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of 30 第 181 号(2016 年 11 月 30 日発行)
ジェトロ北京ニューズレター
JETRO
Beijing
Newsletter
2016 年 11 月 30 日号(Vol.181)
今号の目次 CONTENT
【1】ジェトロ北京からのお知らせ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page1)
<1> ★12 月開催★法務セミナーのご案内
<2> 農林水産物・食品の輸出支援ポータルへのご意見をお聞かせください
<3> 大阪府より「大阪ものづくり企業 海外拠点リスト」のご案内
<4> 【中国】ポスト爆買いは電子決済で
【2】華北経済スコープ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page4)
【3】華北イベント情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page9)
【4】進出企業支援情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page10)
<1> 法務労務・会計税務情報
<2> 知っておきたい中国語
【5】ニューズレターの登録・解除などのご案内・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page30)
<1> ★12 月開催★ 法務セミナーのご案内
12 月 8 日(木)天津、16 日(金)北京で法務セミナー「中国現地法人の環境リスクマネジメント」と法務・
労務無料相談会を開催します。
【天津】
日 時: 【セミナー】2016 年 12 月 8 日(木)14:30~17:00(受付 14:00~)
【無料相談会】2016 年 12 月 8 日(木)9:00~14:00 の間 (除く 12:00~13:00)
場 所: The Westin Tianjin 天津君隆威斯汀酒店 3 階宴会 1
(天津市和平区南京路 101 号)Tel:022-2389-0027
主 催: 天津日本人会、ジェトロ北京事務所
参加費: 無料
言 語: 日本語
案内詳細、お申込み:
セミナー: https://www.jetro.go.jp/form5/pub/pcb/20161208tj
無料相談会:https://www.jetro.go.jp/form5/pub/pcb/20161208tj1
締 切: 2016 年 12 月 5 日(月)
【北京】
日 時:
場 所:
2016 年 12 月 16 日(金)15:00~17:30(受付 14:30~)
長富宮飯店 2 階 月季・ジャスミン
Page 1 of 30
第 181 号(2016 年 11 月 30 日発行)
(北京市建国門外大街 26 号 Tel:010-6512-5555)
主 催: 中国日本商会、ジェトロ北京事務所
参加費: 無料
言 語: 日本語
案内詳細、お申込み:
https://www.jetro.go.jp/form5/pub/pcb/20161216bj
締 切: 2016 年 12 月 9 日(金)
お問合わせ:ジェトロ北京事務所
Tel:
(010)6513-7077 (内線 126(朱)
、129(鄭)
、128(日向)
)
<2> 農林水産物・食品の輸出支援ポータルへのご意見をお聞かせください
政府の「農林水産業の輸出力強化戦略」に基づき、ジェトロは農林水産品・食品の輸出に取り組む皆様に一
元的に情報を提供すべく、
「国・地域別イベントカレンダー」
、
「バイヤーリスト」などの新規コンテンツを加え、
ジェトロのウェブページ「農林水産物・食品の輸出支援」を8月にリニューアルしました。
今後、より分かりやすく便利なサイトとしていくため、ユーザーアンケートを実施いたします。皆様のご意
見やご要望をお聞かせいただけますと幸いです。
<農林水産物・食品の輸出支援ポータル>
https://www.jetro.go.jp/agriportal/
<ユーザーアンケート:ご意見・ご要望はこちらから>
https://www.jetro.go.jp/form5/pub/afa/agriportal-opinion
◆お問合せ先◆
ジェトロ農林水産・食品課
E-mail: [email protected]
<3> 大阪府より「大阪ものづくり企業 海外拠点リスト」のご案内
「大阪のものづくり企業 海外拠点リスト」は、大阪府が整備を進めている、海外で活躍する大阪のものづく
り企業のリストです。もし皆様がこのようなお悩みを抱えていらっしゃるようであれば、ぜひ一度ご覧くださ
い!(ご利用は無料です)
・ 「資材購買、加工等の現地調達を進めたいが、地場企業の品質や納期管理では満足できない!」
・ 「日系から調達しているが、発注やメンテのために日本に連絡しなければならないのは面倒だし時間が掛
かりすぎる!」
・ 「調達機能のローカル化を推進しており、極力日本を経由せず現地で発注を完結させたい!」
・ 「原材料の現地調達に忙しく、部品や加工等の現地調達まで手が回っていない!」
詳しくは下記 Web サイトをご参照下さい。
情報は適宜追加更新しております。常に最新状況をご確認下さい。
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第 181 号(2016 年 11 月 30 日発行)
http://www.pref.osaka.jp/keizaikoryu/mono_kaigaikyoten/index.html
[お問い合わせ先]
大阪府 商工労働部 ものづくり支援課まで(本リストへの掲載希望も下記連絡先まで。掲載も無料です)
E-mail:[email protected]
Tel:+81-6-6748-1066
<4> 【中国】ポスト爆買いは電子決済で
中国で電子決済が急速に普及。
「細かい消費」への対応にメリット。リピーターとなる訪日中国人が増え、売
れ筋商品は尐額商品に移っている。日本での"爆買い"は一段落したともみられるところから、電子決済サービ
スを導入する日本企業もある。為替リスクや導入後のトラブルなど、リスク回避への目配りが必要。
(本レポートは、
「ジェトロセンサー」2016 年月 12 号エリアリポートにも掲載)→「ジェトロセンサー2016
年 12 月号」の詳細はこちら(全 2 ページ)
詳細は、以下よりダウンロード下さい。
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2016/01/52108112bc72e82c.html
Page 3 of 30
第 181 号(2016 年 11 月 30 日発行)
華北経済スコープ
<1>
中国のマクロ経済指標
(中国)
マクロ項目
統計項目
単位
2014年
2015年
1月
2016年第1四半期
2月
3月
1~3月
- 158,526
6.7
6.8
5.8
85,843
10.7
25,114
78,024
10.5
10.3
2.3
2.3
2.1
2,197
2,918
8,021
-20.8
2.0
-11.3
1,261
1,608
4,639
-25.4
11.5
-9.6
936
1,310
3,382
-13.8
-7.6
-13.5
326
299
1,257
1,388
2,560
5,956
-11.3
26.1
1.6
84
129
354
1.8
7.8
4.5
GDP総額
億元 635,910 676,708
実質GDP成長率
%
7.3
6.9
工業
工業生産増加額伸び率
%
8.3
6.1
固定資産投資総額
億元 502,005 551,590
国内投資
固定資産投資総額伸び率
%
15.7
10.0
社会小売品販売総額
億元 262,394 300,931
消費
社会小売品販売総額伸び率
%
12.0
10.7
物価
消費者物価上昇率
%
2.0
1.4
1.8
貿易総額
億ドル 43,030 39,586
2,917
貿易総額伸び率
%
3.4
-8.0
-14.3
うち輸出総額
億ドル 23,427 22,766
1,775
貿易
輸出総額伸び率
%
6.1
-2.8
-11.2
うち輸入総額
億ドル 19,603 16,821
1,142
輸入総額伸び率
%
0.4
-14.1
-18.8
貿易収支
億ドル
3,825
5,945
633
対内直接投資件数(契約ベース) 件
23,778 26,575
2,008
件数伸び率
%
4.4
11.8
-11.4
対内直接投資
対内直接投資額(実行ベース) 億ドル
1,196
1,263
141
実行ベース金額伸び率
%
1.7
6.4
3.2
(注)伸び率は前年同期(月)比。対内直接投資額の伸び率は人民元建ての伸び率。
(出所):中国国家統計局ウェブサイト、商務部ウェブサイト、中国投資指南ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
GDP
4月
6.0
24,646
10.1
2.3
3,000
-5.8
1,728
-1.8
1,272
-10.9
456
2,342
21.4
99
6.0
2016年第2四半期
5月
6月
6.0
6.2
26,611 26,857
10.0
10.6
2.0
1.9
3,121
3,127
-2.6
-6.4
1,811
1,804
-4.1
-4.8
1,311
1,323
-0.4
-8.4
500
481
2,573
2,531
43.6
8.5
89
152
-1.0
9.7
1~6月
340,637
6.7
6.0
258,360
9.0
156,138
10.3
2.1
17,127
-8.7
9,855
-7.7
7,272
-10.2
2,583
13,402
12.5
694
5.1
7月
6.0
26,827
10.2
1.8
3,172
-7.9
1,847
-4.4
1,324
-12.5
523
2,400
-3.8
77
-1.6
2013年が7.8から7.7へ(8月に下方修正)
2014年が7.4から7.3へ(9月7日に下方修正)
GDPが636139へ
2014年は7.3で確定(1月7日に最終確定)
GDPが635910へ
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2016年第3四半期
2016年第4四半期
8月
9月
1~9月
10月 1月~10月
6.3
6.1
6.0
6.1
6.0
- 426,906
8.2
27,540 27,976 238,482 31,119 269,601
10.6
10.7
10.4
10.0
10.3
1.3
1.9
2.0
2.1
2.0
3,291
3,270 26,777
3,073
29,815
-1.1
-6.6
-7.8
-4.9
-7.6
1,906
1,845 15,370
1,782
17,115
-2.1
-10.0
-7.5
-7.3
-7.7
1,385
1,425 11,407
1,291
12,699
1.5
-1.9
-8.2
-1.4
-7.5
520
420
3,964
491
4,416
2,736
2,754 21,292
1,288
22,580
13.2
27.9
12.2
-36.9
7.4
88
92
951
88
1,039
5.7
1.2
4.2
4.7
4.2
<2>
北京市のマクロ経済指標
(北京市)
マクロ項目
統計項目
単位 2014年 2015年
2015年第1四半期
2015年第2四半期
2015年第3四半期
2015年第4四半期
1月 2月 3月 1~3月 4月 5月 6月 1~6月 7月 8月 9月 1~9月 10月 11月 12月 1~12月
- 4,774
- 10,578
- 16,002
- 22,969
- 6.8
- 7.0
- 6.7
- 6.9
- 4.5 4.3 -0.1 -0.7 1.7 2.6 -5.9 -1.9 -4.1 0.2 1.7 8.2 0.2 1.0
- 1,008
- 2,848
- 4,875
- 7,446
- 8.4
- 3.7
- 4.4
- 8.3
- 782 2,383 777 794 841 4,796 861 847 896 7,400 971 971 1,003 10,338
- 4.1 6.6 4.5 4.3 7.3 6.0 6.9 5.1 8.4 6.3 9.7 9.7 11.2 7.3
0.4 1.7 1.6 1.2 2.0 1.8 1.7 1.5 2.3 2.3 2.3 1.8 1.9 1.9 2.0 1.8
298 220 263 781 272 251 285 1,591 286 246 287 2,411 239 243 307 3,196
-25.1
- -28.4
- -25.1
- -23.5
- -23.1
49 43 36 129 41 44 45 259 40 40 47 384 46 52 65 547
-13.5
- -11.0
- -14.0
- -17.2
- -12.3
249 177 227 653 231 207 241 1,332 247 207 241 2,027 193 191 242 2,649
-27.1
- -31.0
- -26.9
- -24.6
- -25.0
-200 -133 -191 -524 -190 -163 -196 -1,073 -207 -167 -194 -1,642 -148 -139 -177 -2,103
46
- 54
- 115
- 124
420.0
- 110.0
- 120.0
- 57.3
-
GRP総額
億元 21,331 22,969
実質GRP成長率
%
7.3 6.9
工業
工業生産増加額伸び率
%
6.2 1.0
固定資産投資総額
億元 6,873 7,446
国内投資
固定資産投資総額伸び率
%
1.1 8.3
社会小売品販売総額
億元 9,098 10,338
消費
社会小売品販売総額伸び率 %
8.6 7.3
物価
消費者物価上昇率
%
1.6 1.8
貿易総額
億ドル 4,157 3,196
貿易総額伸び率
% -3.3 -23.1
うち輸出総額
億ドル 623 547
貿易
輸出総額伸び率
% -1.2 -12.3
うち輸入総額
億ドル 3,533 2,649
輸入総額伸び率
% -3.7 -25.0
貿易収支
億ドル -2,910 -2,103
対内直接投資 対内直接投資件数(契約ベース) 件
件数伸び率
%
対内直接投資額(実行ベース) 億ドル 90 130
実行ベース金額伸び率
%
6.1 43.8
注:伸び率は前年同期(月)比
(出所):北京市統計局ウェブサイト、北京市商務局ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
GRP
2016年第1四半期
2016年第2四半期
2016年第3四半期
1月 2月 3月 1~3月 4月 5月 6月 1~6月 7月 8月 9月 1~9月
- 5,452
- 11,414
- 17,368
- 6.9
- 6.7
- 6.7
- 6.3 1.1 1.9 3.1 2.1 1.7 3.9 8.4 10.3 3.9
- 1,132
- 3,031
- 5,147
- 12.3
- 6.4
- 5.6
- 818 2,435 820 822 899 4,976 903 904 974 7,758
- 4.6 2.2 5.5 3.6 6.9 3.8 4.9 6.8 8.7 4.8
1.2 1.3 1.6 1.4 1.4 0.9 0.7 1.2 1.1 1.0 1.6 1.2
202 169 226 597 214 238 239 1,289 263 243 252 2,049
-32.2
- -23.5
- -19.0
- -14.9
40 31 38 109 35 39 42 225 44 42 42 353
-18.7
- -15.4
- -12.9
- -7.9
162 138 189 488 179 199 197 1,064 219 202 209 1,696
-34.8
- -25.1
- -20.2
- -16.7
-122 -107 -151 -379 -144 -161 -154 -839 -175 -160 -167 -1,343
47
- 57
- 117
2.5
- 5.3
- 1.8
-
Page 5 of 30 第 181 号(2016 年 11 月 30 日発行)
<3>
天津市のマクロ経済指標
(天津市)
マクロ項目
統計項目
単位 2014年 2015年
2015年第1四半期
2015年第2四半期
2015年第3四半期
2015年第4四半期
1月 2月 3月 1~3月 4月 5月 6月 1~6月 7月 8月 9月 1~9月 10月 11月 12月 1~12月
- 3,709
- 7,884
- 12,321
- 16,538
- 9.3
- 9.4
- 9.4
- 9.3
- 9.0 9.4 9.1 9.5 9.5 9.5 9.7 8.3 8.6 9.4 8.7 8.3 8.4 9.3
- 2,013
- 6,388
- 9,687
- 11,815
- 13.6
- 13.2
- 13.3
- 12.6
- 1,221
- 2,483
- 3,833
- 5,246
- 10.5
- 10.8
- 10.9
- 10.7
0.7 1.3 1.4 1.2 2.0 1.8 1.9 1.5 2.4 2.4 1.6 1.7 1.3 1.7 1.4 1.7
108 86 91 285 103 90 97 574 99 85 104 861 90 93 99 1,143
-4.8
- -7.8
- -11.6
- -14.6
- -14.6
52 40 39 131 46 42 42 261 41 37 47 386 42 40 44 512
15.7
- 14.4
- 5.1
- -0.6
- -2.7
56 46 52 154 57 48 55 313 57 48 57 475 48 53 55 632
-18.2
- -20.9
- -21.9
- -23.4
- -22.3
-4 -6 -13 -23 -12 -6 -12 -53 -16 -11 -10 -89 -7 -13 -11 -120
67 50 55 172 55 60 127 414 123 111 79 727 96 119 93 1,035
19.6
- 19.4
- 34.0
- 46.0
- 53.6
16 17 30 64 16 17 24 121
8 13 17 158 14 18 22 211
12.1
- 10.5
- 11.8
- 11.3
- 12.0
GRP総額
億元 15,722 16,538
実質GRP成長率
% 10.0 9.3
工業
工業生産増加額伸び率
%
10.1 9.3
固定資産投資総額
億元 10,490 11,815
国内投資
固定資産投資総額伸び率
%
15.2 12.6
社会小売品販売総額
億元 4,739 5,246
消費
社会小売品販売総額伸び率 %
6.0 10.7
物価
消費者物価上昇率
%
1.9 1.7
貿易総額
億ドル 1,339 1,143
貿易総額伸び率
%
4.2 -14.6
うち輸出総額
億ドル 526 512
貿易
輸出総額伸び率
%
7.3 -2.7
うち輸入総額
億ドル 813 632
輸入総額伸び率
%
2.3 -22.3
貿易収支
億ドル -287 -120
対内直接投資件数(契約ベース) 件
674 1,035
件数伸び率
% 19.5 53.6
対内直接投資
対内直接投資額(実行ベース) 億ドル 189 211
実行ベース金額伸び率
% 12.1 12.0
注:伸び率は前年同期(月)比
(出所):天津市統計局ウェブサイト、天津市商務委員会ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
GRP
2016年第1四半期
2016年第2四半期
2016年第3四半期
1月 2月 3月 1~3月 4月 5月 6月 1~6月 7月 8月 9月 1~9月
- 4,039
- 8,501
- 13,339
- 9.1
- 9.2
- 9.1
- 9.2 9.2 7.3 7.5 9.0 8.9 6.6 9.2 8.5 8.8
- 2,291
- 7,074
- 10,490
- 13.8
- 10.7
- 8.3
- 1,350
- 2,248
- 4,120
- 10.3
- 8.6
- 7.3
1.8 2.1 2.2 2.0 1.8 1.3 1.1 1.7 2.2 2.2 2.6 1.9
84 66 82 232 92 79 91 495 85 94 91 766
-22.3
- -18.5
- -13.8
- -11.1
38 30 35 104 42 38 41 224 37 40 38 338
-26.0
- -20.9
- -14.2
- -12.5
45 37 47 128 51 41 51 271 48 55 53 428
-18.9
- -16.4
- -13.5
- -9.9
-7 -7 -11 -25 -9 -3 -10 -48 -12 -15 -16 -90
93
- 287
- 614
- 903
38.8
- 66.9
- 48.3
- 24.2
9
- 26
- 52
- 76
12.4
- 12.6
- 12.6
- 12.3
Page 6 of 30 第 181 号(2016 年 11 月 30 日発行)
<4>
河北省のマクロ経済指標
(河北省)
マクロ項目
統計項目
単位 2014年 2015年
GRP総額
億元 29,421 29,806
実質GRP成長率
%
6.5 6.8
工業
工業生産増加額伸び率
%
5.1 4.4
固定資産投資総額
億元 26,147 28,906
国内投資
固定資産投資総額伸び率
% 15.5 10.6
社会小売品販売総額
億元 11,690 12,935
消費
社会小売品販売総額伸び率 % 12.4 9.4
物価
消費者物価上昇率
%
1.7 0.9
貿易総額
億ドル 599 515
貿易総額伸び率
%
9.1 -14.0
うち輸出総額
億ドル 357 329
貿易
輸出総額伸び率
% 15.4 -7.8
うち輸入総額
億ドル 242 185
輸入総額伸び率
%
0.9 -23.3
貿易収支
億ドル 115 144
対内直接投資件数(契約ベース) 件
198 208
件数伸び率
%
- 対内直接投資
対内直接投資額(実行ベース) 億ドル 64 62
実行ベース金額伸び率
% -1.2 -3.1
注:伸び率は前年同期(月)比
(出所):河北省統計局ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
GRP
2015年第1四半期
2015年第2四半期
2015年第3四半期
2015年第4四半期
1月 2月 3月 1~3月 4月 5月 6月 1~6月 7月 8月 9月 1~9月 10月 11月 12月 1~12月
- - - - - - - 13,798 - - - 21,280 - - - 29,806
- - - - - - - 6.6 - - - 6.5 - - - 6.8
- - 4.2 4.6 4.7 4.3 4.7 4.6 3.6 2.9 2.2 4.1 4.6 5.3 4.5 4.4
- - - 3,484 - - - 12,404 - - - 21,499 - - - 28,906
- - - 14.2 - - - 13.1 - - - 11.7 - - - 10.6
- - - 2,908 - - - 5,797 - - - 8,927 - - - 12,935
- - - 9.0 - - - 9.1 - - - 9.0 - - - 9.4
0.2 0.8 0.5 0.5 0.8 0.3 0.5 0.5 1.1 1.1 1.1 0.8 0.6 1.3 1.6 0.9
49 40 39 128 42 42 44 255 47 42 47 392 40 39 44 515
-12.7 - - -6.8 - - - -12.4 - - - -12.9 - - - -14.0
34 25 22 81 26 28 28 162 30 27 31 251 27 24 28 329
9.5
- - 10.7
- - - 0.9
- - - -3.6
- - - -7.8
16 15 17 47 16 14 16 93 17 15 16 141 14 15 17 185
-39.5 - - -26.5 - - - -29.0 - - - -25.6 - - - -23.3
18 10 4 33 10 14 13 70 13 12 15 110 13 9 11 144
13 - - 34 - - - 96 - - - 150 - - - 208
- - - - - - - - - - - - - - - 3
- - 9
- - - 28
- - - 33
- - - 62
- - - 10.6
- - - 6.2
- - - - - - - -3.1
2016年第1四半期
2016年第2四半期
2016年第3四半期
1月 2月 3月 1~3月 4月 5月 6月 1~6月 7月 8月 9月 1~9月
- - - 6,487 - - - 14,468 - - - 22,496
- - - 6.5 - - - 6.6 - - - 6.8
- - 5.9 4.9 5.2 4.8 5.2 5.1 5.1 6.9 6.5 5.6
- - - 3,864 - - - 13,785 - - - 23,593
- - - 10.9 - - - 11.1 - - - 9.7
- - - 3,197 - - - 6,388 - - - 9,869
- - - 9.5 - - - 9.8 - - - 10.1
1.8 1.5 1.8 1.7 1.6 1.3 1.0 1.5 0.9 0.7 1.7 1.4
37 29 36 102 39 39 43 223 40 40 38 342
-24.7 - - -20.0 - - - -12.8 - - - -12.7
26 20 22 68 25 25 30 149 27 27 25 228
-23.5
- - -15.4
- - - -8.2
- - - -8.9
11 10 13 34 13 13 13 74 13 13 13 113
-27.4 - - -27.9 - - - -20.7 - - - -19.5
15 10 9 34 12 12 18 75 14 14 12 115
10 - - 33 - - - 76 - - - 122
- - - - - - - - - - - 1
- - 11
- - - 36
- - - 50
-54.4
- - 19.2
- - - 30.8
- - - 54.3
Page 7 of 30 第 181 号(2016 年 11 月 30 日発行)
<5>
西安市のマクロ経済指標
(西安市)
マクロ項目
統計項目
単位 2014年 2015年
GRP総額
億元 5,475 5,810
実質GRP成長率
% 9.9 8.2
工業
工業生産増加額伸び率
% 11.1 6.6
固定資産投資総額
億元 5,904 5,087
国内投資
固定資産投資総額伸び率 % 15.0 -12.7
社会小売品販売総額 億元 2,873 3,405
消費
社会小売品販売総額伸び率 % 12.8 10.1
物価
消費者物価上昇率
% 1.4 0.7
貿易総額
億ドル 250 284
貿易総額伸び率
% 38.9 13.7
うち輸出総額
億ドル 120 132
貿易
輸出総額伸び率
% 41.1 10.3
うち輸入総額
億ドル 130 152
輸入総額伸び率
% 37.0 16.7
貿易収支
億ドル -11 -20
対内直接投資件数(契約ベース) 件 103 73
件数伸び率
% -32.2
対内直接投資
対内直接投資額(実行ベース) 億ドル 37 40
実行ベース金額伸び率
% 18.3 8.2
(注)伸び率は前年同期(月)比
(出所):西安市統計局ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
GRP
2015年第1四半期
2015年第2四半期
2015年第3四半期
2015年第4四半期
1月 2月 3月 1~3月 4月 5月 6月 1~6月 7月 8月 9月 1~9月 10月 11月 12月 1~12月
- - - 1,061 - - - 2,522 - - - 3,908 - - - 5,810
- - - 7.2 - - - 7.6 - - - 7.8 - - - 8.2
- - - 8.2 - - - 6.2 - - - 6.1 - - - 6.6
- - - 577 - - - 2,252 - - - 3,592 - - - 5,087
- - - -14.1
- - - -11.7
- - - -11.8
- - - -12.7
- - - 806 - - - 1,592 - - - 2,410 - - - 3,405
- - - 10.1 - - - 10.1 - - - 9.8 - - - 10.1
-0.8 0.2 0.2 -0.1 0.5 0.2 1.0 0.2 1.0 1.0 1.0 0.6 1.0 1.4 1.8 0.7
22 20 22 64 21 21 21 128 27 30 28 213 25 22 23 284
-31.6 - - -5.6 - - - 0.6 - - - 15.7 - - - 13.7
11 10 9 30 10 10 11 61 10 14 12 96 12 11 12 132
25.8
- - 24.4
- - - 12.6
- - - 13.4
- - - 10.3
11 10 13 34 11 11 11 67 17 17 16 117 13 11 11 152
-53.5 - - -22.4 - - - -8.4 - - - 17.7 - - - 16.7
0 -0 -3 -3 -2 -1 0 -6 -7 -3 -5 -20 -1 0 1 -20
- - - - - - - - - - - - - - - 73
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 20 - - - - - - - 40
- - - - - - - 8.6
- - - - - - - 8.2
2016年第1四半期
2016年第2四半期
2016年第3四半期
1月 2月 3月 1~3月 4月 5月 6月 1~6月 7月 8月 9月 1~9月
- - - 1,166 - - - 2,685 - - - 4,167
- - - 8.1 - - - 8.0 - - - 8.1
- - - 9.7 - - - 9.8 - - - 10.1
- - - 581 - - - 2,284 - - - 3,631
- - - 0.8 - - - 1.4
- - - 1.1
- - - 879 - - - 1,724 - - - 2,625
- - - 9.0 - - - 8.2 - - - 8.8
1.3 2.1 1.8 1.7 1.3 0.6 0.4 1.2 0.1 -0.1 0.6 0.9
21 20 25 65 26 25 23 136 25 23 21 205
-7.6
- - 1.5
- - - 6.3
- - - -3.5
10 10 12 32 12 13 12 67 15 12 11 104
-8.1
- - 6.0
- - - 9.3
- - - 8.4
10 10 13 33 14 12 12 69 11 11 10 101
-7
- - -2.6
- - - 3.6
- - - -13.3
0 0 -1 -1 -2 1 0 -2 4 2 0 3
- - - 28 - - - 39 - - - 61
- - - 16.7 - - - -22.5
- - - 8.9
- - - 12 - - - 22 - - - 33
- - - 6.3 - - - 10.3 - - - 58.5
Page 8 of 30 第 181 号(2016 年 11 月 30 日発行)
華北イベント情報
華北イベント情報(2016 年 12 月)
1. 2016 第六回中国(北京)国際ホテル用品展示会
期間:2016 年 12 月 2 日~4 日
場所:国家会議センター
URL:http://www.bjihse.com/
2. 2016 天津国際飲食美食加盟展示会
期間:2016 年 12 月 2 日~5 日
場所:天津梅江会展センター
URL:http://www.tjcymsz.com/
3. 中国生態発展シンポジウム
期間:2016 年 12 月 5 日~7 日
場所:北京燕栖湖会展センター
URL:http://www.chinanef.com/
4. 2016 設計、計算と革新的な発想養成サミット
期間:2016 年 12 月 9 日~10 日
場所:国家会議センター
URL:http://dcit.bnu.edu.cn/dcit/home.jsp
5. 中国国際智慧教育展示会
期間:2016 年 12 月 9 日~11 日
場所:国家会議センター
URL:http://www.chinasmartshow.com/
6. 第二回西部現代農業博覧会
期間:2016 年 12 月 15 日~18 日
場所:西安曲江国際会展センター
URL:http://cwmae.com/
7. 第九回中国ブランド加盟投資博覧会
期間:2016 年 12 月 17 日~18 日
場所:国家会議センター
URL:http://zch.jmw.com.cn/
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1
進出企業支援情報
<1> 法務労務・会計税務情報
当コーナーでは、最近の中国における法務労務・会計税務の動きについて把握頂くため、
要点を絞ってご説明致します。
(1)
「移転価格税制に関する事前確認の管理を完全なものにすることに関する事項につい
ての公告」
(关于完善预约定价安排管理有关事项的公告)
2016 年 10 月 11 日公布、2016 年 12 月 1 日施行
http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c2292979/content.html
解説
1.主な内容
「企業所得税法」1及びその実施条例、「租税徴収管理法」2及びその実施細則において、移転
価格税制に関する事前確認制度が確立されており、2009 年 1 月 8 日に公布された「特別納税調
整実施規則(試行)
」3(以下「旧規則」といいます)第六章では移転価格税制に関する事前確
認制度の実施及び実行について更に細分化された規定が設けられていました。本公告の実施に
より、旧規則第六章は廃止されることになり、本公告が移転価格税制に関する事前確認制度の
最新の法的根拠となりました。本公告は、移転価格税制に関する事前確認制度を最適化するた
めに更なる調整を行っています。その主な内容は以下のとおりです。
(1) 移転価格税制に関する事前確認についての相談による確認書の締結及び実行の段階の
調整
旧規則第六章では、移転価格税制に関する事前確認についての相談による確認書の締結及び
実行について「①事前相談(相談による締結意向書の提出を含む)、②正式申請、③審査・評価、
④協議、⑤確認書の締結、⑥実行状況に対するモニタリング」という 6 つの段階に分けて規定
されていました。
これに対し、本公告では上記の段階を「①事前相談、②相談による締結意向書の提出、③分
析・評価、④正式申請、⑤協議による確認書の締結、⑥実行状況に対するモニタリング」に調
整しています。
(本公告第 2 条)
着目すべき重要な変更点は以下のとおりです。
まず、本公告では「相談による締結意向書の提出」について一つの段階として定められてお
り、また、税務機関と企業の双方が事前相談期間中に合意した場合にのみ、主管税務機関は企
業が「相談による締結意向書の提出」を行うことに同意することとされています。
1
2
3
主席令第 63 号、2007 年 3 月 16 日公布、2008 年 1 月 1 日施行
主席令第 60 号、1992 年 9 月 4 日公布、1993 年 1 月 1 日施行
国税発[2009]2 号、2009 年 1 月 8 日公布、2008 年 1 月 1 日施行
Page 10 of 30 第 181 号(2016 年 11 月 30 日発行)
次に、本公告では「分析・評価」を「正式申請」前に置いています。本公告の規定によれば、
「分析・評価」の段階において、税務機関が移転価格税制に関する事前確認の申請案が独立企
業原則に合致しないと判断する場合、企業は税務機関と協議し、かつ調整しなければならず、
もし移転価格税制に関する事前確認の申請案において採用予定の価格設定原則及び計算方法が
不合理であり、かつ企業が協議による調整を拒む場合、税務機関は企業が正式申請を提出する
ことを拒むことができるとされています(本公告第 8 条)
また、本公告は、
「協議」及び「確認書の締結」という二段階を「協議による確認書の締結」
という一つの段階にまとめていることがわかります。
(2) 適用期間及び適用企業の条件を調整し、
「相談による締結意向書」の重要性を強化
本公告は「相談による締結意向書」を基準として移転価格税制に関する事前確認の適用期間
及び適用対象を判断しており、
「相談による締結意向書」の重要性を強化しています。具体的に
は以下のとおりです。
まず、本公告は適用期間を調整しています。旧規則では、移転価格税制に関する事前確認は
企業が正式な申請書を提出した年度の翌年から 3~5 の連続した年度までの関連取引に適用さ
れる旨が規定されており、もし企業が申請書の提出年度を移転価格税制に関する事前確認の適
用対象としたい場合、税務機関の許可を受ける必要がありました。この点について、本公告で
は、移転価格税制に関する事前確認は主管税務機関が企業に対しその「相談による締結意向書」
を受領した旨の「税務事項通知書」を送達した日が属する課税年度から 3~5 の年度までの関連
取引に適用されるよう調整されました(第 3 条第 1 項)
。本公告に基づき、申請年度も移転価格
税制に関する事前確認の適用年度に入ることとなります。
次に、本公告では、適用企業が満たさなければならない条件が調整され、細分化されていま
す。旧規則の規定では、適用企業は「関連取引の金額(4000 万人民元以上)
」、
「関連申告義務」
、
「規定通りに同期間の資料を保存・提供する」という 3 つの条件を満たす必要があり、しかも
関連取引の金額の発生年度について更に明確な規定はありませんでした。この点について、本
公告では、適用企業が満たす必要がある条件は関連取引の金額(4000 万人民元以上)のみに限
定した上で、その他の 2 つの条件を満たすことができない場合については税務機関が企業の「相
談による締結意向書」を拒むことができる事由に列記しています(本公告第 6 条第 3 項)
。また、
本公告では、関連取引の金額の発生年度について、主管税務機関が企業に対しその「相談によ
る締結意向書」を受領した旨の「税務事項通知書」を送達した日が属する課税年度の直前 3 年
度の各年度に発生した関連取引の金額であることが明確に規定されています(本公告第 4 条)。
(3) 移転価格税制に関する事前確認が適用可能な過年度の遡及期間の明確化
旧規則では、税務機関の許可を受けた移転価格税制に関する事前確認を過年度の関連取引に
適用可能である旨が規定されていましたが、その遡及期間が明確に規定されておらず、不明確
でした。本公告では遡及期間が最長でも 10 年と規定され(本公告第 3 条第 2 項)
、税務機関に
よる法律執行に対し更に明確な法的根拠が提示されるとともに、企業の予見可能性も高まった
といえます。
Page 11 of 30 第 181 号(2016 年 11 月 30 日発行)
(4) 税務機関が企業の正式申請の提出を拒む事由の明確化
「分析・評価」段階において、税務機関は企業と移転価格税制に関する事前確認の申請案に
ついて討論することができ、また、機能及びリスクに関する実地ヒアリングを行うことができ、
企業に以下の事由が存在する場合、税務機関はその正式申請の提出を拒む権限を有するとされ
ています(本公告第 8 条)
。
① 移転価格税制に関する事前確認の申請案において採用予定の価格設定原則及び計算方法
が不合理なものであり、かつ企業が協議による調整を拒む場合
② 企業が関連資料の提供を拒み又は企業が提供した資料が税務機関の要求に合致せず、か
つ期限通りに補正又は修正しない場合
③ 企業が税務機関の行う機能及びリスクに関する実地ヒアリングへの協力を拒む場合
④ 移転価格税制に関する事前確認の相談による確認書の締結に適さないその他の事由
(5) 税務機関が企業の提出する申請を優先的に受理可能な事由の明確化
旧規則は、優先的に受理可能な事由について規定しておらず、実務においては通常、税務機
関が関連要素(例:申請提出の先着順及び提出された申請書の質、事案が業種及び地域等の特
殊性を有しているか、提出された申請書に革新についての方法が記載されているか、無形資産、
コスト節約又は市場プレミアムに関する高品質な計量化分析が記載されているか)等4を考慮し
て優先的に受理するかを決定していました。
本公告では優先的に受理可能な 8 つの事由について明確に規定しており、実務における優先
的に受理するか否かに関する判断基準を統一しました。
(本公告第 16 条)
2.今後の注意点
移転価格税制に関する事前確認を申請する日系企業は、本公告を確認の上で、本公告の要求
に基づいた移転価格税制に関する事前確認を申請するほか、申請の受理及び税務機関との相談
による確認書の締結に有利となるよう、本公告における正式申請の優先受理、拒否等に関する
規定を効果的に利用し、移転価格税制に関する事前確認について適切かつ適法に調整する必要
があります。
【以上公告の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公
司に解説頂いた。
】
4
「移転価格税制に関する事前確認についての中国の年度報告(2013)」
(2014 年 12 月公布、
施行)参照。
Page 12 of 30 第 181 号(2016 年 11 月 30 日発行)
解説
中国国家税務総局(以下「税務総局」)は 2016 年 10 月 11 日付で「事前確認管理の規範化に
関する公告」
(国家税務総局公告 2016 年第 64 号、以下「64 号公告」または「当該公告」)を公
布した。税務総局は 2016 年 6 月に「関連者間取引申告と同期資料と管理に関する公告」(国家
税務総局公告 2016 年第 42 号、以下「42 号公告」)5を公布しているが、当該公告は 42 号公告と
同様に「特別納税調整実施弁法(試行)」
(国税発[2009]2 号、以下「2 号通達」)6に関連する中
国の特別納税調整税制上重要な法規であり、中国事前確認制度の管理におけるマイルストーン
でもある。当該公告は 2 号通達の事前確認管理の関連内容を修正したものであり、2 号通達第
六章の事前確認管理に関する章は、42 号通達の施行と同時に廃止される。
全体から見れば、当該公告は中国の税収管理環境を刷新するものである。申請資格、事前確
認協議締結の手順、遡及適用期間、申請資料等、事前確認に関する事項に対して、規定をさら
に明確化したものであり、将来、事前確認管理に大きな影響をもたらすことが予想される。
1、主な内容
【申請条件】
当該公告によると、事前確認は通常、税務機関が企業に対して企業の申請意向を受け入れた
旨を記載する「税務事項通知書」を送付した日が帰属する年度から直近の 3 年間にわたり、各
年度における関連者間取引の金額が 4,000 万元以上の企業に適用される。
いずれの企業も税務機関に事前確認の申請意向を提出することが出来るものの、本規定から、
通常、以下の条件を満たす企業が最終的には税務機関と事前確認協議を締結することになると
考えられる。
1) 当該企業の申請意向が税務機関により受け入れられた。
2) 税務機関が「税務事項通知書」を送付した日が帰属する年度から直近の 3 年間にわたり、
各年度における関連者間取引の金額が 4,000 万元以上である。

【比較】
2 号通達第六章の関連規定7と比べて、当該公告は関連者間取引の金額のみに条件を設けてい
る。関連者間取引の金額は従前規定と同じであるが、3 年間という時間的範囲を規定すること
により、企業の継続経営と関連者間取引の連続性が重視されることとなり、実際、適用企業に
対する要求は高くなっている。一方、2 号通達にて規定のあった「法により関連申告の法定義
務を履行すること」
、更には「規定に従って同期資料を準備、保存及び提出すること」という二
つの条件は実質的に取り消されていない。つまり当該公告第 6 条によると、関連規定に基づい
参考 USL: http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c2208516/content.html
参考 USL: http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c1227080/content.html
7 2 号通達第六章四十八条、事前確認は通常以下の条件をすべて満たす企業に適用される。1)
年度取引金額が 4000 万元以上、2)法に従い関連申告義務を履行している、並びに 3)規定に
より同期資料を準備、保存及び提供している。
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5
6
て関連申告をしていない場合、または同期資料を準備していない場合、税務機関は企業が提出
した意向書を拒否することができるとされた。
その他、当該公告では、納税者が意向書を提出する場合または正式申請する場合において、
税務機関がそれを優先的に受理できる場合または拒否できる場合について、列挙する形で明確
に記載している。
【締結過程に関わる各級税務機関】
事前確認は、関与する国家税務主管当局の数により、一国間、二国間及び多国間の 3 種類に
分けられる。従前規定に基づき、64 号公告は異なる種類の事前確認が関わる税務機関を、以下
の通り更に詳しく説明している。
複数の税務機関/国家及び地方税務機関が同時に関わるか否か
事前確認の種類
関与あり
関与なし
申請段階
締結段階
国家税務総局が企業と一国のみの
事前確認協議書を締結すること、
一国
所轄税務機関
税務総局及びその
指定の税務機関が企業と一国事前
指定する税務機関
確認協議書を締結すること、さら
に提出
には各主管税務機関が企業と個別
に一国事前確認協議書を締結する
ことも可能。(注)
二国間或は多国間
税務総局及び
所轄税務機関
国家税務総局が統括
注:一国のみの事前確認が同時に一つの省における二つまたは二つ以上の主管税務機関に関
わり、且つ国家税務局或は地方税務局のどちらかのみに関わる場合、省の税務機関が統括する。
【申請ステップ】
従前の 2 号通達と比べて、申請ステップが変更になっている。主な流れは以下の通りである。
1) 予備会談:企業が事前確認の申請を行う場合、先ずは「予備会談申請書」を提出の上、予
備会談を実施する。
2) 意向の相談:予備会談にて税務局と企業が合意に達した場合、税務局は「税務事項通知書」
を発行、その後企業は「意向書」及び「事前確認申請草案」を提出する。
3) 分析・評価:税務局は意向書を受領後、事前確認申請草案の内容を審査・評価する。当該
過程にて税務局は現場インタビューを含めて企業と草案内容について検討する。
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4) 正式申請:税務局は分析・評価に基づき草案が問題ないと判断すれば「税務事項通知書」
を発行し、企業はその後税務局に「事前確認正式申請書」を提出する。
5) 協議締結:税務局は事前確認の協議方案を作成の上、二国間・多国間事前確認の場合、租
税条約の締結国と協議を行う。協議の合意後、事前確認協議正本を作成の上、正式に締結
する。
6) 実施監督:事前確認締結後、税務局は実施状況を監督する。
2 号通達の関連規定8と比較すると、従前規定の「審査・評価」は当該公告において「分析・
評価」と変更され、上記ステップ 4) 「正式申請」を 3)「分析・評価」の後に変更している。
事前確認の実務上、税務機関は正式協議・締結段階の効率を高めるため、分析・評価の手続
段階を前倒しにした。当該公告は規範性文書で事前確認協議の実務手続を改めて明確にし、具
体的な手続の要求を細分化している。上記手続の変化は、税務機関が企業の正式申請の提出を
受け入れるか否かを決定する上で、企業全体の経営状況及び関連者間取引状況の分析、および
事前確認申請草案における価格設定原則及び計算方法の合理性の評価が非常に重要であること
を裏付けるものである。
尚、上記ステップに記載した協議締結及び実施手続に関わる具体的な内容について、納税者
は以下の点について留意すべきである。
 事前確認申請草案:64 号公告に基づき、企業が提出した申請については、バリューチェーン
分析、地域性特殊要因等の内容が明確であり、またこれらの要因の分析が十分に考慮された
ものを優先して受理することができる。
 資料提出期限の延期規定:64 号公告は、2 号通達において規定されていた締結手続の各段階
における資料提出期限を廃止しており、これにより、
「事前確認正式申請書」の提出に関する
延期規定も廃止される。しかし、事前確認の実施期間において企業に実質的な変化が生じた
場合の延期報告については、従前同様の規定が存続する。税務機関は全体手続の進捗及び時
間の管理を一層強化することになると見られる。企業としては、資料を期限内に提出できな
い事態を回避するため、事前確認の締結過程において、事前に計画を作成し、日程管理及び
関連資料の準備に注意を払い、また税務機関と良好な関係を維持することが重要である。
 利益水準の監督:事前確認の実施期間において、企業の実際の経営結果が事前確認の予測価
格あるいは利益のレンジから外れた場合、2 号通達では、事前確認により既に確定した価格あ
るいは利益レンジ内に価格または利益を調整することが要求されている。しかし、64 号公告
においては、税務機関が利益率を四分位レンジの中央値まで調整することができると明確化
された。また、当該公告に基づき、企業の各年度における利益率の加重平均値が四分位レン
ジの中央値を下回り、且つ中央値まで調整しない場合、税務機関は継続申請を受理しないと
規定されている。
実務においては、事前確認実施期間における納税者の利益水準が継続的に中央値を下回って
いたことが原因で継続申請できない事例がみられた。64 号公告の当該規定は中国税務機関が
実務経験をまとめた結果である。企業は事前確認実施期間において、より厳格に関連者間取
8
2 号通達第六章第四十六条により,事前確認の協議・締結及び実施には通常、予備会談、正式
申請、審査・評価、協議、締結及び実施の監督の 6 つの段階がある。
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引における取引価格を管理する必要がある。各年度の利益水準を四分位レンジ内に収めるの
みならず、事前確認実施期間全体において各年度の加重平均結果が中央値以上にならなくて
はならない。下回る場合は継続申請ができない結果となる。
 追加納税(税金還付)
:これまでの事前確認において税金還付の事例はほとんどないが、相互
協議の場合、税金還付の可能性が確かに存在する。明確な規定がない場合であっても、相互
協議の結果により税金還付が必要となった場合には、企業は事前確認によって税金還付を受
けられる可能性がある。
【事前確認の適用年度及び遡及期間の調整及び明確】
2 号通達における規定を基礎として、当該公告は事前確認の適用年度及び遡及期間を調整し
て以下の通り明確化した。
適用年度
2 号通達第六章
64 号公告
主要な変化
企業が正式申請書を提
企業の申請意向を受け入れ
開始年度は正式申請
出した年度の翌年度以
た旨を記載する「税務事項
を提出した年度の翌
降 3 年から 5 年の連続
通知書」を送付した日が帰
年ではなく、税務機関
する年度における関連
属する年度から 3 年から 5
が申請意向を受け入
者間取引。
年の連続する年度における
れた年度。
関連者間取引。
遡及期間
企業の申請年度或いは
企業の以前の年度の関連者
従前規定を踏襲し、且
それ以前の年度の関連
間取引が事前確認の適用年
つ遡及期間は最長 10
取引が、事前確認の適
度と同じ或いは類似する場
年であることを明確
用年度と同じ或いは類
合、企業が申請し、税務機
にした。
似する場合、企業が申
関は事前確認により決定さ
請し、税務機関の承認
れた価格設定原則と計算方
を得た上で、事前確認
法を以前の年度の当該関連
により決定された価格
者間取引の評価及び調整に
設定原則と計算方法を
適用することができる。遡
申請年度或いはそれ以
及期間は最長 10 年である。
前の年度の関連取引の
評価及び調整に適用す
ることができる。
【申請内容】
上記の【申請ステップ】に記載される各ステップで企業が提出する書類への記載事項につい
て、詳細な規定がある。留意事項としては、最初のステップである予備会談の時点にて、企業
がコストセービングやマーケットプレミアム等の地域性特殊要因があるかを説明することが求
められている。従来の規定と比較して、より詳細な内容を税務局に提出の上、議論する必要が
ある。
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【実施期間における調整】
事前確認の実施期間において、該当年度の利益水準が四分位レンジから外れた場合、税務局
は中央値まで調整することが出来ると規定されている。さらに期間満了後において、利益の加
重平均値が中央値を下回り、企業が調整を行わない場合は継続申請を受理しないとしている。
【その他】

事前確認手続の一時停止、終了
当該公告は事前確認手続の一時停止または終了のケースについて、事前確認協議書の締結前
の場合、および実施期間の場合それぞれの場合ごとに明確な規定を設けた。例えば、申請企業
が必要資料を提供しない場合、虚偽或は不完全な資料を提出する場合、さらにはその他協力的
でない状況において、税務機関は事前確認手続を一時停止もしくは終了することができる。従
って、事前確認手続の一時停止、終了によって生じうる損失を避けるため、企業は関連する申
請資料の準備をさらに慎重に行う必要がある。

継続申請
当該公告は 2 号通達の関連規定を存続させ、企業の各年度における利益率の加重平均値が四
分位レンジの中央値を下回り、且つ中央値まで調整しない場合、税務機関は継続申請を受理し
ないという規定を新たに追加した。

事前確認及び特別納税調整
当該公告において、事前確認の協議は、事前確認の対象とならない年度及び対象外の関連者
間取引に関する税務機関の特別納税調査・調整と監督管理には影響を与えないと規定されてい
る。2 号通達の第六章の関連規定との比較では、当該公告において、期間および取引種類とい
う二点から影響を受けない特別納税調査・調整の範囲を特定したうえで明示的な規定を設けた。
あいまいな点を避けて有効的な調査・調整の実施を行うことを企図したものである。
2、企業への影響
当該公告は中国の移転価格管理の新しい指針となるものであり、中国税務機関の近年におけ
る事前確認分野での実務を総括するものでもある。当該公告は中国税務機関が移転価格を重視
することを示すのみでなく、中国税務機関が積極的に中国事前確認を推し進め、納税者へのサ
ービス水準を高める一貫的な姿勢を示したものと言える。当該公告は中国の事前確認管理の発
展のための新たなマイルストーンであり、内容及び考え方については中国経済の環境の特徴を
十分に考慮したうえで、先進国の税務機関の管理水準に近づけようとしたものである。これに
より、中国の事前確認管理はより積極的かつ効率的になると期待される。
実務上、中国税務機関は事前確認申請の受理に対して、益々慎重かつ厳格になってきている。
これは、中国税務機関の国際税務分野における地位及び関与度合が向上していることを表して
いるとも言える。以上のような締結手続の細分化、申請資料の要求内容の変更、実施期間にお
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ける監督管理の後ろ倒し等、当該公告における従来の規定からの変化を考慮すると、今後、中
国税務機関の実務成果に基づき、BEPS 行動計画の中国における実施がますます加速するものと
見られる。
【以上公告の主な内容、企業への影響について、徳勤華永会計師事務所に解説頂いた。】
(2)
「企業名称データベースを公開し企業名称登記管理改革を秩序正しく推進することに
ついての指導意見」
(关于开放企业名称库有序推进企业名称登记管理改革的指导意见)
2016 年 10 月 18 日公布、同日施行
http://www.saic.gov.cn/zwgk/zyfb/zjwj/xxzx/201610/t20161021_171778.html
同意見の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司
に解説頂いた。
解説
1. 主な内容
中国で会社を設立する場合、
「企業名称登記管理規定」9及び「企業名称登記管理実施弁法」10
の規定に基づき、その設立前にまず名称の仮登記申請を行わなければなりません 11。また、そ
の際には、
「企業は、登記主管機関の管轄区域内においては、既に登記登録されている同一業種
の企業名称と同一又は類似する名称を使用してはならない」12等の制約に従う必要があります。
上記のような制約の中で、企業名称登記の効率を上げるため、各地の工商行政管理局に向け
た本意見が公布されました。その主な内容は以下のとおりです。
(1) 企業名称データベース公開の重要な役割について十分に認識すること
まず、本意見では、これまでも各級の企業登記機関が企業登記情報の検索等の方法を通じて
企業名称の検索サービスを提供していたものの、これらでは不十分であったことに触れた上で、
各級の登記機関は、
「企業名称データベースを公開し、完全で系統的な検索サービスを企業に提
供することが、企業が名称の自主選択の権利を行使するための前提条件であり、また効率的で、
便利でスピーディーな登記サービスを提供するための基礎的な業務でもあること」を十分に認
識しなければならないとしています。
また、時期に応じて行動し、効果的に推進することにより、最終的な企業名称事前承認の取
消、企業による名称の自主選択の実施のために、有利な条件を創出しなければならないとし、
将来的には企業名称事前承認自体を廃止する可能性があることを示唆しています。
9
国家工商行政管理総局令第 7 号、1991 年 5 月 21 日公布、同年 9 月 1 日施行、2012 年 11 月 9
日改正公布、2013 年 1 月 1 日改正施行
10 国家工商行政管理総局令第 10 号、1999 年 12 月 8 日公布、2000 年 1 月 1 日施行、2004 年 6
月 14 日改正公布、同年 7 月 1 日改正施行
11 「企業名称登記管理規定」第 17 条、
「企業名称登記管理実施弁法」第 22 条
12 「企業名称登記管理規定」第 6 条第 1 項
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(2) 企業名称データベースの公開順序を合理的に手配すること
中国は企業名称に「行政区画」13を含まなければならないこととされており(「企業名称登記
管理規定」第 7 条第 2 項)
、その使用する「行政区画」に応じたクラス別での登記管理体制が実
施されています(
「企業名称登記管理実施弁法第 5 条第 1 項」)
。
上記クラス別での登記管理体制が実施されていることに基づき、データベース公開のスケジ
ュールについて以下のとおり定めています。
① 各県(旗及び県級の市、区を含む)
、区(市轄区を含む)の企業登記機関
遅くとも 2016 年 12 月 1 日より公開を実施する。
② 各省(自治区、直轄市及び計画単列市、副省級市を含む)、市(地区、州、盟を含む)の
企業登記機関
条件を積極的に創出し、適時に公開する。条件を具備する省・市の企業登記機関は、2016
年 12 月 1 日より、省、市クラスの名称データベースの統一的な公開を実施できる。
(3) 企業名称データベースの公開範囲を法により確定すること
名称データベースの公開の公開範囲には次の内容が含まれるとされています。
① 存続している企業の名称
② 変更後 1 年未満の企業の元の名称
③ 設立登記を取り消され又は企業営業許可証を没収され、なお抹消登記を行っていない企
業の名称
④ 設立登記を取り消された若しくは企業営業許可証を没収された後、抹消登記を行ってか
ら 3 年未満、又はその他の原因により抹消登記を行ってから 1 年未満の企業の名称
⑤ 既に申請しているが、まだ承認されていない企業の名称
⑥ 既に承認されたが、まだ登記しておらず、なお有効期間中である企業の名称
⑦ 公開の必要があるその他の企業の名称
(4) 企業名称データベースの公開サービスを効果的に提供すること
まず、各県、区の企業登記機関が公開する媒体について、自らの機関のインターネットウェ
ブサイト又は自らの県、区の政府のウェブサイト(又は公共サービスプラットフォーム)を通
じて社会に公開してもよく、上級の市、省の登記機関のウェブサイトを通じて公開することで
も構わないとされています。
次に、プラットフォームの形式について、名称データベース公開プラットフォーム(ウェブ
サイト)は、企業、農民専門協同組織、個人事業主という異なる形態に応じて検索システムを
分設し、申請者が商号、業界の説明等の情報を入力することにより、同一又は類似する企業名
称を検索できるようにしなければならないとされています。
また、名称データベースの公開を実施する企業登記機関は、データベースの公開に加えて、
企業名称検索システムの中で企業名称登記管理の関連規定を公表し、企業名称事前承認、変更
13
省、市、又は県など。なお、一定の条件を満たす企業は、「中国」との名称を用いることや
行政区画を含まないことも認められます(「企業名称登記管理規定」第 7 条第 3 項、「企業名称
登記管理実施弁法」第 5 条第 1 項)
。
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登記用の申請フォームを提供し、資料提出についての規範、手続指南等の資料を提供しなけれ
ばならないこととされ、かつ、条件を具備する地区(省、市、県を含む)は、名称データベー
スを公開した上で、企業名称における使用禁止及び使用制限文字・単語のデータベースを確立
し並びに検索、比較対照サービスを提供し(これらを企業登記システムに組み込んでもよい)、
検索・比較対照の結果、問題がない場合、申請者は企業登記を直接に行うこととされています。
(5) 企業名称データベースの公開の関連業務を統一的な計画によりしっかりと行うこと
名称データベースの公開に関して、以下の各点を確保しなければならないとされています。
① 各級の工商行政管理、市場監督管理部門は組織調整を強化し、関連業務を統一的な計画
によりしっかりと行い、要求に応じた全面的、効果的な公開を確保しなければならない
② 名称データベースに対して全面的な整理を行い、期限を過ぎたデータ、規範化されてい
ないデータについて必要な処理を行い、名称リソースが十分に利用され、規定された範
囲通りに公開されることを確保しなければならない
③ 関連制度の制定、人員配備、システム開発及び設備運営管理等の業務をしっかりと行い、
名称データベース検索システムの安全で安定的な稼動を確保しなければならない
④ 宣伝を強化し、名称データベースの検索ルート、方法等をニュースメディア又はその他
の媒体を通じて社会公衆に知らせることにより、企業名称データベースの公開に実際の
効果を生じさせることを確保しなければならない
また、名称データベースの公開の追跡サービスを積極的かつしっかりと行い、大衆から提示
された疑問及び存在する問題を速やかに解決し、関連サービスの機能を絶え間なく完全化する
ことにより、企業名称登記管理改革と効果的に結びつけられ、然るべき機能が果たされるよう
にしなければならないとされています。
2.今後の注意点
これまでの実務において、会社設立前に名称の仮登記申請をしたところ、
「既に登記登録され
ている同一業種の企業名称と同一又は類似する名称」であることなどを理由に申請が却下され
ることが尐なくありませんでした。これにより、特に中国企業と合弁会社を設立するような場
合に、相手方中国企業との交渉又は熟慮を重ねて名称を決定したものの、それが徒労に終わる
との状況が発生していました。本意見に基づき企業名称データベースが公開されれば 14、当該
データベースを参照することにより事前に名称利用の可否を確認できるようになり、上記のよ
うな状況の発生を防ぐことができるようになります。
どのような形にてデータベースが公開されるかは、実際の公開を待たなければなりませんが、
今後中国において会社を設立する場合には、事前に当該データベースを参照する必要があると
考えます。
14
なお、浙江省では 2014 年より、全国に先駆けてインターネット上での名称重複の有無の確
認、及び名称の仮登記申請等が可能となっていました。
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(3)「インターネット分野における消費者権益保護業務を強化することについての意見」
(关于加强互联网领域消费者权益保护工作的意见)
2016 年 10 月 19 日公布、同日施行
http://www.saic.gov.cn/zwgk/zyfb/zjwj/xxzx/201610/t20161021_171803.html
同意見の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公
司に解説頂いた。
解説
1、主な内容
中国においては、電子商取引を主な内容とするインターネット経済の発展が目覚ましく 15、
経済成長の強い原動力となっています。しかし、他方で、インターネット分野における消費者
の権益に対する侵害の問題も日増しに浮き彫りになってきており、これがインターネット経済
の健全な発展及び「インターネット+(プラス)」
(既存の伝統的な業界にインターネットをプ
ラスするとの試み)の発展戦略実施の妨げとなっています。これを受け、インターネット分野
における消費者権益保護業務をさらに強化するために、本意見が制定されました。その主な内
容は以下のとおりです。
(1) 監督管理の一体化を堅持し、インターネット分野における消費者の適法な権益を法に
より保護する
工商及び市場監督管理部門に対して、①オンラインとオフラインの融合した発展を維持し、
監督管理の一体化を強化し、インターネット分野における消費者の権益を保護することが法定
の職責であること、②「消費者権益保護法」16、「製品品質法」17等の法律法規及びその関連規
則の執行を強化し、インターネット分野に存在する、消費者の権益に対する侵害という浮き彫
りになった問題について、消費に係る権利侵害の違法行為を厳しく取り締まり、インターネッ
ト取引に携わる事業者の事業行為を法により規範化し、消費者紛争を速やかに解決し、インタ
ーネット市場での消費に対する信頼性を高め、安全かつ安心できるインターネット上の消費環
境を確実に作り上げなければならないことなどに言及されています。
(2) 重点にターゲットを絞ることを堅持し、インターネット取引における商品の品質の監
督管理を確実に強化する
①消費者からの苦情・通報及びオンラインの日常モニタリング、検査・法執行の中で発見し
15
中国国際電子商取引センター研究院が公布した「中国電子商取引報告(2015)」によれば、
2015 年の中国電子商取引の取引総額は 20.8 兆人民元(約 312 兆円)に達し、これは前年比約
27%の伸びであり、またそのうちインターネットによる小売額は 3.88 兆人民元(約 58.2 兆円)
に達し、これは前年比約 33.3%の伸びであるとのことです。
16 主席令第 11 号、1993 年 10 月 31 日公布、1994 年 1 月 1 日施行、2013 年 10 月 25 日最終改正
公布、2014 年 3 月 15 日最終改正施行
17 主席令第 71 号、1993 年 2 月 22 日公布、1993 年 9 月 1 日施行、2009 年 8 月 27 日最終改正公
布、施行
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た状況を十分に利用し、インターネット上の商品取引に存在する品質に係わる問題を深く掘り
下げて精査すること、②「二つのランダムと一つの公開(抜取検査の対象をランダムに決定し、
検査官をランダムに選任し、検査結果及び処分状況を適時に公開する監督管理モデル)」におけ
る要求に従って、オンラインとオフラインの監督管理の一体化を強化し、インターネット上の
商品の品質の抜取検査を各地の抜取検査の年度計画に組み入れ、統一的に計画・手配すること、
③デジタル・電子製品、家電、衣類や靴・帽子、子供用品、自動車部品等のインターネット上
でよく売れており、消費者からのクレームが多く寄せられている重点商品にターゲットを絞り、
インターネット上の商品販売量及び総合ランキング等の要素を参考にし、インターネット抜取
検査の対象となる経営主体の範囲及び商品品目を科学的に確定すること、④インターネット商
品品質モニタリング(杭州)センターの役割を発揮させ、インターネット取引プラットフォー
ムに対する重点的監督管理を強化し、模倣品・粗悪品を容認し、法執行部門による監督管理・
法執行に協力しないインターネット取引プラットフォームの提供者を集中的に取り締まり、イ
ンターネット市場の環境を確実に浄化することなどに言及されています。
(3) 問題の解決を重視することを堅持し、インターネット取引上の、消費者の権益を侵害
する違法行為を厳しく取り締まる
①インターネット上の消費における権利侵害事件の調査・処分業務を強化し、
「苦情・通報か
らの立件(事業者の行為に対する消費者からの苦情・通報を受けた後、行為の違法性・規則違
反を確認した場合に、当該行為につき立件して処罰する業務メカニズム)
」を積極的に推進し及
び規範化すること、②インターネット商品販売事業者による不合格品の販売という違法行為に
対する処罰を強化し、直ちに販売を停止し違法商品の情報を削除するよう当該事業者に命じる
こと、③人身、財産上の安全を脅かす危険がありかつ強制標準に合致しない商品について、関
係するインターネット取引プラットフォームの提供者は、違法な店舗及び商品の情報の遮蔽、
関連商品に対する取引プラットフォームサービスの提供停止の即時実施を要求すること、④イ
ンターネット取引における違法行為及びインターネット関連消費における典型的な詐欺行為を
厳重に調査・処罰すること、⑤ネットでの購入後 7 日以内の理由のない返品、消費者の個人情
報の保護、販売後の修理・交換サービス等において存在する消費者権益侵害の違法行為を法に
より取り締まること、⑥事案についての部門間、地域間の法執行上の協力及び連携を強化して、
模倣品・粗悪品を容認し、法執行部門による監督管理・法執行に協力しない、異なる地域に跨
るインターネット取引プラットフォームの提供事業者に対する調査・処分を強化することなど
に言及されています。
(4) 改革・イノベーションを堅持し、インターネット取引に係るオンラインの苦情申立及
び販売後における権益保護のメカニズムを健全化し不備のないものにする
①権益保護のための地方の末端組織レベルでのネットワークの構築を強化し、地域における
消費者の権益保護のための協力メカニズム及び電子商取引における消費者権益に係る紛争の解
決・調停メカニズムの確立・健全化をサポートし及び推進し、消費者の権益の保護業務の効果
の向上に尽力すること、②全国における 12315 インターネットプラットフォームの構築を加速
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させ、オンラインの苦情申立及び処理の機能を完全なものにし、電話及びインターネットの両
方による受理メカニズムを形成し、消費者によるオンラインの相談、苦情申立、通報を指導し、
オンラインの苦情受理、事案の煩雑度に応じたオンラインの事案振り分け、オンライン調停、
オンライン回答、オンラインの追跡・監督を実行し、消費者からの訴えの処理フローの透明化
を実現すること、③12315「五進(五つの浸透:企業、ショッピングモール、スーパーマーケッ
ト、市場、観光地への浸透)
」プロジェクトを推進し、消費者の権益保護のための 12315 サービ
スステーションを拠り所としてインターネット市場における安心できる消費確立の業務を推進
すること、④国家工商行政管理総局による電子商取引 12315 苦情申立・適法権益保護(杭州)
センターの整備を積極的に推進し、消費者による訴えのルートの流れをよりスムーズにし、異
なる地域に跨るインターネット上の消費に係る紛争を迅速かつ効果的に処理することなどに言
及されています。
(5) 情報公開を堅持し、インターネット取引に携わる事業者における信用に関する自律シ
ステムの構築を推進する
①抜取検査結果の情報公表制度を健全化し及び不備のないものにし、抜取検査結果の公表ル
ート及び形式を規範化し、各レベルの工商部門、市場監督管理部門のオフィシャルサイト、各
種メディアのプラットフォームを利用し、インターネット抜取検査を含めた商品品質に関する
抜取検査の結果の情報を法により速やかに社会に公表すること、②消費に係る権利侵害事案の
公示業務を推進し、法により国家企業信用情報公示システムを通じて行政処罰情報を公示し、
提供された商品又はサービスが人身、財産上の安全の保障に関する要求に合致していないため
に人身傷害等の消費者の権益に対する重大な侵害が生じた、インターネット取引に携わる企業
の違法行為について、2 年以内に 3 回以上行政処罰を受けた場合は、重大な違法・信用喪失企
業リストで厳格に管理しなければならないこと、③インターネットによる部門間での情報共有
を推進し、信用を失う行為に対する共同処罰を実施し、違法企業及び関係者につき「一箇所で
違法行為があれば各所で制限を受ける」ようにすること、④企業に対する苦情状況の公開業務
を積極的に推進し、企業に対する苦情状況の公開の試行を拡大しなければならないことなどに
言及されています。
(6) 社会による共同統治を堅持し、インターネット分野における消費者権益保護のための
長期にわたり効果を発揮するメカニズムを構築する
①越境の消費者紛争のオンライン解決メカニズムを模索しつつ確立して、越境電子商取引、
「海淘(ハイタオ:個人消費者が海外サイトの販売商品情報をインターネットで検索し専門業
者に代理購入を依頼して購入する仕組み)」、ソーシャルコマース等によりもたらされる消費者
紛争を調整により解決すること、②消費段階における事業者の初回問合せ責任制度(最初に問
合せを受けた者が最初の対応の担当者として責任を負う制度)及び先行賠償制度を実行し消費
者紛争について自発的に和解するよう、インターネット取引に携わる事業者を促すこと、③先
行賠償制度を確立し及び不備のないものにして消費者紛争を速やかに解決するための「グリー
ンルート(迅速な手続方式)
」を提供するよう、インターネット取引プラットフォームの提供者
Page 23 of 30 第 181 号(2016 年 11 月 30 日発行)
に要求すること、④消費者団体がインターネット取引商品及びサービスに対する社会による監
督を強化し、消費者による体験・視察、サービスに対する評価、調査・批評の活動を持続的に
実施し、インターネット事業の業界及び事業者による改善を促し、インターネット市場におけ
る多くの消費者の権益に対する侵害行為に対し公益訴訟を提起するのをサポートすることなど
に言及されています。
(7) 教育・指導を堅持し、インターネット上の消費者の自己防衛能力を高める
①ビッグデータの徹底的利用を強化し、データの品質をさらに高め、消費者団体組織、関係
部門及び大手企業、主なインターネット取引プラットフォームとのデータの共有及び統合を推
進し、地域性を有する、消費者の権益保護に関する事案についてのデータを深く研究し、消費
者の権益保護に関する深くまで切り込んだ指導的機能を有する分析報告書を作成し、適時に社
会に公表し、消費環境の改善を指導すること、②主流のニュースメディア、新興のネットメデ
ィアとの協力及び連携を強化し、
「3・15」、「ダブル 11(11 月 11 日)」等の重要な時期を利用
し、ミニブログ、ウィーチャット等のネットワークによる伝達方法を積極的に活用し、権益の
保護についての消費者の意識を高め、消費者の自己防衛能力を高めることなどに言及されてい
ます。
2.今後の注意点
冒頭でも言及しましたとおり、中国においては、インターネット経済の発展が目覚ましく、
インターネットを用いた事業展開が不可欠であるといえる状況になりつつあります。他方で、
本意見の制定に見られるように、インターネットを用いた商取引に対しては、より一層の規範
化が進められることが予想されます。このため、本意見で言及されている各事項についての具
体的な法令による規範化、法制化の動向に注意する必要があります。
(4)
「医療機器の優先的審査許可手続の公布についての公告」
(关于发布医疗器械优先审批程序的公告)
2016 年 10 月 25 日公布、2017 年 1 月 1 日施行
http://www.sda.gov.cn/WS01/CL0087/165582.html
同公告の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公
司に解説頂いた。
解説
1、 主な内容
2015 年に国務院は「医薬品・医療機器の審査評価・審査許可制度の改革に関する国務院の意
見」18を公布・施行し、医療機器の審査許可方式の改革を提言しました。その内容は、医療機
器の研究開発・革新を奨励し、製品の核心技術の発明特許を有する医療機器、重要な臨床価値
18
国発[2015]44 号、2015 年 8 月 9 日公布、同日施行
Page 24 of 30 第 181 号(2016 年 11 月 30 日発行)
を有する革新的な医療機器の登録申請を特別な審査評価・審査許可の範囲に入れ、優先的に処
理するというものです。また、2016 年 4 月には、国務院弁公庁は「医薬品衛生体制改革の推進
における 2016 年の重点的な業務上の任務に関する国務院弁公庁の通知」19を公布・施行し、医
薬品・医療機器の審査評価・審査許可制度の改革の推進を提言しました。その内容は、子供、
高齢者等、特定の年齢層用の医薬品及び難病用の医薬品、臨床で急遽必要な医薬品の審査評価・
審査許可のための特別なルートを更に整備し、登録の審査評価のスピードを加速するというも
のです。
本公告は、医薬品・医療機器の審査評価・審査許可制度改革の推進を背景として制定され、
医療機器の優先的な審査許可手続を設けており、これは、
「医療機器の応急審査許可手続」20(医
療機器の審査許可における最初の「優先ルート」
。以下「医療機器の応急審査許可手続」といい
ます)及び「革新的医療機器の特別審査許可手続(試行)」21(医療機器の審査許可の 2 つ目の
「優先ルート」
。以下「革新的医療機器の特別審査許可手続」といいます)に続き、中国の医療
機器の審査評価・審査許可制度において設けられた 3 つ目の「優先ルート」であり、医療機器
の臨床使用の需要を更に保障するために制定されました(本公告第 1 条)
。
(1) 優先的審査許可を実施可能な範囲及びその条件の明確化
本公告は、優先的審査許可を実施可能な医療機器の範囲及びその条件について以下のとおり
規定しています。
① 範囲(本公告第 2 条)
i.
中国国内の第三種医療機器
ii.
輸入の第二種医療機器
iii.
輸入の第三種医療機器
② 満たすべき条件(一つでも満たせばよい)
(本公告第 2 条)
i.
a:難病を診断又は治療するものであり、臨床使用について明らかに優位性がある。
b:悪性腫瘍を診断又は治療するものであり、かつ臨床使用について明らかに優位
性がある。c:高齢者に特有な及び多発する疾病を診断又は治療するものであり、
かつ現在、有効な診断又は治療の手段がまだない。d:子供専用のものであり、か
つ臨床使用について明らかに優位性がある。e:臨床で急遽必要とされ、かつ中国
において登録を許可された同品種の製品がない医療機器。
ii.
国家の科学技術重要特別計画又は国家の重点研究開発計画に入れられている医療
機器
iii.
優先的に審査許可すべきその他の医療機器
(2) 優先的審査許可の申請手続上の要求の明確化
本公告では、各事由及び各条件における優先的審査許可の申請についてそれぞれ異なる手続
上の要求を規定しています。具体的には以下のとおりです。
① 申請者の優先的審査許可の申請に対し、国家食品医薬品監督管理総局の医療器械技術審
19
20
21
国弁発[2016]26 号、2016 年 4 月 21 日公布、同日施行
国食薬監械[2009]565 号、2009 年 8 月 28 日公布、同日施行
食薬監械[2014]13 号、2014 年 2 月 7 日公布、同年 3 月 1 日施行
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査評価センター(以下「機器審査センター」という)は、毎月、集中的に専門家に審査
について論証を行わせ、専門家の論証の結果、優先的審査許可が必要である場合又は申
請を受領した日から 5 業務日以内に審査し、優先的審査許可の事由に該当する場合(国
家の科学技術重要特別計画又は国家の重点研究開発計画に入れられている医療機器に
限られる)
、優先的審査許可の実施を仮決定する(本公告第 6 条)
。
② 優先的審査許可の実施を仮決定したプロジェクトを公示し(公示期間は 5 業務日を下回
らないものとする)
、公示期間内に異議がない場合、優先的に審査評価の手続に入る(本
公告第 7 条)
。
③ 機器審査センターは優先的審査許可の対象となった医療機器の登録申請について、受付
日時順に個別に順番を付け、優先的に技術の審査評価を行う(本公告第 10 条)。
④ 省クラスの食品医薬品監督管理部門は医療機器登録の品質管理システムの検証を優先
的に手配し、国家食品医薬品監督管理総局は優先的に行政審査許可を行う(本公告第 11
条、第 14 条)
。
(3) 優先的審査許可、応急審査許可、革新に対する特別審査許可の関係の明確化
本公告の規定によれば、すでに医療機器の応急審査許可手続(最初の「優先ルート」)
、革新的
医療機器の特別審査許可手続(2 つ目の「優先ルート」)に従って審査許可を行っている登録申
請プロジェクトについては、優先的審査許可手続(3 つ目の「優先ルート」
)は実施しないこと
とされています。
2、今後の注意点
中国において医療機器の経営に従事する日系企業は、本公告を確認の上で、仮に優先的審査
許可の条件に適合するのであれば、審査許可のスピードを加速し、事業の効率を高めるために、
本公告に基づき優先的審査許可を申請することを検討すべきであると考えられます。
(5)
「化粧品に係る消費税政策の変更に関する通達」
(关于调整化妆品消费税政策的通知)
2016 年 9 月 30 日公布
2016 年 10 月 1 日より施行
http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c2279432/content.html
同通達の主な内容、企業への影響について、徳勤華永会計師事務所に解説頂いた。
解説
2016 年 9 月 30 日、財政部および国家税務総局は財税 [2016]103 号の通達(以下、
「103 号通
達」
)を公布した。当該通達に基づき、2016 年 10 月 1 日から、非高級美容、メーキャップ化粧
品は消費税の課税対象外となり、課税対象となる化粧品の消費税率も 15%に引き下げられた。
1、
主な内容
【課税範囲】
103 号通達により、非高級美容、メーキャップ化粧品は消費税の課税対象外となり、課税対
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象項目の名称も「化粧品」から「高級化粧品」に変更される。具体的には、以下の 3 つのもの
が課税対象に含まれる。
1)
高級美容、メーキャップ化粧品
2)
高級スキンケア化粧品
3)
セット化粧品
「高級」化粧品はその価格に基づいて定義され、生産(輸入)段階の販売(課税)価格(増
値税を含まない)が 10 元/ml(g)または 15 元/個(枚)以上の化粧品を指す。
【税率】
課税対象となる化粧品の消費税は税率が従来の 30%から 15%に引き下げられる。
【輸入段階の消費税に係る取扱い】
関連部門が同時に公布した通達により、化粧品に対する輸入段階の消費税の取扱いも変更さ
れる。

輸入貨物22である化粧品
2016 年 9 月 30 日に公布された税関総署公告 2016 年第 55 号23では、輸入貨物である化粧品の
第一および第二法定計量単位と申告の要求について規定している。今回の政策の変更により、
消費税の納付が必要となる輸入貨物である化粧品は 10 桁の HS コードの 27 品目となる。但し、
これらの HS コードが輸入単価に準じて更に区分されていない。

携行物品または郵送物品である化粧品
郵送物品または携行物品として自己使用目的で中国に輸入される物品(「進境物品」)には、
関税、増値税および消費税を併せて徴収する総合輸入税が課される。国務院関税税則委員会は、
60%の総合輸入税率が適用される《進境物品輸入税率表》の税目 3 にある「化粧品」の名称を、
消費税の課税範囲に合わせて「高級化粧品」に変更した。これにより、非高級化粧品には 30%
(同税率表の税目 2)の総合輸入税率が適用されるようになる。
2、企業への影響
消費税制度の整備は、第 13 次 5 カ年計画における財税体制改革の重要任務の一つとされてい
る。近年、消費税の改革措置が講じられるとの観測は常にあり、今回の化粧品に係る新政策の
公布も予想されていたもので、消費の合理化を図るという中国政府の意図が反映されている。
今後、消費税の課税範囲、課税段階、税率等についてもさらに変更される可能性があり、高
エネルギー消費、高汚染および一部の高級消費品が消費税の主な課税対象となるだろう。
今回の消費税政策の変更は、化粧品業界に大きな影響を与える。詳細は以下の通りとなって
いる。
22
23
「輸入貨物」とは、貿易のために中国国外から国内に引き取られる貨物を指す。
参考 URL: http://www.customs.gov.cn/publish/portal0/tab49661/info821979.htm
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化粧品の種類
主な影響
非高級化粧品には消費税が課されなくなり、高級化粧品
美容、
に適用される消費税率も半減することから、美容、メー
メーキャップ化粧品
キャップ化粧品の全体的なコストは低減すると見込まれ
る。
キーワード
高級、
税率の半減、
コストの低減
高級スキンケア化粧品は従来から消費税の課税範囲に含
まれていたが、具体的な課税範囲が明確ではなかったた
スキンケア用品
め、実務上は多くのスキンケア化粧品に対して消費税が
課されていなかった。今回、高級スキンケア化粧品の範
囲が明確になったことから、消費税の課税対象となるス
高級、
スキンケア、
課税範囲の明確化
キンケア用品の範囲は広がることになるだろう。
消費税は企業のコストに直接的な影響を与えるため、影響を受ける企業は、例えば次のよう
な対応をする必要がある。
 コストおよび販売の観点から、政策の変更による影響を評価する。企業の商品構成によ
って、政策の変更はコストの低減にも増大にもつながる可能性があるため、企業は政策
の変更による影響を商品の小売価格に反映させるか否か、どのように反映させるかを慎
重に検討しなければならない。
 輸入段階の消費税は税関が徴収するが、HS コードや法定計量単位等の申告に関する要求
にも変更があるため、企業はサプライヤーおよび輸入担当部門または代理人と協力し、
輸入化粧品の申告が正しく行われるようにしなければならない。
 政策の変更後、輸入化粧品は税関の重点的な審査(特に価格審査)の対象になると予測
される。企業は関税評価の観点から、化粧品の輸入価格の合理性をレビューする必要が
ある。特に、新しい政策の下で、価格が消費税の課税対象となる基準に満たない化粧品
は価格の調整を受ける可能性がある点に留意しなければならない。
 価格が課税対象となるか否かの基準となる水準に近い化粧品については、コンプライア
ンスを確保する前提で、コストの最適化を図るためにサプライチェーンを変更する余地
があるか否かを検討する。
企業は従来の政策から新しい政策への移行期に生じ得る税務問題(例えば、以前に販売され
た商品の返品、交換に係る税務処理等)についても留意する必要がある。
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<2>知っておきたい中国語<第百六回>~「ネット流行語」編
みなさん、こんにちは。今回は最近、ネットで流行っている中国語を紹介します。
<蓝瘦香菇>
「蓝瘦」はあまり意味がありません。「香菇」はシイタケのこと。わけがわからない言葉
に見えますが、実は「难受想哭」が訛った発音です。広西チワン族自治区南寧市のある若
い男性が自分の失恋した様子をビデオで記録して動画サイトで公開したことから、この言
葉は流行語になりました。彼は中国語の訛りが強いせいで「难受想哭」を言ったつもりで
すが、
「蓝瘦香菇」と発音してしまいました。この動画を見た中国のネットユーザーはこの
表現が面白いと思って、ネット上であっという間に流行語として広まっています。「难受」
はつらい、
「想哭」は泣きたいという意味です。
<脱单>
「脱」は脱出の意味で、「单」は「单身」、独身のこと。「脱单」、つまり、独身脱出
の意味になります。11 月 11 日は独り者を示す「1」が 4 つ並んでいることに引っ掛けて「光
棍节」と呼ばれます。これは公式の祝日ではありませんが、天猫や京東商城等のネットモ
ールで大規模なセールが実施されますので、ある意味でこの日はすでに定例の祝日になり
ました。
<吃土>
もともとコスプレ愛好者の間で、衣装や道具などにお金を使ってしまい、ご飯を食べる
余裕もない状況を自嘲する時に使われていた言葉ですが、2015 年の 11 月 11 日「独身の日」
に、天猫や京東商城等のネットモールが実施した慣例の大規模なセールにあたり、ネット
通販で買い物のお金を使いすぎて、土を食うしかないぐらいの金欠状況からその分かりや
すい表現としてネットで流行っています。ほかの類似表現は「烧钱」もあります。お金を
燃やす行為、お金遣いが荒いという意味です。
また、
「剁手」というネット通販にかかわる流行語があります。買い物にハマる人も多い
らしく、自虐的に、買い物がやめられない人が、ネットでポチった後に、後悔して、今度
また通販で買い物したら、もう二度と注文しないように手首を切り落とすようとする気持
ちを表現するために使われています。
<老司机>
元々は雲南民謡の「老司机带带我」から来た言葉で、「ある分野におけるプロ」のことを
言います。またネット上の自分のリソースをシェアしたり、自慢したり人にも使います。
よく「老司机快开车」や「老司机带带我」のように使います。
上記はほとんど、ネットで流行している若者の話し言葉なので、話す相手や場合によっ
ては、ふさわしくない言葉もありますので、意味がわかれば十分です。
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