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車両感知器データによる交通状況の評価

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車両感知器データによる交通状況の評価
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車両感知器データによる交通状況の評価
陳, 洪仁; 明嵐, 政司; 加来, 照俊
北海道大學工學部研究報告 = Bulletin of the Faculty of
Engineering, Hokkaido University, 114: 1-12
1983-05-31
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/41795
Right
Type
bulletin (article)
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Information
File
Information
114_1-12.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
北海道大学1鴛単部研究幸侵告
Bulletin of the Faculty of Engineering,
第114・号 Hokkaido University, No. I14 (1983)
(illl不058{重孔)
車両感知器データによる交通状況の評価
洪仁 明嵐政司 加来照俊
陳
(1沼琴…057/1三12∫ヨ 27 1ヨ受理)
The Evaluation of TraMc CoRditions from
TraMc Detector Date
Hung−ren C}IlsN, Seishi MF.IARAg. 1{1 and Terutoshi KAKu
(Received December 27, 1982)
Abstract
As a means to evaluate trraf{fic conditions, trafllic detector data was used. By up
to the present we have studied the traffic routes and the laRd use pattern by using
major route analysis and traffic time pattern variation. This paper introduces a new
technique to describe the tracac conditions and the level of service on the streets and
the arterial roads in urban areas using data from the trafrl:ic detector.
As a result, the traffic conditions and the level of service in Sapporo were deter−
mined by applying the new technique.
ま え が き
都市内の交通状況を把握する一つの手段として,車爾感知器データを用いる方法がある。これ
までに,そのデータを使・:)て変通流経路解析,時間変動パターーン解析による主要な交通経路,都
衛の土地利用の分類を求める研究を行なってきた。それらを基にして本論では道路の交通状況を
さらに細かく検討するため車両感知器データにより,サービス水準を求める新たな方法を提案し,
あわせてその妥当性について述べ,その手法を使って実際に札幌市の交通状況の把握を行なった。
1.車両感知器のデータの説明
札幌市に設羅した車濁感知器は頂上式超音波:壕芝両感知器で,感知と記録のデL一一tタは通過交通量,
通過速度と時問占有率の黒種類である。
交通量は感知器の下を通過する車両数を15分間ごとに一一日24時間記録している。従って毎fi
96個のデータを記録している。
速度ぱ上と同じ場所の15分1琶1ごとの平均通過地点速度である。
占有率は15分間中隔こ車両が通過する時闘の割合である。これを次式で表わす。
OG一ナ勘海×100
圭木工学科 交通.i:学講1巫
2 陳 洪仁・明嵐政司・加来照俊 2
0G 時間占有率。
T一計測時間(15分間)。
%一丁時聞に通過する車両の台数。
1,一i es目の車両の車長。
Vi ゴ番員の車両の通過速度。
時間占有率も速度と交通量に対応して15分間ずつ記録している。この値は,通過車両の速度が
低下すると,大きくなる。もし感知器の下に停止車両があれぽ,データはおかしくなるのでこの
点に注意しなければならない。
今回利用したデータは1980年9月のものである。感知器のデータは16進数で記録されている
ので,10進数に転換する。その記録のデータの中に欠損データがあるのも注意しなければならな
い。
データ処理にあたってはデータ数が大量である。このため先ず交通状況を代表できる日時を選
んで(土曜βを除くWee}〈 day)天候も一緒に考慮:し,一臼だけのデータを抽出してそれに計算に
よって偲々の感知器のピーク時交通量,ピーク時聞,15分間最:大交通量とPHF(Peak Hour
表1N 国道36号の計算結果
方向別
都
心
感知器番:号
346
535
223
345
343
103
ピーク前聞
通 量
1661、
18:00 19:00
2451 ,
7:30 8:00
2,王77
1,764
1,693
方
向
10三
1,624
R11
P612 ,
272
271
郊
外
方
向
310
P02
342
P04
344
Q24
536
347
17:45 18:45
18:00 19:00
18:00 19:00
18:00 19:00
1837,
411
341
R75
部
ピーク時刻
17:15 18:王7
1788 ヤ
8:45 9:45
1,7王9
@209
P0:45 11:45
17:15 18:15
P7:00 18:00
1644.,
王7:15 18:00
1,695
17:15 18:00
1,615
、,775
18:15 19:15
P7:15 18:15
17:15 18:15
1574
P:549
V:45 8:45
1,786
9:30 10:30
Q536
V:45 8:45
18:00 19:00
王810,
1,697
7:30 8:30
15分間最大
QMAx時の
457
626
555
473
449
438
481
458
5
18
10
通量Q漁X PHF 條ヤ占有率
436
S29
438
448
0,909
0,979
0,981
0,971
0,982
0,966
0,929
0,938
O,736
0,931
O,939
0,938
0,946
428
S86
408
S12
486
U45
492
444
0,943
O,913
0,964
O,940
0,919
O,983
0,920
0,956
V1
9
8
12
9
14
W
48
34
11
12
QMAx時の
サービス
ャ度 km/h
? 準
50
28
42
49
49
33
43
34
R3
47
S8
15
42
E
F
F
F
F
F
E
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EE
E
E
14
9
35
R7
50
S3
35
Q5
30
45
QMAx ILI…の
撃k糊占イ1’率
ャ度 km/わ
Tービス
? 準
33
E
ハ1
71
18
Q4
EE
FE
EF
E
F
表1−2 北 5 条 通 り
方向}弼
感矢目装1三号
ピーク時澗
通 量
19
酒
1,887
134
か
16
15
1β77
ら
2393 、
604
604
1王
.束
か
ら
12
14
17
133
135
1,615
1221,
1,423
1,635
1089 ,
ピーク時刻
8:00 9:00
8:00 9:00
8:15 9:15
15分問最大
通.冠QMAX
508
555
6133
9:30 10:30
9:30 10:30
190
190
16:30 17:30
14:00 15:00
8:!5 9:15
13:15 14:15
17:45 18:45
464
331
406
530
291
王)1.・lF
0,929
0,845
0,945
0,795
0,795
15
34
0,870
0,922
0,816
0,771
0,936
20
!2
17
17
11
9
6
5
QMAx時の
18
40
29
17
18
39
38
4.9
46
「
C
E
8
B
D
E
D
B
E
3 車両感知器データによる交通状況の評価 3
Factor)を求める。この計算の結果で札幌市内におけるある日の交通状況は例えば交通の分布,
混雑時間,どの道路の交通混雑が強いなどがほとんどわかることになる。
この計算の結果の一例を表一1に示す。この表は国道36号の清田から豊平橋までの部分と都心部
の北5条通りの計算結果である。これよりこれらの区間でのサービス水準はわかることになる。
2.札幌市の道路交通状況分析
前章の計算の結果から幹線道路の交通の流れは都心部の他の道路より悪いことがおかった。こ
れを説明するため三軸図を作成した。これを図一1に示す。これらの図は幹線道路の感知器のある
場所と一日の0時から24時までの時間及び場所別に交通量,時間占有率と速度の変化状況を示し
たものである。
交通量の変化を見ると,ピークの性状とその時刻がわかる。例えば,幹線の場合にはピーク時
間が顕著でなく,午前8時から午後8時にかけて交通量が多く,時問によってもあまり変化しな
い。
また速度と時間占用率を見ると混雑する時間と場所がわかることになる。これを札幌市地図に
対比させ,その原罪についての考察ができる。
例えば圏道36号線と環状線が交差する交差点は速度が低く時間占有率も高い。これは交差交通
が干渉するため,待ち車両の数が多くな:るためと考えられる。
3.1サービス水準を・求める方法と計算手順
サービス水準はいろいろな要素例えば平均空間速度やv/c比の値あるいは負荷係数などで決ま
るが,市街地には交差点が多く,他の障害物も多いので全体として,速度は(特にピーク時間)
あまり高くなく,平均空間速度は実際にサービス水準によってあまり変化しないことになる。従っ
て速度でサービス水準を区分することは難しい。さらに市街区では細街路からの箪両の出入が多
く,空間速度を測ることも難しい。
その他,v/c比あるいは負荷係数を現場で澗締するのは人手と時間がなければ非常に困難である。
しかしながら,混雑時,車両はあまり流れないので全時間で冤ると平均的な交通流を出現して
おり,そのため,PHFは高くなりサービス水準は低い。逆に,よく流れる所は車両の出現がi臼由
であるから,PHFは低くなり,サービス水準は高くなる。これから, PHFによってサービス水
準を定めることが可能になる。
なお,本文で使用した道路のサ…ビス水準は現行li本道路構造令に採用されている値でなく,
HCMで採用ざ1∼ているサ…ビス水準を使用した。
liに述べたようにして札幌市の車両感知器データを利用し,個々の車両感知器のある所のサ…
ビス水華を計算で求めた。
剖一算手F順はZ欠に示す通りである。
a.車両感知器のデ…タを大型計算機で16進数から10進数の数字へ転換。
b.li述のト進数の数字によってピーク時亥1,ピーク時交通最,15分間最大交通量, PHFなど
のデータを計算する。
c.P 1−1 Fによ.)てHCMの「TABLE 2 LEVELS OF SERVICE FOR URBAN AND
SUBURBAN ARTERIAL STREETSjの標準に対応して,サービス水準を決める。
d.札幌¥i了車両感知器分布麟と札幌市地図を対応させ,感知器のある場所毎にサービス水準値
4
陳 洪仁・明嵐政司・煽来照俊
4
VOLVTME(IR36UP) 198C,9,4
VOLUME(R36DOWN) 1980,9.4
rta
QO
555
697
LB7
1165
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0
8.0
5.7
POSITION
3.3
1JME
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王.0
図1−1−1 几上36号線都心部方向の交通:{ii…:セ
区11−2−1 婆:毬道36.暑線交β外フ]’ IF・]の交’通:罐
OCCUPANCY(R36UP) 1980,9,4
OCCUPANCY(R36DOI・V’N) ’!980,9,4
O[fiE
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丁IME
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図1−2−2 !薫}遊36内腎糸景交i∼夕.ト.プゴ}句σ)乳与1.:ぞぼ⊇華
図1−1−2 山道36号線都心部方向の「1 i有率
VELOCITY(R36UP) !980,9,4
VELO(/・ITY(R36DOWN) 1980,9.4
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図1−1−3 麟道36号線都’ら・部方向の速度
隔遵36号糸泉交匹外.ノカf弓の遭{慶
図1−2−3
5 輌感知器データによ絞う副耀の諦 5
VO:LU圃R12UP)!980.9.4 VOLU圃R!2DOWN)!980・9・4
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1 亘。
図1−3一一1 矯i道/2号線都心部.方向の交通蟻
図1−4−1 四道12号線郊外プゴ向の交通蹟
OCCUPANCY(R12UP) 198e,9,4
OCCUPANCY(R12DO}YN) /980.9,4
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図1−3−2回遊12号線都心部.方向の占衡率
VELOCITY(Ri2UIO) 1980.9,4
1
図1−4−2 加冠12号線郊外方向の占有率
VELOCITY(R!2DOWN) 1980.9.4
vv
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図1一一3−3国遡腸瀦防都プ胸の搬
an・1−4−3民国12号線郊外方向の速度
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陳 洪仁・明嵐政司・煎来照俊
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VOLUME(RsDOWN) 198e,9.4一
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図1.5一1VS道5号線都心部方【‘・J O交通量
OCCUPANCY(RsUP) !980,9,4
図1−6−1 国道5号線郊外方向の交通量
OCCUPANCY(RsDOWN) 19SO,9,4
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図1−5−2 国道5号線都心部方向の占有率
図1−6−2岡道5号線郊外方向のお有率
VELOCITY(R5DeWN) 一19SO,9,4
Vl.7LOCITY(RsUP) !g80,9.4
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vv
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図1−5−3 国道5号線都心部方向の速度
り.o
9
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2.0
TIME 3
1” 1.0
図1−6−3 醐道5号線郊外方向の速度
7 車爾感知器データによる交通状況の評価 7
VO.LLTNL ・IE(KAIT(W…一一E)) 1980,g.4 VOI±iJiME(KAN(E−W)) lgso.c.・.・g.
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図1−7−1環状線策方向の交通燈
図1一8−1環状線顔方向の交通:1…1;諭
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OCCUPANCY(KAN(E−W)) 1980.9,4
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図1−8−2環状線蒲方向の占菊率
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8 陳 洪仁・明嵐政司・加来照俊 8
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.ノ
図2己 幹線道路のサー一一ビ噛ス水華の.・・例(P:1道36号線)
9 丁両感知器」f 一一タによる交通状況の評価 g
欝欝蟄ヒ3幽〕聾1塑繍…蕪蝉 1凝
溺「講魏購騨㌘・勢 「就職藩麟勧
睡謡講1露濾,;ew・・
/ 1]ll軌
瀦i罫灘鳳躍「ゴ離婁鍛雛1戦㌻弱艦1櫃騒紐闘難
「滋
爵㌘_な_餓纏
艦睡麹醸叢薄麟
い犠.。立 購ル1翻
鋼睡誕慰翻健塾趣難
陰歌懸醐一 勢櫛{軽爆・一
巴L二潔二二●1’・
翻[ヨ華華盤==:::
図2−2 都心都音引のサービスオ咋の一・例
le
IO
陳 洪仁・明嵐政司・加来照俊
TABLE 2 一LEVELS OF SERVICE FOR URBAN AND SUBURBAN
ARTERIAL STREETS
TRAFFIC FLOW COND買IONS
iTYPICAL APPROX玉MAT茎ONS, NOτ RIGm CR王TER王A)
LEV£L
@ OF
rERVICE
SERV王CE
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LIKELY
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eACTOR oEAK−HOUR @RATIoac
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@(MPH>
330
A
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B
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C
Stable盈ow
D
ApProaching unstable now
EC
Unstable How
Approx.
icongestion;intolerable de茎ay)
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之1.0(0.85
之0.95
之1.00
狽凾垂奄モ≠戟р
(Not
(Not
(Not
高?aningfu1)
高?an{ng鋤
高?aningfu1)‘
”Average overall travel speed and V/c ratie are independent measures of level of service;both limits should be satislted in any
determination of levels, with due conslderation given te the fact that they are lavgely rationalizations. 1.oad faclor, a measure of
i繭vid岨l intersecti・n level・正service, can be・sed as a supPiemental criteri・n where necessary,
bThis is the peak−heur factor cornmonly assoeiated with the specjited conditions;in practlce, connslderable variation is possible.
eValues in parenthesis refer to near−perfect progression.
ctLead factor of 1.0 is infrequent]y feund, even under capacity operation. due to inherent fiuctuations in traMe fiow,
CCapaeitYt
tDemand veiume/capacity ratio may weli exceed 1,00, indicati”g overloading.
を記す。これを二一2に示す。
3.2定義的に計算したPHFと感知器によるPHFの差
今までに述べた計算では感知器の15分間のデータを用いて道路のサービス水準を定めているが,
実際に道路のサービス水準を定めるPHFは1分間交通量で計算することが必要である。従って15
分間と!分間の交通量を計算した値の差を前もって知らなければならない。その差が呪い時にぱ
上記の方法は可能であるが,大きい場合は,感知器のデータによるPHFはサービス水準を決定す
るのに用いられない。このために82年11月4日から11月17日置でに現場の観測を行なった。
観測場所は北13条西5丁目の交差点の近くで,時間はピーク時を含ん,ti ‘i前と午後の2時間で
ある。方法は,先ず1分聞の交通量を測定し,15分間交通量による計算の方法と1分閲交通量に
よる計算方法でPHFを計算した比較をしてみた。その結果は表一3に示す。
この表から,観測の回数は少ないが15分間のデータと1分間のデータで定めたPHFの差はそ
れぞれO.03,一〇.007,0.028,0.029,0.004である。15分間のデータで計算した値は多少大きく
なる傾向を示すが,この程度の差はサービス水準にあまり影響を与えないことがわかる。従って
今回使用した車両感知器のデータは全部15分聞のデータであるが,このデータで計算したPHF
11
11
車両感知器データによる交通状況の評価
表3 1分間交通鎌の観測結桀
観測時劾
15 分 間 の デ 一 タ
ピーク時交通瀦
11. 4
V:20−9:00
11. 4
P7:00−18:30
11. 6
V:30−9:00
1王.10
V:30−9:00
U,17
V:30−9:00
15分間最大交通量
1 分 間 の デ 一 タ
PHF
ピーク時交通猛
15分間最大交通量
PHF
誤差%
1,791
412
0,949
1,80嘆
491
0,919
3.0
1,088
285
0,954
1,095
285
0,961
一〇。7
1,612
452
0,892
1,616
466
0,867
2.8
1,771
487
0,909
1,783
505
0,883
2.9
1.7婆5
479
0,911
1,760
485
0,907
0.4
L68
平 均 敏
と現場で実際に測った1分間交通量で計算したPHFの差は小さいことが推測される。従って車両
感知器のデータを深いて道路のサービス水準を求めることは妥当と考えられる。
3.3提案した手法の札幌市への適用
前節までに述べた計算方法によりほぼ札幌市全域にわたってサービス水準を計算し,これらは
図一3に示すサービス水準分布図を作成した。この図を利周して札幌市内の道路と各幹線の各種の
サービス水準の割合を知ることができるので,札幌市の道路交通の状況が把握できる。
また,札幌市の車両感知器分布図とサービス水準の計算結果に対応させ,次の事実がわかる。
{A’とtB’のサービス水準はほとんどバスの感知器及び交通量が非常に少ない所である。これ
は正常なものとは考えられないので無視した。
琶
署
≦
sF
ヤ・
97
ll
TE
ぬ
217
c
39 i
B
43・
D
129
C
13
争E
35!
A
A
34
o
.so loe lso 20e 2so
札幌市全域 感知器数
O 10 20 30 40 50
幹線道銘(圏道5号、12暑、36母、環状線)感知器数
誉
’V F
30
t・E
89
D
63
c
22
B
19
A
Q0
o
20 40 60
都 心 部
80 100
感知器数
図一3サービス水準頻度
12
12
陳 洪lii・明嵐政司・頒来照俊
都心部のサービス水準はつ’と℃’が多い。幹部道路で最も混雑しているのは園芸36二線であ
り,サービス水準は(E’もあるがボトルネックになっている所はtF’の状態である。全市のサー
ビス水準分布は表一4に示す。
表4サービス水礁頻度表
線
@ 別
岦
%
累積 感知
岦
30
12.4 12.4
W9
Rδ.δ
k9.0
環 状 線
12 帰
36 掃
累積 感知 % 累積 感知 % 累積 感知 % 累積 感知
5 号
Tー 項ビス 目水準
感知
東1丁目
幹 線 道 路 角幹線遵路
都 心 部
0102
%
0.0
岦
岦
0.0
蛛@通 り
ゑ公 ノX’i幽心・ ;コ
3103
W3.3 W3.3
岦
18.8 18.8
38.1 38,三
U2.4 Wユ.2
T7.工
X5.2
21132
岦
岦
%
累積
11.1
13
19.4 19.護
31.2 31.2
S3
U4.2 W3.6
Tδ.2
王1.1
Q5.9 V4.9
O.0 X5.2
P6.7 W8.9
Q2
X.1 W4.0
O.0 X5.2
P1ユ
P9
V.8 X1.8
S.8 「GG.0
Q0
W.2 P00.0
P8.8 P00.0
累積 感知
U1.1 V2.2
U3
P6.7 P00.G
%
W21
P00.0
W7.4
P1.g X5.5
U.3 X3.7
R.0 X8.5
O.0 X3.7
P.5
ソ0
Pひ。.D
X3.7
U.3 、00.0
結
論
本研究は車両感知器のデータを利用して道路交通状況とサービス水準を把握することを饅的と
したものである。この昌的について,色々な計算と観測を行って,次の点が明らかになった。
a。競闘占有率と速度は異常な値が検出され,必ずしも交通の状況を示すことができないこと。
車両感知器のデータにより時間占有率は感知器下に駐車がある場合には異常になる。しかも車両
感知器が交差点の近くに設置されている場合が多い。また速度ぱ規制速度以上のものを記録しな
いし,15分間の平均地点速度であるから,駐車と待ち行列の影響も大きい。
b.観測のデータにより15分間のデータで求めたPHFと1分間のデータによるPHFと大差
ないことがわかる。だから,車両感知器の15分闘の交通量データを用いて,PHF計算すること
が可能である。
c.交通量のデータは通過車両数だけを取るので,異常な値がないはずである。これにより計
算したPHFからサービス水準を求められる。
以上の結果より札幌市の道路交通状況とサービス水準を把握できた。
参 考 文 献
1) 辻 信三,加来照俊 車両感知器のデータによる街路交通特性の解析
土木学会北海道支部論文報告集1981年
2) Highway Research Board “Highway Capacity manuaR965’ Washington, DC, Specia]
Report 87 1965
3) Transportation Research Beard, Commit£ee on Highway Capacity and Quality of Service.
Transportation Research Circulan 212, Washington DC, Jan, 1980
4) 斉藤 威 信号交差点における交通容量分布の定式化及び分布特性によるサービス水準への影響。
科学警察研究所報告交通Wt Vol.22 No l January l981
5) Adolf D. May, Jr. and Darid Partt
A Simulation Study of load Facton at Signalized lntersections Traflic EngiReering
February , 1968
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