものとより緊密に会合するように、二つの遺伝学的 マーカーの間で遭遇することができる。 【0022】 30 SCN1A、 SCN2A及 び / ま た は SCN3A遺 伝 子 に お い て こ こ で 同 定 さ れ た 多 型 ま た は ミ ュ ー テ ーションのいくつかが、前記遺伝子のコード領域内に存在し、それ故発現されるため、本 発 明 は DNAの レ ベ ル ( ゲ ノ ム DNA、 増 幅 化 DNA、 cDNA等 の い ず れ か で ) で の 多 型 / ミ ュ ー テ ーションの同定に制限されるべきではないことは、当業者に認識されるであろう。実際、 こ こ で 同 定 さ れ る 多 型 及 び / ま た は ミ ュ ー テ ー シ ョ ン は 、 mRNAま た は タ ン パ ク 質 の レ ベ ル で 検 出 す る こ と が で き る 。 そ の よ う な mRNAま た は タ ン パ ク 質 で の 多 型 の 同 定 の 検 出 は 、 本 発 明 が 属 す る 技 術 分 野 で 周 知 で あ る 。 非 制 限 的 な 例 と し て 、 mRNAに ハ イ ブ リ ダ イ ズ す る よ うに定められたオリゴ、またはコードされる多型に特異的(即ち、別個の多型によってコ ードされるタンパク質断片に特異的な)な抗体のようなリガンドに基づく検出が含まれる 。 40 【0023】 ヌ ク レ オ チ ド 配 列 は 、 当 該 技 術 分 野 で 一 般 的 に 使 用 さ れ 、 IUPAC-IUB Biochemical Nome nclature Commissionの 推 奨 に 従 っ て 、 一 文 字 ヌ ク レ オ チ ド 記 号 を 使 用 し て 、 左 か ら 右 に 5 'か ら 3'方 向 で 、 一 本 の 鎖 に よ っ て こ こ で 提 示 さ れ る 。 【0024】 他に規定がなければ、ここで使用される化学的及び技術的な用語及び命名は、本発明が 属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に 、細胞培養の方法、感染、分子生物学的方法等は、当該技術分野で使用される一般的方法 で あ る 。 そ の よ う な 標 準 法 は 、 例 え ば Sambrook等 (1989, Molecular Cloning - A Laborat ory Manual, Cold Spring Harbor Laboratories)及 び Ausubel等 (1994, Current Protocol 50 (11) JP 2007-185199 A 2007.7.26 s in Molecular Biology, Wiley, New York)の よ う な 参 考 文 献 に 見 出 す こ と が で き る 。 【0025】 こ こ で の 記 載 は 、 通 常 使 用 さ れ る 数 多 く の 組 換 え DNA(rDNA)技 術 の 用 語 を 指 す 。 言 う ま で も な く 、 そ の よ う な rDNAの 用 語 の 選 択 さ れ た 例 の 定 義 は 、 明 確 性 及 び 一 致 性 の た め 提 供 される。 【0026】 ここで使用される用語、「核酸分子」は、ヌクレオチドのポリマーを指す。その非制限 的 な 例 は 、 DNA( 即 ち 、 ゲ ノ ム DNA、 cDNA) 、 RNA分 子 ( 即 ち mRNA) 及 び DNAと RNAの キ メ ラ を 含 む 。 核 酸 分 子 は 、 ク ロ ー ニ ン グ 法 に よ っ て 得 ら れ 、 合 成 に よ っ て も 得 ら れ 得 る 。 DNA は 二 本 鎖 で も 一 本 鎖 ( コ ー ド 鎖 ま た は 非 コ ー ド 鎖 [ア ン チ セ ン ス ]) で も 良 い 。 10 【0027】 当 該 技 術 分 野 で 周 知 の 用 語 、 「 組 換 え DNA」 は 、 DNA部 分 の 結 合 か ら 生 じ た DNA分 子 を 指 す。これは、遺伝学的操作をしばしば指す。 【0028】 用 語 、 「 DNA部 分 」 は 、 ヌ ク レ オ チ ド の 直 線 状 ス ト レ ッ チ ま た は 配 列 を 含 む DNA分 子 を 指 すようにここで使用される。遺伝学的コードに従って読み取られる配列は、ポリペプチド 、タンパク質、タンパク質断片等と称され得るアミノ酸の直線状ストレッチまたは配列を コードできる。 【0029】 用語、「増幅ペア」は、本発明のオリゴヌクレオチド(オリゴ)のペアをここで指し、 20 それは各種のタイプの増幅法の一つ、好ましくはポリメラーゼ連鎖反応によって選択され た核酸配列を増幅する際に共に使用されるように選択される。他のタイプの増幅法は、以 下により詳細に説明される、リガーゼ連鎖反応、鎖脱着増幅、核酸配列ベース増幅が含ま れる。当該技術分野で周知のように、オリゴは選択された条件の下で相補的配列に結合す るようにデザインされる。 【0030】 本 発 明 を 実 施 す る た め の 核 酸 ( 即 ち DNA、 RNAま た は そ れ ら の キ メ ラ ) は 、 周 知 の 方 法 に 従って得られて良い。 【0031】 本発明のオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーは、特定のアッセイフォーマッ 30 ト、及び特定の必要性、及び使用される標的ゲノムに依存して、いずれかの適切な長さを 有 し て 良 い 。 一 般 的 に 、 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ ま た は プ ラ イ マ ー は 、 少 な く と も 12 ヌ ク レ オ チ ド の 長 さ 、 好 ま し く は 15か ら 24分 子 の 間 で あ り 、 そ れ ら は 選 択 さ れ た 核 酸 増 幅 システムに特に適するように採用されて良い。当該技術分野で一般的に周知のように、オ リゴヌクレオチドプローブ及びプライマーは、その標的化配列とのはハイブリダイゼーシ ョ ン の 融 点 を 考 慮 す る こ と に よ っ て デ ザ イ ン で き る ( 以 下 参 照 、 及 び Sambrook等 , 1989, Molecular Cloning - A Laboratory Manual, 第 2 版 , CSH Laboratories; Ausubel等 , 19 89, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Inc., N.Y.参 照 ) 。 【0032】 用 語 、 「 DNA」 分 子 ま た は 配 列 ( 並 び に 場 合 に よ り 用 語 、 「 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 」 ) は 40 、 デ オ キ シ リ ボ ヌ ク レ オ チ ド 、 ア デ ニ ン (A)、 グ ア ニ ン (G)、 チ ミ ン (T)及 び / ま た は シ ト シ ン (C)を 含 む 分 子 を 指 す 。 場 合 に よ り 、 二 本 鎖 形 態 に お い て 、 そ れ は こ こ で 定 義 さ れ る 用語である、本発明に従った「調節エレメント」を含むまたは取り込む。用語、「オリゴ ヌ ク レ オ チ ド 」 ま た は 「 DNA」 は 、 直 鎖 状 DNA分 子 ま た は 断 片 、 ウ イ ル ス 、 プ ラ ス ミ ド 、 ベ ク タ ー 、 染 色 体 ま た は 合 成 由 来 の DNAに お い て 見 出 す こ と が で き る 。 こ こ で 使 用 さ れ る よ う な 特 定 の 二 本 鎖 DNA配 列 は 、 5'か ら 3'方 向 の 配 列 の み を 与 え る 通 常 の 変 換 に 従 っ て 記 載 さ れ て 良 い 。 も ち ろ ん 周 知 な よ う に 、 DNA分 子 ま た は 配 列 は し ば し ば 一 本 鎖 形 態 で 存 在 す る。 【0033】 「核酸ハイブリダイゼーション」は一般的に、適切な条件の下で熱力学的に嗜好する二 50 (12) JP 2007-185199 A 2007.7.26 本鎖構造を形成する、相補的塩基配列を有する二つの一本鎖核酸分子のハイブリダイゼー ションを指す。ハイブリダイゼーション条件の例は、前述の二つの実験室マニュアルに見 出 さ れ (Sambrook等 , 1989, 前 記 参 照 及 び Ausubel等 , 1989, 前 記 参 照 )、 当 該 技 術 分 野 で 一般的に周知である。例えば周知のサザンブロッティング法において、ニトロセルロース フ ィ ル タ ー へ の ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン の 場 合 、 50%ホ ル ム ア ミ ド 、 高 い 塩 (5× SSCま た は 5× SSPE)、 5× デ ン ハ ル ト 溶 液 、 1% SDS、 及 び 100μ g/ml変 性 キ ャ リ ア ー DNA( 即 ち サ ケ 精 子 DNA) を 含 む 溶 液 に お い て 、 ニ ト ロ セ ル ロ ー ス フ ィ ル タ ー を ラ ベ ル 化 プ ロ ー ブ と 共 に 65 ℃で一晩インキュベートすることができる。次いで非特異的に結合するプローブは、所望 の 厳 密 性 の 観 点 で 選 択 さ れ た 温 度 : 室 温 ( 低 い 厳 密 性 ) 、 42℃ ( 中 程 度 の 厳 密 性 ) ま た は 65℃ ( 高 い 厳 密 性 ) で 、 0.2× SSC/ 0.1% SDSに お け る 数 回 の 洗 浄 に よ っ て フ ィ ル タ ー か ら 10 洗 い 流 す こ と が で き る 。 選 択 さ れ た 温 度 は 、 DNAハ イ ブ リ ッ ド の 融 点 (Tm)に 基 づ く 。 も ち ろ ん 、 RNA-DNAハ イ ブ リ ッ ド は 、 形 成 し 検 出 す る こ と が で き る 。 そ の よ う な 場 合 、 ハ イ ブ リダイゼーション及び洗浄の条件は、当業者によって周知の方法に従って採用できる。厳 密 な 条 件 が 、 好 ま し く は 使 用 さ れ る (Sambrook等 , 1989, 前 記 参 照 ) 。 【0034】 本発明のプローブは、天然で存在する糖−リン酸骨格、並びにホスホロチオアート、ジ チ オ ナ ー ト 、 ア ル キ ル ホ ス ホ ナ ー ト 、 及 び ア ル フ ァ -ヌ ク レ オ チ ド 等 を 含 む 修 飾 骨 格 で 使 用 で き る 。 変 性 糖 − リ ン 酸 骨 格 は 、 Miller, 1988, Ann. Reports Med. Chem. 23: 295及 び Moran等 , 1987, Nucleic Acids Res., 14: 5019に よ っ て 一 般 的 に 教 示 さ れ る 。 本 発 明 の プ ロ ー ブ は 、 リ ボ 核 酸 (RNA)ま た は デ オ キ シ リ ボ 核 酸 (DNA)の ぞ れ ぞ れ よ り 構 築 す る こ と 20 が で き 、 好 ま し く は DNAよ り 構 築 で き る 。 【0035】 プ ロ ー ブ が 使 用 で き る 検 出 方 法 の タ イ プ は 、 サ ザ ン ブ ロ ッ ト ( DNA検 出 ) 、 ド ッ ト ま た は ス ロ ッ ト ブ ロ ッ ト ( DNA、 RNA) 及 び ノ ー ザ ン ブ ロ ッ ト ( RNA検 出 ) を 含 む 。 あ ま り 好 ま しくはないが、ラベル化タンパク質もまた、それが結合する特定の核酸配列を検出するた め に 使 用 で き る 。 よ り 最 近 、 PNAが 記 載 さ れ て い る (Nielsen等 , 1999, Current Opin. Bio technol. 10: 71-75)。 PNAは 、 本 発 明 の 多 型 を 検 出 す る た め に 使 用 で き る 。 他 の 検 出 法 は 、ディップスティックセットアップにプローブを含むキット等を含む。 【0036】 本発明は、特定の核酸配列の検出ためのラベルの使用に特に依存しないが、そのような 30 ラベルは、検出の感度を増大することによって有益であろう。さらに、それは自動化を可 能 に す る 。 プ ロ ー ブ は 、 多 く の 周 知 に 方 法 に 従 っ て ラ ベ ル で き る (Sambrook等 , 1989, 前 記 参 照 )。 ラ ベ ル の 非 制 限 的 な 例 は 、 3H、 14C、 32P及 び 35Sを 含 む 。 検 出 可 能 な マ ー カ ー の 非制限的な例は、リガンド、フルオロホア、化学発光薬、酵素、及び抗体を含む。本発明 の方法の感度を増大可能である、プローブと共に使用するための他の検出可能なマーカー は、ビオチン及び放射性ヌクレオチドを含む。特定のラベルの選択は、それはプローブに 結合する態様に支配されることは当業者に明白であろう。 【0037】 一般的に周知なように、放射性活性ヌクレオチドは、いくつかの方法によって本発明に プ ロ ー ブ 内 に 取 り 込 む こ と が で き る 。 そ の 非 制 限 的 な 例 は 、 ガ ン マ 32P ATPと ポ リ ヌ ク レ 40 オ チ ド キ ナ ー ゼ を 使 用 す る プ ロ ー ブ の 5'末 端 へ の リ ン 酸 化 、 放 射 性 活 性 dNTPの 存 在 下 で 大 腸 菌 の Pol Iの ク レ ノ ー 断 片 の 使 用 ( 即 ち 、 低 融 解 性 ゲ ル に お け る ラ ン ダ ム オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ラ イ マ ー を 使 用 す る 不 均 一 に ラ ベ ル 化 さ れ た DNAプ ロ ー ブ ) 、 一 つ 以 上 の 放 射 性 活 性 NTPの 存 在 下 で の DNA部 分 の 転 写 の た め の SP6/T7シ ス テ ム の 使 用 等 を 含 む 。 【0038】 ここで使用される、「オリゴヌクレオチド」または「オリゴ」は、二つ以上のヌクレオ チド(リボまたはデオキシリボヌクレオチド)を有する分子を規定する。オリゴのサイズ は、特定の状況によって支配され、最終的にその特定の使用に依存し、従って当業者によ って採用されるであろう。オリゴヌクレオチドは、周知の方法に従って化学的に合成でき 、またはクローニングによって由来できる。 50 (13) JP 2007-185199 A 2007.7.26 【0039】 ここで使用される「プライマー」は、標的配列にアニールし、それによって適切な条件 下で核酸合成のための開始点として機能できる二本鎖領域を作製できるオリゴヌクレオチ ドを規定する。 【0040】 選択されたまたは標的核酸配列の増幅は、数多くの適切な方法によって実行されて良い 。 一 般 的 に Kwoh等 , 1999, Am. Biotechnol. Lab. 8: 14-25参 照 。 数 多 く の 増 幅 法 が 記 載 されており、当業者の特定の必要性に適合するように容易に採用できる。増幅法の非制限 的 な 例 は 、 ポ リ メ ラ ー ゼ 連 鎖 反 応 (PCR)、 リ ガ ー ゼ 連 鎖 反 応 (LCR)、 鎖 脱 着 増 幅 (SDA)、 転 写 ベ ー ス 増 幅 、 Q-ベ ー タ レ プ リ カ ー ゼ シ ス テ ム 、 及 び NASBAを 含 む (Kwoh等 , 1989, Proc. 10 Natl. Acad. Sci. USA 86, 1173-1177; Lizardi等 , 1988, BioTechnology 6: 1197-1202; Malek等 , 1994, Methods Mol. Biol., 28: 253-260;並 び に Sambrook等 , 1989, 前 記 参 照 )。 好 ま し く は 、 増 幅 は PCRを 使 用 し て 実 施 さ れ る で あ ろ う 。 【0041】 ポ リ メ ラ ー ゼ 連 鎖 反 応 は 、 周 知 の 方 法 に 従 っ て 実 施 さ れ る 。 例 え ば 米 国 特 許 第 4,683,19 5号 ; 第 4,683,202号 ; 第 4,800,159号 ; 及 び 第 4,965,188号 参 照 ( 全 て の 三 種 の 米 国 特 許 の 開 示 は 、 参 考 と し て こ こ に 取 り 込 ま れ る ) 。 一 般 的 に PCRは 、 検 出 さ れ る 特 異 的 配 列 の 各 鎖に対する一つのオリゴヌクレオチドプライマーでの、ハイブリダイゼーション条件下で の 核 酸 サ ン プ ル ( 例 え ば 、 熱 安 定 性 DNAポ リ メ ラ ー ゼ の 存 在 下 で ) の 処 理 を 含 む 。 合 成 さ れる各プライマーの伸長産物は、ハイブリダイズする特異的配列の各鎖に十分相補的なプ 20 ライマーと、二つの核酸鎖のそれぞれに対して相補的である。各プライマーから合成され た伸長産物はまた、同じプライマーを使用する伸長産物のさらなる合成のためのテンプレ ートとして機能できる。伸長産物の合成の十分に多いラウンドに引き続き、検出される配 列または配列類が存在するかどうかを評価するためにサンプルを分析する。増幅か配列の 検 出 は 、 ゲ ル 電 気 泳 動 に 引 き 続 く EtBrで の 染 色 の 後 の 視 覚 化 、 ま た は 周 知 の 方 法 に 従 っ た 検 出 可 能 な ラ ベ ル の 使 用 等 に よ っ て 実 施 さ れ て 良 い (PCR Protocols, A guide to Methods and Amplifications, Michael等 編 , Acad. Press, 1990)。 【0042】 リ ガ ー ゼ 連 鎖 反 応 (LCR)は 、 周 知 の 方 法 に 従 っ て 実 施 さ れ る (Weiss, 1991, Science 254 : 1292)。 所 望 の 必 要 性 に 適 合 す る プ ロ ト コ ー ル の 採 用 は 、 当 業 者 に よ っ て 実 施 で き る 。 30 鎖 脱 着 増 幅 (SDA)も ま た 、 周 知 の 方 法 に 従 っ て 実 施 さ れ 、 特 定 の 必 要 性 に 適 合 す る よ う に そ れ を 採 用 で き る (Walker等 , 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 392-396; 並 び に i bid., 1992, Nucleic Acids Res. 20: 1691-1696)。 【0043】 ここで使用される用語、「遺伝子」は、当該技術分野で周知であり、単一のタンパク質 またはポリペプチドを規定する核酸配列に関する。「構造的遺伝子」は、特異的なアミノ 酸 配 列 を 有 し 、 そ れ に よ っ て 特 異 的 な ポ リ ペ プ チ ド ま た は タ ン パ ク 質 を 生 じ る 、 RNAに 転 写 さ れ て タ ン パ ク 質 補 翻 訳 さ れ る DNA配 列 を 規 定 す る 。 本 発 明 の 核 酸 配 列 は 、 当 該 技 術 分 野で周知である数多くの確立されたキットフォーマットのいずれかにおいて取り込まれ得 ることは、当業者に容易に認識されるであろう。 40 【0044】 DNA分 子 の 「 異 種 」 ( 即 ち 異 種 遺 伝 子 ) 領 域 は 、 天 然 で そ れ と 会 合 し て い る と 見 出 さ れ な い よ り 大 き い 部 分 内 の DNAの 一 部 分 で あ る 。 用 語 、 「 異 種 」 は 、 天 然 で 共 に 結 合 し て い ない二つのポリペプチド部分を規定するために同じように使用できる。異種遺伝子の非制 限的な例は、異種コントロール領域または異種ポリペプチドに並列または結合できる、ル シ フ ェ ラ ー ゼ 、 ク ロ ラ ム フ ェ ニ コ ー ル ア セ チ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 、 ベ ー タ -ガ ラ ク ト シ ダーゼ等のようなレポーター遺伝子を含む。 【0045】 用 語 、 「 ベ ク タ ー 」 は 、 当 該 技 術 分 野 で 一 般 的 に 周 知 で あ り 、 プ ラ ス ミ ド DNA、 フ ァ ー ジ DNA、 ウ イ ル ス DNA等 を 規 定 し 、 そ れ ら は 本 発 明 の DNAを ク ロ ー ン 化 で き る DNAビ ヒ ク ル と 50 (14) JP 2007-185199 A 2007.7.26 して機能できる。 【0046】 用 語 、 「 発 現 」 は 、 遺 伝 子 が mRNAに 転 写 さ れ ( 転 写 ) 、 次 い で mRNAが 一 つ 以 上 の ポ リ ペ プチド(またはタンパク質)に翻訳される(翻訳)プロセスを規定する。 【0047】 用語、「発現ベクター」は、宿主内へのトランスフォーメーションに引き続き、挿入さ れた配列の発現を可能にするように定められた、前述のベクターまたはビヒクルを指す。 クローン化遺伝子(挿入された配列)は、プロモーター配列のようなコントロールエレメ ント配列の制御の下に通常配置される。そのようなコントロール配列の下へのクローン化 遺伝子の配置は、コントロールエレメントまたは配列に機能的に結合しているとしばしば 10 称される。 【0048】 機 能 的 に 結 合 し た 配 列 は 、 同 じ RNA転 写 産 物 に 転 写 さ れ る 二 つ の 部 分 を 含 ん で も 良 い 。 かくして、プロモーターと「レポーター配列」のような二つの配列は、プロモーターに指 導 さ れ る 転 写 が 、 レ ポ ー タ ー 配 列 の RNA転 写 物 を 生 産 す る 場 合 に 、 機 能 的 に 結 合 し て い る 。「機能的に結合している」ためには、二つの配列が互いにすぐ隣接していることは必要 ではない。 【0049】 発現コントロール配列は、ベクターが原核生物または真核生物宿主または両者(シャト ルベクター)において、機能的に結合した遺伝子を発現するようにデザインされるかどう 20 かに依存して変化し、エンハンサーエレメント、終結配列、組織特異的エレメント、及び /または翻訳開始部位及び終結部位のような転写エレメントをさらに含んでも良い。 【0050】 原 核 生 物 で の 発 現 は 、 興 味 あ る DNA配 列 に よ っ て コ ー ド さ れ る タ ン パ ク 質 を 大 量 に 調 製 するために有用である。このタンパク質は、サイズ及び電荷のようなその固有の特性を利 用 す る 標 準 的 プ ロ ト コ ー ル ( 即 ち 、 SDSゲ ル 電 気 泳 動 、 ゲ ル 濾 過 、 遠 心 分 離 、 イ オ ン 交 換 クロマトグラフィー等)に従って精製できる。さらに興味あるタンパク質は、ポリクロー ナルまたはモノクローナル抗体を使用するアフィニティークロマトグラフィーにより精製 できる。精製されたタンパク質は、治療上の応用のために使用できる。 【0051】 30 DNA構 築 物 は 、 本 発 明 の オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 に 機 能 的 に 結 合 し た プ ロ モ ー タ ー を 含 むベクターであっても良く、それは次に、ルシフェラーゼレポーター分子のための遺伝子 の よ う な 異 種 遺 伝 子 に 機 能 的 に 結 合 す る 。 「 プ ロ モ ー タ ー 」 は 、 細 胞 内 の RNAポ リ メ ラ ー ゼ に 直 接 ま た は 間 接 に 結 合 で き 、 下 流 ( 3'方 向 ) の コ ー ド 配 列 の 転 写 を 開 始 す る こ と が で き る DNA調 節 領 域 を 指 す 。 本 発 明 の 目 的 の た め に 、 プ ロ モ ー タ ー は そ の 3'末 端 で 転 写 開 始 部位に結合し、検出可能な前述のバックグランドのレベルで転写を開始するのに必要な最 小 数 の 塩 基 ま た は エ レ メ ン ト を 含 む よ う に 上 流 (5'方 向 )に 延 び る 。 プ ロ モ ー タ ー の 内 部 で は 、 転 写 開 始 部 位 ( S1ヌ ク レ ア ー ゼ で マ ッ ピ ン グ す る こ と に よ り 簡 便 に 規 定 さ れ る ) 、 並 び に RNAポ リ メ ラ ー ゼ の 結 合 に 関 与 す る タ ン パ ク 質 結 合 ド メ イ ン ( コ ン セ ン サ ス 配 列 ) が 見 出 さ れ る で あ ろ う 。 真 核 生 物 プ ロ モ ー タ ー は 、 常 に で は な い が し ば し ば 「 TATA」 ボ ッ ク 40 ス 及 び 「 CCAT」 ボ ッ ク ス を 含 む で あ ろ う 。 原 核 生 物 プ ロ モ ー タ ー は 、 -10及 び -35コ ン セ ン サス配列に加えてシャインダルガノ配列を含む。 【0052】 本 発 明 の 一 つ の 実 施 態 様 に 従 っ て 、 発 現 ベ ク タ ー は 、 SCN1A、 SCN2A及 び SCN3Aナ ト リ ウ ムチャンネルの特異的対立遺伝子の機能性を評価するように構築できる。そのような発現 ベクターの非制限的な例は、本発明に従ったナトリウムチャンネル(またはその一部)の 一つをコードする核酸配列を含むベクターを含む。これらのベクターは、細胞内にトラン スフェクトできる。本発明に従ったナトリウムチャンネルのアルファサブユニットの配列 、並びにそれらの構造−機能相関関係は、当業者に周知の数多くの方法によって評価でき る 。 一 つ の 非 制 限 的 な 例 は 、 β -1及 び β -2サ ブ ユ ニ ッ ト と 、 本 発 明 に 従 っ た ア ル フ ァ サ ブ 50 (15) JP 2007-185199 A 2007.7.26 ユニットの配列を発現する細胞の使用を含む。例えば、てんかんにリンクしたミューテー ションを有するアルファサブユニットを、コントロールとして当該ミューテーションを欠 く配列と比較できる。そのような細胞において、ナトリウムチャンネルの機能性を、当業 者に周知なように試験でき、これらの細胞は、ナトリウムチャンネルの活性を調節できる 試薬のスクリーニングのために使用できる。例えば、ナトリウムチャンネルの超興奮状態 を減少するであろう試薬を試験し選択できる(例えば、迅速な不活性化の減少)。他のナ トリウムチャンネルに影響することが当業者に周知である試薬が、例えば分離的にまたは バ ッ チ で 試 験 で き る 。 も ち ろ ん 、 こ れ ら の 細 胞 に よ っ て 発 現 さ れ る SCN1A、 SCN2A及 び / ま た は SCN3A遺 伝 子 は 、 随 意 に 修 飾 で き る ( 例 え ば 、 in vitroミ ュ ー タ ジ ェ ネ シ ス 等 に よ っ て)と解されるであろう。 10 【0053】 ここで使用される用語、「機能的な誘導体」は、核酸またはアミノ酸配列であれ配列、 起源となる配列のものと実質的に同等である生物学的活性(機能または構造のいずれか; 例えばナトリウムチャンネル機能または構造)を維持する分子の機能的な誘導体の意味を 表す。この機能的な誘導体または同等物は、天然誘導体でも良く、または合成的に調製さ れても良い。そのような誘導体は、タンパク質の生物学的活性が保存されていることを条 件に、一つ以上のアミノ酸の置換、欠失、または付加を有するアミノ酸配列を含む。同じ ことは、配列の生物学的活性が一般的に維持されていることを条件に、一つ以上のヌクレ オチドの置換、欠失、または付加を有することができる核酸配列の誘導体にも当てはまる 。タンパク質配列に関する場合、置換しているアミノ酸は一般的に、置換されたアミノ酸 20 のものと同様である物理化学的特性を有する。同様な物理化学的特性は、電荷の同等性、 大きさ、疎水性、親水性等を含む。用語、「機能的な誘導体」は、本発明の主題の「断片 」、「部分」、「変異体」、「類似体」または「化学的誘導体を含むように企図される。 アミノ酸の遺伝学的コード、物理化学的特徴、保存的ミューテーションと非保存的ミュー テーションに関する教示は、当該技術分野で周知である。そのような情報を教示する文献 の 非 制 限 的 な 例 は 、 Stryer, Biochemistry, 第 3 版 ;及 び Lehninger, Biochemistry, 第 3 版 で あ る 。 本 発 明 の 機 能 的 な 誘 導 体 は 、 化 学 的 に 合 成 す る こ と が で き 、 ま た は 組 換 え DNA 法を通じて生産することができ、全てのこれらの方法は当該技術分野で周知である。 【0054】 用語、「変異体」は、本発明のタンパク質または核酸と構造及び生物学的活性において 30 実質的に同等であるタンパク質または核酸分子をここで指す。 【0055】 ここで使用される「化学的誘導体」は、本発明の主題の通常は一部ではないさらなる化 学的部分を包含するように意味する。そのような部分は、誘導体の物理化学的特性に影響 す る で あ ろ う ( 即 ち 、 可 溶 性 、 吸 着 性 、 半 減 期 、 毒 性 の 減 少 等 ) 。 そ の よ う な 部 分 は 、 Re mington's Pharmaceutical Science (1980)に 例 示 さ れ て い る 。 ポ リ ペ プ チ ド ま た は 核 酸 配列にこれらの物理化学的部分を結合する方法は、当該技術分野で周知である。 【0056】 用語、「対立遺伝子」は、染色体の所定のローカスを示す遺伝の別の形態を規定する。 【0057】 40 通常知られているように、「ミューテーション」は、娘細胞に伝達できる遺伝学的物質 中の検出可能な変化である。周知のように、ミューテーションは、例えば一つ以上のデオ キシリボヌクレオチドにおける検出可能な変化であっても良い。例えばヌクレオチドは、 新たな部分の付加、欠失、置換、逆転、またはトランスポーズであって良い。自発的なミ ューテーション、及び実験的に誘導されたミューテーションが存在する。核酸分子のミュ ーテーションの結果は、ミュータント核酸分子である。ミュータントポリペプチドは、こ のミュータント核酸分子からコードされることができる。 【0058】 ここで使用される用語、「精製された」は、細胞構成成分から分離されている分子を指 す。かくして例えば、「精製タンパク質」は、天然で見出されないレベルに精製されてい 50 (16) JP 2007-185199 A 2007.7.26 る。「実質的に精製された」分子は、全ての他の細胞構成成分を欠いている分子である。 【0059】 こ こ で 使 用 さ れ る 「 SCNA生 物 学 的 活 性 」 は 、 SCN1A、 SCN2Aま た は SCN3A遺 伝 子 ま た は タ ン パ ク 質 ( こ こ で は 場 合 に よ り SCNA遺 伝 子 ま た は SCNAタ ン パ ク 質 を 集 合 的 に 称 さ れ る ) の い ず れ か の 検 出 可 能 な 生 物 学 的 活 性 を 指 す 。 こ れ は 、 SCNA遺 伝 子 ま た は タ ン パ ク 質 に 寄 与 可能ないずれかの生理学的機能を含む。それは、ナトリウムまたは関連イオンの流失であ る SCNAタ ン パ ク 質 の 特 異 的 な 生 物 学 的 活 性 を 含 む こ と が で き る 。 こ れ は 、 1)チ ャ ン ネ ル を 開 く の に 必 要 な 膜 脱 分 極 の 強 さ の 測 定 値 で あ る 活 性 化 の 電 位 差 依 存 性 、 2)残 余 の 膜 電 位 で 開くのに利用可能なチャンネルの分画の測定値である定常状態の不活性化の電位差依存性 、 並 び に 3)不 活 性 化 の タ イ ム コ ー ス を 制 限 す る こ と な く 含 む チ ャ ン ネ ル 特 性 の 測 定 を 含 む 10 。 ラ ー ジ ス ケ ー ル で 、 SCNA生 物 学 的 活 性 は 、 細 胞 を 通 じ た 衝 撃 の 伝 達 を 含 み 、 こ こ で SCNA タンパク質のモジュレーターによって引き起こされる伝達特性の変化が同定できる。その ようなこれらの生物学的活性の測定の非制限的な例は、細胞内のイオンの一過的な蓄積、 膜 脱 分 極 の ダ イ ナ ミ ク ス 等 を 通 じ て 直 接 ま た は 間 接 に 実 施 さ れ て 良 い 。 し か し な が ら 、 SC NA生 物 学 的 活 性 は 、 こ こ で 同 定 さ れ る こ れ ら の 最 も 重 要 な 生 物 学 的 活 性 に 制 限 さ れ な い 。 生 物 学 的 活 性 は 、 化 合 物 、 基 質 、 相 互 作 用 タ ン パ ク 質 等 と の SCNAの 単 純 な 結 合 ま た は pKa 分 析 を 含 ん で も 良 い 。 例 え ば 、 そ の よ う な SCNA結 合 ま た は 相 互 作 用 を 増 大 ま た は 阻 害 す る 能 力 に 対 す る 試 験 化 合 物 の 効 果 を 測 定 す る こ と に よ っ て 、 本 発 明 に 従 っ た SCNAの 生 物 学 的 活 性 が 測 定 さ れ る 。 SCNA生 物 学 的 活 性 は 、 当 該 技 術 分 野 で 周 知 の 方 法 で 測 定 す る こ と が で き る 構 造 変 化 、 リ ン 酸 化 状 態 、 ま た は タ ン パ ク 質 の い ず れ か の 他 の 特 性 の よ う な 、 SCMAん 20 も 標 準 的 な 生 化 学 的 測 定 を 含 む 。 最 後 に SCNAS生 物 学 的 活 性 は ま た 、 SCNA遺 伝 子 の 転 写 若 しくは翻訳に関する活性、またはそのような転写若しくは翻訳産物のいずれかの生物学的 活性を含む。 【0060】 ここで使用される用語、「分子」、「化合物」、「薬剤」または「リガンド」は互換的 に使用され、天然、合成、または半合成分子または化合物を広く指す。それ故用語、「分 子」は、例えば化学分子、マクロ分子、細胞、または組織抽出物(食物または動物由来の )等を表す。分子の非制限的な例は、核酸分子、ペプチド、リガンド(例えば抗体及び炭 水化物を含む)、及び製薬学的薬剤を含む。前記薬剤は、ランダムスクリーニング、合理 的選択を含む各種の手段によって、並びに例えばコンピューターモデリングのようなタン 30 パク質またはリガンドモデリング法を使用する合理的デザインによって、選択されスクリ ーニングできる。用語、「合理的に選択される」または「合理的にデザインされる」は、 本発明の相互作用ドメインの構造に基づいて選択されている化合物を規定するように意味 する。当業者に理解されるように、天然に存在しない修飾を有するマクロ分子もまた、用 語、「分子」の範囲に含まれる。例えば、製薬産業で周知であり、一般的にペプチド類似 体と称されるペプチド模倣体は、前述のようなモデリングによって生産できる。同様に好 ましい実施態様として、本発明のポリペプチドは、その安定性を増大するために修飾され る。ほとんどの場合で、この修飾はタンパク質の生物学的活性を改変すべきでないと理解 されるはずである。本発明の教示に従って同定される分子は、ナトリウムチャンネルを通 じたナトリウム輸送が、本発明に従って同定された遺伝子の一つにおいてミューテーショ 40 ン(またはその組み合わせ)により影響を受けている疾患または疾病において治療上の価 値を有する。別法として、本発明の教示に従って同定された分子は、アルファサブユニッ トナトリウムチャンネルの活性、及び/または神経細胞及び筋細胞における作用電位を調 節できる化合物の開発において有用性が見出される(例えば、正常レベルへのナトリウム チャンネルの迅速な不活性化を回復する)。 【0061】 ここで使用される、アゴニスト及びアンタゴニストは、そのようなアゴニストまたはア ンタゴニスト特性を有する周知の化合物の増強剤を含む。一つの実施態様として、本発明 に従ったナトリウムチャンネルの迅速な不活性化の調節剤は、固定期間で化合物または分 子の混合物若しくはライブラリーと、インディケーター細胞を接触させることによって同 50 (17) JP 2007-185199 A 2007.7.26 定され選択できる。 【0062】 ここで使用される用語、「インディケーター細胞」は、本発明に従った少なくとも一つ の ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル ア ル フ ァ サ ブ ユ ニ ッ ト (SCNA)を 発 現 す る 細 胞 を 指 す 。 前 述 の よ う に、そのようなインディケーター細胞は、本発明のスクリーニングアッセイにおいて使用 できる。特定の実施態様では、インディケーター細胞は、本発明の遺伝子型の組み合わせ の選択された誘導体、断片、ホモローグまたはミュータントを発現するように操作されて いる。細胞は、酵母細胞、または哺乳動物細胞のような高等真核生物細胞であっても良い 。一つの特定の実施態様として、インディケーター細胞は、当該技術分野で周知のトゥー ハ イ ブ リ ッ ド シ ス テ ム の 使 用 を 可 能 に す る 酵 母 細 胞 含 有 ベ ク タ ー で あ り (Ausubel等 , 1994 10 , 前 記 参 照 )、 化 合 物 ま た は そ の ラ イ ブ ラ リ ー を 試 験 す る た め に 使 用 で き る 。 別 の 実 施 態 様 と し て 、 米 国 特 許 第 4,981,784に 記 載 さ れ た cis-transア ッ セ イ を 採 用 で き 、 本 発 明 に 従 って使用できる。そのようなインディケーター細胞は、広範囲の試験分子をハイスループ ットで迅速にスクリーニングするために使用できる。特定の実施態様として、レポーター 遺 伝 子 は ル シ フ ェ ラ ー ゼ ま た は ベ ー タ -Galで あ る 。 【0063】 「 in vivo」 実 験 モ デ ル を 、 「 in vitro」 ア ッ セ イ を 実 施 す る た め に 使 用 で き る こ と が 理 解 さ れ る で あ ろ う 。 例 え ば 、 イ ン デ ィ ケ ー タ ー 細 胞 か ら の 細 胞 抽 出 物 を 準 備 し 、 「 in v itro」 試 験 に お い て 使 用 で き る 、 そ の 非 制 限 的 な 例 は 、 結 合 ア ッ セ イ を 含 む 。 【0064】 20 ある実施態様では、融合タンパク質を発現することが有益であろう。その構築物のデザ イ ン 、 及 び 融 合 タ ン パ ク 質 の 発 現 と 生 産 は 、 当 該 技 術 分 野 で 周 知 で あ る (Sambrook等 , 198 9, 前 記 参 照 ; 及 び Ausubel等 , 1994, 前 記 参 照 )。 【0065】 そのような融合タンパク質の非制限的な例は、ヘマグルチン融合物、及びグルタチオン -S-ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ (GST)融 合 物 、 及 び マ ル ト ー ス 結 合 タ ン パ ク 質 (MBP)融 合 物 を 含 む 。特定の実施態様では、融合されている二つのポリペプチド配列の間でプロテアーゼ切断 部位を導入することが有益であろう。そのような二つの異種融合ポリペプチドの間でのプ ロテアーゼ切断部位は、当該技術分野で周知である。 【0066】 30 特定の実施態様では、宿主細胞からの融合タンパク質の分泌を可能にするシグナルペプ チド配列に、本発明のタンパク質を融合することが有益であろう。多様な生物由来のシグ ナ ル ペ プ チ ド が 、 当 該 技 術 分 野 で 周 知 で あ る 。 細 菌 OmpA及 び コ 酵 母 Suc2は 、 シ グ ナ ル 配 列 を含むタンパク質の二つの非制限的な例である。特定の実施態様では、相互作用ドメイン と異種ポリペプチド部分の間でリンカー(一般的に周知)を導入することが有益であろう 。そのような融合タンパク質は、本発明のアッセイ、並びに精製目的、検出目的等におい て有用性が見出される。 【0067】 確かに、本発明を実施するのに有用な配列及びポリペプチドは、ミュータント、ホモロ ーグ、サブタイプ、対立遺伝子等を制限されることなく含む。一般的に、本発明の配列は 40 、 ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル の 機 能 的 な ( 例 え 欠 損 型 で あ れ ) ア ル フ ァ サ ブ ユ ニ ッ ト (SCNA)を コ ー ド す べ き で あ る 。 本 発 明 の SCNA配 列 、 変 異 体 、 誘 導 体 、 ま た は そ の 断 片 が そ の 機 能 を 維持するかどうかを、本発明の教示とアッセイ、及び当該技術分野での一般的な教示を使 用することによって測定することができることは、当業者に明らかであろう。 【0068】 本 発 明 の SCNAタ ン パ ク 質 は 、 そ の 構 造 − 機 能 相 関 関 係 を 分 析 し 、 調 節 化 合 物 の よ り 優 れ た デ ザ イ ン と 同 定 を 可 能 に す る た め 、 例 え ば in vitroミ ュ ー タ ジ ェ ネ シ ス に よ っ て 修 飾 で きる。しかしながら、その生物学的機能を損失しているいくつかの誘導体または類似体は 、例えば抗体を生産するために未だ有用性が見出される。これらの抗体は、検出または精 製目的で使用できる。さらにこれらの抗体は、競合的または非競合的なインヒビターとし 50 (18) JP 2007-185199 A 2007.7.26 て 機 能 で き 、 本 発 明 の SCNAタ ン パ ク 質 の 活 性 の 調 節 剤 で あ る こ と が 見 出 さ れ る 。 【0069】 宿 主 細 胞 ま た は イ ン デ ィ ケ ー タ ー 細 胞 は 、 DNAが 細 胞 の 内 部 に 導 入 さ れ た 場 合 、 そ の 外 因 性 ま た は 異 種 DNA( 例 え ば DNA構 築 物 ) に よ っ て 「 ト ラ ン ス フ ェ ク ト 」 さ れ て い る 。 ト ラ ン ス フ ェ ク ト DNAは 、 細 胞 の ゲ ノ ム を 構 成 す る 染 色 体 DNA内 に 挿 入 ( 共 有 結 合 で 結 合 ) さ れ てもされなくても良い。例えば原核生物、酵母、及び哺乳動物細胞では、トランスフェク ト DNAは 、 プ ラ ス ミ ド の よ う な エ ピ ソ ー マ ル な エ レ メ ン ト で 維 持 さ れ て も 良 い 。 真 核 生 物 細胞に関しては、安定にトランスフェクトされた細胞は、染色体複製を通じて娘細胞によ っ て 遺 伝 さ れ る よ う に 、 ト ラ ン ス フ ェ ク ト DNAが 染 色 体 内 に 挿 入 さ れ て い る も の で あ る 。 こ の 安 定 性 は 、 ト ラ ン ス フ ェ ク ト DNAを 含 む 娘 細 胞 の 集 団 を 含 む 細 胞 系 ま た は ク ロ ー ン を 10 確立する、真核生物細胞の能力によって示されてる。トランスフェクション法は、当該技 術 分 野 で 周 知 で あ る (Sambrook等 , 1989, 前 記 参 照 ; Ausubel等 , 1994, 前 記 参 照 )。 イ ン ディケーターとしての哺乳動物細胞の使用は、中間因子を備えるという利点を提供でき、 それは低級真核生物または原核生物では存在しない、例えば試験される二つのポリペプチ ドの相互作用を可能にする。例えば哺乳動物細胞からの抽出物は、特定の因子を欠如を補 償するために、特定の実施態様で使用できると解されよう。 【0070】 一般的に、抗体(モノクローナル抗体及びハイブリドーマを含む)を調製する方法、及 び 抗 体 を 使 用 す る 抗 原 の 検 出 方 法 は 、 当 該 技 術 分 野 で 周 知 で あ る (Campbell, 1984, "Mono clonal Antibodies Technology: Laboratory Techniques in Biochmistry and Molecular 20 B i o l o g y " , E l s e v i e r S c i e n c e P u b l i s h e r , A m s t e r d a m , T h e N e t h e r l a n d s ; H a r l o w等 , 1 9 8 8, Antibodies-A Laboratory Manual, CSH Laboratories)。 本 発 明 は ま た 、 そ の そ れ ぞ れ の相互作用ドメインを阻害または中和し、及び/またはそれに特異的であるポリクローナ ル、モノクローナル抗体、またはヒト化バージョン、キメラ抗体等を提供する。 【0071】 この明細書及び添付の特許請求の範囲から、用語、治療剤は、少なくとも二つのそのよ うな治療剤の組み合わせを含むように、広い意味で作用されるはずである。さらに、本発 明 に 従 っ た DNA部 分 ま た は タ ン パ ク 質 は 、 数 多 く の 方 法 で 患 者 内 に 導 入 で き る 。 例 え ば 細 胞 を 罹 患 患 者 か ら 単 離 し 、 本 発 明 に 従 っ た DNA構 築 物 で ト ラ ン ス フ ォ ー ム し 、 数 多 く の 方 法 で 罹 患 患 者 に 再 導 入 す る こ と が で き る 。 別 法 と し て DNA構 築 物 は 、 罹 患 患 者 に 直 接 投 与 30 で き る 。 DNA構 築 物 は ま た 、 リ ポ ソ ー ム の よ う な ビ ヒ ク ル を 通 じ て 輸 送 す る こ と も で き 、 特異的細胞タイプに対して標的化するようにデザインでき、異なる経路を通じて投与する ように操作できる。 【0072】 ヒトに対する投与のため、指定された専門医は、所定の患者に対する適切な形態及び投 与 量 を 最 終 的 に 決 定 し 、 こ れ は 選 択 さ れ た 治 療 摂 生 ( 即 ち DNA構 築 物 、 タ ン パ ク 質 、 細 胞 )、患者の応答と状態、並びに疾患のひどさに従って変化すると予測できる。 【0073】 本発明の範囲内の組成物は、副作用を避ける一方で所望の治療効果を達成するのに有効 な量で活性剤(即ち分子、ホルモン)を含むべきである。典型的に、本発明に従った核酸 40 は 、 0.005か ら 1mg/ 治 療 さ れ る 哺 乳 動 物 の 体 重 / 日 の 範 囲 の 投 与 量 で 、 哺 乳 動 物 ( 即 ち ヒ ト)に投与できる。活性剤の製薬学的に許容可能な調製物及び塩は、本発明の範囲に入り 、 当 該 技 術 分 野 で 周 知 で あ る (Remington's Pharmaceutical Science, 第 16版 , Mack Ed.) 。ポリペプチド、アンタゴニスト、アゴニスト等の投与のため、投与される量は、副作用 を避けるように選択されるべきである。投与量は、疾患の程度及び患者からの異なるパラ メーターのような従来のファクターに従って、臨床医によって決定されるであろう。典型 的 に 、 0.001か ら 50mg/mg/日 が 哺 乳 動 物 に 投 与 さ れ る で あ ろ う 。 【0074】 本発明は、本発明に従った核酸断片、タンパク質またはリガンド、制限酵素等を使用し て 、 本 発 明 の SCNAロ ー カ ス ( ま た は そ れ と 連 鎖 不 均 衡 を 示 す ロ ー カ ス ) で の 遺 伝 子 型 の 評 50 (19) JP 2007-185199 A 2007.7.26 価を含む、てんかんの診断及び/または予後、及び/または薬物療法に対する応答の予測 のためにキットに関する。例えば、本発明に従った区画化されたキットは、試薬を別個の 容器に含むいずれかのキットを含む。そのような容器は、小さなガラス容器、プラスチッ ク容器、またはプラスチック若しくは紙の断片を含む。そのような容器は、サンプル及び 試薬が交差混合せず、欠く容器の試薬または溶液が一つの区画から別の区画へ量的に加え ることができるように、一つの区画から別の区画への試薬の有効な移動を可能にする。そ の よ う な 容 器 は 、 一 つ の 特 定 の 実 施 態 様 と し て 、 試 験 サ ン プ ル ( DNA、 タ ン パ ク 質 ま た は 細胞)を許容可能な容器、アッセイにおいて使用されるプライマーを含む容器、酵素を含 む容器、洗浄試薬を含む容器、並びに伸長産物を検出するために使用される試薬を含む容 器を含むであろう。 10 【0075】 かくして本発明を一般的に記載するために、本発明の好ましい実施態様を説明的に示す 添付された図面が参考にされるであろう。 【0076】 配 列 は ま た 、 配 列 表 に も 示 さ れ る 。 例 え ば 配 列 番 号 1 は 、 SCN1Aの 成 人 形 態 の 核 酸 配 列 を 示 す ; 配 列 番 号 2 は 、 SCN1Aの 新 生 児 形 態 の 核 酸 配 列 を 示 す ; 配 列 番 号 3 は 、 SCN1Aの 成 人 形 態 の タ ン パ ク 質 配 列 を 示 す ; 配 列 番 号 4 は 、 SCN1Aの 新 生 児 形 態 の タ ン パ ク 質 配 列 を 示 す ; 配 列 番 号 5 − 3 2 は 、 SCN1Aの ゲ ノ ム 配 列 を 示 す ; 配 列 番 号 3 3 は 、 SCN2Aの 成 人 形 態 の cDNA配 列 を 示 す ; 配 列 番 号 3 4 は 、 SCN2Aの 新 生 児 形 態 の cDNA配 列 を 示 す ; 配 列 番 号 3 5 は 、 SCN2Aの 成 人 形 態 の タ ン パ ク 質 配 列 を 示 す ; 配 列 番 号 3 6 は 、 SCN2Aの 新 生 児 形 態 20 の タ ン パ ク 質 配 列 を 示 す ; 配 列 番 号 3 7 − 6 4 は 、 SCN2Aの ゲ ノ ム 配 列 を 示 す ; 配 列 番 号 6 5 は 、 SCN3Aの 成 人 形 態 の cDNA配 列 を 示 す ; 配 列 番 号 6 6 は 、 SCN3Aの 新 生 児 形 態 の cDNA 配 列 を 示 す ; 配 列 番 号 6 7 は 、 SCN3Aの 成 人 形 態 の タ ン パ ク 質 配 列 を 示 す ; 配 列 番 号 6 8 は 、 SCN3Aの 新 生 児 形 態 の タ ン パ ク 質 配 列 を 示 す ; 並 び に 配 列 番 号 6 9 − 9 8 は 、 SCN3Aの ゲ ノ ム 配 列 を 示 す 。 ラ ッ ト SCNA配 列 は 、 登 録 番 号 M22253及 び X03638の 下 で 、 GenBankに お いて見出すことができる。 【0077】 本発明の他の目的、利点及び特徴は、添付の図面を参考にして、好ましい実施態様の以 下の非制限的な記載を読むことでより明確になるが、以下の記載は例示的なものであり、 本発明の範囲を制限するものとは企図されるべきではない。 30 【0078】 て ん か ん は 、 全 集 団 の 1-2%に 罹 患 し て い る 最 も 一 般 的 な 神 経 学 的 疾 患 の 一 つ で あ る 。 家 族 集 団 の 研 究 に よ り 、 各 種 の タ イ プ の て ん か ん 、 特 に 特 発 性 全 身 て ん か ん (IGE)を 有 す る 発端者の親族においててんかんの増大した危険が示されている。今日まで同定されたてん かん遺伝子は、全てのてんかんの非常に小さな割合のみを説明する。さらにそれらは、遺 伝のパターンが明らかにメンデル法則に従うまれな症候群において同定されている。しか しながらこれは、遺伝のパターンが単純なメンデルモデルと一致しない非常に多数のてん かん患者には当てはまらない。実際ほとんどの著者が、てんかんは多くの各種の遺伝的及 び環境的因子、複雑な特性の特徴の組み合わせの結果であると考えている。遺伝のパター ン が メ ン デ ル モ デ ル に 当 て は ま ら な い 一 方 、 散 発 性 の IGEの 場 合 は 、 同 じ 遺 伝 子 に お け る 40 特 異 的 な ミ ュ ー テ ー シ ョ ン に よ っ て 引 き 起 こ さ れ る で あ ろ う 。 こ の 仮 説 に 基 づ い て 、 IGE 患 者 の 大 き な 集 団 を 、 SCNA遺 伝 子 に お け る ミ ュ ー テ ー シ ョ ン に つ い て 試 験 し た 。 【0079】 IGEの 常 染 色 体 優 性 形 態 を 分 離 す る 大 き な フ ァ ミ リ ー に お け る て ん か ん を 引 き 起 こ す 遺 伝 子 を 局 在 化 す る た め に 、 21の 罹 患 患 者 を 含 む 41の フ ァ ミ リ ー の メ ン バ ー を 遺 伝 子 型 に 分 け た 。 こ の フ ァ ミ リ ー の 詳 細 な 臨 床 上 の 記 載 は 、 別 の と こ ろ で 報 告 さ れ て い る (Scheffer 及 び Berkovic, 1997)。 こ の フ ァ ミ リ ー に お け る 患 者 の 多 数 は 、 幼 少 自 体 に 発 症 し 、 熱 と 常 に 関 連 す る わ け で は な い : 熱 痙 攣 プ ラ ス (FS+)と 称 さ れ る 症 候 群 で あ る 、 良 性 の 頻 繁 な 全身性の緊張性−間代性痙攣によって特徴付けられる、良性てんかん症候群を提示する。 しかしながらいくらかの患者は、筋間代痙攣及びアプサンスのような他のタイプの全身痙 50 (20) JP 2007-185199 A 2007.7.26 攣 (GTCS)を 同 様 に 提 示 し た (Scheffer及 び Berkovic, 1997)。 罹 患 の 平 均 年 齢 は 2.2歳 で あ り 、 治 癒 の 平 均 年 齢 は 11.7歳 で あ っ た 。 神 経 学 的 検 査 及 び 知 能 は 、 一 人 を 除 い て 全 て の 患 者 で 正 常 で あ り 、 そ の 一 人 は 中 程 度 の 知 能 障 害 を 有 し た 。 EEGレ コ ー デ ィ ン グ は 、 ほ と ん どの患者で正常であった。しかしながら3人の患者において、全身てんかん活性が見出さ れ、4人の患者が、わずかなまたは中程度の散在性バックグランドスローイングを有した 。 表 1 は 、 こ の 研 究 に 含 ま れ る 21の 患 者 で 見 出 さ れ た 各 種 の タ イ プ の 痙 攣 を 示 す 。 【0080】 【表1】 10 20 【0081】 190の マ ー カ ー を 調 べ る ゲ ノ ム ワ イ ド サ ー チ に よ り 、 マ ー カ ー D2S294 (Z=4.4, (=0)に つ い て の 初 期 の ポ ジ テ ィ ブ ロ ッ ド ス コ ア に 基 づ い て 、 第 2 染 色 体 (ch)に 対 し て IGEの リ ン ク が 同 定 さ れ た 。 全 部 で 24の マ ー カ ー を 、 ch 2qに つ い て 試 験 し 、 最 小 の IGE候 補 領 域 を 規 定 し た 。 表 2 は 、 IGE候 補 領 域 を 横 断 す る 17の マ ー カ ー に つ い て の 2 点 ロ ッ ド ス コ ア を 示 す 。 最 も 高 い ロ ッ ド ス コ ア (Zmax=5.29; (=0)が 、 マ ー カ ー D2S324で 得 ら れ た 。 必 須 の 組 換 え 現 象 は 、 マ ー カ ー D2S156と D2S311に 隣 接 す る 29cM領 域 に 対 し て IGE遺 伝 子 を マ ッ プ し 、 ch 2Q23-Q31に 対 す る IGEロ ー カ ス を 割 り 当 て た ( 図 1 ) 。 FS+と 他 の IGE表 現 型 の 関 係 が 不 明 であるが、このファミリーにおいて、いくらかの罹患した患者が異なるタイプの全身痙攣 を 有 す る と い う 観 察 は 、 ch 2Q-IGE遺 伝 子 に よ っ て 決 定 さ れ た 痙 攣 の 素 因 が 、 他 の 遺 伝 子 及び/または環境因子によって改変され、各種の痙攣タイプを生産することを示唆する。 【0082】 30 (21) JP 2007-185199 A 2007.7.26 【表2】 10 20 30 40 【0083】 IGE候 補 領 域 を 横 切 る 17の マ ー カ ー を 使 用 す る ハ プ ロ タ イ プ を 構 築 し た ( デ ー タ 示 さ ず ) 。 セ ン ト ロ メ ア 境 界 を 、 マ ー カ ー D2S156と D2S354の 間 の 組 換 え 現 象 に よ っ て 規 定 し た ; 一 方 で マ ー カ ー D2S152と D2S311の 間 の 組 換 え は 、 テ ロ メ ア 境 界 を 示 し た 。 こ れ ら の 必 須 の 組 換 え 現 象 は 、 IGE遺 伝 子 を マ ー カ ー D2S156と D2S311に よ っ て 隣 接 す る 29cM領 域 に 局 在 さ せた(図1)。 【0084】 こ こ 40年 の 間 で 、 フ ァ ミ リ ー の 研 究 は 、 痙 攣 に 対 す る 感 受 性 を 測 定 す る 遺 伝 学 的 因 子 の 役 割 を サ ポ ー ト す る 二 つ の 重 要 な 証 拠 の 断 片 を 提 供 し た : 1)家 族 集 団 の 研 究 は 、 各 種 の タ 50 (22) JP 2007-185199 A 2007.7.26 イプの痙攣を有する発端者の親族におけるてんかんの増大したリスクに対する証拠を示し ている。二つの研究において、特発性の幼少に発病したてんかんを有する患者の親族にお け る い わ れ の な い 痙 攣 に 対 す る 標 準 化 し た 罹 患 率 は 、 兄 弟 に つ い て 2.5か ら 3.4、 子 孫 に つ い て 6.7に 変 化 す る (Anneger等 , 1982; Ottman等 , 1989); 並 び に 2)二 卵 性 双 生 児 よ り 一 卵 性双生児において、てんかんに対する高い高い一致割合が存在する。各種の研究により、 一 致 割 合 は 一 卵 性 双 生 児 に お い て 54か ら 11%、 二 卵 性 双 生 児 に お い て 10か ら 5%に 変 化 す る こ と が 示 さ れ た (Inouye, 1960; Lennox, 1960; Harvald及 び Hauge, 1965; Corey等 , 1991 ; Silanpaa等 , 1991)。 【0085】 痙攣の感受性は、神経の興奮能力に影響する複数の因子の複雑な相互作用を反映し、最 10 も一般的な遺伝学的てんかんは、単一の常染色体遺伝子の分離によって説明されない家族 集 団 パ タ ー ン を 示 す こ と が 一 般 的 に 受 け 入 れ ら れ て い る (Andermann, 1982; Ottman等 , 19 95)。 こ れ は も ち ろ ん 、 て ん か ん の 素 因 を 作 る ま た は 誘 導 す る 遺 伝 子 を 単 離 す る 研 究 者 の 能力をより複雑にする。しかしながら、家族において集団化するいくつかの特異的なてん かん症候群が、定義可能な単一遺伝子の異常から生じるであろう。これらの家族は、痙攣 に対する素因を測定する点で役割を果たす遺伝子を容易にマップする独特の機会を提供す る。 【0086】 今 日 ま で 全 部 で 6 の ロ ー カ ス が 存 在 し (Greenberg等 , 1988; Leppert等 , 1989; Lewis等 , 1993; Elmsile等 , 1997; Guipponi等 , 1987; Wallace等 , 1998)、 そ の 中 で 3 の 遺 伝 子 20 が 特 異 的 IGE症 候 群 に お い て 同 定 さ れ て い る (Bievert等 , 1998; Singh等 , 1998; Wallace 等 , 1998)。 興 味 深 い こ と に 、 全 て の こ れ ら の 遺 伝 子 は 、 Na+チ ャ ン ネ ル に お い て 見 出 さ れ るミューテーションを含むイオンチャンネルである(熱性痙攣及び全身てんかんを有する タ ス マ ニ ア フ ァ ミ リ ー に お け る 1 ) (Wallace等 , 1998)。 我 々 の 血 縁 に お い て 同 定 さ れ た 候補の間隔は大きいままである一方、数多くの興味ある遺伝子がこの領域にマップされる 。 こ れ ら は 、 Na+チ ャ ン ネ ル 遺 伝 子 と K+チ ャ ン ネ ル 遺 伝 子 の ク ラ ス タ ー ( 電 気 的 デ ー タ ベ ー ス サ ー チ ) 、 並 び に γ -ア ミ ノ 酪 酸 (GABA)の 合 成 に 関 与 す る 酵 素 で あ る グ ル タ マ ー ト で カ ル ボ キ シ ラ ー ゼ を コ ー ド す る GAD1遺 伝 子 を 含 む (Bu及 び Tobin, 1994)。 GABAは 、 中 枢 神 経 系 に お け る シ ナ プ ス の 阻 害 に 関 与 す る 主 要 な 神 経 伝 達 物 質 の 一 つ で あ る (Barnard等 , 19 87)。 し か し な が ら 候 補 の 間 隔 の 大 き な サ イ ズ は 、 こ こ で 研 究 さ れ た 血 縁 に お け る IGEに 関 30 与する遺伝子の同定の前に、ローカスのさらなる洗練を必要とするであろう。 【0087】 痙 攣 で 分 類 す る と 、 こ こ に 記 載 さ れ た 大 き な IGEフ ァ ミ リ ー に お け る 罹 患 患 者 の 53%(9/1 7)の み が 、 熱 性 痙 攣 を 有 し た 。 し か し な が ら 、 患 者 の 41%(7/17)は 、 各 種 の タ イ プ の 全 身 痙 攣 を 提 示 し た 。 こ れ ら の 発 見 は 、 こ の フ ァ ミ リ ー に お け る IGEの 素 因 が ch2q23-q31に 局 在する単一の遺伝子によって決定されるが、同じファミリーで存在する各種のタイプの全 身痙攣が、遺伝学的及び/または環境的修飾因子の間での相互作用から生じることを示す であろう。 【0088】 結 論 と し て 、 IGEに つ い て の ロ ー カ ス は 、 ch 2q23-q31に マ ッ プ さ れ た 。 こ の ロ ー カ ス は 40 、 特 異 的 IGE症 候 群 、 FS+と 関 連 す る よ う で あ る 。 し か し な が ら 、 FS+と 他 の IGE表 現 型 と の 関 係 、 及 び 他 の FS+フ ァ ミ リ ー と 他 の IGEの 形 態 に お け る ch 2qロ ー カ ス の 役 割 は 未 決 定 で ある。 【0089】 染 色 体 2q23-q31上 の IGEに つ い て の ロ ー カ ス を 同 定 し 、 次 に ミ ュ ー テ ー シ ョ ン 及 び / ま たは多型がてんかんにリンクするかどうかを確認した。この染色体の領域中の可能性のあ る遺伝子を同定するために、公のデータベースをスクリーニングした。マウス及びヒトに おける痙攣は、膜チャンネルと関連することが周知であるため、とりわけ膜チャンネルを 同定するために、データベースのブラストを適応させた。コンピューターサーチによって 膜チャンネルコード配列またはその一部を同定し、てんかんに関与する可能性のある候補 50 (23) JP 2007-185199 A 2007.7.26 遺伝子を、疾患に関する疑いのある遺伝子として評価しなければならなかった。二つのア プローチを使用した。第一のものは、疾患を有するメンバーを含むファミリーにおけるミ ューテーションについて候補遺伝子を試験することであった(データ示さず)。第二のア プローチは以下のものであった。てんかんはより低い痙攣の域値から生じ、全身てんかん は多くの場合、痙攣の域値の全身の低下から生ずることが周知であるため、以下の仮説を う ち 立 て た 。 大 き な フ ァ ミ リ ー に お い て て ん か ん を 引 き 起 こ す 遺 伝 子 ( そ れ は 染 色 体 2q23 -q31に 絞 ら れ る ) は 、 て ん か ん の 弱 い 家 族 の 系 譜 の み を 有 す る 人 々 に お い て て ん か ん を 引 き起こすであろう他のよりひどくないミューテーションを有するはずである。鍵となる電 気的機能に関与し、それ故適切な候補であると考えられるナトリウムチャンネル遺伝子を 選 択 し た 。 こ の 仮 説 を 正 式 に 試 験 す る た め に 、 て ん か ん の 多 く の (60か ら 70)非 関 連 の 場 合 10 を、これらの候補遺伝子におけるミューテーションについて試験した。驚くべきことに、 全ての三つの候補遺伝子においてミューテーションが見出された。 【0090】 ミューテーション/多型がてんかんにおいて同定され協調するかどうかを評価するため に 、 70か ら 80の て ん か ん 患 者 (IGE)の パ ネ ル を 、 一 本 鎖 構 造 多 型 (SSCP)を 使 用 し て 、 SCN1A 、 SCN2A及 び SCN3Aに お け る ミ ュ ー テ ー シ ョ ン に つ い て 試 験 し た 。 SSCP分 析 は 、 一 塩 基 置 換 程 度 の 小 さ な ミ ュ ー テ ー シ ョ ン の 検 出 が 可 能 で あ る 。 実 際 そ の よ う な 置 換 は 、 一 本 鎖 DNA 分子の構造を改変することにより、非変性ゲルでのその電気泳動移動度に影響する。かく し て 、 所 定 の ロ ー カ ス の 野 生 型 (wt)、 ミ ュ ー タ ン ト DNA、 ま た は 異 な る 対 立 遺 伝 子 の 移 動 度 を 比 較 す る こ と に よ り 、 配 列 間 を 区 別 す る こ と が で き る 。 SSCPを 使 用 す る 遺 伝 子 の 一 塩 20 基置換の同定は当該技術分野で周知であり、数多くのプロトコールがそれについて入手可 能 で あ る 。 そ の 非 制 限 的 な 例 は 、 増 幅 す る こ と が 所 望 さ れ る DNA領 域 に 特 異 的 な 蛍 光 ベ ー ス プ ラ イ マ ー を 使 用 し て 実 施 さ れ る PCRに 引 き 続 く 、 蛍 光 ベ ー ス SSCP分 析 を 含 む 。 【0091】 本 発 明 の SCNAロ ー カ ス の 一 つ に つ い て の 正 常 と て ん か ん の 移 動 度 の 間 の 差 異 の 同 定 に 際 し て 、 増 幅 断 片 を 配 列 決 定 し 、 正 常 患 者 と て ん か ん 患 者 (IGE)の 間 の 核 酸 配 列 を 比 較 し た 。 こ の 比 較 は 、 SCN1A、 SCN2A及 び SCN3Aに お け る ミ ュ ー テ ー シ ョ ン の 同 定 を 可 能 に し た 。 配列またはミューテーションの差異が、疾患と有意に関連するかを調べるために、大きな 集 団 の 正 常 患 者 を 使 用 し て 、 SSCP分 析 を も う 一 度 実 施 し た 。 こ の 分 析 は 、 SSCPに よ っ て 同 定され、配列分析によって確認されたミューテーションが、試験された大きな集団の正常 30 患者に存在しないことを示すことができ、それによって同定されたミューテーションが試 験 さ れ た 集 団 に つ い て IGEと 相 関 す る こ と を 示 し た 。 【0092】 共 に 考 慮 す る と 、 こ れ ら の 結 果 は 、 SCN1A、 SCN2A及 び SCN3Aが 、 て ん か ん 、 特 に IGEと 関 連する遺伝子であることを確認することを示す。 【0093】 本 発 明 は 、 SCN1A、 SCN2A及 び SCN3Aが 、 特 定 の ヒ ト 集 団 に お け る 特 発 性 全 身 て ん か ん (IG E)に 直 接 的 に 関 与 す る こ と を 初 め て 確 立 す る 。 さ ら に こ の 発 見 は 、 SCN1A,SCN2A及 び SCN3A の 活 性 を 調 節 す る 化 合 物 が 、 IGEを 有 す る フ ァ ミ リ ー の 小 さ な グ ル ー プ 辛 さ ら に 広 く 応 用 でき、てんかん及び関連する神経学的疾患の多くまたは全ての形態を治療するための応用 40 可能性を有することを示唆する。それ故、てんかん及び関連する神経学的疾患に対する治 療 上 の 利 益 を 有 す る 化 合 物 を 同 定 で き る SCN1A、 SCN2A及 び / ま た は SCN3Aを 使 用 す る ス ク リーニングアッセイを提供することは、本発明の一つの目的である。本発明はまた、これ らの化合物、てんかん及び関連する神経学的疾患を治療する際のこれらの化合物の使用、 並びにてんかん及び関連する神経学的疾患の治療におけるそのようなスクリーニングアッ セイを使用して同定されるいずれかの化合物のいずれかの使用に関する。 【0094】 一 般 的 に 、 一 つ 以 上 の SCN1A、 SCN2Aま た は SCN3A( こ こ で 集 合 的 に SCNAと 称 す る ) ナ ト リウムチャンネル調節剤、即ち候補または試験化合物または薬剤(例えばペプチド、ペプ チ ド 模 倣 体 、 小 分 子 ま た は 他 の 薬 剤 ) に つ い て の ハ イ ス ル ー プ ッ ト ス ク リ ー ニ ン グ は 、 SC 50 (24) JP 2007-185199 A 2007.7.26 NAの 生 物 学 的 活 性 を 測 定 す る ア ッ セ イ に 基 づ い て も 良 い 。 そ れ 故 本 発 明 は 、 例 え ば SCNA生 物 学 的 活 性 ま た は 発 現 に 対 す る 刺 激 ま た は 阻 害 効 果 を 有 す る 、 あ る い は SCNAタ ン パ ク 質 に 結 合 ま た は 相 互 作 用 す る 、 あ る い は 例 え ば SCNA相 互 作 用 タ ン パ ク 質 ( 標 的 ) ま た は 基 質 の 発現または活性に対する刺激または阻害効果を有する調節剤を同定するための方法(ここ で「スクリーニングアッセイ」としても称される)を提供する。 【0095】 イオンチャンネル標的をスクリーニングするための細胞ベースのアッセイに利用される 方 法 及 び 装 置 の 例 は 、 Gonzalez等 (Drug Discov. Today 4: 431-439, 1999)に よ る レ ビ ュ ーにおいて記載され、イオンチャンネル薬剤についてのハイスループットスクリーニング は 、 Denyer等 (Drug Discov. Today 3: 323-332, 1998)に 記 載 さ れ て い る 。 そ の よ う な ア 10 ッセイは、ナトリウムインディケーター色素と電位差感作色素の両者を使用する蛍光ベー スのアッセイを使用する細胞系(組換えまたは非組換え)において測定できるナトリウム ま た は 関 連 イ オ ン の 流 出 量 を 含 む 。 好 ま し い ア ッ セ イ は 、 14Cグ ア ニ ジ ン 流 動 及 び / ま た は SBFIの よ う な ナ ト リ ウ ム イ ン デ ィ ケ ー タ ー 色 素 、 及 び DiBACの よ う な 電 位 差 感 作 色 素 を 使 用 す る 。 DiBAC4の よ う な オ キ ソ ナ ル 色 素 は 、 膜 脱 分 極 に 応 答 性 で あ る 。 超 分 極 は 、 受 動 的な拡散による細胞からの色素の除去を引き起こす一方、脱分極は細胞内の色素の濃縮を 引き起こす。 【0096】 一 つ の 実 施 態 様 で は 、 本 発 明 は 、 SCNAタ ン パ ク 質 ま た は そ の 生 物 学 的 活 性 な 一 部 の 基 質 と相互作用する候補または試験化合物をスクリーニングするためのアッセイを提供する。 20 【0097】 別 の 実 施 態 様 で は 、 本 発 明 は 、 SCNAタ ン パ ク 質 若 し く は ポ リ ペ プ チ ド ま た は そ の 生 物 学 的に活性な一部に結合するまたはそれらの活性を調節する候補または試験化合物をスクリ ーニングするためのアッセイを提供する。 【0098】 一 つ の 実 施 態 様 で は 、 ア ッ セ イ は 、 起 源 が 天 然 ま た は 組 換 え の い ず れ か で あ る SCNAタ ン パク質またはその生物学的に活性な部分を発現する細胞が、試験化合物と接触され、例え ばナトリウム流量活性の調節、またはナトリウムチャンネル若しくはその一部に対する結 合 、 ま た は SCNAの い ず れ か の 他 の 測 定 可 能 な 生 物 学 的 活 性 と い っ た SCNA生 物 学 的 活 性 を 調 節 す る 試 験 化 合 物 の 能 力 が 測 定 さ れ る 細 胞 ベ ー ス の ア ッ セ イ で あ る 。 SCNA活 性 を 調 節 す る 30 試験化合物の能力の測定は、例えば細胞に試験化合物をさらした際の黒質ニューロン細胞 ま た は 心 臓 細 胞 と い っ た ニ ュ ー ロ ン 細 胞 の よ う な SCNAを 発 現 す る 細 胞 か ら の 、 神 経 伝 達 物 質 ま た は 他 の 化 合 物 の 放 出 を モ ニ タ ー す る こ と に よ っ て 達 成 で き る 。 さ ら に 、 SCNA活 性 を 調 節 す る 試 験 化 合 物 の 能 力 の 測 定 は 、 例 え ば 試 験 化 合 物 に さ ら し た 際 の SCNAを 発 現 す い る 細胞からの神経伝達物質の流量の変化または放出の変化をモニターすることによって達成 で き る 。 細 胞 内 の 流 量 は 、 例 え ば Hamill等 , 1981 Pfluegers Arch. 391: 85-100に 記 載 さ れた方法を使用して、以下の実施例に記載されたようなパッチクランプ法を使用して測定 できる。別法として流量の変化は、以下に記載された色素ベースの蛍光アッセイによって 測定できる。 【0099】 40 基 質 に 対 す る SCNAの 結 合 を 調 節 す る 試 験 化 合 物 の 能 力 の 測 定 は 、 例 え ば SCNAに 対 す る SC NA基 質 の 結 合 が 、 複 合 体 に お い て ラ ベ ル 化 SCNA基 質 を 検 出 す る こ と に よ り 測 定 で き る よ う に 、 放 射 性 同 位 元 素 ま た は 酵 素 的 ラ ベ ル と SCNA薬 剤 ま た は 基 質 を カ ッ プ リ ン グ す る こ と に よ っ て 達 成 で き る 。 例 え ば 化 合 物 ( 例 え ば SCNA薬 剤 ま た は 基 質 ) を 、 直 接 ま た は 間 接 の い ず れ か で 125I、 35S、 14Cま た は 3Hで 、 及 び 放 射 線 放 出 の 直 接 的 カ ウ ン ト ま た は シ ン チ レ ー ションカウントによって検出される放射性同位元素でラベルできる。別法として化合物は 、例えばセイヨウワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼで酵素的にラベ ル で き る 。 こ れ ら の ア ッ セ イ で は 、 SCNAに 結 合 す る 基 質 を 阻 害 ま た は 増 大 す る 化 合 物 が 、 本発明の治療目的のために有用である。 【0100】 50 (25) JP 2007-185199 A 2007.7.26 い ず れ か の 相 互 作 用 物 質 を ラ ベ ル す る こ と な く 、 SCNAと 相 互 作 用 す る 化 合 物 ( 例 え ば SC NA基 質 ) の 能 力 を 測 定 す る こ と も ま た 本 発 明 の 範 囲 内 に あ る 。 例 え ば 、 化 合 物 ま た は SCNA の い ず れ か を ラ ベ リ ン グ す る こ と な く 、 SCNAと 化 合 物 の 相 互 作 用 を 検 出 す る た め に 、 ミ ク ロ フ ィ ジ オ メ ー タ ー を 使 用 す る こ と が で き る (McConnell H.M.等 , (1992), Science 257: 1906-1912)。 こ こ で 使 用 さ れ る 「 ミ ク ロ フ ィ ジ オ メ ー タ ー 」 ( 例 え ば Cytosensor) は 、 光 接 近 可 能 な 電 位 差 計 セ ン サ ー (LAPS)を 使 用 し て 、 細 胞 が そ の 環 境 を 酸 性 化 す る 速 度 を 測 定 す る 分 析 装 置 で あ る 。 こ の 酸 性 加 速 度 の 変 化 は 、 化 合 物 と SCNAの 間 の 相 互 作 用 の イ ン デ ィ ケーターとして使用できる。 【0101】 SCNAの 調 節 剤 は ま た 、 そ れ ら が 膜 電 位 差 に お い て 誘 導 す る 変 化 を 通 じ て も 同 定 で き る 。 10 そ の よ う な 変 化 を 測 定 す る 適 切 な 装 置 は 、 Aurora Biosciences社 の VIPR (voltage ion pr obe reader; 登 録 商 標 )で あ る 。 こ の 装 置 は 、 一 連 の 電 位 差 感 作 イ オ ン プ ロ ー ブ ア ッ セ イ を共に作動させる。プローブは、アクセプター蛍光放出に対するドナー蛍光放出の割合が 、 ナ ト リ ウ ム 及 び カ リ ウ ム チ ャ ン ネ ル の 両 者 の 細 胞 脱 分 極 の 度 合 い を 表 す 電 位 差 感 作 性 ER ETメ カ ニ ズ ム を 通 じ て 、 膜 貫 通 電 気 的 ポ テ ン シ ャ ル の 変 化 を 感 作 す る 。 脱 分 極 は 、 膜 を 横 切って、初期のクエンチングを和らげエミッターの放射波長で光を生産する膜結合蛍光エ ミッターから十分に離れてクエンチャーの輸送を引き起こす。このシステムは、細胞脱分 極の間で強度の割合変化の両者の二つの波長で蛍光を生ずる。リーダーは、ミクロプレー トフォーマットにおける生存細胞からの秒以下のリアルタイム光学的シグナルの検出を可 能にする。このシステムは、アッセイの段階のための手動操作、またはハイスループット 20 スクリーニングのためのロボットを介する自動化に変更できる。 【0102】 別 の 実 施 態 様 で は 、 前 記 ア ッ セ イ は 、 標 的 分 子 ( 例 え ば SCNAと 相 互 作 用 す る ま た は SCNA に結合する別の分子、基質またはタンパク質)を含む細胞を試験化合物と接触させ、標的 分 子 と の 結 合 ま た は 相 互 作 用 に よ り SCNAの 生 物 学 的 活 性 を 間 接 的 に 調 節 ( 例 え ば 刺 激 ま た は 阻 害 ) す る 試 験 化 合 物 の 能 力 を 測 定 す る こ と を 含 む 細 胞 ベ ー ス の ア ッ セ イ で あ る 。 SCNA の活性を間接的に調節する試験化合物の能力の測定は、例えば標的分子を結合またはそれ と 相 互 作 用 し 、 そ れ に よ っ て SCNAを 間 接 的 に 調 節 す る 、 ナ ト リ ウ ム 流 出 を 調 節 す る 、 ま た は SCNAの 他 の 生 物 学 的 活 性 を 調 節 す る 試 験 化 合 物 の 能 力 を 測 定 す る こ と に よ っ て 達 成 で き る 。 標 的 分 子 を 結 合 ま た は そ れ と 相 互 作 用 す る 、 SCNAタ ン パ ク 質 ま た は そ の 生 物 学 的 に 活 30 性な断片の能力の測定は、直接的な結合を測定するための前述の方法または当該技術分野 で周知の方法の一つによって達成できる。好ましい実施態様では、標的分子を結合しまた は そ れ と 相 互 作 用 し 、 そ れ に よ っ て SCNAタ ン パ ク 質 を 調 節 す る 試 験 化 合 物 の 能 力 の 測 定 は 、標的分子の二次活性を測定することによって達成できる。例えば標的分子の活性は、標 的 の 細 胞 セ カ ン ド メ ッ セ ン ジ ャ ー ( 例 え ば 細 胞 内 Ca2+、 ジ ア シ ル グ リ セ ロ ー ル 、 IP3等 ) の誘導の検出、適切な基質に対する標的の触媒/酵素活性の検出、レポーター遺伝子(ル シフェラーゼのような検出可能なマーカーをコードする核酸に機能的に結合した標的応答 性調節エレメントを含む)の誘導の検出、または神経伝達物質の放出のような標的調節化 細胞応答の検出によって測定できる。別法として組換え細胞系は、ナトリウム流出または 当該技術分野で全て周知の二次メッセンジャーに対して直接または間接のいずれかで応答 40 する組換えレポータータンパク質を使用しても良い。 【0103】 別の実施態様では、本発明のアッセイは、起源が天然に存在するまたは組換えのいずれ か で あ る SCNAタ ン パ ク 質 ま た は そ の 生 物 学 的 に 活 性 な 一 部 を 試 験 化 合 物 と 接 触 さ せ 、 SCNA タンパク質またはその生物学的に活性な一部に結合する、さもなければそれの生物学的活 性を調節する試験化合物の能力を測定するセルフリーアッセイである。本発明のアッセイ に お い て 使 用 さ れ る SCNAタ ン パ ク 質 の 好 ま し い 生 物 学 的 に 活 性 な 一 部 は 、 非 SCNA分 子 ( 例 え ば ナ ト リ ウ ム 、 カ リ ウ ム 若 し く は Ca2+に 対 す る 他 の チ ャ ン ネ ル 、 ま た は そ の 断 片 、 ま た はタンパク質−タンパク質若しくはタンパク質−基質相互作用に対する高い表面の記録の 可 能 性 を 有 す る 断 片 ) と の 相 互 作 用 に お い て 沈 殿 す る 断 片 を 含 む 。 SCNAタ ン パ ク 質 に 対 す 50 (26) JP 2007-185199 A 2007.7.26 る試験化合物の結合は、前述のように直接または間接のいずれかで測定できる。好ましい 実 施 態 様 で は 、 前 記 ア ッ セ イ は 、 SCNAタ ン パ ク 質 ま た は そ の 生 物 学 的 に 活 性 な 一 部 を 、 SC NAを 結 合 し て ア ッ セ イ 混 合 物 を 形 成 す る 周 知 の 化 合 物 と 接 触 さ せ 、 ア ッ セ イ 混 合 物 を 試 験 化 合 物 と 接 触 さ せ 、 SCNAタ ン パ ク 質 と 相 互 作 用 す る 試 験 化 合 物 の 能 力 を 測 定 す る こ と を 含 み 、 こ こ で SCNAタ ン パ ク 質 と 相 互 作 用 す る 試 験 化 合 物 の 能 力 を 測 定 は 、 周 知 の 化 合 物 と 比 較 し た SCNAま た は そ の 生 物 学 的 に 活 性 な 一 部 を 選 択 的 に 結 合 す る 試 験 化 合 物 の 能 力 の 測 定 を含む。 【0104】 別 の 実 施 態 様 で は 、 前 記 ア ッ セ イ は 、 SCNAタ ン パ ク 質 ま た は そ の 生 物 学 的 に 活 性 な 一 部 を 試 験 化 合 物 と 接 触 さ せ 、 SCNAタ ン パ ク 質 ま た は そ の 生 物 学 的 に 活 性 な 一 部 の 能 力 を 調 節 10 (例えば刺激または阻害)する試験化合物の能力を測定するセルフリーアッセイである。 SCNAタ ン パ ク 質 の 活 性 を 調 節 す る 試 験 化 合 物 の 能 力 の 測 定 は 、 例 え ば 直 接 的 な 結 合 を 測 定 す る た め の 前 述 の 方 法 の 一 つ に よ っ て 、 SCNA標 的 分 子 に 結 合 す る SCNAタ ン パ ク 質 の 能 力 を 測 定 す る こ と に よ っ て 達 成 で き る 。 SCNA標 的 分 子 に 結 合 す る SCNAタ ン パ ク 質 の 能 力 の 測 定 は ま た 、 リ ア ル タ イ ム Biomolecular Interaction Analysis (BIA, Sjolander,S.及 び Urba niczky,C. (1991) Anal. Chem. 63: 2338-2345並 び に Szabom等 (1995) Curr. Opin. Stru ct. Biol. 5: 699-705)の よ う な 方 法 を 使 用 し て 達 成 で き る 。 こ こ で 使 用 さ れ る 「 BIA」 は 、 い ず れ の 相 互 作 用 物 質 ( 例 え ば BIAコ ア ) も ラ ベ リ ン グ す る こ と な く リ ア ル タ イ ム で 生 体 特 異 的 な 相 互 作 用 を 試 験 す る た め の 方 法 を 指 す 。 表 面 プ ラ ス モ ン 共 鳴 (SPR)の 光 学 的 現 象の変化が、生物学的物質の間のリアルタイムの反応の指標として使用できる。 20 【0105】 別 の 実 施 態 様 で は 、 SCNAタ ン パ ク 質 の の 応 力 を 調 節 す る 試 験 化 合 物 の 能 力 の 測 定 は 、 SC NA標 的 分 子 の 上 流 ま た は 下 流 エ フ ェ ク タ ー の 活 性 を 調 節 す る 試 験 化 合 物 の 能 力 を 測 定 す る ことによって達成できる。例えば、エフェクター分子に対する試験化合物の能力が測定で き 、 ま た は SCNAに 対 す る エ フ ェ ク タ ー の 結 合 が 前 述 の よ う に 測 定 で き る 。 【0106】 本発明のセルフリーアッセイは、単離されたタンパク質の可溶性形態及び/または膜結 合形態の両者の使用に応用できる。単離されたタンパク質の膜結合形態(例えばナトリウ ムチャンネル)が使用されるセルフリーアッセイの場合、単離されたタンパク質の膜結合 形態が溶液において維持されるように、可溶化剤を使用することが所望されるであろう。 30 そ の よ う な 可 溶 化 剤 の 例 は 、 n-オ ク チ ル グ ル コ シ ド 、 n-ド デ シ ル グ ル コ シ ド 、 n-ド デ シ ル マ ル ト シ ド 、 オ ク タ ノ イ ル -N-メ チ ル グ ル カ ミ ド 、 デ カ ノ イ ル -N-メ チ ル グ ル カ ミ ド 、 Trit on( 登 録 商 標 ) X-100、 Triton( 登 録 商 標 ) X-114、 Thesit( 登 録 商 標 ) 、 イ ソ ト リ デ シ ポ リ ( エ チ レ ン グ リ コ ー ル エ ー テ ル ) n、 3-[(3-ク ラ ミ ド プ ロ ピ ル )ジ メ チ ル -ア ミ ノ ]-l-プ ロ パ ン ス ル ホ ナ ー ト (CHAPS)、 3-[(3-ク ラ ミ ド プ ロ ピ ル )ジ メ チ ル ア ミ ノ ]-2-ヒ ド ロ キ シ -l -プ ロ パ ン ス ル ホ ナ ー ト (CHAPSO)、 ま た は N-ド デ シ ル -N,N-ジ メ チ ル -3-ア ン モ ニ オ -l-プ ロ パンスルホナートのような非イオン性界面活性剤を含む。 【0107】 本 発 明 の 前 述 の ア ッ セ イ 方 法 の 一 つ よ り 多 い 実 施 態 様 で は 、 SCNAま た は そ の 標 的 分 子 の いずれかを固定化し、タンパク質の一方または両方の非複合体形態からの複合体形態の分 40 離を容易にすること、並びにアッセイの自動化を適応させることが所望されて良い。候補 化 合 物 の 存 在 下 及 び 不 存 在 下 で の SCNAタ ン パ ク 質 へ の 試 験 化 合 物 の 結 合 、 ま た は 標 的 分 子 と の SCNAタ ン パ ク 質 の 相 互 作 用 は 、 反 応 物 を 含 む の に 適 切 な い ず れ か の 容 器 に お い て 達 成 できる。そのような容器の例は、ミクロタイタープレート、試験チューブ、及びミクロ遠 心チューブを含む。一つの実施態様では、タンパク質の一方または両方をマトリックスに 結 合 さ せ る ド メ イ ン を 付 加 す る 融 合 タ ン パ ク 質 が 提 供 で き る 。 例 え ば 、 グ ル タ チ オ ン -Sト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ /SCNA融 合 タ ン パ ク 質 、 ま た は グ ル タ チ オ ン -S-ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ / 標 的 融 合 タ ン パ ク 質 は 、 グ ル タ チ オ ン セ フ ァ ロ ー ス ビ ー ズ (Sigma Chemical, St. Louis, MO)ま た は グ ル タ チ オ ン 誘 導 化 ミ ク ロ タ イ タ ー プ レ ー ト に 吸 着 で き 、 次 い で そ れ ら を 試 験 化 合 物 、 ま た は 試 験 化 合 物 と 非 吸 着 標 的 タ ン パ ク 質 若 し く は SCNAタ ン パ ク 質 と 組 み 合 わ せ 50 (27) JP 2007-185199 A 2007.7.26 、 混 合 物 を 複 合 体 形 成 に 適 合 し た 条 件 ( 例 え ば 塩 及 び pHに つ い て の 生 理 条 件 ) 下 で イ ン キ ュベートする。インキュベーションに引き続き、ビーズまたはミクロタイタープレートの ウェルを洗浄していずれの非結合構成成分をも除去し、ビーズの場合マトリックスを固定 化し、例えば前述のように直接または間接のいずれかで複合体を測定する。別法として複 合 体 は マ ト リ ッ ク ス か ら 解 離 で き 、 SCNA結 合 ま た は 仮 性 の レ ベ ル を 標 準 法 を 使 用 し て 測 定 できる。 【0108】 マトリックスに対してタンパク質を固定化する他の方法(当該技術分野で周知である) も ま た 、 本 発 明 の ス ク リ ー ニ ン グ ア ッ セ イ で 使 用 で き る 。 例 え ば 、 SCNAタ ン パ ク 質 ま た は SCNA標 的 分 子 の い ず れ か を 、 ビ オ チ ン と ス ト レ プ タ ビ ジ ン の 接 合 物 を 使 用 し て 固 定 化 で き 10 る 。 ビ オ チ ン 化 SCNAタ ン パ ク 質 ま た は 標 的 分 子 は 、 当 該 技 術 分 野 で 周 知 の 方 法 を 使 用 し て 、 ビ オ チ ン -NHS(N-ヒ ド ロ キ シ -ス ク シ ン イ ミ ド )か ら 調 製 で き ( 例 え ば ビ オ チ ン 化 キ ッ ト 、 Pierce Chemicals, Rockford, IL) 、 ス ト レ プ ラ ビ ジ ン 被 覆 化 96穴 プ レ ー ト の 壁 に 固 定 化 で き る (Pierce Chemical)。 別 法 と し て 、 SCNAタ ン パ ク 質 ま た は 標 的 分 子 と 反 応 性 で あ る が 、 標 的 分 子 に 対 す る SCNAタ ン パ ク 質 の 結 合 を 妨 げ な い 抗 体 を 、 プ レ ー ト の ウ ェ ル に 誘 導 化 で き 、 非 結 合 標 的 ま た は SCNAタ ン パ ク 質 を 抗 体 接 合 物 に よ っ て ウ ェ ル に ト ラ ッ プ で き る 。 GST固 定 化 複 合 体 に つ い て の 前 述 の も の に 加 え て 、 そ の よ う な 複 合 体 を 検 出 す る 方 法 は 、 SCNAタ ン パ ク 質 ま た は 標 的 分 子 と 反 応 性 の 抗 体 を 使 用 す る 複 合 体 の 免 疫 検 出 、 並 び に SCNAタ ン パ ク 質 ま た は 標 的 分 子 と 会 合 す る 酵 素 活 性 を 検 出 す る こ と に よ る 酵 素 結 合 ア ッ セ イを含む。 20 【0109】 好 ま し い 実 施 態 様 と し て 、 候 補 ま た は 試 験 化 合 物 ま た は 試 薬 を 、 例 え ば Komada M等 (19 99) Genes Dev. 13(11): 1475-85、 及 び Roth M.G.等 (1999) Chem. Phys. Lipids. 98(12 ): 141-52に 記 載 さ れ た ア ッ セ イ を 使 用 し て 、 ニ ュ ー ロ ン 細 胞 ま た は 心 臓 債 の と い っ た 細 胞 に お け る ベ シ ク ル 輸 送 及 び タ ン パ ク 質 輸 送 を 調 節 す る SCNA分 子 の 能 力 を 阻 害 ま た は 刺 激 する能力について試験する。 【0110】 別 の 好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 候 補 ま た は 試 験 化 合 物 ま た は 試 薬 を 、 例 え ば in vitroキ ナ ー ゼ ア ッ セ イ を 使 用 し て 、 SCNAチ ャ ン ネ ル タ ン パ ク 質 若 し く は そ の 一 部 、 ま た は 上 流 ま た は下流標的タンパク質のリン酸化状態を阻害または刺激または調節する能力について試験 30 す る 。 略 記 す る と 、 SCNA標 的 分 子 ( 例 え ば 、 そ の よ う な 分 子 を 発 現 す る 細 胞 系 か ら 得 た 免 疫 沈 降 ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル ) を 、 例 え ば 10mM MgCl2及 び 5mM MnCl2と い っ た MgCl2及 び Mn Cl2を 副 バ ッ フ ァ ー に お い て 、 例 え ば [ガ ン マ -32P]-ATPと い っ た 放 射 性 ATPと イ ン キ ュ ベ ー ト で き る 。 イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン に 引 き 続 き 、 免 疫 沈 降 SCNA標 的 分 子 ( 例 え ば ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル ) を 、 還 元 条 件 の 下 で SDS-ポ リ ア ク リ ル ア ミ ド ゲ ル 電 気 泳 動 に よ っ て 分 離 し 、 例 え ば PVDF膜 と 行 っ た 膜 に 移 し 、 オ ー ト ラ ジ オ グ ラ フ で 検 出 で き る 。 オ ー ト ラ ジ オ グ ラ フ で 検 出 可 能 な バ ン ド の 外 観 は 、 例 え ば ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル と い っ た SCNA基 質 が リ ン 酸 化 さ れ て い る こ と を 示 す 。 リ ン 酸 化 基 質 の ホ ス ホ ア ミ ノ 酸 分 析 は ま た 、 SCNA基 質 上 の ど の 残 基 がリン酸化されているかを測定するために実施できる。略記すると、放射性リン酸化タン パ ク 質 バ ン ド を 、 SDSゲ ル か ら 摘 出 し 、 部 分 的 酸 加 水 分 解 に か け る こ と が で き る 。 次 い で 40 産物を一次元電気泳動によって分離し、例えばホスホイメージャーで分析し、ニンヒドリ ン 染 色 ホ ス ホ ア ミ ノ 酸 ス タ ン ダ ー ド と 比 較 で き る 。 そ の よ う な ア ッ セ イ は 、 例 え ば Tamask ovic R等 , (1999) Biol. Chem. 380(5): 569-78に 記 載 さ れ て い る 。 【0111】 別 の 好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 候 補 ま た は 試 験 化 合 物 ま た は 薬 剤 は 、 例 え ば Liu L. (1999 ) Cell Signal. 11(5): 317-24及 び Kawai T.等 , (1999) Oncogene 18(23): 3471-80に 記 載 さ れ た ア ッ セ イ を 使 用 し て 、 カ ル シ ウ ム と の 会 合 ( 例 え ば 結 合 ) す る SCNA分 子 の 能 力 を 阻害または刺激する能力について試験される。 【0112】 別 の 好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 候 補 ま た は 試 験 化 合 物 ま た は 薬 剤 は 、 例 え ば Okuwaki M.等 50 (28) JP 2007-185199 A 2007.7.26 (1988) J. Biol. Chem. 273(51): 34511-8及 び Miyaki- Yamaguchi M. (1999) J. Nol. B iol. 290(2): 547-557に 記 載 さ れ た ア ッ セ イ を 使 用 し て 、 細 胞 に お け る ク ロ マ チ ン 形 成 を 調 節 す る SCNA分 子 の 能 力 を 阻 害 ま た は 刺 激 す る 能 力 に つ い て 試 験 さ れ る 。 ) 【0113】 ま た 別 の 好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 候 補 ま た は 試 験 化 合 物 ま た は 薬 剤 は 、 例 え ば Baker F. L.等 , (1995) Cell Prolif. 28(1): 1-15, Cheviron N.等 , (1996) Cell Prolif. 29(8): 437-46, Hu Z.W.等 , (1999) J: Pharmacol. Exp. Ther. 290(1): 28-37並 び に Elliott K .等 , (1999) Oncogene 18(24): 3564-73に 記 載 さ れ た ア ッ セ イ を 使 用 し て 、 細 胞 増 殖 を 調 節 す る SCNA分 子 の 能 力 を 阻 害 ま た は 刺 激 す る 能 力 に つ い て 試 験 さ れ る 。 【0114】 10 好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 候 補 ま た は 試 験 化 合 物 ま た は 薬 剤 は 、 例 え ば Gonzalez C.等 , ( 1998) Cell Mol. Biol. 44(7): 1117-27及 び Chia C.P.等 , (1998) Exp. Cell. Res. 244( 1): 340-9に 記 載 さ れ た も の と 同 じ ア ッ セ イ を 使 用 し て 、 細 胞 骨 格 と の 関 連 を 調 節 す る SCN A分 子 の 能 力 を 阻 害 ま た は 刺 激 す る 能 力 に つ い て 試 験 さ れ る 。 【0115】 別 の 好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 候 補 ま た は 試 験 化 合 物 ま た は 薬 剤 は 、 例 え ば Bar-Sagi D. 等 , (1985) J. Biol. Chem. 260(8): 4740-4及 び Barker J.L.等 , (1984) Nuerosci. Lett . 47(3): 313-8に 記 載 さ れ た ア ッ セ イ を 使 用 し て 、 膜 の 興 奮 を 調 節 す る SCNA分 子 の 能 力 を 阻害または刺激する能力について試験される。 【0116】 20 別 の 好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 候 補 ま た は 試 験 化 合 物 ま た は 薬 剤 は 、 Nakashima Y.等 (19 99) J: Bone Joint Surg. Am. 81(5): 603-15に 記 載 さ れ た ア ッ セ イ を 使 用 し て 、 細 胞 ( 例 え ば ニ ュ ー ロ ン 細 胞 ま た は 心 臓 細 胞 ) に お け る サ イ ト カ イ ン シ グ ナ リ ン グ を 調 節 す る SC NA分 子 の 能 力 を 阻 害 ま た は 刺 激 す る 能 力 に つ い て 試 験 さ れ る 。 【0117】 別 の 実 施 態 様 で は 、 SCNA発 現 の 調 節 剤 が 、 細 胞 が 候 補 化 合 物 と 接 触 さ れ 、 細 胞 に お け る SCNA mRNAま た は タ ン パ ク 質 の 発 現 が 測 定 さ れ る 方 法 に お い て 同 定 さ れ る 。 候 補 化 合 物 の 存 在 下 で の SCNA mRNAま た は タ ン パ ク 質 の 発 現 の レ ベ ル が 、 候 補 化 合 物 の 不 存 在 下 で の SCN A mRNAま た は タ ン パ ク 質 の 発 現 の レ ベ ル と 比 較 さ れ る 。 次 い で 候 補 化 合 物 は 、 こ の 比 較 に 基 づ い て SCNA発 現 の 調 節 剤 と し て 同 定 で き る 。 例 え ば 、 候 補 化 合 物 の 不 存 在 下 よ り 存 在 下 30 で 、 SCNA mRNAま た は タ ン パ ク 質 の 発 現 が 大 き い ( 実 質 的 に 有 意 に 大 き い ) 場 合 、 候 補 化 合 物 は 、 SCNA mRNAま た は タ ン パ ク 質 発 現 の 刺 激 物 質 と し て 同 定 さ れ る 。 こ れ に 対 し て 、 候 補 化 合 物 の 不 存 在 下 よ り 存 在 下 で 、 SCNA mRNAま た は タ ン パ ク 質 の 発 現 が 小 さ い ( 実 質 的 に 有 意 に 小 さ い ) 場 合 、 候 補 化 合 物 は 、 SCNA mRNAま た は タ ン パ ク 質 発 現 の イ ン ヒ ビ タ ー と し て 同 定 さ れ る 。 細 胞 に お け る SCNA mRNAま た は タ ン パ ク 質 発 現 の レ ベ ル は 、 SCNA mR NAま た は タ ン パ ク 質 を 検 出 す る た め の こ こ に 記 載 さ れ た 方 法 ま た は 当 該 技 術 分 野 で 周 知 の 方法によって測定できる。 【0118】 前述のアッセイは、リード化合物のさらなる開発を約束することを検出する最初のまた は一次スクリーニングとして使用されても良い。しばしばリード化合物は、さらなる異な 40 るスクリーニングにおいてさらに評価されるであろう。それ故本発明はまた、パッチクラ ン プ 法 、 ま た は 二 つ の 電 極 の 電 位 差 ク ラ ン プ 及 び FRETベ ー ス の 電 位 差 セ ン サ ー の よ う な 、 SCNAチ ャ ン ネ ル を 発 現 す る 哺 乳 動 物 細 胞 系 を 利 用 す る 電 気 生 理 的 ア ッ セ イ を 含 む 二 次 SCNA スクリーニングを含む。標準的なパッチクランプアッセイは、ゼノパス卵母細胞における 野生型及びミュータントチャンネルを表し、電位差クランプ電気生理的レコーディングを 使用してその特性を調べる。野生型ナトリウムチャンネルは、超分極膜ポテンシャルで閉 じ る 。 膜 の 脱 分 極 に 応 答 し て 、 チ ャ ン ネ ル は 数 100マ イ ク ロ 秒 以 内 で 開 き 、 ナ ト リ ウ ム の 内部流入を生じ、それはチャンネルの不活性化によって数ミリ秒以内で終結する。細胞全 体のレコーディングにおいて、細胞膜中に配置された数千のナトリウムチャンネルの迅速 な活性化と不活性化が、迅速にピークの大きさに上昇し、次いで数ミリ秒以内でベースラ 50 (29) JP 2007-185199 A 2007.7.26 インに回復する一過的なナトリウム内部流入を生じる。 【0119】 三次スクリーニングは、てんかんについてのラット及びマウスモデルにおける同定され た調節剤の研究を含む。従って、適切な動物モデルにおいてここに記載されたような同定 された薬剤をさらに使用することも、本発明の範囲内にある。例えば、ここに記載された よ う な 同 定 さ れ た 試 験 化 合 物 ( 例 え ば SCNA調 節 薬 剤 、 ア ン チ セ ン ス SCNA核 酸 分 子 、 SCNA特 異 的 抗 体 、 ま た は SCNA結 合 パ ー ト ナ ー ) は 、 そ の よ う な 薬 剤 で の 治 療 の 効 力 、 毒 性 ま た は 副作用を測定するために、動物モデルで使用できる。別法として、ここに記載されたよう な同定された薬剤は、そのような薬剤の作用のメカニズムを測定するために、動物モデル において使用できる。さらに本発明は、ここに記載されたような治療(例えば各種のタイ 10 プ の て ん か ん ま た は CNS疾 患 の 治 療 ) の た め の 前 述 の ス ク リ ー ニ ン グ ア ッ セ イ に よ っ て 同 定された新規な薬剤の使用に関する。 【0120】 本発明の試験化合物は、生物学的ライブラリー;空間的に接近可能なパラレル固相また は溶液相ライブラリー;回旋を必要としない合成ライブラリー法;「一ビーズ一化合物」 ライブラリー法;並びにアフィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラ リー法を含む、当該技術分野で周知のコンビナトリアルライブラリー法における数多くの アプローチのいずれかを使用して得られる。生物学的ライブラリーアプローチはペプチド ライブラリーに制限されない一方、他の4種のアプローチは、化合物のペプチド、非ペプ チ ド オ リ ゴ マ ー 、 ま た は 小 分 子 ラ イ ブ ラ リ ー に 適 用 で き る (Lam, Abticancer Drug Des. 1 20 2: 145, 1997)。 分 子 ラ イ ブ ラ リ ー の 合 成 の た め の 方 法 の 例 は 当 該 技 術 分 野 で 見 出 さ れ 、 例 え ば 以 下 の も の に 見 出 さ れ る : DeWitt等 , (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 90: 6 909; Erb等 , (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 11422; Zuckermann等 , (1994), J . Med. Chem. 37: 2678; Cho等 , (1993) Science 261: 1303; Carrell等 , (1994) Angew. Chem, Int. Ed Engl. 33: 2059; Carell等 (1994) Angew. Chem. Jnl. Ed. Engl. 33: 2 061; 及 び Gallop等 , (1994) Med. Chem. 37: 1233。 化 合 物 の ラ イ ブ ラ リ ー は 、 溶 液 ( 例 え ば Houghten (1992) Biotechniques 13: 412-421) ま た は ビ ー ズ (Lam (1991) Nature 35 4: 82-84)、 チ ッ プ (Fodor (1993) Nature 364: 555-556)、 細 菌 (Ladner USP 5,223,409) 、 ス ポ ア (Ladner USP '409)、 プ ラ ス ミ ド (Cull等 , (1992) Proc. Natl. Acad. Sci USA 8 9: 1865-1869)、 ま た は フ ァ ー ジ (Scott及 び Smith (1990); Science 249: 386-390)に お い 30 て提供されても良い。分子ライブラリーの合成のための方法の例は、当該技術分野におい て 見 出 さ れ 、 例 え ば 以 下 に 見 出 さ れ る : DeWitt等 , (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 90: 6909; Erb等 , (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 11422; Zuckermann等 , (19 94), J: Med. Chem. 37: 2678; Cho等 , (1993), Science 261: 1303; Carrell等 , (1994) Angew. Chem Int. Ed. Engl. 33: 2059。 ま た は ル シ フ ェ ラ ー ゼ 、 及 び 適 切 な 基 質 の 産 物 への変換を測定することによって検出される酵素ラベルも使用できる。 【0121】 特定の治療薬が、心臓、筋肉、慢性の痛み、急性の痛み、及び他の疾患、並びにナトリ ウムチャンネルの調節剤である鎮痛剤及び麻酔剤について同定されていることは、本発明 者によって認識されている。てんかん及び関連神経学的疾患を治療するための、これらの 40 ナトリウムチャンネルの調節剤の使用は、本発明の範囲内にはいる。本発明の一つの実施 態 様 と し て 、 ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル ブ ロ ッ カ ー が 、 ニ ュ ー ロ ン の SCNAタ ン パ ク 質 及 び 遺 伝 子に対する直接的な効果を有するため、血液脳障壁を横切って改良された輸送を達成する た め に 修 飾 さ れ る 。 そ の よ う な 化 合 物 の 記 載 は 、 Hunter, JC等 , Current Opinion in CPN S Invest. Drugs. 1999 1(1): 72-81; Muir KW等 , 2000, Cerebrovasc. Disc. 10(6): 43 1-436; Winterer, G. 2000, Pharmacopsychiatry 33(5): 182-8; Clare等 , 2000, Drug D iscov. Today 5(11): 506-520; Taylor CP等 , 2000, Adv. Pharmacol. 39: 47-98,及 び Pu gsley MK等 , 1998, Eur. J. Pharmacol. 342(1): 93-104で 見 出 さ れ る 。 【0122】 SCNA遺 伝 子 の 転 写 と 翻 訳 を 調 節 す る ( 即 ち 、 上 流 調 節 か 下 流 調 節 の い ず れ か ) 化 合 物 は 50 (30) JP 2007-185199 A 2007.7.26 、てんかんまたは関連神経学的疾患を治療するために有用であることも、本発明者によっ て認識されている。本発明に従って、ナトリウムチャンネル遺伝子のプロモーターエレメ ント及び調節エレメントの活性を調節する試験化合物が、これらの疾患を治療するために 有用である。 【0123】 要 約 す る と 、 こ こ で の 開 示 に 基 づ い て 、 SCNA発 現 細 胞 の 増 殖 に 関 連 す る て ん か ん 及 び 他 の 疾 患 を 治 療 す る の に 有 用 で あ る 化 合 物 を 同 定 す る の に 役 立 つ SCNAを 、 当 業 者 は 開 発 で き る。本発明のアッセイは、ロースループット、ハイスループット、または超ハイスループ ットスクリーニングフォーマットのために開発されても良い。 【0124】 10 本 発 明 の ア ッ セ イ は 、 天 然 ま た は 組 換 え SCNAタ ン パ ク 質 の い ず れ か を 使 用 す る 。 SCNA生 物 学 的 活 性 の 調 節 剤 の た め の 細 胞 分 画 ま た は セ ル フ リ ー ス ク リ ー ニ ン グ ア ッ セ イ は 、 in s itu、 精 製 、 ま た は 精 製 組 換 え SCNAタ ン パ ク 質 を 使 用 で き る 。 細 胞 ベ ー ス の ア ッ セ イ は 、 S CNAタ ン パ ク 質 を 天 然 で 発 現 す る 細 胞 、 ま た は 誘 導 可 能 な プ ロ モ ー タ ー 配 列 を 任 意 に 含 む 、 組 換 え SCNA遺 伝 子 構 築 物 を 含 む 細 胞 を 使 用 で き る 。 全 て の 場 合 で 、 SCNAの 生 物 学 的 活 性 は 、 直 接 ま た は 間 接 に 測 定 で き る ; か く し て SCNA生 物 学 的 活 性 の 調 節 剤 が 同 定 で き る 。 調 節剤自体は、元々同定された化合物の改良された類似体を生産するために、標準的なコン ビナトリアルケミストリー法によってさらに改変されても良い。 【0125】 最 後 に 、 こ こ で 同 定 さ れ た SCNA cDNA配 列 ( 及 び 対 応 す る 完 全 な 遺 伝 子 配 列 ) の 一 部 ま 20 たは断片は、ポリヌクレオチド試薬として多くの方法で使用できる。例えばこれらの配列 は 、 (i)染 色 体 上 に そ れ ぞ れ の 遺 伝 子 を マ ッ プ し 、 か く し て て ん か ん ま た は SCNAを 直 接 若 し く は 間 接 に 含 む CNS疾 患 に 関 連 す る 遺 伝 学 的 疾 患 ( ミ ュ ー テ ー シ ョ ン / 多 型 ) と 関 連 す る 遺 伝 子 領 域 を 配 置 す る こ と ; (ii)即 席 の 生 物 学 的 サ ン プ ル か ら 患 者 を 同 定 す る こ と ( 組 織 タ イ ピ ン グ ) ; 並 び に (iii)生 物 学 的 サ ン プ ル の 法 定 で の 同 定 を 補 助 す る こ と で 使 用 で きる。 【0126】 本発明は、以下の非制限的な実施例により、さらに詳細に説明される。 【実施例】 【0127】 30 実施例1:分子的分析 ゲ ノ ム DNAを 、 各 患 者 か ら 得 た 血 液 サ ン プ ル (Smabrook等 , 1989)ま た は リ ン パ 芽 細 胞 系 ( Anderson及 び Gusella, 1984)か ら 抽 出 し た 。 高 い 異 種 接 合 性 (75%)を 有 す る 210ジ ヌ ク レ オ チ ド (CA)nリ ピ ー ト 多 型 マ ー カ ー の パ ネ ル を 、 1993-94Genethonマ ッ プ (Gyapay等 , 1994)か ら 選 択 し た 。 ジ ヌ ク レ オ チ ド マ ー カ ー は 、 22の 常 染 色 体 を 通 じ て 高 い に 20cMの 平 均 ス ペ ー スを有した。 【0128】 マ イ ク ロ サ テ ラ イ ト マ ー カ ー の ジ ェ ノ タ イ ピ ン グ を 、 ポ リ メ ラ ー ゼ 連 鎖 反 応 (PCR)に よ っ て 達 成 し た 。 反 応 混 合 物 を 、 80ngの ゲ ノ ム DNA; 1.5mM MgCl2; 0.65μ lの BSA(2.0mg/ml) ; 100ngの 各 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ラ イ マ ー ; 200mM dCTP、 dGTP及 び dTTP; 25mM dATP; 1 40 .5mCiの [35S] dATP; 及 び 0.5ユ ニ ッ ト の Taq DNAポ リ メ ラ ー ゼ (Perkin-Elmer)を 有 す る 1.2 5μ lの 10× バ ッ フ ァ ー を 使 用 し て 、 13μ lの 全 容 量 で 調 製 し た 。 反 応 サ ン プ ル を 96穴 プ レ ー ト に 移 し 、 以 下 の サ イ ク ル に か け た : 94℃ で 30秒 の 変 性 、 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ラ イ マ ー の 特 異 性 に 依 存 し て 55℃ か ら 57℃ で 変 化 す る 温 度 で 30秒 の ア ニ リ ン グ 、 72℃ で 30秒 の 伸 長 の 35サ イ ク ル 。 PCR反 応 産 物 を 、 6%変 性 ポ リ ア ク リ ル ア ミ ド シ ー ク エ ン シ ン グ ゲ ル で 電 気泳動した。 【0129】 実施例2:遺伝学的分析 2 点 連 結 分 析 を 、 LINKAGEコ ン ピ ュ ー タ ー パ ッ ケ ー ジ (Lathrop等 , 1984)か ら 得 た MLINK プ ロ グ ラ ム バ ー ジ ョ ン 5.1を 使 用 し て 実 施 し た 。 Zmaxの 正 確 な 値 を 、 同 じ コ ン ピ ュ ー タ ー 50 (31) JP 2007-185199 A 2007.7.26 パ ッ ケ ー ジ か ら 得 た ILINKプ ロ グ ラ ム で 計 算 し た 。 Lodス コ ア を 、 コ ン ピ ュ ー タ ー プ ロ グ ラ ム ILINKを 使 用 し て 、 80%浸 透 度 の 遺 伝 の 常 染 色 体 優 性 モ ー ド 、 1:500の 疾 患 遺 伝 子 頻 度 、 及び家系図から計算された全ての対立遺伝子マーカーに対する対立遺伝子頻度に基づいて 標 準 化 し た (Lathrop等 , 1984)。 【0130】 実 施 例 3 : IGE患 者 に お け る SCN1Aの ミ ュ ー テ ー シ ョ ン IGEお よ び 正 常 患 者 か ら 得 た ゲ ノ ム DNAを 従 来 法 に よ り 得 た 。 ゲ ノ ム DNAを 増 幅 す る た め に 使 用 さ れ る プ ラ イ マ ー は 図 2 に 示 さ れ る 。 PCRに 引 き 続 き 、 SSCP分 析 を 実 施 し 、 SCN1Aの ミューテーションを以下のように同定した(図3): (1)Glu1238Asp; 正 常 : GCA TTT GAA GAT ATA; 特 発 性 全 身 て ん か ん (IGE)を 有 す る 患 者 R10 10 191: GCA TTT GAC GAT ATA(70の IGE患 者 の 1で 見 出 さ れ た )。 か く し て ミ ュ ー テ ー シ ョ ン は 、 III-S1と III-S2の 間 の 細 胞 外 ド メ イ ン に お け る 保 存 的 ア ミ ノ 酸 変 化 で あ る 。 さ ら に こ の 残 基 は 、 TMド メ イ ン と 細 胞 外 ド メ イ ン の 間 の 接 合 部 で 位 置 す る 。 か く し て そ れ は 、 開 閉 活 性 に 影 響 す る で あ ろ う 。 成 人 と 新 生 児 の ア イ ソ フ ォ ー ム の 間 の ア ミ ノ 酸 変 化 は 、 同 様 な TM ド メ イ ン 近 傍 の 位 置 (I-S3と I-S4の 間 )で 存 在 す る 。 (2)Ser1773Tyr; 正 常 : ATC ATA TcC TTC CTG; 患 者 R9049( IGEに 罹 患 し た ) : ATC ATA Tm C TTC CTG: (TCC>TAC)。 こ の ミ ュ ー テ ー シ ョ ン は 、 IV-S6 TMド メ イ ン の 中 央 に 位 置 し 、 1/ 70の IGE患 者 で 見 出 さ れ 、 0/150の 試 験 さ れ た コ ン ト ロ ー ル 患 者 で 見 出 さ れ る 。 こ の ミ ュ ー テ ー シ ョ ン は 、 多 く の 理 由 の た め 生 物 学 的 観 点 か ら 興 味 深 い 。 第 一 に 、 SCN遺 伝 子 の こ の 領 域 (IV-S6)は 、 ラ ッ ト SCNで の ミ ュ ー タ ジ ェ ネ シ ス 実 験 に よ り 、 SCNの 迅 速 な 不 活 性 化 に 20 お い て 必 須 の 役 割 を 果 た す こ と が 示 さ れ て い る (McPhee等 , 1998)。 こ れ は ニ ュ ー ロ ン 性 の 超 興 奮 を 増 大 す る で あ ろ う た め 、 て ん か ん の 病 態 生 理 学 に 非 常 に 関 連 す る 。 さ ら に 、 GEF を 有 す る 患 者 に お い て 、 SCNの 迅 速 な 不 活 性 化 の 欠 陥 を 引 き 起 こ す SCNB1サ ブ ユ ニ ッ ト に お け る ミ ュ ー テ ー シ ョ ン が 見 出 さ れ て い る (Wallace等 , 1999)。 最 後 に 抗 痙 攣 薬 の 多 く ( 例 えばフェニトイン、カルバマゼピン)が、ニューロンのリピート刺激化を減少することに よ っ て 主 に 機 能 し 、 そ れ は SCNの 迅 速 な 不 活 性 化 に 関 与 す る 。 【0131】 実 施 例 4 : IGE患 者 に お け る SCN2Aの ミ ュ ー テ ー シ ョ ン IGEお よ び 正 常 患 者 か ら 得 た ゲ ノ ム DNAを 従 来 法 に よ り 得 た 。 ゲ ノ ム DNAを 増 幅 す る た め に 使 用 さ れ る プ ラ イ マ ー は 図 4 に 示 さ れ る 。 PCRに 引 き 続 き 、 SSCP分 析 を 実 施 し 、 SCN2Aの 30 ミューテーションを以下のように同定した(図5): (1)Lys908Arg: 正 常 : Rが 常 に 先 行 す る 患 者 の 数 に つ い て TAC AAA GAA; R9782(IGEを 有 す る 患 者 ): TAC AGA GAA。 か く し て ミ ュ ー テ ー シ ョ ン は 、 TMド メ イ ン IIS5と IIS6の 間 の 細 胞 外 ド メ イ ン に 位 置 す る 保 存 的 ア ミ ノ 酸 変 化 で あ り 、 1/70の IGE患 者 と 、 0/96の 正 常 コ ン ト ロ ー ル に 存 在 す る 。 S5と S6部 分 は 、 ナ ト リ ウ ム を 細 胞 内 に 侵 入 さ せ る 膜 貫 通 孔 の 壁 を 形 成 す る と 解 さ れ る た め 、 こ の ミ ュ ー テ ー シ ョ ン は 、 SCN遺 伝 子 の 重 要 な 構 成 成 分 を 含 む 。 こ れは、孔の開閉制御に影響を有するであろう。 (2)R8197、 R9062及 び R9822( 全 て IGE患 者 ) 患 者 に お け る Leu768Val(3/70の IGE患 者 と 0/65 の コ ン ト ロ ー ル 患 者 で 見 出 さ れ る )。 こ の ミ ュ ー テ ー シ ョ ン は 、 チ ャ ン ネ ル の 不 活 性 化 に お い て 重 要 で あ る ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル の IV-S6構 成 成 分 に 存 在 す る ( 詳 細 に つ い て 前 記 40 参照)。 【0132】 実 施 例 5 : IGE患 者 に お け る SCN3Aの ミ ュ ー テ ー シ ョ ン IGEお よ び 正 常 患 者 か ら 得 た ゲ ノ ム DNAを 従 来 法 に よ り 得 た 。 ゲ ノ ム DNAを 増 幅 す る た め に 使 用 さ れ る プ ラ イ マ ー は 図 6 に 示 さ れ る 。 PCRに 引 き 続 き 、 SSCP分 析 を 実 施 し 、 SCN3Aの ミューテーションを以下のように同定した(図7): (1)Asn43DEL: 対 立 遺 伝 子 1 : CAA GAT AAT GAT GAT GAG; 対 立 遺 伝 子 2 : CAA GAT --- GA T GAT GAG; オ ー プ ン リ ー デ ィ ン グ フ レ ー ム に お い て 1 ア ミ ノ 酸 の 欠 失 : DNDDEN->QDDDEN 、 細 胞 質 N末 端 部 分 に 存 在 ; IGE患 者 に お い て 、 対 立 遺 伝 子 1 の 頻 度 = 131/146(0.90); 対 立 遺 伝 子 2 の 頻 度 = 15/146(0.10); IGE患 者 に つ い て : 同 型 接 合 体 (22): R3658、 R9632; 50 (32) JP 2007-185199 A 2007.7.26 異 種 接 合 体 (12): R9049、 R9152、 R9649、 R9710、 R9896、 R10069、 R10191、 R10213、 R9993 、 R10009、 R10256。 2 の 患 者 は 、 レ ア な 対 立 遺 伝 子 に つ い て 同 型 接 合 体 で あ り 、 全 て の 患 者 が IGEを 有 す る こ と に 注 意 。 コ ン ト ロ ー ル に お い て : 対 立 遺 伝 子 1 = 145/154(0.94); 対 立 遺 伝 子 2 = 9/154(0.06)及 び 22の 同 型 接 合 体 が 見 出 さ れ な か っ た 。 (2)正 常 : tggtgtaaggtag、 R10670(IGE患 者 ): tggtataaggtag、 5N&5Aエ キ ソ ン の 間 の 保 存 的イントロンにおいて、有意な不特定性。 (3)正 常 : ccccttatatctccaac、 R10250(IGE患 者 ): ccccttatayctccaac; 5N&5Aエ キ ソ ン の 間の保存的イントロンにおいて、有意な不特定性。 (4)Val1035Ile: 正 常 : AAA TAC GTA ATC GAT、 R9269(IGE患 者 ): AAA TAC RTA ATC GAT; ( GTA>ATA=Val>Ile)。 か く し て ミ ュ ー テ ー シ ョ ン は 、 SnaBl部 位 を 破 壊 す る 保 存 的 ア ミ ノ 酸 10 変化である(かくしてこれは、制限酵素切断によって同定可能な多型として使用できる) 。 SCN1Aに お い て 、 こ の Valは Ileで あ り 、 そ れ 故 原 因 と な る ミ ュ ー テ ー シ ョ ン で は な い 。 細 胞 質 ド メ イ ン bw II-S6&III-S1に お け る ; 1/70の IGE対 立 遺 伝 子 、 及 び 0/70の コ ン ト ロ ー ルで見出される。 【0133】 実 施 例 6 : SCN1Aは 特 発 性 全 身 て ん か ん に 関 与 す る SCN1A遺 伝 子 が 、 ヒ ト に お け る 特 発 性 全 身 て ん か ん に 関 与 す る と い う 仮 説 は 、 多 く の 一 連の証拠に基づく。第一に、常染色体優性てんかんを有する多くのオーストラリア人ファ ミリーにおいて、ミューテーションが見出されている。この表現型は、熱性痙攣と関連す る 特 発 性 全 身 て ん か ん (GEFS症 候 群 )で あ る 。 こ の フ ァ ミ リ ー の 遺 伝 子 は 、 第 2 染 色 体 の 長 20 腕 に 以 前 に マ ッ ピ ン グ さ れ て い る 。 最 大 の lodス コ ア は 、 マ ー カ ー D2S111に つ い て 6.83で あ る 。 候 補 の 領 域 は 、 マ ー カ ー D2S156と D2S311の 間 の 21cMに 存 在 し て 非 常 に 大 き い 。 し か し な が ら 、 こ の 間 隔 内 で 、 疾 患 に 対 す る 候 補 遺 伝 子 と 仮 説 付 け ら れ る SCN1Aを 含 む ナ ト リ ウムチャンネル遺伝子のクラスターが存在する。 【0134】 フ ァ ミ リ ー か ら 得 ら れ た 3 の 罹 患 患 者 と 3 の 正 常 コ ン ト ロ ー ル の 小 パ ネ ル の SSCPに よ る ス ク リ ー ニ ン グ を 最 初 に 実 施 し た 。 SCN1A遺 伝 子 の 全 て の エ キ ソ ン を PCRに よ り 増 幅 し 、 エ キ ソ ン 4 に お け る SSCP変 異 は 全 て の 罹 患 患 者 に 見 出 さ れ 、 コ ン ト ロ ー ル で は 見 出 さ れ な か っ た 。 罹 患 患 者 と コ ン ト ロ ー ル の シ ー ク エ ン シ ン グ に よ り 、 ヌ ク レ オ チ ド 565で の A-T置 換 が 見 出 さ れ た 。 こ の 変 異 は 、 BamH1制 限 部 位 を 破 壊 し 、 か く し て こ の 酵 素 は 、 フ ァ ミ リ ー 30 から全ての罹患患者をスクリーニングする診断試験として、並びにさらなるコントロール の 場 合 と し て 使 用 さ れ た 。 フ ァ ミ リ ー か ら 得 た 全 て の 罹 患 患 者 が A565T置 換 を 有 し 、 同 じ 家 系 の 非 罹 患 患 者 に お い て は 見 出 さ れ な か っ た 。 A565T置 換 は 、 400の コ ン ト ロ ー ル 染 色 体 より多くは見出されなかった。 【0135】 A565T置 換 は 、 非 保 存 的 ア ミ ノ 酸 変 化 (D188V)に 対 応 す る 。 こ の ア ミ ノ 酸 は 、 全 て の 種 で これまで同定されたナトリウムチャンネルの全てにおいて保存されている。唯一の例外は 、 Numa等 に よ り ラ ッ ト に お い て 同 定 さ れ た SCN2Aで あ り 、 個 々 で は ア ス パ ラ ギ ン 酸 が ア ス パラギンに置換されている。しかしながら、他の研究者ラットにおいては同じ遺伝子をク ロ ー ン 化 し 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 が 188胃 で 保 存 さ れ て い る こ と を 見 出 し て い る た め 、 こ れ は c 40 DNAの 複 製 の 間 の エ ラ ー を 表 す よ う で あ る 。 さ ら に 、 同 じ グ ル ー プ は 、 D188Nが 卵 母 細 胞 に お け る チ ャ ン ネ ル 活 性 化 に 機 能 的 な 効 果 を 有 す る こ と を 示 し て い る (Escayg等 , Nature Ge netics. 24(4): 343-5, 2000)。 こ の A565T置 換 は 、 150の て ん か ん 患 者 と 200の コ ン ト ロ ー ル 患 者 に お い て 見 出 さ れ て い な い こ と に 注 意 。 か く し て こ の 置 換 は 、 700の 染 色 体 評 価 の 後に同定されているものである。 【0136】 研 究 さ れ た 多 く の オ ー ス ト ラ リ ア 人 フ ァ ミ リ ー で 同 定 さ れ た 、 SCN1Aに お け る D188Vが 暴 言性ミューテーションであることを証明するために、オリゴヌクレオチドミスマッチミュ ー タ ジ ェ ネ シ ス 法 を 、 ラ ッ ト SCN1Aク ロ ー ン に ミ ュ ー テ ー シ ョ ン を 導 入 す る た め に 使 用 し た 。 ミ ュ ー タ ン ト 及 び 野 生 型 ク ロ ー ン か ら RNAを 単 離 し 、 卵 母 細 胞 に 注 射 し 、 パ ッ チ ク ラ 50 (33) JP 2007-185199 A 2007.7.26 ンプ法によりナトリウム流量を記録した。流量の大きさは、ミュータントについて劇的に 減少した。また、不活性化曲線における小さなシフトが、野生型と比較してミュータント について観察された。共に考慮すると、これらの予備的結果は、SCN1A遺伝子に対す るD188Vミューテーションの機能的効果を確認する(以下の詳細参照)。 【0137】 ここで提示された結果を、他の研究者による研究と協調する。例えば、いくつかの他の グ ル ー プ が 、 GEFSま た は 非 常 に 類 似 す る 症 候 群 を 有 す る フ ァ ミ リ ー に つ い て 第 2 染 色 体 上 の 同 じ ロ ー カ ス へ の リ ン ク を 見 出 し て い る 。 SCN1Aの ミ ュ ー テ ー シ ョ ン (Thr875Metミ ュ ー テ ー シ ョ ン ; Arg1648His)が 、 こ れ ら の フ ァ ミ リ ー の 少 な く と も 二 つ (2)に お け る て ん か ん 症 候 群 の 原 因 で あ る こ と が 見 出 さ れ て い る (Escayg等 , Nature Genetics. 24(4): 343-5, 10 2000)。 ま た 、 GEFS症 候 群 は 、 SCN1B遺 伝 子 に お け る ミ ュ ー テ ー シ ョ ン に よ っ て 原 因 と さ れ ることが示されている。ベータサブユニットは、電位型ナトリウムチャンネルのアルファ サブユニットと相互作用し、細胞内のナトリウム流量の速度を改変することが示されてい る。これらのデータは、特発性全身てんかんを有する患者の脳において異常なニューロン 性放電を生産する一般的なメカニズムを示唆する。 【0138】 最 後 に 、 前 述 の GEFSを 有 す る 多 く の 家 系 か ら 患 者 を ス ク リ ー ニ ン グ す る 方 法 に お い て 、 特 発 性 全 身 て ん か ん を 有 す る 患 者 の 大 き な 団 体 を SSCPに よ る ス ク リ ー ニ ン グ し た 。 後 に シ ー ク エ ン ス さ れ る 二 つ の (2)SSCP変 異 が そ れ に よ っ て 同 定 さ れ た 。 観 察 さ れ た 変 異 は 、 表 3に示される: 20 【0139】 【表3】 30 以 前 の 基 礎 的 研 究 に よ り 、 SCN2Aの IV-S6膜 貫 通 ド メ イ ン に お け る ア ミ ノ 酸 置 換 が 、 チ ャ ン ネ ル の 不 活 性 化 の 速 度 に 有 意 に 影 響 す る こ と が 示 さ れ て い る 。 そ れ 故 、 Ser1773Tyrは 、 SCN1A遺 伝 子 機 能 に 効 果 を 有 す る で あ ろ う 。 そ の よ う な 機 能 的 研 究 は 、 現 在 実 施 中 で あ る 。 【0140】 40 実 施 例 7 : IGEと 一 般 的 な て ん か ん に お け る 、 SCN1A、 SCN2A、 SCN3A及 び そ れ ら の 特 異 的 な ミューテーションの役割のさらなる確認 IGEに お け る SCN1A、 SCN2A、 SCN3A及 び そ れ ら の 特 異 的 な ミ ュ ー テ ー シ ョ ン の 役 割 を さ ら に 確 認 す る た め に 、 数 多 く の 方 法 が 使 用 で き る 。 例 え ば 、 さ ら な る 患 者 を 、 SCN1A、 SCN2A ま た は SCN3Aの ミ ュ ー テ ー シ ョ ン に つ い て ス ク リ ー ニ ン グ す る こ と が で き る 。 さ ら に 、 IGE にリンクしない多型を反映することとは対照的に、同定されたミューテーションが疾患と 有意に相関関係を有することを確認するために、さらなる正常な患者をスクリーニングで き る 。 IGEに 直 接 リ ン ク し な い 多 型 は 、 IGEに リ ン ク し た 機 能 的 ミ ュ ー テ ー シ ョ ン と 連 鎖 不 均衡を示すのであれば、診断及び/または予後のアッセイにおいて有用であろう。さらに 、機能的な研究を実施できる。多くの方法は、当業者に従う。一つの特に好ましい機能的 50 (34) JP 2007-185199 A 2007.7.26 ア ッ セ イ は 、 ゼ ノ パ ス 卵 母 細 胞 と 、 SCN1A、 SCN2Aま た は SCN3Aの 正 常 ま た は ミ ュ ー タ ン ト 配 列 を 有 す る 組 換 え 構 築 物 の 使 用 を 含 む 。 ゼ ノ パ ス 卵 母 細 胞 は 、 組 換 え KCNQ2と KCNQ3を 使 用 す る サ イ ク リ ッ ク AMP調 節 カ リ ウ ム チ ャ ン ネ ル の 構 造 − 機 能 相 関 関 係 を 分 析 す る 機 能 的 ア ッ セ イ に お い て 使 用 さ れ て い る (Schroeder等 , 1998)。 同 様 に そ れ は 、 ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル の ベ ー タ サ ブ ユ ニ ッ ト の 構 造 − 機 能 相 関 関 係 を 分 析 す る た め に 使 用 さ れ て い る (SCN 1B遺 伝 子 ; Wallace等 , 1998)。 【0141】 機 能 的 研 究 の 一 つ の 前 記 例 は 、 ラ ッ ト 正 常 SCN1A遺 伝 子 を コ ー ド す る cDNA内 に ミ ュ ー テ ー シ ョ ン を 導 入 す る こ と に よ り 、 ナ ト リ ウ ム チ ャ ン ネ ル 機 能 に 対 す る SCN1A遺 伝 子 中 の D18 8Vミ ュ ー テ ー シ ョ ン の 効 果 を 評 価 す る こ と に よ っ て 調 べ ら れ る 。 こ の 評 価 遺 伝 子 は 、 ヒ ト 10 SCN1A遺 伝 子 と >95%の 同 一 性 を 有 す る 。 ゼ ノ パ ス 卵 母 細 胞 に お け る 野 生 型 及 び ミ ュ ー タ ン トチャンネルの発現、並びに電位差−クランプ電気生理学的レコーディングを使用するそ れらの特性の評価は、このゼノパス系に適用される。野生型ナトリウムチャンネルは、過 分 極 電 位 で 閉 じ る 。 膜 の 脱 分 極 応 答 し て 、 こ の チ ャ ン ネ ル は 数 100マ イ ク ロ 秒 以 内 で 開 き 、ナトリウム流入を導き、それはチャンネルの不活性化により数ミリ秒以内で終結する。 細胞全体のレコーディングにおいて、細胞膜全体に配置された数千のナトリウムチャンネ ルの迅速な活性化と不活性化は、迅速にピークの大きさに上昇し、次いで数ミリ秒以内に ベースラインに減少する一過的なナトリウム流入を導く。チャンネルの特性の中で、てん か ん に リ ン ク す る ミ ュ ー テ ー シ ョ ン に よ っ て 改 変 さ れ そ う な も の は 、 1)チ ャ ン ネ ル を 開 く の に 必 要 な 膜 の 脱 分 極 の 強 度 の 測 定 値 で あ る 、 活 性 化 の 電 位 差 依 存 性 、 2)残 存 す る 膜 電 位 20 で開くために利用可能なチャンネルの分画の測定値である、定常状態の不活性化の電位差 依 存 性 、 並 び に 3)不 活 性 化 の タ イ ム コ ー ス で あ る 。 予 備 的 な 結 果 に よ り 、 D188Vミ ュ ー タ ントチャンネルが、活性化の電位差依存性と不活性化のタイムコースについて野生型チャ ンネルと同等であることが示されている。しかしながら、ミュータントチャンネルの定常 状態の不活性化は、野生型チャンネルで観察されるものよりわずかに正である膜電位にシ フトする。この正のシフトは、静止して開くために利用可能なチャンネルの分画を増大す るはずである。これは、ニューロンの興奮性を増大し、てんかん誘発に寄与するであろう 。かくして、ナトリウムチャンネル遺伝子で天然に生じるミューテーションの機能的な重 要 性 が 、 試 験 的 に 同 定 さ れ て い る 。 か く し て 、 D188Mミ ュ ー タ ン ト の 機 能 的 な 重 要 性 は 、 てんかんにおけるその役割を少なくとも一部として説明するであろう。そのような機能的 30 な 重 要 性 は 、 SCN1A、 SCN2A及 び SCN3Aに お け る 前 記 同 定 さ れ た 他 の ミ ュ ー テ ー シ ョ ン で 観 察されると予測される。 【0142】 本発明は、その好ましい実施態様によって前述のように記載されているが、添付された 特許請求の範囲に規定される主題となる発明の精神及び性質から離れることなく、本発明 を改変することは可能である。 【図面の簡単な説明】 【0143】 【 図 1 】 図 1 は 、 ch 2q23-q31上 の IGE候 補 領 域 を 示 す 。 マ ー カ ー の 順 序 と マ ー カ ー 間 の 距 離 は 、 Gyapay等 , 1994に 従 う 。 40 【 図 2 a 】 図 2 a は 、 SCN1Aの ゲ ノ ム PCR-SSCPに つ い て 使 用 さ れ る PCRプ ラ イ マ ー を 示 す 。 【図2b】図2bは図2aの続きである。 【図2c】図2cは図2bの続きである。 【図2d】図2dは図2cの続きである。 【図2e】図2eは図2dの続きである。 【図2f】図2fは図2eの続きである。 【 図 3 】 図 3 は 、 て ん か ん 患 者 に お い て 見 出 さ れ る SCN1Aミ ュ ー テ ー シ ョ ン の 配 列 を 示 す 。 【 図 4 a 】 図 4 a は 、 SCN2Aの ゲ ノ ム PCR-SSCPに つ い て 使 用 さ れ る PCRプ ラ イ マ ー を 示 す 。 【図4b】図4bは図4aの続きである。 50 (35) JP 2007-185199 A 2007.7.26 【図4c】図4cは図4bの続きである。 【図4d】図4dは図4cの続きである。 【図4e】図4eは図4dの続きである。 【図4f】図4fは図4eの続きである。 【 図 5 】 図 5 は 、 SCN2Aに お い て て ん か ん 患 者 で 見 出 さ れ る ミ ュ ー テ ー シ ョ ン を 示 す 。 【 図 6 a 】 図 6 a は 、 SCN3Aの ゲ ノ ム PCR-SSCPに つ い て 使 用 さ れ る PCRプ ラ イ マ ー を 示 す 。 【図6b】図6bは図6aの続きである。 【図6c】図6cは図6bの続きである。 【図6d】図6dは図6cの続きである。 【図6e】図6eは図6dの続きである。 10 【 図 7 】 図 7 は 、 SCN3Aに お い て て ん か ん 患 者 で 見 出 さ れ る ミ ュ ー テ ー シ ョ ン を 示 す 。 【図1】 【図2a】 (36) 【図2b】 【図2c】 【図2d】 【図2e】 JP 2007-185199 A 2007.7.26 (37) 【図2f】 【図4a】 【図3】 【図4b】 【図4c】 JP 2007-185199 A 2007.7.26 (38) 【図4d】 【図4e】 【図4f】 【図6a】 【図5】 JP 2007-185199 A 2007.7.26 (39) 【図6b】 【図6c】 【図6d】 【図6e】 【図7】 JP 2007-185199 A 2007.7.26 (40) 【配列表】 2007185199000001.app JP 2007-185199 A 2007.7.26 (41) JP 2007-185199 A 2007.7.26 フロントページの続き (51)Int.Cl. FI C12Q C12Q 1/68 1/42 (2006.01) (2006.01) テーマコード(参考) C12Q 1/68 A C12Q 1/42 (72)発明者 ガイ・エー・ルーロー カナダ・ケベック・H3W・2H2・モントリオール・コト・サン−リュク・4850・アパート メント・7 (72)発明者 ロナルド・ジー・ラフルニエール カナダ・ケベック・H4H・1X5・ヴェルダン・オズボーン・アベニュ・1264 (72)発明者 ダニエル・ロシュフォート カナダ・ケベック・H7M・5T1・ラヴァル・ドゥ・カルマール・2134 (72)発明者 パトリック・コセット カナダ・ケベック・H3A・3V9・モントリオール・ユニバーシティ・ストリート・3550 (72)発明者 デビッド・ラグスデール カナダ・ケベック・H3A・3V9・モントリオール・ユニバーシティ・ストリート・3550 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 CA01 CA09 CA11 CA20 HA12 4B063 QA01 QA13 QA19 QQ08 QQ42 QQ52 QR14 QR32 QR35 QR55 QR59 QR62 QS25 QS32 QX02 4B065 AA90X AA90Y CA44 CA46