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平成22年度の感電又はアークによる死傷事故例 (27件)
※「事故原因」及び「再発防止対策」欄の①~⑥については、以下の「再発防止対策6項目」に対応している。
【再発防止対策6項目】
①点検又は工事に必要な停電時間は十分か。
②設備側の安全対策は万全か。
③作業者側の安全対策は万全か。
④設備管理、作業管理は万全か。
⑤アニュアル類は万全か。
⑥安全教育・訓練が行われ、安全意識が浸透しているか。
平成22年4月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:450KW
概要 業 種:地方公務 選任形態:外部委託
発生年月
1
被災
状況
事故発生電気工作物:避雷器用断路器(6kV)
被災者:保安業務従事者、66歳、男性、第3種電気主任技術者免状、電気保安経験年数24
年
感電負傷【右手人差し指の裂傷】
事故
状況
被災者はPASにおけるG電源を切り、キュービクル内に入り、絶縁監視装置の取付工事を行う
べく配線作業を実施した。その後、動力変圧器のB種接地線に絶縁監視装置用零相変流器
を取り付け、キュービクルから出ようとしたことろ、避雷器用断路器に接触し感電した。なお、
区分開閉器の制御電源が切れていたため、波及事故も発生した。
(被災者の服装:布製帽子、軍手、作業靴)
事故
原因
①停電措置を施さずに、高圧機器の近傍で作業を行った。
②キュービクル内の区分開閉器制御電源用遮断器が投入されていなかった。
③絶縁用保護帽(ヘルメット)・手袋・長靴未着用の上、充電部の高圧機器(避雷器)近くで変
流器の取付作業を行ったかつ、一人作業であり、危険予知及び安全具着用が緩漫となった。
①高圧機器・電路に近傍しての作業となる場合は停電作業とする。
③委託先より来所時、目的を確認し、絶縁監視装置取付作業の場合は1名では実施させな
い。
③事故報告書を各施設に配布し、水平展開し、再発防止を図る。
発生年月
平成22年5月
事業場 受電電圧:66kV 受電電力:6,350kW
概要 業 種:飲食料品小売業 選任形態:選任
再発
防止
対策
2
被災
状況
事故発生電気工作物:蛍光灯ソケット
被災者:従業員、28歳、女性 資格なし、作業経験年数0年
感電負傷(入院・1日間)【右腕皮下火傷】
事故
状況
開店の際、ショーケースの上から2段目の棚下灯蛍光管が点滅していることを従業員(被害
者)が確認した。被害者が蛍光管の抜き差しを行った際、蛍光灯器具ソケット部分に指の爪が
接触し右腕に感電した。
(被災者の服装:会社支給制服、※手袋未着用)
事故
原因
⑥ショーケース蛍光灯スイッチを切らずに交換したため。
再発
防止
対策
⑥ランプ交換の際にスイッチを切るように従業員に指導する。
被災
状況
事故発生電気工作物:MCC盤内活線(400V)
被災者:従業員、42歳、男性、資格なし、電気保安経験年数0年
アークによる負傷【両腕・顔に2度(一部3度)の火傷】
事故
状況
モータコントロールセンター盤(MCC盤)のエアフィルター交換作業のため、作業長、作業員
(被災者)2名で作業を開始した。作業長は、被災者が初めての作業だったため、口頭で作業
方法を説明後に被災者は作業を開始した。被災者が踏み台に乗ってMCC盤内側上部のフィ
ルターカバーを取り外し中に、モンキースパナが手から離れ、一次側活線部に触れて、アーク
が発生し火傷を負った。
(被災者の服装:作業服、ヘルメット、※手袋未着用)
平成22年5月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:31,000kW
概要 業
種:石油製品・石炭製品製造業 選任形態:選任
発生年月
3
事故
原因
再発
防止
対策
④製造所内において、充電部近接作業を行う部署と盤外においてを行う部署の役割区分が
明確でなかった。
⑤管理者は危険作業であるという認識がなく、作業指示簿(作業指示の簡略式であり、指示
作業名のみ記載する)での指示であった。
⑥充電部に近接する場所での作業であるという認識が無かった。
⑥作業者は充電部を認識しておらず、作業に対する注意が払われなかった。
②各MCC盤に充電部がある場合、「危険 活線部分あり カバー開放時活線部分注意」の表
示を実施した。なお、電気設備を新規に購入する場合の仕様書には、充電部には感電防止用
保護板及び母線の絶縁テープを設置すること等を明記する。
④活線作業及び充電部近接作業は電気設備作業と位置付け、今回事故を起こした当該部署
での作業は原則禁止とし、充電部近接作業を含む盤内作業は電気設備の担当部署が、盤外
作業は当該部署が実施する。
④全製造所を対象に、ガイドラインに基づき抽出し、作業区分を明確にし、当該部署の作業に
ついては作業の標準化を行う。非定常作業安全規定の遵守、徹底を図る。
④カバー等を開けた時に充電部が露出する設備は保護カバーの設置、施錠をする。
⑥電気設備作業について教育を行う(MCC取扱いに関する教育は早急に実施する。)。
この部分に入り、動力変圧器の
B種接地線に変流器を取付
平成22年6月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:1,945kW
概要 業
種:非鉄金属製造業 選任形態:外部委託
発生年月
被災
状況
事故発生電気工作物:操作盤の操作スイッチ(200V)
被災者:従業員、35歳、男性、資格なし、電気保安経験年数0年
感電負傷【左手親指と人差し指の間に火傷】
事故
状況
被災者は操作盤スイッチを押し、灰絞り作業をしていた。作業途中、設備の一部にスイッチを
起動しても動作しにくいところがあったため強制的にスイッチの動作確認を実施した。スイッチ
を押しても動作しなかったため、スイッチを押し続け、傍にあった鉄板でスイッチを強打した。そ
の結果、スイッチボタンを破損させてしまった。その後、操作盤の扉を右手で開け、左手でボタ
ン裏側のコネクタを握り、充電部に触れて感電した。
(被災者の服装:ヘルメット、防塵マスク、作業服、安全靴、(軍手・革手袋は直前に脱いだ。))
事故
原因
②配電盤、分電盤及び操作盤等人の触れる恐れのある充電部の防護対策をしていなかっ
た。
④本来の担当課以外の作業員が電気系統の修理を行った。また、作業手順の無視し、停止
作業の手順を怠った。
④扉の施錠について管理されていなかった。
⑤「安全作業標準」が不十分だった。
4
②「うっかり」「あわて」「ぼんやり」作業のため、充電部付近に「注意喚起」のシールを貼付す
る。また、アクリル板カバーを取り付ける。
④担当課以外の作業者による電気系統修理を禁ずる。なお、担当課作業者による修理工事
再発
の際は、工場長、部門長に事前連絡し、元電源を切り、「修理中」札を貼り付けて作業を行う。
防止
④分電盤、配電盤、操作盤の不具合箇所の洗い出しと修繕を行うとともに扉の施錠を管理す
対策
る。
⑤「安全作業標準」の見直し、改正を行う。また、社内文書を活用し、社内全員に説明し周知
する。
発生年月
平成22年6月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:670kW
概要 業
種:化学工業 選任形態:外部委託
被災
状況
事故発生電気工作物:天井クレーン用トロリー線
被災者:請負作業員、57歳、男性、電気保安経験年数35年
感電死亡【右足と膝内側と左手首に電撃痕】
事故
状況
C社工場の倉庫2階天井部の梁の塗装工事をA社が受注した。A社の作業者(被災者)を現場
監督とし、下請のB社が塗装工事を請け負った。当日は、始業前に被災者がクレーンの電源
を切り、トロリー線に保護カバーを設置した。午前中、C社の従業員が、出荷のためクレーンの
電源を入れて操作した。午後から、B社の従業員4名と被災者が、塗装前に旧塗装の除去作
業を開始した。「うわぁー」という声がしたため確認しに行くとトロリー線にまたがってぐったりし
ている被災者を発見した。被災者の様子から感電したと分かったので、下に降りていたB社従
業員に電源を開放するように指示した。
(被災者の服装:ニッカズボン、長袖シャツ、地下足袋、革手袋、ヘルメット、防塵マスク、保護
メガネ)
5
事故
原因
再発
防止
対策
発生年月
②保護カバーの装着が不完全であり、足を踏み外して保護カバーに荷重がかかった際にカ
バーの中からトロリー線が露出していたため、感電してしまった。
④保護カバーをしていれば安全だと過大評価し、電源の遮断したかどうかの確認を失念してし
まった。
②トロリー線からの電源供給方式を変更する。また、天井クレーンの電源開閉器を高感度漏
電遮断器に交換する。
④充電部に接近する作業を行う場合は、無電圧とし停電下における作業を徹底する。作業開
始ごとに、指差呼称して電源を開放したことを、全担当者が確認してから作業を開始する。ま
た、管理技術者との連絡体制を整備し、立ち会い・助言を求める。
平成22年6月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:67kW
概要 業
種:学校教育 専任形態:外部委託
被災
状況
6
事故
状況
事故
原因
再発
防止
対策
事故発生電気工作物:高圧母線(ブスバーの端部)
被災者:保安業務従事者、38歳、男性、第3種電気主任技術者免状、作業経験年数13年
感電負傷【左手関節に表皮欠損と電紋、右手から前腕にかけて発赤】
絶縁監視装置をI0方式からIgr方式に変更し、低圧電路漏洩電流を測定するため、事業場に
来所した。保安業務従事者(被災者)はI0方式からIgr方式に変更する作業は初めてであっ
た。被災者はI0方式の零相変流器を取り外し、Igr方式の設定ツールをセットし、零相変流器
を設置した。漏洩電流が低下しなかったのでメーカの担当者に問い合わせてセットを終了し
た。零相変流器から絶縁監視装置への制御線を整線していたところ、LBSから電灯変圧器間
の高圧母線(ブスバーの端部)に右手が接触し、感電した。
(被災者の服装:電気用ヘルメット、作業着、電気作業用安全靴)
④発注者の仕様書無視、ルール無視によるもの。
④保安業務従事者が全停電しないで、保護具の手袋を着用せず一人で通電中のキュービク
ル内で作業を行ったことから、充電中の変圧器電源側高圧母線に接触し感電したものであ
る。
④発注者仕様書通り行うことを再度徹底させる。
④施設の都合で全停電が出来ず、やむを得ず活線作業を実施する場合は、安全対策を十分
に行うこと。
平成22年7月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:665kW
概要 業
種:洗濯業 選任形態:外部委託
発生年月
被災
状況
事故
状況
7
事故
原因
再発
防止
対策
事故発生電気工作物:避雷器用断路器
被災者:請負作業員、31歳、男性、第2種電気工事士、電気工事経験年数9年
アークによる負傷【顔面(おでこから下)、胸、両手上腕部、手の甲及び腹部の火傷】
低圧増設工事の計画のため、キュービクル内低圧配電盤を調査したところ低圧盤裏面に高圧
コンデンサーが設置されていた。工事を行うには危険と考え、高圧コンデンサーの移設を事業
場の工場長と電気工事業者で計画した。
当日、工場長立会いの下、現場を管理する電気工事業者Aと作業を行う電気工事業者B(被
災者も含む2名)の3名で高圧コンデンサーの移設工事をPAS開放後の9時から11時の間で
実施する旨の話し合いを行った。
工場長の停電許可が下りたので電気工事業者Aが高圧真空遮断器を開放した。電気工事業
者Bは午後から別の事業場でPAS交換工事を控えていたために、急いで移設するコンデン
サーの取り外しを開始した。電気工事業者Bの作業者は高圧コンデンサーの取り外しが終わ
り、移設先にコンデンサー本体を固定する作業を開始した。被災者には作業をさせず材料手
渡し等の助手として同行させていたが、誰の指示も受けずに高圧盤の裏側に回りアングルに
固定するクリートを支えようと手を伸ばしたところ、充電中の避雷器用断路器に接近し、汗で
濡れていた作業服を通して短絡、そのアークにより衣服が燃え顔面、胸、両手上腕部、手の
甲及び腹部を火傷した。
(被災者の服装:電気用ヘルメット、作業服、手袋、安全靴、保護具、防具、リストアラーム)
①電気工事業者は全停電をせずに高圧コンデンサの移設工事を実施した。
②電気工事業者は一部充電箇所の説明が不足していたのと充電部分の防護措置を施してい
なかった。また、電気工事業者は充電箇所の扉を閉めず、充電中である旨の表示をしなかっ
た。
②電気事業者は短絡接地器具の取付と検電器による無電圧確認をその都度行わせなかっ
た。
④設置者と電気保安法人との連絡体制が不徹底であり、設置者は電気工作物の工事を計画
したが保安業務従事者に連絡をしなかった。
④設置者は高圧受電設備に対する危険意識が不足していた。また、設置者と電気工事業者
は高圧コンデンサの移設工事を簡単な工事と考え、保安業務従事者の立会い無しで作業を
行った。また、電気工事業者は作業者、被災者に充電範囲の周知をしなかった。また、作業者
の監視が十分でなかった。
⑤作業手順書を作成せず事前の打合せが不十分だった。
⑥被災者の服装は作業服ではなく、手袋も未着用であり、保安業務従事者は設置者、電気工
事業者に対する安全教育が不足していた。また、電気保安法人は設備改善に対する問診をし
なかった。
①作業内容についての打合せを全員で行い、十分な停電時間を確保した作業計画及び実
施。また、保安業務従事者の立会い、監視のもと全停電による作業を行う。
②充電中であることを認識させる充電表示器や短絡接地器具の取付で作業者安全第一を確
保する。
②作業に入る前は一動作ごとの検電で無電圧であることを確認する。
④作業員は作業責任者の指示、監視のもと作業を行う。(思いつき作業の禁止)
④設置者と電気保安法人と電気工事業者の連絡体制表(緊急連絡網)の再構築
⑤高圧に限らず改善等計画がある場合は、保安業務従事者に相談し安全な作業となる工程
表を作成し実施をする。
⑥定期的な安全教育を行う。キュービクル内には調査する際も絶対入ってはいけない旨、再
周知を行う。安全パンフレットや安全教育DVDの視聴等による教育指導を行う。
平成22年7月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:3,200kW
概要 業 種:一般機械器具製造業 選任形態:選任
発生年月
被災
状況
事故発生電気工作物:口切機(0.2kV)
被災者:作業員、59歳、男性、資格なし、電気保安経験年数30年
アークによる負傷【両手の親指と人差し指火傷】
事故
状況
当日、口切機の運転スイッチを入れても電磁開閉器が動作しないため、その旨を作業者が課
長(被災者)に報告し、作業員と被災者が当該口切機の設置場所に行き、不動作の原因調査
を開始した。電磁開閉器を交換したが、口切機が動作しなかった。被災者は、電気が充電され
ていることを確認するため、テスター(250Vレンジ)で、電磁開閉器の一次側の電圧を確認し
ようとしたところ、測定端子で電磁開閉器の一次側が短絡し、アークにより火傷した。
(被災者の服装:会社支給の制服(夏服・半袖)、普通靴 ※帽子、手袋未着用)
事故
原因
②口切機に、手元ブレーカーが設置されていなかった。
④工場の作業者が、口切機のトラブルの対応を行っていた。社内では、工場の作業者は低圧
分電盤以降の設備維持管理を行う事となっていたが、電気設備の不測の事態の対応につい
てルールが無かった。
⑥作業員は電圧確認時における短絡の危険を予知していなかった。
8
再発
防止
対策
②場内において電気設備に手元ブレーカーが無い設備の洗い出しを行い修理する。
④電気設備の不測の事態が発生した場合のルールを作成した。
⑥テスターの正しい使用方法、素手での作業禁止を含めた、電気に対する危険性についての
安全教育を実施する。
平成22年7月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:123kW
概要 業 種:地方公務 選任形態:外部委託
発生年月
被災
状況
事故
状況
9
事故
原因
再発
防止
対策
事故発生電気工作物:屋外キュービクル受電用断路器
被災者:作業員、38歳、男性、資格なし、作業経験年数 3年
アークによる負傷【両手電撃傷、右前腕アークによる熱傷】
直前の年次点検の際に、変圧器の絶縁油の採取ができなかったため、改めて事故当日に管
理技術者と被災者は油の採取作業を実施した。作業開始前、PAS開放し、キュービクル内を
全て無充電にして作業を行うべきと思ったが、当日は猛暑も重なり、早く作業を終わらせようと
OCBを開放し受電部のDSを開放したままで油を採取した。作業終了後、先日の年次点検で清
掃したにもかかわらずDSが汚れているのに気づいた被災者は、汚れを落とそうとして、キュー
ビクルの外側から右手で、ブラシを相間に入れたところ、DSの相間短絡を起こし、アークの影
響を右手に受けた。
(被災者の服装:電気用ヘルメット、長袖作業着、運動靴 ※手袋未着用)
①全負荷停電であるにも関わらず、キュービクル内の一部に充電部を残したまま作業を実施
した。また、何の表示も施していなかった。
②被災者は、一部に充電部があることを意識せずに行動してしまった。
④電気管理技術者の指示がない限り、予定外作業を絶対行わないよう周知徹底されていな
かった。
①キュービクル内の工事、点検等、内部に身を入れる場合は、全停電させることを徹底する。
もし、やむを得ない事情が発生した場合でも、充電部に近寄れない措置を講じないと作業しな
いこととする。
②“見える化表示”を努める。(投入禁止札、設置器具取付表示、接近注意表示、活線表示、
高圧接近警報器の設置等)
④作業開始前のミーティングでは、口頭だけでなく必ず作業手順書により、作業内容、停電範
囲、危険範囲、連絡体制、作業分担等を明確化し、相互の認識を確認した上で作業開始す
る。また、キュービクル内の清掃は、全停電の時だけに実施できるものとする。
平成21年7月
事業場 受電電圧:66kV 受電電力:3,024kW
概要 業 種:不動産業 選任形態:外部委託
発生年月
10
被災
状況
事故発生電気工作物:小荷物専用昇降機制御板(210V)
被災者:従業員、24歳、男性、資格なし、作業経験年数2年
感電死亡【右肩感電】
事故
状況
小荷物専用昇降機が停止する故障が発生したため、保守会社へ対応を依頼。その後、保守
員が到着し対応していたが、その後本人と連絡が取れないため、別の保守員が現地確認を
行ったところ、カバーが外された制御盤に、頭をつけた状態で意識を失っている被災者を確認
した。電源が入っている状態であったため、電源をカットして救急車を手配した。救急車で病院
に搬送したが死亡が確認された。
(被災者の服装:長袖の作業服、安全靴、安全帽、安全帯、命綱)
事故
原因
不明
②制御盤主回路通電部カバーの取付け、主電源開閉用ブレーカーの追加、現行の主接点が
露出されているタイプのコンタクターからパッケージ化タイプのコンタクターへの交換を実施す
る。
④今後は小荷物専用昇降機の故障対応時は必ず複数で対応する。
⑥安全教育の再実施。
発生年月
平成22年7月
受電電圧:66kV 受電電力:12,900kW
事業場の概要
業 種:一般機械器具製造業 選任形態:選任
事故発生電気工作物:LBS(6.6kV)
被災者:①作業員、39歳、男性、第3種電気主任技術者免状、電気保安経験年数20年
被災状況等 ②作業員、35歳、男性、資格なし、電気保安経験年数1年
アークによる負傷①【顔面、両腕の火傷】
②【右腕肘先、左手首火傷】
構内変電設備において、変圧器の一次側LBSの保護継電器が作動(落雷の影響による誤作
動と思われる)し、LBSが開放した。
供給区域の生産ラインから200V回路の停電の連絡を受け、上司の指示により、作業員A、
B,C(A、Bが被災者)は変電設備の点検に向かった。
事故の状況 被災者A,B及び作業者Cは保護継電器の動作及びLBSの開放を発見し、上司に連絡した。
上司と電気主任技術者が到着し、上司は、被災者A,B及び作業者CにLBS前後の電圧確認
を指示した。被災者Aが保護バリアを外し、LBSのS相及びT相の一次側接触端子部分をテ
スターのリードで接触したところ、相間短絡となりリード線が焼損、被災者A及びテスターを保
持していた被災者Bが火傷した。
(被災者の服装:ヘルメット、作業服(半袖)、軍手、安全靴※被災者2名とも同じ服装)
②高圧機器である旨や注意喚起の表示がなく、また盤名称が「200V動力盤」となっており、
内部は200Vであると誤認識しやすい表示であった。
11
④生産の停滞に伴う損失を強く意識したため正しい判断が出来なかった。
⑤LBS開放による停電の復旧手順が定められていなかった。
事故原因 ⑤復旧作業が体系的に想定されていなかった。
⑥変電設備、LBSに関する教育、知識が不足していた。
⑥教育について詳細な内容が定められていなかった。
⑥被災者が有資格者であることを過信したことにより、作業者のスキルや力量について確認
がされていなかった。
再発
防止
対策
再発防止対策
②高圧、低圧バリアに「高電圧注意」「感電注意」「高圧危険」のステッカー表示をする。
②変電設備機器の仕様書を変更する。
④⑤電力設備管理に関する課規の改訂
④⑤点検についての現場型マニュアルの作成
④⑤停電復旧に関する作業手順書の作成
④⑤点検作業手順書の整備
④⑤停電連絡手順書の整備
④⑤作業責任者の明確化(課規に規定)
⑥朝礼による災害状況の報告と注意喚起を実施する。
⑥作業手順による教育・訓練の実施する。
⑥定期的に教育・訓練を実施する。
平成22年7月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:270kW
概要 業 種:地方公務 選任形態:外部委託
事故発生電気工作物:高圧コンデンサー
被災 被災者:請負作業員、54歳、男性、第1種電気工事士、電気工事経験年数32年
状況 感電負傷【左右肩、顔面に電撃傷による表皮剥離】
発生年月
事故
状況
12
事故
原因
再発
防止
対策
設置者は中学校新築電気工事を工事会社に施工依頼し、被災者は電気工事作業に関する
責任者となっていた。設置者への施設の引き渡しに際して事前確認をするため、電気室に
入ったところ高圧コンデンサーより異常信号が発報していた。作業責任者(被災者)は、原因
調査について別途検討することとしていたが、警報の内容について、作業者A,Bを伴い目視
にて事前確認を行うため電気室に向かった。被災者は開錠し、高圧コンデンサー周辺の充電
部を確認した。作業者Aは充電部に接触しなければ事故が無いと思い、工具を現場事務所に
取りに行った。作業者Aは電気室に戻り、ドライバーにより、高圧コンデンサーと変圧器の間か
ら手を伸ばし、高圧コンデンサー脇の警報センサー部カバーを取り外した。作業者A、Bと被
災者は高圧コンデンサー脇のセンサー内部を目視で確認したが問題がなかったが、被災者が
高圧コンデンサーに接触し、感電した。
(被災者の服装:長袖作業服、ズボン、作業綿帽、スリッパ ※手袋装着なし)
③高圧充電部近接作業に対し、防具や保護具の準備、装着が無かった。
④電気室の鍵の管理について管理者を明確化していなかった。
④作業責任者が作業者に対し、充電部近接作業について、注意喚起をしていなかった。
④電気室の鍵を開錠し作業する場合は電気保安法人に連絡することになっていたが、電気保
安法人に連絡しなかった。
⑤電気設備の緊急調査に対する作業計画、作業手順等が明確でなかった。
⑥安全教育を受けているにも関わらず、充電部近接作業に関する安全意識が浸透していな
かった。
③原則、作業は停電作業で行い、防具、保護具を着用して、検電してから実施する。
④電気室施錠の管理を徹底する。
④設置者は作業責任者に対して作業者が充電部に接近しないよう作業監督するよう指導す
る。
⑤変電設備等の工事の場合は、施工計画書に電気保安法人へ連絡する旨を記載し指導す
る。
⑤電気設備の緊急調査に対する作業計画、手順等を施工計画書に記載する。
⑥安全講習計画に施工計画書について記載する。
平成22年8月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:3,468kW
概要 業 種:協同組合 選任形態:選任
事故発生電気工作物:動力用コンセント(200V)
被災 被災者:作業員、38歳、男性、第二種電気工事士、電気保安経験年数不明
状況 感電死亡【作業中に手を感電し、落下後に頭を強打】
発生年月
事故
状況
スチームクリーナーの使用のため、作業員(被災者)から工場長に柱にあるコンセントの通電
確認作業を行う旨の報告があった。工場長は被災者にテスターで、ブレーカーごとに通電確
認をするように指導した。被災者はコンセントの通電状態が確認出来ないことから、工場長に
コンセントの配線状況を確認したいと要請を行い、工場長は十分注意して作業するように指示
した。被災者は動力用コンセントの200V配線を、機械の上を足場にして、外そうとしたとこ
ろ、感電し機械の中に転落した。
(被災者の服装:作業服、安全靴 ※ヘルメット、手袋は未着用)
事故
原因
②コンセントの行く先表示がなかった。
③機械上の作業に、ヘルメット・安全帯を使用していなかった。
④電気設備工事の計画の連絡が無かった。
④工事計画の事前打合せがなかった。
④濡れた手で作業した。
④コンセントのブレーカーを切らなかった。
④テスタを使用していなかった。
④事故発生の連絡が組合事務所に報告が遅かった。
⑥感電に対する指導訓練がなかった。
再発
防止
対策
②コンセント・ブレーカーに行き先表示をする。電気配線図面の整備を行う。
③工事の時は、ゴム手袋を着用してから作業し、また、高所作業では、ヘルメット・安全帯の着
用を義務づける。
④工事を行う時は、事前打合せをし、不測事態時の時は責任者に連絡するよう、各社に指導
する。
④ブレーカーを切って停電標識を取り付けてから作業をする。
④工事を行う時は、テスター・検電器等で電気の有無を確認する。
④事故発生時は、組合各社の責任者を通じて、設置者事務所に連絡するように各社に指導
する。
⑤工事を行うときは、責任者を通じて事前に電気設備工事計画書を作成し設置者事務所に提
出するように規定した。
⑥感電事故等のビデオ及び電気事故事例の資料による安全教育を実施する。
13
平成22年8月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:455kW
概要 業
種:学校教育 選任形態:外部委託
発生年月
被災
状況
事故発生電気工作物:ケーブル(200V)
被災者:作業員、41歳、男性、第二種電気工事士、電気保安経験9年
感電負傷【胸部電撃傷】
事故
状況
老朽化した建物を解体し、新校舎棟建設の工事を行っていた。増設したキュービクルから新
校舎棟の幹線ケーブルの接続作業(14本)を行っていた。しかし、増設したキュービクルの設
備容量では不十分だったため、既設キュービクルの予備ブレーカーに幹線ケーブル1本を接
続した。後日、幹線ケーブルの長さ調整の為、脚立へ上り、ケーブルカッターにてケーブルラッ
ク上の幹線ケーブルの切断作業を開始した。被災者が動力用幹線ケーブルを切断しようとし
たところ、火花が散った為、作業を中断し、脚立から降り、現場代理人にブレーカーを「切」にし
てもらうように依頼した。被災者は火花が散った幹線ケーブルのブレーカーは「切」になってい
ると判断し、ケーブルカッターを回収する為、脚立に上がったところ、感電し脚立から転落し
た。
(被災者の服装:長袖作業服、作業ズボン、作業用手袋、安全靴、安全帽子)
事故
原因
④設計事務所からの設計変更の内容が電気主任技術者へ伝わってなかった。
④停電作業後の復電時に既設キュービクルの”予備”と表示された既設キュービクルの新校
舎分の幹線ケーブルを挟み込んだブレーカーも投入してしまった。
④火花が散った為、ブレーカーが落ちたと判断し、再び脚立へ上ってしまった。
④停電作業時に既設キュービクルの予備ブレーカーを使用したにもかかわらず、ブレーカー
の名称を「予備」から変更しなかった。
⑥被災者の検電作業・ブレーカーの機能に関しての認識が甘かった。
再発
防止
対策
④事業者、電気主任技術者、設計者、施工者の連絡・打合せを十分に行い、設計変更等の
連絡が遅れない様、連絡体制を十分にする。
④工事期間中は予備ブレーカーをテープにて養生し、投入を防ぐ。
④ケーブルの切断及び接続時には、必ず検電器又はテスターを使用し、充電されていない事
を確認してから作業を行う。
④ブレーカーへのケーブル接続作業を行うときは、必ずブレーカー名称の変更を行う。
⑥検電作業・ブレーカーの機能について再確認し、再発防止協議会等で関係者に周知する。
14
平成22年8月
事業場 受電電圧:66kV 受電電力:50,000KW
概要 業 種:石油製品製造業 選任形態:選任
事故発生電気工作物:防爆形水銀灯(ポール形)(200V)
被災 被災者:作業員、47歳、男性、資格なし、当該作業経験年数26年
状況 負傷【左足骨折】
発生年月
事故
状況
内外から街路灯(ハイウェイ灯、ポール灯等)の腐食情報があったため、構内の街路灯につい
て全数点検を実施した。街路灯取替時の施工要領書を作成し、点検結果により不良の街路
灯を計画的に更新していた。要領書では照明灯ポールを吊り、転倒防止をしてから安定器カ
バーを取り外す事になっていたが、作業員(被災者)は転倒防止をせずに安定器カバーを取り
外そうとしたため、ポールが破損し負傷した。
(被災者の服装:作業着上下、ヘルメット、手袋、安全靴)
事故
原因
④監督は施工要領書を作成していたが、要領書どおりに作業を実施させなかった。
再発
防止
対策
④構内責任者・安全専任者は、施行要領書記載内容に不備がないことを確認し、工事着工前
までに作業員が工事内容を理解したことを確認する。
④構内責任者・安全専任者は、手順書遵守の定着のため、作業手順のチェックリストが活用
されていることを終礼時に確認する。
④設置者は、上記対策が確実に実施されている事を1ヶ月ごとに報告させ確認する。
15
発生年月
事業場の概要
平成22年8月
受電電圧:22kV 受電電力:3,600kW
業 種:不動産業 選任形態:統括
被災状況等
事故発生電気工作物:消防用動力分岐盤(0.4kV)
被災者:①作業員、40歳、男性、第3種電気主任技術者免状、電気保安経験年数19年
アークによる負傷【顔面、右手火傷】
②作業員、49歳、男性、第1種電気工事士、電気保安経験年数32年
アークによる負傷【顔面、両腕、両膝火傷】
事故の状況
電気工事施工会社の現場責任者(被災者)と作業員(被災者)は、特高変電室内「消防用動力
分岐盤」の空きスペースに分岐用MCCBの増設が可能か調査を行っていた。分岐用銅バー
はベーク台に固定されており、作業員がベーク台を固定しているビス穴にドライバーが入るか
どうか確認しようとしたところ、通電中の銅バーにドライバーを接触させ短絡させた。現場責任
者と作業員の計2名が火傷を負い救急車にて病院に搬送された。
(被災者の服装:作業服、ヘルメット)
④「ドライバーを充電部が接近するボルト穴に差し込む程度の作業であれば大丈夫」と危険を
軽視した。また、施工会社の社内規則(予定外作業・活線作業をしない)で禁止されていたに
も関わらず、作業者が予定外の活線近接作業を行った。
16 事故原因 ④被災者2名が他の施工会社社員及び作業員に連絡しないで、作業を行った。
④施工会社が当日の作業内容を記載し、施工日の3日以上前にビル側に提出する「作業届」
の記載内容が曖昧で、ビル側にて作業内容の確認が行き届かなかった。
④施工会社の施工計画検討時に検討不足があったことにより、特高変電室内の動力盤の移
設期限までの時間的余裕が尐なかった。
④現場作業所の社員ではなく、本社側で施工経験のある第三者が週一回の確認会議を開催
し、当該週において予定される作業内容の抽出、並びに作業の進め方の中で、危険が想定さ
れる予定外作業や活線近接作業を確認し、事故防止対策を指導する(第三者による作業内
容確認)。
④ビル側が作業内容を確認する「作業届」に記載する表現をビル側にて定義し、曖昧な表現
を排除すると共に、作業内容の確認を徹底し、近接作業等の危険作業に対して危険防止措
置が施されない場合は作業実施を認めないこととする。また、作業についてはビル内工事の
再発防止対策 定例会議にて各関係者と共有する(作業届の記載内容の明確化)。
④本社側で施工経験のある第三者が工事の進捗ごとに施工検討会議を開催し、将来予測さ
れる未検討課題を抽出し、安全を考慮した対応策を作成する(事前の課題抽出と解決策の作
成)。
⑥電気取扱いの危険性を十分に認識させるために、施工会社の社員及び作業員を対象とし
て行っていた座学中心の安全教育から実習中心の教育に改め、再度実施する(社員及び作
業者教育)。
⑥同種の事故の再発を防止するために、事故情報の共有並びに同様の再発防止対策を実
施し、事故防止に努める(同種の事故の再発を防止するための水平展開)。
発生年月
平成22年8月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:295kW
概要 業 種:娯楽業 選任形態:外部委託
事故発生電気工作物:断路器(6.6kV)
被災 被災者:作業員、37歳、男性、資格無し、電気工事経験年数7年
状況 感電負傷【右手、右肩、右足火傷】
17
事故
状況
当日は電気管理技術者と作業員3名(電気管理技術者2名、電気工事士1名(被災者))が年
次点検を実施していた。作業打合せを実施し、電気管理技術者からDSの電源側は電気が来
ているので絶縁抵抗測定、清掃をしない旨の指示があった。全員で絶縁抵抗測定と継電器試
験を実施した。電気管理技術者は被災者にDGR試験器の片付けを指示し、残りの作業員と
高圧絶縁抵抗低下箇所の調査を開始した。被災者は高圧受電盤の電圧計がゼロだったた
め、電気が来ていないと思いこみ、DSの清掃を行ったところ、DS電源側に右手が接触し、感
電した。
(被災者の服装:長袖上着、ヘルメット、作業靴、綿手袋)
事故
原因
①全停電を行わず、年次点検を実施した。
②充電部を絶縁シート等で物理的閉鎖措置を施さなかった。
④作業上の連絡確認の不十分だった。
再発
防止
対策
①年次点検は全停電で実施する。
平成22年9月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:725kW
概要 業 種: 非鉄金属製造業 選任形態:選任
事故発生電気工作物:受電用遮断器(7.2kV)
被災
被災者:作業員、57歳、男性、第3種主任技術者免状、電気保安経験年数28年
状況
感電負傷【右手から右腕、首にかけて火傷】
工場周辺地域が停電したため、主任技術者(被災者)は当所が原因と考え、電気室にて、絶
縁抵抗測定を行ったが原因を究明出来なかった。被災者は再度絶縁抵抗測定を実施しようと
事故
した時、既に電力会社から送電が行われていたため、充電中のVCBに接触し、感電した。
状況
18
(被災者の服装:半袖ポロシャツ、私服ズボン、スニーカー※ヘルメット、手袋は未着用)
発生年月
事故
原因
④現場の状況を誤って判断したとともに絶縁抵抗測定を行う際、UGSの開放やDSの開放な
どの安全対策を怠った。
⑤緊急時における行動マニュアルや停電時操作フローチャート等が整備されていなかった。
再発
防止
対策
④電気事業法を遵守し、電気設備の月次点検・年次点検・臨時点検をしっかり行う。
⑤、⑥高圧電気設備に関して、緊急時マニュアル、フローチャートを整備して徹底するととも
に、電気機器の操作を実施する者に、安全教育、基本操作教育を徹底する。
平成22年9月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:859kW
概要 業 種:機械器具製造業 選任形態:選任
事故発生電気工作物:半自動溶接機(400V)
被災
被災者:従業員、22歳、男性、資格なし、当該作業経験年数4年
状況
アークによる負傷【顔面火傷】
発生年月
19
事故
状況
半自動溶接機の建屋側電源を入れた後に、主電源スイッチを入れた(押し上げた)ところ、電
源スイッチ付近が爆発、火が噴出(火柱30cm)し、顔面を被災した。
(被災者の服装:作業着上下、ヘルメット、安全靴)
事故
原因
②主電源スイッチが経年劣化の影響で、内部回路不具合時の過電流に対し遮断能力が不足
し、相間短絡しアークが発生した。
再発
防止
対策
②溶接機の点検項目の見直しを行う。
②主電源スイッチ不具合時は再投入せず、上司に報告することを徹底すると共に、スイッチ横
に再投入を行わない旨を大きく表示した。
②その他の全台の溶接機について、数メーカによる点検を実施する。
②類似機種の主電源スイッチを取り外し、遮断能力の大きいものに交換する。
平成22年9月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:770kW
概要 業 種:家具製造業 選任形態:選任
事故発生電気工作物:スプリング製造機械(0.2KV)
被災 被災者:従業員、47歳、男性、資格なし、当該作業経験年数29年
状況 感電死亡(推定)【両手に火傷痕あり】
発生年月
20
事故
状況
事故当時は、翌日の材料棚卸しを控えていたため、当該機械は停止中であった。生産作業が
終了し、職場責任者(被災者)一人だけが残って、明日の段取りのためのクレーンの操作や重
量計の設置をしていたものと推測。22時頃、まだ工場内の照明が点灯しているので確認のた
め、生産課長が工場内に立ち入ったところ、被災者が当該機械に倒れ込んでいた。
(被災者の服装:作業帽子、作業服、安全靴(手袋はなし))
事故
原因
漏電場所等精査するも不明
②修理時の対応は周りの注意喚起を目的として、パトライト点灯・立て看板を施すことを徹底
する。
④職場内就業時は必ず2名以上にて行うことを徹底し、相互に確認を取れるようにする。
④クレーン作業時は手袋を着用することを徹底する。
発生年月
平成22年10月
事業場 受電電圧:66kV 受電電力:11,000kW
概要 業 種:倉庫業 選任形態:選任
再発
防止
対策
被災
状況
事故発生電気工作物:UPS設備(DC0.36kV)
被災者:作業員、20歳、男性、低圧電気取扱、電気工事経験年数2年
アークによる負傷【電撃傷及び右手背及び右手1~3指に中度の火傷】
事故
状況
UPS盤を移動するため、UPS交流入力ケーブルの取り外しが必要となった。作業員は取り外し
作業が一人で困難なため被災者に交流入力遮断器一次側導体の裏側ボルトを工具にて固
定するように依頼した。作業中に隣接する直流入力遮断器の一次側に工具が接触し、アーク
が発生して右手甲を火傷した。
(被災者の服装:作業着上下、布帽子、安全靴、皮手袋)
事故
原因
④移動予定のUPS本体等の基礎ボルト取付け状況が事前に確認できなかったため、計画に
ない同ボルト(左右3~4か所)取り外し作業が発生したためそれを強行した。
④工事責任者、職長は、本体を移動する際に直流電源を切り離していなかった。
④作業員は、UPS本体の交流入力側の検電を実施し無電圧状態を確認したが、隣接する直
流入力遮断器側が充電している認識がなく検電を実施なかった。
再発
防止
対策
②工事対象エリアのスケルトンを盤の表面に貼る等の措置を施して、充電部、危険箇所を明
確にして注意喚起を促すとともに、作業前ミーティングで周知徹底を図る。
④施工管理士、作業者共に、作業エリアの検電を行い双方で安全確認した後に、施工管理士
から作業開始の指示を出す。(交流、直流両用の検電器を作業者へ貸与し常に携行させる。)
④作業エリアが充電状態を続け停電できない箇所が判明した場合、主任技術者に連絡して指
示を得てから作業を行う。
④やむを得ず活線近接作業を実施する際は、主任技術者へ連絡しその指示、監督の下で、
安全対策を確実に施してから作業を開始する(充電部の養生・保護具・防具・絶縁工具を使用
する等)。
⑤現地での電気設備据付状況等、目視確認が困難な場合は、安易な推測で計画せず危険を
考慮した計画内容にする(安全作業計画書の作成)。
⑤作業内容、注意事項、安全対策、予想されるリスクを具体的に安全作業計画書に盛り込
む。
⑤安全作業計画書に活線及び近接における作業を禁止する旨を盛り込む。
⑥安全衛生管理に係わる講習等を開催する。
21
平成22年10月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:1,105kW
概要 業 種:浴場業 選任形態:外部委託
事故発生電気工作物:制御用ケーブル(0.2kV)
被災 被災者:作業員、27歳、男性、第2種電気工事士、電気工事経験年数4年
状況 感電死亡【喉と腹部に電撃痕】
発生年月
22
事故
状況
当日19時過ぎ、被害者は誰にも指示されたわけでもなく単独で地下2階の電気室へおもむき、
建屋屋上に設置された排煙盤からの制御ケーブルの余長分をケーブルカッターで切断作業
中に感電し、死亡したものと思われる。被害者の喉の部位にカッターの刃があたった痕跡と電
撃痕があり、腹部にも電撃痕が認められることから、電気が喉から入り腹部に抜けたことによ
り感電し死に至ったと推定される。
(被災者の服装:長袖の上衣、長ズボン、ゴム長靴)
事故
原因
目撃者がいないため不明
再発
防止
対策
①作業前に必ず電圧を確認し、停電状態にて作業を行う。
④作業前に必ず作業手順の確認、職長による再確認及び危険予知活動を実施してから作業
を行う。
④どんな軽作業においても、必ず複数で行うことを徹底する。
④作業内容における経験、資格の有無の確認を行い適正な人員配置を行う。
④作業前に作業箇所の片付け清掃を行い、手元、足元の確認を行ってから作業を開始する。
平成22年10月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:627kW
概要 業 種:地方公務 選任形態:外部委託
事故発生電気工作物:計器変流器(6.6kV)
被災
被災者:作業員、42歳、男性、資格なし、当該作業経験年数0年
状況
感電負傷【左腰、右手首の熱傷による表皮剥離】
発生年月
事故
状況
施設関係の担当課より各課に「変圧器等の微量PCB混入の確認」の調査依頼があり、担当
者(被災者)は、2階事務室から電気室の鍵を持って1階を通り、その際通路にいた他の職員
に「地下に行く」と声を掛け、地下の電気室へ向かった。被災者は地下電気室に入り、キュー
ビクル扉を順番に開錠した。動力変圧器、電灯電圧器No.3、電灯変圧器No.1の銘板をそ
れぞれ確認した後、電灯変圧器No.2の銘板を確認するために、キュービクル内に入ったとこ
ろ、右手首が計器用変流器の端子部に左腰部がアングルに触れて感電した。
(被災者の服装:作業着上下 ※保護帽、手袋は未着用)
事故
原因
②電気室内において危険を促す表示が不十分だった。
④被災者は電気に関する知識が不十分で、安全意識も不足し、また施設関係の担当課から
の指示内容を十分に確認せずに、自らの判断で行動してしまった。また、電気室の鍵を管理し
ていた被災者が鍵を持ち出し単独作業をしてしまった。
④電気室に立入る際に電気主任技術者(電気保安法人)へ連絡がなく、充分な安全対策を講
ずることが出来なかった。
⑥電気設備に関する安全対策が職場内で浸透していなかった。
23
②電気室入口に「許可無く入室禁止」と表示し、電気室の扉を容易に開放することができない
ように「開錠厳禁」の表示を鍵穴のある扉に表示する。
再発 ④電気室の施錠管理を徹底するため、鍵の管理者を変更する。
防止 ④電気室に立ち入る必要がある場合は事前に電気保安法人に連絡し、主任技術者の立会い
対策 のもとで作業を実施する。
⑥電気に関する安全意識向上のための教育を全員に対して実施する。新任の施設担当者に
対しては、安全手順等の教養指導を徹底する。また、自らの判断で行動しないよう徹底指導
する。
発生年月
平成22年11月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:270kW
概要 業 種:国家公務 選任形態:外部委託
事故発生電気工作物:計器変成器(6.6kV)
被災 被災者:作業員、29歳、男性、資格なし、当該作業経験年数0年
状況 感電負傷【頭部擦傷、軽度火傷】
24
事故
状況
事故
原因
再発
防止
対策
建築設備点検のため、作業員が二人で来署した。点検の一項目として電気設備の製造年の
調査のために、作業員の一人が屋内キュービクル(5面構成)高圧受電盤側面の点検扉を解
錠して内部に入り変圧器の銘板を調査した。調査後内部より退去しようとしたとき、計器用変
成器の一次側接続端子部に頭部を接触し感電した。
(被災者の服装:作業着着用。保護帽、手袋等は未着用)
①活線状態で作業を行った。
②感電防止具を未着用であった。
①キュービクル内の作業は、主任技術者立会いのうえ、停電状態にして行うことを全署に徹
底する。
高圧変流器端子部に右手首が接触
右腰部が接触(アングル側へ)
平成22年11月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:270kW
概要 業 種:共同住宅 選任形態:外部委託
事故発生電気工作物:計器変圧器(6.6kV)
被災 被災者:作業員、25歳、男性、第2種電気工事士、電気工事経験年数2年
状況 感電負傷【両足背部、側胸部、肩胛下部、腰側部、後大腿部、膝窩、膝腹部を火傷】
発生年月
25
事故
状況
現場は引き渡し前の新設物件であり、事故当日は低圧幹線の接続工事をキュービクル低圧
盤前面で行う予定であった。作業責任者(被災者)と作業者の2名で作業を開始したところ、
キュービクル前面での作業では接続が困難であったため、被災者がキュービクル内に侵入
し、高圧計器用変圧器端子部に背中が接触し相間短絡し、感電負傷した。
(被災者服装:長袖作業着、ズボン、靴※手袋は未装着)
事故
原因
①被災者と電気工事業者は、停電措置を施さずに低圧幹線接続工事を実施した。
④被災者と電気工事業者は、高圧受電設備に対する危険意識が不足していた。
④電気工事現場代理人は、キュービクル内での作業は想定していなかった。
④被災者は、作業経験と感電に対する危険予知力が不足していた。
④電気工事現場代理人は、主任技術者の承認を得ないで活線近接工事を実施した。
④電気工事現場代理人は、被災者、電気工事業者に対する、監督の指示が十分でなかっ
た。
⑥電気工事現場代理人は、感電事故防止について、電気工事従事者に安全教育、指導が不
足していた。
①充電中のキュービクル内には、いかなる時も立入禁止である旨を周知徹底する。
②キュービクル周囲に立入禁止のテープを貼る。
④作業内容について打ち合わせを全員で行い、活線作業、近接作業は禁止する。
④作業員は電気工事現場代理人の指示、監視の下で、作業を行う(思いつき作業の禁止)。
再発 ④キュービクルの前面に主任技術者の電話番号、電気工事現場代理人の携帯電話番号を表
防止 示し作業をする。
対策 ④外柵施錠は、電気工事現場代理人が鍵貸出簿を用いて責任をもって管理する。
④電気工事現場代理人は、停電が必要な場合は、主任技術者に連絡する。
④絶縁用防具等の使用を徹底する。(あくまでも停電作業が前提で、不足の局面を想定)
⑥受電設備工事着手日の前に工事関係者による事故事例検討会等を開催して安全教育を
行う。
発生年月
平成22年11月
事業場 受電電圧:6.6kV 受電電力:105kW
概要 業 種:共同住宅 選任形態:選任
事故発生電気工作物:計器用変成器(6.6kV)
被災 被災者:電気管理技術者、75歳、男性、第1種電気主任技術者、電気保安経験年数50年
状況 感電負傷【左上肢電撃傷、右前腕熱傷、下顎熱傷等】
26
事故
状況
当日は電気管理技術者(被災者)と作業助手4名(電気工事業者)で年次点検を実施してい
た。作業前ミーティングにおいて作業内容、作業時間、停電範囲について確認を行い、被災者
より充電部があるのでキュービクルに入らないように注意があった。被災者はLBSを開放し、
作業助手が放電し、検電を行った。被災者は高圧側絶縁抵抗試験、保護継電器試験を行い、
その後にキュービクル内の清掃を開始したところ、VCT負荷側端子カバーに接触し、感電し
た。
(被災者の服装:作業服、運動靴、帽子(布製)※手袋未装着)
事故
原因
①年次点検であるため、全停電で作業するべきであったが、断路器を開放しないまま作業を
実施した。
④絶縁用具を着用しないまま、活線作業を実施した。
再発
防止
対策
①年次点検を停電作業で行うための作業フローを設置者、電気管理技術者及び電力会社の
3者で協議し確立する。
④検電の実施及び絶縁用具の完全着用の徹底を図る。
平成22年11月
事業場 受電電圧:66kV 受電電力:7,300kW
概要 業 種:地方公務 選任形態:外部委託
事故発生電気工作物:母線(6.3kV)
被災
被災者:作業員、62歳、男性、第1種電気工事士免状、電気保安経験年数40年
状況
感電負傷【電撃傷、心配停止蘇生後脳症】
ケーブル端末のボルト止め作業中に、充電部(母線)のカバー上面の放熱部分からワッ
事故 シャーを落とし、作業手順書にない母線カバーを外し、検電作業を実施せず、母線内落下の
状況 ワッシャーを拾おうとして、相間短絡を起こしたもの。
(被災者の服装:作業服、安全靴、軍手、ヘルメット)
発生年月
27
事故
原因
②作業対象盤内の充電部が堅牢な母線カバー(ボルト・ナット等で固定)で覆われており、容
易に開閉出来ない構造であった為、注意喚起表示を行っていなかった。
④工事対象盤内に充電部があると思い込み、明確な確認、指示が不十分であった。
④工事対象外である充電部(母線)のカバーを外す行為をしない旨の、明確な確認、指示が
不十分であった。
④盤内の作業に際しネジ、ボルト及びナット等の落下に際する養生実施の指示が不十分で
だった。
④充電部(母線)のカバー上面の放熱部分からワッシャーを落とし、作業指示書にない母線カ
バーを外すという予定外作業を独自の判断で実施した。
④非充電部と思い込み検電作業を実施せず、落下したワッシャーを拾う作業を独自の判断で
実施した。
再発
防止
対策
④稼働中設備の部分停電を伴う作業については、単線結線図、機器構造図等を色分けした
図面により充電部の周知徹底を図る。また、現場で充電部に対する危険表示、検電による充
電部確認の徹底を図る。
④現場の事前確認を実施し、部品等を盤内等に落とした場合を想定して必要箇所へ絶縁シー
ト等での養生を徹底する。
④高圧盤内の作業(改造、端末処理等)では、作業員が想定外の行動(思い込み作業)を起こ
さない様に、元請けの有資格技術者を配置し、監視させる。
⑥予定外作業の禁止を周知徹底させる。万が一、予定外作業を実施する必要がある場合に
は、予め定められた指揮命令系統、作業手順を遵守するよう現場教育を徹底させる。
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