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「地域活性化のための面的支援」調査研究報告書

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「地域活性化のための面的支援」調査研究報告書
商工会・商工会連合会による
「地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」等の支援事例研究
「地域活性化のための面的支援」
調査研究報告書
【平成 27 年度版】
目
次
はじめに
Ⅰ.本調査報告書で採り上げる地域活性化のテーマ
(1)地域活性化のテーマ
(2)調査方法
(3)90 事例の 4 テーマ別区分
Ⅱ.訪問取材 20 事例の研究
(1)20 事例のフェーズ分析
①20 事例に見るフェーズごとのパターン
②フェーズと施策の投入タイミング
③20 事例のフェーズ概略と施策の投入タイミング一覧
(2)20 事例の成果
(3)20 事例に見る活動スキーム
(4)訪問取材 20 事例に見る面的な波及の仕組み
Ⅲ.
成果を上げている 20 事例に見られる特徴
Ⅲ-1.
Ⅲ-2.
20 事例に見られる特徴の抽出
■訪問取材 20 事例に見られる特徴の具体例
商工会・商工会連合会による地域活性化のポイントと展望
(1)商工会・商工会連合会による地域活性化のポイント
(2)商工会・商工会連合会による地域活性化活動の展望
■資料編:(訪問取材 20 事例)活用した地域資源と活用方法、結果一覧
-1-
はじめに
平成 26 年 11 月の「まち・ひと・しごと創生法」の施行を受け、平成 27 年前半は、2060 年
までの人口推計や将来ビジョンを描く「地方人口ビジョン」策定と、2019 年度までの 5 ヶ年の政
策目標や施策を計画する「地方版総合戦略」策定に取組む都道府県や市区町村が相次ぎました。平
成 27 年 10 月末までに、
47 都道府県の 80.8%に当たる 38 都道府県と、1,741 市区町村の 41.8%
に当たる 728 市区町村が策定を終え、10 月末までに策定された地方版総合戦略に対して、地方創
生交付金(先行型)の給付が確定しています。政府は、地域の実情に合わせた地域社会の形成、多
様な人材の確保、就業機会の創出を各自治体に求めています。
また、平成 27 年 8 月には「中小企業地域資源活用促進法」の一部改正が行われました。今まで
個社の取組みに留まる傾向が強かった点を改善し、地域ブランドの創出など地域の面的な取組みを
促す改正内容となりました。改正のポイントは、複数の中小企業者による共同取組みへの支援強化
や、市区町村による「ふるさと名物応援宣言」の後押し、農業体験などの体験型観光への対象の拡
大など、地域の実情に合わせた地域ぐるみの取組みの促進などとなっています。また、地域資源活
用事業の特定要件や認定基準も緩和され、事業範囲が拡大されるなど、市区町村単位でも取組みや
すい内容となっています。
地域に密着した支援機関である商工会・商工会連合会や商工会議所が地域活性化に果たす役割も
ますます重要になってくると思われます。
このような流れを受けて、中小機構 支援機関サポート課では、平成 26 年度は商工会議所を対象
に、今年度は商工会・商工会連合会を対象に、
「地域活性化のための面的支援」の成功事例に関する
調査・研究を行いました。
今年度の研究に際しては、全国商工会連合会のご協力を得て、国の補助事業「地域力活用新事業
∞全国展開プロジェクト※」を活用した支援活動や、全国商工会連合会が平成 26 年 10 月に編纂し
た『平成 26 年度 商工会地方創生プロジェクト事例集』に掲載されている「C.地域活性化ビジネス
の創出」と「D.コミュニティビジネス」をテーマにした掲載事例の中から、特徴ある活動を取材調
査し、活動のポイントなどを抽出しました。
商工会・商工会連合会、商工会議所の関係者や自治体や NPO、地域おこし団体の関係者など、地
域活動のプレイヤーの方々が、地域活性化活動の参考にできる資料とすることを目的に本稿を編纂
しています。
※【地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト】
地域の小規模事業者による全国規模のマーケットを狙った新事業展開を促進するため、地域の資源を活か
した(1)特産品開発事業 (2)観光開発事業(着地型観光開発を含む) (3)特産品・観光開発事業
(4)コミュニティビジネス創出事業 に対する支援策。補助対象者は、商工会、都道府県商工会連合会、
商工会議所。平成 18 年度から続く事業。
-2-
Ⅰ.本調査報告書で採り上げる地域活性化のテーマ
(1)地域活性化のテーマ
本研究では、「地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」の募集事業である「特産品開発事業」
「観光開発事業」
「コミュニティビジネス創出事業」に、『平成 26 年度 商工会地方創生プロジェ
クト事例集』の掲載テーマである「地域活性化ビジネスの創出」を加えた下記 4 つのテーマを採り
上げて取材・研究を行うことにしました。
■本稿で採り上げる 4 つのテーマ
A
B
C
地域資源を活用した特産品開発
観光開発・観光振興
地域活性化ビジネスの創出
D
コミュニティビジネス
地域資源を活用・編集して特産品などを開発する活動※
観光メニューの開発などで地域の流入人口増加を図る活動※
新しいビジネスを興すことで、地域経済の活性化を図る活動※
地域に求められるサービスや商品の提供等を行い、地域のコミュ
ニティの維持・活性化を図る活動※
(2)調査方法
本調査研究は、下記 3 つのプロセスにより進めました。
① <書面による調査…90 事例>
全国商工会連合会から、「地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」(以下、∞事業)など
を活用して成果を上げた 74 事例と『平成 26 年度 商工会地方創生プロジェクト事例集』の
16 事例、計 90 事例の提供を受け、これら 90 事例に関して、書面を元に確認を行いました。
② <電話ヒアリングによる調査…61 事例>
上記 90 事例の確認結果から、活動継続や成果が確認できた 61 事例を対象に電話ヒアリング
調査を行いました。電話調査においては、活動のきっかけや今後の計画、具体的な成果など、
より詳細な取材を行いました。
③ <訪問取材調査…20 事例>
電話ヒアリングした 61 事例の中から、特徴ある取組みや成果を上げている 20 事例を対象に、
訪問取材を行いました。訪問取材では、活性化に共に取組んでいる事業者や関係者にも取材を
行い、多面的な視点で活動を捉えました。また、個々の事例の活動スキームを図式化し、どの
ような関係者が活動に関わっているのかを明らかにしています。
-3-
(3)90 事例の 4 テーマ別区分
全国商工会連合会より提供を受けた 90 事例のテーマ別割合は、多い順に、【A.地域資源を活用
した特産品開発】45 事例(50%)、【B.観光開発・観光振興】25 事例(28%)、【D.コミュニ
ティビジネス】11 事例(12%)、【C.地域活性化ビジネスの創出】9 事例(10%)となりました。
この内【B.観光開発・観光振興】に分類した事例でも、観光の付加価値化やブランド化を目的に
特産品開発を行っているなど、特産品開発と観光開発を同時に進めている事例が 4 事例ありました。
実際には、特産品開発を絡めながら観光振興を進める活動も見られます。
4テーマ別区分(90事例)
D D.コミュニティビ
ジネス,
11事例, 12%
A
C
C.地域活性化ビ
ジネスの創出,
9事例, 10%
B
B.観光開発・観
光振興,
25事例, 28%
-4-
A.地域資源を活
用した商品開発,
45事例, 50%
Ⅱ.訪問取材 20 事例の研究
特徴ある取組みや成果を挙げている 20 事例を選定し、訪問取材を行いました。本節以降では、
取材を行った 20 事例について研究しています。訪問取材をした 20 事例の【A.地域資源を活用し
た特産品開発】【B.観光開発・観光振興】【C.地域活性化ビジネスの創出】【D.コミュニティビジ
ネス】の 4 テーマ別の区分とエリアは、下記のようになっています。
■商工会・商工会連合会
面的支援
訪問取材 20 事例一覧
地域資源を活用した
A
特産品開発
①(北海道)和寒町(わっさむちょう)商工会、②(宮城県)石巻かほく商工会、
③(山形県)出羽商工会、④(長野県)白馬商工会、⑤(岐阜県)郡上市商工会、
⑥(滋賀県)日野町商工会、⑦(香川県)高松市牟礼庵治(むれあじ)商工会、
⑧(佐賀県)大町町商工会
B 観光開発・観光振興
①(福井県)わかさ東商工会、②(山梨県)南アルプス市商工会、
③(三重県)菰野町(こものちょう)商工会、④(兵庫県)南あわじ市商工会、
⑤(鳥取県)湯梨浜町商工会、⑥(岡山県)岡山西商工会、⑦(福岡県)大野城市商工会
C
地域活性化ビジネスの
創出
D コミュニティビジネス
①(石川県)白山商工会、②(静岡県)吉田町商工会、③(広島県)広島県商工会連合会、
④(沖縄県)読谷村(よみたんそん)商工会
①(島根県)美郷町(みさとちょう)商工会
※20 事例の詳細は、「地域活性化事例」でご覧いただけます。「A①」…は、事例番号です。
※本文中で参照・引用する場合は事例番号を記載していますので、事例記事もご参照ください。
-5-
(1)20 事例のフェーズ分析
取材事例に限らず、一連の活動には【地域の課題/問題を認識⇒活動の開始⇒計画策定・トライア
ルプロジェクト実施⇒事業化への取組み⇒継続・発展】の下記 5 つのフェーズ※があります。この
フェーズに着目して、取材事例の研究を行いました。
■地域活性化活動における 5 つのフェーズ
1.「地域の
課題/問題の
認識」フェーズ
地域の課題や問題を認
識するフェーズ。
人口減少や観光客の減
少など、以前より地域
全体の課題として認識
されている場合もあれ
ば、特定業界の危機意
識の場合もある。
2.「活動開始
(きっかけ)」
フェーズ
3.「計画策定・
トライアルプロ
ジェクト」
フェーズ
何らかのきっかけにより、商工
会・商工会連合会が活動に取組
んでいくフェーズ。
商工会・商工会連合会が独自の
着想で進める場合もあるが、会
長や理事など地域のリーダーが
取組んでいる活動を支援する目
的で関わっていく場合もある。
∞事業など施策を活用
して、活性化活動を計画
的に進めていくフェー
ズ。
試作品開発やモニター
ツアー実施など、トライ
アルプロジェクトで事
業化可能性を検討する。
4.「事業化構築」
フェーズ
トライアルプロジェクト
を経て、事業として活動を
進めるフェーズ。
事業運営主体として別組
織の立ち上げを図り移管
する場合と、商工会・商工
会連合会内の事業とする
場合がある。
5.「活動の継続・
発展」フェーズ
事業化の仕組みの構築
を経て、活動を継続し発
展させていくフェーズ。
商工会・商工会連合会
が、施策を活用して継続
を支援したり、再度のテ
コ入れを図る場合もあ
る。
※地域活性化の活動は、明確な手順が定められるものではないため、本稿では「プロセス」という表現を使わず、
「フェー
ズ」を採用しています。
①20 事例に見るフェーズごとのパターン
下記に、20 事例における各フェーズに見られたパターンを抽出しました。計画策定時に各フェー
ズに必要な活動を検討する参考にしてください。特に着目して参考にしていただきたい点は以下の
通りです。
<着目点>
①
地域の問題をどのように認識し、どんな活動へと繋げたか。
②
③
施策の助成金でどのような活動を行ったか。
トライアルフェーズから事業化を図り、その後活動を継続するのにどんな工夫をしているか。
※各事例がフェーズごとにどんな活動を行ったかの詳細は、後述する「③20 事例のフェーズ概略と施策の投入タイミン
グ一覧」で確認いただけます。
●
1.「地域の課題/問題の認識」フェーズ
1.「地域の
課題/問題の
認識」フェーズ
2.「活動開始
(きっかけ)」
フェーズ
3.「計画策定・
トライアルプロジ
ェクト」フェーズ
4.「事業化構築」
フェーズ
5.「活動の継続・
発展」フェーズ
<課題/問題の認識、活動の動機>
① 人口減少がもたらした商店街衰退や観光産業の落ち込みなど、地域全体の問題の解決を目指す。
② 地場産業の衰退が起こり、地域産業の活性化が求められている。
③ 市町村合併や地域固有の歴史・ストーリーなどの散逸で損なわれている地域の一体感の回復を目指す。
④ 地域のブランド化や知名度向上による地域活性化を目指す。
⑤ 農商工連携や 6 次産業化、観光メニュー創出など、新たな取組みを始める事で活性化を図る。
⑥ 高速道路や鉄道の開通/廃止、大手の参入などの大きな外部環境変化に対し、活性化のアクションが求
められている。
-6-
●
2.「活動開始(きっかけ)フェーズ」フェーズ
1.「地域の
課題/問題の
認識」フェーズ
2.「活動開始
(きっかけ)」
フェーズ
3.「計画策定・
トライアルプロジ
ェクト」フェーズ
4.「事業化構築」
フェーズ
5.「活動の継続・
発展」フェーズ
① 自治体(市町村)から協力を要請される、または、自治体の策定したビジョンの実現化を図るために活
動を開始する。
② 商工会長などのキーパーソンが問題意識を持ち、周囲に働きかけて活動がスタートする。
③ キーパーソンが推進していた活動など既存の活動の推進・進展を図るために、商工会・商工会連合会が
施策を活用して支援する。
④ ∞事業など施策の活用が動機付けとなって、商工会・商工会連合会がプロジェクトを計画する。
●
3.「計画策定・トライアルプロジェクトフェーズ」フェーズ
1.「地域の
課題/問題の
認識」フェーズ
2.「活動開始
(きっかけ)」
フェーズ
3.「計画策定・
トライアルプロジ
ェクト」フェーズ
4.「事業化」
フェーズ
5.「活動の継続・
発展」フェーズ
① 他地域の成功事例のスタディや地域資源のリサーチなど、活動を始める前の準備を行う。
② 試作品や観光ルートの開発やモニターツアーの実施で、事業化の可能性を検証する。
③ 展示会などに出展して、商品化など事業可能性を探る。また、試作品や観光メニューのブラッシュアッ
プを行う。
④ ブランド認証や取り扱いの認定制度の策定、レシピ策定、次年度以降も続ける予定のイベントの開催や
全国イベントへの出展など、活動の大枠を作る。
⑤ 補助金を活用して、ロゴや HP、パンフレット、のぼりなどの PR・プロモーションツールを作成する。
⑥ 次年度以降の事業化に向けてマスコミ向けの広報・PR 活動を行い、露出を図る。
⑦ 事業化を図った後の運営組織を組成する。または、その準備を行う。
●
4.「事業化」フェーズ
1.「地域の
課題/問題の
認識」フェーズ
2.「活動開始
(きっかけ)」
フェーズ
3.「計画策定・
トライアルプロジ
ェクト」フェーズ
4.「事業化構築」
フェーズ
5.「活動の継続・
発展」フェーズ
① 運営組織を組成し、プロジェクトを移管する。
② または、内部に活動を担う組織/機能を作り、商工会・商工会連合会で事業を運営する。
③ 行政に働きかけ、自治体が関与する活動への転換を図る。
●
5.「活動の継続・発展」フェーズ
1.「地域の
課題/問題の
認識」フェーズ
2.「活動開始
(きっかけ)」
フェーズ
3.「計画策定・
トライアルプロジ
ェクト」フェーズ
4.「事業化構築」
フェーズ
5.「活動の継続・
発展」フェーズ
① 施策を活用して、新商品の開発を推進したり、観光メニューと連動させるなど新たなプロジェクトを投
下して、活動の発展を促す。
② 事業運営・展開に必要な新たな組織を組成する。
③ 関連するプロジェクトを立ち上げ、活動を発展させ、軌道に乗せる。
④ 運営組織の経営支援やプロジェクトの事務局を務めるなど、活動の伴走支援を行う。
⑤ 事業自体は運営組織に完全移管し、商工会・商工会連合会は、展示会出展などの販路開拓や、PR・広
報などの側面支援を行う。
-7-
②フェーズと施策の投入タイミング
∞事業等施策の投入タイミングと活用法をフェーズに沿って見てみると、事例では下記 4 つのタ
イミングが見られました。
■施策の投入タイミング
継続促進活用
事業化推進活用
スタートキック活用
ゼロスタート活用
①ゼロスタート活用
補助金を原資として、今までできなかった新たな活動をスタートするために施策
を活用する。施策が活動のきっかけを作るのに用いられる。
②スタートキック活用
潜在的なニーズや既存の動きがあるところに、商工会・商工会連合会がその動き
の本格化や事業化を図るために施策を活用する。
部会や研究会での活動を具現化するために試作品開発を進めるなど、トライアル
プロジェクトに進むために用いられる。
③事業化推進活用
既に事業化を実現し動いている活動を強化したり、更なる発展を促すための強化
プロジェクトを投下するなど事業化の推進に活用する。
④継続促進活用
勢いの落ちた活動のテコ入れや再プッシュをかけるため、または、別角度から進
める活動を起こすために施策を活用する。申請テーマを変えて∞事業を複数回活
用したり、県や国の施策を組み合わせて、活動の連続性を確保する場合もある。
施策をどのタイミングで投入するかは、大変重要なポイントです。施策を効果的に活用するため
には、活動がどのフェーズにあり、何を目的に施策を投下するのかを十分意識して計画を策定する
ことが必要です。
〈①ゼロスタート活用〉の場合は、
「補助金があるから試しにやってみよう」という動機でその後
の展開を想定しなければ、施策年度限りの活動に終わってしまう危険性があります。しかし、20 事
例の〈①ゼロスタート活用〉においては、担当した指導員の意識の中にそのような短期的な考えは
見当たらず、その後の活動への継続が図られています。継続する方法は大きく分けて、1.施策を繋
げる
2.地域の活動としてスタートする 3.自主事業として継続活動を行う
の 3 つのパターンが
見られました。
③20 事例のフェーズ概略と施策の投入タイミング一覧
次ページに、訪問取材 20 事例のフェーズごとの概略と施策の投入タイミングに加えて、商工会・
商工会連合会(指導員)の役割についてまとめた表を記します。地域の課題を受けて、商工会・商
工会連合会がどのように動いたか、∞事業をどのタイミングで投入しているかなど、全体を把握す
るのにご活用ください。
※表中、∞事業の投入タイミングを赤字で、県や市などの他の支援策の活用を青字で記してあります。
※表内、会議所名の下の「●事例番号:A-①」などは、事例記事の番号です。事例の詳細は、記事をご参照ください。
-8-
A
地域資源を活用した特産品開発
支援機関
地域の状況
課題/問題
∞事業の投
入タイミン
グ
計画策定、トライ 事業化のしくみ
活動のきっかけ アルプロジェクト
/
の実行
工夫
継続のしくみ/
工夫
商工会・商工会連合会
(指導員)の役割
■状況
①ゼロス ○H18:∞事業 ○H18:∞事業 ○H19:半加工 ○H23~:「北 ①地域の課題に対し
・カボチャ生産日 タート活 開始を受け、活 ・行政や JA、生 製品製造販売会 海道 地域食ク て、行政や事業者と共
本一の町だが、人 用
動スタート
産者含むプロジェ 社「(株)わっ ラスター推進事 に解決していく推進力
北海道
口が 1/3 に減少
・商工会会長と クトチームによる さむファクトリ 業」を活用した となる。
和寒町
⇒商店街の衰退、
商工会指導員に 企業向けカボチャ ー」設立(商工 ペポカボチャ事
(わっさ
消費の域外流出
よる農作物の規 ペーストの開発
会役員、会員事 業を展開、6 次 ②商工会役員や会員な
むちょ
⇒地域活力の低
格外品の活用に ・ギフトショー出 業者、JA 等の共 化を加速
ど事業者の想いを汲取
う)商工
下
よる企業向け半 展
同出資)
↓
り、支援策を活用しな
会
加工製品開発
・生産者を中心 がら事業の実現化を図
■課題
・町の助成金に とした1次加工 っていく。
●事例番
域外資金の獲得、
よる加工所建設 会社「(株)和
号
地域内の資金循
寒シーズ」設立 ③中長期的な視点を持
A-①
環による地域活
⇒「(株)わっ ち、事業の次の展開を
性化
さむファクトリ 図る。
ー」で 2 次加工
■状況
②スター ・雄勝硯生産販 ○H20~21:∞
①国内生産 9 割 トキック 売共同組合理事 事業活用による商
を占める雄勝硯 活用
長/商工会副会 品開発支援
の産地だが、書道
長による新商品 ・専門家の助言に
離れや輸入廉価
開発の推進
よるテーブルウェ
品との競争で、事
↓
ア、花卉開発、展
宮城県
業者数、売上高の
・H20:∞事業 示会出展、HP・パ
石巻かほ
大幅な減少に直
を活用して、商 ンフ等ツール整備
く商工会
面
工会が理事長の ○H23:県事業
活動の推進支援 ・展示会出展
●事例番
②東日本大震災
を開始
号
による被災で雄
○H23 年 3 月震
A-②
勝石産業の存続
災以降:復興支援
危機
・仮設店舗、仮設
工房設営等の復興
■課題
支援、設備類の購
雄勝石産業の存
入支援
続
○H26:仮設工
房完成による産
業復興の基盤構
築
■状況
②スター ○H22:経営革 ○H24:∞事業を
・全国有数の穀倉 トキック 新塾「農商工連 活用して活動の事
地帯・農作物生産 活用
携セミナー」開 業化を図る
地という地域特
催
・成功地域の視察
性
・専門家のアドバ
を背景に、全国初
○H23:セミナ イスによる試作品
山形県
の商工会内の「農
ー受講者をメン 開発、ロゴなど
出羽商工
業部会」設立
バーとした「庄 「Orajos(おらほ
会
内の味覚・新商 す)ブランド」構
■課題
品開発研究会」 築
●事例番
基幹産業である
立ち上げ、加工 ・展示会出展
号
農業を核とした
品試作開発⇒参
A-③
農商工連携によ
加者による商品
る地域経済活性
化の要望
化
○H25:運営母
体「(株)出羽
の四季」設立(商
工会、商工会役
員出資、前会長
が代表)
■状況
・労働人口の 7 割
が第 3 次産業に
従事する観光の
村だが、バブル崩
長野県
壊後、スキー客が
白馬商工 減少し、3 分の 2
会
に落ち込んでい
る
●事例番
号
A-④
■課題
近年のニーズ変
化への対応のた
めの新たな観光
魅力の創出
①被災者の身近な支援
機関として、いち早く
被災調査や復興支援を
行う。
・雄勝硯生産販 ・海外展示会出 ②助成金の申請支援な
売共同組合によ 展支援
ど施策活用により、復
る工房運営、共
旧の道筋を見つける支
同受注、商品製
援を行う。その際には、
造販売
組合員や入居事業者の
・見習い工の雇
説得や相談対応など、
用
細やかな事業者支援も
行っている。
③事業者や住民など地
域関係者と行政の仲立
ち・調整を行うことで、
復興を促進する。
①ゼロス ・村の農政課と ○H19:∞事業
・「白馬クレー
タート活 観光課の連携に ・域外の広告代理 ピエ」認定制度
用
よる水稲農業の 店からの企画提案 による白馬ガレ
転作作物「そば」 ・「白馬ガレット」 ット普及、地域
②事業化 を活用した特産 試作開発、首都圏 ブランドの構築
推進活用 品開発を商工会 でのマーケティン
が支援
グ調査
・商工会による
↓
○H20:∞事業
事業運営
・H19:∞事業 「白馬クレーピ
を活用して、活 エ」認定制度
動をスタート
○H21:県事業
・域外製粉会社
・ガイドブック、 による原料提
HP 作成
供、広告代理店
○H23:白馬クレ による PR 支援
ーピエ更新制度、
「白馬そばの記念
日週間」スタート
-9-
・雄勝硯伝統産
業会館の再建推
進、建設後の販
路開拓支援
・「(株)出羽
の四季」の経営
基盤強化支援
○H26:鶴岡市
事業(生鮮品の
販路開拓)
○H27:県事業
(展示会出展、1
名の雇用)
①<商工~農>にまた
がる活動の推進役を担
う。
②今後の地域活性化に
必要な事業者や人材を
掘り起し、その間にネ
ットワークを築く。
③地域内の特産品を幅
・参画事業者に 広く発掘して商品開発
よる自主的な商 を進めるとともに、生
品開発
産者が不得手な販路開
拓を支援する。
・商工会による
JA と連携した
仕入れコスト削
減
○H24~:国、
県の施策を活用
したイベント出
展
①事業の方向性を策定
して、推進スキームや
事業の仕組みを構築し
て事業化を図る。
○今後:発展計
画策定
・常時供給の専
門店の計画
・冷凍ガレット
の開発計画
②域外事業者と連携し
て事業の仕組みを構築
し、参画事業者を巻込
んでスピーディーに事
業を開始する。
③土台作りのフェーズ
が一段落した現在、参
画事業者より一足早く
次のフェーズ展開を考
え、供給体制の整備な
どの中期計画を策定し
ている。
■状況
③事業化 ○H16:県連事
東海北陸自動車 推進活用 業
道の開通による
を活用した(当
国道 156 号線の
時)白鳥町商工
岐阜県
交通量減少がも
会会長によるカ
郡上市商
たらす郡上市の
レーによる町お
工会
素通りの危惧
こし計画「奥美
濃カレープロジ
●事例番
■課題
ェクト」スター
号
名物の開発によ
ト
A-⑤
る郡上市への訪
・奥美濃カレー
問客の維持・増加
開発、認定制度
策定
○H17:カレーサ
ミット参加、メデ
ィアへの広報・PR
活動
○H18:∞事業を
活用した活動促進
・HP、のぼりなど
PR ツール整備
・B-1 リーグ加盟
○H19:県助成
・第 2 回 B-1 グ
ランプリ出店
○H21:飲食
店・宿泊事業者
による「奥美濃
カレー協同組
合」設立⇒事業
移管
○H23:B-1 グ
ランプリ、グル
メイベント出
展、PR・プロモ
ーション母体
「郡上発!奥美
濃カレーファミ
リー」組成
・「郡上発!奥
美濃カレー協同
組合」、「奥美
濃カレーファミ
リー」による事
業運営
■状況
①ゼロス ∞事業活用を前 ○H19:∞事業を
・日野菜の原産地 タート活 提に商工会会長 活用して活動をス
でありながら、内 用
が町に提案
タート
外ともに知られ
⇒「日野菜プロ ・連携体の原型組
ていない
ジェクト」開始 成(商工会、日野
・生産者も減少
町農林課、観光協
し、原産地として
会、JA)
の地域ブランド
滋賀県
が維持できない
・日野菜ドレッシ
日野町商
・町の振興策も成
ング、日野菜マリ
工会
果が出ていない
ネの試作品開発
・ロゴ、HP、パン
●事例番
■課題
フなど販促ツール
号
日野菜原産地と
整備
A-⑥
しての地域ブラ
・首都圏のシェフ
ンドの確立
による日野菜のメ
ニュー開発、展示
会出展
○H20:農林水
産省のモデル事
業を活用した活
動スキームの確
立
↓
・「日野菜調整
会議(商工会、
JA、日野町農林
課、滋賀県農業
農村振興事務
所)」による活
動推進
↓
役割分担による
振興(ドレッシ
ング製造販売=
商工会、特産品
開発=会員事業
者、日野菜生産
=JA+町日野
菜生産部会)
・ドレッシング
製造事業を JA
に移管予定(現
在は商工会から
県外に製造委
託)
①商工会が利用できる
施策を活用して活動を
スタートさせ、活動の
基盤を整備する。
②スター 商工会が、∞事 ○H21: ∞事業
・商工会による
トキック 業を活用して新 ・食をテーマとし 「AJI
活用
商品開発支援を た商品試作
PROJECT」運
後押し
・展示会出展⇒石 営
③事業化
臼のコーヒーミル (事務局、広
推進活用
が大賞受賞
報・PR、販売促
進・ショールー
○H22~24:自 ム、販売実務)
主財源
・商品開発&出展 ○H26~27:
支援
∞事業の再活用
○H24:ブランデ による商品開発
ィングプロデュー 支援の継続
サーによる指導⇒
デザイナーとのワ
ークショップ形式
による商品開発
「AJI
PROJECT」開始
・県事業、∞事
業活用によるア
ジア圏のバイヤ
ーとの商談会、
海外マーケティ
ング事業への応
募、展示会への
出展
①施策を活用して新し
い動きを起こし、地場
産業の活性化を図る。
■状況
・庵治石産業の一
大集積地だが、墓
石や石灯籠への
ニーズ変化や輸
入廉価品との競
香川県
争で石材加工業
高松市牟
者数、売上高共に
礼庵治
半減、職人が高齢
(むれあ
化
じ)商工
・「石あかり」な
会
ど新商品開発に
取組む事業者は
●事例番
いるものの決定
号
打には至らず
A-⑦
■課題
新ジャンルの商
品開発による庵
治石産業の活性
化
②事業者がプレイヤー
・商工会は側面 になるような仕組みを
支援
作り、後押しする。
③活動の中心になるリ
ーダーや若手人材に目
星を付けて、活動に巻
き込む。
②JA や町との調整役
として、縁の下から活
・商工会による 動を支える。
道の駅、湖の駅、
三井アウトレッ ③会員の商工業者を支
ト、首都圏での 援して、特産品の開発
販路開拓
を進める。
②適切な外部専門家と
のネットワークを構築
し、プロデュースや商
品開発のディレクショ
ンを委ねる。
○(計画中)
・運営組織の組 ③余裕のない小規模事
成による事業の 業者に代わり、事業が
自立化促進
軌道に乗るまでプロジ
ェクトを牽引する。
■状況
①ゼロス ・H21:異動して ○H22:∞事業
○H22:
○H26~:
・炭鉱閉鎖による タート活 きた指導員によ ・3 部会による特 ・飲食店店主ら ・商工会「やど
人口流出⇒商店 用
る幻のご当地グ 産品&観光開発
による運営組織 かりプロジェク
街の衰退
ルメ「たろめん」 ・「たろめん」メ 「大町たろめん ト」による「一
・(H18~)「一
の発掘
ニュー復刻
運営協議会」組 店逸品運動」参
店逸品運動」によ
↓
・ロゴ、ポスター、 成(商工会:事 加会員の販路開
佐賀県
る特産品開発の
∞事業を活用し のぼり、HP など 務局)⇒PR、イ 拓支援
大町町商
取組み
た復刻プロジェ 販促ツール整備
ベント出展、加 ⇒一連の支援活
工会
クトのスタート ・ストーリーの訴 工品販売
動の統合
■課題
求によるマスコミ ○H23:「たろ
●事例番
大町町の知名度
への PR・広報
めん」商標登録、 ○H27:話題性
号
向上と域内商工
地域産業資源認 の再投下による
A-⑧
事業者の活性化
定
テコ入れ⇒ウル
トラマンタロー
○H25~26: とのコラボレー
加工品開発支援 ションパッケー
(乾麺、たろま ジ販売
ん開発)
- 10 -
①話題を仕掛けて、マ
スコミを上手に活用す
る。マスコミへの地道
なアプローチを続け、
あきらめない。
①メディアの注目を集
めるような仕掛け作り
を行い、地域情報を外
に発信していく。
②常にアンテナを張り
巡らせて、活用できる
資源や活用法を提案し
ていく。
③全国展開事業など施
策を活用し、アイデア
の事業化を図る。また、
事業化に必要な地域人
材を集め、ネットワー
クを組む。
B
観光開発・観光振興
支援機関
地域の課題/問題
の認識
∞事業の投
入タイミン
グ
計画策定、トライ
活動のきっかけ アルプロジェクト
の実行
■状況
・観光客の半減
・美浜町、若狭町
ともにスポーツ
観光を振興して
いるが、行政区分
による情報の分
散化により発信
力が弱い
②スタ
ートキ
ック活
用
○H16~:宿泊
事業者によるス
ポーツ体験観光
メニュー提供
↓
○H24~:民宿
事業者による
「若狭路センチ
ュリーライド」
開催
↓
○H26:∞事業
を活用した民間
活動の後押し
・わかさ東商工
会による「スポ
ーツ、健康」を
テーマにしたワ
ンストップ情報
発信「若狭路ス
ポーツトリッ
プ」事業スター
ト
福井県
わかさ東
商工会
■課題
エリア一帯の総
●事例番
合的なスポーツ
号
観光の情報発信
B-①
によるわかさエ
リア一帯の知名
度の向上と観光
客の誘致
■状況
・H16:南アルプ
ス市の「南アルプ
ス市地域振興計
画」策定⇒農林業
を中心とした南
アルプス市ブラ
ンド構想
①ゼロ
スター
ト活用
④継続
促進活
用
■課題
新たな切り口に
よる観光 PR
③事業
化推進
活用
④継続
促進活
用
・統一ロゴ、キャ
ッチコピー策定
・ポータルサイト、
Facebook 整備
・スポーツ展示会、
商談会出展
・
「健康」をテーマ
にした特産品開発
との融合
役割分担によ
る地域ブラン
ド化推進
・スポーツ観
光振興=「
(一
社)若狭路活
性化研究所」
(スポーツイ
ベントの運
営、ポータル
サイト情報集
約・運営)
①民間事業者のアイデ
アや活動をすくい上
げ、地域全般に波及し
ていくよう仕掛ける。
②施策を活用して事業
全体の青写真を策定
し、事業開始のきっか
けを作る。
③行政⇔行政、行政⇔
民間の繋ぎ役を担う。
・特産品開発
推進=商工会
○H18:∞事業
・「
“完熟”フルー
ツ」のテーマ設定
・モニターツアー
「完熟フルーツこ
だわり探訪」4 回
・
「完熟フルーツマ
スター」制度制定
○H23~:∞事業
での実行委員会を
ベースにした「南
アルプス桃源郷フ
ルーツプロジェク
ト実行委員会」体
制維持⇒活動の継
続
○H20:町から
商工会にマコモ
粉末の商品化に
ついて相談
⇒∞事業を活用
してマコモを活
用した特産品開
発をスタート
○H21:∞事業
○H21:県ファン
ド事業
・マコモの特産品
開発(ワッフル、
ラスク、マコモ料
理)
①特産品開発
・地域の主要
生産者、食品加工 関係者(「真菰
製造業者、飲食業 の菰野会」
「湯
者、宿泊業者が作 の山温泉女将
る「真菰の菰野会」 の会きらら」
、
によるマコモタケ 「生産者の
の生産・加工品開 会」)による
発・メニュー提供 「まこもでき
れいになろ
②観光振興
う!プロジェ
・宿泊事業者によ クト」推進、
る自主的な体験型 首都圏でのプ
観光メニュー提供 ロモーション
の継続
・商工会+NPO ○H26~
「三重県自然環境 28:
保全センター」+ ・∞事業の再
菰野町観光協会の 活用による外
連携による観光情 国人観光客誘
報ポータルサイト 致調査~トラ
「0 番線」での観 イアル事業の
光情報の一括発信 計画
号
B-②
①ゼロ
スター
ト活用
○H26:∞事業
○H26 年 11 月
・スポーツイベン ~
ト情報のワンスト ・宿泊事業者等に
ップ発信(美浜町、 よる「
(一社)若狭
若狭町、各観光協 路活性化研究所」
会、陵南地区諸団 設立⇒事業運営を
体との連携による 移行
わかさエリアの情
報集約の仕組み構
築)
継続のしくみ
商工会・商工会連合会
/
(指導員)の役割
工夫
○H18:∞事業
を活用して市の
構想の具体化⇒
「南アルプス桃
源郷フルーツプ
ロジェクト」を
スタート
山梨県
■課題
南アルプ
市の計画と歩調
ス市商工
を合わせた農林
会
業を核とした地
域ブランドの構
●事例番
築
■状況
・名古屋近郊にあ
り名湯を有する
観光地であるが、
近年宿泊者数が
激減
・H16 年頃~:
三重県
町名由来のマコ
菰野町
モを活用した、生
(こもの 産者、温泉宿、飲
ちょう) 食店による地域
商工会
活性化の取組み
開始
●事例番 ・H20:町による
号
観光振興プラン
B-③
の策定⇒体験型
観光推進の方針
事業化のしくみ/
工夫
役割分担によ
る地域ブラン
ド化推進
①“完熟”という訴求
力のあるテーマを設定
し、観光振興、商品開
発を同時推進した。
・観光事業=
観光協会
②∞事業や県事業、自
主財源などを活用し、
・
“完熟”商品 活動を継続させる。
開発=商工会
①観光振興
○H26:「南アル ○H27~28 ③セミナーなどのきっ
○H21:∞事業
プス市観光協会」 (予定)
:∞事 かけを与えて、やる気
・JR 東日本が「完 設立⇒観光事業の 業の再活用に のある事業者や生産者
熟フルーツこだわ 移管
よる開発商品 に、商品開発など新し
り探訪」ツアー採
の販路開拓
い事への挑戦を促す。
用⇒延べ 900 名 ○H26:市+JA+
が参加
商工会の 3 者共催
「商品開発セミナ
②商品開発
ー」
○H22:∞事業
⇒フルーツドレッ
・パンフレット、 シングを開発
HP 整備
・完熟ピューレ開
発⇒展示会出展⇒
商品化、商工会に
よる製造販売
○H23~25:∞
事業の連続活用に
よる着地型観光開
発
・H23:ワーキン
ググループによる
地域資源の掘起し
・H24:観光プラ
ン開発
・H25:モニター
ツアー、宿泊施設
での体験型メニュ
ーの提供
・HP、パンフレッ
ト整備
- 11 -
①観光業者、商工業者
(食品加工業者)、生産
者が共通して取組める
テーマを設定し、地域
の活動に育成する。
②行政と協調して地域
活性化活動を計画し、
事業化を図る。
③施策を活用してトラ
イアル事業を実施する
ことで事業の基盤を整
備し、事業者がその後
も安心して参画できる
土台を作る。
■状況
③事業
・うずしお温泉
化推進
は、泉源から運搬 活用
する方式であり 4
地区に跨ってい
るため、施設が点
在して温泉街の
イメージが乏し
い
・肌がなめらかに
なる良質の泉質
であるにもかか
兵庫県
わらず、知名度が
南あわじ
あまり高くない
市商工会
●事例番
号
B-④
・県が「ウォーキ
ング立県とっと
鳥取県
り」を標榜、ウォ
湯梨浜町 ーキングによる
商工会
健康促進、ウォー
キングイベント
●事例番
開催を推進
①商工団体ならではの
視点により、訴求力の
あるスローガン(「べっ
ぴんの湯」)を策定し、
プロジェクトのベクト
ルを合わせる。
○H20~:町、
商工会等による
観光開発、特産
品開発の取組み
↓
○H23:「東郷
湖・未来創造会
議」で 10 プロ
ジェクトを策定
⇒商工会が「ウ
ォーキングリゾ
ートプロジェク
ト」
「ゆりはまも
のづくりプロジ
ェクト」を主導
することに決定
○H24~25:∞ ・町、商工会、JA 役割分担によ
事業を活用したプ 観光協会、温泉旅 るウォーキン
ロジェクトの推進 館組合などオール グ振興と特産
湯梨浜町による
品開発の推進
・7 つのウォーキ 「実行委員会」形
ングコース策定
式によるプロジェ ・計画協議・
・ウォーキングス クト推進(商工会 決定=「実行
テーション、看板、 =事務局)
委員会」
協賛店設置
・ガイド冊子作成
・ウォーキン
グイベント運
○H26:県事業を
営、ウォーキ
活用した
ング振興=
①観光開発
NPO「未来」
・観光フェア出展
が主体
・おもてなし講習
会開催
・特産品開発
②特産品開発
=「げんき梅
・特産品の大玉梅
商品開発者の
「野花豊後」を活
会」による自
用した「げんき梅」
主活動
シリーズの商品開
・(計画)
「ふ
発
るさと名物応
援事業」を活
用した特産品
開発の推進
①行政(町、県)と歩
調を合わせた活動を行
うことで、地域全体の
活動に発展させる。
○H23~24:
∞事業を活用し
た地域ブランド
策定と特産品開
発
○H25:∞事業を
活用した観光開発
による「岡山桃太
郎」ブランドの強
化
①計画を策定し、施策
を活用して事業として
進める。
・
「岡山桃太郎ブ
ランド」立ち上
げ、認定制度制
定
・商工会+中国
学園大学・中国
短期大学、高松
農業高校との産
学連携による特
産品開発
・5 つのモデル観
光ルートの開発、
「吉備の国観光マ
ップ」作成
・
「岡山桃太郎」ブ
ランド試作品開発
■課題
温泉観光に+α
の魅力を加える
観光魅力の開発
と湯梨浜町のイ
メージの構築
■状況
・商工会の管轄エ
リア(吉備、備中
高松、足守)には
名所旧跡が多数
あるが、広域なた
岡山県
め、地域全体のブ
岡山西商 ランド化が図ら
工会
れていない
・桃太郎伝説が活
●事例番
かされていない。
号
B-⑥
・
「うずしお温泉組 役割分担によ
合」による事業運 る観光振興
営(商品開発・製
造・販売)
・特産品製
造・販売=「う
ずしお温泉組
○H24:∞事業を
合」
活用した景観整備
事業
・うずしお温
・椿の植樹
泉全体のプロ
モーション・
○H25:∞事業を
PR=商工会
活用した女性をタ
(独自予算、
ーゲットにした
県事業等を活
大々的なプロモー
用したプロモ
ション・PR 活動
ーション支
・「べっぴんの湯」
援)
スローガン策定
・旅行雑誌「じゃ
○H27:
「淡路
らん」
、女性ライダ
花博」出展
ー専門誌への広告
掲載、無料 PR 誌
作成、ラジオ番組
内での PR、壁面
CM、旅行フェア、
イベント出展
・新商品開発(フ
ェイスマスク、化
粧水、入浴錠)
■課題
地理的なマイナ
ス要因(広域性、
温泉街のまとま
りが無い)をカバ
ーできるうずし
お温泉のブラン
ドの構築
■状況
①ゼロ
・県内有数の温泉 スター
観光地だが、宿泊 ト活用
客数が減少
・温泉に代わる観
光の魅力を打出
せていない
号
B-⑤
○H22:「うず
しお温泉組合」
の理事長(商工
会理事)から、
うずしお温泉の
成分を訴求した
PR の相談
↓
商工会による同
組合を支援した
観光振興の取組
みスタート
■課題
岡山西エリア全
体の地域ブラン
ド化
①ゼロ
スター
ト活用
④継続
促進活
用
○H22:県連事業
・温泉を原材料に
した化粧品開発
(ミスト、石鹸)
・HP、パンフ整備
- 12 -
・商工会内に「地 ①特産品開
域資源活用事業運 発:
営委員会」設置(商 ・「岡山桃太
工会関係者、県連、 郎」ブランド
岡山市経済局、中 認定制度によ
国学園大学・中国 る商品開発推
短期大学、新聞社 進
など)⇒活動継続
②観光振興・
PR 活動
・
「吉備の国観
光マップ」増
刷
・中国学園大
学・中国短期
大学による
PR ビデオ製
作
②補助金を最大限活用
した PR・プロモーシ
ョン支援により、ブラ
ンド構築支援を行う。
③県連や行政(市・県)
との連携により、有益
な施策情報を収集し、
活用する。
②商工会のネットワー
クを活かし、NPO 法
人や民間事業者など、
必要なプレイヤーを活
動に巻き込む。
③∞事業や県、国の施
策をうまく繋いで、活
動を発展させる工夫を
する。
②行政や教育機関、観
光協会、専門家などの
ネットワークを取りま
とめ、地域経済活性化
を推進する。
③意欲的な事業者を発
掘しプロジェクトの活
用を勧めることで、事
業基盤の強化を図る。
■状況
①ゼロ
・大野城市のイメ スター
ージが福岡市の
ト活用
ベッドタウンと
なっている
・大宰府の通過地
点となっており、
福岡県
歴史資源を有す
大野城市 る地域でありな
商工会
がら、内外で認識
されていない
●事例番
号
B-⑦
C
○H22:商工会
担当課長が地域
のアイデンティ
ティの問題と捉
え、市の担当課
に相談
↓
市と商工会が連
携して、観光振
興を図る取組み
をスタート
■課題
大野城市のアイ
デンティティの
確立、内外でのイ
メージ刷新によ
る観光誘致
○H23~24:∞
事業を活用し取組
みをスタート
○H23:
・歴史資源の調査
発掘、古代食の研
究
○H24~25:
・体験型観光イベ
ント「おおのじょ
う まちなかわく
わくパビリオン」
開催
・ご当地メニュー
「大野城 鶏ぼっ
かけ」
、焼ドーナツ
「大野ジョー ハ
ッピーリング」開
発
○H26~:
・市の補助金+自
主財源による「お
おのじょう まち
なかわくわくパビ
リオン」継続開催
・パンフレット広
告掲載による
100 万円の収入
確保
・イベント公募制
による事業者の主
体的なイベント参
加
○H28~:
(新設)
「にぎ
わいづくり協
議会」へ事業
を移管予定
①行政(大野城市)と
問題意識を共有できる
強い繋がりを作り、市
と商工会による連携活
動とする。
②地域を動かせる熱意
のあるキーパーソンを
スカウトし、一緒に活
動を進める。
③事業を進める過程
で、地域活性化に繋が
る事業者や団体の間の
ネットワークを構築す
る。
・
「大野城 鶏ぼっ
かけ隊」による鶏
ぼっかけプロモー
ション
地域活性化ビジネスの創出
支援機関
地域の課題/問題
の認識
■状況
・白山麓に広がる
5 つの商工会の合
併により、白山麓
の広域を所轄す
る白山商工会が
誕生
・この 10 年来、
観光客数、観光消
費額とも 8 割程
石川県
白山商工 度に落ち込み
会
■課題
観光客数、観光消
●事例番
費額の回復
号
∞事業の投
入タイミン
グ
計画策定、トライ
活動のきっかけ アルプロジェクト
の実行
①ゼロ
スター
ト活用
○H17~:白山
商工会の観光業
部会役員が中心
となった実行委
員会による観光
資源開発の継続
的な取組みスタ
ート
↓
○H18:∞事業
を活用したヘル
スツーリズムの
取組み
○H19:国交省
事業を活用した
QR コードによ
るスタンプラリ
ー
↓
・思うような効
果が得られず
⇒特産品開発の
連続開発へ
○H20:∞事業を
活用した特産メニ
ュー開発「白山百
膳」
・事業推進、PR
広報=「白山麓
賑わい創出事業
実行委員会」
・広域連携推進
=
・参画事業者(宿 白山商工会
泊業、飲食業、観
光業)による自主 ○「白山きりま
的な活動
んじゃろ」事業
・運営主体、店
舗開拓=コーヒ
ー製造・販売会
社
・社会貢献事業
(環境保全活動
への寄付)=商
工会
①∞事業を連続活用
して、複数の特産品
を連続投下し、マス
コミの関心を継続さ
せる。
○H12:商工会
理事が静岡県湖
西市、新居町の
葬祭業の共同事
業モデル情報を
入手
↓
商工会理事、商
工会副会長が中
心となった商工
会会員による共
同事業化の検討
○H13:商工会内 ・公平性を担保す ・
「協同組合 吉
に研究会を設立
るために商工会員 田商工セレモニ
を対象にした組合 ー」による事業
○H14 年 3 月: を組成
拡大(ホール建
発起人会立ち上げ
↓
設への投資、他
・
「協同組合 吉田 地域への進出・
○6 月:
「協同組合 商工セレモニー」 多角化計画)
吉田商工セレモニ 設立による事業運
ー」設立⇒7 月共 営
・商工会は PR
同受注事業開始
支援等の側面支
援
○H18:自前の葬
儀ホール「愛ハー
ト会館」建設
①地域の共通課題を
解決するために連携
する会員事業者をサ
ポートする。
④継続
促進活
用
C-①
■状況
∞事業
・JA の葬祭業参 の活用
入による域内事
無し
業者への葬祭関
連発注の激減
静岡県
・会員事業者の経
吉田町商 営への打撃
工会
●事例番
号
C-②
■課題
連携による域内
事業者の生き残
り、域内資金循環
の確保
○H23:∞事業を
活用したスイーツ
開発「白山もんぶ
らん」
○H24:∞事業を
活用した地域振興
+社会貢献事業開
発「白山きりまん
じゃろ」事業
- 13 -
事業化のしくみ/
工夫
継続のしくみ/
工夫
・H20~:商工会
内組織「白山麓賑
わい創出事業実行
委員会」によるプ
ロジェクト推進
商工会・商工会連合
会(指導員)の役割
②地域のキーパーソ
ンとなる人材を発
掘・育成して、事業
者に活動を担っても
らう仕組を構築す
る。(
「白山麓賑わい
創出事業実行委員
会」による活動推進)
②企画や予算確保な
どの事業運営を白山
商工会が担い、他県
の商工会や商工会議
所が参加しやすくな
るスキームを作り、
広域連携を実現す
る。
②初期の段階で全面
的なバックアップを
行い、事業者のやる
気の芽をつぶさずに
推進する。
③書類作成や会員事
業者への説明や説
得、参加募集など、
事業スタート時期に
必要な活動の伴走支
援を行う。
■状況
∞事業
・中山間地域にも の活用
多くの特産品が
無し
あるが、都市部で
の販路を持たな
いため、域内の地
産地消に頼るし
かない
広島県
・一大消費地の広
広島県商 島市ではこれら
工会連合 の特産品が知ら
会
れていない
●事例番
号
C-③
○H10:国の提
案公募型事業活
用
・広島県連によ
る特産品アンテ
ナショップ「商
工会夢ぷらざ」
オープン
↓
○H11:県が類
似事業を計画⇒
県連が県に統合
計画を提案
■課題
中山間部、過疎地
の特産品の消費
地での販路確保、
流通機能の提供
■状況
∞事業
・S59:商工会が の活用
地域ビジョン策
無し
定
・S61~:JA と
連携した紅イモ
の加工品開発な
沖縄県
ど村おこし事業
読谷村
をスタート
(よみた ・H10 前後:NHK
んそん) 大河ドラマセッ
商工会
トのテーマパー
ク「南海王国・琉
●事例番
球の風」の経営不
号
振⇒事業見直し
C-④
へ
■課題
「南海王国・琉球
の風」跡地を有効
活用した新しい
観光ビジネスの
起ち上げ
県連の嘱託専門員 県連による本格 ①県の計画と県連の
を店長とする広島 的な事業として 事業を統合した計画
を提案して事業をス
県連合会による事 の取組み
タートさせ、県連が
業運営(
「
(公財)
事業主体となること
広島県市町村振興 ・イベントコー
で事業の継続性を保
協会」からの委託) ナー、日替わり つ。
店頭コーナーに
①特産品販売事業 ・特産品販売=助 よる商品回転の
・県内商工会、商 成金ゼロ、独立採 仕組み⇒リピー ②事業として継続で
きる仕組みを構築す
工会議所が推薦⇒ 算で運営
ターの確保
る。(一等地での立
ひろしま夢ぷらざ
と県連による採択 ・情報発信事業= ・デパート OB、 地、リピーターを作
商品の取扱い
「(公財)広島県市 県連による特産 る売場づくり、百貨
店 OB の嘱託専門指
町村振興協会」か 品開発指導によ
導員や店長、県連、
②情報発信事業
らの助成金事業
る売れる商品開 商工会の指導員を通
「(公財)広島県市
発支援
した魅力的な商品作
町村振興協会」メ
りのサポートなどの
ンバーの自治体か
仕組みの構築)。
らの情報提供⇒ぷ
③県内の商工会、商
らざ内での観光案
工会議所と連携し、
内、チケット販売
全県の事業者が活用
可能な販路を提供す
る。
○H11 年 3 月:
県連が運営する特
産品販売と県内の
市町村の情報発信
拠点「ひろしま夢
ぷらざ」オープン
・商工会による
むらおこし塾
(H3~13)卒
塾生が中心とな
った官民による
地域おこし人材
のネットワーク
が活動の下地
○H11 年 5 月: 地域おこし会社
商工会会員、地主、 「(株)読谷ククル
役場職員、むらお リゾート沖縄」に
こし塾卒塾生が出 よる運営
資する「
(株)読谷 ・
「体験型」による
ククルリゾート沖 他のリゾート施設
縄」設立
との差別化⇒修学
旅行誘致の成功
○8 月:体験型リ ・テナント事業者
○H10:「南海 ゾート施設「むら の自助努力による
王国・琉球の風」 咲むら」オープン 集客⇒事業者の自
運営会社が村と
主性育成
商工会に相談
↓
[施設の運営管理]
・商工会を中心
○H22~:村から
とした再建事業
商工会への無償貸
計画への取組み
与から、「
(株)読
⇒商工会、商工
谷ククルリゾート
会青年部、むら
沖縄」に有償譲渡
おこし塾卒塾生
を中心とした再
建計画策定
①「むら咲むら」 ①「地域ビジョン」
運営=「
(株)読 を策定し、村の将来
谷ククルリゾー 構想を提案する。
ト沖縄」
②「むらおこし塾」
の開催により、10
②更なる観光イ 年がかりで、将来の
ベント開発/プ キーパーソンとなり
ロモーション= 得る若手人材を育成
商工会
する。
↓
○H27:県事業 ③商工会をハブとし
を活用した「よ て、自治体や観光協
みたん夜あかり 会、JA や漁協など
の組織と事業者や住
プロジェクト~
民を結びつけ、地域
琉球ランタンフ おこしに必要不可欠
ェスティバル」 なネットワークを構
スタート
築する。
・(計画)
「泰期
をテーマにした
岬への観光導線
開発」
D (参考)コミュニティビジネス.
支援機関
地域の課題/問題
の認識
∞事業の
投入タイ
ミング
活動のきっかけ
■状況
∞事業 ○H21:
・急激な高齢化と人 の活用 ・美郷町から商工会
口減少による地域 無し
へスーパー跡地利
活力の衰退
用の相談
・H21:地元スー
島根県
↓
パーが撤退⇒地元
美郷町
・商工会から、スー
(みさと 商店街の衰退、地元
パーと産直市を併
ちょう) 特産品の流通ルー
設した新業態を提
トの消滅
商工会
案
●事例番
号
D-①
■課題
地域の核店舗の再
建、地元特産品の販
路提供、地域活性化
ビジネスの起ち上
げ
計画策定、トライ
アルプロジェクト
の実行
○H22:
運営母体「美郷振興
(株)
」(商工会役
員、町三役による共
同出資)
○10 月:スーパー
と産直市を併設し
た商業施設「産直み
さと市」オープン
○H23:施設内で
の調剤薬局事業の
展開
○H26:
「みさと産
直企業組合」法人化
(120 の生産農家
の連携組織)
- 14 -
事業化のしくみ/ 継続のしくみ/ 商工会・商工会連合会
工夫
工夫
(指導員)の役割
スーパー運営と産 ・調剤薬局事業 ①地元にお金を落とし
直市の分離と運営 による採算性 てもらう仕組を作る。
団体の組成
の向上⇒経営 (調剤薬局事業による
の安定化へ
スーパーの付加価値化)
<スーパー運営>
①スーパー部門+ ・他エリアへの ②活動展開に合わせ、
調剤薬局部門の運 調剤薬局事業 「美郷振興(株)」や「み
営=「美郷振興
展開⇒収益の さと産直企業組合」
、
「合
(株)
」
確保
同会社みさと商店会」な
②スーパー部門の
ど、事業を動かす活動母
商品仕入=「合同会 ・町の委託事業 体の組成を促す。
社みさと商店会」 による買物困
難地域対策へ ③町と連携しながら、商
<産直市>
の取組み
工業者の活性化の視点
③産直市の運営=
で地域活性化を推進す
「みさと産直企業
る。
組合」
(2)20 事例の成果
訪問取材で明らかになった 20 事例の成果を集計しました。
集計に当たっては、取材により抽出した成果を下記 11 項目に分類した上で、20 事例の成果をそ
れぞれ、数に上限は設けずにカウントする手法を採りました。
「新商品、新サービスを開発」と「新
観光メニューを開発」を同時に行っている事例もあり、それぞれにカウントしています。
■成果項目
新商品、新サービスを開発
今までになかった新規特産品を開発した。観光に付加価値を与えるような
サービスの開発等もここに含める。
新観光メニューを開発
新しい観光メニューや観光ルートを開発した。
新規事業を開発
地域になかった新規事業等を開発したり、興したりした。
新規事業体を創出、起業促進
活動の結果、活動の運営や推進を行う新たな事業体や団体を組成した。
域内事業者の受注・売上が増加
活動に参画した事業者や域内事業者の受注増加や売上増加に繋がるなど、
経済効果をもたらした。
新事業挑戦や自主的な活動の促
進など域内事業者の活性化
一連の活動から刺激を受けて、参画事業者や域内事業者が自主的に活動を
行うなど、“やる気”を醸造し、活性化に繋がった。
生産農家が自ら加工品開発に取組む 6 次産業化の推進もここに入る。
流入人口、交流人口が増加
開発した観光メニューや特産品を目当てとした観光客など、域外からの流
入人口が増加した。
雇用を創出
活動の結果、新規雇用を創出した。
地域活性化のネットワークを構
築、関係性を強化
活動を推進する過程で、主要な人材や組織のネットワークを新たに構築、
もしくは関係性が強化され、今後の地域活性化の活動の基盤が構築できた。
若手人材や地域おこし人材を育
成
将来の地域活性化を担う若手人材を育成したり、地域活性化を担うリーダ
ー等の人材を発掘した。
地域ブランドを創出、地域の知
名度が向上
マスコミへの露出などを通じて、地域の知名度が向上し、地域ブランドの
創出に寄与している。
成果の集計結果を次ページにグラフ化しました。棒グラフは成果の件数(カウント数)を表し、
右の円グラフは 20 事例中の成果が上がった割合を示しています。
20 事例全体では、成果が上がった項目で最も多かったのは、「新事業挑戦や自主的な活動の促進
など域内事業者の活性化(18 件)」で、9 割で成果が上がっているという高い数値となりました。
次に多いのは「新商品、新サービスを開発(14 件)」で 7 割が成果を上げていますが、【A.地域
資源を活用した特産品開発】テーマの 8 事例で見ると 100%となっています。
以下多い順から、「地域活性化のネットワークを構築、関係性を強化(11 件/55%)」、「新観
光メニューを開発(8 件/40%)」「新規事業体を創出、起業促進(8 件/40%)」「域内事業者
の受注・売上が増加(8 件/40%)」「地域ブランドを創出、地域の知名度が向上(8 件/40%)」
などとなっています。
- 15 -
件
 棒グラフ:20 事例全体の
件数
 円グラフ:20 事例中、当該
項目の成果を挙げている
事例の割合
成果の件数を合計すると 96 件となり、平均すると 1 事例で約 5 項目の成果を上げていることに
なります。仔細に見てみると、20 事例中 5 項目以上の成果を上げている事例が 13 事例(65%)
となりました。
多くの成果を上げている事例の中には、新商品・新サービス、新観光メニューの開発や新規事業
体の創出といった成果が、域内事業者の受注・売上の増加や雇用の創出に波及するという好循環を
生んでいるものもありました。
- 16 -
(3)20 事例に見る活動スキーム
取材の結果により、活動の推進スキームを 5 つに類型化することができました。抽出したスキー
ム類型は下記 5 つになります。
■商工会・商工会連合会による面的支援事例
類型名
模式図
事業推進スキームの類型
説明
商工会・商工会連合会が大枠の
テーマ設定を行い、事業計画を
策定して事業を推進する類型。
施策を活用して行政や関係機関
をメンバーにした委員会や協議
会などを立ち上げ、プロジェク
トを具体的に進める形などを取
る。
①商工
会・商工会
連合会事
業牽引型
施策終了後に商工会・商工会連
合会が事業主体となり、自主財
源や他の施策を活用して事業を
継続するケースも見られる。
地域経済を牽引する事業者やグ
ループがプロジェクトの中心と
なって事業を推進する類型。商
工会会長や理事等役員が中心と
なる場合も多い。
②事業者
主体型
商工会・商工会連合会は、活動
を円滑に進めるために施策を活
用して事業の枠組みを整備する
支援をしたり、販路開拓や広
報・PR などの側面支援を行う。
行政機関、支援機関、地域事業
者・団体、観光協会、NPO 団体、
場合によっては JA 等、地域の
関係者が連携し、役割を分担し
て事業を推進する類型。
③地域連
携型
行政が中心となったプロジェク
トに商工団体が参画する形態
と、商工団体が施策を活用して
組成した委員会等がプロジェク
トを牽引する形態がある。
- 17 -
商工会・商工会連合会が、複数
の同業者を対象に、新商品や新
サービスの開発スキル獲得等、
事業者の育成を目的として面的
な支援を目指す類型。
④参画事
業者成長
促進型(地
場産業育
成型)
伝統工芸や地場産業の振興や現
代ニーズへの転換を図る場合な
ど、この形態を採ることが多い。
外部プロデューサーや地域おこ
しの専門家、コンサルタント会
社等を活用して、活動の方向性、
進め方の指導を受けながらプロ
ジェクトを進める類型。
⑤地域プ
ロデュー
サー等外
部人材活
用型
商工会・商工会連合会は、施策
を活用して活動原資を確保した
り事務局を務めるなど、側面支
援に回る。
下表は、20 事例がどのスキームを採用しているかの分類表です。多い順に、〈①商工会・商工会
連合会事業牽引型〉の割合が 40%、〈③地域連携型〉が 35%、〈②事業者主体型〉〈④参画事業
者成長促進型(地場産業育成型)〉が共に 10%、〈⑤地域プロデューサー等外部人材活用型〉が 5%
という結果になりました。
■訪問取材 20 事例のスキーム類型
類型名
事例数
A
地域資源を活用し
た特産品開発
和寒町商工会
①商工会・商工会連 8 事例
出羽商工会
合会事業牽引型
(40%) 郡上市商工会
大町町商工会
B 観光開発・観光振興 C
地域活性化ビジ
ネスの創出
南あわじ市商工会
岡山西商工会
白山商工会
広島県商工会連合会
②事業者主体型
2 事例
(10%)
わかさ東商工会
吉田町商工会
③地域連携型
7 事例
日野町商工会
(35%)
南アルプス市商工会
菰野町商工会
湯梨浜町商工会
大野城市商工会
読谷村商工会
④参画事業者成長
促進型(地場産業育
成型)
⑤地域プロデュー
サー等外部人材活
用型
石巻かほく商工会
2 事例
(10%) 高松市牟礼庵治商工会
1 事例
(5%)
白馬商工会
- 18 -
D
コミュニテ
ィビジネス
美郷町商工会
(4)訪問取材 20 事例に見る面的な波及の仕組み
昨年度の商工会議所による支援事例を研究した際にまとめた分類に習い、今年度用に変更を加え
てまとめたのが下表です。最も顕著に見られるのが、「地域ブランド創出と販路開拓支援、販売店
舗やテーマパーク等の場の提供による域内事業者の商品・サービス開発促進」で、地域ブランド認
定制度など、事業者が参加できる仕掛けを作り、地域内事業者の取組みを広く促す手法です。大枠
の仕掛けを作った後は、個々の事業者の挑戦意欲に委ねられ、商工会・商工会連合会は仕組みの維
持・運営に従事することが多くなります。
また、「委員会や協議会、商工会・商工会連合会を核とした組織などによる官民一体となった地
域連携」に関しては、【B.観光開発・観光振興】テーマで多く見られ(5 事例)、【A.地域資源を
活用した特産品開発】テーマでは 1 事例しかありませんでした。その他の 3 事例は【C.地域活性化
ビジネスの創出】テーマでした。
■訪問取材 20 事例の面的波及の仕組み
特長
該当する事例※
面的波及の仕組みのタイプ
垂直連携による商品・サービス開発
(異業種連携、農商工連携)
同業種の連携
生産農家の連携による
水平連携に 6 次産業化、多角化
地域内事業者の力 よる商品・サ
ービス開発
を活用
同業種団体内の連携
地場産業・伝統産業の底
上げ
地域ブランド創出と販路開拓支援、販
売店舗やテーマパーク等の場の提供
による域内事業者の商品・サービス開
発促進
和寒町商工会、出羽商工会、吉田町商工会、
菰野町商工会、わかさ東商工会、湯梨浜町商工会
白馬商工会、郡上市商工会、菰野町商工会、
白山商工会、わかさ東商工会、美郷町商工会、
大野城市商工会、大町町商工会
和寒町商工会、南アルプス市商工会、日野町商工
会
石巻かほく商工会、南あわじ市商工会、
湯梨浜町商工会、美郷町商工会、
高松市牟礼庵治商工会
石巻かほく商工会、高松市牟礼庵治商工会
出羽商工会、南アルプス市商工会、白山商工会、
湯梨浜町商工会、美郷町商工会、岡山西商工会、
広島県商工会連合会、高松市牟礼庵治商工会、
大野城市商工会、大町町商工会、読谷村商工会
南アルプス市商工会、菰野町商工会、白山商工会、
委員会や協議会、商工会・商工会連合
日野町商工会、湯梨浜町商工会、美郷町商工会、
会を核とした組織などによる官民一
岡山西商工会、広島県商工会連合会、
地域内関係者と連 体となった地域連携
大野城市商工会、読谷村商工会
携した取組み
NPO など公益組織や支援団体との連 郡上市商工会、菰野町商工会、湯梨浜町商工会、
携
大野城市商工会
市民運動との一体化
湯梨浜町商工会、大野城市商工会
※1 つの事例で複数の項目に該当する場合は、それぞれの項目に記載しています。
- 19 -
Ⅲ. 成果を上げている 20 事例に見られる特徴
訪問取材をした 20 事例に見られる特徴をまとめました。これらの事例は複数の成果を上げ、地
域活性化の好影響を生み出している事例ですので、こうした特徴が成果を創出する要因となってい
ると考えることができます。
Ⅲ-1. 20 事例に見られる特徴の抽出
事例に見られる<成果に結びついていると思われる>11 の特徴を抽出しました。複数成果を上げ
ている事例の分析ですので、これらの特徴は、成果を生む要素と見なすことができます。
特徴の一覧表を記した後に、これらの特徴が見られる事例の具体的な内容を例示※しましたので、
活動計画策定時や実行時の参考としてください。
特に、活動運営組織の形態を探るのに〈①事業運営組織の組成と事業継続〉の具体例が、地域内
リソースの活用方法を考えるのに〈②関係者の巻込み〉の具体例が参考になると思われます。
■訪問取材 20 事例に見られる特徴一覧
カテゴリー
特徴
説明
①事業運営組織の組成と事業継続
【A.活動スキーム ②関係者の巻込み
の特徴】
③行政や事業者間の調整機能の発揮
【B.支援テーマの
特徴】
④多くの関係者の賛同を得られるテ
ーマ設定
⑤1 次産業(農業)との連携による地
域活性化
⑥既存活動の後押しによる事業化、活
動の強化
⑦組合との連携、組合の活用による面
的な地域活性化
⑧外部事業者を活用したプロジェク
【C.事業推進手法 トの推進
の特徴】
⑨認定制度やブランドの策定による
広範な参加者の募集
⑩継続した支援策の活用と複数テー
マの連続投入
⑪話題性の提供によるマスコミの上
手な活用
- 20 -
運営を担う組織を新たに立ち上げ、事業を移管し、
事業を継続している。
行政や NPO など、活動に必要な組織や人材と協
調関係を築きつつ活動を進めている。
商工会・商工会連合会が仲立ちとなって、行政⇔
事業者や事業者⇔事業者の調整や連携を促進し
て、地域おこしの活動へと繋げている。
地域内で共感を集められる活動テーマを設定する
ことによって、幅広い関係者の協調を促し、面的
な活動へと展開している。
地域特性を活かし、基幹産業である農業を核に、
生産者や JA とも連携して農商工連携や 6 次産業
化推進により地域経済の活性化を進めている。
既に事業者が始めている活動を、商工会・商工会
連合会が支援することで事業として進展させ、軌
道に乗せている。
組合を支援することで組合員事業者への波及効果
を目指したり、組合の組成を促すことで地域経済
の活性化を図っている。
原材料の調達や、ブランドプロデュースなど、商
工会・商工会連合会内部の力だけでは難しい活動
に関して、域外事業者の力を借りることで機能補
完を行い、プロジェクトを進めている。
ブランド認定制度などにより広く参加者を募るこ
とで、地域全体への普及や活性化効果が広範に及
ぶことを狙っている。
継続・連続して施策を活用することで、活動を継
続させ、話題性を提供している。
地域資源のストーリーや話題を提供してマスコミ
の注目を集め、メディアへの露出を図る事で、効
率の良い宣伝効果を得る。
■訪問取材 20 事例に見られる特徴の具体例
【A.活動スキームの特徴】
① 事業運営組織の組成と事業継続
運営を担う組織を新たに立ち上げ、事業を移管し、事業を継続している。
組織名
事例番号
内容
和寒町商工会
A-①
・商工会役員、会員事業者、JA 等が共同出資する「(株)わっさむファク
トリー」設立と、カボチャペースト半加工製品製造の事業移管
・ペポカボチャ生産者による「
(株)和寒シーズ」設立と、1次加工開始
・上記 2 法人を中心としたカボチャペースト事業とペポカボチャ事業の 2
軸による 6 次産業化推進
出羽商工会
A-③
・商工会、商工会役員が出資する運営母体「
(株)出羽の四季」の設立と
「orajos(おらほす)SHONAI」ブランド商品の製造・販売事業移管
郡上市商工会
A-⑤
・メニュー提供飲食店が加入する「奥美濃カレー協同組合」設立と、奥美濃
カレー振興活動&加工品製造販売事業、共同仕入れ事業の移管
・B-1 グランプリなどイベント出店母体となるサポート組織「奥美濃カレ
ーファミリー」の設立と、PR・プロモーション事業の移管
大町町商工会
A-⑧
・提供飲食店による「大町たろめん運営協議会」組成による加工品製造事業、
たろめん振興事業の移管
わかさ東商工会
B-①
・熱心な事業者等による「(一社)若狭路活性化研究会」組成と、若狭路ス
ポーツイベント情報一括発信事業、スポーツイベント運営事業の移管
大野城市商工会
B-⑦
・飲食店を中心とした有志による「大野城 鶏ぼっかけ隊」組成と、鶏ぼっ
かけメニューの振興・プロモーション事業の移管
・市による「
(仮称)にぎわいづくり協議会」設立と、
「おおのじょう まち
なかわくわくパビリオン」イベント事業移管(予定)
吉田町商工会
C-②
・商工会会員による「協同組合
る共同受注事業の開始
読谷村商工会
C-④
商工会会員らによる「(株)読谷ククルリゾート沖縄」設立と、体験型テー
マパーク「むら咲むら」事業経営
D-①
・商工会役員、町三役が共同出資する(設立当初⇒現在は商工会関係者が株
主)
「美郷振興(株)
」によるスーパー経営
・生産者が加入する「みさと産直企業組合」
(当初は任意団体⇒後に法人化)
による産直市部門の運営
・商店街の 6 商店が加盟する「
(合)みさと商店会」設立によるスーパーの
仕入ルートの確保
美郷町商工会
吉田商工セレモニー」設立と、組合員によ
② 関係者の巻込み
行政や NPO など、活動に必要な組織や人材と協調関係を築きつつ活動を進めている。
組織名
事例番号
内容
日野町商工会
A-⑥
・
「日野菜調整会議」による商工会、JA、町農林課、県農業農村振興事務所
と連携したプロジェクト推進
南アルプス市商工会
B-②
・∞事業で組織した委員会をベースにした「南アルプス桃源郷フルーツプロ
ジェクト実行委員会」体制の維持⇒商工会、県連、市、JA、観光協会、県
農務事務所等、事業者などと連携した活動の継続
B-③
・商工会、町観光産業課、観光協会に加え、生産者、食品加工業者、飲食事
業者、宿泊事業者による「真菰の菰野会」
、「湯の山温泉女将の会きらら」、
NPO 法人「三重県自然環境保全センター」など、町の広範な関係者との連
携による活動推進
菰野町商工会
- 21 -
B-⑤
・商工会を事務局とした実行委員会形式によるプロジェクト推進
・NPO 法人「未来」によるウォーキング関連のイベント運営
・町による支援、観光協会、JA、温泉旅館組合との連携
B-⑥
・商工会内に「地域資源活用事業運営委員会」設置⇒商工会が中心となり、
市経済局や県連、教育機関、新聞社と連携した事業継続/推進
・教育機関(中国学園大学・中国短期大学、県立農業高等学校)との連携に
よる商品開発、観光開発
大野城市商工会
B-⑦
・市との日頃の交流を通じた連携による活動の推進
①イベント「おおのじょう まちなかわくわくパビリオン」を市と共催
②市による事業組織(
「(仮称)にぎわいづくり協議会」)の立ち上げを推
進(平成 28 年度予定)
白山商工会
C-①
・商工会内部組織「白山麓賑わい創出事業実行委員会」による事業者の自主
的な事業推進、PR 広報活動
広島県商工会連合会
C-③
・県内商工会、商工会議所の特産品推薦の仕組み構築による、県内全域での
特産品開発の促進
湯梨浜町商工会
岡山西商工会
③ 行政や事業者間の調整機能の発揮
商工会・商工会連合会が仲立ちとなって、行政⇔事業者、事業者⇔事業者
の調整や連携を促
進して、地域おこしの活動へと繋げている。
組織名
事例番号
内容
石巻かほく商工会
A-②
・復興支援(仮設店舗・仮設工房設置、伝統産業会館再建など)における行
政⇔地域関係者(事業者、住民等)の仲立ち・調整
広島県商工会連合会
C-③
・県の承認によるアンテナショップの運営
・商工会、商工会議所、市町村振興協会など関係機関と連携した特産品販売
と観光情報の提供
読谷村商工会
C-④
・村に無償譲渡されたテーマパークの再建支援と運営組織「(株)読谷クク
ルリゾート沖縄」の設立、運営支援
美郷町商工会
D-①
・村からの要請に応じてスーパー兼産直市を計画・運営
・生産者や商店の協力を取付け、産直市の運営と仕入れを実現
・過疎地域の自治会と連携した買物困難地域対策への取組み
【B.支援テーマの特徴】
④ 多くの関係者の賛同を得られるテーマ設定
地域内で共感を集められる活動テーマを設定することによって、幅広い関係者の協調を促し、
面的な活動へと展開している。
組織名
事例番号
内容
日野町商工会
A-⑥
・日野町が原産地である日野菜の振興をテーマにした商品開発と生産促進
菰野町商工会
B-③
・町名由来の真菰(マコモ)をテーマにした観光振興
湯梨浜町商工会
B-⑤
・県の推進するテーマ(ウォーキング立県)と同調した観光振興
- 22 -
⑤ 1 次産業(農業)との連携による地域活性化
地域特性を活かし、基幹産業である農業を核に、生産者や JA とも連携して農商工連携や 6 次
産業化推進により地域経済の活性化を進めている。
組織名
事例番号
内容
和寒町商工会
A-①
・町を上げての基幹作物(カボチャ)を活用した 6 次産業化の推進
出羽商工会
A-③
・垂直連携による地域ブランド「Orajos(おらほす)SHONAI」商品の
開発
南アルプス市商工会
B-②
・国内有数の生産を誇るフルーツをテーマにした観光振興と商品開発⇒6
次産業化の推進
【C.事業推進手法の特徴】
⑥ 既存活動の後押しによる事業化、活動の強化
既に事業者が始めている活動を、商工会・商工会連合会が支援することで事業として進展させ、
軌道に乗せている。
組織名
事例番号
内容
石巻かほく商工会
A-②
・
「雄勝硯生産販売共同組合」理事長(商工会副会長)が進めていた新商
品開発を∞事業を活用して推進支援
高松市牟礼庵治商工
会
A-⑦
・事業者が既に取組んでいた新ジャンルの商品開発の取組みに対して、∞
事業を活用してブランド化を図り、明確なコンセプトによる新ジャンルの
商品ブランド「AJI PROJECT」として展開
B-①
・若手事業者のネットワークが独自に取組んでいたスポーツイベントを∞
事業を活用して後押しし、エリア全域の活動に展開
・活動を行政の枠組みを超えた若狭路全域のスポーツ観光振興に拡大し、
情報を集約・発信
わかさ東商工会
⑦ 組合との連携、組合の活用による面的な地域活性化
組合を支援することで組合員事業者への波及効果を目指したり、組合の組成を促すことで地域
経済の活性化を図っている。
組織名
内容
事例番号
南あわじ市商工会
B-④
郡上市商工会
A-⑤
吉田町商工会
C-②
美郷町商工会
D-①
組合
支援
・
「うずしお温泉組合」の支援による地域ブランド構築と、組合員
事業者への間接的な活性化促進
・うずしお温泉全体のブランド構築
・
「奥美濃カレー協同組合」設立による奥美濃カレー普及とブラン
ド品質の維持
・JA 等と連携した共同仕入れによるコスト削減
組合
組成
・会員事業者の共同受注を目的とした「協同組合 吉田商工セレモ
ニー」の組成
・
「みさと産直企業組合」組成による、広範な生産者からの産直市
への生産物や加工品など特産品の出荷確保、事業運営の維持
- 23 -
⑧ 外部事業者を活用したプロジェクトの推進
原材料の調達や、ブランドプロデュースなど、商工会・商工会連合会内部の力だけでは難しい
活動に関して、域外事業者の力を借りることで機能補完を行い、プロジェクトを進めている。
組織名
事例番号
内容
白馬商工会
A-④
・原材料を提供する域外事業者(製粉会社)と連携した「白馬ガレット」
振興による観光魅力創り
・域外事業者(製粉会社と広告会社)
、商工会、県連、他エリア商工会等
による「信州ガレット振興会」設立と、長野全域への活動展開
高松市牟礼庵治商工
会
A-⑦
・域外のブランディングプロデューサー、デザイナーの指導による新ジャ
ンルの商品開発
⑨ 認定制度やブランドの策定による広範な参加者の募集
ブランド認定制度などにより広く参加者を募ることで、地域全体への普及や活性化効果が広範
に及ぶことを狙っている。
組織名
事例番号
内容
白馬商工会
A-④
・
「白馬クレーピエ」認定制度による白馬ガレットの普及
岡山西商工会
B-⑥
・
「岡山桃太郎ブランド」策定と認定制度による特産品開発の推進
郡上市商工会
A-⑤
大町町商工会
A-⑧
大野城市商工会
B-⑦
・組合や協議会などへの加入を前提にした、ご当地グルメメニュー提供の
許諾
・ブランドの品質維持
⑩ 継続した支援策の活用と複数テーマの連続投入
継続・連続して施策を活用することで、活動を継続させ、話題性を提供している。
組織名
白山商工会
南あわじ市商工会
事例番号
内容
C-①
・プロジェクトの連続投下による活性化活動の複層化
(H20:ご当地メニュー「白山百膳」提供⇒H23:ご当地スイーツ「白
山もんぶらん」開発⇒H24:コーヒーを活用した社会貢献事業「白山きり
まんじゃろ」)
B-④
・段階的な施策の活用によるプロジェクトの展開
(H22:県連事業を活用したうずしお温泉のブランディング(スローガン
「べっぴんの湯」策定)と温泉特産品の開発⇒H25:∞事業を活用した大々
的なプロモーション展開)
⑪ 話題性の提供によるマスコミの活用
地域資源のストーリーや話題を提供してマスコミの注目を集め、メディアへの露出を図る事で、
効率の良い宣伝効果を得る。
組織名
事例番号
内容
郡上市商工会
A-⑤
・活動初期の頃のマスコミ関係者への頻繁なアプローチによる認知度向上
の促進
・カレーサミット、B-1 グランプリ、グルメイベントへの出店など、継続
した話題性の提供と、細やかなマスコミ対応によるメディアへの露出
大町町商工会
A-⑧
・
「炭鉱の町の失われたご当地グルメの復刻」というストーリー性の訴求
によるマスコミの注意の喚起
- 24 -
Ⅲ-2. 商工会・商工会連合会による地域活性化のポイントと展望
ここでは、事例を研究して浮かび上がってきた地域活性化のポイントについてまとめています。
ポイントとして、<①「継続性」の確保><②行政や他の組織・団体との連携><③効果を生むテ
ーマの設定・絞込み>の 3 点を挙げ、それぞれの手法や方法などを整理しました。地域活性化に取
組むに当たっては、これらのポイントを参照してください。
(1)商工会・商工会連合会による地域活性化のポイント
地域活性化は時間を要する活動であるため、<プロジェクトや活動の継続
性を如何に確保するか>は、重要なポイントです。取材事例では、下記の
ような手法・方法により、継続性を確保していました。
事例に見る具体的な手法・方法
①「継続性」の確保
1
運営を担う組織を組成し、事業を移管する。
2
∞事業の複数活用や、国や都道府県・市などの施策を活用して活動の原
資を確保し、事業を継続する。
3
行政や観光協会、NPO など他の組織を活動に巻き込み、地域の活動とし
て展開する。
4
他のプレイヤーが関与している既存の活動をベースに展開する。
5
商工会会長や理事、会員など地域に根差した事業者を活動の主体に据え
る。または、これらのキーパーソンを活動に巻き込む。
6
国や都道府県・市などの施策を活用して展開することにより、これら行
政の担当者含む多くの関係者が関わる活動へと発展させる。
特に商工会の場合は、異動によって活動が中断する場合もありますので、
いずれ異動することを前提に、予め活動を継続できる仕組みを講じておく
ことが望まれます。
<(参考)異動による活動停止の予防策(例)>
 チームで担当する、または、上司・部下のペアなどで承継できる仕組みを作
って活動する。
 組織内で十分な情報共有を行い、一人の指導員による活動など属人的な活動
になるのを防ぐ。
 同じ流れの活動は、プロジェクト名や活用施策が変わっても同一プロジェク
トとして捉え、申請書や成果報告書などの記録書類は一括で管理する。また
は、系統だった保管方法により、随時参照可能な管理方法を導入する。
②行政や他の組織・
団体との連携
事業推進スキームの分析結果からは、商工会・商工会連合会は〈①商工会・
商工会連合会事業牽引型〉を多く選択する傾向が窺われました。
しかし、前述した活動継続性を確保するためにも、商工会・商工会連合会
への負荷を軽減するためにも、行政や他の組織・団体との連携は重要なポ
イントです。商工会・商工会連合会が始めた活動であっても、多くの関係
者を巻込んで地域の活動に発展させることが望まれます。
- 25 -
下記、事例の具体例を他組織との連携構築のヒントにしてください。
事例に見る具体的な手法・方法
1
日頃から行政とのコミュニケーションを密にしておく。商工課など所轄
部署だけでなく、農政課など他の部署とも繋がりを作っておく。
2
都道府県や市町村など行政の方針と歩調を合わせた活動テーマを設定
し、行政の動きと連動させ、もしくは、行政の活動のサブプロジェクト
として活動を推進する。
3
都道府県の施策を活用して、都道府県の農業改良センターや産業試験セ
ンター、市の産業局など上位の行政組織の協力を仰ぐことで、地域の自
治体(市町村)担当者も活動に巻き込む。
4
地域で活動する NPO や市民団体との接触を図り、活動への協力を仰ぐ。
5
JA と連携することで、広範な地域活動とする。
6
行政に提案して信頼を獲得し、カウンターパートナーとして活動する。
7
むらおこし塾など地域おこしの研究会などを開催して、多彩なプレイヤ
ーを集め、将来活用できるネットワークを構築しておく。
8
産学連携を進める事で、行政やマスコミなどの関心を喚起する。
テーマの設定は、どういった関係者を巻き込みたいのか、どの範囲の活動
にしたいのかなど、活動の根幹に関わる重要なポイントです。事例からは、
大きく設定する場合と、絞り込んだテーマでスタートする場合の 2 通り
が見られました。
事例に見る具体的な手法・方法
1
大枠のテーマを地域で共感を集めるものに設定し、広
範な関係者を集めた上で、具体的な個々のプロジェク
トを展開する。
2
歴史からの発掘資源や地域由来の資源、都道府県や市
町村の地域振興計画と歩調を合わせたテーマ設定など
が考えられる。
1
敢えて特定のテーマや地域資源に絞り込んで活動をス
タートする。リーダー事業者を巻き込んだり、サポー
ト団体を組成する事などで、以降の地域への波及を狙
う。
2
特定の地域資源の活用でありながら、話題性を提供し
てマスコミ報道などの露出を図り、地域全体の知名度
の向上を狙う。
地域の共感を呼
ぶテーマ設定
③効果を生むテーマ
の設定・絞込み
敢えて絞り込む
活動テーマや活用する資源が広すぎると、イメージが拡散して、内外に発
信するメッセージの力が弱まり、ブランド強化に繋がらなくなる場合があ
ります。特に商工団体の活動は、平等性の観点から広範な事業者の参画を
ベースにしますので、間口を広げることがある分、活動の求心力が弱まっ
てしまう危険性があると言えるでしょう。
また、テーマを変えて施策の継続申請をする場合など、テーマが乱立して、
焦点が定まらなくなる危険性もあります。
- 26 -
イメージが明確で、その後の展開が柔軟に行える活動テーマの設定がポイ
ントと言えます。基幹となる大テーマを設定して中長期で展開しつつ、施
策活用など短期的な活動においては、その大テーマに繋がるサブテーマを
設定し、サブセットのプロジェクトを進めるようなイメージが必要です。
テーマは地域ブランドを創る際のコンセプトにもなりますので、テーマの
設定は慎重に検討することが望まれます。
■大テーマとサブテーマ設定による活動のイメージ
(2)商工会・商工会連合会による地域活性化活動の展望
ここまで、商工会・商工会連合会による地域活性化活動事例の調査・分析を基に、地域活性化の
ポイントを考察してきましたが、平成 28 年度も「地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」事
業が継続されることから見ても分かるように、商工団体による地域活性化に対する国からの期待は、
今後も弱まらないと思われます。
商工団体の強みは、地域に密着し、地域内の事業者の動向に精通している点にあります。
商工会・商工会連合会もその地域情報収集力、事業者との密接な関係性を活かして、
① 活用されていない地域資源や事業者のシーズやニーズを発掘し
② 域内の他の事業者や行政、公的組織との連携を図り
③ 施策を活用してトライアルプロジェクトに取組み
④ 本格事業化を図って
⑤ マスコミ等への情報発信を行い
⑥ 事業の発展のための継続支援をする
ことが求められていると言えます。
また、
「ふるさと名物応援宣言」など国の施策の動向を見ながら、それらの他の施策と上手く相乗
効果を図っていくような視点を持つことも望まれます。
商工団体が地域活性化の活動を積極的に進める事で、地域に欠かせない主要プレイヤーとしての
存在感が増し、行政との関係も強まっていくと思われます。商工団体の皆様におかれましては、行
政との連携も図りつつ、活動を進めていただきたいと思います。
以
- 27 -
上
■資料編:
(訪問取材 20 事例)活用した地域資源と活用方法、結果一覧
支援団体
活用した地域資源
和寒町商
工会
特産品のかぼちゃ
出羽商工
会
南アルプ
ス市商工
会
既
存
資
源
日野町商
工会
菰野町商
工会
も
の
美郷町商
工会
白馬商工
会
新
資
源
郡上市商
工会
読谷村商
工会
石巻かほ
く商工会
高松市牟
礼庵治商
工会
伝
統
工
芸
わかさ東
商工会
観
光
資
源
湯梨浜町
商工会
南あわじ
市商工会
吉田町商
工会
大町町商
工会
こ
と 事
業
者
の
活
力
歴
史
岡山西商
工会
混
合
大野城市
商工会
新会社設立による食品加工製造事
業の起ち上げ
研究会での農商工連携促進による
参画事業者による商品開発
「完熟」フルーツを他の地域との差
フルーツ栽培
別化に活用した観光メニュー開発
と特産品開発
白山のイメージ、名前、自然、食材
地元の食材、白山のイメ
等を活用したメニュー開発と白山
ージ、白山水系の水
エリアの広域連携
町が原産地の野菜「日野 JA や町と連携した日野菜の地域ブ
菜」
ランド化と商品開発
町名由来の真菰(マコ
モ)、真菰の弧野会(宿
マコモをテーマとした商品開発や
泊業者、飲食業者、食品
料理提供、体験型観光メニュー開発
加工業者、生産者の集ま
り)
県内全域の特産品と広 県連直営のアンテナショップ運営
島市内一等地に立地す による県内全域の特産品販売と観
る店舗
光情報提供
商工会役員による会社設立と、産直
撤退したスーパーの跡
市と調剤薬局機能を併せ持つスー
地と地域の産品
パーの経営
「白馬ガレット」メニューの開発と
そば粉
宿泊施設での提供
新規のご当地グルメ(味噌入りカレ
味噌、地域の食材
ー)開発による話題性の提供と観光
客誘致
テーマパーク跡地、村お 体験観光パークへの転換と修学旅
こし塾で培った人材と 行の誘致、商工会役員による運営会
ネットワーク
社設立
伝統工芸(雄勝石と加工 組合主体による震災復興、テーブル
技術)
ウェアなど日用品開発推進
ブランドプロデュース会社、デザイ
伝統工芸(庵治石と加工
ナーの支援による参画事業者のイ
技術)
ンテリア商品開発
若狭路の自然、スポーツ 社団法人立上げによる若狭路全域
愛好家の若手経営者の でのスポーツイベント情報の集約
ネットワーク
と地域ブランド化
地域の農産物・海産物
白山商工
会
広島県連
活用方法
結果
町で初めての加工製造業(かぼちゃペー
スト事業)誕生、農業生産者への影響⇒
6 次産業化促進
「orajos SHONAN」ブランドの策定
と商品開発、事業者同士の連携
「完熟」フルーツを使った特産品開発、
「完熟」キーワードの浸透
メニュー「白山百膳」
「白山モンブラン」
「白山きりまんじゃろ」開発、3 県に跨
る広域連携
日野菜を使った特産品開発、日野菜の生
産・出荷の増加
マコモをテーマにした町を挙げての観
光振興、宿泊事業者による自主的な体験
観光の推進
マコモの特産品の売上増加
事業者の特産品開発促進、県内随一の特
産品販売店への成長(年間約 200 万人
の来客、5.5 億円の売上)
町内の活気の維持、生産者への生きがい
提供、外部若手人材の確保
知名度の向上、信州全域への活動の発展
新名物「奥美濃カレー」の開発と、全国
的な知名度向上、流入人口増加
年間 20 万人の集客と、町の経済活性化
(まちおこしの成功)
仮設工房設営による製造基盤の確保と
伝統技術継承の見通し、新商品開発
10 事業者による 70 アイテムのインテ
リア商品開発、400 万円の新規売上げ
「若狭路スポーツトリップ」ブランドの
策定と情報の一元化発信、スポーツイベ
ント開催による経済活性化
ウォーキング国際会議の開催地への採
東郷湖周の自然、県の方 コースの設置などウォーキングを
用、愛好者の流入人口増加、事業者同士
針(ウォーキング立県) テーマにした観光振興、特産品開発
の連携
「べっぴんの湯」スローガンの策定 温泉のイメージ確立と「べっぴんの湯」
温泉の泉質
と源泉を原料にした化粧品の開発 ブランド商品開発
葬儀組合の組成による葬儀関連ビ 大手(JA)に対する競争力の強化と地
商工会会員の連携力
ジネスの共同受注
域事業者の生き残り、地域内資金循環
公募制による地域イベント「まちな イベントの継続開催と市との関係強化、
埋もれた歴史、地域の事
かわくわくパビリオン」開催と、歴 地域内外からの集客、特産品「鶏ぼっか
業者
史をヒントにした特産品開発
け」、「ハッピーリング」の開発
炭鉱と「たろめん」の歴 現在は提供されていない B 級グル
史
メの歴史からの発掘と復興
大学のゼミと連携した観光企画、桃
桃太郎伝説、域内の大
太郎をテーマにした特産品開発推
学・短期大学
進
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町の特産品「たろめん」の復活と地域メ
ニュー化、流入人口増加
観光ルート開発、
「岡山桃太郎ブランド」
の商品開発
制作著作 独立行政法人中小企業基盤整備機構 経営支援部 支援機関サポート課
作成担当 松嶌 葉子 (平成23~27年度 全国支援ネットマネージャー)
地域支援機関等サポート事業 ホームページ
http://www.smrj.go.jp/keiei/chiikiryoku/index.html
※無断転載・複製を禁ず
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