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時には余計なものが無い方がいい – サブサンプリング、ビニング
テクニカルティップス: サブサンプリング, ビニング, スケーラー 時には余計なものが無い方がいい – サブサンプリング、ビニング、スケーラー FOV(Field of view: 視野)を維持したままフレームレートを上げたいと考えた ことはありますか? 露光時間を短くしたいですか? 視野を維持したまま解像度 を下げるのはいかがでしょうか。 同じ視野で画像の解像度を下げるにはセンサーモデルによっていくつか方法があ ります。サブサンプリング、ビニング、もしくはスケーラー。しかしこれらは何 が違うのでしょう。 バックグラウンド サブサンプリング サブサンプリングは画像データを読み込む際に複数のセンサーピクセルを読み飛 ばします。これによりデータの転送量を削減し高いフレームレートを実現するこ とができます。撮影された画像は解像度は下がりますが、フル解像度のときと同 じ FOV を維持します。 2x サブサンプリング (モノクロセンサー) 色補正 2x サブサンプ リング(カラーセンサ ー) 1 テクニカルティップス: サブサンプリング, ビニング, スケーラー カラーサブサンプリング - 多くのカラーセンサーで用いられる方法 - は色を維 持したままピクセルの読み飛ばしを行います。一部のモノクロセンサーでもカラ ーサブサンプリングを行いますが、若干アーチファクトが生じるものもあります。 モノクロセンサーと一部のカラーセンサーはベイヤー配列を無視するため、色情 報が失われます(モノサブサンプリング)。 サブサンプリングはカメラ内での画素前処理で行われることもあります。この場 合、データ量は削減されますがフレームレートが上がることはありません。 ビニング ビニングは複数のピクセルを平滑化もしくは加算して 1 つのピクセルの値として 取得します: 加算する場合は、画像の明るさが増加します。 平滑化する場合は、画像のノイズを削減します。 ビニングもデータ転送量を削減し、高いフレームレートを実現できます。撮影さ れた画像は解像度は下がりますが、フル解像度のときと同じ FOV を維持します。 2x ビニング (モノクロセンサー) カラー補正 2x ビニン グ(カラーセンサー) 2 テクニカルティップス: サブサンプリング, ビニング, スケーラー カラービニング -多くのカラーセンサーで用いられる方法 -は同じ色のピクセ ルのみを混合します。一部のモノクロセンサーでもカラービニングを行いますが、 若干アーチファクトが生じるものもあります。 多くのモノクロセンサーや一部のカラーセンサーは隣り合ったベイヤー配列のピ クセルを混合します。この場合は色情報が失われます(モノビニング)。 スケーラー スケーラーは特別なケースです。この機能は UI-124x/UI-324x/UI-524x (e2v EV76C560) 、 UI-125x/UI-325x/UI-525x (e2v EV76C570) 、 及 び UI-149x/UI549x (ON Semiconductor MT9J003)でサポートされています。 スケーラーを使用する場合、画像の解像度をどの程度削減するかを調整できるの で、データ量を削減することが可能です。撮影された画像は解像度は下がります が、フル解像度のときと同じ FOV を維持します。サブサンプリングやビニング とは異なり、データ量はリニアに削減され、画像の明るさは変わりません。 uEye Cockpit での画像解像度設定 uEye Cockpit 上で“uEye > プロパティ”からカメラのプロパティを開きます。 サブサンプリング、ビニング、スケーラーの各機能をカメラがサポートしている 場合、“サイズ”タブから設定を行うことができます。 サブサンプリング係数 の設定 ビニング係数の設定 3 テクニカルティップス: サブサンプリング, ビニング, スケーラー スケーラー係数の設定 ヒント:画像プロファイル もし FOV や画像サイズを変更することが可能な場合、画像プロファイルを使用 することもできます。 “サイズ”タブにて事前に定義されている解像度をプロファイルから選択するこ とができます。指定されたプロファイルに従って、ドライバーがベストの画質を 得られる AOI、サブサンプリング、ビニング、スケーラーの設定を自動的に行い ます。 画像プロファイルの使 用 アプリケーションへの影響 これら 3 つの方法は共通して FOV の維持と画像解像度の削減を実現します。 サブサンプリングの利点は、画像の明るさやコントラストを変えずにフレームレ ートを上げられることです。スケーラーはサブサンプリングと同様ですが、更に 細かい解像度の設定をすることができます。但し、スケーラーをサポートしてい るカメラは限られています。 ビニングの利点は画像の明るさを増加させられる点です。これは、光に敏感な対 象物や表面が光を反射しやすいものなど、フラッシュを使用できないアプリケー 4 テクニカルティップス: サブサンプリング, ビニング, スケーラー ションで効果を発揮します。また、露光時間を短くすることができるので、動い ている対象物を撮影するときにも有利です。 要点 サブサンプリング ビニング スケーラー FOV 変化無し 変化無し 変化無し 解像度 低減可能 低減可能 低減可能 フレームレート 向上可能 向上可能 向上可能 コントラスト 変化無し 向上可能 変化無し 明るさ 変化無し 向上可能 変化無し ノイズ 変化無し 向上可能 変化無し 利点 データ量の削減 データ量の削減 データ量の削減 水平方向、垂直方向を 水平方向、垂直方向を別々 ほぼリニアに解像度を 別々に設定可能 に設定可能 下げることが可能 状況によっては露光時間を 短くすることが可能 サブサンプリングよりも画 質が良い 欠点 画像の細部の情報が欠落 固定の係数のみ使用可能 固定の係数のみ使用可能 一部のセンサーモデル でのみ使用可能 サ ブ サ ン プ リ ン グ 、 ビ ニ ン グ 、 ス ケ ー ラ ー の 設 定 は 各 uEye API 、 “ is_SetSubsampling ” 、 “ is_SetBinning ” 、 “ is_SetSensorScaler ” 、 ま た は.NET クラスの“Subsampling”、“Binning”、“SensorScaler”にて設定す ることが可能です。 設 定 方 法 の 詳 細 に つ き ま し て は 、 uEye マ ニ ュ ア ル ( https://jp.idsimaging.com/manuals-ueye-software.html)をご参照ください。 5 テクニカルティップス: サブサンプリング, ビニング, スケーラー 著者 Dana Diezemann, Senior Vision Consultant Marion Gentele, Technical Documentation お問い合わせ IDS Imaging Development Systems GmbH Dimbacher Straße 6-8 74182 Obersulm Germany Phone: +49 7134 96196-0 Email: [email protected] Web: www.ids-imaging.com © 2016 IDS Imaging Development Systems GmbH 他のテクニカルティップス、ケーススタディはこちら。 6