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大分県海外戦略2014年3月改訂版 [PDFファイル/1.41MB]

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大分県海外戦略2014年3月改訂版 [PDFファイル/1.41MB]
2014年3月改定版
大分県海外戦略
~アジアに開かれた、飛躍する大分県を目指して~
大
分
県
目
次
大分県海外戦略の改定にあたって
・・・・・・・・
1
第1章 大分県海外戦略の改定について
1 戦略改定の趣旨
2 戦略の性格・役割
3 計画期間
4 改定の内容
(1)改定の背景
(2)改定の主なポイント
(3)分野別にターゲットとする国・地域
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
2
2
2
2
2
2
3
4
第2章 海外戦略の体系
1 海外戦略の柱
2 海外戦略の体系
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
6
6
6
第3章 戦略
・・・・・・・・ 8
戦略1 アジアの活力を取り込む
・・・・・・・・ 8
(1)グローバルなものづくり産業の拠点づくりと海外展開支援 ・・・ 8
①ものづくり産業全般
・・・・・・・・ 8
②アジアと連携した半導体産業の展開
・・・・・・・・ 9
③東九州メディカルバレー構想等医療産業の推進 ・・・・・・・ 9
(その他)
・自動車産業
・・・・・・・・10
・次世代電磁力
・・・・・・・・10
・基礎素材型産業
・・・・・・・・10
(2)サービス産業の海外展開支援
・・・・・・・・11
(3)農林水産物の輸出強化
・・・・・・・・11
①グローバル化に対応した農林水産業の振興
・・・・・・・・11
②輸出促進の具体的な取組
・・・・・・・・11
(4)加工品・工芸品の輸出強化
・・・・・・・・13
①加工品
・・・・・・・・13
②工芸品
・・・・・・・・13
(5)企業の海外展開支援とリスク対応
・・・・・・・・14
①関係機関等と連携した事業展開支援
・・・・・・・・14
②情報支援・リスク対応と金融支援
・・・・・・・・15
(6)国際観光の振興
・・・・・・・・16
①誘客・情報発信の充実
・・・・・・・・16
②国・地域別の戦略
・・・・・・・・16
③団体誘客の推進
・・・・・・・・18
・MICEの誘致
・・・・・・・・18
・国際クルーズ船の誘致
・・・・・・・・18
戦略2 アジアの人材を取り込む
(1)留学生等に対する支援とその能力の活用
①留学生活に対する支援
②地域活動等の促進
③留学生を含めた外国人材の活用
(2)留学生の受入促進
(3)外国人が住みやすい地域づくり
①多文化共生の地域づくり
・・・・・・・・19
・・・・・・・・19
・・・・・・・・19
・・・・・・・・19
・・・・・・・・19
・・・・・・・・20
・・・・・・・・20
・・・・・・・・20
②ユニバーサルデザイン
(4)外国人の人権・子どもの教育環境
①地域社会への意識啓発
②外国人児童生徒の教育環境の充実
(5)外国人への医療・防災対策
①医療対応の円滑化
②防災対策
・・・・・・・・21
・・・・・・・・21
・・・・・・・・21
・・・・・・・・22
・・・・・・・・22
・・・・・・・・22
・・・・・・・・23
戦略3 芸術文化・スポーツ・国際交流の促進
・・・・・・・・24
(1)芸術文化交流の促進
・・・・・・・・24
①県立美術館と県立総合文化センター
・・・・・・・・24
②地域に根ざした世界に発信する芸術文化イベント
・・・・・・・24
(2)スポーツ交流の促進
・・・・・・・・25
①大分国際車いすマラソン大会
・・・・・・・・25
②別府大分毎日マラソン大会
・・・・・・・・26
③2020年東京オリンピック・パラリンピック等への対応 ・・・・26
(3)国東半島・宇佐地域の世界農業遺産を通じた国際交流 ・・・・・27
(4)UNESCO、FAO等の国際機関との連携
・・・・・・・・27
(5)国際交流・国際貢献の促進
・・・・・・・・28
①国際交流
・・・・・・・・28
②福祉分野での国際貢献
・・・・・・・・28
戦略4 国際人材の育成
(1)世界に通用する青少年の育成
(2)外国の児童生徒等との交流拡大
(3)大学における国際交流・学術交流の促進
(4)県内企業の国際人材の育成
・・・・・・・・30
・・・・・・・・30
・・・・・・・・31
・・・・・・・・32
・・・・・・・・33
戦略5 インフラの整備
・・・・・・・・34
(1)外国人観光客に対するおもてなしの向上
・・・・・・・・34
①ホテル、旅館等の外国人観光客対応の強化
・・・・・・・・34
②特区ガイドの育成
・・・・・・・・34
(2)観光案内等の多言語化促進
・・・・・・・・35
(3)公共交通機関(バス、JR)等の利便性向上
・・・・・・・・35
(4)羽田・成田空港を活用した国際線との接続性向上 ・・・・・・・35
(5)国際クルーズ船の別府港受入態勢の整備
・・・・・・・・36
(6)国際物流機能の強化
・・・・・・・・36
①港湾施設整備
・・・・・・・・36
②道路整備
・・・・・・・・37
第4章 戦略推進のための共通事項
1 海外ネットワークづくり
2 一体的な情報発信
3 海外情報の収集による支援
4 市町村姉妹都市・友好都市等との連携
5 職員の人材育成
6 戦略の推進体制
・・・・・・・・38
・・・・・・・・38
・・・・・・・・38
・・・・・・・・38
・・・・・・・・38
・・・・・・・・39
・・・・・・・・39
第5章
・・・・・・・・41
参考資料
ターゲットとする国・地域毎の取組内容
・・・・・・・・45
大分県海外戦略の改定にあたって
大分県では、本県の海外施策の取り組むべき方向性を示す羅針盤として、平成23
年5月に「大分県海外戦略」(以下「戦略」という。)を策定しました。少子高齢
化・人口減少により国内需要の縮小が見込まれることや、その一方で、中国をはじ
めとしたアジアの新興諸国では著しい経済発展を遂げ、富裕層・中間層人口の増加
や海外からの活発な投資等により引き続き高成長が見込まれること等を背景とした
ものです。戦略によって、アジアの成長を取り込みつつ、共に発展していくことを
目指してきました。
戦略策定以降の3年間を振り返ると、後半には改善の兆しが見えてきたとはいえ、
大半がリーマンショック後の長期にわたる景気の低迷や歴史的な円高の時期にあっ
たこと、平成23年3月の東日本大震災の発生、福島第一原発の放射能漏れ事故によ
る輸入規制、さらには平成24年9月の尖閣諸島国有化による日中関係悪化等によっ
て、県産品の輸出や外国人観光客の誘致など、戦略を推進する環境としては極めて
厳しい状況と言えるものでした。
そうした中にあって、ものづくり産業においては、半導体を中心に団体間交流を
通じた台湾や韓国とのビジネス交流も始まりました。また香港をはじめとした観光
と県産品の一体的な海外プロモーション等によって、県産品の輸出では日田梨、養
殖ブリなど安定的な取引に結びついた品目も出てきたほか、インバウンドでは「日
本一のおんせん県おおいた 味力も満載」のキャッチコピーによるPR効果と相ま
って台湾、香港、ASEAN諸国からの観光客は大幅に増えています。さらに海外
県人会や留学生OBとの交流による海外ネットワークの強化など戦略を推進する基
盤づくりも行うことができました。
今般、戦略が計画期間の最終年度を迎えたことから、県長期総合計画に合わせ計
画期間を2年間延長するとともに、これまでの成果やその後の経済社会情勢の変化
等を踏まえ、一部その内容を見直すこととしました。
見直しにあたっては、本県との地理的近接性や引き続きアジアの成長が見込まれ
ること等から、現行戦略の「アジアの成長を取り込みつつ共に発展する」という基
本的理念、及び「アジアの活力を取り込む」、「アジアの人材を取り込む」など5
つの基本戦略については継続することとします。
この下で、主な改定の内容としては、これまでの取組を通じて県産品輸出をはじ
め各分野でターゲットとなる国・地域が、現行の重点国・地域に限らず広がりつつ
あることから、戦略で定めてきた包括的な重点国・地域の考え方を改め、各分野ご
とに定めることとしました。また、個別の分野では、日本再興戦略等を踏まえ、農
林水産物等の輸出強化や、サービス産業の海外進出に対する支援を新たに盛り込む
とともに、昨年度策定した「ツーリズム戦略」に沿ったインバウンド対策の充実等
を図っております。このほか、来春オープンの新県立美術館を通じた国際交流の推
進、海外県人会・留学生OB等との海外ネットワークの強化やグローバル人材の育
成等にも取り組むこととしています。
今回の見直しを踏まえ、国内外の社会経済情勢の変化に柔軟に対応しながら、ア
ジアに開かれた、飛躍する大分県を目指していきたいと考えております。
平成26年3月4日
大分県知事
- 1 -
広
瀬
勝
貞
第1章
大分県海外戦略の改定について
1
戦略改定の趣旨
本県では、長期総合計画「安心・活力・発展プラン2005」(平成17年11月策定、平
成24年1月改定)に沿って、本県の海外施策の取り組むべき方向性を示す羅針盤と
して、平成23年5月に「大分県海外戦略」(以下「戦略」という。)を策定しまし
た。少子高齢化・人口減少により国内需要の縮小が見込まれることや、その一方で、
中国をはじめとしたアジアの新興諸国では著しい経済発展を遂げ、富裕層・中間層
人口の増加や海外からの活発な投資等により引き続き高成長が見込まれること等を
背景としたものです。戦略によって、アジアの成長を取り込みつつ、共に発展して
いくことを目指してきました。
この度、戦略が3年の計画期間の最終年度を迎えたこと、また、これまでの成果
や戦略策定後の経済社会情勢の変化等を踏まえ、一部その内容を見直すこととしま
した。
今回の見直しによって、こうした様々な変化に柔軟に対応し、海外施策を適切か
つ効果的に展開することでアジアの活力を十分に取り込み、本県地域経済のさらな
る活性化に取り組みます。
2
戦略の性格・役割
この戦略は、「アジアの成長を取り込みつつ共に発展する」という基本的理念の
もと、「アジアの活力を取り込む」、「アジアの人材を取り込む」など5つの基本戦
略からなるものであり、改定にあたっては、これらを継続することとします。
戦略の役割としては、次の事項に基づく、県の海外施策の羅針盤となるものです。
①県の海外施策を体系的かつ有機的なものとして構築するための方針
②毎年度の県の海外施策の大まかな実施基準
③海外情勢に詳しい企業経営者やジェトロ等の有識者の意見を十分に取り入れ
た戦略
④変化の激しい海外情勢に柔軟に対応できるような幅を持った戦略
3
計画期間
県長期総合計画の終期に合わせ、計画期間を2年延長して平成23年度から平成27
年度までとします。
4 改定の内容
(1)改定の背景
<海外の情勢変化>
①東南アジア諸国(ASEAN諸国)との経済関係の深化
経済成長が続くASEAN諸国では、富裕層・中間層人口の増加により消費
市場としての魅力が高まっており、本県からもASEAN諸国に進出する企業
が出ています。
平成25年7月からは、ASEAN諸国に対するビザ発給要件が緩和され、円
安やLCC(格安航空会社)の就航増加等の要因と相まって、ASEAN諸国
からの訪日観光客数は大幅に増加しています。
②日中関係の悪化
平成24年9月の尖閣諸島の国有化を契機として、それまで東日本大震災の影
響から回復しつつあった中国からの観光客数は再び大幅減少に転じました。
その後、最近では中国からの観光客数は徐々に増加しつつありますが、日中
関係改善の兆しはなく、今後の見通しも極めて不透明な状況です。
③経済・社会のグローバル化
我が国は、平成25年7月からアジア太平洋地域における貿易のより一層の自
由化を目指す「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」の交渉に参加し、
合意に向けて関係各国との協議を進めているところです。
TPP交渉の先行きは不透明ですが、その他の国との経済連携協定(EPA)
- 2 -
の締結に向けた動きもあり、ヒト・モノ・情報・資本等が国境を越えて交流し
発展するグローバル化の流れは、今後とも進むと見込まれます。
<国内(県内)の情勢変化>
①日本再興戦略における海外市場獲得のための取組強化
平成25年6月に閣議決定された日本再興戦略の中で、世界の経済成長を取り
込むためのアクションプランとして「国際展開戦略」が打ち出されました。そ
の中では、世界に冠たる日本の農林水産物・食品の輸出促進やクールジャパン
の推進による海外誘客等について、国として重点的に取り組むこととされてい
ます。
②県内企業等の海外展開の進展
ものづくり産業の海外展開や農林水産物の輸出、海外誘客など各分野毎にタ
ーゲットとなる国や地域が明確になりつつあり、これまでのように包括的に重
点国・地域を指定する必要性が低下する一方、現行の重点国・地域に限らず海
外展開の取組が広がりつつあります。
③多方面にわたる国際交流の機運の高まり
平成25年5月、国連食糧農業機関(FAO)より、「国東半島・宇佐地域」
が世界農業遺産に認定され、また、ユネスコエコパークについては、祖母・傾
山系の登録に向けた取組が始まっています。このようにFAOやユネスコとい
った国際機関との連携を図りながら、地域の情報発信や海外との交流を推進す
る取組が行われています。
また、平成27年春には県立美術館がオープンする予定であり、海外との共同
企画の実施等により芸術・文化を通じた国際交流が期待されます。
(2)改定の主なポイント
①重点国・地域の考え方を改め、分野別にターゲットとなる国・地域を定める。
内容は別表(次頁)のとおりです。
②サービス産業の海外展開支援を追加
アジアを中心に日本の飲食・小売業等の海外展開が進んでいる中、県内にお
いてもその動きが見え始めており、サービス産業の海外展開支援を新たに追加
します。
③農林水産物・加工品の輸出強化
TPP交渉等の動向や日本再興戦略の方針等を踏まえ、農林水産物と加工品
の輸出に向けた取組を強化します。
④ツーリズム戦略策定に合わせた海外誘客策の見直し
平成24年8月の「大分県ツーリズム戦略」の策定に合わせ、ターゲットとす
る国・地域など従来の海外誘客の取組を見直すとともに、受入態勢の整備を追
加するなど内容を充実します。
⑤芸術文化・スポーツ交流の強化
県立美術館を通した芸術文化交流、国東半島・宇佐地域の世界農業遺産認定
を通した国際交流、2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機とするス
ポーツ交流等、様々な分野における海外との交流促進の取組を充実します。
⑥UNESCO、FAO等の国際機関との連携を追加
様々な国際機関との連携を十分に図りながら、海外との交流や海外に向けた
情報発信等の取組を新たに追加します。
⑦グローバル人材の育成強化
大分県グローバル人材育成推進会議(仮称)の設置や県内中小企業の国際人
材育成の支援を新たに追加します。
⑧海外県人会、留学生等の海外ネットワークの強化
海外県人会や留学生OBとの関係づくりを強化するとともに、海外に豊富な
ネットワークを持つ損害保険会社等との連携を深め、情報収集や海外展開を行
う県内企業に対する支援を強化します。
- 3 -
(3)分野別にターゲットとする国・地域
各分野におけるターゲットとする国・地域は次の別表のとおりです。
<別表>
各分野別にターゲットとする国・地域
韓国
も
海
産の
外
業づ
展
の く
開
り
県
産
品
の
輸
出
半導体産業
中国
(本土)
香港
○
台湾
タイ
○
○
医療産業
日田梨
○
○
○
○
○
○
○
甘しょ
○
○
○
○
○
○
○
農 牛肉
林
水 乾しいたけ
産
物 丸太・製材品
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
EU
○
○
養殖ブリ
○
○
○
○
EU・北米
○
○
○
○
EU
○
新規輸出品目
○
加工品(酒類、調味料等)
○
竹工芸品
海外誘客
ベトナム シンガポール マレーシア インドネシア その他
北米
○
○
○
○
- 4 -
○
【EU】
・乾しいたけ
・養殖ブリ
・農産加工品
【中国】
【韓国】
・乾しいたけ
・丸太・製材品
・養殖ブリ
・加工品
・観光
・半導体関連
・丸太・製材品
・観光
・養殖ブリ
・竹工芸品
【台湾】
【ASEAN諸国】
○タイ
・医療産業
・農産物
(日田梨、甘しょ)
・牛肉
・乾しいたけ
・養殖ブリ
・観光
【北米】
・半導体関連
・農産物
(日田梨、甘しょ)
・乾しいたけ
・養殖ブリ
・観光
○ベトナム
○マレーシア
○インドネシア
・農産物
(日田梨、甘しょ)
・養殖ブリ
・農産加工品
【香港】
・農産物
(日田梨、甘しょ、柑橘類、パプリカ)
・乾しいたけ
・養殖ブリ
・加工品
・観光
○シンガポール
・農産物
(日田梨、甘しょ)
・乾しいたけ
・養殖ブリ
・加工品
- 5 -
第2章
1
海外戦略の体系
海外戦略の柱
戦略の改定にあたっては、「アジアの成長を取り込みつつ共に発展する」とい
う基本的理念と、アジアの活力や人材を取り込むなどの5つの柱に基づいて「ア
ジアに開かれた、飛躍する大分県」を実現していきます。
戦
戦
戦
戦
戦
2
略
略
略
略
略
1
2
3
4
5
アジアの活力を取り込む
アジアの人材を取り込む
芸術文化・スポーツ・国際交流の促進
国際人材の育成
インフラの整備
海外戦略の体系
戦略1
アジアの活力を取り込む
(1)グローバルなものづくり産業の
拠点づくりと海外展開支援
①ものづくり産業全般
②アジアと連携した半導体産業
の展開
③東九州メディカルバレー構想
等医療産業の推進
(その他)
・自動車産業
・次世代電磁力
・基礎素材型産業
(2)サービス産業の海外展開支援
(3)農林水産物の輸出強化
①グローバル化に対応した農林水
産業の振興
②輸出促進の具体的な取組
(4)加工品・工芸品の輸出強化
①加工品
②工芸品
(5)企業の海外展開支援とリスク対応
①関係機関等と連携した事業展開支援
②情報支援・リスク対応と金融支援
(6)国際観光の振興
- 6 -
①誘客・情報発信の充実
②国・地域別の戦略
③団体誘客の推進
・MICEの誘致
・国際クルーズ船の誘致
戦略2
アジアの人材を取り込む
戦略3 芸術文化・スポーツ・国際交流の促進
(1)留学生等に対する支援とその能力
の活用
①留学生活に対する支援
②地域活動等の促進
③留学生を含めた外国人材の活用
(2)留学生の受入促進
(3)外国人が住みやすい地域づくり
①多文化共生の地域づくり
②ユニバーサルデザイン
(4)外国人の人権・子どもの教育環境
①地域社会への意識啓発
②外国人児童生徒の教育環境
の充実
(5)外国人への医療・防災対策
①医療対応の円滑化
②防災対策
戦略4
国際人材の育成
(1)芸術文化交流の促進
①県立美術館と県立総合文化センター
②地域に根ざした世界に発信する
芸術文化イベント
(2)スポーツ交流の促進
①大分国際車いすマラソン大会
②別府大分毎日マラソン大会
③2020年東京オリンピック・パラリ
ンピック等への対応
(3)国東半島・宇佐地域の世界農業遺産
を通じた国際交流
(4)UNESCO、FAO等の国際機関との連携
(5)国際交流・国際貢献の促進
①国際交流
②福祉分野での国際貢献
戦略5
(1)世界に通用する青少年の育成
(2)外国の児童生徒等との交流拡大
(3)大学における国際交流・学術交流
の促進
(4)県内企業の国際人材の育成
(1)外国人観光客に対するおもてなし
の向上
①ホテル、旅館等の外国人観光客
対応の強化
②特区ガイドの育成
(2)観光案内等の多言語化促進
(3)公共交通機関(バス、JR)等の
利便性向上
(4)羽田・成田空港を活用した国際線
との接続性向上
(5)国際クルーズ船の別府港受入態勢
の整備
(6)国際物流機能の強化
①港湾施設整備
②道路整備
<戦略推進のための共通事項>
1
2
3
4
5
6
インフラの整備
海外ネットワークづくり
一体的な情報発信
海外情報の収集による支援
市町村姉妹都市・友好都市等との連携
職員の人材育成
戦略の推進体制
- 7 -
第3章
戦
戦略1
略
アジアの活力を取り込む
アジアの発展を大きなビジネスチャンスとして捉え、グローバル化した市場
で勝ち抜き、アジアとともに成長していくことが重要です。
そのため、国際競争力の高いグローバルな視点を持ったものづくり産業の拠
点確立と海外市場開拓を図るとともに、海外リスクも考慮しつつ、県産品の販
路拡大や国際観光の振興に取り組みます。
(1)グローバルなものづくり産業の拠点づくりと海外展開支援
国内需要が伸び悩む反面、中国をはじめとするアジアの新興国、発展途上国の
富裕層・中間層の増大とともに市場が大きく広がってきています。我が国の国際
競争力は、スイスの国際経営開発研究所のランキングによると、平成2年に世界
第1位だったものが、平成25年には世界第24位になっています。中国や韓国が強
力なライバルとして存在感を増す中で、ものづくり大国日本のみならず、大分県
のものづくり産業も大きな転換点を迎えています。
この背景には、技術力の接近や大分の製品が国際的に競合する品目が多いこと
などから、進出企業だけでなく、地場企業においてもアジアなどグローバル市場
の中で競争することを否応なく求められています。そのため、この状況を勝ち抜
き、アジアと共に発展するためには、それぞれの産業分野ごとのものづくり産業
の強みや弱み、国際的な分業体制が進む中での位置づけなどをしっかりと把握し
た上で、ものづくり産業の拠点づくりを戦略的に構築していくことが重要となっ
ています。
①ものづくり産業全般 (工業振興課、商業・サービス業振興課)
(現状と課題)
企業の国際競争力強化には、技術力の高い製品と価格競争力、迅速な市場展開
が必要であり、グローバル人材が不足している中小製造業では、海外市場と直接
結びつきを強めるためのネットワークが必要になってきます。また、海外展開を
予定している企業は、海外仕様も想定した高い品質や高い技術力の製品を日頃か
ら開発し、低価格競争への回避を行うことも重要となってきます。
企業の中には、海外営業拠点を設けて積極的に自社製品販売の海外展開を行っ
ている事例も見受けられますが、当該国の法令や通関実務、ビジネスパートナー
との契約事務等により海外市場へ踏み出すことに躊躇する企業が多いのも実情で
す。
まずは、海外展開を希望している企業に対して、各国の基本的な現状や見本市
出展、商談機会の創出、相手国の支援機関等の情報を提供することが必要となっ
てきます。
(今後の方針)
○県内製造業等に対して、海外市場の動向調査や製品開発から販路開拓まで、
各段階の情報の収集、人材育成、金融・知的財産面等での課題解決に向けて
(独)日本貿易振興機構(以下「ジェトロ」という。)、(公財)大分県産業創
造機構(以下「産業創造機構」という。)等の関係機関とも連携しながら、
支援施策を展開します。
○海外の市場ニーズに応じた製品づくりを支援します。
○原材料等を海外に求めようとする企業に対し、関係機関と連携し、必要な情
報の提供に努めます。
○アジア圏における海外展開について、県内企業の生産拠点設置状況や今後の
展開を念頭に置き、必要な時に迅速に対応できるよう情報収集等に努めます。
- 8 -
②アジアと連携した半導体産業の展開 (産業集積推進室)
(現状と課題)
世界の半導体市場は、今後も成長すると予測されていますが、製品出荷では韓
国・台湾・中国などアジア地域がその過半を占めており、厳しいコスト競争が続
いています。
そうした中、大手半導体企業は、日本国内の製造拠点を付加価値の高い製品へ
集中させるなど、国際競争力強化に向け構造改革を進めており、本県に集積する
半導体関連企業も、こうした市場変化への対応が課題となっています。
本県では、進出大手半導体企業と地場企業が共生発展する大分県LSIクラス
ターの形成推進により、装置製造や検査、設計、組立等において優位な企業も出
てきました。
大分県LSIクラスター形成推進会議では、韓国や台湾の企業団体等と覚書を
締結し、視察や商談会開催など交流の場をつくるとともに、海外ビジネス研修を
行うなど、県内企業の海外展開を後押ししています。
(今後の方針)
○県内企業の更なる国際競争力確保のため、大分県LSIクラスター形成推進
会議による、販路開拓事業、人材育成事業を充実します。
○台湾や韓国の企業団体(台湾電子設備協会、韓国 亀尾 中小企業協議会)と連
携を図りながら、商談会の開催や情報交換など交流支援を行うことで、販路
拡大、部品調達、技術提携、共同製品開発等、引き続きビジネスに直結した
成果を目指します。
○台湾電子設備協会と共同してセミコンチャイナでの商談会に参加するなど、
巨大市場である中国展開の足がかりとします。
く
み
③東九州メディカルバレー構想等医療産業の推進(産業集積推進室、観光・地域振興課)
(現状と課題)
大分県から宮崎県に広がる東九州地域が、血液・血管関連の大手医療機器メー
カーの立地により、世界有数の生産拠点となっていることから、平成22年10月に
「東九州地域医療産業拠点構想」を策定し、構想の実現に向けた取組を行ってい
ます。その中でも、医療技術人材育成拠点の形成に向けた取組として、日本式の
人工透析システムやそれを支えるチーム医療体制が、タイに普及することを目指
し、(独)国際協力機構(以下「JICA」という。)やジェトロと連携しながら、
現地の医師、看護師、メディカルエンジニアの人材育成を行っています。
今後は、国や関係機関、企業等と連携し、タイをはじめとするASEAN諸国
に、日本式の透析システムの普及を図ることが求められます。
また、リハビリ用ロボットスーツの開発に取り組む企業の本県への進出もあり、
機器開発や医療介護サービス等の新たな産業の創出が課題となっています。
(今後の方針)
○東九州地域に立地する企業だけでなく、他の透析機器企業と連携を図り、タ
イの国立病院、大学附属病院等に対して、日本式の透析システムの普及に資
する取組を行います。
○リハビリ用ロボットスーツの関連機器の開発に県内企業の参入を図るととも
に、アジアの富裕層を対象にリハビリを目的とした本県への誘客を進めます。
○温泉資源に恵まれた本県は、健康増進や疾病予防を図るヘルスツーリズムに
適しており、温泉に療養や健康、美容等の要素を絡めて、観光地としての磨
きをかけていきます。
○医療と観光を組み合わせた医療ツーリズムについては、医療関係者の慎重な
意見の存在や医療専門通訳の確保など、多くの課題があることから、医療関
係者等との情報交換をしながら本県におけるあり方を研究していきます。
- 9 -
<トピックス>
JICA事業:日本における人工透析技術セミナー(大分大学医学部附属病院)
【別表:その他のものづくり産業】
項目
自動車産業
(産業集積推進室)
次世代電磁力
(産業集積推進室)
基礎素材型産業
(工業振興課)
現状と課題
今後の方針
国内需要が伸び悩む中、 ○県内企業の品質向上、コ
海外での現地生産拠点化が スト競争力強化に向け、技
加速する一方、海外からの 術力向上・人材育成支援を
部品調達も拡大傾向にあり 強化する。
ます。
○ジェトロ等の海外展開支
県内自動車関連企業には、援情報の収集、提供を行う。
更なる競争力強化が必要で
あり、これらに呼応した海
外展開も望まれます。
本県には、モーター等の ○世界トップレベルの評価
電磁力応用機器の高効率化 解 析 デ ー タ と 装 置 を 活 用
に関して世界をリードする し、磁気計測の国際標準規
技術シーズがあり、製品化 格の取得を目指します。
に向けた研究開発が進めら ○開発機器の小型効率化を
れています。
図り、電磁力によるイノベ
この研究成果の地場企業 ーションを大分から世界へ
への技術移転を早期に進め、と展開していきます。
新たな産業を創出すること
が課題となっています。
コンビナート立地企業を ○連携強化の取組を進める
取り巻く状況は、海外の大 ため設立した、各事業所長
規模・最新鋭プラント建設、等をメンバーとする「大分
国内需要の減衰、資源高騰、 コンビナート企業協議会」
シェールガス革命等により を中心に取組を進めます。
厳しさを増しています。
特に、資源エネルギーの
引き続き、本県で事業継 有効利用、物流機能の強化、
続・発展していくためには、さらなる規制緩和、人材育
コンビナート立地企業によ 成について企業間連携の具
る一層の相互連携の深化に 体策を検討・実施していき
より、国際競争力を強化す ます。
ることが重要です。
- 10 -
(2)サービス産業の海外展開支援 (商業・サービス業振興課、国際政策課)
(現状と課題)
平成25年12月、「和食 日本人の伝統的な食文化」がユネスコの無形文化遺産
に登録されました。和食をはじめ日本の農林水産物や食品に限らず、日本式のき
め細かなサービスは海外でも人気が高まっており、アジアを中心に我が国の飲食、
小売等のサービス産業の海外展開が進んでいます。
一方、県内のサービス関連企業も海外に進出はしているものの、まだその数は
少ない状況です。
サービス産業の海外進出に当たっては、現地の市場調査を十分に実施した上で、
進出の可否及び進出地域を判断する必要があることから、ジェトロ等と連携した
支援が重要です。
(県内サービス産業の海外展開状況)
寿司めいじん(上海)、KARAAGE KING(上海)、臼杵運送(上海)、
ベルクール(武漢)、ネオマルスコーポレーション(武漢)
(今後の方針)
○海外展開支援に関して新たにMOUを締結したジェトロとの連携等により、
海外ビジネスセミナーの開催、ミッション派遣、見本市等への出展等を通し
てサービス産業の海外展開を積極的に支援します。
○大分県と湖北省との交流を基盤にした、サービス産業をはじめとする企業の
海外展開商談会を同省にて開催します。
(3)農林水産物の輸出強化
(おおいたブランド推進課、畜産振興課、林産振興室、漁業管理課、国際政策課)
①グローバル化に対応した農林水産業の振興
(現状と課題)
東南アジアを中心とする消費市場の拡大、新興国を中心とした富裕層・中間層
の増加等、海外には魅力的な市場が形成されつつあり、「和食」のユネスコ無形
文化遺産登録等、日本の食文化や農林水産物は世界各国から高い評価を得ていま
す。
国内マーケットの縮小により、販路を海外に求める動きが高まる一方で、TP
P問題など、日本の農林水産業は、大きな転換期を迎えています。
(今後の方針)
○食のグローバル化が進展する中、本県においても、より安全・安心な商品づ
くりが必要であり、養殖ブリはHACCP認定によりアジア、EU向け販路
開拓に、また、乾しいたけは有機JAS認証によりEU向けの販路開拓に、
それぞれ新たに取り組みます。
○食肉処理施設の整備については、国の輸出戦略において米国、EUの市場が
大きく、重点的に活動する必要がある地域とされていることから、香港等に
加え、これらの地域への輸出にも適合した施設を整備するなど、幅広い輸出
体制の構築を図ります。
○新たに輸出に取り組む力強い経営体や担い手の育成・確保を図ります。
②輸出促進の具体的な取組
【全体的な取組】
○農林水産物の輸出拡大には、生産者、流通関係者、行政で組織する「ブラン
ドおおいた輸出促進協議会」を核として輸出態勢の整備を進めるとともに、
現地の人脈や販売ノウハウを有する民間輸出業者と積極的に連携を図り、効
率的なマッチングを実現します。
○九州一体となった農林水産物の輸出の動きを促進します。
○海外への輸送に時間を要する国については、6次産業化による加工品開発に
- 11 -
取り組み、販路開拓を目指します。
【農産物】
○梨については、中秋節、春節の贈答用需要が定着している台湾、香港を中心
に輸出拡大を図るとともにシンガポールなど新規国への販路開拓に取り組み
ます。
○甘しょは、香港、タイへのプロモーションを契機に輸出が開始されたところ
であり、これを更に推進するとともに、台湾など新たな販路開拓にも取り組
んでいきます。
○トマト等の新規輸出品目については、相手国のマーケット調査や商品づくり
に取り組むとともに、6次産業化により商品開発した農産物加工品について
は、東南アジアなどへの販路開拓を目指します。
【畜産物】
○牛肉については、県内の食肉処理施設がタイ、マカオ向けの輸出認定施設と
なったことを契機に、平成25年度から県産牛肉の海外出荷を開始したところ
であり、今後もタイ等で行われるプロモーションを活用し、国内外の企業と
のマッチングを促進させ、海外の販路開拓に取り組みます。
【林産物】
てんぱくどんこ
こうこ
○天白冬菇・香菇といった高級感のある乾しいたけは、タイの富裕層に高い評
価を得ており、さらに香港、台湾へも輸出拡大を図っています。引き続き、
東南アジアの富裕層を対象とするとともに、日本料理店、高級レストラン等
にターゲットを絞った売込みを強化します。
○丸太については、大分県スギ丸太等輸出促進協議会が、県内の木材関係者及
び商社等と連携し、中国、台湾、韓国等へ輸出を行ってきましたが、平成25
年度は円安等輸出環境が好転したことや新たな企業が参入したこと等により
輸出量が大きく増加しています。
○製材品については、企業等の中国、韓国への輸出を支援していますが、韓国
国内で日本からの丸太を製材する動きが拡大したこと等により、輸出量は減
少しています。
○丸太・製材品とも、輸出に取り組む企業・団体に対する支援や海外バイヤー
の招へい等による販路拡大を図るとともに、日本の建築基準法に相当する中
国木構造規範が、平成26年夏頃に改正される見込みであり、スギ・ヒノキを
構造材として追加予定であることから、需要の増加が見込まれる中国に向け
た建築部材の輸出拡大に努めます。
【水産物】
○養殖ブリについては、これまでの中心であった北米向けの輸出量が減少傾向
にあることから、高級食材として日本料理店、高級レストラン等にターゲッ
トを絞った売込みの強化により、タイ等の既存販路の拡大に努めます。
農林水産物の輸出状況(H21~H24)
主な品目
単位
梨
t
甘しょ
kg
牛肉
kg
乾しいたけ
kg
丸太
H21
H22
H23
H24
(2009)
実績
(2010)
実績
(2011)
実績
(2012)
実績
99
3
3
m
77
57
124
140
2,149
3,521
77
89
95
101
451
7,765
11,057
6,215
9,618
4,813
3,417
602
498
製材品
m
2,350
5,240
養殖ブリフィレ
t
430
630
(おおいたブランド推進課調査)
- 12 -
<トピックス>
香港プロモーションにおける
県産品のPR
(4)加工品・工芸品の輸出強化
①加工品 (商業・サービス業振興課、おおいたブランド推進課、国際政策課)
(現状と課題)
高い経済成長により消費市場が急成長している中国や香港、シンガポールをは
じめとするASEAN諸国において、県産品の販路開拓を実施しています。
現状では、現地市場での競争が激しいこと等から、定番化している商品は少な
い状況ですが、物産展や商談会での継続的な販売促進により、販路開拓・拡大に
取り組む必要があります。
(今後の方針)
○海外展開セミナーの開催等により、県内企業の海外進出マインドを醸成しま
す。
○海外市場をターゲットとした商品開発に意欲のある企業や、海外展開の拡大
を目指す企業を育成します。
○農林水産物や観光と一体となった現地でのプロモーションや、物産展・商談
会等への出展・参加を通じた宣伝・販促活動により、商品の認知度向上及び
消費拡大を進めます。
○豊富な現地ネットワークを有する企業等と連携した販路開拓・拡大に取り組
みます。
○物産展・商談会に係るコーディネートを大分県物産協会が実施することによ
り、同協会の輸出商社としての機能を強化します。
②工芸品 (商業・サービス業振興課)
(現状と課題)
本県が誇る伝統的工芸品である竹工芸品(別府竹細工)は、安価な海外製品の
流入等により、国内での販売が減少しています。
平成24年には大分県竹産業文化振興連合会が発足し、米国を中心とした海外の
販路開拓の取組を開始しました。
海外でのブランディングを確立することにより、国内での需要喚起も狙ってい
ます。
(今後の方針)
○大分県竹産業文化振興連合会が実施する海外販路開拓事業は、平成25年度か
ら平成27年度まで、県も一体となって取り組みます。
○また、国や関係機関等が実施する海外ミッション及び展示会等の情報収集・
提供に努め、各工芸家等の海外進出を支援します。
- 13 -
(5)企業の海外展開支援とリスク対応
①関係機関等と連携した事業展開支援
(商業・サービス業振興課、商工労働企画課、工業振興課、産業集積推進室)
(現状と課題)
ジェトロ、(一社)大分県貿易協会(以下「貿易協会」という。)及び産業創造
機構等の関係機関と連携を図り、県内企業の海外販路開拓及び海外での事業展開
等を支援しています。
また、貿易協会及びジェトロ等が実施する海外投資セミナ-及び貿易相談等に
海外展開を検討する県内企業の積極的な参加を促すなど、海外展開の機運醸成に
も努めています。
(今後の方針)
○ジェトロ等関係機関と連携し、県内企業への各種支援を効果的、効率的に行
える体制を整えるとともに、県内企業に対し海外展開に関するセミナー開催
等の情報・機会を積極的に提供します。
<トピックス>
【主な関係機関との連携事例】
ジェトロ
・シンガポールでの商談会を県とジェトロの共催で開催しました。(平成
25年10月)
(一財)日中経済協会
・日中経済協会上海事務所内に大分県経済交流室を開設(平成24年4月に
にジェトロ上海センターから移転)し、同協会及び同協会に職員を派遣
している他県と連携した事業等を行っています。
貿易協会
・貿易実務講座(春・秋2回8講座/年)や海外ビジネスセミナー等、
県内企業の機運醸成等を推進しています。
産業創造機構
・香港で開催された見本市への出展支援等のほか、タイ、香港でのプロ
モーションを実施しました。
【海外進出企業数】
県内の海外進出企業は58社で九州中位となっており、国・地域別では
中国(本土)への進出が33社と最も多くなっています。
九州各県 海外進出企業の状況 (2012年)
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
(単位:社)
鹿児島県
計
① 730 ⑤ 56 ② 67 ③ 65 ④ 58 ⑥ 42 ⑦ 35
1,053
出典:(財)九州経済調査協会「九州・山口地場企業の海外進出2012年」
県内企業の国・地域別海外進出状況 (2012年)
中国(本土)
33
香港
台湾
韓国
タイ
ベトナム
その他アジア
(単位:社)
アジア以外
計
1
5
2
4
1
10
2
58
出典:(財)九州経済調査協会「九州・山口地場企業の海外進出2012年」
- 14 -
②情報支援・リスク対応と金融支援
(商業・サービス業振興課、工業振興課、産業集積推進室、経営金融支援室、おおいた
ブランド推進課、食品安全・衛生課、観光・地域振興課、国際政策課)
(現状と課題)
企業が海外への展開を図る場合、国内での通常の取引とは異なる課題やリスク
への対応が必要ですが、県内の中小企業や生産者等が独自にこれらの問題に適切
に対応していくことは容易なことではなく、それが海外進出の阻害要因の一つに
もなっています。
このため、ジェトロ等関係機関との連携を強化し、県の相談・情報提供窓口の
充実を図っていくことが必要です。
また、海外展開にあたっては、金融面からの支援も重要です。
(今後の方針)
○ジェトロ等関係機関と連携を強め、海外展開を希望する企業への情報提供や
相談窓口機能の強化を図ります。
○海外市場の販路開拓や模倣被害への対策には、進出先において特許権や商標
権等を取得することが重要であるため、中小企業の戦略的な外国出願の促進
を支援します。
○残留農薬検査など輸出先の規制に対応できる防除暦の作成や栽培指導に取り
組みます。
○動物・植物防疫や衛生証明書等については、輸出先国や商品毎に最新情報の
入手に努め、輸出国に応じた販路拡大を図ります。
○食品の輸出にあたっての相手国の法律や制度の情報(加工施設等の登録・衛
生証明書の発行手続き等)を国等から収集のうえ企業等に提供するとともに、
ジェトロ、産業創造機構等の関係機関と連携して食品等の輸出が円滑に行わ
れるよう支援します。
○食品の海外展開に対応するため、HACCP(総合衛生管理製造過程)シス
テムに基づく指導・助言を行う食品衛生監視員の研修の実施や、米国及びE
Uに対する輸出水産食品に係る指名食品衛生監視員の増員を図ります。
○県制度資金「海外展開支援融資」により、県内企業の海外向け新製品の開発
・製造及び海外見本市、商談会参加等、海外との取引に要する事業資金を融
資し海外事業展開を支援します。
- 15 -
(6)国際観光の振興
平成23年3月に発生した東日本大震災や福島第一原子力発電所の放射能漏れ事
故の影響等により、大きく落ち込んだ外国人観光客数は、その後の円安傾向やA
SEAN諸国向けビザ発給要件の緩和等により回復傾向を見せています。
国も日本再興戦略の中で、外国人観光客の誘致に力を入れており、県としても
ターゲットとする国・地域を絞り込んだ効果的な取組が求められます。
①誘客・情報発信の充実 (観光・地域振興課)
(現状と課題)
九州地方知事会と経済団体でつくる九州地域戦略会議で、10年後に観光産業を
九州の基幹産業にすることを目指して平成25年5月、第二期九州観光戦略を策定
しました。その中で、九州のブランドイメージを決定し、国別戦略により、九州
が一体となって海外市場に情報発信するほか、ビザの緩和やLCCの誘致等を官
民あげて推進することとしています。
平成24年度観光庁宿泊旅行統計調査によると、本県の外国人宿泊客数は、28万
7千人、福岡、熊本に次いで九州3位です。
今後、増加する訪日観光客を本県への誘客につなげるため、情報発信や誘客活
動を韓国や中国のみならず、経済成長を遂げ訪日観光客の伸びも期待されるAS
EAN諸国や台湾でも進める必要があります。
九州各県の外国人延べ宿泊者数
大分県の国別外国人延べ宿泊者数
(単位:人泊)
(単位:人泊)
平成22年
平成23年
平成24年
平成22年
平成23年
平成24年
大分県
363,160
328,140
286,850
韓国
224,080
179,070
132,920
福岡県
617,250
543,350
695,130
台湾
13,120
21,500
26,800
佐賀県
38,320
36,260
39,630
中国(本土)
11,370
13,810
12,170
長崎県
360,990
248,900
280,130
香港
3,410
7,970
9,770
熊本県
331,320
242,140
294,450
タイ
2,090
4,490
4,360
64,040
38,590
139,520
シンガポール
126,000
85,280
138,120
その他(国籍不詳含む)
宮崎県
鹿児島県
計
1,901,080
1,522,660
1,873,830
出展 観光庁宿泊旅行統計調査
計
2,330
2,100
2,550
106,760
99,200
98,280
363,160
328,140
286,850
出展 観光庁宿泊旅行統計調査
(今後の方針)
○外国人観光客の約7割を占める韓国をはじめ、近年観光客が急増している台
湾や香港、急速な伸びが見込まれるタイを主なターゲットとして絞り込み、
旅行会社の招請、海外でのプロモーション・商談会等を通じて、積極的に情
報発信や誘客活動を展開します。
○「日本一のおんせん県おおいた 味力も満載」を切り口に、国毎の旅行者ニ
ーズや旅行情報入手方法に沿った情報発信を行います。
○県内在住の留学生や本県での留学経験者を活用して観光情報を発信します。
○九州観光推進機構や九州各県とも連携し、広域観光ルートや新たな観光ルー
トづくりを推進します。
②国・地域別の戦略 (観光・地域振興課)
【韓国】
○リピーターの多い韓国では、一般的な観光情報にとどまらず、日本人向けと
同レベルの詳細な情報について、ブロガー等を活用して発信します。
○ツアーの訪問先として人気の高い別府・湯布院だけでなく、他の観光情報に
ついても、現地旅行社に対して細やかな情報提供を行います。
○福岡からレンタカーを借りて九州を周遊する韓国人が増えてきていることか
- 16 -
ら、新たに開通する東九州自動車道を活用した広域モデルルートを提案する
など、ソウルと併せて釜山エリアでも観光客の掘り起こしを行います。
○トレッキングの人気が高いことから、県内に2コースある九州オルレを活用
した誘客に取り組みます。
【台湾】
○温泉への関心が高いことから、「日本一のおんせん県おおいた」のPRを強
化します。
○団体旅行の割合が比較的高い台湾では、旅行社に対して旬な観光情報や広域
モデルルートの情報提供を行います。
○インセンティブ旅行の訪問先として日本の人気が高いことから、現地の企業
や旅行社に対する誘致を進めます。
【タイ】
○大分の観光地が十分に知られていないタイにおいては、商談会やセールス活
動を通じて現地旅行社との関係構築を図り、ツアー造成を働きかけます。
○タイ人の好み(果物収穫や花等)を取り入れたモデルルートを現地旅行社へ
提案します。
○旧正月にあたる4月や学校の長期休暇となる10月の旅行シーズンに合わせた
ツアー造成を働きかけます。
【香港】
注)
○個人旅行やリピーターの割合が高い香港では、SNS 等を活用した情報発
信を行うとともに、左側通行で日本での運転に馴染みやすいことから、レン
タカーを利用した旅行の提案を行います。
○食への関心の高い香港人のニーズに対応したグルメツアーの提案を行いま
す。
【中国】
○九州観光推進機構を中心にした九州一体となったPRに併せ、大分県の情報
発信を行います。
○国土も広く人口も多い中国で効率的に「日本一のおんせん県おおいた」をP
Rするため、中国版ツイッター等のSNS等の活用を図り ます。
○観光交流協定を締結し、地域(政府)間交流を行っている 無錫 市等からの観
光客誘致を図ります。
○訪日ビザが比較的取得しやすい教育旅行や視察旅行などのSIT(Special
Interest Tour)の誘致を進めます。
むしやく
注)SNS:フェイスブックやツイッター等のソーシャル・ネットワーキング・サービスのこと。
<トピックス>
タイ国際旅行フェア(TITF)
におけるプロモーションの様子
- 17 -
③団体誘客の推進
<MICEの誘致> (観光・地域振興課)
(現状と課題)
MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等が行う報奨・研修旅行(Incentive
Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、イベント、展示
会・見本市(Event/Exhibition)のことで、多くの集客交流が見込まれるものの総称
です。
これまでも、世界地熱会議、アジア・太平洋水サミット、APEC成長戦略ハ
イレベル会合など、多くの要人やマスコミが集う大規模な国際会議を誘致し、
「国
際会議最適地」として、大分県の温泉、食、産業等の特色をアピールしてきまし
たが、引き続き関係機関との連携を図りながらMICEを積極的に誘致すること
が重要です。
(今後の方針)
○産学官で組織する大分県MICE誘致推進協議会等による情報収集・集約等
を行い、国際会議や国際的なイベントの誘致に取り組みます。
○国際ミーティング・エキスポ(IME)等の商談会に積極的に参加し、情報
収集と積極的な誘致活動に努めます。
○福岡市など近隣都市で行われる国際会議後のエクスカーション(主催者が用
意する視察旅行等)の誘致を図ります。
<国際クルーズ船の誘致> (観光・地域振興課、港湾課)
(現状と課題)
平成23年3月から供用開始された別府港第4埠頭には、中国等の海外や国内を
起点とする国際クルーズ船が入港しています。国際クルーズ船には、多くの外国
人観光客が乗船していることから、観光のほか買物や食事等による直接的な経済
効果が見込まれます。
また、国際クルーズ船の寄港地としての知名度向上、乗客の再訪や口コミ効果
も期待できることから、十分な受入態勢を構築するとともに、更なる誘致へ向け
たセールス活動の強化が必要です。
(今後の方針)
○関係市町や地元関係団体と設置した大分県国際観光船誘致促進協議会を中心
に、CIQ(税関、出入国管理、検疫)に協力するほか、歓迎セレモニーや
にぎわいイベントの開催、観光案内を行う特区ガイドの育成等、受入れや歓
迎態勢を充実します。
○今後の誘致のため、クルーズ商談会やクルーズコンベンション等へ参加する
とともに、国際クルーズ船を運航する船会社や旅行社等への働きかけを強化
します。
- 18 -
戦略2
アジアの人材を取り込む
84か国3,500人の留学生を抱え、大学・高専に在籍する留学生数が人口当たり
日本一の本県は、アジアの活力とともに人材も取り込むことが重要です。その
ため、留学生などの在住外国人が安心して暮らし、能力を発揮できる地域づく
りを目指し、生活支援や県内企業等への就職等を促進します。
(1)留学生等に対する支援とその能力の活用
①留学生活に対する支援 (国際政策課)
(現状と課題)
留学生が安心して学業に励み、地域と交流をしていけるよう、学産官で設立し
た大学コンソーシアムおおいたと連携しながら、奨学金給付や住宅保証などの支
援を行っています。
(今後の方針)
○大学コンソーシアムおおいたと連携しながら、引き続き留学生の支援を行い、
留学生にとって住みやすい、魅力的な地域づくりを推進します。
②地域活動等の促進 (国際政策課)
(現状と課題)
大学コンソーシアムおおいたでは、留学生人材情報バンクの運用による地域活
動のあっせんや、留学生を講師とする各種教室の開講等により留学生が能力を発
揮しながら地域の活動に参加する機会を提供しています。
(今後の方針)
○留学生や留学生OBが、本県に対する愛着心を育み、絆を深め、これを持続
してもらえるよう、在学中の地域活動を通じた県民との触れ合いの場づくり
や、卒業後のニュース・レター(What's up, OITA!)の定期配信等を行いま
す。
○県奨学金を支給している奨学生を対象に講座や現地研修を実施し、本県につ
いての理解を深め、地域活動に活かしてもらうとともに、卒業後も「めじろ
ん海外特派員」等として活躍できるような人材としての育成に努めます。
○留学生を活用して、大分県の魅力を広く海外に情報発信します。
③留学生を含めた外国人材の活用 (国際政策課、雇用・人材育成課)
(現状と課題)
留学生OBとのネットワークづくりと合わせ、企業と留学生の交流会の開催等
により県内での就職促進に取り組んでいます。今後は留学生の採用に関心のある
企業にそのメリットや留意点等の情報を提供する必要があります。また、中小企
業への留学生の就職が進まない要因の一つとして、在留資格変更手続きが大企業
に比べ煩雑であることが指摘されています。
留学生以外の人材活用については、主に外国人技能実習制度によって、県内で
も多くの外国人が農業や製造業等の現場に従事しています。人口減少等により労
働力不足が懸念される中、国において本制度も含めた外国人受入れについての議
論が進められており、その動向を注視する必要があります。
- 19 -
大学・高専在籍留学生の状況(専修学校(専門課程)・準備教育課程を除く)
順位
1
2
3
4
5
都道府県名
大分県
京都府
東京都
福岡県
石川県
全国計
留学生数(人)
人口(千人)
3,535
6,723
30,195
8,924
1,514
111,002
1,191
2,632
13,196
5,079
1,166
127,799
留学生数(人)
(対人口10万人)
296.8
255.4
228.8
175.7
129.8
86.9
留学生数:日本学生支援機構調査 (H24.5.1現在)
人 口:総務省統計局「平成23年10月1日現在推計人口)
(今後の方針)
○大学コンソーシアムおおいたと連携しながら、
「企業と留学生の交流フェア」
により、県内企業と留学生の相互理解を深めるなどの就職支援を引き続き実
施するとともに、留学生人材を活用した県内企業の事例を広く紹介すること
で、企業の留学生採用意欲の増進を図ります。
○中小企業においても大企業と同様に留学生の就職が進むよう、在留資格変更
手続きの運用面の改善などを産学官で構成する九州グローバル産業人材協議
会等を通じて国に働きかけます。
(2)留学生の受入促進 (国際政策課)
(現状と課題)
立命館アジア太平洋大学の開学後、順調に伸びてきた留学生数が平成22年をピ
ークに減少に転じました。この理由としては、国内外の大学による留学生獲得競
争の激化などが指摘されているところです。今後は本県での留学生活の魅力やメ
リットを海外に向けて積極的に発信することが必要です。
県内留学生数の推移(各年5月1日現在)
(単位:人)
H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24
726 1,326 1,898 2,243 2,726 2,867 3,060 3,587 3,965 4,147 4,198 3,873 3,562
日本学生支援機構調べ
(今後の方針)
○本県での留学生活の魅力やメリットを紹介する広報ツールを作成・配布する
ほか、各国で行われる日本留学フェアの場でも情報を発信するなど、留学生
の受入促進に努めます。
(3)外国人が住みやすい地域づくり
①多文化共生の地域づくり (国際政策課)
(現状と課題)
本県の外国人登録者数は、平成24年末現在9,908人で、ここ数年若干減少気味
ですが、15年前の4,806人と比べると約2.1倍に増えています。アジア出身者は
8,951人で、全体の90.3%を占めています。
本県在住の外国人と県民とが互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築き
ながら、地域社会の構成員として共に生きていく多文化共生の社会づくりを進め
ていくことが必要です。
このため、地域レベルで国際化を推進する組織として「地域国際化協会」があ
りますが、本県では(公財)大分県芸術文化スポーツ振興財団(以下「芸術文化
スポーツ振興財団」という。)がこれに当たり、県内在住外国人の支援や県民の
国際理解の促進等に取り組んでいます。
- 20 -
外国人登録者数(単位:人、各年12月31日)
年
総数
うちアジア アジアの占める割合
平成 9年
4,806
4,226
87.9%
平成10年
4,916
4,311
87.7%
平成11年
5,163
4,536
87.9%
平成12年
6,104
5,338
87.5%
平成13年
7,015
6,137
87.5%
平成14年
7,991
6,804
85.1%
平成15年
8,574
7,489
87.3%
平成16年
8,915
7,825
87.8%
平成17年
8,913
7,807
87.6%
平成18年
8,926
7,840
87.8%
平成19年
10,250
9,212
89.9%
平成20年
11,034
10,044
91.0%
平成21年
11,062
10,047
90.8%
平成22年
10,649
9,682
90.9%
平成23年
10,118
9,156
90.5%
平成24年
9,908
8,951
90.3%
出典 法務省在留外国人統計
(今後の方針)
○引き続き、芸術文化スポーツ振興財団と連携し、
「おおいた国際交流プラザ」
の運営を通じて、次のとおり県内在住外国人の支援や県民の国際理解の増進
に努めます。
・県内在住外国人の支援:多言語携帯メールの運営、外国語情報誌の配布、
各種相談事業の実施、通訳・翻訳ボランティアの育成など
・県民の国際理解の促進:国際理解講座や国際交流フェスタの開催、外国人
の人権の啓発、日本語情報誌の発行など
②ユニバーサルデザイン (地域福祉推進室)
(現状と課題)
商業施設や観光案内板において、多言語標識が設置されている事例があります
が、未だ一部の施設や地域にとどまっています。
外国人も含めて、すべての人が自らの意思で自由に行動し、あらゆる分野の活
動に参加することができるようなまちづくりを進めることが重要であり、「福祉
のまちづくり条例」や「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」
に沿った施設等の整備を進める必要があります。
(今後の方針)
○福祉のまちづくり条例に基づき、外国人を含むすべての人にやさしいまちづ
くりを推進します。
○ユニバーサルデザインの視点に基づき、外国人も含めて、だれもが快適に買
物や観光ができるように、多言語表記等を促進するとともに、案内等のソフ
ト面の充実等を図ります。
(4)外国人の人権・子どもの教育環境
①地域社会への意識啓発 (人権・同和対策課)
(現状と課題)
平成25年に実施した人権に関する県民意識調査において、在住外国人に関して
現在どのような人権問題が起きていると思うか県民に聞いたところ、「風習や習
慣等の違いが受け入れられないこと」(25.4%)を挙げた者の割合が最も高く、次
いで「就職・職場で不利な扱いを受けること」(24.4%)、「結婚問題で周囲の反
対を受けること」(20.2%)の順になっています。一方、「特にない」を挙げた者
の割合は17.2%となっています。
- 21 -
日本に住んでいる外国人に関して
起きていると思う人権問題(複数回答)
30
25
25.4
27.7
24.4
20.2
20
17.6
17.1
15
15.2
17.2
14.0
10
4.0
5
1.1
わからない
特にない
その他
施設利用を拒否されること
宿泊施設、店舗等へ
の入店や
差別的な言動をされること
れたりすること
じろじろ見られたり、避けら
れること
アパート等へ
の入居を拒否さ
じめを受けること
職場・
学校での嫌がらせやい
けること
結婚問題で周囲の反対を受
けること
就職・
職場で不利な扱いを受
入れられないこと
風習や習慣等の違いが受け
0
(今後の方針)
○外国人が安全に安心して地域で暮らせるようにするため、国籍・人種・民族
の違いによる人権侵害が発生しないよう、風習や習慣の違いを認め合い、国
籍や人種にかかわりなく共に暮らせるよう、県民啓発を行います。
○外国人の人権について啓発活動ができる人権問題研修講師の養成を行いま
す。
②外国人児童生徒の教育環境の充実 (人権・同和教育課)
(現状と課題)
様々な国籍を持つ外国人児童生徒が在籍するようになっています。その保護者
には日本語の未修得者もおり、日本の学校教育制度や学校からの案内、連絡文の
理解が不十分であり、担任とのコミュニケーション不足が生じる場合もあります。
多様なルーツを持つ児童生徒は、様々な文化や背景を持っており、差別や偏見
への人権的配慮が必要となります。
(今後の方針)
○外国人児童生徒にとって入りやすい公立学校を実現するため、「大分県在住
外国人に関する学校教育指導方針」に基づき作成した外国人児童保護者向け
のハンドブックを活用し、保護者説明会を行うなど日本の学校への適応を容
易にする環境づくりを進めます。
○同時に、日本人児童生徒に文化の多様性を認識させ、その尊重を心懸ける人
間関係づくりを指導します。
(5)外国人への医療・防災対策
①医療対応の円滑化 (医療政策課、国際政策課、病院局)
(現状と課題)
本県では、アジア地域を中心に、留学生や観光客、また、県内で暮らし就労す
る外国人が多くなっていますが、言葉や風俗習慣の違い、医療費支払いでの不安
等、多くの医療機関では日常的な外国人の受入れが難しいのが実情です。
このため、芸術文化スポーツ振興財団が「在住外国人のための医療ハンドブッ
ク」を作成し、啓発・PRを行うとともに、通訳ボランティアの派遣要請にも対
応しています。また、県では「医療・薬局機能情報システム(通称:おおいた医
療情報ほっとネット)」により県内の医療機関・薬局の情報を英語、中国語、韓
国語で閲覧できるようホームページで公開しています。
大分県立病院では、案内板や診療手順等の説明書に英語・中国語・韓国語によ
る表記を行うほか、院内の医療スタッフから医療通訳者を確保するなど、外国人
がスムーズに診察・診療等が行えるように支援しているところです。
- 22 -
今後も引き続き、日本人と同様に、在住外国人や外国人旅行者が、安心して適
切な医療を受けられるような環境づくりを推進することが求められています。
(今後の方針)
○「おおいた医療情報ほっとネット」の充実等、在留外国人への医療サービス
の向上に向け検討を進めます。
○県内自治体病院に対して大分県立病院の外国人への医療サービス向上に向け
た取組を紹介し、啓発に努めます。
②防災対策 (国際政策課、防災危機管理課)
(現状と課題)
県内に在住する外国人が安心して地域で暮らしていくためには、地震等の災害
発生時や「新型インフルエンザ」等の感染症流行時に、正確な情報を伝え、的確
な行動を促すことで被害の拡大を防ぐことが非常に大切です。
そのため、災害や感染症等についての広報・啓発、情報提供のほか、相談窓口
の確保等の事前準備が必要です。現在、芸術文化スポーツ振興財団(おおいた国
際交流プラザ)等関係機関と連携して、外国人からの相談に随時応じているほか、
外国人を対象とした無料相談会や通訳ボランティアの登録、多言語携帯メールに
よる災害情報の発信等を行っています。
(今後の方針)
○引き続き、芸術文化スポーツ振興財団や大学コンソーシアムおおいた等と連
携して、外国人への情報提供・相談支援機能の充実に努めます。
○災害時に備え、通訳ボランティアのスキルアップ講座を開催するなど、登録
者数の増加とネットワーク化を推進します。
- 23 -
戦略3
芸術文化・スポーツ・国際交流の促進
アジアの活力や人材を取り込むためには、様々な国と芸術文化・スポーツな
ど幅広い分野での交流や、国際交流団体等の活動支援を推進し、その基盤をつ
くっていくことが重要です。これまでの取組に加え、平成27年春開館の県立美
術館を核とした芸術文化交流や、国東半島・宇佐地域の世界農業遺産を通じた
国際交流、国際機関と連携したエコパーク等の登録に向けた取組を推進します。
(1)芸術文化交流の促進
①県立美術館と県立総合文化センター (文化スポーツ振興課、県立美術館推進局)
(現状と課題)
県立総合文化センター(以下「文化センター」という。)では、県民の芸術鑑
賞機会の充実と芸術文化活動の促進のため、国内外の優れた舞台公演等を開催し
ています。
平成27年春に開館する県立美術館(以下「美術館」という。)は、文化センタ
ーと一体となって、大分県における芸術文化の中心拠点(芸術文化ゾーン)とし
て、関係団体と連携した広域的なネットワークの構築による本県芸術文化の振興
が求められています。
(今後の方針)
○美術館と文化センターによる芸術文化ゾーンを中心としたネットワークを海
外にも拡大し、人的交流や共同企画等の実施等、国際的な連携を深めていき
ます。
○文化センターでは、引き続き国内外の優れた舞台公演の開催に努めるととも
に、美術館でも国内外の優れた美術品等を鑑賞できる機会の提供に努めてい
きます。
②地域に根ざした世界に発信する芸術文化イベント (文化スポーツ振興課)
(現状と課題)
大分アジア彫刻展や別府アルゲリッチ音楽祭等、実績を積み重ね定着した国際
的文化イベントが県内で開催され、県民が海外の一流の芸術文化に触れるととも
に、大分県の国際的知名度や文化的なイメージアップに寄与しています。
大分アジア彫刻展
第1回(H4~5)
第2回(H6~7)
第3回(H8~9)
第4回(H10)
第5回(H11~12)
第6回(H13~14)
第7回(H15~16)
第8回(H17~18)
第9回(H19~20)
第10回(H21~22)
第11回(H23~24)
第12回(H25~26)
別府アルゲリッチ音楽祭
募集対象国
日本、韓国
日本、韓国、マレーシア
日本、韓国、マレーシア、フィリピン
作家5人による竹を素材にした滞在制作
日本、韓国、マレーシア、フィリピン、中国
日本、韓国、マレーシア、フィリピン、中国
アジア全域
アジア全域
アジア全域
アジア全域
アジア全域
アジア全域
(単位:人)
応募数
145
219
248
353
355
418
459
311
431
246
- 24 -
第1回(H10)
第2回(H11)
第3回(H13)
第4回(H14)
第5回(H15)
第6回(H16)
第7回(H17)
第8回(H18)
第9回(H19)
第10回(H20)
第11回(H21)
第12回(H22)
第13回(H23)
第14回(H24)
第15回(H25)
海外出演者
出身国数
人数
7か国
8人
6か国
7人
11か国
17人
7か国
7人
7か国
10人
9か国
9人
8か国
10人
4か国
7人
5か国
6人
3か国
4人
6か国
8人
5か国
7人
3か国
14人
5か国
5人
6か国
6人
(今後の方針)
○大分アジア彫刻展や抜群の知名度を誇る別府アルゲリッチ音楽祭等の国際的文化
イベントを活用し、海外との文化交流を進め、大分の国際的な知名度や文化的な
イメージを向上させます。
○別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」や国東半島芸術祭のように、海外
のアーティストによる作品と地域の歴史・文化等との融合を通して、新たな魅力
の創造と発信を行います。
(2)スポーツ交流の促進
①大分国際車いすマラソン大会 (障害福祉課)
(現状と課題)
国際障害者年(1981年)を記念してスタートした大分国際車いすマラソン大会
は、現在、国際パラリンピック委員会の公認大会として、世界中の車いすランナ
ーが目標とする世界最大・最高レベルの大会となっています。
平成25年の第33回大会までの累計で76か国、2,201人の海外選手が参加しまし
た。
最近は、車いすマラソンの競技人口の減少により参加者数が減少していること
から、国内外の選手にとってこれまで以上に魅力ある大会として維持していくこ
とが求められています。
海外参加国・参加者数の推移
第28回
(単位:人)
第29回
第30回
第31回
第32回
第33回
海外参加国
14
15
19
15
13
15
海外選手数
53
49
67
55
41
47
281
264
307
261
251
247
総選手数
(障害福祉課調査)
(今後の方針)
○世界トップレベルの海外選手をはじめ、重い障がいのある選手にとっても魅
力ある国際的なスポーツイベントであり続けるため、選手の思いや、世界の
車いすマラソンを取り巻く情勢等を把握し、大会運営等についてさらなる見
直しを行い、より多くの選手に参加してもらえるような大会を目指します。
<トピックス>
開会式で市民との交流
レースでの激しい攻防
- 25 -
②別府大分毎日マラソン大会 (文化スポーツ振興課)
(現状と課題)
60年を超える歴史と伝統のあるマラソン大会であり、オリンピックや世界選手
権等で活躍する名選手を輩出するとともに、国内トップクラスの選手や海外招待
選手、外国人市民ランナー等が出場する国際的なマラソン大会となっています。
近年、ランニングブームや健康志向の高まり等から手軽にできるスポーツとし
てマラソンの競技人口が増加しています。
第60回記念大会(2011年)を機に、時間制限を2時間50分から3時間30分に緩
和したことで、3,000人を超えるランナーが参加するようになり、参加者の95%
が県外ランナーです。
今後、大分中心部の袋小路の解消などのため、マラソンコース変更の検討が必
要となっています。
(今後の方針)
○歴史と伝統のあるハイレベルな大会を維持するとともに、コースとなってい
る美しい別府湾を望む別大国道や日本一の温泉、豊かな海の幸・山の幸など、
外国人選手にとっても魅力ある大会として情報発信し、より多くの外国人選
手・外国人市民ランナーが参加する国際大会を目指します。また、別大マラ
ソンから世界陸上へ、さらにはオリンピックに出場できる選手を輩出するよ
うな、海外からも目標とされる大会を目指します。
○多くの県民、外国人が共に参加できる「べつだいウォーク」との連携を図る
とともに、広く海外から選手の参加を促進するため、多言語により大会や大
分の魅力を発信します。
○JR線高架化に伴う大分駅周辺整備や平成27年に開館する県立美術館等の大
分市中心部の魅力を国内外に情報発信できるよう、また、走りやすくよりよ
い記録が出るようマラソンコース変更の検討を行います。
③2020年東京オリンピック・パラリンピック等への対応
(文化スポーツ振興課、観光・地域振興課)
(現状と課題)
オリンピックをはじめ世界規模で開催されるスポーツの大会は、国際交流の場
となるだけでなく、世界各国から多くの訪日旅行者が見込まれ、国内周遊や選手
団の事前キャンプ等によって、開催地だけでなくその他の地域にとっても経済波
及効果やイメージアップが期待されます。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催は、日本に世界中からの注目
が集まり、本県にとっても大きなチャンスです。
本県には、FIFAワールドカップが開催された大分銀行ドームや国体・障害
者スポーツ大会の会場となった様々なスポーツ施設があり、これら施設の有効活
用が求められています。
(今後の方針)
○東京五輪組織委員会や競技団体等からの情報収集に努めるとともに、県内ス
ポーツ施設の設備状況等を取りまとめるほか、最大の強みである温泉を活用
した疲労回復や豊富で質の高い食による体調管理をアピールするなど、市町
村等と連携して、事前キャンプ・合宿の誘致に向けた準備を進めます。
○外国人観光客の誘客促進を図るため、効果的な情報発信や受入環境の整備等、
態勢づくりも進めます。
- 26 -
(3)国東半島・宇佐地域の世界農業遺産を通じた国際交流
(農林水産企画課、観光・地域振興課)
(現状と課題)
平成25年5月、国東半島・宇佐地域の「クヌギ林とため池によって持続的に維
持されている循環型の農林水産業システム」が、食料の安定確保を目指す国際組
織である国連食糧農業機関(FAO)から、高い評価を受け「世界農業遺産」に
認定されました。
このシステムは、1,200以上のため池と、その水を涵養する豊富なクヌギ林が
連携して給水源となり、水田農業やクヌギ林を活用した日本一の原木シイタケ栽
培等の多様な農林水産業を持続的に育むというものです。
今後は、システムの保全と併せ、本県の「循環型の農林水産業」の情報発信や
地域資源を活かした交流拡大が喫緊の課題となっています。
(今後の方針)
○県内へ訪れる年間30万人の外国人観光客を対象に「国東半島・宇佐地域世界
農業遺産」の情報発信を行うとともに、農業体験型ツアー造成等によって積
極的に海外からの受入れを拡大します。
○海外でのプロモーションや物産展等で「世界農業遺産」の取組をPRします。
○「乾しいたけ」の販路開拓を目指す欧州で行われる博覧会で、クヌギ林とた
め池による「循環型の農林水産業」をアピールするとともに、大分県の農林
水産物や食文化をPRします。
(4)UNESCO、FAO等の国際機関との連携
(文化スポーツ振興課、農林水産企画課)
(現状と課題)
国連教育科学文化機関(UNESCO:ユネスコ)に対して、県内では、宇佐
・国東地域や日田「咸宜園」の世界文化遺産、祖母・傾山系のエコパークがそれ
ぞれ登録を目指す取組を行っています。また、ユネスコが支援する世界ジオパー
クネットワーク傘下の日本ジオパーク委員会から、平成25年9月に豊後大野市と
姫島村が日本ジオパークに認定され、26年2月には「おおいたジオ国際フォーラ
ム」を開催しました。
国連食糧農業機関(FAO:ファオ)については、平成25年5月に国東半島・
宇佐地域の循環型農林水産業の取組が世界農業遺産に認定されたところです。
このような国連機関からの登録や認定は、住民が改めて地域に誇りをもつとと
もに、国際的な知名度向上や国内外からの誘客効果が期待できることから、今後
は国連機関との連携を図りながら地域活性化につなげる取組を進めることも重要
です。
(今後の方針)
○ユネスコとの連携を図り、世界文化遺産やエコパーク等の登録に向けた取組
を進めます。また、ユネスコスクールの認定についても取り組みます。
○FAOと連携しながら、世界農業遺産の維持・発展に向けて、農林水産業の
振興やグリーンツーリズム等による交流人口の増大を通じた地域振興を図り
ます。
○アジア太平洋ジオパークネットワーク(APGN)等と連携し、引き続き両
ジオパークの情報発信を行います。
- 27 -
(5)国際交流・国際貢献の促進
①国際交流 (国際政策課)
(現状と課題)
本県では、市町村に加え民間団体・個人といった草の根レベルでの国際交流が
行われています。また、JICAの青年海外協力隊にもこれまで多くの若者が参
加し、近年は国際協力に関心を持つNPOも多数設立されています。このほか、
アジアを中心とする留学生OBや海外県人会とのネットワークも徐々に形成され
始めています。
他方、市町村合併等の情勢変化に伴い、姉妹都市・友好交流の中には活動停止
状態のものもあり、活動歴の長い国際交流団体等では高齢化・後継者不足も見受
けられ、新たに設立された団体でも人材・資金不足により活動が停滞しているケ
ースもあります。
このため、芸術文化スポーツ振興財団や関係団体・機関が連携を強め、県民理
解の促進や活動団体・人材の育成、ネットワークづくりに取り組み、支援してい
く必要があります。
【参考】NPO法人数 計505団体 うち国際協力分野115団体(平成25年12月31日現在)
留学生人材情報バンク 登録学生数1,509人(平成25年3月15日現在)
青年海外協力隊 累計75か国 459人(平成25年11月5日現在)
(今後の方針)
○これまでの交流・協力活動を尊重しつつ、成長著しい東アジア・ASEAN
地域への関心の高まりを踏まえ、同地域との青少年交流や国際理解の促進を
図ります。
○国際交流員の市町村へのあっせんなど、(財)自治体国際化協会(CLAI
R)の活用に加え、留学生OBや海外県人会とのさらなるネットワークづく
り、連携強化に努めます。
○県民主体の多様な交流・協力活動を支援するため、芸術文化スポーツ振興財
団(おおいた国際交流プラザ)と連携し、国際交流団体等が相談や相互に情
報交換を行える場を提供するとともに、通訳・翻訳ボランティアの育成・組
織化等に努めます。
○大分・チェコ友好協会や米日カウンシルをはじめ、本県と海外の国・地域と
の友好・ビジネス交流等を推進する県内外の国際交流団体等の支援を通じ、
県民の国際理解の促進や地域の活力向上を図ります。
○青年海外協力隊については、現地の住民とともに生活しながら、自らの技術
を役立て、移転する国際協力であり、若者が世界に視野を広げ、国際人材へ
育っていく大きな契機となるものであり、JICAが行う隊員募集活動等に
協力します。
②福祉分野での国際貢献 (障害福祉課、国際政策課)
(現状と課題)
別府市には、障がい者が入所し機能訓練等を受ける施設が数多くあります。そ
の中でも、社会福祉法人太陽の家は、過去にフェスピック(極東・南太平洋身体
障害者スポーツ大会/現アジアパラ競技大会)の事務局が置かれていたこともあ
り、早くから車椅子バスケットボール等のスポーツや車いす修理の技術提供を目
的とした研修生の受入れなどを通じて、主に東南アジアとの交流を積極的に行っ
てきました。
現在では、東南アジアの障がい者の自立を支援するために、就労支援・技能訓
練・障がい者スポーツ振興を担う人材となるよう、車いす修理技術だけでなく日
本の障がい者就労の状況や障がい者スポーツの指導法等、幅広い研修を行ってい
ます。
- 28 -
太陽の家における研修生の受入れ状況
(単位:人)
17年度
18年度
19年度
20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
人 数
3
6
-
1
2
2
2
2
国 名
マレーシア
マレーシア
-
ラオス
ラオス
ラオス
ラオス
ラオス
※期間は3週間~1か月間
(今後の方針)
○車いすの製造・修理技術の提供や障がい者スポーツの普及を通じたアジア各
国との交流や草の根レベルの国際貢献が活発化するよう、JICA等関係団
体とも連携し、支援を検討します。
- 29 -
戦略4
国際人材の育成
これからの国際社会を見据えた人材育成に当たっては、言語や文化の違いな
ど異文化を直接体験し、国際理解を深め、国際感覚を養う機会を増やすことが
何より重要です。児童生徒を対象にした留学生や外国の子ども達との学校での
交流とともに、県内中小企業の経営者や従業員を対象にしたセミナーの開催等
により、今後のグローバル社会に適応した人材の育成を図ります。
(1)世界に通用する青少年の育成
(義務教育課、高校教育課、教育改革・企画課、私学振興・青少年課、政策企画課)
(現状と課題)
近年、海外勤務や留学を望まない日本の若者の内向き志向が論議されており、
本県においても高校生の海外留学者数が減少するなど、その傾向が窺えます。
経済社会のグローバル化が進む中、将来を担う青少年を国内、国外の分け隔て
なく活躍できるような人材に育成することが求められます。
このためには、引き続きALT(外国語指導助手)を活用した授業の実施や、
本県が誇る留学生との交流等を通じて、言語や文化が異なる外国人と直接触れ合
い、互いの考え方や価値観等を理解し合う機会を設けるとともに、高校生、大学
生の海外留学の促進等の取組を進めることが重要です。
市町村立学校のALT配置状況(平成25年度)
中津
豊高
宇佐
別府
杵築
国東
姫島
日出
大分
10
1
4
4
2
2
0
2
15
(単位:人)
臼杵 津久見 由布
3
1
佐伯
竹田
豊大
日田
九重
玖珠
計
4
2
4
5
2
2
69
6
(義務教育課調査)
県立高校でのALT配置状況(平成25年度)
26名 (24校25名+高校教育課1名)
(高校教育課調査)
私立学校でのALT配置状況(平成25年度)
中学校
小学校
(単位:人)
高等学校
明星
岩田
大分
向陽
明豊
岩田
福徳
大分
東明
国際
1
2
2
2
1
2
1
2
2
1
明豊 東九州 昭和 竹田南
1
*中学校7名は高等学校と兼務
1
1
13
(私学振興・青少年課調査)
県立芸術文化短期大学における海外語学実習状況
年度
1
計
平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度
国数(ケ国)
5
2
4
5
6
学校数(校)
5
2
4
5
7
学生数(人)
41
33
64
51
49
(県立芸術文化短期大学調査)
- 30 -
(今後の方針)
○大学・高専に在籍する留学生数が人口当たり日本一という本県の優位性を生
かし、外国語の授業や学校行事への留学生の招へい、APUへの1日留学等
あらゆる機会を活用し、小・中学生が毎年必ず一度は外国の文化や価値観に
直接触れる機会を創出することを目指します。
○本県の子ども達が将来、国際人材として活躍できるよう、その基盤となる言
語活動の充実を学校教育全体を通じてしっかりと行っていきます。特に、小
学校では、平成23年度から高学年で外国語活動が行われており、小・中学校
を通じてコミュニケーション能力の育成に資する授業を展開していきます。
○ 各私立学校がALTを活用し、外国語教育の充実や国際感覚の醸成が図れる
よう努めます。
○県立芸術文化短期大学では、ネイティブ教員の活用や海外語学実習の拡充等
により、更なる国際人材の育成を図っていきます。また、海外の大学へ編入
学ができる仕組みづくりにも取り組みます。
○「大分県グローバル人材育成推進会議(仮称)」を立ち上げ、グローバル人
材の育成に向けて、現状・課題等について検討し、取組方針を取りまとめま
す。
○県内高校生の海外留学を支援します。
<トピックス>
大学キャンパスへの1日留学(APU)
小学校での留学生と児童の交流活動
(2)外国の児童生徒等との交流拡大
(高校教育課、義務教育課、文化課、体育保健課、私学
振興・青少年課、国際政策課、観光・地域振興課)
(現状と課題)
児童生徒がスポーツ交流や文化交流を通じて海外の子ども達と直接触れ合う機
会を増やしていくことも大切です。
これまで、韓国忠清南道の高校生との文化・スポーツ交流や、ドイツとのスポ
ーツ少年団同士の交流、姉妹校・姉妹都市協定に基づく交流等、様々なチャンネ
ルを通じて児童生徒の国際理解の増進に努めています。
また、海外からの訪日教育旅行の受入れも有効な交流機会であり、学校とのマ
ッチングを推進するコ ーディネ ータ ーの配置等を通じてその推進を図っています。
今後とも、目的の明確化や交流の意味づけなど事前の準備学習も行いながら、
県内各地域の児童生徒が参加できる、効果の高い国際交流の機会創出に取り組ん
でいく必要があります。
【参考】海外の学校と姉妹校協定を結んでいる県内の学校数
小学校5、中学校7、高校8
(出典:平成24年度版「大分県の国際交流・協力の現状」)
- 31 -
訪日教育旅行受入れの推移
平成22年度
平成23年度
平成24年度
中国
859
75
394
(単位:人)
韓国
1,107
349
971
台湾
78
11
60
シンガポール
106
25
117
その他
計
73
2,223
43
503
304
1,846
(国際政策課調査)
(今後の方針)
○外国の児童生徒との直接交流は、相互の文化や歴史、言語に触れることによ
り、国際的な見識を拡げ、相互理解を深めることに大きな意義があることか
ら、交流校を県内各地域に拡げるなど活動の拡大を進めます。
○公立高等学校では、総合的な学習の時間での「国際理解」や特別活動のホー
ムルーム活動の「国際理解」と「国際交流」において国際理解教育を推進し
ます。
○また、公立小・中学校では、市町村単位で締結している姉妹都市協定等を活
用して交流活動の一層の推進を図り、国際理解教育を充実させていくことに
努めます。
○外国の文化を理解するだけでなく、日本の伝統や文化のよさを深く理解し、
積極的に発信し、相互に理解を深めることが重要です。このため、日本の伝
統文化等に取り組む高校生等の文化交流等、外国の人々の日本文化への理解
の深化につながるような活動を支援します。
○私立学校が、国際理解教育の充実に向け、姉妹校交流活動を積極的に推進す
るよう努めます。
○訪日教育旅行では、引き続きマッチングを担うコーディネーターを配置し、
学校や宿泊施設が受け入れ易い態勢づくりに取り組むとともに、これまで受
入れの実績の多い韓国、中国をはじめ、親日的で訪日旅行の人気が高い台湾
を重点的な対象として誘致活動を進めます。
(3)大学における国際交流・学術交流の促進 (医療政策課、政策企画課)
(現状と課題)
県立看護科学大学では、韓国のソウル大学、アメリカのペース大学及びケース
・ウエスタン・リザーブ大学と姉妹校締結をしており、特にソウル大学とは、お
互いの理解を深めることを目的として平成12年から教員及び学生の相互派遣によ
る交流を積極的に行っています。
そのほか、JICAを通じてモザンビーク共和国の保健省職員や看護教員の研
修を受け入れ、学術交流を図っています。
県立芸術文化短期大学では、江漢大学(中国武漢市)と平成21年に学術交流・
学生交流にかかる協定を締結し、教員及び学生の相互派遣による交流を行ってい
ます。平成23年度からは江漢大学の教員1人を中国語等の専任講師として招へい
しているほか、平成25年度は江漢大学より3人の留学生を受け入れています。
また、平成23年度から毎年、双方で「美術作品合同展」を開催し、芸術面での
交流も進めています。
(今後の方針)
○県立看護科学大学では、姉妹校との国際交流を推進し国外からの研修生や留
学生を積極的に受け入れ、引き続き海外の学生との交流機会の拡大を図りま
す。また、JICA等と協力しながら、看護学の分野で国際的な連携をさら
に推進します。特にアジア地域の医療や看護教育の改善に貢献するため、教
員及び学生の相互派遣、共同研究等を通じて、学術交流を進めていきます。
○県立芸術文化短期大学では、江漢大学との学術交流・学生交流を引き続き推
進するとともに、その他の協定等を締結している大学とのさらなる交流促進
を図っていきます。
- 32 -
(4)県内企業の国際人材の育成 (国際政策課、商工労働企画課)
(現状と課題)
県内企業は内向き志向が強いといわれており、海外ビジネスに取り組む企業は
まだまだ少ない状況にあります。また、関心はあっても海外との商談や取引に対
応できる人材やノウハウが不足しているため、一歩を踏み出せない企業も少なか
らずあるものと思われます。
経済のグローバル化が進み、一方で人口減少等で国内需要の縮小が見込まれる
中、中小企業においても積極的に海外との取引等に取り組むことが重要であり、
これを担う国際人材を育成することが求められています。
(今後の方針)
○ジェトロ等と連携し、県内企業の経営者や従業員を対象にした海外展開セミ
ナーを開催するほか、海外ミッション、海外プロモーション等への参加を促
します。
○県内大学や経済団体との連携のもとで、国際人材の育成を図る県内企業の取
組を支援します。
- 33 -
戦略5
インフラの整備
アジアの活力や人材を取り込むためには、ヒト・モノの交流を更に活発にす
ることが必要です。そのため、交通機関の利便性や宿泊施設でのおもてなしの
向上、観光案内の多言語化など海外からの観光客の受入態勢を整備します。
また、港湾の施設整備や道路整備により国際物流機能の強化を推進します。
(1)外国人観光客に対するおもてなしの向上
①ホテル、旅館等の外国人観光客対応の強化
(観光・地域振興課、商業・サービス業振興課)
(現状と課題)
本県では、別府市を中心とした多くの旅館・ホテル等で、最も多い韓国からの
観光客を対象として、ハングル語表記やウォン両替対応を進めているものの、県
内全域でみれば、言葉の問題や商習慣・生活習慣の違い、ノウハウ不足等から外
国人観光客の受入れをためらう傾向も見受けられます。
このため、観光事業者間でのノウハウなど情報を共有し、おもてなし研修を実
施するなど、外国人観光客受入れに向けた態勢づくりを推進することが必要です。
また、県内に3カ所(大分市、別府市、由布市)のみとなっている日本政府観
光局(JNTO)が認定する「ビジット・ジャパン案内所」の箇所数の増加や、Wi-Fi
環境の整備等、外国人が安心して来県できる条件を整えていくことも重要です。
(今後の方針)
○大分県インバウンド推進連絡会を中心に、情報の収集と共有化を図ることに
よって受入態勢のあり方を検討します。
○外国人観光客に対応できるホテル・旅館を拡大するとともに、商業施設等で
も円滑にコミュニケーションが取れるよう研修会等を実施して啓発を行いま
す。
○海外発行のカードが利用できるATM(現金自動預け払い機)の設置場所等
滞在中に有用な周辺情報の提供を行うよう宿泊施設等に働きかけます。
○ Wi-Fi によるインターネットを通じた情報の取得が可能となるよう、宿泊施
設、観光施設等に働きかけます。
○観光案内所の外国語対応が可能になるよう、ビジット・ジャパン案内所の設
置も含め、県内観光地や観光協会、観光施設に働きかけます。
②特区ガイドの育成 (観光・地域振興課)
(現状と課題)
外国人観光客の増加が見込まれる中、通訳ガイドの確保が課題となっています。
特に大型の国際クルーズ船が寄港する際は、アジアを中心とする海外からの観光
客が一度に2千人から3千人の規模で、県内をバスで周遊するため、外国語の対
応が可能な通訳ガイドの育成が急務となっています。
このため、九州7県及び福岡市で共同申請した「九州アジア観光アイランド総
合特区」が、総合特別区域法における地域活性化総合特別区域計画の認定(平成
25年6月28日)を受けたことにより、平成25年度から中国語及び韓国語の特区ガ
イド(地域活性化総合特別区域通訳案内士)の育成を開始しました。
(今後の方針)
○本県の強みである留学生を活用した特区ガイドの育成を図ります。
○県内観光に精通し、ガイド能力を高めるため、特区ガイド及び通訳案内士の
- 34 -
活躍の機会を増やします。
(2)観光案内等の多言語化促進 (観光・地域振興課、景観・まちづくり室、道路課)
(現状と課題)
外国人への観光案内多言語化の有力なツールとして、スマートフォンの活用が
あります。スマートフォンをかざすと、その方向にある観光施設の情報やそこま
での距離等を多言語で簡単に確認できるようデータ提供を行っています。
また、道路に設置する観光案内については、「大分県観光標識マニュアル」(平
成5年作成)により、そのほとんどが英文表記となっていますが、道路管理者が
設置する標識は地名の記載が多いことからローマ字表記が多く、外国人にわかり
にくいといった課題があります。
(今後の方針)
○道路標識について、国のモデル事業を活用して、外国人観光客や在住外国人
の多い別府市をはじめとして、外国人にわかりやすい道路標識を目指して多
言語表記の改善に取り組みます。
○高速道路を利用して来県する外国人観光客の利便性向上のため、よりわかり
やすい観光案内標識の整備に取り組みます。
(3)公共交通機関(バス、JR)等の利便性向上 (交通政策課、観光・地域振興課)
(現状と課題)
外国人が路線バスを利用しやすくするために、運賃・時刻表検索サイト「バス
なび大分」は多言語化されています。
また、車内アナウンスやバス停留所等の案内表示については、外国人観光客の
多い別府市内で多言語化されていますが、その他の地域においては進んでおらず、
外国人の観光客やビジネス客が移動するにあたって、十分な情報提供が行われて
いません。
一方、大分空港では、平成23年度に多言語表示やユニバーサルデザインに配慮
したアクセスバス案内板が設置され、外国人利用者等の利便性が向上しました。
JR九州では、ホームページ、主要駅や特急列車内における情報提供について
は、多言語化されているものの、それ以外の部分ではあまり進んでいません。
さらに、外国人の多くが利用する福岡空港等からのアクセス改善や、外国に比
して高いとされる公共交通機関に係る経費負担の軽減も必要です。
(今後の方針)
○バス事業者に、バス車内アナウンスやバス停留所標識の更新時における多言
語化を働きかけます。
○JR九州に、駅舎、車両内における情報提供や駅係員による案内の多言語化
を働きかけます。
○福岡空港国際線から県内観光地への直通バスの運行増を働きかけます。
○本県を訪れる外国人の大半が、福岡空港や博多港を利用していることから、
JRと高速バスの九州周遊パスの共通化や高速道路のインバウンド向け料金
割引を働きかけるなど、関係事業者と連携して福岡からの二次交通アクセス
の改善を図ります。
(4)羽田・成田空港を活用した国際線との接続性向上 (交通政策課)
(現状と課題)
現在、大分空港の国際定期路線はソウル線のみですが、今後より多くの観光客
・ビジネス客が県内と海外を往来するには、できるだけ多くの路線を利用できる
環境づくりが必要です。
平成25年3月31日からは、大分-羽田間が1往復増便し1日14往復となり、ま
た、ジェットスター・ジャパンが大分-成田間に新規就航したことから、大分空
- 35 -
港から羽田空港・成田空港を経由して国際線と円滑に乗り継ぎができるよう、利
便性を向上することが課題です。
(今後の方針)
○羽田空港や成田空港で国際線と円滑に乗り継ぎできるよう大分-羽田線、大
分-成田線の維持・充実など、利便性の向上に取り組みます。
○ジェットスター・ジャパンを利用して、成田空港で国際線に乗り継ぐことに
より福岡空港や羽田空港からでは行けない海外の都市へのアクセスが改善さ
れていることを周知するとともに、関西空港で国際線に乗り継ぐことができ
るよう大分-関空線の可能性についても検討します。
(5)国際クルーズ船の別府港受入態勢の整備 (観光・地域振興課、港湾課)
(現状と課題)
平成25年5月には、別府港第4埠頭に新たな上屋が完成するなど、受入態勢の
整備を進めてきました。
別府港は検疫法上の非検疫港であることから、ファーストポートとしての寄港
時における検疫は、大分港で実施後別府港へ入港することとなります。
(今後の方針)
○東アジア地域を中心に国際クルーズ船の増加や大型化が見込まれることか
ら、大分県国際観光船誘致促進協議会を中心として、引き続き、寄港誘致活
動の積極的な展開に併せ、円滑な受入態勢の構築を図ります。
○将来を見据え、国に別府港の検疫港指定を要望するなど、関係機関と連携し
てCIQ(税関、出入国管理、検疫業務)の充実に努めます。
(6)国際物流機能の強化
①港湾施設整備 (商業・サービス業振興課、港湾課)
(現状と課題)
県内の港湾(公共)施設で外貿貨物を取り扱っているのは、中津港、大分港、
佐伯港の3港です。
中津港では、平成16年に水深11m岸壁、水深8m岸壁が供用開始していますが、
外貿貨物は自動車関連企業の欧州市場における新車販売終了により、平成20年の
25.2万フレートトンをピークに下降を辿り、平成24年には1.5万フレートトンに
まで落ち込んでいます。
大分港では、大在コンテナターミナルが、本県産業にとって重要な国際海上物
流拠点として機能しており、釜山航路と上海航路が就航しています。近年、世界
経済の低迷等による影響に加え、門司港や博多港等の県外港とのコンテナ貨物獲
得競争の激化により貨物の取扱量は減少しており、外国航路の便数の減少が懸念
されています。
これは、本県産業の競争力強化を図る上で避けて通れない問題であり、拠点機
能の強化が喫緊の課題となっています。
また、港湾施設使用料について、近隣他港との競争力確保、航路の維持・誘致
の観点から低廉な価格とすることも重要です。
佐伯港では、女島地区で水深14m岸壁を備えた国際物流ターミナルを平成25年
度に供用開始しました。
- 36 -
大分港大在コンテナターミナル貨物取扱量の推移
年
平成16年
平成17年
平成18年
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
輸出
16,666
17,214
19,150
17,582
16,324
14,969
17,128
15,324
15,491
17,706
実入り
輸入
4,870
4,898
5,782
5,984
5,832
5,943
6,150
6,229
6,627
6,818
(単位:TEU(20フィートコンテナ換算))
空コン
合計
計
輸出
輸入
計
21,536
2,067 14,461 16,528 38,064
22,112
3,481 14,340 17,821 39,933
24,932
3,007 16,616 19,623 44,555
23,566
4,116 15,482 19,598 43,164
22,156
3,984 14,384 18,368 40,524
20,912
3,088 12,023 15,111 36,023
23,278
2,915 14,136 17,051 40,329
21,553
3,725 12,560 16,285 37,838
22,118
2,662 10,816 13,478 35,596
24,524
3,056 13,288 16,344 40,868
(㈱大分国際貿易センター調査)
(今後の方針)
○中津港は、平成21年4月に関税法上の開港指定を受けており、直接国外との
輸出・輸入が可能であることから、港湾利用の促進においてもこの環境を活
かした取組を行います。
○大分港のうち大在コンテナターミナルでは、行政と民間の港湾関係者で組織
された大分県ポートセールス実行委員会と連携し、荷主や船社を対象にポー
トセールス活動を行います。
○また、港湾使用料の減額や各種インセンティブ制度を活用し、コスト競争力
の強化を図ります。
○さらに、釜山航路と上海航路の維持・増便や、その他の海外港とを結ぶ新規
航路の誘致などに取り組み、利便性の向上を図ることで、コンテナ貨物の集
荷を促進します。
○佐伯港の水深14m岸壁は5万トン級の大型船舶が着岸可能です。また、平成
26年度には東九州自動車道が宮崎県まで開通し、港湾と高速道路がリンクす
ることで東九州における物流拠点となりうるため、この強みを活かし国際物
流港湾として機能を発揮するようポートセールス活動を行います。
②道路整備 (道路課)
(現状と課題)
世界的な傾向にも見られるとおり、国際標準コンテナによる輸出入は大幅に増
加しています。また、港からの陸上輸送は、そのほとんどを海上コンテナ用セミ
トレーラによっていることから、自動車輸送の役割は非常に大きく、物流を支え
る道路網の形成が重要な課題となっています。
(今後の方針)
○主要な都市間の所要時間の短縮を図り、より効率的な物流ルートを形成する
ため、「東九州自動車道」等の広域交通ネットワークの整備を進めます。
- 37 -
第4章
戦略推進のための共通事項
各戦略は、次の項目を共通的な事項として常に念頭に置き推進するものとします。
1
海外ネットワークづくり (国際政策課)
○卒業後、母国に帰国する留学生は、本県をよく知り本県との架け橋となる貴
重な人材であることから、その中から特に熱意あふれる人物を「めじろん海
外特派員」に任命し、海外情報の提供や本県の情報発信・PR等における協
力を期待します。
○中国湖北省との多方面にわたる交流を進め、経済的メリットを見極めながら
共に発展する関係の構築を図ります。
○現在21ある海外県人会との連携を強化するとともに、新たな海外県人会の設
立に向けた動きがある場合は、その取組を支援します。
2
一体的な情報発信 (国際政策課、観光・地域振興課、工業振興課、産業集積推進室、
商業・サービス業振興課、おおいたブランド推進課、農林水産企画課)
○観光・物産等の海外への売込みでは、本県が誇る日本一の温泉、豊かな食、
農林水産物、加工品に加え、天然自然、地域資源など多様な情報を一体的に
組み合わせて発信します。
○併せて、大分県は自動車や半導体、精密機器など加工組立型産業の製造拠点
がバランス良く立地した高度な産業集積地域であることを海外に向けて発信
します。
○3年にわたる香港プロモーションで築いた人脈を活用し、香港別府麺館を大
分県のアンテナショップとして利用して、本県の食と観光の魅力発信を行い
ます。
3
海外情報の収集による支援(国際政策課、商業・サービス業振興課、行政企画課、人事課)
○MOUを結ぶジェトロ等の関係機関と連携を深め、海外情報の収集・支援に
努めます。
○海外に幅広いネットワークを持つ損害保険会社等との提携により、現地情報
の収集や海外展開に伴うリスク情報の提供など県内企業の海外展開を支援し
ます。
○海外展開の際の問題点や課題解決の方法等に関する情報の共有を図るため、
関係機関と協力しながら企業を主体とした研究会を開催します。
○中国上海に設置している海外事務所を通じて、海外情報の収集や県内企業の
海外展開のサポート等を行います。
○県内企業の海外展開や県産品の輸出、インバウンド等の動向を踏まえ、海外
事務所の今後の配置や在り方について検討します。
4
市町村姉妹都市・友好都市等との連携 (国際政策課)
○現在、県内8の市・町で22の姉妹都市・友好都市提携交流及び交流協定が締
結されていますが、経済、文化、教育など様々な分野における地域活性化に
つなげるため市町村と連携して交流を進めます。
- 38 -
市町村の姉妹都市・友好都市提携の状況
市町村名
名
都 市 名
提携年月日
ポルトガル
国
アベイロ市
昭和53年10月10日
大分市
中国
湖北省武漢市
昭和54年 9月 7日
アメリカ
オースチン市
平成 2年10月30日
韓国
全羅南道木浦市
昭和59年10月 1日
アメリカ
ボーモント市
昭和60年 5月20日
中国
山東省烟台市
昭和60年 7月26日
ニュージーランド
ロトルア市
昭和62年 7月10日
イギリス
バース市
平成 6年10月31日
中国
河北省邯鄲市
平成 6年 4月 3日
別府市
佐伯市
オーストラリア
グラッドストン市
平成 8年 9月 4日
臼杵市
スリランカ
キャンディー市
昭和42年 2月27日
中国
甘粛省敦煌市
平成 6年 9月27日
竹田市
パラグアイ
サンロレンソ市
昭和48年10月28日
ドイツ
バート・クロツィンゲン市
平成16年10月17日
宇佐市
韓国
慶尚北道慶州市
平成 4年 7月 3日
日出町
オーストラリア
ヌーサ市
平成13年 4月 4日
交流協定
市町村名
都 市 名
提携年月日
中国
広東省広州市
平成 9年10月 9日
別府市
韓国
済州道済州市
平成15年 1月17日
佐伯市
アメリカ
ホノルル市
平成15年12月 8日
豊後大野市
韓国
釜山広域市機張郡長安邑
平成15年 9月19日
韓国
全羅北道益山市
平成17年 8月22日
中国
湖北省荊州市荊州区
平成 6年 9月26日
大分市
国
名
5
職員の人材育成 (国際政策課、商業・サービス業振興課、人事課)
○海外戦略を遂行するには、国際施策を立案、実行できる職員を育成するとと
もに、職員の国際感覚の醸成と外国に対する理解を深めることが重要なため、
職員を対象とした語学(会話)研修を実施します。当面は中国語の研修を重
点的に行い、日常会話やビジネスに必要な会話を習得させるとともに、中国
企業・中国人と円滑なコミュニケーションが行えるよう、中国文化・事情・
生活習慣など中国人の考え方、ビジネススタイルなどを学習します。
○中国湖北省の武漢大学への派遣により中国語の研修や中国における人脈形成
等を行います。
○併せて、英語、韓国語についても会話・文化に関する研修を能力別クラスに
より実施します。
6
戦略の推進体制 (国際政策課)
○庁内に「大分県海外戦略推進本部」を設置し、外部有識者にアドバイスをい
ただきながら、全庁挙げて体系的かつ有機的に、柔軟性を持って戦略を推進
します。
○特に、海外戦略アドバイザーには、先駆的な企業経営者を中心にジェトロや
立命館アジア太平洋大学等の学識経験者も加え、戦略の実践にあたっての具
体的な助言や提案をいただき、施策展開に反映させます。
○この戦略の進捗状況については、「大分県海外戦略推進本部」で確認してい
きます。
- 39 -
<推進体制>
大分県海外戦略推進本部
本部長 :知事
副本部長:副知事
本部員 :各部局長、教育長
同
同
幹事会
幹事長:企画振興部審議監
幹 事:各所属長
(海外戦略アドバイザー)
プロジェクトチーム
座
長:国際政策課長
メンバー:関係課特命監、班総括
(アドバイザー)
事務局:国際政策課
- 40 -
先駆的な企業経営者
ジェトロ
立命館アジア太平洋大学
ジェトロ
立命館アジア太平洋大学
大分県上海事務所等
第5章
ターゲットとする国・地域毎の取組内容
1
韓国
①観光
○ブロガー等を活用してリピーター向けに詳細な観光情報を発信します。
○訪問先として人気の高い別府・湯布院だけでなく、他の観光情報についても
現地旅行社に対して提供します。
○東九州自動車道を活用した広域モデルルートを造成し、ソウルと併せて釜山
エリアでも観光客の掘り起こしを行います。
○九州オルレの県内2つのコースを活用した誘客に取り組みます。
②半導体産業
○亀尾中小企業協議会と連携を図りながら、商談会の開催や情報交換など交流
支援を行うことで、部品調達、技術提携、共同製品開発等を推進します。
③農林水産物
○輸出企業への支援やバイヤーの招へい等により丸太・製材品の販路拡大に取
り組みます。
④その他
○毎年最も多くの訪日教育旅行を受け入れており、引き続き学校交流を通じた
児童生徒の国際相互理解を深めるとともに、リピーターや大分のファンづく
りを推進します。
2
中国(本土)
①観光
○九州観光推進機構を中心にした九州一体となったPRに併せ、大分県の情報
発信を行います。
○中国版ツイッター等のSNS等を活用して「日本一のおんせん県おおいた」
をPRします。
○観光交流協定を締結し、地域(政府)間交流を行っている無錫市等からの観
光客誘致を図ります。
○教育旅行や視察旅行等のSIT(Special Interest Tour)の誘致を進めます。
②農林水産物
○輸出企業への支援やバイヤーの招へい等により丸太・製材品の販路拡大に取
り組みます。
○中国の建築関係法令の改正により需要の増加が見込まれる建築部材の販路拡
大に取り組みます。
○今後、水産物の消費拡大が見込まれることから、貿易会社と連携して養殖ブ
リの販路開拓に取り組みます。
③加工品
○上海事務所による情報収集・県内企業等へのサポートや海外見本市等(中国
中部投資貿易博覧会、FHC CHINA 等)への出展に加え、九州各県等との連
携によるフェアの開催、現地に人脈とノウハウを有する貿易会社との連携等
を通じて酒類や調味料等の販路開拓に取り組みます。
④その他
○上海事務所による県人会と留学生OBのネットワーク化を進めるとともに、
湖北省との交流を基盤にしたサービス産業の商談会を同省で開催します。
むしやく
3
香港
①観光
○SNS等を活用した情報発信を行うとともに、グルメツアーやレンタカーを
利用した旅行の提案を行います。
②農林水産物
○贈答用需要が定着している梨や、既に輸出取引のある乾しいたけ、甘しょは、
高級スーパーとの連携等により取引拡大に取り組みます。
○トマトやパプリカ等の新規輸出品目は、市場調査やニーズに合った商品づく
- 41 -
りを行うとともに、高級スーパーとの連携等により販路開拓に取り組みます。
○養殖ブリは、貿易会社との連携等により販路拡大に取り組みます。
③加工品
○海外見本市(香港 FOOD EXPO)への出展や現地に人脈とノウハウを有する
貿易会社等との連携により酒類や調味料等の販路開拓に取り組みます。
④その他
○香港のキーマンと連携し、和食チェーン別府麺館を大分県のアンテナショッ
プとして活用して、食と観光の魅力発信を行います。
4
台湾
①観光
○「日本一のおんせん県おおいた」のPRを強化します。
○現地旅行社に対して旬な観光情報や広域モデルルートの情報提供を行いま
す。
○現地の企業や旅行社に対してインセンティブ旅行の誘致を進めます。
②半導体産業
○台湾電子設備協会と連携を図りながら、商談会の開催や情報交換など交流支
援を行うことで、販路拡大、部品調達、技術提携、共同製品開発等を推進し
ます。
○台湾電子設備協会と共同してセミコンチャイナでの商談会に参加し、中国展
開の足がかりとします。
③農林水産物
○贈答用需要が定着している梨は、中秋節・春節の販売促進により取引拡大に
取り組みます。
○既存の取引関係を活用して新たに甘しょの販路開拓に取り組みます。
○乾しいたけは、貿易会社や高級スーパーとの連携により取引拡大に取り組み
ます。
○養殖ブリは、他の県産品と合わせたPRにより販路開拓に取り組みます。
④その他
○親日的で訪日旅行の人気が高いことから、日本政府観光局(JNTO)と連
携を図りながら、本県への教育旅行誘致に積極的に取り組みます。
5
タイ
①医療産業
○タイの国立病院等に対して日本式の透析システムの普及を図ります。
②観光
○商談会やセールス活動を通じて現地旅行社との関係構築を図り、ツアー造成
を働きかけます。
○果物収穫や花等のタイ人の好みを取り入れたモデルルートを現地旅行社へ提
案します。
○旧正月にあたる4月や学校の長期休暇となる10月の旅行シーズンに合わせた
ツアー造成を働きかけます。
③農林水産物
○プロモーションでのPR等を通じて梨、甘しょの取引拡大や、牛肉の販路開
拓に取り組みます。
○富裕層に高い評価を得ている乾しいたけは、プロモーションや高級料理店等
にターゲットを絞った売込みにより取引拡大に取り組みます。
○養殖ブリは、貿易会社との連携により高級料理店等をターゲットに取引の拡
大を図ります。
④その他
○関係企業と連携し、活動を休止しているタイ県人会の運営体制を支援します。
- 42 -
6
ASEAN諸国(タイを除く。)
①農林水産物(シンガポール、ベトナム、マレーシア、インドネシア)
○梨、甘しょ、養殖ブリ及び農産加工品など県産品一体となったPRにより販
路開拓に取り組みます。
②加工品(シンガポール)
○現地に人脈とノウハウを有する貿易会社等と連携した販売促進により酒類や
調味料等の販路開拓に取り組みます。
③その他(ベトナム)
○関係企業と連携して、ベトナム県人会の立ち上げを支援します。
7
EU
①農林水産物
○有機JAS認証による乾しいたけの販路開拓に取り組みます。
○EU向けHACCP認定により養殖ブリの販路開拓に取り組みます。
8
アメリカ
①農林水産物
○養殖ブリは、貿易会社との連携により取引の拡大を図ります。
②工芸品
○アメリカ市場向け新製品の開発やブランディング等により竹工芸品の販路開
拓に取り組みます。
- 43 -
- 44 -
参
考
資
- 45 -
料
- 46 -
海外戦略の主な実績について
(平成23年度~平成25年度)
1
ものづくり産業の海外展開
半導体産業では、韓国、台湾の企業団体との交流の場づくりから個別企業のビ
ジネスマッチングへと進展し、海外からの原材料調達や海外生産委託など県内企
業の海外展開が図られました。
医療産業では、東九州メディカルバレー構想の1つである「医療技術人材育成
拠点」づくりが着実に進展し、タイを主なターゲットとして取組が進んでいます。
(1)ビジネスマッチングの促進
○半導体産業
(韓国)
・亀尾中小企業協議会とのMOU締結(H25年10月)、相互ミッション派遣
(台湾)
・台湾電子設備協会とのMOU締結(H23年11月)、相互ミッション派遣
・現地企業との製造委託契約など6件締結
○ものづくり全般
(台湾)
・台湾金属工業研究発展中心とのMOU締結(H25年10月)、相互ミッショ
ン派遣
(2)東九州メディカルバレー構想の推進(医療産業)
○日本式透析システムの普及を図るため、JICAやジェトロと連携してタイ
をはじめとする東南アジア等の政府高官、病院幹部を本県に招へい(H25年5
月、6月)
2
県産品の輸出拡大
香港における3年にわたるプロモーションをはじめ、品目毎にターゲットを絞
った売込みに取り組んだ結果、現地での取引関係や人間関係が構築され、新たな
販路開拓や取引拡大につながりました。
(1)農林水産物 <H22→H24>
○梨:台湾を中心に取引拡大(77t → 124t)
○かんしょ:タイ、香港で取引拡大(0t → 3.5t)
○牛肉:県内食肉処理施設からタイ向け初輸出(H25年6月)
○乾しいたけ:香港を中心に取引拡大(95kg → 451kg)
○丸太:韓国を中心に取引拡大 (6,215 (H23) → 9,618 )
○製材品:為替の影響を受け取引量減少
○養殖ブリ:北米に加えタイ等東南アジア向け販路拡大
(2)加工品 <H22→H24>
○酒類(焼酎)
・韓国、台湾を中心に取引拡大(30,209L→39,920L)
○酒類(リキュール)
・香港、台湾を中心に取引拡大(9,023L→15,481L)
○調味料等(しょうゆ、ドレッシング等)
・香港を中心に取引拡大(3,000L→13,800L)
- 47 -
3
国際観光の振興
外国人観光客は、東日本大震災や福島第一原発事故の影響で平成23年度は大き
く落ち込んだものの、観光庁や九州観光推進機構等と連携して本県の安全安心情
報の発信や観光PRを積極的に展開した結果、翌年には回復傾向を見せ、特に台
湾からの観光客は大きく伸びています。
また、近年では円安やビザの発給要件緩和等によりタイをはじめとするASE
AN諸国からの観光客が大きく増加しています。
(1)海外からの宿泊客数
国・地域
韓国
中国(本土)
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
伸び率(H25/H22)
291,787人
164,994人
194,182人
211,910人
-27.3%
9,582人
9,650人
12,690人
11,333人
18.3%
香港
4,425人
9,255人
11,388人
18,339人
314.4%
台湾
19,264人
15,380人
31,564人
44,095人
128.9%
その他アジア
20,683人
15,363人
18,957人
22,088人
6.8%
その他外国
18,946人
11,063人
11,632人
14,429人
-23.8%
364,687人
225,705人
280,413人
322,194人
-11.7%
-38.1%
24.2%
14.9%
計
対前年比伸び率
(大分県観光統計調査)
(2)国際クルーズ船の受入れ
○平成23年度
・中国発着「レジェンド・オブ・ザ・シーズ(7万t級)」4回 約7,000人
・韓国発着「クラブ・ハーモニー(2.5万t級)」2回 約200人
○平成24年度
・中国発着「レジェンド・オブ・ザ・シーズ(7万t級)」8回 約15,000人
・韓国発着「クラブ・ハーモニー(2.5万t級)」17回 約7,000人
・カナダ発フランス着「アマデア(2.9万t級)」1回 約500人
・船の大型化への対応:14万t級クルーズ船に対応した別府港の整備
○平成25年度
・国内発着「サン・プリンセス(7.7万t級)」1回 約1,250人
(3)国際線との接続性向上
○LCC(格安航空会社)の就航
・ジェットスター・ジャパン「大分~成田」線(H25.3.31~)
4
重点国・地域との連携強化
香港プロモーションによる現地業者との関係づくりや、中国湖北省との幅広い
交流に向けた基盤づくりなど、様々な面で海外展開の足がかりづくりが進みまし
た。
(1)県産品と観光の一体的なプロモーションの実施(新たな取引先の発掘)
○香港プロモーション(H23~H25年度)
○タイテストプロモーション(H25年度)
(2)中国湖北省との交流促進
○平成23年度 知事が湖北省へ公式訪問
○平成24年度 湖北省より楊松政治協商会議主席が来県
○平成25年度 県職員及び湖北省政府職員との相互研修交流が開始
- 48 -
(3)キーマン、海外県人会等の海外ネットワークの強化
○キーマン(海外戦略の推進に有用な人物)との人脈形成
・香港:呂惠光氏(別府集団副主席:和食料理店を香港等でチェーン展開)
・香港:袁文英氏(EGLツアーズ社長:日本向け送客数で香港業界首位)
○めじろん海外特派員
上海、湖北省、韓国、ベトナム等の留学生OB等から15人任命(H26年2月
末現在)
○海外県人会
ニュース・レター(What's up, OITA!)の定期配信等により関係づくりが
推進
5
国際人材の育成・確保
人口あたり日本一の数を誇る留学生を活用して小学生の国際交流活動を推進す
るなど、人材の国際化に取り組んできました。
また、留学生の県内就職を進めるため、県内企業と留学生の相互理解を深める
取組を行ってきました。
(1)小学生と留学生等との交流促進(H23~H25年度の実績)
○大学キャンパスへの一日留学(延べ48校で実施)
○学校への招へいによる留学生等との交流(延べ106校で実施)
(2)高校生の海外留学支援
○海外留学希望者(3人)に対して支援金を給付(H25年度)
(3)外国人留学生の就職支援(※H25年度は大学コンソーシアムおおいたが実施)
○「企業と留学生の交流フェア」の開催
平成23年度 ブース出展企業 30社 参加留学生 200人
平成24年度 ブース出展企業 34社 参加留学生 150人
平成25年度 ブース出展企業 13社 参加留学生 49人
- 49 -
- 50 -
ベトナム
タイ
インドネシア
台湾
アメリカ合衆国
ネパール
スリランカ
3
4
5
6
7
8
9
21
20
17
15
12
11
11
10
12 マレーシア
14 モンゴル
15 インド
16 フィリピン
17 フランス
18 ボツワナ
18 シンガポール
20 カナダ
9
32
12 ウズベキスタン
21 ノルウェー
38
45
46
49
67
82
158
173
212
840
留学生数
1,536
11 バングラデシュ
10 ミャンマー連邦共和国
韓国
2
順位
国・地域
1 中国
40 モンテネグロ
40 リトアニア
40 ルーマニア
35 アフガニスタン
35 エチオピア
35 ケニア
35 タンザニア
35 ナイジェリア
32 ジンバブエ
32 フィンランド
32 英国
30 オーストラリア
30 トンガ
29 ドイツ
25 カンボジア
25 キルギス
25 タジキスタン
25 メキシコ
23 サウジアラビア
23 パキスタン
順位
国・地域
21 ガーナ
2
2
2
3
3
3
3
3
4
4
4
5
5
6
7
7
7
7
8
8
留学生数
9
パプアニューギニア
57 ブラジル
57 ブルガリア
57 ペルー
57 ベルギー
57 マラウイ
57 モルドバ
57 ロシア
40 アラブ首長国連邦
40 ウガンダ
40 エストニア
40 ガイアナ
40 キューバ
40 シエラレオネ
40 スイス
40 ソロモン諸島
40 デンマーク
40 ニュージーランド
40
40 ハンガリー
40 ブルネイ
順位
国・地域
40 モザンビーク
1
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
留学生数
2
平成24年度 大分県国・地域別留学生数
アンティグア・バーブーダ
57 アルゼンチン
計
84ヵ国・地域
57
57 イタリア
57 イラン
57 ウクライナ
57 エクアドル
57 オランダ
57 カメルーン
57 ギリシャ
57 クウェート
57 クロアチア
57 コスタリカ
57 コロンビア
57 シリア
57 スウェーデン
57 チリ
57 ツバル
57 トルクメニスタン
57 ニカラグア
57 フィジー
順位
国・地域
57 ブータン
1
3,562
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
留学生数
1
平成24年5月1日現在
- 51 -
・県立美術館等による芸術文化ゾーンを
中心とした海外との芸術文化の交流促進
戦略5 インフラの整備
(3) 外国人が住みやすい地域づくり
(4) 外国人の人権・子どもの教育環境
(5) 外国人への医療・防災対策
戦略推進のための共通事項
(5) 国際交流・国際貢献の促進
・エコパーク登録への取組や、世界農業遺
産等を通じた地域の活性化や情報発信
連携
新 (4) UNESCO、FAO等の国際機関との
を通じた国際交流
新 (3) 国東半島・宇佐地域の世界農業遺産
・留学生を活用した大分の海外向け情報発信
・留学生の県内就職の促進
強 (2) スポーツ交流の促進
新 (2) 留学生の受入促進
・東京オリンピック・パラリンピックの事前
・本県での留学生活の魅力を海外に発信
キャンプ等の誘致に向けた情報収集
の活用
戦略3 芸術文化・スポーツ・
国際交流の促進
強 (1) 芸術文化交流の促進
強 :取組を強化したもの
(6) 国際物流機能の強化(港湾、道路)
強 (1) 外国人観光客に対するおもてなしの向上 新 (1) 海外ネットワークづくり
・おもてなし研修やWi-Fi整備の働きかけ
・留学生OBと海外県人会との連携を強化
・留学生を活用した特区ガイドの育成
(2) 一体的な情報発信
(2) 外国の児童生徒等との交流拡大
強 (2) 観光案内等の多言語化促進
新 (3) 海外情報の収集による支援
・道路標識の多言語表記の改善等
(3) 大学における国際交流・学術交流の
・MOUを結ぶジェトロ等との連携強化によ
強 (3) 公共交通機関(バス、JR)等の利便性向上
促進
る海外展開支援
・高速道路料金のインバウンド割引を働きかけ
新 (4) 県内企業の国際人材の育成
(4) 市町村姉妹都市・友好都市等との連携
(4)
羽田・成田空港を活用した国際線との接続向上
・大学と連携した企業の国際人材育成支援
(5) 職員の人材育成
(5) 国際クルーズ船の別府港受入態勢の整備 (6) 戦略の推進体制
強 (1) 世界に通用する青少年の育成
・大分県グローバル人材育成推進会議
(仮称)の立上げ
戦略4 国際人材の育成
・「日本一のおんせん県」による情報発信等
・韓国、台湾、タイ、香港からの誘客強化
(5) 企業の海外展開支援とリスク対応
強 (6) 国際観光の振興
・豊富な現地情報を持つ海外企業との連携
強 (4) 加工品・工芸品の輸出強化
戦略2 アジアの人材を取り込む
強 (1) 留学生等に対する支援とその能力
・HACCPや有機JAS認証取得による販路開拓
・海外輸出に対応した食肉処理施設の整備
新 (2) サービス産業の海外展開支援
・ジェトロ等と連携した商談会の開催等
強 (3) 農林水産物の輸出強化
・半導体:台湾企業団体と連携した中国展開
・医療産業:タイへ日本式透析システムを普及
づくりと海外展開支援
強 (1) グローバルなものづくり産業の拠点
戦略1 アジアの活力を取り込む
新 :新規の取組
大分県海外戦略改定の主なポイント
大分県海外戦略の改定のポイント
新
…新規のもの
強
…取組を強化したもの
項 目
ポイント(主要な取組等)
戦略1 アジアの活力を取り込む
強 (1)グローバルなものづくり産業の拠点づくりと海外展開支援
①ものづくり産業全般
新
強
強
強
○海外市場の動向調査や製品開発、販路開拓等への支援
○原材料等を海外に求める企業に対する必要な情報の提供
強 ②アジアと連携した半導体産業の展開
強
○台湾や韓国の企業団体と連携した販路拡大・部品調達等
新
○台湾の企業団体との共同による中国市場への展開
強 ③東九州メディカルバレー構想等医療産業の推進 新
○タイの病院等に対する日本式透析システムの普及促進
新
○リハビリ用ロボットスーツを活用した機能回復訓練による
アジアの富裕層の誘客
<その他>
自動車産業
○関係機関との連携による海外展開情報の収集と提供
次世代電磁力
○電磁力によるイノベーションを全国・世界へと展開
○国際競争力強化に向けたコンビナート立地企業間の連携促進
基礎素材型産業
新
○ジェトロ等と連携したミッション派遣、商談会の開催等による
(2)サービス産業の海外展開支援
サービス産業の海外展開を推進
(3)農林水産物の輸出強化
新 ①グローバル化に対応した農林水産業の振興 新
○HACCPや有機JAS認証取得等による安全安心な商品づくり
新
○海外輸出に対応した食肉処理施設の整備
新
②輸出促進の具体的な取組
○タイをターゲットとした販路開拓(畜産物)
新
○高級料理店等への売込みの強化(乾しいたけ、水産物)
新
○需要増加が見込まれる中国向け輸出強化(丸太・製材品)
新
○九州一体となった農林水産物の輸出の動きを促進
(4)加工品・工芸品の輸出強化
新
①加工品
○豊富な現地情報を持つ海外企業との連携による販路拡大
②工芸品
○海外展示会等の情報提供等による竹工芸品の海外進出支援
(5)企業の海外展開支援とリスク対応
①関係機関等との連携
○海外展開に有用な情報や機会を積極的に提供
○関係機関との連携による海外展開に関する相談窓口機能の整備
②情報支援・リスク対応と金融支援
○「海外展開支援融資(県制度資金)」による支援
(6)国際観光の振興 (ツーリズム戦略策定に合わせたインバウンド対策の強化)
新
①誘客・情報発信の充実
○「日本一のおんせん県おおいた」による情報発信や誘客活
動を展開
○九州観光機構や九州各県と連携した九州一体となったPR
②国・地域別の戦略
新
○韓国、台湾、タイ、香港に対する誘客を重点的に展開
○中国等は九州各県等との連携事業を中心に誘客を実施
③団体誘客の推進
新
<MICEの誘致>
○大分県MICE誘致推進協議会による情報収集や誘致活動
<国際クルーズ船の誘致>
○関係市町と連携した受入態勢の充実
戦略推進のための共通事項
1 海外ネットワークづくり
2 一体的な情報発信
新
3 海外情報の収集による支援
4 市町村姉妹都市・友好都市等との連携
5 職員の人材育成
6 戦略の推進体制
新
新
○留学生OB、海外県人会、湖北省、関係企業等との連携強化
○部局連携した海外プロモーションの実施
新
○MOUを結ぶジェトロ等との連携強化による海外展開支援
○様々な分野での地域活性化を図るため市町村との連携促進
○職員の語学力向上と中国湖北省での中国語修得・人脈形成
○大分県海外戦略推進本部の設置と民間アドバイザーの活用
- 52 -
項 目
戦略2 アジアの人材を取り込む
強 (1)留学生等に対する支援とその能力の活用
①留学生活に対する支援
新 ②地域活動等の促進
強 ③留学生を含めた外国人材の活用
ポイント(主要な取組等)
○留学生に対する奨学金給付や住宅保証による支援
新
○留学生を活用した大分県の海外向け情報発信
強
○留学生の県内就職の促進(企業とのマッチング、活用事例
集による普及)
新 (2)留学生の受入促進
(3)外国人が住みやすい地域づくり
①多文化共生の地域づくり
②ユニバーサルデザイン
(4)外国人の人権・子どもの教育環境
①地域社会への意識啓発
②外国人児童生徒の教育環境の充実
(5)外国人への医療・防災対策
①医療対応の円滑化
②防災対策
戦略3 芸術文化・スポーツ・国際交流の促進
強 (1)芸術文化交流の促進
新 ①県立美術館と県立総合文化センター
②地域に根ざした世界に発信する芸術文化イベント
新
○本県での留学生活の魅力や優位性を広く情報発信
○在住外国人に対する支援や県民の国際理解を促進
○外国人を含むすべての人にやさしいまちづくりを推進
○外国人の人権に関する研修講師の養成
○外国人児童生徒の日本の学校への円滑な適応を支援
○おおいた医療情報ほっとネットの多言語化による閲覧を実施
○災害時に備えた通訳ボランティアの育成とネットワーク化
新
○芸術文化ゾーンを中心とした海外との芸術文化の交流を促進
○様々な芸術文化イベントを通した大分の魅力発信
強 (2)スポーツ交流の促進
①大分国際車いすマラソン大会
②別府大分毎日マラソン大会
新 ③2020年東京オリンピック・パラリンピック等への対応
新 (3)国東半島・宇佐地域の世界農業遺産を通じた国際交流
新 (4)UNESCO、FAO等の国際機関との連携
(5)国際交流・国際貢献の促進
①国際交流
②福祉分野での国際貢献
戦略4 国際人材の育成
強 (1)世界に通用する青少年の育成
(2)外国の児童生徒等との交流拡大
(3)大学における国際交流・学術交流の促進
新 (4)県内企業の国際人材の育成
○外国人選手にとって魅力的で参加してもらえる大会運営
○より多くの外国人が参加するための多言語による魅力発信
新
○事前キャンプ等の誘致に向けた情報収集
新
○世界農業遺産の情報発信と地域の食材・食文化のPR
新
○ 海外での県産品と合わせたPR
新
○地域アイデンティティの醸成や世界に向けた情報発信
○国際交流団体の支援を通じた県民の国際理解の促進
○障がい者スポーツの普及を通じた草の根レベルの国際貢献
新
○大分県グローバル人材育成推進会議(仮称)の立ち上げ
○県内高校生の海外留学を支援
○国際理解教育の推進
○訪日教育旅行のコーディネート機能の充実、受入態勢整備
○姉妹校、協定締結校との国際交流、学術交流を推進
新
○大学と連携した企業の国際人材育成を支援
戦略5 インフラの整備
強 (1)外国人観光客に対するおもてなしの向上
強 ①ホテル、旅館等の外国人観光客対応の強化 新
○インバウンド推進連絡会を中心にした受入態勢の検討
新
○宿泊施設等に対してWi-Fi環境整備を働きかけ
新 ②特区ガイドの育成
新
○留学生を活用した特区ガイドの育成
強 (2)観光案内等の多言語化促進
新
○外国人にわかりやすいよう道路標識の多言語表記の推進
○空港アクセスバスやJR九州の案内等の多言語化の促進
強 (3)公共交通機関(バス、JR)の利便性向上
新
○福岡空港国際線からの直通バスの運行増を働きかけ
新
○JRと高速バスの周遊パスの共通化や高速道路料金のイン
バウンド向け割引を働きかけ
(4)羽田・成田空港を活用した国際線との接続性向上 ○羽田や成田空港で円滑に国際便と乗り継げる路線の維持・充実
(5)国際クルーズ船の別府港受入態勢の整備
(6)国際物流機能の強化
①港湾施設整備
②道路整備
○CIQの充実等、円滑な受入態勢の構築
○大在コンテナターミナルのコスト競争力強化
○国際物流機能強化に向けた広域交通ネットワークの整備
- 53 -
- 54 -
中国
1億2,710万人 13億8,560万人
日本
720万人
香港
4,930万人
韓国
2,332万人
台湾
6,700万人
タイ
2,970万人
9,840万人
540万人
インドネシア マレーシア フィリピン シンガポール
9,170万人 2億4,990万人
ベトナム
4.4%
4.4%
3.0%
1.5%
36,676ドル
4.0%
3.7%
2.8%
2.0%
22,589ドル
3.9%
3.8%
2.2%
1.3%
20,356ドル
5.0%
5.2%
3.1%
6.5%
5,390ドル
5.4%
5.4%
5.3%
5.2%
1,753ドル
6.0%
5.5%
5.3%
6.2%
3,594ドル
5.2%
4.9%
4.7%
5.6%
10,345ドル
1,516億ドル
186億ドル
389億ドル
190億ドル
235億ドル
135億ドル
301億ドル
269億ドル
―
1,778億ドル
402億ドル
644億ドル
476億ドル
496億ドル
116億ドル
228億ドル
202億ドル
8,886億ドル 1兆8,184億ドル 5,044億ドル 5,195億ドル 2,705億ドル 2,476億ドル 1,143億ドル 1,917億ドル 1,966億ドル
―
8,013億ドル 2兆487億ドル 4,428億ドル 5,481億ドル 3,012億ドル 2,295億ドル 1,446億ドル 1,900億ドル 2,273億ドル
7.3%
7.5%
7.6%
7.7%
6,071ドル
3.6%
3.4%
3.5%
1.3%
52,052ドル
181億ドル
64億ドル
236億ドル
621億ドル 3,797億ドル
99億ドル
521億ドル 4,084億ドル
5.5%
6.0%
6.8%
6.8%
2,612ドル
(注1)①人口は国連人口基金が作成した『世界人口白書2013』の数値を引用。ただし台湾については記載がないため、外務省HPから引用した。
②GDP及びGDP成長率については、IMFの『World Economic Outlook Database, October 2013』から引用。
※名目GDP総額中、ベトナムについては推計値。
※「1人あたりGDP(名目)(2012年実績)」中、韓国、ベトナム、インドネシア、フィリピンについては推計値。
※「実質GDP成長率(2012年実績)」中、ベトナムについては推計値。
※「実質GDP成長率(2014年見通し)」及び「実質GDP成長率(2015年見通し)」中、日本、中国については
『World Economic Outlook UPDATE』(2014.1.21)のデータを使用。
③輸出入額は、ジェトロのHPから引用。いずれも2012年数値。
対日輸入額
輸 入 額
対日輸出額
輸 出 額
1.0%
〃
(2015年見通し)
2.0%
〃
(2013年見通し)
1.7%
2.0%
実質GDP成長率
(2012年実績)
〃
(2014年見通し)
46,707ドル
1人あたり
GDP(名目)
(2012年実績)
名目GDP総額
5兆9,603億ドル 8兆2,210億ドル 2,633億ドル 1兆1,295億ドル 4,741億ドル 3,660億ドル 1,556億ドル 8,785億ドル 3,047億ドル 2,502億ドル 2,765億ドル
(2012年実績)
人 口
項目
アジア各国の経済情勢等
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