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株式会社KITABA (PDF:15446KB)

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株式会社KITABA (PDF:15446KB)
株式会社全国商店街支援センター
『平成 23 年度 商店街活性化モデル創出事業』
ば
店街の事例と
ヒ
ン
ト
が
ん
る商
商店街活性化
ガイドブック
組合
支援
興
機
株
会
店
街
振
関
式
社
KIT
AB
A 対象商店街 帯
信
広電
通
帯広電信通り商店街の
スイーツ開発を通した
商店街活性化プラン
り
商
INDEX
1 帯広電信通り商店街について
1
2 商店街の活性化
7
3 商店街の現状把握
9
4 商店街の活性化計画づくり
13
5 スイーツ商品開発 Ⅰ
17
6 パッケージデザイン
23
7 スイーツ商品開発 Ⅱ
26
8 活性化モデル事業を経た将来に向けた展望
29
帯
広
電
信
通
り
商
店
街
に
つ
い
て
1 帯広電信通り商店街について
帯広市の概要
帯広電信通り商店街の概要
帯広電信通り商店街は、帯広市北東部に位置していま
●名称 帯広電信通り商店街振興組合
す。商店街の長さは約 450m であり、国道 38 号・236
●代表者 長谷 渉 理事長
号からの通勤・通学の際の生活道路となっています。
●所在地 北海道帯広市東 4 条南 6 丁目 2 番地昭和 46 年
「電信通り」は、明治 30 年、帯広市街地に初めて
●設立 昭和 49 年 帯広電信通り商店街振興組合
電信柱が建ったことから由来しており、帯広市内で最
として法人化(73店舗)
も歴史の古い地域といえます。
●組合員 36店舗(平成 23 年 12 月現在)
● 札幌市
帯広市
帯広電信通り商店街
帯広市は、北海道東部の十勝地方のほぼ中央に位置
する人口約 17 万人のまちで、農業を主要産業とする
JR 帯広駅
十勝地方 ( 約 35 万人、1 市 16 町 2 村 ) の中心地であり、
農産物集積地、商業都市としての役割を担っています。
面積は 618.94 ㎢ ( 東京 23 区とほぼ同じ ) で、南西
部は十勝幌尻岳 (1,846m) など日高山脈が占め、市域
の 1 割が「日高山脈襟裳国定公園」に指定されていま
■ 十勝・帯広の特徴
す。一方、市域の約 6 割を占める中央部・北東部の平
地は、その約半分が農地であり、全国でも有数の大規
模経営の畑作地帯になっています。
市街地は市域の北東端に位置し、全国 6 位の流域面
積の十勝川や札内川に隣接し、それぞれ東西・南北方
地域
北海道十勝地区
人口
約 17 万人
2000 年をピークに減少傾向
向に走る国道 38 号 ( 旧石狩街道 )・236 号 ( 旧広尾街道 )
を中心に、ほぼ 550m ごと碁盤目状に幹線道があり
面積
ます。戦前は JR 帯広駅から北東側を中心に市街地が
618.94 k ㎡
(東京 23 区と同程度)
ありましたが、その後、特に昭和 40 ∼ 50 年代にか
けて西部・南部に大きく市街地が広がっています。
気候
寒暖の差が激しい
(夏 30℃以上、冬−20℃以下)
道内では比較的積雪は少ない
産業
食料自給率 280%を誇る
主な作物(小麦、じゃがいも、ビート、豆、
店名
セイコーマート
川村歯科クリニック
(有)野沢商会
松倉商店
スポーツ&シューズ セオ
べんぞう商店
ぶどうの木
坂本石油(株)
たちばな歯科医院
園佛印舗
ペットハウス リヨ・ドール
中川動物病院
おでん酒 姫
ザ・本屋さん
ちさクリーニング
十勝ドーナツファーム
お話聴き屋「心音」
分類
店名
卸売・小売
その他
卸売・小売
卸売・小売
卸売・小売
卸売・小売
卸売・小売
卸売・小売
その他
卸売・小売
卸売・小売
その他
飲食業
卸売・小売
サービス業
卸売・小売
サービス業
コミュニティショップミナミナ
真鍋若松堂
高橋まんじゅう屋
花芳
おあしす
サイトウ理容
アドサイン
エステROOM みく
十勝信用組合 北支店
帯広信用金庫 電信通支店
丸屋仏壇店
炙り酒肴 くまのや
写真の5&5
青木燃料
クリーニングショップえびな
帯広電信通郵便局
中塚肉店
中谷洋品
英明塾
長いも、ごぼう)
名物
卸売・小売業
その他
卸売・小売業
卸売・小売業
サービス業
サービス業
その他
サービス業
その他
その他
卸売・小売業
飲食業
サービス業
卸売・小売業
サービス業
サービス業
卸売・小売業
卸売・小売業
その他
豚丼発祥の地
お菓子のまちとしても有名
(六花亭、柳月、クランベリー)
1
分類
卸売・小売業 :18店舗
飲 食 業 :2店舗
サ ー ビ ス 業 : 8店舗
そ の 他 :8店舗 全 36店舗
2
帯
広
電
信
通
り
商
店
街
に
つ
い
て
帯
広
電
信
通
り
商
店
街
に
つ
い
て
1 帯広電信通り商店街について
商店街の周辺状況
商店街の地域資源
■ 帯広電信通り商店街半径 1km の人口
■ 帯広発祥の地という歴史
近年帯広市全体でも人口は微減であるが、住宅地は市内南西部や幕別町に移り、この地区の人口は増加してい
帯
広
電
信
通
り
商
店
街
に
つ
い
て
・明治 16 年に帯広に最初に開拓民が入植した土地で
あり、帯広で最も歴史のある地域。
ます。
帯広電信通り商店街が位置する電信通り周辺地区は人口減少が止まらず、市内で最も高齢者比率の高い地区と
・明治 30 年に商店街を通る街道沿いに帯広で初めて
電信柱が建ったこと ( 大津∼帯広間 ) から「電信通
なっています。
り」と呼ばれるようになり、現在でも地元住民には
0 ∼ 14 歳
1,171 人
15 ∼ 64 歳
6,648 人
65 歳以上
2,473 人
総人口
その名で親しまれています。
11.4%
24.0%
■ 門前街としての商店街
10,292 人
・明治 40 年に浄土真宗本派本願寺として認可され、本
世帯数
世帯当り人数
65 歳以上人口比率
5,775 世帯
64.6%
願寺帯広別院が設立されました。
・帯広別院は帯広電信通り商店街に加入しており、夏の
1.78 人
盆踊り大会には会場を提供しています。盆踊り大会は
24.0%
昭和 48 年より始まり、夏のイベントとして地域住民
に親しまれています。大会運営に協力するなど地域に
根ざしているお寺です。また商店街近隣には帯広神社、
十勝護国神社、松光寺、大然寺、法華寺など神社・
参考 帯広市の人口
0 ∼ 14 歳
15 ∼ 64 歳
65 歳以上
寺院が多数あり由緒ある土地となっています。
21,638 人
109,122 人
総人口
168,464 人
世帯数
81,572 世帯
世帯当り人数
65 歳以上人口比率
22.4%
37,704 人
12.8%
■ スイーツロードとしての商店街
・商店街には創業昭和 28 年の「高橋まんじゅう店」
があり、古くから地元住民には「たかまんさん」の
愛称で親しまれています。その他、街区内の両端に
は「十勝ベーグル」、「十勝ドーナツファーム」があ
64.8%
2.06 人
ります。この 3 店は観光ガイドブックにも掲載さ
れており、観光客も訪れます。
22.6%
■ 北海道の台所「十勝」の帯広市にある商店街
・酪農や畑作を中心とした農業が盛んで、大規模農業が非常に発達しています。大豆、小豆、甜菜、じゃがいも
などの有数な産地で、また、南部には漁港もあるため、食料自給率は 280 % にも達します。
・乳製品や食肉、小豆製品などは「十勝産」のネームバリューを商品名に掲げ、ブランドとしての価値も高い状
況となっています。また、菓子の材料となる砂糖(甜菜)や小豆の産地であるため、製菓業も盛んであり、六花亭、
柳月など全国的に有名な菓子メーカーが点在しています。
■ 障がいのある方が利用しやすい商店街
・周辺には帯広柏葉高校があります。また中学校が2校ありましたが平成 23 年 3 月に 1 校が閉校しました。その
跡地を利用して、帯広市の障がい者支援センターが開設され、障がい者への就労訓練・就職支援が行われています。
3
4
帯
広
電
信
通
り
商
店
街
に
つ
い
て
1 帯広電信通り商店街について
商店街の抱える課題
■ 周辺環境の変化
地域住民の高齢化
近隣中学校の閉校
地域住民の約4分の1が高齢者と全国平均の高齢者率を上回っています。また、帯広市南東側の新興住宅地へ
の人口流出に伴い近隣の中学校が閉鎖するなど、少子化も進んでいる状況となっています。
その閉校した中学校の跡地には障害者向けの施設が開設するなど、高齢者や障がいのある方とともに暮らして
いく環境づくりが求められています。
■ 商店街環境の変化
空き店舗の増加
建物の老朽化
商店街空き店舗数は約10店舗ありました(平成22年3月時点)。また、そのうち多くの建物は手入れされて
おらず、老朽化した状態にあるため借り手は付かないものの、家主の改修や貸し出しの意欲も低い状態にあります。
振興組合としては、活気ある商店街の雰囲気づくりのため、できるだけ空き店舗を減らしたい思いはあるものの、
全店舗を商店街で改修することは難しく、収益事業を行いながら空き店舗の借り上げや改修などの可能性を探る
必要があります。
■ 組合員の変化
活性化計画づくり 編
経営者の高齢化
後継者不足
振興組合員の多くは60歳代以上で構成されているため、平均年齢が高齢に偏ってしまい、若手はより参加し
にくい状況にあります。将来の商店街を担う若い世代の組合員の加盟と、その若い世代が活躍できる環境づくり
が必要な状況となっています。
高齢化の状況は個店においても同様で、後継者や担い手の不足が切実となっており、この状況のまま経年する
と振興組合員数の減少につながるとの懸念があります。
5
6
2 商店街の活性化
事 例 ①
商店街の活性化とは
商
店
街
の
活
性
化
商店街の活性化コンセプトづくり
商店街が活性化したかどうかの指標は数多くあり、商店街ごとに異なるでしょう。しかしながら、どの商店街
商
店
街
の
活
性
化
でも最も明確で究極の指標として、個店の売上が増えることがあげられます。
その売上増加の考え方として、「商店街」全体の取り組みで集客を促し、来たお客さんをお店に引き込むために
「個店」が取り組みを行い、さらに商品の付加価値を高めるなど努力した結果が売上となります。商店街はまず恒
常的にお客さんの数を増やすことを目的とした取り組みが必要です。
お客さん
の数
入店率
商店街の取組
個店の取組
商品単価
夏祭り盆踊り大会
個店の
売り上げ
廃食油回収事業
街路整備事業
付加価値
■ 商店街の活性化計画づくり
ここまでで照査した課題、来街者数、人口などの「商店街を取り巻く状況」や、地域や他団体などが求める「ニー
ズ」を鑑みながら、商店街の目指すべき方向性と実施する事業を定めていきます。
商店街の将来像を考えコンセプトを策定する
商店街がなりたい将来像を話合い、定めていきなが
ら、活性化のコンセプトを策定します。
コンセプトは商店街の目指す姿を共有したり周知さ
せるために非常に重要な役割を持ちます。
事業を定めるために欠かせないのが、ニーズの把握
地域や消費者のニーズを把握する
です。誰に向けた事業を実施するのか、そのターゲッ
トとなる人は何を求めているのかを把握することに
よって、効果的な事業を行うことができます。
商店街の抱える課題や商店街を利用する人はどんな
商店街や地域の状況を把握する
人がいるのかなど、客観的な数値として把握します。
そのデータを元にターゲットの設定や目標の設定に活
かします。
商店街の目指すコンセプトの元、地域や消費者の
事業計画を立てる
ニーズに応え、且つ地域の状況に見合った事業計画を
組み立てます。
「花と緑の推進委員会」緑化美化活動
街路灯照明 LED 化事業
電信通り商店街キャラクター
「でんぞうちゃん」
理事長が独自に実施していた緑化活動を通じ、近隣に独
居高齢者が多いことと、高齢者には花壇の手入が好きな方
が多いことに気づき、商店街としても、負担なく気軽に近
隣の方々が参加してもらうことを目的として平成 12 年よ
りに取組みを開始しました。
平成 20 年には帯広市まちづくりデザイン賞を受賞し、平成
22 年度コンテストでは、商店街部門で優秀賞を受賞、また個
店部門では振興組合加入の個店が最優秀賞を受賞しました。
園芸市では花苗プレゼント実施したほか、地域の生花店
や近隣農家の協力を得て、園芸市を実施しています。収益
事業化が難しいことや運営資金の確保の難しさがありなが
らも、毎年多くの近隣住民の参加がある事から、継続して
取り組んでいます。
帯広電信通り商店街では、商店街活性化に向けて様々な取り組みを行ってきました。そのなかでも長谷理
事長が理事長就任以前に「商店街花いっぱいのお店コンテスト」への応募・取組みに事業担当者として任され、
商店街への想いに変化が起きたことをきっかけに、商店街や地域にできることを考えるようになりました。
そこから商店街の抱える三つの課題(P5 参照)に対して、コンセプトが定められました。
帯広電信通り商店街振興組合コンセプト お年寄り・障がいのある方が協働共生する商店街
商店街として地域コミュニティの核としての役割を果たし地域貢献を行う
働・食・住が揃い地域貢献が出来る商店街
お年寄りや障がいのある方は比較的生活範囲が狭いため、遠くへ行かなくても働・職・住をはじめ生活に
必要なものがすべて揃っていなければなりません。さらに、地域貢献を通して、地域のコミュニティをつくり、
事業が定まったらそれを動かす「ひと」と「お金」
実施体制と資金計画を組み立てる
の計画を立てます。とりわけ「ひと」の問題が大きな
課題として立ちはだかることがあります。そこで、商
店街内の将来像の共有がとても大切になります。
人と人のつながりを大切にした温かみのある、商店街でありたいという思いが込められています。
温もりと潤いのある、10 年・20 年後も夢を持てる商店街
商店街の周辺人口の 1/4 が65歳以上の高齢者です。将来のことを考えると、これからは若い世代が訪れ
る商店街でなければなりません。世代を超えて人と人が交流することで温もりと潤いの感じられる、そして
私たちの子どもたちの世代が夢を持てる商店街でありたいという思いが込められています。
7
8
3 商店街の現状把握
STEP 1
消費者のニーズを把握する
3 グループインタビュー/懇談会
商店街が活性化するための方針を考えるにあたり、消費者である地域住民の声を聞くことが大変重要です。地
10 人程度で開催し、商店街と地域住民など取り組み
域の住民が望んでいることや、欲しがっているもの、普段の生活サイクルなどを把握し、それらの動向を基盤と
たい事業により参加者を選定します。比較的多数の意
して活性化の取り組みを考えていきます。
商
店
街
の
現
状
把
握
調査した内容は「定量的な数値」として明示化します。その数値を用いて、将来の事業目標の指標とすること
アイデアや意見の掘り下げ
見を深く聞き取ることができます。
商
店
街
の
現
状
把
握
POINT
が大切です。
少数派の意見の掘り下げや連携先の意向な
ニーズ調査整理例
①
②
③
④
⑤
⑥
問 商店街に欲しい機能や施設はなんですか?
④お得情報発信
①交流・休憩場所
⑤健康相談所
②生鮮販売品店
⑥共同売り出し
③防災・防犯の取組
合計
53 人
86 人
36 人
12 人
74 人
102 人
ど具体的な意見をくみ取ることができます。
14.6%
議論の場において共有イメージを持つため
14.6%
23.7%
28.1%
9.9%
に、話題のテーマの設定が非常に重要となり
23.7%
3.3%
20.4%
20.4%
28.1%
ます。
9.9%
3.3%
363 人
①
②
③
④
⑤
⑥
ニーズを把握するための方法は、導き出したい内容や把握した内容によって、様々な手法があります。商店街
がなりたい将来像や実施したい事業などを考慮した上で、目的を定め、プログラムを計画してから実施すること
が大切です。
住民の意見や動向を把握
①回答者の属性
性別、年齢、職業、居住年数
るかなど計画の根幹部分を見つけることができます。
②身の回りで困っていること
まちの美化、除雪、防犯防災
POINT
③地域の情報の入手先
回覧板、チラシ、ネット
地域住民の日々の生活の動向や、商店街に
対する思い、求めるものなど、広く多くの意
④商店街の利用頻度
週何回、月何回
見を聞くことができます。
商店街の活性化に向けた方向性を定め、そ
⑤普段買い物する施設
スーパー、
ショッピングモール
れに沿った内容のアンケート設定を行うこと
が重要です。
POINT
もっとも具体的に知りたい分野のニーズを
アンケート設計例
らしやすいまちにするために、商店街として何ができ
町内会、自治会など地域のニーズ、来街者の消費者
見を拾い上げることができます。
1 住民アンケート/街頭アンケート
拾い上げることができます。地域の抱える課題や、暮
特定のニーズやトレンドを把握
ニーズ、商店街の店主の考えなど、内外の具体的な意
目的に応じた調査として、以下のような手法があります。
地域にアンケートを配布することで、多くの意見を
4 個別ヒアリング/街頭ヒアリング
把握する事ができます。把握の際には商店街
の目指す方向性に沿ったヒアリング対象の選
定が大切です。
5 意見交換会
目的意識の共有
商店街と他組織や、多数の団体との同時開催など、
比較的大人数での話し合いの場となります。一度に大
勢の意見を聞け、共有することができます。
POINT
2 ワークショップ
多様な価値観共有とアイデア出し
活性化を目指す方向性について、組織間で
共有する場合などに有効です。開催時には参
5∼6 名程度でグループを作り、進行役が話題提供
加者全員の合意を得ることを目標としたプロ
を行いながら話し合います。少人数の話し合いなので
グラム構成を準備しておきます。
参加者が発言しやすく、お互いの意見に触発され、い
ろいろなアイデアが生まれやすいといえます。
POINT
参加者の日々の生活を受けた考え方など、
第三者の意見として、具体的な課題やその対
策などのアイデアを知ることができます。
集まった方から目的の情報を得るために、
事前に話し合う内容をしっかり定めておく必
要があります。
9
10
3 商店街の現状把握
STEP 2
地域の状況を把握する
STEP 3
商店街活性化の計画づくりのために、商店街を取り巻く環境を把握する事が大切です。商店街周辺に住んでい
る人の数や、駅やバス停の乗降者の数、競合する大型店を把握して、商店街の置かれている環境でどのように活
商
店
街
の
現
状
把
握
性化していくか、また、その方向性に沿った活性化計画のターゲット選定などに役立てます。
調査した数値は、将来的に計画した取り組みを評価する際の指標としても必要になりますので、将来比較でき
るよう数値化したデータを整理すると良いでしょう。
商店街の状況を把握する
商店街の周辺状況を把握したら、今度は商店街の状況を把握します。商店街を訪れている人の数、通過してい
く自動車の数、商店街周辺地区にある資源などを把握します。
■ 商店街に関連する自治体の取り組み
自治体の動向を把握
商店街に関連するまちづくり計画や事業について、
■ 地域の歴史や人口動態の把握
商店街の置かれている状況を把握
商店街の商圏を定め、人口分布と動態を整理します。
自治体が計画する「都市計画」などが重要になります。
「都市計画」とは
市町村の目指している方向性に合致することで、協力
自治体における市街地開発の方向性を定め、
を得られる場合もあります。
整理した情報はグラフ化して読み取りやすくし、分析
土地利用規制を定めたり、公共施設の計画立案
POINT
を行います。
などを含めた都市開発のマスタープランです。
情報入手先として、自治体のホームページ
POINT
都市の魅力を高め、日々の暮らしを快適にす
を照会したり、担当部署に問い合わせること
自治体によっては HP に掲載されています。
るためのルールとなるものです。
で把握できます。
見つからない場合は担当部署に問い合わせま
しょう。
データの読み取りポイント
可能な限り詳細な経年推移の情報を入手しま
・人口の増減 ・自治体全域との比較
す。目安として過去 10 年程度毎年のデータの
■ 通行量調査
・高齢者率
他、国勢調査毎のデータは必ず見つかります。
来街状況を把握
商店街の出入り口、分岐点などで、来街者数を計測
POINT
し、どの程度の人が訪れているのか、また、どんな世
■ アクセス状況の把握
電車やバスの利用状況を把握
商店街への来街の要となる駅やバス停の利用者数を
・歩行者、自転車、自動車
な数値を把握します。
読み取りポイント ・来街する世代
・通行量の多い時間帯
計測データをもとに将来の活性化の指標とします。
3000人
把握し、商店街に取り込める客数を想定することに役
計測するデータ ・性別、年齢、職業
代が多いのか、何時頃多く訪れているのかなど具体的
2500人
2000人
立てます。
1500人
1000人
POINT
500人
0人
駅やバス停の乗降客数は運営会社に問い合わせ
平成18年
平成19年
平成20年
○○駅
ると照会してくれます。
経年のデータと隣接する駅やバス停のデータも
あると将来の動向が把握できるようになります。
平成18年
平成19年
平成21年
平成22年
△△駅
平成20年
平成23年
□□駅
平成21年
平成22年
平成23年
○○駅
1265人
1369人
1125人
1106人
1069人
1053人
△△駅
2256人
2305人
2258人
2459人
2356人
2100人
□□駅
890人
905人
910人
953人
963人
923人
■ 地域資源の把握
商店街の独自性や付加価値付けの材料を発掘
地域資源は商店街の取り組みに独自性や特性を持た
整理のポイント
せる重要な役割を担います。また計画そのものを実行
ハード:景観(建築・まちなみ)、交通(利便性)、
するために必要である場合(人材など)も多くあります。
自然環境、学校・機関 など
ソフト:歴史・文化、人材・コミュニティ、
POINT
■ 競合店舗や競合商店街の把握
商店街の味方やライバルをサーチ
海山陸の特産品、観光 など
情報入手先として、自治体のホームページ
情報入手先
を照会したり、担当部署に問い合わせること
・図書館 ・地元資料館 ・自治体担当部署
で把握できます。
商店街への来街の要となる駅やバス停の利用者数を
把握し、商店街に取り込める客数を想定することに役
立てます。
大型店はホームページなどを参照し、位置や売り場
面積などを把握し、競合の商店街は現地に行き、大枠
での商店数や通行量などを把握します。
POINT
大型店舗や近隣商店街の位置をマップに落
とし込み可視化することで、買い物客の動向
を把握することができます。
11
12
商
店
街
の
現
状
把
握
4 商店街の活性化計画づくり
事 例 ② 商店街の現状と住民ニーズの把握
事 例 ③
■ 長谷理事長の想いと事業経緯
■「地域商店街活性化法」の認定
商店街活性化の方向性を定めたものの、前述の課題を乗り越え、目標とする将来像に到達するには多くの
平成 22 年 3 月、帯広電信通り商店街振興組合において、事業計画を策定し、地域商
障壁がありました。活性化に向けた方向性を定めたものの、商店街の収益を上げていかなければ、商店街が
店街活性化法の認定を取得すると共に、中小商業活力向上事業の採択を受け、本格的な
なくなってしまう危機感が芽生えはじめ、自身の仕事をしながらお世話になった商店街や地域に貢献したい
商
店
街
の
活
性
化
計
画
づ
く
り
地域商店街活性化法の認定取得と資金計画
という思いから、思い切った予算を投入し、事業を推進していくことを決意しました。
商店街活性化活動が始まりました。
その後、活性化に向け、補助金や支援制度を調べていくうち「支援パートナー制度」など、いくつかの支
援制度と「地域商店街活性化法」を知り、認定を目指すこととなりました。
地域ニーズの把握
周辺町内会住民を対象アンケート
商店街来訪者アンケート
スイーツ店利用観光客アンケート
結果
■ 活性化事業概念図
アンケート調査の実施
アンケート調査は、①周辺町内会住民を対象としたアン
ケート、②実際の商店街来訪者へのアンケートに分けて行
うとともに、街区内にあるスイーツ店には観光客も訪れ
ていることから、③スイーツ店に市内外から訪れる観光客
を対象としたアンケートもあわせて実施しました。
利用者の半数は「高まん」利用
※
高齢者は安心安全志向
若年者は利便性向上志向
※高橋まんじゅう店
商店街の現状調査
通行量調査の実施
帯広電信通り商店街への地域住民などの来訪状況を
把握するため、商店街の街区内を通行する歩行者及び
通行量調査(平日・休日)
自転車、自動車の通行量調査を実施しました。
結果
調査は街区内の 6 地点において、平日及び休日の
12 時間の通行量を把握しました。
生活道路であり自動車が多い 平日は通勤通学の歩行者が多い
計画づくり
主婦層は平日休日問わず一定
ニーズと現状、
課題とコンセプトから事業を策定
アンケート調査や個店ヒアリングなどから住民ニーズや課題を洗い出し、活性化コンセプトを鑑みた事業
を策定しました。
帯広電信通り活性化計画
商店街として地域コミュニティの核としての役割を果たし地域貢献を行う。
・不足している業態や交流拠点を整備し、利便性のある商店街を目指す。
高齢者・障がい者が安心して利用できる商店街
・高齢者や障がい者へ優しい温もりのある商店街を目指す。
・障がい者の自立支援の手助けをしたい。
空き店舗の活用
・事業を立ち上げるに当たって、空き店舗を有効に活用する。
スイーツロードという地域資源をより有効に活用
・地域資源を活用することにより、商店街全体に波及効果をもたらす。
後継者育成・起業者支援
・産学連携によるチャレンジショップの開設を行う。
・起業者支援のためのチャレンジショップの開設を行う。
帯広発祥の地としての誇りが持てる地域にする。
・夏祭り盆踊り大会を中心に他の季節にも新規イベントを開催し、地域住民との連携をより強め
地域に潤いをもたらす。
13
組合員
・理事 A
・商店主 A
温もり支援事業(ⅰ) ―コミュニティショップミナミナ事業―
事業実施者 B
温もり支援事業(ⅱ)
組合員
・理事 B
・商店主 B
―買い物弱者支援・アンテナショップ事業―
地域資源
組合員へのヒアリング
事業実施者 A
帯広電信通り商店街 活性化事業
事務局
(事業主体)
門前街ルネサンス事業(ⅰ)
―秋だうまいべや収穫祭―(年1回秋季開催)
門前街ルネサンス事業(ⅱ)
―花ば咲かせよ園芸市―(年1回春季開催)
事業実施者 C
うるおい支援事業
組合員
・理事 C
・商店主 C
―コミュニティ食堂設置運営事業―
陽だまり支援事業
―よろず相談事業―
売上
各事業
実施場所
借入
金融機関
返済
帯広電信通り商店街
活性化事業評価委員会
年度ごと又は必要な
時期に、活性化事業を
PDCAサ イ ク ル で 評
価。今後への提言。
【構成員】
・帯広市商工会議所
・帯広商店街振興組合連合会
起業家支援チャレンジショップ事業
事業実施者 D
産学連携チャレンジショップ事業
スイーツロード形成事業(ⅰ)
―製造販売一体型店舗運営事業・
商店街情報発信並びに
コミュニティ活動拠点事業―
・帯広市商工担当職員
・有識者
平成 24 年度までの
開始予定事業
○障がい者向け住居の提供
運営・管理
独自収益事業
スイーツロード形成事業(ⅱ)
―スイーツ業態企業の誘致―
○商店街共同駐車場の開設
運営・管理
●商店街独自開発スイーツ
商品の販売
帯広電信通り商店街における活性化モデル創出事業の位置づけ
スイーツロード形成事業(ⅰ)におけるソフト事業部門を強化すべく、「商店街
活性化モデル創出事業」に応募し、取組みを実施していくこととしました。
主に商店街独自スイーツの商品開発を実施し、事業終了後も街区内にて販売・
収益確保ができるよう、事業を推進し活性化に繋げていきます。
14
商
店
街
の
活
性
化
計
画
づ
く
り
4 商店街の活性化計画づくり
事業推進のための組織づくり
全国の商店街でも高齢化が進み、人材不足が課題としてあげられています。そのような中、商店街の衰退の打
開策として、大きく分け2つの方法が考えられます。
ひとつは商店街内部の強化です。若い世代の商店街離れがあげられますが、大学との連携を行う事で、若い世
代のニーズを拾い上げることができ、学生が商店街の中に入り動かすことで若い世代が商店街の事業に関わり、
商
店
街
の
活
性
化
計
画
づ
く
り
活性化事業の大きな原動力となります。
もうひとつは、NPO 法人や町内会などの外部団体との連携です。特に目的を持った外部団体は一定の方向性が
定まっているため、商店街の将来像とマッチングした場合には大きな力となって、事業が推進できます。
町内会との連携では、地域住民の力を借りた活性化策も考えられます。特に地域への貢献について考える場合、
ニーズの把握を行いつつ、協同で活性化の取り組みを実施できるメリットがあります。
事 例 ④ 商店街組織の強化と外部団体との連携
■ 2 人の協力(強力)による事業推進
帯広電信通り商店街進行組合では40年以上前から、毎月定例の「例会」を開催しています。例会では、
認定事業の進捗確認やイベントの準備はもちろん、ケータリングによる懇親会を開催したり、時には場所を
変えて温泉に行ったりゴルフに行ったり。その習慣が組織の強い絆をつくり、現在の様々な取り組みや認定
事業を推進する基盤となっています。
そんな帯広電信通り商店街を牽引・推進しているのは、理事長と専務理事です。ふたりは商店街振興組合
の信頼と、地域団体や支援機関からのバックアップを受け事業を推進しています。
また、数十年来の「例会」参加者の高齢化を危惧し、
「スイーツ開発」を通して若手の商店街活動参加を促し、
商店街で働く若手を中心とした「電信通り成年会」を発起しました。
活性化事業実施 編
(スイーツ開発)
長谷 渉 理事長
帯広出身ではなく、たまたま電信通り商店街の街区
内に空き物件があった事から、現在の会社を構える。
既存事業への参加で商店街への想いが強くなり、専
務理事を経て、平成 20 年 5 月より、振興組合理事長
に就任する。
常に事業の先頭に立って人脈も豊富でアイデアも多
く、事業推進の発信源として邁進する。
髙橋 正章 専務理事
振興組合の会計担当として一切の事業の経理を担当
する。父親は振興組合理事長として活躍。二世代に渡
り商店街を支える。
常に事業構築の為の資金捻出や補助事業等の情報収
集を行い、理事長のアイデアを具現化していく良きサ
ポート役。常に理事長の事業実施に対するサポート並
びに相談役として、二人三脚で邁進している。
地域団体や支援機関
成年会
15
6
5 スイーツ開発 Ⅰ
スイーツ開発事業の流れ
スイーツ開発事業の目的
商店街全体の活性化事業において「スイーツ開発事業」の位置づけを整理し、他事業の推進や相乗効果を狙っ
帯広電信通り商店街では、商店街活性化事業のなかで、スイーツロード形成事業を計画しています。十勝=ス
た事業の進行を計画しました。スイーツを開発することによる集客促進や商品開発過程の試食会における商店街
イーツというブランドイメージや人気の高いスイーツ店が街区内にあるという既有の資源を活かし、さらに電信
や他事業の PR、他団体との連携強化のきっかけづくりなど様々な相乗効果を検討・実施しました。
通りにスイーツ店を集積させることで来街を促し、来街者の滞留を促進することを目的としています。
今回の商店街活性化モデル創出事業では、商店街の「顔」となるスイーツを開発し、街区内の店舗で販売するこ
商店街活性化構想における本事業の位置づけ
事業の構想
とで「スイーツロード」としてのイメージ定着を促進し、将来的には継続的に活性化事業を行うための収益事業
とすることとしました。
同時に、計画段階では不足している、スイーツに関連するネットワークやノウハウを獲得することで、商店街
ス
イ
ー
ツ
商
品
開
発
Ⅰ
コンセプト設定
畜大牛乳・十勝産原材料を使った安心な商品
ターゲット選定
呼び込みたい客層・地域に多い客層
の活動基盤の強化やそれぞれのスイーツ店の繁栄に繋げていきます。
■ 活性化までのイメージフロー
コンセプトに基づいた商品開発
試作品 第1案の開発
地域の方を招いた試食会
第1回 試食会開催
ブラッシュアップ
スイーツロード形成事業
スイーツ開発事業
店舗の整備
収益源の確保
技術の集積
ノウハウの習得・蓄積
アンケートやヒアリングによる精査
商店街の「顔」となるスイーツ開発(商店街の強みを強化)
試作品 第2案の開発
ターゲットと開発環境等を考慮し再検討
パッケージデザイン
「元気」をコンセプトとしたデザイン
子育て世代を中心に試食会を開催
第2回 試食会開催
ブラッシュアップ
来街動機の創出
開発技術の習得
多様なネットワークの構築
新規・リピーターの増加
新商品の開発
他事業への応用・連動
アンケートとヒアリング内容を反映
電信通りスイーツ完成
多店舗連携による
広報のスケールメリット化
スイーツロードのイメージ定着
商店街の活性化(収益事業化 + 他事業の推進)
POINT
認定事業の「スイーツロード形成事業」と連動による相乗効果を狙い、双方におけるメリットの充足を
POINT
行う事で、スイーツ開発のノウハウやネットワークを集積し個店の魅力を増強します。
地域資源と地域のネームバリューを活用した原材料を使用することにより、商品の差別化を図り、地域
物産とのネットワーク強化を狙いました。
オリジナルスイーツの開発機関である「クッキーハウス ぶどうの木」の従業員を育成にすることで、
商店街収益源の継続的な確保と、商店街活動への参加を促し、振興組合の活性化を狙いました。
また、デザインは専門家に依頼することで、商品だけではなく商店街全体におけるデザインのコンセプ
トを強化しました。
商品開発段階では、地域を巻き込んだ試食会開催により波及効果を促進し、地元メディアや自治体の協
力を得ることを狙いました。
17
「スイーツロード電信通り」づくりに向けて、地域の福祉団体が運営していた「クッキーハ
ウスぶどうの木」の街区内へ移転しました。以前から福祉団体としては、障がいのある方の
就労の場を求めていました。
古くからの友人関係にあった福祉団体代表と理事長のなかで、福祉団体のニーズと、商店
街の指針である「お年寄り・障がいのある方が協働共生する商店街」というビジョンが一致し、
協力関係が築かれました。
18
ス
イ
ー
ツ
商
品
開
発
Ⅰ
5 スイーツ開発 Ⅰ
スイーツ開発のコンセプト
商品の付加価値づけと裏づけ
笑顔はいつもここから
やさしさ
安心安全なおやつのある、みんなにやさしい商店街
笑 顔
子供たちの笑顔であふれ、ぬくもりあふれる商店街
はじまり
やさしさと笑顔のあふれる商店街
十勝地区は全国的に見てもスイーツ激戦区であり、独自性を伴うスイーツを開発することは簡単ではありませ
ん。他スイーツとの差別化を図るため畜大牛乳を使用しました。畜大牛乳は、取り扱いのむずかしい低温殺菌牛
乳で、味、栄養価ともに高く評価されています。
一方、生産量は多くなく、商店街内のアンテナショップ「べんぞう商店」や大学生協などの一部の店舗で限定
的に販売されていました。
独自性を伴うスイーツを開発するため、「畜大牛乳」と「十勝産原材料」にこだわって開発すること、また、
安心安全面に配慮し、食品添加物は一切使用しないスイーツとしました。
ス
イ
ー
ツ
商
品
開
発
Ⅰ
10 年後・20 年後も、子供たちの笑顔と地域住民のやさしさ・ぬくもりがある商店街であるように、
電信通り商店街の夢と希望あふれる物語『スイーツロード電信通り』がはじまります。
お年寄り・子育て中のママなど、地域に住まうすべての方々が安心して協働・共生できる商店街
を目指します。
アンケート調査
十勝産原材料使用
畜大牛乳を使用
食に対する安心安全志向の高まり
近年、食品に対する消費者の意識は、新鮮さやおいし
POINT
さ等に加え、安全・安心への関心が一層高まってきている。
購入に際しては、産地や栽培方法など安全性の裏づけを
商店街の目指す姿を充分にヒアリングし、そのテーマをより醸成させるコンセプトとして、商店街の目
重視する傾向にある。
指す姿である「お年寄り・障がいのある方が協働共生する商店街」を基礎として策定します。
さらに 3.11 東日本大震災に起因する放射線汚染の問題
意識の高まりから、食に対する安心安全志向は非常に高
まっている。
■ スイーツコンセプトの背景
十勝地区は全国的に見てもスイーツ激戦区であり、独自性を伴うスイーツを開発することは簡単ではありませ
食品添加物不使用 (原産地の分かる材料)
子育て中の女性は「自分の時間が持てない」
ん。また、
「地域に愛される商店街」を目指すことが何よりのテーマであるために、
「ギフト」ではなく「日常的」
少子高齢化が社会問題化し、子育て支援や出生率のため
に食べてもらえるスイーツを目指すこととしました。
の対策の必要性が叫ばれているものの、依然として子育て
中のママの負担は大きい。
日常的に食べたいスイーツを開発することで、ママ世代の商店街の来街動機へとつなげ、商店街活性化の一端
コンビタウン※が発表しているアンケートによれば、子
を担うことを目指します。
育て中の母親の 88%が「子育てはつらい」と感じたこと
がある、と回答している。
商店街
ママ
来街動機
子ども
つながり
のきっかけ
思い出
絆
日常的に食べたい
スイーツ
原風景
その原因として、66%の回答者が「自分の趣味や休息の
時間が持てないから」と回答しており、育児に時間を取ら
れ、日々の生活の中に安らぎや潤いのある時間を過ごせず
他事業
商店街への愛着
にいる。
※コンビタウン:妊娠・出産および製品の口コミ情報サイト
付加価値
裏づけ
POINT
「地域に愛される商店街」になるために、地域の子どもが幼い頃から商店街とのつながりがあることが
大切だと考えました。小さな頃から商店街で育った記憶、お店や地域の人とのつながりなど、地域の方の「原
風景」を築くこともテーマの背景にあります。
安心できる添加物不使用かつ、十勝産の食材を使った「付加価値」とアンケート調査から
見える「裏づけ」を掛け合わせることで、独自性のある選んでもらえる商品になります。
付加価値
裏付け
ここにしかない選んでもらえるスイーツ
19
20
ス
イ
ー
ツ
商
品
開
発
Ⅰ
5 スイーツ開発 Ⅰ
商品ターゲットの選定
商品開発の進め方
■ ターゲット選定
商品開発の進め方として、振興組合がコンセプトや事業の進め方の枠組みを定めたのち、開発業務全般を「クッ
商店街の周辺人口の 1/4 が65歳以上の高齢者であり、将来のことを考えると、これからは若い世代が訪れる
商店街になる必要があると考え、以下の 2 つのターゲットに絞りました。
ス
イ
ー
ツ
商
品
開
発
Ⅰ
キーハウス ぶどうの木」へ任せることで、従業員(若手組合員)主体の開発事業として推進することができました。
また、振興組合のサポートにより、組合内に「成年会」を発足させ、スイーツ開発関係者を含めた若手組合員
が活動しやすい場が生まれました。このような環境向上の中で、スイーツ商品開発事業が進められていきました。
子育てママ
高齢者
いま、来街の少ないママ世代に
もっと商店街に来てもらう
いま、多く住んでいる高齢者に
もっと商店街を利用してもらう
忙しい育児や家事の合間に、さっと片手
でも食べられるスイーツ
商店街内の相談施設や交流施設に寄った
ついでに、気軽に買えて、日常的に食べ
ても 飽きないスイーツ
■ スイーツ商品開発
商品コンセプトである「畜大牛乳」に特化し、ターゲットである「子育てママ」と「高齢者」に向けた商品である
ことを考慮して、スイーツ 3 品を開発することとしました。また、試食会を開催し、消費者の意見を伺いました。
POINT
ターゲットを定めたらペルソナを設定し、より具体的な行動パターンを想定し、商品設定を行います。
畜大牛乳のミルククッキー
カマンベールチーズケーキ
クリームチーズケーキ
そうすることで以下のようなメリットが生まれます。
関係者の意識をより消費者へ近づける
商店街と商品開発者、支援機関の間でターゲット像を明確にすることで、消費者の視点に立って商品
を開発できるようになります。
■ 試食会の開催
試食会のアンケートやヒアリングで得られた意見を整理し、その結果を商品開発の中で具体的に落とし込みま
した。
マーケティングの方向性を定めやすい
関係者間でターゲット像を共有することで、商品開発の方向性が定まりブレが生じにくくなり、より
適切なマーケティングを行えるようになる。
ニ
ー
ズ
■ ペルソナ設定例
[ 人物像 ]
・ 30 歳。結婚して 5 年目の専業主婦。子育てに専念。
・ 長男:4 歳男の子。幼稚園。
・ 長女:1 歳女の子。未入園。前歯が生えてきた程度で、離乳食。
・ 夫:会社員。土日が休日。朝 8:30 に出勤。帰宅は 20:00 程度。
昼食は弁当。夕食は帰宅後。
・ 夫は、どちらかというと甘党ではない。
・ 小さな子どもがいるため、夫がいない平日の外出を負担に
感じている。
・ 子どもが小さいため、「自分の時間」が取
れず、子育てにやや負担を感じている。
・ 夜、子どもが起きることがあり、常に寝
不足を感じている。
・ 食料品、飲み物、おやつなどの家庭での
飲食物は妻が購入する。
[ 人物像 ]
・ 67 歳男性で、配偶者と築 35 年になる持ち家で二人暮らし
をしている。
・ 妻:64 歳。年齢から骨粗しょう症の気があり、医師の指導
をうけている。
・ 長女:東京在住。既婚。40 歳。(子2人:10 歳、7 歳)
・ 次女:札幌在住。既婚。37 歳。(子1人:8 歳)
・ 電信通りから徒歩 5 分程度(400m)ほどの一戸建てに住
んでいる。
・ 定年退職し、年金で暮らしている。
・ 健康維持のため、運動不足にならないよ
う、近隣には徒歩で行くようにしている。
・ 老人クラブでの話題は政治から地域の時
事ネタが多い。普段から話題を何となく
探している。
[ スイーツへの思い ]
・ スイーツが好きで、独身時代は喫茶店での
飲食と自宅で食べる手軽なスイーツ
も含めると週 4 ∼ 5 回食べて
いた。
・ スイーツはデザインや見た目
も重視している。
・「限定」という言葉に弱い。
・ 帯広にスイーツロードができ
ると聞いて楽しみにしている。
[ スイーツへの思い ]
・ スイーツは専門店で買うことが多い。
・ ボリュームのあるお菓子は、食べきる自
信がない。
・ 自分の定番商品があり、基本的にはいつ
も同じものを買う。
・ 新しいものよりもブランドを重視するこ
とが多い。
・ 珈琲に合わせ、生菓子か焼き菓子を食べ
ることが多い。
21
商
品
ミルククッキーの回答から
ワンハンド以上の手軽さ
もっとミルクの風味が欲しい
高齢者からは飲み物が必要の声
(食感的な水分不足)
こどもに見つからないように食べたい
課
題
方
向
性
チーズケーキの回答から
柔らかいため、小さくカットすると崩れる
クッキーは牛乳の使用量をこれ以上増やせない
本体のベタツキを抑えるには限界がある
現インフラと技術+αで製作できるしっとり
としたものが必要
・畜大牛乳ではなく「畜
大 チ ー ズ」と「地 元
食 材」を 使 用 し た 2
商品とする。
・「ひとくち」で食べられるサイズで手を汚
さずに食べられる仕様とする。
②畜大チーズクッキー
③十勝食材クッキー
①ひとくちサイズのチーズケーキ
・畜大牛乳を使えるしっ
とりしたスイーツ を 検
討する。
④しっとりスイーツ
POINT
試作
試食会
アンケート
改善
試作
試食会
上記の工程を繰り返すことで、試食会に来て頂いた地域のみなさんを巻き込んだ、スイーツ開発を行い
ます。試食会を重ねることで、地域のみなさんも一緒につくり上げていく意識が高まり、商品や商店街に
対する愛着が沸くようになる効果を期待できます。
22
ス
イ
ー
ツ
商
品
開
発
Ⅰ
6 パッケージデザイン
デザインのエビデンス
■ デザインコンセプト
■ ビジュアルアイデンティティの確立
電信通り商店街の「電」の文字に焦点を当て、スイーツのテーマのひとつである「笑顔」を引き出し、スイーツによっ
てひとやまちを元気にすることを目指したコンセプトとしました。
キーワード
デンキで明るく
させることが必要です。
一般的に消費者にとって企業や商品に対するイメージは、視覚的要素からも潜在的に作られていることから、
電気≒元気
ひと と まち
POINT
その商品のデザインを統一することで、イメージも統一され、イメージアップや他商品との差別化を図ることが
できるとされています。
POINT
電気とスイーツという通常融合することのない、異質な 2 つのキーワードを結びつけることによって、
パ
ッ
ケ
ー
ジ
デ
ザ
イ
ン
スイーツのロゴやパッケージデザインを行う上で、見た人がそれと分かるビジュアルアイデンティティを確立
そのミスマッチ感を逆手に利用し、消費者の印象に刻むことを狙いとしました。
ビジュアルアイデンティティとは
企業や商品のイメージを統一して、ロゴマークや書体など視覚的なものによって、そのイメージを表現
することです。(VI=Visual Identity) と表記されます。
帯広電信通り商店街においても、スイーツのパッケージデザインを行う上で、ビジュアルアイデンティティを
■ スローガン
確立させるため、そのバックボーンとして商店街としてのロゴも制作しました。
スイーツのパッケージデザインを検討するにあたって、商業デザイナーの有馬英昭氏に監修を依頼しました。
ことから、ノスタルジックな雰囲気を感じるフォントを使用しました。
パッケージだけをデザインするのではなく、商店街全体のデザインコンセプトを決め、それに基づいてスローガン
電気から電球を連想し、ビジュアル的に電信通り商店街と分かるデザインとしました。歴史ある商店街である
を設定しました。
POINT
スローガンの持つ役割は思いや理念を分かり易く伝えたり、自分達の主張を訴求するために、短いキー
ワードと語呂のあったキーワードを使用して、覚えやすく分かりやすいよう心がけます。
また使用するフォントについても、デザインコンセプトに合った書体を選択することで、より効果的に
なります。
POINT
今後、商店街に関連した発行物、制作物にはこのロゴを使用し、普及させながらデザインを定着させ、
帯広電信通り商店街=デンキマークと印象付けを行っていくこととしました。
23
24
パ
ッ
ケ
ー
ジ
デ
ザ
イ
ン
6 パッケージデザイン
7 スイーツ開発 Ⅱ
スイーツのパッケージデザイン
消費者意見の反映
商店街全体のデザインイメージを定め、そこから派生する形で、商品のパッケージデザインを行っていくように
進めました。
商店街ロゴのビジュアルアイデンティティを確立させつつ、統一パッケージのスイーツ販売を展開していくこと
試食会で得られた意見を整理し、改良を重ね、第2回試食会に向けた試作品を仕上げました。
畜大のチーズで作ったクッキー
畜大のチーズで作ったチーズケーキ
で、両方面から認知度を高める相乗効果を狙っています。
POINT
共通イメージでの展開
パ
ッ
ケ
ー
ジ
デ
ザ
イ
ン
商店街・企業
イメージ
V.I. の確立
商品・制作物
イメージ
認知度の向上
子育て
ママ
子育て
ママ
家事のあいま、育児のほんの少しだけ空いた時
今回の開発で作成したパッケージデザインには、商店街の基本ロゴから発展させ、商店街の商品であることを
認知させるデザインとしました。
コピーには「DENKI」と「gENKI」の両方でとらえられるよう組み立て、読みは「デンキスイーツ」としました。
忙しい朝、育児や家事に追われなかなか朝食を
とれないママ。子どもに朝ごはんを食べさせなが
ら空いた手でサッと食べられます。
間に、「子どもに見つからず」サッとひとくちで。
・ひとくちサイズ
POINT
POINT
・開封しやすいマチつきシール
・直接触らず食べるラッピング
・食べやすいスティックタイプ
・ノンシュガーで塩気のある味
・畜大カマンベール使用
十勝音更産黒豆きなこのボーロ
十勝あずきを使ったパウンドケーキ
高齢者
高齢者
毎日のお茶の時間の「お茶うけ」のひとつとし
「自分の食べたい分だけ」つまめるボーロタイ
て、夫婦 2 人で食べきれる大きさに仕上げました。
プ。ひとりでゆったりとしたお茶の時間のお供に。
POINT
・畜大牛乳を使用
POINT
・あずきの食感
・ワンカット包装の食べ切りサイズ
・十勝産黒豆きなこを使用
・素朴な「きなこ」風味
・5 個食べきりの包装
商品開発を行っている「クッキーハウス ぶどうの木」の持つ、技術と設備の中で、設定し
たターゲットのニーズに応えることを目標にし、最大限のパフォーマンスを発揮できるよう
商品開発を行いました。
技 術
25
設 備
26
ニーズ
ス
イ
ー
ツ
商
品
開
発
Ⅱ
7 スイーツ商品開発 Ⅱ
第2回試食会の開催
試食会当日は、理事長自ら商店街キャラクターの「でんぞうちゃん」となり、積極的に集客やアンケート依頼
の活動を行いました。
また、「北海道新聞」、「十勝毎日新聞」の取材や地元コミュニティ FM「FM-JAGA」の生中継が入るなど、商店
街の周知活動としての成果も上げられました。
ス
イ
ー
ツ
商
品
開
発
Ⅱ
PR成果
商
品
開
発
商店街スイーツ
商
店
街
地元大学との連携
クッキーハウス「ぶどうの木」
活性化に向け取り組む姿勢
商店街の取組
将来への展望 編
他事業連携商品(抹茶オーレ)
PR手段
地元コミュニティ FMラジオ
帯広市役所子育て支援課(所内広報誌)
十勝毎日新聞記事
チラシ配布(地域住民・幼稚園など)
POINT
試食会の位置づけとして、開発した商品の質などについて消費者の意見を聞くことはもちろんのこと、
商店街および商品開発をはじめとした商店街活動の PR の場ととらえ開催しました。
商店街キャラクターの存在は、コストに見合った効果を得られるかどうかなど、意見が分
かれるところではありますが、今回の試食会においては、キャラクターの存在が試食会の開
催をアピールするために大きく貢献しました。
また、新聞取材等でも「ネタ」として取り上げてもらいやすいことや、今回は理事長自ら
着ぐるみをまとい、試食会の参加とアンケートの呼びかけを行っていたこともあり、インパ
クトのある広報効果がありました。
27
24
8 活性化モデル事業を経た将来への展望
活性化モデル事業によって得た3つの「絆」
活性化モデル創出事業の取り組みにより、3つの成果を得ることが出来ました。
「スイーツ開発」というキーワードを得たことで、若手の人材や地域の団体、教育機関と商店街が「共通の目標」
十勝ソーシャルビジネスネットワークとの絆
を持ち、そこに絆を創出することが出来ました。。
十勝ソーシャル
商店街の若手人材
ビジネスネットワーク
との絆
将
来
へ
の
展
望
地域の大学
との絆
との絆
商店街の若手人材との絆
スイーツ開発を進めるための場所と人材は得ましたが、材料ルートや
原 因
実務以外のデザインや商品化へ向けたノウハウが不足していました。
対 応
十勝ソーシャルビジネスネットワークに加盟し、有機農産者への経路
結 果
SBNに加盟することで、十勝産材料の確保することができました。また、
成 果
課 題
当初は商品開発が進まず、事業全体が停滞していました。
原 因
開発現場の現状把握が弱いまま、机上で話が進行していました。
対 応
現場の体制を見直し、職人以外にマネージャー、アシスタントを設置
結 果
課 題
設備不足や、職人への業務集中によるマンパワー不足がありました。
し、進行状況や課題スケジュールを複数人で分担、共有しました。
スケジュール設定やアイデア発案など、主体的に取り組むスイーツ開
発チームとしての機能を発揮するようになりました。商店街に不足し
ている若い人材の参加を促す機会になりました。
デザイン、パッケージングなどの進行が停滞していました。
を開拓しました。
将来的には企画開発、デザインなど包括的な支援体制を築けました。
材料の確保と支援体制の獲得によって、安定供給が可能になりました。
地域の大学との絆
課 題
「商店街にしかない」差別化要素が必要であり、「畜大牛乳」、「乾燥野菜
の販売」などに取り組んでいましたが、成果があまり見られませんでした。
原 因
仕入れて小売しているだけでは、話題性に欠けていました。
対 応
十勝ソーシャルビジネスネットワークに加盟し、地域の大学とオフィ
結 果
平成 25 年度の「産学連携チャレンジショップ」事業にむけた、「学生チャ
シャルな協力関係を築きました。
レンジショップ」の実現とその連携体制の基盤をつくることができました。
商店街の若手によるスイーツ開発チームが活躍する場と機会が得られま
成 果
した。くわえて、当事業を機会に商店街が立ち上げた「電信通り成年会」に
商品開発チームが加入し、商店街全体の取り組みにも参加することとなり、
高齢化が進む組合の中に、若い世代の活躍の場ができました。
29
成 果
商学連携を行う商店街という将来ビジョンへつながりました。
30
将
来
へ
の
展
望
8 活性化モデル事業を経た将来への展望
活性化モデル創出事業を経た今後の展開
活性化事業への取り組みを通して気づいたこと
■ スイーツロード形成事業を主軸に引き継いだ展開
■ 長谷理事長 談話
本事業において開発した4商品は、
「スイーツロード形成事業」に引き継ぎ、収益事業として成立させるために、
下記の工程で展開していきます。
数年前から商店街に活気がなくなっているのは明らかでした。理事長
になった時は年齢的な順番から引き受けた程度の気持ち。64 歳でも若い
方でしたから。ですが、今では非常にやりがいを感じています。日に日
①テスト販売
に商店街に店が増えて、訪れる人が増える。少しは自分が地域の役に立
てているのかな、とも感じられます。 試食会を反映したスイーツの改善
今後、商店街が生き残っていくために、自分が地域のために何ができ
るか、何が返せるかを考えることを大切にしていきたいと考えています。
②商品化メニューの選定、検討、入れ替え
正直、商店街がそう簡単に良くなるとは思っていません。しかし少な
生産効率、収益性 くとも衰退を止めることはできるのではないでしょうか。だからできる
テスト販売の反響
だけ早く始めたほうがいいのです。電信通りも 5 年早く活動をしていた
ら今よりもっとうまくいったと思います(取り壊してしまった建物等の
利用可能だった資産があったので)。
③地域住民向けスイーツレシピコンテストの開催
今現在、実際に事業が動き出して、商店街の変化を感じることができ
地域住民と連携した新商品開発
将
来
へ
の
展
望
るようになりました。今一度これまでの取り組みを振り返ってみたいと
思います。
④「商店街ならでは」にむけて
毎月 1 回の例会(理事会)を開催していたことが基盤。
認定事業の産学連携チャレンジショップ
40 年以上前から毎月の例会を開催しています。そこで定期的に顔を合わせるコミュニケーションを維持してい
⑤販売の開始
たことが、今回の商店街活性化事業を進める上での基盤になっています。意思決定の方法や総会の招集などの機
材料ルートの安定化 能を維持できていたことが基盤になっています。また、複合的な商店街の場合、もともと組織体が無いためこの
生産体制の確立(外注、フィー)
基盤づくりに苦慮するかもしれません。
システム化
共通の指針を持つことが大切。
■ スイーツロード形成事業に引き継いだ事業実施体制(イメージ)
本事業を経て発足された「電信通り成年会」をスイーツロード形成事業の推進主体とし、外部機関の連携やスイー
ツ製造の管理等を行います。
それは企業理念のようなものです。
組合員、関係者それぞれの考え方があるのは当然で、それに正解や不正解はありません。それぞれの立場があ
新規連携
外部連携団体
NPO法人
帯広電信通り商店街では「高齢者や障害者のある方と協働・共生する街」(H22.4)という指針を持っています。
調整
地元大学
十勝ソーシャルネットワーク
○原材料の調達
○(販売ルート)
○製造システム構築
○(製造)
るため「綱引き」が起こり、話が進まなくなることがあります。共通の理念や指針を決め、それぞれの立場を尊
振興組合
指示
報告
パートナー
スイーツ事業推進主体
関係構築
電信通り成年会
管理
スイーツ製造
クッキーハウスぶどうの木
・事業推進
・進捗管理
・外部連携
・広報活動
・プロデュース
ロ
イ
ヤ
リ
テ
ィ
フ
ィ
ー
重しながらも、共通の判断基準を持つことが必要なのではないでしょうか。
「絆」を有効に活用する。
当商店街は、事業を地域の社会福祉法人と連携して行っています。この連携は非常に重要です。なぜなら、社
会福祉などの社会的課題に対応することで、生活範囲の比較的狭い高齢者や障がいのある方にターゲットを絞っ
て事業活動を行うことが出来るからです。ターゲットを絞ることで「この事業を通してどんな方に商店街を利用
していただきたいのか」を考えながら事業を展開することが出来ます。
同時に、事業運営上の人的な戦力になること。そして地域への注目度も増すこと。さらに様々な団体からの協
スイーツ商品販売先
学生チャレンジショップ
ミナミナ広場
べんぞう商店
力を得られる可能性がでてきます。
組合員店舗
事業をここまでやってくることが出来たのは、こうした「絆」があったからに他なりません。そしてこれから
も「絆」を大切にしていきたいと思います。
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将
来
へ
の
展
望
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