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平成24年度 冬号 - 北海道日高振興局

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平成24年度 冬号 - 北海道日高振興局
[発行]北海道日高振興局森林室
〒057-0012
浦河郡浦河町常盤町 26-4
TEL 0146-22-2451
FAX 0146-22-6144
平成24年度
冬号
E‐mail [email protected]
http://www.hidaka.pref.hokkaido.lg.jp/sr/srs/
← 進 行
足
方 向
跡
糞
冬の森には、想像もできない素晴らしい出会いと感動のドラマが待っています。
今回は、冬の森の動物たちの足跡を追ってみましょう。
夜行性のほ乳類は、普段なかなかお目にかかることは出来ませんが、冬になり雪
が積もれば、足跡や糞などで容易にその存在が確認できるのです。見る目線を少し
変えるだけで、春や夏そして秋以上に冬の森は結構賑やかに感じることができます。
ユキウサギの足跡
雪の降った翌日に森に出かけ、足跡や糞を見つけたら
その持ち主を特定して下さい。ここから皆さんの想像の世界が始まります。
探偵のように足跡を追跡していくうちに、突然足跡の間隔が
狭くなったり広くなったり、そして立ち止まったりと、
足跡はその動物の様々な行動を形に残して、忠実に教えてくれます。
動物は、生きている限りは、必ずその痕跡を足跡として残し続けていくのです。
ワクワクドキドキ!
たまには童心にかえって冬の森を楽しんではいかがですか。
さあ~皆さん、防寒対策をしっかり整えて、冬の森に出かけましょう!!
エゾタヌキ
冬の森の動物たち
皆さん、今年の冬はどうお過ごしですか。昨年は、岩見沢では例年になく大雪で、人間界では大変な
ことになっていましたが、冬の森の動物界では一体どうなっていたのでしょう。
それではちょっとだけ冬の森の動物たちを覗いてみましょう。
ヒグマ(山親爺)
出てきた出てきた山親爺・・・なんてどこかのお菓子屋さんのコマーシャルに
も出ていました山親爺こと、ヒグマを見てみましょう。
ほとんどのヒグマは冬は冬眠していますので、その姿は見ることが出来ません
が、ただ寝ているのだけではないのです。不思議なことに、雌はなんと冬眠中の
夢うつつの中で出産して、授乳し子育てまでしてしまうのです。更に不思議なの
が交尾を6月にするのですが、冬眠と出産には多くのエネルギーを消費するた
め、その年の種子や果実の豊凶により妊娠するのか、しないのかが決まるのです。
その間、受精卵は雌の子宮内で浮遊している状態にあり、冬眠に入る頃に着床します。と言うことは
つまり、その年の木の実のなりが悪く十分に栄養が取れなければ受精卵を捨て、妊娠することはないの
です。人間にはないとてもとても便利な機能です。
エ ゾ シ カ
冬の森で動物の痕跡を探すと、一番多く目にするのがエゾシカの足跡と糞です。
エゾシカは、ヒグマと違って冬は冬眠しませんから、冬でも常時森の中で活動しています。
皆さん、エゾシカの最大の天敵は何だと思います? それは、人間やヒグマなどではなく
雪なのです。1mの積雪があれば80cmも体が雪に潜り、身動きできなくなって餓死する
ので、積雪の多い地域にいるエゾシカは、秋になると群れをなして積雪の少ない地域に移動
し、越冬するのです。異常気象でない限り、エゾシカは結構
うまく雪とは付き合っているようです。
余談になりますが、シカの角は雄にしかありませんが、毎年春に角を落
とし、わずか4~5ヶ月の間に約70cmの元の立派な角になり、秋から
70cm
冬にかけての発情期に、雌シカをめぐって鋭く堅い角を武器にして果敢に
戦います。しかし、時には絡み合った角同士が外れなくなり、両者ともあ
えなく死に至ることも珍しくありません。
(とても悲しい話です。
)
毎年落とす角なのに、森で見ることはめったにありません。シカの角を楽しみにしているのは人間だ
けではないのです。カルシウムやミネラルがたっぷりの角は、野ネズミがかじったり、鳥がつついたり、
キツネやタヌキが持って行くこともあり、また大地に分解されるのも意外
と早いのです。落ちているシカの角の中には、よく見ると動物がかじった
痕跡を確認することが出来る角もあります。
近年、エゾシカの被害ばかりが目立っていますが、シカの角1本が森に
もたらす利益は、実は相当なものかもしれませんね。
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