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企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 2015.3.13 (金) 日本公認不正検査士協会 理事長 濱田 眞樹人 講師 濱田 眞樹人(はまだ まきと) 立教大学 大学院 ビジネスデザイン研究科 特任教授 博士(経営管理学)立教大学 日本公認不正検査士協会理事長 USCPA (IL) , CIA, CFE, CMA, CFM, CFP, CTP Tiffany & Co. Japan副社長、Harry Winston Japan社長など 外資系マネジメントを歴任 『USCPA集中講義ビジネス環境および諸概念 第4版』(2011中央経済社) 『独立取締役の基礎知識』(2013中央経済社,共著) 『企業不正防止対策ガイド 新訂版』(2012 日本公認会計士協会出版局,共著) 『企業不正対応の実務Q&A』(2011 同文舘出版,共著) 『企業不正対策ハンドブック』(2009 第一法規,共訳) 『バロンズ英文会計用語辞典』(2008 プログレス,共訳) 他、著書・訳書多数 2 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 不確実な時代 ブラック・スワン 混乱の時代ほど誤謬や不正リスクが高まる 有効な内部統制の構築と運用は経営者の責任 事業のグローバル化による多様性を受け入れて、企業価値を 上げ、説明責任を果たす経営者を選別する投資家行動 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 2001年 「エンロン事件後」 米国 ‐ 2002年 企業改革法 日本 ‐ 2007年 金融商品取引法 証券取引法改正 Public Company=上場会社 財務報告に係る内部統制 財務報告不正の防止と発見の仕組み 4 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 米国における“エンロン前”の財務報告不正に係る制度改革 1973 - 1976 1977 1978 1982 - 1987,9 1987 1991 1992 1997 2001,2 Watergate事件 SEC調査報告 Lockeed事件 FCPA Cohen委員会 「期待ギャップ」 景気拡大, Black Monday, Friday the 13th Treadway委員会報告書 「不正な財務報告」 量刑ガイドライン COSOフレームワーク SAS82 「財務諸表監査における不正の考慮」 Enron Corp, WorlCom, Sb-Ox, SAS99 5 Association of Certified Fraud Examiners(ACFE) 一般社団法人 日本公認不正検査士協会 www.acfe.jp 世界150ケ国、70,000人、100以上の支部の会員に 不正対策のトレーニングを提供 6 ACFE 概要 正式名称 : Association of Certified Fraud Examiners 日本名 : 公認不正検査士協会 創設者 : Joseph T. Wells, CFE,CPA CEO : James D. Ratley, CFE 住所 : The Gregor Building 716 West Avenue, Austin, TX 78701-2727 USA 設立 : 1988年 会員数 : 70,000人(内 CFE 38,000人) 参加国 : 150ヶ国 7 ACFE Japan 概要 名称 :一般社団法人日本公認不正検査士協会 英語名 :Association of Certified Fraud Examiners Japan 略称 :ACFE JAPAN 設立 :2005年4月(任意団体) 法人化 :2007年12月1日(中間法人)※2008年12月、一般法人化 所在地 :東京都千代田区神田駿河台3-4 龍名館本店ビル12階 会員数 :1,309名(内CFE804名)※2014年4月現在 内訳 : 個人会員1,253名, 法人会員56社 8 Dr. Joseph T. Wells Founder and Chairman of the Board 1988年ACFE創立(犯罪学者 Donald Cressey との交流の中から生まれた) ‐調査のノウハウを持たない会計士 ‐財務会計知識に疎い捜査官 により行われていた不正調査に 両者の強みを持つ人材CFE(公認不正検査士)を “A good fraud examiner is part cop, part lawyer, part accountant and part psychologist.” 9 ACFEのミッション 不正やホワイトカラー犯罪*を減少させるとと もに、会員による不正発見、抑止への活動 を支援する。 To reduce the incidence of fraud and White-collar crime and to assist the membership in its detection and deterrence * Sutherland, E.H. (1939) The White Collar Criminal 10 Conference Reports 2014 The 25th Annual ACFE Global Fraud Conference http://www.acfe.jp/notice/the-25th-annual-acfe-global-fraud-conference.php 2014 Asia-Pacific Fraud Conference http://www.acfe.jp/notice/2014acfe-asia-pacific-conference.php 2014 第5回 ACFE Japan カンファレンス http://www.acfe.jp/events/j_conf/ 2013 第4回 ACFE Japan カンファレンス http://www.acfe.jp/events/j_conf/4th_report.html 2012 第3回 ACFE Japan カンファレンス http://www.acfe.jp/events/j_conf/3rd_report.html 11 ミッション実現のために 公認不正検査士(CFE)の輩出 継続教育の義務付を含めた、CFE資格の厳格な資格 認定基準の設定 CFEに対する厳しい行動・倫理基準の遵守の義務付 CFEの誠実性、客観性、専門性に対する社会的認知 度の向上 民間企業、政府機関、教育機関に対する、CFEの重要 性に関する意識度の向上ならびにリーダーシップの発 揮 12 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 “Fraud Examiners Manual” Ⅰ 財務取引と不正スキーム Ⅱ 法律 Ⅲ 調査 Ⅳ 不正防止と抑止 (会計知識) (法律知識) (調査・捜査技術) (犯罪学と倫理) 13 企業不正(Corporate Fraud)とは? 不正の定義 他人を欺くことを目的とした 意図的な作為または不作為 結果として損失を被る被害者が発生し 不正実行犯が利得を得るもの 『企業不正リスク管理のための実務ガイド』2008 “Managing the Business Risk of Fraud: A Practical Guide” IIA,AICPA,ACFE 14 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 不正の樹形図Manual) 賄賂と汚職 利益相反 資産の不正流用 現金預金 賄賂 ラーセニ― 違法な謝礼 不正支出 利益供与の 強要 スキミング 不正な報告 財務関連 非財務関連 棚卸資産・その他資産 不正使用 窃盗 15 犯罪学 19世紀欧州の古典的な犯罪学は生物学的理論 犯罪学の父 LOMBROSO, Cesare (1835 – 1909) 生まれながらの犯罪者の身体的特徴、遺伝的な相違を見 つけ出そうとする アル・カポネ「上流階級の人間たちは・・・・我々と変わらない」* 1930年代以降は米国の犯罪学が隆盛に SUTHERLAND, Edwin(1883 - 1950)「文化的接触理論」 犯罪は生まれ持った性質や遺伝によって起こすのではなく 社会での生活を通して学習された行為『犯罪学原理』 * 新田健一『組織とエリートたちの犯罪』朝日新聞社2001 16 ホワイトカラー犯罪 サザランドが1939年の演説で最初に用いた用語。 「企業のごまかしと言い逃れ、政財界の癒着、法曹界の事 勿れ主義を事実資料に基づいて指摘し、これらがまぎれ もない犯罪であって、一般の路上犯罪以上に公共社会に 実害をもたらしていると断じた」* 1949年には研究論文”White-collar Crime”を発表。 「ホワイトカラー犯罪とは、名望ある社会的地位にある人間 が、その職務上犯す違法行為」とした。 * 新田健一『組織とエリートたちの犯罪』朝日新聞社2001 17 ホワイトカラー犯罪 ホワイトカラー犯罪者も一般的犯罪者と同じに、差異的接触 により、組織内・外から、非合法な知識と技術を習得して、 徐々に犯行準備性を形成していく。 ある会社が不正により利益を上げていれば、他社も同様に 商行為を行い、「儲けるが勝ち」「思いやりは取引には無 用」などの反道徳的な精神までも伝播する。 ホワイトカラー犯罪者の多くは、会社に入り組織内で、健全 な価値を喪失していく。 定義などへの批判も多かったが、言葉は残った。 18 クレッシー博士の横領犯に関する仮説 犯罪学者クレッシー(Donald R. Cressey,1919-1987) 「人がなぜ不正行為を行うのか」の研究。横領犯が犯罪を犯 す要因として3条件が揃った時に背信行為を行うと仮説 ①他人と分かち合えない金銭問題を抱えていること ②財産を委託された地位を悪用することで、その金銭問題を 密かに解決できると認識していること ③財産を委託された者は委託された財産を使い込んでも良 いという考え方を、自分の行動に適用できること (Other People’s Money: A Study in the Social Psychology of Embezzlement, Wadsworth Publishing Company,Inc.,1971) 19 ACFE初代会長アルブレヒト博士 CFEプログラムの創設に協力 その1979年の研究 “How to Detect and Prevent Business Fraud“における 「不正スケール」を「炎のトライアングル」からヒントを得て 「不正のトライアングル」に発展させた。 20 不正の三角形(Fraud Triangle) 監査では、不正リスク要因(Fraud Risk Factors) 不正による財務諸表の虚偽表示が行われる場合に通常みられる三つの状況 機会(Opportunity) 動機またはプレッシャー 姿勢または正当化 (Incentives/Pressure) (Rationalization) 21 不正リスク要因(Fraud Risk Factors) 機会の認識 一般的な情報と 技術的スキル 動機・プレッシャー (1)果たすべき義務への違反によるもの (2)個人的な失敗によるもの (3)業況の悪化によるもの (4)物理的な孤立によるもの (5)地位獲得への欲望によるもの (6)雇用者と被雇用者関係によるもの 正当化 本質的には犯罪ではない、或いは自分が全面的な責任を 負っているわけではないという正当化 22 機会、動機、正当化が全て揃った時 信頼された人間が背信者となる 客 観 的 環 境 主 観 的 環 境 機会(Opportunity) 不正実行を 欲す事情 不正が実行 できる環境 不正を是認 する事情 動機またはプレッシャー 姿勢または正当化 (Incentives/Pressure) (Rationalization) 23 横領ケース 客 観 的 環 境 主 観 的 環 境 機会(Opportunity) 金銭問題 会社への不満 権限集中 手続形骸化 給料の一部 借りただけ 動機またはプレッシャー 姿勢または正当化 (Incentives/Pressure) (Rationalization) 24 不正会計ケース 客 観 的 環 境 主 観 的 環 境 機会(Opportunity) 売上至上主義 監査の形骸化 圧力に応える 成功報酬 会社のため 解釈の問題 動機またはプレッシャー 姿勢または正当化 (Incentives/Pressure) (Rationalization) 25 企業不正が増えた? 表面化するようになった 人材流動化が進み「組織」の論理優先が薄れ 個人が得られる情報量、公表の場が増えた 個人意識の高まり →社会の動きや価値観の変化にくらべて企業の 価値観が旧態依然 「個人の価値観」>「会社の価値観」 26 “2014 ACFE Report to the Nations on Occupational Fraud and Abuse” 「2014年度版 職業上の不正と濫用に関する国民への報告書」 http://www.acfe.jp/notice/post-50.php 不正防止(Prevention)は不正発見(Detection)より Cost Effective - 防止のための統制手続きにはリスク評価が必要 - 不正の三角形 不正は隠される ‐通報による発見 M&A,海外進出などで事業現場が離れて、文化が混じりあう 規模や業種に関係なく、不正はどこでも起こる 27 How Occupational Fraud is Committed 28 How Occupational Fraud is Committed 29 Asset Misappropriation Sub-Schemes 30 Fraud Prevention Checklist 不正対策チェックリスト 不正対策トレーニング 不正通報システム 不正発見対策の公表 経営環境と経営姿勢 不正リスク評価 不正対策統制 内部監査 採用調査 従業員支援プログラム ■オープンドアポリシー■無記名アンケート 31 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 経営者の執行を監視するコーポレート・ガバナンス Representation Letter(経営者確認書) 「私は経営者として 財務報告とそれに係る内部統制の有効性 に責任を持っています」 「財務諸表の作成、内部統制の構築と維持の責任、会計基準 への準拠、不正を防止し発見する仕組みの責任、不正によ る虚偽表示、不正や違法行為」 権限委譲に基づく分権管理、経営目標の有効で効率的、 そし て適正に達成、報告するための内部統制 32 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 不正の体系図 (ACFE Fraud Examiners Manual) 中間に3階層がいて,それぞれが自己の立場を 守るために少しバイアスをかけて報告すると, 社長に伝えられる15%のバイアスがかかった報告 52% ↑ ↑ 担当役員に伝えられる15%のバイアスがかかった報告 61% ↑ ↑ 部長に伝えられる15%のバイアスがかかった報告 72% ↑ ↑ 課長に伝えられる15%のバイアスがかかった報告 85% ↑ ↑ 担当者が受けた外部からの情報 100% 33 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 事業上の不正は抑止が可能 不正リスクを評価して、マネージ(防止)する。 発見は一に確認、二に確認 リスクマネジメントの成功には、 トップの決意が不可欠 34 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 2008年7月 IIA/AICPA/ACFE Managing the Business Risk of Fraud:A Practical Guide 『企業不正防止対策ガイド新訂版』 不正リスク管理実務ガイド検討委員会 委員長 八田進二編 (日本公認会計士協会出版局 2012) 原則1 ガバナンス 組織のガバナンスの一環として、不正リスク管理プログラムを整備 し、取締役会や経営者の方針を明文化する。 原則2 評価 抑止すべき特定の手口や事象を識別する為に、定期的に不正リス クへのエクスポジャーを評価する。 原則3 防止 組織が被る影響を軽減する為に、重要な不正リスクの顕在化を回 避する防止手法を確立する。 原則4 発見 防止策が機能しなかった場合、または軽減されていないリスクが顕 在化した場合の、不正の発見方法を確立する。 原則5 報告 調査 不正への適時、適切な対応のために、報告手続、調査と是正措置 是正 のプロセスを整備する。 35 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 事業上の不正リスク管理 原則1 ガバナンス 組織のガバナンスの一環として、 不正リスク管理プログラムを整備し、 取締役会や経営者の方針を明文化する 自らを律して、 組織の倫理観を示していますか? 36 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 事業上の不正リスク管理 原則2 評価 抑止すべき特定の手口や事象を識別する為に、 定期的に不正リスクへのエクスポジャーを評価する 事業体の隅々まで、何処に、どの様な 不正リスクがあるかを評価していますか? 37 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 事業上の不正リスク管理 原則3 防止 組織が被る影響を軽減する為に、 重要な不正リスクの顕在化を回避する防止手法を確立する 不正は絶対許さないと いう覚悟を示していますか? 38 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 事業上の不正リスク管理 原則4 発見 防止策が機能しなかった場合、 または軽減されていないリスクが顕在化した場合の、 不正の発見方法を確立する 不正は絶対に見つけて、厳罰に処する 体制を作っていますか? 39 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 事業上の不正リスク管理 原則5 報告・調査・是正 不正への適時、適切な対応のために、 報告手続、調査と是正措置のプロセスを整備する 不正が起きてしまったらどの様に 対処するか準備ができていますか? 40 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 モニタリングを確実に行うこと 悪いニュースが経営者に即座に伝わること リスクを先送りしないこと 経営者のコミットメント Tone at the Top 社内に専門家を取り込む 社外の専門家の利用をためらわない 41 不祥事とは 「関係者にとって不名誉で好ましくない事柄、事件」 広辞苑 企業の「不正」 企業の「不祥事」はより広い 概念だが境目は曖昧 そこからどの様な教訓が学べるか? 42 畑村洋太郎『失敗学のすすめ』2005講談社文庫 失敗情報は伝わりにくく、時間が経つと減衰する、隠れた がる、単純化したがる、変わりたがる、神格化しやすい、 ローカル化しやすい、客観的失敗情報は役に立たない、 失敗は知識化しなければ伝わらない 致命的な失敗をなくすために、失敗を肯定し、生かすシ ステム作りをする 知識失敗データベース http://www.sozogaku.com/hatamura/ 43 ACFE Japan不正防止教育協力 2014年は 青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科 東北大学会計大学院において実施 44 特殊講義 (ACFE) シラバス 資産横領や財務諸表不正などをもたらす企業不正のリ スク要因および具体的な手口に関する理解を通じて、 監査人や経営管理者に求められる企業不正リスク評 価や対応力の基礎となる知識の習得を目的とする 成績評価方法:授業への出席35%,授業内演習と貢献30%, 試験35% テキスト:『企業不正防止対策ガイド 新訂版』(日本公認会計 士協会出版局、2012年) 予習:授業内で指示する教科書の部分や教材を事前に読む。 課題:授業内で指示する。 45 特殊講義 (ACFE) シラバス 第 1 回:オリエンテーション 第 2 回:過去の企業不正について学ぶ 第 3 回:概念整理① 第 4 回:概念整理② 第 5 回:企業不正リスク管理① 第 6 回:企業不正リスク管理② 第 7 回:不正スキーム解説①:資産の不正流用 第 8 回:不正事例研究①:資産の不正流用 第 9 回:不正事例研究② 資産の不正流用 第10 回:不正スキーム解説②:不正な財務報告 第11 回:不正事例研究➂:不正な財務報告 第12 回:不正事例研究④:不正な財務報告 第13 回:企業不正の防止と発見の今日的課題①:内部通報制度、デジタル・フォレンジック 第14 回:企業不正の防止と発見の今日的課題②:インサイダー取引、反社会的勢力との取引 第15 回:まとめ・テスト 46 4大公害 1955 1956 1965 1960 三井金属鉱業未処理排水イタイイタイ病 チッソ水俣病(熊本水俣病) 昭和電工第2水俣病(新潟水俣病) 四日市石油化学コンビナートぜんそく 食品公害 1955 森永ヒ素ミルク中毒事件 1968 カネミ油症事件 47 昭和の事件 1976年 1982年 1982年 1984年 1985年 1985年 1986年 1987年 1988年 ロッキード事件 日航羽田沖逆噴射墜落事故 ホテルニュージャパン火災事件 江崎グリコ社長拉致事件 投資ジャーナル事件 豊田商事事件 平和相互銀行 特別背任 日本皇民党事件 リクルート事件 48 バブルの清算 1 1991 1992 1993 1993 1995 1995 1996 1996 証券スキャンダル 損失補てん 東京佐川急便事件 金丸元副総裁脱税逮捕事件 ゼネコン汚職 大和銀行NY支店巨額損失事件 EIE高橋 2信組乱脈融資事件 住友商事銅取引巨額損失事件 三菱自工米子会社セクハラ訴訟 49 バブルの清算 2 1997 1997 1997 1998 1999 1999 1999 1999 第一勧業銀行 利益供与事件 証券スキャンダル 大手4社利益供与 山一・三洋証券・北海道拓殖銀行破綻 NEC防衛庁水増し請求事件 ヤクルト プリンストン債事件 日本長期信用銀行粉飾事件 東芝ユーザーサポート事件 ムネオハウス事件 50 企業不正は止んでいない 1 2000 2000 2001 2001 2002 2002 2002 2002 三菱自動車工業 リコール隠し 雪印乳業集団食中毒事件 国際証券 証券取引法違反 マルハ 輸入タコ脱税 三菱自動車工業 タイヤ脱落死傷事件 雪印食品輸入牛肉偽装事件 三井物産 国後島発電設備不正入札 三井物産 モンゴルODA贈賄疑惑 51 企業不正は止んでいない 2 2002 2002 2002 2002 2002 2002 2002 USJ 賞味期限切れ食材利用 日本信販 総会屋利益供与 ダスキン「ミスド」肉まん無認可添加物 日本ハムBSE対策輸入牛肉偽装申請 東京電力原発トラブル隠ぺい 大和SMBC社員インサイダー取引 フットワークエクスプレス粉飾事件 52 企業不正は止んでいない 3 ローソン顧客情報流出 大阪証券取引所仮装売買事件 武富士 サービス残業代未払い事件 三井物産 排ガス浄化装置データ捏造 西武鉄道 上場廃止(総会屋利益供与、 有価証券報告書虚偽記載) 2004 メディア・リンクス粉飾事件 2004 キャッツ粉飾事件 2003 2003 2003 2004 2004 53 企業不正は止んでいない 4 2005 2005 2005 2005 2006 2006 2006 2006 カネボウ粉飾事件 首都圏マンション耐震強度偽装事件 明治安田生命保険金不払い事件 松下電器石油温風機欠陥問題事件 ライブドア証券取引法違反事件 村上ファンドインサイダー取引事件 日経社員インサイダー取引事件 パロマ湯沸かし器死亡事故事件 54 企業不正は止んでいない 5 2007 2007 2007 2007 2007 2007 2007 2007 加ト吉循環取引事件 NOVA虚偽説明誇大広告事件 ミートホープ偽装ミンチ事件 白い恋人賞味期限改竄事件 赤福製造日偽装事件 船場吉兆菓子類・牛肉産地偽装事件 社会保険庁年金記録問題 山田洋行防衛庁汚職事件 55 企業不正は止んでいない 6 2008 2008 2008 2008 2008 2008 2008 2008 2009 NHK記者インサイダー取引事件 新日本監査法人インサイダー取引事件 野村証券社員インサイダー取引事件 西松建設裏金・着服事件→献金事件 王子製紙・日本製紙古紙配合率偽装 スルガコーポレーション反社取引事件 ニイウスコー粉飾事件 PCI ベトナム円借款事業腐敗事件 プロデュース粉飾決算事件 56 企業不正は止んでいない 7 2009 三菱UFJ証券個人情報流出 2011 大王製紙元会長への貸付金問題 2011 オリンパス損失隠し問題 2011,2 日揮・丸紅ナイジェリア贈賄FCPA事件 2012 AIJ投資顧問企業年金消失問題 2012 SMBC日興証券・中央三井アセット信託銀行 ・野村証券インサイダー取引事件 2012 沖電気スペイン子会社不正会計 57 企業不正は止んでいない 8 2013 2013 2013 2013 2013 2014 みずほ銀行反社会的勢力提携融資事件 JR北海道データ改ざん事件 ノバルティス臨床研究不正事件 テレビ朝日社員横領事件 マルハニチロ・アクリフーズ農薬混入事件 NEC孫会社社員横領事件、東京海上保険金未支払 事件、矢崎総業・デンソー・ブリヂストン米カルテル事件、北 陸新幹線官製談合事件、NHK出版不正支出事件、東芝技術 流出事件、伊藤忠横領事件、JTC贈賄事件、ベネッセ情報流 出、ダイキン工業横領事件、ベネッセ顧客情報漏洩事件・・・ 58 企業不正は止んでいない 日本企業の不正では、凝集性の高い集団での、 不作為 集団的無責任 開示に関する意識の低さ 決断の先送り等 が特徴 Group Thinking(集団浅慮) 59 企業不正 会社ぐるみの違法行為は企業不正として 謝罪し責任を取るのは当然のこと。 従業員の横領は会社も被害者です。 それでも会社は謝罪し責任を問われるのは 何故でしょうか? 不正会計 責任・謝罪 社員の横領 60 標準偏差 千三つ 金融商品取引法課徴金事例 http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2012/2012/20120706-1/01.pdf 61 企業不正の防止と発見には 企業観を身に付け、 CSR、コーポレート・ガバナンス、 内部統制、コンプライアンスの概念を整理する 「良く使う言葉ですが、管理職として正しい使用ができているか? 今さら人に聞けないけど、きちんと整理したい」 CSR・コーポレートガバナンス・内部統制・ コンプライアンスの概念整理 出典:『コンプライアンスと企業文化を基軸としたやわらかい内部統制』 出典:『コンプラナンスと企業文化を基軸としたやわらかい内部統制』 水尾・田中・池田、日本規格協会(2007) 63 CSR・コーポレートガバナンス・内部統制・ コンプライアンスの概念整理 CSR 「企業が社会の一員として、 社会に対して果たすべき役割と責任」 企業が(その活動の基盤とする)社会との関わりにおいて 負う責任を意識して、その活動に社会的公正性や環境へ の配慮などを取り込んでいく 64 CSR議論 ISO26000: Social Responsibility, 2010 日本規格協会JIS Z 26000:2012(社会的責任に関する手引) 社会的責任の定義「組織の決定及び活動が社会及び環境に 及ぼす影響に対して、次のような透明かつ倫理的な行動を通じ て組織が担う責任。 • 健康及び社会の福祉を含む持続可能な発展に貢献する。 • ステークホルダーの期待に配慮する。 • 関連法令を順守し、国際行動規範と整合している。 • その組織全体に統合され、その組織の関係の中で実践され る。」 65 66 CSR・コーポレートガバナンス・内部統制・ コンプライアンスの概念整理 コーポレートガバナンス 広く定義すれば、コーポレートガバナンスは会社業績 に関するステークホルダー相互の調整を図る仕組み。 最も狭く定義すれば、 「株主の利益追求のための経営者の規律付け」 67 問題意識 資本主義 (私有財産 分業と協業 市場) 法人 株式会社 所有と経営の分離 (株主と専門経営者) 上場会社 (Public Companies) 情報の非対称性 エージェンシー問題(Agency Slack) インセンティブ 受託者責任 説明責任 (ディスクロージャー) コーポレート・ガバナンス 68 「会社法の一部を改正する法律案」および「会社法の一部を改正す る法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」 2014年6月27日公布 監査等委員会設置会社新設(委員会は社外取締役過半数) 委員会設置会社は指名委員会等設置会社に変更 社外取締役の要件を厳格化(親会社や親族、10年期間追加) 「株式会社をめぐる最近の社会経済情勢に鑑み、社外取締役等に よる株式会社の経営に対する監査等の強化並びに株式会社及 びその属する企業集団の運営の一層の適正化等を図るため、 監査等委員会設置会社制度を創設するとともに、社外取締役等 の要件等を改めるほか・・・この法律案を提出する理由である。」 69 株主行動の変化 - 2013年3月 いわゆる「キャノン・ショック」 70 ここ数年の「独立取締役」導入議論 (2002年 商法改正 委員会設置会社導入⇒14年指名委員会等へ) 2008年 「米国政府要望書」で社外取締役の独立性の確保 2009年 東証 独立役員確保と「CG報告書」開示義務 2010年 東証「独立役員に期待される役割」 2012年 東証「独立した社外取締役の確保のお願い」 日弁連「社外取締役ガイドライン」 2013年 議決権行使助言会社ISS議決権行使ガイドラインの変更 2014年 会社法改正 監査等委員会設置会社導入 出典:東証 6/16現在 71 独立取締役選任による企業統治体制 (努力義務) 「置くことが相当でない」理由のexplainができるか 外国人投資(6月は東証一部売買金額の67%) 株式保有比率 外国法人等 投資家行動の変化 (含:議決権行使助言機関、海外機関投資家、GPIF+代行) JPX日経インデックス400 (ROE, 社外2人,IFRS, 英文開示) 2014年 スチュワードシップ・コード制定 会社法改正 コーポレート・ガバナンス・コード策定 (図 出典:東証) 72 73 企業統治体制と開示について - IBM DEF14A Proxy Statement 委任状勧誘書類 株主送付の10 暦日前迄にSECに 74 企業統治体制と開示について - IBM Board 取締役会 社内は一名のみ 75 企業統治体制と開示について - IBM Officers Officers, Management, Executives 76 企業統治体制と開示について - IBM Proxy 「AMEX CEOは独立基準を満たしていない」 77 Top 5 Executive Search Firms by Revenue Korn Ferry International Spencer Stuart Heidrick & Struggles Egon Zehnder International Russell Reynolds シニア・エグゼクティブ・アセスメント・サービスや CEOサクセッション・サービスなどの ボード・アドバイザリー・サービス 78 Corporate Governance Code FRC The “comply or explain” approach is the trademark of corporate governance in the UK. C or E は UK CG Codeの特徴である A majority of members of the nomination committee should be independent nonexecutive directors( - Effectiveness B.2.1.) The board should establish an audit committee of at least three, or in the case of smaller companies two, independent non-executive directors( - Accountability C.3.1.) The board should establish a remuneration committee of at least three, or in the case of smaller companies two, independent non-executive directors( Remuneration D.2.1) UK CG Code は指名・監査・報酬委員会を 独立した非執行の取締役で 79 企業統治は、独立取締役を「置くか置かないか」の議論から 「企業価値を高める実質的活用」の議論・開示へ 「一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役」は条件 年金・投信の投資対象先選定(ROE, CG)を意識 成長戦略とコーポレートガバナンス、CSR, 海外投資家の意向を 理解する独立非業務執行取締役を多様に 80 CSR・コーポレートガバナンス・内部統制・ コンプライアンスの概念整理 内部統制 「業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、関連法 規の遵守の3つの目的を合理的に保証するために、 取締役会、経営者およびその他の職員によって 遂行されるプロセス」 81 Update considers changes in business and operating environments Environments changes... …have driven Framework updates Expectations for governance oversight Globalization of markets and operations Changes and greater complexity in business Demands and complexities in laws, rules, regulations, and standards Expectations for competencies and accountabilities Use of, and reliance on, evolving technologies Expectations relating to preventing and detecting fraud COSO Cube (2013 Edition) 82 Update articulates principles of effective internal control Control Environment Risk Assessment Control Activities Information & Communication Monitoring Activities 1. 2. 3. 4. 5. Demonstrates commitment to integrity and ethical values Exercises oversight responsibility Establishes structure, authority and responsibility Demonstrates commitment to competence Enforces accountability 6. 7. 8. 9. Specifies suitable objectives Identifies and analyzes risk Assesses fraud risk Identifies and analyzes significant change 10. Selects and develops control activities 11. Selects and develops general controls over technology 12. Deploys through policies and procedures 13. Uses relevant information 14. Communicates internally 15. Communicates externally 16. Conducts ongoing and/or separate evaluations 17. Evaluates and communicates deficiencies 83 Update articulates principles of effective internal control (continued) Risk Assessment The 8th Principle – The 32nd Point of Focus (Incentives and Pressures), the 33rd Point of Focus (Opportunities), the 34th Point of Focus (Rationalizations) 6. The organization specifies objectives with sufficient clarity to enable the identification and assessment of risks relating to objectives. 7. The organization identifies risks to the achievement of its objectives across the entity and analyzes risks as a basis for determining how the risks should be managed. 8. The organization considers the potential for fraud in assessing risks to the achievement of objectives. 9. The organization identifies and assesses changes that could significantly impact the system of internal control. 84 CSR・コーポレートガバナンス・内部統制・ コンプライアンスの概念整理 コンプライアンス 「企業が経営活動において、法令や各種規則などの ルール、さらには社会的規範などを守ること」 85 コンプライアンスの変化 その昔、コンプライアンスは御上の仕事だった? 官が強大で広範な権限を持ち、明文化なきルール のもとに、曖昧な行政指導、問題が起きたら指示を 受ける、従えば助けてもらえ、軽微な制裁 御上を取り巻く環境変化 人員削減、企業の面倒をみる余裕なく、管理コスト 削減、情報と競争、厳罰化(事前抑制→事後制裁) 行動規範・不正抑止・自主点検・調査・自浄へ 86 時代の要請で変化する (例)公共調達をめぐる談合問題 明治22年「会計法」 昭和22年「独占禁止法」 昭和28年「法改正」で弱体化―緊迫した極東情勢 昭和30年代中頃~40年代 消費者保護、40年代後半の石油ショッ クの価格協定などに対応、公取強化、課徴金導入 昭和59年経済の低迷とともに談合容認ガイドライン 平成に日米構造協議・反競争市場是正要求―再強化 平成5年ゼネコン汚職事件 ・平成17年改正―脱談合宣言・課徴金 上げ、リニエンシー、平成21年改正―さらなる強化 「公共調達の未来に向けてコンプライアンスを」郷原信朗 http://e-kensin.net/reading/212.html 87 コンプライアンス(Compliance) Comply:従う Compliance with the lawで法令遵守 社会環境の変化によって法的責任も変化していく 社会的な道義観念に基づく期待と信頼に企業が応 えることが望まれるようになった 何故ならば、企業は利害関係者を始めとする社会に 支えられて事業活動をしているから 88 企業不正の防止と発見 事業上の不正リスク管理と公認不正検査士への期待 不正の体系図 (ACFE Fraud Examiners Manual) 他山の石(事業上の不正やコンプライアンス今日的課題) 子会社不正 虚偽記載、脱税 特別背任,インサイダー 反トラスト法・FCPAの域外適用、the Dodd-Frank Act. 反社会的勢力、不公正ファイナンス ポンジー 89 Anti-Corruption(腐敗行為防止) 外国公務員への贈賄行為は、現代のCSRに反し、誰もが 嫌う、相手国の国民への奉仕者を搾取者に変え法支配を 破壊する犯罪であり、国際課題である 国内法だけを念頭に置いた内部統制では賄いきれない トップがリーダーシップを発揮し、FCPAが求めるところを理 解し、明文化する(やらない・させない・対応ルール) Transparency International Corruption Perceptions Index 2014 http://www.transparency.org/cpi2014/results 90 事業のグローバル化 + 域外適用の強化 不正リスク管理の複雑化 FCPAの執行 ① 2008年 Siemensショック (2006年検察強制捜査⇒DOJ・SECへ報告) 司法取引(Plea Agreements) ② 2009年 KBR Halliburtonショック 2011年に日揮(200億円)・丸紅(91億円)に波及 91 2014 ACFE Japanカンファレンス Key Note Speaker 92 1977 U.S. Foreign Corrupt Practice Act. (海外腐敗行為防止法) 93 Historical Background (The Guide p3) Congress enacted the FCPA in 1977 after revelations of widespread global corruption in the wake of the Watergate political scandal. SEC discovered that more than 400 U.S. companies had paid hundreds of millions of dollars in bribes to foreign government officials to secure business overseas. SEC reported that companies were using secret “slush funds” to make illegal campaign contributions in the United States and corrupt payments to foreign officials abroad and were falsifying their corporate financial records to conceal the payments. 「ウォーターゲート事件をきっかけに世界中に広がった腐敗行為 が発覚し議会は1977年にFCPAを発効」 94 1977 U.S. Foreign Corrupt Practice Act. (海外腐敗行為防止法) 「贈賄防止条項」 証券発行者(Issuer)の社員や代理人が行ってはなら ない通商慣行(贈賄行為)を定め 「会計処理条項」 帳簿、記録、会計の作成と、これを確実にする十分な 内部会計統制(Internal Accounting Controls)を示す 95 Anti-Trust(反トラスト) 反トラスト法: 1880年 シャーマン法(Sherman Act) 1914年 クレイトン法(Clayton Act) 取引を制限する契約、結合、共謀、そして独占を禁止 米司法省と欧州委員会はカルテル事案の執行強化 2000年の飼料添加物リジンのカルテル摘発以降 (The Informant! https://www.youtube.com/watch?v=Zdje_FNAteo ) 2010年以降、世界中で自動車部品関係のカルテル摘発 96 日本企業への高額罰金例 米司法省 2012年 矢崎総業 2014年 ブリヂストン 2012年 古川電工 欧州委員会 2012年 パナソニック 2007年 YKK 2013年 矢崎総業 自動車部品 $4.7億 自動車部品 $4.2億 ワイヤーハーネス $2億 €2.5億 €1.5億 €1.4億 ブラウン管 ファスナー 自動車部品 97 執行の傾向 Leniency(リニエンシー)制度や Amnesty Plus(アムネスティ・プラス)制度の活用 Plea Bargaining(司法取引) Carve out(カーブ・アウト)で役職員個人を 刑事告発して禁固刑 Obstruction of Justice Charge(司法妨害罪) には厳しい Criminal Sanctions(刑事罰)の後に 民事訴訟(Civil Suits)の続発 98 防止 Tone at the Topが全て! 方針の徹底と懲戒、トレーニング、資源 監査(監視)とリスク評価 通報システム 危機管理 担当部署と責任者、専門家との連携 証拠を保全し、ディスカバリ対策、司法妨害を回避 制裁を減じ、監督処分を避ける交渉 有効なコンプライアンス体制の証明 99 まとめ 誠実な企業人の不正は簡単なものではない 企業の社会的責任の議論は世界的に収斂 自己規律と説明責任が求められる 二次不祥事を起こして不祥事企業になるな 不正リスク管理は企業ブランド戦略 100