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Extra Dimensions of space キーワード集 キーワード1 brane 【ブレーン
Extra Dimensions of space キーワード集 キーワード1 brane 【ブレーン】 膜を意味する membrane からの造語。超弦理論においては、10 次元時空の中に4次元(ない しより高次元)の膜状のブレーンがある配位が存在する。クォークなどの物質を構成する粒 子や強い力、電磁気力、弱い力を媒介する粒子はこのブレーン上を離れることができず、重 力のみがより高次元のバルクを伝播する描像が得られる。 electromagnetic force (interaction) 【電磁気力、電磁相互作用】 電荷を持っている粒子の間で働く力。 extra dimension【余剰次元】 4 次元の時空のほかに広がった空間。通常は、有限の広がり(サイズ)を持っていると考えられ る。 gauge hierarchy problem【ゲージヒエラルキー問題】 なぜ弱い相互作用の特徴的なスケールであるテラスケールと重力の特徴的なスケールである 考えられるプランクスケール(プランク長さ)が 16 桁も異なるのかという問題。この解として 超対称性というものが長年考えられてきているが、最近余剰次元理論による解決が提唱され 注目されている。 gravity, gravitational interaction【重力、重力相互作用】 万有引力。非常に弱い。他の相互作用と異なり、短距離で相互作用の大きさが大きくなる特 徴がある。 Large Hadron Collider (LHC) ジュネーブ郊外のCERN研究所に建設中の衝突型加速器。2007 年に完成、実験開始の予定。 陽子同士を加速し衝突させることにより瞬間的に未踏のエネルギーを作り出す。この実験に より、標準模型を超えるテラスケールの新しい物理を探索することが可能になる。 Planck length【プランク長さ】 約 10-33cm。重力の量子力学的効果が重要と考えられるスケール。長年、素粒子の基本スケー ルはプランク長さ程度であると考えられてきたが、余剰次元理論では、これと著しく異なる 可能性が指摘されている。 quantum mechanics【量子力学】 ミクロの世界を記述する物理法則。位置と運動量の不確定性関係、エネルギーと時間の不確 定性関係を基盤とする。 (special) relativity【(特殊)相対論】 光速に近い速さで運動する粒子を記述する物理法則。光速の不変性を指導原理とする。これ によれば、粒子の質量も一種のエネルギーと考えることができる。 standard model【標準模型】 物質を構成するクォークやレプトン(電子やニュートリノ等)と、その間に働く力のうち重力を 除く強い力、電磁気力、弱い力を記述する理論で、 (ニュートリノ振動を除く)これまで実験 的に知られる素粒子現象を説明できる。現在、標準模型の中で、Higgs field(ヒッグス場)と いう質量の源になるものだけが見つかっていない。LHC での発見が期待される。 superstring theory【超弦理論】 重力の量子理論、重力を含む統一理論の最有力候補。基本的なオブジェクトを粒子ではなく 広がりを持った弦のようなものと考える。理論が矛盾なく定義されるために、10 次元(ない し 11 次元)の時空が必要となり、また多くの場合、超対称性が必要となる。 strong force (interaction) 【強い力、強い相互作用】 原子核内部で陽子、中性子に働く核力の源となる。 Terascale【テラスケール】 Tera electron volt (TeV) scale。長さに換算すると 10-17cm 程度。ゲージヒエラルキー問題を 解決する新しい物理法則のパラダイムが出現すると考えられている。LHC など近い将来の加 速器実験により探索することができる。 weak force (interaction)【弱い力、弱い相互作用】 原子核のベータ崩壊に関わる力。力を媒介する粒子の到達距離が 10-17cm 程度。 キーワード2 Anti de Sitter space【反ドジッター空間】 負曲率を持った最も対称性の高い時空。(時間を含まない)空間での類似物は、双曲面(馬の鞍 状のもの)である。同様に、ドジッター空間は球、つまり正の定曲率をもった最大対称空間の 時空間での類似物である。反ドジッター空間は余剰次元や量子重力の多くの研究において重 要な要素である。というのは、この特別な背景のもとでの量子重力は、ゲージ理論と弦理論 の対応関係を通じて、重力を含まない理論を用いて同等に記述されると考えられるからであ る。 Black Hole:【ブラックホール】 高密度にぎっちりつまった物体で、光ですらそのまわりにできる重力場から逃れることがで きない。 Brane:【ブレーン】 高次元空間内の膜状のもの。エネルギーを持ち、また粒子や力をブレーン上に閉じ込める。 ブレーンは通常ブレーンが広がっている空間次元によって分類される。つまり、粒子は0-ブ レーン、ひもは1-ブレーン、膜は2-ブレーン。 Braneworld:【ブレーン世界】物質と力がブレーンに閉じ込められている模型 Cosmological constant:【宇宙定数】真空のエネルギー密度 Compactified Space:【コンパクト化された空間】有限の拡がりを持った空間 Curvature:【曲率】物体、空間や時空の曲がりを表す量。 D-brane:【D-ブレーン】 弦理論におけるブレーンの一つ。開いたひもの端がブレーン上にある。 Dark Energy:【暗黒エネルギー】 負の圧力を伴う宇宙を満たしている空間的になめらかなエネルギー。暗黒エネルギーは宇宙 のエネルギーの 70%の割合を占めると考えられる。暗黒エネルギーの最も単純なモデルは宇 宙定数、すなわち真空に伴う一定のエネルギー密度である。 Dark Matter: 【暗黒物質】宇宙のエネルギーのうち約 25%を占める光らない物質。 De Sitter Space: 【ドジッター空間】 「反ドジッター空間」を参照。ドジッター空間は、宇宙のエネルギーが宇宙定数のみの場合 のアインシュタイン方程式の解。したがって、過去におけるインフレーション期の宇宙の近 似的な記述であり、また暗黒エネルギーが宇宙定数である場合の未来の記述にもなっている。 Dimension: 【次元】空間や時間の独立した一つの方向 Dimensionality:【次元数】一点を一意に特定するのに必要な量(座標など)の数 Dual Theories:【双対な理論】 異なる対象を基本的要素として扱っているために、表面的にはまったく異なって見える、一 つの理論の同等な 2 つの記述のこと Einstein’s Equatons:【アインシュタイン方程式】 一般相対性理論の方程式で、時空の曲率と、宇宙の物質によって生み出されるエネルギー、 圧力、応力(ひずみを表す力)とを等しくおくもの。 eV:【電子ボルト】 エネルギーの単位。電子を 1 ボルトのポテンシャルの差に対して移動させるために必要なエ ネルギー Higgs field: 【ヒッグス場】 素粒子の標準理論の中で現在まで唯一未観測の要素。ヒッグス場は、電子やクォークに質量 を与える役割を担う。 Hierarchy Problem: 【階層問題】 なぜ重力は、他の力より何桁も弱いのか、また同じことだが、重力の弱さを特徴づけている プランクスケールは、なぜ他の力を特徴づけているスケールよりも 16 桁も大きいのかという 疑問。 QCD:【量子色力学】原子核をまとめている強い相互作用の理論 Standard Model:【標準模型】 電磁気学と原子核物理の強い相互作用と弱い相互作用を記述する理論。標準模型は多くの実 験においてその正しさが検証されている。 Supersymmetry:【超対称性】 (力を担う)ボソンと(物質を構成する)フェルミオンを入れ替える対称性。これまでどの粒子に 対してもその超対称対が見つかっていないため、超対称性が自然のもつ対称性であるとする と、超対称性は破れていなければならない。