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ドイツ銀行 2006年 - ドイツ銀行グループ

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ドイツ銀行 2006年 - ドイツ銀行グループ
ドイツ銀行 2006 年
新しい市場、新たな可能性
アニュアル・レビュー
アイデンティティー
// アイデンティティー ドイツ銀行グループは、世界の市場をリー
ドするグローバルな投資銀行であり、個人顧客ビジネスにおいても
利益を生む強固な事業基盤をもっています。ドイツ銀行グループの
ビジネスは相互に補完しています。ドイツおよび欧州における圧倒
的な強みを背景に、北米やアジア、主要新興国において、力強い
成長を遂げています。
// 使命 ドイツ銀行グループは、世界をリードする金融機関として、
現状に満足することなく常に挑戦を続け、お客さまに卓越した価値
を提供しています。
// A Passion to Perform.(熱意あるお客さまに情熱をもってお応
えする)これこそがドイツ銀行グループの基本姿勢です。私たちは、
常に最高を追求し、独自の洞察力で革新的な解決策を提供し、お
客さまとの長期にわたるリレーションシップの構築に注力します。
ドイツ銀行グループ
主要データ
ドイツ銀行株価 終値
ドイツ銀行株価 高値
ドイツ銀行株価 安値
1株当たり配当金
(2006 年度については予定)
基本的1株当たり純利益
希薄化後1株当たり純利益 1
平均流通普通株式数
(基本的、百万株)
平均流通普通株式数
(希薄化後、百万株)
平均株主持分合計利益率
(税引後)
調整後平均アクティブ資本利益率
(税引後)2,3
税引前平均株主持分合計利益率
税引前平均アクティブ資本利益率 3
費用 / 収益比率 4
総収益
貸倒引当金繰入額
利息以外の費用合計
法人所得税費用および会計処理方法変更の累積的影響前利益
当期純利益
総資産
貸出金、純額
株主持分
BIS 規制コア自己資本比率
(Tier I)
支店数
内ドイツ国内
従業員数
(常勤相当)
内ドイツ国内
長期格付
ムーディーズ・インベスターズ・サービス
(ニューヨーク)
スタンダード・アンド・プアーズ
(ニューヨーク)
フィッチ
(ニューヨーク)
1
2006 年度
€ 101.34
€ 103.29
€ 80.74
€ 4.00
€ 13.31
€ 11.55
450
511
19.5 %
22.2 %
26.4 %
30.4 %
70.2 %
2005 年度
€ 81.90
€ 85.00
€ 60.90
€ 2.50
€ 7.62
€ 6.95
463
509
12.5 %
16.2 %
21.7 %
24.3 %
74.7 %
単位:百万ユーロ
28,338
330
19,883
8,125
5,986
単位:百万ユーロ
25,640
374
19,154
6,112
3,529
2006年12月31日現在 2005年12月31日現在
単位:十億ユーロ 単位:十億ユーロ
1,126
992
168
151
32.8
29.9
8.9 %
8.7 %
1,717
934
68,849
26,401
1,588
836
63,427
26,336
Aa3
AA–
AA–
Aa3
AA–
AA–
希薄化効果のあるデリバティブの影響
(税引後)
を含む。
当期純利益(2006 年度:5,986 百万ユーロ、2005 年度:3,529 百万ユーロ)は、税率変更による1999 年度 /2000 年度貸方計上額の振戻し(2006
年度:100 万ユーロの振替え、2005 年度:544 百万ユーロの振戻し)
ならびに会計処理方法変更の累積的影響
(税引後、2006 年度:46 百万ユー
ロ)
について調整している。
3
競合他社との比較を容易にするために、平均株主持分合計利益率に関しては調整を加えた尺度を算出しており、これを「平均アクティブ資本利
益率
(return on average active equity)
」
と称している。ただし、
米国で一般に認められている会計基準
(U.S.GAAP)
による実績尺度ではないため、
算定方法の違いを考慮せずに他社との比較を行うべきではない。平均株主持分
(2006 年度:30,765 百万ユーロ、2005 年度:28,201百万ユーロ)
に調整を加える項目は、売却可能有価証券に係る平均未実現利益
(適用される税効果考慮後)
(2006 年度:2,382百万ユーロ、2005 年度:2,023
百万ユーロ)および平均配当金額(2006 年度:1,615 百万ユーロ、2005 年度:1,048 百万ユーロ)である。配当金は、株主総会の承認後、年に一
度支払われる。
4
利息以外の費用合計が、貸倒引当金繰入前の純利息収益に利息以外の収益を加えた額に占める比率。
2
« ZAHLEN
基本情報
UND FAKTEN
ドイツ銀行株式
ドイツ銀行株式に関する情報
2006年
投資収益の変化 1
ドイツ株式市場(Xetra および Frankfurt Floor Trading)の出来高に占める割合
1 日当たりの平均出来高 2
2006年12月31日現在
発行済株式数
流通株式数(社外株式数)
株式資本
時価総額
株価 3
DAX 株価指数に占める比率
ダウジョーンズ・ストック 50 株価指数に占める比率
有価証券識別コード
ドイツ取引所
種類
記号
WKN
ISIN
ロイター
1
2
3
Xetra の株価による。
オーダーブック統計(Xetra)。
Xetra の終値。
記名株式
DBK
514 000
DE0005140008
DBKGn.DE
27.39 %
7.8 %
420 万株
524,768,009
498,650,274
1,343,406,103.04 ユーロ
531.8 億ユーロ
101.34 ユーロ
7.7 %
1.6 %
ニューヨーク証券取引所
種類
グローバル・レジスタード・シェア
通貨
U.S.$
記号
DB
CINS
D 18190898
ブルームバーグ
DBK GR
目 次
取締役会会長からのメッセージ
ドイツ銀行グループ経営執行委員会
02
06
01 // ドイツ銀行グループ
会社概要
コーポレート・ガバナンス
ステークホルダーへの価値の創造
03 // 連結決算書
11
15
17
02 // ステークホルダー
株主
投資対象としての魅力の高まり
顧客
法人・機関投資家向けビジネス
個人・資産運用ビジネス
コーポレート・インベストメンツ
コーポレート・センター
25
29
34
39
41
従業員
成長に向けた施策のための新規雇用
42
社会
社会へのコミットが人々のための価値を創出
44
損益計算書
貸借対照表
株主持分変動計算書
キャッシュ・フロー計算書
グループ 5 年間の記録
49
50
51
52
53
04 // 追加情報
経営機構
取締役会の報告
監査役会報告書
監査役会
57
58
64
補足情報
用語解説
連絡先 / 刊行物
66
71
// 新しい市場、新たな可能性 世界経済は、ますます緊密に結びつき、共に成長
を遂げています。このこと自体は新しいことではありませんが、そのペースの速
さは注目に値します。新しい市場には新たな可能性が生まれ、この過程において、
ドイツ銀行グループは重要な役割を担っています。アジア太平洋、中南米、東欧
の新興諸国への新規投資は加速し、新しい展望が開けています。既存市場、新規
市場を問わず、ドイツ銀行グループは、積極的に事業機会を把えています。
私たちのこうした取り組みは、実績に表れています。
取締役会会長からのメッセージ
会長からのメッセージ
株主の皆さまへ
2006 年は、ドイツ銀行にとって大きな成功と実績を収めた年となりました。ド
ヨゼフ・アッカーマン
イツ銀行は、2006 年に目覚しい業績を達成し、事業基盤への巨額の投資と世
ドイツ銀行取締役会会長 兼
グループ経営執行委員会会長
界中の既存顧客ならびに新規顧客へのサービスを改善しました。さらに、新た
な経営戦略上の目標を提示し、将来に向けた戦略の実現へと舵をきりました。
2006 年、ビジネスを取り巻く環境は良好に推移しました。世界経済は5%とい
う注目すべき成長を遂げました。米国経済は若干減速しましたが、ユーロ圏の
経済は引き続き拡大し、中国やインドといった主導的な成長国経済の強いモメ
ンタムが経済全体を牽引する形となりました。ユーロ圏では、ドイツ経済が力
強い復活を遂げました。世界の金融市場は、2006 年半ばにかけて調整局面を
迎えましたが、その後高値を更新しました。
ドイツ銀行は、こうした良好な経済環境を積極的に活用しました。2006 年の収
益は、前年比11%増加して283 億ユーロを計上し、大幅な増益を達成しました。
税引前利益は前年比 33%増加し、81億ユーロを計上した一方、純利益は前年
比 70%増加し、60 億ユーロとなりました。当行の定義に基づく税引前平均ア
クティブ資本利益率は、2005 年の25%から31%に上昇し、これは、景気変動
にかかわらず 25%の維持を目指す当行の目標を上回る水準となっています。
1株当たり利益は、前年比 66%増加して11.55ユーロとなり、景気変動にかか
わらず、2 桁の成長を目指す当行の目標にかなったものとなりました。こうした
特筆すべき業績を挙げることで、当行は、株主の皆さまに卓越した価値を提供
しています。2006 年、ドイツ銀行の株価は、ドイツ株価指数 DAXとユーロストックス銀行株指数の上昇を上回る24%の上昇となりました。2006 年の株
主総会では、1株当たり配当を2005 年の2.50ユーロから60%増加し、4.00ユー
ロとする増配を提案する予定です。
2006 年は、すべてのビジネスで記録的な業績を達成しました。法人・機関投
資家向けビジネス
(CIB)
の基礎的税引前利益は、
前年比 24%増加し、
59 億ユーロ
02 // 03
を計上しました。このうち52 億ユーロをコーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズ
が占め、特に、債券および株式セールス/トレーディングで卓越した業績を達成しました。さらに、
オリジネーションおよびアドバイザリーも、M&A
(企業買収・合併)
やその他企業活動に関わる
資本市場における資金調達が活発化したことを受け、過去最高の収益を達成しました。また、過
去最大規模の新規株式公開
(IPO)
案件となった中国工商銀行の株式公開においては、共同主幹事
を務めました。これは、当行のグローバルな投資銀行としての地位を示すとともに、成長著しい
中国市場における当行の事業基盤の強さを表したものです。一方、
グローバル・トランザクション・
バンキング(GTB)の基礎的税引前利益は、前年比 38%増加し、7 億1,700 万ユーロを計上しまし
たが、これは重要な当該ビジネスにおける力強い成長の表れと言えます。
個人・資産運用ビジネス(PCAM)の基礎的税引前利益は、前年比13%増加し、20 億ユーロを計
上しました。資産運用およびウェルス・マネージメント(AWM)の基礎的税引前利益は、成長著
しい不動産資産運用の好業績を受け、前年比18%増の8 億 7,000 万ユーロとなりました。AWM
の運用資産は、2006 年に約210 億ユーロの純資金流入となりましたが、これは、プライベート・
ウェルス・マネージメントの堅調な資金流入と資産運用における資金フローが安定化したことを
反映したものです。一方、個人顧客および中堅企業(PBC)の収益は、初めて50 億ユーロを超え
ました。PBCでは、2006 年を通じて成長への巨額投資を行いましたが、基礎的税引前利益は前
年比 8%増加し、11億ユーロを達成しました。
ドイツ銀行は、2006 年に4 つの重要な買収を発表し、将来の成長に向け重要な投資を行いました。
住宅ローン担保債権のオリジネーターであるモーゲージIT の買収を通じて、同分野の主導的な
発行体としての地位を強化し、北米の証券化市場において大きく前進しました。英国の主導的な
独立系プライベート・ウェルス・マネジャーであるティルネイ・グループ(Tilney Group)の買収
では、
欧州第 2のウェルス・マネージメント市場において強固な事業基盤を確立しました。さらに、
ドイツ国内においては、ノーリスバンク(norisbank)とベルリン銀行(Berliner Bank)の2つの買
収によって、PBCの事業基盤を強化しました。ノーリスバンクの買収を通じて消費者金融の分野
で地位を強化した一方、ベルリン銀行の買収を通じて、ベルリンにおける支店網を倍増するとと
もに、ドイツ株式資本の約15%を占めることになりました。総額10 億ユーロにのぼるこれらの
取締役会会長からのメッセージ
買収の結果、2008 年にはさらなる増収を見込んでいます。さらに、2007年初頭には、ベトナム
のハノイ住宅銀行
(Habubank)
の株式を最大で20%取得することに合意し、アジアにおけるPBC
の基盤をさらに拡充しました。
一方、ドイツ銀行は、組織の自律的成長に向けた投資も行いました。CIBでは、重要な米国市場
において、主要分野で専門家を増員すると同時に、アジア市場でも継続して投資を行い、事業
基盤の強化を図りました。プライベート・ウェルス・マネージメント・ビジネスでは、主に顧客
アドバイザーに携わるため400 人を超える専門家を増員しました。2006 年、PBCは、インドに8
支店を開設し、この成長著しい巨大市場において、年末までに16 万人を上回る顧客を獲得しま
した。さらに、中南米の事業基盤を強化し、中東においてもリヤド、ドバイ、カタールにおいて
支店 / 事業所を開設しました。こうした結果、2006 年を通じて、世界中で5,400 人を超える人員
を新規に雇用しました。
2006 年10月、ドイツ銀行は第 3 段階の経営戦略を掲げました。2002年以降、ドイツ銀行は、
組織の合理化とさらなる利益成長に向けたビジネスの見直しを実施することで大きく変貌を遂
げ、2005 年には税引前資本利益率 25%を達成しました。現在では、グローバルな事業基盤を活
用することで、成長の加速に力を注いでいます。この目標を達成するために、4 つの基本的な施
策を掲げています。まず、2002年以降順調に維持しているように、厳格なコスト/リスク/ 資本
管理を徹底し、規制・法令遵守の厳格化を図ることです。2つ目は、組織の成長に向けた継続投
資と補完的買収の実施です。3つ目は、市場から高く評価され、
「安定的」な収益が期待される
PCAMおよび GTBビジネスの成長です。そして最後に、市場をリードするビジネス基盤を確立
した投資銀行ビジネスにおける競争優位性を最大限に活かすことです。
現在、ビジネスを取り巻く環境は、根本的に変化しています。グローバル化の勢いはさらに増し、
新興国市場の重要性はますます高まっています。世界の資本市場は、特に複雑で革新的な領域
で拡大を続け、企業活動も高水準で展開しています。また、個人年金資金の増加や新興国経済
における新たな富の創出によって、運用資産は世界的規模で増大しています。ドイツ銀行はこう
した変化に備えて確固とした体制をとっています。グローバル化が進展するに伴い、世界 73カ
04 // 05
国に拠点を置き、主要な新興国市場すべてで強い基盤を持つ、当行の卓越したグローバルなネッ
トワークは大きな強みになると確信しています。世界でも主導的な投資銀行としての地位と、
「知
的資本」を活用した高付加価値商品をもつ事業基盤を活用することで、拡大を続ける資本市場に
おいて、収益性の高い成長を達成できるものと考えています。さらに、伝統的な資産クラスとオ
ルタナティブ資産の双方で高い専門性をもつ、世界でも主導的な資産運用会社の一つとして、
運用資産の増大傾向は、ドイツ銀行にとって追い風となると確信しています。
ドイツ銀行は、これまで達成してきた実績を誇りとし、将来の展望に対して自信を深めています。
2002年から5 年間にわたり、一貫して大きな利益成長を達成し、株主の皆さまに価値を提供し
てきました。さらなる成長に向けて、注力分野での投資を規律をもって毅然と実行してきました。
現在では、将来の変化に備えた万全の体制を整えています。こうしたことから、ビジネスを取り
巻く環境が安定的に推移する限り、引き続き成長を享受できるものと確信しています。2007年、
そしてそれ以降も、株主や顧客の皆さま、従業員、そしてビジネスを展開する地域社会において、
引き続き価値を提供してまいりたいと考えています。
ヨゼフ・アッカーマン
ドイツ銀行取締役会会長兼グループ経営執行委員会会長
2007年 3月
フランクフルト・アム・マイン
ドイツ銀行グループ経営執行委員会
ドイツ銀行グループ経営執行委員会
1
2
3
6
7
1
2
3
アンソニー・ディ・イオリオ
Anthony Di Iorio 1943 年生まれ。
2006 年取締役就任。チーフ・ファイナンシャ
ル・オフィサー。
ファイナンス、税務、資本市場コミュニケー
ションズ / インベスター・リレーションズな
らびにコーポレート・インシュアランス統括
責任者。
ヨゼフ・アッカーマン
Josef Ackermann 1948 年生まれ。
1996 年取締役就任。取締役会会長兼グループ経営執
行委員会会長。
法人・機関投資家向けビジネス、個人・資産運用ビジ
ネス、コーポレート・インベストメンツ、リージョナル・
マネジメント
(地域運営)
、企業広報、企業戦略、経済 /
DBリサーチ統括責任者。
アンシュー・ジェイン
Anshu Jain 1963 年生まれ。
グローバル・マーケッツ統括責任者。
ユルゲン・フィッチェン
Jürgen Fitschen 1948 年生まれ。
リージョナル・マネジメント(地域運営)統括責任者兼
ドイツ国内マネジメント・コミッティー(ドイツ国内運
営委員会)
会長。
6
レイナー・ネスケ
Rainer Neske 1964 年生まれ。
個人顧客および中堅企業統括責任者。
7
ケビン・パーカー
Kevin Parker 1959 年生まれ。
資産運用統括責任者。
06 // 07
4
5
8
4
10
9
5
テッセン・フォン・ハイデブレック
マイケル・コアーズ
Tessen von Heydebreck 1945 年生まれ。
Michael Cohrs 1956 年生まれ。
1994 年取締役就任。チーフ・アドミニスト グローバル・バンキング統括責任者。
レーティブ・オフィサー。CSR、人事、法務、
9
コンプライアンス、監査統括責任者。
ピエール・ド・ウェック
8
Pierre de Weck 1950 年生まれ。
ヒューゴ・バンチガー
プライベート・ウェルス・マネージメント統括
Hugo Bänziger 1956 年生まれ。
責任者。
2006 年取締役就任。チーフ・リスク・オフィ
サー。
リスク/ 資本管理、コーポレート・セキュリ
ティ、財務戦略 / 資本管理統括責任者。
10
ヘルマン-ヨゼフ・ランベルティ
Hermann-Josef Lamberti 1956 年生まれ。
1999 年取締役就任。チーフ・オペレーティング・
オフィサー。コストおよびインフラ管理、情報
技術(IT)
、オペレーション、購買および建物・
設備などの不動産管理統括責任者。
ドイツ銀行 AG取締役会メンバー
新しい市場、新たな可能性
SOFIA NEVROKOPLIS
08 // 09
// グローバル化の進展、なかでも新興国における資本市場の発展、そして資本蓄積
の増大が現在の金融市場の潮流となっている。ドイツ銀行は、こうしたダイナミック
な変化を捉え、ビジネス・チャンスとして活かす体制をグローバル規模で整えている。
ソフィア・ネブロコプリス Sofia Nevrokoplis、フォーティス・インベストメンツ、
ポートフォリオ・マネジャー / 株式アナリスト-European Financials、パリ
ドイツ銀行グループ
01 //
01 // ドイツ銀行グループ
会社概要
10 // 11
組織の変革により、
収益性の高い成長
経営機構
ドイツ銀行 AG取締役会は、ドイツ銀行グループの経営戦略や資源配分、財務 / 経理、資本 /リス
ク管理、内部管理を主な職務とする。また、取締役会メンバーやコーポレート・センターが運営
する各管理部門別委員会の支援のもとで、経営・監督機能を遂行している。
2006 年 5月、それまで1人の取締役が職責を果たしていたチーフ・ファイナンシャル・オフィサー
とチーフ・リスク・オフィサーの役職が 2人の取締役に分けられた。これに伴い、取締役会メンバー
は4 人から5人に増加した。
取締役会会長 /CEOは、グループ経営執行委員会(GEC)会長を兼務する。グループ経営執行委員
会は、取締役会メンバーと5つの中核ビジネスの統括責任者、リージョナル・マネジメント
(地域
運営)統括責任者で構成され、取締役会の意思決定をサポートする。定例会議では、各業務の進
捗状況の確認やグループ戦略に係る課題を討議し、取締役会への議案を提起する。
中核ビジネスの業務運営上の責任は、3つのビジネス部門別委員会が負っている。
管理部門別委員会
資本 /リスク
コンプライアンス
ファイナンス
人事
投資
IT およびオペレーション
自己勘定投資
リスク・エグゼクティブ
グループ経営執行委員会
取締役会
グローバル・ビジネス統括責任者 / 地域統括責任者
ビジネス部門別委員会
法人・機関投資家向けビジネス
(CIB)
コーポレート・インベストメンツ
(CI)
個人・資産運用ビジネス
(PCAM)
リージョナル・マネジメント・コミッティー(地域運営委員会)
01 // ドイツ銀行グループ
会社概要
グループ部門
ドイツ銀行は、法人・機関投資家向けビジネス(CIB)
、個人・資産運用ビジネス(PCAM)
、コー
ポレート・インベストメンツ
(CI)
の3つのグループ部門によって構成される。
法人・機関投資家向けビジネス
(CIB)
CIBは、オリジネーションや債券、株式、その他証券を含む各種資本市場商品のセールス/トレー
ディングなどの資本市場業務、アドバイザリー、貸出し、トランザクション・バンキングの各業
務を担っている。対象となる顧客は、民間企業および公的機関で、国や政府関連機関をはじめ、
グローバル企業、多国籍企業、さらには中堅企業と多岐にわたる。
CIBはさらに、コーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズとグローバル・トランザクショ
ン・バンキング
(GTB)
の2つのコーポレート部門に分かれる。
コーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズは、オリジネーション、資本市場商品のセー
ルス/トレーディング、アドバイザリー、コーポレート・ファイナンス、アセット・ファイナンス
&リーシングおよび商業用不動産の各業務を担っている。
グローバル・トランザクション・バンキングは、金融機関や法人顧客に対し、キャッシュ・マネ
ジメントや決済、貿易金融、法人信託サービスを提供している。コーポレート・ファイナンスと
グローバル・トランザクション・バンキングは合わせて、グローバル・バンキングと呼ばれる。
個人・資産運用ビジネス
(PCAM)
PCAMは、資産運用およびウェルス・マネージメントと個人顧客および中堅企業の2つのコーポ
レート部門で構成される。
資産運用およびウェルス・マネージメントは、資産運用とプライベート・ウェルス・マネージメ
ントの2つのビジネス部門で構成されている。資産運用は、年金基金や保険会社などの機関投資
家向けに、伝統的資産運用サービスやオルタナティブ資産、洗練されたアブソルート・リターン・
ストラテジー(ARS)や不動産資産運用を提供している。さらに、資産運用では、DWSインベス
トメンツとDWSスカダーの事業基盤を活用して、世界中の個人投資家を対象に投資信託を提供
している。一方、プライベート・ウェルス・マネージメントでは、世界中の個人富裕層やその家
族を対象に、ポートフォリオ・マネジメントや税務アドバイス、相続プラン、社会貢献活動に関
するアドバイスなどの幅広い運用サービスを、窓口を一本化して提供している。
個人顧客および中堅企業
(PBC)
コーポレート部門は、個人顧客と中堅企業の顧客を対象に、当座
預金から普通預金、融資に至る一連の伝統的な銀行サービスに加え、資産運用商品や事業融資
サービスを提供している。PBCは、ドイツのほか、イタリア、スペイン、ベルギー、ポルトガル
などの欧州諸国で圧倒的な強みを発揮している。現在では、ポーランドなどの中東欧諸国やイン
ド、中国を含むアジアといった重要な新興国において業容を拡大している。
12 // 13
コーポレート・インベストメンツ
コーポレート・インベストメンツ・グループ部門は、事業会社の株式保有や自社保有の不動産、
プライベート・エクイティおよびベンチャー・キャピタル事業、その他非戦略的な資産の保有を
統括している。
経営戦略
2006 年後半、ドイツ銀行は、第 3 段階の経営戦略を公表した。これは、2002年から開始した2
段階の経営戦略が成功裡に終了したことを受けたものである。過去の2つの経営戦略の実行に
よって、組織の合理化と中核ビジネスの利益成長に向けた基盤づくり、そして目標とする税引前
アクティブ資本利益率 25%を達成した。第 3 段階の経営戦略の総括的な目標は、グローバルな
事業基盤を活用することによって、成長を加速することにある。2006 年の業績は、第 3 段階の
経営戦略のもとで掲げた以下の 4 つの施策における進展を反映したものとなった。
厳格なコスト/リスク/ 資本管理と法規制の遵守
費用の増加を上回る勢いで収益が増大したことを受け、費用 / 収益比率は、さらに減少した。当
行は、リスク資産の増大や自社株買戻しの継続、1株当たりの配当を60%増加し、過去最高の 4.00
ユーロとする提案にもかかわらず、厳格な資本政策を維持し、コア自己資本比率を2005 年末の
8.7%から2006 年末には8.9%に上昇させた。
自律的成長のための継続投資と補完的買収
ドイツ銀行は、2006 年に北米、中南米、中東、中東欧、特に中国やインドといったアジアで業
容を拡大した結果、5,422人の増員となった。さらに、2006 年には4 つの重要な買収を公表した。
米国における住宅ローン担保債権のオリジネーターであるモーゲージIT の買収を通じて、重要な
北米の証券化市場における基盤を強化した。また、ベルリン銀行とノーリスバンクの買収を通じ
て、ドイツ国内における個人金融ビジネスにおいて地域的強化を図り、商品群を拡充した。一方、
英国のティルネイ・グループの買収では、欧州第 2のウェルス・マネージメント市場において強
固な事業基盤を獲得した。
「安定」
ビジネスのさらなる成長
ドイツ銀行は、PCAMとGTBの双方において安定的収益が見込まれるビジネスを擁しており、投
資家やその他資本市場参加者から高い評価を得ている。2006 年には、PCAMとGTBの基礎的税
引前利益は過去最高の水準まで増加し、両者を合わせた基礎的税引前利益は2003 年から約2 倍
になった。
CIBの競争優位性を最大限に活用
ドイツ銀行は、世界有数の投資銀行として強い基盤を確立しており、CIBは2006 年も当行の業
績に大きく貢献した。コーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズの税引前利益は、セー
ルス /トレーディング、オリジネーション、アドバイザリーの各業務で過去最高の収益を達成し
たことにより前例のない水準に達した。
01 // ドイツ銀行グループ
会社概要
目標水準は引き続き達成
ドイツ銀行は、既に公表している財務上の目標を2006 年も引き続き達成した。2006 年の税引前
株主資本利益率は31%に達し、いかなる景気変動のもとでも25%を維持するという目標を上回っ
ている。さらに、1株当たり利益は66%増加し、これも景気変動にかかわらず 2 桁の成長率を目
指すという目標をクリアした。
ドイツ銀行のビジネスモデルは、相互に補完するビジネスで高い相乗効果を発揮することを狙っ
たものである。異なるビジネス間における商品の開発や提供、共通の顧客に対する連携強化など
において、相乗効果が期待される。こうした相乗効果の発揮が当行の戦略の中核を成している。
グローバルなネットワーク
ニューヨーク
フランクフルト
ロンドン
シンガポール
東京
コーポレート・ガバナンス
14 // 15
価値を追求する責任と透明性のある
経営および内部管理
効果的なコーポレート・ガバナンス(企業統治)は、当行アイデンティティーの重要な一部となっ
ている。当行コーポレート・ガバナンスの枠組は、ドイツ株式会社法とドイツ・コーポレート・
ガバナンス法により与えられている。当行は、ニューヨーク証券取引所に上場していることから、
米国の資本市場に関連する諸法規や証券取引委員会
(SEC)
による規制、ニューヨーク証券取引所
(NYSE)
規則にも従っている。
当行はコーポレート・ガバナンスを通じて、価値を追求する責任ある経営と内部管理を遂行して
いる。当行のコーポレート・ガバナンスは、主に、株主との良好な関係、取締役会と監査役会の
効果的な協力関係、業績に連動した報酬制度、透明性の高い適時報告の 4 つの要因により構成さ
れている。
株主
株主は、法律に従い、基本定款の変更や年間配当の決定、新規株式の発行、株式買戻しプログ
ラム、重要な組織変更など、当行にとって最も重要な意思決定に関わっている。当行株式は1種
類であり、それぞれに同等の議決権が付与されている。また、株主による議決権行使を容易にす
るため、インターネットを通じて議決権行使の指示書を送付できるなど、株主総会での電子メディ
アの活用を推進している。
取締役会
取締役会は経営に責任を負っており、取締役会メンバーと5つの中核ビジネスの統括責任者、地
域運営統括責任者によって構成されるグループ経営執行委員会から支援や助言を受けている。グ
ループ経営執行委員会は、各事業の進捗状況の分析やグループ戦略に係る問題点の討議、取締
役会による最終決定のための諸事項の提起・提案を行う。
監査役会
監査役会は、経営について取締役会を監視し、助言する。さらに、取締役会メンバーの任命や長
期的な視点での事業の継承について、取締役会と協力して検討する。取締役会が取り扱うビジネ
スの最重要案件には、監査役会の承認が必要である。監査役会は、取締役会の情報・報告義務
を規定し、会長統括委員会、監査委員会、リスク委員会、仲裁委員会を運営している。
業績連動型の報酬
取締役会メンバーの報酬は、業界水準に照らし、主として業績による貢献度によって支給される。
その一部を占める株式報酬は、当行株価の動向と競合他社の株価を比較して決定される。監査
役会メンバーには、固定報酬ならびに配当関連報酬に加えて、競合他社の株価に対する当行株
価の中期的な動向に基づく報酬が支給される。監査役会会長および副会長や各委員会会長およ
び委員には、追加的な報酬が支給される。取締役会および監査役会各メンバーの報酬は、マネ
ジメント・リポートの報酬リポート
(2006 年ファイナンシャル・リポート、35 頁以降)
で公表され
ている。
01 // ドイツ銀行グループ
コーポレート・ガバナンス
報告と透明性
当行の報告は、米国で一般に認められた会計原則(U.S.GAAP)および証券取引委員会(SEC)の包
括的報告規則に則っている。従って、報告内容は透明性が高く、また、国際的にビジネスを展開
する競合他社との比較も容易となっている。
2006 年の新人事
2006 年 5月3日、ロルフ-E.ブロイヤーが監査役会会長を辞任し、後任として、グループ・チーフ・
ファイナンシャル・オフィサー兼リスク・オフィサーを務めていたクレメンス・ベルジッヒが就
任した。さらに、監査役会は、2006 年 5月4日付けで、アンソニー・ディ・イオリオとヒューゴ・
バンチガーを取締役会の新メンバーに任命した。ディ・イオリオはファイナンスを担当し、バン
チガーはチーフ・リスク・オフィサーとしてリスクおよび資本管理を担当する。取締役会メンバー
のテッセン・フォン・ハイデブレックは、コーポレート・ガバナンス・オフィサーに就任した。
取締役会報酬開示法が 2006 年度に初めて適用され、これにより従来の個別開示に追加情報が加
わった。
適合宣言
取締役会および監査役会は、2006 年10月31日、ドイツ株式会社法第161条に基づき、新たに
適合宣言を行った。そのなかで、当行は、2つの例外を除いて、ドイツ・コーポレート・ガバナ
ンス法の勧告に従っていると述べている。例外となったのは、取締役会および監査役会メンバー
のために、自己負担額の約定のない役員責任保険が存在するということ、ならびに取締役会メン
バーが監査役会会長および幾つかの監査役会委員会の会長に就任したということである。
当行の2006 年コーポレート・ガバナンス報告書(完全版)は、2006 年ファイナンシャル・リポー
トの194 頁以下に掲載されている。同報告書ならびに取締役会、監査役会および監査役会各委
員会の参照事項など、コーポレート・ガバナンス関連のその他書類はインターネット(www.
deutsche-bank.com/ir)
でも入手できる。
当行は、新規発生事項や法律上の要求、国内および国際基準の進展に照らして、コーポレート・
ガバナンスを定期的に見直し、それらに従って修正を行っている。
ステークホルダーへの価値の創造
16 // 17
株主、顧客、従業員、
地域社会を支援
ドイツ銀行のビジネスの基本方針は、株主や顧客、従業員、ビジネスを展開する地域社会といっ
た当行の成功に関わるすべてのステークホルダーを支援することにある。
自らの今日の行為が明日にどのような影響を及ぼすか、といった点に十分な配慮を払わずに、財
務上持続的に成功することはあり得ない。そして、これは、従来の解決策に対して常に挑戦し続
けることを意味する。ドイツ銀行にとって、持続的な財務上の成功に向けた前提条件であり、指
針となるのが、卓越した業績および成功の達成である。当行は、その実現に向け、ステークホル
ダーに対して、革新的、効率的な解決策を提供できるように全力で取り組んでいる。当行のグロー
バルなビジネスモデルは、従業員やビジネス、地域的な多様性から得られる強みを活用していく
ことである。
株主
顧客
従業員
社会
株主
当行が、投資家にとって、現在だけでなく将来にわたって魅力的な投資対象であることは、当行
が事業運営を成功裡に進めていく上で不可欠である。これは、当行があらゆる投資対象と競合し
ていることを意味している。堅調な業績は、収益を生むビジネスが今後、健全で多様な成長を遂
げる上での前提となるだけでなく、リスク管理の見通しを立てる上でも重要である。当行は、チャ
ンスとリスクの適切なバランスに絶えず注意を払っていかなければならない。当行は、強いブラ
ンド力を特に重視しており、ドイツ銀行のブランドの維持ならびに強化に絶えず力を注いでいる。
顧客
当行は、顧客の信頼できるパートナーとして、顧客の財務・経営戦略上の目標達成に向け支援を
行っている。顧客ニーズを慎重に分析し、市場環境に応じた幅広い解決策から革新的な提案を行
い、目標の実現に向け支援する。顧客の満足は、当行の目的であると同時に成功への要因ともなっ
ている。
従業員
常に前進を続ける顧客からの多様な要求に適切に応えていく上で、従業員の専門性と豊富な経験、
高い職業意識は欠かせない。当行は、従業員の専門性向上に投資を行い、従業員が自らの能力を
存分に発揮できるよう、公平で信頼できるパートナーとしての役割を果たしている。特に、従業
員の多様性や様々なライフスタイルを尊重し、支援している。当行が強い競争力を維持していく
上で、最高水準の雇用主としての地位を保つことが重要である。
地域社会
当行が事業を展開している地域社会が、現代の様々な課題に立ち向かい、成功裡に対処すること
は、当行が今後、株主や顧客、従業員に報いていく上で不可欠である。当行は、自然災害など、
自らの力の及ばない苦難に立ち向かっている人々を支援するだけでなく、若者の教育にも投資し
ている。さらに、社会が抱える一般的な課題に対して、当行自身や従業員による支援活動にも積
極的に取り組んでいる。この一例として、長年にわたりマイクロクレジットに対する世界的な支
援活動を積極的に展開している。
01 // ドイツ銀行グループ
ステークホルダーへの価値の創造
株主
増配が株式の魅力を高める
株主構成
株主数
株主別内訳
株式資本に占める比率 1
地域別内訳
株式資本に占める比率 1
2006 年
348,196
2005 年
411,593
2004 年
467,603
機関投資家
(銀行を含む)
個人投資家
86 %
14 %
84 %
16 %
82 %
18 %
ドイツ
EU(ドイツを除く)
スイス
米国
その他
54 %
30 %
5%
10 %
1%
52 %
30 %
6%
11 %
1%
49 %
28 %
11 %
10 %
2%
2006 年
27.4 %
7.8 %
4.00 3
2005 年
28.8 %
5.2 %
2.50
2004 年
1.7 %
7.7 %
1.70
主要数値
ドイツ銀行株式の投資収益の変化 2
ドイツ株式市場
(Xetraおよび Frankfurt Floor Trading)
の出来高に占めるドイツ銀行株式の割合
1株当たり配当
(ユーロ)
特別プロジェクト
海外株式上場の統廃合
アムステルダム、ブリュッセル、ロンドン、ルクセンブルク、パリ、東京、ウィーン、チューリッヒの各取引
所における上場廃止。ドイツ国内およびニューヨーク証券取引所での株式売買への集中。
インベスター・デイ
2006 年10月、グループ経営執行委員会メンバーによる投資家向けミーティングを実施し、経営戦略や事業環
境について説明。
自社株買戻しプログラム
2005 年 /2006 年の自社株買戻しプログラムを成功裡に完了し、新たな自社株買戻しプログラムを開始。
1
数値は四捨五入。
2
Xetraの株価による。
3
年次株主総会で提案。
i
18 // 19
顧客
常に前進を続ける顧客に対し、グローバル規模で高い専門性に裏付けられたサービスを提供
部門別顧客数
顧客数
法人・機関投資家向けビジネス
個人・資産運用ビジネス
主要数値
法人・機関投資家向けビジネス
in
個人・資産運用ビジネス
個人顧客および中堅企業
資産運用およびウェルス・マネージメント
個人顧客向け資産運用 1
(ドイツ / ルクセンブルク)
法人顧客向け資産運用
プライベート・ウェルス・マネージメント 1
2006 年
2005 年
2004 年
54,214
14,100,000
54,812
13,410,000
54,524
13,331,000
2,530,000
2,273
154,0002
2,500,088
2,580
123,000
2,527,598
3,722
111,000
2006 年
2005 年
2004 年
1
2
1
1
1
2
21
26 (7)
19
12 (4)
24
8 (1)
2
1
1
3
1
2
3
3
2
ユーロマネー誌の
「ポール・オブ・ポールズ」
における順位
ユーロマネー誌の
「資金調達ポール」
における順位
ユーロマネー誌の
「アワード・フォー・
エクセレンス」
において獲得した賞の数
IFR 誌で獲得した賞の数
(主要カテゴリー)
DWSインベストメンツ:スタンダード・
アンド・プアーズによるファンド・アワード
(
「Larger Group」
のカテゴリー)3 で第1位
ドイツ
オーストリア
スイス
特別プロジェクト
法人・機関投資家向けビジネス
米国のモーゲージIT ホールディングズとチャペル・ファンディング、ロシアのUFGの買収完了。
世界で過去最大規模の新規株式公開となった中国の案件
(中国工商銀行)
で共同主幹事。
サウジアラビアの Tadawul(証券取引所)
で株式仲介業務を開始。
ドバイ国際金融取引所(DIFX)
におけるカストディー・サービスの開始(外人投資家が DIFXに上場しているすべ
ての債券・株式を直接決済することが可能)
。
個人顧客および中堅企業
ドイツのベルリン銀行およびノーリスバンクの買収。
個人顧客向け資産運用
DWS Noor(ドイツ銀行初のシャリア法に基づいた投資信託)
の提供開始。
法人顧客向け資産運用
RREEF(オルタナティブ資産の運用を担う)
が初めて中国で投資。
プライベート・ウェルス・マネージメント
英国のティルネイ・グループ
(運用資産120 億ユーロ)
の買収。
上海支店開設により中国国内市場に参入。
1
口座数。プライベート・ウェルス・マネージメントの数字は、米国における個人顧客サービスを除く。
2006 年に買収したティルネイ・グループ
(英国)
を含む。
「Larger Group」
の定義:
ドイツおよびオーストリア:最低でも5つのセクターの15 以上のファンドを対象。
スイス:最低でも4 つのセクターの10 以上のファンドを対象。
2
3
01 // ドイツ銀行グループ
ステークホルダーへの価値の創造
従業員
雇用主として、有能な従業員を獲得し維持する
項目別データ
従業員
(常勤相当)1
部門別
地域別
最終学歴別 3
年齢別 3
個人・資産運用ビジネス
法人・機関投資家向けビジネス
コーポレート・インベストメンツ
管理部門 /リージョナル・マネジメント
ドイツ国内
欧州
(ドイツを除く)2
米州
(北 / 中南米)
アジア / 太平洋
大学卒
高等学校卒
その他
24 歳以下
25–34 歳
35–44 歳
45–54 歳
55 歳以上
主要数値
従業員コミットメント指数
転職により当行を離職する従業員の割合
幹部研修費用
(従業員1人当たり 3、単位:ユーロ)
研修費用
(単位:百万ユーロ)
2006 年
68,849
41.1 %
20.9 %
0.1 %
37.9 %
38.3 %
29.0 %
17.0 %
15.7 %
59.7 %
19.4 %
20.9 %
8.9 %
34.7 %
33.8 %
18.3 %
4.3 %
2005 年
63,427
41.9 %
20.2 %
0.1 %
37.8 %
41.5 %
29.1 %
18.1 %
11.3 %
55.6 %
22.8 %
21.6 %
7.6 %
34.2 %
34.7 %
19.1 %
4.4 %
2004 年
65,417
39.8 %
20.5 %
0.1 %
39.6 %
41.4 %
29.8 %
18.9 %
9.9 %
53.4 %
23.3 %
23.3 %
7.6 %
35.3 %
34.6 %
18.4 %
4.1 %
2006 年
68
7.0 %
1,757
40
2005 年
68
6.9 %
1,583
40
2004 年
68
6.0 %
1,479
42
特別プロジェクト
ドイツの一般均等待遇法
(AGG)
AGGを遵守するため関連するすべてのプロセスを監視するワーキング・グループを設置。全従業員の継続的な
注意を喚起するため、社内イントラネットを活用したトレーニングを企画。
採用ホームページを刷新
人材採用にかかわるホームページ
(db.com/careers)
を刷新し、グローバルな募集状況についての豊富な情報を
提供。これにより、採用のホームページに関するランキングで、英国ならびに欧州で上位10 位以内、米国で
第1位にランクされるなど、すべての主要地域において前進。
ワーク・アンド・ライフ・バランス支援策の拡充
ドイツ銀行は、従業員の仕事と個人生活のバランスのよい環境づくりを支援しており、各地域において支援策
を導入。ロンドンでは託児施設を設置、オーストラリアでは子育て支援策を改善、米国では子育ておよび老人
介護プログラムを導入し、産休や介護休暇の期間を延長した。
ドイツにおける多様性憲章
アンゲラ・メルケル首相の支援のもとで推進してきた「機会としての多様性―ドイツ企業の多様性憲章」の発起
人の一社として、ドイツ企業のさらなる多様性を推進する憲章に、ほか数社とともに署名した。
1
2
3
従業員数
(常勤相当)
は、パート従業員
(見習い、インターンを除く)
を比例調整した人員数。
アフリカの従業員若干を含む。
従業員数
(人員数)
を基に算出。
in
20 // 21
社会
グローバル規模で、文化、教育、地域の発展、持続性に注力
構成上のデータ
ドイツ銀行がビジネスを展開している国の数
(オフショアを含む)
2006 年
73
2005 年
73
2004 年
74
主要数値
ドイツ銀行による支出
(単位:百万ユーロ)
2006 年
2005 年
2004 年
寄附
スポンサーシップ 2
53.6
24.0
77.6
56.8 1
26.0
82.8
42.8
24.3
67.1
ドイツ銀行アメリカ基金
ドイツ銀行 CSR(企業の社会的責任)
英国 3
ドイツ銀行アジア基金
12.3
5.7
1.2
15.0
4.5
1.0
15.8
3.5
0.9
ドイツ銀行基金
その他基金
6.6
1.0
7.6
85.2
5.6
1.3
6.9
89.7 1
4.6
1.2
5.8
72.9
小計
内訳:
in
ドイツ銀行の基金による支出
(単位:百万ユーロ)
小計
合計
特別プロジェクト
経済調査の促進
2006年、経済調査にかかわるプロジェクトを支援し、900万ユーロを拠出。その主な目的は、ドイツの大学の
海外とのネットワークの改善と競争力強化、高度教育機関とビジネスとの連携の推進であった。
アフリカ/アジアにおけるエイズ孤児の教育プログラム ドイツ銀行アフリカ/ アジア基金は、AIDS(エイズ)孤児を支援するため、地域教育や社会統合プログラムに
拠出。同プログラムを通じて支援した子供の数は、アフリカで2万 5,000 人を超え、アジアでは約1万 5,000 人
に達している。
災害支援
2004 年と2005 年末にアジアで起こった津波と地震による各々の災害被害者に対し、ドイツ銀行、顧客、従業
員は総額1,550 万ユーロを寄附し、また個人として現地での支援活動に参加。すべての寄附金は分配され、拠
出したプロジェクトに関する情報はインターネット
(www.disasterrelief.db.com)
で入手できる。
持続性
(サステイナビリティ)
温暖化防止のため、ドイツ銀行ではドイツにおける電力使用の20%に再資源を活用。さらに、世界銀行カーボ
ン基金に5,000 万米ドルを寄附した。
国連グローバル・コンパクト
グローバル・コンパクト
(人権、労働、環境、汚職防止)
の原則をドイツ銀行社内方針に採用。
1
災害支援のための1,000 万ユーロの臨時支出を含む。
2
文化と社会のみを対象。
3
前ドイツ銀行シチズンシップ英国。
新しい市場、新たな可能性
ZELLAH FUPHE
22 // 23
// ドイツ銀行は地域が抱える課題を深く理解し、高い専門性を有している。ドイツ銀
行が率先して進めているブラック・エコノミック・エンパワーメントの企画・実行は
その良い例であり、ドイツ銀行チームと共に働くことは楽しみである。
ゼラ・ファフェ Zellah Fuphe、ワールドワイド・アフリカン・インベストメント・ホールディングズ、マネージング・
ディレクター兼 CEO、ヨハネスブルグ
ステークホルダー
02 //
ドイツ銀行の市場シェアやランキングにかかわる記述は、主に、金融専門誌
(ユーロマネー、ザ・バンカーなど)
と
専門情報会社
(トムソンファイナンシャル、ディーロジック、ブルームバーグなど)
などの外部情報に基づく。
02 // ステークホルダー
株主
投資対象としての魅力の高まり
24 // 25
過去最高の営業利益の達成と
増配の提案
配当の推移
1株当たり(単位:ユーロ)
4.00*
4.00
3.50
3.00
60%の増配を提案
2006 年、ドイツ銀行は卓越した成功を収め、過去最高の業績を達成した。この業績を株主に直
接還元するため、2007 年 5 月 24 日に開催される年次株主総会において、2006 年度の 1 株当た
り配当を 2005 年より 60%引き上げ、4.00 ユーロとする提案を行う予定である。これにより、当
行の配当は 2002 年の 3 倍超に増加すると同時に、配当性向も 2006 年には 37%に上昇すること
になる。
2.50
2.50
収益見通しと市場環境が株価を牽引
2006 年の世界の株式市場は、順調に推移した。ドイツ株価指数(DAX 指数)は、2001 年 2 月
以来最高水準の 6,597 ポイントに上昇した。DAX 指数の 2006 年の上昇率は 22%に達し、
ユーロ・
ストックス 50 指数の 15%、ダウ・ジョーンズ工業株価平均の 17%を上回った。こうした良好な
市場環境と、特に当行の利益に対する強気の見通しに後押しされて、当行の株価は 2005 年とほ
ぼ同じ 24%の上昇を記録した。これは DAX 指数の上昇率を 2%ポイント上回る水準であった。
2.00
1.70
1.50
1.50
1.30
1.00
0.50
0
02
*
提案
03
04
05
06
当行の株価は、昨年初めに上昇へと転じた後、一貫して堅調に推移し、5 月にはこの 5 年間で初
めて 100 ユーロに達した。その後、特に米国における金利上昇とインフレ懸念の台頭や循環的な
下落への不安の高まりを受け、投資家の間に利益確定の動きが強まり、DAX 指数の下落と共に
当行株価も下落に転じた。当行株価は、6 月には年初の水準を若干下回る 80.74 ユーロをつけた。
しかしながら、予想に反して経済が強い基調を維持したことや、一方で原油価格の軟化によるイ
ンフレ懸念の後退や企業収益見通しの改善を背景に、投資家の信頼を回復していった。さらに、
ドイツの上場企業の企業価値評価が相対的に良好であったことや株式以外で魅力的な投資対象
が不足していたことも、株価にプラスに働いた。DAX 指数は、大きな変動もなく順調に上昇基
調を続けた。DAX 指数のこうした堅調な推移には、ドイツ銀行株式も貢献しており、当行株価
は 2006 年最高値の 103.29 ユーロをつけた後、若干下落し、年末には 101.34 ユーロとなった。
長期的な投資価値
ドイツ銀行株式は、長期的なリターンで見た場合も、非常に魅力的な投資対象と言えよう。当行
株式を 1980 年に 10,000 ユーロ相当購入し、現金配当をすべて株式購入に充て、無償増資に応
じたと想定した場合、2006 年末には 166,775 ユーロ相当の株式を保有していることになる。こ
れは、年間平均で 11%の投資収益に相当し、同期間の DAX 指数の年間平均収益率約 10%を上
回る。
時価総額の増加
2006 年 12 月 31 日時点の当行株式資本は 524,768,009 株の無額面株式で構成され、時価総額は
532 億ユーロとなった。これは、
2006 年 2 月に 4,000 万株以上の株式を消却したにもかかわらず、
2005 年と比べてほぼ 80 億ユーロ、
率にして 17%の増加となった。株式時価総額で比較した場合、
当行はグローバルな銀行としては 27 位、ドイツの上場企業としては 5 位に位置している。2006
年末時点で、DAX 指数における当行株式の比率は 7.7%となっている。2006 年の当行株式出来
高は約 2,200 億ユーロで、これは DAX 指数銘柄の中で第 2 位となっている。
02 // ステークホルダー
株主
流動性の高い取引所へのドイツ銀行株式売買の集中
ドイツ銀行は、十分な検討を行った結果、2006 年 5 月に、グローバル・レジスタード・シェア
の上場を流動性の高い取引所に集約する施策に着手した。2005 年の当行株式の売買高は、ドイ
ツ国内証券取引所とニューヨーク証券取引所で全体の約 99%を占めていた。これを受け、当行
は 2006 年中に、アムステルダム、ブリュッセル、ロンドン、ルクセンブルク、パリ、東京、ウィー
ン、チューリッヒの各取引所での当行株式の上場を廃止した。
年次株主総会出席者の増加
2006 年 6 月 1 日にフランクフルトのフェストハレで開催した年次株主総会
(AGM)
には、
約 5,000
人の株主が出席した。議決権株式の 40.7%にあたる株主が権利を行使し、これは 2005 年より
16%ポイント高い水準となった。この背景には、他のほぼすべての DAX 指数銘柄企業と同様に、
ドイツの機関投資家が株主総会でより積極的に議決権を行使したことが挙げられる。従来、大半
のドイツ企業では、7 日間名義書換が禁止される規定が設けられていたが、この要件が大きく緩
和され、基準日に 1 日だけ保有していれば足りることになった。これは、従来、外国人投資家が
感じていた懸念を大幅に解消することにもなった。さらに、年次株主総会の出席者は、当行の「発
想の国ドイツ(Land of Ideas)
」のイニシアティブにも強い関心を示した。
長期的な投資収益
1,900
1,600
1,300
1,000
700
400
100
80
82
84
86
88
90
1980年を100とした投資収益の指数(四半期)
出典:データストリーム
̶ ドイツ銀行
̶ DAX株価指数
92
94
96
98
00
02
04
06
26 // 27
年次株主総会では、各業務の進捗状況について恒例の報告が行われた後、株主と経営陣の間で
活発な質疑応答が行われ、同総会は夕方まで続いた。すべての議題が賛成多数で議決され、年
次株主総会は終了した。
年次株主総会における
議決権行使の増加
株主資本に占める比率(%)
45
41
39
36
32
30
25
15
新たな自社株買戻しプログラムを開始
当行は、株主資本の最大 10%に相応する自社株を買戻すことに関し、株主から再度承認を得た。
これを受けて、取締役会は合計 3,580 万株の株式買戻しを実行した 2005 年 /2006 年の自社株
買戻しプログラムを終了し、現在は新たなプログラムのもとで買戻しを継続している。この新た
なプログラムでは、2007 年 10 月 31 日までに、5,190 万株を上限に買戻しを行うことができる。
既に、2006 年末までに 910 万株を 1 株当たり平均 89.63 ユーロで買戻した。2006 年末時点で、
当行は 2,610 万株の自社株を保有していたが、これは主に以前の自社株買戻しプログラムによる
ものである。
当行は、2002 年半ばの自社株買戻しプログラム開始時点から 2006 年末までの間に、1 億 1,800
万株、額にして約 72 億ユーロを消却した。
02
03
04
05
06
すべての自社株買戻しは、直接市場で購入するか、必要に応じて比較的小規模のデリバティブを
活用している。取得した自社株式は、株主資本の減少や株式ベースの従業員報酬プランの実行
に活用できるが、当行は、将来の成長や安定的なコア自己資本比率の維持にも配慮している。
100%の浮動株式
当行の記名株主数は、2005 年末時点の 411,593 人から 2006 年 12 月 31 日には 348,196 人に
減少した。他の多くの DAX 指数銘柄企業と同様に、ドイツ国内の個人株主数は、減少が続いて
いる。株主資本 1,343,406,103 ユーロのうち機関投資家(銀行を含む)の保有比率は 86%(前
年より 2%ポイントの増加)
、
個人投資家の保有比率は 14%(前年より 2%ポイントの減少)となっ
ている。当行株式は 100%浮動株である。発行済み株式のうち、ドイツ国内株主の占める割合は
54%(2005 年末時点では 52%)であり、ドイツ以外の株主の比率は 46%(2005 年末時点で
は 48%)である。ドイツ証券取引法第 21 条に従い、5%以上の株式を保有する株主は報告義務
を負うが、2006 年末時点でこれに相当する当行株主は確認されていない。
02 // ステークホルダー
株主
投資家との多様な対話
当行 IR チームは、2006 年も引き続き、株主やアナリストに対して定期的に当行の業務の進捗状
況を報告した。約 230 回におよぶ個別ミーティングやグループ・ディスカッションを通じて投資
家からの質問に答えたほか、12 回におよぶ国際ブローカー会議に出席し、そのうちの数回には当
行の経営陣が出席した。
株主数の推移
年末時点(単位:千人)
600
500
513
503
468
四半期に一度のアナリストとの会議や電話会議では、業績や戦略上の目標の進展について、報告
した。さらに、4 年前から開始した債券投資家との対話も継続し、成功裡に終了した。
412
400
348
300
10 月には、ロンドンで開催したインベスター・デイに、グループ経営執行委員会メンバーが出席
し、資本市場参加者に対して、当行の経営戦略について詳細に説明した。ヨゼフ・アッカーマン
取締役会会長兼グループ経営執行委員会会長は、新しい経営戦略として、グローバルな事業基
盤を積極的に活用して、成長の速度を加速していく方針を示した。
情報の提供に対する個人投資家からの要求はますます強まっており、当行は主に、無料株主ホッ
トラインやインターネットを活用した対応を行っている。さらに、インターネットを通じてリアル
タイムで IR 説明会の様子を配信している。また、年次報告書や四半期決算書もインターネット
上で提供しており、利用者は多様な双方向形式の評価システムや分析アプリケーションなどを活
用することが可能になっている。
200
100
02
03
04
05
06
顧客
法人・機関投資家向けビジネス
28 // 29
良好な外部環境のなか
過去最高の業績を達成
法人・機関投資家向けビジネス部門(CIB)は、2006 年、良好な市場環境を背景に、過去最高の
業績を達成し、市場をリードするグローバルな投資銀行の一社としての地位を示した。債券と株
式の業務基盤を統合したことや、
「知的資本(インテレクチュアル・キャピタル)
」を活用した高付
加価値商品やサービスの提供の一層の強化、さらに新興国市場における継続投資が奏功し、セー
ルス /トレーディング業務は過去最高の収益を達成した。コーポレート・ファイナンス業務も、
M&A や資金調達が活発に行われ、オリジネーション・アンド・アドバイザリー・ビジネスで過
去最高の業績を達成した。また、主要地域における市場シェアを拡大し、一連の重要案件におい
て大きな役割を果たした。一方、トランザクション・バンキング業務では、近年、年ベースでか
なりの利益成長を遂げており、2006 年もこの勢いは続いた。
CIBは、コーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズとグローバル・トランザクション・
バンキングの2つのコーポレート部門で構成されている。このうち、コーポレート・バンキング・
アンド・セキュリティーズは、グローバル・マーケッツとコーポレート・ファイナンスの2つのビ
ジネス部門で構成されている。なお、コーポレート・ファイナンスとグローバル・トランザクショ
ン・バンキングは、合わせてグローバル・バンキングと呼ばれている。
コーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズ
グローバル・マーケッツは、債券、コモディティーズ、株式、株式関連商品、デリバティブ / 店
頭デリバティブ、外国為替、マネー・マーケット、資産 / モーゲージ担保証券、ハイブリッド商
品を含むあらゆる金融商品のセールス、トレーディング、ストラクチャリングおよびリサーチ業
務で構成される。さらに、コーポレート・ファイナンス・ビジネス部門と共同で、レバレッジ債
券資本市場
(LDCM)
業務と株式資本市場
(ECM)
業務も担っている。
2006 年度税引前利益
2006 年度、CIBは、過去最高となる58 億ユーロの税引前利益を計上した。2005 年度と比べて14 億ユーロ増加した主な要因としては、
ほぼすべてのビジネスにおいて増収となったことが挙げられる。CIBの収益は、前年比で28 億ユーロ増加した。利息以外の費用は、
事業再編費用が 2005 年度より3 億ユーロ減少した一方、ビジネスの好調を受け、業績連動型報酬が大幅増となったことから14 億ユー
ロ増加した。また、2006 年度は1億ユーロの貸倒引当金繰戻額を計上した。
法人・機関投資家向けビジネス 1
単位:百万ユーロ
純収益
貸倒引当金繰入額
(繰戻額)
利息以外の費用
税引前利益
株主資本利益率
(税引前、%)
リスク加重調整済ポジション
(BIS)
資産
1
2006 年
18,712
(88)
13,019
5,781
33
191,892
1,012,050
2005 年
15,923
10
11,577
4,336
30
167,753
881,649
セグメント別の経営成績報告から抜粋。注記その他の詳細については、2006 年ファイナンシャル・リポート
(マネジメント・リポート)
を参照。
02 // ステークホルダー
顧客
法人・機関投資家向けビジネス
2006 年は、グローバル・マーケッツにとって卓越した年となった。独自の戦略上の体制や多様
な商品、顧客セグメント、地域への分散が奏功し、再度、収益で過去最高を達成した。さらに、
主導的地位を占めている欧州や基盤強化を図っている新興国市場における成長の恩恵を受け、利
益を増大した。また、高付加価値の仕組み商品に注力することで、複雑でダイナミックに変化す
る市場の幅広い顧客ニーズに応えた。
主要業務全般において、顧客取引が引き続き利益の大半を占めた。事業法人、ヘッジファンド、
資産運用会社や保険会社、年金基金を含む機関投資家など、主な顧客セグメントのすべてで、
ビジネスは堅調に推移した。企業活動が活発であったことから、当行が市場をリードしているデ
リバティブやその他仕組み商品を活用して、金利や為替リスクの管理ニーズが高まった。
2006 年の受賞
ユーロマネー:
「最優秀新興国市場デット・ハウス」
「最優秀投資適格デット・ハウス」
「最優秀リスク・マネジメント・ハウス」
「No.1外国為替サービス」
インターナショナル・ファイナンシング・レビュー(IFR)
:
「最優秀カバード・ボンド・ハウス」
「最優秀デリバティブ・ハウス」
「最優秀投資適格コーポレート・ボンド・ハウス」
IFRアジア:
「最優秀ボンド・ハウス」
「最優秀デリバティブ・ハウス」
リスク誌:
「No.1コーポレート・ディーラー」
年金基金は、長年にわたる資産と負債のミスマッチへの対応を迫られているが、グローバル・マー
ケッツは、長期資産へのニーズを喚起し、長寿リスクに備えたまったく新しい資産クラスを生み
出すことにより、こうした顧客に対するサービスの提供において強みを発揮した。当行は、こう
した制度上の問題に対応する仕組み商品の提供に積極的に取り組んでいる。
さらに、仕組みクレジットや仕組み株式を活用した、より高利回りの資産へのニーズを強めてい
るヘッジファンドへのサービスも拡充した。ヘッジファンドは、より安定した負債構成を実現す
るため、資金調達手段として「永久資本」の導入を進めており、当行の専門チームはそうした革新
的なサービスの提供に注力した。
2006 年は、個人顧客へのサービスの提供においても成果を発揮した。当行は、個人顧客に対し
て直接、あるいは第三者機関を通じてサービスを提供しているが、個人投資家は、高パフォーマ
ンスで低コストのインデックス関連商品に強いニーズを示した。
クレジット商品グループも、信用スプレッドが年間を通じて大きく縮小し、資産のオリジネーショ
ンや組成が困難を極めたにもかかわらず、大きな成功を収めた。当行は、仕組みクレジットの技
術力をインフラや映画ファイナンスといった領域に活用することで、新たな成長分野を開拓した。
グローバル・マーケッツ:
外国為替で世界の市場をリード
市場シェア(%)
20
19.3
16.7
当行は、2005 年後半に、株式現物とデリバティブのトレーディングを統合する決断をくだしたが、
2006 年にその取り組みが成果となって表れた。すべての株式顧客ビジネスの業績は、年ベース
で改善し、顧客は、革新的な商品や各ビジネスの連携によるサービスをこれまで以上に迅速に受
けられるようになった。
特に、新興国市場においては、現地の株式市場への積極的な参入を図った戦略が功を奏した。
新興国における国内機関投資家の運用資産の拡大、国内ヘッジファンドの増加をはじめとした洗
練された投資戦略の発達、新興国企業への投資ニーズの高まり、海外資産による投資ファンドの
増加など、こうした動きすべてが当行にプラスに働いた。中東欧、中東、アフリカにおける当行
の株式業務はトップにランクされ、14.8%の市場シェアを占めている。
12.2
10
9.8
3
2
1
1
03
04
05
06
順位
出典:ユーロマネー誌外国為替サーベイ
30 // 31
ドイツ銀行:
ユーロ建て債券引受けで引き続き市場を
リード
市場シェア(%)
15
13.2
自己勘定による株式売買チームは、第1四半期ならびに第 4 四半期にみられた市場機会を活かし、
2006 年も卓越した業績をあげた2005 年に迫る業績を達成した。
米国における住宅ローン債権証券化市場の業容は引き続き順調に推移し、利益ならびに市場シェ
アは共に拡大した。住宅ローンのオリジネーション・ビジネスを手掛けるチャペル・ファンディ
ングとモーゲージIT の買収を通じて、米国における基盤をさらに強化した。
12.3
10
9.5
1
1
1
当行のセールス/トレーディングは世界トップランクに位置しているが、2006 年も再び、
「フロー」
商品と仕組み商品の双方で市場から高い評価を得た。ユーロマネー誌の年次外国為替調査では、
外国為替商品 / サービスの分野でトップに選ばれた。当行は、リスク誌による主要調査でも、2年
連続して、世界最大規模のデリバティブ・ディーラーに選ばれた。
5
04
順位
出典:トムソンファイナンシャル
05
06
コーポレート・ファイナンスは、M&A アドバイザリー、株式資本市場(ECM)
、レバレッジ債券
資本市場(LDCM)
、商業用不動産(CRE)
、アセット・ファイナンス&リーシング(AFL)
、企業貸
付けの各業務で構成される。コーポレート・ファイナンスの商品とサービスはすべて、各地域で
産業別に編成されている顧客カバレッジ・チームによって提供される。
コーポレート・ファイナンスは、2006 年に中核ビジネスで利益の増大と市場シェアの拡大を達
成し、大きな成功を収めた。活発な企業活動と特に欧州およびアジア太平洋における加速度的な
成長が追い風となり、ビジネスを取り巻く環境は良好に推移した。さらに、ファイナンシャル・
スポンサーと商業用不動産などの主な市場セグメントで大きな成長を遂げた。幅広い商品とサー
ビス、グローバルなネットワークを活用することで、良好なビジネス環境を存分に活かした結果
となった。
また、世界の主要市場すべてにおいても好調であった。欧州では引き続き主導的な地位を維持し
た一方、大きな成長が期待できる米国では、注力している中核ビジネスで市場シェアを拡大し、
利益を改善した。アジア太平洋(日本を除く)では6 位にランクされた。本拠を置くドイツでは、
M&A アドバイザリー、株式、投資適格債券の各ビジネスにおける主導的地位を固め、また、主
要なクロスボーダー案件の大半でアドバイザーとして大きな役割を果たした。さらに、顧客カバ
レッジを顧客ニーズに適したかたちで再編し、商品やサービスの多様性を強化することで、中堅
企業の顧客(
“Mittelstand”
)へのサービスを拡大した。こうした取り組みの一環として、社債プロ
グラム(db-Schuldschein)を成功裡に立ち上げたほか、独自のメザニン・ファイナンスである
equiNotesをさらに発展させ、中堅企業による資本市場の活用を促進した。
02 // ステークホルダー
顧客
法人・機関投資家向けビジネス
アドバイザリー・ビジネスは、市場が堅調に推移するなか引き続き勢力を拡大し、取扱高は前年
比 65%増加した。欧州における取扱高は前年比 62%増加し、ドイツ、英国、ロシア、CEMA(中
東欧 / 中東 / アフリカ)
では市場をリードした。米国における取扱高は、前年比 57%の増加となり、
幾つかの注目された大型案件で主幹事を務めるなど前進を遂げた。
コーポレート・ファイナンス
欧州M&A市場におけるシェアの増大
市場シェア(%、完了案件ベース)
30
株式資本市場(ECM)では、主要な市場や商品でさらに地位を強化し、世界でも主導的な金融機
関としての地位を維持した。グローバルな転換社債の引受けでは、2005 年より大幅に取扱高を
増加し、第 2 位にランクされた。米国では引き続き市場シェアを拡大した一方、欧州では不動産
関連 ECMでトップの地位を占めた。新興国市場における投資は順調に推移しており、中東やア
フリカにおいても前進を続けている。アジア太平洋(日本を除く)では、2005 年の8 位から2006
年には6 位に上昇した。さらに、世界最大規模の新規株式公開となった中国の案件で共同主幹事
を務めた。
レバレッジ債券資本市場
(LDCM)
グループは、2005 年に続き2006 年も過去最高の業績を達成し
た。米国では、大型レバレッジ・バイアウト
(LBOs)
の上位10 案件のうち8 案件で主幹事を務めた。
欧州におけるハイ・イールド債では6 年連続してトップの地位を占めた。欧州における過去最大
規模のLBO 案件や、事業法人ならびに成長著しいファイナンシャル・スポンサーによる幾つかの
画期的案件に参加するなど、欧州におけるレバレッジ・ファイナンスで引き続き主導的地位を維
持した。
26.2
22.0
20
10
9.0
11
6
3
04
05
06
順位
出典:トムソンファイナンシャル
商業用不動産ビジネス
(CRE)
は、2006 年も引き続き大きな成長を遂げた。米国では、大型買収
案件や非公開化案件の資金調達で成果を上げた一方、不動産債務担保証券
(CDOs)
では過去最高
の業績を達成した。欧州においては順調に基盤を強化し、当行が注力しているアジア太平洋では、
2006 年に上海、香港、シドニー、ムンバイの 4 拠点にオフィスを開設した。
アセット・ファイナンス&リーシング
(AFL)
も、順調な年となった。ドイツでは、前もって規定さ
れた一連の特許に投資する初めてのクローズド・エンド型投資信託を設定し、革新的な商品とし
て高い注目を集めた。また、ドイツのヘルスケア・セクターで初の官民共同(Public-PrivatePartnership:PPP)
プロジェクトで、シニア債の共同アレンジャーとメザニン債の単独アレンジャー
を務めた。さらに、シンガポールに地域拠点を設置した。
2006 年の受賞
ユーロマネー:
「西欧:最優秀投資銀行」
ユーロウィーク:
「最優秀ハイ・イールド・ボンド・ハウス」
ファイナンシャル・ニュース:
「最優秀エクイティ・リンク・ハウス」
「最優秀M&A ハウス
(ドイツ)
」
インターナショナル・ファイナンシング・レビュー:
「レバレッジ・ファイナンス・ハウス
(米国)
」
ザ・バンカー:
「最優秀投資銀行
(EMEA)
」
「最優秀ハイ・イールド・ボンド・ハウス」
「最優秀レバレッジ・ファイナンス・ハウス」
32 // 33
2006 年の受賞
ファイナンシャル・アイ:
「最も革新的なキャッシュ・マネジメント・プロバイダー」
グローバル・ファイナンス:
「最優秀キャッシュ・マネジメント
(西欧)
」
インターナショナル・セキュリタイゼーション・リポート:
「最優秀受託銀行」
ストラクチャード・ファイナンス・インターナショナル:
「最優秀受託事務サービス・プロバイダー」
トレード・ファイナンス・マガジン:
「最優秀トレード・ドキュメンテーション・バンク」
トレード・アンド・フォーフェイティング・レビュー:
「最優秀国際貿易金融銀行」
グローバル・トランザクション・バンキング:
グローバル貿易金融融資のアレンジャー
グローバル・トランザクション・バンキング
グローバル・トランザクション・バンキング(GTB)は、国内およびクロスボーダー決済、海外貿
易にかかわる高度なリスクの軽減、信託、取次ぎ、預託、カストディ(証券保管)ならびにこれ
らの関連サービスを含む、法人顧客および金融機関を対象とした商業銀行商品およびサービスで
構成される。GTBは、事業法人および金融機関を対象としたキャッシュ・マネジメント、貿易金融、
法人信託の各業務で構成されている。
GTBでは、収益が拡大する一方、引き続きコスト管理を徹底したことにより、2006 年も良好な
年となった。拠点とする欧州における集中を進め、アジアにおけるビジネスの再編や新興国市場
における業務基盤の強化による恩恵を受けた。
法人顧客グループにおいては、ドイツ銀行のグローバルなネットワーク、技術や商品への投資、
サービスの質へのこだわりを活かして、顧客企業のキャッシュ・マネジメント・プロセスの効率化、
合理化を引き続き支援した。取扱高の増加や良好な金利水準を追い風として、キャッシュ・マネ
ジメントはすべての地域で増益を達成した。一方、貿易金融は、特に新興国市場を中心に着実に
拡大した。当行は、リスク軽減に関わる商品と組成・販売力の双方を備えており、グローバルな
貿易金融融資のアレンジャーとして主導的な地位を占めている。また、異なる商品分野の連携を
強めることで、顧客の幅広いキャッシュ・マネジメントおよび貿易金融のニーズに適した革新的
なサービスを開発した。
案件数
200
191
160
金融機関グループは、顧客企業がグローバルなキャッシュ・マネジメントをひとつの金融機関へ
と統合を進めるなかで、GTBの規模の大きさと広い顧客層を活かし、強みを発揮した。さらに、
他行との業務提携を通じて、先端技術を活用した自社開発のシステムや事務処理支援戦略を顧
客に提供したことも、大きな成功要因となった。
120
104
80
74
61
40
43
02
出典:ディーロジック
03
04
05
06
法人信託業務は、自律的成長とJPモルガンチェースの英国における預託・決済センターの買収
を通じて、収益が拡大した。米国の資産担保証券と債券市場の受託業務(トラスティ)で市場シェ
アを維持した一方、特に新興国における新たな預託証券業務で多くの指名を獲得した。また、ド
バイ国際金融取引所で上場株式のカストディ(証券保管)および決済サービスを開始した。これ
により、GTBがカストディ・サービスを提供している金融市場の数は28になった。さらに、イン
ドにおいては、個人顧客からのニーズを受け、ミューチュアル・ファンドの登録・名義書替代理
ビジネスの立ち上げを進めている。
02 // ステークホルダー
顧客
個人・資産運用ビジネス
成長を維持、
将来に向けた投資
個人・資産運用ビジネス・グループ部門
(PCAM)
は、個人および法人顧客を対象とする資産運用
ビジネスと、個人顧客および中堅企業を対象とする伝統的な銀行業務で構成されている。
2006 年は、PCAMにとって大きな躍進を遂げた年となった。資産の増加に良好な外部環境が続
くなか、利益は過去最高の水準まで拡大した。運用資産残高は、2005 年末と比べ 460 億ユーロ
増加して9,080 億ユーロとなり、世界でも有数の資産運用会社の一つとしての地位を示した。ま
た、2006 年には大型投資も行った。自律的成長と注力分野での付加価値の高い買収を通じて、
ドイツ国内における基盤を固めるとともに、ドイツ以外の成熟した欧州市場における地位も強化
し、さらに、中東欧とアジア太平洋といった重要な新興国市場における基盤を拡充した。
PCAMは、資産運用およびウェルス・マネージメント(AWM)と個人顧客および中堅企業(PBC)
の2つのコーポレート部門により構成されている。
資産運用およびウェルス・マネージメント
資産運用およびウェルス・マネージメント
(AWM)
・コーポレート部門は、資産運用とプライベー
ト・ウェルス・マネージメントの2つのビジネス部門で構成されている。資産運用では、個人投
資家に対して幅広い投資信託商品を提供する一方、機関投資家に対しては、グローバル規模で
伝統的な運用商品から、アブソルート・リターン・ストラテジーや不動産運用を含む高付加価値
商品に至るまでフルラインの商品群を提供している。プライベート・ウェルス・マネージメントは、
世界中の個人富裕層やその家族を対象にサービスを提供している。AWMは、2006 年も力強い
拡大を続けた。
2006 年度税引前利益
PCAMは2006 年度に、19 億ユーロの税引前利益を計上した。前年と比べ 4 億ユーロの増益となった主な要因は、資産運用およびウェ
ルス・マネージメント
(AWM)
・コーポレート部門のすべての主要商品で利益をあげ、同部門の収益が 42 億ユーロに達したことにある。
再構築費用が大幅減となったことを一部要因として、利息以外の費用はほぼ変わらず、AWMの税引前利益は前年比 3 億ユーロ増の9
億ユーロとなった。個人顧客および中堅企業(PBC)
・コーポレート部門は、成長を続けるインド、ポーランド、さらに西欧における販
売ネットワークへの投資の増加に加え、ベルリン銀行やノーリスバンクの統合コストを計上したにもかかわらず、税引前利益で11億
ユーロを計上し、過去最高を更新した。
個人・資産運用ビジネス 1
単位:百万ユーロ
純収益
貸倒引当金繰入額
利息以外の費用
税引前利益
株主資本利益率
(税引前、%)
リスク加重調整済ポジション
(BIS)
資産
1
2006 年
9,191
366
6,904
1,921
27
76,407
129,740
2005 年
8,589
340
6,766
1,484
22
74,064
123,640
セグメント別の経営成績報告から抜粋。注記その他詳細については、2006 年ファイナンシャル・リポート
(マネジメント・リポート)
参照。
34 // 35
DWS:ドイツにおける
主導的な投資信託会社
運用資産
(2006年末時点、単位:十億ユーロ)
122
120
資産運用は、DWSとDWSスカダーのもとで展開している個人顧客向け資産運用、RREEF(リー
フ)のもとで展開している不動産投資運用を含むオルタナティブ資産運用、保険資産運用、法人
顧客向け資産運用の 4 つの業務で構成される。2006 年には、新市場に参入し、提供する商品の
幅を広げた。新規ビジネスは、成長が著しく、また利幅が大きいセクターに注力することで、収
益の80%以上を占めた。
個人顧客向け資産運用を担うDWSは、設立 50 周年を迎えた2006 年も卓越した一年となった。
DWSのドイツ国内における投資信託資産は、年初から11%増加し、1,220 億ユーロになった。
DWSはドイツ国内における地歩をさらに固め、ドイツ国内市場シェアは2005 年末の23.9%から
2006 年末には24.6%に増加した。2006 年末時点のDWSの世界における運用資産総額は約
2,360 億ユーロにのぼる。
80
40
競合他社
DWSは卓越した運用成績を維持する一方で、グローバルな基盤の拡充を推進した。5月には、
アジア太平洋に初の本格的進出を果たし、シンガポールとインドでDWSブランドを投入した。
さらに、2006 年には、日本の個人投資家を対象とした投資信託の提供を初めて開始したほか、
韓国では初のオフショア・ファンドを投入した。米国では、2月にDWSスカダーを立ち上げ、
DWSブランドを導入した。さらに10月には、中南米諸国への参入を公表した。
出典:BVI
イタリアでは、事業の再編を行った。将来的には、外国投資信託の販売に注力するため、2007
年中には約70 億ユーロの国内投資信託ポートフォリオをイタリアの投資信託運用会社であるア
ニマS.G.R.P.A.に移行する予定である。中国では、ハーベスト・アセット・マネジメントとの合
弁関係をさらに強化した。2006 年12月にハーベストを通じて投入した投資信託は、1日に419
億元(40 億ユーロ)の資産を集め、中国で最も成功した投資信託の一つとなった。一方、2006 年
には、最も革新的な投資信託であるDWS GOという新世代商品をドイツ国内で投入し、2007年
には他の欧州諸国においても提供を開始する予定である。
RREEFは、2006 年に事業地域と商品の幅を拡大した。成長著しい新興国市場では、特にロシア
と中国に新規参入を果たした。欧州で開始したインフラ関連ファンドは、2006 年第 4 四半期に
2 度目のクロージングを迎え、運用資産は10 億 7,400 万ユーロにのぼった。2007年1月には、顧
客ニーズに合わせたプライベート・エクイティ投資に特化したオルタナティブ資産運用・アドバ
イザリー会社であるアルダス・エクイティへの出資を公表した。RREEFの2006 年末時点の運用
資産総額は580 億ユーロにのぼり、運用資産額では世界で最大規模のオルタナティブ投資運用
マネジャーとなっている
(ワトソン /ワイアット、2005 年末)
。
グローバルな保険運用ビジネスでは、非系列の保険資産の運用会社として、2006 年も世界で主
導的な地位を占め、運用資産は2006 年末時点で1,110 億ユーロにのぼった(インシュアランス・
アセット・マネジャー誌)
。2006 年には、北米、欧州、アジアでグローバルな販売網を築くとい
う重要な目標を達成した。保険会社は、コアとなる投資機能を外部の専門アセット・マネジャー
に委託する傾向をグローバル規模で強めているが、当行は上記の取り組みにより、こうした傾向
に対応する体制を整えている。
02 // ステークホルダー
顧客
個人・資産運用ビジネス
機関投資家向け資産運用ビジネスでは、2月に新しい経営陣が就任し、資産運用ビジネスのグロー
バルな強みを活かしたビジネスモデルを実行に移すなど、利益の拡大に向け着実に前進した。
2006 年末時点のグローバルな運用資産総額は1,390 億ユーロとなった。さらに、グローバルなブ
ランド(ドイチェ・アセット・マネジメント)の確立、販売力の強化、顧客との関係やサービスの
検討、マスター KAGビジネスといった注力分野への集中的な投資、クオンツ戦略(Quantitative
Strategies)といった大きな成長が期待できる革新的な商品やサービスに注力するため、商品ライ
ンナップの見直しを行った。
プライベート・ウェルス・マネージメント(PWM)
は、世界中の個人富裕層とその家族を対象に、
一任勘定のポートフォリオ管理、オルタナティブ投資を含むアドバイザリー、家族経営、資産の
保全や財産プラン、税務アドバイス、社会貢献活動への助言サービスなど、国内外の資産運用サー
ビスを差別化・統一化したアプローチで提供している。2006 年には、当行の資本市場や資産運
用の分野における高い専門性を活用することで、洗練された高付加価値の資産クラスの取り扱い
を増加し、業容をさらに拡大した。
PWMは、2006 年を成功裡に終えた。2006 年には、2005 年末の運用資産の9%に相応する150
億ユーロの新規純資金流入があり、これにより2006 年末の運用資産残高は1,890 億ユーロに達
した。ドイツでは、市場平均を大幅に上回る勢いで資産を増加させた一方、アジア太平洋では
2005 年末の運用資産残高の24%にも相応する40 億ユーロの新規純資金流入を達成した。当行
は、アジアにおける13 拠点を活用することで、経済のダイナミックな変化を受けて個人の富の増
大が進んでいるアジアにおけるビジネスを拡大した。
こうした運用資産の増加は、ビジネスの拡大を目指して、自律的成長や買収のために大型の投資
を行った成果と言える。2006 年第 4 四半期には、330 人の従業員と120 億ユーロの運用資産を
有する英国第 4 位の独立系ウェルス・マネジャーであるティルネイ・グループの買収を公表し、
欧州第 2 位のウェルス・マネージメント市場において大きな前進を遂げた。これによりPWMは、
ドイツ、スイス、スペイン、イタリアにおける強固な基盤を補完し、欧州の複数の市場に強い基
盤をもつ、世界で数少ないウェルス・マネジャーの一つとしての地位を確立した。
2006 年には、組織の自律的成長を受け、ネットワークも拡張した。世界全体では、360 人以上
の新規採用を行い、
その大半を営業や顧客対応業務に配置した。4月には、
リヤドに支店を開設し、
中東最大の市場で、幅広いウェルス・マネージメント・サービスを提供する体制を整えた。また、
急成長する中国市場でサービスを提供するため、上海に国内支店を開設した。さらに、ドイツ国
内やその他欧州、アジア、中南米の専属チームを通じて、ファイナンシャル・インターミディアリー
(金融仲介機関)
とのビジネスを拡大した。
増加傾向続く新規純資金流入
前年末の運用資産残高に占める比率(%)
9
9
7
6
3
3
04
05
06
36 // 37
個人顧客および中堅企業:
ドイツ国内ファイナンシャル・
アドバイザー・オフィス数の推移
年末時点
200
194
2006 年には、顧客へのサービスをさらに拡充した。独自の一任勘定ポートフォリオ管理(DPM)
戦略は、再度、ベンチマークを上回る成績を収め、引き続きDPM戦略の拡大を図った。欧州では、
ドイツで既に大きな成功を収めている総合的仕組みアドバイザリー・プロセスの一環として、ウェ
ルス・アドバイザリー・マンデートを投入した。これは、総合的なポートフォリオ・リスク分析
機能のついたアクティブ・アドバイス・モデルであり、日々の投資判断に利用している顧客から、
高い評価を得ている。
150
129
プライベート・エクイティへの特別な投資機会の提供も行った。また、あらゆる運用戦略をカバー
するシングル・マネジャー・ヘッジファンドや不動産への分散投資による付加価値の高い運用機
会を提供した。さらに、独自の「オープン・アーキテクチャー」モデルやグローバルなリサーチ、
先端の分析ツールを活用して、当行ならびに第三者による広範な投資信託に対する、客観的なア
ドバイスの提供を引き続き行った。
100
81
50
04
05
06
また、顧客へのサービスを拡充していく上で、CIBの高い専門性を活用した。当行の独自のリサー
チに基づく株式商品であるCROCI(クロッキー、Cash Return On Capital Invested:投下資本に
対する現金収益比率)関連商品を、グローバル・マーケッツの専門家との連携によって顧客に提
供し、その運用総額は16 億ユーロを超えた。11の異なる投資戦略によって、顧客の運用成績の
向上を支援した。
個人顧客および中堅企業
個人顧客および中堅企業
(PBC)
は、投資アドバイスや証券サービス、貸付け、消費者金融、預金、
支払い、事業融資などの広範にわたる卓越したサービスを提供する。欧州およびアジア 8カ国の
個人や中堅企業の顧客に対し、多様な媒体を通じて、様々な金融ニーズにこたえている。ドイツ、
イタリア、スペイン、ポーランドを中心に、約1,392のインベストメント・アンド・ファイナンシャ
ル・センター(IFCs)を配置し、そのほかに3,300人の独立したファイナンシャル・アドバイザー
を擁している。
さらに、ドイツのファイナンシャル・アドバイザリー・グループであるDVAGやドイツならびに
欧州最大の自動車クラブであるADACとの販売面での提携が成果をあげた。
2006 年はPBCにとって卓越した年となった。良好な業績を受けて、長期的な成長に向けた投資
を継続して行った。ドイツ以外の欧州主要市場での強力な基盤の維持や主要な新興国市場での
プレゼンスの確立に努める一方で、ドイツ国内での主導的事業基盤を強化した。
ドイツ国内では、組織の自律的成長と買収の双方を通じて、主導的地位をさらに強化した。第一
線のアドバイザーを300 人以上採用した一方、研修者の受け入れを1,300 人に増加するなど、人
材への投資を行った。過去 2年間で、PBCはドイツ国内で1,000 人の雇用を増やした。
02 // ステークホルダー
顧客
個人・資産運用ビジネス
PBCは2006 年にドイツ国内で2つの重要な買収を行った。ベルリン銀行の買収では、60 店舗、
32万人の顧客、1,100 人の従業員、そして市場で認知されているブランドの獲得によって、ドイ
ツの首都における事業基盤を大きく拡充した。その結果、当行はベルリンにおいて、15%の市場
シェアと119 支店でサービスを提供する77万人の顧客を獲得している。
個人顧客および中堅企業:
顧客預金の増加
(単位:十億ユーロ、年末時点)
72
70
66
一方、ノーリスバンクの買収を通じて、高い潜在成長力を持つドイツ消費者金融市場におけるチャ
ンスを拡大した。当行は、買収を通じて、98 支店と30 万人を超える顧客を獲得し、この重要な
ビジネス分野における地位を拡充した。
さらに、2006 年には、ドイツ国内の既存ネットワークの質と量を共に向上させた。選ばれた一部
のIFCsでは、ベルリンのQ110(
「未来の支店」
)
の先駆的なデザインを活用して改装を行ったほか、
2カ所のIFCsを新設した。また、ファイナンシャル・アドバイザーの事務所を65カ所増やした。
欧州のその他中核市場である、イタリア、スイス、ベルギー、ポルトガルでもIFCsを新規に開設
し、
販売拠点の拡充を進めた。イタリアとスペインでは、
国内郵便ネットワークと連携を深め、
各々
の顧客に対して、消費者金融サービスの提供を開始した。イタリアでは、郵便サービスを担う
BancoPostaと連携を強化した一方、スペインでは、郵便サービスを担うCorreosとの提携関係
によって、BanCorreosブランドの提供を開始した。
63
60
50
40
30
20
10
04
2006年の数字はノーリスバンクを含む。
さらに、ポーランド、中国、インドといった主要な成長市場における基盤を大幅に強化した。ポー
ランドでは、引き続き投資を継続し、IFCsは倍増して60カ所を超え、約 300 人の新規雇用を行っ
た。一方、中国では、華夏銀行との提携により、主要都市の243 店舗を通じて、約 850 万人の顧
客へのアクセスが可能となった。
インドでは、顧客数が16 万人を超えた。現在では、8つのIFCsを通じて、この巨大な市場で拡
大を続ける個人富裕層に注力したサービスを提供している。さらに、PBCは最近、西インドにお
ける2 支店の免許を獲得した。インドのクレジット・カード・ビジネスは、アジアにおける消費
者金融サービスの提供も行っており、
2006 年 7月のサービス開始から顧客数は大きく伸びている。
05
06
顧客
コーポレート・インベストメンツ
38 // 39
引き続き非中核資産の
リスクを軽減
保有事業会社株式の推移
取得価格ベース
(単位:十億ユーロ、年末時点)
コーポレート・インベストメンツ
(CI)
・グループ部門は、事業会社株式の保有、当行所有の不動産、
プライベート・エクイティ、ベンチャー・キャピタル、その他の非戦略的保有の各業務で構成さ
れている。
6
5
2006 年、当行は計画どおり非中核資産からなるポートフォリオの圧縮を続け、これによる資金を
より収益力のあるビジネスや株主への還元に充当した。これにより、2006 年末時点における事
業会社の株式保有は50 億ユーロとなり、プライベート・エクイティおよびその他の事業投資(ア
トラディウスN.V.の株式持分12.7%を含む)
による保有資産は、各々、5 億ユーロおよび 15 億ユー
ロとなった。
5.1
4.6
4.1
4
3
2
2.2
2.3
05
06
1
02
03
04
2006 年第1四半期、当行は、ユーロヒポ AGの残りの株式持分 28%のコメルツバンクAGへの売
却を完了した。また、第 2四半期には、アトラディウスN.V.の株式持分 21.2%のCrédito y
CauciónとSeguros Catalán Occidente(いずれもスペイン)
への売却を終えた。
保有する事業会社株式の減少
当行は、主に上場しているドイツの金融機関ならびに事業会社の株式を保有している。2006 年
には、好調な市場環境を背景に、保有株式の売却を進めた。リンデ AGの株式においては、同社
による増資後、当行の持株比率は10%から7.8%に減少した。また、WMF AGの株式持分
11.7%とDEUTZ AGの株式持分 2%を売却した。一方、2006 年にドイツ取引所 AGの株式を1%
取得した。2006 年末時点の時価ベースによる保有株式の上位 3 社は、ダイムラークライスラー
AG(4.4%)
、アリアンツSE(2.2%)
、リンデ AG(7.8%)
となっている。
2006 年度税引前利益
CIは、2006 年も引き続き非中核ビジネスへの投資を削減した。税引前利益は、前年を6 億ユーロ下回る5 億ユーロを計上した。この
主な要因としては、特にダイムラークライスラー AGの株式を2005 年に大幅に売却したこともあり、保有株式売却による収益が前年
から半減したことが挙げられる。こうした売却の結果、配当に関わる収益も減少した。
コーポレート・インベストメンツ 1
単位:百万ユーロ
純収益
貸倒引当金繰入額
(繰戻額)
利息以外の費用
税引前利益
株主資本利益率
(税引前、%)
リスク加重調整済ポジション
(BIS)
資産
1
2006 年
613
2
160
451
41
5,354
17,406
2005 年
1,229
(1)
181
1,049
34
7,448
15,025
セグメント別の経営成績報告から抜粋。注記その他詳細については、2006 年ファイナンシャル・リポート
(マネジメント・リポート)
参照。
02 // ステークホルダー
顧客
コーポレート・インベストメンツ
プライベート・エクイティの減少
2006 年も引き続き様々な案件を通じて、プライベート・エクイティの投資を6 億ユーロ圧縮した。
プライベート・エクイティ投資
さらなる減少
資産(単位:十億ユーロ、年末時点)
2006 年末時点での当行のプライベート・エクイティ・ポートフォリオは、主として、ドイチェ・
ベンチャー・キャピタル・ファンドやその他投資ファンド、ベンチャー・キャピタルならびに
中南米への投資を含む上場間近のプライベート・エクイティ投資の未売却部分により構成され
ている。
5.0
4.9
4.0
3.0
2006 年、当行は、顧客の利益のために運用していたモルガン・グレンフェル・プライベート・
エクイティ・ファンドの大規模な残存資産を売却した。
2.0
1.8
1.1 1.1
1.0
0.7
02
直接投資
間接投資
03
0.5
04
0.5 0.5
05
0.3 0.2
06
顧客
コーポレート・センター
40 // 41
取締役会の
信頼できる支援者
コーポレート・センターの役割は、ドイツ銀行グループ取締役会が経営責任を果たす上で、これ
を支援することにある。コーポレート・センターの機能には、ファイナンス、監査、リスク/ 資本
管理、人事、グループ全体の法務 /コンプライアンス、従業員やメディア、資本市場とのコミュ
ニケーションが含まれる。そのほかにも、グループ戦略やマクロ経済に関わる事柄で取締役会を
支援する。コーポレート・センターは、グループ全体の内部サービス機能で構成されたインフラ
部門の一部となっている。
連携と独立
当行は、特にコントロール(経理)とリスク管理において、確固とした経営哲学のもとで運営され
ている。こうした業務は、市場環境の変化にできるだけ沿ったものとするため、グローバル規模
で各ビジネス部門と連携をとる一方、厳格に独立した報告ラインにより行われている。当行のよ
うなグローバルな金融機関にとって、こうした組織運営方針の効果を最大限高めることは極めて
重要である。
2006 年の課題
2006 年中に、当行の財務部門は、2007年から適用される国際財務報告基準
(IFRS)
に沿った報告
プロジェクトを終了した。さらに、米国サーベンス・オクスレー法(企業改革法)の第 404 条に関
連した、経営陣による宣誓の支援にかかわる準備を完了した。これは、経営陣が財務報告に関す
る内部管理体制の適切さを判断する上で、様式や文書化、管理の検証が適切に提示されることを
要求するものである。
自社株買戻しプログラム
ドイツ銀行株式買戻し
(単位:百万株)
60
62
58
50
財務(トレジャリー)は、リスク管理に統合され、財務および資本管理に名称が変更された。
2006 年 /2007年の自社株買戻しプログラムでは、910 万株の買戻しが実施された。また、資本市
場を通じて総額 210 億ユーロの資金を調達したことで、資金調達源の多様化と資本構造の強化を
図った。2006 年には、資本およびリスク管理委員会を設立し、資本とリスクの一元管理に努め
ていくことを示した。
46
40
40
38
36
33
30
20
10
7
02/03
*
03/04
04/05
9
05/06 06/07*
買戻し株数
うち消却
2006年末時点、買戻しプログラムは未完了
当行のマクロ経済に関するシンクタンクであるDBリサーチは、世界経済の長期的成長見通しや
エネルギー供給の確保にかかわる問題など、主要テーマに関して組織的な分析を行った。
ブランド・コミュニケーションは、当行の3 次元ロゴを中心に据えた広告キャンペーンを引き続
きグローバル規模で展開した。このキャンペーンでは、当行の成功の歩みを強調し、前進を続け
る顧客に対しメッセージを発信することで、既存市場におけるブランド強化と新興国市場におけ
るブランド認知度の向上を図っている。
02 // ステークホルダー
従業員
成長に向けた施策のための新規雇用
雇用主としての
将来に向けて
2006 年、ドイツ銀行の従業員数はこの6 年間で初めて増加した。成長戦略に転じたことにより、
従業員数(常勤相当)は5,422人増加し、2006 年末には68,849人に達した。従業員の増加につい
ては、人事政策上、次の2 点に留意した。1つめは、すべての地域や部門で多様な成長戦略を進
めるにあたり、柔軟な支援を行うこと、2つめは、グローバル規模で部門を超えた組織再編を実
施したことに伴う支援を行うことである。
新規採用者の円滑な融合
当行は世界 73カ国で事業を展開しており、従業員の多様性による恩恵を享受している。事業が
グローバル規模で拡大するに伴い、人事(HR)には、迅速で革新的、競争力のある商品やアドバ
イザリー・サービスの提供が要求されるようになった。2006 年には、ドイツ、米国、英国、ロシ
アで買収が行われた一方、中東欧、米国、アジア太平洋では組織の自律的成長が進展し、いず
れにおいても柔軟な人事政策が成功の鍵を握ることが示された。異なる企業文化の統合や従業員
教育の提供、戦力となる従業員の忠誠心の向上を図る施策の導入、主要な人事活動の実施にお
いては、高い専門性が不可欠であった。当行は、2006 年に、新規採用者の融合と専門性の向上
に多大な投資を行い、その結果、従業員1人当たりの研修費用は11%増加した。
従業員数は再び増加
(単位:千人、年末時点)*
90
77.4
67.7
60
68.8
63.4
30
02
*
魅力ある雇用主として新規市場に参入
当行は、グローバル規模で部門を超えた組織再編を実施しており、競争力を維持する上で、人事
政策が重要な役割を果たしている。このことは、フランクフルト、ロンドン、ニューヨーク、バ
ンガロール、ムンバイ、マニラの6つの処理センターの設置において特に明らかとなった。当該
センターの設置では、適切な人材を大量に採用するにあたり、慎重な選考が求められたと同時に、
採用者には、専門的知識だけでなく、異なる文化や伝統、習慣について研修を行う必要があった。
アジアでは高い専門性をもつ人材を求めて競争が激化しているが、当行はこの地域で有能な人材
を求めている。このため、魅力ある雇用主としての地位を確立することは、当行にとって極めて
重要である。従って、初期段階にある現在においても、人事政策は単なる採用活動の領域を超え
ている。雇用主としての魅力を高めるためには、業績に応じた報酬制度だけではなく、キャリア
における将来性を示すことが重要になっている。地域の関係団体への支援や寄附などの社会活動、
ネットワークづくり、スポーツクラブや図書館などの従業員組織への支援なども、この目的に沿っ
たものである。
65.4
常勤相当
03
04
05
06
42 // 43
将来に向けた再配置
組織の拡大によって要望が多様化するなかで、ビジネスからのニーズにこれまで以上に適切に対
応するため、HRは自らの組織のグローバルな再編に着手した。自らの機能を明確にし、コンサ
ルタント・サービスの集中を図るため、事務機能をフランクフルトとバンガロールに設置した2
つのサービスセンターに集約した。
グローバル・チームの進展
2006 年に当行の従業員は5,422人増加したが、これは主にビジネス部門における成長戦略を反
映したものである。同時に、こうした増員はコストの低い地域、特にインフラ部門において発生
した。増員の多くは、アジア太平洋の成長市場におけるもので、同地域の従業員の従業員総数に
占める割合は、2005 年の11.3%から2006 年には15.7%に増加した。ドイツでは700 人の増員と
なったが、大半が営業担当であった。全体的には、ドイツ国内における従業員数の純増は緩やか
なものとなった。これは、効率の向上を目指したプログラムが成功裡に機能したことと、特に、
ドイツ住宅 AGを当行の管理対象とする契約の終了を受け、その従業員数を当行連結財務諸表の
従業員数から削除したことによる。
従業員の地域別内訳
2006年末時点*
米州(北/中南米)
17 %
アジア/太平洋
16 %
ドイツ
38 %
欧州(ドイツを除く)
*
常勤相当
29 %
2006 年には、主にアジア太平洋における若年層の採用を反映して、24 歳以下の割合が前年の
7.6%から8.9%に増加した。ただし、依然として25∼ 44 歳の従業員が全体の約 3 分の2と最大
部分を占めている。特に、当行は、引き続き経験豊富な従業員からの恩恵を享受しており、2006
年末時点で勤続年数15 年以上の従業員の割合は27%を占めている。また、生涯学習に関する諸
施策や健康プログラム、雇用モデルの活用によって、従業員の年齢は多様化している。
多様性憲章の署名
2006 年12月13日、ダイムラークライスラー、ドイツ・テレコム、ドイツBP、ドイツ銀行は、ア
ンゲラ・メルケル ドイツ連邦首相のオフィスで
「機会としての多様性−ドイツ企業の多様性憲章」
に署名した。同首相の支援のもとで、憲章は、多様性を持つ企業文化がドイツの企業にこれまで
以上に強固に根付いていくことを求める。これは、従業員だけでなく、顧客や取引先の多様性も
意味している。憲章が掲げている多様性は、性別、人種、国籍、民族、信条や哲学だけでなく、
身体的困難や年齢、性的位置づけやアイデンティティーにまで至る幅広い理解に基づいており、
企業や政治団体、社会的組織は、最善の努力を払うことを期待されている。2007年中には、さ
らに多くの企業が署名する予定となっている。
02 // ステークホルダー
社会
社会へのコミットが人々のための価値を創出
企業の社会的責任
ドイツ銀行は世界で積極的に活動している企業市民として、2006 年も8,500 万ユーロを超える
助成や寄附を行った。しかし、こうした活動は、決して金額のみで判断されるものではない。当
行は、可能な限り、
「more than money(お金を超える価値)
」つまり、従業員の個人的なコミッ
トメントや専門性を活かした労力を提供することによって、寄附等がより効果を発揮するように
支援している。こうしたコミットメントは、リーダーシップの発揮に高い価値を置く当行の企業
文化の表れである。当行は、グローバルな金融機関として、ビジネスを展開する地域において活
発に活動している。こうした活動の大部分は、
当行のCSRグループと世界中の基金が担っている。
例えば、ドイツ銀行アルフレート・ヘールハウゼン・ソサイアティが開催している「都市の時代
(Urban Age)
」の一連のコンファレンスでは、世界の大都市の構造的変化に対する解決策を追求
している。一方で、当行は、拠点とするドイツ国内で果たすべき特別な責任についても認識して
いる。FIFAワールドカップが開催された2006 年には、
ドイツを世界の経済、学術、文化の拠点と
して強化することを目指した「発想の国ドイツ(Land of Ideas)
」プロジェクトのパートナーを務め
た。当該プロジェクトは、2007年も続いており、当行は「発想の国ドイツ−365のアイデア(365
Landmarks in the Land of Ideas)
」
と題された様々なイベントの単独パートナーを務めている。
持続性に対する評価(2006年)
金融機関を対象
指数の上限=100
80
77
70
60
68
67
60
53
50
47
48
40
34
30
20
10
持続性
(サステイナビリティ)
当行にとって、
持続性は事業戦略上の意思決定を行う上で重要な要因となっている。1999 年以降、
当行は、環境、社会、ガバナンスの視点を当行のすべての活動に統合する持続性管理システム
にISO14001認証を取得している。2006 年には、
地球温暖化の阻止を目的としたドイツ銀行グルー
プ全体の環境戦略をまとめた。これは、温室効果ガス排出の可能な限りの抑制、再生可能エネル
ギー資源の使用と開発、地球環境の変化に関する情報の公開、EU排出権取引など市場メカニズ
ムへの参加の 4 つで構成されている。
地域の開発
マイクロファイナンスの分野における当行の取り組みは、当行が社会へのコミットメントと専門
性をうまく融合している代表的事例である。ムハマド・ユヌス氏とグラミン銀行がノーベル賞を
受賞したことで、グローバルな開発政策においてマイクロファイナンスの果たす役割の重要性が
認識されたことは喜ばしい。ドイツ銀行アメリカの地域開発ファイナンス・グループは、発展途
上国の借り手に少額の融資を行うマイクロファイナンス仲介機関に8,000 万米ドル以上を提供し
た。このなかには、2004 年の津波による被害を受けた地域の継続的な復興プロジェクトや、初
のグローバルな商業マイクロファイナンス・コンソーシアム開催の費用も含まれている。こうし
た活動は、2015 年までに極端な貧困層の半減を目指すという国連による開発目標を、当行が全
面的に支援していることを示している。
教育
当行は、技術の習得と芸術の双方を重視した教育プロジェクトや若者が将来の職業に備える様々
な施策への支援を行っている。責任あるお金の扱い方を身につけるためには、早期に適切な金融
教育を受ける必要がある。当行は、ドイツの新聞“Handelsblatt”と協力して、ドイツの学校にお
ける金融教育の促進を行っている。この「指導者の教育(train the trainer)
」プロジェクトでは、
2006 年以降、60 人の従業員が教師を対象とした金融教育を支援してきた。
経済的
指標
ドイツ銀行
世界平均
出典:SAM Research Inc.
環境的
指標
社会的
指標
合計
44 // 45
また、当行は、ドイツ文化基金(Kulturstiftung der Länder)と協力して、
「子供たちをオリンピッ
クへ(キンダー・ツーム・オリンプ!)
」と称した競技会を開催し、芸術教育を促進している。
2006 年、この競技会には、ほぼ 700 校が参加した。ベルリンで催された「三文オペラ」では、単
にスポンサーを務めただけでなく、ドイツ銀行基金によって、芸術やデザインを専攻する学生を
対象とした2つの競技会を同時に開催し、学生たちがベルトルト・ブレヒトの作品をより深く理
解する機会を提供した。
音楽
当行はこれまで6回にわたり、若い演出家やプロデューサー、指揮者、劇場支配人−そして、今
回初めて作曲家−を当行の2年間にわたる奨学金プログラム「アカデミー・オペラ・トゥデイ」によ
り支援してきた。この奨学金プログラムは、オペラの分野で情熱溢れる若いリーダーが、オペラ
の今後についてお互いの意見を交換したり、専門家と共にプロジェクトを推進することを目的とし
ている。
「サー・ゲオルグ・ショルティ国際指揮者コンクール」の設立パートナーとして、ドイツ銀
行基金は若者の選考にも参加し、2006年には世界 72カ国から500人の若い指揮者が参加した。
芸術
ドイツ銀行コレクションの創立 25 周年を記念した展覧会は、2005 年のベルリンのドイチェ・グッ
ゲンハイムにおける成功に続き、東京とシンガポールでも開催された。そこでは、建築家ザハ・
ハディドのデザインによる視覚的に広がりをもった展示スペースが再現された。2007年には、ド
イツ銀行コレクションから選別された写真作品が、
「More than meets the eye(目の先の向こう
へ)
」という題のもとで、中南米で展示される予定である。当行は、ポーランドでも若い芸術家の
才能を支援するため、2年毎にコンクールを開催している。こうした取り組みが認められ、当行は、
ポーランド文化・国家遺産省より
「2006 年文化支援者賞」
を受賞した。
従業員ボランティア活動の地域別内訳
延べ9,843日(2006年)
米州(北/中南米)
24 %
アジア/アフリカ
7%
英国
44 %
ドイツ
25 %
従業員による取り組み
「more than money(お金を超える価値)
」というモットーのもと、当行は従業員に、以下の5つの
分野でボランティア活動の場を提供している。
– 地域課題:地域環境やインフラ施設の改善
(幼稚園やコミュニティ・センターなど)
。
– メンター(助言者、支援者)
:学生と1対1で接し、社会人への移行を支援したり、若者の起
業を支援。
– セミナー /ワークショップ:職業紹介、金融教育、学校における講師。
– アドバイス:従業員の専門性を活かし、IT(情報通信)やマーケティング、事業計画、財務管
理などの分野で地域組織を支援。
– 経営管理:地域組織やNGO(非政府組織)
の役員。
こうした5つの形態のボランティア活動が一つに結集した例としては、ロンドンのショーディッ
チ・プロジェクトが挙げられる。このプロジェクトでは、同地区の文化的、経済的再生の促進に
大きな成功を収め、2006 年にロンドン市より経済再生に対してドラゴン賞を受賞した。
当行の「2006 年社会的責任報告書」は、2007年 6月以降、当行ホームページ(www.deutschebank.com/csr.)
を通じて入手可能である。
新しい市場、新たな可能性
CARLOS ALVAREZ
46 // 47
// ドイツ銀行は幅広い領域で強みを持ち、顧客からますます良きパートナーとして認
められている。当行は、状況の変化に創造的に対応し、最高水準の提案力と実行力
を備えている。特に、グローバル規模で金融セクターに革新的な解決策を提案でき
る能力を備えており、大きな可能性を秘めていると言える。
カーロス・アルバレツ Carlos Alvarez
グローバル・バンキング ドイチェ・バンク・セキュリティーズ、ニューヨーク
連結決算書
03 //
03 // 連結決算書
損益計算書
48 // 49
損益計算書
損益計算書
単位:百万ユーロ
2006年
2005年
2004年
55,217
48,298
6,919
330
6,589
41,708
35,707
6,001
374
5,627
28,023
22,841
5,182
372
4,810
3,995
5,019
2,530
8,247
407
512
709
21,419
3,556
4,057
2,476
7,429
1,055
418
648
19,639
3,211
3,711
2,584
6,186
235
388
421
16,736
12,649
1,020
157
1,586
1,202
634
2,412
31
192
19,883
10,993
1,014
169
1,539
895
599
3,178
–
767
19,154
10,222
1,258
178
1,726
824
599
2,291
19
400
17,517
8,125
2,186
(1)
6,112
2,039
544
4,029
1,437
120
5,940
46
5,986
3,529
–
3,529
2,472
–
2,472
2006年
2005年
2004年
13.20
0.10
13.31
7.62
–
7.62
5.02
–
5.02
11.46
0.09
11.55
2.50
6.95
–
6.95
1.70
4.53
–
4.53
1.50
純利息収益
利息収益
利息費用
純利息収益
貸倒引当金繰入額
貸倒引当金繰入額控除後の純利息収益
利息以外の収益
信託業務による手数料およびフィー
有価証券業務による手数料/フィー
その他の顧客サービスによる手数料/フィー
トレーディング純収益
売却可能有価証券に係る純利益
持分法適用投資による純利益
その他の収益
利息以外の収益合計
利息以外の費用
給与手当
不動産関連費用、純額
設備費
IT関連費用
代理店およびその他の専門的サービス・フィー
通信およびデータ・サービス
その他の費用
のれんの減損/無形固定資産の減損
再構築費用
利息以外の費用合計
法人所得税費用および会計処理方法変更の累積的影響前利益
法人所得税費用
税率変更による1999年度/2000年度貸方計上額の振戻しによる影響
会計処理方法変更の累積的影響前利益、税引後
会計処理方法変更の累積的影響、税引後
当期純利益
普通株式1株当たり純利益
(単位:ユーロ)
基本的
会計処理方法変更の累積的影響前利益、税引後
会計処理方法変更の累積的影響、税引後
当期純利益
希薄化後
会計処理方法変更の累積的影響前利益、税引後
会計処理方法変更の累積的影響、税引後
当期純利益
普通株式1株当たり公表現金配当
03 // 連結決算書
貸借対照表
貸借対照表
資産
単位:百万ユーロ
現金および銀行預け金
利付銀行預け金
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買入有価証券(逆レポ)
借入有価証券
トレーディング資産
このうち、2006年および2005年12月31日現在で840億ユーロは、
債権者に担保として差入れ、売却または再担保差入れが可能
売却可能有価証券
このうち、2006年および2005年12月31日現在でそれぞれ23百万ユーロおよび21百万ユーロは、
債権者に担保として差入れ、売却または再担保差入れが可能
その他の投資
貸出金、純額
土地建物および設備、純額
のれん
その他の無形固定資産、純額
その他の資産
資産合計
2006年
12月31日現在
7,009
19,470
138,763
108,266
2005年
12月31日現在
6,571
11,963
130,993
101,125
516,839
448,393
22,054
5,357
168,134
4,149
7,144
1,267
127,778
1,126,230
21,675
7,382
151,355
5,079
7,045
1,198
99,382
992,161
2006年
12月31日現在
2005年
12月31日現在
408,782
218,854
187,129
23,240
19,793
99,672
132,495
3,457
1,093,422
380,787
194,347
143,524
24,581
20,549
81,377
113,554
3,506
962,225
1,343
14,424
25,069
1,420
11,672
22,628
(2,378)
(3,457)
–
(3,368)
(3,506)
2,121
(2,165)
2,779
(44)
(549)
–
(2,214)
(2,193)
32,808
1,126,230
(2,164)
2,498
9
–
(8)
(1,366)
(1,031)
29,936
992,161
負債および株主持分
単位:百万ユーロ
負債
預金
トレーディング負債
中央銀行ファンド借入金および買戻条件付売却有価証券(レポ)
貸付有価証券
その他の短期借入金
その他の負債
長期債務
自己株式購入義務
負債合計
株主持分
普通株式、無額面、名目価額2.56ユーロ
発行済株式数:2006年、524.8百万株;2005年、554.5百万株
資本剰余金
利益剰余金
自己普通株式、取得原価:
2006年、26.1百万株;2005年、49.0百万株
自己株式購入義務振替額
株式報奨
その他の包括利益(損失)累積額
1999年度および2000年度のドイツ税率変更に関連する
売却可能有価証券未実現純利益に係る繰延税金
売却可能有価証券未実現純利益、該当する税金およびその他控除後
キャッシュ・フロー・ヘッジ目的のデリバティブに係る未実現純利益(損失)、税引後
SFAS第158号の初度適用による修正、税引後
最小年金負債、税引後
外貨換算調整勘定、税引後
その他の包括損失累積額合計
株主持分合計
負債および株主持分合計
株主持分変動計算書
50 // 51
株主持分変動計算書
株主持分変動計算書
単位:百万ユーロ
2006年度
2005年度
2004年度
1,420
25
(102)
1,343
1,392
28
–
1,420
1,490
–
(98)
1,392
11,672
3,456
(1,335)
(109)
663
75
2
14,424
11,147
–
–
–
411
110
4
11,672
11,147
–
–
–
–
–
–
11,147
22,628
13
22,641
5,986
(1,239)
180
169
(2,667)
(1)
25,069
19,814
–
19,814
3,529
(868)
117
46
–
(10)
22,628
20,486
–
20,486
2,472
(828)
96
66
(2,472)
(6)
19,814
(3,368)
(39,023)
36,191
2,769
1,053
(2,378)
(1,573)
(43,803)
41,598
–
410
(3,368)
(971)
(34,471)
30,798
2,570
501
(1,573)
(3,506)
(864)
913
(3,457)
(3,058)
(814)
366
(3,506)
(2,310)
(1,241)
493
(3,058)
3,456
(3,456)
–
–
–
2,965
–
901
(410)
3,456
2,196
–
1,270
(501)
2,965
(1,335)
1,335
–
–
–
(1,452)
–
(901)
1,018
(1,335)
(1,242)
–
(1,270)
1,060
(1,452)
(1,031)
(1)
281
(53)
(545)
4
(848)
(2,193)
32,808
(3,331)
544
738
(28)
–
(7)
1,053
(1,031)
29,936
(2,594)
120
(177)
40
–
(1)
(719)
(3,331)
25,904
普通株式
期首残高
株式を基礎とした報酬制度に基づく普通株式の発行
普通株式の消却
期末残高
資本剰余金
期首残高
株式報奨から組替−発行可能普通株式
株式報奨から組替−繰延報酬
報告期間中の株式報奨の純変動
株式を基礎とした報酬制度に基づく普通株式の発行
株式を基礎とした報酬制度に関連するタックス・ベネフィット
その他
期末残高
利益剰余金
期首残高、前期報告値
会計原則の変更による影響
期首残高
当期純利益
公表・支払済現金配当
自己株式購入義務振替額に関連する配当金
自己株式売却純利益
普通株式の消却
その他
期末残高
自己普通株式、取得原価
期首残高
株式の購入
株式の売却
株式の消却
株式を基礎とした報酬制度に基づく自己株式の分配
期末残高
自己株式購入義務振替額
期首残高
増加
減少
期末残高
株式報奨−発行可能普通株式
期首残高
資本剰余金へ組替
付与済繰延株式報奨、純額
分配済繰延株式
期末残高
株式報奨−繰延報酬
期首残高
資本剰余金へ組替
付与済繰延株式報奨、純額
繰延報酬の償却、純額
期末残高
その他の包括利益
(損失)
累積額
期首残高
税率変更による1999年度/2000年度貸方計上額の振戻し
売却可能有価証券未実現純利益の変動、該当する税金およびその他控除後
キャッシュ・フロー・ヘッジ目的のデリバティブに係る未実現純損益の変動、税引後
SFAS第158号の初度適用による修正、税引後1
最小年金負債の変動、税引後2
外貨換算調整勘定、税引後
期末残高
株主持分合計、期末残高
1
2
この金額は、2006 年12月31日付のSFAS 第158 号の初度適用時における、未認識の数理計算上の純損失および正味過去勤務収益、税引後に関連した
(549)
百万ユーロ、なら
びに最小年金負債、税引後の名目額の振戻し4 百万ユーロから成る。
2006 年度の金額は、最小年金負債、税引後を2006 年12月31日付のSFAS 第158 号適用前の名目額とするための変動を表している。
03 // 連結決算書
キャッシュ・フロー計算書
キャッシュ・フロー計算書
キャッシュ・フロー計算書
単位:百万ユーロ
2006年度
2005年度
2004年度
5,986
3,529
2,472
330
30
(953)
84
1,557
(46)
(348)
374
145
(1,494)
964
1,474
–
(333)
372
230
(476)
838
1,776
–
(282)
(67,689)
(32,895)
26,859
15,748
359
(50,978)
(75,606)
(26,908)
24,740
10,699
(1,544)
(63,960)
(42,461)
(15,566)
16,380
7,538
1,082
(28,097)
(7,146)
(7,554)
(7,141)
(9,556)
5,885
(7,072)
(35,495)
(14,062)
(4,573)
(11,679)
7,166
8,853
10,131
5,349
5,593
4,762
426
11,673
2,815
1,868
4,596
274
21,145
3,560
2,081
2,294
451
(17,046)
(3,184)
(6,888)
(970)
(1,944)
161
(35,007)
(13,981)
(1,602)
(4,147)
(701)
211
99
(49,639)
(25,201)
(1,200)
(2,726)
(792)
(223)
116
( 728)
26,528
42,263
(756)
64,603
(42,944)
680
(39,023)
36,380
(1,239)
320
86,812
(389)
438
6,571
7,009
46,853
3,374
60,040
49,932
452
44,574
(39,817)
439
(43,803)
41,640
(868)
(485)
112,104
487
(1,008)
7,579
6,571
35,246
962
21,493
923
3,399
34,463
(25,773)
–
(34,471)
30,850
(828)
12
30,068
(300)
943
6,636
7,579
22,411
199
営業活動によるキャッシュ・フロー
当期純利益
当期純利益を営業活動によるキャッシュ・フローに調整するための修正:
貸倒引当金繰入額
再構築費用
売却可能有価証券、その他の投資、貸出金およびその他の売却益
繰延法人所得税、純額
減損、減価償却およびその他の償却
会計処理方法変更の累積的影響、税引後
持分法適用会社の純利益に対する持分
純変動:
トレーディング資産
その他の資産
トレーディング負債
その他の負債
その他、純額
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
純変動:
利付銀行預け金
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買入有価証券
借入有価証券
貸出金
収入:
売却可能有価証券の売却
売却可能有価証券の満期償還
その他の投資の売却
貸出金の売却
土地建物および設備の売却
購入:
売却可能有価証券
その他の投資
貸出金
土地建物および設備
企業結合/事業売却による純資金収入(支出)
その他、純額
投資活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
純変動:
預金
貸付有価証券および中央銀行ファンド借入金および買戻条件付売却有価証券
その他の短期借入金
長期債務の発行
長期債務の返済および償還
普通株式の発行
自己株式の購入
自己株式の売却
現金配当の支払
その他、純額
財務活動によるキャッシュ・フロー
現金および銀行預け金に対する為替レート変動の純影響
現金および銀行預け金の純増加(減少)
現金および銀行預け金、期首残高
現金および銀行預け金、期末残高
利息支払額
法人所得税支払額、純額
グループ 5 年間の記録
52 // 53
グループ 5 年間の記録
貸借対照表
単位:百万ユーロ
総資産
貸出金、純額
負債
株主持分合計
BIS規制コア自己資本(Tier I)
BIS規制自己資本
2006
1,126, 230
168,134
1,093,422
32,808
24,498
35,323
2005
992,161
151,355
962,225
29,936
21,898
33,886
2004
840,068
136,344
814,164
25,904
18,727
28,612
2003
803,614
144,946
775,412
28,202
21,618
29,871
2002
758,355
167,303
728,364
29,991
22,742
29,862
2006
6,919
330
11,544
8,247
1,628
28,008
12,649
31
192
7,011
19,883
8,125
2,186
(1)
46
5,986
2005
6,001
374
10,089
7,429
2,121
25,266
10,993
–
767
7,394
19,154
6,112
2,039
544
–
3,529
2004
5,182
372
9,506
6,186
1,044
21,546
10,222
19
400
6,876
17,517
4,029
1,437
120
–
2,472
2003
5,847
1,113
9,332
5,611
478
20,155
10,495
114
(29)
6,819
17,399
2,756
1,327
215
151
1,365
2002
7,186
2,091
10,834
4,024
4,503
24,456
11,358
62
583
8,904
20,907
3,549
372
2,817
37
397
€ 13.31
€ 11.55
€ 2.50
19.5 %
22.2 %
70.2 %
8.9 %
12.9 %
68,849
¤ 7.62
€ 6.95
€ 1.70
12.5 %
16.2 %
74.7 %
8.7 %
13.5 %
63,427
€ 5.02
€ 4.53
€ 1.50
9.1 %
10.5 %
79.9 %
8.6 %
13.2 %
65,417
€ 2.44
€ 2.31
€ 1.30
4.7 %
5.2 %
81.8 %
10.0 %
13.9 %
67,682
€ 0.64
€ 0.63
€ 1.30
1.1 %
10.2 %
78.8 %
9.6 %
12.6 %
77,442
損益計算書
単位:百万ユーロ
純利息収益
貸倒引当金繰入額
手数料およびフィー収益
トレーディング純収益
その他の利息以外の利益
純収益合計(貸倒引当金繰入額控除後)
給与手当
のれんの減損/無形固定資産の減損
再構築費用
その他の利息以外の費用
利息以外の費用合計
法人所得税費用および会計処理方法変更の累積的影響前利益
法人所得税費用
税率変更による1999年度/2000年度貸方計上額の振戻しによる影響
会計処理方法変更の累積的影響、税引後
当期純利益
主要数値
基本的1株当たり純利益
希薄化後1株当たり純利益
1株当たり支払配当金
平均株主持分合計利益率(税引後)
1
調整後平均アクティブ資本利益率(税引後)
費用/収益比率2
BIS規制コア自己資本比率(Tier I)
BIS規制自己資本比率(Tier I+II+III)
従業員数(常勤換算)
1
競合他社との比較を容易にするために、平均株主持分合計利益率に関しては調整を加えた尺度を算出しており、これを「調整後平均アクティブ資本利益率(adjusted return on
average active equity)
」と称している。ただし、米国で一般に認められている会計基準(U.S.GAAP)による実績尺度ではないため、算出方法の違いを考慮せずに他社の比率と
の比較を行うべきではない。比率に調整を加える主な項目は、売却可能有価証券に係る平均未実現純利益
(適用される税効果考慮後)
である。また、年次株主総会の承認後に年
に一度支払われる配当金の影響についても、平均株主持分合計を調整している。この計算に用いた当期純利益は、実効税率の変更による法人所得税費用および振戻し影響額、
会計処理方法の変更による影響について調整している。
2
利息以外の費用合計が、貸倒引当金繰入額控除前の純利息収益に利息以外の収益を加えた額に占める比率。
新しい市場、新たな可能性
MUHAMMAD YUNUS
54 // 55
// ドイツ銀行は、早い時期から、ファイナンスおよび新しいアイデアの双方で、マ
イクロクレジットを支援してくれている。2005年にはマイクロクレジット・コンソー
シアムを設立し、年間で6 億米ドルの資金を提供するまでに成長している。我々は、
こうした活動が、グローバル規模でさらに拡大することを望んでいる。アイデアは
もちろん、ファイナンスを確実に実施していくことが重要な意味を持っている。
ムハマド・ユヌス教授 Professor Muhammad Yunus、2006年ノーベル平和賞受賞者、
グラミン銀行創設者、ダッカ
追加情報
04 //
04 // 追加情報
経営機構
取締役会の報告
56 // 57
取締役会の報告
ドイツ銀行 AG取締役会は、連結財務書類に対して責任を負っている。当該連結財務書類は米国
において一般に認められた会計原則に準拠して作成されたものであり、したがって、ドイツ商法
に従い連結財務諸表を作成する義務免除に関し、2004 年12月9日まで有効だったドイツ商法第
292a 条の条件を満たしている。加えて、欧州連合による開示基準も満たしたものとなっている。
正確な会計処理の責任を果たすためには、効率的な経営および内部管理体制や機能的な監査機
構が不可欠である。当行の内部統制システムは、組織体系や社内手続きを規定する方針や手順
の文書化、債務不履行リスクおよび市場リスクに対応するためのリスク管理の拡充、さらに職務
の分離に基づいており、すべての取引、資産、記録を対象としている。また、当行監査は、グループ
の全部門を対象に、組織上の委任事項の遵守をも含む広範な監査計画に従って実施されている。
KPMGドイチェ・トロイハント- ゲゼルシャフト・アクツィエンゲゼルシャフト経済監査会社は、
ドイツ監査規則ならびに補足的に米国で一般に認められた監査基準に従った連結財務諸表の監
査を行い、非公式の意見を表明した。KPMGドイチェ・トロイハント- ゲゼルシャフトおよびドイ
ツ銀行監査部門は、連結財務書類の評価および内部管理体制の査定に必要なすべての文書を問
題なく入手することができた。
ヨゼフ・アッカーマン
Josef Ackermann
ヒューゴ・バンチガー
Hugo Bänziger
テッセン・フォン・ハイデブレック
Tessen von Heydebreck
アンソニー・ディ・イオリオ
Anthony Di Iorio
ヘルマン- ヨゼフ・ランベルティ
Hermann-Josef Lamberti
04 // 追加情報
経営機構
監査役会報告書
監査役会報告書
2006 年を通じて、監査役会は、経済・財務状況や事業戦略、さらには事業計画について包括的
な議論を行った。取締役会から、経営企画や事業方針、運営戦略、財務、収益状況に関する基
本的事項に加え、リスク管理や当行に重要な取引や事案について、遅滞なく定期的に報告を
受けた。監査役会は根本的に重要性の高い事案の決定に関与した。定例会議のない期間も、監
査役会は取締役会より、重要事項について文書で報告を受けた。また、必要に応じて、文書の回
覧による決議も行われた。さらに、取締役会会長と監査役会会長による定例会議において、重要
事項や今後の決定事項が取り上げられた。
2006 年は、ドイツ銀行にとって素晴らしい業績を達成した年となった。株主資本利益率は複数
年による平均で、25%という目標水準を明らかに上回った。また、すべてのビジネス部門が好業
績に貢献した。2006 年を通じて、献身的にビジネスに邁進した従業員に謝意を表する。
2 段階にわたる経営戦略を達成し、当行は、世界の市場をリードするグローバルな投資銀行にな
ると同時に、個人顧客ビジネスにおいても利益を生む強固な事業基盤を築いた。2006 年には、
取締役会から提起された新たな経営課題について幅広く議論し、承認した。新たな経営課題は、
それまでの2 段階にわたる経営戦略を踏襲しており、引き続き自律的成長を目指し中核ビジネス
への投資を継続すると同時に、注力分野で補完的な買収も行っていく方針である。また、安定的
収益に貢献しているグローバル・トランザクション・バンキングと個人・資産運用ビジネスを引
き続き拡充している。当行は、現在の拡大路線を維持し成功を収める上で、万全の体制を整えて
いる。
監査役会会議
監査役会は、2006 年度中に6回の会議を行った。
2006 年 2月1日に開催された2006 年第1回会議において、2005 年の事業展開および主な財務
状況、配当の提案、2006 年から2008 年までの事業計画について議論した。さらに、アッカーマ
ンが取締役会会長に任命され、その任期は2010 年の年次株主総会の終了まで延長された。一方、
ハイデブレックの任期は2007年の年次株主総会終了まで延長された。
2006 年 3月17日の会議では、2005 年度財務書類を承認、確定した。また、コーポレート・ガバ
ナンス報告書やコンプライアンスならびにマネー・ロンダリング報告書について議論し、2006 年
度年次株主総会の決議案を承認、さらにグループのリスク管理について議論した。予定していた
ベルリン銀行の買収について検討し、各地域における経営・管理やアメリカにおける事業の進展
について報告を受けた。
クレメンス・ベルジッヒ
監査役会会長
58 // 59
2006 年 4月2日の臨時会議で、ブロイヤーは2006 年 5月3日付けで監査役会会長の職を辞する
こと、ならびにその決断の理由を公表した。監査役会会長の職は、複雑な要因がからみあうグロー
バルな金融機関における業務を理解し、また経営陣としての経験を有する人物がふさわしいとの
意見が出された。そこで、監査役会では、内外の広範にわたる候補者を検討した結果、満場一致
で、ベルジッヒの監査役会への異動と同会長就任を決定した。ベルジッヒの取締役会メンバーと
しての職責は、双方の合意のもとで、2006 年 5月3日をもって終了した。さらに、監査役会は、
ベルジッヒの監査役会メンバーへの選任を取締役会に提案する決議を行った。一方、ディ・イオ
リオとバンチガーが、取締役会メンバーに選出された。当会議の後、会長統括委員会は、ベルジッ
ヒとの間で退任時の条件を定める契約を締結した。登録裁判所は、
ベルジッヒを2006 年 5月4日
から2006 年の株主総会終了まで、監査役会メンバーに任命した。2006 年 6月1日の株主総会で、
ベルジッヒは監査役会メンバーに選任され、引き続き開催された監査役会で、当監査役会メンバー
の任期満了まで、監査役会会長に再任された。
2006 年 7月31日の会議では、2006 年上半期の事業展開に関する報告を受けた。さらに、インド
における事業の進捗状況やさらなる事業拡大の可能性について議論した。また、新たな参照事項
や取締役会のための事業配置計画について承認した。
10月31日に2006 年最後となる監査役会が開催され、同年1∼ 9月期の事業展開について詳細に
議論された。特に今後の事業戦略やビジネス部門の拡大、グローバルなネットワークの活用の可
能性に議論が集中した。さらに、人事政策や継承計画についての人事報告書について議論した。
監査役会メンバーは、全員が、2006 年度に開催された監査役会会議に、わずかな例外を除いて
すべて出席した。
監査役会委員会
会長統括委員会は2006 年度中に5回の会議を開催した。取締役会に関連した議題のほか、特に
2005 年の取締役の変動報酬部分の決定や取締役会の継承計画、新たな監査役会メンバーの選任
方法について議論し、監査役会の決議のための準備を行った。さらに、新しい参照事項や取締役
会のための新しい事業配置計画の導入、適合宣言ならびに監査役会と監査役会委員会の参照事
項に関する修正について議論した。
リスク委員会は、6回の会議で、ドイツ法および基本定款の下で承認を必要とする事項に加え、
主要融資のすべておよび内包するリスクの大きい融資について議論し、必要に応じてこれらを承
認した。同委員会は、信用リスク、流動性リスク、カントリーおよび市場リスクとは別に、事業
リスク、法的リスクならびに風評リスクについても広く議論した。さらに、特定の計画に従った
グローバル規模の業種ポートフォリオが提示され、詳細な議論が行われた。
04 // 追加情報
経営機構
監査役会報告書
監査委員会は2006 年度中に5回の会議を開催し、
同会議には当行監査人代表も出席した。議題は、
年次財務諸表および連結財務諸表、四半期財務諸表、米国SEC 様式 20-Fならびに6-K、半期報
告書の監査と承認に及んだ。また、2006 年度監査人選任の提案や監査の焦点を当てるべき領域
の指令、監査人報酬の決議、ドイツ・コーポレート・ガバナンス法ならびに米国上場企業会計監
視委員会(PCAOB)規則に従った監査人の独立性維持管理も行った。監査委員会は、前年度まで
と同様に、
監査人との間に利害関係がないことを確信している。さらに、
国際財務報告基準(IFRS)
に従った会計原則への移行や、内部管理システムの実行に関するサーベンス・オクスレー法の規
定に関して詳細にわたり議論し、その進捗状況について詳しい報告を受けた。また、必要に応じ
て解決策を承認し、監査役会に解決策の提案を行った。監査委員会は、監査と関係のない作業
を含めた監査人による内部監査作業や、法的リスクおよび風評リスクに関する報告書を定期的に
受け取った。
共同決定法の規則に基づき設置された仲裁委員会は、その必要がなかったため、2006 年には開
催されなかった。
各委員会の代表は、それぞれの仕事について定期的に監査役会に報告した。
コーポレート・ガバナンス
前年までと同様に、ドイツ・コーポレート・ガバナンス法および米国サーベンス・オクスレー法
(企
業改革法)による要求基準を満たすため、監査役会、会長統括委員会、監査委員会は数回にわた
り議論した。2006 年 2月には、2005 年秋に実施した当行独自の質問表を使った監査役会の効率
性評価の結果とその改善案について議論した。2006 年10月には、監査委員会も、前もって配布
していた独自の効率性評価を実施し、この調査には当行監査人の代表も参加した。処理すべき案
件の増加に対応するため、2007年以降、原則として12月にも監査委員会を開催することとし、
特に会計に関する課題について議論することが決議された。
取締役会メンバーを除いた監査役会メンバーだけによる特別会議(エグゼクティブ・セッション)
が数度にわたり開催された。
監査役会は、現在有している独立したメンバーの数が適切な人数であると判断した。
2005 年10月に行われた監査役会と取締役会によるドイツ株式会社法第161条(AktG)への適合
宣言は、2006 年 4月2日に修正され、2006 年10月31日に新たに宣言された。2006 年10月31
日の適合宣言を含んだ当行コーポレート・ガバナンスの包括的な記述は、2006 年度ファイナン
シャル・リポートの212∼213 頁に掲載されているが、当行ホームページ(www.deutsche-bank.
com)
でも入手できる。監査役会、監査役会委員会、取締役会の参照事項も同時に入手できる。
60 // 61
利害関係および対処
リスク委員会は、ドイツ銀行法第15 条で規定されている融資の承認を行った。該当する決議を
行う時点で借り手企業の監査役会構成員を兼ねていた当行監査役会メンバーは、議論ならびに
投票に参加しなかった。
前年までと同様に、監査役会は、ドイツ銀行およびブロイヤーに対するキルヒ氏の訴訟に関して
定期的に報告を受け、訴訟への対応方針を議論した。2003 年から2006 年までの各年次株主総
会に関連した無効確認訴訟や情報入手のための手続き、さらに予想される結果について、定期的
に幅広い議論を行った。2006 年 2月1日ならびに2006 年 3月17日に開催された会議では、ブロ
イヤーの出席なしに、監査役会は2006 年1月24日の最高裁の判断の影響について分析し、今後
の対応方針を議論した。
ベルジッヒは、監査役会ならびに監査役会委員会メンバーとして、以前務めていた取締役会メン
バーとしての立場に関連し、利益相反のおそれのあるすべての議題について、議論や投票に参加
しないことを宣言した。
ドイツ商法第 289
(4)
条および第 315
(4)
条に基づく記載
監査役会は、ドイツ商法(HGB)第 289
(4)
条および第 315
(4)
条で要求されている開示事項につい
て、マネジメント・リポートならびに連結財務諸表マネジメント・リポートで議論し、次のよう
に述べている。
引受けられた資本および株式に関する開示情報は、2006 年12月31日時点の状況を適切に反映
している。オプションの権利行使によって当該年度に発行された新規株式は、既存株式とは異な
り、当該年度以降にのみ利益の分配を受けることができる。
ドイツ株式会社法(AktG)
の規制に従って、株主議決権が制限される可能性が存在する。例えば、
ドイツ株式会社法第136 条では、一定の条件のもとで、株主の議決権行使が禁止されている。ま
た、当行は、自社株式について議決権を持たない(ドイツ株式会社法第 71条 b)
。監査役会は、
議決権や株式の移転に関連して、いかなる契約上の制限も認識していない。
04 // 追加情報
経営機構
監査役会報告書
当行は、10%を超える議決権を有する当行株主について、何ら通知を受けていない。このため、
当該事項に関する情報の開示は行われていない。
支配権を付与する特別の権利を有する株式は発行していないため、かかる株式についての記述は
必要とされない。
当行従業員は、当行株主としての議決権行使を他の株主と同様に行うため、従業員が保有する
株主権の特別事項については記載されていない。
取締役会メンバーの就任や退任の開示情報は、法令や定款に従って適切に公表されている。定
款の修正に関する情報も同様に開示されている。
取締役会が株式の発行または買戻しを行う権限は、株主総会の承認した授権に従って、適切に
開示されている。
監査役会は、今後、買収提案に伴って経営権が変更する可能性のある重要な合意があるとは認
識していない。
経営権の変更が発生した場合の報酬についての合意がなされている限度で、当該合意は取締役
会メンバーの独立性の維持に役立っている。他の上級経営陣との同様の合意も、彼らの契約上
の法的地位の保全に役立っている。
年次財務諸表
昨年の株主総会で選任された年次財務諸表の監査人であるKPMGドイチェ・トロイハント- ゲゼ
ルシャフト・アクツィエンゲゼルシャフト経済監査会社(フランクフルト・アム・マイン)は、会
計および 2006 年度財務諸表およびマネジメント・リポート、2006 年度連結財務諸表
(注記を含む)
およびマネジメント・リポートの監査を行い、個々についていずれも留保事項のない適法意見を
表明した。監査役会は、年次財務諸表の監査人による報告書を検討し、監査結果に同意した。
本日、監査役会は取締役会が作成した年次財務諸表を承認し、連結財務諸表に同意する。また、
監査役会は利益配分に関わる提案および無額面株式1株当たり4.00ユーロの配当支払いに同意
する。
62 // 63
人事
2005 年12月21日の最高裁による判決を受け、デュッセルドルフ地裁による審理のやり直しが必
要となっていたマンネスマン裁判が、2006 年11月29日に、刑事制裁ではない一定金額の支払い
を条件に終了した。裁判所は、有罪に関わる証拠がなんら見当たらなかったことが審理中止の背
景にあることを明確に表明しており、これにより当行は、当初より一貫して主張してきた自らの
意見の正当性を確認した。今後、アッカーマンが、当行の成功に向け、経営に全力で邁進できる
ことを喜ばしく思っている。
また、前述した通り、ベルジッヒは、2006 年 5月3日付けで取締役会メンバーを退任した。当行は、
2006 年 5月4日付けで、ディ・イオリオとバンチガーを取締役会メンバーに選出し、各々、チーフ・
ファイナンシャル・オフィサーおよびチーフ・リスク・オフィサーに任命した。ブロイヤーは、
2006 年 5月3日付けで、ドイツ銀行 AG監査役会会長を辞任した。監査役会は、ブロイヤーの 4
年間にわたる、慎重で卓越した指導に謝意を表する。後任として、2006 年 5月4日から2006 年
6月1日までの任期で登録裁判所より監査役会メンバーに任命されたベルジッヒは、監査役会よ
り同会長に選出された。2006 年 6月1日に開催された株主総会において、ベルジッヒは、2008
年の年次株主総会終了時までを任期として、監査役会会長に再選された。2006 年 2月1日まで
監査役会メンバーを務めたフンクの後任として、
カツミールクツァックが残る任期を務めた。モー
ニッヒ・ラーネとヴォーストは、2006 年 6月1日まで監査役会メンバーを務めた。2006 年 6月1
日の年次株主総会で、レヴィーが、残る任期の間の監査役会メンバーに選出された。2006 年 6
月2日には、ヘルツベルクが登録裁判所より、残る任期について監査役会メンバーに任命された。
2006 年 7月15日まで監査役会メンバーを務めたキルヒホーフの後任として、ズィーゲルトが
2006 年 7月16日から2007年の年次株主総会の終了時までを任期として、登録裁判所より任命
された。ズィーゲルトは、2007年 5月24日に開催予定の年次株主総会で監査役会メンバーに立
候補する予定である。
監査役会は、昨年度に退任したすべての監査役会メンバーに対して、これまで数年間にわたる監
査役会に対する献身的な働きと、当行ならびに取締役会に対する建設的な支援に心より謝意を表
する。
2007年 3月21日
フランクフルト・アム・マイン
監査役会
クレメンス・ベルジッヒ
会長
04 // 追加情報
監査役会
監査役会
DR. CLEMENS BÖRSIG
PROF. DR.
HENNING KAGERMANN
Chairman,
Frankfurt am Main
(from May 4, 2006)
Chairman and CEO of SAP AG,
Walldorf/Baden
DR. ROLF-E. BREUER
ULRICH KAUFMANN*
Chairman,
Frankfurt am Main
(until May 3, 2006)
Deutsche Bank AG,
Düsseldorf
PETER KAZMIERCZAK*
HEIDRUN FÖRSTER*
Deputy Chairperson,
Deutsche Bank Privat- und
Geschäftskunden AG,
Berlin
DR. KARL-GERHARD EICK
Deputy Chairman of the Board
of Management of
Deutsche Telekom AG,
Cologne
Deutsche Bank AG,
Essen
(from February 1, 2006)
PROF. DR. DR. H. C.
PAUL KIRCHHOF
University professor, RuprechtKarls-University Heidelberg,
Heidelberg
(until July 15, 2006)
MAURICE LÉVY
KLAUS FUNK*
Deutsche Bank Privatund Geschäftskunden AG,
Frankfurt am Main
(until February 1, 2006)
Chairman and Chief Executive
Officer, Publicis Groupe S.A.,
Paris
(from June 1, 2006)
HENRIETTE MARK*
ULRICH HARTMANN
Chairman of the Supervisory
Board of E.ON AG,
Düsseldorf
GERD HERZBERG*
Deputy Chairman of
ver.di Vereinte Dienstleistungsgewerkschaft,
Berlin
(from June 2, 2006)
Deutsche Bank AG,
Munich
MARGRET MÖNIG-RAANE*
Deputy Chairperson of
ver.di Vereinte Dienstleistungsgewerkschaft,
Berlin
(until June 1, 2006)
PROF. DR. JUR. DR.-ING. E.H.
HEINRICH VON PIERER
Deutsche Bank AG,
Frankfurt am Main
Chairman of the Supervisory
Board of Siemens AG,
Erlangen
ROLF HUNCK*
GABRIELE PLATSCHER*
Deutsche Bank AG,
Hamburg
Deutsche Bank Privat- und
Geschäftskunden AG,
Braunschweig
SABINE HORN*
SIR PETER JOB
London
KARIN RUCK*
Deutsche Bank AG,
Bad Soden am Taunus
DR. THEO SIEGERT
Managing Partner of
de Haen Carstanjen & Söhne,
Düsseldorf
(from July 16, 2006)
TILMAN TODENHÖFER
Managing Partner of
Robert Bosch Industrietreuhand KG,
Stuttgart
DIPL.-ING. DR.-ING. E.H.
JÜRGEN WEBER
Chairman of the Supervisory
Board of Deutsche Lufthansa AG,
Hamburg
DIPL.-ING. ALBRECHT WOESTE
Chairman of the Supervisory
Board and Shareholders’
Committee of Henkel KGaA,
Düsseldorf
(until June 1, 2006)
LEO WUNDERLICH*
Deutsche Bank AG,
Mannheim
* 従業員代表
64 // 65
委員会
会長統括委員会
リスク委員会
Dr. Clemens Börsig
Chairman
(from May 4, 2006)
Dr. Clemens Börsig
Chairman
(from May 4, 2006)
Dr. Rolf-E. Breuer
Chairman
(until May 3, 2006)
Dr. Rolf-E. Breuer
Chairman
(until May 3, 2006)
Heidrun Förster*
Sir Peter Job
Ulrich Hartmann
Prof. Dr. Henning Kagermann
Ulrich Kaufmann*
仲裁委員会
Prof. Dr. jur. Dr.-Ing. E.h.
Heinrich von Pierer
Substitute Member
Dr. Clemens Börsig
Chairman
(from May 4, 2006)
Tilman Todenhöfer
Substitute Member
Dr. Rolf-E. Breuer
Chairman
(until May 3, 2006)
Heidrun Förster*
Ulrich Hartmann
Henriette Mark*
監査委員会
Dr. Karl-Gerhard Eick
Chairman
Dr. Clemens Börsig
(from May 4, 2006)
Dr. Rolf-E. Breuer
(until May 3, 2006)
Heidrun Förster*
Sabine Horn*
Rolf Hunck*
Sir Peter Job
* 従業員代表
04 // 追加情報
補足情報
用語解説
用語解説
調整後平均アクティブ株主資本利益
率
競合他社との比較を容易にするため
に、調整を加えた尺度。株主持分利
益率に対して、主に、当行が保有す
る上場事業会社株式ポートフォリオ
の未実現利益総額およびこれに関係
する税効果に関して調整を加える。
保有株式を売却し、これに伴う利益
が当行の事業に使用された時点で、
実現損益(税引後)が「アクティブ資
本」に含められる(平均株主持分合計
利益率
(ROE)
参照)
。
オルタナティブ資産 / 投資
プ ライベ ート・エクイティ、ベ ン
チャー・キャピタル、メザニン・キャ
ピタルへの直接投資、不動産キャピ
タル投資、レバレッジド・バイアウト・
ファンド投資、ベンチャー・キャピ
タル・ファンド、ヘッジファンド(別
記参照)
。
米国預託証券
(ADRs)
米国銀行が発行し、米国銀行に預託
した非米国株式を表す譲渡可能預か
り証書。手続きの簡略化やコスト削
減、米国証券市場における売買の増
加につながっている。
資産担保証券
(ABS)
特定タイプの支払債権を取引可能な
形態にした証券。特定の金融資産の
リパッケージにより証券化(別記参
照)
される。
BIS
国際決済銀行
(本拠はバーゼル)
。
BIS 規制自己資本比率
規制目的により、自己資本とリスク
加重ポジションの比率をパーセント
表示した数値。国際業務を行う銀行
にとって重要な指標。最低でも自己
資本比率で 8%、コア自己資本比率
で 4%が必要とされている。
補完的資本はコア資本の 100%に限
定され、また、補完的資本とみなさ
れる長期劣後債はコア資本の 50%に
限定される。
ブラック・エコノミック・エンパワー
メント
2003 年のブラック・エコノミック・
エンパワーメント政策による広義の
定義では、多様で、しかも統合され
た社会経済戦略に基づき、あらゆる
黒人の経済進出を支援することを意
味する。
キャッシュ・フロー計算書
当会計年度中に、企業による事業、
投資、財務活動の結果として発生、
消費したキャッシュ・フローの計算・
提示、ならびに期首・期末における
現金および現金等価物(現金準備)の
調整。
ブックビルディング
各投資家の需要と発行体の資金調達
ニーズを合致させ、発行価格を決定
していく発行プロセス。
キャッシュ・マネジメント
事業法人や金融機関が、財務活動の
最適化を図るために行う、ドル、ユー
ロ、その他通貨建ての流動資産管理。
投下資本に対する現金収益比率
(Cash Return on Capital Invested)
ブローカー /ブローカレッジ
ブローカーは、銀行や個人投資家か (CROCI、クロッキー)
ら証券売買の注文を受け、顧客に代 企業の投資収益を判断するために、
わって注文を執行することで、通常、 株式アナリストが利用している指
標。クロッキーは、総投下資本に対
手数料を受け取る。
する収益比率を意味し、それを資本
コストと対比することで企業のバ
リューが計測できる。
バイアウト
企業の全体もしくは一部の買収、あ
るいは特定事業の買収。
決済
支払いの送金、調整、場合により確
認のプロセス。
BIS 基準自己資本
1988 年のバーゼル合意(1996 年 1月
に最終改訂)に基づき、国際業務を
行う銀行に対して規制目的で設定さ コーチング
れた自己資本。資本構成は以下の通 管理能力やコミュニケーション・ス
り。
キルなどの従業員のパフォーマンス
− コア資本(Tier I)
:主に株式資本、 の改善を目指して、コーチの個別指
剰余金、ハイブリッド資本。
導のもとで行う教育・能力開発。
− 補完的資本(Tier II)
:主に参加資
本、長期劣後債、上場証券の未実
現利益、その他貸倒引当金。
債務担保証券
(CDOs)
− Tier III:主に短期劣後債、Tier II 債券、ローン、デリバティブなどの
資本超過額。
資産ポートフォリオを裏付けとした
66 // 67
投資商品。裏付け資産の多様化によっ
て、投資家は投資の安全性をある程
度確保できるが、CDOの格付けは裏
付けとなる資産の質により異なる。
コミットメント
従業員は、目標や価値を会社と共有
するとき、意欲を持って職責を果た
し、会社への帰属意識を持つ
(コミッ
トする)
。
コーポレート・ファイナンス
法人顧客向け資本市場関連ビジネ
ス、特に個々の顧客ニーズに応じて
革新的なアドバイザリー・サービス
を提供する金融ビジネスの一般的総
称。
費用 / 収益比率
一般的には、営業収益に対する営業
費用の割合を示し、企業のコスト効
率を表す。ここでは、純利息収益と
利息以外の収益の合計に占める利息
以外の費用合計の割合を表す。
デット・プロダクツ
単一もしくは複数の民間企業や公的
機関による債務・債権などの売買可
能商品。同様の値動きを示す外国為
替や商品契約を含む広範な商品を意
味する。
デリバティブ
株式、債券、外国為替、指数など原
取引の価格、価格変動、価格予想に
よって価値が変動する商品。スワッ
プ、オプション、先物(すべて別記
参照)
などを含む。
株式資本市場
(ECM)
主に、企業の IPO(株式新規公開)や
新規株式募集に関連した業務。公的
機関の民営化も含まれる。
エクイティ・プライム・サービス
当行のエクイティ・プライム・サー
ビスでは、ヘッジファンドを対象に、
オルタナティブ投資のニーズに対応
した一連のサービスを提供してい
る。
ユーロ・コマーシャル・ペーパー・
プログラム
発行体が柔軟に無担保短期債券を発
ディストレスト・デット
銀行融資、債券、履行ボンド・保証債、 行するための資金調達プログラム。
清算債権、貿易債権、株式・株式関 一定期間に複数回の発行が可能であ
連債などあらゆる証券で額面割れと る。
考えられるもの。
ダウ・ジョーンズ持続性指数
(DJSI)
DJSIは、環境および社会的貢献を追
求する企業によって構成されている
指数であり、当行は指数導入当初よ
り、DJSI World および DJSI STOXX
の 構 成 銘 柄 と な っ て い る。www.
sustainability-index.com
クレジット・デフォルト・スワップ
第三者のデフォルト・リスクを貸し
手から相手方に移す契約。相手方は、
貸し手から定期的な支払い(保険プ 1株当たり利益
(EPS)
レミアム)
を受け取る代わりに、リス 米 国 に お け る 一 般 的 な 会 計 原 則
クに対して保証する。
(U.S. GAAP 参照)に従った数値で、
平均普通株式数に対する純利益を表
す。発行済みストック・オプション
クレジット・トレーディング
や株式分割、転換社債の転換・行使
ローン(貸付)やクレジット関連商品 によって株式数の増加が見込まれる
のトレーディング。
場合は、基本的 EPS に加えて、希薄
化後 1 株当たり利益も報告しなけれ
ばならない。
カストディ(証券保管)
証券の保管・管理、および追加的な
証券サービス。
エマージング・マーケット
発展途上国で拡大している市場、主
に金融市場を意味する。
ユーロ・ミディアム・ターム・ノート
(MTN)
無担保債券を複数回に分けて柔軟に
発行するための資金調達プログラ
ム。発行体のニーズにより、発行額、
通貨、期間(1∼ 10 年)を自由に設定
できる。ユーロMTNは、ユーロ市
場において主に米ドル建てで発行さ
れ、銀行シンジケート団により完売
が保証されている。
フェアー・バリュー(公正価格)
十分な判断能力を備えた、独立した
両者間で交換される資産や債務の価
格。市場価格と一致することが多い。
ファミリー・オフィス
複雑で多額の資産を持つ富裕層(一
族)に対して提供する金融サービス。
完全に独立した立場から、個々の資
産の最適な管理と包括的な調整を行
い、顧客の利益を守る。
04 // 追加情報
補足情報
先物
(フューチャーズ)
数量、質、引渡期日が標準化された
先物契約。マネーマーケットや資本
市場、貴金属・為替市場において、
将来の一定期日に、あらかじめ合意
された価格で取引が行われる。契約
の履行に関しては、株式関連先物の
ケースにみられるように、
(証券の引
渡しではなく)現金による決済が規
定されている場合が多い。
用語解説
米国においては投資家の数が 100 人
以下に限定されているため、通常、
最低投資額は 100 万ドルとなってい
る。また、ヘッジファンドの投資リ
ターンは伝統的投資によるリターン
と相関しないケースが多い。
水準に評価されることにある。
レイトステージ(上場間近)プライ
ベート・エクイティ
年数やキャッシュ・フローの観点か
ら、投資機会が「成熟」した部類に属
する未上場企業への投資。
IFRS(国際財務報告基準)/ 前IAS(国
際会計基準)
グローバル規模で比較可能で透明性 レバレッジド・バイアウト
のある会計報告やディスクロージャー 企業の全部もしくは一部、または特
グローバル・リアル・エステート・ の確立を目指して、国際会計基準審 定事業をデット・ファイナンス
(借入
オポチュニティーズ・ファンド
によって買収すること。買収した
議会
(IASC)
が設定した財務諸表に関 金)
クローズド・エンド型の不動産投資 する報告基準。投資家が経済的判断 企業の将来収益を、買収に要した債
信託。欧州、アジア / 太平洋、アメ を下すのに役に立つ情報提供を主目 務の返済に充てる。
リカ地域(北 / 中南米)の首都圏に所 的とする。
在する実物不動産、不動産ジョイン
トベンチャーや不動産会社の株式、
長寿リスク
(Longevity Risk)
不動産担保不良債権、無担保不良債 インベストメント・アンド・ファイナ 年金基金が、予想より高い支払いを
権で構成されるポートフォリオを有 ンシャル・センター
被るリスク。
する。
個人顧客および中堅企業を顧客対象
に近代化を図った当行の支店。窓口
を一本化することで、幅広い商品や マネジメント・バイアウト
貿易金融
(グローバル・トレード・ファ 投資アドバイスを提供する最新の体 経営陣による企業の発行済み株式全
イナンス)
体の買収を意味し、買収により上場
制を整えている。
当行の貿易金融および貿易リスク・
が廃止される。
サービスを統合した業務部門。多国
籍企業、大手企業、成長企業、公的 インベストメント・バンキング(投資
機関などの金融機関や法人顧客を対 銀行業務)
MASTER-KAG
象に、輸出金融業務やリスクヘッジ・ 一般に資本市場関連ビジネスを指 一つの機関投資家の資産すべてを、
ビジネスを行う。
す。主に、証券の発行・売買、デリ ドイツの投資会社(KAG)によって運
バティブ(別記参照)
、金利・為替管 営 さ れ て い る 法 的 組 織
理、コーポレート・ファイナンス
(別 (Spezialfonds、スペシャルファンド)
営業権
記参照)
、M&A アドバイザリー、ス へ統合すること。会計、報告、リス
企業の買い手が、対象企業の将来に トラクチャード・ファイナンス、プ ク管理の集中と合理化が図られる。
わたる利益を考慮に入れ、資産・負 ライベート・エクイティ(別記参照)
債価値のフェアー・バリュー(別記 などのビジネスを行う。
参照)
を超過して支払う金額。
メザニン
メザニン投資は、主に株式要素(一
般的にはワラント)を有した債券へ
インベスター・リレーションズ
ヘッジファンド
企業と現在および将来の(潜在的)資 の投資で構成される。この債券は、
空売りやレバレッジ、デリバティブ 本提供者を結ぶ、体系的・継続的な 通常、発行体の銀行債務の下位に、
(別記参照)など、ミューチュアル・ 双方向の財務コミュニケーション。 また、その他債券や優先株式、普通
ファンドが投資できない投資戦略を 主な企業活動や業績、事業戦略、経 株式の上位にランクされる。
駆使したファンドで、一般的に機関 営に関する情報を提供する。活動の
投資家や個人富裕層を顧客とする。 目的の一つは、株式が市場で適正な
68 // 69
モーゲージ担保証券
(MBS)
ポートフォリオ管理
モーゲージ・ローン(住宅抵当融資) 顧客向けの証券ポートフォリオの運
を担保とする証券。
用ならびに管理(ポートフォリオ参
照)
。ポートフォリオの継続的な見直
しや顧客の合意のもとで売買を実行
オプション
することもある。
証券や外国為替などの特定資産を将
来の特定期日(あるいは期日前)に、
予め決められた価格で、相手方(オ 元本確保型ファンド・オブ・ファン
プション売り手)から買う権利(コー ズ
ル・オプション)
、あるいは相手方
(オ プライベート・エクイティ・ファン
プション買い手)
に売る権利
(プット・ ドに投資する一連の投資ファンド
オプション)
。
で、元本返済を無条件に保証するも
の。
OTC デリバティブ
証券取引所ではなく市場参加者間
(店頭)で直接相対で取引される金融
派生商品
(デリバティブ参照)
。
記名株式
特定の者の名前により登録された株
式。株式会社法の規定により、登録
者の個有情報や所有株式数は株式名
簿に記録される。株式名簿に記載さ
れた者だけが当該企業の株主と見な
され、例えば株主総会における権利
など、あらゆる権利を行使できる。
レポ
(買戻し条件付取引)
売却した証券の買戻しの合意(資産
の所有権は売り手に留保される買戻
し契約)
。買い手の立場からはリバー
ス・レポとなる。
プライベート・エクイティ
(ROE)
未公開株式への投資。ベンチャー・ 平均株主持分合計利益率
キャピタルやバイアウト・ファンド 一般的には、企業の収益状況を示す
比率として、期間利益(純利益)の使
などが主な例。
用資本に対する割合として示され
パフォーマンス・マネジメント・プ
る。ここでは、当年度中に使用され
ロセス
パブリック・プライベート・パートナー た平均株主持分に対する純利益の割
従業員の同意のもとでの目標設定や シップ
合を意味する(調整後平均アクティ
(PPP)
パフォーマンス(業績)評価を促進す 公的セクターと民間投資家の長期間 ブ株主資本利益率参照)
。
るプロセス。従業員は、自らの行為 にわたる協力によって、インフラ関
が当行のビジネス戦略に沿ったもの 連プロジェクトの効率性向上を目的
であることの確認や、パフォーマン とする。
サーべンス・オクスレー法
(SOX)
企業・会計スキャンダルの発生を受
スの現状に関して常にフィードバッ
クを得られる。これにより、従業員
け、コーポレート・ガバナンス
(企業
の今後のキャリア計画や昇進や報酬 クオンツ投資
統治)の強化や投資家心理の回復を
に関する評価の包括性・透明性が高 株式、債券、ヘッジファンド(別記 目的として、2002 年に成立した米国
まる。
参照)のポートフォリオ(別記参照)
。 における資本市場法。取締役会の責
ポートフォリオの運用は、基本的な 任の拡大から米国株式市場の上場企
投資原則のもと、体系的・規則的に 業を対象とした刑罰に至るまで、幅
ポートフォリオ
行われ、投資選択は、定量的(クオ 広い規制の強化・新設を行った。
一般的には、資産(証券、ローン、 ンツ)手法を駆使して大量のデータ
株式投資、不動産など)の一部ある を処理し決定する。
いは全体を意味し、リスク分散を主
証券化
な目的に組成される。ここでは、価
一般的には、株式や債券などの証券
格リスクの観点から、証券やデリバ 格付け
に具現される権利。ここでは、ロー
ティブ(別記参照)など類似した取引 社外的には、発行体の信用状態と証 ンや様々な債権を、債券やコマー
のコンビネーションを意味する。
券の標準化された評価を意味する。 シャル・ペーパーなどの証券を発行
専門の格付け会社が実施。社内的に することにより転化することを意味
は、債務者に関連したあらゆるエク する。
スポージャーの詳細なリスク査定を
意味する。
04 // 追加情報
補足情報
株主価値
経営・事業戦略上の意思決定を下す
際に、企業価値の着実な増大に重き
を置く経営理念。資本コストを上回
るリターンだけが株主に付加価値を
創出する、という主原則に従ってい
る。
用語解説
価格差から利益を生むことを目的と
したポジションをとることを意味す
る。
法人信託サービス
証券に関する幅広い管理サービス。
例えば、証券の保管(カストディ)や
管理(トラスティ)
、発行、元利支払
い事務、ADRs
( 別記参照)の預託業
務などがある。
シングル・マネジャー・ヘッジファ
ンド
ある特定の投資戦略に従った証券・
金融商品に直接投資するヘッジファ
ンド。
U.S.GAAP(米国で一般に認められ
ている会計原則)
財務会計基準審議会(FASB)および
スペシャルティ・フィクスト・インカ 米国公認会計士協会(AICPA)によっ
ム
て作成された米国会計原則。このほ
ハイイールド債や CDOs
( 別記参照) かにも、米国証券取引委員会(SEC)
などの仕組み債への投資。
の提供する解釈や説明は、特に証券
取引所に上場している企業にとって
意味を持っている。国際会計基準
持続性
(サステイナビリティ)
(IAS)や国際財務報告基準(IFRS)と
将来に備えつつ、生活・社会基盤を 同じく、特に投資家の意思決定にお
持続的に発展させることを目指し いて有益な情報を提供することを主
た、経済、生態環境、および社会的 な目的としている。
責任の相互作用を意味する。
スワップ
一般的には、ある支払いフローを他
の支払いフローと交換することを意
味する。金利スワップでは、同一通
貨の金利支払いを異なる条件(固定、
変動金利など)に交換すること。為
替スワップでは、異なる通貨間で金
利支払いおよび元本を交換すること
を指す。
トレーディング収益
トレーディング・ポートフォリオで
保有するポジションの実現・未実現
損益およびトレーディング目的で保
有するデリバティブ(別記参照)の純
金利収入。トレーディングとは、一
般に、頻繁な売買を指し、短期的な
米国REITファンド
不動産投資信託(REIT)は、収益を生
む不動産を所有し、多くの場合その
管理も行う法人である。不動産融資
を 行 うREIT も 存 在 す る。REIT は、
課税所得の最低でも 90%を配当の形
で、毎年、株主に分配しなければな
らない。米国 REIT ファンドは、取引
可能な REIT に投資しているミュー
チュアル・ファンド。
補足情報
連絡先 / 刊行物
70 // 71
連絡先/刊行物
ドイツ銀行 AG
60262フランクフルト・アム・マイン
タウヌスアンラーゲ 12 階
ドイツ
電話:+49 69 9 10-00
電子メール:[email protected]
将来の事象見通しに関する記述について 財務諸表に関する刊行物
の注意
ドイツ銀行グループ 2006 年年次報告書
本年次報告書には、将来の事象に関する は、2006 年アニュアル・レビューおよび
記述が含まれています。将来の事象に関 2006 年ファイナンシャル・リポートの 2
する記述とは、歴史的事実ではない記述 部により構成されています。
であり、当行の考えや予想が含まれます。
本報告書中の、当行の意図、考え、予想 2006 年アニュアル・レビュー
インベスター・リレーションズ
または予測(およびその基礎となる前提) (ドイツ語、英語、日本語)
電話:+49 69 9 10-3 80 80
の記述はいずれも、将来の事象に関する
電子メール:[email protected]
記述です。これらの記述は、当行経営陣 2006 年ファイナンシャル・リポート
が現在入手可能な予定、推定および計画 (ドイツ語、英語)
インターネット上の 2006 年アニュアル・ に基づいています。従って、将来の事象
レビューおよびファイナンシャル・リポー に関する記述は、あくまで当該記述がな 様式 20-F
ト
(英語)
された日現在のものであって、当行はこれ (英語)
www.deutsche-bank.com/06
らの記述に関して、新しい情報や将来生
起した事象があっても、これを更新して公 ドイツ銀行 AG2006 年度財務諸表および
表する責任は負いません。
マネジメント・リポート
(ドイツ語、英語)
将来の事象に関する記述は、その性質上
リスクおよび不確実性を含みます。従っ 2006 年マンデイト・リスト
て、いくつかの重要な要因が作用して、 (ドイツ語、英語)
現実の結果を、将来の事象に関する記述
に含まれる結果とは大きく異なるものにす 2006 年株主構成リスト
る可能性があります。これらの要因には、 (ドイツ語、英語)
ドイツ、
欧州、
米国および当行がトレーディ
ング収益の重要な部分を得ているその他 諮問評議会委員リスト
地域における金融市場の動向、借り手ま (ドイツ語)
たは取引相手による将来の債務不履行、
経営戦略の実施、リスク管理の方針、手 2006 年社会的責任報告書
続きおよび方法への信頼性、ならびに米 (2007 年 5 月以降、ドイツ語、英語)
国証券取引委員会(SEC)への情報開示に
関連するリスク等が含まれます。このよう
な要因については、SECに提出した当行 これらの刊行物をご要望の方は、
の 2007 年 3 月27日付年次報告書(Form 以下までご連絡ください。
20-F)に、
「リスク・ファクター」の表題の - 電子メール
もとに詳しく記載されています。当該報告
[email protected]
書の写しは、請求により入手可能であり、
また、www.deutsche-bank.com/ir から - インターネット
ダウンロードすることができます。
www.deutsche-bank.com/06
- ファックス
+49 18 05 0 70 808
- 電話
+49 18 05 802 200
撮影
Wolfgang von Brauchitsch(ボン)
2、58 頁
Andreas Pohlmann(ミュンヘン)
6//7 頁
Albrecht Fuchs(ケルン)
8//9、22//23、46//47、54//55 頁、表紙
- 郵便
arvato logistics services
Bestellservice Deutsche Bank
Gottlieb-Daimler-Straße 1
33428 Harsewinkel
Germany
2006 年アニュアル・レビュー(日本語)
は、
www.japan.db.comからダウンロードす
ることができます。
市場間の境界が薄れていくに伴い、商品やサービス、流動性、資本、そ
して優秀な人材の移動も加速しています。こうした流れはもはや止めるこ
とができませんが、私たちはむしろこれを積極的に捉えるべきだと考えま
す。なぜなら、異なる国や環境、金融サービスに対する多様なニーズには
学ぶべき点が多いからです。私たちドイツ銀行が大きな可能性を秘めて
いるのは、まさにこの点にあります。適切な商品を適切な価格と条件で、
迅速に提供する者こそがビジネスを制するのです。このことは、現在だけ
でなく将来においても真実であり続けるでしょう。//
グローバルな
ネットワーク
グローバルなネットワーク
ニューヨーク
ロンドン フラ
ランクフルト
各地域の主要拠点
支店/子会社
駐在員事務所
個人・中堅企業向け支店
シンガポール
東京
2007/2008 年財務カレンダー
2007/2008 年財務カレンダー
2007 年
2007年 5月8日
2007年 3月31日時点中間報告
2007 年 5月24日
年次株主総会
フランクフルト・アム・マイン フェストハレ
(エキシビション・センター)
にて
2007年 5月25日
配当金支払
2007年 8月1日
2007年 6月30日時点中間報告
2007年10月31日
2007 年 9月30日時点中間報告
2008 年
2008 年 2月7日
2007年度決算発表
(暫定)
2008 年 3月26日
2007年度年次報告書および様式 20-F
2008 年 4月29日
2008 年 3月31日時点中間報告
2008 年 5月29日
年次株主総会
フランクフルト・アム・マイン フェストハレ
(エキシビション・センター)
にて
2008 年 5月30日
配当金支払
2008 年 7月31日
2008 年 6月30日時点中間報告
2008 年10月30日
2008 年 9月30日時点中間報告
新しい市場、新たな可能性
ドイツ銀行は、急速に変化する世界にあって、世界中の多くの
人や企業と、枠を超えたコミュニケーションを図っていく必要
に迫られています。新しい市場を理解するためには、対話をは
かり、新しいものを積極的に取り入れる能力が重要です。
ドイツ銀行は、株主、顧客、従業員、社会といった、あらゆる
ステークホルダーに深くコミットしています。2006 年のアニュ
アル・レビューでは、こうしたステークホルダーを代表して、
次の 4 人に、当行の本年のテーマである「新しい市場、新たな
可能性」
について話してもらいました。
・ソフィア・ネブロコプリス Sofia Nevrokoplis、フォーティス・
インベストメンツ、ポートフォリオ・マネジャー / 株式アナリ
スト-European Financials、パリ
・ゼラ・ファフェ Zellah Fuphe、ワールドワイド・アフリカン・
インベストメント・ホールディングズ、マネージング・ディ
レクター兼 CEO、ヨハネスブルグ
・カーロス・アルバレツ Carlos Alvarez、グローバル・バンキ
ング ドイチェ・バンク・セキュリティーズ、ニューヨーク
・ムハマド・ユヌス教授 Professor Muhammad Yunus、
2006 年ノーベル平和賞受賞者、グラミン銀行創設者、ダッカ
Fly UP