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熱的性質の試験・評価法

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熱的性質の試験・評価法
・・べ’’’.
プラスチ・ 材料砂各動特性の
誠験法と評価締果
タ
〈〉
虜」
安田 武夫*
2.プラスチックの各種試験
方法(続き)
2−5.熱的性質の試験・評価法(1)
2−5−1、はじめに
プラスチック材料の熱的性質
表1プラスチックの熱的性質の分類
グループ分け
熱の移動(伝導)
比 熱
比熱一温度関係特性
理的性質(熱的 熱 伝 導
熱伝導率
熱伝導率一温度関係特性
物性)
(Thermalproperties)という言葉に
比 容
線膨張係数(熱膨張率)
線膨張係数一温度関係特性
熱伝導率,熱膨張率などの物理定数
変化に伴うガラス転移,軟化,溶融
比容横(比容)
比容積一温度関係特性
熱膨張・収縮
ている。表1に示すように,比熱,
ものをはじめ,プラスチックの温度
比 熱
速さに関する物
はきわめて広い範囲のものが含まれ
(その物質に固有な一定の数値)的な
測定される特性値
物性の種類
温度変化に伴う
転 移
ガラス転移点
状態の変化(固
ガラス転移
結晶融点
化,軟化,溶融
融 解
等相の変化)
結 晶 化
結晶化温度
(これらは比熱,熱伝導率,比容穫,熱膨張係数,
屈折率等の温度関係特性より求める〕
(流動),縞晶化などの物理的な変化,
これに伴って現れる外観や形状,寸
流 動 性
粘度一温度関係特性
法の変化(熱変形),あるいは機械的
(成形特性)
せん断力一温度特性
メルトフローレート (MFR)
性質や電気的性質の劣化等を含む一
流動量(流動長さ,重量〕一温度関係特性
連の広義の物理的な変化が含まれ
その他の成形特性
る。このほかに,温度上昇に伴って
温度変化に
耐熱変形性
起こる化学的性質の劣化も含まれ
対する形
そり,曲がり,
る。さらに,プラスチックが火炎(ほ
状・寸法の
ねじれ
のお)にさらされたときの抵抗性で
抵抗性
ある耐燃性も広い意味では熱的性質
比べてこれらの状態変化や物1生変化
(劣化)を生ずる温度がはるかに低
く,またその温度範囲が狭いことが
この材料の大きい特徴である。しか
し,一方においては,プラスチック
の成形加工は,ほとんどのものがこ
}TakeoYASUDA,安田ボリマーリサーチ
研究所所長
耐 機械的性質
熱
性
ビカット軟化温度
クラッシュバーグ柔軟温度
寸法変化
線膨張係数(熱膨張率〕
(温度変化による〕
加熱収縮率,加熱減量
結晶化度(硬化度〕一温度関係特性
に入る。
プラスチック材料は,金属材料に
荷重たわみ温度(熱変形温度〕
機械的性質の変化 機械的性質一温度特性(耐熱性〕
低温脆化温度(耐寒性〕
その他の物
1 1 ■ ■ ■ 1 ■ ’ 1 1 1 ■ 1 1 ■ ■ ■ ’ 一 一 ■
■■■’’I11■■■■111I l■1■’一111■■■’11■■11■一111−1■■■■’一1■111■■■
性の抵抗性 電気的性質その他 各種物性一温度特性
の物性の変化
温度変化に
外観変化
l I ■ ■ ■ ■ 一 ’ 1 1 1 1 1 ■ ■ ■ ■ ■ 1 1
対する化学 熱安定性
的な抵抗性 耐薬晶性(劣化〕
ふくれ,ひび割れ,変色,透明度そう失
■1’111■■■■一11一■■■■■’■11■■■1’111I■■■一一11■I■■■■’11I l■■■■■1
熱分解温度,加熱減量
硬化(キュア〕
耐 熱 性 燃 焼 性
外観劣化,燃焼速さその他
〒168−0082東京都杉並区久我山4−24−7
Vo1.51,No.12
125
描いていくと,ある温度におい
16.50
密
度
ポ
」P
ポン
リ
エ
チ
燕
レ
埠
ン
て急激に曲線の形に変化を示す
冒
点が現れ,これによって転移点
o
リ
低工
密チ
度レ
bo
2−5−3.比熱
ポ
リ
ブ
ロ
ピ
約
レ’
ン
ときに必要な熱量(カロリー)
2030405060708090100110120130
の大小を左右する。すなわち,
分子量a:6,IOO,b:58,700,c:33,OOO
図2 ポリスチレンの比容一温度曲線図帥
’ 1
図1
†印は融解の始まる温度を示す
比熱の大小はこれを加熱する
串
温 度(℃)
3.I8
2.50
40 60 80 100120140I60180
湿 度(℃〕
を知ることができる1〕。
ポリプロピレン
およびポリエチレ
ある物体の単位重量(ユg)の熱
容量を比熱(speci丘c heat)と呼
び,一般にはその物体の温度を
1℃高めるのに必要な熱量(kJ/
ンの比熱_温度特 (kg・K))舳として表され乱比熱の値はその測定温度
性曲線刮 により異なるが,常用温度付近におけるプラスチツク
の比熱は大部分のものが1.05∼2.09(kJ/kg・K)糊の
範囲に入っており,一般に結晶性樹脂のほうが非結晶
のような熱的性質を上手に利用したもので,またその
性樹脂よりも高い値を示す傾向にある。
ような意味において熱的性質の基本的な相違に基づ
たとえぱ,ボリカーボネートの実用温度範囲での比
き,熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂の二大グループの区
熱は1.ユ∼1.2(kJ/(kg・K))であるが,結晶性樹脂の
別ができているわけである1〕。
うちでもポリエチレン(高密度)やポリプロピレンは
比熱が高い方に属し,それぞれ2.30,1.93(kJ/kg・K)
このようにプラスチックの熱的性質は,その材料の
もっとも本質的な姿の一面を示すものであり,いろい
の値を示す。結晶性樹脂の比熱一温度特性曲線におい
ろな物性の土台となる重要な性質である。したがって,
て(図1),曲線が水平より上向きに折れ曲がりはじめ
言葉を変えれば,常温より高い温度における種々の状
る点は結晶の融解が始まる点であり,曲線のピーク
(峰)部分は結晶の融点で,ここで多量の熱量を吸収す
態変化や物性の変化に抵抗する性質,すなわち,耐熱
性の表現には,後述のように各種の尺度があるが,耐
ることを意味する。融解の始まる点(温度)の高いほ
熱性はプラスチック製品の応用上もっとも大切な性質
ど高い温度まで機械的性質が保持され,また寸法安定
の一つである。
性もよいことになる1〕。
それでは,プラスチックの熱的性質について項目別
2−5−4.熱伝導
に述べていきたい1〕。
プラスチックは一般的に良好な熱絶縁材料として使
2−5−2.各種熱的性質
われている。たとえば,アフターべ一キングや熱処理
比熱,熱伝導率,熱膨張係数,比容積などはいずれ
(アニーリング)などの必要性によりこれを外部から加
もその物体の熱の移動性(熱伝導)に関係するもので
熱しようとするとき,樹脂の内部温度は急速に一様に
あり,一般には熱的性質と呼ぱれている。プラスチッ
上昇しないで全体が均一に加熱されるにはかなりの時
クを加熱すると,温度上昇に伴い性質が変化するが,
問がかか芦。この熱伝導の速さは,そのプラスチック
ある温度を境に急激に変化することがある。これを転
材料の比熱ξ密度,すなわち熱容量(比熱×密度)の
移(tranSitiOn)と呼ぶが,前記のいろいろな熱的性質
大きさと材料の固有の性質である熱伝導率によって決
はこのような転移点を知るうえで重要な手掛かりとな
まる。プラスチックの熱伝導率は]般に温度によって
あまり大きな差は示さないが,結晶性樹脂の場合には
比熱やその他の熱的性質は,一般に一定の値をもっ
温度の上昇とともにいくぶん減少する傾向を示す1〕。
る。
た係数として取り扱われているが,厳密には各温度に
2−5−5.比容(比容積),熱膨張率
密度(kg/m茗,g/cm筥)の逆数,すなわち単位重量当
おいてそれぞれ異なった値を示すものである。したが
って,これらの係数を各温度に対して測定して曲線を
たりの物体の占める容積(mヨ/kg)(cm茗/g)を比容と
杣1ユca1/(g・℃)=1.18605kJノ(kg・K)
1kJノ(kg・K)=O・23889calノ(g・℃〕
呼ぶ。比容の温度変化が熱膨張率(coe冊cient ofther−
ma1expanSion)である。プラスチックの比容の値は温
蜆:1・05∼2,09kJ/(kg・K)=O.251∼o.499cal/(g“C〕
度とともに著しく変化するが,結晶性樹脂の場合には
ユ26
プラスチックス
比容一温度特性曲線は特異な形状を示す。たとえば,
ラス転移点付近で使用する場合,プラスチック材料の
ポリエチレンの場合,温度の上昇とともに結晶の溶解
機械的性質がわずかな温度変化により著しく変わって
がはじまり,これとともに比容が急激に増加し,ある
問題を起こす場合があるためこのようなことは避ける
点(結晶融点)からは温度にほぼ正比例して増大する。
べきである。
これらのことは結晶性樹脂が冷却固化する際に結晶化
また結晶性高分子(たとえぱ,ポリエチレン)は加
温度(結晶融点よりやや低い)より急速に比容が減少
熱により軟化するが,ある温度(融点)に達すれぱ融
し,結晶性樹脂が一般に大きな成形収縮率を示す原因
解する。反対に融解したプラスチックを冷却するとあ
となっている。非結晶性樹脂の場合にも比容一温度特
る温度(結晶化温度)からは結晶化が始まって固化し
性曲線に特異な点(ガラス転移点)が現れるものがあ
ていく(結晶化の始まる温度は融解する温度に比べて
もイ氏い) 1〕。
る。
これらの特性を測定するには上述した諸物性の温度
たとえば,図2はボリスチレンの場合を示すもので,
図のように曲線に折れ曲がりがある。これは低温側で
変化をみることや熱分析による方法が行われている。
はガラス状の固体であったものが,高温側に移った際,
これらのもの関連すると思われるJISは,以下のと
ある点で急にゴム状の流動体になったためである。こ
おりである。
のように無定形高分子物質が温度の上昇によりガラス
①JISK7ユ20■1w・2〕(プラスチックの熱重量測定方
状の固体からゴム状の状態に移る温度を転移点と呼ん
法)
でいる1〕。
②JISK712ユ■1w・宣〕(プラスチックの転移温度測定
方法)
熱膨張係数は前述のように比容の温度変化をいうも
③JISK7122■1w’4〕(プラスチックの転移熱測定方
ので,したがって体積膨張率を意味するものであるが,
等方性物体では体積膨張率(α)と長さ方向の膨張率,
法)
すなわち線膨張係数(β)との間ではα≒3βという関
④JISK7123■’舳〕(プラスチックの比熱容量測定
係が成立することが知られている。プラスチックの線
膨張係数は金属材料と比べて数倍大きいが(後述),熱
いずれも,熱分析による方法である。
可塑性樹脂の線膨張係数は熱硬化性樹脂に比べて一般
使用する装置は,①が熱天秤,②から④は,DSC(示
に大きな値を示す。
差走査熱容量測定機)である。詳細は,原典を参照願
方法)
しかし,熱可塑性樹脂でもガラス繊維などを充填し
いたいが,簡単に測定される項目について述べる。
たもの(FRTP)はガラス繊維等の含有量とともに膨張
係数が著し.く小さくなる’〕。
①は,プラスチックを一定速度で温度上昇させた場
合に起こる現象(たとえぱ熱分解など)による重量変
2−5−6.転 移
化の測定を規定したもので,プラスチックの加熱した
際の熱安定性をみることができるものである。
プラスチック材料を加熱するとまず軟化してゴム状
②は,プラスチックの転移温度(融解温度,結晶化
の弾性を示す状態となり,さらに加熱を続けると弾性
を失って粘い流動状態(液相)となり,なお温度
を高めれぱついには分解(熱分解)を起こすよう
になる。
ガラス状態
無定形高分子,たとえぱボリスチレンのような セ
結晶化した部分をもたない非結晶性樹脂が,低温
でガラス状の脆い状態から,高温で柔らかくてゴ
ム状弾性を示す状態に移ることをガラス転移と呼
び,このような状態変化をガラス転移点またはガ
ラス転移温度と呼んでいる。ガラス転移という言
鰹
目
{
’o
同
b0
0
斡
劃
鉦
約
転移領域
ゴム状態
ゴム状流動状態
葉は,もともと高温で柔らかい高分子が冷却固化
液状流醐状態
してガラス化することを意味するものである。こ
のガラス転移点を境にして,弾性率(亙)は,著しく
変化し(図3),温度一体積(図4),温度一屈折率
60 80 100 120 140 160 180200
温 度(℃)
などの関係曲線もこの転移点を境にして急激にそ
図3ポリスチレンの段熱による状態
の勾配が変わる。またあるプラスチックをそのガ
変化5〕
Vo1.51,No.12
価 度
注)この図のようにガラス転移
点を境にして温度一体積,
温度一比熱,温度一屈折率の
関係曲線の勾配が箸しく
変わる
図4ガラス転移点(二次転
移点〕のプラスチックの
容積変化
127
表2各種の熱特性一覧
ポリマー
表3非晶性プラスチックの
比重
比熱
熱伝導率
(kJ・kg11・K−1)
lW・m一・K一〕
ガラス転移点τ亜
熱膨張係数 熱拡散係数 使用最高
(1O■ヨ・K■I)
(I〇一一・m里・s■I〕
温度(℃)
種 類
ABS樹脂
1.04
1.47
O.3
90
1.7
70
ボリ塩化ビニル
POM(ホモポリマー)
1.42
1.47
O.2
80
O.7
85
ボリスチレン
POM(コボリマー〕
1.41
1.47
O.2
95
O.72
90
1.18
1.47
O.2
70
1.09
50
100
1.04
60
PMMA
CA
1.28
エポキシ樹脂
Mod.PPE
1.50
0.15
1.90
■
O.23
70
1.06
O.22
60
PA66
’
1.14
1,67
O.24
90
一
1.01
PA66+30%GF
1.33
■
AS樹脂
ボリカーボネート
0.52
30
1.05
0.24
90
PET+30%GF
1.63
■
■
フェノール樹脂
1.40
1.30
O.35
22
1.92
185
PC
1.15
1.26
O.2
65
1.47
125
くUポリマー〉
不飽和ポリエステル
1.20
1.20
O.2
100
PP
一
0.905
1.93
O.24
100
■
100
PS
■
O.65
72∼
115
90
1.26
100
105
120
1.37
40
80∼
130
1.38
■
70∼87
ポリメチルメタクリレート
PET
乃(℃〕
145∼
150
100
ポリフェニレンオキサイド
110
ポリサルホン
190
ポリエーテルスルホン
225
ポリアリレート
193
150
ボリエーテルイミド
210
217
〈ULTEM〉
1.05
1.34
0.15
80
O.6
50
ポリアミドイミド
2.30
0.33
200
1.17
50
280∼
O.92
〈TORLON〉
O.95
2.30
O.63
120
55
ポリイミド
290
1,57
2.10
1.OO
O.25
140
O.7
50
〈Kapton,VesPe1〉
1.OO
0.16
70
∼420
1.40
!.16
50
<PI2080〉
310
1.30
O.14
140
O.7
50
〈ユーピレックスーR〉
285
SAN
1.67
1.08
1.38
O.17
70
O.8ユ
60
ボリアミノビスマレイミド
270
PS一フオーム
O.032
■
O.032
鉄
7.854
O.434
LDPE
HDPE
PTFE
u−PVC
P−PVC
u
60.00
■
14.ユ
一
■
各種プラスチック材料の比熱
800
は,1.00∼2.30(平均値は約1,50)
温度,およびガラス転移温度)の測定を規定したもの
であり,ポリエチレンやポリプロピレンおよびポリア
で,その温度での発熱や吸熱の現象を把握し,その温
ミドが大きな傾向がある。比熱の小さいものはポリ塩
度を測定する。
化ビニルやボリテトラフルオロエチレン(PTFE)であ
③は,プラスチックの転移熱の測定を規定するもの
る。この値は,鉄(Steel)と比べるとかなり大きな値
で,転移温度付近の発熱,吸熱曲線に基づき転移熱を
である。また,非結晶性樹脂と結晶性樹脂では,大き
測定する。
な差があり,非結晶性樹脂は比熱の温度変化は比較的
④は,プラスチックの比熱容量を測定するもので,
緩やかであるのに対し,結晶性樹脂は融点付近での融
測定するプラスチックと標準物質(α一アルミナなど)
解熱の影響で特異な挙動を示す。また,熱硬化性樹脂
のDSC曲線などより測定する。
は,硬化現象の影響で硬化前と,硬化後の比熱の温度
ここでは,各種プラスチックの熱的性質は,参考文
特性が変化することが特徴である。
献6ト帥に掲載してあるので,詳細はそれに譲るが,ここ
つぎに,非結晶性樹脂のガラス転移点を表3に7〕,結
では,代表的なものについて紹介したい。
晶性樹脂のガラス転移点と融点を表4に示す。また,
表2に各種ポリマーの熱的性質の一覧を示す。また,
各種ポリマーのに融点および融解熱を表5に示す呂〕。
図5に3種(非結晶性樹脂,結晶性樹脂および熱硬化
非結晶性樹脂のガラス転移点は,その材料の耐熱性
性樹脂)の比熱の温度変化を示す。
の尺度の一つとなり,結晶性樹脂のガラス転移点は,
32
二2.4
ρ ノ’
oo1.6 ’’ 一一一
』 6’’’一.’
三〇.8 一一一一一ノ ■一一■■PVC
一一一pS
義1 −PC
ρ24
ρ
螢
−UHMWPB
帥
さ
、16
く16
3
3
燕
轟18
岨=呈=二=ニレ
㌔■■一!、
0
(b〕結晶性樹脂
(a〕非結晶性樹脂
図5
128
二24
一一一LDPE
一一一HDPE
{08
050100150200
温度(℃)
(C)熱硬化樹脂
3種のポリマーの比熱曲線
プラスチックス
(単イ立1.C)
表4結晶性プラスチックのガラス転移点乃と融点乃‘
種 類
一120
一120
一120
一120
一25
一10
低密度ボリエチレン
申密度ポリエチレン
高密度ポリエチレン
趨高分子量ポリエチレン
ボリブテン1
ボリプロピレン
108∼122
120∼124
127∼134
136
1OO∼125
∼135
50
ナイロン6
215∼225
253∼263
290
213
210
50
78
ナイロン66
ナイPン46
50
ナイロン6−10
ナイロン6−12
187
178
85
243
<Xydar〉
一56
一60
!75
<Vectra〉
ナイロン12
ナイロンMXD6
η
ボリエチレンテレフタレート
ポリブチレンテレフタレート
ポリメチルペンテン
ポリフェニレンサルファイド
ポリエーテルエーテルケトン
ポリふっ化ビニリデン
ポリ三ふっ化塩化エチレン
ポリテトラフルオロエチレン
ポリふっ化アルコキシエチレン
ポリふっ化エチレン六ふっ化
プロピレン共重合体
芳香族ポリエステル
37
37
ナイロン1!
ボリオキシメチレン
ボリオキシメチレンコポリマー
種 類
η冊
ア螂
20
25
224
240
90
285
334
143
一35
168∼180
220
327
45
一33
300∼310
250∼280
4ユ4
421
∼280
165
(単位:温度∵C,熱.(kJ/mol〕
28
ポリエチレン
シンジオタクチックボリプロピレン
アイソタクチックボリプロピレン
146
ポリオキシメチレン
シンジオタクチックポリメチルメタクリレート
ポリマーの種類
融解熱
融点
シスーボリイソプレン
263
〈エコノールE2000〉
表5各種ポリマーの融点および融解熱
ポリマーの種類
丁冊
69
ポリカーボネート
融点
融解熱
260
265
27.9
∼46
26.9
148
1I9
ポリアミド66
ポリエチレンテレフタレート
185
8.8
ボリーφ一フェニレンサルファイド
295
200
∼!0
306
310
3−3
ポリアミド6{α型)
200
228
三酢酸セルロース
ポリ塩化ビニル
∼18
ポリテトラフルオロエチkン
346
5.1
アイソタクチックポリスチレン
240
9.o
ポリー力一フェニレンテレフタルアミド
497
ポリー力一ベンズアミド
550
7.6∼8.7
280
(単位:W/(m・℃〕〕
表6各種プラスチックの熱伝導率
材 料
熱可塑性樹脂
ボリアセタール
ホモポリマー
コボリマー
メタクリル樹脂
セルロースアセテート
ふっ素樹脂
PTFE
PFA
PVDF
CF。エチレン
ふっ索化E−P
アイオノマー
ナイロン
PA6
熱伝導率
PA66
PA11一
O.24
O.22
O133
PA12
〇一22∼0.31
PA612
O.23
O,23
O.17∼O.25
O.17∼0.33
O.25
O.25
0.1∼O.13
O.2∼O.22
O.25
O.25∼O.28
ポリアミドイミド
ポリブチレン
ポリカーボネート
ポリエステル
PBT
PET
O.22
0I20
ボリ塩化ビニル
O.07
LDP
O.33
O.46∼O.50
ポリイミド.
0.1O∼O.ユ8
変性PPE
0.16∼O.22
熱伝導率
0−08∼O.29
0.26
O.14∼0.15
ポリエーテルイミド
ポリエチレン
PPS
ポリプロピレン
ホモポリマー」
コポリマー
ポリスチレン
O.ユ8∼O.29
HDPE
0.24
材 料
熱伝導率
材 料
ホモボリ」マー
0.12
O.15∼O.17
O.13
0.15∼O.21
ポリス・ルホン
O.26
熱硬化性樹脂
エポキシ樹脂
フェノール樹脂
O.19
熱可塑性エラストマー
ポリオレフイン系
PS一ブタジェン系
O.15
0.15∼0.21
O.!5
その材料の耐寒性の一つの尺度となる。融解熱は,熱
料と比べると非常に広い範囲にわたっている。これは,
可塑性樹脂材料の成形時に与える熱量の目安となる。
この材料の多様性(種類も多く,ガラス繊維等の強化
つぎに表6と図6に各種プラスチックの熱伝導率の
比較を示す。比較のため,図7に各種金属の熱伝導率
を示す。プラスチックの熱伝導率は,比熱の逆数的値
材を加えるケースもある)を示すものであろう。全般
であり,他の材料と比べると小さくなっている。
次回は各種プラスチックの熱的性質の内,短期耐熱
表7と図8には,各種プラスチックなどの線熱膨脹
係数の比較を示す。プラスチックの熱膨張率は他の材
性である耐熱変形性について述べる。
Vo1.51,No.12
的にはプラスチックの熱膨張率は金属と比べると大き
い。
129
表7各種プラスチックの線熱膨張係数
線熱膨張
材 料
線熱膨張
係数
材 料
(10■帽ノ℃〕
PA6
ポリアセタール
50∼112
コボリマー
61∼1!0
ポリアミドイミド
メタクリル樹脂
50∼90
ボリブチレン
セルロースアセテート
ふっ素樹脂
80∼180.
ボリカーボネート
PTFE
PFA
PVDF
ホモポリマー
81∼100
コボリマー
65∼95
ポリスチレン
61∼100
31
ホモポリマー
128∼150
68
36∼70
ボリエチレン
47∼56
<150℃:
HDPE
50∼110
UHMWPE
45∼56
ポリメチルペンテン
変性PPE(ハイインパクト)
38∼77
1.17
68
100∼200
熱可塑性エラストマー
65
(20℃)
O.12 0,29 0,58 0.87
45∼55
フェノール樹脂
27∼49
(W/(m・K))
55
ポリウレタン樹脂
130∼200
ポリイミド
PPS
ナイロン
31
ボリエーテルスルホン
エポキシ樹脂
100∼120
5∼7
1∼18
ポリスルホン
熱硬化性樹脂
LDPE
108
70∼250
硬質
100∼170
40∼47
44
ボリ塩化ビニル軟質
65
ポリエーテルイミド
50∼83
ハイインパクト
60∼95
70∼142
>150℃=
液晶ポリマー
100
PBT
PET
140∼210
PEEK
ポリプロピレン
80
ポリエステル
70∼120
CF宣エチレン
アイオノマー
係数
(10■拮ノ℃〕
80∼83
PA66
PA11
PA12
80∼ユ10
ホモポリマー
材 料
(10■拮/℃)
熱可塑健樹脂
ABS樹脂
線熱膨張
係数
ポリオレフィン系
36∼ユ10
ポリエステル系
85∼190
PS一ブタジェン系
67∼140
□ポリオレフィン
□ポリフルオロオレフィン
[==コポリスチレン
□ポリアセタール
[=========]ポリオレフィン
ロポリカーボネート
□塩化ビニル樹脂
[]ポリフルチロオレフィン
ポリスチレン
□ポリカーボネート
[コメタクリル植棚旨
=ポリアミト
□セルロース誘導体
□塩化ビニル樹脂
フェノプラスト
[]メタクリル樹岨旨
□アミノプラスト
[=コポリアミド
□セルロース誘導体
フェノプラスト
穣層材
[==二=コ鉄と鋼
[=======コアミノプラスト
□軽金属
積層材
ポリエステル
口鋼合金
ガラス繊維強化ポリエステル
O.2 0.4 0.6 0.8 I.0
□ガラス繊維強化
6 8 10
熱伝導率 (kcal/m・h・℃)〕
図6各種プラスチックの熱伝導率
20 30 40 5060 80100 200 300
線熱膨張係数(10L‘ノ℃)
(Peukert1Kun冒t畠ユoff−Rundschau,8,312 (1961)〕
図8各種材料の線熱膨張係数(10一喧κ〕
{Wノ(m・K))
0117233350466
吉正信共著1996年1月31日第3版第工刷発行(日刊工業
新聞社)
□鉄と鋼
2〕JIS K7120−1帆望〕(プラスチックの熱重量測定方法〕
[コ軽金属
3〕JIS K7121一帆茗〕(プラスチックの転移温度測定方法〕
4)JIS K7122’岨肌4(プラスチックの転移熱測定方法)
□銅合金
5)JIS K7123−1蛆則(プラスチックの比熱容量測定方法)
6〕桜内雄二郎,「新版プラスチック材料読本」,工業調査会,1993
0 100 200 300 400
隼4月1日,新版4刷発行
熱伝導率(kcaVm・h・℃)) 図7金属
の熱伝
工学会編昭和63年3月25日初版ユ刷発行(日刊工業新聞
(Peukevt:Kumtstoffe−Rundschau,8,213(1961)) 導率
社〕
7)「プラスチック成形加エデータブック」p.37(社〕日本鍛性加
8〕「プラスチック・データブック」p.50,旭化成アミダス㈱/「プ
〈参考文献〉
ラスチックス」編集部共編,1999隼12月初版第ユ刷発行(㈱
工業調査会)
1〕「成形加工技者のためのプラスチック物性入門」廣恵章利,本
130
プラスチックス
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